JP4660778B2 - Pwm信号生成器、pwm信号生成装置およびデジタルアンプ - Google Patents
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Description
本発明は、デジタル信号をパルス幅変調するPWM信号生成器とPWM信号生成装置、並びにこれら生成器と生成装置を利用したデジタルアンプに関するものである。
スピーカなどを駆動するオーディオアンプにおいては、その電力効率の良さなどから、スイッチングアンプ(D級増幅器)を用いたデジタルアンプが用いられるようになってきた。このデジタルアンプは、アナログ信号を入力するタイプのものと、デジタル信号を入力とするタイプであるフルデジタルアンプとがある。フルデジタルアンプにおいては、アナログ信号を経由せずに出力信号を発生させることができるため、オーディオシステムの低コスト化が望めることや、高いエネルギー効率を持ちながら高性能化を図ることができるなどの利点を有している。
一般的なフルデジタルアンプの動作について説明する。フルデジタルアンプの構成の一例を図2に示す。音源信号r[i]はパルス符号変調(PCM)信号である。たとえばCDから音源信号を得ている場合、音源信号r[i]のサンプリング周波数は44.1kHzである。音源信号r[i]はオーバーサンプラ4に入力され、サンプリング周波数が音源信号r[i]のサンプリング周波数の16倍である705.6kHzのPCM信号u[k]に変換される。PCM信号u[k]は量子化器1によって同じサンプリング周期で量子化が粗いPCM信号y[k]に変換される。PCM信号y[k]の分解能は量子化器1によって決まり、パルス幅変調器2の分解能と同じである。PCM信号y[k]はパルス幅変調器2によりパルス幅変調(PWM)信号w(t)に変換される。ノイズシェーピングフィルタ3は量子化器1によって発生した量子化ノイズやパルス幅変調器2により発生する信号歪をフィードバック補償し、PWM信号w(t)の可聴域成分がPCM信号u[k]の可聴域成分に対応するようにする。したがって、PWM信号w(t)の可聴域成分は音源信号r[i]に対応したものとなる。PWM信号w(t)はスイッチング増幅器5に供給されて電力信号に変換され、LCにより構成されるローパスフィルタ6を通した後、負荷であるスピーカに供給される。
なお、特許文献1には、パルス幅変調によって発生する信号歪をノイズシェーピングフィルタにフィードバックさせることにより高調波歪を低減させるとともに、量子化器の入力に高調波歪補償のためのフィードフォワード信号を重畳させた低歪パルス幅変調信号発生器が示されている。
特開2004−236617号
しかし、上記従来のフルデジタルアンプにおいては、デジタル回路によって生成されるPWM信号によってスイッチングアンプを駆動するため、パルス幅変調におけるキャリア周波数が一定である場合には、キャリア周波数の整数倍の周波数において強いピークの電磁ノイズを放射してしまう危険性を持っていた。
従来のフルデジタルアンプによって生成したPWM信号のスペクトルの一例を図24および図25に示す。PWM信号生成には特許文献3に記載の方法を用いた。入力信号はサンプリング周波数44.1kHzのパルス符号変調(PCM)信号であり、周波数2.7563kHzで変調率82%の正弦波である。パルス幅変調は31レベルの対称型パルス幅変調器を用いており、そのキャリア周波数は705.6kHzである。図24に示すように可聴域における量子化ノイズはよく抑制されているが、図25に示すようにキャリア周波数の整数倍ごとにスペクトルの大きなピークが発生している。これが電磁輻射等によって漏洩すると、たとえばAMラジオなどに対して電波妨害を与えてしまう。
このような、内部動作信号やその高調波の周波数の電磁ノイズによる影響を緩和する方法として、クロック周波数を動的に変動させて電磁ノイズのスペクトルを拡散する方法が知られている。しかし、フルデジタルアンプにおいてこのスペクトルを拡散する方法を適用するにはパルス幅変調器2におけるPWMのキャリア周波数を動的に変化させる必要があり、このためにはデジタルフィルタであるノイズシェーピングフィルタ3のサンプリング周期を動的に変化させる必要が生じる。ところが、サンプリング周期を動的に変化させても所望の特性を維持するノイズシェーピングフィルタは提案されておらず、フルデジタルアンプにおいてはスペクトル拡散技術を用いることができなという問題があった。
そこで、本発明はこのような課題を解決するもので、パルス幅変調のキャリア周波数を動的に変動させながら所望の性能を維持し、PWM信号に対してスペクトル拡散を行うことで電磁ノイズの発生を有効に防止できるPWM信号生成器とPWM信号生成装置、並びにこれら生成器と生成装置を利用したデジタルアンプを提供することを目的とする。
サンプリング周期が変動しても所望の特性を維持するノイズシェーピングフィルタを実現する手段としては、ノイズシェーピングフィルタ内部での演算における係数をサンプリング周期に応じて変化させる方法を用いる。この場合、単に係数を変化させるだけではなく、ノイズシェーピングフィルタの構成にも配慮する必要がある。また、入力信号のサンプリング周期と出力信号のサンプリング周期の関係などにより、ノイズシェーピングフィルタの設計方法は異なる。
そこで、本第1発明では、第1のPCM信号を入力としPWM信号を出力とするPWM信号生成器において、前記PWM信号の低周波成分は前記第1のPCM信号の低周波成分に応じたものであり、前記第1のPCM信号は第1のサンプリング周期を持ち、前記PWM信号は第2のサンプリング周期を持つ第2のPCM信号に基づきデジタル的手段により生成され、前記第2のサンプリング周期は外部からの指令または予め決められたシーケンスにより、同一周期が連続することもあるように各サンプリング周期毎に変動させられるものであり、前記第1のサンプリング周期は前記第2のサンプリング周期と等しく、前記第2のPCM信号の分解能は前記第1のPCM信号の分解能よりも粗いものであり、前記第1のPCM信号はデルタ・シグマ変調器により前記第2のPCM信号に変換され、前記デルタ・シグマ変調器はフィルタおよび量子化器を持ち、前記フィルタは前記第1のPCM信号および前記第2のPCM信号を入力して第3のPCM信号を出力し、当該第3のPCM信号は前記量子化器を通して前記第2のPCM信号に変換され、前記量子化器のゲインは前記第2のサンプリング周期の値に比例して動的に変化させられ、前記フィルタの内部演算における係数および関数が前記第2のサンプリング周期により決定されて動的に変化することを特徴としている。
本第2発明では、第1のPCM信号を入力としPWM信号を出力とするPWM信号生成器において、前記PWM信号の低周波成分は前記第1のPCM信号の低周波成分に応じたものであり、前記第1のPCM信号は第1のサンプリング周期を持ち、前記PWM信号は第2のサンプリング周期を持つ第2のPCM信号に基づきデジタル的手段により生成され、前記第2のサンプリング周期は外部からの指令または予め決められたシーケンスにより、同一周期が連続することもあるように各サンプリング周期毎に変動させられるものであり、前記第1のPCM信号のサンプリングのタイミングは前記第2のPCM信号のサンプリングのタイミングに前記第2のPCM信号のサンプリング間のタイミングを加えたものであり、前記第2のPCM信号の分解能は前記第1のPCM信号の分解能よりも粗いものであり、前記第1のPCM信号はデルタ・シグマ変調器により前記第2のPCM信号に変換され、前記デルタ・シグマ変調器はフィルタおよび量子化器を持ち、前記フィルタは前記第1のPCM信号および前記第2のPCM信号を入力して第3のPCM信号を出力し、前記第3のPCM信号は前記量子化器を通して前記第2のPCM信号に変換され、前記量子化器のゲインは前記第2のサンプリング周期の値に比例して動的に変化させられ、前記フィルタの内部演算における係数および関数が前記第2のサンプリング周期により決定されて動的に変化することを特徴としている。
本第3発明では、第1のPCM信号を入力としPWM信号を出力とするPWM信号生成器において、前記PWM信号の低周波成分は前記第1のPCM信号の低周波成分に応じたものであり、前記第1のPCM信号は第1のサンプリング周期を持ち、当該第1のサンプリング周期は一定であり、前記PWM信号は第2のサンプリング周期を持つ第2のPCM信号に基づきデジタル的手段により生成され、前記第2のサンプリング周期は外部からの指令または予め決められたシーケンスにより、同一周期が連続することもあるように各サンプリング周期毎に変動させられるものであり、第1のPCM信号はデルタ・シグマ変調器により前記第2のPCM信号に変換され、前記デルタ・シグマ変調器はフィルタおよび量子化器を持ち、前記フィルタは前記第1のPCM信号および前記第2のPCM信号を入力して第3のPCM信号を出力し、当該第3のPCM信号は前記量子化器を通して第2のPCM信号に変換され、前記量子化器のゲインは第2のサンプリング周期の値に比例して動的に変化させられ、前記フィルタの内部演算における係数および関数が前記第2のサンプリング周期、または前記第2のサンプリング周期および第1のPCM信号のサンプリングのタイミングと第2のPCM信号のサンプリングのタイミングの相対的関係により決定されて動的に変化することを特徴としている。
本第4発明では、本第1発明ないし本第3発明に係るPWM信号生成器を持ち、第4のPCM信号を入力として前記PWM信号を出力とするPWM信号生成装置であって、前記PWM信号の低周波成分は前記第4のPCM信号に応じたものであり、前記第4のPCM信号は第3のサンプリング周期を持ち、当該第3のサンプリング周期は一定であり、前記第4のPCM信号を入力とし前記第1のPCM信号を出力とするオーバーサンプラを持ち、前記第3のサンプリング周期は前記第1のサンプリング周期よりも長いことを特徴としている。
本第5発明のデジタルアンプは、本第4発明に係るPWM信号生成装置により生成されたPWM信号によって駆動されるスイッチング増幅器を持つことを特徴としている。
本発明によれば、パルス幅変調のキャリア周波数を動的に変動させてPWM信号に対しスペクトル拡散を行うことによって電磁ノイズの発生を効果的に防止しつつ、信号歪を最小限に抑えてPWM信号生成器やこれを利用したデジタルアンプの所望の性能を維持することができる。
(第1実施形態)
PCM信号u[k]とPCM信号y[k]のサンプリング周期が同じであり、そのサンプリング周期が変動する場合について説明する。このときのフルデジタルアンプの構成は図2に示すものと同じであり、ノイズシェーピングフィルタの構成は図1に示すものである。
PCM信号u[k]とPCM信号y[k]のサンプリング周期が同じであり、そのサンプリング周期が変動する場合について説明する。このときのフルデジタルアンプの構成は図2に示すものと同じであり、ノイズシェーピングフィルタの構成は図1に示すものである。
最初に、ノイズシェーピングフィルタの目標とする周波数特性を決めるのに、連続時間系のフィルタを設計し、数1のように状態変数表現する。
ただし、u*(t)はPCM信号u[k]に対応する連続時間信号、w(t)はパルス幅変調器により生成されるPWM信号、v*(t)はノイズシェーピングフィルタが生成する補正信号v[k]に対応する連続時間信号、x*(t)は状態変数である。この連続時間フィルタに対して零次ホールドを用いてサンプリング周期τkで離散時間化する。ただし、サンプリング周期τkは動的に変化するものであるので、サンプリングとサンプリングの間においては、入力信号u*(t)はサンプリング点間の中間の時刻の値で代表させる。この様子を図3に示す。しかし補正信号v[k]はサンプリング時刻の値をサンプルする。すなわち、
(数2)
u[k]=u*((tk+tk+1)/2)
(数3)
v[k]=v*(tk)
であり、tkはk番目のサンプリング時刻である。すると数4、数5で示すデジタルフィルタを得る。
(数2)
u[k]=u*((tk+tk+1)/2)
(数3)
v[k]=v*(tk)
であり、tkはk番目のサンプリング時刻である。すると数4、数5で示すデジタルフィルタを得る。
このとき、デジタルフィルタの状態変数x[k]は、連続時間のフィルタの状態変数x*(t)をサンプルしたものに対応している。すなわち、x[k]=x(tk), tk+1- tk=τkとなっている。したがって、サンプリング周期τkがサンプリング毎に異なっても、離散時間フィルタの安定性が保証されることは勿論、入出力の伝達特性も連続時間フィルタの伝達特性に近いものとなる。
ここで、次数がnのフィルタを設計する場合について考えてみる。このとき、数4におけるA(τk)はn×nの行列となるので、デジタルフィルタの係数の数が多くなるとともに、デジタルフィルタ演算の計算量も多くなってしまう。そこで、数1の連続時間フィルタを設計する際に、行列A*をブロック対角化することにより、数4における行列A(τk)もブロック対角化されるので、デジタルフィルタの非ゼロの係数の数を減らすこともできるし、デジタルフィルタ演算の計算量も減らすことができる。さらに、行列A*のブロック対角化とともに、数1の連続時間フィルタの出力ベクトルcに対して、その要素のそれぞれが1または0のどちらかになるようにすることにより、デジタルフィルタ演算の計算量をさらに減らすことができる。出力ベクトルは数5に示されるように数2による離散時間化によって変化しないからである。
上記の離散時間フィルタは、入力信号に関して零次ホールドを仮定してサンプル点間における値を一定としていたので、サンプリング周期の変動により、この仮定が信号の歪を発生させてしまう。この信号歪に対処する方法として、サンプル点間における入力信号の値を補間する方法が考えられる。その補間の方法としてはいくつかの方法が考えられる。
まず、入力信号としてサンプル点間の信号波形を直線で結んで近似した場合を考える。この様子を図4に示す。一次近似を行うことにより、零次ホールドを用いる場合に比べて、サンプリング周期の変動による信号歪が小さくなることが期待できる。サンプル点間の応答を直線で結んで近似するホールド要素は三角ホールドと呼ばれる。その三角ホールドを用いて連続時間信号u*(t)を補間し数1で表される連続時間フィルタを離散時間化すると数6、数7に示すようになる。ただし、補正信号v[k]はサンプル時刻における連続時間信号v*(t)の値を代表させるものとする。
このデジタルフィルタは厳密にプロパーなものではなく、入力から出力への直達項を含むものになっている。
次に、入力信号としてサンプル点間の信号波形を2次曲線で近似した場合を考える。この様子を図5に示す。2次近似を行うことにより、1次近似を用いる場合に比べて、サンプリング周期の変動による信号歪が小さくなることが期待できる。ここでは、tk≦t≦tk+2におけるu*(t)の値をu(tk)およびu(tk+1)およびu(tk+2)の値を用いて2次近似する。ただしkの値は奇数とする。すると、2次近似されたu*(t)は数8、数9で示すものになる。
この補間された時間関数を用いて数1で表される連続時間フィルタを離散時間化すると、数10ないし数13に示すものとなる。ただし、補正信号v[k]はサンプル時刻における連続時間信号v*(t)の値を代表させるものとする。また、kの値は奇数とする。
連続時間信号u*(t)を連続する3点のサンプリング時刻におけるPCM信号u[k]の値を用いて補間近似したので、このようにフィルタ演算は奇数番目のサンプル時刻におけるものと偶数番目のサンプル時刻におけるものとでは異なる。また、このデジタルフィルタに関しては因果律が成り立たないので、入力信号を1サンプル先読みできる場合か出力信号を1サンプル遅らせることができる場合にのみ用いることができる。
(第2実施形態)
さらに他の方法として、連続時間信号u*(t)を2次補間するのであるが、フィルタ演算のサンプリング時刻およびその間の1点の入力信号の値を用いて、各サンプル点間において2次補間をする場合について考える。この様子を図6に示す。前述の方法に対して入力信号のサンプル間隔が狭くなるため、サンプリング周期の変動に対する信号歪が小さくなることが期待できる。
さらに他の方法として、連続時間信号u*(t)を2次補間するのであるが、フィルタ演算のサンプリング時刻およびその間の1点の入力信号の値を用いて、各サンプル点間において2次補間をする場合について考える。この様子を図6に示す。前述の方法に対して入力信号のサンプル間隔が狭くなるため、サンプリング周期の変動に対する信号歪が小さくなることが期待できる。
いま、PCM信号u[k]はループシェーピングフィルタのサンプリング時刻におけるu*(t)の値であるものとし、サンプル点間における入力信号を新たにサンプリング点間ごとに1点ずつサンプルして入力するものとする。サンプル点間におけるどの時刻においてサンプルするかは任意であるが、ここではサンプルの中間点の時刻においてサンプルするものとし、その信号をuc[k]とする。すると、tk≦t≦tk+1におけるu*(t)の値をu[k]およびu[k+1]およびuc[k]の値を用いて数14のように2次近似できる。
この補間された時間関数を用いて数1で表される連続時間フィルタを離散時間化すると数15、数16に示すものとなる。ただし、補正信号v[k]はサンプル時刻における連続時間信号v*(t)の値を代表させるものとする。
このデジタルフィルタは厳密にプロパーなものではなく、入力から出力への直達項を含むものになっている。
(第3実施形態)
次に、PCM信号u[h]のサンプリング周期が一定で、PCM信号y[k]のサンプリング周期が変動する場合を考える。ノイズシェーピングフィルタはPCM信号y[k]のサンプリングと同期して動作させる。このときのフルデジタルアンプの構成を図7に示す。PCM信号u[h]のサンプリング周期を一定とすることにより、ノイズシェーピングフィルタのサンプリング周期が動的に変動することによる信号歪を小さく抑えることができる。この場合においても、ノイズシェーピングフィルタの動特性の目標は数1で表される連続時間フィルタで与えられるものとする。
次に、PCM信号u[h]のサンプリング周期が一定で、PCM信号y[k]のサンプリング周期が変動する場合を考える。ノイズシェーピングフィルタはPCM信号y[k]のサンプリングと同期して動作させる。このときのフルデジタルアンプの構成を図7に示す。PCM信号u[h]のサンプリング周期を一定とすることにより、ノイズシェーピングフィルタのサンプリング周期が動的に変動することによる信号歪を小さく抑えることができる。この場合においても、ノイズシェーピングフィルタの動特性の目標は数1で表される連続時間フィルタで与えられるものとする。
PCM信号u[h]のサンプリングはPCM信号y[k]のそれぞれのサンプル点間に多くても1回しか発生しないものとする。PCM信号u[h]に対しては零次ホールドを適用する。その様子を図8に示す。出力信号v[k]に関してはサンプル時刻における信号の値を代表させる場合を考える。このようなデジタルフィルタは数18、数19および数21、数22に示すものとなる。ここで、入力u[h]がサンプルされる時刻をtu h、出力y[k]がサンプルされる時刻をtkとする。
(数17)
tu h≦tk<tk+1< tu h+1
のとき、すなわち、出力のサンプル点間において入力信号がサンプルされなかったとき、数18、数19で示すものになる。
tu h≦tk<tk+1< tu h+1
のとき、すなわち、出力のサンプル点間において入力信号がサンプルされなかったとき、数18、数19で示すものになる。
また、
(数20)
tu h≦tk<tu h+1≦tk+1<tu h+2
のとき、すなわち、出力のサンプル点間において入力信号が1回サンプルされたとき、数21、数22に示すものになる。
(数20)
tu h≦tk<tu h+1≦tk+1<tu h+2
のとき、すなわち、出力のサンプル点間において入力信号が1回サンプルされたとき、数21、数22に示すものになる。
なお、u[h]とv[k]の加算においては、tkに対して直前のu[h]の値をv[k]に加算するものとする。上述の方法はPCM信号u[h]に零次ホールドを適用していたが、三角ホールドを用いる場合や他の補間手法を用いた場合においても同様にノイズシェーピングフィルタを設計することができる。
次に、PCM信号u[h]のサンプリング周期に合わせてノイズシェーピングフィルタの演算を行う場合を考える。PCM信号v[k]のサンプリング周期は動的に変化するので、PCM信号v[k]はノイズシェーピングフィルタの演算周期とは必ずしも同期しない。PCM信号u[h]に対しては零次ホールドを用い、数1により表される連続時間フィルタを離散時間化する。この場合、PWM信号w(t)をそのまま用いるとノイズシェーピングフィルタの演算に必要なテーブルが大きくなってしまうので、PWM信号w(t)はPCM信号y[k]で近似する。
ここで、求めるノイズシェーピングフィルタは、次のようになる。τu=tu h+1-tu hとすると、求めるノイズシェーピングフィルタは、数24、数26、数27で示すものになる。
(数23)
tk-1≦tu h≦tk<tu h+1≦tk+1
である場合、
tk-1≦tu h≦tk<tu h+1≦tk+1
である場合、
(数25)
tk-1≦tu h≦tk<tk+1<tu h+1である場合、
tk-1≦tu h≦tk<tk+1<tu h+1である場合、
となる。なお、u[h]とv[k]の加算においては、tkに対して直前のu[h]の値をv[k]に加算するものとする。上述の方法は入力に零次ホールドを用いることを仮定していたが、ホールドを用いない場合や、三角ホールドを用いる場合においても同様にデジタルフィルタを設計することができる。
(第1実施例)
本実施例は、キャリア周期が動的に変動するPWM信号を用いたフルデジタルのオーディオアンプである。その構成は図1および図2に示す通りである。音源信号r[i]はサンプリング周波数44.1kHzのPCM信号であり、オーバーサンプラ4に入力される。オーバーサンプラ4はサンプリング間隔τkのPCM信号u[k]に変換されるが、サンプリング間隔τkは一定ではなく、音源信号r[i]のサンプリング間隔の1/16倍(約1.472μs)または15/64倍(約1.329μs)のどちらかの値をとり、そのどちらかの値をとるかはほぼ同じ割合で擬似乱数により決められる。ノイズシェーピングフィルタ3においては、0次補間を用いた数4および数5に示されるフィルタ演算がなされ、量子化器1の出力信号であるPCM信号y[k]における量子化ノイズの周波数シェーピングがなされ、可聴域成分を抑制する。量子化器1の量子化ステップ数は、サンプリング間隔τkが音源信号r[i]のサンプリング間隔の1/16倍のときは31ステップ、15/64倍のときは29ステップである。
本実施例は、キャリア周期が動的に変動するPWM信号を用いたフルデジタルのオーディオアンプである。その構成は図1および図2に示す通りである。音源信号r[i]はサンプリング周波数44.1kHzのPCM信号であり、オーバーサンプラ4に入力される。オーバーサンプラ4はサンプリング間隔τkのPCM信号u[k]に変換されるが、サンプリング間隔τkは一定ではなく、音源信号r[i]のサンプリング間隔の1/16倍(約1.472μs)または15/64倍(約1.329μs)のどちらかの値をとり、そのどちらかの値をとるかはほぼ同じ割合で擬似乱数により決められる。ノイズシェーピングフィルタ3においては、0次補間を用いた数4および数5に示されるフィルタ演算がなされ、量子化器1の出力信号であるPCM信号y[k]における量子化ノイズの周波数シェーピングがなされ、可聴域成分を抑制する。量子化器1の量子化ステップ数は、サンプリング間隔τkが音源信号r[i]のサンプリング間隔の1/16倍のときは31ステップ、15/64倍のときは29ステップである。
量子化器1においては、入力信号の信号範囲(フルスケール)を出力信号の信号範囲(フルスケール)に対応させる。入力信号の信号範囲が一定であるのに対して出力信号の信号範囲はサンプリング間隔τkによって変化するため、量子化器1の変換ゲインはサンプリング間隔τkに比例させる必要がある。式であらわすと、
y[k] = round ( g * s[k] * τk )
となる。ただし、gは適当な定数であり、s[k]は量子化器1の入力信号である。また、round()は引数に最も近い整数に変換する関数である。
y[k] = round ( g * s[k] * τk )
となる。ただし、gは適当な定数であり、s[k]は量子化器1の入力信号である。また、round()は引数に最も近い整数に変換する関数である。
パルス幅変調器2においては、PCM信号y[k]に従ったPWM信号を生成する。その際のキャリア信号の周期はサンプリング間隔τkと同じであり、動的に変化する。生成されたPWM信号によりスイッチング増幅器5が駆動され、スイッチング増幅器5はローパスフィルタ6を通して負荷であるスピーカを駆動する。
このフルデジタルのオーディオアンプにおけるPWM信号w(t)のスペクトルをいくつか示す。図9は、可聴域付近におけるPWM信号w(t)のスペクトルの例であり、音源信号は周波数2.7563kHzで変調率80%の正弦波である。第2高調波がわずかに認められるものの、可聴域における量子化ノイズが抑制されていることが見て取れる。ただし、ノイズシェーピングフィルタにおける信号u[k]の補間誤差の影響で、u[k]のサンプリング周期が一定の場合に比べて可聴域のノイズフロアが少し上昇している。図10は、PWM信号w(t)の広域スペクトルを示したものである。PWM信号のキャリア周波数が動的に変動することによりスペクトルが拡散していることがわかる。スペクトルの総量はあまり変化ないが、特定周波数におけるスペクトルの集中を避けることができるので、電磁ノイズ対策となる。
図11は、音源信号が周波数16.5378kHzで変調率80%の正弦波である場合の可聴域付近におけるPWM信号w(t)のスペクトルである。音源信号の周波数が高くなってしまったことにより、可聴域におけるフロアノイズが大きくなってしまっている。これはノイズシェーピングフィルタにおける信号u[k]の補間誤差の影響によるものである。
本実施例の利点の一つは、ノイズシェーピングフィルタの演算に0次補間の考え方を用いているので、演算の量を抑えることができることである。
(第2実施例)
本実施例は、キャリア周期が動的に変動するPWM信号を用いたフルデジタルのオーディオアンプである。その構成は図2に示す通りである。音源信号r[i]はサンプリング周波数44.1kHzのPCM信号であり、オーバーサンプラ4に入力される。オーバーサンプラ4はサンプリング間隔τkのPCM信号u[k]に変換されるが、サンプリング間隔τkは一定ではなく、音源信号r[i]のサンプリング間隔の1/16倍(約1.472μs)または15/64倍(約1.329μs)のどちらかの値をとり、そのどちらかの値をとるかはほぼ同じ割合で擬似乱数により決められる。ノイズシェーピングフィルタ3においては、1次補間を用いた数6および数7に示されるフィルタ演算がなされ、量子化器1の出力信号であるPCM信号y[k]における量子化ノイズの周波数シェーピングがなされ、可聴域成分を抑制する。量子化器1の量子化ステップ数は、サンプリング間隔τkが音源信号r[i]のサンプリング間隔の1/16倍のときは31ステップ、15/64倍のときは29ステップである。
本実施例は、キャリア周期が動的に変動するPWM信号を用いたフルデジタルのオーディオアンプである。その構成は図2に示す通りである。音源信号r[i]はサンプリング周波数44.1kHzのPCM信号であり、オーバーサンプラ4に入力される。オーバーサンプラ4はサンプリング間隔τkのPCM信号u[k]に変換されるが、サンプリング間隔τkは一定ではなく、音源信号r[i]のサンプリング間隔の1/16倍(約1.472μs)または15/64倍(約1.329μs)のどちらかの値をとり、そのどちらかの値をとるかはほぼ同じ割合で擬似乱数により決められる。ノイズシェーピングフィルタ3においては、1次補間を用いた数6および数7に示されるフィルタ演算がなされ、量子化器1の出力信号であるPCM信号y[k]における量子化ノイズの周波数シェーピングがなされ、可聴域成分を抑制する。量子化器1の量子化ステップ数は、サンプリング間隔τkが音源信号r[i]のサンプリング間隔の1/16倍のときは31ステップ、15/64倍のときは29ステップである。
量子化器1においては、入力信号の信号範囲(フルスケール)を出力信号の信号範囲(フルスケール)に対応させる。入力信号の信号範囲が一定であるのに対して出力信号の信号範囲はサンプリング間隔τkによって変化するため、量子化器1の変換ゲインはサンプリング間隔τkに比例させる必要がある。式であらわすと、
y[k] = round ( g * s[k] * τk )
となる。ただし、gは適当な定数であり、s[k]は量子化器1の入力信号である。また、round()は引数に最も近い整数に変換する関数である。
y[k] = round ( g * s[k] * τk )
となる。ただし、gは適当な定数であり、s[k]は量子化器1の入力信号である。また、round()は引数に最も近い整数に変換する関数である。
パルス幅変調器2においては、PCM信号y[k]に従ったPWM信号を生成する。その際のキャリア信号の周期はサンプリング間隔τkと同じであり、動的に変化する。生成されたPWM信号によりスイッチング増幅器5が駆動され、スイッチング増幅器5はローパスフィルタ6を通して負荷であるスピーカを駆動する。
このフルデジタルのオーディオアンプにおけるPWM信号w(t)のスペクトルをいくつか示す。図12は、可聴域付近におけるPWM信号w(t)のスペクトルの例であり、音源信号は周波数2.7563kHzで変調率80%の正弦波である。第2高調波がわずかに認められるものの、可聴域における量子化ノイズが抑制されていることがわかる。ノイズシェーピングフィルタにおける信号u[k]の補間誤差の影響で、u[k]のサンプリング周期が一定の場合に比べて可聴域のノイズフロアが少し上昇しているが、1次補間を用いることにより0次補間を行った場合である図9に比べてその上昇が抑えられている。図13は、PWM信号w(t)の広域スペクトルを示したものである。PWM信号のキャリア周波数が動的に変動することによりスペクトルが拡散していることがわかる。スペクトルの総量はあまり変化ないが、特定周波数におけるスペクトルの集中を避けることができるので、電磁ノイズ対策となる。
図14は、音源信号が周波数16.5378kHzで変調率80%の正弦波である場合の可聴域付近におけるPWM信号w(t)のスペクトルである。音源信号の周波数が高くなってしまったことにより、可聴域におけるフロアノイズが大きくなってしまっている。これはノイズシェーピングフィルタにおける信号u[k]の補間誤差の影響によるものである。0次補間を行ったときとほぼ同じ大きさのフロアノイズを生じてしまっている。
本実施例の利点の一つは、ノイズシェーピングフィルタの演算に1次補間の考え方を用いているので、演算の量をあまり増大させずに音源信号の周波数が低いときにおいて0次補間の場合と比べて補間誤差によるフロアノイズが小さくできることである。
(第3実施例)
本実施例は、キャリア周期が動的に変動するPWM信号を用いたフルデジタルのオーディオアンプである。その構成は図2に示す通りである。音源信号r[i]はサンプリング周波数44.1kHzのPCM信号であり、オーバーサンプラ4に入力される。オーバーサンプラ4はサンプリング間隔τkのPCM信号u[k]に変換されるが、サンプリング間隔τkは一定ではなく、音源信号r[i]のサンプリング間隔の1/16倍(約1.472μs)または15/64倍(約1.329μs)のどちらかの値をとり、そのどちらかの値をとるかはほぼ同じ割合で擬似乱数により決められる。ノイズシェーピングフィルタ3においては、2次補間の考えに基づく数10から数13に示されるフィルタ演算がなされ、量子化器1の出力信号であるPCM信号y[k]における量子化ノイズの周波数シェーピングがなされ、可聴域成分を抑制する。量子化器1の量子化ステップ数は、サンプリング間隔τkが音源信号r[i]のサンプリング間隔の1/16倍のときは31ステップ、15/64倍のときは29ステップである。
本実施例は、キャリア周期が動的に変動するPWM信号を用いたフルデジタルのオーディオアンプである。その構成は図2に示す通りである。音源信号r[i]はサンプリング周波数44.1kHzのPCM信号であり、オーバーサンプラ4に入力される。オーバーサンプラ4はサンプリング間隔τkのPCM信号u[k]に変換されるが、サンプリング間隔τkは一定ではなく、音源信号r[i]のサンプリング間隔の1/16倍(約1.472μs)または15/64倍(約1.329μs)のどちらかの値をとり、そのどちらかの値をとるかはほぼ同じ割合で擬似乱数により決められる。ノイズシェーピングフィルタ3においては、2次補間の考えに基づく数10から数13に示されるフィルタ演算がなされ、量子化器1の出力信号であるPCM信号y[k]における量子化ノイズの周波数シェーピングがなされ、可聴域成分を抑制する。量子化器1の量子化ステップ数は、サンプリング間隔τkが音源信号r[i]のサンプリング間隔の1/16倍のときは31ステップ、15/64倍のときは29ステップである。
量子化器1においては、入力信号の信号範囲(フルスケール)を出力信号の信号範囲(フルスケール)に対応させる。入力信号の信号範囲が一定であるのに対して出力信号の信号範囲はサンプリング間隔τkによって変化するため、量子化器1の変換ゲインはサンプリング間隔τkに比例させる必要がある。式であらわすと、
y[k] = round ( g * s[k] * τk )
となる。ただし、gは適当な定数であり、s[k]は量子化器1の入力信号である。また、round()は引数に最も近い整数に変換する関数である。
y[k] = round ( g * s[k] * τk )
となる。ただし、gは適当な定数であり、s[k]は量子化器1の入力信号である。また、round()は引数に最も近い整数に変換する関数である。
パルス幅変調器2においては、PCM信号y[k]に従ったPWM信号を生成する。その際のキャリア信号の周期はサンプリング間隔τkと同じであり、動的に変化する。生成されたPWM信号によりスイッチング増幅器5が駆動され、スイッチング増幅器5はローパスフィルタ6を通して負荷であるスピーカを駆動する。
このフルデジタルのオーディオアンプにおけるPWM信号w(t)のスペクトルをいくつか示す。図15は、可聴域付近におけるPWM信号w(t)のスペクトルの例であり、音源信号は周波数2.7563kHzで変調率80%の正弦波である。第2高調波もよく抑制できており、可聴域における量子化ノイズも抑制されていることが見て取れる。ノイズシェーピングフィルタにおける信号u[k]の補間誤差の影響も量子化誤差に隠れるほど小さくなっている。図16は、PWM信号w(t)の広域スペクトルを示したものである。PWM信号のキャリア周波数が動的に変動することによりスペクトルが拡散していることがわかる。スペクトルの総量はあまり変化ないが、特定周波数におけるスペクトルの集中を避けることができるので、電磁ノイズ対策となる。
図17は、音源信号が周波数16.5378kHzで変調率80%の正弦波である場合の可聴域付近におけるPWM信号w(t)のスペクトルである。音源信号の周波数が高くなってしまったことにより、可聴域におけるフロアノイズが大きくなってしまっている。これはノイズシェーピングフィルタにおける信号u[k]の補間誤差の影響によるものである。0次補間を行ったときとほぼ同じ大きさのフロアノイズを生じてしまっている。
本実施例の利点の一つは、ノイズシェーピングフィルタの演算に2次補間の考え方を用いているので、演算の量をあまり増大させずに音源信号の周波数が低いときにおいて1次補間の場合と比べて補間誤差によるフロアノイズを小さくできることである。
(第4実施例)
本実施例は、キャリア周期が動的に変動するPWM信号を用いたフルデジタルのオーディオアンプである。その構成は図2に似ているが、オーバーサンプラ4がPCM信号u[k]のみではなくuc[k]も出力し、ノイズシェーピングフィルタ3の入力にuc[k]も加わる点が異なる。音源信号r[i]はサンプリング周波数44.1kHzのPCM信号であり、オーバーサンプラ4に入力される。オーバーサンプラ4はサンプリング間隔τkのPCM信号u[k]に変換されるが、サンプリング間隔τkは一定ではなく、音源信号r[i]のサンプリング間隔の1/16倍(約1.472μs)または15/64倍(約1.329μs)のどちらかの値をとり、そのどちらかの値をとるかはほぼ同じ割合で擬似乱数により決められる。ノイズシェーピングフィルタ3においては、2次補間の考えに基づく数15および数16に示されるフィルタ演算がなされ、量子化器1の出力信号であるPCM信号y[k]における量子化ノイズの周波数シェーピングがなされ、可聴域成分を抑制する。量子化器1の量子化ステップ数は、サンプリング間隔τkが音源信号r[i]のサンプリング間隔の1/16倍のときは31ステップ、15/64倍のときは29ステップである。
本実施例は、キャリア周期が動的に変動するPWM信号を用いたフルデジタルのオーディオアンプである。その構成は図2に似ているが、オーバーサンプラ4がPCM信号u[k]のみではなくuc[k]も出力し、ノイズシェーピングフィルタ3の入力にuc[k]も加わる点が異なる。音源信号r[i]はサンプリング周波数44.1kHzのPCM信号であり、オーバーサンプラ4に入力される。オーバーサンプラ4はサンプリング間隔τkのPCM信号u[k]に変換されるが、サンプリング間隔τkは一定ではなく、音源信号r[i]のサンプリング間隔の1/16倍(約1.472μs)または15/64倍(約1.329μs)のどちらかの値をとり、そのどちらかの値をとるかはほぼ同じ割合で擬似乱数により決められる。ノイズシェーピングフィルタ3においては、2次補間の考えに基づく数15および数16に示されるフィルタ演算がなされ、量子化器1の出力信号であるPCM信号y[k]における量子化ノイズの周波数シェーピングがなされ、可聴域成分を抑制する。量子化器1の量子化ステップ数は、サンプリング間隔τkが音源信号r[i]のサンプリング間隔の1/16倍のときは31ステップ、15/64倍のときは29ステップである。
量子化器1においては、入力信号の信号範囲(フルスケール)を出力信号の信号範囲(フルスケール)に対応させる。入力信号の信号範囲が一定であるのに対して出力信号の信号範囲はサンプリング間隔τkによって変化するため、量子化器1の変換ゲインはサンプリング間隔τkに比例させる必要がある。式であらわすと、
y[k] = round ( g * s[k] * τk )
となる。ただし、gは適当な定数であり、s[k]は量子化器1の入力信号である。また、round()は引数に最も近い整数に変換する関数である。
y[k] = round ( g * s[k] * τk )
となる。ただし、gは適当な定数であり、s[k]は量子化器1の入力信号である。また、round()は引数に最も近い整数に変換する関数である。
パルス幅変調器2においては、PCM信号y[k]に従ったPWM信号を生成する。その際のキャリア信号の周期はサンプリング間隔τkと同じであり、動的に変化する。生成されたPWM信号によりスイッチング増幅器5が駆動され、スイッチング増幅器5はローパスフィルタ6を通して負荷であるスピーカを駆動する。
このフルデジタルのオーディオアンプにおけるPWM信号w(t)のスペクトルをいくつか示す。図18は、可聴域付近におけるPWM信号w(t)のスペクトルの例であり、音源信号は周波数2.7563kHzで変調率80%の正弦波である。第2高調波もよく抑制できており、可聴域における量子化ノイズも抑制されていることが見て取れる。ノイズシェーピングフィルタにおける信号u[k]の補間誤差の影響も量子化誤差に隠れるほど小さくなっている。図19は、PWM信号w(t)の広域スペクトルを示したものである。PWM信号のキャリア周波数が動的に変動することによりスペクトルが拡散していることがわかる。スペクトルの総量はあまり変化ないが、特定周波数におけるスペクトルの集中を避けることができるので、電磁ノイズ対策となる。
図20は、音源信号が周波数16.5378kHzで変調率80%の正弦波である場合の可聴域付近におけるPWM信号w(t)のスペクトルである。音源信号の周波数が高くなっても、可聴域におけるフロアノイズが大きくなっていないことが見て取れる。これはノイズシェーピングフィルタにおける信号u[k]の補間においてサンプル点間の値uc[k]を用いることにより補間誤差が小さくなったことによる。
本実施例の利点の一つは、ノイズシェーピングフィルタの演算にサンプル点間の値および2次補間の考え方を用いているので、補間誤差によるフロアノイズを小さくできることである。
(第5実施例)
本発実施例は、キャリア周期が動的に変動するPWM信号を用いたフルデジタルのオーディオアンプである。その構成は図7に示す通りである。音源信号r[i]はサンプリング周波数44.1kHzのPCM信号であり、オーバーサンプラ4に入力される。オーバーサンプラ4はサンプリング周波数が16倍の705.6kHzのPCM信号u[h]を出力する。ノイズシェーピングフィルタ3および量子化器1はサンプリング間隔τkのPCM信号y[k]を出力するが、サンプリング間隔τkは一定ではなく、PCM信号u[h]のサンプリング間隔の1倍(約1.472μs)または13/16倍(約1.152μs)のどちらかの値をとり、そのどちらかの値をとるかはほぼ同じ割合で擬似乱数により決められる。ノイズシェーピングフィルタ3においては、零次補間の考えに基づく数17から数22に示されるフィルタ演算がなされ、量子化器1の出力信号であるPCM信号y[k]における量子化ノイズの周波数シェーピングがなされ、可聴域成分を抑制する。量子化器1の量子化ステップ数は、サンプリング間隔τkが音源信号r[i]のサンプリング間隔の1/16倍のときは31ステップ、13/64倍のときは25ステップである。
本発実施例は、キャリア周期が動的に変動するPWM信号を用いたフルデジタルのオーディオアンプである。その構成は図7に示す通りである。音源信号r[i]はサンプリング周波数44.1kHzのPCM信号であり、オーバーサンプラ4に入力される。オーバーサンプラ4はサンプリング周波数が16倍の705.6kHzのPCM信号u[h]を出力する。ノイズシェーピングフィルタ3および量子化器1はサンプリング間隔τkのPCM信号y[k]を出力するが、サンプリング間隔τkは一定ではなく、PCM信号u[h]のサンプリング間隔の1倍(約1.472μs)または13/16倍(約1.152μs)のどちらかの値をとり、そのどちらかの値をとるかはほぼ同じ割合で擬似乱数により決められる。ノイズシェーピングフィルタ3においては、零次補間の考えに基づく数17から数22に示されるフィルタ演算がなされ、量子化器1の出力信号であるPCM信号y[k]における量子化ノイズの周波数シェーピングがなされ、可聴域成分を抑制する。量子化器1の量子化ステップ数は、サンプリング間隔τkが音源信号r[i]のサンプリング間隔の1/16倍のときは31ステップ、13/64倍のときは25ステップである。
量子化器1においては、入力信号の信号範囲(フルスケール)を出力信号の信号範囲(フルスケール)に対応させる。入力信号の信号範囲が一定であるのに対して出力信号の信号範囲はサンプリング間隔τkによって変化するため、量子化器1の変換ゲインはサンプリング間隔τkに比例させる必要がある。式であらわすと、
y[k] = round ( g * s[k] * τk )
となる。ただし、gは適当な定数であり、s[k]は量子化器1の入力信号である。また、round()は引数に最も近い整数に変換する関数である。
y[k] = round ( g * s[k] * τk )
となる。ただし、gは適当な定数であり、s[k]は量子化器1の入力信号である。また、round()は引数に最も近い整数に変換する関数である。
パルス幅変調器2においては、PCM信号y[k]に従ったPWM信号を生成する。その際のキャリア信号の周期はサンプリング間隔τkと同じであり、動的に変化する。生成されたPWM信号によりスイッチング増幅器5が駆動され、スイッチング増幅器5はローパスフィルタ6を通して負荷であるスピーカを駆動する。
このフルデジタルのオーディオアンプにおけるPWM信号w(t)のスペクトルをいくつか示す。図21は、可聴域付近におけるPWM信号w(t)のスペクトルの例であり、音源信号は周波数2.7563kHzで変調率82%の正弦波である。第2高調波もよく抑制できており、可聴域における量子化ノイズも抑制されていることがわかる。PCM信号u[h]のサンプリング周期を一定としたので、補間誤差の影響によるフロアノイズを発生していない。図22は、PWM信号w(t)の広域スペクトルを示したものである。PWM信号のキャリア周波数が動的に変動することによりスペクトルが拡散していることがわかる。スペクトルの総量はあまり変化ないが、特定周波数におけるスペクトルの集中を避けることができるので、電磁ノイズ対策となる。キャリア周波数の変動を大きくとっているので、スペクトルの拡散も大きくなっている。
図23は、音源信号が周波数16.5378kHzで変調率82%の正弦波である場合の可聴域付近におけるPWM信号w(t)のスペクトルである。音源信号の周波数が高くなっても、可聴域におけるフロアノイズが発生していないことがわかる。
本実施例の利点の一つは、PCM信号u[h]のサンプリング周期を一定としているので、PCM信号u[h]の補間誤差によるフロアノイズの発生がないことである。
本実施例の他の利点の一つは、PCM信号y[k]のサンプリング間隔すなわちPWM信号w(t)のキャリア周期の変動幅を大きく取ることができるので、PWM信号のスペクトルを十分に拡散することができることである。
本実施例においては、ノイズシェーピングフィルタ3においてPCM信号y[k]のサンプリング周期ごとに数17から数22に示されるフィルタ演算を行っていたが、u[h]のサンプリング周期ごとに数23から数27に示されるフィルタ演算を行ってもよい。
1…量子化器
2…パルス幅変調器
3…ノイズシェーピングフィルタ
31…遅延要素
32…正方行列
33…出力ベクトル
34…入力ベクトル
35…非線形関数ベクトル
36…非線形要素
4…オーバーサンプラ
5…スイッチング増幅器
6…ローパスフィルタ
2…パルス幅変調器
3…ノイズシェーピングフィルタ
31…遅延要素
32…正方行列
33…出力ベクトル
34…入力ベクトル
35…非線形関数ベクトル
36…非線形要素
4…オーバーサンプラ
5…スイッチング増幅器
6…ローパスフィルタ
Claims (5)
- 第1のPCM信号を入力としPWM信号を出力とするPWM信号生成器において、前記PWM信号の低周波成分は前記第1のPCM信号の低周波成分に応じたものであり、前記第1のPCM信号は第1のサンプリング周期を持ち、前記PWM信号は第2のサンプリング周期を持つ第2のPCM信号に基づきデジタル的手段により生成され、前記第2のサンプリング周期は外部からの指令または予め決められたシーケンスにより、同一周期が連続することもあるように各サンプリング周期毎に変動させられるものであり、前記第1のサンプリング周期は前記第2のサンプリング周期と等しく、前記第2のPCM信号の分解能は前記第1のPCM信号の分解能よりも粗いものであり、前記第1のPCM信号はデルタ・シグマ変調器により前記第2のPCM信号に変換され、前記デルタ・シグマ変調器はフィルタおよび量子化器を持ち、前記フィルタは前記第1のPCM信号および前記第2のPCM信号を入力して第3のPCM信号を出力し、当該第3のPCM信号は前記量子化器を通して前記第2のPCM信号に変換され、前記量子化器のゲインは前記第2のサンプリング周期の値に比例して動的に変化させられ、前記フィルタの内部演算における係数および関数が前記第2のサンプリング周期により決定されて動的に変化することを特徴とするPWM信号生成器。
- 第1のPCM信号を入力としPWM信号を出力とするPWM信号生成器において、前記PWM信号の低周波成分は前記第1のPCM信号の低周波成分に応じたものであり、前記第1のPCM信号は第1のサンプリング周期を持ち、前記PWM信号は第2のサンプリング周期を持つ第2のPCM信号に基づきデジタル的手段により生成され、前記第2のサンプリング周期は外部からの指令または予め決められたシーケンスにより、同一周期が連続することもあるように各サンプリング周期毎に変動させられるものであり、前記第1のPCM信号のサンプリングのタイミングは前記第2のPCM信号のサンプリングのタイミングに前記第2のPCM信号のサンプリング間のタイミングを加えたものであり、前記第2のPCM信号の分解能は前記第1のPCM信号の分解能よりも粗いものであり、前記第1のPCM信号はデルタ・シグマ変調器により前記第2のPCM信号に変換され、前記デルタ・シグマ変調器はフィルタおよび量子化器を持ち、前記フィルタは前記第1のPCM信号および前記第2のPCM信号を入力して第3のPCM信号を出力し、前記第3のPCM信号は前記量子化器を通して前記第2のPCM信号に変換され、前記量子化器のゲインは前記第2のサンプリング周期の値に比例して動的に変化させられ、前記フィルタの内部演算における係数および関数が前記第2のサンプリング周期により決定されて動的に変化することを特徴とするPWM信号生成器。
- 第1のPCM信号を入力としPWM信号を出力とするPWM信号生成器において、前記PWM信号の低周波成分は前記第1のPCM信号の低周波成分に応じたものであり、前記第1のPCM信号は第1のサンプリング周期を持ち、当該第1のサンプリング周期は一定であり、前記PWM信号は第2のサンプリング周期を持つ第2のPCM信号に基づきデジタル的手段により生成され、前記第2のサンプリング周期は外部からの指令または予め決められたシーケンスにより、同一周期が連続することもあるように各サンプリング周期毎に変動させられるものであり、第1のPCM信号はデルタ・シグマ変調器により前記第2のPCM信号に変換され、前記デルタ・シグマ変調器はフィルタおよび量子化器を持ち、前記フィルタは前記第1のPCM信号および前記第2のPCM信号を入力して第3のPCM信号を出力し、当該第3のPCM信号は前記量子化器を通して第2のPCM信号に変換され、前記量子化器のゲインは第2のサンプリング周期の値に比例して動的に変化させられ、前記フィルタの内部演算における係数および関数が前記第2のサンプリング周期、または前記第2のサンプリング周期および第1のPCM信号のサンプリングのタイミングと第2のPCM信号のサンプリングのタイミングの相対的関係により決定されて動的に変化することを特徴とするPWM信号生成器。
- 請求項1ないし請求項3に記載のPWM信号生成器を持ち、第4のPCM信号を入力として前記PWM信号を出力とするPWM信号生成装置であって、前記PWM信号の低周波成分は前記第4のPCM信号に応じたものであり、前記第4のPCM信号は第3のサンプリング周期を持ち、当該第3のサンプリング周期は一定であり、前記第4のPCM信号を入力とし前記第1のPCM信号を出力とするオーバーサンプラを持ち、前記第3のサンプリング周期は前記第1のサンプリング周期よりも長いことを特徴とするPWM信号生成装置。
- 請求項4に記載のPWM信号生成装置により生成されたPWM信号によって駆動されるスイッチング増幅器を持つことを特徴とするデジタルアンプ。
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