JP4867342B2 - 刈払い用回転刃及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、例えば雑草、雑木、小竹等の植物を刈り払いする際に使用される刈払い用回転刃及びその製造方法に関する。
従来、刈払い用回転刃としては、例えば特許文献1に示すチップソーが知られている。このチップソーは、台金の外周縁部に、所定間隔で多数のチップ取付凹部を形成すると共に、このチップ取付凹部間に台金の中心方向に窪んだ多数の刃室(谷部)を形成し、各チップ取付凹部内に超硬金属からなるチップを高周波誘導加熱とロウ材等を利用してそれぞれロウ付け固着するようにしたものである。
特許第2849985号公報
しかしながら、このようなチップソーにおいては、台金に形成したチップ取付凹部に該台金と異金属のチップを固着する必要があるため、チップ固着のために例えば46%程度の銀が含有されたロウ材が必要となり、限りある銀資源の節約という面で好ましくない。また、チップ固着のためにフラックスも必要となって、このフラックスが高周波誘導加熱によって気化して飛散し易く作業環境等を悪化する虞もあり、また、作業者の人体呼吸系障害対策等の各種対策に費用がかかる等、チップソーの製造コストをアップさせ易い等の問題点を有している。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、台金自体にチップ形状の刃先を一体形成することにより、資源の節約を図ると共に製造コストの低減化を図る刈払い用回転刃及びその製造方法を提供することにある。
かかる目的を達成すべく、本発明のうち請求項1に記載の発明(刈払い用回転刃)は、中心位置に刈払機への取付穴が穿設された円板状の台金と、該台金の外周縁部に所定間隔で形成された刃先と、前記台金の外周縁部で前記刃先間に台金の中心位置方向に向けて曲線状に窪んだ刃室と、を備えた刈払い用回転刃であって、前記刃先は、研磨処理されたすくい面と逃げ面及びあさり面を有すると共に台金の板厚と同一厚で、超硬金属からなるチップの形状に対応したチップ形状を有して台金自体に一体形成されると共に、該刃先が誘導加熱により焼入処理されてその硬度が前記チップと同様の硬度に設定されると共に、前記刃先と前記台金の連結部となる刃先の基部に該刃先の硬度より柔らかな所定幅の焼戻し部が形成されていることを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明(刈払い用回転刃の製造方法)は、中心位置に刈払機への取付穴が穿設された円板状の台金と、該台金の外周縁部に所定間隔で形成された刃先と、前記台金の外周縁部で前記刃先間に台金の中心位置方向に向けて曲線状に窪んだ刃室と、を備えた刈払い用回転刃の製造方法であって、前記円板状の台金を形成する工程と、該台金の外周縁部に所定間隔で前記刃室を形成する工程と、すくい面と逃げ面及びあさり面を有すると共に台金の板厚と同一厚で、超硬金属からなるチップの形状に対応したチップ形状を有する刃先を台金自体に一体形成する工程と、前記刃先に誘導加熱により焼入処理してその硬度を前記チップと同様の硬度に設定する工程と、前記刃先と前記台金の連結部となる刃先の基部に該刃先の硬度より柔らかな所定幅の焼戻し部を形成する工程と、を備えることを特徴とする。
本発明の請求項1に記載の発明によれば、台金の外周縁部に所定間隔で形成された刃先が、台金自体にその板厚と同一厚を有してチップ形状に形成されると共に硬度処理が施されているため、刃先を従来のチップとして使用できて、チップ固着用のロウ材が不要となり、銀等の資源の節約を図ることができると共に、フラックスが不要となって作業環境等の悪化を防止したり人体呼吸系障害を除くことができる等、回転刃の製造コストを低減化させて安価な刈払い用回転刃を得ることができる。
また、刃先のすくい面と逃げ面及びあさり面が焼入り処理され、刃先と台金との連結部となる刃先の基部が焼戻し処理されているため、刃として機能する部分を所定の硬度に維持しつつ、基部に所定の弾力性を持たせて刃先と台金間の折損等を防止できて、長期に亘り安定使用可能な刈払い用回転刃を得ることができる。また、刃先があさり面を有してすくい面と逃げ面と共に研磨処理されているため、あさり面等により回転刃の切れ味を向上させて、チップソーと同程度の切削性能に優れた刈払い用回転刃を得ることができる。
また、請求項2に記載の発明によれば、円板状の台金を形成する工程と、台金の板厚と同一厚を有してチップ形状を呈する刃先を形成する工程及び刃先に焼入処理を施す工程等とを備えるため、刃先を従来のチップと同様に使用できて、チップ固着用のロウ材が不要となり、銀等の資源の節約を図ることができると共に、フラックスが不要となって作業環境等の悪化を防止できる等、回転刃の製造コストを低減化させて安価な刈払い用回転刃を得ることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1〜図4は、本発明に係わる刈払い用回転刃の一実施形態を示し、図1がその平面図、図2がその要部の拡大図、図3がその側面図、図4が製造方法の一例を示す工程図である。
図1において、刈払い用回転刃1(以下、回転刃1という)は、円板状の台金2を有し、この台金2の中心位置には、図示しない刈払機への取付用の所定内径の取付穴3が形成されると共に、台金2の外周縁部2aには、多数の刃先4が円周方向に例えば一定間隔で形成されている。この刃先4は、図2及び図3(a)に示すように、すくい面4a、逃げ面4b、角度αのあさり面4c及び側面4d等を有して、従来の超硬金属からなるチップの形状に対応した形状(チップ形状)に形成されている。
そして、この刃先4の板厚t1(図3参照)は台金2の板厚t2と同一に設定され、刃先4の各面4a〜4c等は焼入れ処理されてその硬度HRCが、従来のチップと略同様の切削性能が得られるHRC60〜63程度となるように設定されている。また、隣接する刃先4間には、図1及び図2に示すように、台金2の中心位置方向(取付穴3方向)に向けて曲線状に窪んだ刃室5がそれぞれ形成されると共に、この刃室5(台金2)と刃先4との連結部分には、刃先4の硬度より柔らかな所定幅の焼戻し部6(図2参照)が形成されている。さらに、台金2の所定の円環状部分には、反り防止や異音防止、軽量化等の目的で適宜内径の円孔7(図1参照)が必要に応じて複数個穿設されている。
なお、図3(a)においては、刃先4を台金2と面一状態の平板状に形成し、刃先4のすくい面4aの例えば一部を角度αで研削(研磨)することにより前記あさり面4cを設けたが、例えば図3(b)に示すように、後述する刃先4の形成時に、刃先4を台金2の板厚方向に交互に傾斜させて形成することにより、刃先4を台金2の側方に突出させてあさり面4cを設けることもできるし、このあさり面4cを図3(b)の二点鎖線で示すように、所定角度β傾斜させることもできる。
次に、前記回転刃1の製造方法の一例を図4に基づいて説明する。図4(a)に示すように、先ず、鋼板のプレスの打ち抜き加工等により円盤形状の台金2を形成(K10)し、この台金2の外周縁部2aに、例えばプレスの打ち抜き加工等により一定間隔で前記刃室5と刃先4からなる刃部を形成(K11)する。台金2に刃部を形成したら、当該台金2を例えば高周波誘導加熱により全体焼入れ(K12)して台金2全体を所定の硬度に設定し、その後、刃先4を研磨(K13)し、さらにこの刃先4を例えば高周波焼入れ(K14)して前述した硬度に設定する。なお、工程K13の研磨は、例えば湿式研磨により行われて、刃先4のすくい面4a、逃げ面4b、あさり面4c及び側面4d等が研磨される。
そして、刃先4を焼入れして所定の硬度に設定したら、局部である刃先4の基部を焼戻し(K15)して前述した焼戻し部6を形成し、その後、防錆油の塗布、刃先4への安全チューブ装着等の各種仕上げ(K16)を行う。これにより回転刃1が製造される。なお、刃先4に前述したあさり面4cを形成する場合は、図4(a)の二点鎖線で示すように、工程K12の後に形成するようにすれば良い。
また、以上の工程は、一例であって、例えば図4(b)に示す製造方法を採用することもできる。すなわち、この製造方法は、全体焼入れ(K12)の後に、刃先4を焼入れ(K14)して局部を焼戻し(K15)し、その後に刃先4を研磨(K13)する。そして、この工程の場合、あさり面4cは局部焼戻し(K15)の後に形成するようにすれば良い。なお、回転刃1の製造時の各工程の順序は、図4(a)(b)に限定されず、設備等に応じて、適宜の工程を採用することができる。
このように、上記実施形態の回転刃1よれば、台金2の外周縁部2aに一定間隔で形成される刃先4が、台金2の板厚t2と同一厚を有してチップ形状に形成されると共に高周波焼入れにより硬度処理が施されているため、台金2に一体形成される刃先4を従来のチップとして使用できて、チップ固着用のロウ材が不要となり、資源として限りのある銀等の資源の節約を図ることができると共に、固着時に使用されるフラックスが不要となって、フラックスの気化や飛散等による作業環境や地球環境等の悪化を防止でき、これらの対策費用を大幅に削減することができる。
また、刃先4が台金2自体に形成されているため、従来のようなチップ固着用の作業が不要となり、例えば刃先4を自動機によって簡単に形成することができると共に、ロウ付け時に従来必要であった高周波誘導加熱装置(インバータ)が必要なくなり、設備費用を低減させたり、チップやフラックスの材料費及びその管理費用も不要とすることができる。さらに、台金2自体に刃先4を形成できると共に、従来のチップソー時に使用した焼入れ装置で全体焼入れや刃先焼入れを行うことができて、新しい設備の導入を極力抑えた状態で対応でき、これらのことから、回転刃1の製造コストを低減化させて安価な回転刃1を得ることが可能となる。
また、刃先4のすくい面4a、逃げ面4b及びあさり面4c等が焼入り処理され、刃先4の台金2との連結部となる基部が焼戻し処理されて刃先4より硬度の低い焼戻し部6が形成されているため、刃として機能する部分を所定の硬度に維持しつつ、基部に所定の弾力性を持たせて刃先4と台金2間の折損等を防止することができ、回転刃1を長期に亘り安定使用することが可能となる。また、刃先4があさり面4cを有してすくい面4aと逃げ面4b等と共に研磨処理されているため、あさり面4c等により回転刃1の切れ味を向上させて、チップソーと同程度の切削性能に優れた回転刃1を容易に得ることができる。
なお、上記実施形態における、刃先4の数や円孔7の形状、個数等の台金2自体の形状、刃先4自体の形状や刃先4と刃室5を含めた刃部の形状、焼戻し部6の形状及び位置等は一例であって、本発明に係わる各発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜に変更することができる。
本発明は、従来刃先としてチップが使用されていた全ての刈払い用チップソーに相当する回転刃に適用できる。
本発明に係わる刈払い用回転刃の一例を示す平面図 同その要部の拡大図 同その側面図 同製造方法の一例を示す工程図
1・・・・刈払い用回転刃
2・・・・台金
2a・・・外周縁部
3・・・・取付穴
4・・・・刃先
4a・・・すくい面
4b・・・逃げ面
4c・・・あさり面
4d・・・側面
5・・・・刃室
6・・・・焼戻し部
7・・・・円孔
t1・・・刃先板厚
t2・・・台金板厚

Claims (2)

  1. 中心位置に刈払機への取付穴が穿設された円板状の台金と、該台金の外周縁部に所定間隔で形成された刃先と、前記台金の外周縁部で前記刃先間に台金の中心位置方向に向けて曲線状に窪んだ刃室と、を備えた刈払い用回転刃であって、
    前記刃先は、研磨処理されたすくい面と逃げ面及びあさり面を有すると共に台金の板厚と同一厚で、超硬金属からなるチップの形状に対応したチップ形状を有して台金自体に一体形成されると共に、該刃先が誘導加熱により焼入処理されてその硬度が前記チップと同様の硬度に設定されると共に、前記刃先と前記台金の連結部となる刃先の基部に該刃先の硬度より柔らかな所定幅の焼戻し部が形成されていることを特徴とする刈払い用回転刃。
  2. 中心位置に刈払機への取付穴が穿設された円板状の台金と、該台金の外周縁部に所定間隔で形成された刃先と、前記台金の外周縁部で前記刃先間に台金の中心位置方向に向けて曲線状に窪んだ刃室と、を備えた刈払い用回転刃の製造方法であって、
    前記円板状の台金を形成する工程と、該台金の外周縁部に所定間隔で前記刃室を形成する工程と、すくい面と逃げ面及びあさり面を有すると共に台金の板厚と同一厚で、超硬金属からなるチップの形状に対応したチップ形状を有する刃先を台金自体に一体形成する工程と、前記刃先に誘導加熱により焼入処理してその硬度を前記チップと同様の硬度に設定する工程と、前記刃先と前記台金の連結部となる刃先の基部に該刃先の硬度より柔らかな所定幅の焼戻し部を形成する工程と、を備えることを特徴とする刈払い用回転刃の製造方法。
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