JP5009934B2 - 小型薄膜バンドパスフィルタ - Google Patents

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Description

本発明は、バンドパスフィルタに関し、より具体的には、小型薄膜バンドパスフィルタに関する。
近年、携帯電話や無線LAN(ローカル・エリア・ネットワーク)ルータなどの携帯通信端末は、それらに含まれる各種部品の小型化により、著しく小型化が進んできている。通信端末に含まれる部品の中で最も重要なもののひとつが、フィルタである。
特にバンドパスフィルタは、特定の通過帯域外の周波数の信号を阻止あるいは濾波するために、通信アプリケーションにおいて用いられることが多い。そのようなアプリケーションにおいて、バンドパスフィルタは、通過帯域の両エッジ(すなわち、フィルタによる大きな減衰は受けない、当該範囲の高域側と低域側の周波数)で挿入損失が低くロールオフ減衰が急峻であることが好ましい。帯域外除去・減衰特性は、バンドパスフィルタに関する重要なパラメータである。これは、フィルタにおける帯域内信号と帯域外信号とを区別する性能を測るものである。帯域外除去特性が高いほど、また、除去される帯域幅が広いほど、通常、フィルタはより優れたものとなる。また、通過帯域とその帯域外との間のロールオフ周波数のエッジが急峻になるほど、フィルタはより優れたものとなる。急速なロールオフを得るためには、一般的に、より多くの共振回路、すなわちより多くのフィルタセクションが要求される。これにより、帯域外においてより多くの伝送ゼロを生じさせることができ、帯域外減衰をより高次なものとすることができる。
しかし、より多くのセクションや共振回路を用いることでフィルタは大型化し、通過帯域におけるフィルタの挿入損失が増加する。これは、現代の無線通信システムにおける小型化の要請に対して有益なことではない。
例えば、従来、急峻なロールオフ減衰を得るために低損失・高Qのマイクロ波共振器回路が用いられてきた。マイクロ波共振器回路は、マイクロ波周波数において低損失を実現するため、一般的に4分の1波長あるいは2分の1波長伝送線路構造を用いている。低域ギガヘルツ帯の無線アプリケーションでは、これら伝送線路構造を収容できるようにするために、4分の1波長あるいは2分の1波長構造において部品の大型化が必要となる。そのような大型部品は、小型化された電子装置に用いるには不満足なものである。
上記に鑑み、本発明は、小型薄膜バンドパスフィルタを提供する。より具体的には、本発明の態様によれば、本発明は、うず巻形(コイル)インダクタと平行平板キャパシタを含む薄膜素子を用いた小型アプリケーション用のバンドパスフィルタを提供する。
本発明の一実施形態によれば、バンドパスフィルタは、薄膜技術を用いて低背化および高性能化のために最適化された、2つの共振タンクを有するバンドパスフィルタである。これら共振タンクは、それぞれコイル状インダクタを用いている。これにより、これらインダクタコイルの互いに対する向きに基づいて、フィルタの伝送ゼロを通過帯域の一方の側から他方の側へと移動させることができる。また、コイル状インダクタは、従来の伝送線路構造と比較して、低背化および部品の小型化を実現する。
本発明の一実施形態によれば、バンドパスフィルタは、少なくとも2層の薄膜層と、第1のインダクタを含む第1の共振回路と、第2のインダクタを含む第2の共振回路とを含む。第1のインダクタは、前記少なくとも2層の薄膜層のうちの2層以上に配置された反時計回りの回転を有するコイルを備え、第2のインダクタは、前記少なくとも2層の薄膜層のうちの2層以上に配置された時計回りの回転を有するコイルを備えている。バンドパスフィルタの通電時、前記少なくとも2層の薄膜層のうちの少なくとも1層において、第1のインダクタは第2のインダクタに結合される。
この実施形態において、第1および第2のインダクタ間の結合度は比較的低くてもよい。これにより、このフィルタの周波数特性は、通過帯域の低域側に2つの伝送ゼロを有する。従って、通過帯域の低域側における周波数特性は、より急峻なロールオフとより大きな減衰を示す。
本発明の他の実施形態によれば、バンドパスフィルタは、少なくとも2層の薄膜層と、第1のインダクタを含む第1の共振回路と、第2のインダクタを含む第2の共振回路とを含む。第1のインダクタは、前記少なくとも2層の薄膜層のうちの2層以上に配置された時計回りの回転を有するコイルを備え、第2のインダクタは、前記少なくとも2層の薄膜層のうちの2層以上に配置された反時計回りの回転を有するコイルを備えている。バンドパスフィルタの通電時、前記少なくとも2層の薄膜層のうちの少なくとも2層において、第1のインダクタは第2のインダクタに結合される。
この実施形態において、第1および第2のインダクタ間の結合度は比較的高くてもよい。これにより、このフィルタの周波数特性は、通過帯域の低域側と高域側に1つずつ伝送ゼロを有する。従って、周波数特性は、通過帯域の両側において同様のロールオフ減衰特性を示す。
ここに記載した本発明に関する記述は、単なる例示と説明にとどまり、特許請求の範囲に記載の本発明をなんら制限するものでないことを理解されたい。
以下、添付図面に例示される本発明の代表的な実施形態を詳細に参照する。
本発明は、2つ以上のコイル状インダクタを用いたバンドパスフィルタを提供する。これらインダクタの互いに対する向きを変えることによって、フィルタの伝送ゼロを通過帯域の一方の側から他方の側へと移動させることができる。
インダクタコイルでは、伝送線路と比較して、より多くの磁束がその中心コアを通過する。伝送線路の場合と比較して、インダクタコイルを用いた場合、コイルの回転方向を変更し、結合させるコイル側面を変えることによって、隣接する構造体に対する結合特性を制御できるという新たな局面が開かれる。ここに提案するフィルタは、インダクタの方向(direction)および/または向き(orientation)を逆転させるだけで、伝送ゼロを通過帯域の一方の側から他方の側へと移動させることができるという利点を有する。これにより、要求される仕様に適合するようにフィルタ性能を改変することが可能になる。このようなフィルタ構造は、わずか2つの共振LC(インダクタ−キャパシタ)タンクを用いて実現できるものであり、同様の性能を有する3つの分布定数共振器を用いた他の構造と比べて小型である。好ましくは、本発明のバンドパスフィルタは、C1とL1からなる2つのインダクタ−キャパシタ共振回路を含み、これら共振回路は、L1インダクタ同士の相互結合と、別のキャパシタ(C3)を介した容量的結合によって互いに結合されている。
図1Aは、本発明の一実施形態に係る、インダクタの結合度がより高いバンドパスフィルタの物理的レイアウトを示す図である。図1Aに示されるように、バンドパスフィルタレイアウト100は、薄膜層を2層含んでいる。上部薄膜層には、金属領域105、110、115、120、125、130、145、150、155、190、195が含まれている(図1B参照)。下部薄膜層には、金属領域135、140、160、180、185が含まれている(図1C参照)。ビア165、170、175が、上部層の金属領域と下部層の金属領域とを接続している。
金属領域105と110は、それぞれ、バンドパスフィルタの入力端子と出力端子である。金属領域115と120はグランド端子である。これら端子において、製造時にフィルタパッケージの外側に配置される部分を線101によって示す。
金属領域145は、金属領域105(入力)に接続されている。金属領域145は、下部層の金属領域135と共に、キャパシタ(C2)を形成する。また、金属領域135は、金属領域125と共に、キャパシタ(C1)を形成するのに用いられる。金属領域125は、金属領域115(グランド)に接続されている。
金属領域135(C1/C2)は、下部層で金属領域180にもつながっている。金属領域180は、インダクタ(L1)のコイルの一部を形成する。金属領域180は、ビア170を介して上部層の金属領域190につながっている。金属領域190は、インダクタ(L1)のコイルの残部を形成する。金属領域190は、金属領域120におけるグランドにつながっている。
レイアウトの右側に移動すると、金属領域145(C2)は、ビア165を介して下部層の金属領域160につながっている。金属領域160は、上部層の金属領域155と共に、キャパシタ(C3)を形成する。金属領域155は、金属領域150につながっている。金属領域150は、下部層の金属領域140と共に、キャパシタ(C2)を形成する。このキャパシタは、金属領域145と135によって形成されるキャパシタと実質的に同じキャパシタンス値を有する。また、金属領域140は、上部層の金属領域130と共に、キャパシタ(C1)を形成するのに用いられる。このキャパシタは、金属領域125と135によって形成されるキャパシタと実質的に同じキャパシタンス値を有する。金属領域130(C1)は、金属領域115におけるグランドにつながっている。金属領域150(C2)は、金属領域110における出力端子につながっている。
また、金属領域140(C1/C2)は、下部層で金属領域185につながっている。金属領域185は、インダクタ(L1)のコイルの一部を形成する。金属領域185は、ビア175を介して上部層の金属領域195につながっている。金属領域195は、インダクタ(L1)のコイルの残部を形成する。金属領域185と195によって形成されるコイルのインダクタンスは、金属領域180と190によって形成されるコイルのインダクタンスと実質的に同じである。金属領域195は、金属領域120におけるグランドにつながっている。
図1Bは、レイアウト100の上部層102を示す。図示のように、金属領域190と195の各一部は、小さな間隙のみによって隔てられて互いに比較的近接している。例えば、薄膜製造プロセスを用いてパッケージサイズを長さ0.72mm×幅0.5mmにした2.4GHzフィルタ用のアプリケーションにおいては、この間隙を10μmとしてもよい。従って、使用時(すなわち、フィルタの通電時)には、上部層において、金属領域190と195によって形成されるインダクタ相互間により高い結合が生じる。
図1Cは、レイアウト100の下部層103を示す。図示のように、金属領域180と185の各一部は、小さな間隙のみによって隔てられて互いに比較的近接している。繰り返すが、一例として、薄膜製造プロセスを用いてパッケージサイズを長さ0.72mm×幅0.5mmにした2.4GHzフィルタ用のアプリケーションにおいては、この間隙を10μmとしてもよい。従って、使用時(すなわち、フィルタの通電時)には、下部層において、金属領域180と185によって形成されるインダクタ相互間により高い結合が生じる。このように、バンドパスフィルタのレイアウト100は、通電時に2つの層内で相互に結合される2つのインダクタを含んでいる。
この2層内での結合は、インダクタコイル同士を実質的に対称な形状にして鏡像関係の向きにすることで実現される。特に、金属領域180と190によって形成される左側のインダクタコイルL1は時計回りの回転を有し、金属領域185と195によって形成される右側のインダクタコイルL1は反時計回りの回転を有する。これらインダクタコイルの回転は、電気信号がグランドに向かってコイルを流れる方向によって規定される。
従って、左側のインダクタL1では、電気信号はまず最初に、金属領域135(C1/C2)から、下部層の金属領域180でコイルに入る。この電気信号は、金属領域180を時計回り方向に流れてビア170に向かう(図1C参照)。そして信号は、ビア170を通って金属領域190に移動し、引き続き時計回り方向に進んで金属領域120におけるグランドに到達する(図1B参照)。
右側のインダクタL1では、電気信号はまず最初に、金属領域140(C1/C2)から、下部層の金属領域185でコイルに入る。この電気信号は、金属領域185を反時計回り方向に流れてビア175に向かう(図1C参照)。そして信号は、ビア175を通って金属領域195に移動し、引き続き反時計回り方向に進んで金属領域120におけるグランドに到達する(図1B参照)。
図1Aないし1Cに示されるように、各インダクタコイルの回転方向は、下部層から上部層に向かっている。しかし、グランド、入力端子、出力端子およびその他の構成要素のレイアウト次第で、コイルの方向を上部層から下部層に向かうものにしてもよい。また、本発明は、層を2層のみ有するバンドパスフィルタに限られない。層は2層より多くしてもかまわない。必要とされるのは、少なくとも2層の薄膜層と、それぞれインダクタを有する少なくとも2つの共振回路であって、上記薄膜層のうちの少なくとも1層においてインダクタ同士が結合されるということのみである。
図1Aないし1Cは、矩形のコイルを用いたインダクタを示している。このような形状を用いることにより、金属領域のレイアウトが容易になる。しかし、いかなる形状のコイルを用いてもよい。コイルは、三角形、角を丸めた矩形、楕円形、円形、あるいは任意の多角形としてもよい。
薄膜製造プロセスを用いてパッケージサイズを長さ0.72mm×幅0.5mmにした2.4GHzフィルタ用のアプリケーションにおいて、各インダクタコイルは、外径(D1)が260μm、コア径(D2)が160μmであるのが好ましく、金属トレースの幅は50μmであるのが好ましい。しかし、所望のインダクタンスとQを有するコイルを得るため、径とトレース幅はいかなる値にしてもよい。コアの大きさ、インダクタコイルの幅、メタライゼーションの材料および厚さ、ならびにコイル形状を最適化することにより、最大のインダクタQを実現しうる。上記の2.4GHzフィルタの例においては、コア径(D2)160μmのインダクタコイル用に、厚さ(すなわち、金属層の高さ)8μmの銅を用いている。
図2は、図1Aに示したバンドパスフィルタレイアウトの、インダクタの向きを含む回路図である。バンドパスフィルタ回路図200は、キャパシタ245,250(C2)と、キャパシタ225,230(C1)と、キャパシタ255(C3)と、インダクタ280,285(L1)とを含んでいる。キャパシタ245と255は、入力端子205に接続されている。キャパシタ245は、インダクタ280に並列に接続されたキャパシタ225を含む第1の共振回路に接続されている。
右側において、キャパシタ255と250は、出力端子210に接続されている。キャパシタ250は、インダクタ285に並列に接続されたキャパシタ230を含む第2の共振回路にも接続されている。図示のように、インダクタ280は時計回りの回転を有し、インダクタ285は反時計回りの回転を有する。このような向きにすることで、フィルタの通電時にこれらインダクタコイルにおける2つの部位を互いに結合させることが可能になる。
図3は、図1Aに示したレイアウトの、各構成要素の値を含む回路図である。図3に示した各構成要素の値は、約2.4GHzに通過帯域を持つバンドパスフィルタのものである。しかし、これらの値は単に例示にすぎない。フィルタにおける各構成要素の値は、任意の通過帯域範囲のアプリケーションに適合するよう、任意の値に変更してよい。図示のように、図3において、キャパシタ245,250(C2)の値は1.5pfであり、キャパシタ225,230(C1)の値は3.0pfであり、キャパシタ255(C3)の値は0.3pfであり、インダクタ290,295(L1)の値は1.3nHである。図3に示されるように、インダクタ290,295(図1Aないし1Cに示されるようにレイアウトした場合)は、バンドパスフィルタの通電時に0.26nHの相互結合インダクタンスを示す。
図4は、図1Aないし1Cに示したレイアウトと図3に示した各構成要素の値を有するバンドパスフィルタの周波数特性を示す図である。この構成において、周波数特性400は、約2.0GHzから3.0GHzの間の通過帯域430を有する。周波数特性400は、通過帯域430の低域側に1つの伝送ゼロ410と、通過帯域430の高域側に1つの伝送ゼロ420を含んでいる。
インダクタにおけるこのようなコイル構造は、省スペース化という利点を有する上に、フィルタの周波数特性の制御を可能にする。2つのインダクタコイルの対称な形態を維持したままそれらの向きを逆にすることにより、フィルタの伝送ゼロを、帯域外における高域側から低域側へと移動させることができる。これによりフィルタは、図4に示される性能と比較して、通過帯域の低域側エッジで急峻な減衰特性を持つことができる。この特徴は、通過帯域の低域側に近い干渉信号を減衰するのに有益である。
図5Aは、図1Aに示したフィルタレイアウトに対してインダクタコイルの向きを逆転させたバンドパスフィルタの物理的レイアウトを示す図である。図5Aに示されるように、バンドパスフィルタレイアウト500は、薄膜層を2層含んでいる。上部薄膜層には、金属領域505、510、515、520、525、530、545、550、555、590、595が含まれている(図5B参照)。下部薄膜層には、金属領域535、540、560、580、585が含まれている(図5C参照)。ビア565、570、575が、上部層の金属領域と下部層の金属領域とを接続している。
金属領域505と510は、それぞれ、バンドパスフィルタの入力端子と出力端子である。金属領域515と520はグランド端子である。これら端子において、製造時にフィルタパッケージの外側に配置される部分を線501によって示す。
金属領域545は、金属領域505(入力)に接続されている。金属領域545は、下部層の金属領域535と共に、キャパシタ(C2)を形成する。また、金属領域535は、金属領域525と共に、キャパシタ(C1)を形成するのに用いられる。金属領域525は、金属領域515(グランド)に接続されている。
金属領域535(C1/C2)は、下部層で金属領域580にもつながっている。金属領域580は、インダクタ(L1)のコイルの一部を形成する。金属領域580は、ビア570を介して上部層の金属領域590につながっている。金属領域590は、インダクタ(L1)のコイルの残部を形成する。金属領域590は、金属領域520におけるグランドにつながっている。
レイアウトの右側に移動すると、金属領域545(C2)は、ビア565を介して下部層の金属領域560につながっている。金属領域560は、上部層の金属領域555と共に、キャパシタ(C3)を形成する。金属領域555は、金属領域550につながっている。金属領域550は、下部層の金属領域540と共に、キャパシタ(C2)を形成する。このキャパシタは、金属領域545と535によって形成されるキャパシタと実質的に同じキャパシタンス値を有する。また、金属領域540は、上部層の金属領域530と共に、キャパシタ(C1)を形成するのに用いられる。このキャパシタは、金属領域525と535によって形成されるキャパシタと実質的に同じキャパシタンス値を有する。金属領域530(C1)は、金属領域515におけるグランドにつながっている。金属領域550(C2)は、金属領域510における出力端子につながっている。
また、金属領域540(C1/C2)は、下部層で金属領域585につながっている。金属領域585は、インダクタ(L1)のコイルの一部を形成する。金属領域585は、ビア175を介して上部層の金属領域595につながっている。金属領域595は、インダクタ(L1)のコイルの残部を形成する。金属領域585と595によって形成されるコイルのインダクタンスは、金属領域580と590によって形成されるコイルのインダクタンスと実質的に同じである。金属領域595は、金属領域520におけるグランドにつながっている。
図5Bは、レイアウト500の上部層502を示す。図示のように、金属領域590と595は、互いに比較的近接した部分を有していない。従って、図1Aないし1Cに示したレイアウトとは対照的に、使用時(すなわち、フィルタの通電時)、上部層において、金属領域590と595によって形成されるインダクタ相互間には比較的低い結合しか生じないか、あるいは全く結合が生じない。
図5Cは、レイアウト500の下部層503を示す。図示のように、金属領域580と585の各一部は、小さな間隙のみによって隔てられて互いに比較的近接している。例えば、薄膜製造プロセスを用いてパッケージサイズを長さ0.72mm×幅0.5mmにした2.4GHzフィルタ用のアプリケーションにおいては、この間隙を15μmとしてもよい。従って、使用時(すなわち、フィルタの通電時)、下部層においては、金属領域580と585によって形成されるインダクタ相互間により高い結合が生じる。このように、バンドパスフィルタのレイアウト500は、通電時に1つの層内で相互間により高い結合が生じる2つのインダクタを含んでいる。
この1層内での結合は、インダクタコイル同士を実質的に対称な形状にして、図1Aないし1Cに示した向きとは「逆転した(flipped)」向きにすることで実現される。特に、金属領域580と590によって形成される左側のインダクタコイルL1は反時計回りの回転を有し、金属領域585と595によって形成される右側のインダクタコイルL1は時計回りの回転を有する。繰り返すが、これらインダクタコイルの回転は、電気信号がグランドに向かってコイルを流れる方向によって規定される。
従って、左側のインダクタL1では、電気信号はまず最初に、金属領域535(C1/C2)から、下部層の金属領域580でコイルに入る。この電気信号は、金属領域580を反時計回り方向に流れてビア570に向かう(図1C参照)。そして信号は、ビア570を通って金属領域590に移動し、引き続き反時計回り方向に進んで金属領域520におけるグランドに到達する(図5B参照)。
右側のインダクタL1では、電気信号はまず最初に、金属領域540(C1/C2)から、下部層の金属領域585でコイルに入る。この電気信号は、金属領域585を時計回り方向に流れてビア575に向かう(図5C参照)。そして信号は、ビア575を通って金属領域595に移動し、引き続き時計回り方向に進んで金属領域520におけるグランドに到達する(図5B参照)。
図5Aないし5Cに示されるように、各インダクタコイルの回転方向は、下部層から上部層に向かっている。しかし、繰り返すが、グランド、入力端子、出力端子およびその他の構成要素のレイアウト次第で、コイルの方向を上部層から下部層に向かうものにしてもよい。また、本発明は、層を2層のみ有するバンドパスフィルタに限られない。層は2層以上にしてかまわない。必要とされるのは、少なくとも2層の薄膜層と、それぞれインダクタを有する少なくとも2つの共振回路であって、上記薄膜層のうちの少なくとも1層においてインダクタ同士が結合されるということのみである。
繰り返しになるが、図5Aないし5Cは、矩形のコイルを用いたインダクタを示している。このような形状を用いることにより、金属領域のレイアウトが容易になる。しかし、いかなる形状のコイルを用いてもよい。コイルは、三角形、角を丸めた矩形、楕円形、円形、あるいは任意の多角形としてもよい。
薄膜製造プロセスを用いてパッケージサイズを長さ0.72mm×幅0.5mmにした2.4GHzフィルタ用のアプリケーションにおいて、各インダクタコイルは、外径(D1)が260μm、コア径(D2)が160μmであるのが好ましく、金属トレースの幅は50μmであるのが好ましい。しかし、所望のインダクタンスとQを有するコイルを得るため、径とトレース幅はいかなる値にしてもよい。コアの大きさ、インダクタコイルの幅、メタライゼーションの材料および厚さ、ならびにコイル形状を最適化することにより、最大のインダクタQを実現しうる。上記の2.4GHzフィルタの例においては、コア径(D2)160μmのインダクタコイル用に、厚さ(すなわち、金属層の高さ)8μmの銅を用いている。
図6は、図5Aに示したバンドパスフィルタレイアウトの、インダクタの向きを含む回路図である。バンドパスフィルタ回路図600は、キャパシタ645,650(C2)と、キャパシタ625,630(C1)と、キャパシタ655(C3)と、インダクタ680,685(L1)とを含んでいる。キャパシタ645と655は、入力端子605に接続されている。キャパシタ645は、インダクタ680に並列に接続されたキャパシタ625を含む第1の共振回路に接続されている。
右側において、キャパシタ655と650は、出力端子610に接続されている。キャパシタ650は、インダクタ685に並列に接続されたキャパシタ630を含む第2の共振回路にも接続されている。図示のように、インダクタ680は反時計回りの回転を有し、インダクタ685は時計回りの回転を有する。このような向きにすることで、フィルタの通電時にこれらインダクタコイルにおける1つの部位同士を結合させることが可能になる。
図7は、図5Aに示したレイアウトの、各構成要素の値を含む回路図である。図7に示した各構成要素の値は、約2.4GHzに通過帯域を持つバンドパスフィルタのものである。しかし、これらの値は単に例示にすぎない。フィルタにおける各構成要素の値は、任意の通過帯域範囲のアプリケーションに適合するよう、任意の値に変更してよい。図示のように、図7において、キャパシタ645,650(C2)の値は3.5pfであり、キャパシタ625,630(C1)の値は3.0pfであり、キャパシタ655(C3)の値は1.2pfであり、インダクタ680,685(L1)の値は0.9nHである。図7に示されるように、インダクタ680,685(図5Aないし5Cに示されるようにレイアウトした場合)は、バンドパスフィルタの通電時に0.001nHという比較的低い相互結合インダクタンスを示す。
図8は、図5Aないし5Cに示したレイアウトと図7に示した各構成要素の値を有するバンドパスフィルタの周波数特性を示す図である。この構成において、周波数特性800は、約2.2GHzから2.7GHzの間の通過帯域430を有する。周波数特性800は、通過帯域830の低域側に2つの伝送ゼロ810,820を含み、通過帯域の高域側には全く伝送ゼロを含まない。
図9は、本発明の一実施形態に係る、インダクタの結合度がより高いバンドパスフィルタとインダクタの結合度がより低いバンドパスフィルタにおける周波数特性の比較を示す図である。図9からわかるように、周波数800(インダクタの結合度が低い方)は、周波数特性400(インダクタの結合度が高い方)と比較すると、通過帯域930の低域側の方がかなりロールオフが急峻で減衰が大きくなっている。しかし、周波数特性は、通過帯域930の高域側において、より急峻なロールオフとより大きな減衰を示している。従って、インダクタの結合度が高くなる構成(図1Aないし1C)は、通過帯域の両側で大きな減衰を示すことが利益になるアプリケーションにとって、より有利となりうる。一方、インダクタの結合度が低くなる構成(図5Aないし5C)は、通過帯域の低域側でより一層急峻なロールオフとより大きな減衰を示すことが利益になり、通過帯域の高域側における帯域外性能の重要性がより低いアプリケーションにとって、より有利となりうる。
図10は、相互結合の値を種々変動させた、本発明に係るバンドパスフィルタの周波数特性を示す図である。周波数特性1010は、インダクタコイル間の相互結合が0.001nHである時のバンドパスフィルタの特性を示す。この特性は、図8に示される特性に類似している。周波数特性1030は、インダクタコイル間の相互結合が0.3nHである時のバンドパスフィルタの特性を示す。この特性は、図4に示される特性に類似している。周波数特性1020は、インダクタの値が、特性1010と1030との間の0.05nHである時の特性を示す。このグラフから、インダクタ間の相互結合が大きくなるにつれて、伝送ゼロが通過帯域の高域側から低域側へと移動し、この結果、通過帯域の低域側でより急峻なロールオフとより大きな減衰が得られることがわかる。
図11は、キャパシタンス値を種々変動させた、インダクタコイルの結合度がより低いバンドパスフィルタの周波数特性を示す図である。キャパシタC2(図7の645,650)の値を変動させることにより、低域側の阻止帯域においてより大きな減衰を得ることができる。周波数特性1110は、C2のキャパシタンス値が2.5pFである図5Aないし図7に示したバンドパスフィルタの周波数特性を表している。周波数特性1120は、C2のキャパシタンス値が3.5pFである図5Aないし図7に示したバンドパスフィルタの周波数特性を表している。周波数特性1130は、C2のキャパシタンス値が4.5pFである図5Aないし図7に示したバンドパスフィルタの周波数特性を表している。
図12Aと図12Bは、それぞれ、上部層と下部層に配置されたインダクタを示すバンドパスフィルタ構造の断面図である。バンドパスフィルタ構造1200,1201は、基板1205と、第1の金属層1210と、第2の金属層1215と、絶縁体層1220と、キャパシタ誘電体1235とを含む。
基板は、セラミックス、サファイア、石英、ガリウム砒素(GaAs)、高抵抗率シリコンなどといった発散損失の少ない材料によって形成されるのが好ましいが、他の材料、例えばガラスや低抵抗率シリコン等によって形成されてもよい。第1および第2の金属層は銅によって形成されるのが好ましいが、金、アルミニウム、あるいはその他の好適な導電特性を有する材料によって形成されてもよい。絶縁体はポリイミドによって形成されるのが好ましいが、シリコン酸化物、フォトレジスト材料、あるいはその他の好適な絶縁特性を有する材料によって形成されてもよい。キャパシタ誘電体は窒化シリコン(Si)によって形成されるのが好ましいが、アルミナ、シリコン酸化物等、金属−絶縁体−金属(MIM)キャパシタを形成するのに有用な誘電体であれば、どのような種類のものによって形成されてもよい。
これら金属層、絶縁体層、誘電体層は、任意の従来の薄膜プロセスを用いて基板に形成されるのが好ましい。そのようなプロセスとして、例えばめっき法、化学気相成長法、プラズマ強化化学気相成長法、熱蒸発法、電子線蒸着装置、スパッタリング、パルスレーザ堆積法、分子線エピタキシー、反応性スパッタリング、化学的エッチング、ドライエッチング等が挙げられる。しかし、薄膜を形成するための技術であればどのような技術を利用してもよい。薄膜プロセスは、各層の厚さを数ナノメートルから数原子の範囲内に制御できるものであれば、いかなるプロセスであってもよい。
図13は、図12Aに示されるようなバンドパスフィルタの製造方法の一例を示す。まず、ステップ1310で、第1の金属層1210を基板1205上に成膜する。基板は300〜1000μmであるのが好ましい。金属層の厚さは2〜10μmが好ましい。金属は任意の薄膜技術によって成膜してよいが、スパッタリングまたはめっき法によって成膜するのが好ましい。ステップ1320では、第1の金属層にパターンを施し、第1の金属層をエッチングして所望のレイアウトを形成する。次に、ステップ1330では、基板および第1の金属層上にキャパシタ誘電体1235をスパッタする。誘電体の厚さは0.1μmから0.15μmの間が好ましい。ステップ1340では、誘電体にパターンを施してエッチングし、所望のレイアウトを得る。次に、ステップ1350では、基板と第1の金属層とキャパシタ誘電体の上に絶縁体1220をスピンオン形成する。絶縁体の厚さは5μmから8μmの間が好ましい。ステップ1360では、絶縁体1220にパターンを施し、この絶縁体をエッチングして所望のレイアウトを形成する。ステップ1360は、絶縁体を硬化させるプロセスを含んでもよい。次に、ステップ1370では、第1の金属層、キャパシタ誘電体および絶縁体の上に第2の金属層1215を成膜する。第2の金属層の厚さは5〜10μmが好ましい。最後に、ステップ1380で、第2の金属層1215にパターンを施し、第2の金属層をエッチングして所望のパターンを形成する。
上述した各厚さ範囲は絶対的な要件ではなく、単に、低ギガヘルツ帯で動作するフィルタを製造するのに好適な範囲を代表するにすぎない。その他のアプリケーションに用いる場合は、各厚さをより大きくあるいは小さくしてもよい。
図14は、ここに代表されるバンドパスフィルタのパターンレイアウトが異なること以外は図13と同一である製造方法を示す。このパターンは、図12Bに示されるものと類似している。
製造されたチップの上部金属層を保護するのに役立てるため、バンドパスフィルタの物理的構造にパッシベーション層を含めてもよい。図15は、本発明の一実施形態に係る、パッシベーション層を有するバンドパスフィルタの断面図である。パッシベーション層は、第2の金属層1215および絶縁体1220を覆って20μm〜50μmの好適な厚さに形成する。パッシベーション層は、窒化シリコンあるいは酸化アルミニウム(Al)によって形成されるのが好ましいが、電子チップの上面を保護するのに適した材料であればどのような材料で形成されてもよい。
また、製造されたバンドパスフィルタは、入力、出力およびグランド接続用の側壁終端を含んでいてもよい。図16は、本発明の一実施形態に係る、側壁終端を有するバンドパスフィルタの断面図である。側壁終端は、錫(ニッケル/銅/錫の積層体でもよい)によって形成され、回路基板上の半田パッドに直接接合されるようにバンドパスフィルタパッケージの両サイドに取り付けられる。これにより、バンドパスフィルタが装置内において占めるスペースを減らすことができる。
前述のとおり、本発明は、図1Aないし1C,図5Aないし5Cに示される特定のレイアウト例に限られない。図17は、更に2つの追加インダクタを用いる選択肢例を示す。
図17に示されるように、バンドパスフィルタレイアウト1700は、薄膜層を2層含んでいる。上部薄膜層には、金属領域1705、1710、1715、1725、1730、1745、1750、1755、1790、1795が含まれている。下部薄膜層には、金属領域1735、1740、1760、1780、1785が含まれている。ビア1765、1770、1775が、上部層の金属領域と下部層の金属領域とを接続している。
金属領域1705と1710は、それぞれ、バンドパスフィルタの入力端子と出力端子である。金属領域1715はグランド端子である。これら端子において、製造時にフィルタパッケージの外側に配置される部分を線1701によって示す。
金属領域1745は、金属領域1705(入力)に接続されている。金属領域1745は、下部層の金属領域1735と共に、キャパシタ(C2)を形成する。また、金属領域1735は、金属領域1725と共に、キャパシタ(C1)を形成するのに用いられる。金属領域1725は、金属領域1790(L2)を介して金属領域1715(グランド)に接続されている。
また、金属領域1735(C1/C2)は、下部層で金属領域1780(L1)につながっている。金属領域1780は、ビア1770を介して金属領域1715(グランド)につながっている。
レイアウトの右側に移動すると、金属領域1745(C1)は、ビア1765を介して下部層の金属領域1760につながっている。金属領域1760は、上部層の金属領域1755と共に、キャパシタ(C3)を形成する。金属領域1755は、金属領域1750につながっている。金属領域1750は、下部層の金属領域1740と共に、キャパシタ(C2)を形成する。このキャパシタは、金属領域1745と1735によって形成されるキャパシタと実質的に同じキャパシタンス値を有する。また、金属領域1740は、上部層の金属領域1730と共に、キャパシタ(C1)を形成するのに用いられる。このキャパシタは、金属領域1725と1735によって形成されるキャパシタと実質的に同じキャパシタンス値を有する。金属領域1730(C1)は、金属領域1795(L2)を介して金属領域1715におけるグランドにつながっている。金属領域1750(C2)は、金属領域1710における出力端子につながっている。
また、金属領域1740(C1/C2)は、下部層で金属領域1785(L1)につながっている。金属領域1785は、ビア1775を介して金属領域1715(グランド)につながっている。金属領域1785によって形成されるコイルのインダクタンスは、金属領域1780によって形成されるコイルのインダクタンスと実質的に同じである。
図18は、図17に示したバンドパスフィルタレイアウトの、インダクタの向きを含む回路図である。バンドパスフィルタ回路図1800は、キャパシタ1845,1850(C2)と、キャパシタ1825,1830(C1)と、キャパシタ1855(C3)と、インダクタ1880,1885(L1)と、インダクタ1890,1895(L2)とを含んでいる。キャパシタ1845と1855は、入力端子1805に接続されている。キャパシタ1845は、インダクタ1880に並列に接続されたキャパシタ1825およびインダクタ1890を含む第1の共振回路に接続されている。
右側において、キャパシタ1855と1850は、出力端子1810に接続されている。キャパシタ1850は、インダクタ1885に並列に接続されたキャパシタ1830およびインダクタ1895を含む第2の共振回路にも接続されている。図示のように、インダクタ1880は反時計回りの回転を有し、インダクタ1885は時計回りの回転を有する。このような向きにすることで、フィルタの通電時にこれらインダクタコイルにおける1つの部位同士を結合させることが可能になる。
図19は、図17に示したレイアウトのバンドパスフィルタにおける周波数特性を示す図である。この構成において、周波数特性1900は、約2.2GHzから2.7GHzの間の通過帯域1930を有する。周波数特性1900は、通過帯域1930の低域側に2つの伝送ゼロ1910,1920を含み、通過帯域1900の高域側に1つの伝送ゼロ1940を含む。従って、コイルに並列に接続されたインダクタを図5Aないし5Cに示したレイアウトに追加することにより、通過帯域の高域側にゼロを追加することができる。
図20は、レイアウトの選択肢の他の一例を示す。図20に示されるように、バンドパスフィルタレイアウト2000は、薄膜層を2層含んでいる。上部薄膜層には、金属領域2005、2010、2015、2020、2025、2030、2045、2050、2055、2090、2095、2097が含まれている。下部薄膜層には、金属領域2035、2040、2060、2080、2085が含まれている。ビア2065、2070、2075が、上部層の金属領域と下部層の金属領域とを接続している。
金属領域2005と2010は、それぞれ、バンドパスフィルタの入力端子と出力端子である。金属領域2015と2020はグランド端子である。これら端子において、製造時にフィルタパッケージの外側に配置される部分を線2001によって示す。
金属領域2045は、金属領域2005(入力)に接続されている。金属領域2045は、下部層の金属領域2035と共に、キャパシタ(C2)を形成する。また、金属領域2035は、金属領域2025と共に、キャパシタ(C1)を形成するのに用いられる。金属領域2025は、金属領域2097(L2)を介して金属領域2015(グランド)に接続されている。
また、金属領域2035(C1/C2)は、下部層で金属領域2080につながっている。金属領域2080は、インダクタ(L1)のコイルの一部を形成する。金属領域2080は、ビア2070を介して上部層の金属領域2090につながっている。金属領域2090は、インダクタ(L1)のコイルの残部を形成する。金属領域2090は、金属領域2020におけるグランドにつながっている。
レイアウトの右側に移動すると、金属領域2045(C2)は、ビア2065を介して下部層の金属領域2060につながっている。金属領域2060は、上部層の金属領域2055と共に、キャパシタ(C3)を形成する。金属領域2055は、金属領域2050につながっている。金属領域2050は、下部層の金属領域2040と共に、キャパシタ(C2)を形成する。このキャパシタは、金属領域2045と1735によって形成されるキャパシタと実質的に同じキャパシタンス値を有する。また、金属領域2040は、上部層の金属領域2030と共に、キャパシタ(C1)を形成するのに用いられる。このキャパシタは、金属領域2025と2035によって形成されるキャパシタと実質的に同じキャパシタンス値を有する。金属領域2030(C1)は、金属領域2097(L2)を介して金属領域2015におけるグランドにつながっている。金属領域2050(C2)は、金属領域2010における出力端子につながっている。
また、金属領域2040(C1/C2)は、下部層で金属領域2085につながっている。金属領域2085は、インダクタ(L1)のコイルの一部を形成する。金属領域2085は、ビア2075を介して上部層の金属領域2095につながっている。金属領域2095は、インダクタ(L1)のコイルの残部を形成する。金属領域2085と2095によって形成されるコイルのインダクタンスは、金属領域2080と2090によって形成されるコイルのインダクタンスと実質的に同じである。金属領域2095は、金属領域2020におけるグランドにつながっている。
図20のフィルタのレイアウトは、キャパシタC2をグランドに接続する新たなインダクタL2が追加されていることを除き、図5Aないし5Cに示したレイアウトに類似している。
図21は、図20に示したレイアウトのバンドパスフィルタにおける周波数特性を示す図である。この構成において、周波数特性2100は、約2.0GHzから3.5GHzの間の通過帯域2130を有する。周波数特性2100は、通過帯域2130の低域側に2つの伝送ゼロ2110,2120を含む。また、通過帯域2130の高域側の周波数特性は、1つの伝送ゼロ2140を含むとともに、より大きな減衰とより急峻なロールオフを示す。従って、キャパシタC2とグランドとの間に配置されるインダクタを図5Aないし5Cに示したレイアウトに追加することにより、通過帯域の高域側において、更に帯域外減衰とロールオフを向上させることができる。
本明細書と、ここに開示された実施形態を考慮することにより、当業者には他の実施形態が明白となろう。このように、本明細書および実施例は例示的なものにすぎず、本発明の真の範囲と精神は、以下の特許請求の範囲とその法的均等の範囲に示されるものである。
図1Aは、本発明の一実施形態に係る、インダクタの結合度がより高いバンドパスフィルタの物理的レイアウトを示す図である。 図1Bは、本発明の一実施形態に係る、図1Aに示したバンドパスフィルタにおける上部層の物理的レイアウトを示す図である。 図1Cは、本発明の一実施形態に係る、図1Aに示したバンドパスフィルタにおける下部層の物理的レイアウトを示す図である。 図2は、本発明の一実施形態に係る、インダクタの結合度がより高いバンドパスフィルタの、インダクタの向きを含む回路図である。 図3は、本発明の一実施形態に係る、インダクタの結合度がより高いバンドパスフィルタの回路図である。 図4は、本発明の一実施形態に係る、インダクタの結合度がより高いバンドパスフィルタの周波数特性を示す図である。 図5Aは、本発明の一実施形態に係る、インダクタの結合度がより低いバンドパスフィルタの物理的レイアウトを示す図である。 図5Bは、本発明の一実施形態に係る、図5Aに示したバンドパスフィルタにおける上部層の物理的レイアウトを示す図である。 図5Cは、本発明の一実施形態に係る、図5Aに示したバンドパスフィルタにおける下部層の物理的レイアウトを示す図である。 図6は、本発明の一実施形態に係る、インダクタの結合度がより低いバンドパスフィルタの、インダクタの向きを含む回路図である。 図7は、本発明の一実施形態に係る、インダクタの結合度がより低いバンドパスフィルタの回路図である。 図8は、本発明の一実施形態に係る、インダクタの結合度がより低いバンドパスフィルタの周波数特性を示す図である。 図9は、本発明の一実施形態に係る、インダクタの結合度がより高いバンドパスフィルタとインダクタの結合度がより低いバンドパスフィルタにおける周波数特性の比較を示す図である。 図10は、本発明の一実施形態に係る、結合インダクタンス値を種々変動させたバンドパスフィルタの周波数特性を示す図である。 図11は、本発明の一実施形態に係る、キャパシタンス値を種々変動させたバンドパスフィルタの周波数特性を示す図である。 図12Aは、本発明の一実施形態に係る、インダクタを上部層に配置したバンドパスフィルタの断面図である。 図12Bは、本発明の一実施形態に係る、インダクタを下部層に配置したバンドパスフィルタの断面図である。 図13は、本発明の一実施形態に係る、インダクタを上部層に配置したバンドパスフィルタの製造方法を示す図である。 図14は、本発明の一実施形態に係る、インダクタを下部層に配置したバンドパスフィルタの製造方法を示す図である。 図15は、本発明の一実施形態に係る、パッシベーション層を有するバンドパスフィルタの断面図である。 図16は、本発明の一実施形態に係る、側壁終端を有するバンドパスフィルタの断面図である。 図17は、本発明の一実施形態に係る、インダクタ対を2対有するバンドパスフィルタの物理的レイアウトを示す図である。 図18は、本発明の一実施形態に係る、インダクタ対を2対有するバンドパスフィルタの、インダクタの向きを含む回路図である。 図19は、本発明の一実施形態に係る、インダクタ対を2対有するバンドパスフィルタの周波数特性を示す図である。 図20は、本発明の一実施形態に係る、インダクタを3つ有するバンドパスフィルタの物理的レイアウトを示す図である。 図21は、本発明の一実施形態に係る、インダクタを3つ有するバンドパスフィルタの周波数特性を示す図である。

Claims (2)

  1. 少なくとも2層の薄膜層と、
    第1の共振回路と、
    第2の共振回路と
    を備えた薄膜バンドパスフィルタであって、
    前記第1の共振回路は、第1のインダクタ、第1のキャパシタおよび第3のインダクタを含み、
    前記第2の共振回路は、第2のインダクタ、第2のキャパシタおよび第4のインダクタを含み、
    前記第1のキャパシタおよび第3のインダクタは、互いに直列に接続され、且つ前記第1のインダクタに並列に接続され、
    前記第2のキャパシタおよび第4のインダクタは、互いに直列に接続され、且つ前記第2のインダクタに並列に接続され、
    前記第1のインダクタは、前記少なくとも2層の薄膜層のうちの2層以上に配置された反時計回りの回転を有する第1のコイルを備え、
    前記第2のインダクタは、前記少なくとも2層の薄膜層のうちの2層以上に配置された時計回りの回転を有する第2のコイルを備え、
    前記第3のインダクタと第4のインダクタは、同じ薄膜層に配置され、且つそれらの間に前記第1のコイルと第2のコイルを挟む位置に配置され、
    バンドパスフィルタの通電時、前記第1のコイルと第2のコイルにおける、同じ薄膜層に配置された部位同士が結合することによって、前記少なくとも2層の薄膜層のうちの少なくとも1層において、前記第1のインダクタは前記第2のインダクタに結合されることを特徴とする薄膜バンドパスフィルタ。
  2. 通過帯域の低域側に2つの伝送ゼロを含み、通過帯域の高域側に1つの伝送ゼロを含む周波数特性に有することを特徴とする請求項1に記載の薄膜バンドパスフィルタ。
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