JP4592932B2 - フィルタ部材の吊り下げ治具及び吊り下げ支持方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般産業復水、上水、工業用水、工場排水、発電所用水、ボイラ復水処理等のろ過などに用いられるフィルタ部材の吊り下げ治具及び吊り下げ支持方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、火力発電所では、ボイラで発生した水蒸気を高圧タービン、低圧タービンの順に送り、各タービンで発電機を回転させて発電し、発電後の蒸気を復水器で冷却して復水として復水浄化系へ送り、繰り返し使用している。復水浄化系では、復水をろ過装置、復水脱塩装置の順に送り、ボイラ等の機器類や配管等の配管材料から発生した酸化鉄微粒子等の懸濁物質やCuイオン、Naイオン、Clイオン等の種々のイオン成分を除去した後、復水を低圧給水加熱器、高圧給水加熱器の順に通し、ボイラへ送る。
【0003】
また、沸騰水型原子力発電所(BWR)では、原子炉で発生した水蒸気を高圧タービン、低圧タービンの順に送り、各タービンで発電機を回転させて発電し、発電後の蒸気を復水器で冷却して復水として復水浄化系へ送り、繰り返し使用している。復水浄化系では、復水をろ過装置、復水脱塩装置の順に送り、原子炉等の機器類や配管等の配管材料から発生した酸化鉄微粒子等の懸濁物質やCuイオン、Naイオン、Clイオン等の種々のイオン成分を除去した後、復水を低圧給水加熱器、高圧給水加熱器の順に通し、原子炉へ送る。また、発電所には復水浄化系のほかに、原子炉冷却材浄化系や燃料プール冷却浄化系が付設されており、これらの浄化系においても系内で発生した懸濁物質やイオン成分を除去している。
【0004】
上記した各浄化系で使用されるろ過装置としては、例えば、塔本体内に横設される目板に形成された集水孔に、フィルタ部材を吊り下げ支持させたものが用いられる。ろ過エレメントとしては、例えば、コアの周囲にろ過膜を例えばプリーツ状に折り畳んで配設すると共に、外側を例えばポリプロピレン製ネットで被覆した略筒状のカートリッジ型のものが用いられ、このろ過エレメントの中空部に多孔管を貫通配置し、この多孔管の上端側を、上記した目板の集水孔に挿入し、目板を境に上部に形成されるろ過水室側に突出させ、ナット部材等を用いて固定し吊り下げている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
多孔管の上端側を目板の集水孔に挿入するに当たっては、従来、次のように行っている。まず、作業者を目板下部のエレメント室内と、目板上部のろ過水室内に配置し、サイドマンホールを通じて約2m余りあるフィルタ部材をエレメント室内に搬入する。次に、エレメント室内の作業者がこのフィルタ部材を略垂直方向に持ち上げ、フィルタ部材の多孔管の上端側を、目的とする集水孔に挿入し、該上端側をろ過水室側に所定量突出させた状態で保持する。そして、ろ過水室内の作業者が、多孔管の上端側にナット部材を装着して係止する。
【0006】
しかしながら、エレメント室内の塔下部から目板までの高さは、通常約3〜4mほどある。従って、エレメント室内の作業者がフィルタ部材を持ち上げて、約2m先の多孔管の上端側を、所定の集水孔を目指して挿入することは容易ではない。しかも、フィルタ部材が吊り下げられる集水孔は、直径約2〜2.5m程度の目板に対して数百個単位で設けられているため、その全てに上記のように作業者が持ち上げてフィルタ部材を挿入することは、大変な労力を要し、作業時間も長く要する。
【0007】
本発明は上記に鑑みなされたものであり、フィルタ部材を目板の集水孔に挿入して吊り下げ支持する作業を容易化し、安全性を高め、取付作業時間の短縮化を図ることができるフィルタ部材の吊り下げ治具及び吊り下げ支持方法を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1記載の本発明では、塔本体内に設けられた目板の集水孔に多孔管の上端側を挿通し、目板上部のろ過水室側に突出させて、ろ過水室側で係止することにより、多孔管の周囲にろ過エレメントが装着されてなるフィルタ部材を吊り下げ支持する際に用いられる吊り下げ治具であって、
引き上げ部材用の連結部を先端付近に備え、該引き上げ部材により、目板下部のエレメント室から集水孔を通過してろ過水室側へと引き上げられる棒状の先導部材と、
前記先導部材の後端付近に装着されると共に、前記多孔管の上端開口部から挿入されて多孔管内周面に圧接可能に設けられ、前記引き上げ部材による引き上げ時にフィルタ部材を連結状態で保持する連結用パッキンとを具備し、
前記先導部材の少なくとも1箇所に、任意の方向に屈曲可能な関節部が設けられていることを特徴とする吊り下げ治具を提供する。
請求項2記載の本発明では、先導部材の軸方向に沿って前記連結用パッキンを押圧可能なナット部材を有し、該ナット部材を締め付けることにより、連結用パッキンの外周面を外方に膨出させて多孔管内周面に圧接可能であることを特徴とする請求項1記載の吊り下げ治具を提供する。
請求項3記載の本発明では、前記引き上げ部材用の連結部と連結用パッキンとの間に設けられ、先導部材の先端方向に向かって先細りとなるガイド用パッキンを有することを特徴とする請求項1又は2記載の吊り下げ治具を提供する。
請求項4記載の本発明では、塔本体内に設けられた目板の集水孔に、多孔管の周囲にろ過エレメントが装着されてなるフィルタ部材を吊り下げ支持する方法であって、
少なくとも1箇所に、任意の方向に屈曲可能な関節部を有する棒状の先導部材の先端付近に引き上げ部材を連結する工程と、
前記先導部材の後端付近に装着された連結用パッキンを、前記多孔管の上端開口部からその内部に挿入し、多孔管内周面に圧接させる工程と、
引き上げ部材を目板上部のろ過水室側で引き上げ操作し、前記先導部材を目板下部のエレメント室から集水孔を通過させてろ過水室側へと引き上げ、多孔管の上端側をろ過水室側へ所定量突出させる工程と、
前記連結用パッキンによる多孔管内周面への圧接力を解除し、連結用パッキンを備えた先導部材を取り外す工程と、
多孔管の上端側をろ過水室側で係止する工程とを具備することを特徴とするフィルタ部材の吊り下げ支持方法を提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に、図面に示した実施形態に基づき本発明をさらに詳細に説明する。図1は、本発明の一の実施形態に係る吊り下げ治具100を示す側面図である。この図に示したように、吊り下げ治具100は、先導部材200と連結用パッキン310とを有している。
【0010】
先導部材200は、2本の棒状部材210,220から構成される。第1の棒状部材210の先端には、引き上げ部材であるロープ400を連結するため、リング状に折り曲げ加工した引き上げ部材用連結部210aが形成され、後端には、第2の棒状部材220を連結するため、同じくリング状に加工した後端接続部210bが形成されている。第2の棒状部材220の先端には、リング状に加工した先端接続部221aが形成されており、この先端接続部221aが第1の棒状部材210の後端接続部210bに係合している。第2の棒状部材220の先端接続部221aと第1の棒状部材210の後端接続部210bとが係合していることにより、当該部位が一方を他方に対して任意の方向に屈曲させる関節部として機能する。先導部材200が1本の棒状部材からなり、関節部を有していない場合には、目板10の集水孔10aに挿通させた際に、引き上げ部材であるロープ400により、先導部材200の全てが集水孔10aを通過するまで真っ直ぐ引き上げる必要があるが、このように関節部として機能する部位を1箇所以上設けることにより、引き上げ方向が多少傾いても先導部材200を集水孔10aに容易に通過させることができる。
【0011】
先導部材200の第2の棒状部材220は、より具体的には、周面に雄ねじ部221b,222bが形成され、長手方向略中央部で先端ロッド部221と後端ロッド部222とに分断されている。先端ロッド部221は、上記のように先端接続部221aを有し、後端ロッド部222は、後端にボルト頭部222aを位置させ、その先端を、先端ロッド部221の後端に突き合わせるように配置して、両者を接続用ナット223により連結している。
【0012】
後端ロッド部222には、上記のようにして接続用ナット223を用いて先端ロッド部221に連結する前に、ボルト頭部222aに当接するように平座金300が配置され、さらに、連結用パッキン310、平座金320、押圧用ナット部材330及びガイド用パッキン340が順に挿入される。
【0013】
連結用パッキン310は、3枚のゴム製の板部材311〜313を積層して構成される。連結用パッキン310は、押圧用ナット部材330によって押圧しない状態では、後述するフィルタ部材2の多孔管21内に容易に挿通できる外径で形成されている一方、押圧用ナット部材330をボルト頭部222a方向に締め付けることにより、平座金300,320を介して後端ロッド部222の軸方向に押圧され、この結果、周面が外方に膨出し、多孔管21の内周面に圧接するものである。なお、連結用パッキン310は、かかる機能を発揮し得る限り、板部材311〜313の積層枚数、形状等は限定されるものではない。また、ゴムではなく、合成樹脂材料から形成することもできる。
【0014】
連結用パッキン310により保持される多孔管21を、集水孔10aに直接導いた場合には、多孔管21の先端部が集水孔10aの周囲の目板下面に当接し、目板10に積層されている保護ライナーを損傷する。そこで、多孔管21の先端部を、目板下面に接触しないように集水孔10aに挿通するため、ガイド用パッキン340が配設される。ガイド用パッキン340は、かかる機能を果たすため、その後端側の外径は、多孔管21の外径とほぼ同じ程度である一方、先端方向に向かって先細りとなるテーパ状に形成されている。テーパ部340aの先端側から集水孔10aに挿入されるため、外径の大きな後端側が通過する時点で、多孔管21の先端部が集水孔10aの真下に位置することになり、集水孔10aへの挿入時に多孔管21の先端部が目板下面に接触することが防止される。ガイド用パッキン340としては、ゴムから形成することが好ましいが、合成樹脂から形成することもできる。なお、ガイド用パッキン340の先端面は、上記の接続用ナット223に当接しており、これにより後端ロッド部222における装着位置が規制されている。
【0015】
ここで、本実施形態の吊り下げ治具100により吊り下げ対象となるフィルタ部材2の一例及び該フィルタ部材2を用いたろ過装置の概略構造について図2〜図9に基づき説明する。これらの図において、1はろ過装置の塔本体を示し、2はフィルタ部材を示す。塔本体1内には、複数の集水孔10aが形成された目板10が配設されており、この目板10を境として上部にろ過水室11が、下部にエレメント室12が形成されている。
【0016】
フィルタ部材2は、複数の集水孔10aのそれぞれに対応して、エレメント室12内に複数吊り下げ支持される。そして、処理対象となる被処理水は、流入管13を介してエレメント室12内に流入し、流入した被処理水は塔下部(鏡板)にあたることにより塔下部がバッフルプレートの役目を果たし、塔内に均一に分配されて、フィルタ部材2を通過してろ過され、ろ過水としてろ過水室11内に流入した後、流出管14から次工程へ送られる。
【0017】
フィルタ部材2は、図3に示したように、軸部材である多孔管21と、この多孔管21の周囲に装着されるろ過エレメント22とを有して構成されている。多孔管21は、図4に示したように、例えばステンレスから形成され、周面に多数の小穴21aが形成されており、その長さ方向に沿って複数本、例えば、2本のろ過エレメント22を支持可能な長さを有している(図3参照)。
【0018】
なお、多孔管21において、目板10に吊り下げた際に下端側となる端部には端壁部材21bが固着されており、この端壁部材21bに下部ボルト21cが外方に突出するように固着されている。また、目板10に吊り下げた際に上端側となる端部から所定長さ下端方向に寄った位置には、その外周にフランジ21dが溶接されている。目板10の集水孔10aに下方から挿入した際、該フランジ21dが目板10の下面に当接し、ろ過水室11側への多孔管21の突出量を規制して一定にするものである。従って、フランジ21dの溶接位置は、多孔管21を集水孔10aに挿通した際に、該集水孔10aを貫通した上で、ろ過水室11側で、リーク防止のガスケット21g及び集水孔10aからの脱落を防止する上部ナット21f、ロックナット21eを締結し得る位置となっている(図3及び図5参照)。
【0019】
ろ過エレメント22は、図8に示したように、例えば、円筒形のコア23の周囲に、ろ過膜24をプリーツ状に折り畳んだ状態で略筒状に配設すると共に、その外周をポリプロピレン製のネット部材25で被覆したプリーツ型フィルタが用いられる。このろ過エレメント22の各端部には、ろ過膜を保持するための略環状のエンド部材26が配設されており、また、コア23の各端部23a,23bが外方に突出している。なお、上記の多孔管21は、このコア23を貫通して配設される。
【0020】
図3に示した態様では、ろ過エレメント22が、多孔管21の長手方向に沿って2本配設されており、上側に配置されるろ過エレメント22におけるコア23の上端側の端部23aには、図6に示したように、Oリング23cを介在させた上で、上部ソケット27が装着されている。また、下側に配置されるろ過エレメント22におけるコア23の下端側の端部23bには、図7に示したように、中央部に多孔管21のボルト21cが挿通される挿通孔を有する下部ソケット28がOリング23cを介在させた上で装着されている。なお、挿通孔からの未処理水のリークを防止するため、下部ソケット28を挟んだボルト21cの周囲には、封止用ガスケット28a,28bが装填されている。さらに、上側に配置されたろ過エレメント22の下端側の端部23bと下側に配置されたろ過エレメント22の上端側の端部23aとの間には、図3に示したように、それぞれOリング(図示せず)を介在させた上で、両者間を密閉的に接続する接続ソケット29が装着されている。
【0021】
ボルト21cにおける下部ソケット28の下側には、ろ過エレメント22の下端位置を規制する下端位置規制部材としての下部ナット30がワッシャ30aを介して配設されている(図3及び図7参照)。もちろん、この下部ナット30は、ろ過エレメント22の下方への移動を防止できるものであればよく、かかる機能を果たせる限り、その配設数は何ら限定されるものではない。
【0022】
また、下部ナット30の下側においては、ボルト21cをフラットバー31に形成された連結孔に挿通することにより、該フラットバー31に係合させており、フラットバー31のボルト21cからの離脱を防止すると共に、上記の下部ナット30と共にろ過エレメント22の下端位置を規制する機能も担う2つのロックナット32,33を螺合させている。なお、フラットバー31とは、図9に示したように格子状に形成され、前後左右に所定間隔ごとに上記連結孔が穿設された構造を有しており、塔本体1内に多数配置されるフィルタ部材2における多孔管21のボルト21c同士を連結して、隣接するフィルタ部材2同士の間隔を一定に保つ役割を果たすものである。
【0023】
多孔管21を目板10の集水孔10aに挿通して取り付けた際に、該目板10と上記した上側に配置されるろ過エレメント22との間、図5に示した態様では、多孔管21に目板10の下面に当接するフランジ21dを有していると共に、上記のように該ろ過エレメント22の上端側のコア端部23aに、上部ソケット27を装着していることから、このフランジ21dと上部ソケット27との間であって、多孔管21回りにバネ部材としてのコイルスプリング40を配設している。このコイルスプリング40は、上端がフランジ21dに当接し、下端が上部ソケット27に当接しているため、常態において、2本のろ過エレメント22を含む上部ソケット27から下部ソケット28までの部位の全てを、下端位置規制部材である下部ナット30に押し付けるように弾発付勢する。すなわち、各ろ過エレメント22を下端位置規制部材である下部ナット30に向かって常時付勢するように機能する。このコイルスプリング40の弾発付勢力により、ろ過エレメント22の製作許容誤差及び通水による収縮量を吸収し、隙間の発生を防ぎ、ろ過エレメント22を通過しない未処理水が生じることを防止できる
【0024】
次に、本実施形態の吊り下げ治具100を用いてフィルタ部材2を吊り下げる方法について図10に基づき説明する。まず、図10(a)に示したように、ろ過水室11とエレメント室12に作業者を配置する。そして、エレメント室12のサイドマンホール15からフィルタ部材2をエレメント室12内に挿入する。
【0025】
次に、ろ過水室11内の作業者が、フィルタ部材2を吊り下げようとする所定の集水孔10aを通じて、吊り下げ治具100をエレメント室12内におろす。図10(b)に示したように、エレメント室12内の作業者はこの吊り下げ治具100を受け取った後、多孔管21の上端開口部から連結用パッキン310を挿入する。押圧用ナット部材330により連結用パッキン310をボルト頭部222aに向かって締め付け、連結用パッキン310の周面を外方に膨出させるように押圧し、多孔管21の内周面に連結用パッキン310を圧接する。これにより、連結用パッキン310が多孔管21に連結される。
【0026】
次に、ろ過水室11内の作業者が、ロープ400を引っ張る。これにより、まず、先導部材200の第1の棒状部材210が集水孔10aを通過し、次に、第2の棒状部材220が集水孔10aを通過する。この際、第2の棒状部材220の中途に設けられたガイド用パッキン340の先細りとなっているテーパ部340aがその先端側から該集水孔10a内に進入していく。テーパ部340aの通過に伴って多孔管21の軸ぶれが修正されていき、目板10の下面の保護ライナーを損傷することなく、集水孔10aに対して多孔管21がほぼ真っ直ぐ挿入される。
【0027】
多孔管21のフランジ21dが目板10の下面に当接するまで挿入されたならば、ろ過水室11の作業者が、吊り下げ治具100の押圧用ナット部材330を緩める。この結果、連結用パッキン310が、外方へ膨出することにより、多孔管21の内周面へ付与していた圧接力がなくなる。そして、作業者は、速やかに吊り下げ治具100を多孔管21から引き抜く。吊り下げ治具100を引き抜いたならば、座金21gを挿入して上部ナット21fにて締結する(図10(c)及び図5参照)。トルクレンチにて上部ナット21fの締め付けトルク値が所定の基準値に至るまで締め付けたならば、最後にロックナット21eを多孔管21に締結する。これにより、一つのフィルタ部材2の取付作業が終了する。なお、この間、エレメント室12内の作業者はフィルタ部材2の落下を防止するため、エレメント室12内で該フィルタ部材2を支えておく(図10(c)参照)。
【0028】
上記した作業を繰り返し、目的とする集水孔10aに対して、フィルタ部材2を順次吊り下げていく(図10(d)参照)。目板10の全ての集水孔10aにフィルタ部材2を吊り下げ支持したならば、下部ボルト21cをフラットバー31に形成された連結孔に挿通し、下部ボルト21cに2つのロックナット32,33を螺合させる(図7及び図9参照)。
【0029】
【発明の効果】
本発明によれば、吊り下げ治具が、引き上げ部材用の連結部を先端付近に備え、該引き上げ部材により、目板下部のエレメント室から集水孔を通過してろ過水室側へと引き上げられる棒状の先導部材と、前記先導部材の後端付近に装着されると共に、前記多孔管の上端開口部から挿入されて多孔管内周面に圧接可能に設けられ、前記引き上げ部材による引き上げ時にフィルタ部材を連結状態で保持する連結用パッキンとを有し、前記先導部材の少なくとも1箇所に、任意の方向に屈曲可能な関節部が設けられている。
【0030】
従って、目板上部のろ過水室内の作業者が引き上げ部材によりこの吊り下げ治具を引き上げるだけで、先導部材に案内されるフィルタ部材の多孔管が、目的とする集水孔に確実にかつ容易に挿入されるため、取り付け作業の容易化を図り、また作業の安全性を高めることができる。また、このような吊り下げ治具を使用する場合、ろ過水室側からの引き上げに当たって、目板に対して数百本単位で取り付けられるフィルタ部材との連結作業が必要となるが、本発明によれば、多孔管の上端開口部から連結用パッキンを挿入して多孔管内周面に圧接させるだけでフィルタ部材と連結できることから、この連結作業がきわめて容易であり、連結作業に伴う作業負担の増加が小さい。また、その取り外し作業も容易である。従って、吊り下げ治具を用いていなかった従来の取付方法と比較して、取付作業に要する総作業時間の短縮化を図ることができる。さらに、先導部材が関節部を有していない場合には、目板の集水孔に挿通させた際に、引き上げ部材により、先導部材の全てが集水孔を通過するまで真っ直ぐ引き上げる必要があるが、関節部として機能する部位を1箇所以上設けたことにより、引き上げ方向が多少傾いても先導部材を集水孔に容易に通過させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一の実施形態に係る吊り下げ治具を示す側面図である。
【図2】本発明の吊り下げ治具及び吊り下げ支持方法が適用されるろ過装置の全体構造の一例を示す図である。
【図3】本発明の吊り下げ治具及び吊り下げ支持方法が適用されるフィルタ部材の一例を示す図である。
【図4】上記フィルタ部材で用いた多孔管を示す図である。
【図5】図3のA部拡大図である。
【図6】図5のC部拡大図である。
【図7】図3のB部拡大図である。
【図8】上記フィルタ部材で用いたろ過エレメントの一部を示す斜視図である。
【図9】フラットバーを示す図である。
【図10】本発明の吊り下げ支持方法の一の実施形態を説明するための作業工程図である。
【符号の説明】
1 塔本体
10 目板
10a 集水孔
11 ろ過水室
12 エレメント室
2 フィルタ部材
21 多孔管
22 ろ過エレメント
27 上部コアソケット
28 下部コアソケット
29 連結用コアソケット
30 下部ナット
40 コイルスプリング
100 吊り下げ治具
200 先導部材
310 連結用パッキン
330 押圧用ナット部材
340 ガイド用パッキン
Claims (4)
- 塔本体内に設けられた目板の集水孔に多孔管の上端側を挿通し、目板上部のろ過水室側に突出させて、ろ過水室側で係止することにより、多孔管の周囲にろ過エレメントが装着されてなるフィルタ部材を吊り下げ支持する際に用いられる吊り下げ治具であって、
引き上げ部材用の連結部を先端付近に備え、該引き上げ部材により、目板下部のエレメント室から集水孔を通過してろ過水室側へと引き上げられる棒状の先導部材と、
前記先導部材の後端付近に装着されると共に、前記多孔管の上端開口部から挿入されて多孔管内周面に圧接可能に設けられ、前記引き上げ部材による引き上げ時にフィルタ部材を連結状態で保持する連結用パッキンとを具備し、
前記先導部材の少なくとも1箇所に、任意の方向に屈曲可能な関節部が設けられていることを特徴とする吊り下げ治具。 - 先導部材の軸方向に沿って前記連結用パッキンを押圧可能なナット部材を有し、該ナット部材を締め付けることにより、連結用パッキンの外周面を外方に膨出させて多孔管内周面に圧接可能であることを特徴とする請求項1記載の吊り下げ治具。
- 前記引き上げ部材用の連結部と連結用パッキンとの間に設けられ、先導部材の先端方向に向かって先細りとなるガイド用パッキンを有することを特徴とする請求項1又は2記載の吊り下げ治具。
- 塔本体内に設けられた目板の集水孔に、多孔管の周囲にろ過エレメントが装着されてなるフィルタ部材を吊り下げ支持する方法であって、
少なくとも1箇所に、任意の方向に屈曲可能な関節部を有する棒状の先導部材の先端付近に引き上げ部材を連結する工程と、
前記先導部材の後端付近に装着された連結用パッキンを、前記多孔管の上端開口部からその内部に挿入し、多孔管内周面に圧接させる工程と、
引き上げ部材を目板上部のろ過水室側で引き上げ操作し、前記先導部材を目板下部のエレメント室から集水孔を通過させてろ過水室側へと引き上げ、多孔管の上端側をろ過水室側へ所定量突出させる工程と、
前記連結用パッキンによる多孔管内周面への圧接力を解除し、連結用パッキンを備えた先導部材を取り外す工程と、
多孔管の上端側をろ過水室側で係止する工程とを具備することを特徴とするフィルタ部材の吊り下げ支持方法。
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