JP5100701B2 - 圧縮機 - Google Patents

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Description

本発明は、圧縮された冷媒から分離した潤滑油を、圧縮機の駆動軸を支持する軸受に間欠的に給油する圧縮機に関するものである。
従来、圧縮工程における冷媒の一部を低圧側に圧力差によって供給することで、該冷媒中に含まれる潤滑油で低圧側の摺動部位を潤滑する圧縮機が知られている。
例えば特許文献1では、いわゆる横置型の電動スクロール圧縮機を開示している。
かかる圧縮機では、旋回スクロールの公転運動を用いて、高圧貯油室の油を間欠的に減圧して、軸受へ油を供給する構成としている。
すなわち、この圧縮機では、クランク軸内の給油路に入った油は、主軸受と副軸受とに分配される。
特開2008−196415号公報
しかしながら、以下のような課題が指摘されている。すなわち、主軸受、副軸受として、巻ブッシュを用いた場合、油の減圧部(間欠絞り)が連通するタイミングと、軸受への給油口とブッシュ合口面取りが連通するタイミングとが一致していると、主軸受と副軸受への給油量の制御が困難となり、潤滑不足を来たし、信頼性が損なわれる虞がある。
本発明は、上記不具合を解決するために提案されたものであって、潤滑油送り側の通路開閉のタイミングと、軸受合口との連通タイミングをずらすことで、給油量を制御可能として、潤滑油の流れを円滑なものとし、信頼性の高い、圧縮機を提供することである。
本発明は、前記課題を解決するための手段として、特許請求の範囲の各請求項に記載の圧縮機を提供する。
請求項1に記載の圧縮機は、容器(1)内に収容し、可動部材(22)と固定部材(23)とを有する圧縮機構部(2)と、圧縮機構部(2)をシャフト(4)を介して駆動する駆動部と、固定部材(23)から可動部材(22)に亘って、通路を連通遮断可能に設けた間欠給油通路(7)とを備え、圧縮機構部(2)により圧縮された作動媒体から分離された潤滑油を、容器(1)内に戻して循環させる圧縮機(100)において、シャフト(4)は、容器(1)内に、油逃し通路を有する第1軸受部材(51)を介して主軸受部(5)と、油逃がし通路を有する第2軸受部材(61)を介して副軸受部(6)とにより支持されると共に、間欠給油通路(7)に連通する主給油路(42)と、主給油路(42)から主軸受部(5)に連通する第1の副給油路(43)と、主給油路(42)から副軸受部(6)に連通する第2の副給油路(44)を設けて、主軸受部(5)と副軸受部(6)とに潤滑油を供給するようにし、固定部材(23)から可動部材(22)に亘る間欠給油通路(7)が連通している間において、第1副給油路(43)の開口、または第2副給油路(44)の開口が回転する角度範囲には、少なくとも、第1軸受部材(51)または第2軸受部材(61)の油逃し通路のいずれか1つが存在しないようにして、第1軸受部材(51)または第2軸受部材(61)を、それぞれ主軸受部(5)、副軸受部(6)に圧入することで、固定部材(23)から可動部材(22)に亘る間欠給油通路(7)の連通時と、シャフト(4)における主給油路(42)と主軸受部(5)または副軸受部(6)との連通時とをずらして潤滑油の給油量を制御するようにしたことを特徴とする。
これにより、間欠給油通路(7)の連通時と、シャフト(4)における主給油路(42)と主軸受部(5)または副軸受部(6)との連通時とをずらすことで、主軸受、副軸受への給油量を制御可能として、潤滑油の流れを円滑なものとすることができる。
請求項2に記載の圧縮機は、第1、第2軸受部材(51、61)は、油逃し通路としての合口(51a)、(61a)のいずれかを、それぞれシャフト(4)における第1、第2副給油路(43、44)からずらすように主軸受部(5)と副軸受部(6)とにそれぞれ圧入された巻ブッシュであることを特徴とする。
これにより、シャフト(4)の副給油路(43)、(44)と、巻ブッシュ(51)、(61)における合口(51a)、(61a)との連通タイミングのうち、少なくとも一方の連通タイミングと、間欠給油通路(7)における連通タイミングとをずらすことで、主軸受部(5)、副軸受部(6)への給油量を制御可能として、潤滑油の流れを円滑なものとし、信頼性の高い、圧縮機を提供することができる。
請求項3に記載の圧縮機は、第1、第2軸受部材(51、61)は、油逃し通路としての油溝を備えた軸受である。
また請求項4に記載の圧縮機は、第1、第2軸受部材(51、61)は、油逃し通路としての油溝を備えたハウジングである。
請求項5に記載の圧縮機は、圧縮機構部(2)がスクロール型である。
さらに、請求項6に記載の発明では、作動媒体である冷媒は、二酸化炭素(CO2)であることを特徴とする。
CO2冷媒を用いる場合は、従来のフロン系冷媒よりも高圧圧力で作動する冷凍サイクルとなっても、主軸受部(5)、副軸受部(6)への給油量を制御可能として、滑油の流れを円滑なものとしたので、信頼性の高い、圧縮機とすることができる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態の具体的手段との対応関係を示す一例である。
本発明によれば、高圧貯油室の潤滑油を、容器内のシャフトを支持する主軸受部と副軸受部とへ潤滑油を供給する際、圧縮機構部から容器内に間欠的に減圧して連通させるタイミングと、シャフト内の給油路から主軸受部と副軸受部とに至る潤滑油の連通タイミングをずらしたことで、主軸受部、副軸受部への給油量を制御することができるので、潤滑油の流れを円滑なものとして、信頼性の高い、圧縮機を提供することができる。
本発明にかかるスクロール圧縮機の一例を示す、断面図である。 図1に示すスクロール圧縮機において、矢印Aで示す間欠給油通路における、連通範囲を示した、説明線図である。 図1に示すスクロール圧縮機において、B−B線に沿う、切断矢視図である。 図1に示すスクロール圧縮機において、C−C線に沿う、切断矢視図である。 図2に示す間欠給油通路における連通範囲を算出する際の基となる、旋回スクロールの公転軌跡と、固定スクロール側の第1給油通路と、旋回スクロール側の第2給油通路との位置関係を示した、線図である。
以下、本発明にかかる圧縮機について、一実施形態を挙げ、添付の図面に基づいて説明する。
ここでは、圧縮機の一例として、圧縮機構部がスクロール型であるスクロール圧縮機について説明する。勿論、本発明は、圧縮機構部が他の形式である圧縮機に対しても適用できるものである。すなわち、本発明に適用される圧縮機としては、密閉型に限定せず、又、電動型に限定されるものではない。
図1に示すスクロール圧縮機100は、外部の冷凍サイクル系からの冷媒を容器内の圧縮機構部2で圧縮すると共に、圧縮された冷媒から潤滑油(オイル)を分離して、冷媒を外部の冷凍サイクル系に戻すようにしたもので、運転に伴い、分離したオイルを吐出圧と吸入圧との差圧を用いて、圧縮機構部等の可動部に対し、常時供給し、回収する構成としている。
この圧縮機100では、作動媒体である冷媒として二酸化炭素(CO2)を用いるようにしている。CO2冷媒を用いる場合、従来のフロン系冷媒と比較して効率上、より高圧化が必要であり、圧縮機構部2である旋回スクロールと固定スクロールとが摺動する箇所に対する押圧力は過大なものとなるが、運転時、常時、オイルを供給・回収する構成としていることから、CO2を冷媒とすることを可能としている。
スクロール圧縮機100は、容器、好ましくは密閉型容器、としての外郭ハウジング1と、この外郭ハウジング1内に収容された圧縮機構部2、及び電動機部3とから構成されている。図1に示される密閉型スクロール圧縮機100は、横置き形の圧縮機であり、図において下面が設置面とされ、右側に圧縮機構部2が左側に電動機部3が配置され、両者は、主軸としてのシャフト4によって接続されている。そして電動機部3により圧縮機構部2が駆動されるようになっている。勿論、スクロール圧縮機100は、縦置き形でも、同様の機能を有するものであり、横置き形に限られない。
外郭ハウジング1は、円筒状の本体ハウジング11、前部ハウジング12及び後部ハウジング13とから構成されている。これらのハウジング11、12、13が固着されて外郭ハウジング1内には密閉された空間が形成されるようになっている。本体ハウジング11には、圧縮機構部2の吸入室25に接続する吸入パイプ(図示せず)と、同じく圧縮機構部2の吐出側である吐出室26に接続する吐出パイプ18とが設けられている。冷凍サイクルからの低圧の冷媒及び低温のオイル(潤滑油)とが混合したガスが吸入パイプから外郭ハウジング1内に流入するようになっている。
電動機部3は、主軸としてのシャフト4に固定される回転子31と、この回転子31の外周側に配置される固定子32とから構成されている。
圧縮機構部2は、ミドルハウジング21、可動部材としての旋回スクロール22、固定部材としての固定スクロール23及び弁カバー24等を備えている。ミドルハウジング21は、本体ハウジング11の内周面に焼嵌め又は圧入により固着されている。ミドルハウジング21の中心部には、シャフト4を貫挿する孔が設けられており、この孔に、詳細は後述するが軸受(滑り軸受)が嵌入されて、シャフト4を回転可能に軸支する主軸受部5となっている。一方、本体ハウジング11の電動機部3側には、シャフト4を支持するための支持部材14が本体ハウジング12の内周面に固定されており、この支持部材14の中央部には、芯出し部材15が取着されている。芯出し部材15の中央部にもシャフト4を貫挿する孔が設けられ、この孔に軸受(後述)が嵌入されてシャフト4を回転可能に軸支する副軸受部6となっている。
シャフト4内には、内部を軸方向に貫通している主給油路42が設けられていると共に、シャフト4の先端には、シャフト4の中心軸から偏心したクランク部41が設けられていて、このクランク部41が旋回スクロール22に連結されることで、シャフト4の回転に伴って、旋回スクロール22が偏心回転運動をするようになっている。
旋回スクロール22は、略円形をした旋回スクロール端板部22aと、この端板部22aの片側に突出して形成され、円筒形状をしたボス部22cと、このボス部22cが形成されている端板部22aの他面側に突出して形成されている渦巻き形状をした旋回スクロール羽根部22bとからなる。ボス部22cには、軸受bが圧入固定されていてシャフト4のクランク部41に回転自在に支持されている。なお、ミドルハウジング21の旋回スクロール側の端面には、図示しないオルダムカップリングが配置されており、旋回スクロール22の自転を防止している。これにより、旋回スクロール22は公転動作を行うことができる。
旋回スクロール22に対して偏心した位置で対向して、回転方向に180度ずらして噛み合う固定スクロール23が設けられ、この固定スクロール23はボルト等によりミドルハウジング21に固定されている。固定スクロール23は、略円形をした固定スクロール端板部23aと、旋回スクロール羽根部22bと略同形状をした渦巻状の固定スクロール羽根部23bとからなり、この旋回スクロール羽根部22bと相対するように組み付けられる。旋回スクロール羽根部22bと固定スクロール羽根部23bとが噛み合うことによって、それらの渦巻状の羽根部22b,23b間に冷媒を取り込んで圧縮する三日月状の作動室(圧縮室)27が複数個形成されるが、2つのスクロール22、23の共通の中心部領域には、圧縮された冷媒の圧力が最も高くなる高圧作動室が1つだけ形成される。この固定スクロール端板部23aの略中央には、高圧作動室から圧縮された冷媒を吐出するための吐出口23cが形成されている。
固定スクロール23と旋回スクロール22の2つの渦巻状の羽根部23b、22bとがかみ合わされた外周側に位置して吸入室25が形成されている。吸入室25には吸入パイプ(図示せず)に接続していて、この吸入パイプが図示しない冷凍サイクルの低圧側と接続している。2つの渦巻状の羽根部23b、22bによって形成される作動室27のうちの最も外周側にある作動室が外周に向かって開いた時に、吸入室25から圧縮すべきCO2ガスが作動室に取り込まれるようになる。
固定スクロール端板部23aの羽根部23bと反対側の略中央部には、凹状に窪んだ吐出室26が設けられていて、吐出室26は弁カバー24で覆われている。吐出室26は、吐出口23cを介して高圧作動室(圧縮室)27と連通している。吐出室26にはリード弁26aが設けられている。吐出室26は、吐出管18の一端が径方向に接続されており、吐出管18の他端は、容器1の外部で円筒状の気液分離部28に接線方向に接続している。圧縮された吐出ガスは吐出室26から気液分離部28に入り、ここで高圧冷媒ガスと高温のオイルとに分離され、高圧冷媒ガスは、図示しない冷凍サイクルの高圧側へと送られる。後部ハウジング13には、隔壁16によって仕切られた高圧側貯油室29が設けられていて、気液分離部28の下部と連通しており、気液分離部28で分離された高温のオイルが一時的に高圧側貯油室29に貯溜する。また、圧縮機構部2と隔壁16との間には、断熱空間S2が形成される。なお、隔壁16は溶接によって後部ハウジング13に固着されている。
一方、外郭ハウジング1内をミドルハウジング21によって仕切られた電動機部3が収容された密閉空間S内の下部には、低圧側油溜り17が形成されている。なお、冷媒ガスの吸入室25は、ミドルハウジング21に設けた連通孔(図示省略)によって低圧側油溜り17が形成されている低圧側の密閉空間Sと連通しており、オイルがミスト状に混入している吸入冷媒ガスの一部は密閉空間S内に流入している。また、支持部材14には、複数の開口14aが設けられていて、支持部材14の電動機部と反対であって、支持部材14と外郭ハウジング1とで囲まれる空間S′及び低圧側溜り17に連通するようになっている。また、吸入パイプ(図示せず)は、低圧側密閉空間Sに接続するように配設してもよい。
次に、以上のように構成されるスクロール圧縮機100において、潤滑油の循環系統について説明する。
固定スクロール23及び旋回スクロール22には、高圧側貯油室29内のオイルを旋回スクロール22のボス部22c内の背圧空間22dへと導入する間欠給油通路7が形成されている。間欠給油通路7は、連通遮断可能な、固定スクロール23側の第1給油通路72と旋回スクロール22側の第2給油通路73とを有している。これら固定スクロール23側の第1給油通路72と旋回スクロール22側の第2給油通路73とは、詳細は後述するが、旋回スクロール22の公転動作により、間欠的に連通するようになっている。
なお、固定スクロール23側の第1給油通路72は、高圧側貯油室29と 送油管71を介して連通している。
次に、旋回スクロール22のボス部22c内の背圧空間22dは、シャフト4内の主給油路42につながっている。また、シャフト4の主軸受部5に対応する部位には径方向の第1副給油路43が形成されている。したがって、主給油路42内を流れるオイルの一部は、第1副給油路43を通って主軸受部5に供給され、主軸受部5の軸受を潤滑した後、ミドルハウジング21の中央の孔内面とシャフト4の外周面との微小な隙間を通って低圧側油溜り17へと流下する。
また、シャフト4の副軸受部6に対応する部位にも、シャフト4内の主給油路42に連通する径方向の第2副給油路44が形成されている。したがって、主給油路42内を流れるオイルの一部は、第2副給油路44を通って副軸受部6に供給され、副軸受部6の軸受を潤滑した後、芯出し部材15の中央の孔内面とシャフト4の外周面との微小な隙間を通って低圧側油溜り17へと流下する。
ここで、高圧側貯油室29側から、シャフト4の主給油路42に、潤滑油を、間欠的に減圧して導くための、固定スクロール23側の第1給油通路72と旋回スクロール22側の第2給油通路73との、間欠連通機能について説明する。
固定スクロール23側の第1給油通路72には、旋回スクロール22側の第2給油通路73と接する開口表面には、通路断面積を狭めた絞り部72eを形成している。
かかる構成で、旋回スクロール22の旋回によって、固定スクロール23側の第1給油通路72と旋回スクロール22側の第2給油通路73とが間欠的に連通されるようになっている。
旋回スクロール22の旋回によって、固定スクロール23側の第1給油通路72と旋回スクロール22側の第2給油通路73とが間欠的に連通する範囲は図2のように示すことができる。すなわち、図2は、旋回スクロール22の公転動作により描かれる、旋回スクロール22側の第2給油通路73の軌跡を図示しており、この旋回スクロール22側の第2給油通路73の軌跡が、図中、Δθの範囲で固定スクロール23側の第1給油通路72と重なり合い、固定スクロール23側の第1給油通路72と旋回スクロール22側の第2給油通路73とが連通することを示している。
そして、以上のようなスクロール圧縮機100の、潤滑油の循環系統において、電動機部3におけるシャフト4を支持する、主軸受部5と副軸受部6とについてさらに詳細に説明する。
先ず、主軸受部5は、ミドルハウジング21の中心部には、シャフト4を貫挿する孔に圧入した第1軸受部材として巻ブッシュ51を備えている。
かかる巻ブッシュ51を、シャフト4を貫挿する孔に圧入する際、潤滑油の給油量を制御するために、油逃し通路としての合口51aが、シャフト4における第1副給油路43のシャフト外周開口面と一致しない位置にくるようにしている(図3参照)。
シャフト4における第1副給油路43の向きθbは、図3に示すように、
90°−(Δθ/2)<θb<90°+(Δθ/2)
の範囲に存在する。
これを以下に説明する。
第2給油通路73の中心の位相はクランク部41の偏心軸心と同期して同位相で回転している。
第1給油通路72と第2給油通路73との軸心が一致しているとき、第1副給油路43が上方、すなわち90°の位置にあるとする。
この場合には、第2給油通路73の中心と、第1給油通路72とが連通している角度範囲は、
90°−(Δθ/2)<θb<90°+(Δθ/2)
となるのである。
かかる点、図3においては、固定スクロール23から旋回スクロール22にかけての第1給油通路72と第2給油通路73とが連通時(図2中、Δθの範囲)、シャフト4における第1副給油路43が主給油路42に対して上方(90°)に向くように設定している。この第1副給油路43の向きは図中、シャフト4中心を鉛直方向に貫く軸線を挟んで
90°−(Δθ/2)<θb<90°+(Δθ/2)
の範囲にある。
従って、巻きブッシュ51の合口51aが第1副給油路43の向き(θbの範囲)と一致しないようにするために、巻ブッシュ51の合口51aの位置範囲θは、
θ<90°−(Δθ/2)、または、90°+(Δθ/2)<θ
で表すことができる。
一方、副軸受部6では、固定スクロール23側の第1給油通路72と旋回スクロール22側の第2給油通路73とが連通時(図2中、Δθの範囲)、図4に示すように、径方向の第2副給油路44の向きが鉛直下方(270°)に向くように設定している。この第2副給油路44の向きは図中、シャフト4中心を鉛直方向に貫く軸線を挟んでθc(270°)の範囲にある。
従って、第2副給油路44の向き(θcの範囲)と一致しないようにするために、第2軸受部材としての巻ブッシュ61の合口61aの位置範囲θは、
θ<270°−(Δθ/2)、または、270°+(Δθ/2)<θ
で表すことができる。
以上の説明においては、第1給油通路72と第2給油通路73の軸心が一致しているとき第1副給油路43が90°の位置にあるとして説明してきたが、90°の代りに任意の角度θ1にあったとしても、同様に類推してθを求めることができる。
ここで、固定スクロール23側の第1給油通路72と旋回スクロール22側の第2給油通路73とが連通する連通範囲Δθについて、説明する。
かかる連通範囲Δθは、図5に基づいて以下のように求められる。図5は、図2に示す間欠給油通路における連通範囲を算出する際の基となる、旋回スクロールの公転軌跡と、固定スクロール側の第1給油通路と、旋回スクロール側の第2給油通路との位置関係を示している。
すなわち、図5において、R:旋回スクロール22の公転半径、r1:第1給油通路72の断面半径、r2:第2給油通路73の断面半径、Δθ:第1、第2給油通路72、73が連通する範囲から、
Δθ/2=cos−1[1−(r1+r2)2/2R2]
となる。
次に上記のように構成された本発明のスクロール圧縮機100の動作、作用について説明する。電動機部3に外部から電力が供給されると、回転子31が回転駆動し、それに伴いシャフト4が回転する。このシャフト4が回転することに伴いシャフト4の先端のクランク部41が所定の偏心量をもってシャフト4のまわりを回転し、クランク部41に連結された旋回スクロール22は旋回する。これにより、圧縮機構部2の作動が行われる。
圧縮機構部2の作動に伴う冷媒及びオイル(潤滑油)の流れは以下のように行われる。なお、本発明では、冷媒として好適には二酸化炭素(CO2)が使用される。
まず、圧縮機構部2の作動により、外部の冷凍サイクル系から吸入パイプを通って圧縮機構部2の吸入室25内に低圧の冷媒と低温のオイルの混合ガスが流入する。なお、吸入パイプから流入する冷媒は原則として気体である。この混合ガスは、圧縮機構部2の作動室27内に入り圧縮された後に吐出口23cから吐出室26内に吐出される。なお、吸入室25内の混合ガスの一部は、ミドルハウジング21の連通孔を通って低圧側密閉空間S内に流入する。
吐出室26内の圧縮された混合ガスは、吐出管18を通って気液分離部28に運ばれ、ここで高温の冷媒ガスと高温のオイルとに分離され、高温の冷媒ガスは外部の冷凍サイクル系に送られる。一方、高温のオイルは高圧側貯油室29に一時的に貯溜され、その後、送油管71、第1給油通路72及び第2給油通路73よりなる間欠給油通路7を通って背圧室22dに供給される。なお、間欠給油通路7では、旋回スクロール22の旋回、すなわち公転動作により、第1給油通路72と第2給油通路73とが間欠的に連通することで、高圧側貯油室29から背圧室22dに送られるオイルが流量制御又は背圧流量制御される。
ここで、背圧室22dに送給されたオイルは、シャフト4の主給油路42を通って、主軸受部5及び副軸受部6に供給され、それらのそれぞれの軸受である巻ブッシュ51、61を潤滑する。
主給油路42から第1副給油路43を通って主軸受部5に供給される高温オイルは、その後主軸受部5の微小な隙間を通って低圧側油溜り17へと流下し、同様に主給油路42から第2副給油路44を通って副軸受部6の微小な隙間を通って低圧側油溜り17へと流下する。
以上のように、高圧側貯油室29に一時的に貯溜された高温のオイルは、第1給油通路72及び第2給油通路73よりなる間欠給油通路7を通って背圧室22dに供給される際、旋回スクロール22の旋回、すなわち公転動作により、第1給油通路72と第2給油通路73とが間欠的に連通することで、間欠的に減圧され、背圧室22dに至る。その際、間欠給油通路7の固定スクロール23側の第1給油通路72と旋回スクロール22側の第2給油通路73とは、図5に示すように、固定スクロール23側の第1給油通路72に対し、旋回スクロール22の公転動作により移動する旋回スクロール22側の第2給油通路73とが重なる範囲Δθが連通範囲である。
この第1給油通路72と第2給油通路73とが間欠的に連通する際、シャフト4を支持する主軸受部5と副軸受部6とにおいて、第1副給油路43、第2副給油路44の位置は、それぞれ、図3、図4に示すθb、θcの位置範囲に来るようになっている。
これに対応して、主軸受部5と副軸受部6それぞれに圧入される巻きブッシュ51、61は、合口51a、61aの位置範囲θがθb、θcの位置範囲に入らないようにずらしているため、高圧側貯油室29から、間欠給油通路7を介して間欠的に背圧室22dにもたらされたオイルは、シャフト4の主給油路42を介して、主軸受部5及び副軸受部6を通じて、一気に流出するということはなく、主軸受部5及び副軸受部6側に、応分の流量のオイルを供給することができ、良好な潤滑を確保することができ、信頼性の高い、圧縮機を提供できる。
以上、本発明にかかるスクロール圧縮機1について、一実施形態を挙げ、説明したが、上述の実施形態では、オイルの間欠連通機能を有する、固定スクロール23側の第1給油通路72と、旋回スクロール22側の第2給油通路73とから、各主軸受部5と副軸受部6とに圧力が伝達されるのに要する時間遅れが、無視できる程度に小さいと仮定している。
従って、かかる時間遅れが無視できないときは、以下のように巻ブッシュの圧入範囲を修正する必要がある。すなわち、
主軸受:θ<θb−(Δθ/2)、θb+(Δθ/2)+Δθd<θ
副軸受:θ<θc−(Δθ/2)、または、θc+(Δθ/2)+Δθd<θ
ただし、Δθdは、時間遅れの間にシャフト4が回転する角度
また、上述の実施形態では、巻ブッシュの合口の位置規定について述べているが、巻ブッシュに限らず、通常のすべり軸受に設けた油溝や、ハウジングを直接、軸受として用いる場合で、ハウジングに設けた油溝の位置についても、上述の角度範囲に規定すれば、同様の効果を得ることができる。
100 スクロール圧縮機
1 外郭ハウジング
11 本体ハウジング
12 前部ハウジング
13 後部ハウジング
14 支持部材
15 芯出部材
16 隔壁
17 低圧油溜り
18 吐出パイプ
2 圧縮機構部
21 ミドルハウジング
22 旋回スクロール
22a 旋回スクロール端板部
22b 旋回スクロール羽根部
22c ボス部
22d 背圧空間
23 固定スクロール
23a 固定スクロール端板部
23b 固定スクロール羽根部
23c 吐出口
24 弁カバー
25 吸入室
26 吐出室
26a リード弁
27 作動室
28 気液分離部
29 高圧貯油室
3 電動機部
31 回転子
32 固定子
4 シャフト
41 クランク部
42 主給油路
43 第1副給油路
44 第2副給油路
5 主軸受部
51 巻ブッシュ
51a 合口
6 副軸受部
61 巻ブッシュ
61a 合口
7 給油通路
71 送油管
72 第1給油通路
72e 絞り部
73 第2給油通路

Claims (6)

  1. 容器(1)内に収容し、可動部材(22)と固定部材(23)とを有する圧縮機構部(2)と、前記圧縮機構部(2)をシャフト(4)を介して駆動する駆動部と、前記固定部材(23)から前記可動部材(22)に亘って、通路を連通遮断可能に設けた間欠給油通路(7)とを備え、前記圧縮機構部(2)により圧縮された作動媒体から分離された潤滑油を、前記容器(1)内に戻して循環させる圧縮機(100)において、
    前記シャフト(4)は、前記容器(1)内に、油逃し通路を有する第1軸受部材(51)を介して主軸受部(5)と、油逃がし通路を有する第2軸受部材(61)を介して副軸受部(6)とにより支持されると共に、前記間欠給油通路(7)に連通する主給油路(42)と、前記主給油路(42)から前記主軸受部(5)に連通する第1の副給油路(43)と、前記主給油路(42)から前記副軸受部(6)に連通する第2の副給油路(44)を設けて、前記主軸受部(5)と副軸受部(6)とに潤滑油を供給するようにし、
    前記固定部材(23)から前記可動部材(22)に亘る間欠給油通路(7)が連通している間において、前記第1副給油路(43)の開口、または第2副給油路(44)の開口が回転する角度範囲には、少なくとも、前記第1軸受部材(51)または第2軸受部材(61)の油逃し通路のいずれか1つが存在しないようにして、前記第1軸受部材(51)または第2軸受部材(61)を、それぞれ前記主軸受部(5)、副軸受部(6)に圧入することで、前記固定部材(23)から前記可動部材(22)に亘る間欠給油通路(7)の連通時と、前記シャフト(4)における主給油路(42)と前記主軸受部(5)または副軸受部(6)との連通時とをずらして潤滑油の給油量を制御するようにしたことを特徴とする圧縮機。
  2. 前記第1、第2軸受部材(51、61)は、油逃し通路としての合口(51a)、(61a)のいずれかを、それぞれ前記シャフト(4)における前記第1、第2副給油路(43、44)からずらすように前記主軸受部(5)と副軸受部(6)とにそれぞれ圧入された巻ブッシュであることを特徴とする請求項1に記載の圧縮機。
  3. 前記第1、第2軸受部材(51、61)は、油逃し通路としての油溝を備えたすべり軸受であることを特徴とする請求項1に記載の圧縮機。
  4. 前記第1、第2軸受部材(51、61)は、油逃し通路としての油溝を備えたハウジングであることを特徴とする請求項1に記載の圧縮機。
  5. 前記圧縮機構部(2)がスクロール型である請求項1乃至4のいずれか1項に記載の圧縮機。
  6. 作動媒体である冷媒が、二酸化炭素(CO2)であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の圧縮機。
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