JP4820162B2 - スクリュー、射出装置及び圧力部材 - Google Patents

スクリュー、射出装置及び圧力部材 Download PDF

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Description

本発明は、スクリュー、射出装置及び圧力部材に関するものである。
従来、成形機、例えば、射出成形機においては、加熱シリンダ内において加熱され溶融させられた樹脂を、高圧で射出して金型装置のキャビティ空間に充填し、該キャビティ空間内において冷却して固化させることによって成形品を得ることができるようになっている。
そのために、前記射出成形機は金型装置、型締装置及び射出装置を有し、前記型締装置は、固定プラテン及び可動プラテンを備え、型締用シリンダが可動プラテンを進退させることによって金型装置の型閉じ、型締め及び型開きが行われる。
一方、前記射出装置は、一般に、インラインスクリュー方式のものが使用され、ホッパから供給された樹脂を加熱して溶融させる加熱シリンダ、及び溶融させられた樹脂を射出する射出ノズルを備え、前記加熱シリンダ内にスクリューが回転自在に、かつ、進退自在に配設される。そして、該スクリューを、後端に連結された駆動部によって前進させることにより射出ノズルから樹脂が射出され、前記駆動部によって後退させることにより樹脂の計量が行われる。
図2は従来の射出装置の要部を示す断面図である。
図において、11は加熱シリンダであり、該加熱シリンダ11の前端に射出ノズル12が取り付けられ、前記加熱シリンダ11内には、スクリュー14が回転自在に、かつ、進退自在に配設される。そして、該スクリュー14は、フライト部15及び射出部16から成り、後端の軸部21を介して図示されない駆動装置と連結される。前記射出部16は、ヘッド部41、該ヘッド部41の後方に形成されたロッド部42、該ロッド部42の周囲に配設された逆止リング43、及びフライト部15の前端に取り付けられたシールリング44から成る。なお、前記ヘッド部41、ロッド部42等によってスクリューヘッドが構成される。また、逆止リング43及びシールリング44は、射出工程時に、樹脂が逆流するのを防止する逆流防止装置として機能する。前記駆動装置は、射出用モータ及び計量用モータから成る。そして、前記フライト部15は、棒状のスクリューの本体、すなわち、スクリュー本体、及び該スクリュー本体の外周面に形成された螺旋状のフライト23を備え、該フライト23に沿って螺旋状の溝24が形成される。
前記加熱シリンダ11の後端の近傍には供給口25が形成され、該供給口25に漏斗状の図示されないホッパが配設され、該ホッパに収容されたペレット状の樹脂は、供給口25を介して加熱シリンダ11内に供給される。
前記供給口25は、スクリュー14を加熱シリンダ11内における最も前方の位置、すなわち、前進限位置に置いた状態において、前記溝24の後端部と対向する箇所に形成される。そして、前記フライト部15には、後方から前方にかけて、供給口25を介して樹脂が供給される供給部P1、供給された樹脂を圧縮させながら溶融させる圧縮部P2、及び溶融させられた樹脂を一定量ずつ計量する計量部P3が順に形成される。
前記構成の射出装置において、計量工程時に、前記計量用モータを駆動することによって、前記スクリュー14を回転させると、前記ホッパから加熱シリンダ11内に供給された樹脂は、前記溝24に沿って前進させられるとともに、加熱され、溶融させられ、それに伴って、スクリュー14は後退させられる。そして、前記スクリュー14が後退するのに伴って、前記逆止リング43はロッド部42に対して相対的に前方に移動させられるので、フライト部15の前端に到達した樹脂は、ロッド部42と逆止リング43との間の樹脂流路を通り、スクリューヘッドの前方に送られる。したがって、スクリュー14が加熱シリンダ11内における最も後方の位置、すなわち、後退限位置に置かれた状態で、スクリューヘッドの前方に1ショット分の溶融させられた樹脂が蓄えられる。
次に、射出工程時に、前記射出用モータを駆動して、スクリュー14を前進させると、前記スクリューヘッドの前方に蓄えられた樹脂は、前記射出ノズル12から射出され、図示されない金型装置のキャビティ空間に充填される。
しかしながら、前記従来の射出装置においては、スクリュー本体の外径を、前記供給部P1及び計量部P3において一定に、圧縮部P2において後方ほど小さく、前方ほど大きくする必要があり、スクリュー14の形状が複雑になるので、スクリュー14のコストが高くなってしまう。しかも、形状が複雑になる分、樹脂が滞留する箇所が多くなり、樹脂の焼け、すなわち、樹脂焼けが発生し、成形品の品質が低下してしまう。
本発明は、前記従来の射出装置の問題点を解決して、スクリューのコストを低くすることができ、成形品の品質を向上させることができるスクリュー、射出装置及び圧力部材を提供することを目的とする。
そのために、本発明のスクリューにおいては、加熱シリンダ内で回転自在に、かつ、進退自在に配設され、後端が駆動装置に連結されるようになっている。
そして、スクリューヘッドと、逆流防止装置と、該逆流防止装置の後方に配設された可塑化部材とを有する。
また、該可塑化部材は、スクリュー本体、該スクリュー本体の外周面に突出させて形成されたフライト、及びスクリュー本体の前端から所定の範囲に、前記逆流防止装置と隣接させて形成された圧力部材を備える。
そして、該圧力部材は、前記スクリュー本体に接続させて形成され、スクリュー本体の外径以上の外径を有する平坦な外周面を備える。
また、該平坦な外周面は傾斜部の外周面を備える。
本発明によれば、スクリューにおいては、加熱シリンダ内で回転自在に、かつ、進退自在に配設され、後端が駆動装置に連結されるようになっている。
そして、スクリューヘッドと、逆流防止装置と、該逆流防止装置の後方に配設された可塑化部材とを有する。
また、該可塑化部材は、スクリュー本体、該スクリュー本体の外周面に突出させて形成されたフライト、及びスクリュー本体の前端から所定の範囲に、前記逆流防止装置と隣接させて形成された圧力部材を備える。
そして、該圧力部材は、前記スクリュー本体に接続させて形成され、スクリュー本体の外径以上の外径を有する平坦な外周面を備える。
また、該平坦な外周面は傾斜部の外周面を備える。
この場合、前記圧力部材は、前記スクリュー本体の外径以上の外径を有する平坦な外周面を備えるので、スクリューの形状を簡素化することができ、スクリューのコストを低くすることができる。
また、形状を簡素化することができる分、成形材料が滞留する箇所を少なくすることができ、成形材料に焼けが発生するのを防止することができるので、成形品の品質を向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。この場合、成形機、例えば、射出成形機の射出装置について説明する。
図1は本発明の第1の実施の形態における射出装置の要部を示す拡大図、図3は本発明の第1の実施の形態における射出装置の要部を示す概念図、図4は本発明の第1の実施の形態における射出装置の特性を示す第1の図、図5は本発明の第1の実施の形態における射出装置の特性を示す第2の図である。
図において、31は射出成形機のインラインスクリュー方式の射出装置である。前記射出成形機は図示されない金型装置、型締装置及び前記射出装置31を有し、前記金型装置は、第1の金型としての固定金型及び第2の金型としての可動金型を備え、前記型締装置は、前記固定金型が取り付けられた固定プラテン、及び可動金型が取り付けられた可動プラテンを備え、型締用シリンダが可動プラテンを進退させることによって金型装置の型閉じ、型締め及び型開きが行われる。
前記射出装置31は、シリンダ部材としての加熱シリンダ17、該加熱シリンダ17の前端に取り付けられたノズル部材としての射出ノズル18、前記加熱シリンダ17内において、回転自在に、かつ、進退自在に配設された射出部材としてのスクリュー20、前記加熱シリンダ17の外周に取り付けられた加熱部材としてのヒータh11〜h13、前記加熱シリンダ17の後方に配設された図示されない駆動装置等を備える。
前記スクリュー20は、可塑化部材としてのフライト部45及び射出部46から成り、後端の軸部51を介して前記駆動装置と連結される。前記フライト部45は、棒状の射出部材本体としてのスクリュー本体52、該スクリュー本体52の外周面に突出させて形成された螺旋状のフライト53、及び前端において、スクリュー本体52に対して着脱自在に配設された圧縮・混練部としての圧力部材54を備え、前記フライト53に沿って螺旋状の溝67が形成される。なお、前記スクリュー本体52において、フライト部45の全域、すなわち、前端から後端までの間において、前記フライト53は一定のフライトピッチで形成されるとともに、フライト53の外径であるフライト山径D、及びスクリュー本体52の外径であるフライト谷径d1は一定にされ、溝67は一定の深さで形成される。
前記圧力部材54は、前記スクリュー本体52の前端から所定の範囲に、後述される逆流防止装置62と隣接させて形成され、所定の距離にわたって、フライト部45の表面に前記フライト53及び溝67が形成されない平坦な領域を形成する。そして、前記圧力部材54は、前方ほど外径が大きくされ、円錐形の形状を有する第1の圧力部としての傾斜部71、及び該傾斜部71の前端に隣接させて、かつ、接続させて形成され、軸方向において外径d2が一定にされ、円柱状の形状を有する円柱部としての、かつ、第2の圧力部としての大径部72を有する。前記傾斜部71及び大径部72は、いずれも凹凸のない平坦な外周面を有する。
また、前記傾斜部71の後方に図示されないねじ部が形成され、前記スクリュー本体52の前端面に開口させて図示されないねじ穴が形成される。したがって、前記ねじ部をねじ穴と螺合させることによって、前記圧力部材54をスクリュー本体52に取り付けることができる。なお、本実施の形態において、前記圧力部材54は、スクリュー本体52に対してねじ止めで固定されるようになっているが、ねじ止めに代えて溶接によって固定することができる。
前記傾斜部71において、外周面と加熱シリンダ17の軸とが成す角度をθとしたとき、該角度θはあらかじめ設定され、
0〔°〕≦θ≦60〔°〕
にされる。そして、傾斜部71の前端の外径は大径部72の外径d2と等しくされ、傾斜部71の後端の外径はフライト谷径d1と等しくされる。なお、本実施の形態において、傾斜部71の外周面は一定の傾きを有するが、必要に応じて、所定の関数で湾曲させることができる。また、前記角度θが0〔°〕である場合、前記平坦な外周面は、スクリュー本体52に接続させて形成され、外径が一定にされた円柱部の外周面を構成する。
前記傾斜部71と加熱シリンダ17との間に第1の成形材料流路としての樹脂流路73が、大径部72と加熱シリンダ17との間に第2の成形材料流路としての樹脂流路74が形成される。この場合、前述されたように、傾斜部71は、前方ほど外径が大きくされるので、樹脂流路73の断面積は、前方ほど小さくされる。また、大径部72は、軸方向において外径d2が一定にされるので、樹脂流路74の断面積は軸方向において一定にされる。
一方、前記射出部46は、先端に円錐形の部位を備えたヘッド部55、該ヘッド部55の後方に隣接させて形成されたロッド部56、該ロッド部56の周囲に配設された逆止リング57、及びフライト部45の前端に取り付けられたシールリング58から成る。ロッド部56と逆止リング57との間に第3の成形材料流路としての樹脂流路75が形成される。
また、前記ロッド部56の後方に図示されないねじ部が形成され、前記圧力部材54の前端面に開口させて図示されないねじ穴が形成される。したがって、前記ねじ部をねじ穴と螺合させることによって、前記シールリング58を圧力部材54の前端に押し付けた状態で、射出部46をフライト部45に取り付けることができる。なお、前記ヘッド部55、ロッド部56及びねじ部によって射出部材ヘッド部としてのスクリューヘッド61が、逆止リング57及びシールリング58によって、射出工程時に、樹脂が逆流するのを防止する逆流防止装置62が構成される。そして、計量工程時において、スクリュー20が後退させられるのに伴って、ロッド部56に対して逆止リング57が前方に移動させられると、樹脂流路75はシールリング58から離され、樹脂流路74と連通させられ、逆流防止装置62によるシールが解除される。また、射出工程時において、スクリュー20が前進させられるのに伴って、ロッド部56に対して後方に移動させられると、樹脂流路75はシールリング58に当接させられ、樹脂流路74と樹脂流路75とが遮断され、逆流防止装置62によるシールが行われる。
そして、前記駆動装置は、計量用の駆動部としての計量用モータ、及び射出用の駆動部としての射出用モータを備える。
前記加熱シリンダ17の後端の近傍の所定の位置には成形材料供給口としての樹脂供給口65が形成され、該樹脂供給口65に漏斗状のホッパ66が連結され、該ホッパ66に収容されたペレット状の樹脂は、樹脂供給口65を介して加熱シリンダ17内に供給される。
前記樹脂供給口65は、スクリュー20を加熱シリンダ17内における最も前方の位置、すなわち、前進限位置に置いた状態において、前記溝67の後端部と対向する箇所に形成され、前進限位置に置かれた状態のスクリュー20において成形材料供給点g1を形成する。
前記構成の射出装置31において、計量工程時に、前記計量用モータを正方向に駆動することによって、前記スクリュー20を正方向に回転させると、前記ホッパ66から加熱シリンダ17内に供給された樹脂は、前記溝67に沿って前進させられるとともに、前記ヒータh11、h12によって加熱され、溶融させられる。また、フライト部45より所定の距離だけ手前の圧力上昇開始点g2からスクリュー本体52の前端にかけて前進させられるのに伴って、樹脂の圧力は次第に高くされる。
続いて、樹脂は、樹脂流路73を通過して、更に圧力が高くされた後、樹脂流路74を通過して前進させられるので、十分に混練される。
また、このとき、前記逆止リング57はロッド部56に対して相対的に前方に移動させられるので、樹脂流路74と樹脂流路75とが連通させられ、樹脂流路74内の樹脂は、樹脂流路75を通り、スクリューヘッド61の前方に送られる。したがって、スクリュー20が加熱シリンダ17内における最も後方の位置、すなわち、後退限位置に置かれた状態で、スクリューヘッド61の前方に1ショット分の溶融させられた樹脂が蓄えられる。なお、前記ヘッド部55に図示されない切欠が形成され、樹脂流路75とスクリューヘッド61の前方とが連通させられる。
次に、射出工程時に、前記射出用モータを駆動して、スクリュー20を前進させると、前記スクリューヘッド61の前方に蓄えられた樹脂は、前記射出ノズル18から射出され、図示されない金型装置のキャビティ空間に充填される。
ところで、前述されたように、フライト部45には、前端から所定の範囲に、前記逆流防止装置62と隣接させて圧力部材54が形成され、該圧力部材54においては、フライト53及び溝67が形成されず、平坦な外周面を備えるようになっている。
すなわち、樹脂供給口65から供給された樹脂は、計量工程において、スクリュー20が回転するのに伴って、フライト53によって誘導され、溝67内を前進させられるが、圧力部材54に到達すると、フライト53が形成されていないので、フライト53による樹脂の誘導がされなくなり、前進する力が弱くなる。
したがって、樹脂流路73、74内において樹脂の移動速度が低くなるので、圧力部材54は、後方から溝67内を前進させられる樹脂に対して、前進を抑制する移動抑制部材として機能する。その結果、溝67内の樹脂においては、前進するのを抑制されるので、前記圧力上昇開始点g2より前方の領域において前方ほど圧力が高くされる。
また、圧力部材54において、傾斜部71は、前方ほど外径が大きくされ、樹脂流路73の断面積は、前方ほど小さくされ、また、大径部72の外径d2は、フライト谷径d1より大きく、フライト山径Dより小さくされる。したがって、圧力部材54における移動抑制部材としての機能を一層高くすることができるので、前記圧力上昇開始点g2より前方の領域における樹脂の圧力を一層高くすることができる。
その結果、スクリュー20を前進限位置に置いた状態で、成形材料供給点g1から前記圧力上昇開始点g2までの領域が供給部を構成し、圧力上昇開始点g2からスクリュー本体52の前端にかけての領域が圧縮部を構成し、スクリュー本体52の前端から圧力部材54の前端にかけての領域が計量部を構成するので、従来の射出装置と同様の可塑化を行うことができ、十分に樹脂の混練性を良くすることができる。
また、前記大径部72を形成するだけで、圧縮部における樹脂の圧力を高くすることができ、フライト谷径d1をスクリュー本体52の軸方向において変化させる必要がない。
したがって、スクリュー20の形状を簡素化することができるので、スクリュー20のコストを低くすることができる。また、形状を簡素化することができる分、樹脂が滞留する箇所を少なくすることができ、樹脂焼けが発生するのを防止することができるので、成形品の品質を向上させることができる。
次に、軸方向における大径部72の長さをLとし、前記フライト山径Dに対する長さLの比L/Dを異ならせたときの射出装置の特性を、図4に基づいて説明する。
図4において、○は射出装置の特性が良好であることを、×は射出装置の特性が良好でないことを表す。
図から分かるように、比L/Dが0.85以上で、かつ、1.15以下である場合、樹脂の混練性が良く、成形品の応力分布が均一であり、エネルギー損失が小さく、樹脂焼けが発生しない。これに対して、比L/Dが0.85より小さい場合、樹脂の混練性が悪くなり、成形品の応力分布が不均一になる。また、比L/Dが1.15より大きい場合、エネルギー損失が大きくなり、樹脂焼けが発生する。
したがって、前記比L/Dを、
0.85≦L/D≦1.15
にすると、射出装置の特性を良好にすることができ、混練性を良くすることができ、成形品の応力分布を均一にすることができ、エネルギー損失を小さくすることができ、樹脂焼けが発生しないようにすることができる。
続いて、径方向において大径部72の外周面からフライト53の周縁までの距離をt1とし、スクリュー本体52の外周面からフライト53の外周縁までの距離をt2とし、距離t2に対する距離t1の比t1/t2を異ならせたときの射出装置の特性を、図5に基づいて説明する。
図5において、◎は射出装置の特性が極めて良好であることを、○は射出装置の特性が良好であることを、△は射出装置の所定の特性が良好であることを、×は射出装置の特性が良好でないことを表す。
図から分かるように、比t1/t2が0.21以上で、かつ、0.30以下である場合、樹脂の混練性が極めて良く、成形品の応力分布が極めて均一であり、エネルギー損失が極めて小さく、樹脂焼けが全く発生しない。これに対して、比t1/t2が0.30より大きく、かつ、0.45以下である場合、混練性が良く、成形品の応力分布が均一であり、エネルギー損失が小さく、樹脂焼けが発生しない。また、比t1/t2が0.45より大きく、かつ、1以下である場合、エネルギー損失が小さく、樹脂焼けが発生しないが、混練性が多少悪く、成形品の応力分布が多少不均一であり、比t1/t2が1より大きい場合、エネルギー損失が小さく、樹脂焼けが発生しないが、混練性が悪く、成形品の応力分布が不均一である。
そして、比t1/t2が0.12以上で、かつ、0.21より小さい場合、混練性が良く、成形品の応力分布が均一であり、エネルギー損失が小さく、樹脂焼けが発生しない。また、比t1/t2が0.06以上で、かつ、0.12より小さい場合、混練性が良く、成形品の応力分布が均一であるが、エネルギー損失が多少大きく、樹脂焼けが多少発生し、比t1/t2が0.06より小さい場合、混練性が良く、成形品の応力分布が均一であるが、エネルギー損失が大きく、樹脂焼けが発生する。
したがって、前記比t1/t2を、
0.06≦t1/t2≦1
にすると、射出装置31の少なくとも所定の特性を良好にすることができ、混練性を良くすることができ、成形品の応力分布を均一にすることができ、樹脂焼けが発生しないようにすることができる。
また、前記比t1/t2を、
0.12≦t1/t2≦0.45
にすると、射出装置31の特性を良好にすることができ、混練性を良くすることができ、成形品の応力分布を均一にすることができ、エネルギー損失を小さくすることができ、樹脂焼けが発生しないようにすることができる。
そして、前記比t1/t2を、
0.21≦t1/t2≦0.30
にすると、射出装置31の特性を極めて良好にすることができ、混練性を極めて良くすることができ、成形品の応力分布を極めて均一にすることができ、エネルギー損失を極めて小さくすることができ、樹脂焼けが全く発生しないようにすることができる。
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
図6は本発明の第2の実施の形態における射出装置の要部を示す拡大図である。
この場合、平坦な外周面は、射出部材本体としてのスクリュー本体52に接続させて形成された傾斜部171の外周面、及び該傾斜部171に接続させて、かつ、外周面を傾斜させて形成された大径部172の外周面を備え、前記傾斜部171によって第1の傾斜部が、大径部172によって第2の傾斜部が構成される。
そして、前記傾斜部171の外周面とシリンダ部材としての加熱シリンダ17の軸との成す角度をθ1とし、大径部172の外周面と加熱シリンダ17の軸との成す角度をθ2としたとき、
0≦θ2≦θ1≦60〔°〕
にされる。
この場合、大径部172の長さをLとし、前記フライト山径Dに対する長さLの比をL/Dとしたとき、射出装置の特性は図4に示されるようになる。
また、大径部172の前端(最も外径が大きくなる部分)の外径をd2とし、第2の傾斜部172の前端の外周面からフライト53の周縁までの距離をt1とし、スクリュー本体52の外周面からフライト53の外周縁までの距離をt2とし、距離t2に対する距離t1の比をt1/t2としたとき、射出装置の特性は図5に示されるようになる。
この構造を採用することによって、樹脂の速度が低くなっても、圧力部材54の近傍において樹脂が滞留するのを一層防止することができ、樹脂焼けが発生するのを一層防止することができる。
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
図7は本発明の第3の実施の形態における射出装置の要部を示す拡大図である。
この場合、圧力部材54は、前方ほど外径が大きくされ、円錐形の形状を有する圧力部としての傾斜部271を有する。該傾斜部271は、凹凸のない平坦な外周面を有する。
前記本発明の第2の実施の形態における角度θ1、θ2が等しくされ、傾斜部271の外周面とシリンダ部材としての加熱シリンダ17の軸との成す角度がθとされ、該角度θは、
0〔°〕≦θ≦60〔°〕
とされる。したがって、樹脂の速度が更に低くなっても、圧力部材54の近傍において樹脂が滞留するのを一層防止することができ、樹脂焼けが発生するのを一層防止することができる。
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
本発明の第1の実施の形態における射出装置の要部を示す拡大図である。 従来の射出装置の要部を示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態における射出装置の要部を示す概念図である。 本発明の第1の実施の形態における射出装置の特性を示す第1の図である。 本発明の第1の実施の形態における射出装置の特性を示す第2の図である。 本発明の第2の実施の形態における射出装置の要部を示す拡大図である。 本発明の第3の実施の形態における射出装置の要部を示す拡大図である。
符号の説明
17 加熱シリンダ
20 スクリュー
45 フライト部
52 スクリュー本体
53 フライト
54 圧力部材
61 スクリューヘッド
62 逆流防止装置
71、171、271 傾斜部
72、172 大径部

Claims (10)

  1. 加熱シリンダ内で回転自在に、かつ、進退自在に配設され、後端が駆動装置に連結されたスクリューにおいて、
    (a)スクリューヘッドと、
    (b)逆流防止装置と、
    (c)該逆流防止装置の後方に配設された可塑化部材とを有するとともに、
    (d)該可塑化部材は、スクリュー本体、該スクリュー本体の外周面に突出させて形成されたフライト、及び前記スクリュー本体の前端から所定の範囲に、前記逆流防止装置と隣接させて形成された圧力部材を備え、
    (e)該圧力部材は、前記スクリュー本体に接続させて形成され、スクリュー本体の外径以上の外径を有する平坦な外周面を備え、
    (f)該平坦な外周面は傾斜部の外周面を備えることを特徴とするスクリュー。
  2. 前記平坦な外周面は、前記傾斜部に接続させて形成された大径部の外周面を備える請求項1に記載のスクリュー。
  3. 前記傾斜部の外周面と加熱シリンダの軸との成す角度をθとしたとき、
    0<θ≦60〔°〕
    にされる請求項1又は2に記載のスクリュー。
  4. 前記大径部は外径が一定にされた円柱部から成る請求項2に記載のスクリュー。
  5. 前記大径部は外周面を傾斜させた傾斜部から成る請求項2に記載のスクリュー。
  6. 前記大径部と接続させて形成された傾斜部の外周面と加熱シリンダの軸との成す角度をθ1とし、大径部を形成する外周面と加熱シリンダの軸との成す角度をθ2としたとき、
    0≦θ2≦θ1≦60〔°〕
    にされる請求項5に記載のスクリュー。
  7. 軸方向における前記大径部の長さをLとし、フライトの外径をDとしたとき、比L/Dは、
    0.85≦L/D≦1.15
    にされる請求項2に記載のスクリュー。
  8. 径方向において、前記大径部の前端の周縁から前記フライトの周縁までの距離をt1とし、前記スクリュー本体の外周面から前記フライトの周縁までの距離をt2としたとき、比t1/t2は、
    0.06≦t1/t2≦1
    にされる請求項2に記載のスクリュー。
  9. (a)加熱シリンダと、
    (b)該加熱シリンダ内において、回転自在に、かつ、進退自在に配設されたスクリューと、
    (c)該スクリューの後端に配設された駆動装置とを有するとともに、
    (d)前記スクリューは、スクリューヘッド、逆流防止装置、及び該逆流防止装置の後方に配設された可塑化部材を備え、
    (e)該可塑化部材は、スクリュー本体、該スクリュー本体の外周面に突出させて形成されたフライト、及びスクリュー本体の前端から所定の範囲に、前記逆流防止装置と隣接させて形成された圧力部材を備え、
    (f)該圧力部材は、前記スクリュー本体に接続させて形成され、スクリュー本体の外径以上の外径を有する平坦な外周面を備え、
    (g)該平坦な外周面は傾斜部の外周面を備えることを特徴とする射出装置。
  10. 逆流防止装置の後方において、スクリュー本体、及び該スクリュー本体の外周面に突出させて形成されたフライトを備えた可塑化部材に配設された圧力部材において、
    (a)前記スクリュー本体の前端から所定の範囲に、前記逆流防止装置と隣接させて形成され、
    (b)前記スクリュー本体に接続させて形成され、スクリュー本体の外径以上の外径を有する平坦な外周面を備え、
    (c)該平坦な外周面は傾斜部の外周面を備えることを特徴とする圧力部材。
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