JP4401706B2 - 積層体及びこれを用いた医療用袋 - Google Patents
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Description
成分(A):メタロセン触媒を用いて重合され、かつ下記(A1)〜(A3)の特性を有するプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体
(A1)メルトフローレート(MFR:230℃、21.18N荷重)が1〜20g/10分。
(A2)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求めた重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が1.5〜3.5。
(A3)示差熱走査熱量計(DSC)による融解ピーク温度(Tm)が121〜150℃。
成分(B):下記(B1)〜(B2)の特性を有するエチレンと炭素数3〜12のα‐オレフィンとの共重合体
(B1)メルトフローレート(MFR:190℃、21.18N荷重)が0.1〜20g/10分。
(B2)密度が0.880〜0.930g/cm3。
成分(C):下記(C1)〜(C2)の特性を有する高密度ポリエチレン
(C1)メルトフローレート(MFR:190℃、21.18N荷重)が0.1〜50g/10分。
(C2)密度が0.940〜0.980g/cm3。
(B3)α−オレフィンの含有量が5〜40重量%。
(B4)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求めたZ平均分子量(Mz)と数平均分子量(Mn)との比(Mz/Mn)が8.0以下。
(A4)融解ピーク温度(Tm)とコモノマー含有量(Ec)の関係が下記式(1)を満たす。
また、本発明の第4の発明は、成分(A)がプロピレン・エチレンランダム共重合体であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層体に存する。
(D1)メルトフローレート(MFR:190℃、21.18N荷重)が0.1〜3000g/10分。
(D2)密度が0.940〜0.980g/cm3。
本発明の積層体のプロピレン系樹脂層を構成する組成物は、下記の成分(A)を主成分とし、必要に応じて、核剤を含有する。核剤としては、公知の材料から選択して使用することができ、例えば、高密度ポリエチレン、即ち、成分(D)を用いることができる。
本発明の積層体に用いる成分(A)は、メタロセン触媒を用いて重合され、かつ下記(A1)〜(A3)の特性を有するプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体である。好ましくは、更に(A4)の特性を有するものである。より好ましくは、更に(A5)の特性を有するものである。
本発明に使用されるプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体は、プロピレンから誘導される構成単位を主成分としたプロピレンとα−オレフィンのランダム共重合体である。
かかるプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体の具体例としては、プロピレン・エチレンランダム共重合体、プロピレン・1−ブテンランダム共重合体、プロピレン・1−ヘキセンランダム共重合体、プロピレン・エチレン・1−オクテンランダム共重合体、プロピレン・エチレン・1−ブテンランダム共重合体等が挙げられる。
濃度:300mg/2mL
溶媒:オルソジクロロベンゼン。
本発明の用いるプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体は、メタロセン触媒を用いる重合により容易に製造することができる。メタロセン触媒とは、
イ. シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む周期表第4族の遷移金属化合物(いわゆるメタロセン化合物)と、
ロ. メタロセン化合物と反応して安定なイオン状態に活性化しうる助触媒と、必要により、
ハ. 有機アルミニウム化合物とからなる触媒であり、
公知の触媒はいずれも使用できる。メタロセン化合物は、好ましくはプロピレンの立体規則性重合が可能な架橋型のメタロセン化合物であり、より好ましくはプロピレンのアイソ規則性重合が可能な架橋型のメタロセン化合物である。
(A1)メルトフローレート(MFR:230℃、21.18N荷重)
本発明で用いるプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体のMFRは、0.1〜50g/10分、好ましくは1〜30g/10分、より好ましくは2〜20g/10分、さらに好ましくは4〜15g/10分である。MFRが上記範囲未満の場合には、押出性が低下し好適な生産性が得られず、更に透明性が得られないので好ましくない。上記範囲を超える場合には、積層体の強度が低下するので、好ましくない。ポリマーのMFRを調節するには、例えば、重合温度、触媒量、分子量調節剤としての水素の供給量など適宜調節する方法がとられる。
本発明で用いるプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は、1.5〜3.5、好ましくは1.8〜3.3、より好ましくは2.0〜3.0である。Mw/Mnが上記範囲を超える場合には、透明性が低下するので好ましくなく、上記範囲未満の場合には、押出負荷が上昇する、シャークスキンが発生しやすくなるなど、加工適性が悪化する。
検出器:MIRAN社製 1A赤外分光光度計(測定波長、3.42μm)
カラム:昭和電工社製AD806M/S 3本(カラムの較正は東ソー社製単分散ポリスチレン(A500,A2500,F1,F2,F4,F10,F20,F40,F288の各0.5mg/ml溶液)の測定を行い、溶出体積と分子量の対数値を2次式で近似した。また、試料の分子量はポリスチレンとポリプロピレンの粘度式を用いてポリプロピレンに換算した。ここでポリスチレンの粘度式の係数はα=0.723、logK=−3.967であり、ポリプロピレンはα=0.707、logK=−3.616である。)
測定温度:140℃
濃度:20mg/10mL
注入量:0.2ml
溶媒:オルソジクロロベンゼン
流速:1.0ml/分。
本発明で用いるプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体は、示差走査熱量計(DSC)による融解ピーク温度(Tm)が121〜150℃、好ましくは125〜150℃、より好ましくは128〜145℃、さらに好ましくは130〜145℃である。Tmが上記範囲未満の場合には、121℃滅菌時の耐熱性や透明性が得られず、上記範囲を超える場合には、柔軟性に欠け、好ましくない。
本発明で用いるプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体は、好ましくは下記の式(1)の関係を有する。より好ましくは、下記の式(2)の関係を有し、更に好ましくは式(3)の関係を有するものである。ここにいうコモノマーとは、プロピレンと共重合するプロピレン以外の他のα−オレフィンであり、全オレフィンに対するコモノマーの量(Ec)は、0.5〜15重量%、好ましくは0.5〜13重量%、より好ましくは0.5〜12重量%、さらに好ましくは0.5〜8重量%である。
Tm≧−6.7049×Ec+145 ・・・式(2)
Tm≧−6.7049×Ec+147 ・・・式(3)
TmとEcが上記関係式を満たさないと、柔軟性または耐熱性が悪くなるため好ましくない。TmはEcが同じときはプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体のアイソタクシティシーが高いほど高くすることができる。また、核剤を用いることで高めることも可能である。
本発明で用いるプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体は、アイソタクシティー(立体規則性)の高いものが好ましい。アイソタクシティーはアイソタクチックトリアッド分率([mm]分率)として、97%以上、好ましくは98%以上である。
本発明の積層体のプロピレン系樹脂層を構成する成分は、上記成分(A)に核剤を含有しても良く、核剤が配合されていることが透明性、耐熱性の観点から好ましい。
(D1)メルトフローレート(MFR:190℃、21.18N荷重)
成分(D)のMFRは、0.1〜3000g/10分、好ましくは10〜100g/10分、より好ましくは10〜20g/10分である。成分(D)のMFRが0.1g/10分未満であると、ポリエチレンの分散径が十分に小さくならず、フィルム表面に分散粒子が凹凸として反映されてしまうため透明性の悪化につながる。また、ポリエチレンが微分散するためには、好ましくは成分(D)のMFRがプロピレン・α−オレフィン共重合体のMFRより大きい方がよい。
成分(D)の密度は、0.940〜0.980g/cm3、好ましくは0.950〜0.980g/cm3、さらに好ましくは0.960〜0.980g/cm3である。成分(D)の密度が0.940g/cm3未満では、透明性改良効果が十分ではなく、0.980g/cm3を超えるポリエチレンの製造は困難である。
安息香酸金属塩の具体例としては、ヒドロキシ−ジ(t−ブチル安息香酸)アルミニウム等が挙げられる。
本発明のプロピレン系樹脂層の構成成分には、本発明の効果を著しく損なわない範囲で、他の付加的任意成分を配合することができる。このような任意成分としては、通常のポリオレフィン樹脂材料に使用される酸化防止剤、透明化剤、滑剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤、防曇剤、中和剤、金属不活性剤、着色剤、分散剤、過酸化物、充填剤、蛍光増白剤等を挙げることができる。
プロピレン系樹脂層に用いる成分(A)を主成分とする材料は、上記必須成分(A)と必要に応じて配合される、核剤、付加的成分等とを混合し、溶融混練することにより得られる。
本発明の積層体のエチレン系樹脂層を構成する組成物は、成分(B)60〜97重量%と、成分(C)3〜40重量%との組成物からなる。しかして成分(B)は、エチレンと炭素数3〜12のα−オレフィンとのエチレン・α−オレフィン共重合体であり、成分(C)は高密度ポリエチレンである。
本発明の積層体に用いる成分(B)は下記(B1)〜(B2)の特性を有し、好ましくは、メタロセン触媒で重合され、さらに(B3)〜(B4)の特性を有するエチレン・α−オレフィン共重合体である。
本発明に使用されるエチレン・α−オレフィン共重合体は、エチレンから誘導される構成単位を主成分としたエチレンとα−オレフィンのランダム共重合体である。
本発明で用いるエチレン・α−オレフィン共重合体は、チーグラー触媒、好ましくはメタロセン触媒を使用して製造することができる。製造法としては、高圧イオン重合法、気相法、溶液法、スラリー法等が挙げられる。
(B1)メルトフローレート(MFR:190℃、21.18N荷重)
本発明で用いるエチレン・α−オレフィン共重合体のMFRは、0.1〜20g/10分であり、好ましくは0.5〜10g/10分であり、より好ましくは1,0〜5g/10分である。エチレン・α−オレフィン共重合体のMFRが0.1g/10分未満では樹脂圧力が高く成形性が不良となり、20g/10分を超えるとインフレーション成形時、バブルが不安定になり成形性が不良になる。
本発明で用いるエチレン・α−オレフィン共重合体の密度は、0.880〜0.930g/cm3、好ましくは0.890〜0.925g/cm3、さらに好ましくは0.900〜0.923g/cm3である。エチレン・α−オレフィン共重合体の密度が0.880g/cm3未満では、121℃処理後に透明性不良が発生し、0.930g/cm3を超えると透明性不良、柔軟性低下のため好ましくない。
本発明で用いるエチレン・α−オレフィン共重合体中のα−オレフィンの含有量は、5〜40重量%が好ましく、より好ましくは7〜35重量%、さらに好ましくは9〜30重量%である。α−オレフィンの含有量が少ない場合、フィルムの衝撃強度、及び柔軟性が得られず、多すぎる場合は耐熱性が損なわれる。ここでα−オレフィンの含有量は、下記の条件の13C−NMR法によって計測される値である。
濃度:300mg/2mL
溶媒:オルソジクロロベンゼン。
本発明で用いるエチレン・α−オレフィン共重合体のゲルパーミエーションクロマグラフィー(GPC)により求めたZ平均分子量(Mz)と数平均分子量(Mn)との比(Mz/Mn)は、8.0以下が好ましく、より好ましくは5.0以下である。(Mz/Mn)が8を超えると透明性が悪化する。(Mz/Mn)を所定の範囲に調整する方法としては、適当なメタロセン触媒を選択する方法等が挙げられる。
検出器:MIRAN社製 1A赤外分光光度計(測定波長、3.42μm)
カラム:昭和電工製AD806M/S 3本(カラムの較正は東ソー製単分散ポリスチレン(A500,A2500,F1,F2,F4,F10,F20,F40,F288の各0.5mg/ml溶液)の測定を行い、溶出体積と分子量の対数値を2次式で近似した。また、試料の分子量はポリスチレンとポリエチレンの粘度式を用いてポリエチレンに換算した。ここでポリスチレンの粘度式の係数はα=0.723、logK=−3.967であり、ポリエチレンはα=0.733、logK=−3.407である。)
測定温度:140℃
濃度:20mg/10mL
注入量:0.2ml
溶媒:オルソジクロロベンゼン
流速:1.0ml/分。
本発明の積層体に用いる成分(C)は下記(C1)〜(C2)の特性を有する高密度ポリエチレンである。
(i)特性
(C1)メルトフローレート(MFR:190℃、21.18N荷重)
本発明で用いる成分(C)のMFRは、0.1〜50g/10分、好ましくは1〜30g/10分、さらに好ましくは2〜9g/10分である。成分(C)のMFRが0.1g/10分未満であると、成分(B)中への分散性に欠けるので、121℃処理時の耐熱性を改良せず、好ましくない。また、MFRが50g/10分を超えると、成膜安定性に欠け好ましくない。なお、高密度ポリエチレンのMFRは、JIS−K6922−2:1997付属書(190℃、21.18N荷重)に準拠して測定する。
本発明で用いる成分(C)の密度は、0.940〜0.980g/cm3、好ましくは0.950〜0.980g/cm3、さらに好ましくは0.960〜0.980g/cm3である。成分(C)の密度が0.940g/cm3未満では耐熱性改良効果が十分ではなく、0.980g/cm3を超えるポリエチレンの製造は困難である。なお、成分(C)の密度は、JIS−K6922−2:1997付属書(23℃)に準拠して測定する。
本発明の成分(C)の製造は、目的の物性を有する重合体を製造し得る限りその重合方法や触媒について特に制限はないが、中圧法プロセスによって得られるポリエチレンが好適である。
エチレン系樹脂層の配合割合は、成分(B)が60〜97重量%に対し、成分(C)が3〜40重量%である。好ましくは、成分(B)が70〜95重量%に対し、成分(C)が5〜30重量%、より好ましくは、成分(B)が80〜95重量%に対し、成分(C)が5〜20重量%である。成分(C)の割合が3重量%未満になると、耐熱性改良効果が見られない。一方、成分(C)の配合割合が40重量%を超えると、柔軟性及び透明性が悪化し、好ましくない。
本発明のエチレン系樹脂層を構成する樹脂成分には、本発明の効果を著しく損なわない範囲で、他の付加的任意成分を配合することができる。このような任意成分としては、通常のポリオレフィン系樹脂材料に使用される酸化防止剤、結晶核剤、透明化剤、滑剤、着色剤、分散剤、過酸化物、充填剤、蛍光増白剤等を挙げることができる。
本発明の積層体は、上記プロピレン系樹脂層が上記エチレン系樹脂層の片側または両側に積層されてなるものであればよい。両側に積層する場合、プロピレン系樹脂層は同一であっても、異なっていてもよい。上記プロピレン系樹脂層及びエチレン系樹脂層のほかに、かかる積層体に一般的に使用される各種層を適宜必要に応じて追加して設けることができる。具体的には、各種層の間に接着層やエチレン・酢酸ビニル共重合体ケン化物(EVOH)、ナイロン等のガスバリアー層を設けることができる。
本発明で得られる積層体は、医療用袋、食品包装用袋等に使用することができる。特に、耐熱性の必要な121℃滅菌処理用途に好適に使用できる。医療用袋の具体的用途としては、輸液バッグ、体液や薬液等の注入、排出、保存用等の容器、腹膜透析バッグ、人工透析バッグ等が挙げられる。食品包装用袋としては、レトルト食品用袋等が挙げられる。
(1)メルトフローレート(MFR):前述の通り、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体のMFRは、JIS−K6921−2:1997付属書(230℃、21.18N荷重)に準拠して測定し、エチレン・α−オレフィン共重合体及び高密度ポリエチレンのMFRは、JIS−K6922−2:1997付属書(190℃、21.18N荷重)に準拠して測定した。
(2)Tm:前述の通り、DSCにより測定した。
(3)Mw/Mn:前述の通り、GPCにより測定した。
(4)Mz/Mn:前述の通り、GPCにより測定した。
(5)密度:前述の通り、エチレン・α−オレフィンランダム共重合体の密度は、JIS−K6922−2:1997付属書(23℃、低密度ポリエチレンの場合)に準拠して測定し、高密度ポリエチレンの密度は、JIS−K6922−2:1997付属書(23℃)に準拠して測定した。
プラコー社製3種3層水冷インフレーション成形機(ダイ径;100mmφ、ダイリップ;3mm、ダイス温度;185℃)を用い、第1層と第3層の厚み50μm、第2層の厚み150μm、折り径;180mmのチューブ状積層体を成形した。第2層の片側に第1層を積層し、もう一方の側に第3層を積層した。
(1)耐熱性
円筒状になっている積層体を210mmの大きさに切り出し、切り出した一方をヒートシールして袋状にした。ついで、その中に、純水を500ml充填し、もう一辺をヒートシールして密封した。ヒートシールとヒートシールの間の距離は180mmとなるようにシールした。このようにして得られたサンプル袋を、高温高圧調理殺菌試験機(日阪製作所製、RCS・40RTGN型)の中に入れた後加圧し、121℃まで雰囲気温度を上昇させて、その温度を30分間保持した。その後、約40℃まで冷却し、該サンプル袋を試験機から取り出した。以下、この殺菌処理をした「サンプル袋」を「滅菌処理後積層体」と記述する。
×:しわが多い。または、透明性が低下する。
○:しわがほとんどない。または、まったくない。
前述の通り、JIS−K7136−2000に準拠して測定した。尚、HAZE測定は、成形した積層体と滅菌処理後積層体について行った。滅菌処理後積層体のHAZEを測定する際には、中に充填されている水を抜いて2時間後に行った。
ISO1184−1983に準拠し、積層体のMD方向(フィルムまたはシートの引き取り方向)の引張弾性率を測定した。この値が小さい程、柔軟性に優れていることを示す。尚、引張弾性率は滅菌処理後積層体から水を抜いたもの(水を抜いて48時間後の積層体を使用)について行った。
滅菌処理後積層体(2個)を10℃で24時間保管後、その温度で、2mの高さから平行に鉄板の上に落下させて評価した。以下の基準で評価した。
×:滅菌処理後、積層体が1個又は2個破袋した。
○:落下試験前と様子が変わらず2個とも問題なかった。
JISK7105−1981に準拠し、滅菌処理後積層体の60度鏡面光沢度を測定した。該光沢度は第1層側から測定した。この値が大きいほど、光沢に優れていることを示す。尚、光沢度は滅菌処理後積層体から水を抜いたもの(水を抜いて48時間後の積層体を使用)について行った。
名立計器社製の下記仕様のゲルボフレックステスターを用いて、滅菌処理後積層体に対して屈曲を与えた。試験片としては、滅菌処理後積層体から水を抜いたもの(水を抜いて48時間後の積層体を使用)を用いた。大きさを確保するため、チューブ状サンプルの折り目の一方を切り開いて試験片として用いた。
・固定ヘッド: 直径 88.9mm、厚み 12.7mmの円板
・82.55mmのストローク中に400°のひねりを与える
・屈曲速度: 100ストローク/分
・試験片サイズ: 21cm×29cm
屈曲回数は5000回とし、その後、以下の基準で評価した。
×:滅菌処理後積層体に層間剥離が見られた。剥がれしろを手でもって剥がすと容易に層間が剥がれた。
○:滅菌処理後積層体に層間剥離が見られなかった。
(1)成分(A): プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体
下記の製造例1〜3で得た(PP−1)〜(PP−3)を用いた。物性を表1に示す。
(i)メタロセン化合物
特開平10−226712号公報の実施例12に記載された方法に従って、ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル)ジルコニウムジクロリドのラセミ体を合成した。
(ii)イオン交換性層状珪酸塩の化学処理
特開平11−80229号公報の実施例1に記載された方法に従って製造した。さらに、この化学処理モンモリロナイト200gを内容積3Lの撹拌翼のついたガラス製反応器に導入し、ノルマルヘプタン750ml、さらにトリノルマルオクチルアルミニウムのヘプタン溶液(500mmol)を加え、室温で攪拌した。1時間後、ノルマルヘプタンにて洗浄(残液率1%未満)し、スラリーを2000mLに調整した。
(iii)触媒の調整/予備重合
次に、(r)−ジメチルシリレンビス〔2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル〕ジルコニウムジクロリド3mmolのトルエンスラリー870mLとトリイソブチルアルミニウム(15mmol)のヘプタン溶液42.6mLをあらかじめ室温にて1時間反応させておいた混合液を、上記の化学処理モンモリナイトスラリーに加え、1時間攪拌した。
内容積270Lの攪拌装置付き液相重合槽、内容積400Lの失活槽、スラリー循環ポンプ、循環ラインからなる失活システム、二重管式熱交換器と流動フラッシュ槽からなる高圧脱ガスシステム、さらに低圧脱ガス槽及び乾燥器などを含む後処理系を組み込んだプロセスにより、プロピレン・エチレン共重合体の連続製造を実施した。
製造例1(iv)において、エチレンを1.50kg/hr、水素を0.20g/hr、内温を60℃にした以外は、製造例1と同様にしてプロピレン・エチレンの共重合を行った。その結果、エチレン含有量=4.4重量%、MFR=6g/10分、Tm=120℃、Mw/Mn=2.8の重合体(PP−2)を得た。
(1)固体触媒の調製
十分に窒素置換したフラスコに脱水及び脱酸素したn−ヘプタン200mLを導入し、ついでMgCl2を0.4mol、Ti(O−n−C4H9)4を0.8mol導入し、95℃に保ちながら2時間反応させた。反応終了後、40℃に温度を下げ、次いでメチルハイドロジェンポリシロキサン(20センチストークス)を48mL導入し、3時間反応させた。生成した固体成分をn−ヘプタンで洗浄した。
内容積200リットルの撹拌式オートクレーブ内をプロピレンで十分に置換した後、精製したn−ヘプタン60リットルを導入し、これにトリエチルアルミニウム15g、上述の固体触媒2.0g(予備重合ポリマーを除いた量として)を55℃でプロピレン雰囲気下に導入した。その後、60℃に昇温し、ここで気相部水素濃度を5.8容量%に保ちながらプロピレンを5.8kg/hrのフィード速度で導入した。さらに10分後、エチレンを240g/hの速度で導入して6時間重合を実施した。その後、全モノマーの供給を停止し1時間重合を行った。ここでブタノールにて反応を停止させた。その後、残ガスをパージし、生成物をろ過して、乾燥を行った。その結果、チーグラー触媒で製造された、MFR=7g/10分、Tm=138℃、Mw/Mn=3.9の重合体(PP−3)を得た。
(4−1)エチレンとヘキセン−1の共重合体を製造した。触媒の調製は、特表平7−508545号公報に記載された方法で実施した。即ち、錯体ジメチルシリレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ハフニウムジメチル2.0mモルに、トリペンタフルオロフェニルホウ素を上記錯体に対して等モル加え、トルエンで10リットルに希釈して触媒溶液を調製した。
(4−2)重合
内容積1.5リットルの撹拌式オートクレーブ型連続反応器を反応器内の圧力を130MPaに保ち、エチレンと1−ヘキセンとの混合物を1−ヘキセンの組成が50重量%となるように40kg/時の割合で原料ガスを連続的に供給した。また、上記触媒溶液を連続的に供給し、重合温度が156℃を維持するようにその供給量を調整した。1時間あたりのポリマー生産量は約2.6kgであった。反応終了後、1−ヘキセン含有量=11重量%、MFR=2.2g/10分、密度=0.910g/cm3、Mz/Mn=3.5であるエチレン・1−ヘキセン共重合体(PE−1)を得た。
重合時の1−ヘキセンの組成を44重量%にし、重合温度を160℃に代えた以外は製造例4と同様の製法で触媒調整及び重合を行った。1時間あたりのポリマー生産量は約2.6kgであった。反応終了後、1−ヘキセン含有量=9.0重量%、MFR=2.2g/10分、密度=0.914g/cm3、Mz/Mn=3.5であるエチレン・1−ヘキセン共重合体(PE−2)を得た。
重合時の1−ヘキセンの組成を77重量%にし、重合温度を105℃に代えた以外は製造例4と同様の製法で触媒調整及び重合を行った。1時間あたりのポリマー生産量は約1.8kgであった。反応終了後、1−ヘキセン含有量=32重量%、MFR=1.0g/10分、密度=0.865g/cm3、Mz/Mn=3.5であるエチレン・1−ヘキセン共重合体(PE−3)を得た。
日本ポリケム社製ノバテックHJ580(MFR:12g/10分、密度:0.960g/cm3)を用いた。表3中、HD−Dと表示した。
第1層及び第3層には、(PP−1)100重量部に対し、成分(D)の高密度ポリエチレン0.5重量部を配合したプロピレン系樹脂1を用い、第2層には(PE−1)90重量%に対し、成分(C)を10重量%配合したエチレン系樹脂1を用いた。これら各層の樹脂材料を、上記プラコー社製3種3層水冷インフレーション成形機に各々セットし、上記条件で水冷インフレーション成形を行って厚さ250μmの積層体を得、評価を行った。結果を表3に示す。
第2層に、(PE−2)90重量%に成分(C)の高密度ポリエチレンを10重量%配合したエチレン系樹脂2を用いたこと以外は、実施例1と同様にして積層体を得た。評価結果を表3に示す。
第3層に、エチレン系樹脂1を用いたこと以外は、実施例1と同様にして積層体を得た。評価結果を表3に示す。
第1〜第3層の全てに、プロピレン系樹脂1を用いて積層体を得た。評価結果を表4に示す。このものは、耐熱性、透明性(滅菌処理後)、光沢度(滅菌処理後)及び層間剥離強度(滅菌処理後)が良好であるが、柔軟性及び落袋強度が劣る。
第2層に、(PE−1)100重量%を用いたこと以外は、実施例1と同様にして積層体を得た。評価結果を表4に示す。このものは柔軟性、落袋強度及び層間剥離強度(滅菌処理後)が良好であるが、耐熱性、透明性(滅菌処理後)、光沢度(滅菌処理後)が劣る。
第2層に、(PE−3)100重量%を用いたこと以外は、実施例1と同様にして積層体を得た。評価結果を表4に示す。このものは柔軟性、落袋強度及び層間剥離強度(滅菌処理後)が良好であるが、耐熱性、透明性(滅菌処理後)、光沢度(滅菌処理後)が劣る。
第2層に、(PE−3)90重量%に成分(C)の高密度ポリエチレンを10重量%配合したエチレン系樹脂3を用いたこと以外は、実施例1と同様にして積層体を得た。評価結果を表4に示す。このものは柔軟性、落袋強度、光沢度(滅菌処理後)及び層間剥離強度(滅菌処理後)が良好であるが、耐熱性及び透明性(滅菌処理後)が劣る。
第1層及び第3層に、(PP−2)100重量部に対し、成分(D)の高密度ポリエチレン0.5重量部を配合したプロピレン系樹脂2を用いたこと以外は、実施例1と同様にして積層体を得た。評価結果を表4に示す。このものは柔軟性、落袋強度及び層間剥離強度(滅菌処理後)が良好であるが、耐熱性、透明性(滅菌処理後)及び光沢度(滅菌処理後)が劣る。
第1層及び第3層に、(PP−3)100重量%を用いたこと以外は、実施例1と同様にして積層体を得た。評価結果を表4に示す。このものは柔軟性及び落袋強度が良好であるが、耐熱性、透明性(滅菌処理後)、光沢度(滅菌処理後)及び層間剥離強度(滅菌処理後)が劣る。
Claims (6)
- 下記成分(B)60〜97重量%、下記成分(C)3〜40重量%からなるエチレン系樹脂層の片側又は両側に、下記成分(A)を主成分とするプロピレン系樹脂層が積層されてなり、該プロピレン系樹脂層が核剤として、下記(D1)〜(D2)の特性を有する高密度ポリエチレン成分(D)を、プロピレン・α−オレフィン共重合体100重量部に対して、0.01〜5重量部含有する組成物からなる積層体からなることを特徴とする医療用袋。
成分(A):メタロセン触媒を用いて重合され、かつ下記(A1)〜(A3)の特性を有するプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体。
(A1)メルトフローレート(MFR:230℃、21.18N荷重)が0.1〜50g/10分。
(A2)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求めた重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が1.5〜3.5。
(A3)示差熱走査熱量計(DSC)による融解ピーク温度(Tm)が121〜150℃。
成分(B):メタロセン触媒を用いて製造され、下記(B1)〜(B4)の特性を有するエチレンと炭素数3〜12のα‐オレフィンとの共重合体。
(B1)メルトフローレート(MFR:190℃、21.18N荷重)が0.1〜20g/10分。
(B2)密度が0.880〜0.930g/cm3。
(B3)α−オレフィンの含有量が5〜40重量%。
(B4)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求めたZ平均分子量(Mz)と数平均分子量(Mn)との比(Mz/Mn)が8.0以下。
成分(C):下記(C1)〜(C2)の特性を有する高密度ポリエチレン。
(C1)メルトフローレート(MFR:190℃、21.18N荷重)が0.1〜50g/10分。
(C2)密度が0.940〜0.980g/cm3。
特性(D):
(D1)メルトフローレート(MFR:190℃、21.18N荷重)が0.1〜3000g/10分。
(D2)密度が0.940〜0.980g/cm 3 。 - 成分(A)が、下記(A4)の特性を有する共重合体であることを特徴とする請求項1に記載の積層体からなる医療用袋。
(A4)融解ピーク温度(Tm)とコモノマー含有量(Ec)の関係が下記式(1)を満たす。
Tm≧−6.7049×Ec+140 ・・・式(1) - 成分(A)がプロピレン・エチレンランダム共重合体であることを特徴とする請求項1又は2に記載の積層体からなる医療用袋。
- プロピレン系樹脂層が、エチレン系樹脂層の両側に積層されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層体からなる医療用袋。
- 積層体の全体の厚みが100〜700μmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の積層体からなる医療用袋。
- 積層体の全体の厚みに対するプロピレン系樹脂層の割合が15〜60%であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の積層体からなる医療用袋。
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