JP4646776B2 - 不織布ラミネート用ポリエステル樹脂及びポリエステルラミネート不織布 - Google Patents
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このような中、密着性と押出し性の両者についてバランスの良い性能を有し、且つ、成形加工性にも優れるポリエステル樹脂及びポリエステルラミネート不織布の出現が望まれていた。
(1)250℃における溶融張力が0.5〜2.5mNであり、
(2)ペレット表層部の固有粘度IV(S)とペレット中心部の固有粘度IV(C)の差(△IV)が0.1以下であることを特徴とする不織布ラミネート用ポリエステル樹脂(A)、に存する。
このポリエステル樹脂(A)の第1の特徴は、250℃における溶融張力が0.5〜2.5mNであることであり、測定方法の一例として、例えば、東洋精機(株)製キャピログラフにより求めることができるものである。溶融張力は押出性及びラミネート不織布の加工性と密接な関係を有し、高速ラミネートが可能なこと等から、下限は0.55以上が好ましく、0.60以上がより好ましく、0.65以上が更に好ましく、一方上限は、2.0以下が好ましく、1.80以下がより好ましく、1.40以下が更に好ましく、1.30以下が特に好ましい。
本発明において、ペレット状とは、粒状であれば特に形状に制限はなく、円柱状、球状又は板状でもよい。ペレットサイズが大きすぎる場合には、△IVが大きくなる傾向があり、一方、ペレットサイズが小さすぎる場合には、成型時のブリッジングや食い込み不良の原因となる。よって、本発明のペレットサイズは、円柱状のペレットの場合には、ペレットの平均径、即ち、ペレットの長軸方向に垂直な断面の短径と長径の平均値(各ペレットについて、長軸方向に垂直な断面の短径と長径を足して2で割った値を求め、ラミネートするペレットの中から任意に選んだ100個について、それらの値の平均をとった値)の上限が、好ましくは5.0mm、より好ましくは4.0mm、さらに好ましくは3.5mm、特に好ましくは3.0mmであり、下限が、好ましくは1.0mm、好ましくは1.5mm、より好ましくは2.0mm、特に好ましくは2.5mmである。
また、本発明で使用するポリエステル樹脂(A)のペレットを100粒採取し秤量した場合のペレット重量は、通常1.8〜3.5gであり、好ましくは2.0〜3.0g、更に好ましくは2.1〜2.6gであるのがよい。
ここで、通常の固相重合で採用されるようなある程度厳しい条件、例えば、0.1kPa以下の減圧下、約200℃で、7〜10時間加熱するような条件を採用すると、△IVが0.1を超える可能性があるため、ポリエステル樹脂(A)の製造条件としては好ましくない。
なお、本発明においてPBTの固有粘度は、フェノール/1,1,2,2−テトラクロルエタン(重量比1/1)の混合溶媒を用いて30℃で測定した溶液粘度から求められる値である。
(1)熱特性
ポリエステル樹脂試料を約10mg削り出し、セイコーインスツルメント社製のDSC(示差走査熱量計「DSC220U型」)を使用し、窒素雰囲気下、アルミパンに封入した試料を、30〜300℃の範囲で±20℃/分のスピードで昇降温し、ポリエステル樹脂の融点(Tm)℃、降温結晶化温度(Tc)℃を測定した。
ポリエステル樹脂を120℃で約6時間熱風乾燥した後、ウベローデ型粘度計を使用し、フェノールと1,1,2,2−テトラクロロエタンとの混合溶液(重量比1:1、液温30℃)で測定した。
(3)Ti原子含有量
Induced Coupled Plasma(ICP)により原料ポリエステル中のチタン触媒金属濃度(重量比)を定量した。
ポリエステル樹脂を120℃で約6時間乾燥した後、東洋精機(株)キャピログラフによりシリンダー温度250℃における溶融張力(mN)を測定した。引き取りスピードは20m/分、キャピラリは、径/長=0.5mm/5mmを使用し、ピストンスピード=5mm/分とした。シリンダー内にペレット10gを投入した後、5分間かけ溶融し、6〜7分時の平均値を溶融張力として採用した。
ポリエステル樹脂(PBTペレット)10.0g及びHFIP(ヘキサフルオロイソプロパノール)25mlを200ml三角フラスコに入れて撹拌し、HFIP溶液のみを100mlナスフラスコへ移しPBTペレット残渣と分離した。HFIP溶液からHFIPを留去した後、ナスフラスコを100℃で24時間減圧乾燥し、更に溶媒を除去し、0.3gのPBTペレット表層部(S)(ペレット全体の3重量%)を得た。次いで、前述のPBTペレット残渣にHFIP25mlを加え撹拌し、PBTペレット残渣量が0.8gとなるまで溶解した後、PBTペレット残渣を回収し、この残渣を100℃24時間減圧乾燥し、PBTペレット中心部(C)0.5g(ペレット全体の5重量%)を得た。得られたペレット表層部(S)と中心部(C)の各々について、ウベローデ型粘度計を使用し、フェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒30℃で固有粘度[η](dl/g)を測定し、それらの差△IV(=|IV(S)−IV(C)|)を求めた。
(1)ラミネート層厚み
ラミネート不織布を、幅方向の両端部および中央部の3か所で切断し、その断面を走査型電子顕微鏡(日立製作所社製、型式:S−2500)を使用して、1000倍に拡大して写真を撮影した。この拡大写真に写っている薄膜状のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物の部分を、JIS1級金尺を使用して測定し、3か所の測定結果の平均値をラミネート層の厚さ(μm)として算出した。
ダイ巾値を(W(A))、不織布上にラミネートされたPBT巾を押出方向1m間隔で10点測定した平均値を(W(B))、両端部付近において膜厚が35ミクロンを超える部分のPBT巾方向長さの合計を(W(C))として、ネックイン量(%)、トリミング量(%)及び取り巾量(%)を下記式により算出した。また、表〜表3中のラミネート速度とは、安定して押出しが可能となる最速のラインスピードである。
トリミング量(%)=[W(C)/W(B)]×100
取り巾量(%)={[W(B)−W(C)]/W(A)}×100
押出し性は、押出ラミネート速度が90m/分を超え、且つ、取り巾量が80%以上である場合を◎、押出ラミネート速度が60〜90m/分の場合を○、押出ラミネート速度が60m/分未満を×として評価した。
不織布にPBTを押出ラミネートする際、不織布と溶融PBTの間に200mm角のアルミ箔片を一片がMD方向(押出方向)に対して垂直となるよう挿入し、ポリエステルと不織布が密着していない部分を有するラミネートサンプルを得た。次いでラミネートサンプルから幅15mm、長さ150mmの短冊状に切り出した。この短冊サンプルは、密着部位75mmと非密着部位75mmからなるようにした。非密着部位のポリエステル端と不織布端それぞれを引張り試験機のチャックに挟み、200mm/min.のスピードで引張り、ポリエステルフィルムと不織布の密着性を下記基準で評価した。尚、試験試料数n=10本で実施した。
○:引張り試験機による試験では、試験片10本すべてでポリエステルフィルムが延性破壊したが、ポリエステル端と不織布端を手でゆっくり引っ張った場合には、10本中1〜5本についてフィルムと不織布間での剥離が観察された。
×:引張り試験機による試験中に、ポリエステルフィルムと不織布間での5mm以上剥離が、1本以上の試験片で観察された。
ポリエステルラミネート不織布を、ラミネートフィルム側が基材に接するように、ウレタン系接着剤を塗布した発泡ウレタン基材(発泡ウレタンをガラス繊維で補強したもの)に重ねた後、天井材成形用の雄雌金型を有する熱プレス機に入れ、180℃で60秒間成形加工した。成形品は同じ条件で10個(試験個数n=10)作成した。成形加工性は下記基準により、10個の成形品について目視で評価を行った。
○:成形後、得られた天井材のラミネート不織布部分の外観には変化なかった。
×:成形後、得られた天井材のPBTフィルムと不織布部分に剥離や亀裂が見られた。
(ポリエステル樹脂の製造法)
下記の実施例及び比較例において使用した各ポリエステル樹脂は、重合触媒としてチタン系重合触媒を使用し、テレフタル酸及び1,4-ブタンジオールを、常法に従って直接重合することにより製造したものであり、ブチレンテレフタレート繰り返し単位からなるポリエステル(ポリブチレンテレフタレート;PBT)であって、各々表1及び表2に示す物性を有するものであった。
テレフタル酸1モルに対して1,4−ブタンジオールを1.8モルの割合で両原料をスラリー調製槽に供給し、攪拌装置で混合して調製したスラリーを温度230℃、圧力78.7kPa(590mmHg)に調整したエステル化反応槽に連続的に供給すると共に、触媒としてテトラ−n−ブチルチタネート(PBT収量中50ppm)を連続的に供給し、攪拌装置による攪拌下に滞留時間3時間としてエステル化反応させて、エステル化反応率97.5%のオリゴマーを得た。
第2重縮合反応槽における滞留時間を3.6時間とした以外は、実施例1と同様な操作を行った結果、ペレット重量2.6g(100粒)PBTペレットを得た。
(実施例3)
第2重縮合反応槽における滞留時間を1.6時間とした以外は、実施例1と同様な操作を行った結果、ペレット重量2.5g(100粒)のPBTペレットを得た。
チタン系重合触媒90ppmを用い、第2重縮合反応槽における滞留時間を3.9時間とした以外は、実施例1と同様な操作を行った結果、ペレット重量2.5g(100粒)のPBTペレットを得た。
(実施例5)
チタン系重合触媒180ppmを用いたこと以外は、実施例1と同様な操作を行った結果、ペレット重量2.4g(100粒)のPBTペレットを得た。
(実施例6)
チタン系重合触媒50ppmを用いて実施例1と同様の直接重合法により作製した固有粘度[η]=0.85、ペレット重量2.4g(100粒)のペレットを、窒素雰囲気下、170℃で2時間固相重合処理を行い、固有粘度[η]=0.90のPBTペレットを得た。
第2重縮合反応槽における滞留時間を2.2時間とした以外は、実施例1と同様な操作を行った結果、ペレット重量2.4g(100粒)のPBTペレットを得た。
(比較例2)
チタン系重合触媒50ppmを用いて直接重合法により作製した固有粘度[η]=0.85、ペレット重量2.5g(100粒)のペレットを、窒素雰囲気下、200℃で4時間固相重合処理を行い、固有粘度[η]=1.03のPBTペレットを得た。
チタン系重合触媒50ppmを用いて直接重合法により作製した固有粘度[η]=0.70、ペレット重量2.4g(100粒)のペレットを、減圧下、200℃で8時間の固相重合処理を行い、固有粘度[η]=1.34のPBTペレットを得た。
(比較例4)
チタン系重合触媒50ppmを用いて直接重合法により作製した固有粘度[η]=0.70、ペレット重量2.4g(100粒)のペレットを、減圧下、200℃で10時間固相重合処理を行い、固有粘度[η]=1.64のPBTペレットを得た。
(比較例5)
チタン系重合触媒50ppmを用いて直接重合法により作製した固有粘度[η]=0.70、ペレット重量2.4g(100粒)のペレットを、窒素雰囲気下、200℃で6時間固相重合処理を行い、固有粘度[η]=1.13のPBTペレットを得た。
下記表1及び表2に記載の各PBT樹脂のペレットを熱風乾燥機にて乾燥し、次いでリップ幅2000mm、リップギャップ0.8mmのTダイに装着された90mm単軸押出機のホッパーに投入し、樹脂温度290℃、スクリュー回転数16rpm、下記表1及び表2に記載のラインスピードの条件下、オンラインでコロナ処理しながら、PET不織布上のPBT樹脂層が30ミクロンの厚みとなるように押出しラミネートした。実施例及び比較例のうち、比較例1については蛇行が激しい為ラインスピードは、57m/分とした。ラミネートに際しては、チルロールを30℃にコントロールし、チルロールとリップ間隔は100mmとした。ここで用いた不織布は、ポリエチレンテレフタレート製不織布(繊度:2.5デニール、目付け等:25g/m2)であった。得られたラミネート不織布について、種々の特性を評価し、その結果を表1及び表2に示した。
(1)表1の実施例1〜6によれば、ポリエステル樹脂(A)として、本発明の溶融張力及び固有粘度差△IVのいずれの条件をも満たすものを使用した場合には、押出し時のネックイン現象が小さい一方で、Tダイ巾に対するラミネート不織布の取り幅が大きく、また高速ラミネートが可能であり押出し性に優れる。更に、実用レベルの密着性を示し、ラミネート不織布の成形加工性も良好で総合的に優れた性能を有する。
(4)表2の比較例3と4によれば、溶融張力が2.5mNを超える場合には、不織布とPBTフィルムとの密着性が悪く、またラミネート不織布の成形加工性も劣る。
(ポリエステル樹脂の製造法)
第2重縮合反応槽における滞留時間を2.5〜5.5時間とした以外は、実施例1と同様な操作を行った結果、固有粘度[η]=0.90〜1.44のPBT粒状ペレットを得た。得られたポリエステル樹脂は、表3に示す物性を有するものであった。
下記表3に記載の各ポリエステル(PBT)のペレットを熱風乾燥機にて120℃で6時間かけて乾燥した。次いで、60mmの単軸押出機のホッパーにPBT樹脂(A)を、また、120mmの単軸押出機のホッパーにPBT樹脂(B)を各々投入し、溶融混練した各々の樹脂(A)及び(B)を、導管を通してフィードブロックタイプの積層Tダイ(リップ幅1500mm、エアギャップ70mm、リップギャップ0.8mm)で合流させ、いずれも樹脂温度290℃で、不織布上に溶融積層フィルムを連続的に共押出しした。この共押出しした積層フィルムを、不織布と共に30℃にコントロールしたチロールで冷却、加圧しながら巻き取ることにより、表3に記載の厚みとなるラミネート不織布を製造した。ここで用いた不織布は、ポリエチレンテレフタレート製不織布(繊度:2.5デニール、目付け等:25g/m2)である。得られたラミネート不織布について、種々の特性を評価し、その結果を表3に示した。
Claims (8)
- ブチレンテレフタレート繰り返し単位を主成分とするペレット状のポリエステル樹脂(A)であって、
(1)250℃における溶融張力が0.5〜2.5mNであり、
(2)ペレット表層部の固有粘度IV(S)とペレット中心部の固有粘度IV(C)の差(△IV)が0.1以下であることを特徴とする不織布ラミネート用ポリエステル樹脂(A)。 - チタン原子を10〜100ppm(重量比)含有する請求項1に記載の不織布ラミネート用ポリエステル樹脂(A)。
- 固有粘度が、0.85〜1.6dl/gである請求項1又は2に記載の不織布ラミネート用ポリエステル樹脂(A)。
- ブチレンテレフタレート繰り返し単位を主成分とするペレット状のポリエステル樹脂(A)であって、
(1)250℃における溶融張力が0.5〜2.5mNであり、
(2)ペレット表層部の固有粘度IV(S)とペレット中心部の固有粘度IV(C)の差(△IV)が0.1以下であるポリエステル樹脂(A)を、不織布の少なくとも一方の面に押出しラミネートしてなることを特徴とするポリエステルラミネート不織布。 - 該樹脂(A)を含む層上で、不織布とは反対側にポリエステル樹脂(B)がラミネートされ、該樹脂(A)として、250℃、剪断速度91.2(sec−1)における溶融粘度が500(Pa・S)以下の樹脂を使用し、該樹脂(B)として、250℃における溶融張力が1.0mN以上の樹脂を使用する請求項4に記載のポリエステルラミネート不織布。
- ブチレンテレフタレート繰り返し単位を主成分とするペレット状のポリエステル樹脂(A)であって、
(1)250℃における溶融張力が、0.5〜2.5mNであり、
(2)ペレット表層部の固有粘度IV(S)とペレット中心部の固有粘度IV(C)の差(△IV)が0.1以下であるポリエステル樹脂(A)を、不織布の少なくとも一方の面に押出しラミネートすることを特徴とするポリエステルラミネート不織布の製造方法。 - 該樹脂(A)を含む層上で、不織布とは反対側にポリエステル樹脂(B)をラミネートし、該樹脂(A)として、250℃、剪断速度91.2(sec−1)における溶融粘度が500(Pa・S)以下の樹脂を使用し、該樹脂(B)として、250℃における溶融張力が1.0mN以上の樹脂を使用し、当該各樹脂(A)及び(B)を共押出しにより積層する請求項6に記載のポリエステルラミネート不織布の製造方法。
- 請求項4又は5に記載のポリエステルラミネート不織布を成形加工してなることを特徴とする車両内装材。
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