JP4570118B2 - 被記録材の前処理液及び画像記録方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像記録法における被記録材への前処理液およびそれを用いた画像記録法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、インクジェットプリンターは低騒音、低ランニングコストといった利点から普及し、普通紙に印字可能なカラープリンターも市場に投入されている。従来は、インクの目詰まり等の問題からオフィス用インクジェットプリンターのインクには着色剤として溶解性の高い染料が主に用いられてきたが、耐水性、耐光性が要求されるポスター等を作製するために着色剤として顔料を含有するインクの使用も増加してきている。また、普通紙にインクジェットプリンターによりカラー画像を印字する際には、2色重ね部分等の色境界でのにじみを押さえるために、インクに界面活性剤などを添加することによりインクの浸透性を高めることが行われている(特開昭55−65269号公報等)が、その場合には文字や細線でフェザリングが発生するため、黒文字を印字する際のみに浸透性の低いインクを使用する等の工夫がなされているが、色境界におけるにじみの抑制および文字や細線でのフェザリング発生の防止のいずれもまだ不十分である。
【0003】
そこで、このような問題を解決するために、普通紙などの被記録材表面にインクによる画像が形成された際にインク中の染料を定着するための材料を予め塗工した被記録材や表面に白色顔料や水溶性高分子を塗工した被記録材を使用することが特開昭56−86789号公報、特開昭55−144172号公報、特開昭55−81992号公報、特開昭52−53012号公報または特開昭56−89594号公報等に開示されている。これらは、特殊な処理を施した被記録材であり、普通紙などの一般的な被記録材に対応するため、特開昭56−89595号公報には、被記録材上に予めカルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル等のポリマー溶液を噴射し、ついでそのポリマー溶液が付着した部分にインクを噴射して印字するインクジェット記録方法が提案されている。しかし、これらのポリマー溶液ではフェザリングは抑えられず、また耐水性もなんら改善されなかった。
【0004】
また、インク中の染料を不溶化する化合物を含む被記録材の前処理液を被記録材上にインクジェット方法により付着した後にその被記録材の前処理液が付着した部分にインクを噴射して印字するインクジェット記録方法が特開昭64−63185号公報、特開平8−20159号公報または特開平8−20161号公報等に開示されている。しかしながらこれらの方法でも前処理液を安定して噴射させるために、前処理液の粘度を低くする必要があり、よって染料を不溶化する化合物を低濃度にせざるをえなかった。このような前処理液で十分な画質改善効果を得るためには、前処理液を比較的多量に付与しなければならず、したがって被記録材のカールやコックリングが発生しやすかった。特に2色重ね部での水分付着量が大きく、コックリングのみならず、インクの裏抜けが大きいという問題もあった。
【0005】
また、特開平8−142500号公報には、シリコーンオイルなどのシリコーン化合物とカチオン性化合物とを少なくとも含有した無色の液体組成物を記録媒体に塗布した後、アニオン性成分を含有する記録インクをインクジェット記録方式により付着させることを特徴とする画像形成方法が提案されている。しかしながら、シリコーン化合物が付着した部分はインクの浸透性が著しく低いため画像部の乾燥が遅く、また、この画像形成方法で高速印字を行うと、低浸透に加え記録媒体への濡れ性が悪いので隣接ドットの合一を生じ、べた画像部等にヘッド主走査方向に沿って白筋が発生するなど、著しく画質が悪化するという問題を生じていた。また、この無色液体組成物は、長期保存するとシリコーンオイルが分解したり、相分離を生じてしまい、安定な記録特性が得られていない。
【0006】
また、本出願人による特開平10−250216号公報では、着色剤とこれを分散または溶解する溶媒からなる記録液中の着色剤を不溶化する化合物を含有する無色もしくは淡色の画像記録促進液を被記録材に対して付与した後、記録液を液滴として吐出して被記録材に付着させることにより画像を形成する方法において、画像記録促進液が所定の界面活性剤を含有することを特徴とする画像記録方法を提案している。この方法によれば、画像記録促進液中の界面活性剤が、浸透性や濡れ性を改善するため、画像の乾燥性が向上し、高速記録に対応が可能となるものの、界面活性剤により色材の紙内部への浸透を促進する場合があり、裏抜けの増大、画像濃度の低下、フェザリングの発生など恐れからさらなる改善が求められていた。
【0007】
特開2000−37942号公報には、水溶性の多価金属塩をあるいはポリアリルアミンを、20〜25重量%の濃度で含有する前処理液をインクジェット法により被記録材に付与し、液が付与された被記録材を加圧または加熱した後、色材として顔料を含む記録液で記録する方法が開示されている。この方法では、従来の加圧工程を行わない方法に比較して、前処理液が1/10〜1/2程度で同等の画像が得られるとされている。また、加圧を行うことにより、被記録材に発生する皺を防止できるとされている。しかしながら、この方法では、被記録材を加圧したり、加熱したりする工程が必要であり、画像を形成するための装置が複雑となる。ちなみに、ここでは、オンディマンド・インクジェット法により前処理液が被記録材に付与されていることから、前処理液は低粘度のものが使用されているものと推定される。
【0008】
特開平11−10856号公報、特開2000−44855号公報、特開2000−63719号公報等にも、水溶性の多価金属塩を35重量%の濃度まで含有させた前処理液処方が開示されている。しかしながら、これらの公報に開示された前処理液は、上記公報と同様に、いずれも、オンディマンド・インクジェット法により前処理液が被記録材に付与されていることから、前処理液の粘度は低粘度のものが使用されているものと推定される。このように低粘度の前処理液を使用した場合には、画像品質を高める効果が弱く、ポリマー粒子を含む記録液を用いるなど、特殊な記録液を用いる必要があった。
【0009】
上述のように普通紙に対して高画質かつ高速で記録するために、種々の提案がなされているものの、いまだ、十分な解決方法は提案されていなかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明の課題はこのような問題点を解決し、多種多様な被記録材に対して、細線等の再現性に優れ色境界にじみのない色調の良好な高画質で耐水性に優れた画像が得られる画像記録法を提供することにある。また、本発明の課題は、さらにカールやコックリング等が発生しにくく、且つ画像濃度が高い画像が得られると共に、記録液の裏抜けの発生することのない普通紙両面印字可能な画像記録法を提供することにある。更に、本発明の課題は、画像記録法に用いることにより上記のような画像が得られる被記録材の前処理液を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、鋭意研究の結果、インクジェット法により画像を形成するに先立ち、被記録材表面にこれまでに無い、記録液中の成分を不溶化する化合物を高濃度に含み、且つ、高粘度である前処理液を付与することにより上記の問題を解決できることを見出した。
【0012】
(1)画像を形成する被記録材表面に前処理液を付与し、
該前処理液が乾燥固化する前に、色材を含む記録液を画像信号に従って液滴として吐出し、
該記録液を被記録材に付着させて画像を形成する画像記録方法において、
上記前処理液が水、水溶性有機溶剤及び上記記録液の分散性又は溶解性を低下せしめる化合物としてカチオン性高分子化合物を含み、該カチオン性高分子化合物の含有量が20〜60重量%であり、かつ、25℃における粘度が100〜10000mPa・sであり、水の含有量が5〜40%以下であり、水溶性有機溶剤の含有量が5〜70重量%であることを特徴とする画像記録方法。
【0013】
(2) 上記前処理液が上記記録液中の色材の分散性又は溶解性を低下せしめる化合物を10〜80重量%含有し、かつ、25℃における粘度が10〜10000mPa・sであることを特徴とする(1)に記載の画像記録方法、
【0015】
(3)上記前処理液を上記被記録材に付与する際、付着量が0.5g/m2〜10g/m2となるように付与することを特徴とする(1)又は(2)に記載の画像記録方法。
【0016】
(4)上記前処理液の付与後の被記録材に対する上記記録液の接触角が90度以下であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の画像記録方法。
【0017】
(5)上記前記前処理液が表面張力40〜60mN/mであり、上記記録液が表面張力20〜40mN/mである(1)〜(4)のいずれかに記載の画像記録方法。
【0018】
(6)上記前処理液を上記被記録材に付与する際、上記被記録材の画像が形成される部分以外にも前処理液を付与することを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の画像記録方法。
【0019】
(7)上記前処理液を上記被記録材に付与する際、被記録材に当接する付与手段で被記録材表面に前処理液を付与することを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載の画像記録方法。
【0020】
(8)上記被記録材に当接する付与手段がローラであることを特徴とする(7)に記載の画像記録方法。
【0021】
(9)上記被記録材に当接する付与手段を用いて前処理液を被記録材に付与した後、前処理液が乾燥する前に記録液に熱エネルギーを作用させることを特徴とする(7)又は(8)に記載の画像記録方法。
【0022】
(10)上記被記録材がパルプ繊維を主成分とし、サイズ度10S以上、透気度5〜50Sであることを特徴とする(1)〜(9)のいずれかに記載の画像記録方法。
【0023】
(11)上記記録液がアニオン性の化合物及び/又はアニオン性の色材を含むことを特徴とする(1)〜(10)のいずれかに記載の画像記録方法。
【0024】
(12)上記アニオン性の化合物及び/又はアニオン性の色材が、アニオン性染料、アニオン性分散剤で分散された顔料又は染料、アニオン性基で修飾された顔料及びアニオン性着色微粒子からなる群から選ばれる少なくとも一つであることを特徴とする(11)に記載の画像記録方法。
【0025】
(13)(1)〜(12)のいずれかに記載の画像記録方法に用いられる前処理液であって、水、水溶性有機溶剤及び記録液の分散性又は溶解性を低下せしめる化合物としてカチオン性高分子化合物を含み、該カチオン性高分子化合物の含有量が20〜60重量%であり、かつ、25℃における粘度が100〜10000mPa・sであり、水の含有量が5〜40重量%以下であり、含有する水溶性液状化合物の60%RHにおける平衡水分量以下とすることを特徴とする無色もしくは薄色の被記録材の前処理液。
【0026】
(15) 記録液中の色材の溶解性又は分散性を低下せしめる化合物を10〜80重量%含有し、25℃における粘度が10〜10000mPa・sであることを特徴とする(14)に記載の被記録材の前処理液、
【0027】
(16) 上記25℃における粘度が20〜10000mPa・sであることを特徴とする(14)又は(15)に記載の被記録材の前処理液、
【0028】
(17) 水溶性有機溶剤を5〜70重量%含有することを特徴とする(14)〜(16)のいずれかに記載の被記録材の前処理液、
【0031】
(20) 水の含有量が40重量%以下であり、水溶性液状化合物の含有量が20〜80重量%であることを特徴とする(19)に記載の被記録材の前処理液、
【0032】
(14)水の含有量を、含有する水溶性液状化合物の60%RHにおける平衡水分量以下としたことを特徴とする(13)に記載の被記録材の前処理液。
【0034】
(23) 上記イオン性化合物が、炭素数6以上のアルキル基を有するイオン性化合物であることを特徴とする(22)に記載の被記録材の前処理液、
【0035】
(24) 上記イオン性化合物が、イオン性高分子化合物であることを特徴とする(23)に記載の被記録材の前処理液、
【0036】
(25) 上記イオン性化合物が、カチオン性化合物であることを特徴とする(22)〜(24)のいずれかに記載の被記録材の前処理液、
【0037】
(26) 上記カチオン性化合物がカチオン性高分子化合物であることを特徴とする(25)に記載の被記録材の前処理液、
【0038】
(15)上記カチオン性高分子化合物が下式で示される化合物であることを特徴とする(13)〜(14)のいずれかに記載の被記録材の前処理液。
【化1】
(X−はハロゲンイオン、硝酸イオン、亜硝酸イオン及び酢酸イオンのいずれかの陰イオン、Rは炭素数1〜3のアルキレン基、nは重合数)
【0039】
(16)カチオン性高分子化合物が下式で示されるジシアンジアミド樹脂であることを特徴とする(13)〜(14)のいずれかに記載の被記録材の前処理液。
【化2】
(nは重合数)
【0040】
(17)カチオン性高分子化合物が下式で示されるジアルキルアミノエチル(メタ)アクリレート4級塩重合物であることを特徴とする(13)〜(14)のいずれかに記載の被記録材の前処理液。
【化3】
(X−はハロゲンイオン、硝酸イオン、亜硝酸イオン及び酢酸イオンのいずれかの陰イオン、R1は、HまたはCH3、R2、R3、R4はH又はアルキル基、nは重合数)
【0041】
(18)カチオン性高分子化合物が下式で示されるカチオン性高分子化合物であることを特徴とする(13)〜(14)のいずれかに記載の被記録材の前処理液。
【化4】
(X−はハロゲンイオン、硝酸イオン、亜硝酸イオン及び酢酸イオンのいずれかの陰イオン、nは重合数)
【0042】
(19)カチオン性高分子化合物が下式で示されるジシアンジアミド樹脂であることを特徴とする(13)〜(14)のいずれかに記載の被記録材の前処理液。
【化5】
(nは5〜30の自然数)
【0043】
(20)カチオン性高分子化合物が下式で示されるポリアクリルアミドであることを特徴とする(13)〜(14)のいずれかに記載の被記録材の前処理液。
【化6】
(nは重合数)
【0044】
(21)カチオン性高分子化合物が下式で示される重合体であることを特徴とする(13)〜(14)のいずれかに記載の被記録材の前処理液。
【化7】
(X−はハロゲンイオン、硝酸イオン、亜硝酸イオン及び酢酸イオンのいずれかの陰イオン、nは重合数)
【0045】
(22)カチオン性高分子化合物が下式で示されるポリビニルホルムアミドであることを特徴とする(13)〜(14)のいずれかに記載の被記録材の前処理液。
【化8】
(nは重合数)
【0046】
(23)カチオン性高分子化合物が下式で示される重合体であることを特徴とする(13)〜(14)のいずれかに記載の被記録材の前処理液。
【化9】
(Z及びYはそれぞれ−OCOCH3又は−OH、R5は炭素数1〜4のアルキレン基、n、l、mは重合数)
【0047】
(24)カチオン性高分子化合物が下式で示されるポリビニルピリジンであることを特徴とする(13)〜(14)のいずれかに記載の被記録材の前処理液。
【化10】
(R6は低級アルキル基、X−はハロゲンイオン、硝酸イオン、亜硝酸イオン及び酢酸イオンのいずれかの陰イオン、nは重合数)
【0048】
(25)カチオン性高分子化合物が下式で示されるポリビニルベンジルホスホニウムであることを特徴とする(13)〜(14)のいずれかに記載の被記録材の前処理液。
【化11】
(R7及びR8は水素又は低級アルキル基、X−はハロゲンイオン、硝酸イオン、亜硝酸イオン及び酢酸イオンのいずれかの陰イオン、nは重合数)
【0049】
(26)カチオン性高分子化合物が下式で示されるジメチルジアリルアンモニウム塩重合物であることを特徴とする(13)〜(14)のいずれかに記載の被記録材の前処理液。
【化12】
(X−はハロゲンイオン、硝酸イオン、亜硝酸イオン及び酢酸イオンのいずれかの陰イオン、nは重合数)
【0050】
(27)カチオン性高分子化合物が下式で示されるキトサン塩であることを特徴とする(13)〜(14)のいずれかに記載の被記録材の前処理液。
【化13】
(X−はハロゲンイオン、硝酸イオン、亜硝酸イオン及び酢酸イオンのいずれかの陰イオン、nは重合数)
【0051】
(28)カチオン性高分子化合物が下式で示されるポリアルキレンポリアミンであることを特徴とする(13)〜(14)のいずれかに記載の被記録材の前処理液。
【化14】
(j、kはそれぞれ独立で2〜6の自然数、nは重合数)
【0052】
(29)カチオン性高分子化合物が下式で示されるポリアミンであることを特徴とする(13)〜(14)のいずれかに記載の被記録材の前処理液。
【化15】
(X−はハロゲンイオン、硝酸イオン、亜硝酸イオン及び酢酸イオンのいずれかの陰イオン、nは重合数)
【0053】
(30)カチオン性高分子化合物が下式で示される化合物であることを特徴とする(13)〜(14)のいずれかに記載の被記録材の前処理液。
【化16】
(X−はハロゲンイオン、硝酸イオン、亜硝酸イオン及び酢酸イオンのいずれかの陰イオン、Qは共重合可能な任意のモノマー成分、nおよびmは独立の重合数)
【0054】
(31)カチオン性高分子化合物が下式で示される重合体であることを特徴とする(13)〜(14)のいずれかに記載の被記録材の前処理液。
【化17】
(X−はハロゲンイオン、硝酸イオン、亜硝酸イオン及び酢酸イオンのいずれかの陰イオン、nは重合数)
【0055】
(32)カチオン性高分子化合物が下式で示される重合体であることを特徴とする(13)〜(14)のいずれかに記載の被記録材の前処理液。
【化18】
(X−はハロゲンイオン、硝酸イオン、亜硝酸イオン及び酢酸イオンのいずれかの陰イオン、nは重合数)
【0056】
(33)カチオン性高分子化合物が下記一般式(1)および/または式(2)を構造単位として含むカチオン性樹脂であることを特徴とする(13)〜(14)のいずれかに記載の被記録材の前処理液。
【化19】
【化20】
(D1は下式(3)または式(4)に示される置換基を表し、D2はD1に独立で水素原子、または式(3)、式(4)を表す。nは自然数、mはm≧0の整数を表す)
【0057】
【化49】
(式(3)および式(4)中、R9およびR10は互いに独立で水素原子、または炭素数1〜12のアルキル基またはアリル基を表し、R11およびR12は互いに独立で水素原子、またはアルカリ金属、下式(5)に示される置換基を表す)
【0058】
【化50】
(式(5)中、R13〜R16はそれぞれ独立で水素原子、または任意のアルキル基、アリル基、ヒドロキシアルキル基、ベンジル基から選ばれる置換基を表す。)
【0059】
(34)上記カチオン性高分子化合物が液媒体に粒子として分散されていることを特徴とする(13)〜(33)のいずれかに記載の被記録材の前処理液。
【0060】
(35)上記記録液の分散性又は溶解性を低下せしめる化合物が、カチオン性シリカを含むことを特徴とする(13)〜(34)のいずれかに記載の被記録材の前処理液。
【0061】
(36)上記記録液の分散性又は溶解性を低下せしめる化合物が、カチオン性エマルジョンを含むことを特徴とする(13)〜(35)のいずれかに記載の被記録材の前処理液。
【0062】
(37)上記記録液の分散性又は溶解性を低下せしめる化合物が、水溶性の多価金属塩を含むことを特徴とする(13)〜(36)のいずれかに記載の被記録材の前処理液。
【0063】
(38)界面活性剤および/又は濡れ促進剤を含み、かつ、表面張力が40mN/m以下に調整されていることを特徴とする(13)〜(37)のいずれかに記載の被記録材の前処理液。
【0064】
(39)上記界面活性剤が下記一般式(6)〜(11)で表される少なくとも1種であることを特徴とする(38)に記載の被記録材の前処理液。
【化23】
(式(6)中、R17はラウリル基、ステアリル基及びミリスチル基のいずれかを表す)
【0065】
【化52】
(式(7)中、R18及びR19は分岐してもよい炭素数3以上のアルキル基を表し、Mはアルカリ金属、アンモニウム、アルカノールアミン、4級アンモニウムまたは第4級ホスホニウムを表す)
【0066】
【化53】
(式(8)中、R20及びR21は炭素数5〜7のアルキル基を表し、mは5〜20の整数を表す)
【0067】
【化54】
(式(9)中、R22は炭素数6〜14の分岐してもよい炭素鎖を表し、nは5〜20の整数を表す)
【0068】
【化55】
(式(10)中、m、nは0〜20の整数を表す)
【0069】
【化56】
(式(11)中、R23は炭素数6〜14の分岐してもよい炭素鎖を表し、m、nは0〜20の整数を表す)
【0070】
(40)上記界面活性剤の含有量が0.1〜10重量%であることを特徴とする(38)又は(39)に記載の被記録材の前処理液。
【0071】
(41)防腐材及び/又は防かび剤が0.1〜5重量%含まれていることを特徴とする(13)〜(40)のいずれかに記載の被記録材の前処理液。
【0072】
従来技術の項で記したように、記録液中の色材を不溶化せしめる化合物を含有する無色または薄色の前処理液を、インクジェット法により被記録材に噴射して付与したり、ローラで塗布した後にインクジェット記録方法で画像を形成する方法は知られていた。しかしながら、従来知られていた方法においては、10mPa・s未満の低粘度の前処理液が用いられていた。なぜなら、これ以上の粘度の液体は、通常のオンディマンド型インクジェト・ヘッドでは、噴射することが困難となるからである。また、ローラで付与する場合にも、従来は、記録液の分散性又は溶解性を低下せしめる化合物を高濃度で、且つ、高粘度で使用することは考えられていなかった。従って、ローラで被記録材の前処理液を塗布する場合にも、画像品質向上の効果を得るためには、比較的大量の液を被記録材に付着しなければならなかつたため、ローラで前処理液を付与する方法は、画像部分にのみインクジェット法で前処理液を付与する方法に比較して、メリットの無いものであった。
【0073】
本発明においては、記録液の分散性又は溶解性を低下せしめる化合物として、20〜60重量%という高濃度の、カチオン性高分子化合物、特に、記録液中の色材の分散性又は溶解性を低下せしめるカチオン性高分子化合物を前処理液に含有せしめ、且つ、前処理液の粘度を100〜10000mPa・sとすることにより、上記の問題が解決できた。すなわち、被記録材の前処理液の構成を上述のものにすることにより、前処理液の被記録材への付与量が極めて少ない状態においても、色境界にじみ、フェザリング、裏抜けの無い良好な画像が得られた。すなわち、本発明にかかる被記録材の前処理液は、付与量が0.5g/m2〜10g/m2という小さな付与量においても、良好な画像が得られる。
【0074】
本発明における、前処理液中の記録液の分散性又は溶解性を低下せしめる化合物の含有量は、10〜80重量%であるが、10重量%未満では、画像を改善するためには、前処理液はおよそ10g/m2〜30g/m2の付与量が必要であり、且つ、従来の前処理液では、液中の水分含有量が高いこともあって、付与した被記録材にコックリングが発生するという問題があった。また、このように、多量の前処理液を付与したとしても、色境界にじみ、フェザリングの改善効果は、十分ではなかった。記録液の分散性又は溶解性を低下せしめる化合物が80重量%を超える含有量とした場合には、液中の液体成分が蒸発したり、液の冷却など熱履歴の影響で、液中に沈殿を生じやすく、前処理液を付与するにあたり信頼性を保つことが困難になる。また、80重量%を超える含有量とした場合には、液を均一に被記録材に付与することも困難となる。記録液の分散性又は溶解性を低下せしめる化合物の前処理液中での最適な含有量は、用いる化合物、記録液の処方、単位面積当たりに印字される記録液の量などの要素により変わるが、20〜60重量%が特に好ましい範囲である。
【0075】
前処理液の粘度は、B型粘度計で100〜10000mPa・s(25℃、ローターNO.4、回転数30rpm)であり、特に好ましい範囲は、とりわけ300〜2000mPa・sが画像品質の向上効果、前処理液の乾燥性のバランスがよく、好ましい。
【0076】
従来に無い高粘度の前処理液を用いることにより、画像の改善効果が大きいのは、次のように説明される。すなわち、従来の低粘度の前処理液では、前処理液を浸透性の液にすると、被記録材、特に普通紙の奥深くまで入り込んでしまい、記録液との反応が被記録材の表面で生じないために、裏抜けの防止、フェザリングの防止、色境界にじみの防止効果が小さくなってしまう。逆に、低粘度の前処理液において、液を被記録材への浸透性を低下した処方とすると、記録液との反応は、被記録材の表面で生じるが、記録液が被記録材の表面に長時間残留するために、色境界にじみ防止効果が弱くなったり、高速印字を行う場合には、浸透性不良、すなわち、画像の乾燥性が悪くなると言う問題が生じる。この場合、十分な画質改善効果を得るために、多量の前処理液を付与すると、前処理液が被記録材内部に浸透してしまい、着色剤も被記録材内部に浸透してしまうために画像濃度の低下をもたらす。また、前処理液に含まれる溶媒成分により被記録材のカール、コックリングを引き起こしやすい。前処理液の粘度が、10000mPa・sを超えると、液を均一に被記録材に付与することが困難になるばかりでなく、前処理液が、被記録材に全く浸透しないために、印字後の被記録材にべたべた感が残り、好ましくない。
【0077】
本発明においては、前処理液を被記録材に付与した後、前処理液が乾燥する前に、記録液により画像が形成される。被記録材を加熱したり、長時間室温で放置するなどして、前処理液が乾燥してしまうと、色境界にじみやフェザリングが発生してしまうなど好ましくない結果を生じる。乾燥状態にした後、画像を印字して画像品質を向上するには、30g/m2を超える付与量が必要であり、経済的に好ましくない。
【0078】
本発明においては、前処理液が、インクジェット法などの非当接手段よりも被記録材に当接する付与手段で被記録材表面に前処理液を付与することが好ましい。
【0079】
本発明の前処理液を被記録材に当接して付与する手段としては、ローラ塗布機、ワイヤーバーやコーティングブレード、前処理液を含浸せしめた発泡体を当接するなどの手段が例示できる。更に、この当接付与手段により付与される被記録材の前処理液には、前述の従来方法では配合することの出来なかった数々の添加剤をも配合することが出来、被記録材の前処理液の処方を組む自由度を大きく拡げることが出来る。当接の付与手段の中でも、ローラを用いることにより、簡素な装置構成で、高粘度の前処理液を、十分な画像品質の向上効果が得られる付与量になるように、均一に付与することが可能であり、付与手段を低コストで、かつコンパクトに作製することが可能になるため、好ましい。このように、高濃度の定着剤を含有し、高粘度の前処理液を、当接の付与手段で、被記録材に、従来の前処理液の付与量よりも、遥かに少ない量付与することにより、従来法で生じていた被記録材のコックリングの発生を防止できるとともに、従来法以上の画像品質の向上効果が得られる。
【0080】
また、被記録材としてパルプ繊維を主成分とし、サイズ度10S以上,透気度5〜50Sである一般的な普通紙では、前処理液を付与しないで、画像を記録した場合に、フェザリング、色境界にじみ、裏抜け、画像濃度の低下が生じやすい。従って、本発明は、パルプ繊維を主成分とし、サイズ度10S以上,透気度5〜50Sである、一般的な普通紙に適用した場合に最も効果が大きい。
【0081】
本発明の前処理液の組成について説明する。
現在、一般的に用いられている水性の記録液には、アニオン性化合物または、負に帯電した粒子が含まれている場合が大多数である。従って、記録液に含有されるアニオン性染料、アニオン性顔料、アニオン性高分子化合物、アニオン性ママルジョンなどのアニオン性化合物または、負に帯電した粒子と反応して、分散性又は溶解性を低下せしめる化合物として、前処理液には、カチオン性の化合物を含有することが好ましい。カチオン性の化合物の中でも、カチオン性の高分子化合物が、特に記録液中のアニオン性の化合物や負に帯電した粒子と反応する能力が高く、好ましい。
【0082】
前処理液がカチオン性である場合には、被記録材表面にあって、記録液中のアニオン性成分とのイオン的な相互作用により、細線の再現性、耐水性向上、にじみ防止などの画質改善効果が得られる。前述したように、インクジェット方式により液滴として吐出させる前処理方法では使えなかった高粘度の前処理液が使用可能である。すなわち、前処理液には、高濃度でカチオン性高分子化合物を含有させることができる。高濃度で薄い層にて付着させることにより、付着量が少なくてすみ、表面近傍にカチオン性高分子化合物がとどまるので、画質が著しくよくなり、被記録材のカール、コックリング等を抑えることができる。
【0083】
本発明においては、前処理液の粘性が高いために、従来の前処理液に比較して、材料選択の範囲が著しく広くなる。従来の前処理液に用いられる材料は、低粘度を保つために、例えば、高分子化合物であれば、その重合度、分子量、二次元、三次元構造に著しい制約があった。本発明では、記録液の溶解性又は分散性を低下させる化合物として、上記の(27)〜(45)項に記載のカチオン性高分子化合物が、いずれも好ましく本発明の前処理液に用いられることが分かった。
【0084】
上記(34)項に記載の式(1)及び(2)を構造単位として含むカチオン性高分子化合物は、重量平均分子量が1000から10万の範囲のものが好ましく、さらに好ましくは、2000から5万、より一層好ましくは2000から3万のものが好ましい。重量平均分子量が10万よりも大きいと、溶媒に溶けにくいため、前処理液が不均一になり、画質のむらを生じ易くなる。逆に、重量平均分子量が1000よりも小さい場合、にじみ防止や耐水性向上の効果が小さく、好ましくない。
【0085】
また、アニオン性成分と高い反応性を得るためには、カチオン性樹脂のpH4におけるカチオン度は3meq/g以上、更に好ましくは3.5meq/g以上であることが好ましい。カチオン度とは、ポリビニル硫酸カリウム試薬を用いたコロイド滴定により求められる。詳しくは、以下の手順にて求めることができる。すなわち、コニカルビーカーに脱イオン水90mlをとり、試料(乾品換算)の500ppm水溶液を10ml加えて塩酸水溶液でpH4.0とし、約1分間攪拌する。次にトルイジンブルー指示薬を2〜3滴加え、N/400ポリビニル硫酸カリウム試薬(N/400PVSK)で滴定する。滴定速度は、2ml/分とし、検水が青から赤紫色に変色して10秒間以上保持する時点を終点とする。
カチオン度(meq/g)=(N/400PVSK滴定量)×(N/400PVSKの力価)/2により求めることができる。カチオン度が高いものほど、カチオン性が強く、記録液中のアニオン性成分と効率よく反応することができ、よって、前処理液の必要量を低減でき、被記録材のカールやコックリングを起こさずに、高画質の画像を得ることが可能になる。本発明のカチオン性高分子化合物は、単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
【0086】
記録液中の染料や顔料の分散剤などのアニオン性化合物と反応させて画像品質を向上させるには、前記のようなカチオン性の高分子化合物を用いることが最も好ましい。しかしながら、下記のような、アニオン性化合物と反応して溶解性、分散性を低下せしめるモノマー化合物を前処理液に添加することも有効であり、特にカチオン性高分子化合物と併用することによりカチオン性高分子化合物と記録液中のアニオン性化合物との反応が促進される点で好ましい。
【0087】
【化57】
(X−はハロゲンイオン、硝酸イオン、亜硝酸イオン、酢酸イオン等の陰イオン、R24〜R26は、R24、R25、R26の炭素数の合計が5〜32であるアルキル基)
【0088】
上記カチオン性モノマー化合物において、R25、R26がともにメチル基であり、かつ、R24が炭素数10〜20である化合物が、溶解性が高く、且つ、記録液中のアニオン化合物との反応で溶解性、分散性を低下せしめる効果も高いという両面を備えていて好ましい。R25、R26がメチル基よりも炭素数の多いアルキル基であったり、R1の炭素数が10〜20を超える化合物を用いた場合には、前処理液での溶解性に欠け、保存や環境変化により、沈殿物を生じるなどの問題を生じる。炭素数が小さい化合物では、溶解安定性には優れるものの、記録液中のアニオン性化合物との反応で溶解性や分散性を低下せしめる能力が小さく、画像品質を向上する効果が小さい。
【0089】
上記一般式で示されるカチオン性モノマー化合物のより具体例として、次のような構造化合物を例示することができる。本発明の前処理液には、これらのカチオン性化合物を単独、あるいは混合して用いることができる。
【0090】
【化58】
【0091】
これらカチオン性化合物は、市販のものを用いることが可能で、具体的に商品名で示すと、カチオンS、カチオンSK、カチオンM、カチオンG−50(以上、三洋化成製)、カチオンF2−35R、カチオンF2−40E、カチオンM2−100、カチオンS2−100(以上、日本油脂製)、サニザールC、サニゾールB−50(以上、花王製)などが挙げられる。
【0092】
カチオン性の高分子化合物と上式の化合物とを前処理液に併用して用いることが好ましいが、それは、上式の化合物が、適度な界面活性能を有し、被記録材に対する前処理液の濡れ性を一様にするためと推定される。一般の記録液を代表的な被記録材である上質紙などに付与した場合、微視的には表面サイズ剤の分布等に応じて、記録液に濡れやすいところと濡れにくいところが存在し、それが滲みやベタ画像部の濃度むらなどの画質低下を生じるものと推定される。前処理液を普通紙などの被記録材に「均一」に付与した後に記録液を被記録材に付着させることで、不規則な濡れが少なくなるため、フェザリングが少なく細線等の再現性に優れ色境界にじみのない高画質で、且つ画像濃度の高い画像を得ることができる。
【0093】
更に、上式で示されるモノマー・カチオン性化合物は、前述のカチオン性高分子化合物との相溶性が高く、前処理液中で析出、分離などを起こさず、一様な混合が容易であるため、保存安定性、塗布量の安定性などに優れた信頼性の高い前処理液を提供することができる。
【0094】
記録液中の溶解性や分散安定性を低下せしめる化合物として、前述のカチオン性高分子化合物を水などに溶解させて用いる他に、カチオン粒子が分散、懸濁された前処理液を用いることも有効である。但し、カチオン性エマルジョンでは、前処理液中のカチオン濃度が低くなりがちであり、画像品質を十分に高めるためには、水溶性カチオン性高分子化合物や、高級アルキル基を有するカチオン性界面活性剤等、他のカチオン化合物と併有して用いることが好ましい。
【0095】
カチオン性粒子が分散、懸濁された液の例として、カチオン性を有する樹脂エマルジョン、カチオン性の白色または薄色の顔料分散体が挙げられる。カチオン性のエマルジョンの例としては、例えば、アクリットUW319−SX、アクリットRKW−460、アクリットRKW−400SX、アクリットRKW−450SX、アクリットRKW−450(以上大成化工株式会社製)などのスチレン−アクリル系のカチオン性エマルジョンが市販品として入手できるものである。
【0096】
前処理液にカチオン性樹脂エマルジョンを添加することにより、水溶性を有するカチオン性高分子化合物を単独で用いた場合に比較して、光沢性のある画像が得られ、高い画像の耐水性、耐摩擦性を持たせることができる。また、エマルジョン中に、紫外線吸収剤、酸化防止剤、クエンチャーなどを含有せしめておくことにより、画像の耐光性を高めることもできる。
【0097】
カチオン性粒子が分散、懸濁された液の別の例として、カチオン性を有するシリカの分散体を例示することができる。水に分散した0.1μm前後の球状シリカの分散体であるシリカゾルなどが好ましく用いられる。カチオン性シリカとしては、例えば、スノーテックスAK(日産化学工業株式会社製)、SMR8−17−109SMSG 3CS(グレースジャパン株式会社製)、CEP10AK97002(CABOT社製)などが市販品として入手できるものである。 但し、カチオン性シリカを用いる場合においても、カチオン性シリカ単独では、カチオン性樹脂エマルジョンと同様に、前処理液中のカチオン濃度が低くなりがちであり、画像品質を十分に高めるためには、水溶性カチオン性高分子化合物や、高級アルキル基を有するカチオン性界面活性剤等、他のカチオン化合物と併有して用いることが好ましい。前処理液にカチオン性シリカを添加することにより、水溶性を有するカチオン性高分子化合物を単独で用いた場合に比較して、画像印字直後のべたつき感を低減できる。
【0098】
前処理液には、記録液の溶解性、分散性を低下せしめる化合物として、多価金属塩を用いることも有効である。しかしながら、多価金属塩は、一般に、カチオン性高分子化合物に比較して、記録液の溶解性や分散性を低下する能力がやや弱いために、多価金属を用いる場合には、記録液にどのようなアニオン性化合物を用いるかが重要である。多価金属塩を用いる場合には、一分子中に2つ以上、好ましくは3つのカルボキシル基またはスルホン酸基を有する染料を用いることが好ましい。また、顔料を使用した記録液であれば、カルボキシル基を有する高分子化合物を分散剤として用いるか、共有結合でカルボキシル基を導入した顔料を用いることが好ましい。多価金属塩を前処理液に用いる場合には、記録液に染料を用いると、染料と金属との間で錯体が形成され、記録された画像の耐光性が向上する。
【0099】
多価金属塩としては、塩化アルミニウム、塩化カルシウム、硝酸アルミニウム、硝酸マグネシウム、塩化マグネシウム、硝酸カルシウム、水酸化マグネシウム、硫酸アルミニウム、アンモニウム明礬等を用いることができる。さらに具体的には、硝酸マグネシウム・六水和物、酢酸マグネシウム・四水和物、硝酸カルシウム・四水和物、酢酸カルシウム・一水和物、塩化カルシウム・無水物、乳酸カルシウム・五水和物、蟻酸カルシウム・無水物、安息香酸マグネシウム・三水和物、硫酸マグネシウム・七水和物等が挙げられる。
【0100】
着色剤を不溶化するカチオン性化合物の種類として、上記(27)〜(45)項に記載のカチオン性高分子化合物以外に、ジシアンジアミド・ホルマリン重縮物、ジシアンジアミド・ジエチレントリアミン重縮物、エピクロルヒドリン・ジメチルアミン付加重合物、ジメチルジアリルアンモニウムクローライド・SO2共重合物、ジメチルジアリルアンモニウムクローライド重合物、ジアリルアミン塩・SO2共重合物アリルアミン塩の重合物、ジアルキルアミノエチル(メタ)アクルレート4級塩重合物、ポリアリルアミン、カチオンエポキシ樹脂、ポリエチレンイミン、ポリアクリルアミド、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリビニルホルムアミド、カチオンエマルジョン等や、多価金属塩などを含有することも可能である。
【0101】
これらカチオン性高分子化合物は市販のものを用いることが可能で、具体的には、サンスタットE−818、サンフィックス70、サンフィックス555C、サンフィックスLC−55、サンフックスPAC−700コンク、サンヨウエリオンA−3、サンフィックス414、サンフィックス555、サンフィックスPRO−100、サンフィックス555US、セロポールYM−500(以上三洋化成工業株式会社製)、#675、#FR−2P、#1001(以上住友化学工業株式会社製)、LUPASOL SC61B(BASF社製)等が挙げられる。また、ZP−700(ビニルホルムアミド系)、MP−184(ポリアクリル酸エステル系)、MP−173H(ポリメタクリル酸エステル系)、MP−180(ポリメタクリル酸エステル系)、MX−0210(ポリメタクリル酸エステル系)、MX−8130(ポリアクリル酸エステル系)、E−395(ポリアクリル酸エステル系)、E−305(ポリアクリル酸エステル系)、 Q−105H(ジシアンジアミド系)、Neo−600(ポリアクリルアミド系)、Q−101(ポリアミン系)、Q−311(ポリアミン系)、Q−501(ポリアミン系)、(以上ハイモ株式会社製)、スーパーフロック2490(ポリアクリル酸塩系)、スーパーフロック3180、3380、3580、3880、3390、3590、3500、SD2081(ポリアクリルアミド)、アコフロックC498T、C498Y(ポリアクリル酸エステル系)、スーパーフロック1500、1600、アコフロックC481、C483、C485、C488、C480 (ポリメタアクリル酸エステル)、アコフロックC567、C573、C577、C581(ポリアミン系)、(以上三井サイテック株式会社製)、 PAS−A−1、PAS−A−5、PAS−A−120L、PAS−A−120S、PSA−J−81、PAS−880、PAS−92(ジアリルジメチルアンモニウム塩系共重合物)、PAS−H−5L、 PAS−H−10L、PAS−M−1(ジアリルジメチルアンモニウム塩系重合物)、PAA−HCl−3L、PAA−HCl−10L(ポリアリルアミン塩酸塩)、PAA−10C(ポリアリルアミン)(以上日東紡績製)、等が挙げられる。
【0102】
この他、本発明に用いることのできるカチオン性4級アンモニウム塩としては、イオネットD46、イオネットLEC、セクリルVN、サンスタット1200、サンスタットKT−305C、カチオンG−50、イオネットRK−15(以上三洋化成工業株式会社製)等が挙げられる。
【0103】
前処理液中のカチオン性高分子化合物と記録液中のアニオン性成分との反応性は、液相でもっとも効率的であることから、前処理液を当接する付与手段で被記録材に対して付与した後、前処理液が乾燥する前に記録液により印字することが好ましい。高い反応性を確保できれば、より一層前処理液使用量が少なくてすみ、被記録材のカール、コックリングを生じさせずに画質を向上させることが可能になる。被記録材の前処理液の被記録材への付着量としては0.5g/m2〜10g/m2が好ましく、それにより被記録材のカールをよりよく抑えることができる。0.5g/m2未満であると、画質改善効果が不十分であり、10g/m2より多いと、被記録材がカールやコックリングを生じ、また付着量が多すぎるため裏抜け濃度が増大する。
【0104】
所望の粘度に調節するために、前処理液は、各種溶媒を含有することができる。溶媒としては、上記カチオン性高分子化合物の溶解性に優れ、前処理液の安全性、コストの点から水が特に好ましい。水の含有量は5〜80重量%であることが好ましい。5重量%未満では、カチオン性樹脂が安定に溶解しにくく、80重量%よりも大きいと、画像滲みが生じ易くなり、また、被記録材のカール、コックリングが生じ易くなり、好ましくない。
【0105】
本発明の前処理液には、さらに、水および水溶性の液状化合物を20〜80重量%含有することが好ましい。20重量%未満では、前処理液から水分が蒸発するのを抑制する効果が小さく、水分蒸発による前処理液の粘度変化が大きくなり、付与量の安定性に欠ける。また、水分蒸発により、カチオン性高分子化合物の溶解安定性も悪くなり、前処理液がゲル化したり、不溶物が発生したりする。水溶性の液状化合物としては、水よりも沸点の高い、水溶性溶媒を用いることが好ましく、後述する水溶性有機溶剤と同じものを例示できる。
【0106】
また、本発明の前処理液を特に開放系の付与装置で用いる場合には、水の含有量は、40重量%以下が好ましい。特に好ましいのは、10〜30重量%の範囲である。水分量が40重量%を超えると、前処理液の被記録材への付与時や、付与装置の放置期間中に水分が蒸発することにより、液の粘度が上昇したり、ゲル化を生じたり、不溶物が析出したりする問題が生じやすい。また、前処理液を付与してから画像記録を行うまでの時間に、水分が蒸発し、前処理液の流動性が失われ、記録液との反応が緩慢になり、十分な画像品質の向上効果が得られ難くなる。また、画像の先端や後端などで、前処理液を付与してから画像記録までの時間差がある場合に、画像品質に差が生じてしまうという問題も発生する。水分量が10重量%未満でも、カチオン性化合物の溶解性が不十分になり易く、ゲル化、不溶物の生成の問題が生じ易い。
【0107】
本発明の前処理液の溶媒には水が好ましく用いられるが、上記のように開放系の付与装置で用いる場合には、水の添加量は従来の前処理液に比較して少ない方が、液の被記録材への付与安定性を保つために好ましい。この場合、水の組成比を、前処理液から水を除いた組成物が、記録装置の使用環境における大気の湿度と平衡状態で吸収する水分比よりも少なくするか、あるいはそれに近い組成比にする。これにより、前処理液の被記録材への付与時や、付与装置の放置期間中に水分が蒸発することを防止できるばかりでなく、前処理液を被記録材に付与してから画像を記録するまでの時間が例えば5分程度と長くなっても、付与直後に画像記録を行った場合と同等の画像品質の向上効果を得ることができる。特に、相対湿度が60%RHにおける平衡水分量よりも少なくすることにより、前処理液の付与装置の使用環境が変化したとしても、ほぼすべての使用環境で、前処理液から水分が蒸発することによる付与の不均一、付与量過多などの問題が生じるのを防止できる。
【0108】
本発明の前処理液には、水溶性有機溶剤を含有することができる。前処理液中の水などの溶媒成分が蒸発することにより粘度が変化すると、被記録材への付与量も変化してしまい、一定の画像品質を確保することができない。乾燥防止以外に、被記録材の前処理液を所望の物性にするため、記録液中の着色剤を不溶化する化合物やその他添加剤の溶解安定性を向上させるため、また被記録材の前処理液の塗工特性を安定にするため等の目的で下記の水溶性有機溶剤を使用することができる。水溶性有機溶剤の含有量は、5〜70重量%の範囲が好ましい。5重量%未満では、蒸発抑制による粘度安定化効果並びに溶解助剤としての効果が不十分であり、70重量%よりも多い場合には、画像の裏抜けや画像にじみを誘発するため好ましくない。
【0109】
本発明の前処理液に用いられる水溶性有機溶剤には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−へキサンジオール、グリセリン、1,2,6−へキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、ペトリオール等の多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ε−カプロラクタム等の含窒素複素環化合物、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン類、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物類、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン、γ−ブチロラクトン等を用いることができる。これらの溶媒は、水とともに単独もしくは、複数混合して使用することができる。
【0110】
本発明の前処理液で用いられる最適な水溶性有機溶媒の種類と組成比は、前処理液に用いる他の材料に応じて選択されることが望ましい。本発明では特にカチオン性高分子化合物等の記録液の溶解性や分散性を低下せしめる化合物を高濃度で用いているので、その化合物の溶解性を確保することが重要である。
【0111】
これらの中で特に好ましいものはジエチレングリコール、チオジエタノール、ポリエチレングリコール200〜600、トリエチレングリコール、グリセリン、1,2,6−へキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、ペトリオール、1,5−ペンタンジオール、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチルピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノンであり、これらを用いることによりカチオン性高分子化合物などの不溶化する化合物の溶解性を保つことができ、信頼性高く、前処理液を被記録材に付与することができる。
【0112】
さらに被記録材の前処理液には一価アルコールを含有させることが好ましく、それにより被記録材の前処理液の泡立ちによる塗布むらなどの発生を防止することができ、その被記録材の前処理液を被記録材に当接して付与した後、記録液を液滴として吐出して被記録材に付着させることより画像を形成すると、均一な濃度を有する画像を得ることができる。
【0113】
本発明の前処理液は、水ならびに水溶性溶媒を主溶媒としているため、前処理液の付与された被記録材と記録液との濡れ性や浸透性に悪影響を及ぼすことがない。よって、高速記録を行っても、良好な画像品質を得ることができる。また、本発明の前処理液を構成する各種成分は、安定であり、長期に保存した後でもその特性になんら変化を生じない。
【0114】
さらに、本発明の被記録材の前処理液には、界面活性剤を含有することができる。カチオン性樹脂と界面活性剤とを含有する前処理液を普通紙などの被記録材に付与した後に記録液を被記録材に付着させると、被記録材の表面サイズ剤の分布による不規則な濡れが少なくなるため、フェザリングが少なく細線等の再現性に優れ色境界にじみのない高画質で、且つ画像濃度の高い画像が得られる。これは、記録液が被記録材に均一に浸透するとともに色材が不溶化し被記録材の表面近傍に留まるためであると考えられる。
【0115】
界面活性剤としては、例としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートのアンモニウム塩等のアニオン性界面活性剤、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ミリスチルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム、塩化ジデシルジメチルアンモニウム等のカチオン系界面活性剤、イミダゾリン誘導体等の両性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリエキシエチレンプロピレンブロックポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アセチレンアルコールのエチレンオキサイド添加物等のノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤等が挙げられる。
【0116】
前処理液における界面活性剤の含有量としては、0.1〜50重量%が好ましい。また、前処理液の均一性を確保するためには、界面活性剤のうち特にカチオン性界面活性剤が好ましい。これにより、記録液と被記録材表面との濡れ性を向上させるとともに、高画質で、且つ画像濃度の高い耐水性に優れた画像が得られる。カチオン性界面活性剤としては、イオネットD46、イオネットLEC、セクリルVN、サンスタット1200、サンスタットKT−305C、カチオンG−50、イオネットRK−15(以上三洋化成工業株式会社製)等が挙げられる。
【0117】
普通紙などの被記録材への記録液の浸透性を検討したところ、上記(51)項に記載の一般式(6)〜(11)で表される特定の界面活性剤と記録液中の色剤の溶解性または分散性を低下させるカチオン生高分子化合物とを含有する被記録材の前処理液を用いることにより、被記録材に対する記録液の浸透性が向上し、且つ染料を被記録材表面に留めることができ、フェザリングが少なく細線等の再現性に優れ色境界にじみのない高画質で、且つ画像濃度の高い耐水性に優れた画像が得られる。このとき、特に被記録材の前処理液付与後の被記録材に付着する記録液の接触角を90度以下とすることが好ましく、さらに、被記録材の前処理液の表面張力が40〜60mN/mで、記録液の表面張力が20〜40mN/mとすることが好ましい。
【0118】
さらに本発明によれば、被記録材に対する記録液の浸透性が向上することにより画像の定着速乾速度が速くなり、それにより高速記録を行うことができる。これは、上記特定の界面活性剤と記録液中の色剤の溶解性または分散性を低下させるカチオン性高分子化合物とを含有する被記録材の前処理液を普通紙などの被記録材に付与した後に記録液を被記録材に付着させると、被記録材の表面サイズ剤の分布による不規則な濡れが少なくなるため、記録液が被記録材に均一に浸透するとともに色剤が不溶化し被記録材の表面近傍に留まるためであると考えられる。
【0119】
被記録材の前処理液における上記一般式(6)〜(11)で表される界面活性剤の含有量としては、0.1〜50重量%、より好ましくは0.1〜10重量%がよい。また、界面活性剤のうち特に一般式(6)で表されるカチオン性界面活性剤の塩化ベンザルコニウム塩が好ましい。これにより、記録液と被記録材表面との濡れ性をより向上させ、被記録材に対する記録液の浸透速度をより速めることができ、高画質で、且つ画像濃度の高い耐水性に優れた画像が得られ、また高速記録を行うことができる。
【0120】
本発明の前処理液は、界面活性剤および/又は濡れ促進剤を添加して用いることができる。この場合には、同時に、その表面張力が40mN/m以下に調整され、被記録材や前処理液を付与するために用いる付与手段への濡れ性を高めることが好ましい。濡れ性を高めることにより、被記録材に均一に前処理液が付着するため、少ない付与量で、画像品質を高めることが可能となる。また、ゴムローラ、金属ローラなどの液付与手段への濡れ性を高めることにより、被記録材への均一な塗布が容易となる。
【0121】
上記のように表面張力を調整する目的で界面活性剤以外の濡れ促進剤を添加することができるが、界面活性剤以外の溶剤の具体的としては、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールクロロフェニルエーテル等の多価アルコールのアルキル及びアリールエーテル類、1,6−ヘキサンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、などの多価アルコール類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体、エタノール、2−プロパノール等の低級アルコール類が挙げられる。ただし、前処理液中に溶解し所望の物性に調整できるものであれば、これに限らない。
【0122】
また、本発明の被記録材の前処理液には、定着性向上のためバインダー樹脂を添加することが好ましい。バインダー樹脂としては、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル−スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン系樹脂などが挙げられる。
【0123】
さらに、本発明の前処理液には、0.1〜5重量%の防腐剤及び/又は防かび剤を含有することが好ましい。被記録材と接触させながら前処理液を付与するため、たとえば紙粉のような汚染原因物質が混じり込みやすく、前処理液を変質させ、変質による付着量変化や画質改善効果自体の低下を及ぼすことがある。そこで、0.1〜5重量%の防腐・防かび剤を添加することにより、長期間安定に作用することのできる前処理を得ることができる。防腐防かび剤としては安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、1,2−ジベンジソチアゾリン−3−オン(アビシャ社のプロキセルCRL、プロキセルBDN、プロキセルGXL)等が使用できる。添加量は、0.1重量%未満では、防腐・防かび効果が不十分であり、5重量%よりも多い場合、画像品質を低下させる。
【0124】
前処理液のpH値は、ほぼ中性に保たれることが好ましい。pH値は、8〜11の範囲に保つことがステンレスやニッケルを液付与部材として用いる場合には、その腐食性を抑える意味で好ましいが、カチオン樹脂の溶解性は一般に比較的pH値の低い領域が高く、両者のバランスから、中性に近い領域が好ましい。前処理液のpH値を所望の値に調整するために、前処理液には、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属元素の水酸化物、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物、第4級ホスホニウム水酸化物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩等を添加することができる。
【0125】
その他、画像の耐光性を向上するために、前処理液に、紫外線吸収剤、酸化防止剤などを添加することもできる。紫外線防止剤としては、各種のベンゾトリアゾール系、サリチル酸エステル系、ベンゾフェノン系、シアノアクリレート系、ベンゾフラン誘導体、置換アクリロニトリル系、置換−N−フェニルアミノエチレン系、ピロン系、メチレンマロン酸エステル、ケイ皮酸エステル、サリチル酸フェニル系、ヒンダードアミン系等が好適に挙げられる。酸化防止剤としては、各種のフェノール系、硫黄系、リン酸系、ナフトール系、ヒンダートフェノール類、パラフェニレンジアミン類、ハイドロキノン類、有機硫黄化合物類、有機リン化合物類、ヒンダートアミン、クロマン系、スピロインダン系、ヒドラジン等が好適に挙げられる。これら紫外線防止剤、酸化防止剤は分散性をあげるため、エマルジョンとして添加されていてもよい。
【0126】
次に、記録液について説明する。本発明に用いることの出来る記録液は、必ずしも水性の記録液である必要は無い。また、本発明は記録液の分散性、溶解性を低下させる化合物を高濃度に含む前処理液を被記録材に付与することが特徴であり、記録液にイオン性の化合物を含んでいる必要も無い。しかしながら、前述の通り、現在、一般のインクジェット用の記録液には、アニオン性の染料または顔料が用いられている。本発明では、用いられる記録液の組成は限定されたものではないが、一般に用いられているアニオン性の色材を用いた記録液とカチオン性の化合物を含む前処理液との組み合わせで用いることが、最も効果が大きい。
【0127】
記録液中のアニオン性成分は、アニオン性染料、アニオン性分散剤で分散された顔料又は染料、アニオン性基を有する顔料、アニオン性着色微粒子から選ばれる少なくとも一つの着色剤である。着色剤中に官能基としてアニオン性基を有しているか、あるいは、アニオン性成分が着色剤に吸着しているため、アニオン性成分とカチオン性樹脂との反応により、記録液中の着色成分を被記録材表層に効率よくとどめることができ、よって、画像濃度向上、裏抜け濃度低減、フェザリング・境界にじみ防止など様々な画質改善効果が得られる。
【0128】
本発明の記録方法に用いられる記録液としては、染料として、カラーインデックスにおいて酸性染料、直接性染料、反応性染料、食用染料に分類される水溶性染料、より具体的には
酸性染料及び食用染料としてC.I.アシッド.イエロー17、23、42、44、79、142;C.I.アシッド.レッド1、8、13、14、18、26、27、35、37、42、52、82、87、89、92、97、106、111、114、115、134、186、249、254、289;C.I.アシッド.ブルー9、29、45、92、249;C.I.アシッド.ブラック1、2、7、24、26、94;C.I.フード.イエロー3、4;C.I.フード.レッド7、9、14;C.I.フード.ブラック1、2;
【0129】
直接性染料としてC.I.ダイレクト.イエロー1、12、24、26、33、44、50、86、120、132、142、144;C.I.ダイレクト.レッド1、4、9、13、17、20、28、31、39、80、81、83、89、225、227;C.I.ダイレクト.オレンジ26、29、62、102;C.I.ダイレクト.ブルー1、2、6、15、22、25、71、76、79、86、87、90、98、163、165、199、202;C.I.ダイレクト.ブラック19、22、32、38、51、56、71、74、75、77、154、168、171;
【0130】
塩基性染料としてC.I.ベーシック.イエロー1、2、11、13、14、15、19、21、23、24、25、28、29、32、36、40、41、45、49、51、53、63、64、65、67、70、73、77、87、91;C.I.ベーシック.レッド2、12、13、14、15、18、22、23、24、27、29、35、36、38、39、46、49、51、52、54、59、68、69、70、73、78、82、102、104、109、112;C.I.ベーシック.ブルー1、3、5、7、9、21、22、26、35、41、45、47、54、62、65、66、67、69、75、77、78、89、92、93、105、117、120、122、124、129、137、141、147、155;C.I.ベーシック.ブラック2、8;
【0131】
反応性染料としてC.I.リアクティブ.ブラック3、4、7、11、12、17;C.I.リアクティブ.イエロー1、5、11、13、14、20、21、22、25、40、47、51、55、65、67;C.I.リアクティブ.レッド1、14、17、25、26、32、37、44、46、55、60、66、74、79、96、97;C.I.リアクティブ.ブルー1、2、7、14、15、23、32、35、38、41、63、80、95等が使用できる。
【0132】
特に本発明においては、アニオン性の酸性染料及び直接性染料が好ましく用いることができる。またインクジェット用に開発された染料を用いることも好ましく、そのような染料としては、例えばアビシャ社製のProjet Fast Black2、Projet Fast Cyan2、Projet FastMagenta2、Projet Fast Yellow2などが挙げられる。
【0133】
本発明の画像記録方法および前処理液は、染料を色材とする記録液ばかりではなく、顔料を色材とする記録液に適用した場合にも画像品質の向上などの点で大きな効果が観察された。本発明に用いられる顔料は、特にその種類を限定することなく、無機顔料、有機顔料を使用することができる。
【0134】
無機顔料としては、酸化チタン及び酸化鉄に加え、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる。また、有機顔料としては、アゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などを含む)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ぺリレン顔料、ぺリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用できる。
【0135】
具体的に、黒色用としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、または銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料があげられる。
【0136】
具体的に、カラー用としては、C.I.ピグメントイエロー1(ファストイエローG)、3、12(ジスアゾイエローAAA)、13、14、17、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、81、83(ジスアゾイエローHR)、95、97、98、100、101、104、408、109、110、117、120、138、153;C.I.ピグメントオレンジ5、13、16、17、36、43、51;C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、17、22(ブリリアントファーストスカレット)、23、31、38、48:2(パーマネントレッド2B(Ba))、48:2(パーマネントレッド2B(Ca))、48:3(パーマネントレッド2B(Sr))、48:4(パーマネントレッド2B(Mn))、49:1、52:2、53:1、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81(ローダミン6Gレーキ)、83、88、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(キナクリドンマゼンタ)、123、146、149、166、168、170、172、177、178、179、185、190、193、209、219;C.I.ピグメントバイオレット1(ローダミンレーキ)、3、5:1、16、19、23、38、C.I.ピグメントブルー1、2、15(フタロシアニンブルーR)、15:1、15:2、15:3(フタロシアニンブルーE)、16、17:1、56、60、63;C.I.ピグメントグリーン1、4、7、8、10、17、18、36等がある。
【0137】
これらの顔料のうち、水と親和性の良いものが好ましく用いられる。顔料の粒径は、0.05μmから10μm以下が好ましく、さらに好ましくは1μm以下であり、最も好ましくは0.16μm以下である。また、インク中の着色剤としての顔料の添加量は、0.5〜25重量%程度が好ましく、より好ましくは2〜15重量%程度である。
【0138】
これら顔料は、アニオン性分散剤で分散されたものが好ましい。アニオン性分散剤としては、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、アクリル酸−アクリロニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、酢酸ビニル−エチレン共重合体、酢酸ビニル−脂肪酸ビニルエチレン共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体等が挙げられる。これら以外にも、従来公知の顔料分散液を調整するのに用いられる公知のアニオン性分散剤を使用することができる。
【0139】
本発明の好ましい態様によれば、これらの共重合体は重量平均分子量が3,000〜50,000であるのが好ましく、より好ましくは5,000〜30,000、最も好ましくは7,000〜15,000である。分散剤の添加量は、顔料を安定に分散させ、本発明の他の効果を失わせない範囲で適宣添加されてよい。分散剤としては1:0.06〜1:3の範囲が好ましく、より好ましくは1:0.125〜1:3の範囲である。これらの場合、顔料は、顔料を分散剤で水性媒体中に分散させて得られた顔料分散液としてインクに添加されるのが好ましい。
【0140】
その他、顔料(例えばカーボン)の表面を樹脂等で処理し、水中に分散可能としたグラフト顔料や、顔料(例えばカーボン)の表面にスルホン基やカルボキシル基等の官能基を付加し水中に分散可能とした加工顔料等が使用できる。また、顔料をマイクロカプセルに包含させ、該顔料を水中に分散可能なものとしたものであってもよい。
【0141】
上述の高分子分散剤の他に、アニオン性の界面活性剤で顔料を分散せしめた記録液も本発明の記録方法に対しては好ましい。例えば、オレイル酸およびその塩、ラウリル酸およびその塩、ベヘン酸およびその塩、ステアリン酸およびその塩等の脂肪酸およびその塩、ドデシルスルホン酸およびその塩、デシルスルホン酸及びその塩、アルキルスルホン酸とその塩、ラウリル硫酸塩、オレイル硫酸塩などのアルキル硫酸エルテル類、ドデシルベンゼンスルホン酸およびその塩、ラウリルベンゼンスルホン酸およびその塩など、アルキルベンゼンスルホン酸とその塩、ジオクチルスルホ琥珀酸およびその塩、ジヘキシルスルホ琥珀酸およびその塩などのジアルキルスルホ琥珀酸およびその塩、ナフチルスルホン酸およびその塩、ナフチルカルボン酸およびその塩などの芳香族アニオン系界面活性剤、フッ素化アルキルカルボン酸およびその塩、フッ素化アルキルスルホン酸およびその塩等のフッ素系アニオン性界面活性剤などを用いて顔料を分散し、記録液に用いることができる。
【0142】
またカーボンなどの顔料と、親水基を有するジアゾニウム化合物とをラジカル反応により、顔料に直接親水基を共有結合させたり、カーボンなどの顔料の表面だけを酸化反応により、カルボン酸基を導入したり、顔料と発煙硫酸とを反応させて顔料表面にスルホン酸基を導入するなど、顔料自体の表面修飾反応により、分散剤を用いずにイオン性を持たせた顔料を用いた記録液は、本発明の効果を得るのには、極めて有利な記録液である。
【0143】
顔料を分散させた記録液を用いる場合に、顔料の粒径に特に制限は無いが、最大個数換算で最大頻度が20〜150nmの粒径の顔料インクを用いることが本発明では好ましい。粒径が150nmを超えると、記録液としての顔料分散安定性が悪くなるばかりでなく、記録液の吐出安定性も劣化し、画像濃度などの画像品質も低くなり好ましくない。粒径が20nm未満では、記録液の保存安定性、プリンタでの噴射特性は安定し、前処理液を用いる場合には、高い画像品質も得られるが、そのように細かな粒径にまで分散せしめるのは、分散操作や、分級操作が複雑となり、経済的に記録液を製造することが困難となる。
【0144】
本発明の記録方法に適用できる更に別の記録液の態様として、着色樹脂微粒子が懸濁された記録液を挙げることができる。着色樹脂微粒子は、スチレン−アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂などを油性染料、分散染料または顔料などにより着色したものである。微粒子の殻に当たる部分をポリアクリル酸、ポリメタクリル酸などの親水性を有する樹脂で形成したり、反応性の界面活性剤などイオン性を有する界面活性剤で懸濁することにより例えばアニオン性の着色微粒子が水を主体とする液媒体に懸濁された記録液を得ることができる。
【0145】
本発明の記録方法に用いる記録液には負帯電の樹脂エマルジョンを添加してもよい。負帯電の樹脂エマルジョンを記録液に含有せしめることにより、色材ばかりでなく、樹脂エマルジョンが前処理液により、著しい増粘・凝集作用を起こし、色材などの着色成分の被記録材内部への浸透を抑制し、さらに被録材への定着を促進する効果を有する。また、樹脂エマルジョンの種類によっては被録材上で皮膜を形成し、印刷物の耐擦性、耐光性、耐水性をも向上させる効果を有する。
【0146】
樹脂エマルジョンとは、連続相が水であり、分散相が次の様な樹脂成分であるエマルジョンを意味する。分散相の樹脂成分としてはアクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル−スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン系樹脂などがあげられる。
【0147】
本発明の好ましい態様によれば、この樹脂は親水性部分と疎水性部分とを併せ持つ重合体であるのが好ましい。また、これらの樹脂成分の粒子径はエマルジョンを形成する限り特に限定されないが、150nm程度以下が好ましく、より好ましくは5〜100nm程度である。
【0148】
これらの樹脂エマルジョンは、樹脂粒子を、場合によって界面活性剤とともに水に混合することによって得ることができる。
【0149】
市販の樹脂エマルジョンとしては、マイクロジェルE−1002、E−5002(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン、日本ペイント株式会社製)、ボンコート4001(アクリル系樹脂エマルジョン、大日本インキ化学工業株式会社製)、ボンコート5454(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン、大日本インキ化学工業株式会社製)、SAE−1014(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン、日本ゼオン株式会社製)、サイビノールSK−200(アクリル系樹脂エマルジョン、サイデン化学株式会社製)、などが挙げられる。
【0150】
記録液中、樹脂エマルジョンは、その樹脂成分が記録液の0.1〜40重量%となるよう添加するのが好ましく、より好ましくは1〜25重量%の範囲である。
【0151】
本発明の記録方法に用いる記録液には、記録液が水溶性の場合には、親水性高分子化合物を添加することができ、特に、アニオン性の水溶性高分子化合物を添加することにより、カチオン性化合物を含有する前処理液により記録液の分散性、溶解性の低下を促進する効果を得ることができる。
【0152】
記録液に添加できる親水性高分子化合物としては、天然系ではアラビアガム、トラガンガム、グーアガム、カラヤガム、ローカストビーンガム、アラビノガラクトン、ペクチン、クインスシードデンプン等の植物性高分子、アルギン酸、カラギーナン、寒天等の海藻系高分子、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、コラーゲン等の動物系高分子、キサンテンガム、デキストラン等の微生物系高分子またはセラック等、半合成系ではメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の繊維素系高分子、デンプングリコール酸ナトリウム、デンプンリン酸エステルナトリウム等のデンプン系高分子、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等の海藻系高分子、純合成系ではポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル等のビニル系高分子、非架橋ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸及びそのアルカリ金属塩、水溶性スチレンアクリル樹脂等のアクリル系樹脂、水溶性スチレンマレイン酸樹脂、水溶性ビニルナフタレンアクリル樹脂、水溶性ビニルナフタレンマレイン酸樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のアルカリ金属塩、等が挙げられる。
【0153】
また、記録液組成物は糖を含有してもよい。糖類の例としては、単糖類、二糖類、オリゴ糖類(三糖類および四糖類を含む)および多糖類があげられ、好ましくはグルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、マルトトリオースなどがあげられる。ここで、多糖類とは広義の糖を意味し、α−シクロデキストリン、セルロースなど自然界に広く存在する物質を含む意味に用いることとする。
【0154】
また、これらの糖類の誘導体としては、前記した糖類の還元糖(例えば、糖アルコール(一般式HOCH2(CHOH)nCH2OH(ここでn=2〜5の整数を表す。)で表される。)、酸化糖(例えば、アルドン酸、ウロン酸など)、アミノ酸、チオ酸などがあげられる。特に糖アルコールが好ましく、具体例としてはマルチトール、ソルビットなどがあげられる。これら糖類の含有量は、記録液組成物の0.1〜40重量%、好ましくは0.5〜30重量%の範囲が適当である。
【0155】
本発明の記録方法に用いる記録液には、界面活性剤などの浸透促進剤を添加することができ、それにより記録液の表面張力を調整して被記録材に対する浸透性を改良したり、またインクジェットプリンタのヘッド部材に対する記録液の濡れ性を向上させることにより記録液の吐出安定性を改良することができる。
【0156】
被記録材に対する浸透性を高めた記録液は、特に高速記録に適する。従来の前処理液を用いないインクジェット記録方法では、記録液の浸透性を高めると、記録液の裏抜け、フェザリングが生じ易かったが、本発明の記録方法を用いることにより、著しく浸透性を高めた記録液を用いて普通紙に高速記録した場合においても、裏抜け、フェザリングを防止することが出来る。
【0157】
本発明の記録方法に用いる記録液に添加できる界面活性剤は特に限定されないが、アニオン性界面活性剤としては、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェート、ジアルキルスルホコハク酸塩等が挙げられる。
【0158】
非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、酸化エチレン基で修飾されたアセチレン誘導体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体、フッ素系界面活性剤、等が挙げられる。
【0159】
また、記録液には表面張力を調整する目的で界面活性剤以外の浸透剤を添加することができ、このような浸透剤としては、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、などの多価アルコール類、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールクロロフェニルエーテル等の多価アルコールのアルキル及びアリールエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体、フッ素系界面活性剤、エタノール、2−プロパノール等の低級アルコール類が挙げられる。
【0160】
記録液の溶媒としては、水が主成分として使用されるが、記録液を所望の物性にするため、記録液の乾燥を防止するため、また着色剤の溶解安定性を向上させるため等の目的で上記の被記録材の前処理液に用いる水溶性有機溶媒として示した水溶性有機溶媒を使用することができる。中でも特に好ましい水溶性有機溶媒としては、ジエチレングリコール、チオジエタノール、ポリエチレングリコール200〜600、トリエチレングリコール、グリセロール、1,2,6−へキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、ペトリオール、1,5−ペンタンジオール、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノンが挙げられ、これらを用いることにより着色剤の高い溶解性と水分蒸発による噴射特性不良の防止に対して優れた効果が得られる。
【0161】
また、本発明における記録液には、従来より知られている記録液用の添加剤を加えることができる。例えば、防腐防かび剤としては安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、1,2−ジベンジソチアゾリン−3−オン(アビシャ社のプロキセルCRL、プロキセルBDN、プロキセルGXL)等が使用できる。記録液のみならず前処理液にもpH調整剤、防錆剤などの添加が可能である。
【0162】
pH調整剤としては、調合される記録液に悪影響をおよぽさずにpHを7以上に調整できるものであれば、任意の物質を使用することができ、その例としては、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属元素の水酸化物、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物、第4級ホスホニウム水酸化物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩等が挙げられる。キレート試楽としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラミル二酢酸ナトリウム等が挙げられる。防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニイウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライト等が挙げられる。
【0163】
その他、目的に応じて紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、酸化防止剤などを添加することもできる。紫外線防止剤としては、各種のベンゾトリアゾール系、サリチル酸エステル系、ベンゾフェノン系、シアノアクリレート系、ベンゾフラン誘導体、置換アクリロニトリル系、置換−N−フェニルアミノエチレン系、ピロン系、メチレンマロン酸エステル、ケイ皮酸エステル、サリチル酸フェニル系、ヒンダードアミン系等が好適に挙げられる。酸化防止剤としては、各種のフェノール系、硫黄系、リン酸系、ナフトール系、ヒンダートフェノール類、パラフェニレンジアミン類、ハイドロキノン類、有機硫黄化合物類、有機リン化合物類、ヒンダートアミン、クロマン系、スピロインダン系、ヒドラジン等が好適に挙げられる。これら紫外線防止剤、酸化防止剤は分散性をあげるため、エマルジョンとして添加されていてもよい。
【0164】
【発明の実施の形態】
本発明の前処理液を被記録材に付与し、前処理液が乾燥固化する前に、色材を含む記録液で画像を記録するため方法について、図1の本発明の画像記録方法を実現するための装置の具体例で説明する。図1の装置例は、インクジェット記録用ヘッドを走査して画像形成するタイプの記録装置である。
【0165】
図1の前処理付与およびインクジエット記録装置において、被記録材6は給紙ローラ7によって送り出され付与ローラ4とカウンタローラ5によって前処理液1が被記録材に均一に薄く付与される。前処理液は汲み上げローラ3によって汲み上げられ、膜厚制御ローラ2によって付与ローラ4に均一に付与される。被記録材は前処理液を付与されながらインクジェット記録ヘッド20のある記録走査部まで送られる。前処理液付与動作の終了部(図中A部)から記録走査開始部(図中B部)までの用紙経路の長さは被記録材の送り方向の長さより長く設定されているので被記録材が記録走査開始部に到達した時点では前処理液の付与を完全に終了することができる。この場合、前処理液の付与は、インクジェット記録ヘッド20が印字のための走査を開始し、被記録材6が間欠的に搬送される前に実施できる為、被記録材の搬送速度が一定の状態で連続的に付与でき、ムラのない均一な付与が可能となる。なお図1の装置例では前処理の必要な被記録材は下段のカセットから、必要のないか処理されては困る被記録材は上段のカセットから供給するようになっているため、被記録材搬送経路を長く設けるのに好都合である。
【0166】
図2は本発明の画像記録方法を実現するための装置の別の具体例である。図2の装置例も、インクジェット記録用ヘッドを走査して画像形成するタイプの記録装置である。図1の装置に比べ、コンパクトな装置構成とした例である。被記録材6は給紙ローラ7によって送り出され付与ローラ4とカウンタローラ5によって前処理液1が被記録材に均一に薄く付与される。前処理液は汲み上げローラ3によって汲み上げられ、膜厚制御ローラ2によって付与ローラ4に均一に付与されている。被記録材は前処理液を付与されながらインクジェット記録ヘッド20のある記録走査部を通過し、用紙が前処理液の塗布を完了するまで送られ、用紙が前処理液の付与を完了した時点で再び用紙先頭が記録走査開始位置に至るまで戻される。付与完了は、例えば、前処理液付与装置の出口近傍に、公知の被記録材検知手段(図示されず)を設けることにより検出することができる。この検知手段は必ずしも必要が無く、あらかじめ被記録材の長さの情報をコントローラにインプットし、モータの回転数を制御することにより、被記録材の搬送ローラの外周の送り量を被記録材の長さに対応するようなシステム構成としてもよい。
【0167】
前処理液が付与された被記録材は、前処理液が乾燥固化する前に、再び記録走査位置に搬送されてるが、この際には、インクジエット記録ヘッド20の走査とタイミングを合わせて、間欠的に搬送される。被記録材を戻すとき送られてきた経路と同じ経路を戻すと用紙の後端が前処理液付与装置に逆進入することになり塗りムラや汚れ、用紙ジャムなどの不具合が起こるが、用紙を戻すときは被記録材ガイド31で方向を切り替える。すなわち、被記録材に前処理液を付与した後、被記録材を逆送する時には、被記録材ガイド31を図の点線の位置に、ソレノイドやモータなどの公知の手段で移動せしめる。これにより、被記録材は、被記録材ガイド34の位置に搬送されるので、被記録材を汚したり、ジャムが生じることを防止できる。
【0168】
前処理液付与工程は連続的に、20〜200mm/sの一定の線速度で行うことが好ましい。このために、この装置の例では、枚葉の被記録材を用い、ある枚葉の被記録材についてみると、被記録材に前処理液を付与する工程をその枚葉について終了した後に、インクジェット記録方法により画像を記録する工程を始める。このように装置においては、前処理液付与の速度と画像記録との速度が殆どの場合に一致しないので、その枚葉の記録開始部と記録終了部とでは、前処理液が付与されてから画像が記録されるまでの時間に差があることになる。この差がかなり大きくなった場合にも、水よりも沸点が高く、蒸発速度の小さな親水性の溶媒を多量に含み、プリンタを使用している環境での空気中の水分と平衡する量に近い水分比率に調製されている前処理液では、液からの水分蒸発が著しく抑制されるため、枚葉の被記録材の、記録開始部と記録終了部で生じる画像品質の差を、少なくとも目視で観察できる水準以下にすることができる。
【0169】
この装置での被記録材の搬送工程からも明らかなように、前処理液を付与した後、画像を形成するために、前処理液の付与された被記録材をローラ、コロ、ガイドなどの被記録材に接触する手段で被記録材を搬送することが必要になる場合が多い。このような場合に、被記録材に付与された前処理液が被記録材の搬送部材に転写してしまうと、搬送機能に障害を生じたり、汚れが蓄積して、画像品質が低下してしまうという問題を生じる。この問題を防止するには、装置側から、例えばガイドを波板にしたり、コロを拍車状にしたり、ローラの表面を撥水性の材料にしたりするという手段を講じ、問題の発生を軽減することができる。
【0170】
しかしながら、被記録材に付与された前処理液は、極力速やかに被記録材に吸収され、見かけ上は乾燥された状態にすることが本質的に重要である。この目的を達成するためには、前処理液の表面張力を40mN/m以下として、速やかに液が被記録材に浸透するようにすることが有効である。請求項1の「乾燥固化」は、上記のように、被記録材に前処理液が吸収されて、見かけ上乾燥したようになることを意味するものではなく、水分など前処理液中液状化合物が蒸発し、液体状態を保てなくなり固化することを意味している。本発明にかかる前処理液を上記のように前処理付与装置と画像記録装置がセットになった記録装置を用いることにより、前処理液が被記録材に吸収され、見かけ上は乾燥している状態になっていても、前処理液が固化していない状態で、インクジェット記録を行うことができ、前処理液の付与量が極めて少ない量においても、画像品質を著しく向上できる。
【0171】
図3に、図1、図2のような装置の動作を制御するためのシーケンスの例を示す。パーソナルコンピュータなどのホストマシーンからのプリント指令を受けると、前処理付与・画像記録装置はヘッドクリーニング作業と前処理液塗布作業とを同時にスタートし、すべて準備が完了した時点で記録動作を開始する。この場合画像データの転送は1走査分であっても、複数走査分であってもあるいは1ページ分であってもかまわない。ヘッドクリーニング、噴射チェック動作は必ずしも必要ではない。また、ヘッドクリーニング、噴射チェック動作と画像データ処理・画像データ転送をシーケンシャルに行う必要はなく、前処理液塗布、ヘッドクリーニング、噴射チェック動作と画像データ処理・画像データ転送とを同時にスタートさせるなどパラレルに処理することが可能である。このように、前処理液塗布、ヘッドクリーニング、噴射チェック動作と画像データ処理・画像データ転送とをパラレルに処理することにより、前処理液塗布作業を行う場合にも、印字記録装置のスループットを殆ど落とさずに画像記録をすることが可能である。
【0172】
本発明の画像記録方法において前処理液を被記録材に付与した後、記録液を液滴として被記録材に付着させ画像を形成する手段としては、公知のあらゆるインクジェット記録方法が適用できる。図1、図2の装置例では、ヘッドを走査する方式のインクジェット記録方法の例を示したが、ライン化されたヘッドを用いることにより、ある枚葉の被記録材において、前処理液の付与と画像記録とを同時に、等速度で行う事が出来る。
【0173】
本発明における前処理液の被記録材への付与後、記録液を液滴として被記録材に付着させる方法としては、インクジェット記録方法が好ましく、特に記録ヘッドの駆動方式にはとらわれず、PZT等を用いた圧電素子アクチュエータ、熱エネルギーを作用させる方式、静電気力を利用したアクチュエータ等を利用したオンディマンド型のヘッドを用いることもできるし、連続噴射型の荷電制御タイプのヘッドで記録することもできる。熱エネルギーを作用させる方式においては、液滴の噴射を自在に制御することが困難とされており、被記録材種等による画像へのばらつきが大きくなりがちであるが、前処理液を被記録材に付与することでこれらの課題は解消され、被記録材種に依らず安定した高画質を得ることができる。
【0174】
以下に本発明の実施例および比較例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例に記載の各成分の量(%)は特に記載の無い場合は重量%である。
【0175】
実施例1
《記録液の調製》
下記記録液処方にて混合攪拌した後、pHが10.5になるように水酸化ナトリウムにて調整した。その後、平均孔径0.1μmのメンブレンフィルターで濾過を行い記録液組成物を得た。
【0176】
[イエロー記録液1]
C.I.アシッドイエロー23 2重量%
N−メチル−2−ピロリドン 10重量%
ポリエチレングリコール200 15重量%
ジエチレングリコールモノブチルエーテル 12重量%
1,5−ペンタンジオール 3重量%
安息香酸ナトリウム 0.4重量%
イオン交換水 残量
【0177】
[マゼンタ記録液1]
C.I.アシッドレッド52 1.5重量%
C.I.アシッドレッド254 1.5重量%
N−メチル−2−ピロリドン 10重量%
ポリエチレングリコール200 15重量%
ジエチレングリコールモノブチルエーテル 12重量%
1,5−ペンタンジオール 3重量%
安息香酸ナトリウム 0.4重量%
イオン交換水 残量
【0178】
[シアン記録液1]
C.I.アシッドブルー9 1.5重量%
Projet Fast Cyan2(アビシア社製) 1.5重量%
N−メチル−2−ピロリドン 10重量%
ポリエチレングリコール200 15重量%
ジエチレングリコールモノブチルエーテル 12重量%
1,5−ペンタンジオール 3重量%
安息香酸ナトリウム 0.4重量%
イオン交換水 残量
【0179】
[ブラック記録液1]
C.I.フードブラック2 5重量%
N−メチル−2−ピロリドン 10重量%
ポリエチレングリコール20 15重量%
ジエチレングリコールモノブチルエーテル 12重量%
1,5−ペンタンジオール 3重量%
安息香酸ナトリウム 0.4重量%
イオン交換水 残量
【0180】
《前処理液の調製》
下記組成物を攪拌混合し被記録材の前処理液例1を作製し、pHが7になるようにトリエタノールアミンで調整した。この際の粘度は表1に記した。
[被記録材の前処理液例1]
上記(20)項に記載のカチオン性高分子化合物 25重量%
(ジシアンジアミド樹脂、重量平均分子量約7000)
カチオン性モノマー化合物C−1(対イオンは塩素イオン) 2重量%
グリセリン 25重量%
エチレングリコール 30重量%
安息香酸ナトリウム 1重量%
イオン交換水 残量
この前処理液の粘度を東京計器(株)製のB型回転粘度計で測定したところ、1270mPa・s(25℃)であった。
【0181】
《前処理液付与及び画像記録評価》
上記前処理液1を図1に示す画像記録装置の前処理液容器42に充填し、線速度85mm/sの速度で市販のコピー用紙(NBSリコー:マイペーパー<サイズ度39s,透気度46s>、Xerox社:4024<サイズ度32s,透気度21s>)付与したところ、2.8〜3.2g/m2の付着量であった。前処理液を付与した後、イエロー記録液1、マゼンタ記録液1、シアン記録液1、ブラック記録液1を用いて、各色ヘッドについて28μm径のノズルを128ノズル有する積層PZTを用いた印字ヘッド9により、20kHzの周波数、液滴重量19ngにて600dpiの画素密度で画像を形成し、以下の画像品質およびコックリングの観察を行った。
【0182】
1)黒色画像濃度
黒色記録液のベタ画像の印字を行い、乾燥後、黒色記録液のベタ画像の濃度を反射型カラー分光測色濃度計(X−Rite社製)により測定した。1.45以上は◎、1.2〜1.44は○、1.2未満は×とした。
【0183】
2)色境界にじみ
被記録材にイエローのベタ画像内にマゼンタ、シアン、ブラックの10ドットの線幅の線画像をそれぞれ形成し、色境界にじみの発生を目視により観察した。
同様にシアンのベタ画像内にマゼンタ、イエロー、ブラックの10ドットの線幅の線画像をそれぞれ形成した場合とマゼンタのベタ画像内にシアン、イエロー、ブラックの10ドットの線幅の線画像をそれぞれ形成した場合についても色境界にじみの発生を観察した。目視で色境界にじみの発生がほとんど確認出来ない場合は◎、目視で色境界にじみの発生が若干ある場合は△、目視で明らかに色境界にじみの発生がありる場合は×と評価した。
【0184】
3)フェザリング
記録媒体にマゼンタ、シアン、イエロー、ブラックの10ドットの線幅の線画像をそれぞれ被記録材の上に形成し、フェザリングの有無を観察した。、10倍ルーペで観察してもほとんど認められない場合を◎、10倍ルーペで観察した場合に確認できるが、目視で確認できないレベルで、実用上問題なければ○、目視で発生が若干ある場合は△、目視であきらかに確認できる場合を×とした。
【0185】
4)裏抜け
ベタ画像を裏面から目視観察し、ベタ画像と白地部分の境界が完全に不明確で両面印字物の読み取りに支障の無い場合は◎、ベタ画像と白地部分の境界がほとんど不明確で両面印字物の読み取りにほとんど支障の無いレベルの場合は○、ベタ画像と白地部分の境界が観察されるが両面印字物の読み取りに気にならない場合は△、ベタ画像の着色剤が裏面まで抜けており、両面印字物の読み取りに支障がある場合は×、として判定した。
【0186】
5)コックリング
ベタ部におけるコックリングの有無の観察を行った。2次色にもコックリングの発生がほとんど認められない場合は◎、2次色に若干の発生が認められるが、単色ではほとんど発生が認められない場合を○、単色に若干のコックリングが観察される場合を△、単色にも明らかに認められる場合は×とした。
評価結果を表1に示した。
【0187】
比較例1
被記録材の前処理液を使用しない以外は実施例1と同一の記録液及び画像形成装置を用い、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示した。
【0188】
比較例2
《前処理液の調製》
本発明による画像記録方法と比較するために、下記の記録液の溶解性、分散性を低下せしめる化合物が低濃度で、水溶性の有機溶媒の量が少なく水分量が多いために粘度も低い組成物(比較前処理液例1)を実施例1と同様に作製した。
[比較前処理液例1]
上記(20)項に記載のカチオン性高分子化合物(ジシアンジアミド樹脂)
1.5重量%
カチオン性モノマー化合物C−1(対イオンは塩素イオン) 5重量%
グリセリン 25重量%
エチレングリコール 30重量%
安息香酸ナトリウム 1重量%
イオン交換水 残量
この前処理液の粘度を東京計器(株)製のB型回転粘度計で測定したところ、5.6mPa・s(25℃)であった。
【0189】
《前処理液付与及び画像記録評価》
上記比較前処理液例1を実施例1と同様に、図1に示す画像記録装置の前処理液容器42に充填し、線速度85mm/sの速度で市販のコピー用紙、ボンド紙に付与したところ、2.6〜3.0g/m2の付着量であった。比較前処理液1を付与した後、実施例1に用いたものと同じ記録液を用いて、実施例1と同様に画像を形成し、評価した。評価結果を表1の比較例2に示す。
【0190】
比較例3
本発明による画像記録方法と比較するために、図1の装置に記録液を吐出し画像を記録するためのヘッドの他に、前処理液を付与するために供給系および記録液を吐出するものと同一の構成のヘッド、ドライバーを設けた。信号処理・駆動系も変更し、画像が記録される部分にのみ前処理液を付与するようにした。比較例2で作製した比較前処理液1をその変更の後の装置の前処理液吐出用ヘッドに液を供給するカセットに充填し、図1におけるローラによる前処理液の付与は行わず、前処理液を画像が形成される部分にのみ前処理液吐出ヘッドにより付与しながら、実施例1で用いた記録液と同一の記録液で画像記録を行った。このときの、比較前処理液1の付着量は、画像部についてみると、10.5g/m2であった。
評価結果を表1の比較例3に示す。
【0191】
参考例1
本発明において、前処理液の付与量を従来と同レベルとした場合の評価を行った。図1の装置において、実施例1と同一の前処理液を付与装置の容器に入れ、膜厚制御ローラ2の回転および他のローラとの圧力を制御することにより、前処理液の付与量が実施例1よりも大きくなるように調整した。前処理液の付与量が大きくなるようにした以外は、実施例と同様にして画像の記録を行った。このときの、比較前処理液1の付着量は、10.3g/m2であった。評価結果を表1の参考例1に示す。前処理液の付着量が10g/m2を超えると紙に顕著なコックリングが発生するが、同時に片面にのみ画像記録(前処理液の付与)を行う場合には、画像記録後の紙に顕著なカールも生じてしまった。
【0192】
参考例2
《被記録材の前処理液の調製》
下記組成物を攪拌混合し被記録材の前処理液例2を作製し、pHが7になるように水酸化リチウムで調整した。
[被記録材の前処理液例2]
上記(22)項に記載のカチオン性高分子化合物 15重量%
(対イオンは塩素イオン:重量平均分子量3500)
カチオン性モノマー化合物C−3(対イオンは塩素イオン) 3重量%
グリセリン 20重量%
N−メチル−2−ピロリドン 20重量%
1,6−ヘキサンジオール 15重量%
デヒドロ酢酸ナトリウム 1重量%
イオン交換水 残量
この前処理液の粘度を東京計器(株)製のB型回転粘度計で測定したところ、850mPa・s(25℃)であった。
【0193】
《前処理液付与及び画像記録評価》
実施例1と同様に、上記前処理液2を図1に示す画像記録装置の前処理液容器42に充填し、線速度60mm/sの速度で市販のコピー用紙、ボンド紙に付与したところ、2.6〜3.2g/m2の付着量であった。前処理液を付与した後、実施例1で用いた記録液と同一の記録液を用いて、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1実施例2に示す。
【0194】
比較例4
《前処理液の調製》
本発明による画像記録方法と比較するために、下記の記録液の溶解性、分散性を低下せしめる化合物が低濃度であり、水溶性の有機溶媒の量が少なく水分量が多いために粘度も低い組成物(比較前処理液例2)を用いた以外は参考例2と同様に作製した。
[比較前処理液例2]
上記(22)項に記載のカチオン性高分子化合物 3重量%
(対イオンは塩素イオン:重量平均分子量3500)
カチオン性モノマー化合物C−3(対イオンは塩素イオン) 3重量%
グリセリン 10重量%
N−メチル−2−ピロリドン 10重量%
1,6−ヘキサンジオール 5重量%
デヒドロ酢酸ナトリウム 1重量%
イオン交換水 残量
この前処理液の粘度を東京計器(株)製のB型回転粘度計で測定したところ、7.9mPa・s(25℃)であった。
【0195】
《前処理液付与及び画像記録評価》
上記比較前処理液例2を実施例2と同様に、図1に示す画像記録装置の前処理液容器42に充填し、膜厚制御ローラ2の回転、他のローラとの圧力を、付着量が2.9〜3.0g/m2になるように調整した。比較前処理液2を付与した後、実施例2に用いたものと同じ記録液を用いて、実施例2と同様に画像を形成し、評価した。評価結果を表1の比較例4に示す。
【0196】
比較例5
比較例3と同様に、図1の装置に記録液を吐出し画像を記録するためのヘッドの他に、前処理液を付与するために供給系および記録液を吐出するものと同一の構成のヘッド、ドライバーを設けた。信号処理・駆動系も変更し、画像が記録される部分にのみ前処理液を付与するようにした。比較例4で作製した比較前処理液2をその変更の後の装置の前処理液吐出用ヘッドに液を供給するカセットに充填し、図1におけるローラによる前処理液の付与は行わず、前処理液を画像が形成される部分にのみ前処理液吐出ヘッドにより付与しながら、実施例2で用いた記録液と同一の記録液で画像記録を行った。このときの、比較前処理液2の付着量は、画像部についてみると、10.5g/m2であった。
評価結果を表1の比較例5に示す。
【0197】
実施例3
《顔料分散液の調製》
下記分散液処方にて各色顔料の分散液組成物を混合攪拌した後、直径2mmのジルコニアビーズを用い、ビーズミルにて8時間の分散を行い、顔料分散液を調製した。
【0198】
[イエロー顔料分散液1]
C.I.ピグメントイエロー74 15重量%
ナフタレンスルホン酸塩のホルマリン縮合物 3重量%
ジエチレングリコール 15重量%
イオン交換水 残量
(分散後の粒径最頻値 120nm)
【0199】
【0200】
【0201】
[ブラック顔料分散液1]
カーボンブラック 15重量%
ナフタレンスルホン酸塩のホルマリン縮合物 3重量%
ジエチレングリコール 15重量%
イオン交換水 残量
(分散後の粒径最頻値 115nm )
【0202】
《記録液の調製》
下記記録液処方にて記録液を混合攪拌した後、pHが9になるように水酸化リチウム10%水溶液にて調整して記録液とした。その後、平均孔径1.0μmのメンブレンフィルターで濾過を行い記録液組成物を得た。
[イエロー記録液2]
イエロー顔料分散液1 26.7重量%(顔料4重量%)
グリセリン 10重量%
2−ピロリドン 10重量%
ジヘキシルスルホ琥珀酸塩(アニオン性界面活性剤) 1重量%
2−エチル−1,3−ヘキサンジオール(浸透剤) 2重量%
2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム(防腐剤)0.2重量%
イオン交換水 残量
【0203】
[マゼンタ記録液2]
マゼンタ顔料分散液1 26.7重量%(顔料4重量%)
グリセリン 10重量%
2−ピロリドン 10重量%
ジヘキシルスルホ琥珀酸塩(アニオン性界面活性剤) 1重量%
2−エチル−1,3−ヘキサンジオール(浸透剤) 2重量%
2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム(防腐剤)0.2重量%
イオン交換水 残量
【0204】
[シアン記録液2]
シアン顔料分散液1 20重量%(顔料3重量%)
グリセリン 10重量%
2−ピロリドン 10重量%
ジヘキシルスルホ琥珀酸塩(アニオン性界面活性剤) 1重量%
2−エチル−1,3−ヘキサンジオール(浸透剤) 2重量%
2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム(防腐剤)0.2重量%
イオン交換水 残量
【0205】
[ブラック記録液2]
ブラック顔料分散液1 33.3重量%(顔料5重量%)
グリセリン 10重量%
2−ピロリドン 10重量%
ジヘキシルスルホ琥珀酸塩(アニオン性界面活性剤) 1重量%
2−エチル−1,3−ヘキサンジオール(浸透剤) 2重量%
2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム(防腐剤)0.2重量%
イオン交換水 残量
【0206】
《被記録材の前処理液の調製》
下記組成物を攪拌混合し、pHが7になるようにトリエタノールアミンで調整して被記録材の前処理液例3を作製した。
[被記録材の前処理液例3]
上記(16)項に記載のカチオン性高分子化合物 20重量%
(Rの炭素数は1、対イオンは塩素イオン:重量平均分子量8000)
カチオン性モノマー化合物C−5(対イオンは塩素イオン) 8重量%
ジエチレングリコール 20重量%
1,3−ジメチルイミダゾリジノン 20重量%
ペンタクロロフェノール 0.5重量%
イオン交換水 残量
この前処理液の粘度を東京計器(株)製のB型回転粘度計で測定したところ、530mPa・s(25℃)であった。
【0207】
《前処理液付与及び画像記録評価》
前処理液例3を図1に示す画像記録装置の前処理液容器42に充填し、線速度30mm/sの速度で市販のコピー用紙、ボンド紙に付与したところ、1.8〜2.0g/m2の付着量であった。前処理液を付与した後、イエロー記録液2、マゼンタ記録液2、シアン記録液2、ブラック記録液2を用いて、各色ヘッドについて22μm径のノズルを128ノズル有する積層PZTを用いた印字ヘッド9により、25kHzの周波数、液滴重量10ngにて1200dpiの画素密度で画像形成し、実施例1と同様に画像品質およびコックリングの評価を行った。
結果を表1の実施例3に示した。
【0208】
比較例6
被記録材の前処理液を使用しない以外は実施例3と同一の記録液及び画像形成装置を用い、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示した。
【0209】
比較例7
《比較前処理液の調製》
本発明による画像記録方法と比較するために、下記の記録液の溶解性、分散性を低下せしめる化合物が低濃度の組成物(比較前処理液例3)を用いる以外は実施例1と同様に作製した。
[比較前処理液例3]
上記(16)項に記載のカチオン性高分子化合物 5重量%
(Rの炭素数は1、対イオンは塩素イオン:重量平均分子量1500)
カチオン性モノマー化合物C−5(対イオンは塩素イオン) 8重量%
ジエチレングリコール 10重量%
1,3−ジメチルイミダゾリジノン 10重量%
ペンタクロロフェノール 0.5重量%
イオン交換水 残量
この前処理液の粘度を東京計器(株)製のB型回転粘度計で測定したところ、4.8mPa・s(25℃)であった。
【0210】
《前処理液付与及び画像記録評価》
比較例3において前処理液を吐出するためのヘッドを設けた図1の装置を変更した装置において、前処理液を付与するためのヘッドを記録液を吐出するためのヘッドに合わせて変更し、前処理液の液滴重量が、10ng、吐出密度が1200dpiとなるように前処理液を付与した。そして、比較例3と同様に、図1におけるローラによる前処理液の付与は行わず、前処理液を画像が形成される部分にのみ前処理液吐出ヘッドにより付与しながら、実施例3で用いた記録液と同一の記録液で1200dpiの画素密度において画像記録を行った。このときの、比較前処理液3の付着量は、画像部についてみると、5.2g/m2であった。
評価結果を表1の比較例7に示す。
【0211】
比較例8
比較例7においては、画像が形成される部分にのみ前処理液を付与したが、被記録材のほぼ前面に渡って前処理液が吐出、付与されるようにドライバー・ソフトウェアを変更した以外は、比較例7と同様に画像記録を行い評価した。結果は、画像部のみに前処理液を付与する場合と変わりが無かった。
【0212】
比較例9
実施例3で作製した前処理液例3を比較例3および比較例7で使用した前処理液吐出用の記録ヘッドに充填し、前処理液の吐出を試みたが、液は全く吐出できなかった。
【0213】
実施例4
下記組成物を攪拌混合し、pHが7になるようにトリエタノールアミンで調整して被記録材の前処理液例4を作製し、実施例3における前処理液例3を前処理液例4に置き換える以外は、実施例3と同様に前処理液の被記録材への付与、画像形成を行った。
[被記録材の前処理液例4]
上記(25)項に記載のカチオン性高分子化合物 20重量%
(R6はメチル基、対イオンは硝酸イオン:重量平均分子量6000)
カチオン性モノマー化合物C−1(対イオンは酢酸イオン) 8重量%
ジエチレングリコール 15重量%
グリセリン 15重量%
N−メチル−2−ピロリドン 15重量%
ペンタクロロフェノール 0.5重量%
イオン交換水 残量
粘度:250mPa・s(25℃)
【0214】
実施例5
下記組成物を攪拌混合し、pHが6になるように水酸化ナトリウム10%水溶液で調整して被記録材の前処理液例5を作製し、実施例3における前処理液例3を前処理液例5に置き換える以外は、実施例3と同様に前処理液の被記録材への付与、画像形成を行った。
[被記録材の前処理液例5]
上記(24)項に記載のカチオン性高分子化合物 32重量%
(R5はメチレン基、Xはヒドロキシル基、Yは−OCOCH3)
カチオン性モノマー化合物C−1(対イオンは酢酸イオン) 3重量%
エチレングリコール 15重量%
グリセリン 15重量%
1,5−ペンタンジオール 15重量%
ソルビン酸 0.8重量%
イオン交換水 残量
粘度:710mPa・s(25℃)
【0215】
実施例6
下記組成物を攪拌混合し、pHが7になるように水酸化テトラメチルアンモニウム10%水溶液で調整して被記録材の前処理液例6を作製し、実施例3における前処理液例3を前処理液例6に置き換える以外は、実施例3と同様に前処理液の被記録材への付与、画像形成を行った。
[被記録材の前処理液例6]
上記(19)項に記載のカチオン性高分子化合物 30重量%
(対イオンは酢酸イオン、重量平均分子量9000)
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(ノニオン界面活性剤)
3重量%
1,6−ヘキサンジオール 30重量%
ジエチレングリコール 15重量%
ソルビン酸 0.8重量%
イオン交換水 残量
粘度:1430mPa・s(25℃)
【0216】
実施例7
《記録液の調製》
下記記録液処方にて記録液を混合攪拌した後、pHが9になるように水酸化リチウム10%水溶液にて調整して記録液とした。その後、カラー記録液は平均孔径0.1μm、ブラック記録液は平均孔径0.8μmのメンブレンフィルターで濾過を行い記録液組成物を得た。
【0217】
[イエロー記録液3]
C.I.アシッドイエロー23 1重量%
C.I.ダイレクトイエロー86 1重量%
グリセリン 5重量%
1,5−ペンタンジオール 15重量%
ポリオキシエチレン(3)トリデシルエーテル酢酸ナトリウム 1重量%
(アニオン界面活性剤)
デヒドロ酢酸ナトリウム 0.4重量%
イオン交換水 残量
【0218】
[マゼンタ記録液3]
C.I.リアクティブレッド180 2重量%
C.I.アシッドレッド52 1重量%
グリセリン 5重量%
1,5−ペンタンジオール 15重量%
ポリオキシエチレン(3)トリデシルエーテル酢酸ナトリウム 1重量%
(アニオン界面活性剤)
デヒドロ酢酸ナトリウム 0.4重量%
イオン交換水 残量
【0219】
[シアン記録液3]
C.I.アシッドブルー249 2重量%
C.I.リアクティブブルー7 1重量%
グリセリン 5重量%
1,5−ペンタンジオール 15重量%
ポリオキシエチレン(3)トリデシルエーテル酢酸ナトリウム 1重量%
(アニオン界面活性剤)
デヒドロ酢酸ナトリウム 0.4重量%
イオン交換水 残量
【0220】
[ブラック記録液3]
アニオン性マイクロカプセル化カーボンブラック 5重量%
(大日本インキ社製) 平均粒径125nm
グリセリン 5重量%
1,5−ペンタンジオール 15重量%
ポリオキシエチレン(3)トリデシルエーテル酢酸ナトリウム 1重量%
(アニオン界面活性剤)
デヒドロ酢酸ナトリウム 0.4重量%
イオン交換水 残量
【0221】
《前処理液の調製》
下記組成物を攪拌混合し被記録材の前処理液例7を作製し、pHが7になるようにトリエタノールアミンで調整した。
[被記録材の前処理液例7]
上記(28)項に記載のカチオン性高分子化合物 18重量%
(対イオンは酢酸イオン:重量平均分子量15000)
カチオン性モノマー化合物C−1(対イオンは塩素イオン) 4重量%
グリセリン 15重量%
1,5−ペンタンジオール 15重量%
2−ピロリドン 10重量%
安息香酸ナトリウム 1重量%
イオン交換水 残量
この前処理液の粘度を東京計器(株)製のB型回転粘度計で測定したところ、640mPa・s(25℃)であった。
【0222】
《前処理液付与及び画像記録評価》
上記前処理液7を図1に示す画像記録装置の前処理液容器42に充填し、線速度105mm/sの速度で市販のコピー用紙(NBSリコー:マイペーパー、Xerox社:4024)付与したところ、4.8〜4.9g/m2の付着量であった。前処理液を付与した後、イエロー記録液3、マゼンタ記録液3、シアン記録液3、ブラック記録液3を用いて、各色ヘッドについて28μm径のノズルを128ノズル有する積層PZTを用いた印字ヘッド9により、20kHzの周波数、液滴重量19ngにて600dpiの画素密度で画像形成を以下の画像品質およびコックリングの観察を行った。
【0223】
比較例11
被記録材の前処理液を使用しない以外は実施例7と同一の記録液及び画像形成装置を用い、実施例7と同様に評価を行った。
【0224】
実施例8
《記録液の調製》
下記記録液処方にて記録液を混合攪拌した後、pHが9になるように水酸化ナトリウム10%水溶液にて調整して記録液とした。その後、カラー記録液は平均孔径0.1μm、ブラック記録液は平均孔径0.8μmのメンブレンフィルターで濾過を行い記録液組成物を得た。
【0225】
【0226】
【0227】
【0228】
【0229】
《前処理液の調製》
下記組成物を攪拌混合し被記録材の前処理液例8を作製し、pHが7になるようにジエタノールアミンで調整した。
[被記録材の前処理液例8]
上記(17)項に記載のカチオン性高分子化合物 32重量%
(重量平均分子量4000)
カチオン性モノマー化合物C−4(対イオンは塩素イオン) 2重量%
ジエチレングリコール 26重量%
2−ピロリドン 8重量%
安息香酸カリウム 1重量%
イオン交換水 残量
この前処理液の粘度を東京計器(株)製のB型回転粘度計で測定したところ、1850mPa・s(25℃)であった。
【0230】
上記前処理液8を図1に示す画像記録装置の前処理液容器42に充填し、線速度60mm/sの速度で市販のコピー用紙(NBSリコー:マイペーパー、Xerox社:4024)付与したところ、1.8g/m2の付着量であった。前処理液を付与した後、イエロー記録液4、マゼンタ記録液4、シアン記録液4、ブラック記録液4を用いて、各色ヘッドについて28μm径のノズルを128ノズル有する積層PZTを用いた印字ヘッド9により、20kHzの周波数、液滴重量19ngにて600dpiの画素密度で画像形成を以下の画像品質およびコックリングの観察を行った。
【0231】
比較例12
被記録材の前処理液を使用しない以外は実施例8と同一の記録液及び画像形成装置を用い、実施例8と同様に評価を行った。結果を表1に示した。
【0232】
比較例13
実施例8において、前処理液を1.8g/m2の量で付与した被記録材を、画像を形成する前に取り出し、110℃のオーブンに5分間入れておき、水分および水溶性有機溶剤を除去した。この被記録材を常温常湿下で2時間放置の後、実施例8と同じ記録液を用いて、実施例8と同様に評価を行った。結果を表1に示した。
【0233】
比較例14
比較例13において、膜厚制御ローラ2の回転および他のローラとの圧力を制御することにより、前処理液の付着量を5.3g/m2に調整した。前処理液の付着量が大きくなるようにした以外は、比較例13と同様にして画像の記録を行った。結果を表1に示した。
【0234】
実施例9
下記組成物を攪拌混合し、pHが7.5になるように水酸化ナトリウム10%水溶液で調整して被記録材の前処理液例9を作製し、実施例8における前処理液例8を前処理液例9に置き換える以外は、実施例8と同様に前処理液の被記録材への付与、画像形成を行った。結果を表1に示した。
[被記録材の前処理液例9]
上記(18)項に記載のカチオン性高分子化合物 26重量%
(R1、R2、R3はメチル基、R4はエチル基、Xは硝酸イオン)
カチオン性モノマー化合物C−3(対イオンは酢酸イオン) 3重量%
1,6−ペンタンジオール 23重量%
2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 3重量%
トリエチレングリコール 13重量%
ソルビン酸 0.8重量%
イオン交換水 残量
粘度:1360mPa・s(25℃)
【0235】
参考例4
下記組成物を攪拌混合し、pHが7.5になるように水酸化テトラエチルアンモニウム10%水溶液で調整して被記録材の前処理液例10を作製し、実施例8における前処理液例8を前処理液例10に置き換える以外は、実施例8と同様に前処理液の被記録材への付与、画像形成を行った。結果を表1に示した。
[被記録材の前処理液例10]
上記(27)項に記載のカチオン性高分子化合物 12重量%
(対イオンは硝酸イオン、重量平均分子量16000)
ポリオキシエチレンオレイルエーテル(ノニオン界面活性剤) 3重量%
1,6−ヘキサンジオール 27重量%
エチレングリコール 19重量%
安息香酸カリウム 0.8重量%
イオン交換水 残量
粘度:86mPa・s(25℃)
【0236】
実施例11
《顔料分散液の調製》
下記分散液処方にて各色顔料の分散液組成物を混合攪拌した後、直径2mmのジルコニアビーズを用い、ビーズミルにて8時間の分散を行い、顔料分散液を調製した。
【0237】
[イエロー顔料分散液2]
C.I.ピグメントイエロー150 15重量%
スチレン−アクリル酸Na共重合体 5重量%
エチレングリコール 15重量%
イオン交換水 残量
(分散後の粒径最頻値 70nm)
【0238】
[マゼンタ顔料分散液2]
C.I.ピグメントレッド81 15重量%
スチレン−ヘキシルアクリレート−アクリル酸Na共重合体 5重量%
エチレングリコール 15重量%
イオン交換水 残量
(分散後の粒径最頻値 96nm )
【0239】
【0240】
【0241】
《記録液の調製》
下記記録液処方にて混合攪拌した後、pHが9になるように水酸化リチウム10%水溶液にて調整して記録液とした。その後、平均孔径1.0μmのメンブレンフィルターで濾過を行い記録液組成物を得た。
【0242】
[イエロー記録液5]
イエロー顔料分散液2 20重量%(顔料3重量%)
ジエチレングリコール 10重量%
N−メチル−2−ピロリドン 10重量%
ポリオキシエチレンノニルエーテル(ノニオン性界面活性剤) 3重量%
2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム(防腐剤)0.2重量%
イオン交換水 残量
【0243】
[マゼンタ記録液5]
マゼンタ顔料分散液2 26.7重量%(顔料4重量%)
ジエチレングリコール 10重量%
N−メチル−2−ピロリドン 10重量%
ポリオキシエチレンノニルエーテル(ノニオン性界面活性剤) 3重量%
2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム(防腐剤)0.2重量%
イオン交換水 残量
【0244】
[シアン記録液5]
シアン顔料分散液2 26.7重量%(顔料4重量%)
ジエチレングリコール 10重量%
N−メチル−2−ピロリドン 10重量%
ポリオキシエチレンノニルエーテル(ノニオン性界面活性剤) 3重量%
2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム(防腐剤)0.2重量%
イオン交換水 残量
【0245】
[ブラック記録液5]
ブラック顔料分散液2 26.7重量%(顔料4重量%)
ジエチレングリコール 10重量%
N−メチル−2−ピロリドン 10重量%
ポリオキシエチレンノニルエーテル(ノニオン性界面活性剤) 3重量%
2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム(防腐剤)0.2重量%
イオン交換水 残量
【0246】
《被記録材の前処理液の調製》
下記組成物を攪拌混合し、pHが7になるようにトリエタノールアミンで調整して被記録材の前処理液例11を作製した。
[被記録材の前処理液例11]
上記(32)項に記載のカチオン性高分子化合物 15重量%
(対イオンは塩素イオン:重量平均分子量6000)
アクリットUW319−SX 41重量%
(カチオン性のエマルジョン)
ポリオキシエチレンノニルエーテル(ノニオン性界面活性剤) 4重量%
グリセリン 20重量%
1,3−ジメチルイミダゾリジノン 20重量%
この前処理液の粘度を東京計器(株)製のB型回転粘度計で測定したところ、120mPa・s(25℃)であった。
【0247】
《前処理液付与及び画像記録評価》
前処理液例11を図1に示す画像記録装置の前処理液容器42に充填し、線速度45mm/sの速度で市販のコピー用紙、ボンド紙に付与したところ、2.5〜2.8g/m2の付着量であった。前処理液を付与した後、イエロー記録液5、マゼンタ記録液5、シアン記録液5、ブラック記録液5を用いて、各色ヘッドについて22μm径のノズルを128ノズル有する積層PZTを用いた印字ヘッド9により、25kHzの周波数、液滴重量10ngにて1200dpiの画素密度で画像形成し、実施例1と同様に画像品質およびコックリングの評価を行った。
結果を表1の実施例11に示した。
【0248】
比較例15
被記録材の前処理液を使用しない以外は実施例11と同一の記録液及び画像形成装置を用い、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示した。
【0249】
比較例16
《比較前処理液の調製》
本発明による画像記録方法と比較するために、下記の記録液の溶解性、分散性を低下せしめる化合物が低濃度の組成物(比較前処理液例4)を用いる以外は実施例11と同様に作製した。
[比較前処理液例4]
上記(43)項に記載のカチオン性高分子化合物 3重量%
(対イオンは塩素イオン、重量平均分子量 6000)
アクリットUW319−SX 4重量%
(カチオン性のエマルジョン)
ポリオキシエチレンノニルエーテル(ノニオン性界面活性剤) 4重量%
グリセリン 10重量%
1,3−ジメチルイミダゾリジノン 10重量%
イオン交換水 残量
この前処理液の粘度を東京計器(株)製のB型回転粘度計で測定したところ、7.6mPa・s(25℃)であった。
【0250】
《前処理液付与及び画像記録評価》
比較前処理液例4を用いた以外は実施例11と同様にして、前処理液の付与及び画像形成を行った。結果を表1に示した。
【0251】
比較例17
比較例16で作製した比較前処理液例4を用い、比較例5で用いた前処理液を吐出するためへッドを設け、変更を加えた図1の装置、比較例5と同様に前処理液の付与、画像形成し、評価した。結果を表1に示した。
【0252】
参考例6
下記組成物を攪拌混合し、pHが7.0になるように水酸化ナトリウム10%水溶液で調整して被記録材の前処理液例12を作製し、参考例5における前処理液例11を前処理液例12に置き換える以外は、参考例5と同様に前処理液の被記録材への付与、画像形成を行った。結果を表1に示した。
[被記録材の前処理液例12]
上記(30)項に記載のカチオン性高分子化合物例 16重量%
(対イオンは硝酸イオン)
CEP10AK97006
(キャボット・スペシャルティ・ケミカルズ・インク社製カチオンシリカ)
45重量%
ポリオキシエチレンアルキル酢酸リチウム(アニオン系界面活性剤)
1重量%
グリセリン 15重量%
1,6−ペンタンジオール 10重量%
トリエチレングリコール 10重量%
2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 3重量%
粘度:320mPa・s(25℃)
【0253】
参考例7
下記組成物を攪拌混合し、pHが7.0になるように水酸化リチウム10%水溶液で調整して被記録材の前処理液例13を作製し、参考例5における前処理液例11を前処理液例13に置き換える以外は、参考例5と同様に前処理液の被記録材への付与、画像形成を行った。結果を表1に示した。
[被記録材の前処理液例13]
上記(26)項に記載のカチオン性高分子化合物 12重量%
(対イオンは塩素イオン、R7、R8はメチル基、重量平均分子量9600)
アクリットRKW−450SX 50重量%
(大成化工社 スチレンーアクリル系カチオン性エマルジョン)
ポリオキシエチレンオレイルエーテル(ノニオン界面活性剤) 2重量%
トリエチレングリコール 19重量%
2−ピロリドン 11重量%
1,6−ヘキサンジオール 5重量%
安息香酸カリウム 1重量%
粘度:75mPa・s(25℃)
【0254】
参考例8
下記組成物を攪拌混合し、pHが7.0になるように水酸化リチウム10%水溶液で調整して被記録材の前処理液例14を作製し、参考例5における前処理液例11を前処理液例14に置き換える以外は、参考例5と同様に前処理液の被記録材への付与、画像形成を行った。結果を表1に示した。
[被記録材の前処理液例14]
上記(16)項に記載のカチオン性高分子化合物 12重量%
(Rはメチレン基、対イオンは塩素イオン、重量平均分子量12000)
スノーテックスAK(日産化学株式会社製カチオンシリカ) 50重量%
エチレンオキサイド−プロピレンオキサイドブロック重合体 5重量%
(ノニオン系界面活性剤)
ポリエチレングリコール200 15重量%
2−ピロリドン 10重量%
1,6−ヘキサンジオール 6重量%
安息香酸カリウム 2重量%
粘度:260mPa・s(25℃)
【0255】
実施例15
下記組成物を攪拌混合し、pHが6.5になるように水酸化ナトリウム10%水溶液で調整して被記録材の前処理液例15を作製し、参考例5における前処理液例11を前処理液例15に置き換える以外は、参考例5と同様に前処理液の被記録材への付与、画像形成を行った。結果を表1に示した。
[被記録材の前処理液例15]
上記(29)項に記載のカチオン性高分子化合物 46重量%
(j=k=2:重量平均分子量5000)
カチオン性モノマー化合物C−2(対イオンは塩素イオン) 8重量%
グリセリン 20重量%
1,5−ペンタンジオール 20重量%
ソフタノール70 (日本触媒製ノニオン界面活性剤) 1重量%
ペンタクロロフェノールナトリウム 0.1重量%
イオン交換水 残量
粘度:860mPa・s(25℃)
【0256】
実施例16
下記組成物を攪拌混合し、pHが6.5になるように水酸化ナトリウム10%水溶液で調整して被記録材の前処理液例16を作製し、実施例11における前処理液例11を前処理液例16に置き換える以外は、実施例11と同様に前処理液の被記録材への付与、画像形成を行った。結果を表1に示した。
[被記録材の前処理液例16]
カチオン性高分子化合物例5の化合物 27重量%
(重量平均分子量4000)
カチオン性モノマー化合物C−2(対イオンは塩素イオン) 8重量%
グリセリン 20重量%
1,5−ペンタンジオール 20重量%
ペンタクロロフェノールナトリウム 0.1重量%
イオン交換水 残量
粘度:760mPa・s(25℃)
【0257】
実施例17〜実施例25
実施例11に記載の各記録液、及び実施例16に記載の被記録材の前処理液例16を用い、被記録材を変えた以外は実施例11と同様に、前処理液の付与及び画像形成を行い評価した。結果を表1に示した。
【0258】
比較例18〜比較例28
実施例16〜実施例25のそれぞれの場合において、前処理液を付与しない以外は、実施例16〜実施例25と同様に画像形成を行い、比較した。結果を表1に示した。
比較例18:NBSリコー社製;マイペーパー 前処理液付与なし
比較例19:ゼロックス社製;4024 前処理液付与なし
比較例20:ゼロックス社製;ゼロックスペーパーR 前処理液付与なし
比較例21:AUSTRALIAN PAPER社製(オーストラリア);
REFLEX 前処理液付与なし
比較例22:NBSリコー社製;NBS複写印刷用紙90K 前処理液付与なし
比較例23:キャノン社製;PB用紙 前処理液付与なし
比較例24:NBSリコー社製;NBS複写印刷用紙45 前処理液付与なし
比較例25:本州製紙社製;やまゆり 前処理液付与なし
比較例26:リコー社製;紙源PPC用紙タイプS 前処理液付与なし
比較例27:ゼロックス社製;P紙 前処理液付与なし
比較例28:ゼロックス社製;マルチエース 前処理付液与なし
【0259】
【表1】
【表2】
【表3】
【0260】
実施例26
記録液組成物を調製するため、下記記録液処方にて材料を混合攪拌した後、pHが10.5になるように水酸化リチウム10%水溶液にて調整した。その後、平均孔径0.1μmのメンブレンフィルターで濾過を行い記録液組成物を得た。
【0261】
【0262】
【0263】
【0264】
また、下記組成物を攪拌混合し被記録材の前処理液17を作製し、pHが7になるようにトリエタノールアミンで調整した。この際の粘度は表4に記した。
【0265】
実施例27
記録液組成物を調製するため、下記記録液処方にて材料を混合攪拌した後、pHが9になるように水酸化リチウム10%水溶液にて調整して記録液とした。その後、平均孔径0.8μmのメンブレンフィルターで濾過を行い記録液組成物を得た。
【0266】
【0267】
【0268】
【0269】
また、下記組成物を攪拌混合し被記録材の前処理液を作製し、pHが7になるようにトリエタノールアミンで調整した。この際の粘度は表4に記した。
[被記録材の前処理液18]
上記一般式(1)を構造単位として含むポリエチレンイミン誘導カチオン性樹
脂(重量平均分子量5000) 70重量%
グリセリン 10重量%
1,5−ペンタンジオール 10重量%
ソフタノール70 (日本触媒製 ノニオン界面活性剤) 1重量%
ペンタクロロフェノールナトリウム 0.1重量%
イオン交換水 残量
【0270】
実施例28
記録液組成物を調製するため、下記記録液処方にて材料を混合攪拌した後、pHが9になるように水酸化リチウム10%水溶液にて調整して記録液とした。その後、カラー記録液は平均孔径0.1μm、ブラック記録液は平均孔径0.8μmのメンブレンフィルターで濾過を行い記録液組成物を得た。
【0271】
[イエロー記録液8]
C.I.アシッドイエロー23 1重量%
C.I.ダイレクトイエロー142 1重量%
N−メチル−2−ピロリドン 7重量%
ジエチレングリコール 15重量%
ジアルキルスルホ琥珀酸塩 1重量%
2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 1重量%
ペンタクロロフェノールナトリウム 0.4重量%
イオン交換水 残量
【0272】
[マゼンタ記録液8]
C.I.アシッドレッド254 2重量%
N−メチル−2−ピロリドン 7重量%
ジエチレングリコール 15重量%
ジアルキルスルホ琥珀酸塩 1重量%
2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 1重量%
ペンタクロロフェノールナトリウム 0.4重量%
イオン交換水 残量
【0273】
[シアン記録液8]
C.I.アシッドブルー249 2重量%
C.I.ダイレクトブルー199 1重量%
N−メチル−2−ピロリドン 7重量%
ジエチレングリコール 15重量%
ジアルキルスルホ琥珀酸塩 1重量%
2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 1重量%
ペンタクロロフェノールナトリウム 0.4重量%
イオン交換水 残量
【0274】
【0275】
また、下記組成物を攪拌混合し被記録材の前処理液を作製し、pHが7になるようにトリエタノールアミンで調整した。この際の粘度は表4に記した。
[被記録材の前処理液19]
上記一般式(1)を構造単位として含むポリエチレンイミン誘導カチオン性樹
脂(重量平均分子量15000) 20重量%
グリセリン 50重量%
1,6−ヘキサンジオール 1.5重量%
ソフタノール120 (日本触媒製 ノニオン界面活性剤) 1重量%
2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム 5重量%
イオン交換水 残量
【0276】
実施例29
記録液組成物を調製するため、下記記録液処方にて材料を混合攪拌した後、pHが9になるように水酸化リチウム10%水溶液にて調整して記録液とした。その後、カラー記録液は平均孔径0.1μm、ブラック記録液は平均孔径0.8μmのメンブレンフィルターで濾過を行い記録液組成物を得た。
【0277】
[イエロー記録液9]
C.I.アシッドイエロー23 1重量%
C.I.ダイレクトイエロー86 1重量%
グリセリン 5重量%
トリエチレングリコール 15重量%
ソフタノール120 (日本触媒製 ノニオン界面活性剤) 1重量%
ジエチレングリコールモノブチルエーテル 3重量%
2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム 0.4重量%
イオン交換水 残量
【0278】
[マゼンタ記録液9]
C.I.リアクティブレッド180 2重量%
C.I.アシッドレッド52 1重量%
グリセリン 5重量%
トリエチレングリコール 15重量%
ソフタノール120 (日本触媒製 ノニオン界面活性剤) 1重量%
ジエチレングリコールモノブチルエーテル 3重量%
2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム 0.4重量%
イオン交換水 残量
【0279】
[シアン記録液9]
C.I.アシッドブルー249 2重量%
C.I.リアクティブブルー7 1重量%
グリセリン 5重量%
トリエチレングリコール 15重量%
ソフタノール120 (日本触媒製 ノニオン界面活性剤) 1重量%
ジエチレングリコールモノブチルエーテル 3重量%
2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム 0.4重量%
イオン交換水 残量
【0280】
【0281】
また、下記組成物を攪拌混合し被記録材の前処理液を作製し、pHが7になるようにトリエタノールアミンで調整した。この際の粘度は表4に記した。
【0282】
実施例30
記録液組成物を調製するため、下記記録液処方にて材料を混合攪拌した後、pHが9になるように水酸化リチウム10%水溶液にて調整して記録液とした。その後、カラー記録液は平均孔径0.1μm、ブラック記録液は平均孔径0.8μmのメンブレンフィルターで濾過を行い記録液組成物を得た。
【0283】
【0284】
【0285】
[シアン記録液10]
C.I.アシッドブルー9 1重量%
Projet Fast Cyan2(アビシャ社製) 1重量%
グリセリン 5重量%
ジエチレングリコール 15重量%
ポリオキシエチレン(3)トリデシルエーテル酢酸ナトリウム
(アニオン界面活性剤) 2重量%
ソルビン酸ナトリウム 0.4重量%
イオン交換水 残量
【0286】
【0287】
また、下記組成物を攪拌混合し被記録材の前処理液を作製し、pHが7になるようにトリエタノールアミンで調整した。この際の粘度は表4に記した。
[被記録材の前処理液21]
上記一般式(2)を構造単位として含むポリエチレンイミン誘導カチオン性樹
脂(重量平均分子量15000) 50重量%
グリセリン 20重量%
トリエチレングリコール 10重量%
2−ピロリドン 10重量%
デヒドロ酢酸ナトリウム 0.4重量%
イオン交換水 残量
【0288】
参考例11
記録液組成物を調製するため、下記記録液処方にて材料を混合攪拌した後、pHが9になるように水酸化リチウム10%水溶液にて調整して記録液とした。その後、カラー記録液は平均孔径0.1μm、ブラック記録液は平均孔径0.8μmのメンブレンフィルターで濾過を行い記録液組成物を得た。
【0289】
【0290】
【0291】
[シアン記録液11]
C.I.アシッドブルー249 2重量%
C.I.ダイレクトブルー199 1重量%
グリセリン 5重量%
ジエチレングリコール 15重量%
ポリオキシエチレン(3)トリデシルエーテル酢酸ナトリウム
(アニオン界面活性剤) 1重量%
2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 1重量%
サンパックAP(三愛石油製防かび剤) 0.4重量%
イオン交換水 残量
【0292】
【0293】
また、下記組成物を攪拌混合し被記録材の前処理液を作製し、pHが7になるようにトリエタノールアミンで調整した。この際の粘度は表4に記した。
[被記録材の前処理液22]
上記一般式(2)を構造単位として含むポリエチレンイミン誘導カチオン性樹
脂(重量平均分子量10000) 30重量%
グリセリン 10重量%
サンパックAP(三愛石油製防かび剤) 0.4重量%
カチオンG−50(三洋化成社製アリキルジメチルベンジルアンモニウム
クロライド カチオン界面活性剤) 1重量%
イオン交換水 残量
【0294】
参考例12
記録液組成物を調製するため、下記記録液処方にて材料を混合攪拌した後、pHが9になるように水酸化リチウム10%水溶液にて調整して記録液とした。その後、カラー記録液は平均孔径0.1μm、ブラック記録液は平均孔径0.8μmのメンブレンフィルターで濾過を行い記録液組成物を得た。
【0295】
[イエロー記録液12]
C.I.アシッドイエロー23 1重量%
C.I.ダイレクトイエロー86 1重量%
グリセリン 10重量%
ポリオキシエチレン(3)トリデシルエーテル酢酸ナトリウム
(アニオン界面活性剤) 1重量%
2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 1重量%
2−ピロリドン 2重量%
サンパックAP(三愛石油製防かび剤) 0.4重量%
イオン交換水 残量
【0296】
【0297】
[シアン記録液12]
C.I.アシッドブルー249 2重量%
C.I.リアクティブブルー7 1重量%
グリセリン 10重量%
ポリオキシエチレン(3)トリデシルエーテル酢酸ナトリウム
(アニオン界面活性剤) 1重量%
2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 1重量%
2−ピロリドン 2重量%
サンパックAP(三愛石油製防かび剤) 0.4重量%
イオン交換水 残量
【0298】
【0299】
また、下記組成物を攪拌混合し被記録材の前処理液を作製し、pHが7になるようにトリエタノールアミンで調整した。この際の粘度は表4に記した。
[被記録材の前処理液23]
上記一般式(2)を構造単位として含むポリエチレンイミン誘導カチオン性樹
脂(重量平均分子量10000) 50重量%
グリセリン 5重量%
ジエチレングリコール 15重量%
カチオンG−50(三洋化成社製アリキルジメチルベンジルアンモニウム
クロライド カチオン界面活性剤) 1重量%
デヒドロ酢酸ナトリウム 0.4重量%
2−ピロリドン 残量
【0300】
参考例13
下記記録液処方にて混合攪拌した後、pHが9になるように水酸化リチウム10%水溶液にて調整して記録液とした。その後、カラー記録液は平均孔径0.1μm、ブラック記録液は平均孔径0.8μmのメンブレンフィルターで濾過を行い記録液組成物を得た。
【0301】
[イエロー記録液13]
C.I.アシッドイエロー23 1重量%
C.I.ダイレクトイエロー86 1重量%
グリセリン 5重量%
1,5−ペンタンジオール 15重量%
ポリオキシエチレン(3)トリデシルエーテル酢酸ナトリウム
(アニオン界面活性剤) 1重量%
デヒドロ酢酸ナトリウム 0.4重量%
イオン交換水 残量
【0302】
[マゼンタ記録液13]
C.I.リアクティブレッド180 2重量%
C.I.アシッドレッド52 1重量%
グリセリン 5重量%
1,5−ペンタンジオール 15重量%
ポリオキシエチレン(3)トリデシルエーテル酢酸ナトリウム
(アニオン界面活性剤) 1重量%
デヒドロ酢酸ナトリウム 0.4重量%
イオン交換水 残量
【0303】
[シアン記録液13]
C.I.アシッドブルー249 2重量%
C.I.リアクティブブルー7 1重量%
グリセリン 5重量%
1,5−ペンタンジオール 15重量%
ポリオキシエチレン(3)トリデシルエーテル酢酸ナトリウム
(アニオン界面活性剤) 1重量%
デヒドロ酢酸ナトリウム 0.4重量%
イオン交換水 残量
【0304】
【0305】
また、下記組成物を攪拌混合し被記録材の前処理液を作製し、pHが7になるようにトリエタノールアミンで調整した。この際の粘度は表4に記した。
【0306】
つぎに上記参考例9〜10、実施例28〜30、参考例11〜13記載の記録液及び被記録材の前処理液について、図1の装置を用い、被記録材の前処理液を表4に記載した付着量で、マイペーパー(NBSリコー社製)に付与した後、上記記録液を充填した下記記録ヘッドを有するインクジェットプリンターにて印写を行った。用いた記録ヘッドは、PZT圧電素子を駆動源として用いたヘッド、記録液を膜沸騰させるヒーターを備え、これを駆動源として用いたヘッドおよび静電気力を駆動源として用いたヘッドの3種類である。各記録ヘッドを用いた印写画像を下記項目ごとに総合的に評価し、得られた結果を表4に記した。
【0307】
1)画像濃度
黒色記録液のベタ画像の印字を行い、乾燥後、黒色記録液のベタ画像の濃度を反射型カラー分光測色濃度計(X−Rite社製)により測定した。1.45以上は◎、1.2〜1.44は○、1.2未満は×とした。
【0308】
2)色境界にじみ
記録媒体にイエローのベタ画像内にマゼンタ、シアン、ブラックの0.5mmの線画像をそれぞれ形成し、異なった色の記録液が隣接した場合に滲んでおこる色境界にじみの発生を目視により観察した。同様にシアンのベタ画像内にマゼンタ、イエロー、ブラックの0.5mmの線画像をそれぞれ形成した場合とマゼンタのベタ画像内にシアン、イエロー、ブラックの0.5mmの線画像をそれぞれ形成した場合についても色境界にじみの発生を観察した。目視で色境界にじみの発生がほとんど確認できず、実用上まったく問題なければ◎、目視で色境界にじみの発生が若干あり、小さい文字など使用状況によっては問題となる可能性のあるレベルの場合は△、目視で色境界にじみの発生があり、通常の使用でも問題となるレベルの場合は×とした。
【0309】
3)フェザリング
記録媒体にマゼンタ、シアン、イエロー、ブラックの0.5mmの線画像をそれぞれ形成し、フェザリングといった木材繊維に沿った形での滲みの発生が、10倍ルーペで観察してもほとんど認められない場合を◎、10倍ルーペで観察した場合に確認できるが、目視で確認できないレベルで、実用上問題なければ○、目視で確認でき、問題となるレベルの場合は×とした。
【0310】
4)色調
レッド、グリーン、ブルー、イエロー、マゼンタ、シアン色の印字を行い、乾燥後、色調を目視で10人に判定して、鮮明な色調ならば◎、許容できる場合を○、鮮明さにかける色調ならば×とした。
【0311】
5)裏抜け
記録媒体に反射型カラー分光測色濃度計(X−Rite社製)で測定した各記録液色での濃度が1.0となる様にベタ画像を形成した。この画像を裏面から目視観察し、ベタ画像の着色剤が裏面まで抜けており、両面印字に使用できないレベルの場合は×、ベタ画像の着色剤が裏面までは抜けていないが、ベタ画像と白地部分の境界が明らで両面印字に使用する場合支障がある場合は△、ベタ画像と白地部分の境界がほとんど不明確で両面印字に使用しても支障の無いレベルの場合は○、ベタ画像と白地部分の境界が完全に不明確で両面印字に使用しても支障の無い場合は◎として判定した。
【0312】
6)カール、コックリング
黒色記録液のベタ画像を印字し、カール、コックリングの発生がほとんど認められない場合は◎、若干の発生があるが、印字品質に問題を与えないレベルの場合は○、印字品質に問題を与えるレベルの場合は×とした。
【0313】
7)耐水性
記録媒体に各色記録液で形成されたベタ画像を、30℃のイオン交換水に60秒浸漬した後、0.1kg/cmの圧力で濾紙を押しつける。着色剤が濾紙に転写せず、画像の滲みも無い場合は◎、着色剤が若干濾紙に転写するが、画像の滲みは無い場合は○、着色剤が濾紙に転写し、画像の滲みも発生している場合は×とした。
【0314】
つぎに上記参考例9〜10、実施例28〜30、参考例11〜13記載の被記録材の前処理液について、図1の装置にセットし、下記の試験を行った。
【0315】
8) 被記録材の前処理液の保存性
被記録材の前処理液を図1の装置にセットしたまま、60℃、30日間放置し、その後問題なく使用できれば○、問題がある場合は×とした。
【0316】
比較例29
被記録材の前処理液を使用しない以外は実施例26と同様にして、1)〜5)、7)の試験を行った。
【0317】
比較例30
被記録材の前処理液を使用しない以外は実施例27と同様にして、1)〜5)、7)の試験を行った。
【0318】
比較例31
被記録材の前処理液を使用しない以外は実施例28と同様にして、1)〜5)、7)の試験を行った。
【0319】
比較例32
被記録材の前処理液を使用しない以外は実施例29と同様にして、1)〜5)、7)の試験を行った。
【0320】
比較例33
被記録材の前処理液を使用しない以外は実施例30と同様にして、1)〜5)、7)の試験を行った。
【0321】
比較例34
被記録材の前処理液を使用しない以外は参考例11と同様にして、1)〜5)、7)の試験を行った。
【0322】
比較例35
被記録材の前処理液を使用しない以外は参考例12と同様にして、1)〜5)、7)の試験を行った。
【0323】
比較例36
被記録材の前処理液を使用しない以外は参考例13と同様にして、1)〜5)、7)の試験を行った。
【0324】
比較例37
参考例11で用いた被記録材の前処理液22を、PZT圧電素子を駆動源として用いた記録ヘッドに充填し、被記録材に噴射した後、参考例11の各色の記録液を前処理液と別に用意した同様の記録ヘッドにそれぞれ充填し、被記録材に噴射し、1)〜8)の試験を行った。被記録材の前処理液は、各色の記録液が噴射される被記録材の部分に噴射した。しかしながら、前処理液を充填した記録ヘッドは吐出しなかった。
【0325】
比較例38
比較例37で用いた被記録材の前処理液22の代わりに、被記録材の前処理液25を使用した以外は比較例37と同様にして、1)〜8)の試験を行った。この液の粘度は表4に記した。
比較例37同様、前処理液を充填した記録ヘッドは吐出しなかった。
【0326】
比較例39
比較例37で用いた被記録材の前処理液25の代わりに、被記録材の前処理液26を使用した以外は比較例37と同様にして、1)〜8)の試験を行った。この液の粘度は表4に記した。
【0327】
参考例14〜参考例23
参考例に記載の各記録液及び被記録材の前処理液を用い、下記の記録媒体に対して上述の1)〜7)の試験を行った。試験結果は表4に記した。
参考例14: ゼロックス社製;ゼロックスペーパーR
(サイズ度8s,透気度20s)
参考例15: AUSTRALIAN PAPER社製(オーストラリア);
REFLEX (サイズ度25s,透気度4s)
参考例16: NBSリコー社製;NBS複写印刷用紙90K
(サイズ度60S,透気度68S)
参考例17: キャノン社製;PB用紙 (サイズ度21S,透気度8S)
参考例18: NBSリコー社製;NBS複写印刷用紙45K
(サイズ度11S,透気度45S)
参考例19: 本州製紙社製;やまゆり (サイズ度12S,透気度21S)
参考例20: リコー社製;紙源PPC用紙タイプS
(サイズ度22S,透気度13S)
参考例21: ゼロックス社製;P紙 (サイズ度24S,透気度19S)
参考例22: ゼロックス社製;マルチエース
(サイズ度25S,透気度17S)
参考例23: ゼロックス社製;Xerox 4024紙
(サイズ度32S,透気度21S)
【表4】
【0328】
参考例24
参考例9と同様にして、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの各記録液を調整した。また、下記組成物を攪拌混合し被記録材の前処理液を作製し、pHが7になるようにトリエタノールアミンで調整した。この際の粘度は表5に記した。
[被記録材の前処理液27]
セロポールYM−500(三洋化成工業株式会社製ジシアンジアミド樹脂)
8重量%
グリセリン 40重量%
エチレングリコール 40重量%
上記一般式(6)の界面活性剤 1重量%
安息香酸ナトリウム(防かび剤) 1重量%
イオン交換水 残量
【0329】
参考例25
参考例10と同様にして、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの各記録液を調整した。また、下記組成物を攪拌混合し被記録材の前処理液を作製し、pHが7になるようにトリエタノールアミンで調整した。この際の粘度は表5に記した。
[被記録材の前処理液28]
セロポールYM−600(三洋化成工業株式会社製ジシアンジアミド樹脂)
70重量%
グリセリン 10重量%
1,5−ペンタンジオール 10重量%
上記一般式(6)の界面活性剤 1重量%
ペンタクロロフェノールナトリウム(防かび剤) 0.1重量%
イオン交換水 残量
【0330】
実施例46
実施例28と同様にして、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの各記録液を調整した。また、下記組成物を攪拌混合し被記録材の前処理液を作製し、pHが7になるようにトリエタノールアミンで調整した。この際の粘度は表5に記した。
【0331】
実施例47
実施例29と同様にして、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの各記録液を調整した。また、下記組成物を攪拌混合し被記録材の前処理液を作製し、pHが7になるようにトリエタノールアミンで調整した。この際の粘度は表5に記した。
[被記録材の前処理液30]
Q105−H(ハイモ株式会社製ジシアンジアミド樹脂) 30重量%
グリセリン 25重量%
ジエチレングリコール 25重量%
2−ピロリドン 10重量%
上記一般式(7)の界面活性剤 1重量%
ソルビン酸ナトリウム(防かび剤) 1重量%
イオン交換水 残量
【0332】
実施例48
実施例30と同様にして、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの各記録液を調整した。また、下記組成物を攪拌混合し被記録材の前処理液を作製し、pHが7になるようにトリエタノールアミンで調整した。この際の粘度は表5に記した。
【0333】
参考例26
参考例11と同様にして、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの各記録液を調整した。また、下記組成物を攪拌混合し被記録材の前処理液を作製し、pHが7になるようにトリエタノールアミンで調整した。この際の粘度は表5に記した。
[被記録材の前処理液32]
セロポールYM−600(三洋化成工業株式会社製ジシアンジアミド樹脂)
30重量%
グリセリン 10重量%
サンパックAP(三愛石油製防かび剤) 0.4重量%
上記一般式(9)の界面活性剤 1重量%
イオン交換水 残量
【0334】
参考例27
参考例12と同様にして、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの各記録液を調整した。また、下記組成物を攪拌混合し被記録材の前処理液を作製し、pHが7になるようにトリエタノールアミンで調整した。この際の粘度は表5に記した。
[被記録材の前処理液33]
サンフィックス70(三洋化成工業株式会社製ジシアンジアミド樹脂)
50重量%
グリセリン 5重量%
ジエチレングリコール 15重量%
上記一般式(10)の界面活性剤 1重量%
デヒドロ酢酸ナトリウム(防かび剤) 0.4重量%
2−ピロリドン 残量
【0335】
参考例28
参考例13と同様にして、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの各記録液を調整した。また、下記組成物を攪拌混合し被記録材の前処理液を作製し、pHが7になるようにトリエタノールアミンで調整した。この際の粘度は表5に記した。
[被記録材の前処理液34]
Q105−H(ハイモ株式会社製ジシアンジアミド樹脂) 20重量%
グリセリン 10重量%
サンパックAP(三愛石油製防かび剤) 0.4重量%
上記一般式(11)の界面活性剤 2重量%
イオン交換水 残量
【0336】
つぎに上記参考例24〜38、実施例46〜48記載の記録液及び被記録材の前処理液について、参考例9〜10、実施例28〜30と同様にして1)〜8)の評価を行い、得られた結果を表5に記した。
【0337】
比較例40
被記録材の前処理液を使用しない以外は実施例44と同様にして、1)〜5)、7)の試験を行った。
【0338】
比較例41
被記録材の前処理液を使用しない以外は実施例45と同様にして、1)〜5)、7)の試験を行った。
【0339】
比較例42
被記録材の前処理液を使用しない以外は実施例46と同様にして、1)〜5)、7)の試験を行った。
【0340】
比較例43
被記録材の前処理液を使用しない以外は実施例47と同様にして、1)〜5)、7)の試験を行った。
【0341】
比較例44
被記録材の前処理液を使用しない以外は実施例48と同様にして、1)〜5)、7)の試験を行った。
【0342】
比較例45
被記録材の前処理液を使用しない以外は実施例49と同様にして、1)〜5)、7)の試験を行った。
【0343】
比較例46
被記録材の前処理液を使用しない以外は参考例26と同様にして、1)〜5)、7)の試験を行った。
【0344】
比較例47
被記録材の前処理液を使用しない以外は実施例51と同様にして、1)〜5)、7)の試験を行った。
【0345】
比較例48
実施例49で用いた被記録材の前処理液32を、PZT圧電素子を駆動源として用いた記録ヘッドに充填し、被記録材に噴射した後、実施例49の各色の記録液を前処理液と別に用意した同様の記録ヘッドにそれぞれ充填し、被記録材に噴射し、1)〜8)の試験を行った。被記録材の前処理液は、各色の記録液が噴射される被記録材の部分に噴射した。しかしながら、前処理液を充填した記録ヘッドは吐出しなかった。
【0346】
比較例49
比較例48で用いた被記録材の前処理液32の代わりに、被記録材の前処理液35を使用した以外は比較例48と同様にして、1)〜8)の試験を行った。この液の粘度は表5に記した。
比較例48同様、前処理液を充填した記録ヘッドは吐出しなかった。
【0347】
比較例50
比較例48で用いた被記録材の前処理液32の代わりに、被記録材の前処理液36を使用した以外は比較例48と同様にして、1)〜8)の試験を行った。この液の粘度は表5に記した。
【0348】
実施例52〜実施例61
実施例49に記載の各記録液及び被記録材の前処理液を用い、下記の記録媒体に対して上述の1)〜7)の試験を行った。試験結果は表5に記した。
【0349】
【表5】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示す装置の側面断面図である。
【図2】本発明の他の実施の形態の一例を示す装置の側面断面図である。
【図3】本発明の実施の形態の一例を示すシーケンス図である。
【図4】本発明の他の実施の形態の一例を示すシーケンス図である。
【符号の説明】
1前処理液
2膜厚制御ローラ
3汲み上げローラ
4塗布ローラ
5カウンタローラ
6用紙
7給紙ローラ
8給紙トレイ
11、12、14,13、15,16用紙送りローラ
17用紙
18給紙ローラ
20記録ヘッド
21インクカートリッジ
22キャリッジ軸
23キャリッジ
31用紙ガイド
33用紙送りローラ
34用紙戻しガイド
Claims (41)
- 画像を形成する被記録材表面に前処理液を付与し、
該前処理液が乾燥固化する前に、色材を含む記録液を画像信号に従って液滴として吐出し、
該記録液を被記録材に付着させて画像を形成する画像記録方法において、
上記前処理液が水、水溶性有機溶剤及び上記記録液の分散性又は溶解性を低下せしめる化合物としてカチオン性高分子化合物を含み、該カチオン性高分子化合物の含有量が20〜60重量%であり、かつ、25℃における粘度が100〜10000mPa・sであり、水の含有量が5〜40%以下であり、水溶性有機溶剤の含有量が5〜70重量%であることを特徴とする画像記録方法。 - 上記カチオン性高分子化合物が上記記録液中の色材の分散性又は溶解性を低下せしめる化合物であることを特徴とする請求項1に記載の画像記録方法。
- 上記前処理液を上記被記録材に付与する際、付着量が0.5g/m2〜10g/m2となるように付与することを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の画像記録方法。
- 上記前処理液の付与後の被記録材に対する上記記録液の接触角が90度以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の画像記録方法。
- 上記前記前処理液が表面張力40〜60mN/mであり、上記記録液が表面張力20〜40mN/mである請求項1〜4のいずれかに記載の画像記録方法。
- 上記前処理液を上記被記録材に付与する際、上記被記録材の画像が形成される部分以外にも前処理液を付与することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の画像記録方法。
- 上記前処理液を上記被記録材に付与する際、被記録材に当接する付与手段で被記録材表面に前処理液を付与することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の画像記録方法。
- 上記被記録材に当接する付与手段がローラであることを特徴とする請求項7に記載の画像記録方法。
- 上記被記録材に当接する付与手段を用いて前処理液を被記録材に付与した後、前処理液が乾燥する前に記録液に熱エネルギーを作用させることを特徴とする請求項7又は8に記載の画像記録方法。
- 上記被記録材がパルプ繊維を主成分とし、サイズ度10S以上、透気度5〜50Sであることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の画像記録方法。
- 上記記録液がアニオン性の化合物及び/又はアニオン性の色材を含むことを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の画像記録方法。
- 上記アニオン性の化合物及び/又はアニオン性の色材が、アニオン性染料、アニオン性分散剤で分散された顔料又は染料、アニオン性基で修飾された顔料及びアニオン性着色微粒子からなる群から選ばれる少なくとも一つであることを特徴とする請求項11に記載の画像記録方法。
- 請求項1〜12のいずれかに記載の画像記録方法に用いられる前処理液であって、水、水溶性有機溶剤及び記録液の分散性又は溶解性を低下せしめる化合物としてカチオン性高分子化合物を含み、該カチオン性高分子化合物の含有量が20〜60重量%であり、かつ、25℃における粘度が100〜10000mPa・sであり、水の含有量が5〜40%以下であり、水溶性有機溶剤の含有量が5〜70重量%であることを特徴とする無色もしくは薄色の被記録材の前処理液。
- 水の含有量を、含有する水溶性液状化合物の60%RHにおける平衡水分量以下としたことを特徴とする請求項13に記載の被記録材の前処理液。
- カチオン性高分子化合物が下記一般式(1)および/または式(2)を構造単位として含むカチオン性樹脂であることを特徴とする請求項13〜14のいずれかに記載の被記録材の前処理液。
(D1は下式(3)または式(4)に示される置換基を表し、D2はD1に独立で水素原子、または式(3)、式(4)を表す。nは自然数、mはm≧0の整数を表す)
(式(3)および式(4)中、R9およびR10は互いに独立で水素原子、または炭素数1〜12のアルキル基またはアリル基を表し、R11およびR12は互いに独立で水素原子、またはアルカリ金属、下式(5)に示される置換基を表す)
(式(5)中、R13〜R16はそれぞれ独立で水素原子、または任意のアルキル基、アリル基、ヒドロキシアルキル基、ベンジル基から選ばれる置換基を表す) - 上記カチオン性高分子化合物が液媒体に粒子として分散されていることを特徴とする請求項13〜33のいずれかに記載の被記録材の前処理液。
- 上記記録液の分散性又は溶解性を低下せしめる化合物が、カチオン性シリカを含むことを特徴とする請求項13〜34のいずれかに記載の被記録材の前処理液。
- 上記記録液の分散性又は溶解性を低下せしめる化合物が、カチオン性エマルジョンを含むことを特徴とする請求項13〜35のいずれかに記載の被記録材の前処理液。
- 上記記録液の分散性又は溶解性を低下せしめる化合物が、水溶性の多価金属塩を含むことを特徴とする請求項13〜36のいずれかに記載の被記録材の前処理液。
- 界面活性剤および/又は濡れ促進剤を含み、かつ、表面張力が40mN/m以下に調整されていることを特徴とする請求項13〜37のいずれかに記載の被記録材の前処理液。
- 上記界面活性剤が下記一般式(6)〜(11)で表される少なくとも1種であることを特徴とする請求項38に記載の被記録材の前処理液。
(式(6)中、R17はラウリル基、ステアリル基及びミリスチル基のいずれかを表す)
(式(7)中、R18及びR19は分岐してもよい炭素数3以上のアルキル基を表し、Mはアルカリ金属、アンモニウム、アルカノールアミン、4級アンモニウムまたは第4級ホスホニウムを表す)
(式(8)中、R20及びR21は炭素数5〜7のアルキル基を表し、mは5〜20の整数を表す)
(式(9)中、R22は炭素数6〜14の分岐してもよい炭素鎖を表し、nは5〜20の整数を表す)
(式(10)中、m、nは0〜20の整数を表す)
(式(11)中、R23は炭素数6〜14の分岐してもよい炭素鎖を表し、m、nは0〜20の整数を表す) - 上記界面活性剤の含有量が0.1〜10重量%であることを特徴とする請求項38又は39に記載の被記録材の前処理液。
- 防腐材及び/又は防かび剤が0.1〜5重量%含まれていることを特徴とする請求項13〜40のいずれかに記載の被記録材の前処理液。
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