JP4983094B2 - インジェクタの取付構造 - Google Patents

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この発明は、エンジンの燃料を噴射するインジェクタの取付構造に関する。
インジェクタ(燃料噴射弁)の取付構造としては、特許文献1にあるようなものが知られている。その例を図5に基づいて説明すると、10はエンジンの吸気マニホールドであり、シリンダヘッドとの接合面11とこれに開口する吸気通路12(分岐路)との角部を吸気通路12の軸線と傾斜して交差する内外方向へ貫通する取付穴13が設けられる。そして、インジェクタ14は、先端側から取付穴13に挿入して段差面15に先端を係止した状態に固定され、先端のノズル部16がシリンダヘッドの吸気通路(吸気ポート)に臨み、噴霧が吸気バルブの傘部を指向するように組み付けられるのである。
実公平06−036296号
取付穴13は、吸気通路に開口する小径部17と、小径部17と同軸上を延びて外部に開口する大径部18と、小径部17と大径部18との境界に形成される軸線pと直交する段差面15と、が備えられる。この場合、吸気バルブの傘部に対する噴霧の直撃率を高めるため、取付穴13の段差面15(インジェクタ14の先端)を吸気通路へ近づける(大径部16を深く形成する)と、吸気マニホールド10の通路内面や接合面に図6のような糸バリの発生する可能性がある。糸バリは、通路内面から剥がれ落ち、吸気と一緒に吸入されると、燃焼室内面を傷つける恐れがある。そのため、糸バリの発生を回避しつつ、噴霧の直撃性を高めるための手段として、図5の一点鎖線にような裏ボス構造20が考えられる。しかしながら、裏ボス構造20は、吸気の流れに影響を及ぼし出力低下につながる、という不具合が懸念される。
この発明は、このような課題に着目してなされたものであり、裏ボス構造に拠らず、糸バリを生じさせることなく、噴霧の直撃率を有効に高められる手段の提供を目的とする。
この発明は、エンジンの吸気通路を構成する吸気マニホールドまたはシリンダヘッドに吸気通路の軸線と傾斜して交差する内外方向へ貫通する取付穴として、前記吸気通路に開口する小径部と、前記小径部と同軸上を延びて外部に開口する大径部と、前記小径部と前記大径部との境界に形成される段差面と、を備えてなり、インジェクタを先端側から前記取付穴に挿入して前記段差面に先端を係止した状態に固定するインジェクタの取付構造において、前記段差面を延長して得られる面は、前記大径部の外周を延長して得られる面の内側空間において前記吸気通路の内周面と交差していると共に、前記小径部の外周を延長して得られる面の外側空間において前記吸気通路の内周面と交差しており、前記取付穴を外部から軸線方向へ見て、前記大径部の外周と前記吸気通路の内面との交線と、前記交線の両端間を結ぶ直線と直交して各前記交線の両端を通る2つの直線と、前記小径部の外周を延長して得られる円周前記2つの直線との交点間を結び、前記円周の一部をなす円弧と、に囲まれる領域を取付穴の軸線方向に沿って前記吸気通路へ連続して開口させる切り欠きを設けることを特徴とする。
この発明においては、取付穴に切り欠きを追加することにより、大径部の外周と吸気通路の内面との交線と、前記交線の両端間を結ぶ直線と直交して各前記交線の両端を通る2つの直線と、小径部の外周を延長して得られる円周前記2つの直線との交点間を結び、前記円周の一部をなす円弧と、に囲まれる領域が抜き取れる形になり、段差面の一部が取付穴の軸線方向に沿って吸気通路へ連続して開口する。つまり、糸バリの発生する領域が無くなり、裏ボス構造に拠らず、糸バリを生じさせることなく、大径部を深く形成することが可能となり、インジェクタの先端を吸気バルブの傘部へ近づけられるため、噴霧の直撃率を有効に高めることができる。また、裏ボス構造に拠らないため、吸気の円滑な流れを損なうことなく、噴霧の直撃率を安価に高められる。
図に基づいて、この発明の実施形態を説明する。図1は、吸気マニホールドの下流部を構成するアダプタ10aを表すものであり、ブランチとの接合面31と、シリンダヘッドとの接合面11aと、を備える。アダプタ10aにおいて、インジェクタ14(燃料噴射弁)を配設するため、シリンダヘッドとの接合面11aと、これに開口する吸気通路12a(分岐路)と、の角部を吸気通路12aの軸線と傾斜して交差する内外方向へ貫通する取付穴13aが形成される。
取付穴13aは、吸気通路に開口する小径部17aと、小径部17aと同軸上を延びて外部に開口する大径部18aと、小径部17aと大径部18aとの境界に形成される軸線pと直交する段差面15aと、が備えられる(図3、参照)。図4は、図3中のS矢視図であり、図3,図4において、段差面の一部(図4の斜線部)を取付穴の軸線pに沿って吸気通路12aへ開口させる形に抜き取る切り欠き35が設けられる。取付穴13aの小径部17aは、シリンダヘッドとの接合面11aとこれに開口する吸気通路12a(分岐路)との角部にかけて開口するので、段差面15aの一部を斜線部分と同じくシリンダヘッドの接合面11aへ開口させる形に切り欠き35が設けられる。
図4において、段差面15aの一部(件の切り欠き35を形成する)は、切り欠き35により、大径部18aの円周上と吸気通路12aの内面との交点A1,A2間を結ぶ円弧E1と、これら交点A1,A2間を結ぶ直線Cと直交して各交点A1,A2を通る2つの直線B1,B2と、小径部17aの円周上と2つの直線B1,B2との交点D1,D2間を結ぶ円弧E2と、に囲まれる領域が抜き取られるのである。
アダプタ10aは鋳造部品であり、取付穴13aについても、件の切り欠き35を含めて、アダプタ10aと一体に中子鋳造される。図2において、(a)は、アダプタ10aの一部について、シリンダヘッドとの接合面11a側を直視する外観を表示するものである。(b)は、(a)中のA−A断面を表示するものであり、(c)は、(a)中のB−B断面を表示するものである。この場合、(a)の外観と(c)のB−B断面との両方に取付穴13aの切り欠き35を含む小径部17aの開口が表れる。
取付穴13aの小径部17aは、シリンダヘッドとの接合面11aとこれに開口する吸気通路12a(分岐路)との角部にかけて開口され、(a)の外観と(c)のB−B断面との両方において、楕円を長軸上で半裁したような形状に表れる。取付穴13aの切り欠き35は、(a)の外観と(c)のB−B断面との両方に表れる小径部17aを短軸方向へ局部的に拡径する形に表れる。図5の取付穴13に件の切り欠き35を追加することを想定すると、図6において、大径部18の円周上と吸気通路12の内面との交点F1,F2間を結ぶ直線Gと、同じく交点F1,F2間を結ぶ円弧H(大径部18の円周)と、から三日月状に囲われる領域(欠損部22)の、円弧Hが図4の円弧E1上に対応する場合、切り欠き35により、三日月状に囲われる領域(欠損部22)およびこれと小径部17との間(糸バリの発生する領域)が抜き取れることになる。
図3において、インジェクタ14は、先端側から取付穴13aに挿入して段差面15aに先端を係止した状態に固定され、先端のノズル部16がシリンダヘッドの吸気通路(吸気ポート)に臨み、噴霧が吸気バルブの傘部を指向するように組み付けられるのである。アダプタ10aの接合面11aに対応するシリンダヘッドの接合面においては、アダプタ10a側の吸気通路12aおよび切り欠き35を含む取付穴13aに対応する形に吸気ポート(吸気通路)が開口される。
このように切り欠き35を取付穴13aに追加することにより、大径部18aの円周上と吸気通路12aの内面との交点A1,A2間を結ぶ円弧E1と、これら交点A1,A2間を結ぶ直線Cと直交して各交点A1,A2を通る2つの直線B1,B2と、小径部17aの円周上と2つの直線B1,B2との交点D1,D2間を結ぶ円弧E2と、に囲まれる領域(図4の斜線部の段差面)が吸気通路12aへ連続して開口する。つまり、三日月状の欠損部22(図6、参照)と小径部17との間が切り欠きにより繋がる形となり、糸バリの発生領域が無くなるため、裏ボス構造に拠らず、糸バリを生じさせることなく、大径部18aを深く形成することが可能となり、インジェクタ14の先端が吸気バルブの傘部へ近づけられるため、噴霧の直撃率を高めることができる(図3、参照)。また、裏ボス構造に拠らないため、吸気の円滑な流れを損なうことなく、噴霧の直撃率を安価に高められる。
取付穴13aの切り欠き35が無い場合(図5、参照)、大径部18の深さは、裏ボス構造に拠らなければ、糸バリを発生させない程度の浅さに制限される。つまり、図5において、糸バリを発生させないためには、インジェクタ14は、段差面15により、点線の位置に規制され、取付穴13aの切り欠き35が有る場合(図3、参照)に較べると、インジェクタ14の先端が距離dだけ後退させられる。言い換えれば、この実施形態においては、取付穴13aの切り欠き35により、糸バリを生じさせることなく、インジェクタ14の先端が吸気バルブの傘部へ近づけられるため、噴霧の直撃率を有効に高められるのである。
インジェクタ14の取付穴13aについては、吸気マニホールドを構成するアダプタ10aでなく、シリンダヘッド側に配置することも考えられる。その場合、図示しないが、吸気ポート(吸気通路)の軸線と傾斜して交差する内外方向へ貫通する取付穴として、吸気ポートに開口する小径部と、小径部と同軸上を延びて外部に開口する大径部と、小径部と大径部との境界に形成される軸線と直交する段差面と、が備えられる。
インジェクタ14は、先端側から取付穴に挿入して段差面に先端を係止した状態に固定され、先端のノズル部がシリンダヘッドの吸気通路(吸気ポート)に臨み、噴霧が吸気バルブの傘部を指向するように組み付けられるのであり、取付穴を外部から軸線方向へ見て、大径部の円周上と吸気通路の内面との交点間を結ぶ円弧と、これら交点間を結ぶ直線と直交して各交点を通る2つの直線と、小径部の円周上と2つの直線との交点間を結ぶ円弧と、に囲まれる領域を取付穴の軸線方向に沿って吸気通路へ連続して開口させる形に切り欠きが設けられる。
このような実施形態においても、図6において、三日月状に囲われる領域(欠損部22)の円弧Hが図4の円弧E1上に対応する場合、三日月状の欠損部22と小径部15との間が切り欠きにより繋がる形となり、糸バリの発生領域が無くなるため、裏ボス構造に拠らず、糸バリを生じさせることなく、大径部を深く形成することが可能となり、インジェクタ14の先端が吸気バルブの傘部へ近づけられるため、噴霧の直撃率を有効に高めることができる。また、裏ボス構造に拠らないため、吸気の円滑な流れを損なうことなく、流れ噴霧の直撃率を安価に高められる。
図示の場合、件の切り欠き35は、取付穴13aと一体に中子鋳造されるが、機械加工に拠って形成することもできる。例えば、図6の欠損部22と小径部17との間において、切り欠きは、取付穴10を外部から軸線方向へ見て、大径部18の円周上と吸気通路12の内面との交点F1,F2間を結ぶ直線Gと、直線Gと直交して各交点F1.F2を通る2つの直線K1,K2と、小径部17の円周上と2つの直線K1,K2との交点M1,M2間を結ぶ円弧Nと、から囲われる領域が取付穴10の軸線方向に沿って吸気通路12へ連続して開口させる形に加工されるのである
この発明の実施形態を表すアダプタの斜視図である。 同じくアダプタの一部を表す構成説明図である。 同じく取付穴の構成を説明するアダプタの一部断面図である。 同じく図3中のS矢視図である。 従来技術の説明図である。 同じく糸バリの発生に係る説明図である。
符号の説明
10a アダプタ(吸気マニホールド)
11a シリンダヘッドとの接合面
12a 吸気通路
13a 取付穴
14 インジェクタ(燃料噴射弁)
15a 段差面
16 インジェクタのノズル部
17a 小径部
18a 大径部
35 切り欠き

Claims (3)

  1. エンジンの吸気通路を構成する吸気マニホールドまたはシリンダヘッドに吸気通路の軸線と傾斜して交差する内外方向へ貫通する取付穴として、前記吸気通路に開口する小径部と、前記小径部と同軸上を延びて外部に開口する大径部と、前記小径部と前記大径部との境界に形成される段差面と、を備えてなり、インジェクタを先端側から前記取付穴に挿入して前記段差面に先端を係止した状態に固定するインジェクタの取付構造において、前記段差面を延長して得られる面は、前記大径部の外周を延長して得られる面の内側空間において前記吸気通路の内周面と交差していると共に、前記小径部の外周を延長して得られる面の外側空間において前記吸気通路の内周面と交差しており、前記取付穴を外部から軸線方向へ見て、前記大径部の外周と前記吸気通路の内面との交線と、前記交線の両端間を結ぶ直線と直交して各前記交線の両端を通る2つの直線と、前記小径部の外周を延長して得られる円周前記2つの直線との交点間を結び、前記円周の一部をなす円弧と、に囲まれる領域を取付穴の軸線方向に沿って前記吸気通路へ連続して開口させる切り欠きを設けることを特徴とするインジェクタの取付構造。
  2. 前記取付穴は、前記切り欠きを含め、前記吸気マニホールドまたは前記シリンダヘッドと一体に中子鋳造されることを特徴とする請求項1に係るインジェクタの取付構造。
  3. 前記取付穴は、前記吸気マニホールドの前記吸気通路とその下流端が開口する接合面との角部に配置されることを特徴とする請求項1に係るインジェクタの取付構造。
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