JP4366758B2 - 領域抽出装置および領域抽出方法、ならびに領域抽出プログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

領域抽出装置および領域抽出方法、ならびに領域抽出プログラムを記録した記録媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は領域抽出装置および領域抽出方法、ならびに領域抽出プログラムを記録した記録媒体に関し、より詳細には、画像中から人物の顔、手、髪、唇などの特定の部分の領域を抽出する領域抽出装置および領域抽出方法、ならびに領域抽出プログラムを記録した記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、画像中に含まれる人物の顔の領域だけを抽出する研究がなされている。特開平9−44670号公報には、入力された画像信号から色相値を計算し、導出された色相値を有する画素の数をカウントすることにより、画像中に含まれる人物の肌の色を判定し、判定された色相値の画素を抽出して、人物の顔の領域を抽出する技術が開示されている。より詳細には、入力された画像信号から画素ごとに色相値Hを次式(1)を用いて計算する。このとき、画像信号に含まれる画素は、R(赤)、G(緑)、B(青)の3つのデータを含んでいる。
【0003】
【数1】
Figure 0004366758
【0004】
そして、色相値Hが所定の範囲内に含まれる画素の数をカウントし、入力された画像信号中に顔の領域が占める割合を考慮して、画像信号に含まれる人物の肌の色を決定する。決定された肌の色から色相値の範囲を特定し、特定した色相値の範囲に含まれる画素を入力された画像信号から抽出する。このようにして入力された画像信号から人物の顔の領域が抽出される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平9−44670号公報に記載の技術は、色相値が所定の範囲内にある画素を抽出することにより、画像中から顔が表わされた特定領域を抽出するようにしているので、顔に表われる影などの影響で特定領域の色相がある範囲で分布している場合には、特定領域を正確に抽出することができなかった。特に、顔の輪郭部分は、影が表われることが多いので、輪郭部分が抽出されない場合が多い。このため、抽出された画像から顔の輪郭を特定することができなかった。
【0006】
また、特定領域で色相が分布する範囲を包含するまで抽出する色相値の範囲を拡げることにより、特定領域を抽出することができるけれども、特定領域以外の領域、たとえば、顔の色相と似通った色相を有する背景の領域も抽出されてしまうといった不都合があった。
【0007】
この発明は、上述の問題点を解決するためになされたもので、画像中で抽出の対象となる特定領域中の画素値にばらつきがある場合であっても、特定領域を従来より正確に抽出することができる、領域抽出装置および領域抽出方法、ならびに領域抽出プログラムを記録した記録媒体を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するためにこの発明のある局面に従うと領域抽出装置は、入力された画像を複数の領域に分割する分割手段と、分割された複数の領域ごとに所定の値の画素が占める割合を求める演算手段と、複数の領域のうち、演算手段で求めた割合が第1の値を超える領域を抽出する抽出手段とを備える。また、第1の値が、複数の領域の大きさにより異なることを特徴とする。
【0009】
好ましくは領域抽出装置の分割手段は、複数の領域のうち、割合が第1の値を超えない領域を新たな分割処理の対象の画像として入力することを特徴とする。
【0010】
さらに好ましくは領域抽出装置の分割手段は、割合が第1の値を超えない領域のうち、所定の大きさより小さい領域は、新たな分割処理の対象の画像として入力しないことを特徴とする。
【0011】
さらに好ましくは領域抽出装置の分割手段は、割合が第1の値を超えない領域のうち、割合が第2の値より小さい領域は、新たな分割処理の対象の画像として入力しないことを特徴とする。
【0012】
さらに好ましくは領域抽出装置の分割手段は、入力された画像を4つの領域に分割することを特徴とする。
【0014】
この発明の他の局面に従うと領域抽出方法は、制御部を備えた画像処理装置により実行される、画像から被写体の特定領域を抽出するための方法であって、制御部が、入力された画像を複数の領域に分割する分割ステップと、制御部が、分割された複数の領域ごとに所定の値の画素が占める割合を求める演算ステップと、制御部が、複数の領域のうち、演算手段で求めた割合が、複数の領域の大きさにより異なるしきい値を超える領域を特定領域として抽出する抽出ステップとを含む。
【0015】
この発明のさらに他の局面に従うと領域抽出プログラムを記録した記録媒体は、入力された画像を複数の領域に分割する分割ステップと、分割された複数の領域ごとに所定の値の画素が占める割合を求める演算ステップと、複数の領域のうち、演算手段で求めた割合が、複数の領域の大きさにより異なるしきい値を超える領域を抽出する抽出ステップとをコンピュータに実行させるための領域抽出プログラムを記録する。
【0016】
これらの発明に従うと、画像中で抽出の対象となる特定領域に含まれる画素値にばらつきがある場合であっても、特定領域を従来より正確に抽出することができる領域抽出装置および領域抽出方法、ならびに領域抽出プログラムを記録した記録媒体を提供することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、図中同一符号は同一または相当する部材を示す。
【0018】
[第1の実施の形態]
図1は、この発明における領域抽出装置が適用される画像処理装置のハード構成を示すブロック図である。図を参照して、画像処理装置は、画像処理装置全体を制御するための制御部100と、肌色を表わすR,G,Bの値の複数の組を記憶するための色データベース112と、入力された画像または領域分割部110で分割された領域中に含まれる所定の画素値を有する画素の数を計数するための画素数計数部102と、画素数計数部102で計数の対象となった領域が抽出すべき条件に適合しているかどうかを判定するための適合判定部104と、適合判定部104で適合と判定された領域を抽出するための領域抽出部106と、適合判定部104で不適合と判定された領域を分割するか否かを判定するための分割判定部108と、分割判定部108で分割が必要と判定された領域を4分木画像分割法により分割するための領域分割部110とを含む。なお、図中の太線はデータの流れを示し、細線は制御信号の流れを示す。
【0019】
画素数計数部102は、入力された画像について、色データベース112に記憶されているRGB値と一致する画素の数を計数する。画素数計数部102に入力される画像は、画像処理装置に最初に入力される画像である場合と、後述する領域分割部110で4つの領域に分割されたそれぞれの領域の画像である場合とがある。以下、説明のため画素数計数部102に入力される画像を処理画像という。処理画像は複数の画素を有し、それぞれの画素はR,G,Bの3つの値を有する。
【0020】
色データベース112は、R,G,Bの3つの値の組を複数記憶している。記憶されている組は、肌色を表わすR,G,Bの値の組合せである。肌色は、色の白い人の肌の色を表わす肌色から、色の黒い人の肌の色を表わす肌色まで色相に違いがある。これらの色相の違いを考慮して、R,G,Bの3つの値の組合せが複数選択されて記憶されている。
【0021】
適合判定部104は、処理画像が抽出するべき色相の画素を十分に含んでいるか否かを判定する。この判定は、色相占有率が所定のしきい値を超えるか否かにより行なう。色相占有率とは、処理画像が含む画素の数に対する画素数計数部102で計数された画素の数の割合をいう。
【0022】
領域抽出部106は、適合判定部104で、処理画像が抽出するべき色相の画素を十分に含んでいると判定された処理画像を抽出する。抽出されるデータは、処理画像と、その処理画像に関する画像処理装置に入力される画像中の位置および大きさを表わすデータである。
【0023】
分割判定部108は、適合判定部104で抽出すべき色相の画素を十分に含んでいないと判定された処理画像について、処理画像をさらに分割する必要があるか否かを判定する。この判定は、処理画像が所定の大きさよりも小さいか否かの判定、または、適合判定部104で求めた色相占有率が所定の値より小さいか否かの判定である。
【0024】
領域分割部110は、分割判定部108で分割が必要と判定された処理画像を4分木画像分割法により4つの領域に分割する。分割された4つの画像は、新たな処理画像として画素数計数部102にそれぞれ入力される。
【0025】
ここで、領域分割部110で行なわれる処理画像の分割について説明する。図2は、処理画像の分割を説明するための図である。図を参照して、画像処理装置に最初に入力された画像を処理画像Iとして示している。処理画像Iは、512画素×512ラインの画素からなる。処理画像の分割は、処理画像Iを4つの領域に分割する。具体的には、処理画像Iのそれぞれの画素の位置を、I(i,j)(i=0, 1, …,511 ;j=0, 1, …, 511 )として表わすと、分割された4つの処理画像は、次のようにして表わすことができる。
【0026】
(1) 処理画像I0
0 (i,j)(i=0, 1, …,255 ;j=0, 1, …, 255 )
(2) 処理画像I1
1 (i,j)(i=256, 257,…,511 ;j=0, 1, …,255 )
(3) 処理画像I2
2 (i,j)(i=0, 1, …,255 ;j=256, 257,…,511 )
(4) 処理画像I3
3 (i,j)(i=256, 257,…,511 ;j=256, 257,…,511 )
図3は、図2に示す処理画像I0 ,I3 をさらに分割した状態を示す図である。処理画像I0 を4分割すると、新たに4つの処理画像I00,I01,I02,I03に分割される。また、処理画像I3 を4分割すると、4つの処理画像I30,I31,I32,I33に分割される。
【0027】
処理画像I0 を4分割したときのそれぞれの処理画像I00,I01,I02,I03は次のように表わされる。
【0028】
(1) 処理画像I00
00(i,j)(i=0, 1, …, 127 ;j=0, 1, …,127 )
(2) 処理画像I01
01(i,j)(i=128, 129,…,255 ;j=0, 1, …,127 )
(3) 処理画像I02
02(i,j)(i=0, 1, …, 127 ;j=128, 129,…,255 )
(4) 処理画像I03
03(i,j)(i=128, 129,…,255 ;j=128, 129,…,255 )
処理画像I3 を4分割した処理画像I30,I31,I32,I33についても同様に表わすことができる。
【0029】
このように、領域分割部110は、処理画像を4分木(quadtree)分割する。
図1に戻って、制御部100は、外部記憶装置114と接続されている。外部記憶装置は、光磁気ディスク、デジタルビデオディスク(DVD)等の記録媒体116に記憶されたプログラムやデータを読込むためのドライバである。また、記録媒体116に記憶されている画像データを読込むこともできる。さらに、領域抽出部106で抽出された抽出データを記録媒体116に書込むこともできる。
【0030】
なお、画素数計数部102、適合判定部104、領域抽出部106、分割判定部108および領域分割部110で行なう処理を実行するためのプログラムを記録媒体116に記録し、記録されたプログラムを外部記憶装置114で読込むことにより、制御部100で実行するようにしてもよい。この場合には、画素数計数部102、適合判定部104、領域抽出部106、分割判定部108および領域分割部110は不要である。
【0031】
次に、画像処理装置で行なわれる処理の流れについて具体的に説明する。図4は、画像処理装置で行なわれる領域抽出処理の流れを示すフローチャートである。図を参照して、画像処理装置に処理の対象となる画像が入力される(S01)。入力される画像は、たとえば、R,G,Bの値がそれぞれ8ビットで量子化された512画素×512ラインの解像度の画像である。入力された画像は、処理画像として画素数計数部102に入力される。
【0032】
次に画素数計数部102で、処理画像の画素のうち、色データベース112に記憶されているR,G,Bの3つの値のセットと一致する画素の数を計数する(S02)。色データベース112には、抽出するべき色相、本実施の形態においては肌色のカテゴリに属する色相に該当するR,G,Bの3つの値のセットが複数登録されている。画素数計数部102は、色データベース112に記憶されている複数のR,G,Bの3つの値のセットを読込み、処理画像のすべての画素の値と比較する。そして、色データベース112に記憶されているR,G,Bの値のセットと一致する画素値を有する画素の数を計数し、計数値Cを求める。
【0033】
次のステップS03では、処理画像Iの色相占有率Rを計算する(S03)。色相占有率Rは、ステップS02で求めた計数値Cと、処理画像全体の画素数Nから、R=C/Nの式に基づき計算される。
【0034】
次に、求めた色相占有率Rがしきい値(0.9)以上か否かを判断する(S04)。色相占有率Rがしきい値以上である場合には、ステップS05に進み、そうでない場合にはステップS07に進む。
【0035】
ステップS07では、処理画像を抽出する処理が行なわれる。ステップS04で色相占有率がしきい値以上と判断された場合には、処理画像には抽出するべき色相の画素が十分に含まれている。すなわち、処理画像が肌色の領域であると判断される。
【0036】
一方、色相占有率Rがしきい値未満と判断された場合には(ステップS04でNO)、処理画像を分割するか否かの判定を行なう(S05)。ステップS05で行なう分割判定処理については後で詳しく説明する。
【0037】
ステップS05で、分割する必要があると判断した場合にはステップS06に進み、そうでない場合にはステップS08に進む。ステップS06では、上述した処理画像の分割が行なわれる。
【0038】
ステップS07で領域を抽出した後、またはステップS05で分割が必要ないと判断された場合、もしくはステップS06で処理画像分割処理をした場合には、ステップS08に進む。ステップS08では、次に処理するべき処理画像があるか否かが判断される。次に処理する画像がある場合には、上述したステップS02〜ステップS07の処理をその処理画像に対して行なう。処理画像がない場合には、処理を終了する。ここでの処理画像は、ステップS06の処理画像分割処理で分割された後の処理画像を含む。たとえば、ステップS06で、処理画像Iを分割した場合には、分割された4つの処理画像I0 ,I1 ,I2 ,I3 のそれぞれについて、ステップS02〜ステップS07の処理が施される。
【0039】
次に、図4のステップS05で行なわれる分割判定処理について説明する。図5は、図4のステップS05で行なわれる分割判定処理の流れを示すフローチャートである。図を参照して、ステップS11では、処理画像の一辺の画素数が4より大きいか否かが判断される。これは、処理画像の大きさが、その一辺の画素数が4になるまで図4のステップS06で処理画像の分割を行なうことを可能とするものである。これにより、処理画像の大きさを画素の大きさにまでする必要がなく、処理速度を速めることができる。また、本実施の形態における画像処理装置で行なわれる領域抽出処理においては、一辺の画素数が4程度の大きさの領域が抽出できればよいからである。
【0040】
ステップS11で処理画像の一辺の画素数が4より大きいと判断された場合には、ステップS12に進み、そうでない場合にはステップS13に進む。
【0041】
ステップS12では、色相占有率Rがしきい値(0.2)より小さいか否かが判断される。これは、処理画像の一辺の画素数が4より大きい場合であっても、処理画像に含まれる抽出するべき色相の画素がほとんど含まれていない場合には、その処理画像を抽出の対象から削除するためである。このようにすることで、不必要な判定処理を行なうことがなく、処理速度を向上させることができる。なお、しきい値を0.0とするようにしてもよい。この場合には、ステップS12の処理結果は、必ず「NO」となり、ステップS14に進む。
【0042】
ステップS12で色相占有率Rがしきい値(0.2)より小さいと判断された場合にはステップS13に進み、そうでない場合にはステップS14に進む。
【0043】
ステップS13は「NO」でリターンし、ステップS14は「YES」でリターンして、それぞれ図4のステップS05に戻る。
【0044】
本実施の形態においては、処理画像の大きさの条件と色相占有率Rの条件との2つの条件で処理画像を分割するか否かを判断しているが、いずれか一方のみの条件を用いてもよい。たとえば、処理画像の大きさが所定の大きさ(4×4)になるまで、分割するようにしてもよい。また色相占有率Rが所定のしきい値になるまで、分割するようにしてもよい。色相占有率のみを条件とする場合には、画素の単位まで処理画像が分割されるので、より詳細に特定領域を抽出することができる。
【0045】
図6は、本実施の形態における画像処理装置で領域抽出処理を行なったときの処理画像の分割形態の一例を示す図である。画像処理装置に最初に入力された処理画像I中に抽出の対象となる領域206が含まれている。抽出処理の結果抽出された領域207をハッチングで示している。図中に示す四角形は、それぞれ分割された処理画像を示す。抽出の対象となる領域206の中心付近では、処理画像は大きな状態で抽出されており、抽出の対象となる領域206の輪郭付近では、最も小さい処理画像にまで分割されている。
【0046】
図7は、本実施の形態における画像処理装置で領域抽出処理を行なったときの分割形態の一例を示す第2の図である。図を参照して、画像処理装置に最初に入力された処理画像I中に、抽出の対象となる領域211を含んでいる。抽出の対象となる領域211は、その内側に抽出の対象とならない領域213を含んでいる。抽出される領域212はハッチングで示されている。図を見て明らかなように、抽出の対象となる領域211は、外側の輪郭と内側の輪郭との間の中心付近においては、大きな処理画像が抽出されている。外側の輪郭または内側の輪郭近傍においては、最小の処理画像(4×4)にまで分割されて抽出されている。
【0047】
図8および図9において、本実施の形態における画像処理装置で、領域抽出処理を行なった一例を示す。図8は、本実施の形態における画像処理装置に入力される処理画像Iを示す図である。図9は、図8に示す処理画像Iから抽出された特定領域を示す図である。図8は、中央部分に人物の顔を含む画像である。実際には、図8に示す処理画像Iは、カラー画像であり、人物の顔(額、鼻、頬、顎等の部分)は肌色で表わされ、眉や目などは黒色で、唇は赤色で表わされている。図8と図9とを比較するとわかるように、図8に示す処理画像I中の肌色の領域、すなわち人物の顔の部分が抽出されており、眉、目あるいは口といった肌色以外の領域が抽出されていないのがわかる。また、処理画像I中に表わされている人物の顔の輪郭を含む形で抽出されているのがわかる。
【0048】
以上説明したとおり、本実施の形態における画像処理装置では、分割された処理画像のうち色相占有率が所定のしきい値を超える処理画像を特定領域として抽出するので、特定領域中の画素の値にばらつきがある場合であっても、そのばらつきに依存することなく特定領域を抽出することができる。
【0049】
また、特定領域とそうでない非特定領域との境界付近においては、処理画像を4分割する処理を繰返し行ない、処理画像を徐々に小さくしていくので、特定領域の輪郭をできるだけ含めて抽出することができる。
【0050】
<領域抽出処理の変形例>
上述の実施の形態においては、図4のステップS04で色相占有率Rを比較する際に用いたしきい値と、図5のステップS12で色相占有率Rを比較する際に用いたしきい値とを固定値とした。図4のステップS04で用いるしきい値は、処理画像が抽出されるための条件として、色相占有率Rの下限値を示すしきい値であり、図5のステップS12で用いられるしきい値は、処理画像を抽出しないと判断するための色相占有率Rの上限値を示すしきい値である。領域抽出処理の変形例においては、これらのしきい値を処理画像の大きさに応じて変更するようにしたものである。これらのしきい値についてその一例を以下に示す。
【0051】
処理画像の一辺の画素数をDとし、図4のステップS04で用いられるしきい値をT1とし、図5のステップS12で用いられるしきい値をT2としたとき、処理画像の大きさDとしきい値T1,T2とは次のように設定することができる。
【0052】
(1) D=512のときT1=0.75,T2=0.05
(2) D=256のときT1=0.8,T2=0.05
(3) D=128のときT1=0.8,T2=0.075
(4) D=64のときT1=0.8,T2=0.075
(5) D=32のときT1=0.85,T2=0.1
(6) D=16のときT1=0.85,T2=0.1
(7) D=8のときT1=0.9,T2=0.15
(8) D=4のときT1=0.9,T2=0.2
(9) D=2のときT1=1.0,T2=0.25
(10) D=1のときT1=1.0,T2=0.5
このように、処理画像の大きさによりしきい値T1としきい値T2とを変更することによ0、処理画像の大きさを抽出するかしないかの判断のパラメータとすることができる。その結果、画像の局所的な領域の詳細な情報を考慮した判断を行なうことができ、特定領域をより正確に抽出することができる。
【0053】
以上説明した本実施の形態においては、画像処理装置に入力される画像あるいは色データベース112で用いられる画像信号はR,G,Bの3つの信号であったが、画像信号はこれに限らず、輝度信号Yと2つの色差信号Cb,Crを用いてもよく、あるいはY,I,Q信号、Y,U,V信号あるいはMunsell空間のような均等視知覚空間上のH軸,V軸,C軸に変換した信号とを用いることができる。
【0054】
さらに、RGB信号の3つの信号すべてを使用するようにしたが、抽出処理に用いる信号はこれら3つのすべてを使用する必要はなく、それぞれの信号のみ、あるいは2つの信号を組合わせて用いてもよい。これは、上述のY,Cb,Cr信号、Y,I,Q信号、Y,U,V信号、H軸,V軸,C軸に変換した信号においても同様である。
【0055】
さらに、本実施の形態においては、画像から肌色の色相を有する特定領域を抽出する処理について述べたが、抽出する色相はこれに限られず、色データベース112に登録する色相を変えることにより、たとえば画像中から赤い花と緑色の葉の領域を抽出するようにすることができる。
【0056】
[第2の実施の形態]
次に第2の実施の形態における領域抽出装置が適用される画像処理装置について説明する。第1の実施の形態における画像処理装置が、抽出の対象となる色相を多く含む領域を抽出したのに対して、第2の実施の形態における画像処理装置は、画像中に含まれるエッジ部分を多く含む領域を抽出するようにしたものである。
【0057】
図10は、第2の実施の形態における画像処理装置のハード構成を示すブロック図である。図を参照して、画像処理装置は、入力された画像をエッジ画像化するための処理を行なう画像エッジ化部201と、画像処理装置に入力された画像または領域分割部110で分割された画像(以下これらをまとめて処理画像という)に含まれるエッジ画素の数を計数するための画素数計数部202と、処理画像が抽出するべき条件に適合しているかどうかを判定するための適合判定部204と、適合判定部204で抽出するべき条件に適合していると判断された処理画像を抽出するための領域抽出部106と、適合判定部204で抽出するべき条件に適合していないと判定された処理画像を分割するかどうかを判定するための分割判定部108と、分割判定部108で分割が必要と判定された処理画像を4分木画像分割法により4つの処理画像に分割するための領域分割部110とを含む。
【0058】
画像エッジ化部201では、入力された画像中のエッジとなる画素を抽出する。エッジとなる画素の抽出は、たとえば、微分フィルタを用いて抽出される。図11は、画像エッジ化部201で用いられる微分フィルタの一例を示す図である。図を参照して、微分フィルタは、3×3のマトリックスであり、処理対象の画素(注目画素)とその上下左右に隣接する4つの画素との画素値を用いて求められる。具体的には、注目画素の画素値をXとし、その上下および左右の4つの画素の画素値をY1,Y2,Y3,Y4とすると、注目画素の微分値Zは、Z=4×X−(Y1+Y2+Y3+Y4)で表わされる。
【0059】
微分フィルタを用いて微分された画像から、微分値が所定のしきい値を超える画素を、エッジ画素として抽出する。
【0060】
画素数計数部202は、処理画像中に含まれるエッジ画素の数を計数する。エッジ画素は、画像エッジ化部201で求められている。また、処理画像は、画像処理装置に最初に入力される画像である場合と、領域分割部110で分割された画像である場合とがある。
【0061】
適合判定部204では、処理画像中に含まれるエッジ画素の割合(以下エッジ占有率という)をもとに、処理画像が抽出されるべき領域か否かを判定する。
【0062】
領域抽出部106は、適合判定部204で抽出されるべき領域と判定された処理画像を抽出し、その処理画像の位置データと大きさを抽出データとして出力する。
【0063】
分割判定部108は、適合判定部204で抽出するべき領域でないと判定された処理画像に対して、分割が必要か否かを判定する。この判定は、処理画像の大きさをもとに判定する。
【0064】
領域分割部110は、分割判定部108で分割が必要と判定された処理画像を4分木画像分割法を用いて、4つの処理画像に分割する。領域分割部110で分割された処理画像は、それぞれ画素数計数部202に送られる。
【0065】
次に、本実施の形態における画像処理装置で行なわれるエッジ領域抽出処理について説明する。図12は、エッジ領域抽出処理の流れを示すフローチャートである。図を参照して、エッジ領域抽出処理は、処理の対象となる画像を入力する(S21)。そして、画像エッジ化部201において、入力された画像からエッジ画素の抽出を行なう(S22)。
【0066】
そして、画素数計数部202において、ステップS22で抽出されたエッジ画素をもとに、処理の対象となる処理画像に含まれるエッジ画素の数を計数し、計数値C1を取得する(S23)。ステップS23で処理の対象となる画像は、画像処理装置に最初に入力される画像である場合と、領域分割部110で分割された画像である場合とがある。ステップS23で最初に行なわれる処理では、画像処理装置に最初に入力される画像が処理画像となり、2回目以降に処理の対象となる画像は、領域分割部110で分割された画像である。
【0067】
ステップS24では、ステップS23で求めた計数値C1をもとに、処理画像中の全画素数に対するエッジ画素の占める割合(以下エッジ占有率Qという)を計算する。エッジ占有率Qは、処理画像の全画素数をNとした場合に、Q=C1/Nの式により計算される。
【0068】
ステップS25では、処理画像を抽出するべき領域として抽出するか否かを判断するため、エッジ占有率Qが所定のしきい値(0.5)以上か否かが判断する。エッジ占有率Qが所定のしきい値以上である場合にはステップS28に進み、そうでない場合にはステップS26に進む。ここでは、所定のしきい値を、0.5としている。このしきい値は、0.5に限定されるわけではなく、処理対象となる画像の種類により変えることができる。
【0069】
ステップS28では、処理画像を抽出するべき領域として抽出する。ステップS28の後、ステップS29に進む。
【0070】
一方、エッジ占有率Qがしきい値以上でないと判断された場合には(S25でNO)、処理画像が分割可能か否かが判断される(S26)。分割可能か否かは、処理画像の一辺の画素数が4より大きいか否かにより判断される。処理画像の一辺の画素数が4より大きい場合には、分割可能としてステップS27に進む。処理画像の一辺の画素数が4より大きくない場合には、処理画像を分割不可としてステップS29に進む。一辺の画素数が4より大きい処理画像のみを分割可能としたのは、処理速度の向上を図るためである。たとえば、分割可能な処理画像の大きさに制限を設けず、画素のレベルまで分割させることもできるが、所定の大きさまで分割することにより、エッジ画素を含む領域がほとんど抽出できるからである。
【0071】
ステップS27では、処理画像の分割処理が行なわれる。これについては、図4のステップS06で行なわれる処理と同じであるのでここでの説明は繰返さない。
【0072】
次のステップS29では、処理対象の処理画像があるか否かを判断し、処理対象の処理画像がある場合には、その処理画像に対して上述のステップS23〜ステップS28までの処理を繰返して行なう。処理対象の処理画像がない場合には、処理を終了する。
【0073】
以上説明したとおり、第2の実施の形態における画像処理装置では、画像中に含まれるエッジ領域を正確に抽出することができる。たとえば、文字などが描かれた紙を撮影した画像からは、文字の部分がエッジ画素として抽出されるので、文字などが描かれた領域だけを抽出することができる。
【0074】
第1および第2の実施の形態においては、処理画像を分割する方法として4分木画像分割法を用いたが、処理画像を分割する方法はこれに限られず、たとえば、6等分、8等分等に分割する方法をとることができる。また、処理画像の形状を正方形としたが、処理画像の形状はこれに限られず、いかなる形状を用いてもよい。
【0075】
さらに第1および第2の実施の形態においては、領域抽出処理を行なう画像処理装置について説明したが、図4および図5または図12に示すフローチャートの処理を実行する領域抽出方法、または、これらのフローチャートに示す処理を実行するための領域抽出プログラムを記録した記録媒体として発明を捉えることができるのは言うまでもない。
【0076】
なお、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態における画像処理装置のハード構成を示すブロック図である。
【図2】処理画像の分割を説明するための図である。
【図3】図2の処理画像I0 ,I3 を分割した状態を示す図である。
【図4】領域抽出処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】図4のステップS05で行なわれる分割判定処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】領域抽出処理を施したときの処理画像の分割形態の一例を示す第1の図である。
【図7】領域抽出処理を施したときの処理画像の分割形態の一例を示す第2の図である。
【図8】画像処理装置に入力される処理画像の一例を示す図である。
【図9】図8に示す処理画像から抽出された特定領域を示す図である。
【図10】第2の実施の形態における画像処理装置のハード構成を示すブロック図である。
【図11】2次微分フィルタの一例を示す図である。
【図12】第2の実施の形態におけるエッジ領域抽出処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
100 制御部
102 画素数計数部
104 適合判定部
106 領域抽出部
108 分割判定部
110 領域分割部
112 色データベース
114 外部記憶装置
116 記録媒体
200 制御部
201 画像エッジ化部
202 画素数計数部
204 適合判定部

Claims (7)

  1. 入力された画像を複数の領域に分割する分割手段と、
    分割された前記複数の領域ごとに所定の値の画素が占める割合を求める演算手段と、
    前記複数の領域のうち、前記演算手段で求めた前記割合が第1の値を超える領域を抽出する抽出手段とを備え
    前記第1の値は、前記複数の領域の大きさにより異なることを特徴とする、領域抽出装置。
  2. 前記分割手段は、前記複数の領域のうち、前記割合が前記第1の値を超えない領域を、新たな分割処理の対象の画像として入力することを特徴とする、請求項1に記載の領域抽出装置。
  3. 前記分割手段は、前記割合が前記第1の値を超えない領域のうち、所定の大きさより小さい領域は、新たな分割処理の対象の画像として入力しないことを特徴とする、請求項2に記載の領域抽出装置。
  4. 前記分割手段は、前記割合が前記第1の値を超えない領域のうち、前記割合が第2の値より小さい領域は、新たな分割処理の対象の画像として入力しないことを特徴とする、請求項2に記載の領域抽出装置。
  5. 前記分割手段は、入力された画像を4つの領域に分割することを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の領域抽出装置。
  6. 制御部を備えた画像処理装置により実行される、画像から被写体の特定領域を抽出するための方法であって、
    前記制御部が、入力された画像を複数の領域に分割する分割ステップと、
    前記制御部が、分割された前記複数の領域ごとに所定の値の画素が占める割合を求める演算ステップと、
    前記制御部が、前記複数の領域のうち、前記演算ステップで求めた前記割合が、前記複数の領域の大きさにより異なるしきい値を超える領域を前記特定領域として抽出する抽出ステップとを含む、領域抽出方法。
  7. 入力された画像を複数の領域に分割する分割ステップと、
    分割された前記複数の領域ごとに所定の値の画素が占める割合を求める演算ステップと、
    前記複数の領域のうち、前記演算ステップで求めた前記割合が、前記複数の領域の大きさにより異なるしきい値を超える領域を抽出する抽出ステップとをコンピュータに実行させるための領域抽出プログラムを記録した記録媒体。
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