JP4450901B2 - 固体副生成物の除去工程を含んでなる、硫化水素および二酸化硫黄含有ガスの処理方法ならびに装置 - Google Patents

固体副生成物の除去工程を含んでなる、硫化水素および二酸化硫黄含有ガスの処理方法ならびに装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、少なくとも硫化水素および二酸化硫黄を含有する流出ガスを溶媒により処理し、その間にこの溶媒処理法中に生じた副生成物を抜き取る方法に関する。
【0002】
本発明方法は特に、クラウス(Claus)法後に使用する処理装置に適用できる
【0003】
【従来の技術】
クラウス法は特に精油所で(水素化脱硫または触媒分解装置の後)、また天然ガスの処理で硫化水素を含有する供給ガス流から元素としての硫黄を回収するために広く用いられている。しかしながら、クラウスプラントから出る煙霧には、いくつかの触媒工程の後でさえも相当量の酸ガスが含まれている。公害防止基準を遵守するにはこれらのクラウスプラントの流出ガス(テールガス)を処理して、有害化合物の大部分を除去する必要がある。これらの基準はますます厳しくなりつつあるので、既存の技術を永久的に改良することが不可欠である。
【0004】
例えば、クラウスプラントから排出される硫黄の約95重量%が回収されることがよく知られている。
【0005】
このクラウスプラント流出ガスのクラウスポール(Clauspol)プラントでの処理により、例えばクラウスの発熱反応:
2H2S+SO2←→3S+2H2O (反応1)
から、回収される溶媒は99.8重量%を達成できる。
【0006】
かかる処理は有機溶媒からなる反応媒質と、有機酸のアルカリまたはアルカリ土類塩からなる触媒を必要とする。処理しようとするガスと触媒を含有する有機溶媒との接触は、垂直または水平の気液接触反応器内で向流または並流で行うことができ、その温度はその接触反応器の一方の末端で抜き取った溶媒を循環ポンプで熱交換器を通過させることにより、固体硫黄の生成を防ぎつつ、最高の硫黄変換係数となるのに有利であるよう制御される。この種のプラントでは、硫黄元素溶解能が限定された溶媒に、単純なデカンテーションにより溶媒から分離されうる遊離の液体硫黄元素が加えられることはよく知られている。この液体硫黄-溶媒デカンテーションは、接触反応器の底部に設置できる液-液デカンテーションゾーンで行われる。このようにして硫黄は液体状で回収される。
【0007】
かかるプラントの操作は、例えば以下の参考文献に記載されている:
Y. BARTHEL, H. GRUHIER, The IFP Clauspol 1500 process: eight years of industrial experience, Chem, Chem. Eng. Monogr., 10(Large Chem Plant), 1979, 69-86頁;
HENNICO A., BARTHEL Y., BENAYOUN D., DEZAEL C., Clauspol 300: the new IFP TGT process, For presentation at AIChE Summer National Meeting, Denver (Colo.), 1994年8月14-17日。
【0008】
また、この種のプラントの脱硫率は本出願人により出願された仏国特許第2,735,460号に記載の方法に従い硫黄中で溶媒を脱飽和することにより向上させることができるということがよくも知られている。この場合、単相溶媒および接触反応器の末端で抜き取った硫黄溶液の一部を冷却して硫黄を晶出させる。次いでこの晶出硫黄を、濾過、デカンテーションまたは遠心分離などの種々の公知の固液分離手段により溶媒から分離する。一方で接触反応器へ再循環させることができる脱硫溶媒を得、他方で再加熱して硫黄を融解し、次いで液体硫黄を回収する溶媒-硫黄液液デカンテーションゾーンへ送ることが可能な固体硫黄に富んだ懸濁液を得る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
かかる方法は極めて効果的であることがわかっているが、それらは種々の制限により限定され得る。 例えば、接触反応器内で副反応が起こって、例えば触媒ゆったりした分解により、固体副生成物である主にアルカリまたはアルカリ土類硫酸塩またはチオ硫酸塩などの塩が生じる。これらの固体は、有機溶媒と液体硫黄の間の界面のデカンテーションゾーン内で蓄積および増加する傾向があり、これにより硫黄のデカンテーションが困難になる。
【0010】
この問題を解決する1つの手段が、仏国特許第2,735,460号に記載され、この特許はかかる塩を含有する溶媒をフィルターに通すことが可能であることを開示している。塩はフィルター上に留まり、硫黄含有溶媒は硫黄脱飽和工程へと送られる。しかしながらかかる循環溶媒の処理は、溶媒の硫黄脱飽和のために意図したゾーンから下流に位置する液体硫黄-溶媒デカンテーションゾーンを含め液体硫黄-溶媒界面におけるこれらの塩の蓄積を完全に除去するには十分ではない。
【0011】
【問題を解決するための手段】
本発明の目的は、副反応中に生じた固体副生成物を含有する液体画分Fを抜き取り、その画分を処理して副生成物を除去し、事実上副生成物を含まない溶媒を得る方法およびそのための装置にある。
【0012】
これらの副生成物は例えば、触媒の分解が遅くなる結果生じるものである。
【0013】
抜き取りは連続的であっても非連続的であってもよく、これら副生成物の蓄積が制御される。副生成物は例えば、この蓄積により硫黄のデカンテーションが困難になった際に除去する。
【0014】
事実上固体副生成物を含まない溶媒はガスを処理する接触反応器へ再循環させることができれば好都合である。
【0015】
本発明は、少なくとも硫化水素(H2S)および少なくとも二酸化硫黄(SO2)を含有するガスを処理する方法であって、好適な温度で、少なくとも1種の触媒を含有する有機溶媒にガスを接触させ、実質的にもはや硫化水素および二酸化硫黄を含まない流出ガスを回収し、その溶媒から液-液デカンテーションにより液体硫黄を分離する方法に関する。
【0016】
その方法は:
副生成物を含む層が液体硫黄と分離された溶媒の間に位置すること、
少なくとも固体副生成物を含有する液体画分Fを前記の層から抜き取ること、および
前記液体画分Fを接触工程とは異なる処理工程に送り、その後、少なくとも大部分が副生成物を含有するF1流の大部分が副生成物をほとんど含まない溶媒からなるF2流を回収することを特徴とする。
【0017】
前記処理工程は例えば以下の手順:
a)選択した温度、圧力および流速条件下で水などの水相を送り込んで、前記水相に少なくとも大部分の固体副生成物を可溶化させ、この水相と、抜き取った大部分が溶媒からなる有機相との間の少なくとも液-液分離(liquid-liquid demixing)を得ること、および/または
b)少なくとも1回の濾過工程を行うこと、および/または
c)固体支持体上で副生成物捕捉工程を行い、固体副生成物において奪われた溶媒からなる相と、大部分が副生成物を含有する捕捉ベッドの再生から得られる相の少なくとも2相を回収すること
のうち少なくとも1つを実行することにより行われる。
【0018】
少なくとも、主に硫黄からなる第3の相は例えば手順a)中に回収する。
【0019】
手順a)またはb)またはc)は例えば120ないし180℃の範囲の温度で、および/または 手順a)は例えば大気圧ないし1.5Mpaの範囲の圧力で
行うことができる。
【0020】
手順a)は例えば、気相が生成しないよう選択した温度および/または圧力で行う。固体副生成物を含有する層の位置および/または厚さは例えば、制御する。
【0021】
例えば、主に溶媒からなるF2流の少なくとも一部を溶媒の硫黄脱飽和工程に送り、脱硫溶媒相の一部またはすべてを接触工程へ再循環させる。
【0022】
本方法はまた、生成した副生成物の晶出のために好ましい加熱工程を含んでもよい。
【0023】
本発明はまた、溶媒および触媒を用い、少なくとも硫化水素(H2S)および二酸化硫黄(SO2)を含有する流出ガスを処理する工程中に生じた副生成物の除去または回収を可能にする装置であって、少なくとも1つの接触反応器、少なくとも1つの分離ゾーン、少なくとも処理しようとするガス、および溶媒と触媒含有する流体を送るためのいくつかのライン、少なくとも清浄化したガス、および少なくとも溶媒と副生成物を含有する流体抜きとりのためのラインを有してなる装置に関する。
【0024】
その装置は少なくとも:
分離ゾーン内で固体副生成物の層に接続した、実質的に少なくとも固体副生成物を含んでなる液体画分Fを抜き取る手段と
画分Fを処理するための少なくとも1つのゾーン
を含んでなることを特徴とする。
【0025】
処理ゾーンは例えば接触反応器の外部に設置される。
【0026】
1つの具体例によれば、分離ゾーンおよび抜き取り手段は接触反応器の下部に設置される。 前記抜き取り手段は例えば、接触反応器と分離ゾーンをつなぐライン上に設置される。
【0027】
処理ゾーンは以下の手段:
容器(capacity)および吸水管などの分離(demixing)手段、および/または
濾過手段、および/または
アルミナ類、セラミック類、活性炭などの捕捉手段
から選択される手段のうち少なくとも1つを含んでもよく、
前記の手段は、大部分が溶媒からなる少なくとも1つの流れおよび大部分が生成した副生成物からなる少なくとも1つの流れを作り出すのに適したものである。
【0028】
前記装置は、副生成物層の厚さを制御する手段(CN2, V2)および/または位置を制御する手段(CN1, V1)、または制御手段(V1, V2)を含み得る。
【0029】
それはまた、少なくとも処理工程から来る溶媒の大部分を再循環させるラインを有していてもよい。
【0030】
前記装置はまた、硫黄中で溶媒を脱飽和する手段を有してなってもよく、これらの手段は例えば再循環ラインに接続する。
【0031】
接触反応器は例えば以下に記載の装置のうちの1つから選択される:
ランダムまたは積層充填物(Packing)、または静置攪拌器SMV、または衝撃装置(impactor)、またはハイドロ−エジェクター(hydro-ejector)、または噴霧器、またはワイヤー接触器を有する反応器。
【0032】
本発明の方法および装置は例えば、天然ガスのスクラビング操作または原油の精製操作からのH2Sを処理するクラウスプラントからの流出ガスを処理するために適用される。
【0033】
前記の方法および装置は特に以下の利点を与える:
単なる少数の小型装置の付加(極遅い流速を意図したもの)により、既存のクラウスポールプラントを簡単に、それゆえ低コストで改良することが可能となり、 それらにより清浄化した溶媒を回収し、かつ、それを直接ガス処理工程へ再循環させることが可能となる。 さらに、ある種の接触反応器に設置されたパッキング内の固体副生成物の蓄積を防ぐことが可能となる。
【0034】
【発明の実施の形態】
非限定的な例として以下に示される具体例は、少なくとも硫化水素および二酸化硫黄を含有するガスの処理中に生じる固体副生成物の除去に関する。これらの副生成物は特にガス処理工程に用いる触媒の分解(degradation)によるものである。
【0035】
図1によれば、装置は気液接触反応器1を有してなる。ライン2は接触反応器に、クラウスプラントからの流出ガスなどの硫黄含有ガスを供給し、ライン3は例えば、ポリエチレングリコール400などの溶媒とサリチル酸ナトリウムなどの触媒を含む再循環溶液を送る。
【0036】
本発明の範囲から逸脱しない限り、以下の記載に挙げたなかから選択される種々の溶媒および触媒が使用できる。
【0037】
清浄化したガスはライン4を通じて排気される。
【0038】
触媒および硫黄を含有する単相溶媒溶液はライン5を通じて接触反応器1から排出される。次いでこの溶液はポンプ6およびライン7を通じて熱交換器8へと送られ、そこで接触反応器1の作動に適合可能な好適な温度、例えば120℃に冷却される。この温度はライン10で熱交換器8に接続した調節器9によって制御できる。ライン10は例えば熱交換器中の冷却剤を送るライン12上に設けられたバルブ11に接続する。
【0039】
熱交換器8からの冷却溶媒はライン3を通じて接触反応器1へ再循環させることができる。 リサイクル・ループ(特に構成要素5、6、7、8、3)を循環する単相溶媒溶液の一部、例えば溶液の10ないし20%がライン7からライン13を通じて抜き取られて、硫黄脱飽和ゾーン14などの処理ゾーンに送られる。
【0040】
この脱飽和ゾーン14では、単相溶液が例えば60℃まで冷却され、硫黄結晶の溶媒懸濁物が生じる。次いでこの晶出硫黄は、濾過、デカンテーションまたは遠心分離などの当業者に公知の種々の固液分離法により溶媒から分離される。一方で脱硫溶媒が得られ、例えばライン15を通じて抜き取られ接触反応器1へ再循環され、他方で固体硫黄に富んだ懸濁物が得られる。この固体硫黄に富んだ懸濁物は専門家に公知の硫黄を融解するのに好適な手段により再加熱し、次いでライン16を通じて以下に記載の液-液デカンテーションゾーンに送ることができる。
接触反応器は例えば、ライン17によりデカンテーションゾーン18へ接続している。このライン17によりライン16を通じて送られてきた溶媒をデカンテーションゾーン18へと送ることが可能となる。
【0041】
液体硫黄はこのデカンテーションゾーンの下部に、例えばバルブV1を設けたライン19を通じて排出される。
【0042】
生成した固体副生成物を含有する液体画分Fは、ライン20などの排出手段を通じて抜き取られ、次いでポンプ21、およびライン21の手段によって、接触反応器の外部に設置された処理ゾーン22へ送られる。
【0043】
ライン20およびより一般的には排出手段は例えば、溶媒と液体硫黄の間に位置する副生成物層と水平に、かつ/またはその付近に設置する。
【0044】
抜き取り手段20は、バルブおよびデカンテーションゾーンと接続したラインなどの種々の装置を有することができ、そのある変形例を非限定的な例として図2に示す。当業者に公知の種々の検出様式および装置を使用して、固体副生成物の位置を捜し当てることができる。
【0045】
これらの抜き取り手段は手動で作動させてもよいし、あるいはそれらを分離ゾーンの付近で副生成物検出手段に接続してもよい。
【0046】
処理ゾーン22により液体画分Fを分離して、少なくともライン24を通じて抜き取られた固体副生成物からなるF1流、主にライン25を通じて接触反応器1へ再循環される副生成物を事実上含まない溶媒からなるF2流、およびライン26を通じてデカンテーションゾーンへと送られる液体硫黄を得ることが可能となる。ライン24を通じて抜き取られた固体副生成物からなるF1流は例えば、水処理に送られる前に水で希釈される。
【0047】
本発明の範囲から逸脱しない限り、界面レベルで副生成物を抜き取る手段は、図1の点線で示したように接続ライン17の付近に設置することができる。
【0048】
図2は、デカンテーションゾーンが接触反応器1に含まれる変形例を模式的に示したものである。
【0049】
参照番号は図1に示した同一の構成要素に用いられているものと同じである。
【0050】
デカンテーションゾーン28は接触反応器1の下部に設置されている。
【0051】
デカンテーションゾーンの付近に、液体硫黄抜き取りライン19にバルブV1が設けられ、固体副生成物抜き取りライン20にバルブV2が設けられている。ライン20は、例えば液体硫黄と溶媒の間に形成した層の付近に配置されている。
【0052】
このデカンテーションゾーンの付近にそれぞれ設置されている検出器CN1およびCN2のような2つの手段により、液体硫黄-固体副生成物界面I1および固体副生成物-溶媒界面I2のレベルを検出することが可能となる。
【0053】
このデカンテーションゾーンの底部は、その上部において固体副生成物と溶媒からなる層(第2の層)から界面I1により分離された液体硫黄からなる層(第1の層)を有してなる。この第2の層はその上部において主に溶媒からなる層から界面I2により分離されている。
【0054】
固体副生成物層の位置およびその厚さを抜き取り手段20に対してそれぞれ制御するため、検出器CN1は従来の物理的結合よりバルブV1に接続され、検出器はCN2はバルブV2に接続されている。
【0055】
本発明の範囲を逸脱しない限り、抜き取り手段はまた抜き取られた液体画分の通過を制御できるようにするバルブを備えたいくつかのラインを有していてもよい。
【0056】
種々のバルブは例えば視覚検査により手動で確認してもよい。
【0057】
本明細書に示される種々の変形例においては、本方法および装置の操作条件は以下の通りであってよい:
接触反応器は、溶媒中で固体硫黄が生じないようにするよう選択された温度、例えば50ないし130℃、好ましくは120ないし122℃の範囲の温度で操作させることができる。かかる条件の下、反応(1)はできる限り右側へ移され、生成した硫黄は、反応器の底部へ沈降することができるように液体状である。この温度は例えば少なくとも1つの熱交換器内に溶媒を通すことにより制御される。
【0058】
本方法は非常に広い圧力範囲内、例えば9.8kPaないし4.9Mpaで行うことができる。
【0059】
本方法はいずれの気液接触法によって実施してもよく、例えば以下の2つの変形例による垂直反応器がある:
処理しようとするガスと溶媒の並流接触を行う。この場合、接触反応器の下部から横に抜き取った処理しようとするガスおよび再循環溶媒は、接触反応器の上方へと送る。また流出ガスも、接触反応器の下部で、再循環される溶媒の上方で横に抜き取る。
【0060】
接触反応器の下端が分離ドラムに接続している場合、再循環溶媒はこのドラムの底部で回収し、処理されたガスはドラムの側部から回収する。
【0061】
処理しようとするガスと溶媒の向流接触を行う。この場合、処理しようとするガスは接触反応器の下部へ横から送り込み、接触反応器の下部から来る溶媒は上部へ横から再循環させる。硫黄は接触反応器の底部で回収し、流出ガスは上部から排出する。
【0062】
接触反応器は種々の図において垂直配置で示されているが、本発明の範囲を逸脱しない限り水平に配置することもできる。
【0063】
接触反応器は、ガスと、触媒を含有する溶媒の接触が可能ないずれの装置または一連の装置からなってもよい。それは以下の装置から選択することができる:
Sulzer社から市販されているMellapak型のランダム(例えばIntalox saddles)または積層パッキングを有する反応器、
例えば、Sulzer社から市販されている静置攪拌器SMV、
例えば、AEA社から市販されている衝撃装置、
例えば、Biotrade社から市販されているハイドロエジェクター、
例えば、LAB社から市販されている噴霧器、
例えば、Toussaint Nyssenne社により市販されているワイヤー接触器。
【0064】
通常使用される溶媒としては、仏国特許第2,115,721号(米国特許第3,796,796号)、同第2,122,674号および同第2,138,371号(米国特許第3,832,454号)に記載のようなモノもしくはポリアルキレングリコール、モノもしくはポリアルキレングリコールエステル、またはモノもしくはポリアルキレングリコールエステルが挙げられる。
【0065】
使用される溶媒は通常、前記特許に記載されているものであり、さらに特には安息香酸やサリチル酸などの弱有機酸のアルカリ塩である。
【0066】
液相における触媒の濃度は有利には0.1ないし5重量%の範囲、さらに有利には0.5ないし2重量%である。
【0067】
ゾーン22における処理は種々の様式で行うことができ、そのいくつかを非限定的な例として以下に示す。
【0068】
分離処理
図1で示されたものと同一の構成要素に対して同じ参照番号が記されている図3に示した変形例によれば、ライン20を通じて排出された液体画分Fはポンプ21およびライン23(図2)を通じて分離処理ゾーン22へ送られる。
【0069】
それゆえ、処理ゾーンは分離が起こる容器30を有している。液体の水は、例えば容器30の前のライン23と出会うライン31を通じて注入される。この水は例えば圧力0.3Mpa、温度120℃で導入される。
【0070】
水には硫酸ナトリウムが溶解し、この塩を含んだ水相にはPEGが溶解しにくいので、1%未満のPEGを含む水相とその上の5%未満の硫酸ナトリウムを含む有機相の少なくとも2相が生じる。この水相をライン24を通じて水処理へと送り、大部分が固体副生成物からなるPEGフィードはライン25を通じて再び溶媒リサイクル・ループへと送る。また、実質的に液体硫黄からなる第3の液相も容器30の底部に存在し得る。次いで後者をライン26を通じてデカンテーションゾーン18へと送る。
【0071】
手順によれば、気相が形成しないように選択した温度および圧力で作動させることができる。
【0072】
濾過処理
図4で示される変形例によれば、ゾーン22における処理は濾過により行う。
【0073】
ライン20を通じて排出された液体画分Fはポンプ21およびライン23(図2)を通じて、濾過手段、例えば1以上のフィルター40を有する処理ゾーン22へ送られる。フィルターは例えば、変形可能な布製フィルターカートリッジからなる。
【0074】
固体副生成物はフィルター上に留まり、一方清浄化された溶媒はライン25を通じて抜き取られ、接触反応器1の上部へと再循環させる。
【0075】
副生成物を除去または沈積させるためのフィルターの洗浄は、処理サイクルからフィルターを取り外すことにより、および適度な圧力の下でライン41を通じて導入される濾過溶媒または水などの流体をカートリッジへと送ることにより行う。生成したケーキの厚さが、濾過カートリッジにおける圧力差が例えば、0.1ないし0.3Mpaに高くなるような場合には、洗浄操作が必要となりうる。
【0076】
固体副生成物はライン42を通じてフィルターの底部から抜き取る。
【0077】
第1のフィルターと並行に取り付けられる少なくとも第2のフィルターを設けて、第1のフィルターを洗浄する際に確実に画分Fの連続的濾過を行うことができる。
【0078】
処理サーキットの残りからこのゾーンを隔離する手段は、当業者に公知であり、詳細には示さない。それらは特にバルブV3の隔離を含む。
【0079】
捕捉処理
図5で示される変形例によれば、生じた副生成物の分離は処理ゾーン22において捕捉により達成される。
【0080】
従って、ライン20を通じて排出された液体画分Fはポンプ21およびライン23(図2)を通じ、捕捉手段51、例えば1以上の捕集ベッドを有してなる容器50を含む処理ゾーン22へ送られる。このベッドは、例えばセラミック類、金属類、酸化物、活性炭の固体からなる。
【0081】
容器50へ供給された液体画分Fは、固体副生成物をトラップする捕集ベッド51を通し、大部分の固体副生成物を除去された溶媒をライン52を通じて容器50から流出させ接触反応器へ再循環させる。
【0082】
捕集ベッドが固体副生成物で飽和すれば、容器をサーキットから隔離し、ライン53を通じて導入された清浄な水を通して、溶解した副生成物を含んだ水をライン54を通じて排水することにより再生させる。
【0083】
第1の容器と並行に取り付けられる少なくとも第2の容器を設け、例えば水洗による第1の容器の回収ベッドの再生中、または回収ベッドの交換中、画分Fに含まれる固体副生成物の連続的捕捉を可能にすることができる。
【0084】
濾過処理の場合については、サーキットの残りからこのゾーンを分離する手段は当業者に公知であり、詳細には示さない。それらは特にバルブV4の分離を含む。 上記のすべての例では、本発明の範囲を逸脱しない限り、生成した副生成物の晶出に好都合にするために溶媒を加熱することができる。
【0085】
使用される加熱手段は当業者に公知であり、生じた副生成物の晶出に好ましい十分な温度が得られるのに適合している。
【0086】
温度は例えば120ないし180℃、好ましくは120℃ないし150℃の範囲である。
【0087】
加熱手段それらはデカンテーションゾーンの上流に、またはこのゾーンの付近に設置される。
【0088】
明瞭になのでこの手段は図では示さない。
【0089】
【実施例】
本発明の種々の変形や変更によって得られる利点は、以下に記載の例により明らかになるであろう。
【0090】
例1:図6で示される先行技術の方法に対する
クラウスプラントからのテールガスをライン60を通じ、流速12300Nm3/hで、2つの充填床(パッキングベッド)62、63を含むカラム61からなる垂直接触反応器に供給し、これを125℃で、ライン64を通じて導入した可溶性触媒を含有する有機溶媒と接触させる。
【0091】
本例で用いられる充填物(パッキング)は、2つのサドルベッド("Intalox"セラミックサドル、比表面積250m2/m3)からなる。
【0092】
用いられる有機溶媒は、400の分子量を有するポリエチレングリコールであり、可溶性触媒は100ミリモル/kg溶媒の濃度のサリチル酸ナトリウムである。
【0093】
溶媒は接触反応器の底部と上部の間でライン65および64を通じ、熱交換器67を通じて循環ポンプ66により流速500m3/hで循環させ、温度制御および調節は、ライン70を通じ80℃で熱水を交換器に注入し、ライン71を通じて排出することを可能にする測定および制御系68および69により行われる。再循環溶媒の温度は125℃である。
【0094】
清浄化されたガスはライン72を通じて接触反応器から流出する。生成した硫黄は接触反応器の底部に沈積し、ライン73を通じて332kg/hの速度で抜き取られる。 プラントに流入する、またプラントから流出するガスの組成は、図6で示された先行技術と比較して以下の表に示す。
【0095】
【表1】
Figure 0004450901
*SV=蒸気硫黄+液体硫黄
接触反応器の硫黄化合物収率は:
(流入硫黄化合物%-流出硫黄化合物%)/流入硫黄化合物% x 100
=(2.036-0.1449)/2.036x100=92.88%
である。
【0096】
先行技術による97%収率のクラウスプラント+クラウスポール最終プラントの全収率は:
97+(3x92.88)/100=99.78%
である。
【0097】
先行技術の装置が硫黄中で溶媒を脱飽和するゾーンを有してなる場合(図示せず)、流入ガスおよび流出ガスの組成は以下の通りである。
【0098】
【表2】
Figure 0004450901
*SV=蒸気硫黄+液体硫黄
接触反応器の硫黄化合物収率は:
(流入硫黄化合物%-流出硫黄化合物%)/流入硫黄化合物% x 100
=(2.036-0.067)/2.036x100=96.7%
である。
【0099】
先行技術に従う97%収率のクラウスプラント+クラウスポール最終プラントの全収率は:
97+(3x96.7)/100=99.9%
である。
【0100】
反応器流出物のH2SおよびSO2含量は大幅に減少し、蒸気硫黄含量も実質的に減少したことがわかる。
【0101】
以下の実施例において、「塩」とは、特にガス処理工程において触媒が存在することによる副反応を介して形成しうる種々の副生成物を示す。
【0102】
例2:分離ゾーン(図3)における副生成物の界面における抜き取りおよび分離工程
例1で示したものと同じタイプの反応器(クラウスプラントからのテールガスと同可溶性触媒を含有する同溶媒とを接触させるための2つのセラミック製Intaloxサドルベッドを含む)を用いる。
【0103】
クラウスのテールガスはライン2を通じて同じ流速(12300Nm3/h)で反応器に送り、触媒を含有する溶媒をライン3を通じ、ポンプ6により500Nm3/hの速度で導入し、溶媒の温度はライン12により熱水を供給する交換器8により125℃に維持される。清浄化されたガスはライン4を通じて流出する。
【0104】
本発明のの目的である、例1との主な相違点は、デカンテーションゾーン18、28の固体副生成物層(第2の層)の付近で液体画分Fを57 l/hの速度で連続的に抜き取るという点、および触媒のゆったりとした分解による固体副生成物、主にアルカリまたはアルカリ土類硫酸塩またはチオ硫酸塩を除去するため、それを処理ゾーン22へ送るという点にある。
【0105】
処理ゾーン22では、120℃、圧力0.3Mpaで液体の水をこの画分Fに6.8l/hの速度で連続的に混合する。これにより、ほとんど塩を含まない有機相、約250g/lの溶解塩を含有する水相、およびおそらくは硫黄相の3相を回収することが可能となる。有機相はライン25を通じて溶媒循環ループに連続的に送り戻され、水相はライン24を通じて水処理に送られ、硫黄はライン26を通じて例えば接触反応器1の下部に設置されたデカンテーションゾーン28に送られる。
【0106】
例3(図4)
本例は、処理ゾーン22がここでは3つの1-m2表面のカートリッジを有するフィルター40からなるという点のみで例2とは異なる。洗浄はサーキットからフィルターを隔離することにより、またケーキの厚さが3mmを越える、すなわち濾過カートリッジにおける圧力差が0.2Mpaを上回る場合には、ライン41を通じて適度な圧力の下、水を送り込むことにより行う。洗浄後、塩はフィルターの底部で水溶液として回収し、ライン42を通じて水処理に送る。
【0107】
第2のフィルターを第1のフィルターと並行に取り付けて、第1のフィルターを洗浄する際に画分Fを連続的に濾過することができるようにすれば有利である。
【0108】
例4(図5)
本例は、処理ゾーン22がここでは、各々回収しようとする塩に良好な親和性を持った材料で製造された3つの1-m3の塩捕捉ベッド、例えばアルミナベッドを含む容器50からなるという点のみで実施例2とは異なる。連続運転1ヶ月後、圧力低下は0.2Mpaより高くなり、このことはこれらのベッドが塩で飽和したことを示している。その後この容器を残りの回路から隔離し、水処理に送る前に、清浄な水をライン53を通じて導入し、塩を含んだ水をライン54を通じて排出する水洗によってこれら捕捉ベッドを再生させる。
【0109】
第2の容器を第1の容器と並行に取り付けて、第1の容器の洗浄中、画分Fの塩を連続的に捕捉することができるようにすれば有利である。
【0110】
本発明の方法および装置は、その酸ガス含量(H2S+SO2)が0.1ないし100体積%の範囲のガスの処理に特によく適合する。しかしながら、例えば0.1ないし40体積%、さらに特には0.5ないし5体積%の範囲の低酸ガス含量(H2S+SO2)のガスに特に有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の装置を構成する種々の構成要素、特に生じた副生成物を抜き取る手段および処理ゾーンのブロック図である。
【図2】接触反応器の下部に設置されるデカンテーションゾーンを有してなるガス処理装置を表す。
【図3】処理ゾーンが分離ゾーンである変形例を示す。
【図4】処理ゾーンが濾過ゾーンであるもう1つの変形例を模式的に示す。
【図5】生成した副生成物を捕捉により分離する処理ゾーンを示す。
【図6】比較例としての先行技術の図を示す。
【符号の説明】
1 気液接触反応器
2−5 ライン
6 ポンプ
8 熱交換器
11 バルブ
14 硫黄脱飽和ゾーン
17、18、28 分離ゾーン
20 抜き取り手段
22 処理ゾーン
30 容器
40、41 濾過手段
50、51 捕捉手段

Claims (18)

  1. 好適な温度で、少なくとも1種の触媒を含有する有機溶媒にガスを接触させ、実質的にもはや硫化水素および二酸化硫黄を含まない流出ガスを回収する接触工程と、その溶媒から液−液デカンテーションにより液体硫黄を分離する分離工程とを有する、少なくとも硫化水素(H2S)および少なくとも二酸化硫黄(SO2)を含有するガスを処理する方法であって、
    副生成物を含む層が、分離した液体硫黄と溶媒の間にあること、
    前記副生成物を含む層から少なくとも固体の副生成物を含有する液体画分Fを抜き取ること、および
    前記液体画分Fを前記接触工程とは異なる処理工程に送り、その後少なくとも大部分が副生成物からなるF1流と、大部分が副生成物をほとんど含まない溶媒からなるF2流を回収すること
    を特徴とする方法。
  2. 以下の手順a)〜c)のうち少なくとも1つを用いて前記液体画分Fの処理工程を行う請求項1記載の方法。
    a)選択した温度、圧力および流速条件下で水などの水相を送って、前記水相中に少なくとも大部分の固体副生成物を可溶化させ、かつこの水相と、前記固体副生成物が抜き取られることにより大部分が溶媒からなる有機相との間の少なくとも液−液分離を得ること、
    b)少なくとも1回の濾過工程を行うこと、および
    c)固体支持体上で少なくとも1回の副生成物捕捉工程を行い、固体副生成物が除かれた溶媒からなる第1の相と、大部分の副生成物を含有する捕捉ベッドの再生から得られる第2の相の少なくとも2相を回収すること。
  3. 少なくとも、実質的に硫黄からなる第3の相が手順a)中に回収される、請求項2記載の方法。
  4. 120ないし180℃の範囲の温度で、手順a)またはb)またはc)を行い、かつ/または
    大気圧ないし1.5Mpaの範囲の圧力で手順a)を行う請求項2記載の方法。
  5. 気相が形成しないように手順a)の温度と圧力の値を選択する請求項2記載の方法。
  6. 固体副生成物を含んでなる層の位置および/または厚さを制御する請求項1ないし5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 少なくとも、大部分が溶媒からなるF2流の一部、および/または液体硫黄から分離した溶媒の一部を前記接触工程へと送る請求項1ないし6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 少なくとも、
    大部分が溶媒からなるF2流の一部、および/または
    液体硫黄から分離した溶媒の一部
    硫黄脱飽和工程へと送る請求項7記載の方法。
  9. 生成した副生成物の結晶化のために好ましい加熱工程を含んでなる請求項1ないし8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 溶媒および触媒を用い、少なくとも硫化水素(H2S)および二酸化硫黄(SO2)を含有する流出ガスの処理中に生じた副生成物の除去または回収を可能にし、少なくとも1つの接触反応器(1)、少なくとも1つの分離ゾーン(17,18,28)、少なくとも処理しようとするガス、および溶媒と触媒を含んでなる流体を送るためのいくつかのライン(2,3)、少なくとも清浄化したガスおよび少なくとも溶媒と副生成物を含有する流体の抜きとりのためのライン(4,5)を有してなる装置であって、
    分離ゾーン内で固体副生成物の層に接続した、少なくとも固体副生成物を含んでなる実質的に液体の画分Fを抜き取る抜き取り手段(20)と、
    画分Fを処理するための少なくとも1つのゾーン(22)
    を含んでなることを特徴とする装置。
  11. 分離ゾーン(28)と抜き取り手段(20)が接触反応器(1)の下部に設置されている請求項10記載の装置。
  12. 抜き取り手段(20)が接触反応器(1)と分離ゾーン(18)をつなぐライン(17)上に配置されている請求項10記載の装置。
  13. 処理ゾーン(22)が以下の手段:
    (1)容器(capacity)(30)および給水管(31)を有する分離手段、
    (2)濾過手段(40,41)、および
    (3)アルミナ類、セラミック類、活性炭などの捕捉手段(50,51)
    から選択される手段の少なくとも1つを含んでなり、この手段は実質的に溶媒からなる少なくとも1つの流れおよび生成した副生成物の大部分からなる少なくとも1つの流れを作り出すのに適したものである請求項10ないし12のいずれか1項に記載の装置。
  14. 少なくとも、副生成物層の厚さを制御する手段(CN2,V2)および/または位置を制御する手段(CN1,V1)、または制御手段(V1,V2)を有してなる請求項10ないし13のいずれか1項に記載の装置。
  15. 実質的に溶媒および/または液体硫黄から分離した溶媒の一部からなるF2流の少なくとも一部を接触反応器(1)へと再循環させるライン(25,7)を有してなる請求項10ないし14のいずれか1項に記載の装置。
  16. 2流の一部および/または液体硫黄から分離した溶媒の一部の硫黄脱飽和手段を有してなる請求項10ないし15のいずれか1項に記載の装置。
  17. 接触反応器(1)が、ランダムまたは積層パッキング、または静置攪拌器SMV、または衝撃装置、またはハイドロ−エジェクター(hydro−ejector)、または噴霧器、またはワイヤー接触器から選択される請求項10ないし16のいずれか1項に記載の装置。
  18. 天然ガスのスクラビング操作または原油の精製操作からのH2Sを処理するクラウスプラント(Claus plant)からの流出ガスを処理するための、請求項10ないし17に記載の装置を使用する方法。
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