JP4624201B2 - スクロール圧縮機 - Google Patents
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スクロール圧縮機の圧縮室側と吐出側とを連通するバイパス通路を設けると共に、バイパス通路にスクロール圧縮機の圧縮室側から吐出室側への冷媒ガスの流通を許す逆止弁を設け、バイパス通路を、スクロール圧縮機の圧縮室の圧力比が設定圧力比の0.5〜0.75となる位置に接続した(例えば、特許文献1参照)。
また、本発明のスクロール圧縮機においては、第2バイパス路は、第2バイパス路と第1バイパス路とが同一空間となる圧縮室に連通する位置に配置され、かつ、当該圧縮室に第1バイパス路が連通を始める前に当該圧縮室に連通を開始し、当該圧縮室が吐出ポートに連通を始める前に当該圧縮室への連通を終了するように配置されているので、低圧縮比運転においても、過圧縮を防止することができる。
図1は、本実施の形態のスクロール圧縮機の縦断面図である。密閉容器10に収容された固定スクロール1の外周部は、ガイドフレーム15にボルト(図示せず)によって締結されている。固定スクロール1の台板部1aの一方の面(図において下側)には板状渦巻歯1bが形成され、また、外周部には2個1対のオルダム案内溝1cがほぼ一直線上に形成されている。このオルダム案内溝1cにはオルダム機構9の2個1対の固定側キー9cが往復摺動自在に係合されている。
密閉容器10に収容された揺動スクロール2の台板部2aの一方の面(図において上側)には固定スクロール1の板状渦巻歯1bと実質的に同一形状の渦巻歯2bが形成されており、固定スクロール渦巻歯1bと揺動スクロール渦巻歯2bを噛み合わせることにより圧縮室20を形成する。また、台板部2aの板状渦巻歯2bと反対側の面(図において下側)の中心部には中空円筒状のボス部2fが形成されており、そのボス部2fの内側面には揺動軸受2cが形成されている。ボス部2fと同じ側の面の外周部には、コンプライアントフレーム3のスラスト軸受3aと圧接摺動可能なスラスト面2dが形成されている。
また、台板部2aには、固定スクロール1側の面(図1において上側の面)と、コンプライアントフレーム3側の面(図1において下側の面)とを連通する細い穴である抽気孔2jが形成されている。そして、この抽気孔2jの、コンプライアントフレーム側の面の開口部、即ち、下開口部2kは、通常運転時にはその円軌跡がコンプライアントフレーム3のスラスト軸受3aの内部に常時収まるように位置されている。
定常運転時には、密閉容器10に設置された吸入管10fから低圧の吸入ガスが吸入され、圧縮室20で圧縮された後、高圧ガスとして吐出ポート1dから密閉容器10内の吐出空間10dに吐出され、密閉容器10に設置された吐出管10gから圧縮機外に出される。
密閉容器10内の空間が吐出ガス雰囲気の高圧の吐出空間10dとなるので、密閉容器10の底部の冷凍機油10eは、オイルパイプ4fから主軸4に軸方向に貫通して設けられた高圧油給油穴4gを図1において上方向に向かって流れる。そして、ボス部空間2gに導かれた高圧油は揺動軸受2cで減圧されて吸入圧より高く、吐出圧以下の中間圧となり、ボス部外側空間2hに流れる。他方、もう一つの径路として、高圧油給油穴4gの高圧油は、主軸4に設けられた横穴から主軸受3cの高圧側端面に導かれ、この主軸受3cで減圧されて中間圧となり、同じくボス部外側空間2hに流れる。ボス部外側空間2hの中間圧となった冷凍機油(冷凍機油に溶解していた冷媒の発泡で、一般にはガス冷媒と冷凍機油の2相流になっている)は、中間圧調整弁収納空間3pを通る際に中間圧調整スプリング3mによって負荷される力に打ち勝って中間圧調整弁3tを押し上げてフレーム空間15hに流れ、その後調整弁後流路3nを通ってオルダム機構環状部9bの内側に排出される。他方、もう1つの径路として、揺動スクロールのスラスト面2dとコンプライアントフレーム3のスラスト軸受3aの摺動部に給油したあと、オルダム機構環状部の内側に排出される。そして、これらから排出された油はオルダム機構環状部の摺動面及びキー摺動面に給油した後、台板外周部空間2iに開放される。
以上に説明したように、ボス部外側空間2hの中間圧力Pm1は、中間圧調整スプリング3mのバネ力と中間圧調整弁3tの中間圧露出面積とによってほぼ決定される所定の圧力αによって、
Pm1=Ps+α(Psは吸入雰囲気圧力すなわち低圧)
で制御されている。
Pm2=Ps×β(Psは吸入雰囲気圧力すなわち低圧)
で制御される。
図2は、揺動スクロール2の公転による公転角の進行による圧縮室20、リリーフポート30、吐出ポート1dの関係を示したものである。ここで、揺動スクロール2は、固定スクロール1に対して、自転することなく反時計回りに公転している状態を示しており、揺動スクロール2の位置は固定スクロール1に対する公転角で表される。
図2(a)は、固定スクロール1と揺動スクロール2の両渦巻歯1b、2bにより圧縮室20が初めて形成された状態であり、この時の公転角を0°とする。圧縮室20は固定スクロール渦巻歯1bの内周側と揺動スクロール渦巻歯2bの外周側によって形成される揺動スクロール外周側圧縮室20aと、固定スクロール渦巻歯1bの外周側と揺動スクロール渦巻歯2bの内周側によって形成される固定スクロール外周側圧縮室20bの2つが形成される。
図2(b)は、外側のリリーフポート30である一対の第2リリーフポート30aがそれぞれ圧縮室20a、20bと連通した状態である。さらに、図2(c)は、一対の第2リリーフポート30aに加えて、内側のリリーフポート30である一対の第1リリーフポート30bがそれぞれ圧縮室20a、20bと連通した状態である。このように、第1リリーフポート30bが圧縮室20a、20bと連通する前に、第2リリーフポート30aは圧縮室20a、20bと連通している。
図2(d)は、圧縮室20a、20bが固定スクロール台板1aに設けられた吐出ポート1dに連通する直前の状態である。このとき一対の第2リリーフポート30aは圧縮室20a、20bと連通していないが、第1リリーフポート30bは圧縮室20a、20bと連通しており、このように、第2リリーフポート30aは第1リリーフポート30bよりも早く圧縮室20a、20bとの連通を終る。
図2(e)は、圧縮室20a、20bが吐出ポート1dと連通してガスを吐出しつつある状態である。
図4は、縦軸に圧縮室20の圧力、横軸に揺動スクロール2の公転角をとったものであり、公転角と圧縮室20の圧力との関係を示したものである。
ここで、板状渦巻歯1b、2bが初めて圧縮室20を形成したときの圧縮室20の圧力、即ち、図2(a)に示す吸入圧力と、圧縮室20が吐出ポート1dと連通する直前の圧縮室20の圧力、即ち、図2(d)に示す圧縮室20の圧力との比を設定圧縮比とし、吸入圧力と、吐出ポート1dの圧力、即ち、吐出空間10dの圧力との比を運転圧縮比とする。設定圧縮比は、圧縮室20と吐出ポート1dが連通する公転角を遅らせれば大きくなり、板状渦巻歯1b、2bの形状等で定まる圧縮機毎に定まるものである。また、運転圧縮比は、外気温や室内温度の設定などにより変化し、空調機等の運転状態(運転条件)により変化する。
図4(c)は一対の第1リリーフポート30bを設けた場合の圧縮室20の圧力変化を示したものである。図に示すように圧縮室20が吐出ポート1dと連通した後も、渦巻側面の連通流路が十分確保できるまで、例えば、上記のように側面連通隙間δの流通面積がリリーフポート30の流通面積よりも大きくなるまで、第1リリーフポート30bは圧縮室20と連通しているので、過圧縮ロスの発生を防ぐことができる。
一方、図4(d)に示すように、運転圧縮比が極端な低圧縮比となった場合、一対の第1リリーフポート30bでは、斜線部の低圧縮比領域の過圧縮を防止することはできない。このため、前記第1リリーフポート30bが圧縮室20と連通するよりも早く圧縮室20と連通し、さらに第1リリーフポート30bが圧縮室20と連通した後に圧縮室20との連通が閉じる位置に第2のリリーフポート30aを設けることにより、図4(d)に示すような低圧縮比運転においても、過圧縮を防止することができる。
また、逆止弁をリード弁としたので、最も簡単で信頼性の高い逆止弁が得られている。
実施の形態1のスクロール圧縮機では、コンプライアントフレーム3を用い、コンプライアントフレーム3とガイドフレーム15によって囲まれたフレーム空間15fに圧縮途中の圧縮室20からの圧縮ガスを導入し、この圧力を利用することにより、コンプライアントフレーム3と揺動スクロール2を軸方向で、固定スクロール1側に移動、押圧させていたが、固定スクロール1への揺動スクロール2の押圧機構として、コンプライアントフレーム3を用いることなく、揺動スクロール2の背面(圧縮室と反対側)に背圧空間を設け、この背面空間に圧縮途中の圧縮室20の圧力を導入し、これにより揺動スクロール2を軸方向に押圧、移動させ、両スクロールの板状渦巻歯の歯先と相手側の台板部との軸方向の押圧力調整又は軸方向の隙間調整を行う機構のスクロール圧縮機に、実施の形態1のスクロール圧縮機のリリーフポート30と同様の技術を適用してもよく、同様の効果が得られる。
なお、その他のスクロール圧縮機の構成等は、実施の形態1と同様である。
Claims (6)
- 密閉容器内に収容した固定スクロール及び揺動スクロールを噛合わせ、前記固定スクロールに対して前記揺動スクロールを公転運動させることにより、前記両スクロールの板状渦巻歯で形成される圧縮室で圧縮された圧縮ガスを、前記固定スクロールの中心部に設けた吐出ポートから吐出空間へ吐出するスクロール圧縮機において、
一端が圧縮室側に開口し、また、他端が吐出空間側に開口し、圧縮室側の圧力が吐出空間側の圧力より大きいとき開となり、また、小さいとき閉となる開閉手段を有する一対の第1バイパス路と、
一端が圧縮室側に開口し、また、他端が吐出空間側に開口し、圧縮室側の圧力が吐出空間側の圧力より大きいとき開となり、また、小さいとき閉となる開閉手段を有する一対の第2バイパス路と、
を設け、
前記第1バイパス路は、
前記揺動スクロールの公転により、前記両スクロールの板状渦巻歯で側面連通隙間が形成され、前記圧縮室が前記吐出ポートに連通するとき、前記側面連通隙間の圧縮ガスの流通面積が前記第1バイパス路の流通面積より大きくなるまで、前記第1バイパス路の圧縮室側の開口が、前記吐出ポートに連通した前記圧縮室に連通するように配置され、
前記第2バイパス路は、
該第2バイパス路と前記第1バイパス路とが同一空間となる前記圧縮室に連通する位置に配置され、かつ、当該圧縮室に前記第1バイパス路が連通を始める前に当該圧縮室に連通を開始し、当該圧縮室が前記吐出ポートに連通を始める前に当該圧縮室への連通を終了するように配置されていることを特徴とするスクロール圧縮機。 - 前記第1バイパス路及び前記第2バイパス路は、
前記固定スクロールの台板部の貫通穴であるリリーフポートであり、
一端が圧縮室側に開口し、他端が前記吐出ポートに連通する吐出空間であって、前記固定スクロール背面の吐出空間に開口することを特徴とする請求項1に記載のスクロール圧縮機。 - 圧縮途中の圧縮ガスを導入し、この圧力を前記揺動スクロール又は前記固定スクロールの軸方向の移動に利用して、前記両スクロールの板状渦巻歯の歯先と相手側の台板部との軸方向の押圧力調整又は軸方向の隙間調整を行う機構を有するスクロール圧縮機であって、
前記第1バイパス路及び前記第2バイパス路のうちの少なくとも一方が連通している前記圧縮室から前記圧縮ガスを導入することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のスクロール圧縮機。 - 前記第1バイパス路及び前記第2バイパス路の内径が前記板状渦巻歯の歯厚とほぼ等しいことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかの請求項に記載のスクロール圧縮機。
- 前記圧縮室側の圧力が吐出側の圧力より大きいとき開となり、小さいとき閉となる前記開閉手段が、圧縮室側から吐出空間側へのみ圧縮ガスが流れるようにした逆止弁であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかの請求項に記載のスクロール圧縮機。
- 前記逆止弁がリード弁であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかの請求項に記載のスクロール圧縮機。
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