JP4797272B2 - 太陽電池用外装体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、太陽電池用外装体に関し、詳しくは優れた水蒸気バリア性を有し、太陽電池に耐久性を付与する太陽電池用外装体に関するものである。
【0002】
【従来の技術、発明が解決しようとする課題】
近年、石炭、石油、天然ガスなどの化石燃料のエネルギー源に対して、資源の枯渇という観点、および、燃焼ガスによる環境問題という観点から見直しが迫られている。これらの問題を解決する有力な手段として太陽エネルギーの活用があり、太陽電池に対する期待は非常に大きなものがある。特に薄型の、フレキシブルな太陽電池は、時計、電卓、個人住宅、街灯用途など、幅広い分野に適用することができる。かかる薄型の太陽電池は、一般に樹脂フィルム、ガラス、金属板などからなる基板と、単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコンまたはガリウム砒素のような単結晶化合物、硫化カドミウムなどからなる多結晶化合物等の発電素子と透明な導電性無機材料膜との積層体からなる場合が多い。
最近は太陽電池をより薄膜化させる方法が考案されており、発電素子としては薄膜アモルファスシリコンが多く用いられるようになってきている。さらに、最近は基板に樹脂フィルムを用いて薄くし、かつ、さまざまな形状に成形したり、柔軟性を持たせる方法も考案され、例えば、ポリイミド、PET、PEN、アクリル樹脂フィルム等を基板に用いた太陽電池が提案されている(特開平9―148606号公報)が、このような樹脂フィルムを太陽電池の基板として用いた場合には、水蒸気バリア性等が十分でないため電極などを腐食したり、太陽電池セルそのものが劣化し、その耐久性が低下するという問題が指摘されていた。
【0003】
一方、太陽電池をEVA(エチレン/酢酸ビニル共重合体)フィルムで挟み込んで封止し、この封止樹脂層を防水膜としてのPVF(ポリビニルフロライド)でコートしたPETフィルム被覆した太陽電池装置も提案されている(特開平9−18042号公報)。
しかしながら、かかるPVFとPETからなる太陽電池用外装体は、液体である水に対しては防水効果があるものの、水蒸気に対しては十分満足し得るものではなかった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、水蒸気に対しても十分満足し得る防水効果を示す太陽電池用の外装体を見出すべく鋭意検討を続けた結果、外装体として、溶融時に光学的異方性を示す液晶性ポリマーという特定の樹脂層を有する樹脂積層体が、水蒸気に対しても十分な防水効果を示すことを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、溶融時に光学的異方性を示す液晶性ポリマー層を有する樹脂積層体からなることを特徴とする太陽電池用外装体を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明においては、太陽電池の構造は、特に限定はないが、基本構造としては、透明電極、発電素子、基板という光による発電に必須の構成からなる。以下この構成を太陽電池セルと呼ぶことがある。なお、発電した電気を取り出すための取り出し電極または集電極を透明電極の外側に設置することも出来る。
【0006】
本発明における透明電極としては、周知の透明電極が使用し得る。例えば、公知のケミカル・ペーパー・デポジション法、スパッタ法等により、導電性無機材料層を積層したものが挙げられる。ここで無機材料としては、アルミ、金、銀、銅などの金属や、In2O3、SnO3、ZnO、In2O3などにSnを添加したITOなどの酸化物半導体が挙げられる。その場合、透明性を確保するため電極の厚みは、通常20〜1000nm程度であり、更にその表面に、透明な反射防止膜や保護膜を設けることも出来る。
【0007】
発電素子としては、周知の材料を用いることができ、IV族半導体、化合物半導体、有機半導体、湿式法によるTiO2、GaAsなどが挙げられるが、IV族半導体のうち、アモルファスシリコン膜、多結晶シリコン、多結晶化合物が好ましく用いられる。ここで、アモルファスシリコン膜の製法は特に限定するものではなく、周知の方法で得ることができる。例えば、グロー放電で発生するプラズマ中で、SiH4を分解するグロー放電法、低圧のアルゴンガス中に置かれた電極の間に電圧を加えて放電を起こし、片方の電極上に置いたターゲットをスパッタさせて、他方の電極上に置かれた基板の上にシリコン膜を析出させる反応性スパッタ法、真空中で、固体シリコンを電子ビームで蒸発させ、これを真空容器内に形成したプラズマ中に導いてイオン化させると同時に、水素との反応を起こさせ、印加電圧によってイオン粒子を基板方向に向かって析出させるイオンープレーティング法、あるいは、真空中に凝集した原子の集団に電子を当ててイオン化した上で、加速して基板上に析出させるクラスター−イオンビーム法などを挙げることができる。
【0008】
また多結晶シリコンは、周知の方法で得ることができる。例えば、シリコンの水素化物、ハロゲン化物、水素ハロゲン化物などを、亜鉛還元、水素還元、あるいは熱分解することにより、基板上に多結晶性シリコン層を形成することができる。 化合物多結晶層の例としては、例えばCdS系、CdTe系、CuIn系、Se系等の化合物の層を挙げることができ、これらは、たとえば、化学的蒸着法などの周知の方法により得ることができる。
上記発電素子の中でも、薄膜に成形することが可能で、蛍光灯下でも比較的良く作動することからアモルファスシリコンが特に好ましく用いられる。
【0009】
基板についても周知の基板を用いることができ、例えば金属、ガラス、樹脂フィルム等が使用し得る。ガラス、樹脂フィルムを用いる場合には、発電素子側に導電層を積層されていることが好ましい。かかる導電層は特に限定するものではなく、アルミ、金、銀、銅などの金属板、薄膜、In2O3、SnO3、ZnO、In2O3にSnを添加したITOなどの酸化物半導体等が挙げられる。それらは、公知のケミカル・ペーパー・デポジション法、スパッタ法、蒸着法等によってガラスや樹脂フィルムに積層されたものであっても良いし、金属板、薄膜を直接ガラスや樹脂フィルムに貼合したものであっても良い。
【0010】
本発明における外装体は、上記の様な太陽電池セルを保護するものでり、溶融時に光学的異方性を示す液晶性ポリマー層を有する樹脂積層体からなることを特徴とするものである。
かかる樹脂積層体は、溶融時に光学的異方性を示す液晶性ポリマーからなる層を含有していれば特に限定はないが、太陽電池セルに接着させるために、太陽電池の基板に対応する側に、粘着材、接着剤、または、LLDPE、CPP(無延伸プロピレン)、EVA(エチレン/酢酸ビニル共重合体)など熱で溶融接着可能なシーラントとしての樹脂層が積層されていても良い。なかでもEVAは、接着層として機能するのみならず衝撃に対するクッション性に優れるため特に好ましい。また、EVAをはじめ、LLDPE、CPPPEなどは、接着性の向上等の目的で、グリシジルメタクリレート(GMA)、メチルメタクリレート(MMA)、無水マレイン酸(MAH)などの共重合物であっても良い。
【0011】
また、液晶ポリマーからなる層を保護する目的で、太陽電池セルと接触する側の反対側にPET、OPPなどの樹脂フィルムが積層されていても良いし、不飽和エステルなどのトップコートが施されていても良い。さらに、高温高湿下で使用されるような場合などは、太陽電池セルと接触する側の反対側に撥水性に優れたPVDFからなるフィルムを用いることが好ましい。樹脂積層体は、太陽電池セルと接触する側からEVA/LCP/PVDFという構成であることがより好ましい。
【0012】
樹脂積層体は、その水蒸気透過度が1g/m2・24hr以下であることが好ましく、より好ましくは0.6g/m2・24hr以下、さらに好ましくは0.3g/m2・24hrである。水蒸気透過度が1g/m2・24hrを超えると、太陽電池の使用時に水蒸気が太陽電池セルを劣化させ、電池としての性能を低下させる傾向があり好ましくない。また特に液晶ポリマーからなる層単体の水蒸気透過度が1g/m2・24hr以下である場合、積層体における他の樹脂層に接着性、柔軟性、酸素透過度など他の機能を持つ樹脂を選択する選択肢が広くなり特に好ましい(積層体として1.0g以下であるということは、例えばLCPが1.1gであっても、他のものと積層して結果として1.0gに成るケースを含んでいる)。
また樹脂積層体におけるそれぞれの層の形成方法に特に限定は無く、例えば共押出し、溶融ラミ、シート、フィルムの貼合等の周知の方法を採用することができる。液晶ポリマーからなる層については、例えば成型温度が300℃を越える高いものについては他の樹脂層との共押し出しなどが困難な場合があるため、あらかじめフィルム形状に成型した後、他の樹脂と積層する方法が好ましく用いられる。貼合の際の接着剤は周知のものを用いることができる。この際の貼合用フィルムは、リボン状、連続フィルム状、A4版等のカットフィルム状、フィルムを巻いたロール状等の種々の形状のものが使用し得る。また、それぞれの樹脂の表面の接着性を向上させる目的で、コロナ処理などの表面処理をしたものを使用することもできる。
【0013】
本発明に用いられる溶融時に光学的異方性を示す液晶性ポリマーは種々知られており、例えば全芳香族系のポリエステル、ポリイミド、ポリエステルアミドなどや、それらを含有する樹脂組成物などが挙げられる。本発明においては、かかる液晶性ポリマーとして好ましくは液晶ポリエステルまたは液晶ポリエステルを含有する組成物であり、成形加工性、得られるフィルムの性能の点から、本発明においては(A)液晶ポリエステルを連続相とし(B)液晶ポリエステルと反応性を有する官能基を有する共重合体を分散相とする液晶ポリエステル樹脂組成物を用いることがさらに好ましい。
【0014】
ここでいう液晶ポリエステルは、サーモトロピック液晶ポリマーと呼ばれるポリエステルであり、その代表例としては、例えば、
(1)芳香族ジカルボン酸と芳香族ジオールと芳香族ヒドロキシカルボン酸とを反応させて得られるもの、
(2)異種の芳香族ヒドロキシカルボン酸の組み合せを反応させて得られるもの、
(3)芳香族ジカルボン酸と芳香族ジオールとを反応させて得られるもの、
(4)ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルに芳香族ヒドロキシカルボン酸を反応させて得られるもの、
などが挙げられ、通常、400℃以下の温度で異方性溶融体を形成するものである。なお、これらの芳香族ジカルボン酸、芳香族ジオール及び芳香族ヒドロキシカルボン酸の代わりに、それらのエステル誘導体が使用されることもある。さらに、これらの芳香族ジカルボン酸、芳香族ジオール及び芳香族ヒドロキシカルボン酸は、芳香族部分がハロゲン原子、アルキル基、アリール基等で置換されたものが使用されることもある。
【0015】
該液晶ポリエステルの繰返し構造単位としては、下記の▲1▼芳香族ジカルボン酸に由来する繰返し構造単位、▲2▼芳香族ジオールに由来する繰返し構造単位、▲3▼芳香族ヒドロキシカルボン酸に由来する繰返し構造単位を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
【0016】
▲1▼芳香族ジカルボン酸に由来する繰り返し構造単位:
【0017】
これらの各構造単位における芳香環は、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基等で置換されていてもよい。
【0018】
▲2▼芳香族ジオールに由来する繰返し構造単位:
【0019】
これらの各構造単位における芳香環は、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基等で置換されていてもよい。
【0020】
▲3▼芳香族ヒドロキシカルボン酸に由来する繰返し構造単位:
これらの各構造単位における芳香環は、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基等で置換されていてもよい。
【0021】
耐熱性、機械的特性、加工性のバランスから特に好ましい液晶ポリエステルは、
なる繰り返し構造単位を含むものであり、さらに好ましくはこのような繰り返し構造単位を少なくとも全体の30モル%以上含むものである。具体的には繰り返し構造単位の組み合わせが下記(I)〜(VI)のいずれかのものが好ましい。また、防湿性、優れた水蒸気バリア性の観点からは(IV)以外の、全芳香族ポリエステルタイプがより好ましい。さらに好ましくは(I)〜(III)の構造を有する全芳香族ポリエステルである。
【0022】
(I)
【0023】
(II)
【0024】
(III)
【0025】
(IV)
【0026】
(V)
【0027】
(VI)
【0028】
上記(I)〜(VI)における組合せの液晶ポリエステルは、例えば特公昭47−47870号公報、特公昭63−3888号公報、特公昭63−3891号公報、特公昭56−18016号公報、特開平2−51523号公報などに記載の方法に準拠して製造し得る。これらの中で好ましい組合せとしては(I)、(II)または(IV)、さらに好ましくは(I)または(II)が挙げられる。
【0029】
本発明において、高い耐熱性が要求される分野には、下記の繰り返し単位(a’)が30〜80モル%、繰り返し単位(b’)が0〜10モル%、繰り返し単位(c’)が10〜25モル%、繰り返し単位(d’)が10〜35モル%からなる液晶ポリエステルが好ましく使用される。
【0030】
(式中、Arは2価の芳香族基を示す。)
繰り返し単位(d’)における2価の芳香族基は、上述の芳香族ジオールにおける2価の芳香族基が好ましく、特に高い耐熱性が要求される用途には全芳香族のジオールが好ましい。
【0031】
本発明に用いられる外装体フィルムにおいて、環境問題等の見地から使用後の焼却などの廃棄の容易さが求められる分野には、ここまで挙げたそれぞれに要求される分野の好ましい組み合わせの中で特に炭素、水素、酸素のみの元素からなる組み合わせによる液晶ポリエステルが特に好ましく使用される。
また 成形加工性、得られるフィルムの性能の点から、本発明においては(A)液晶ポリエステルを連続相とし(B)液晶ポリエステルと反応性を有する官能基を有する共重合体を分散相とする液晶ポリエステル樹脂組成物を用いることがさらに好ましい。
【0032】
上記の液晶ポリエステル樹脂組成物に用いられる成分(B)は、液晶ポリエステルと反応性を有する官能基を有する共重合体である。このような液晶ポリエステルと反応性を有する官能基としては、液晶ポリエステルと反応性を有すれば何でもよく、具体的には、オキサゾリル基やエポキシ基、アミノ基等が挙げられる。好ましくは、エポキシ基である。
エポキシ基等は他の官能基の一部として存在していてもよく、そのような例としては例えばグリシジル基が挙げられる。
【0033】
共重合体(B)において、このような官能基を共重合体中に導入する方法としては特に限定されるものではなく、周知の方法で行うことができる。例えば共重合体の合成段階で、該官能基を有する単量体を共重合により導入することも可能であるし、共重合体に該官能基を有する単量体をグラフト共重合することも可能である。
【0034】
液晶ポリエステルと反応性を有する官能基を有する単量体、中でもグリシジル基を含有する単量体が好ましく使用される。グリシジル基を含有する単量体としては、例えば下記一般式
(式中、Rは、エチレン系不飽和結合を有する炭素数2〜13の炭化水素基を表し、Xは、−C(O)O−、−CH2−O−または
を表す。)
で示される不飽和カルボン酸グリシジルエステル、不飽和グリシジルエーテルが好ましく用いられる。
【0035】
ここで、不飽和カルボン酸グリシジルエステルとしては、例えばグリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、イタコン酸ジグリシジルエステル、ブテントリカルボン酸トリグリシジルエステル、p−スチレンカルボン酸グリシジルエステルなどを挙げることができる。
【0036】
不飽和グリシジルエーテルとしては、例えばビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、2−メチルアリルグリシジルエーテル、メタクリルグリシジルエーテル、スチレン−p−グリシジルエーテル等が例示される。
【0037】
上記の液晶ポリエステルと反応性を有する官能基を有する共重合体(B)は、好ましくは、不飽和カルボン酸グリシジルエステル単位および/または不飽和グリシジルエーテル単位を0.1〜30重量%含有する共重合体である。
【0038】
好ましくは、上記の液晶ポリエステルと反応性を有する官能基を有する共重合体(B)は、結晶の融解熱量が3J/g未満の共重合体である。
また共重合体(B)としては、ムーニー粘度が3〜70のものが好ましく、3〜30のものがさらに好ましく、4〜25のものが特に好ましい。
ここでいうムーニー粘度は、JIS K6300に準じて100℃ラージローターを用いて測定した値をいう。
これらの範囲外であると、組成物の熱安定性や柔軟性が低下する場合があり好ましくない。
【0039】
また、上記の液晶ポリエステルと反応性を有する官能基を有する共重合体(B)は、熱可塑性樹脂であってもゴムであってもよいし、熱可塑性樹脂とゴムの混合物であってもよい。該液晶ポリエステル樹脂組成物を用いて得られるフィルムまたはシート等の成形体の熱安定性や柔軟性が優れるゴムがより好ましい。
【0040】
液晶ポリエステルと反応性を有する官能基をゴム中に導入する方法としては、特に限定されるものではなく、周知の方法で行うことができる。例えばゴムの合成段階で、該官能基を有する単量体を共重合により導入することも可能であるし、ゴムに該官能基を有する単量体をグラフト共重合することも可能である。
【0041】
液晶ポリエステルと反応性を有する官能基を有する共重合体(B)の具体例としてのエポキシ基を有するゴムとしては、(メタ)アクリル酸エステル−エチレン−(不飽和カルボン酸グリシジルエステルおよび/または不飽和グリシジルエーテル)共重合体ゴムを挙げることができる。
【0042】
ここで(メタ)アクリル酸エステルとは、アクリル酸またはメタクリル酸とアルコールから得られるエステルである。アルコールとしては、炭素原子数1〜8のアルコールが好ましい。(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、tert−ブチルアクリレート、tert−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレートなどを挙げることができる。なお、(メタ)アクリル酸エステルとしては、その一種を単独で使用してもよく、または二種以上を併用してもよい。
【0043】
本発明における共重合体ゴムにおいて、(メタ)アクリル酸エステル単位が好ましくは40重量%を超え97重量%未満、さらに好ましくは45〜70重量%、エチレン単位が好ましくは3重量%以上50重量%未満、さらに好ましくは10〜49重量%、不飽和カルボン酸グリシジルエーテル単位および/または不飽和グリシジルエーテル単位が好ましくは0.1〜30重量%、さらに好ましくは0.5〜20重量%である。
上記の範囲外であると、得られるフィルムまたはシート等の成形体の熱安定性や機械的性質が不十分となる傾向があり、好ましくない。
【0044】
該共重合体ゴムは、通常の方法、例えばフリーラジカル開始剤による塊状重合、乳化重合、溶液重合などによって製造することができる。なお、代表的な重合方法は、特開昭48−11388号公報、特開昭61−127709号公報などに記載された方法であり、フリーラジカルを生成する重合開始剤の存在下、圧力500kg/cm2以上、温度40〜300℃の条件により製造することができる。
【0045】
共重合体(B)に使用できるゴムとして他には、液晶ポリエステルと反応性を有する官能基を有するアクリルゴムや、液晶ポリエステルと反応性を有する官能基を有するビニル芳香族炭化水素化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体ゴムも例示することができる。
【0046】
ここでいうアクリルゴムとして好ましくは、一般式(1)〜(3)
CH2=CH−C(O)−OR1 (1)
CH2=CH−C(O)−OR2OR3 (2)
CH2=CR4H−C(O)−O(R5(C(O)O)nR6 (3)
(式中、R1は炭素原子数1〜18のアルキル基またはシアノアルキル基を示す。R2は炭素原子数1〜12のアルキレン基を、R3は炭素原子数1〜12のアルキル基を示す。R4は水素原子またはメチル基、R5は、炭素原子数3〜30のアルキレン基、R6は炭素原子数1〜20のアルキル基またはその誘導体、nは1〜20の整数を示す。)
で表される化合物から選ばれる少なくとも1種の単量体を主成分とするものである。
【0047】
上記一般式(1)で表されるアクリル酸アルキルエステルの具体例としては、例えばメチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、ペンチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ノニルアクリレート、デシルアクリレート、ドデシルアクリレート、シアノエチルアクリレートなどを挙げることができる。
【0048】
また、上記一般式(2)で表されるアクリル酸アルコキシアルキルエステルとしては、例えばメトキシエチルアクリレート、エトキシエチルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、エトキシプロピルアクリレートなどを挙げることができる。これらの一種または二種以上を該アクリルゴムの主成分として用いることができる。
【0049】
このようなアクリルゴムの構成成分として、必要に応じて上記の一般式(1)〜(3)で表される化合物から選ばれる少なくとも一種の単量体と共重合可能な不飽和単量体を用いることができる。
このような不飽和単量体の例としては、スチレン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル、ハロゲン化スチレン、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、ビニルナフタレン、N−メチロールアクリルアミド、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ベンジルアクリレート、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸などが挙げられる。
【0050】
液晶ポリエステルと反応性を有する官能基を有するアクリルゴムの好ましい構成成分比は、上記の一般式(1)〜(3)で表される化合物から選ばれる少なくとも一種の単量体40.0〜99.9重量%、不飽和カルボン酸グリシジルエステルおよび/または不飽和グリシジルエーテル0.1〜30.0重量%、上記の一般式(1)〜(3)で表される化合物から選ばれる少なくとも一種の単量体と共重合可能な不飽和単量体0.0〜30.0重量%である。
該アクリルゴムの構成成分比が上記の範囲内であると、組成物の耐熱性や耐衝撃性、成形加工性が良好であり好ましい。
【0051】
該アクリルゴムの製法は特に限定するものではなく、例えば特開昭59−113010号公報、特開昭62−64809号公報、特開平3−160008号公報、あるいはWO95/04764などに記載されているような周知の重合法を用いることができ、ラジカル開始剤の存在下で乳化重合、懸濁重合、溶液重合あるいはバルク重合で製造することができる。
【0052】
前記液晶ポリエステルと反応性を有する官能基を有するビニル芳香族炭化水素化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体ゴムとしては、例えば(a)ビニル芳香族炭化水素化合物を主体とするシーケンスと(b)共役ジエン化合物を主体とするシーケンスからなるブロック共重合体をエポキシ化して得られるゴム、該ブロック共重合体の水添物をエポキシ化して得られるゴム等が挙げられる。
【0053】
ここでビニル芳香族炭化水素化合物としては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルナフタレンなどを挙げることができ、中でもスチレンが好ましい。
共役ジエン化合物としては、例えば、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジエンなどを挙げることができ、ブタジエンまたはイソプレンが好ましい。
【0054】
かかるビニル芳香族炭化水素化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体またはその水添物は、周知の方法で製造することができ、例えば、特公昭40−23798号公報、特開昭59−133203号公報等に記載されている。
【0055】
共重合体(B)として用いるゴムとして好ましくは、(メタ)アクリル酸エステル−エチレン−(不飽和カルボン酸グリシジルエステルおよび/または不飽和グリシジルエーテル)共重合体ゴムが用いられる。
【0056】
共重合体(B)として用いるゴムは、必要に応じて加硫を行い、加硫ゴムとして用いることができる。
上記の(メタ)アクリル酸エステル−エチレン−(不飽和カルボン酸グリシジルエステルおよび/または不飽和グリシジルエーテル)共重合体ゴムの加硫は、多官能性有機酸、多官能性アミン化合物、イミダゾール化合物などを用いることで達成されるが、これらに限定されるものではない。
【0057】
一方、液晶ポリエステルと反応性を有する官能基を有する共重合体(B)の具体例としてのエポキシ基を有する熱可塑性樹脂としては、(a)エチレン単位が50〜99重量%、(b)不飽和カルボン酸グリシジルエステル単位および/または不飽和グリシジルエーテル単位が0.1〜30重量%、好ましくは0.5〜20重量%、(c)エチレン系不飽和エステル化合物単位が0〜50重量%からなるエポキシ基含有エチレン共重合体を挙げることができる。
【0058】
エチレン系不飽和エステル化合物(c)としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル等のカルボン酸ビニルエステル、α,β−不飽和カルボン酸アルキルエステル等が挙げられる。特に酢酸ビニル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチルが好ましい。
【0059】
該エポキシ基含有エチレン共重合体の具体例としては、たとえばエチレン単位とグリシジルメタクリレート単位からなる共重合体、エチレン単位とグリシジルメタクリレート単位およびアクリル酸メチル単位からなる共重合体、エチレン単位とグリシジルメタクリレート単位およびアクリル酸エチル単位からなる共重合体、エチレン単位とグリシジルメタクリレート単位および酢酸ビニル単位からなる共重合体等が挙げられる。
【0060】
該エポキシ基含有エチレン共重合体のメルトインデックス(以下、MFRということがある。JIS K6760、190℃、2.16kg荷重)は、好ましくは0.5〜100g/10分、さらに好ましくは2〜50g/10分である。メルトインデックスはこの範囲外であってもよいが、メルトインデックスが100g/10分を越えると組成物にした時の機械的物性の点で好ましくなく、0.5g/10分未満では成分(A)の液晶ポリエステルとの相溶性が劣り好ましくない。
【0061】
また、該エポキシ基含有エチレン共重合体は、曲げ剛性率が10〜1300kg/cm2の範囲のものが好ましく、20〜1100kg/cm2のものがさらに好ましい。
曲げ剛性率がこの範囲外であると組成物の成形加工性や機械的性質が不十分となる場合がある。
【0062】
該エポキシ基含有エチレン共重合体は、通常不飽和エポキシ化合物とエチレンをラジカル発生剤の存在下、500〜4000気圧、100〜300℃で適当な溶媒や連鎖移動剤の存在下または不存在下に共重合させる高圧ラジカル重合法により製造される。また、ポリエチレンに不飽和エポキシ化合物およびラジカル発生剤を混合し、押出機の中で溶融グラフト共重合させる方法によっても製造しえる。
【0063】
本発明における液晶ポリエステル樹脂組成物は、前記のような(A)液晶ポリエステルを連続相とし、前記のような(B)液晶ポリエステルと反応性を有する官能基を有する共重合体を分散相とする樹脂組成物であることが好ましい。
液晶ポリエステルが連続相でない場合には、液晶ポリエステル樹脂組成物からなるフィルムのガスバリア性、耐熱性などが著しく低下する場合がある。
【0064】
このような官能基を有する共重合体と液晶ポリエステルとの樹脂組成物においては、機構の詳細は不明ではあるが、該組成物の成分(A)と成分(B)との間で反応が生起し、成分(A)が連続相を形成するとともに成分(B)が微細分散し、そのために該組成物の成形性が向上するものと考えられる。
【0065】
上記の液晶ポリエステル樹脂組成物の一実施態様は、(A)液晶ポリエステル56.0〜99.9重量%、好ましくは65.0〜99.9重量%、さらに好ましくは70〜98重量%、および(B)液晶ポリエステルと反応性を有する官能基を有する共重合体44.0〜0.1重量%、好ましくは35.0〜0.1重量%、さらに好ましくは30〜2重量%を含有する樹脂組成物である。
成分(A)が56.0重量%未満であると該組成物から得られるフィルムの水蒸気バリア性、耐熱性が低下する場合がある。また、成分(A)が99.9重量%を超えると該組成物の成形加工性が低下する場合があり、また価格的にも高価なものとなる。
【0066】
このような液晶ポリエステル樹脂組成物を製造する方法としては周知の方法を用いることができる。たとえば、溶液状態で各成分を混合し、溶剤を蒸発させるか、溶剤中に沈殿させる方法が挙げられる。工業的見地からみると溶融状態で上記組成の各成分を混練する方法が好ましい。溶融混練には一般に使用されている一軸または二軸の押出機、各種のニーダー等の混練装置を用いることができる。特に二軸の高混練機が好ましい。
溶融混練に際しては、混練装置のシリンダー設定温度は、200〜360℃の範囲が好ましく、さらに好ましくは230〜350℃である。
【0067】
混練に際しては、各成分は、予めタンブラーもしくはヘンシェルミキサーのような装置で各成分を均一に混合してもよいし、必要な場合には混合を省き、混練装置にそれぞれ別個に定量供給する方法も用いることができる。
【0068】
本発明に使用する液晶ポリマーに、必要に応じて、さらに、有機充填剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、無機または有機系着色剤、防錆剤、架橋剤、発泡剤、蛍光剤、表面平滑剤、表面光沢改良剤、フッ素樹脂などの離型改良剤などの各種の添加剤を製造工程中あるいはその後の加工工程において添加することができる。
【0069】
本発明は、外装体として、上記のような液晶ポリマーの層を有する樹脂積層体を使用するものであるが、液晶ポリマーは、同時に二軸延伸可能なインフレーション成膜によるものが好ましい。すなわち、液晶ポリマーは、環状スリットのダイを備えた溶融混練押出機に供給され、シリンダー設定温度好ましくは200〜360℃、さらに好ましくは230〜350℃で溶融混練される。次に、押出機の環状スリットから上方または下方へ溶融樹脂が押出され、筒状フィルムとなる(この方向(長手方向)がMD方向であり、フィルム面内でそれに直行する方向がTD方向である)。環状スリット間隔は、通常0.1〜5mm、好ましくは0.5〜2mm、環状スリットの直径は、通常20〜1000mm、好ましくは50〜300mmである。
【0070】
インフレーション成形(成膜)において、好ましいブロー比は、通常1.5〜10、好ましいMD延伸倍率は、1.5〜40である。
インフレーション成膜時の設定条件が上記の範囲外であると、厚さが均一でしわの無い高強度のフィルムを得るのが困難となる場合がある。
膨張させたフィルムは、その円周を空冷あるいは水冷させた後、ニップロールを通過させて引き取る。
【0071】
インフレーション成膜に際しては、組成物の性質に応じて、筒状の溶融体フィルムが均一な厚みで表面平滑な状態に膨張するような条件を選択することができる。
インフレーション成膜以外の方法であると、フィルムが二軸延伸されず必要最小限の強度が得られなかったり、別の方法で逐次二軸延伸しても製法にコストがかかりすぎることがある。
【0072】
本発明における溶融時に光学的異方性を示す液晶ポリマーからなるフィルム層の厚みには特に限定されないが、水蒸気透過度と柔軟性という点から、3μm以上500μm未満、より好ましくは、5μm以上300μm未満、さらに好ましくは、8μm以上200μm未満である。厚みが3μm以下であると、それを用いて得た外装体の水蒸気透過度が1.0g/m2・24hrを超えることがありこのましくなく、厚みが500μm以上であると、柔軟性が損なわれる恐れがあり好ましくない。
本発明においては外装体としての積層体の水蒸気透過度が1.0g/m2・24hr以下であればよいが、液晶ポリマーフィルム自体の水蒸気透過度も、好ましくは1.0g/m2・24hr以下であり、さらに好ましくは0.8g/m2・24hr以下である。液晶ポリマーフィルムの水蒸気透過度が1.0以上であると、外装体の構成が制約を受けることがあり好ましくない。
【0073】
本発明において、液晶性ポリマーからなるフィルムの表面に、接着性向上のためあらかじめ表面処理を施すことができる。このような表面処理法としては、例えばコロナ放電処理、プラズマ処理、火炎処理、スパッタリング処理、溶剤処理、紫外線処理、研磨処理、赤外線処理、オゾン処理などが挙げられる。
【0074】
【実施例】
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明は実施例のみに限定されるものではない。
【0075】
(1)成分(A)の液晶ポリエステル
(i)p−アセトキシ安息香酸8.3kg(60モル)、テレフタル酸2.49kg(15モル)、イソフタル酸0.83kg(5モル)および4,4’−ジアセトキシジフェニル5.45kg(20.2モル)を櫛型撹拌翼をもつ重合槽に仕込み、窒素ガス雰囲気下で撹拌しながら昇温し330℃で1時間重合させた。この間に副生する酢酸ガスを冷却管で液化し回収、除去しながら、強力な撹拌下で重合させた。その後、系を徐々に冷却し、200℃で得られたポリマーを系外へ取出した。この得られたポリマーを細川ミクロン(株)製のハンマーミルで粉砕し、2.5mm以下の粒子とした。これを更にロータリーキルン中で窒素ガス雰囲気下に280℃で3時間処理することによって、流動温度が324℃の粒子状の下記の繰り返し構造単位からなる全芳香族ポリエステルを得た。
ここで、流動温度とは、島津社製高化式フローテスターCFT−500型を用いて、4℃/分の昇温速度で加熱された樹脂を、荷重100kgf/cm2のもとで、内径1mm、長さ10mmのノズルから押し出すときに、溶融粘度が48000ポイズを示す温度のことをいう。
以下該液晶ポリエステルをA−1と略記する。このポリマーは加圧下で340℃以上で光学異方性を示した。液晶ポリエステルA−1の繰り返し構造単位は、次の通りである。
【0076】
【0077】
(ii)p―ヒドロキシ安息香酸16.6Kg(12.1モル)と6―ヒドロキシ−2−ナフトエ酸8.4Kg(4.5モル)および無水酢酸18.6Kg(18.2モル)を櫛型攪拌翼付きの重合槽に仕込み、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら昇温し、320℃で1時間、そしてさらに2.0torrの減圧化に320℃で1時間重合させた。この間に、副生する酢酸を系外へ留出し続けた。その後、系を徐々に冷却し、180℃で得られたポリマーを系外へ取り出した。
この得られたポリマーを細川ミクロン(株)製のハンマーミルで粉砕し、2.5mm以下の粒子とした。これを更にロータリーキルン中で窒素ガス雰囲気下に240℃で5時間処理することによって、流動開始温度が270℃の粒子状の下記繰り返し単位からなる全芳香族ポリエステルを得た。以下該熱可塑性樹脂をA―2と略記する。
該熱可塑性樹脂は偏光顕微鏡で観察した際、加圧下で280℃以上の温度で光学異方性を示した。A−2の繰り返し構造単位の比率は次の通りである。
【0078】
【0079】
(2)成分(B)
(i)特開昭61−127709号公報の実施例5に記載の方法に準じて、アクリル酸メチル/エチレン/グリシジルメタクリレート=59.0/38.7/2.3(重量比)、ムーニー粘度=15、結晶の融解熱量<1J/gのゴムを得た。以下該ゴムをB−1と略称することがある。
ここでムーニー粘度は、JIS K6300に準じて100℃、ラージローターを用いて測定した値である。
また結晶の融解熱量は、DSCを使用し、試料を−150℃から100℃まで20℃/分で昇温して求めた。
【0080】
(3)物性測定法
得られたフィルムに関し、以下の要領で測定を行った。
(i)水蒸気透過度:JIS Z0208(カップ法)に準拠して、温度40℃、相対湿度95%の条件で測定した。単位はg/m2・24hrであり、厚み補正は行わず、用いたフィルム厚みでの値である。
【0081】
参考例1
A−1 90重量%、B−1 10重量%を日本製鋼(株)製TEX−30型二軸押出機を用いてシリンダー設定温度350℃、スクリュー回転数200rpmで溶融混練を行って組成物を得た。該組成物の流動開始温度は327℃であった。また、該組成物は338℃以上で光学的異方性を示した。
この組成物のペレットを円筒ダイを備えた60mmφの単軸押出機に供給して、シリンダー設定温度350℃、回転数90rpmで溶融混練し、直径50mm、リップ間隔1.0mm、ダイ設定温度346℃の円筒ダイから上方へ溶融樹脂を押出し、その際この筒状フィルムの中空部へ乾燥空気を圧入して筒状フィルムを膨張させ、次に冷却させたのちニップロールに通してフィルムを得た。
この際フィルムのブロー比は2.3、ドローダウン比は17.7であり、フィルムの実測平均厚みは25μmであった。以下該フィルムを H―1と略称することがある。
H−1の40℃での水蒸気透過度は0.70g/m2・24hrであった。
【0082】
参考例2
また、同様の手法で、ブロー比を1.8、ドローダウン比は11.2とし、実測平均厚みは50μmのフィルムを得た。以下該フィルムをH−2と略称することがある。
H−2の40℃での水蒸気透過度は0.35g/m2・24hrであった。
【0083】
参考例3
A−2 95重量%、B−1 5重量%を日本製鋼(株)製TEX−30型二軸押出機を、シリンダー設定平均温度300℃、スクリュー回転数250rpmで溶融混練を行って組成物を得た。この組成物は、加圧下で265℃以上で光学的異方性を示した。この組成物ペレットを円筒ダイを備えた60mmφの単軸押出機を用いてシリンダー設定温度290℃、スクリュー回転数60rpmで溶融押出して、直径50mm、リップ間隔1.0mm、ダイ設定温度305℃の円筒ダイから上方へ溶融樹脂を押出し、この筒状溶融樹脂の中空部へ乾燥空気を圧入し、膨張させ、次に冷却させたのちニップロールに通してフィルムH−3を得た。ブロー比3.8、ドローダウン比15であり、フィルムの実測平均厚みは25μmであった。該フィルムの水蒸気透過度を測定したところ、0.26g/m2・24hrであった。
【0084】
実施例1(参考)
参考例1で得たH−1にB−1の5%クロロフォルム溶液を塗布し、乾燥後、市販の50μm厚みLLDPEフィルムを塗布面にかさね、70℃に設定した熱ロールを用いて貼合し、外装体用積層体とした。40℃での水蒸気透過度は0.6g/m2・24hrであった。
【0085】
実施例2
参考例1で得たH−1にB−1の5%クロロフォルム溶液を塗布し、乾燥後、市販の100μm厚みEVAフィルムを塗布面にかさね、70℃に設定した熱ロールを用いて貼合し、外装体用積層体とした。40℃での水蒸気透過度は0.6g/m2・24hrと非常に優れていた。
【0086】
実施例3
参考例2で得たH−2にB−1の5%クロロフォルム溶液を塗布し、乾燥後、市販の50μm厚みPVdFフィルムを塗布面にかさね、70℃に設定した熱ロールを用いて貼合した。さらに、LCPフィルムのもう一方の面にも同様の操作で50μm厚みのEVAフィルムをかさね、外装体用積層体とした。40℃での水蒸気透過度は0.25g/m2・24hrであった。
【0087】
実施例4
参考例3で得たH−3にB−1の5%クロロフォルム溶液を塗布し、乾燥後、市販の50μm厚みPVdFフィルムを塗布面にかさね、70℃に設定した熱ロールを用いて貼合した。さらに、LCPフィルムのもう一方の面にも同様の操作で50μm厚みのEVAフィルムをかさね、外装体用積層体とした。40℃での水蒸気透過度は0.18g/m2・24hrであった。
【0088】
比較例1
H−1の代わりに市販の25μm厚みのPETフィルムを用いたほかは実施例1と同様にして樹脂積層体を得た。40℃での水蒸気透過度は8.6g/m2・24hrであった。
【0089】
比較例2
H−1の代わりに市販の25μm厚みのPETフィルムを用いたほかは実施例2と同様にして得られた樹脂積層体を得た。その水蒸気透過度は12.2g/m2・24hrであった。
【0090】
比較例3
H−2の代わりに市販の50μm厚みのPETフィルムを用いたほかは実施例2と同様にして得られた樹脂積層体を得た。その水蒸気透過度は1.8g/m2・24hrであった。
【0091】
比較例4
H−3の代わりに市販の25μm厚みのPETフィルムを用いたほかは実施例3と同様にして得られた樹脂積層体を得た。その水蒸気透過度は2.1g/m2・24hrであった。
【0092】
【発明の効果】
本発明によれば、非常に水蒸気透バリア性にすぐれ、しかも安価で柔軟な樹脂積層体からなる太陽電池の外装体を得ることができ、産業界で幅広く用いることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】樹脂積層体からなる本発明の外装体を設置した太陽電池の1実施形態を示す概略断面図。
【図2】本発明における樹脂積層体の1具体例を示す概略断面図(図1の6の切り取り図)
【符号の説明】
1 基板
2 導電層(電極)
3 アモルファスシリコン
3−a P型
3−b N型
3−c I型
4 透明電極
5 反射防止層
6 液晶ポリマーフィルムを含む樹脂フィルム積層体からなる外装体
A:熱熔融による接着可能な樹脂層(EVA、LLDPE、CPPなど)
B:溶融時に光学的異方性を呈する液晶ポリマー
C:撥水樹脂、あるいは表面保護層(PVdF、PET、表面コート材など)
Claims (18)
- (A)液晶ポリエステルを連続相とし(B)グリシジル基を有する共重合体を分散相とする液晶ポリエステル樹脂組成物を含有する溶融時に光学的異方性を示す液晶性ポリマー層上に、(B)グリシジル基を有する共重合体を含有する層を形成し、(B)グリシジル基を有する共重合体を含有する層にEVAからなる層をかさね、貼合することを特徴とする樹脂積層体からなる太陽電池用外装体の製造方法。
- 樹脂積層体の水蒸気透過度が1.0g/m2・24hr以下であることを特徴とする請求項1記載の太陽電池用外装体の製造方法。
- 太陽電池セルにおける発電素子がアモルファスシリコンであることを特徴とする請求項1または2記載の太陽電池用外装体の製造方法。
- 樹脂積層体が、太陽電池セルにおける基板の外側に配置されてなることを特徴とする請求項3記載の太陽電池の外装体の製造方法。
- EVAからなる層が、液晶ポリマーからなる層より太陽電池における基板側に配置されてなることを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の太陽電池用外装体の製造方法。
- 樹脂積層体が、さらにPVDFからなる層を含むことを特徴とする請求項1〜5いずれかに記載の太陽電池用外装体。
- 液晶ポリエステル樹脂組成物が、(A)液晶ポリエステル56〜99.9重量%、および(B)液晶ポリエステルと反応性を有する官能基を有する共重合体44〜0.1重量%を溶融混練して得られる組成物であることを特徴とする請求項1〜6いずれかに記載の太陽電池用外装体の製造方法。
- グリシジル基を有する共重合体(B)が、不飽和カルボン酸グリシジルエステル単位および/または不飽和グリシジルエーテル単位を0.1〜30重量%含有する共重合体であることを特徴とする請求項1〜7いずれかに記載の太陽電池用外装体の製造方法。
- グリシジル基を有する共重合体(B)が、結晶の融解熱量が3J/g未満の共重合体であることを特徴とする請求項1〜8いずれかに記載の太陽電池用外装体の製造方法。
- グリシジル基を有する共重合体(B)のムーニー粘度が、3〜70の範囲であることを特徴とする請求項1〜9いずれかに記載の太陽電池用外装体の製造方法。
ここでいうムーニー粘度は、JIS K6300に準じて100℃でラージロータを用いて測定した値をいう。 - グリシジル基を有する共重合体(B)が、グリシジル基を有するゴムであることを特徴とする請求項1〜10いずれかに記載の太陽電池用外装体の製造方法。
- エポキシ基を有するゴムが、(メタ)アクリル酸エステル−エチレン−(不飽和カルボン酸グリシジルエステルおよび/または不飽和グリシジルエーテル)共重合体ゴムからなることを特徴とする請求項11記載の太陽電池用外装体の製造方法。
- (メタ)アクリル酸エステルが、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、tert−ブチルアクリレート、tert−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレートから選ばれる少なくとも1種を含むものであることを特徴とする請求項12記載の太陽電池用外装体の製造方法。
- 液晶ポリエステルと反応性を有する官能基を有する共重合体(B)が、グリシジル基を有する熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項1〜10いずれかに記載の太陽電池用外装体の製造方法。
- グリシジル基を有する熱可塑性樹脂が、(a)エチレン単位が50〜99重量%、(b)不飽和カルボン酸グリシジルエステル単位および/または不飽和グリシジルエーテル単位が0.1〜30重量%、(c)エチレン系不飽和エステル化合物単位が0〜50重量%からなるエポキシ基含有エチレン共重合体であることを特徴とする請求項14記載の太陽電池の外装体の製造方法。
- 液晶ポリエステル(A)が、芳香族ジカルボン酸と芳香族ジオールと芳香族ヒドロキシカルボン酸とを反応させて得られるものであることを特徴とする請求項1〜16いずれかに記載の太陽電池の外装体の製造方法。
- 液晶ポリエステル(A)が、異種の芳香族ヒドロキシカルボン酸の組合せを反応させて得られるものであることを特徴とする請求項1〜17いずれかに記載の太陽電池の外装体の製造方法。
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