JP4390176B2 - 冗長系を有する操舵装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は冗長系を有する操舵装置に関し、特にモータを動作させる電子的駆動制御系統を二重にし、さらに信号ラインおよびパワーラインを二重にして当該系統およびハーネス(ライン)の故障に対するシステム耐力を高めシステム信頼性を向上した電動パワーステアリング装置等の操舵装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
操舵装置として電動パワーステアリング装置やステアバイワイヤシステムなどがある。操舵装置の一例としての電動パワーステアリング装置は、自動車を運転中、運転者がステアリングホイール(操舵ハンドル)を操作するとき、モータを連動させて操舵力を補助する支援装置である。電動パワーステアリング装置では、運転者のハンドル操作によりステアリング軸に生じる操舵トルクを検出する操舵トルク検出部からの操舵トルク信号、および、車速を検出する車速検出部からの車速信号を利用し、モータの制御装置(ECU(Electical Control Unit):電子制御ユニット)の制御動作に基づいて補助操舵力を出力する支援用モータを駆動制御し、運転者の手動による操舵力を軽減している。ECUは車両前方に設置されたバッテリより電力が供給され駆動する。モータによる制御動作では、上記の操舵トルク信号と車速信号に基づきモータに通電するモータ電流の目標電流値を設定し、この目標電流値に係る信号(目標電流信号)と、モータに実際に流れるモータ電流を検出するモータ電流検出部からフィードバックされるモータ電流信号との差を求め、この偏差信号に対して比例・積分の補償処理(PI制御)を行い、モータを駆動制御する信号を発生させている。
【0003】
上記のECUによって駆動された支援用モータは、その回転出力を、動力伝達機構(減速機)を介して、ステアリング軸につながるラック・ピニオン機構を含むギヤボックスに伝達する。これによって、操舵ハンドルを操作する運転者の操舵力をアシストする。
【0004】
以上のごとく電動パワーステアリング装置では、操舵トルク検出部等のセンサ系、CPUや駆動回路系等を含むECU、ECUを駆動するバッテリ、ECUから支援用モータへモータ電流を供給する電流通電系から成る電子的駆動制御系統を備えており、これらの接続はそれぞれ1本のハーネスによってなされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の電動パワーステアリング装置では、ECUおよびこれに関連する部分に設けられたモータ駆動のための電子的駆動制御系統は、精密電子機器であるので、良好な環境である車室内に設置される。例えば、助手席の下辺りに設置されることがある。このため、ECUからバッテリおよびモータ等までの伝送路が長くなる。また、この伝送路においては、電磁波や静電気などの電気ノイズが混入しないように複数の信号ラインおよびパワーラインを束ねたハーネスによって繋がれる。
【0006】
ハーネスはバッテリとECUを結ぶハーネスが1本と、モータとECUを結ぶハーネスが1本と、トルク検出部とECUを結ぶハーネスが1本となっていた(例えば、先願非公知文献である特願2002−239627号公報(平成14年8月20日)の図1を参照)。このため、飛び石等によってハーネスが影響を受けた場合には、そのハーネスで繋がれている装置は故障状態となってしまう。
【0007】
本発明の目的は、上記課題に鑑み、ハーネスが飛び石等で故障が発生したとしても、装置の駆動を継続できるようにした冗長系を有する操舵装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段および作用】
本発明に係る冗長系を有する操舵装置は、上記目的を達成するために、次の通り構成される。
【0009】
第1の操舵装置(請求項1に対応)は、操舵トルクを検出するトルク検出手段と、このトルク検出手段から出力される操舵トルクに応じてモータ電流を決定する目標電流決定手段と、この目標電流決定手段が決定したモータ電流に応じてモータに電流を供給する駆動回路部を備える操舵装置であって、駆動回路部は2経路の同一の駆動回路を有し、少なくとも2本のモータハーネスと、少なくとも2本のトルクセンサハーネスのそれぞれを車両の異なる場所を通って配線するとともに、少なくとも2本の電源ハーネスのうち1本を車両の左側面部に、他の1本の右側面部に沿ってそれぞれ配線したことを特徴とする。
第2の操舵装置(請求項2に対応)は、上記の構成において、トルク検出手段は1つであり、このトルク検出手段に接続される少なくとも2本のトルクセンサハーネスのうち1本のトルクセンサハーネスをラック軸より車両前方に迂回させてトルク検出手段へと配線したことを特徴とする。
【0010】
上記の操舵装置では、モータにモータ電流を供給する駆動回路を2経路で設け、さらに駆動回路部とモータを接続する少なくとも2本のモータハーネスと、駆動回路部と駆動回路部に電力を供給する電源を接続する少なくとも2本の電源ハーネスと、トルク検出部と目標電流決定部を接続する少なくとも2本のトルクセンサハーネスのそれぞれを車両の異なる場所を通って設けるようにしたため、いずれか一方の駆動回路に故障が生じた場合にも、残りの駆動回路でモータ電流を供給でき、かつ2つあるハーネスのうち一方のハーネスが飛び石等で影響を受けても、他方のハーネスによってシステムダウンの状態を防ぎ、システムを保全し、高いシステム信頼性の維持が可能である。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の好適な実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0012】
実施形態で説明される構成、形状、大きさおよび配置関係については本発明が理解・実施できる程度に概略的に示したものにすぎない。従って本発明は、以下に説明される実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示される技術的思想の範囲を逸脱しない限り様々な形態に変更することができる。
【0013】
この実施形態では、操舵装置の一例として電動パワーステアリング装置の例を説明する。
【0014】
図1は本発明に係る冗長系を有する操舵装置を備えた車両前端の内部の配線状態を示す斜視図である。図2は本発明に係る冗長系を有する操舵装置を備えた車両の内部の配線状態を示す平面図である。以下、図1,2を参照して、本発明に係る冗長系を有する操舵装置について説明する。車両1の前部に電動パワーステアリング装置10が装備される。電動パワーステアリング装置10はステアリングホイール11に連結されるステアリング軸12等に対して補助用の操舵トルクを与えるように構成されている。ステアリング軸12は、その上端がステアリングホイール11に連結され、途中のジョイント13を介して回転力の方向を変換させ、下端へ回転力を伝えている。ステアリング軸12の下端にはその下端に取付けられたピニオンギアとラック軸14によりラック・ピニオン機構15が形成されている。ラック軸14の両端にはタイロッド16が設けられ、各タイロッド16の外側端には前輪17が取り付けられる。
【0015】
上記ラック軸14に対し動力伝達機構(減速機)を介して例えばブラシ付きモータまたはブラシレスモータのモータ19が設けられている。モータ19は、操舵トルクを補助する回転力(トルク)を出力し、この回転力を、動力伝達機構を経由して、ラック軸14に与える。ステアリング軸12には操舵トルク検出部20が設けられている。操舵トルク検出部20は、例えば運転者がステアリングホイール11を操作することによって生じる操舵トルクをステアリング軸12に加えたとき、ステアリング軸12に加わる当該操舵トルクを検出する。
【0016】
22はコンピュータ(マイクロコンピュータ等)で構成される制御装置(ECU)である。制御装置22は、操舵トルク検出部20から出力される操舵トルク信号Tと車速検出部(図示せず)から出力される車速信号Vを取り入れ、操舵トルクに係る情報と車速に係る情報に基づいて、モータ19の回転動作を制御する駆動制御信号を出力する。
【0017】
運転者がステアリングホイール11を操作して自動車の走行運転中に走行方向の操舵を行うとき、ステアリング軸12に加えられた操舵トルクに基づく回転力はラック・ピニオン機構15を介してラック軸14の軸方向の直線運動に変換され、さらにタイロッド16を介して前輪17の走行方向を変化させようとする。このときにおいて、同時に、ステアリング軸12に付設された操舵トルク検出部20は、ステアリングホイール11での運転者による操舵に応じた操舵トルクを検出して電気的な操舵トルク信号Tに変換し、この操舵トルク信号Tを制御装置22へ出力する。制御装置22は、操舵トルク信号Tおよび車速信号Vに基づいてモータ19を駆動するためのモータ電流を発生する。このモータ電流によって駆動されるモータ19は、動力伝達機構を介して補助の操舵トルクをラック軸14に作用させる。以上のごとくモータ19を駆動することにより、ステアリングホイール11に加えられる運転者による操舵力が軽減される。
【0018】
上記構成において、制御装置22とモータ19を繋ぐモータハーネス19R,19Lは、車両1の異なる場所を通って2つ設けられる。モータハーネス19Rとモータハーネス19Lは、助手席26Lの下に設置された制御装置22から異なる場所を通ってモータ19へ繋がれる。
【0019】
制御装置22とバッテリ25を繋ぐ電源ハーネス25R,25Lは、車両1の左右の側面部に沿ってそれぞれ異なる場所を通るように2つ設けられる。図中、電源ハーネス25Rは、助手席26Lの下に設置された制御装置22から運転席26Rの下を通り、車両1の右側面に沿ってバッテリ25へ繋がれる。電源ハーネス25Lは、制御装置22から車両1の左側面に沿って、車両1の前部を通りバッテリ25へ繋がれる。
【0020】
制御装置22と操舵トルク検出部20を繋ぐトルクセンサハーネス20R,20Lは、車両1の異なる場所を通って2つ設けられる。トルクセンサハーネス20Rは操舵トルク検出部20へなるべく最短の距離で繋がれる一方、トルクセンサハーネス20Lは車両1の左側面に沿って迂回して操舵トルク検出部20に繋がれる。
【0021】
上記のそれぞれのハーネス19R,19L,25R,25L,20R,20Lは飛び石等による影響を受けにくい部位に設けられ、各々が車両1の異なる場所を通るように配置される。これにより、一方のハーネスが飛び石等によって影響を受け、不通となっても他方のハーネスによって作動状態が継続して維持できる。
【0022】
上記制御装置22は、図3に示されるごとく、目標電流決定部31と制御部32を備える。目標電流決定部31は、主に操舵トルク信号Tに基づいて目標補助トルクを決定し、この目標補助トルクをモータ19から供給させるために必要となる目標電流値に係る信号(目標電流信号)ITを出力する。
【0023】
上記の制御部32の一般的な構成を概説する。制御部32は、ソフト的に実現される機能要素または電気回路要素として、偏差演算部と、モータ制御部と、モータ駆動部と、電流値検出部を備える。モータ制御部は偏差電流制御部とPWM信号生成部を含む。偏差電流制御部は、偏差演算部から与えられる電流信号に基づきモータ電流を制御するための駆動電流信号を生成し出力する。PWM信号生成部は、偏差電流制御部から与えられる駆動電流信号に基づいてモータ19をPWM運転するPWM(パルス幅変調)信号を生成する。モータ駆動部は、ゲート駆動回路部とモータドライブ(駆動)回路(4つのFETで形成されるH型ブリッジ回路)から成る。ゲート駆動回路部は、上記駆動制御信号(PWM信号)に基づいて上記モータドライブ回路をスイッチング動作させる。以上により、制御装置22は、操舵トルク検出部20によって検出された操舵トルクに基づいて車載バッテリ(直流電源)25からモータ19へ供給されるモータ電流をモータドライブ回路でPWM制御し、モータ19が出力する動力(補助操舵トルク)を制御する。
【0024】
次に、図3で示した制御装置(ECU)22の具体的構成について、図4を参照して本発明の第1実施形態を説明する。
【0025】
操舵トルク検出部20の検出信号出力端子は両側端子20a,20bと中央端子20cを有する。両側端子20a,20bと中央端子20cの各端子は2つずつ設けられている。操舵トルク検出部20の両側端子20a,20bと中央端子20cと制御装置22との間には2経路の電気接続部41a,41bが設けられる。この電気接続部41a,41bはトルクセンサハーネス20R,20Lやコイル接続部を含む部分である。制御装置22の入力側には、電気接続部41a,41bに対応してトルク信号入力部42a,42bが設けられている。なお、電気接続部41a,41bは上述したトルクセンサハーネス20R,20Lのように、車両1の異なる場所を通っている。
【0026】
制御装置22の内部には3つのCPU(1〜3)43a,43b,43cが備えられる。上記の2つのトルク信号入力部42a,42bのそれぞれは3つの出力端子を有し、2つのトルク信号入力部42a,42bの間で対応する出力端子は同じ信号(SG11,SG12,SG13)を出力する。3つのCPU(1〜3)43a〜43cのそれぞれには、2つのトルク信号入力部42a,42bのそれぞれから同じ信号が2経路で入力される。また3つのCPU(1〜3)43a〜43cは任意の組合せで2つずつ結線されており、3つのCPU(1〜3)43a〜43cの各々で多数決が行えるように構成されている。従って、例えば操舵トルク検出部20からの電気接続部41a,41b等で故障が生じた場合(トルクセンサハーネス20R,20Lの飛び石による電気的な遮断等)には多数決の判断手法で当該故障に対する判定を行うように構成されている。また上記のCPU(1〜3)43a〜43cによって前述した各種の機能要素がソフト的に実現されている。上記目標電流決定部31は好ましくは2つ形成され、2つの目標電流決定部で上記の2経路からの操舵トルク信号のそれぞれが入力され、各目標電流決定部が目標電流を決定するようになっている。
【0027】
制御装置22の後段側には、2つのモータドライブ(駆動)回路(1,2)44a,44bと、2つの昇圧回路(1,2)45a,45bと、2つのF/Sリレー(1,2)46a,46bと、2つのパワーリレー(1,2)47a,47bが設けられている。これらの2つの要素は同一の構成および作用を有している。モータドライブ回路(1)44aはCPU(1)43aに対応して両者の間には禁止回路(1)48aが接続され、モータドライブ回路(2)44bはCPU(3)43cに対応して両者の間には禁止回路(3)48bが接続される。これにより、モータ19の駆動制御について、制御装置22内で、CPU(1)43aと禁止回路(1)48aとモータドライブ回路(1)44aによって第1のモータ駆動回路部(第1経路)が作られ、CPU(3)43cと禁止回路(3)48bとモータドライブ回路(2)44bによって第2のモータ駆動回路部(第2経路)が作られる。
【0028】
CPU(2)43bから出力される信号は禁止回路(2)48cに与えられ、さらに禁止回路(2)48cの出力信号は上記禁止回路(1)48aに与えられる。またCPU(1)43aから出力される信号は禁止回路(1)48aに与えられる。
【0029】
モータ(M)19はブラシ付きモータである。このモータ19では、一対のブラシが2組(49a,49b)設けられている。上記の第1のモータ駆動回路部(第1経路)のモータドライブ回路(1)44aから出力されるモータ電流IM1はブラシ49aを通してモータ19に供給される。上記の第2のモータ駆動回路部(第2経路)のモータドライブ回路(2)44bから出力されるモータ電流IM2はブラシ49bを通してモータ19に供給される。従って、第1と第2のモータ駆動回路に応じて、ブラシ付きモータ19においても2組のブラシ対が設けられる。上記モータ電流IM1,IM2のそれぞれを供給するモータハーネス19R,19Lは、車両1の異なる場所を通って2つ設けられている。
【0030】
バッテリ25は制御装置22に電力を供給するものである。バッテリ25からの給電経路は2つの電源ハーネス25R,25Lで形成される。この電源ハーネス25Rは、助手席26Lの下に設置された制御装置22から運転席26Rの下を通り、車両1の右側面に沿ってバッテリ25へ繋がれ、電源ハーネス25Lは、制御装置22から車両1の左側面に沿って、車両1の前部を通りバッテリ25へ繋がれる。電源ハーネス25Rでは、第1の通電路としてはパワーリレー(1)47aおよび昇圧回路(1)45aを経由して、第2の通電路としては直接に、第3の通電路としてはパワーリレー(1)47aを経由して、それぞれ、モータドライブ回路(1)44aに電力が供給される。また電源ハーネス25Lでも同様に、第1の通電路としてはパワーリレー(2)47bおよび昇圧回路(2)45bを経由して、第2の通電路としては直接に、第3の通電路としてはパワーリレー(2)47bを経由して、それぞれ、モータドライブ回路(2)44bに電力が供給される。
【0031】
モータドライブ(1)回路44aから出力されたモータ電流IM1は電流センサ52aで検出され、CPU43a〜43cのそれぞれにフィードバックされる。またモータドライブ回路(2)44bから出力されたモータ電流IM2は電流センサ52bで検出され、CPU43a〜43cのそれぞれにフィードバックされる。
【0032】
上記の第1実施形態に係る制御装置22の構成では、操舵トルク検出部20から制御装置22への電気接続部(トルクセンサハーネス20R,20L)、モータドライブ回路44a,44bを含むモータ駆動回路部、バッテリ25からモータドライブ回路44a,44bへの電力供給路(電源ハーネス25R,25L)、モータ19のブラシ対(49a,49b)への電流供給路(モータハーネス19R,19L)のそれぞれを並列的な接続関係に基づいて2経路(二重)にし、それぞれのハーネスが車両1の異なる場所を通るように設けたため、いずれかの箇所で故障が起きたとしても残りの経路で電動パワーステアリング装置を作動させることができ、冗長系を備えることにより電動パワーステアリング装置のシステムダウンを防ぐことができる。
【0033】
並列な接続関係で設けられた2経路のモータドライブ回路44a,44bはいずれか一方を動作状態にモータ駆動制御を行い、故障が生じたときに他方のモータドライブ回路を動作させるようにする。また2経路のモータドライブ回路44a,44bを同時に動作させて両方でモータ駆動制御を行い、一方のハーネスや回路で故障が生じたときには、残りのモータドライブ回路でモータ駆動制御を行うように構成することもできる。前述した禁止回路48a,48b,48cは、制御装置22の内部において、モータ駆動制御に使用する回路系統を選択するための手段である。
【0034】
前述の実施形態では、電動パワーステアリング装置のシステム構成において二重の構成で冗長性を持たせたが、これに限定されず、三重以上の構成にすることができるのは勿論である。
【0035】
次に図5を参照して、本発明の第2実施形態に係る制御装置22の具体的構成を説明する。図5において、図4で説明した要素と実質的に同一の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。第2実施形態に係る特徴的構成としてはモータを2つ備えている点にある。モータ19a,19bについてそれぞれ、モータドライブ回路44a,44bがある。モータ19a,19bはブラシ付きモータである。このモータ19a,19bでは、それぞれ1組のブラシ(49a,49b)が設けられている。上記の第1のモータ駆動回路部(第1経路)のモータドライブ回路(1)44aから出力されるモータ電流IM1はブラシ49aを通してモータ19aに供給される。上記の第2のモータ駆動回路部(第2経路)のモータドライブ回路(2)44bから出力されるモータ電流IM2はブラシ49bを通してモータ19bに供給される。上記モータ電流IM1,IM2をそれぞれをモータ19a,19bへ供給する電流供給路であるモータハーネス19R,19Lは、車両1の異なる場所を通って2つ設けられている。これにより、モータハーネス19R,19Lのいずれかの箇所で故障が起きたとしても残りの経路で電動パワーステアリング装置を作動させることができ、冗長系を備えることにより電動パワーステアリング装置のシステムダウンを防ぐことができる。
【0036】
次に図6を参照して、本発明の第3実施形態に係る制御装置22の具体的構成を説明する。図6において、図4または図5で説明した要素と実質的に同一の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。第3実施形態に係る特徴的構成として上記モータ19はブラシレスモータである点にある。そこで図示されたブラシレスモータ19はステータコイルとして三相用の巻線19x,19y,19zを備えている。図示された例では、巻線19x,19y,19zはY結線として構成されている。
【0037】
上記のブラシレスモータ19に対して、制御装置22におけるモータドライブ回路44a,44bは三相交流発生用の回路として構成されている。従ってモータドライブ回路44a,44bは三相交流出力用の3つの出力端子を有する。第1のモータ駆動回路部(第1経路)であるモータドライブ回路(1)44aの3つの出力端子の任意の2つの組合せに基づき、ブラシレスモータ19における巻線(19x,19y),(19y,19z),(19z,19x)の通電ルートにモータ電流が供給される。同様にして第2のモータ駆動回路部(第2経路)であるモータドライブ回路(2)44bの3つの出力端子の任意の2つの組合せに基づき、ブラシレスモータ19における巻線(19x,19y),(19y,19z),(19z,19x)の通電ルートにモータ電流が供給される。モータドライブ回路44aとモータドライブ回路44bの各動作の選択については、第1実施形態で説明した通り、適宜に設定される。
【0038】
上記のブラシレスモータ19および三相交流出力用のモータドライブ回路(1,2)44a,44bの変更に応じて、モータ電流を検出する電流センサ(52a−1〜52a−3,52b−1〜52b−3)およびF/Sリレー(46a−1〜46a−3,46b−1〜46b−3)も3つずつ設けられることになる。
【0039】
上記の第3実施形態に係る制御装置22の構成では、アシストモータがブラシレスモータ19である場合において、操舵トルク検出部20から制御装置22への電気接続部、三相のモータ電流出力用のモータドライブ回路44a,44bを含むモータ駆動回路部、バッテリ25からモータドライブ回路44a,44bへの電力供給路のそれぞれを並列的な接続関係に基づいて2経路(二重)にしたため、いずれかの箇所で故障が起きたとしても残りの経路で電動パワーステアリング装置を作動させることができ、冗長系を備えることにより電動パワーステアリング装置のシステムダウンを防ぐことができる。
【0040】
前述の実施形態では操舵装置として電動パワーステアリング装置の例を説明したが、本発明の技術的思想はステアバイワイヤシステムなど他の操舵装置に適用することができるのは勿論である。
【0041】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように本発明によれば、電動パワーステアリング装置等の操舵装置において制御装置内のモータ電流を生成する駆動回路を2経路で設け、制御装置と操舵トルク検出部、制御装置とバッテリ、制御装置とモータを繋ぐライン(信号ラインおよびパワーライン)を二重にしたため、電気的接続部の故障やハーネスの電気的切断が生じたとしても残りの経路の駆動回路、ハーネスでモータの駆動制御を行うことにより、システムダウンを防ぎ、システムを保全し、システム信頼性を高く維持することができる。操舵装置が電動パワーステアリング装置である場合、手動操舵力のアシストを常に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る冗長系を有する操舵装置を備えた車両前端の内部の配線状態を示す斜視図である。
【図2】本発明に係る冗長系を有する操舵装置を備えた車両の内部の配線状態を示す平面図である。
【図3】制御装置の内部構成を示すブロック図である。
【図4】本発明に係る操舵装置の制御装置の第1実施形態を示す構成図である。
【図5】本発明に係る操舵装置の制御装置の第2実施形態を示す構成図である。
【図6】本発明に係る操舵装置の制御装置の第3実施形態を示す構成図である。
【符号の説明】
1 車両
10 電動パワーステアリング装置
11 ステアリングホイール
12 ステアリング軸
15 ラック・ピニオン機構
19 モータ
19L,19R モータハーネス
20 操舵トルク検出部
20L,20R トルクセンサハーネス
22 制御装置
25 バッテリ
25L,25R 電源ハーネス
31 目標電流決定部

Claims (2)

  1. 操舵トルクを検出するトルク検出手段と、このトルク検出手段から出力される前記操舵トルクに応じてモータ電流を決定する目標電流決定手段と、この目標電流決定手段が決定した前記モータ電流に応じてモータに電流を供給する駆動回路部を備える操舵装置において、
    前記駆動回路部は2経路の同一の駆動回路を有し、
    少なくとも2本のモータハーネスと、少なくとも2本のトルクセンサハーネスのそれぞれを車両の異なる場所を通って配線するとともに、少なくとも2本の電源ハーネスのうち1本を車両の左側面部に、他の1本の右側面部に沿ってそれぞれ配線したことを特徴とする冗長系を有する操舵装置。
  2. 前記トルク検出手段は1つであり、このトルク検出手段に接続される前記少なくとも2本のトルクセンサハーネスのうち1本のトルクセンサハーネスをラック軸より車両前方に迂回させて前記トルク検出手段へと配線したことを特徴とする請求項1記載の冗長系を有する操舵装置。
JP2003003175A 2003-01-09 2003-01-09 冗長系を有する操舵装置 Expired - Fee Related JP4390176B2 (ja)

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