JP4496452B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気記録媒体に関し、特にクレジット・カード、銀行用キャッシュカード等、カード状の磁気記録媒体に関するものである。さらにそのような磁気記録媒体を転写工程を経て製造する際使用する転写用積層体に関するものである。
さらには前記磁気記録媒体を転写工程を経て製造するための、製造方法に関するものである。
【0002】
なお本発明において、磁気記録層と磁気記録層は同等の意味を持つものとして用いる。
【0003】
なお本発明の磁気カード用磁気記録媒体とは、広くはカード状の形状をなした磁気記録媒体、及び該媒体を転写工程を経て作製するのに使用される転写用積層体を含むものであるが、特に狭義には磁気カードとして使用され、カード状の基体にストライプ状等の磁気記録層を含む積層体を形成した媒体であり、磁気データの入出力を可能とした媒体のことである。
【0004】
また転写用磁気記録媒体とは、転写用の仮支持体上に磁気記録層を含む積層体を形成した媒体であり、転写工程を経て他の基体に積層体を転写させ、磁気カード等の磁気記録媒体の製造に用いられる積層体の総称であり、原反、シート、テープ等種々の形状のものが存在する。
【0005】
【従来技術】
クレジット・カード、銀行用キャッシュカード等に使用されているプラスチック製磁気カードは、一般に塩化ビニールシート等の熱可塑性プラスチックからなるカード基体上の片面もしくは両面の一部もしくは全体に磁気記録層(磁気記録層)が形成されている。
【0006】
これらの磁気記録層は、カード基体上に直接に磁気塗料を塗布することによっても形成することが出来るが、転写用基体である仮支持体フィルム上に磁気記録用塗料を塗布してなる転写用磁気記録媒体を形成し、しかる後に前記カード基体上に転写用磁気記録媒体の磁気記録層を含む層を転写させる方法が、簡便性、コストの点で広く用いられている。(図1.図2参照)
【0007】
転写方式によるストライプ状磁気記録層の形成は、仮支持体上に磁気記録層と接着層をこの順に塗布積層して、所定のストライプ幅に切断した転写用積層体を、カード基材オーバーシート上の所定の位置にヒートシール等の方法で仮止めして、仮支持体を剥離後、平圧プレス機等を用いて、オーバーシートと基材コアシートを積層、圧着し、同時に磁気記録層をオーバーシートに埋め込んでいる。(図3参照)
【0008】
しかしながら、これらの磁気記録層は、もともと磁性粉の色から由来する黒又は茶系色を呈しており、カード面における文字、図案等の印刷領域を制限し、かつデザインの自由度を制約するため、カードの審美性の低下をもたらし、または高意匠性の妨げとなってきた。
【0009】
このような問題に鑑み、現在までに以下の2つの方法によりカードの審美性の向上、意匠性の向上が計られている。
【0010】
一つは転写法により磁気記録層を形成する場合、その転写用積層体の転写用基体である仮支持体と磁気記録層との間に、あらかじめ積層体の一部として着色層を積層しておき、転写工程で磁気記録層と着色層とを同時に転写して、転写後に磁性体の色が着色層に被覆されて表面に出ないようにする転写型カラー磁気テープ方式であり、(図4.図5参照)もう一つは磁気記録層を形成したカード用非磁性基体上全面に着色層、文字、図案等の模様層及び保護層を形成することで、完全に磁気ストライプを隠してしまう隠蔽カード方式である。(図6参照)
【0011】
特にカードに関する後者の隠蔽カード方式の方法は、前者に比べて磁気カードのデザインの自由度がより大きいため、磁気記録層をカードのおもうて面側に有するJIS X 6302付属書に規定される「おもて面磁気ストライプ付き識別カード{保磁力:52kA/m(650エルステッド)}」に準拠したカードに多く用いられ、これに関わるカード作成方法等が数多く提案されている。
隠蔽カードは、磁気記録層上に着色層、模様層等の隠蔽層が積層されるため、磁気記録層からの再生出力が低下し易い、そこで磁気記録層用の磁性粉として、再生出力と分解能の高いマグネトプランバイト型フェライト粒子粉末が好適に用いられている。
【0012】
隠蔽カードは、磁気カード用基体のおもて面の全面または一部に情報記録用のストライプ状磁気記録層2(磁気記録領域)が転写方式で形成され、その磁気記録層の色相を完全に隠蔽するように更にその外側に、塗布・印刷方法もしくは転写・積層方法により、着色層6、文字、図案等の模様層7、保護層8が形成されている。(図6参照)
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
以上の磁気ストライプの製造工程においては、転写用磁気記録媒体をカード基材オーバーシートの上に仮止めして仮支持体を剥離する工程において、仮支持体が磁気記録層との界面からきれいに剥離せず、仮支持体が切れたり、磁気記録層が一部仮支持体に残存する剥離不良が発生することがある。
【0014】
また、オーバーシートに仮留めされ、仮支持体が磁気記録層との界面から剥離除去された磁気記録層を含む磁気ストライプ部分は、プレス工程においてオーバーシートに埋め込みを行うために鏡面板を用いて温度140〜150℃、圧力15〜35kg/cm2、時間5〜30分の条件で熱圧プレスが行われる(図3参照)。その際、磁気ストライプは直に前記鏡面板に接触するため影響を受け易く、鏡面板への磁気ストライプの焼き付きによる磁気ストライプ表面の荒れ、または磁気ストライプが剥がれ落ち鏡面板へ移行する等の磁気ストライプの損傷が発生することがある。
【0015】
本発明者らは、このように、カード用基体へ磁気記録層を転写工程を経て形成するときに発生する問題が、磁性材粒子の大きさに起因しており、磁気記録層の表面粗さが粗く、磁気記録層の空隙が大きい時により顕著に発生することを見出した。
磁気カードへの磁気記録において、前述のおもて面磁気ストライプ規格「JIS X 6302:1999」、うら面磁気ストライプ規格「ISO/IEC 7811−6:1996」に示されている通り、その記録密度はビデオ、データストレージ用途の磁気記録方式に比較してきわめて低く、このため、磁気カードに使用される磁性粉は、一般的にオーディオテープ、ビデオテープ等に使用される磁性粉と比較して粒径が大きい。
【0016】
従来のビデオ用、オーディオ用等の針状でBET値の大きい磁性体を使用した磁気記録層は、磁性体が均等に分布しており、かつ緻密な塗膜を形成している。それに対して、カード用磁性材料は磁性材料の粒径が大きいため、磁気記録層表面に凹凸が多く、また空隙が出来やすい。また磁性粒子が大きいので、磁気記録層中に磁性粒子や樹脂の偏在部分が起きやすく、樹脂の偏在部分を中心に焼き付きや剥離不良が起きやすい。すなわち樹脂の偏在部分により、結着剤樹脂と仮支持体表面の密着面積が増すことにより、転写工程において磁気記録層から仮支持体を除去するために要する剥離力を過大になる。さらに、オーバーシートへの埋め込み工程において、樹脂分の多い箇所を中心に、プレス機の鏡面に磁気記録層表面が融着を起こしやすく、かつ、結着剤としての樹脂分の少ない部分に引っ張り応力がかかると、塗膜破壊を起こしやすい。
【0017】
特に近年、磁気カードの意匠性を向上させるために、磁気記録層上の着色層、模様層などが多層に形成されるに及び、再生出力や分解能の低下を補うべく、磁気記録層にマグネトプランバイト型フェライト等の特定の六方晶フェライト磁性材を用いることが行われており、これら粒径の大きい磁性材粒子を用いた時は、転写時の剥離不良や、プレス時の焼き付きが特に発生しやすかった。
実際、磁気カード用磁気記録層に用いられる六方晶フェライト(マグネトプランバイト型フェライト)磁性材は、BET値で3m2/g〜10m2/g、平均板径が0.3〜1.0μmと高密度記録目的のデータストレージ用磁性材と比較すれば平均板径においても10倍ほど大きい板状磁性体が使用される。
これは、従来からの隠蔽カード用磁気記録層に用いられているBET値約25m2/g、平均長軸長約0.7μm、針状比10〜15のコバルト被着ガンマ酸化鉄(Co被着γ−Fe2O3)磁性材と比較しても、より粒子径の大きい磁性材となっている。
【0018】
このような問題を解決する手段としては、磁気記録層に、対鏡面板焼き付き性と剥離性を与える方法がある。実際、磁性粉分散性に優れかつガラス転移点の高い結着剤樹脂を用いて、さらにポリイソシアネート系硬化剤を添加し、熱硬化反応により磁気記録層の塗膜内の前記結着剤樹脂を架橋させ、磁気記録層の耐熱性と耐溶剤性を高めることができる。しかしながらこれら加熱プレス時の耐熱性、や転写時の仮支持体の剥離性と、磁気記録層の結着樹脂としての磁性粉の良好な分散性を同時に満たす樹脂を選定ことは困難であった。
【0019】
一方また、剥離不良や焼き付きの原因となる、磁気記録層表面の粗さ及び表面の空隙は、磁性材に対する結着剤樹脂の比率を増すことにより軽減される、しかしながら結着剤樹脂の増量は磁気記録層の再生出力、分解能の低下の原因となる。特に、磁気記録層と磁気ヘッドとの間に隠蔽層が存在し、再生出力の点で不利な隠蔽カード用磁気記録層に対しては好ましい方法ではない。
【0020】
このような磁気ストライプ形成上の問題を解決する手段として、転写用磁気記録媒体の磁気記録層と転写用仮支持体との間に、耐熱性に優れた樹脂を用いて保護層を兼ねた剥離層を形成し、仮支持体の剥離を容易にするとともに、転写後に磁気記録層の上に保護層を形成して、磁気記録層表面の凹凸や空隙を充填して、塗膜を緻密にするとともに、その表面状態を平滑化し、塗膜破壊に対する耐性を持たせることが行われる。このような転写用磁気記録媒体は、カード用基体に仮止めされて、仮支持体を剥離された後、該剥離層を兼ねた保護層が磁気記録層上に残り、磁気記録層上の凹凸や空隙を被覆、充填するため、以後の磁気記録層表面の加熱加圧工程で焼き付きや塗膜破壊を起こす事がない。
【0021】
これら保護層を兼ねた剥離層は、必要とされている耐熱性や耐久性を満たすため、
アクリル樹脂、ポリブチラール樹脂、セルロース系誘導体樹脂等の樹脂を主体とし、ポリイソシアネート系硬化剤を添加し、熱硬化反応に反応により前記樹脂を架橋している。
これらの樹脂は、Tgが高いため耐久性、耐熱性に優れ、樹脂が剛直性に優れている。さらにこのため仮支持体剥離時は、仮支持体と、剥離層を兼ねた保護層の界面に応力が集中し易いので剥離性が良い。このためこれら手法は、磁気ストライプ上に着色層や模様層を形成しないタイプのカード用磁気記録媒体もしくは、該カード用磁気記録媒体形成用の転写型磁気記録媒体の場合に使用することができる。
【0022】
一方隠蔽型カード用磁気記録媒体では、基本的には転写工程等で形成した磁気ストライプ上に、着色層、模様層等の隠蔽層を積層することができるが、隠蔽層の積層に際して磁気記録層を含む磁気ストライプ部分が以下のような特性を持つべき事が判っている。
【0023】
すなわち、プレス後の磁気記録層上に着色層を形成するにあたり、特に印刷で形成する場合には、着色層中の溶剤が磁気ストライプ部に浸透することがあり、浸透した溶剤により磁気ストライプに使用している結着剤樹脂が膨潤、溶解し、オーバーシート部分と磁気ストライプ部分とで、色相、光沢、表面状態の違いが発生することがある。もしくはプレス工程においてオーバーシート上に埋め込み平坦化された磁気ストライプ表面が気泡を形成するように浮き上がったり、結着剤樹脂溶解による磁性粒子の乱れによって磁気特性に悪化を与えることもある。したがって、磁気記録層を含む磁気ストライプは、上記事態を防ぐための耐溶剤性が求められる。
【0024】
また、磁気記録層を含む磁気ストライプは、オーバーシートへの磁気ストライプ埋め込み工程に使用される鏡面板の表面性がプレス時の熱、圧力により転写されるため、埋め込み後は周辺のカード基材部と同じうねり形状となる。しかしながら磁気ストライプが元々持つ細かい表面の粗さはこのプレス工程で鏡面板により消されることはなく、カード基材と異なった形状が残り、これが前述の完成した隠蔽カードの磁気ストライプ部と周辺のカード基材部との色相、模様などの外観の相違となって、着色層、模様層等の隠蔽層による隠蔽性を阻害する。このため磁気ストライプ表面の表面粗さが平滑であることが要求される。
【0025】
さらにまた磁気記録層を隠蔽する、着色層や模様層等の隠蔽層は、密着性よく磁気ストライプ上に転写され、剥離しないようにしっかりと固着されていなければならず、磁気ストライプ部分はこれら隠蔽層と良好な密着性、接着性を持っていなければならない。
【0026】
上記隠蔽層の積層に際しての、磁気記録層の必要特性を満たすためには、磁気記録層を多機能化するよりも、磁気記録層上隠蔽層との間に、中間層として上記機能を果たす層を設置することが有効である。
そしてまた、該中間層としては、焼き付きや剥離不良を防ぐため、磁気ストライプ形成時に、転写工程で磁気記録層上に形成される、剥離層を兼ねた保護層がそのまま利用できることが好ましい。
しかしながら、前記剥離層を兼ねた保護層を隠蔽型カード用磁気記録媒体の中間層として用いるには、該中間層にたいして、もともとの剥離層を兼ねた保護層として果たしていた機能に加えて、さらに隠蔽層用の中間層としての上記機能を果たすべく、多機能化のための設計をしなくてはならない。
【0027】
このような多機能を要求される中間層として、従来の磁気ストライプ形成時に磁気記録層上に形成される、保護層を兼ねた剥離層をそのまま使用すると、これら保護層を兼ねた剥離層は、転写時の仮支持体の剥離性、磁気ストライプをオーバーシートへ埋め込む時の対鏡面板焼き付き性を満たし、さらに隠蔽層を積層するときの耐溶剤性、を満たすことができる。しかしながら該保護層はTgが高いため、隠蔽層との界面に応力が集中し易く、完成後の隠蔽カードから着色層、模様層などの隠蔽層が剥離する問題を有している。さらには、次工程の着色層の印刷において、保護層の耐溶剤性が優れるあまりに埋め込まれた磁気ストライプとオーバーシートの境界部分のみにインキが浸透することによる印刷インキの偏りが生じて、隠蔽カード完成後に外観上磁気ストライプのエッジ部分に対応するスジが残り、磁気ストライプの隠蔽性に問題を有している。
【0028】
すなわち、従来の転写用磁気記録媒体の、保護層を兼ねた剥離層は、耐熱性と耐久性、剥離性、を満たすためにTgの高い樹脂で構成される。これをそのまま隠蔽型のカード用磁気記録媒体の中間層として採用すると、着色層、模様層等の隠蔽層と磁気記録層との接着強度や隠蔽層の隠蔽性に障害が起きやすい。
一方、着色層、模様層等の隠蔽層との密着性、隠蔽層による隠蔽性が満たされるように樹脂を選定すると、磁気ストライプの耐熱性や、磁気ストライプをカード用基体上に形成するときの、仮支持体からの剥離性を満たすことができない。
通常、樹脂のみからなる中間層で、耐久性、耐熱性を実現しようとすると、Tgの高い樹脂を選定しなくてはならず、使用できる樹脂の種類が大幅に制約されるため、中間層上に積層される、着色層、模様層などの隠蔽層との密着性、接着強度さらには磁気ストライプの隠蔽性等を全て同時に満たす樹脂を選定することはできない。
このように中間層の配合設計を行うにあたり、中間層の満たすべき機能を使用樹脂の特性にのみ依存したのでは、中間層に必要とされる多くの機能の全ては満たすことが出来なかった。
【0029】
また、近年クレジットカード等うら面に磁気ストライプを有するカードに対しても文字情報の増大、意匠性の向上、審美性の向上が求められるようになっている。そのため磁気記録層上に着色層を設けたカラー磁気ストライプ、さらに磁気記録層上に着色層、模様層を設けたロゴ付き磁気ストライプが使用されるようになり、さらに今後はおもて面同様に磁気記録層を含むカード全面に着色層、模様層、保護層を設けた隠蔽カード化がうら面に対しても求められることが予想される。
したがって、前述のカードおもて面において高分解能磁気記録層を使用して隠蔽カードを製造する場合に発生する問題は、カードうら面の高保磁力磁気記録層に対して隠蔽カードを製造する場合にも同様に発生する。
しかしながら、このような磁気記録層上で、その機能を満たす中間層の適切な配合や構成の指針は明らかになっていなかった。
【0030】
すなわち本発明の目的とするところは、非磁性支持体上に形成された磁気記録層上に、磁気記録層の色相を完全に隠蔽する非磁気記録層が積層された隠蔽カードの製造工程において、一つには磁気記録層を転写工程でカード用基体へ転写形成する際の、該磁気記録層の転写容易性や耐熱性や耐溶剤性を向上させ、該転写工程での剥離不良、焼き付き等の障害発生を改善する目的のために、さらには該磁気記録層と該磁気記録層上に形成される着色層、模様層等の隠蔽層との接着性や、該隠蔽層による磁気記録層の隠蔽性を良好にする目的のために、磁気記録層上に予め積層して形成される多機能な中間層の設計を可能にする、該中間層の基本構成もしくは、該基本構成を持つ中間層を形成するための転写型磁気記録媒体を提供することである。
さらには該転写型磁気記録媒体を用いて作製される該中間層を持つカード用磁気記録媒体、もしくはその製造方法を提供することである。さらに本発明の目的は、特に磁性材料がマグネトプランバイト型フェライト粒子粉末(六方晶フェライト磁性材)の場合の前記転写型磁気記録媒体や前記カード用磁気記録媒体、もしくは前記カード用磁気記録媒体の製造方法を提供することである。
【0031】
【課題を解決するための手段】
すなわち、発明者らは、前記課題を解決するために、転写用基体上に、保護層を兼ねた剥離層を介して磁気記録層、接着剤層をこの順に積層してなる転写用磁気記録媒体において、該保護層を兼ねた剥離層が体積平均粒子径0.2μm以下の非磁性粒子、もしくは非磁性粒子が長軸を有する粒子のときは、長軸長が0.5μm以下の非磁性粒子を含有することを特徴とする転写用磁気記録媒体を提供する。
さらに発明者らは、非磁性基体上に形成された磁気記録層上に磁気記録層の色相を隠蔽する非磁気記録層が積層された磁気記録媒体において、該磁気記録媒体が、前記非磁気記録層と磁気記録層の間に、非磁性粒子を含有する中間層を有してなり、かつ該非磁性粒子が、体積平均粒径0.2μm以下の非磁性粒子、もしくは長軸長0.5μm以下の長軸を有する非磁性粒子であることを特徴とする磁気記録媒体を提供する。
さらにまた、非磁性支持体上に形成された磁気記録層上に、磁気記録層の色相を完全に隠蔽する非磁気記録層が積層された磁気記録媒体の製造方法であって、該磁気記録層を前記構成からなる転写用磁気記録媒体を用いた転写工程を経て形成する磁気記録媒体の製造方法を提供する。
【0032】
非磁性支持体上に形成された磁気ストライプ上に、さらに着色層、模様層、保護層等を有してなるカード用磁気記録媒体であって、磁気記録層を含む磁気ストライプを転写工程を経て形成する磁気記録媒体の磁気記録層上に、前記特性の非磁性粒子を含有する中間層を形成することによって、磁気ストライプの耐熱性、耐久性が向上する。さらには転写用磁気記録媒体の剥離層を兼ねた保護層に一定粒径の非磁性粒子を添加することにより、該保護層と仮支持体との界面の樹脂量が減少するため剥離性が向上する。
このため、中間層に使用される結着剤樹脂のTgが低く、樹脂だけでは磁気ストライプの埋め込み工程で必要とされる耐熱性を実現しえないような場合でも、一定粒径の非磁性粒子を含有する本発明の構成とすることで耐熱性と耐久性と剥離性を確保することができる。
【0033】
非磁性粒子の添加によって、樹脂の耐熱性等を上昇させる前記方法を用いると、保護層に使用する樹脂の選定については、樹脂自体の耐熱性や耐久性を制約条件として設けずに、隠蔽層との接着性や、隠蔽層の隠蔽性に適した樹脂を選定することができ、中間層に使用できる結着樹脂の選定の自由度が大幅に拡がる。このため、保護層を多機能化した設計をすることが可能となる。さらに非磁性粒子の粒径が0.2μm以下、非磁性粒子が長軸を有する粒子のときは長軸長が0.5μm以下のため、該転写用磁気記録媒体で形成された磁気記録層上の中間層の表面粗さは、中間層の無いときの磁気記録層の表面粗さより平滑にできる。このため隠蔽層を形成したときにカード用基体部分と中間層のある磁気ストライプ部分とで色相の差が生じにくく、隠蔽性に優れている。
【0034】
本発明による転写用磁気記録媒体を用いることにより、磁気記録層、保護層を含む磁気ストライプの転写工程、磁気ストライプのカード用基体への埋め込み工程、もしくはその後の着色層、模様層等の印刷工程において、磁気記録層が焼き付いたり、磁気記録層が着色層の印刷用塗料の溶剤に侵されたりすることがなく、かつ隠蔽層との接着性に優れ、隠蔽層の隠蔽性を阻害しない多機能な中間層を設計し、形成することができ、さらには該中間層を磁気記録層上に形成するための転写用磁気記録媒体を設計、作製することができる。また該転写用磁気記録媒体を用いて良好な特性の隠蔽型のカード用磁気記録媒体を形成できることができる。
【0035】
さらに発明者らは、中間層、もしくは剥離層を兼ねた保護層が20〜80重量%の結着剤樹脂を含有することで、耐熱性や、剥離性をより良好に実現でき、さらには使用される結着剤樹脂が、隠蔽層と相互溶解性を持つ同系統の樹脂を用いることによって、耐熱性と共に、磁気ストライプとその他の部分に色相の差がなく、隠蔽層との密着性の良い保護層が形成出来ることを見出し、また特に結着剤樹脂が塩化ビニル樹脂もしくはアクリル樹脂であるときに効果が顕著であることを見いだした。
さらにまた発明者らは、特に磁気記録層がマグネトプランバイト型フェライト粒子粉末からなる磁性粒子を用いたものであるときに、該磁気記録層が隠蔽層による再生出力や分解能の低下が少なく、隠蔽型磁気記録媒体の磁気記録層として最適であり、かつこのような磁気記録層上に形成される保護層を有する磁気記録媒体として、本発明の構成を持つ磁気記録媒体が適しており、耐熱性、耐溶剤性等の効果が顕著に発現されることを見出した。
【0036】
【発明の実施形態】
以下に本発明を詳細を詳細に述べると共に、その実施形態の一つを記載する。
本発明においては、転写工程を経て隠蔽型カード用磁気記録媒体を製造する上で、前記の種々の問題を解決する方法として磁気記録層と隠蔽層の間に中間層を設ける。
磁気記録層と隠蔽層との間の中間層は、保護層を兼ねた剥離層を有する転写用磁気記録体を用いて、転写工程によって該保護層を転写させ、これを中間層として用いることができる。該転写用磁気記録媒体は転写用基体上に保護層を兼ねた剥離層を介して、磁気記録層、必要であれば接着剤層をこの順で積層して形成される。
このように磁気記録層表面の凹凸や空隙を埋めて隠蔽層との間に中間層を設けることにより、両層境界面の平滑化を行うことができ、任意の表面状態を、要求されている機能に合わせて磁気層上中間層の表面に形成することが出来る。さらに中間層の構成を検討することにより、隠蔽型カード用磁気記録媒体に必要な種々の特性を持たせることができる。
【0037】
転写用磁気記録媒体の保護層を兼ねた剥離層に、含有される非磁性粒子の体積平均粒子径は0.2μm以下で、また非磁性粒子が長軸を有する粒子の場合は、平均長軸長が0.5μm以下である。より好ましくは通常の非磁性粒子の場合は0.005〜0.2μm、長軸を持った非磁性粒子の長軸長の場合は0.05〜0.4μmがより好ましい。このような小粒径の非磁性粒子を含有させることによって、大きな粒径の磁性粒子間の間隙が該中間層に有効に隠蔽され、磁気記録層表面の表面粗さが改善されるとともに、転写後の中間層に耐熱性を付与することができる。さらに該中間層を磁気記録層とともに転写工程で、カード用基体上に転写するときに、剥離層を兼ねた保護層に含有される非磁性粒子のため、転写用仮支持体との界面の樹脂量が減少し、良好な剥離性を持つ剥離層を形成することができる。非磁性粒子の体積平均粒径が0.2μmより大きく、長軸を有する非磁性粒子の長軸長が0.5μmより大きい非磁性粒子を中間層に含有させると、中間層の表面が平滑化されずに表面粗さが粗くなる。このため磁気記録層表面の凹凸や磁気記録層中の空隙を充填する効果があがらずに、磁気ストライプ埋め込み工程時の焼き付きが発生し易く、剥離性も改良されない。
また、カード基材の表面粗さとの差が生じ、この上に隠蔽層を形成したときに、磁気ストライプ部分と、周囲のカード基材部分との色調の違いとなってカードの美観を損ねるため好ましくない。
さらにこれら非磁性粒子の粒径が小さすぎると、非磁性粒子の添加効果が減殺され、耐熱性を向上させる効果に乏しい。剥離性も悪化する。
【0038】
転写用磁気記録媒体の剥離層を兼ねた保護層には非磁性粒子を高い含有量で充填するほうが転写によって形成される中間層の塗膜強度、耐熱性が向上するため、中間層の表面粗さを低下させない範囲で、非磁性粒子の含有量を高くすることが効果的である。このためには、非磁性粒子と結着剤樹脂の比率は、結着剤樹脂が20〜80%を占めるのが好ましい。結着剤樹脂の比率が20%以下であると非磁性粒子が多すぎて、樹脂による表面上の凹凸、空隙の充填効果少なくなり、樹脂分が少なくなって内部破壊が生じ、また凸部を中心に焼き付きが起こりやすい。さらに中間層の表面粗さが粗くなり、隠蔽層を形成したときにカード基材部分との色調の差となって現れるため好ましくない。また結着剤樹脂の比率が80%を超えると、非磁性粒子の含有量が低下するため、耐熱性向上効果が減殺され、転写された磁気記録層をオーバーシートに埋め込む加圧、加熱工程での、磁気記録層の焼き付きを防止できない。また仮支持体との境界面の樹脂が増加するため剥離性が悪化する。さらに転写用積層体における保護層としては、仮支持体との界面における樹脂量が多くなるため剥離性が悪化する。
【0039】
中間層に使用する結着剤樹脂は、隠蔽性を満たすためにはカード用基体に使用されている樹脂と相互溶解性を有する同系統の結着剤樹脂を使用することが望ましく、また着色層との密着性を満足させるためには、着色層に使用されている樹脂と相互溶解性を有する同系統の結着剤樹脂を使用することが望ましい。着色層用の樹脂には中間層と相互溶解性を有する樹脂を用いることが容易であるため、カード用基体に通常使用される樹脂を勘案して、中間層には塩化ビニール系樹脂、アクリル系樹脂が最も好適に用いられる。これら樹脂のTgは0℃〜100℃の範囲と低いが、非磁性粉末を中間層に含有させることによって使用可能な領域に耐熱性を向上させており、剥離性も向上させている。
【0040】
本発明において、磁気記録層に含有される磁気記録用磁性粉がマグネトプランバイト型フェライト粒子粉末であるときは、中間層を設ける事による効果がより顕著に発揮される。すなわち該フェライト粒子粉末は、高再生出力、高分解能で様々な保磁力に調整可能であり、かつ環境安定性に優れており、隠蔽カード用の磁気記録層の磁性材料として優れた特性を保有するにもかかわらず、磁気カード用に使用される磁性材の粒径が従来の酸化鉄に比較して大きいため、磁気記録層表面の凹凸、空隙の発生に伴う問題が致命的となっていた。
【0041】
すなわち、近年使用率が高くなった六方晶フェライト磁性材は従来のコバルト被着ガンマ酸化鉄より隠蔽カードの対鏡面板焼き付き性、着色層の色相の変化の点で劣っており、さらに磁気記録層の形成に転写用積層体を用いる場合、オーバーシート上に転写用積層体を仮留めし、しかる後に転写用積層体から仮支持体を剥離除去するために要する力、すなわち剥離力が過大となり剥離除去工程が円滑に進まないばかりか、仮支持体除去後の磁気記録層表面の損傷、仮支持体それ自身の剥離不全を起こし磁気記録層表面に残存するという問題が起きやすかった。
【0042】
これは、六方晶フェライト系板状磁性材では、磁場配向処理前は等方的に分布していた磁性体が処理後に、配向方向に沿ってスタッキングを起こし数珠つなぎ状態になることに起因する。これにより塗膜中には平面的に見ると数珠つなぎを形成している磁性材部分の密度の高い部分と、隣合う磁性材同士の間の隙間で、磁性材と結着剤樹脂の極めて希薄な疎の部分が形成される。この疎の部分すなわち空隙が、カード用磁性体のように粒子形状が大きい磁性体のときは、単位開口面積が広くなり、これにより塗膜強度の低下、印刷インキ中溶剤の塗膜への浸透拡散を助長し、加工適正の悪化、品質の劣化をきたす。
【0043】
しかしながら、本発明の構成を有する転写用磁気記録媒体、カード用磁気記録媒体を適用することにより、六方晶フェライト磁性材のような粒径の大きな磁性粉による磁気記録層であっても、その上の中間層上に平滑な表面状態を形成し、かつ高い塗膜強度を実現することで、上記問題の回避が可能となり、さらに隠蔽層による磁気ストライプ部分の隠蔽性や、磁気ストライプ部分と隠蔽層の密着性をも同時に満たす設計を取ることが出来るので、特性の優れたマグネトプランバイト型フェライト粒子粉末を隠蔽カードに使用することができる。
【0044】
中間層の層厚は、磁気記録層の再生出力と分解能を低下させないよう、本来の目的を実現する限りにおいてできるだけ薄いことが好ましい。特に隠蔽カードにおいては、磁気記録層表面と磁気カード表面に接し磁気記録を行う磁気ヘッドとの間の距離、すなわち中間層及び隠蔽カード製造時に付設される着色層、模様層、保護層などの合計の厚みは記録信号読み出し時の再生出力と分解能に影響を与える。したがって、再生出力と分解能の低下を抑制するためには、隠蔽カードのデザインと無関係な磁気記録層上の中間層の厚みを出来るだけ薄くする必要があり、一般にオフセット印刷、グラビア印刷等の1印刷版による模様層の厚みは1μmであることを考慮して、中間層の厚みは0.05〜2μm、が好ましく、さらに好ましくは、0.2〜1μ
mの範囲である。使用される非磁性粉末を高充填化し中間層の塗膜強度を高めることにより、上記中間層厚み範囲においてより薄い中間層を達成できる。
【0045】
以下、本発明の実施形態の一つとして隠蔽方式の磁気カードの磁気記録媒体、もしくはこれら磁気記録媒体の転写工程を経た製造に用いられる転写用磁気記録媒体の基本的な構成について、図を参照しながら説明する。
ただしここに示す隠蔽方式磁気カードの構成は一例であり、本発明においてもっとも重要な点は着色層、模様層、保護層などを総称する隠蔽層と磁気記録層の間に中間層を設けることであり、上記隠蔽層に意匠性、審美性向上を目的にいかなる層を設けてもよい。
【0046】
磁気カードの基体1a、1b,1c,1dは、例えばポリ塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、あるいはポリエステル樹脂を主体とし、図3の如く4枚(1枚または数枚の場合もある)のシートが熱融着され形成されている。
基体の厚みに関しては日本工業規格(JIS X6301)”識別カード”によって定められており最大0.80mm最小0.68mmの範囲である。
【0047】
磁気カードの基体は、例えば、厚み250μmの白色不透明のコアシート1c,1dの2枚を厚み100μmの透明なオーバーシート1a,1bの各1枚でコアシートの両面をサンドイッチし熱プレスする事により加熱圧着し熱融着され形成されるが、コアシート、オーバーシートの厚みは完成したカードの総厚みが前記の日本工業規格(JIS X6301)”識別カード”の規格内であれば特に限定するものではない。また、各コアシート、オーバーシートにはあらかじめ磁気記録層や着色層、模様層等の非磁気記録層が形成されていてもよい。
【0048】
またIDカードにおける磁気ストライプの規格は、磁気カードのおもて面に関するものとして、JIS X 6302付属書に規定される「おもて面磁気ストライプ付き識別カード{保磁力:52kA/m(650エルステッド)}」、そして磁気カードのうら面に関するものとして「ISO/IEC 7811−2:1985(初版){保磁力:23kA/m(300エルステッド)のLow Coercivity(低保磁力)を有する磁気記録層}」、「ISO/IEC 7811−6:1996(日本語訳版:JIS X 6302:1999)」に規定される「うら面磁気ストライプ付き識別カード」{保磁力200kA/m(2500エルステッド)〜335kA/m(4200エルステッド)のHigh Coercivity(高保磁力)を有する磁気記録層}の大別して2種類がある。
【0049】
磁気カードの一方の面に磁気ストライプが設けられ着色層、模様層、保護層を総称する隠蔽層が設けられる場合、図9のように基体のおもて面の全面または一部に情報記録用の磁気記録層2(磁気記録領域)が形成され、更にその外側に着色層6、文字、図案等の模様層7、保護層8が形成されている。
また、隠蔽方式磁気ストライプがおもて面/うら面のどちらの面に設けられる場合であっても使用される磁気記録層の磁性材の種類以外の構成は共通である。
更に本発明における中間層Bは、上記の磁気記録層2と着色層6の間に設けられる。
また、磁気ストライプおよびその上の隠蔽層は、上記識別カードのおもて面/うら面のどちらか一方のみが使用される場合もあれば、両方へ同時に使用される場合もある。裏面へ磁気記録層を形成したときの、意匠性付与のための着色層、模様層等の形成は基本的に表面と同様に行うことができる。図9に示す表面の構成が、そのまま裏面に対しても可能である。
【0050】
また、磁気記録層が設けられなかった反対側のカード面には、カード基体1dに各種印刷手段により、文字、図案等の模様層7が施され、基体1aまたは1bの透明シートにより、これらの模様層部分が保護されている。
また、上記においてカード基体1cまたは1dと模様層7の間に必要に応じて着色層6等を設けてもよい。
模様層7を有するカード基体は、たとえばあらかじめ1d上に模様層を塗布、転写等で形成した基体を、他の基体1c、1a、1b等と融着することにより得ることができる。
【0051】
磁気カードの基体1a,1b,1c,1dには公知のものがいずれも使用できる。例えば、ポリ塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、木材、紙等が使用できるが、強度があり、繰り返し使用に耐えられるものがより好ましい。
【0052】
またオーバーシート1aまたは1b上に形成される磁気記録層2または10の形成方法には、転写用磁気記録媒体を用いる方式が従来から汎用性、経済性、製造安定性で特に優れているため主に使用されている。
【0053】
以下に図7、8を参照しつつ、本発明の実施形態の一つである磁気記録用転写積層体の構成を説明する。
【0054】
本発明における磁気記録用転写積層体は転写用基体である仮支持体フィルム3上に本発明の中間層A、磁気記録層2、好ましくは接着剤層4を順に塗布形成する。
この中間層、磁気記録層、接着剤層を塗布形成した仮支持体フィルムを所定幅に裁断し、所望幅の磁気記録層用転写積層体テープを得る。
カード用基体1aまたは1b上にこの磁気記録用転写積層体図8の接着剤層を前記カード用基体に接する用に重ね、熱板などを用いて仮支持体側から熱を与え前記接着剤層とカード用基体を溶融接着させ、その後に仮支持体を剥離除去することによりカード基体上に前記中間層を最上層表面とする磁気記録層2を含む層をストライプ状に転写形成する(図7.図8参照)。
【0055】
さらに次に本発明の、磁気カードの磁気記録媒体、もしくはこれら磁気記録媒体の転写工程を経た製造に用いられる転写用磁気記録媒体の各構成材料について詳細に説明する。
まず以下に本発明で使用される中間層、磁気記録層の構成、形成方法について、転写用積層体の構成を追いながら述べる。
【0056】
本発明の中間層に用いられる無機粉末は、非磁性粉末であり、例えば、金属酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属窒化物、金属炭化物、金属硫化物、等の無機化合物から選択することができる。無機化合物としては例えばα化率90%以上のα−アルミナ、β−アルミナ、γ−アルミナ、θ−アルミナ、炭化ケイ素、酸化クロム、酸化セリウム、α−酸化鉄、、ヘマタイト、ゲータイト、コランダム、窒化珪素、チタンカ−バイト、酸化チタン、二酸化珪素、酸化スズ、酸化マグネシウム、酸化タングステン、酸化ジルコニウム、窒化ホウ素、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二硫化モリブデンなどが単独または組合せで使用される。特に好ましいのは、粒度分布の小ささ、機能付与の手段が多いこと等から、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、硫酸バリウムであり、更に好ましいのはα酸化鉄、二酸化チタンである。これら無機粉末の体積平均粒子径は0.2μm以下で、また非磁性粒子が長軸を有する粒子の場合は、平均長軸長が0.5μm以下である。より好ましくは通常の非磁性粒子の場合は0.005〜0.2μm、長軸を持った非磁性粒子の長軸長の場合は0.05〜0.4μmがより好ましい。無機粉末の含水率は0.1〜5重量%、好ましくは0.2〜3重量%、更に好ましくは0.3〜1.5重量%である。無機粉末の比表面積は1〜100m2 /g、好ましくは5〜80m2 /g、更に好ましくは10〜70m2 /gである。
【0057】
本発明の中間層に用いられる非磁性粉末の具体的な例としては、
アルミナとして住友化学製AKP−50(平均粒子径0.16μm)、HIT−20、HIT−30、HIT−55(平均粒子径0.20μm)、HIT−60、HIT−70(平均粒子径0.15μm)、HIT−80、HIT−100(平均粒子径0.11μm)レイノルズ社製、HPS−DBM(平均粒子径0.19μm)、上村工業社製、UB20(平均粒子径0.13μm)。
【0058】
酸化クロムの例として日本化学工業社製、クロメックスU2(平均粒子径0.18μm)、クロメックスU1(平均粒子径0.17μm)、炭化ケイ素の例としてイビデン社製、ベータランダムウルトラファイン(平均粒子径0.16μm)、二酸化珪素の例として昭和鉱業社製、B−3(平均粒子径0.17μm)などが挙げられる。
【0059】
また酸化鉄として昭和電工製ナノタイト(平均粒子径0.06μm)、酸化鉄として戸田工業社製αヘマタイトDNS−235(平均長軸径0.23μm、平均短軸径0.03μm、軸比7.7),DNS−235BX,DPN−250,DPN−250BX,DPN−245,DPN−270BX,DPN−550BX(平均長軸径0.16μm、平均短軸径0.02μm、軸比7.45),DPN−550RX(平均長軸径0.16μm、平均短軸径0.02μm、軸比7.45),DPN−650RX、TF100(平均粒子径0.14μm)、TF140(平均粒子径0.17μm)、チタン工業製αヘマタイトα−40、R−516−L、石原産業製αヘマタイトE270,E271,E300,E303。
【0060】
酸化チタンとして石原産業製酸化チタンTTO−51B(平均粒子径0.01〜0.03μm),TTO−55A(平均粒子径0.03〜0.05μm),TTO−55B(平均粒子径0.03〜0.05μm),TTO−55C(平均粒子径0.03〜0.05μm),TTO−55S(平均粒子径0.03〜0.05μm),TTO−55D(平均粒子径0.03〜0.05μm),SN−100、チタン工業製酸化チタンSTT−4D(平均粒子径0.013μm),STT−30D(平均粒子径0.09μm),STT−30(平均粒子径0.12μm),STT−65C(平均粒子径0.12μm)、テイカ製酸化チタンMT−100S(平均粒子径0.015μm),MT−100T(平均粒子径0.015μm),MT−150W(平均粒子径0.015μm),MT−500B(平均粒子径0.035μm),MT−600B(平均粒子径0.050μm),MT−100F,MT−500HD。
【0061】
堺化学製酸化亜鉛としてFINEX−25(平均粒子径0.5μm),堺化学製硫酸バリウムとしてBF−1(平均粒子径0.05μm),BF−10(平均粒子径0.06μm),BF−20(平均粒子径0.03μm),ST−M、日本アエロジル製AS2BM,TiO2P25、宇部興産製100A,500A、及びそれを焼成したものが挙げられる。特に好ましい非磁性粉末はα−酸化鉄と二酸化チタンである。
【0062】
本発明の中間層あるいは磁気記録層のバインダー、溶剤、分散方法その他は、従来の磁気記録層の公知技術が適宜適用できる。
【0063】
本発明に使用される中間層および磁気記録層の結着剤樹脂としては一般塗料用樹脂ならこれらを広く使用することが可能で従来公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂やこれらの混合物が使用される。
熱可塑性樹脂としては、ガラス転移温度が−100〜200℃、また中間層においてより好ましくは0〜170℃、数平均分子量が1,000〜200,000、好ましくは10,000〜100,000、重合度が約50〜1000程度のものである。
【0064】
例えば、塩化ビニル系共重合体樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロース系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート及びその共重合体、メラミン樹脂、スチレン−マレイン酸共重合体樹脂等及びこれらの樹脂の混合物が挙げられる。
また、公知の電子線硬化型樹脂を各層に使用することも可能である。
【0065】
本発明に用いられるこれらの結合剤の具体的な例としては、
塩化ビニル系共重合体としてユニオンカ−バイト社製VAGH、VYHH、VMCH、VAGF、VAGD,VROH,VYES,VYNC,VMCC,XYHL,XYSG,PKHH,PKHJ,PKHC,PKFE,日信化学工業社製、ソルバイン−A、ソルバイン−AL、ソルバイン−TA5R,ソルバイン−TA2、ソルバイン−TAO、ソルバイン−MK6、電気化学社製1000W、DX80,DX81,DX82,DX83、100FD、日本ゼオン社製MR−104、MR−105、MR110、MR100、MR555、400X−110A。
【0066】
ポリウレタン樹脂として日本ポリウレタン社製ニッポランN2301、N2302、N2304、大日本インキ社製パンデックスT−5105、T−R3080、T−5201、T−5205、T−5206、T−5102L、T−5282、バ−ノックD−400、D−210−80、L7−750、クリスボン6109,7209、東洋紡社製バイロンUR8200,UR8300、UR−8700、RV530,RV280、大日精化社製ポリカ−ボネ−トポリウレタン、ダイフェラミン4020,5020,5100,5300,9020,9022、7020,三菱化成社製ポリウレタン、MX5004,三洋化成社製ポリウレタン、サンプレンSP−150、旭化成社製ポリウレタン、サランF310,F210などが挙げられる。
【0067】
セルロース系樹脂としては、イーストマンケミカル社製セルロースアセテートブチレートCAB−381−0.1、CAB−381−0.5、CAB−381−2、セルロースアセテートプロピオネートCAP−482−0.5、アクリル系樹脂として、ローム&ハース社製パラロイドA−11、B−66、AU−1164などが挙げられる。
【0068】
以上の樹脂は単独または組合せて使用できるが、中間層と磁気記録層の両方について好ましいものとしては、塩化ビニル系共重合体樹脂とポリウレタン系樹脂であり、中間層についてはアクリル系樹脂や、塩化ビニル系共重合体樹脂とセルロース系樹脂の組合せも好ましく、これらにポリイソシアネ−トを組み合わせたものが挙げられる。
【0069】
本発明の中間層及び磁気記録層はにおける各樹脂の分子量、極性基量、あるいはTgなどの物理特性は必要に応じ中間層、磁気記録層とで最適化することができる。
例えば、結着剤樹脂量について、磁気記録層は高出力、高分解能が必要なため結着剤樹脂量を少なくすることが有効であり、中間層では薄層化とともに磁気ストライプをオーバーシートに埋め込むプレスの際の鏡面板焼き付き性を改善するには中間層の結着剤樹脂量を増量することが有効であるが、結着剤樹脂量が多すぎると仮支持体を中間層から剥離除去するための剥離力を増大させる。
【0070】
本発明の中間層に含まれる結着剤樹脂の含有量は、20〜80重量%の範囲、好ましくは30〜70重量%の範囲で用いられる。
また、磁気記録層に用いられる結着剤樹脂は、磁性粉末に対して、5〜30重量%、好ましくは10〜20重量%の範囲で用いられる。
【0071】
本発明に用いるポリイソシアネ−トとしては、トリレンジイソシアネ−ト、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネ−ト、ヘキサメチレンジイソシアネ−ト、キシリレンジイソシアネ−ト、ナフチレン−1,5−ジイソシアネ−ト、o−トルイジンジイソシアネ−ト、イソホロンジイソシアネ−ト、トリフェニルメタントリイソシアネ−ト等のイソシアネ−ト類、また、これらのイソシアネ−ト類とポリアルコールとの生成物、また、イソシアネート類の縮合によって生成したポリイソシアネ−ト等を使用することができる。これらのイソシアネート類の市販されている商品名としては、日本ポリウレタン社製、コロネートL、コロネ−トHL,コロネ−ト2030、コロネ−ト2031、ミリオネ−トMR,ミリオネ−トMTL、武田薬品社製、タケネ−トD−102,タケネ−トD−110N、タケネ−トD−200、タケネ−トD−202、住友バイエル社製、デスモジュ−ルL,デスモジュ−ルIL、デスモジュ−ルN,デスモジュ−ルHL,等がありこれらを単独または硬化反応性の差を利用して二つもしくはそれ以上の組合せで各層とも用いることができる。
【0072】
本発明に使用される中間層用塗料と磁気塗料に、焼き付き防止効果を有する界面活性剤、可塑剤、ワックス、シリコーンオイル等の助剤類を添加することもできる。特に好ましいのは燐酸エステル、脂肪酸エステルであり、具体的な例としては、燐酸エステルとして、第一工業製薬のプライサーフA208B、A208S、脂肪酸エステルとしては、花王製ソルビタンモノ脂肪酸エステルのSP−S10、SP−P10が挙げられる。
中間層に焼き付き防止のための助剤を添加するときは、該助剤の拡散による移行を防ぐためには、隣接する磁気記録層にも該助剤を添加することが好ましい。
【0073】
本発明に使用される中間層用塗料と磁気塗料に使用する溶剤としては、例えばアセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール系溶剤、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素、グリコールジメチルエーテル、グリコールモノエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤等を挙げることができ、これらの溶剤は、2種類以上を混合して使用することもできる。
【0074】
転写方式の磁気記録媒体(いわゆる転写用積層体)に用いる事ができる転写用基体としての仮支持体13としては公知のものがいずれも使用できる。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2、6−ナフタレート等のポリエステル類、ポリプロピレン等のポリオレフィン類、セルローストリアセテート、セルロースダイアセテート等のセルロース誘導体、ポリアミド、ポリカーボネート等のプラスチック等を挙げることができる。中でも抗張力や耐熱性を兼ね備えたポリエチレンテレフタレート等が好ましい。
転写用基体である仮支持体3の厚みには特に制限はないが、通常3〜100μm、好ましくは5〜50μmである。
【0075】
以下剥離層を兼ねた保護層(中間層)の形成方法について述べる。
前述の通り、カード用磁気記録媒体及び磁気記録用転写積層体の中間層は非磁性体である無機粉末と結着材樹脂であるバインダー樹脂を最低含む中間層用塗料を塗布し形成される。
【0076】
中間層用塗布液は、例えば上記非磁性粉末、バインダー樹脂、有機溶剤、及び必要に応じてその他の成分を混練分散機により混練分散することにより得ることができる。
塗布液その他添加剤、及び各成分比率、配合方法に関しては、公知の知見を用いることができる。
【0077】
中間層用塗布液を作製するための混練分散にあたっては、各種の混練分散機を使用することができる。この混練分散機としては、例えば二本ロールミル、三本ロールミル、ボールミル、ペブルミル、ヘンシェルミキサー、コボルミル、トロンミル、サンドミル、サンドグラインダー、セグバリアトライター、高速インペラー分散機、高速ストーンミル、高速度衝撃ミル、ディスパー、高速ミキサー、ホモジナイザー、超音波分散機、オープンニーダー、連続ニーダー、加圧ニーダー等が挙げられる。
【0078】
中間層の塗布に於いては、特に制限は無く公知の塗布方式を使用して良く、中間層用塗料を所定量塗布後に乾燥を行う。
【0079】
この中間層の塗布方式としては、特に制限はなく、公知の塗布方式を使用して良く、単層または複数層構成の磁気記録媒体の製造に使用される方法に準じて製造することができ、例えばグラビア方式、リバース方式、エアドクターコーター方式、ブレードコーター方式、エアナイフコーター方式、スクイズコーター方式、含浸コーター方式、トランスファロールコーター方式、キスコーター方式、キャストコーター方式、スプレイコーター方式、ダイ方式等を使用できる。
【0080】
本発明の中間層の存在は磁気カードにおける出力特性とくに分解能の低下をきたすため、本来の目的を達成する限りにおいては出来るだけ薄いことが好ましく、一般にオフセット印刷、グラビア印刷等の1印刷版による模様層の厚みは1μm前後であることを考慮して、中間層の厚みは0.05〜2μm、好ましくは0.2〜1μmの範囲が好ましい。
【0081】
前記転写用基体に中間層用塗料形成後、これを乾燥し、その上に磁気記録層用塗料の塗布を行う。
以下磁気記録層の形成方法について述べる。
カード用磁気記録媒体及び磁気記録用転写積層体の磁気記録層は強磁性体である磁性粉末と結着材樹脂であるバインダー樹脂を最低含む磁気塗料を塗布し形成される。
【0082】
ここで本発明に使用される磁性粉には、γ−Fe2O3、Co被着γ−Fe2O3、Fe3O4、Co被着Fe3O4、CrO2、Baフェライト、Srフェライト、Pbフェライト、Caフェライト等の従来公知の磁性粉が使用できる。特に、本発明に好適に使用される磁性粉には、Baフェライト、Srフェライト、Pbフェライト、Caフェライト等の従来公知の六方晶フェライト(マグネトプランバイト型フェライト)磁性材が使用でき、このうちの一般式MO・6Fe2 03 (MはBa,Sr,Pb,Caから選ばれた少なくとも1つの金属元素)で表わされ、その他所定の原子以外にAl、Si、S,Sc、Ti、V,Cr、Cu,Y,Mo,Rh,Pd,Ag、Sn、Sb、Te、Ba、Ta、W、Re、Au、Hg、Pb、Bi、La、Ce、Pr、Nd、P,Co,Mn,Zn、Ni、Sr、B、Ge、Nbなどの原子を含んでもかまわない。一般にはCo−Zn、Co−Ti,Co−Ti−Zr、Co−Ti−Zn,Ni−Ti−Zn,Nb−Zn−Co、SbーZn−Co、Nb−Zn、Sn−Zn、Ti−Zn等の元素を添加した物を使用することができる。原料・製法によっては特有の不純物を含有するものもある。
【0083】
これらマグネトプランバイト型フェライトは保存安定性が高く、カード用の磁性粉として適しており、さらに、高い再生出力と分解能を有した磁気記録層を作製することができ、隠蔽型カード用の磁気記録媒体の磁気記録層用磁性粉として最適である。
【0084】
また、識別カードおもて面磁気ストライプの場合、保磁力Hc規格は、47.7kA/m(600エルステッド)〜55.7kA/m(700エルステッド)の範囲となる磁性粉である。また、識別カードうら面磁気ストライプの場合、保磁力Hc規格は200kA/m(2500エルステッド)〜335kA/m(4200エルステッド)の範囲となる磁性粉であり、本来Hcは高い方が分解能に有利であるが、実際には記録ヘッドの能力で制限されるため、本発明においては識別カードの磁気ストライプの保磁力Hcが200kA/m(2500エルステッド)〜279kA/m(3500エルステッド)、より好ましくは215kA/m(2700エルステッド)〜255kA/m(3200エルステッド)の範囲となる磁性粉が好ましい。
【0085】
上記の磁気カードうら面に用いられる磁気ストライプは、近年制定された「ISO/IEC 7811−6:1996(日本語訳版:JIS X 6302:1999)」に規定される保磁力200kA/m(2500エルステッド)〜335kA/m(4200エルステッド)のHigh Coercivity(高保磁力)を有する磁気記録層が用いられ、磁性粉には前述のおもて面用高分解能磁気記録層と同様の六方晶フェライト(マグネトプランバイト型フェライト)が使用されるが、このような高保磁力を有してかつカード用磁性材に要求される出力特性、カード製造時の高温環境下における安定性、実使用時の環境安定性を同時に有し商業的に安定に供給可能な磁性粉は他に存在しないためである。
【0086】
更に使用する六方晶フェライトは、BET値が3m2/g以上であり、望ましくは、BET値が4.0m2/g以上10.0m2/g以下であることが望ましい。BETが上記より小さい場合、平板状磁性体の配列に粗密むらが生じやすく、その結果、消去ノイズが大きくなる為、好ましくない。また、BET値が10.0m2/g以上であると磁性粉の分散・配向が難しくなり本発明における要件を満たしにくくなる。また、磁気カードに記録される信号の記録密度は比較的低いことからもこの範囲が適当である。
【0087】
ここで、比表面積(BET)とは、モノソーブ直読式比表面積測定装置を使用し、試料に対する窒素ガス等の吸・脱着特性を利用したBET一点法の原理で表面積を求めたものである。
【0088】
上記六方晶フェライトとしては、共沈−焼成法、水熱合成法、ガラス結晶化法等いずれの方法で製造されたものでも利用できる。
【0089】
磁気記録層用塗布液は、例えば上記磁性粉末、バインダー樹脂、焼き付き防止剤、有機溶剤、及び必要に応じてその他の成分を混練分散機により混練分散することにより得ることができる。
また、必要に応じて前述のポリイソシアネート系硬化剤等を添加できる。
塗布液その他添加剤、及び各成分比率、配合方法に関しては、公知の知見を用いることができる。
【0090】
磁気記録層用塗布液を作製するための混練分散にあたっては、中間層用塗料を作製で用いた各種の混練分散機を同様に使用することができる。
【0091】
カード用の磁気記録媒体は、オーディオテープやビデオテープのような磁気記録媒体と比較して長波長で記録が行われる。従って、その出力は使用する磁性粉の磁化量あるいは磁気記録層の厚さにほぼ比例する。データの安定性の確保、高出力化への対応のため、磁気記録層の膜厚は厚くする必要がある。このため磁気記録層の膜厚は5μmを越えて100μm以下の範囲が好ましく、更に好ましい範囲は5μmを越えて20μm以下である。磁気記録層の厚さが5μm以下になるとカード状磁気記録媒体としては出力不足となるので好ましくなく、一方20μm以上では、再生出力の分解能が低下し好ましくない。
【0092】
磁気記録層の塗布に於いては、特に制限は無く中間層の塗布同様に公知の塗布方式を使用して良く、磁気塗料を所定量塗布後、磁性粉の磁化容易方向が磁気記録層の塗布長手方向になるよう配向処理を行って乾燥を行う。
【0093】
配向方法は、公知の方式、例えば反発対向永久磁石、ソレノイド型電磁石等を用いることが出来る。磁場強度としては1000〜6000Gの範囲が好ましい。
【0094】
また、カード基体上に転写方式にて磁気記録層を形成する場合、転写用積層体には必要に応じて接着性を向上させる目的で感熱接着剤層4を形成してもよい。
【0095】
上記の接着剤層4に使用する感熱接着性を示す樹脂としては、60℃以下では粘着性をもたず、90℃以上で溶融するもので、例えば、塩化ビニルと酢酸ビニルとの共重合体、あるいは、更にビニルアルコール、無水マレイン酸あるいはアクリル酸などを加えた共重合体等の塩化ビニル系樹脂;ポリエステル樹脂;アクリル樹脂;ポリイミド樹脂;ポリウレタン樹脂等を挙げることができる。
【0096】
また、接着剤層4に用いることの出来る感熱接着剤層用塗料は、感熱接着性を示す樹脂を、溶剤に対する樹脂の質量%で3〜20%で溶剤に溶解させ、混合攪拌して調整する。このように調整した塗料を磁気記録層上に塗布して接着剤層を形成する。
【0097】
このように形成された転写用積層体(転写用磁気記録媒体)を用いて、転写工程を経て、磁気カードを作成するには、転写用磁気記録媒体の原反を、所定の幅に裁断し作成した転写用磁気テープを用いる。転写用磁気テープの感熱接着層4の表面を磁気カード形成に用いる基体1aもしくは1b基体の表面に接触させ、転写用磁気テープの仮支持体フィルム3側から、接着層が90℃以上となるように加圧、加熱せしめ両者を接着させる(図7)。その後、転写用磁気テープの仮支持体フィルム3を中間層A(剥離層、保護層機能を有する)との界面より剥離して、磁気カード用基体の上に、当該中間層Aを最上層とした磁気ストライプを転写させる。
【0098】
さらに転写方式により磁気記録層をカード基体1aまたは1b基体上の一部にに形成した場合はその後に、平圧プレス機等を使ってそれ以外のカード構成材料であるカード用基体1cまたは1d、及び反対面模様層7を施した基体1d、1bと共に、例えば鏡面板を用いて温度140〜150℃、圧力15〜35kg/cm2、時間5〜30分条件にて熱圧プレスにより熱融着を行い、着色層、模様層、保護層を総称する隠蔽層形成前のカード基体を得る(図10)。
【0099】
以上の熱融着工程でカード表面は平坦になり、このように、磁気記録層2がカード基体1aの一部に形成されている場合において、カード基体表面と磁気ストライプ表面とを面一にすることは、その後の着色層6、文字、図案等の模様層7、保護層8等を形成し、完成したカードにおける磁気ストライプの隠蔽性(外観上磁気ストライプを見えなくする)を向上させる点でより好ましい。
【0100】
さらに、前述の着色層、模様層、保護層を総称する隠蔽層形成前のカード基体を用いて、上記のストライプ状磁気記録層の上に隠蔽カードとして着色層、模様層、保護層等の非磁気記録層を形成する。
【0101】
これら磁気ストライプ上に形成される非磁気記録層は印刷により形成することができる。
上記の隠蔽層形成前のカード基体のオーバーシート上に、各種印刷方法により適宜着色層、模様層保護層を順次形成する。これら印刷により積層した層を平圧プレス等により鏡面板を用いて熱圧プレス仕上げをすることにより、印刷により生じた段差を除去し、表面を平滑化することにより隠蔽カードの耐久性の向上もはかれる。この鏡面板を用いた熱圧プレス条件としては、例えば温度100〜150℃、圧力15〜35kg/cm2、時間5〜30分条件が用いられる。その後に所望の大きさに分割することにより隠蔽カードを得る。
【0102】
一方磁気ストライプ上に転写工程を経て非磁気記録層を形成することができる。すなわち、磁気ストライプを形成したときと同様仮支持体(ここでは区別のため第2仮支持体と称する)上に、保護層、模様層、着色層の順に形成された隠蔽層用転写用積層体を着色層を磁気層上に重ね、前記絵柄積層体を磁気層上に転写形成する方法である。まず、第2の仮支持体上に保護層、模様層、着色層をこの順に(I)と同様の方法により印刷形成し隠蔽層用転写積層体を得る。このとき、第2の仮支持体と保護層の間に剥離層を形成しても良く、また、剥離性を有する保護層を用いても良い。また着色層形成後に感熱性接着剤層を設けてもよい。転写用積層体を形成後、前記隠蔽層形成前のカード基体のオーバーシート上に、該隠蔽層用転写積層体を仮留めし、第2の仮支持体を剥離除去させることにより、隠蔽層をカード用基体上に形成する。
以上のように積層体をオーバーシート上に形成後、平圧プレス等により鏡面板を用いて熱圧プレス仕上げをすることにより、全層を接合一体化する。
【0103】
上記転写による方法においては、前記の隠蔽層用転写積層体仮留め工程において隠蔽層用転写積層体を仮留めした後に第2の仮支持体を剥離除去することなく、熱圧プレス仕上げを行い、全層を接合一体化した後に、第2の仮支持体を除去することもできる。
また、これらの工程の後に所望の大きさに分割することにより隠蔽カードを得る。
【0104】
転写工程によって、着色層、模様層等の隠蔽層を形成するときは、これら隠蔽層を印刷によって形成するときと異なり、溶剤による磁気ストライプへの攻撃がない。しかしながら磁気ストライプを形成する工程は、両方法とも共通であって、前記転写法による隠蔽層形成方法といえども、磁気ストライプを形成するときの剥離不良や焼き付の危険性からは免れないので、本発明の価値はいささかも減少するものではない。
また、転写法による磁気ストライプ上への隠蔽層の形成においては、転写用積層体の最上層に感熱接着層を形成することで、磁気ストライプとの密着性、接着性の問題がの解決をはかることもできる。しかしながら、磁気ストライプ上への非磁気記録層の積層は、再生出力を低下させるという欠点を持つことを考慮すれば、転写工程においても接着剤層を用いないことが好ましく、この場合印刷法と同じように、やはり磁気ストライプと着色層、模様層等との密着性、接着性が重要となる。
磁気記録層2の色を隠蔽するため、さらにカード自体の装飾性を向上させる為に設けられる、前述の着色層6及び模様層7及び保護層8は、印刷法で形成するにしても、転写法にしても、共に以下に示す着色層用塗料、模様層用塗料、保護層用塗料およびそれらの印刷方法が共通に使用できる。
また着色層、模様層はそれぞれ単層とは限らず、多層となる場合もある。
【0105】
着色層、模様層に用いる顔料は、無機顔料としては、鱗片状金属粉末、アルミナ、酸化チタン、酸化クロム、酸化鉄、酸化亜鉛、硫酸バリウムなど、有機顔料としては、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系顔料、チオインジゴ系顔料、インダンスレン系顔料など多々あるが、特に限定されるものではない。
また着色層に鱗片状アルミニウム粉末を用いることは、効果的に磁気記録層の色相を隠蔽できる上、着色層の耐候性、耐久性に優れており、安価な点で特に好ましい。
【0106】
これら着色層6、模様層7を形成するには、顔料をバインダー樹脂中に単独もしくは2種以上混合し、公知の方法で分散させて、着色用塗布液及び模様層塗布液を作成し、前述のカード基体上もしくは第2の仮支持体上に公知の方法で塗布、印刷することにより形成できる。
【0107】
樹脂バインダー、溶剤としては中間層、磁気記録層の箇所で述べた前述のものを用いることができる。
【0108】
着色層6、模様層7の形成にはグラビア印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷等の公知の印刷方法を用いることが出来る。
模様層、着色層の膜厚は、薄すぎると磁気記録層の磁気色を隠蔽することができず、厚すぎるとスペーシングロスのため再生出力が低下する。このため、通常0.5〜20μmの範囲で用いられる。
【0109】
更に磁気記録層の磁気色をより効果的に隠蔽する方法として、磁気記録層2と着色層6、模様層7の間に金属蒸着膜を設けることができ、アルミニウム、錫、金、銀、白金、等の金属蒸着膜を使用することが出来る。この方法を用いれば、着色用塗料の塗布による塗膜形成に比べて、より薄い膜厚で磁気色の隠蔽が可能となり、出力、分解能などの特性の劣化を防ぐことが可能である。
金属蒸着膜として用いられる膜厚の範囲は、通常、0.05〜0.1μmである。
【0110】
保護層8を構成する物質としては、耐久性に富みかつプレス適性を有する材料が好ましく、前記の剥離層で使用した物質が使用でき、例えば、セルロース系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート及びその共重合体、メラミン樹脂等及びこれらの樹脂の混合物を挙げることができる。
【0111】
更に、保護層8中には、必要に応じて、皮膜改質剤として大豆レシチン、フタル酸系可塑剤、マイクロシリカ、あるいはワックス等を添加することもできる。
【0112】
保護層8は、例えば上記構成物質を溶剤に溶解・分散してなる塗料を公知の方法で前述の磁気記録層2、着色層6及び/もしくは模様層7を施したカード基体上1aまたは、第2仮支持体上に塗布することにより形成される。
【0113】
本発明の磁気記録媒体、もしくは転写用磁気記録媒体の構成は隠蔽型磁気カードとしての用途に限ったものではなく、磁気カードの磁気記録層上に介在する着色層、模様層以外のいかなる機能層を有する磁気記録媒体に対しても、有効であることは言うまでもない。
【0114】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を用いて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない、尚、以下「部」は質量部を表すものとする。
以下、中間層の非磁性粉末において非磁性粉末の種類、中間層の結着剤樹脂と添加量、中間層膜厚を変化させながら各種の転写用磁気記録媒体サンプルを作製し、転写工程を経て印刷隠蔽方法により隠蔽磁気カードを作製し、仮支持体剥離力、対鏡面板焼き付き性、磁気ストライプ隠蔽性、電磁変換特性を測定した。
【0115】
(実施例1)
転写用基体である仮支持体フィルムとして、厚み24μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、このフィルムの片面上に下記a、b、cの各組成物を用い、中間層を乾燥後膜厚0.5μm、磁気記録層を乾燥後の膜厚が残留磁束φrが約1.6(μWb/m)となるように、また接着剤層を乾燥後膜厚1.5μmとなるように順次形成した後、所定幅に裁断して転写用磁気テープを作製した。
【0116】
(a:中間層用組成物NM−1)
α酸化鉄
DNS−235 100部
(戸田工業社製、平均長軸長0.23μm)
塩化ビニル共重合体
ソルバインTA2 11.0部
(日信化学社製、Tg:76℃)
セルロース系樹脂
CAP−482−0.5 11.0部
(イーストマンケミカル社製、セルロースアセテートプロピ
オネー ト、Tg=142℃)
ポリイソシアネート
ハードナーNo.50(有効成分:50%) 8.8部
ソルビタンモノステアレート
SP−S10(花王社製) 5部
MEK 400部
トルエン 400部
シクロヘキサノン 200部
【0117】
(b:磁気記録層用組成物M1)
六方晶フェライト磁性粉
MC−127 100部
{戸田工業社製、保磁力 223(kA/m)}
塩化ビニル系樹脂
MR−110(日本ゼオン社製) 10部
ポリウレタン樹脂
T−5206(大日本インキ化学工業社製) 5部
ソルビタンモノステアレート
SP−S10(花王社製) 5部
ポリイソシアネート
ハードナーNo.50(有効成分:50%) 6部
MEK 50部
トルエン 50部
シクロヘキサノン 15部
【0118】
(c:接着剤層用組成物)
ポリウレタン樹脂 1.5部
(大日本インキ化学工業社製、『TS−03』)
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂 3.5部
(電気化学社製、『1000LT3』)
MEK 45部
トルエン 50部
【0119】
上記の転写用磁気テープをカード基体の一部となる厚み100μmのオーバーシートの所定の位置にヒートシール機を用い120℃、10秒、1kg/cm2にて熱融着させその後に仮支持体フィルムを剥離させて磁気ストライプ付きのオーバーシートを得た。
【0120】
この磁気記録層を形成したオーバーシートをこれに接して厚み280μmコアシートを2枚重ね更に反対面に100μmのオーバーシートを1枚を重ねて、平圧プレスを用いて温度150℃、圧力25kg/cm2 、時間15分、熱プレスを行い、その後、圧力を保持したまま30分程度の時間をかけて常温まで冷却する事により、磁気ストライプの表面とカード用基体面が同一面となったカード基体を得た。
【0121】
このカード基体上に磁気ストライプを隠蔽する目的で、下記dの着色層1用組成物をグラビア印刷機により、乾燥後の厚みが4μmになるように塗布を行い、着色層1を形成した。
【0122】
(d:着色層1用組成物)
アルミニウム粉末 20部
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂 10部
(ユニオンカーバイド社製、『VAGH』)
MEK 35部
トルエン 25部
酢酸エチル 10部
【0123】
その上にカードデザインの白色の下地を作るため、下記eの着色層2用組成物をグラビア印刷機により、乾燥後の厚みが4μmになるように塗布を行い、着色層2を形成した。
【0124】
(e:着色層2用組成物)
酸化チタン 20部
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂 10部
(ユニオンカーバイド社製、『VAGH』)
MEK 35部
トルエン 25部
酢酸エチル 10部
【0125】
上記の磁気記録層、着色層を保護する目的で、下記fの保護層用組成物をグラビア印刷機により、乾燥後の厚みが2μmになるように塗布を行った。
【0126】
(f:保護層用組成物)
アクリル樹脂 16部
(大日本インキ化学工業社製『KU−273』)
タルク顔料
(松村産業社製『#5000 PJ』) 8部
イソシアネート系硬化剤
(大日本インキ化学工業社製『D−750』、有効成分:75%)4.3部
MEK 37部
トルエン 37部
【0127】
以上のカード基体を平圧プレスを用いて温度110℃、圧力25kg/cm2、時間15分、熱プレスを行い、その後、圧力を保持したまま30分程度の時間をかけて常温まで冷却する事により、磁気カード表面の平滑性を高めた。
その後、所望のサイズに打ち抜き加工することで中間層を含む磁気記録層上の隠蔽層層の厚みが10μmの本発明の磁気カードを作成した。
【0128】
(実施例2)
実施例1において、中間層用組成物を下記のg:中間層用組成物NM−2とし、それ以外は実施例1と同様にして転写用磁気テープを作成し、その後に実施例1と同様にして磁気記録層上の非磁気記録層の厚みが10μmの磁気カードを作成した。
(g:中間層用組成物NM−2)
α酸化鉄
DNS−235 100部
(戸田工業社製、平均長軸長0.23μm)
塩化ビニル共重合体
ソルバインTA2 25.0部
(日信化学社製、Tg:76℃)
セルロース系樹脂
CAP−482−0.5 25.0部
(イーストマンケミカル社製、セルロースアセテートプロピ
オネー ト、Tg=142℃)
ポリイソシアネート
ハードナーNo.50(有効成分:50%) 20.0部
ソルビタンモノステアレート
SP−S10(花王社製) 5部
MEK 400部
トルエン 400部
シクロヘキサノン 200部
【0129】
(実施例3)
実施例1において、中間層用組成物を下記のh:中間層用組成物NM−3とし、それ以外は実施例1と同様にして転写用磁気テープを作成し、その後に実施例1と同様にして磁気記録層上の非磁気記録層の厚みが10μmの磁気カードを作成した。
(h:中間層用組成物NM−3)
α酸化鉄
DNS−235 100部
(戸田工業社製、平均長軸長0.23μm)
塩化ビニル共重合体
ソルバインTA2 50.0部
(日信化学社製、Tg:76℃)
セルロース系樹脂
CAP−482−0.5 50.0部
(イーストマンケミカル社製、セルロースアセテートプロピ
オネー ト、Tg=142℃)
ポリイソシアネート
ハードナーNo.50(有効成分:50%) 40.0部
ソルビタンモノステアレート
SP−S10(花王社製) 5部
MEK 400部
トルエン 400部
シクロヘキサノン 200部
【0130】
(実施例4)
実施例1において、中間層用組成物を下記のi:中間層用組成物NM−4とし、それ以外は実施例1と同様にして転写用磁気テープを作成し、その後に実施例1と同様にして磁気記録層上の非磁気記録層の厚みが10μmの磁気カードを作成した。
(i:中間層用組成物NM−4)
α酸化鉄
DNS−235 100部
(戸田工業社製、平均長軸長0.23μm)
塩化ビニル共重合体
ソルバインTA2 100部
(日信化学社製、Tg:76℃)
セルロース系樹脂
CAP−482−0.5 100部
(イーストマンケミカル社製、セルロースアセテートプロピ
オネー ト、Tg=142℃)
ポリイソシアネート
ハードナーNo.50(有効成分:50%) 80.0部
ソルビタンモノステアレート
SP−S10(花王社製) 5部
MEK 400部
トルエン 400部
シクロヘキサノン 200部
【0131】
(実施例5)
実施例1において、中間層用組成物を下記のj:中間層用組成物NM−5とし、それ以外は実施例1と同様にして転写用磁気テープを作成し、その後に実施例1と同様にして磁気記録層上の非磁気記録層の厚みが10μmの磁気カードを作成した。
(j:中間層用組成物NM−5)
α酸化鉄
DNS−235 100部
(戸田工業社製、平均長軸長0.23μm)
塩化ビニル共重合体
ソルバインTA2 175部
(日信化学社製、Tg:76℃)
セルロース系樹脂
CAP−482−0.5 175部
(イーストマンケミカル社製、セルロースアセテートプロピ
オネー ト、Tg=142℃)
ポリイソシアネート
ハードナーNo.50(有効成分:50%) 140部
ソルビタンモノステアレート
SP−S10(花王社製) 5部
MEK 400部
トルエン 400部
シクロヘキサノン 200部
【0132】
(実施例6)
実施例1において、中間層用組成物を下記のk:中間層用組成物NM−6とし、それ以外は実施例1と同様にして転写用磁気テープを作成し、その後に実施例1と同様にして磁気記録層上の非磁気記録層の厚みが10μmの磁気カードを作成した。
(k:中間層用組成物NM−6)
酸化チタン
TTO−51B 100部
(石原産業社製、粒子径0.01〜0.03μm)
塩化ビニル共重合体
ソルバインTA2 11.0部
(日信化学社製、Tg:76℃)
セルロース系樹脂
CAP−482−0.5 11.0部
(イーストマンケミカル社製、セルロースアセテートプロピ
オネー ト、Tg=142℃)
ポリイソシアネート
ハードナーNo.50(有効成分:50%) 8.8部
ソルビタンモノステアレート
SP−S10(花王社製) 5部
MEK 400部
トルエン 400部
シクロヘキサノン 200部
【0133】
(実施例7)
実施例1において、中間層用組成物を下記のl:中間層用組成物NM−7とし、それ以外は実施例1と同様にして転写用磁気テープを作成し、その後に実施例1と同様にして磁気記録層上の非磁気記録層の厚みが10μmの磁気カードを作成した。
(l:中間層用組成物NM−7)
酸化チタン
TTO−51B 100部
(石原産業社製、粒子径0.01〜0.03μm)
塩化ビニル共重合体
ソルバインTA2 25.0部
(日信化学社製、Tg:76℃)
セルロース系樹脂
CAP−482−0.5 25.0部
(イーストマンケミカル社製、セルロースアセテートプロピ
オネー ト、Tg=142℃)
ポリイソシアネート
ハードナーNo.50(有効成分:50%) 20.0部
ソルビタンモノステアレート
SP−S10(花王社製) 5部
MEK 400部
トルエン 400部
シクロヘキサノン 200部
【0134】
(実施例8)
実施例1において、中間層用組成物を下記のm:中間層用組成物NM−8とし、それ以外は実施例1と同様にして転写用磁気テープを作成し、その後に実施例1と同様にして磁気記録層上の非磁気記録層の厚みが10μmの磁気カードを作成した。
(m:中間層用組成物NM−8)
酸化チタン
TTO−51B 100部
(石原産業社製、粒子径0.01〜0.03μm)
塩化ビニル共重合体
ソルバインTA2 50.0部
(日信化学社製、Tg:76℃)
セルロース系樹脂
CAP−482−0.5 50.0部
(イーストマンケミカル社製、セルロースアセテートプロピ
オネー ト、Tg=142℃)
ポリイソシアネート
ハードナーNo.50(有効成分:50%) 40.0部
ソルビタンモノステアレート
SP−S10(花王社製) 5部
MEK 400部
トルエン 400部
シクロヘキサノン 200部
【0135】
(実施例9)
実施例1において、中間層用組成物を下記のn:中間層用組成物NM−9とし、それ以外は実施例1と同様にして転写用磁気テープを作成し、その後に実施例1と同様にして磁気記録層上の非磁気記録層の厚みが10μmの磁気カードを作成した。
(n:中間層用組成物NM−9)
酸化チタン
TTO−51B 100部
(石原産業社製、粒子径0.01〜0.03μm)
塩化ビニル共重合体
ソルバインTA2 100部
(日信化学社製、Tg:76℃)
セルロース系樹脂
CAP−482−0.5 100部
(イーストマンケミカル社製、セルロースアセテートプロピオネー ト、Tg=142℃)
ポリイソシアネート
ハードナーNo.50(有効成分:50%) 80.0部
ソルビタンモノステアレート
SP−S10(花王社製) 5部
MEK 400部
トルエン 400部
シクロヘキサノン 200部
【0136】
(実施例10)
実施例1において、中間層用組成物を下記のo:中間層用組成物NM−10とし、それ以外は実施例1と同様にして転写用磁気テープを作成し、その後に実施例1と同様にして磁気記録層上の非磁気記録層の厚みが10μmの磁気カードを作成した。
(o:中間層用組成物NM−10)
酸化チタン
TTO−51B 100部
(石原産業社製、粒子径0.01〜0.03μm)
塩化ビニル共重合体
ソルバインTA2 175部
(日信化学社製、Tg:76℃)
セルロース系樹脂
CAP−482−0.5 175部
(イーストマンケミカル社製、セルロースアセテートプロピ
オネー ト、Tg=142℃)
ポリイソシアネート
ハードナーNo.50(有効成分:50%) 140部
ソルビタンモノステアレート
SP−S10(花王社製) 5部
MEK 400部
トルエン 400部
シクロヘキサノン 200部
【0137】
(比較例1)
実施例1において、中間層用組成物を下記のp:中間層用組成物NM−11とし、それ以外は実施例1と同様にして転写用磁気テープを作成し、その後に実施例1と同様にして磁気記録層上の非磁気記録層の厚みが10μmの磁気カードを作成した。
(p:中間層用組成物NM−11)
アルミナ
AKP−20 100部
(住友化学社製、平均粒子径0.39μm)
塩化ビニル共重合体
ソルバインTA2 11.0部
(日信化学社製、Tg:76℃)
セルロース系樹脂
CAP−482−0.5 11.0部
(イーストマンケミカル社製、セルロースアセテートプロピ
オネー ト、Tg=142℃)
ポリイソシアネート
ハードナーNo.50(有効成分:50%) 8.8部
ソルビタンモノステアレート
SP−S10(花王社製) 5部
MEK 400部
トルエン 400部
シクロヘキサノン 200部
【0138】
(比較例2)
実施例1において、中間層用組成物を下記のq:中間層用組成物NM−12とし、それ以外は実施例1と同様にして転写用磁気テープを作成し、その後に実施例1と同様にして磁気記録層上の非磁気記録層の厚みが10μmの磁気カードを作成した。
(q:中間層用組成物NM−12)
アルミナ
AKP−20 100部
(住友化学社製、平均粒子径0.39μm)
塩化ビニル共重合体
ソルバインTA2 25.0部
(日信化学社製、Tg:76℃)
セルロース系樹脂
CAP−482−0.5 25.0部
(イーストマンケミカル社製、セルロースアセテートプロピ
オネー ト、Tg=142℃)
ポリイソシアネート
ハードナーNo.50(有効成分:50%) 20.0部
ソルビタンモノステアレート
SP−S10(花王社製) 5部
MEK 400部
トルエン 400部
シクロヘキサノン 200部
【0139】
(比較例3)
実施例1において、中間層用組成物を下記のr:中間層用組成物NM−13とし、それ以外は実施例1と同様にして転写用磁気テープを作成し、その後に実施例1と同様にして磁気記録層上の非磁気記録層の厚みが10μmの磁気カードを作成した。
(r:中間層用組成物NM−13)
アルミナ
AKP−20 100部
(住友化学社製、平均粒子径0.39μm)
塩化ビニル共重合体
ソルバインTA2 50.0部
(日信化学社製、Tg:76℃)
セルロース系樹脂
CAP−482−0.5 50.0部
(イーストマンケミカル社製、セルロースアセテートプロピ
オネー ト、Tg=142℃)
ポリイソシアネート
ハードナーNo.50(有効成分:50%) 40.0部
ソルビタンモノステアレート
SP−S10(花王社製) 5部
MEK 400部
トルエン 400部
シクロヘキサノン 200部
【0140】
(比較例4)
実施例1において、中間層用組成物を下記のs:中間層用組成物NM−14とし、それ以外は実施例1と同様にして転写用磁気テープを作成し、その後に実施例1と同様にして磁気記録層上の非磁気記録層の厚みが10μmの磁気カードを作成した。
(s:中間層用組成物NM−14)
アルミナ
AKP−20 100部
(住友化学社製、平均粒子径0.39μm)
塩化ビニル共重合体
ソルバインTA2 100部
(日信化学社製、Tg:76℃)
セルロース系樹脂
CAP−482−0.5 100部
(イーストマンケミカル社製、セルロースアセテートプロピ
オネー ト、Tg=142℃)
ポリイソシアネート
ハードナーNo.50(有効成分:50%) 80.0部
ソルビタンモノステアレート
SP−S10(花王社製) 5部
MEK 400部
トルエン 400部
シクロヘキサノン 200部
【0141】
(比較例5)
実施例1において、中間層用組成物を下記のt:中間層用組成物NM−15とし、それ以外は実施例1と同様にして転写用磁気テープを作成し、その後に実施例1と同様にして磁気記録層上の非磁気記録層の厚みが10μmの磁気カードを作成した。
(t:中間層用組成物NM−15)
α酸化鉄
DNS−235 100部
(戸田工業社製、平均長軸長0.23μm)
塩化ビニル共重合体
ソルバインTA2 175部
(日信化学社製、Tg:76℃)
セルロース系樹脂
CAP−482−0.5 175部
(イーストマンケミカル社製、セルロースアセテートプロピ
オネー ト、Tg=142℃)
ポリイソシアネート
ハードナーNo.50(有効成分:50%) 140部
ソルビタンモノステアレート
SP−S10(花王社製) 5部
MEK 400部
トルエン 400部
シクロヘキサノン 200部
【0142】
(比較例6)
実施例1において、中間層用組成物を下記のu:中間層用組成物NM−16とし、それ以外は実施例1と同様にして転写用磁気テープを作成し、その後に実施例1と同様にして磁気記録層上の非磁気記録層の厚みが10μmの磁気カードを作成した。
(u:中間層用組成物NM−16)
セルロースアセテート
L−20 25部
(ダイセル化学社製、Tg:180℃)
ポリイソシアネート
ハードナーNo.50(有効成分:50%) 10部
ソルビタンモノステアレート
SP−S10(花王社製) 5部
MEK 400部
トルエン 400部
シクロヘキサノン 200部
【0143】
(比較例7)
実施例1において、中間層用組成物を下記のv:中間層用組成物NM−17とし、それ以外は実施例1と同様にして転写用磁気テープを作成し、その後に実施例1と同様にして磁気記録層上の非磁気記録層の厚みが10μmの磁気カードを作成した。
(v:中間層用組成物NM−17)
ポリビニルブチラール
エスレックBM−1 25部
(積水化学社製)
ポリイソシアネート
ハードナーNo.50(有効成分:50%) 10部
ソルビタンモノステアレート
SP−S10(花王社製) 5部
MEK 400部
トルエン 400部
シクロヘキサノン 200部
【0144】
(比較例8)
実施例1において、中間層塗布せずに、それ以外は実施例1と同様にして転写用磁気テープを作成し、その後に実施例1と同様にして磁気記録層上の非磁気記録層の厚みが10μmの磁気カードを作成した。
【0145】
(比較例9)
比較例8において、磁気記録層用組成物を下記のw:磁気記録層用組成物M−2とし、それ以外は比較例8と同様にして転写用磁気テープを作成し、その後に実施例1と同様にして磁気記録層上の非磁気記録層の厚みが10μmの磁気カードを作成した。
(w:磁気記録層用組成物M−2)
六方晶フェライト磁性粉
MC−127 100部
{戸田工業社製、保磁力 223(kA/m)}
塩化ビニル系樹脂
MR−110(日本ゼオン社製) 10部
ポリウレタン樹脂
T−5206(大日本インキ化学工業社製) 5部
ソルビタンモノステアレート
SP−S10(花王社製) 5部
MEK 50部
トルエン 50部
シクロヘキサノン 15部
【0146】
(試験項目及び結果)
実施例1〜10、比較例1〜9により得られた隠蔽型磁気カードについて、仮支持体剥離性、対鏡面板焼き付き性、磁気ストライプ隠蔽性、隠蔽層密着性を以下の方法により求めた。結果を表1、表2に示す。
【0147】
[仮支持体剥離性]
実施例1〜10、比較例1〜9にて得られた転写用磁気テープをカード基体の一部となる厚み100μmのオーバーシートに接着剤層を密着させ、次いで仮支持体側からヒートシール機を用い120℃、10秒、1kg/cm2にて加熱し転写用磁気テープをオーバーシートに熱融着させた。その後にテスター産業社製『高速剥離試験器』にて仮支持体フィルムを20m/min.の速度で180°の剥離角度で剥離させ、このときの剥離力を測定した。
そして剥離力が0〜300mN:○、300〜1000mN:△、1000mN以上:×とした。
一般に剥離力が0〜300mNの場合は、実際の転写機において常に安定して剥離が可能であり、300〜1000mNの場合は、本発明の中間層表面に若干損傷を受け耐熱性に影響を与える場合があり、1000mN以上の場合は、仮支持体が剥離しないかまたは、本発明の中間層表面の一部脱落などの重大な損傷を与える。
【0148】
[対鏡面板焼き付き性]
実施例1〜10、比較例1〜9において作製した磁気転写テープをオーバーシート上に転写後、仮支持体を剥離させ、その後にこの磁気記録層を形成したオーバーシートをこれに接して厚み280μmコアシートを2枚重ね更に反対面に100μmのオーバーシートを1枚を重ねて、平圧プレスを用いて鏡面板で温度150℃、圧力25kg/cm2 、時間15分、熱プレスを行い、その後、圧力を保持したまま30分程度の時間をかけて常温まで冷却する事により、磁気ストライプの表面とカード用基体面が同一面となったカード基体を得る。熱プレスが終了し、鏡面板を上記カード基体から取り去った後に鏡面板の磁気ストライプが接していた場所の状態を黙視にて観察する。
鏡面板に全く付着の無い状態:○、鏡面板にうっすらと磁気ストライプ組成物が付着している状態:△、鏡面板をカード基体から剥がすとき強い抵抗が有り、鏡面板に磁気ストライプ組成物の強い付着があり、かつ磁気ストライプの表面状態も変化した状態:×。
【0149】
[磁気ストライプ隠蔽性]
実施例1〜10、比較例1〜9において、着色層1、2及び保護層の塗布が終了したカード基体を平圧プレスを用いて温度110℃、圧力25kg/cm2 、時間15分、熱プレスを行い、その後、圧力を保持したまま30分程度の時間をかけて常温まで冷却する事により、磁気カード表面の平滑性を高めた。
このプレス後のカードの磁気ストライプとその周辺の色相の違い、及び磁気ストライプエッジ部分のスジを目視にて評価。
目視上、磁気ストライプ部とその周辺の色相に差がなく、その境界にスジが見えない状態:○、カードの角度を変えるなどすると、磁気ストライプとその周辺の色相差が分かったり、境界のスジが僅かに見える状態:△、磁気ストライプとその周辺の色相の差が明確かまたは、境界に明瞭なスジが見える状態:×。
【0150】
[隠蔽層密着性]
実施例1〜10、比較例1〜9において、完成したカードの磁気ストライプ上及びその周辺を含む範囲の表面を約1mm間隔の碁盤の目状にカッターなどで傷を付け、セロハンテープをその碁盤の目状傷の上から強く密着させ、カードを固定しそのセロハンテープのみを素早く上方に引き剥がし、隠蔽層の脱落状態を目視にて観察する。
隠蔽層が全く脱落しない状態:○、碁盤目状に傷を入れた部分の隠蔽層のみが部分的に脱落するものの、碁盤目の内側の隠蔽層が剥がれない状態:△、碁盤目の内側の隠蔽層まで剥がれる状態:×。
【0151】
【表1】
(表1)剥離性、保護層機能を有する中間層の組成
【0152】
【表2】
(表2)中間層に起因する特性の比較
【0153】
表1、表2からわかるように非磁性粒子の平均粒子径が大きいと、とくに樹脂成分が多いときに仮支持体の剥離性に支障をきたす。このときは、磁気ストライプ部分が正常に形成されないため、表2に示すようにその他の特性は測定不能であった。また樹脂成分が少ないと、仮支持体の剥離性は良好であるが、結着剤成分が不足するため、中間層の塗膜が応力で内部破壊を起こしやすくなり焼き付きの原因となる。樹脂成分が少ないと中間層の表面粗さが粗くなるので隠蔽性も低下する。
また比較例6、比較例7に示すようにTgの高い樹脂を使うと、剥離性と焼き付き性は良好となるが、必ずしも磁気ストライプ隠蔽性と隠蔽層密着性を満足させることはできない。
中間層を有しない比較例8においては剥離性が満たされない、一方ハードナーを磁気記録層に添加しない比較例9の場合は剥離性は満たされるものの、磁気記録層が転写時に焼き付きを起こし、磁気ストライプの隠蔽性のも劣る。
このように中間層において、特定粒子径を有する非磁性粉末を使用し、かつ非磁性粉末に対する結着剤樹脂の比率を特定範囲とすることで、磁気記録層に磁性粉末としてマグネトプランバイト型フェライト粒子粉末を用いた隠蔽型磁気カードにおいても、仮支持体剥離性、対鏡面板焼き付き性、などの加工特性、更には磁気ストライプ隠蔽性、隠蔽層密着性などの品質特性の双方について良好な特性が得られることがわかる。従来のコバルトガンマ酸化鉄磁性材を磁気記録層に用いた場合と同等の品質が得られる事が示される。
【0154】
以上のことから、本発明により、六方晶フェライト(マグネトプランバイト型フェライト)のような粒径の大きな磁性材を用いた磁気記録層において、その磁気記録層の隠蔽層存在下であっても高分解能を有する特徴を損なうことなく、従来から用いられている全ての隠蔽カード製造方法に対応する磁気記録層が得られ、高分解能と優れた生産性を有する磁気記録媒体が得られることがわかる。これによって設計の自由度が大きく、意匠性が高く、かつ審美性に優れたプラスチック製磁気カードの製造が可能になる。
【0155】
【発明の効果】
本発明によれば、カード用磁気記録媒体形成用の転写用磁気記録媒体の仮支持体と磁気記録層との間に、剥離層を兼ねた保護層を形成し、かつ該保護層に、粒径0.2μm以下、の非磁性粒子、もしくは長軸を有する粒子にあっては長軸長が0.5μm以下の非磁性粒子を含有させることによって、該転写用磁気記録媒体の転写工程における剥離性を向上させ、さらに転写後の磁気ストライプをカード用基体へ加圧、加熱下に埋め込む工程における耐熱性を向上させることができる。
磁気ストライプ上に隠蔽層が形成される隠蔽型カード用磁気記録媒体の場合には、該保護層は、磁気記録層と隠蔽層に挟まれた中間層として、磁気記録層と隠蔽層との間の接着性維持、磁気ストライプ表面をカード用基体なみに平滑化することによるによる隠蔽後の色相の均一化などの機能を果たすことが要求される。しかしながら非磁性粒子の添加が、中間層の耐熱性を向上させるため、中間層には広い範囲の温度特性の樹脂を使用することが可能となる。このため、樹脂選定の自由度が大幅に拡がって、多機能な剥離層をかねた保護層(中間層)を有する隠蔽型磁気記録媒体用の転写用磁気記録媒体を容易に設計することができる。
また該転写用磁気記録媒体は、転写時の剥離性、磁気ストライプ埋め込み時の耐焼き付き性が良好な、優れた加工適性を持ち、また該転写用磁気記録媒体を用いて作製される隠蔽型カード用磁気記録媒体は、優れた隠蔽層の接着性、隠蔽性を有する。
本発明の構成を有する転写用磁気記録媒体や隠蔽型カード用磁気記録媒体は、磁気記録層に、粒径の大きな磁性粉を用いた時に上記効果の発現が顕著である。特に、粒径が大きいマグネトプランバイト型フェライト粒子粉末を用いた磁気記録層に対して、その層が緻密な膜を形成していないため発生する、焼き付き、剥離不良等の種々の問題の解決法として好適に用いられる。
本発明の構成を前記フェライト粒子粉末を用いた磁気記録媒体や転写用磁気記録媒体に対して使用することにより、再生出力や分解能が高く、隠蔽型カード用磁気記録媒体の磁性材料として高いポテンシャルを持ちながら、加工適性、隠蔽性等が悪いため隠蔽型磁気記録媒体の磁性材料として使いにくかった該フェライト粒子粉末を、好適に使用できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】転写用磁気記録媒体により磁気記録層を転写されたカード用磁気記録媒体。
【図2】転写用磁気記録媒体(隠蔽層を含まないもの)。
【図3】磁気記録層のオーバーシートへの埋め込みとカード用基体の形成を表した図。
【図4】転写用磁気記録媒体により磁気記録層を転写されたカード用磁気記録媒体(隠蔽層(着色層)を含むもの)。
【図5】転写用磁気記録媒体(隠蔽層(着色層)を含むもの)。
【図6】隠蔽型カード用磁気記録媒体。
【図7】保護層を有する磁気ストライプを持つカード用磁気記録媒体。
【図8】剥離層を兼ねた保護層を有する磁気ストライプ形成用転写用磁気記録媒体。
【図9】磁気記録層が中間層を有する隠蔽型カード用磁気記録媒体(裏面意匠あり)。
【図10】隠蔽層形成前の隠蔽型カード用磁気記録媒体。
【符号の説明】
1 カード用基体
1a カード基体用オーバーシート
1b カード基体用オーバーシート
1c カード基体用コアシート
1d カード基体用コアシート
2 磁気記録層
3 転写用基体
4 接着剤層
5 転写用磁気記録媒体
6 着色層
7 模様層
8 保護層
9 プレス機の鏡面板
10 裏面の磁気記録層
A 中間層(本発明における剥離性、保護層機能を有する)
Claims (10)
- 転写用基体上に、保護層を兼ねた剥離層を介して磁気記録層、接着剤層をこの順に積層してなる転写用磁気記録媒体において、該保護層を兼ねた剥離層が体積平均粒子径0.2μm以下の非磁性粒子、を含有することを特徴とする転写用磁気記録媒体。
- 転写用基体上に、保護層を兼ねた剥離層を介して磁気記録層、接着剤層をこの順に積層してなる転写用磁気記録媒体において、該保護層を兼ねた剥離層が長軸を有する非磁性粒子を含有
し、該非磁性粒子の長軸長が0.50μm以下であることを特徴とする転写用磁気記録媒体。 - 保護層を兼ねた剥離層が、20〜80重量%の結着剤樹脂を含有することを特徴とする、請求項1もしくは請求項2のいずれかに記載の転写用磁気記録媒体。
- 磁気記録層に磁気記録用磁性粉としてマグネトプランバイト型フェライト粒子粉末を含有することを特徴とする請求項1、2、3のいずれかに記載の転写用磁気記録媒体。
- 保護層を兼ねた剥離層が、ポリ塩化ビニル樹脂もしくはアクリル樹脂を含有することを特徴とする請求項1、2、3、4のいずれかに記載の転写用磁気記録媒体。
- 非磁性基体上に形成された磁気記録層上に磁気記録層の色相を完全に隠蔽する非磁気記録層が積層された磁気記録媒体において、該磁気記録媒体が、前記非磁気記録層と磁気記録層の間に、非磁性粒子を含有する中間層を有してなり、かつ該非磁性粒子が、体積平均粒径0.2μm以下の非磁性粒子、もしくは長軸長0.5μm以下の長軸を有する非磁性粒子であることを特徴とする磁気記録媒体。
- 磁気記録層に磁気記録用磁性粉としてマグネトプランバイト型フェライト粒子粉末を含有することを特徴とする請求項6に記載の磁気記録媒体。
- 非磁性基体上に形成された磁気記録層上に、磁気記録層の色相を完全に隠蔽する非磁気記録層が積層された磁気記録媒体において、該磁気記録層が請求項1〜5記載の転写用磁気記録媒体を用いた転写工程によって形成されたものであることを特徴とする磁気記録媒体。
- 前記中間層が、中間層の20〜80重量%の結着剤樹脂を含有し、該結着剤樹脂がポリ塩化ビニル樹脂もしくはアクリル樹脂を含有することを特徴とする請求項6、7、8のいずれかに記載の磁気記録媒体。
- 非磁性基体上に形成された磁気記録層上に磁気記録層の色相を完全に隠蔽する非磁気記録層が積層された磁気記録媒体の製造方法であって、該磁気記録層を、請求項1〜5記載の転写用磁気記録媒体を使用して、非磁性基体上に転写工程によって形成することを特徴とする、磁記録層の色相が隠蔽された磁気記録媒体の製造方法。
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