JP4624932B2 - 二軸配向積層ポリエステルフィルム - Google Patents
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Description
フィルム層Bが皮膜層C中に含まれる不活性粒子Cを含有し、フィルム層Bを構成するポリエステルの一部に、二軸配向積層ポリエステルフィルムを製造する工程で生じた自己回収ポリマーが用いられており、磁性層が強磁性金属薄膜層である磁気記録テープのベースフィルムに用いられる二軸配向積層ポリエステルフィルムが提供される。
本発明において、フィルム層Aおよびフィルム層Bを構成するポリエステルは、フィルム層Bに自己回収ポリマーを用いることを考えれば同じものであることが好ましい。本発明におけるポリエステルとしては、芳香族ジカルボン酸を主たる酸成分とし、脂肪族グリコールを主たるグリコール成分とする芳香族ポリエステルが挙げられ、実質的に線状であり、そしてフィルム形成性、特に溶融成形によるフィルム形成性を有することが必要である。具体的な芳香族ジカルボン酸としては、例えばテレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェニルケトンジカルボン酸、アンスラセンジカルボン酸等を挙げることができる。脂肪族グリコールとしては、例えばエチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、デカメチレングリコールなどの如き炭素数2〜10のポリメチレングリコールあるいはシクロヘキサンジメタノールの如き脂環族ジオール等を挙げることができる。これらの中でも、アルキレンテレフタレートまたはアルキレンナフタレートを主たる構成成分とするものが好ましく、特にポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン―2,6―ナフタレートが好ましい。もちろん、本発明の目的を損なわない範囲で、例えばそれ自体公知の共重合成分を共重合してもよい。
基材フィルムの皮膜層の表面に、白金スパッター装置により白金薄膜蒸着層を厚み2〜3nmで設け、走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジース S−4700)により倍率10万倍程度で観測し、少なくとも100個の粒子について面積円相当径を求め、それらの平均値を平均粒径とした。
フィルム表面からポリエステルをプラズマ低温灰化処理法(例えばヤマト科学製P3−3型)で除去し、粒子を露出させる。処理条件はポリエステルは灰化されるが粒子はダメージを受けない条件を選択する。これをSRM(走査型電子顕微鏡)で観察し、粒子の画像(粒子によってできる光の濃淡)をイメージアナライザーに結び付け、観察箇所を変えて粒子数5000個以上で次の数値処理を行い、下記式によって求めた数平均粒径dを平均粒径とする。
基材フィルムを層間の空気を排除しながら10枚重ね、JIS規格のC2151に準拠し、(株)ミツトヨ製ダイヤルゲージMDC−25Sを用いて、10枚重ね法にて厚みを測定し、1枚当りのフィルム厚みを計算する。この測定を10回繰り返して、その平均値を1枚あたりのフィルム厚みとした。
フィルムの小片をエポキシ樹脂にて固定成形し、ミクロトームにて約60nmの厚みの超薄切片(フィルムの製膜方向に平行に切断する)を作成し、この試料を透過型電子顕微鏡(日立製作所製H−800型)にて観察し、層の境界線より層厚みを求めた。なお、この層厚みの測定は、粒子の存在しない部分にて行った。
Digital Instruments 社製の原子間力顕微鏡(商品名:NanoScopeIII)およびAFMのJスキャナーを使用し、以下の条件で2μm×2μmの範囲を10ケ所測定し、AFM像より高さが1nm以上の突起の数をカウントし、その平均値を面積換算により個/mm2当たりの突起個数として算出する。またカウントした各々の突起の高さを測定し、その平均値をもって突起の平均高さとする。
深針:単結晶シリコンナイトライド
走査モード:タッピングモード
面素数:256×256 データポイント
スキャン速度:2.0Hz
測定環境:室温、大気中
フィルムを試料幅10mm、長さ15cmに切り、チャック間100mmにして、引張速度10mm/分、チャート速度500mm/分の条件でインストロンタイプの万能引張試験装置にて引っ張る。得られる荷重―伸び曲線の立ち上がり部の接線よりヤング率を計算する。
A層またはB層中のチタン元素量、リン元素量、アンチモン元素量、ゲルマニウム元素量およびアルミニウム元素量はサンプルを加熱溶融して円形ディスクを作成し、リガク社製蛍光X線測定装置3270を用いて測定した。なお、触媒としてではなく、不活性粒子として酸化チタン粒子やアルミナ粒子などが添加されている場合は、それらの割合は上記元素量からは除かれる。
得られた二軸配向積層ポリエステルフィルムの片面(A層側)に真空蒸着により厚み180nmのコバルト−酸素薄膜を形成した後、その上にスパッタリング法により、ダイヤモンド状カーボン保護膜を10nmの厚みで常法で形成させ、次いでフッ素含有脂肪酸エステル系潤滑剤を3nmの厚みで塗布した。続いて、B層側の表面に、カーボンブラック、ポリウレタン、シリコーンからなるバックコート層を400nmの厚みで設け、スリッターにより幅6.35mmにスリットしリールに巻取り磁気記録テープ(DVCビデオテープ)を作成した。
◎:+1.0dB以上
○:−0.5dB以上、+1.0dB未満
△:−2.0dB以上、−0.5dB未満
×:−2.0dB未満
ここでいう、○は蒸着型の高密度記録磁気テープ用途として、優れたレベルであることをいい、△は使用可能であり、×は不十分なレベルであることをいう。
◎:発生なし
○:5個/分未満
×:5個/分以上
Veeco社製、非接触式三次元粗さ計(WYKO NT−2000)を用いて、測定倍率25倍、測定面積247μm×188μm(0.046mm2 )の条件にて、測定数(n)10以上で測定を行い、該粗さ計に内蔵され表面解析ソフトにより、中心面平均粗さ(WRa)を求める。なお、中心面平均粗さ(WRa)は、下記式により計算され、アウトプットされた値である。
溶融フィルムの体積抵抗率の測定は、図1に示す装置を用いて測定する。測定サンプル1は厚さ約150μmのフィルムを用いる。直径20cmの円柱状下部電極2の上面に、150μmの平行な隙間が保持できる直径5.6cm、厚さ0.2cmの上部電極3を配し、この間に測定サンプルが電極と密着するようにして挿入する。
用いた樹脂だけで組成を変えることなく回収ポリマーを最も多く使用できる回収ポリマーの比率より、次のように判定した。
○:回収比率(R)が40%以上
△:回収比率(R)が20%以上〜40%未満
×:回収比率(R)が20%未満
樹脂1の作成
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステル100部、エチレングリコール70部およびチタン化合物としてトリメリット酸チタンをチタン元素量で8mmol%となるように使用して、エステル交換反応させたのち、安定剤としてのリン化合物としてトリメチルホスフェートをリン元素量で13mmol%となるように添加し、エステル交換反応を終了させた。そして、スルホン酸4級ホスホニウム塩化合物として3,5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩を2mmol%となるように添加した後、高真空下で重縮合反応を行い、実質的に不活性粒子を含有しない、固有粘度0.63dl/gのポリエチレン−2,6−ナフタレートを得た。
ジメチルテレフタレート100部とエチレングリコール70部とを、エステル交換触媒として酢酸マンガン・4水和物を30mmol%になるように使用してエステル交換反応させたのち、安定剤としてトリメチルホスフェートをリン元素量で40mmol%となるように添加してエステル交換反応を終了せしめ、その後、スルホン酸4級ホスホニウム塩化合物として3,5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩を2mmol%となるように添加した後、重合触媒として三酸化アンチモンをアンチモン元素量で20mmol%となるように添加し、高真空下で重縮合反応を行い固有粘度0.63dl/gのポリエチレン−2,6−ナフタレートを得た。なお、樹脂2には、エステル交換反応の段階で、平均粒径が300nmの球状シリカ粒子と平均粒径が130nmの球状シリカ粒子とを、それぞれ得られる樹脂の重量を基準として、0.19重量%および0.23重量%となるように添加した。
これらフィルム層A用およびフィルム層B用のポリマーをそれぞれ、170℃で6時間乾燥させた。こうして、乾燥チップを表1に示した層厚み構成になるような比率にて、2台の押出機ホッパーに供給し、溶融温度280〜300℃で溶融し、マルチマニホールド型共押出ダイを用いてフィルム層Aの片側にフィルム層Bを積層させ、厚み88μmの積層未延伸フィルムを得た。
このようにして得られた積層未延伸フィルムを120℃に予熱し、さらに低速、高速のロール間でフィルムを135℃に加熱して3.5倍に延伸し後、急冷し、縦延伸フィルムを得た。次いで縦延伸フィルムのフィルム層Aからなる表面上に、下記組成の水性塗液(全固形分濃度1.0%)を塗布した。
・バインダー アクリル―ポリエステル樹脂 79%
ポリエステル成分:イソフタル酸(95モル%)、5―ナトリウムスルホイソフタル酸(5モル%)/エチレングリコール(92モル%)、ジエチレングリコール(8モル%)
アクリル樹脂成分:メチルメタクリレート(90モル%)、グルシジルメタクリレート(10モル%)、
ポリエステル成分/アクリル樹脂成分の重量比=5/5
・不活性粒子(アクリルフィラー(平均粒径25nm、日本触媒株式会社製、商品名:エポスター))6%
・界面活性剤(三洋化成社製、商品名サンノニックSS70)15%
皮膜層厚み(乾燥後):6nm
フィルム層Aの樹脂を変更したのと、回収ポリマーの回収先をフィルム層Aにしたほかは実施例1と同様な操作を繰り返した。得られた二軸配向積層ポリエステルフィルムの特性を表1に示す。なお、フィルム層Aには、平均粒径300nmの球状シリカ粒子が0.026重量%、平均粒径130nmの球状シリカ粒子が0.032重量%あった。
皮膜層の厚みを変更した以外は実施例1と同様な操作を繰り返した。得られた二軸配向積層ポリエステルフィルムの特性を表1に示す。
フィルム層Aとフィルム層Bの厚みを変更し、回収ポリマーの使用割合を変更した以外は実施例1と同様な操作を繰り返した。得られた二軸配向積層ポリエステルフィルムの特性を表1に示す。
フィルム層Aからなる表面上に塗布する塗液を下記のように変更し、皮膜層の厚みを乾燥後で25nmとなるように変更した以外は実施例1と同様な操作を繰り返した。得られた二軸配向積層ポリエステルフィルムの特性を表1に示す。
・全固形分濃度:4.2%
・バインダー:アクリル―ポリエステル樹脂 83.6%
・・ポリエステル成分:イソフタル酸(95モル%)、5―ナトリウムスルホイソフタル酸(5モル%)/エチレングリコール(92モル%)、ジエチレングリコール(8モル%)
アクリル樹脂成分:メチルメタクリレート(90モル%)、グルシジルメタクリレート(10モル%)、
・・ポリエステル成分/アクリル樹脂成分の重量比=5/5
・不活性粒子(アクリルフィラー(平均粒径25nm、日本触媒株式会社製、商品名:エポスター)):1.4%
・界面活性剤(三洋化成社製、商品名サンノニックSS70):15%
2:下部電極
3:上部電極
4:加電装置
5:温度検出端
6:電流計
7:読取温度計
8:電源
9:標準抵抗
10:エレクトロンメーター
11:保温箱
21:未使用ポリマーI
22:未使用ポリマーII
23:回収ポリマー
24:A層
25:B層
26:製品化された積層フィルム
27:回収された積層フィルム
Claims (9)
- フィルム層Aと、フィルム層Aの一方の表面に積層されたフィルム層Bと、フィルム層Aの他方の表面に積層された皮膜層Cとからなり、
フィルム層Aは不活性粒子を含まず、厚さが0.5〜5μmの範囲にあること、
フィルム層Bは、厚さがフィルム層Aよりも厚く9.5μm以下であり、かつフィルム層Bの厚さ(tB)に対して、平均粒径が0.01〜0.1倍の不活性粒子Bを含有すること、
皮膜層Cは、平均粒径が5〜50nmの不活性粒子Cとバインダー樹脂とからなり、厚さが1〜20nmの範囲にあること、そして
フィルム層Bが皮膜層C中に含まれる不活性粒子Cを含有し、フィルム層Bを構成するポリエステルの一部に、二軸配向積層ポリエステルフィルムを製造する工程で生じた自己回収ポリマーが用いられており、磁性層が強磁性金属薄膜層である磁気記録テープのベースフィルムに用いられることを特徴とする二軸配向積層ポリエステルフィルム。 - 皮膜層Cは、その表面に平均突起高さ3nm以上50nm以下の微細突起を3×106個/mm2以上、60×106個/mm2以下の範囲で有する請求項1記載の二軸配向積層ポリエステルフィルム。
- 皮膜層Cの表面粗さ(WRa)が0.5〜5nmの範囲で、フィルム層Bの表面が表面Aよりも粗くかつ5nm以上で、両者の表面粗さの和が高々12nmである請求項1記載の二軸配向積層ポリエステルフィルム。
- フィルム全体の厚みが2〜10μmである請求項1記載の二軸配向積層ポリエステルフィルム。
- フィルム層Bは少なくとも平均粒径の異なる2種以上の不活性粒子を含有する請求項1記載の二軸配向積層ポリエステルフィルム。
- フィルム層Bを構成するポリエステルの固有粘度が、フィルム層Aを構成するポリエステルの固有粘度よりも0.01〜0.1dl/g低い請求項1記載の二軸配向積層ポリエステルフィルム。
- 二軸配向積層ポリエステルフィルムの横方向のヤング率が8GPa以上である請求項1記載の二軸配向積層ポリエステルフィルム。
- フィルム層Aおよびフィルム層Bのポリマーが、ポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレン−2,6−ナフタレートであるである請求項1〜7いずれかに記載の二軸配向積層ポリエステルフィルム。
- フィルム層Aおよびフィルム層Bの少なくともいずれかを構成するポリエステルが、スルホン酸4級ホスホニウム塩化合物を0.02〜45mmol%含有する請求項1記載の二軸配向積層ポリエステルフィルム。
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