JP4828249B2 - 液晶調光デバイスの駆動方法 - Google Patents

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Description

本発明は、液晶調光デバイスの駆動方法に関する。
液晶調光デバイスの駆動方法において、散乱(遮光)状態と透明状態とを切り替える方法としては、以下のような方法が開示されている。
例えば、高分子中に液晶を内包したカプセルを分散し、電圧がOff時には、液晶の配向がランダムになり、かつ液晶と高分子の屈折率差により光が乱反射することで散乱(遮光)し、電圧がOn時には、液晶の配向が一様になり、かつ液晶の長軸方向と高分子の屈折率がほぼ一致することで透明状態となり、白色散乱状態と透明状態を電圧により切り替える方法がある(例えば、非特許文献1参照。)。
しかし、この方法では、液晶デバイスを着色状態にするためには、二色性色素を液晶中に溶解させる必要があるが、カプセル皮膜に二色性色素が染着したり、二色性色素が高分子皮膜に沿って配向しやすく電圧応答性が無くなったりすることで、透明時の透過率が低くなるといった問題がある。
また、未硬化の紫外線硬化樹脂、重合開始剤、液晶、及び二色性色素を混合し、紫外線照射により樹脂を硬化させることで、高分子と液晶とが相分離し、高分子と液晶との間に界面を形成するので、上記の液晶調光デバイスと同じ原理で動作するという方法がある(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、この方法では、紫外線照射や重合開始剤により色素が分解し、着色性が低下するといった問題がある。
国際公開第2002/093241号パンフレット 市村國宏編「クロミック材料の開発」シーエムシー出版(2000年発行)P226〜236
本発明の第一の目的は、時間の経過により散乱(遮光性)が低下するのを防止でき、一定の調光性能を維持できる液晶調光デバイスの駆動方法を提供することである。
本発明の第二の目的は、二色性色素の染着や分解に伴う透過性や着色性の低下がない調光デバイスの駆動方法を提供することである。
本発明は、無色透明状態を保持するための印加電圧を遮断した直後にフォーカルコニック相の散乱状態が強く、時間の経過とともに散乱が弱くなるというヒステリシス特性を有するとの知見を得、この知見に基づいてさらに検討して本発明を完成するに至った。
前記課題を解決するための手段は以下の通りである。
[1] 印加電圧に応じて、散乱したフォーカルコニック相状態と透明なネマチック相状態とを呈する液晶を含む液晶組成物が、透明電極を対向させたセル間に充填されてなる液晶調光デバイスについて、前記液晶組成物が、高分子中に液晶を内包したカプセルを分散したものではなく、フォーカルコニック相状態で所定電圧を印加することにより散乱したフォーカルコニック相状態を維持する散乱状態保持動作周期を有し、かつ、透明なネマチック相保持動作周期では、しきい値電圧より高い電圧パルスを連続的に印加し、前記散乱状態保持動作周期では、間隔をあけてパルスを印加することを特徴とする液晶調光デバイスの駆動方法。
また、調光デバイスとしての動作の方法は以下の通りである。
[2] 印加電圧に応じて、散乱したフォーカルコニック相状態とネマチック相状態とを呈する液晶を含み、且つ高分子中に液晶を内包したカプセルを分散したものではない液晶組成物が、透明電極を対向させたセル間に充填されてなる液晶調光デバイスに、(1)所定電圧を印加することにより、散乱したフォーカルコニック相状態からネマチック相状態へ変更する第一の相切換動作と、(2)所定電圧を印加することにより、ネマチック相状態を維持するネマチック相保持動作周期と、(3)印加電圧を遮断することにより、ネマチック相状態からフォーカルコニック相状態へ変更する第二の相切換動作と、(4)前記第二の相切換動作後に所定電圧を印加することにより散乱したフォーカルコニック相状態を維持する散乱状態保持動作周期と、のいずれかを選択して調光を行い、前記ネマチック相保持動作周期では、しきい値電圧より高い電圧パルスを連続的に印加し、前記散乱状態保持動作周期では、間隔をあけてパルスを印加することを特徴とする液晶調光デバイスの駆動方法である。
散乱したフォーカルコニック相状態とネマチック相状態とを呈する液晶では、ネマチック相状態を保持するための印加電圧を遮断した直後にフォーカルコニック相の散乱状態が強く、時間の経過とともに散乱が弱くなるという特性を有することが明らかとなった。この特性を利用すると、散乱状態をある一定の時間のみ、維持することが可能であるが、散乱状態を長時間一定に保つためには、定期的に所定の電圧を印加しなければならない。
図1及び図2を参照して、液晶の相状態の様子を説明する。図1では、横軸が経過時間を表し、縦軸が液晶の透過率を示している。図1においては、まずネマチック相状態を呈するように電圧を印加し続けた後、電圧を遮断し、その後電圧を印加しない場合の液晶の透過率の変化を示す。
図1に示すように、印加電圧を遮断した直後にフォーカルコニック相の散乱状態が強くなり、最も透過率が低くなるが、時間の経過と共に、透過率が高くなるという特性を有している。
このような特性を有する理由については明らかとなっていないが、以下のように推測する。
図2(A)は、ネマチック相保持のための印加電圧しているときの液晶の様子を示した模式図であり、図2(B)は、ネマチック相保持のための印加電圧を遮断した直後の液晶の様子を示した模式図であり、図2(C)は、印加電圧を遮断してから時間が経過したときの液晶の様子を示した模式図である。
図2(B)に示すように、印加電圧を遮断した直後では、基板近傍とセル中心部の配向に不整合が生じ、ドメインを発生させる。基板近傍のドメインでは、フォーカルコニック相の螺旋軸の方向は基板に対し垂直方向となっており、セル中心部のドメインでは、フォーカルコニック相の螺旋軸の方向は基板に対し傾斜している。このようにドメイン毎に、フォーカルコニック相の螺旋軸の向きが少しづつずれており、ドメイン界面での散乱によって、散乱状態を呈している。
しかし、時間経過と共に図2(C)に示すように、ドメイン同士が結合し大きなドメインとなって、フォーカルコニック相の螺旋軸が一定方向に揃い、ドメイン境界が少なくなっていると推測される。したがって、ドメイン境界が多く存在する印加電圧の遮断直後には、透過率が低くなって散乱状態が強くなり、時間経過と共に散乱状態が弱くなるものと考える。
そこで、本発明では、印加電圧の遮断直後の状態を維持するよう、ドメイン同士が結合してドメイン境界が消滅しないように、散乱したフォーカルコニック相状態を維持する相保持動作周期において、電圧を印加する。この操作により、上記[1]の発明によれば、強い散乱状態を維持することができる。
なお、上述のように、散乱したフォーカルコニック相状態は、ある一定の時間、散乱を維持できる特性を有するため、前記相保持動作周期における液晶に対して、電圧を印加し続けなくても、適当な時間間隔で電圧を印加すればよいという利点を有する。
すなわち、上記[1]の発明によれば、時間の経過により散乱(遮光性)が低下するのを防止でき、一定の調光性能を維持できる液晶調光デバイスの駆動方法を提供することができる。
また、上記[2]の発明によれば、透明状態と散乱状態を任意の時間で切り替え、かる時間の経過により散乱(遮光性)が低下するのを防止でき、一定の調光性能を維持できる液晶調光デバイスの駆動方法を提供することができる。
[3] 前記ネマチック相保持動作周期での液晶への印加電圧が、前記散乱状態保持動作周期での液晶への印加電圧よりも大きいことを特長とする前記[1]又は[2]に記載の液晶調光デバイスの駆動方法である。
前記ネマチック相保持動作周期での液晶への印加電圧は、液晶を配向させるためのものであるため、しきい値電圧以上でなければならない。一方、前記散乱状態保持動作周期での液晶への印加電圧は、散乱したフォーカルコニック相状態を保持するためのものであるので、前述した推測に基づけば、ドメイン同士が結合しないよう、ドメイン同士の境界を保持できる程度であればよい。
したがって、前記散乱状態保持動作周期では、前記ネマチック相保持動作周期での印加電圧よりも小さい電圧を印加することでも、散乱状態を保持することができ、消費電力の節減という観点からも好適である。
[4] 前記液晶組成物が、二色性色素を含有することを特徴とする前記[1]〜[3]のいずれか1項に記載の液晶調光デバイスの駆動方法である。
上記[4]の発明によれば、液晶組成物が二色性色素を含有するため、無色透明状態と着色散乱状態とを切り替えることができる。
[5] 前記セル間が、15μm以上50μm以下であることを特徴とする前記[1]〜[3]のいずれか1項に記載の液晶調光デバイスの駆動方法である。
上記[5]の発明では、前記セル間が15μm以上50μm以下であるので、散乱したフォーカルコニック相状態、つまりドメイン境界が多く存在する状態を呈し易くなり、強い散乱状態を示すことができ、液晶調光デバイスの応用に好適となる。
[6] 前記液晶組成物がカイラルドーパントを含有し、該カイラルドーパントの含有率が、液晶組成物全体に対して、2質量%〜40質量%であることを特徴とする前記[1]〜[5]のいずれか1項に記載の液晶調光デバイスの駆動方法である。
[7] 前記二色性色素の含有率は、前記液晶組成物全体に対して、0.1質量%〜20質量%であることを特徴とする前記[4]〜[6]のいずれか1項に記載の液晶調光デバイスの駆動方法である。
本発明によれば、時間の経過により散乱(遮光性)が低下するのを防止でき、一定の調光性能を維持できる液晶調光デバイスの駆動方法を提供することができる。
また、二色性色素の染着や分解に伴う透過性や着色性が低下しない調光デバイスの駆動方法を提供することができる。
本発明は、印加電圧に応じて、散乱したフォーカルコニック相状態とネマチック相状態とを呈する液晶を含む液晶組成物が、透明電極を対向させたセル間に充填されてなる液晶調光デバイスについて、前記液晶組成物が、高分子中に液晶を内包したカプセルを分散したものではなく、フォーカルコニック相状態で所定電圧を印加することにより、散乱したフォーカルコニック相状態を維持する散乱状態保持動作周期を有し、かつ、透明なネマチック相保持動作周期では、しきい値電圧より高い電圧パルスを連続的に印加し、前記散乱状態保持動作周期では、間隔をあけてパルスを印加することを特徴とする液晶調光デバイスの駆動方法の方法である。
また、調光デバイスの散乱と透明を切り替えるために、(1)所定電圧を印加することにより、散乱したフォーカルコニック相状態からネマチック相状態へ変更する第一の相切換動作と、(2)所定電圧を印加することにより、ネマチック相状態を維持するネマチック相保持動作周期と、(3)印加電圧を遮断することにより、ネマチック相状態からフォーカルコニック相状態へ変更する第二の相切換動作と、(4)前記第二の相切換動作後に所定電圧を印加することにより散乱したフォーカルコニック相状態を維持する散乱状態保持動作周期と、のいずれかを選択して調光を行い、前記ネマチック相保持動作周期では、しきい値電圧より高い電圧パルスを連続的に印加し、前記散乱状態保持動作周期では、間隔をあけてパルスを印加することを特徴とする液晶調光デバイスの駆動方法である。
すなわち、本発明は、無色透明状態を保持するための印加電圧を遮断した直後に散乱状態が強く、時間の経過とともに散乱が弱くなるという液晶調光デバイスの特性を考慮し、散乱状態を維持させるために、散乱状態保持動作周期において、定期的に短パルスの電圧印加することを特徴とする。
このように、本発明の液晶調光デバイスの駆動方法では、(1)前記第一の相切換動作と、(2)ネマチック相保持動作周期と、(3)第二の相切換動作と、(4)散乱状態保持動作周期とを有する。
(1)第一の相切替動作
本発明における第一の相切替動作は、散乱したフォーカルコニック相状態(以下、適宜「散乱状態」と称する。)からネマチック相状態へ変更させるものである。ネマチック相状態にするためには、印加する電圧は、しきい値電圧よりも高くなければならない。
(2)ネマチック相保持動作周期
ネマチック相保持動作周期では、液晶の無色透明状態を保持する。したがって、ネマチック相保持動作周期で印加する電圧パルスは、無色透明状態を維持する時間だけのパルス数と、しきい値電圧より高い電圧からなる。この電圧パルスは、直流、交流のどちらでもよく、その波形も矩形波、三角波、サイン波などの任意の波形でよく、周波数もある特定の範囲に限定されるものではない。
このような電圧パルスを印加したときの液晶の様子を、図2(A)に示す。誘電率異方性(△ε)が正の液晶を用いているため、図2(A)に示すように、しきい値電圧以上の電圧を印加すると、電極に対し垂直方向に液晶分子が配向する。液晶分子に追随して二色性色素も電極に対し垂直に配向するので、光の吸収が行われず、無色透明の状態を呈する。
(3)第二の相切換動作
第二の相切替動作は、ネマチック相状態から散乱したフォーカルコニック相状態へ変更させるものであり、ネマチック相を保持するために印加していた電圧を遮断するという動作である。印加電圧を遮断することにより液晶分子の配向が乱れ、散乱したフォーカルコニック相状態となる。そのときの液晶の様子を図2(B)に示す。
印加電圧を遮断した直後では、基板近傍とセル中心部の配向に不整合が生じ、ドメインを発生させる。基板近傍のドメインでは、フォーカルコニック相の螺旋軸の方向は基板に対し垂直方向となっており、セル中心部のドメインでは、フォーカルコニック相の螺旋軸の方向は基板に対し傾斜している。このようにドメイン毎に、フォーカルコニック相の螺旋軸の向きが少しづつずれており、ドメイン界面での散乱によって、散乱状態を呈している。したがって、液晶組成物が二色性色素を含有しない場合には、第二の相切換動作によって、無色透明状態から白色散乱状態へ変化する。
また、液晶組成物が二色性色素を含有する場合には、液晶分子の配向の乱れに伴い、二色性色素の配向も乱れるため、着色する。したがって、第二の相切換動作によって、無色透明状態から着色散乱状態へ変化する。
(4)散乱状態保持動作周期
散乱状態保持動作周期では、第二の相切替動作によって生じた、散乱したフォーカルコニック相状態を保持する。
この散乱状態を維持するための印加する電圧パルスは、直流、交流のどちらでもよく、その波形も矩形波、三角波、サイン波などの任意の波形でよく、周波数もある特定の範囲に限定されるものではない。また、印加時間、印加するパルス数も特に限定するものでないが、単パルスを印加することでも散乱状態の維持は可能であり、消費電力を低減する観点からも好ましい。
電圧を印加する間隔についても、特に限定するものではないが、散乱が弱くなったのを認識することのない間隔で設定すればよく、散乱したフォーカルコニック相状態のヒステリシス特性を利用して、数分〜数時間の間隔が望ましい。このとき、数分〜数時間の間隔で電圧を印加しても、液晶調光デバイスの透過率変化は小さいので、人間の視覚では違和感なく散乱状態維持できる。
本発明にかかる液晶調光デバイスにおいて、着色散乱状態(散乱したフォーカルコニック相状態)での透過率に対する、無色透明状態(ネマチック相状態)での透過率の比率は、全光において4倍程度であり、高いコントラストを示す。
また、印加する電圧の絶対値は、特に限定されるものではなく、液晶組成物カイラルドーパント濃度、液晶の誘電率特性、電極間距離により任意の値に設定できる。なお、図3の液晶調光デバイスに印加する電圧に対する吸収のピーク波長での透過特性を示すグラフから分かるように、デバイスには透過率の変化が始まる電圧(しきい値電圧)を有し、このしきい値電圧よりも高い電圧では液晶分子が配向して無色透明状態となる。また、散乱状態保持動作周期で印加する電圧は、散乱が弱くなってきた状態で、散乱状態を強めるために与える電圧であるため、しきい値電圧より低い電圧を印加しても、液晶の配向を乱して散乱状態を維持することができ、消費電力の節減の観点からも好適な態様である。
なお、本発明において「しきい値電圧」とは、透過率の飽和値で規格化したときの、規格化された透過率が1となる最小の印加電圧をいう。
一例として、図4に本発明の液晶調光デバイスのパルス波形を示すが、本発明はこれに限定されない。なお、図4では、ネマチック相保持動作周期で印加する電圧パルスを電圧パルス1とし、散乱状態保持動作周期で印加する電圧パルスを電圧パルス2としている。
次に、本発明の液晶調光デバイスの駆動方法に適用し得る液晶調光デバイスの構成について説明する。
本発明にかかる液晶調光デバイスは、透明電極を対向させたセル間に液晶組成物を充填してなる。透明電極は、ITOなど公知のものを適宜適用することができる。
セルの間隔は、散乱したフォーカルコニック相状態を呈し易いよう、つまりドメイン境界が多く存在するよう、15μm以上50μm以下であることが好ましく、15μm以上30μm以下であることが、散乱度を高める上で、より好ましい。セルの間隔はスペーサーなどによって調整することができる。
セル間には、液晶組成物を充填する。液晶組成物は、ネマチック相状態と散乱したフォーカルコニック相状態とを呈するものであれば特に制限されないが、好ましくは、ネマチック液晶にカイラルドーパントを含有させたものである。
カイラルドーパントとしては、「液晶デバイスハンドブック」(日本学術振興会第142委員会編、日刊工業新聞社、1989年)の199〜202頁に記載のTN、STN用カイラルドーパントを用いることができ、具体的には、メルク社製R−1011、S−1011、R−811、S−811、CB15、旭電化社製CNL−611、CNL−617、CNL−686、CNL−687、CNL−688、CNL−689、CNL−690、CNL−691、CNL−699など公知のものを適宜適用することができる。など公知のものを適宜適用することができる。
カイラルドーパントの含有率は、液晶組成物全体に対して、2質量%〜40質量%であり、具体的には、カイラルドーパントのねじれ力を示すHTP値(Herical Twisting Power)によって、カイラルドーパント濃度を変える必要があり、着色状態での可視波長(0.8μm以下)の選択反射を防止するため、カイラルドーパント濃度(C)は、以下の関係とする。
C<n/(HTP×0.8)
n:液晶の平均屈折率、HTP:カイラルドーパントのHTP値(μm-1
ネマチック液晶としては、具体的には特に、応答速度の観点から、ネマチック液晶の場合が好適である。また、白色散乱状態の散乱度を高めて透過率を下げるには、屈折率異方性が大きいホスト液晶を用いることが好ましい。ホスト液晶に好適な屈折率(△n)は、0.1〜0.3程度であり、更に好ましくは、0.15〜0.3程度である。
ホスト液晶として具体的は、メルク社製E7、E90、MLC−6621−000、MLC−6621−100、旭電化社製HA−11757C、HA−11756C、HA−11731Cなどや、これらの混合物が好適である。
二色性色素の含有率は、液晶組成物全体に対して、0.1質量%〜20質量%であることが好ましく、1.0質量%〜10質量%であることがより好ましい。二色性色素の含有率が0.1質量%よりも少ない場合、色素による吸収が小さくなり、着色状態での発色が弱く、コントラストが小さくなりやすく、20質量%よりも多いと(1)液晶の粘度が高くなることで、応答速度が遅く、(2)色素の短軸方向の吸収成分により、透明状態での色素の吸収が大きくなりやすく好ましくない。
その他液晶組成物には、球状スペーサー、紫外線吸収剤、酸化防止剤などの公知の添加剤を適宜添加することができる。
本発明にかかる液晶調光デバイスは、透明電極と液晶組成物のほかに、支持体、配向膜、紫外線防止膜、反射防止膜、バリア層、封口剤などを適用することができる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、物質量とその割合、操作等は本発明の主旨から逸脱しない限り適宜変更することができる。従って本発明の範囲は以下の具体例に制限されるものではない。
(デバイス作製)
水平配向膜:SE−130(日産化学製)を塗布、焼成したITO基板(100Ω/□、イーエッチシー製)、20μmの真球スペーサー(SP−220、積水化学製)、エポキシ系接着剤を用いて液晶セルを作製した。なお、配向膜については、ラビング処理は行っていない。
液晶化合物としてのE63(メルク製)に、カイラルドーパントとしてR−1011(メルク製)3質量%と、二色性色素として下記に示すアントラキノン系色素を1.5質量%溶解し液晶組成物とした。この液晶組成物を前述の液晶セルに注入し、注入口をエポキシ系接着剤で封止することでデバイスを作製した。
前記液晶組成物のしきい値電圧は、75Vであった。このデバイスは、周波数:100Hz、電圧:±75Vの矩形波を印加することで、無色透明状態になる。
Figure 0004828249
[比較例1]
作製した液晶調光デバイスに、周波数:100Hz、電圧:±75Vの矩形波を印加したのち、放置し、透過特性を島津製作所製UV−2400で測定したところ、印加直後に比べ、透過率が上昇し、散乱性が弱くなっていると判断した。
[実施例1]
作製した液晶調光デバイスに、周波数:100Hz、電圧:±75Vの矩形波を印加したのち、10分間隔で1秒間のみ、電圧75Vを印加したところ、散乱状態が維持され、一定の透過率特性を維持できるようになった。
[実施例2]
作製した液晶調光デバイスに、周波数:100Hz、電圧:±75Vの矩形波を印加したのち、分間隔で1秒間のみ、周波数:100Hz、電圧:±25Vの矩形波を印加したところ、散乱状態が維持され、一定の透過率特性を維持できるようになった。また、散乱を維持させるための電圧を印加した際でも、調光デバイスが無色透明状態に変化することなく、散乱を維持させることを実現した。
経過時間に対する液晶の透過率を示すグラフである。 図2(A)は、ネマチック相保持のための印加電圧しているときの液晶の様子を、図2(B)は、印加電圧を遮断した直後の液晶の様子を、図2(C)は、印加電圧を遮断してから時間が経過したときの液晶の様子を示した模式図である。 液晶調光デバイスに印加する電圧に対する吸収のピーク波長での透過特性を示すグラフである。 本発明の液晶調光デバイスのパルス波形の一例を示す図である。

Claims (7)

  1. 印加電圧に応じて、散乱したフォーカルコニック相状態と透明なネマチック相状態とを呈する液晶を含む液晶組成物が、透明電極を対向させたセル間に充填されてなる液晶調光デバイスについて、
    前記液晶組成物が、高分子中に液晶を内包したカプセルを分散したものではなく、
    フォーカルコニック相状態で所定電圧を印加することにより散乱したフォーカルコニック相状態を維持する散乱状態保持動作周期を有し、
    かつ、透明なネマチック相保持動作周期では、しきい値電圧より高い電圧パルスを連続的に印加し、
    前記散乱状態保持動作周期では、間隔をあけてパルスを印加することを特徴とする液晶調光デバイスの駆動方法。
  2. 印加電圧に応じて、散乱したフォーカルコニック相状態とネマチック相状態とを呈する液晶を含み、且つ高分子中に液晶を内包したカプセルを分散したものではない液晶組成物が、透明電極を対向させたセル間に充填されてなる液晶調光デバイスに、(1)所定電圧を印加することにより、散乱したフォーカルコニック相状態からネマチック相状態へ変更する第一の相切換動作と、(2)所定電圧を印加することにより、ネマチック相状態を維持するネマチック相保持動作周期と、(3)印加電圧を遮断することにより、ネマチック相状態からフォーカルコニック相状態へ変更する第二の相切換動作と、(4)前記第二の相切換動作後に所定電圧を印加することにより散乱したフォーカルコニック相状態を維持する散乱状態保持動作周期と、のいずれかを選択して調光を行い、前記ネマチック相保持動作周期では、しきい値電圧より高い電圧パルスを連続的に印加し、前記散乱状態保持動作周期では、間隔をあけてパルスを印加することを特徴とする液晶調光デバイスの駆動方法。
  3. 前記ネマチック相保持動作周期での液晶への印加電圧が、前記散乱状態保持動作周期での液晶への印加電圧よりも大きいことを特長とする請求項1又は請求項2に記載の液晶調光デバイスの駆動方法。
  4. 前記液晶組成物が、二色性色素を含有することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の液晶調光デバイスの駆動方法。
  5. 前記セル間が、15μm以上50μm以下であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の液晶調光デバイスの駆動方法。
  6. 前記液晶組成物がカイラルドーパントを含有し、該カイラルドーパントの含有率が、液晶組成物全体に対して、2質量%〜40質量%であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の液晶調光デバイスの駆動方法。
  7. 前記二色性色素の含有率は、前記液晶組成物全体に対して、0.1質量%〜20質量%であることを特徴とする請求項4〜請求項6のいずれか1項に記載の液晶調光デバイスの駆動方法。
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