JP4805694B2 - 洗車機用ブラシ基材及び洗車ブラシ - Google Patents

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Description

本発明は、洗車機用ブラシ基材および洗車ブラシに関し、特に、車体表面を傷つけることなく、車体を洗浄することができる、洗浄性に優れた洗車機用ブラシ基材、及びそれを用いた洗車ブラシに関する。
現在、多くのガソリンスタンドにおいて、自動車の汚れを取り除くために、回転ブラシによる自動洗車設備が設置され、広く利用されている。その洗車設備に用いられる洗車ブラシとしては、従来から、ナイロン樹脂製モノフィラメントを密植したロール形状の回転体が多く利用されている。しかし、自動車の表面を叩く衝撃が強く、自動車表面を傷つけるなどの問題がある。
そこで、ブラシ基材として布帛形状の不織布、発泡体なども洗車用ブラシ基材として利用されている。例えば特許文献1には、みかけ密度が0.2〜1.0g/cm3の範囲であり、部分熱圧着した熱可塑性合成長繊維不織布において、撥水度50以上である洗車機用ブラシ不織布が提案されている。しかし、洗車機用不織布として、水切性をよくするために、撥水度が高く設定されており、水に濡れ難い構成となっているが、そのため、洗浄液の含水性が不足し、洗車用としての洗浄性が不十分となるなどの問題がある。
特許文献2には、撥水性不織布と、非撥水性の超極細繊維布とを交互に配置されたブラシが提案されているが、撥水性不織布からなる部分の含水性は低いが、非撥水性超極細繊維布からなる部分の含水性が高くなり過ぎ、全体として、濡れた状態となり、重量が大きくなるという問題が生じる。
そこで洗車機用ブラシ基材として、自動車表面の精密な拭き取りができ、適度な親水性と、洗浄性を有し、かつ実際の使用において回転コストが少ない洗車用ブラシが望まれている。
特開平7−125613号公報 特開平10−59342号公報
本発明の課題は、洗車機用ブラシ基材において、自動車表面を傷つけることなく、自動車表面の水垢、埃、砂などの微小な汚れも、精密に取ることができ、かつ耐久性に優れ、しかも運転コストのかからない洗車機用ブラシ基材、およびそれを用いた洗車ブラシを提供することである。
本発明者は、上記従来の問題点に対して、洗車面となる不織布面に、極短い繊維長の短繊維を特定量含有した樹脂を、特定量表面に塗布し、適度な表面摩擦抵抗を有する構造体とすることにより、上記課題が解決できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本願で特許請求される発明は以下のとおりである。
(1)平均繊維径が7〜30μmの熱可塑性合成繊維不織布の少なくとも片面に熱可塑性樹脂が塗布された基材であって、該熱可塑性樹脂中に繊維長が5mm以下の短繊維を含有し、全重量が100〜400g/m2であり、かつ前記樹脂の塗布表面の表面動摩擦抵抗が1〜10Nであることを特徴とする洗車機用ブラシ基材。
(2)前記短繊維の平均繊維径が10〜50μm、繊維長が0.4〜3mmであることを特徴とする(1)記載の洗車機用ブラシ基材。
(3)前記短繊維の前記樹脂に対する含有比率が5〜60重量%であり、塗布量が20〜150g/m2であることを特徴とする(1)または(2)に記載の洗車機用ブラシ基材。
(4)前記熱可塑性合成繊維不織布が、5〜30%の部分熱圧着されたポリエステル系長繊維不織布であることを特徴とする(1)ないし(3)のいずれかに記載の洗車機用ブラシ基材。
(5)前記基材の剛軟度が120mm以下であることを特徴とする(1)ないし(4)のいずれかに記載の洗車機用ブラシ基材。
(6)(1)ないし(5)のいずれかに記載のブラシ基材を洗車機の回転体に取り付けてなることを特徴とする洗車ブラシ。
本発明の洗車機用ブラシ基材によれば、ブラシ基材の表面において、樹脂に混合した短繊維が立毛状を呈し、さらに、極短い短繊維と樹脂が混在することにより、ポーラス構造を有する樹脂膜を形成するため、基材自体の表面がわずかな凹凸を有し、適度な動摩擦係数を有し、洗車用ブラシに適した面状体を与える、このような基材表面の構造的特徴により、自動車表面にソフトな接触ができ、自動車表面の水垢、埃、砂などの汚れに対して、精密な拭き取りが可能であり、また適度な吸水性を有し、回転動力に過度の負担をかけず、洗浄性、耐久性に優れ、且つ、運転コストを軽減することができる。
本発明の基布に用いる熱可塑性合成繊維不織布は、強度、適度な柔軟性、耐久性などを有するものであれば、特に制限はなく、公知のスパンボンド法による長繊維不織布、柱状水流交絡のスパンレース、ケミカルボンド法の不織布、サーマルボンド法の不織布などが用いられる。特に好ましくは、強度に優れた熱可塑性スパンボンド長繊維不織布である。
本発明の熱可塑性合成繊維不織布を構成する繊維は、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと記すことがある)、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、共重合ポリエステル、脂肪族ポリエステルなどのポリエステル系繊維、ポリ乳酸、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネートなどの生分解性繊維、ポリエチレン、ポリプロピレン(以下、PPと記すことがある)、共重合ポリプロピレンなどのポリオレフィン系繊維、ナイロン6、ナイロン66、共重合ナイロンなどのナイロン系繊維、アクリル系繊維、が挙げられる。また、鞘成分がポリエチレン、ポリプロピレン、共重合ポリエステル、脂肪族ポリエステルなど、芯成分がポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートなどからなる芯鞘構造を有する複合繊維等を用いることができる。該繊維の断面形状は、丸断面、異形断面などが選択できる。耐熱性の観点から熱可塑性合成繊維の融点は160℃以上が好ましく、180℃以上がより好ましい。また顔料、熱安定剤、紫外線吸収剤などを0.01〜5重量%含有させて用いることもできる。これらの内、洗車用ブラシとしての耐久性、耐候性、耐熱性の観点から、ポリエステル系長繊維不織布が最も好ましく用いられる。
熱可塑性合成繊維不織布を構成する繊維の平均繊維径は7〜30μm、好ましくは10〜25μmである。平均繊維径が7μm未満では単糸としての強度が低くなり、使用時の毛羽立ちに繋がり、一方、繊維径が30μmを超えると、不織布としての部分熱圧着性が悪くなり、不織布の布強度が低下する。
本発明に用いる不織布の目付は50〜300g/m2、好ましくは70〜250g/m2である。目付が50g/m2未満では、柔軟性が良くなるが、強度が低下し、耐久使用性が低下する。一方、300g/m2を超えると、強度、耐久性は高くなるが、全体に硬くなり、プリーツ加工性、柔軟性が低下する。
本発明に用いる不織布は、部分的に繊維同士が熱圧着により接合され、非圧着部は繊維同士の接合がなく、繊維間隙を有している。熱圧着部は不織布全体に均等に分散されており、面積比で表される部分熱圧着率は5〜30%、好ましくは7〜25%である。部分熱圧着率が5%未満では、繊維同士の接合が少なく、強度が低下する。一方、30%を超えると繊維同士の接合が多くなり、強度は高くなるが、ペーパーライクとなり柔軟性が低下する。
本発明に用いる不織布において、樹脂を用いて加工する時の接着性、浸透性、及び着色性を改善させる目的で、予め不織布を前処理することができる。例えば、該不織布に目止め剤、界面活性剤、シリコン樹脂、フッソ樹脂、平滑剤などを付与したり、染色加工、顔料などによる着色加工などを施すことが挙げられる。
本発明において、熱可塑性樹脂に混合する短繊維は、繊維長が5mm以下と極めて短く、均等に樹脂と混合でき、且つ基布表面に均等に塗布できるものであれば特に制限がない。
短繊維としては、ナイロン6、ナイロン66、共重合ナイロンなどのポリアミド系繊維、アクリル系繊維、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと記すことがある)、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、共重合ポリエステル、脂肪族ポリエステルなどのポリエステル系繊維、ポリ乳酸、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネートなどの生分解性繊維、ポリエチレン、ポリプロピレン、共重合ポリプロピレンなどのポリオレフィン系繊維レーヨン繊維、セルロース繊維等が挙げられる。繊維断面形状としては、丸断面、又はC形、T形、三角形、多角形などの異型断面などが用いられる。例えば、トウ形状の繊維束状を約0.3〜5mmの繊維長に切断し、珪酸ソーダ、酢酸アルミニュウームなどの無機系薬品処理、乾燥、選別処理、水分調整したカットフアイバー、又は、織物形状を、粉砕ミル機で粉砕し、80メッシュ金網で、塊状又は規格外の繊維長物を分離、選別し、薬品処理、乾燥、水分調整した粉砕フアイバーなどがあげられる。
熱可塑性樹脂に混合する短繊維の平均繊維径は10〜50μm、好ましくは15〜40μm、より好ましくは20〜35μmであり、繊維長は5mm以下、好ましく0.4〜3mm、より好ましくは0.5〜1mmである。繊維径が10μm未満では、強度、耐久性が低下し、且つ立ち毛構造になり難い。繊維径が50μmを超えると、強度は向上するが、加工特性が低下する。繊維長が0.3mm未満では、樹脂内部に埋没し易くなり、立ち毛構造になり難い。繊維長が5mmを超えると、樹脂内で均等に分散出来ず、不織布への塗布加工性が悪くなる。
本発明においては、前記不織布の少なくとも片面に、上記極短い繊維を混合した樹脂を塗布することが必要であるが、洗車機用ブラシ基材の使用形態から、基材の両面にこの樹脂を塗布することがより好ましい。
本発明において不織布に塗布する熱可塑性樹脂は、不織布との接着性、塗布加工性、耐水性、耐候性などが必要であるが、通常、水溶性または有機溶剤可溶性の樹脂が好ましく用いられる。例えば、溶剤性アクリル系樹脂、溶剤性ウレタン系樹脂、水溶性アクリル系樹脂、水溶性ウレタン系樹脂などが用いられる。特に、接着性、加工性、耐久性などに優れた溶剤性のアクリル系樹脂が好ましい。また耐久性などを向上させるため、架橋剤、顔料、界面活性剤などを添加することもできる。
本発明の樹脂に混合する短繊維の比率は、樹脂と繊維の混合性、塗布加工性及び基布特性から樹脂に対して5〜60重量%、好ましくは10〜50重量%、より好ましくは20〜40重量%である。繊維比率が5重量%未満では、樹脂の中に繊維が埋没し易くなり、立毛構造及びポーラス構造が発現しにくくなり、洗浄性が低下する傾向にある。一方、繊維比率が60重量%を超えると、樹脂と繊維の混合性、塗布加工性が悪くなる。
短繊維を混合した樹脂の不織布への塗布量は20〜150g/mが好ましく、より好ましくは30〜100g/mであり、さらに好ましくは30〜60g/mである。樹脂の塗布量が20〜150g/mの範囲にあると、全重量の10〜30重量%の範囲を維持することができ、不織布の柔軟性、風合いを損なうことなく、樹脂膜としての性能を有効に生かすことができる。
樹脂塗布後の基材の全重量は100〜400g/mが必要である。より好ましくは150〜250g/mであり、特に好ましくは150〜200g/mである。全重量が100g/m未満では剛性が不足し、400g/mを超えると剛性が高くなり硬くなる。
樹脂塗布後は、不織布と樹脂を熱処理して架橋することにより、不織布と樹脂の接合一体化を図ることができる。該熱処理は100〜160℃が好ましく、基材としては、この温度範囲での耐熱性を有すことが好ましい。
本発明の基材の特殊な構造とその働きについては、以下のように推測することができる。本発明においては、不織布に塗布する樹脂中に極短い繊維を特定量混入することにより、混入繊維と樹脂との間で、拭き取り性に関して、相乗効果が発揮される。すなわち、樹脂のみの構成では、不織布の表面は、単純にフラットな表面形状を呈し、無孔質の平坦な表面となる。しかし、本発明のように、極短い繊維を特定量混入することにより、樹脂の表面に繊維が立毛状に存在し、産毛のようなソフトな感触をあたえ、さらに、樹脂表面に適度な凹凸を形成するとともに、多孔質な表面を与える。この特殊な表面形状により、洗車の際に、車体表面の(ごみの)拭きとり時において、適度な接触抵抗、摩擦抵抗が生じ、そのため、かきとり効果が向上し、さらに、多孔質形状化による吸液、保水、かきとり物の排除機能が備わり、洗車用ブラシ基材として、特段の効果を奏する要因となる。
本発明の洗車機用ブラシ基材の強度は、タテ方向の引張強度として250N/5cm以上、好ましくは300N/5cm以上である。基材目付200g/mを基準にすると、500〜700N/5cmが好ましい範囲である。引張強度が250N/5cm未満では、強度が低く、長時間の使用が困難になる。
本発明の洗車機用ブラシ基材の剛軟度は、カンチレバー法において、タテヨコのいずれの方向においても120mm以下、好ましくは30〜100mm、より好ましくは40〜90mmである。洗車用ブラシにおいて、回転体に取り付けて使用する場合は、通常、剛軟度が30〜100mmであれば、回転時でも適度な剛性を有してブラシ形状を維持でき、また車体表面との間に適度な応力が生まれ、洗浄性が向上する。
本発明の洗車機用ブラシ基材における樹脂塗布面の動摩擦抵抗は1〜10N、好ましくは2〜8Nであり、より好ましくは2〜6Nの範囲である。動摩擦抵抗がこの範囲にあると、洗車用ブラシとしての拭き取り性および洗浄性が良好であるが、動摩擦抵抗が1N未満では、自動車表面を滑ってしまい、洗浄性が低下し、10Nを越えると滑り性が低下し、拭き取りに過大な抵抗がかかる。
本発明の洗車機用ブラシ基材の具体的な製造方法は、例えば、ナイフコーティング機、コンマコーティング機、フローティングコーティング機などを用い、基布となる不織布の片面または両面に、短繊維入り樹脂を塗布後、100〜160℃の温度で乾燥及び架橋熱処理する。次いで、タンブラー染色機、液流染色機などを用い、70〜110℃の熱水中で染色及び柔軟加工後、乾燥処理して得られる。
本発明の洗車機用ブラシ基材を、洗車用ブラシとして使用する場合、基材を長さ方向に25〜50cm、山の高さ5〜7cmにして、公知の方法でプリーツ状に加工してから、一端を縫製して、取り付け用にネジ穴をあけて(直径3〜6cm)1セットとする。次に、直径4〜7cmのアルミ製管等の鋼管からなる回転体の軸方向に4〜6セットを端部縫製で接合して、5〜20cm間隔で数箇所に取り付けて、回転体とすることができる。
具体的には、幅100cm、長さ30cmに基材を裁断し、幅方向に高さ5cmで折りたたみ、20山のプリーツ形状とする。プリーツ形状の一端を束ねて、ミシン縫製し、ボルト取り付け穴を2ヶ所あけ、取り付け部を形成した扇子状物を作成する。この扇子状物同士の端部をミシン縫製で束ね、4セットを束ねて円盤状の1ユニットとする。円盤状のユニットを5cm間隔で回転軸に取り付け、回転体形状の洗車ブラシとする。
以下、本発明について実施例を用いて更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例などにより何ら限定されるものではない。また、本発明の特性は下記の方法で測定した。
(1) 目付(g/m2):JIS-L-1906に準ずる。
(2) 平均繊維径(μm):電子顕微鏡で500倍の拡大写真をとり、10本の平均値で求める。
(3) 繊維長(mm):50倍の拡大写真をとり、測定する。
(4) 引張強度(N/5cm):幅5cm、長さ30cmの試料をJIS-L-1906に準じる定長引張試験機に、つかみ間隔10cmで取り付け、引張速度10cm/minで測定する。タテ方向3箇所を測定し、3点の平均値で求める。
(5) 耐久性:フェードメーターで、温度63℃、時間300hr照射の前後で、引裂強度(JIS-L-1906シングルタング法)の保持率で判定した。
◎ :保持率が81%以上 ○ :保持率が50〜80%
△ :保持率が30〜50% × :保持率が30%未満
(6) 柔軟性:(JIS-L-1906)試料を幅20mm、長さ150mmに切り取り、41度カンチレバー法の剛軟度のタテ、ヨコ及び裏表の各々3箇所を測定し、その平均値で示す。
本発明において、表面動摩擦抵抗の測定は、5cm角、荷重200gのステンレス鋼板を用い、鋼板の摩擦面にポリエステル不織布100g/m2(基準製品:旭化成せんい社製エルタスE01100)を取り付け、定長引張試験機を用い、速度300mm/minの引張条件で、試料(基材の樹脂塗布面)表面との間に生じる動摩擦抵抗を測定して、n=2の平均値で示す。
また洗浄性の評価は、白板に書いた罫線の拭き取り度合いから拭き取り性として評価した。具体的には、白板に水性の黒インキで幅約5mm、約2cm間隔の罫線を5本引き、幅5cm、長さ15cmの試料を置き、同試料の端部に荷重250gを載せ、白板上を10cm/5秒の拭き取り速度で、拭き取るように移動させた。その際の白板上の罫線の拭き取り状態を目視で観察して判定した。
◎:白板のインキが消えている。 ○:ほとんどインキが消えている。
△:インキが一部消えているが、かなり残っている。 ×:インキが殆ど残っている。
[実施例1〜5、比較例1〜2]
スパンボンド法で得られたポリエステル長繊維不織布(繊維径14μm、目付140g/m2)の両面に、66ナイロン短繊維(繊維径20μm、繊維長0.5mm、1.0mm、1.5mmの3条件)と、溶剤性のアクリル樹脂(根上工業社製、商品名パラクロンAM-200T)の混合比率、塗布量を変えて、ナイフコーティング方法で塗布した。塗布後、温度100℃で乾燥、150℃で架橋処理した後、柔軟加工を行った。柔軟加工は液流染色機を用い、温度70〜90℃、時間30分、柔軟剤1g/l添加して行った。次いで、柔軟加工した不織布をピンテンター(温度150℃)で乾燥して、本発明の洗車機用ブラシ基材を得た。得られた基材について、表1にその特性を記載した。
本発明の実施例で得られた洗車機用ブラシ基材は、長繊維不織布の表面に繊維入り樹脂が塗布されているため、摩擦抵抗が大きく、洗浄性、強度、耐久性、柔軟性に優れ、且つ洗浄液、水などの保液性を有し、洗車機用ブラシに使用できる特性を有している。
一方、比較例1はポリエステル長繊維不織布単体、比較例2はアクリル樹脂のみを塗布した不織布を用いた場合であるが、両比較例とも、それらの特性は、摩擦抵抗が小さく、滑り易い表面状態であるため、洗浄性が悪く、硬い風合いで、車体表面を傷つける恐れがあった。
[実施例6〜12、比較例3〜4]
実施例1〜5と同様のポリエステル長繊維不織布を使用し、樹脂に混合する短繊維の素材、繊維径、塗布量を変えて、ナイフコーティング方法で両面に塗布した。それ以外は上記実施例1〜5と同様に加工して表2にそれらの特性を記載した。
本発明の洗車機用ブラシ基材は、長繊維不織布表面に短繊維入り樹脂が塗布されているため、摩擦抵抗が大きく、洗浄性、強度、耐久性、柔軟性に優れ、且つ洗浄液、水などの保液性を有し、洗車機用ブラシとして好適な特性を有している。
一方、比較例3はポリエステル長繊維不織布単体に、実施例と同様の柔軟加工をしたもの、比較例4は樹脂のみ塗布した不織布に、実施例1と同様の柔軟加工をしたものであるが、比較例3は柔軟加工で風合いが良くなったものの、動摩擦抵抗が小さく、滑り易い表面状態であったため、洗浄性が悪かった。比較例4も比較例3同様、洗浄性が悪かった。
以上、本発明の洗車機用ブラシ基材は、その表面が繊維の立毛状態を呈し、かつ繊維と樹脂を特定量混合することでポーラス構造の樹脂膜を形成しているので、洗車の度に適度な表面摩擦抵抗を有し、且つ樹脂膜のポーラス構造部分に洗浄液、水などの吸液、保液ができるため、洗浄性、拭き取り性が向上する。
本発明の洗車機用ブラシ基材は、洗浄性、耐久性、柔軟性などに優れ、洗車機用ブラシとして好ましく使用することができ、その他洗浄機械用ブラシ基材としても、広く応用が可能である。

Claims (6)

  1. 平均繊維径が7〜30μmの熱可塑性合成繊維不織布の少なくとも片面に熱可塑性樹脂が塗布された基材であって、該熱可塑性樹脂中に繊維長が5mm以下の短繊維を含有し、全重量が100〜400g/m2であり、かつ前記樹脂の塗布表面の表面動摩擦抵抗が1〜10Nであることを特徴とする洗車機用ブラシ基材。
  2. 前記短繊維の平均繊維径が10〜50μm、繊維長が0.4〜3mmであることを特徴とする請求項1記載の洗車機用ブラシ基材。
  3. 前記短繊維の前記樹脂に対する含有比率が5〜60重量%であり、塗布量が20〜150g/m2であることを特徴とする請求項1または2に記載の洗車機用ブラシ基材。
  4. 前記熱可塑性合成繊維不織布が、5〜30%の部分熱圧着されたポリエステル系長繊維不織布であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の洗車機用ブラシ基材。
  5. 前記基材の剛軟度が120mm以下であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の洗車機用ブラシ基材。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載のブラシ基材を洗車機の回転体に取り付けてなることを特徴とする洗車ブラシ。
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