本発明者はSOI型集積回における回路ブロック毎の電源遮断について検討した。バルク型のMOS集積回路では基板やウェル領域に活性領域を形成してMOSトランジスタを構成するが、SOI型のMOS集積回路はウェル領域を用いず、基板の絶縁性薄膜上に多数の活性領域を形成し、個々の活性領域にMOSトランジスタを構成する。したがって、SOI型のMOS集積回路はバルク型のMOS集積回路とは素子分離の点で根本的な違いがあり、基板との間の接合容量や接合リークも殆どない。本発明者は素子分離の点でバルク型集積回路とは根本的な相違を有するSOI型の集積回路における回路ユニット毎の電源遮断制御の特質について検討を重ねた。電源スイッチの性質上、サブスレッショルドリーク電流を抑えるためにはその閾値電圧が高い方が望ましい。閾値電圧を高くするには不純物ノードを変更したり、基板バイアスを行なえばよい。また、電源スイッチのゲート絶縁膜を論理動作用のMOSトランジスタに比べて厚膜にすることも可能である。厚膜にした場合はオン抵抗を小さくしなければならないからオン状態のゲート電圧は論理動作用のMOSトランジスタよりも高くすることが必要になる。バルク型MOS集積回路では厚膜のMOSトランジスタを用いた電源スイッチと論理動作用の薄膜のMOSトランジスタとはウェル分離を行なうことが必要になる。電源遮断状態において接合リークを小さくするための考慮である。また、バルク型MOS集積回路では、電源スイッチを有する回路と電源スイッチを有しない回路との間でのウェル分離が必要になる。基板バイアスを行なう場合には動作時において双方のウェル電圧は相違されなければならないからである。このようにバルク型MOS集積回路においては電源スイッチによる電源遮断を行なう場合には考慮しなければならない多くの制約がある。SOI型MOS集積回路の場合にはそのデバイス構造の特徴によりバルク型MOS集積回路と同じような制約を受けないというだけでなく、電源遮断時の低消費電力、電源供給時の動作性能等を最大限発揮できるようにするための新たな考慮の余地のあることが本発明者によって明らかにされた。
本発明の目的は、SOI型の半導体集積回路において本来備えている素子分離構造に見合った自由度の高い電源遮断制御を可能にすることにある。
本発明の別の目的は、SOI型の半導体集積回路において電源遮断時の低消費電力及び電源供給時の動作性能向上に資することができる電源遮断制御を可能にすることにある。
本発明者は更に別の観点より、半導体集積回路の電源遮断について検討した。それによれば、従来技術では、ある程度のゲート規模を機能モジュールとしてまとめて電源遮断の単位としており、その単位で電源遮断エリアを設定すると、レイアウト後は電源エリアの分割が不可能とされることが見出された。すなわち、事前に半導体チップのフロアプランを決定して電源遮断すべき機能モジュールを定めて電源遮断エリアを設定することから、電源遮断エリアに対し、その後の遮断エリアサイズ、遮断すべき論理エリアの変更などの遮断ブロックの再設定は、周囲ブロックとの関係により、作り直しが不可能とされる。このことから、半導体集積回路における電源遮断エリアの適正化が困難とされた。
本発明の更に別の目的は、電源遮断エリアの適正化を図るための技術を提供することにある。
本発明の前記並びにその他の目的と新規な特徴は本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば下記の通りである。
〔1〕《論理用MOSと厚膜電源スイッチMOSの混在》
本発明に係る半導体集積回路(1)は、基板(BPL)の絶縁性薄膜(EOX)上に、ソース(SOC)とドレイン(DRN)とボディー(BDY)と前記ボディー上のゲート絶縁膜(GOX)と前記ゲート絶縁膜上のゲート(GAT)とを備えた所謂SOI型の第1MOSトランジスタ(MPtk,MNtk)及び第2MOSトランジスタ(MPtn,MNtn)を複数個有し、前記第1MOSトランジスタは前記第2MOSトランジスタよりも厚いゲート絶縁膜を有する。前記第1MOSトランジスタ及び第2MOSトランジスタは回路形成領域に混在して配置された電源遮断可能回路(6,8)と電源非遮断回路(7,9)を構成する。前記電源遮断可能回路は電源配線とグランド配線の間に電源スイッチ(10)を構成する第1MOSトランジスタとこれに直列する第2MOSトランジスタとを有する。前記電源非遮断回路は電源配線とグランド配線の間に直列された複数の第2MOSトランジスタを有する。前記電源スイッチを構成する第1MOSトランジスタのゲート制御信号は前記第2MOSトランジスタのゲート制御信号よりも振幅が大きくされる。
電源遮断に厚膜のMOSトランジスタを用いることによって遮断時のサブスレッショルド電流を低減でき、ゲート制御には振幅の大きな電圧を用いるから大きな電流供給能力も保障することができる。このとき、前記第1MOSトランジスタと第2MOSトランジスタはボディーが分離されているからバルク型のようなウェル分離によるレイアウト制約を受けることなく、回路形成領域に自由な配置が許容されている。これ故に、電源遮断を行なう機能単位を細分化してもウェル分離のための分離領域を要しないので面積増大の負担もなく、自由度の高い電源遮断機能を得ることができる。
本発明の一つの具体的な形態として、前記回路形領域は前記電源非遮断回路によって構成された制御回路(13,14,13_1,14_1、30〜33)を含み、前記制御回路は所定の低消費電力モードにおいて前記電源スイッチを構成する第1MOSトランジスタの一部又は全部をオフ状態に制御し、前記所定の低消費電力モードにおいてオフ状態とされた電源スイッチを構成する第1MOSトランジスタを当該低消費電力モードの解除に応答してオン状態に制御する。
本発明の更に具体的な形態として、前記制御回路(30〜33)は前記所定の低消費電力モードにおいてオフ状態にする前記電源スイッチを構成する第1MOSトランジスタのボディーを、そのソース電圧に等しいときよりも閾値電圧が大きくなる第1電圧に制御する。電源遮断時のサブスレッショルドリークの抑制に資することができる。
本発明の更に具体的な形態として、前記制御回路(30〜33)は前記所定の低消費電力モードが解除された状態において前記電源スイッチを構成する第1MOSトランジスタの一部又は全部のボディーを、そのソース電圧に等しいときよりも閾値電圧が小さくなる第2電圧又はフローティングに制御する。第2トランジスタによる動作の高速化に資することができる。
本発明の更に具体的な形態として、前記制御回路(30〜33)は前記所定の低消費電力モードを解除するとき、前記電源スイッチを構成する第1MOSトランジスタの一部又は全部のボディーを第1電圧に維持した状態で当該電源スイッチを構成する第1MOSトランジスタをオン状態に制御し、この後、前記オン状態にした第1MOSトランジスタのボディーを第2電圧又はフローティングに制御する。電源スイッチによる動作電源供給開始時に突入電流の発生を抑制することができる。
本発明の別の具体的な形態として、前記電源遮断可能回路は、前記第2MOSトランジスタで構成された順序回路(FF1,FF2)と、前記第2MOSトランジスタで構成された組み合わせ回路(LOG1,LOG2)と、前記組み合わせ回路に直列接続された下位階層の電源スイッチを構成する第1MOSトランジスタ(10_12)又は第2MOSトランジスタと、前記下位階層の電源スイッチを構成するMOSトランジスタと前記順序回路とに直列形態で接続された上位階層の電源スイッチ(10_11)を構成する第1MOSトランジスタとを有する。電源遮断を行なう機能単位を細分化するとき、電源遮断時における記憶ノードの保持と言う観点よりラッチのような記憶回路や順序回路は電源遮断を行なわないように考慮することが望ましい。例えば、第1低消費電力モードにおいて前記上位階層の電源スイッチを構成する第1MOSトランジスタをオフ状態に制御し、第2低消費電力モードにおいて前記上位階層の電源スイッチを構成する第1MOSトランジスタをオン状態に維持し且つ前記下位階層の電源スイッチを構成するMOSトランジスタをオフ状態に制御する。第2低消費電力モードでは順序回路の記憶情報を保持させることが可能になる。
〔2〕《厚膜MOSの高電圧制御》
本発明に係る半導体集積回路は、基板の絶縁性薄膜上に、ソースとドレインとボディーと前記ボディー上のゲート絶縁膜と前記ゲート絶縁膜上のゲートとを備えた第1MOSトランジスタ及び第2MOSトランジスタを複数個有し、前記第1MOSトランジスタは前記第2MOSトランジスタよりも厚いゲート絶縁膜を有する。前記第1MOSトランジスタ及び第2MOSトランジスタは複数個の回路を構成する。前記回路の一つとして、電源スイッチを構成する第1MOSトランジスタとこれに直列する第2MOSトランジスタとを含む第1回路(6)を有する。前記回路の別の一つとして、前記電源スイッチ(10)を構成する第1MOSトランジスタのゲート制御信号を出力する第2回路(13、13_1,31)を有し、前記電源スイッチを構成する第1MOSトランジスタのゲート制御信号は前記第2MOSトランジスタのゲート制御信号よりも振幅が大きくされる。
電源遮断に厚膜のMOSトランジスタを用いることによって遮断時のサブスレッショルド電流を低減でき、ゲート制御には振幅の大きな電圧を用いるから大きな電流供給能力も保障することができる。このとき、前記第1MOSトランジスタと第2MOSトランジスタはボディーが分離されているからバルク型のようなウェル分離によるレイアウト制約を受けることなく、回路形成領域に自由な配置が許容されている。これ故に、電源遮断を行なう機能単位を細分化してもウェル分離のための分離領域を要しないので面積増大の負担もなく、自由度の高い電源遮断機能を得ることができる。
本発明の一つの具体的な形態として、前記第2回路は低消費電力モードにおいて前記電源スイッチを構成する第1MOSトランジスタの一部又は全部をオフ状態に制御する。
本発明の別の一つの具体的な形態として、前記回路の更に別の一つとして、前記第1MOSトランジスタの直列回路から成り外部入出力動作を行なう第3回路(2)を有する。MOSトランジスタにおけるゲート絶縁膜の膜厚の種類増加を抑制することできる。
本発明の別の一つの具体的な形態として、前記回路の更に別の一つとして、前記第2MOSトランジスタで構成された順序回路(FF1,FF2)と、前記第2MOSトランジスタで構成された組み合わせ回路(LOG1,LOG2)と、前記組み合わせ回路に直列接続された下位階層の電源スイッチ(10_12)を構成する第1MOSトランジスタ又は第2MOSトランジスタと、前記下位階層の電源スイッチを構成するMOSトランジスタと前記順序回路とに夫々直列形態で接続された上位階層の電源スイッチ(10_11)を構成する第1MOSトランジスタとを含む第4回路(図26の6)を有する。源遮断を行なう機能単位を細分化するとき、電源遮断時における記憶ノードの保持と言う観点よりラッチのような記憶回路や順序回路は電源遮断を行なわないように考慮することが望ましい。例えば、前記第2回路は、第1低消費電力モードにおいて前記上位階層の電源スイッチを構成する第1MOSトランジスタをオフ状態に制御し、第2低消費電力モードにおいて前記上位階層の電源スイッチを構成する第1MOSトランジスタをオン状態に維持し且つ前記下位階層の電源スイッチを構成するMOSトランジスタをオフ状態に制御する。第2低消費電力モードでは順序回路の記憶情報を保持させることが可能になる。
本発明の別の一つの具体的な形態として、前記電源スイッチ(10)を構成する第1MOSトランジスタは、前記電源配線に接続されたpチャンネル型MOSトランジスタ(MPtk)、又は前記グランド配線に接続されたnチャンネル型MOSトランジスタ(MNtk)のいずれか一方とされる。また、電源配線に接続されたpチャンネル型MOSトランジスタと、グランド配線に接続されたnチャンネル型MOSトランジスタとの双方を、前記電源スイッチ(10_3,10_4)を構成する第1MOSトランジスタとするときは、前記第2回路は、低消費電力モードにおいて前記電源スイッチを構成する第1MOSトランジスタとしての前記pチャンネル型MOSトランジスタ又は前記nチャンネル型MOSトランジスタの何れか一方をオフ状態にする。低消費電力モードにおいて第1回路が採る内部ノードの電位状態の選択が可能になる。
本発明の更に別の一つの具体的な形態として、前記電源スイッチを構成する第1MOSトランジスタは、前記電源配線に接続された上位階層pチャンネル型MOSトランジスタ(10_6)と、前記上位階層pチャンネル型MOSトランジスタに各々直列された複数の並列形態の下位階層pチャンネル型MOSトランジスタ(10_7)とである。このとき、前記第2回路は、前記上位階層pチャンネル型MOSトランジスタと前記下位階層pチャンネル型MOSトランジスタとを別々に制御する。電源スイッチの階層制御により第1回路の電源遮断を階層的に行なうこと可能になる。同様に、前記グランド配線に接続された上位階層nチャンネル型MOSトランジスタ(10_3)と、前記上位階層nチャンネル型MOSトランジスタに各々直列された複数の並列形態の下位階層nチャンネル型MOSトランジスタ(10_5)とを、前記電源スイッチを構成する第1MOSトランジスタとするときも、前記第2回路は、前記上位階層nチャンネル型MOSトランジスタと前記下位階層nチャンネル型MOSトランジスタとを別々に制御する。
本発明の更に別の一つの具体的な形態として、前記電源スイッチを構成する第1MOSトランジスタは、前記電源配線に接続された上位階層pチャンネル型MOSトランジスタ(10_6)と、前記上位階層pチャンネル型MOSトランジスタに各々直列された複数の並列形態の下位階層pチャンネル型MOSトランジスタ(10_7)と、グランド配線に接続された上位階層nチャンネル型MOSトランジスタ(10_3)と、前記上位階層nチャンネル型MOSトランジスタに各々直列された複数の並列形態の下位階層nチャンネル型MOSトランジスタ(10_5))とである。このとき、前記第2回路は、前記上位階層pチャンネル型MOSトランジスタ、前記下位階層pチャンネル型MOSトランジスタ、前記上位階層nチャンネル型MOSトランジスタ及び前記下位階層nチャンネル型MOSトランジスタを別々に制御する。これにより、第1回路の階層的な電源遮断制御と共に、第1回路が採る内部ノードの電位状態の選択も可能になる。
本発明の更に別の一つの具体的な形態として、前記電源スイッチを構成する第1MOSトランジスタは、電源配線に接続されたpチャンネル型MOSトランジスタ又はグランド配線に接続されたnチャンネル型MOSトランジスタのいずれか一方から成る上位階層の電源スイッチ(10_3、10_6、10_8、10_9)である。更に、前記上位階層の電源スイッチに直列された回路の全部又は一部は前記第1MOSトランジスタ又は第2MOSトランジスタから成る下位階層の電源スイッチ(10_4、10_5、10_7、10_10、10_11、10_12,10_13、10_14、10_15、10_16)を更に有する。前記第2回路は、例えば第1低消費電力モードにおいて前記上位階層の電源スイッチを構成する第1MOSトランジスタをオフ状態に制御し、第2低消費電力モードにおいて前記上位階層の電源スイッチを構成する第1MOSトランジスタをオン状態に維持し且つ前記下位階層の電源スイッチを構成するMOSトランジスタをオフ状態に制御する。
〔3〕《電源スイッチのボディーバイアス》
本発明に係る半導体集積回路は、基板の絶縁性薄膜上に、ソースとドレインとボディーと前記ボディー上のゲート絶縁膜と前記ゲート絶縁膜上のゲートとを備えた第1MOSトランジスタ及び第2MOSトランジスタを複数個有し、前記第1MOSトランジスタは前記第2MOSトランジスタよりも厚いゲート絶縁膜を有する。前記第1MOSトランジスタ及び第2MOSトランジスタは複数個の回路を構成する。前記回路の一つとして、電源スイッチを構成する第1MOSトランジスタとこれに直列する第2MOSトランジスタとを含む第1回路(6)を有し、前記電源スイッチを構成する第1MOSトランジスタは前記第2MOSトランジスタよりもゲート制御信号の振幅が大きくされる。前記第1回路において前記第2MOSトランジスタのボディーはフローティングにされ、前記電源スイッチを構成する第1MOSトランジスタのボディーは自らのソースに接続される。第2MOSトランジスタよりも振幅の大きなゲート電圧が印加され、且つスイッチ状態の定常期間が長い第1MOSトランジスタの方がボディー電位の揺らぎによる閾値で電圧変動の影響が大きいと考えられるので、必要最小限の部分だけにボディーバイアスを行なってデバイス構成の簡素化を優先させることができる。
本発明に係る別の半導体集積回路は、基板の絶縁性薄膜上に、ソースとドレインとボディーと前記ボディー上のゲート絶縁膜と前記ゲート絶縁膜上のゲートとを備えた第1MOSトランジスタ及び第2MOSトランジスタを複数個有し、前記第1MOSトランジスタは前記第2MOSトランジスタよりも厚いゲート絶縁膜を有する。前記第1MOSトランジスタ及び第2MOSトランジスタは複数個の回路を構成する。前記回路の一つとして、電源スイッチを構成する第1MOSトランジスタとこれに直列する第2MOSトランジスタとを含む第1回路(6)を有し、前記電源スイッチを構成する第1MOSトランジスタは前記第2MOSトランジスタよりもゲート制御信号の振幅が大きくされる。前記第1回路において前記電源スイッチを構成する第1MOSトランジスタ及び第2MOSトランジスタのボディーは、各々自らのソースに接続される。第1回路がアナログ回路であるような場合に、ボディー電位の揺らぎによる影響を最小限にすることができる。
〔4〕《電源スイッチのボディー電圧可変制御》
本発明に係る半導体集積回路は、基板の絶縁性薄膜上に、ソースとドレインとボディーと前記ボディー上のゲート絶縁膜と前記ゲート絶縁膜上のゲートとを備えた第1MOSトランジスタ及び第2MOSトランジスタを複数個有し、前記第1MOSトランジスタは前記第2MOSトランジスタよりも厚いゲート絶縁膜を有する。前記第1MOSトランジスタ及び第2MOSトランジスタは複数個の回路を構成する。前記回路の一つとして、電源スイッチを構成する第1MOSトランジスタとこれに直列する第2MOSトランジスタとを含む第1回路(6)を有する。前記回路の別の一つとして、動作モードに応じて前記電源スイッチを構成する第1MOSトランジスタのスイッチ信号(VC)とボディーバイアス信号(VBN)を制御する制御回路(30〜33)を有し、前記スイッチ信号は前記第2MOSトランジスタのゲート制御信号の振幅よりも大きく、前記ボディーバイアス信号は動作モードに応じて電圧可変である。高速動作、低消費電力、低リーク等、モードに応じてボディーバイアスを最適化することができる。
本発明の一つの具体的な形態として、前記制御回路は前記第1回路を高速に動作させる指示に応答して、前記第1MOSトランジスタのボディーバイアス信号をそのソース電圧に等しいときよりも閾値電圧が小さくなる方向の第1電圧(Vbnf)又はフローティングにする。高速動作に対応化能になる。前記第1電圧は前記第1MOSトランジスタのソースとボディーとの間のpn接続ダイオードがオンしない範囲の電圧であることが望ましい。
本発明の更に具体的な形態として、前記制御回路は前記第1回路を低消費電力で動作させる指示に応答して、前記第1MOSトランジスタのボディーバイアス信号をそのソース電圧に等しいときよりも閾値電圧が大きくなる方向の第2電圧(−Vbnr)にする。低消費電力動作への対応が可能になる。
本発明の別の具体的な形態として、前記制御回路は、前記第1回路を動作させる第1モードの指示に応答して前記第1MOSトランジスタのボディーバイアス信号をそのソース電圧とし、前記第1モードよりも第1回路を高速動作させる第2モードの指示に応答して前記第1MOSトランジスタのボディーバイアス信号をそのソース電圧に等しいときよりも閾値電圧が小さくなる方向の第1電圧又はフローティングにし、前記第1モードよりも第1回路を低消費電力で動作させる第3モードの指示に応答して前記第1MOSトランジスタのボディーバイアス信号をそのソース電圧に等しいときよりも閾値電圧が大きくなる方向の第2電圧にする。高速動作と低消費電力動作の切換えが可能になる。
本発明の別の具体的な形態として、前記制御回路は、前記第1回路の動作を停止させる指示に応答して前記電源スイッチを構成する第1MOSトランジスタのボディーバイアス信号をそのソース電圧に等しいときよりも閾値電圧が大きくなる方向の第2電圧にする。電源遮断時においてサブスレッショルドリーク電流を小さくすることが可能になる。
本発明の別の具体的な形態として、前記制御回路は、低消費電力モードにおいて、前記第1回路の電源スイッチを構成する第1MOSトランジスタをオフ状態にすると共に、前記電源スイッチを構成する第1MOSトランジスタのボディーバイアス信号をそのソース電圧に等しいときよりも閾値電圧が大きくなる方向の電圧とし、前記低消費電力モードを解除するとき、前記電源スイッチを構成する第1MOSトランジスタのボディーバイアス信号を前記低消費電力モード時の電圧に維持したまま前記電源スイッチを構成する第1MOSトランジスタをターンオンする。換言すれば、前記制御回路は、低消費電力モードにおいて、前記電源スイッチを構成する第1MOSトランジスタをオフ状態とし、前記低消費電力モードを解除するとき、前記電源スイッチを構成する第1MOSトランジスタのボディーバイアス信号をそのソース電圧に等しいときよりも閾値電圧が大きくなる方向の電圧に維持した状態で前記電源スイッチを構成する第1MOSトランジスタをターンオンする。スタンバイ状態から動作可能な状態に復帰するときに突入電流の発生を抑制することができる。
前記制御は、前記電源スイッチを構成する第1MOSトランジスタのターンオンの後に、前記電源スイッチを構成する第1MOSトランジスタのボディーバイアス信号をそのソース電圧或いはそのソース電圧に等しいときよりも閾値電圧が小さくなる方向の電圧又はフローティングにすればよい。電源スイッチに必要な電流供給能力を得ることができる。
〔5〕《電源遮断エリアの適正化》
電源遮断エリアの適正化の観点による半導体集積回路は、複数のコアセルが配列されるセル領域と、上記セル領域を複数の電源遮断エリアに分離するための電源分離領域と、上記電源遮断エリアに対応して配置され、対応する電源遮断エリアへの電源供給を遮断可能な複数の電源スイッチと、を含んで一つの半導体基板に形成されるとき、上記電源遮断エリア及び上記電源スイッチは、酸化膜によって上記半導体基板から絶縁されて成る。
上記の手段によれば、上記電源遮断エリア及び上記電源スイッチが酸化膜によって上記半導体基板から絶縁されるため、電源分離領域や上記電源スイッチの形成位置の自由度が増し、電源分離領域や上記電源スイッチを任意の位置に形成することができる。このことが、電源遮断エリアサイズや、遮断すべき論理エリアの変更の容易化を達成する。
このとき、上記半導体基板はシリコン基板とされ、上記酸化膜によってSOI構造が形成される。
上記電源スイッチでのリーク電流を低減するため、上記電源スイッチには、上記電源遮断エリアに属するMOSトランジスタのゲート酸化膜よりも厚いゲート酸化膜を有するMOSトランジスタを適用する良い。これにより、上記電源スイッチを構成するMOSトランジスタのしきい値は、上記電源遮断エリアに属するMOSトランジスタのしきい値よりも高くなる。この場合において、上記電源スイッチの高電位側電源Vdd動作マージンへの影響を低減するため、上記電源スイッチを構成するMOSトランジスタのゲート電極に供給されるハイレベルを、電源遮断エリアに属するMOSトランジスタのゲート電極に供給されるハイレベルよりも高めに設定するとよい。
また、SOI構造であるため、上記電源スイッチを構成するMOSトランジスタに基板バイアスを印加することでしきい値Vthを高くしたり低くしたりして立ち上がりスルーレートを制御しても良い。
グランドラインとされる第1低電位側電源ラインと、上記コアセルに結合された第2低電位側電源ラインとを含むとき、上記電源スイッチは、上記第1低電位側電源ラインと上記第2低電位側電源ラインとを断続可能に設けられる。
電流の集中を緩和するため、上記電源スイッチの導通状態をアナログ的にゆっくり変化する信号によって駆動制御すると良い。このとき、上記アナログ的に変化する信号は駆動能力が小さく高抵抗状態で駆動する事から、ノイズの影響を受けやすいため、上記駆動回路を上記電源スイッチの近傍に配置することによって、ノイズの影響を受け難くすると良い。
上記電源スイッチの動作制御のためのディジタル信号を、アナログ的に変化する信号に変換するための制御論理を設けることができる。
このとき、上記制御論理は、駆動能力が互いに異なる複数のMOSトランジスタを含み、上記電源スイッチの駆動において、上記駆動能力が互いに異なる複数のMOSトランジスタが選択的に上記電源スイッチの駆動に関与されるように構成することができる。
また、上記電源遮断エリアは、他の電源遮断エリアからの論理不定伝搬を排除するための不定伝搬防止回路を含み、上記不定伝搬防止回路の動作制御は、上記電源スイッチの駆動制御と連動して行われるように構成することができる。
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば下記の通りである。
すなわち、SOI型の半導体集積回路において本来備えている素子分離構造に見合った自由度の高い電源遮断制御を実現することができる。
また、SOI型の半導体集積回路において電源遮断時の低消費電力及び電源供給時の動作性能向上に資することができる。
電源遮断エリアの適正化の観点による発明によれば、電源遮断エリア及び電源スイッチが酸化膜によって半導体基板から絶縁されるため、電源分離領域や電源スイッチの形成位置の自由度が増し、電源分離領域や電源スイッチを任意の位置に形成することができるため、電源遮断エリアサイズや、遮断すべき論理エリアの変更の容易化を達成することができる。
1.第1実施形態
《SOI型厚膜MOSトランジスタを用いた電源スイッチ》
図2には本発明に係る半導体集積回路1の平面的構成が例示される。ここではディジタル・アナログ混載のSOI構造を備えたMOS集積回路を一例とする。半導体集積回路1の周縁部は入出力回路領域2とされ、その内側にコア回路領域としてディジタル回路領域3とアナログ回路領域4が形成される。ディジタル回路領域3には、電源制御回路5、前記電源制御回路5によって選択的に動作電源の供給が遮断可能にされた電源遮断可能回路6、投入された動作電源が常時供給される電源非遮断回路7と有する。アナログ回路領域4は前記電源制御回路5によって選択的に動作電源の供給が遮断可能にされた電源遮断可能回路8、投入された動作電源が常時供給される電源非遮断回路9と有する。電源遮断可能回路6,8には電源スイッチ10が配置される。電源遮断可能回路6,8内における電源スイッチの配置はランダムであってよい。レイアウトの規則性と言う点より、図3のように各電源遮断可能回路6,8の中央、或いは図4に例示されるように各遮断可能回路6,8の底辺に沿って電源スイッチ10を配置したりすることも可能である。詳細な後述するが、基本的に電源スイッチ10のレイアウトはデバイス構造上の制限を受けない。
図5には半導体集積回路1を構成するSOI型MOSトランジスタの縦断面構造が例示される。MOSトランジスタは、シリコン基板BPL上の20ナノメータから200ナノメータのような絶縁性薄膜である埋め込み酸化膜EOXを介して活性領域に構成される。活性領域はソースSOC、ドレインDRN及びボディーBDYとされる。ボディーBDYはチャネル形成領域になる。ボディーBDYの上にはゲート絶縁膜GOXを介してゲートGATが形成される。ソースSOC、ドレインDRN及びボディーBDYは例えばSTI(Shallow Trench Isolation)法にて形成された溝内を酸化シリコンで被った完全分離領域FTI(又は部分分離領域PTI)によって周囲から電気的に分離され、シリコン基板とは埋め込み酸化膜EOXによって電気的に分離される。
ここでMOSトランジスタは、ゲート酸化膜の比較的薄い第1MOSトランジスタ(薄膜MOSトランジスタ)としてのnチャンネル型のMOSトランジスタMNtn及びpチャンネル型の第1MOSトランジスタMPtnと、ゲート酸化膜の比較的厚い第2MOSトランジスタ(厚膜MOSトランジスタ)としてのnチャンネル型のMOSトランジスタMNtk及びpチャンネル型のMOSトランジスタMPtkとに分類される。nチャンネル型MOSトランジスタにおいて、ソースSOC及びドレインDRNはN+型拡散層、ボディーBDYはP−型拡散層から成る。pチャンネル型MOSトランジスタにおいて、ソースSOC及びドレインDRNはP+型拡散層、ボディーBDYはN−型拡散層から成る。
薄膜MOSトランジスタMNtn,MPtnは、例えばチャネル長が45〜180ナノメータ(nm)、ゲート酸化膜厚が1.5〜3.9nm、ゲート酸化膜厚に応ずるゲート入力電圧振幅が0.8V〜1.5Vとされる。厚膜MOSトランジスタMNtk,MPtkは、例えばチャネル長が300〜1000nm、ゲート酸化膜厚が3.0〜15.0nm、ゲート酸化膜厚に応ずるゲート入力電圧振幅が1.2V〜5.0Vとされる。薄膜MOSトランジスタMNtn,MPtnはコア論理領域においてディジタル論理回路やアナログ回路を構成するのに主に用いられる。厚膜MOSトランジスタMNtk,MPtkはその高耐圧故に前記入出力回路及びアナログ回路の一部を構成するのに用いられ、その高閾値電圧故に電源遮断スイッチ10を構成するのにも用いられる。
図6にはSOI構造のnチャンネル型MOSトランジスタの鳥瞰図、図7には図6の縦断面図、図8には図6の平面図が夫々示される。図6乃至図8より、SOI構造ではソースSOC、ドレインDRN及びボディーBDYが完全分離領域FTI又は部分分離領域PTIによって周囲から電気的に分離され、シリコン基板とは埋め込み酸化膜EOXによって電気的に分離されていることは明らかである。特にボディーBDYはフローティングであってもよいが、ボディー電位の揺らぎ防止、或いは閾値電圧制御のためにボディーバイアスを行なうのがよい。ボディーバイアスを行なうときは部分分離領域PTIを用いてボディーBDYを例えばP型拡散領域(P+)から成るコンタクト領域CNTに接続する。ここでは、前記コンタクト領域CNTはソースSOCが接続するメタルのグランド配線VSSに接続された例が示される。
このようにSOI構造では個々のMOSトランジスタが電気的に分離されるので、MOSトランジスタの導電型や電源電圧の相違等に応じたウェル領域による分離を行なうことを要しない。更に、基板との間の接合容量並びに基板との間の電流リークが殆どなく、低電圧動作と高速動作に優れる。
図1にはSOI構造の特徴を考慮した電源遮断可能回路6及び電源非遮断回路7の基本的な回路構成が例示される。電源配線VDDとグランド配線VSSの間に配置された電源遮断可能回路6は電源スイッチ10としての厚膜MOSトランジスタMNtk,MPtkを有し、電源非遮断回路7は電源スイッチとしての厚膜MOSトランジスタMNtk,MPtkを有していない。電源遮断可能回路6において電源スイッチ10としての厚膜MOSトランジスタMNtk,MPtkには、複数の薄膜MOSトランジスタMNtn,MPtnから成るCMOSインバータに代表されるような回路が直列接続される。電源非遮断回路7も複数の薄膜MOSトランジスタMNtn,MPtnが直列されたCMOSインバータに代表されるような回路を有する。例えばグランド電圧VSSが0V、電源電圧VDDが1.5Vのとき、薄膜MOSトランジスタMNtn,MPtnのゲート入力電圧振幅は1.5Vとされ、このとき電源スイッチ10を構成する厚膜MOSトランジスタMNtk,MPtkのゲート入力電圧振幅は3.3Vとされる。特に図示はしないが、電源遮断可能回路6における電源スイッチ10として厚膜MOSトランジスタはMNtk,MPtkの何れか一方だけを用い、或いは一つの電源遮断可能回路において双方の厚膜MOSトランジスタMNtk,MPtkを用いるようにしてもよい。尚、図面上のMOSトランジスタの記号標記に関し、pチャンネル型MOSトランジスタのゲートには丸印を付することによってnチャンネル型MOSトランジスタと区別し、厚膜MOSトランジスタのゲートを相対的に厚く標記することによって薄膜MOSトランジスタと区別する。
図9には電源遮断可能回路6の平面的な構成が例示される。ここではドレイン・ソースに接続される信号配線は省略してある。図より明らかなように、電源スイッチ10を構成する厚膜MOSトランジスタMNtk,MPtkは、論理動作等を行なう薄膜MOSトランジスタMNtn,MPtnとウェル分離のような領域分離を行なわずに自由にレイアウトすることができ、同様に、nチャンネル型の薄膜MOSトランジスタMNtnとpチャンネル型の薄膜MOSトランジスタMPtnについてもウェル分離のような領域分離を行なわずに自由にレイアウトすることができ、更にその結果として、VDD_1に代表されるように一部の電源配線のレイアウトを自由に行なうことも可能であり、部分分離領域PTIを用いたボディー電位の共通化も任意の単位で容易に行なうことができる。
図10にはバルク型のMOSトランジスタで構成される電源遮断可能領域と電源非遮断領域の回路構成を図1の比較例として示す。バルク型CMOS回路は図11の例示されるように、pチャンネル型MOSトランジスタMBPtnはn型ウェル領域NWELに、nチャンネル型MOSトランジスタMBNtnはp型ウェル領域PWELに形成され、ウェル領域分離が行なわれ、基板BPLとウェル領域PWEL、NWELの間、ウェル領域PWEL、NWELとソースSOC・ドレインDRNとの間は逆方向バイアスされて、電気的な分離が行なわれている。LOCSは側方の素子分離を行なうロコスである。特に図示はしないが外部入出力回路用の厚膜のnチャンネル型MOSトランジスタMBNtk及び厚膜のpチャンネル型MOSトランジスタMBPtkも同様にウェル領域分離が行なわれる。
図10の例ではMOSトランジスタの導電型によるウェル領域分離の様子は具体的に示していないが、電源遮断可能領域6Aと、電源非遮断回路7Aとを分離し、更に電源遮断可能領域6A内において厚膜MOSトランジスタMBNtkによって電源スイッチを形成する領域6A_1と、論理動作等を行なう領域6A_2とに対しても分離が必要とされる。電源遮断可能領域6A内において電源スイッチを形成する領域6A_1と、論理動作等を行なう領域6A_2とを分離するのは、電源遮断状態において、論理動作等を行なう領域6A_2においけるウェルとソース・ドレインとの間に接合リークを減らすためである。図1の構成では各MOSトランジスタはそもそも埋め込み酸化膜EOXによって基板との間のではリークを生じないからそのよう考慮はデバイス構造上本質的に必要とされない。図10において電源遮断可能領域6Aと電源非遮断回路7Aとを分離するのは、電源非遮断回路7Aのウェル電位はグランド電位VSSであるが、電源遮断可能領域6Aにおいて論理動作等を行なう領域6A_2のウェル電位は動作電源供給時に電源スイッチMBNtkのドレイン電圧である仮想グランドVSSMになるという点で相違があるからである。特に図示はしていないが電源スイッチがpチャンネル型MOSトランジスタの場合であっても、或いは薄膜MOSトランジスタを用いて構成する場合も同じである。図1の構成では各MOSトランジスタはそもそも埋め込み酸化膜EOXと分離領域FTI(又は分離領域PTI)によってボディーDBYの分離が可能になっているのでそのようウェル領域分離は本質的に必要とされない。
図12には図10に対応する電源遮断可能領域の平面的なレイアウト構成が比較例として示される。図10で説明した通り、MOSトランジスタの導電型によるウェル領域分離と共に、電源スイッチの形成領域6A_1とて論理動作等を行なう領域6A_2との間でもウェル領域分離が行なわれる。
《プリミティブセル》
前記電源遮断可能回路6と電源非遮断回路7とを構成するにはフルカスタム設計によって対応することも可能であるが、ここではスタンダードセル方式で対応することを考慮する。予め設計部品として幾つかのプリミティブセルを用意し、これを用いて設計を行なうことにより、回路設計やレイアウト設計の容易化を図ることができる。図13乃至図16を参照しながら、前記電源遮断可能回路6と電源非遮断回路7を構成するために利用可能な幾つかのプリミティブセルについて説明する。プリミティブセルの論理機能はCMOSインバータを一例としているが、この論理機能については適宜変更可能であることは言うまでもない。
プリミティブセルPMVC_1は薄膜MOSトランジスタMPtnとMNtnから成り、双方のボディーBDYがフローティングにされている。プリミティブセルPMVC_2は薄膜MOSトランジスタMPtnとMNtnから成り、双方のボディーBDYは部分分離領域PTIを介して自らのソースに結合されている。プリミティブセルPMVC_3は厚膜MOSトランジスタMNtkから成る電源スイッチ10に薄膜MOSトランジスタMPtn,MNtnが直列されて成り、薄膜MOSトランジスタMPtnは部分分離領域PTIを介して電源配線VDDに結合され、電源スイッチ10を構成する厚膜MOSトランジスタMNtk及び薄膜MOSトランジスタMNtnは部分分離領域PTIを介してグランド配線VSSに結合される。プリミティブセルPMVC_4は電源スイッチ10を構成する厚膜MOSトランジスタMNtkと薄膜MOSトランジスタMNtnの夫々が部分分離領域PTIを介して自らのソースに結合されている点が前記プリミティブセルPMVC_3と相違する。
プリミティブセルPMVC_5はpチャンネル型の厚膜MOSトランジスタMPtkから成る電源スイッチ10に薄膜MOSトランジスタMPtn,MNtnが直列されて成り、薄膜MOSトランジスタMNtnは部分分離領域PTIを介してグランド配線VSSに結合され、電源スイッチ10を構成する厚膜MOSトランジスタMPtk及び薄膜MOSトランジスタMPtnは部分分離領域PTIを介して電源配線VDDに結合される。プリミティブセルPMVC_6は電源スイッチ10を構成する厚膜MOSトランジスタMPtkと薄膜MOSトランジスタMPtnの夫々が部分分離領域PTIを介して自らのソースに結合されている点が前記プリミティブセルPMVC_5と相違する。プリミティブセルPMVC_7は電源スイッチ10を構成するnチャンネル型の厚膜MOSトランジスタMNtkに直列に、プリミティブセルPMVC_1と同じ回路が1個、及びプリミティブセルPMVC_2と同じ回路が2個、夫々並列形態で接続されて成る。プリミティブセルPMVC_8はプリミティブセルPMVC_2、PMVC_3、及びPMVC_6の夫々と同じ回路を備えて構成される。プリミティブセルPMVC_9は電源スイッチ10を構成するnチャンネル型の厚膜MOSトランジスタMNtkにプリミティブセルPMVC_1と同じ回路が1個直列に接続されて成る。プリミティブセルは上述の種類に限定されず適宜変更可能である。
SOI構造ではバルク構造におけるウェル給電を必要としないので、プリミティブセルンの上下に電源経路とグランド経路が必ずしも配置されていなくてもよい。図16のプリミティブセルPMVC_10〜PMVC_13はこれを考慮したものである。更にプリミティブセルPMVC_11は薄膜MOSトランジスタMPtn,MNtnのボディーをフローティングにしている。
《電源スイッチのレイアウト形態》
図17乃至図23には電源遮断可能回路6と電源非遮断回路7においてプリミティブセル等を用いたトランジスタのレイアウト形態が例示される。ここではプリミティブセル間におけるMOSトランジスタMNtn,MPtnの接続信号配線については図示を省略してある。
図17には電源遮断可能回路6にプリミティブセルPMVC_4を利用し、電源非遮断回路7にプリミティブセルPMVC_2を利用した状態が示される。
図18には電源遮断可能回路6にプリミティブセルPMVC_3を利用し、電源非遮断回路7にプリミティブセルPMVC_2を利用した状態が示される。
図19には電源遮断可能回路6にプリミティブセルPMVC_11を用い、電源非遮断回路7にプリミティブセルPMVC_1を利用した状態が示される。図において電源スイッチ10以外のMOSトランジスタのボディーBDYはフローティングにされているからボディーバイアスのための配線等を必要とせず物理的規模の縮小に寄与する。ゲートGAT、ドレインDRN、ソースSOCの電圧が高い場合にはフローティングにされたボディー電圧の揺れが閾値電圧に影響することが予想され、また、スイッチング用途ではないアナログ用途のMOSトランジスタの場合にはフローティングにされたボディーに不所望な電荷が残存する可能性が高いことを考慮すると、厚膜MOSトランジスタやアナログ用途のMOSトランジスタに対してはボディーをフローティングしない方が良い場合が多い。
図20には電源遮断可能回路6にプリミティブセルPMVC_6を利用し、電源非遮断回路7にプリミティブセルPMVC_1を利用した状態が示される。電源スイッチ10をpチャンネルMOSトランジスタMPtkとすることも可能である。
図21には電源遮断可能回路6_1にプリミティブセルPMVC_7の一部を利用し、電源遮断可能回路6_2にプリミティブセルPMVC_6を利用し、電源非遮断回路7にプリミティブセルPMVC_2を利用した状態が示される。電源遮断領域6_1,6_2に応じて電源スイッチ10の導電型を相違させ、また、電源スイッチを別々に設けてある。
図22の電源遮断可能回路6_3はnチャンネル型MOSトランジスタMNtkによる電源スイッチ10_1とpチャンネル型MOSトランジスタMPtkによる電源スイッチ10_2の双方がオン状態にされるとき動作される。電源遮断時に所要の回路ノードの論理値又は電圧をどのように保持するかによって何れの電源スイッチを切るにかを選択可能になる。また、電源スイッチ10−1を上位階層、電源スイッチ電源スイッチ10_2を下位階層のスイッチとして機能させることも可能である。電源遮断可能回路6_2はnチャンネル型MOSトランジスタMNtkによる電源スイッチ10_1を備え、電源遮断可能回路6_1と一緒に上位階層でスイッチ制御される。
図23には種々のボディー電位のMOSMOSトランジスタが隣接配置された状態が示される。電源遮断可能回路6と電源非遮断回路7に配置されるMOSトランジスタのボディー電位をソースバイアスしたりするときその電位は、MOSトランジスタの直列段数などに応じて相違される。そのようにボディー電位が種々異なるMOSトランジスタであっても、夫々のトランジスタのボディーBDYは埋め込み酸化膜EOX及び分離領域FTI,PTIによって自ずから電気的分離が達成されている。これにより、図23に例示されるように種々のボディー電位と種々の導電型のMOSトランジスタを隣り合わせに配置することが可能になる。これはゲート電圧が相違される厚膜MOSトランジスタMPtk、MNtkと薄膜MOSトランジスタMPtn,MNtnとの間においても同じである。したがって、図23に例示されるように、電源スイッチに関して階層構造を採用することも自由に行なうことができる。例えば、一つの電流直流経路にnチャンネル型厚膜MOSトランジスタMNtkによって構成される上位階層電源スイッチ10_3とpチャンネル型厚膜MOSトランジスタMPtkによって構成される下位階層電源スイッチ10_4を介在させた回路構成を採用すること、下位階層の電源スイッチとしてnチャンネル型厚膜MOSトランジスタMNtkによって構成される電源スイッチ10_5を介在させた回路構成を採用すること、下位階層の電源スイッチとしてpチャンネル型薄膜MOSトランジスタMPtnによって構成される電源スイッチ10_11、或いはnチャンネル型薄膜MOSトランジスタMNtnによって構成される電源スイッチ10_12を採用することも可能である。また、一つの電流直流経路にpチャンネル型厚膜MOSトランジスタMPtkによって構成される上位階層電源スイッチ10_6と下位階層電源スイッチ10_7とを介在させた回路構成を採用すること、下位階層電源スイッチとしてnチャンネル型薄膜MOSトランジスタMNtnによって構成される電源スイッチ10_13を採用することも可能である。また、電流経路に厚膜MOSトランジスタMNtkによって構成される電源スイッチ10_8とpチャンネル型厚膜MOSトランジスタMPtkによって構成される電源スイッチ10_9とを上位階層電源スイッチとして混在させることも可能である。このとき更に、pチャンネル型薄膜MOSトランジスタMPtnによって構成された下位階層電源スイッチ10_15、nチャンネル型薄膜MOSトランジスタMNtnによって構成された下位階層電源スイッチ10_14、又はnチャンネル型厚膜MOSトランジスタMNtkによって構成された下位階層電源スイッチ10_16を適宜採用することも可能である。回路構成若しくは回路機能に応じてきめ細かく電源スイッチ制御を行うことが容易になる。
半導体集積回路(CHP)1における電源スイッチの階層構造について更に説明する。図24に例示されるレイアウトにおいて例えば回路領域を便宜上CRCT1〜CRCT4に分けて考える。例えば一つの回路領域CRCT1は機能的に機能ブロックMDA1〜MDA4、MDB1〜MDB2、MDC1〜MDC2に分割される。機能ブロックMDA1〜MDA4、MDB1〜MDB2、MDC1〜MDC2に対する電源遮断制御用の電源スイッチの階層構造が図25に例示される。一つの回路領域CRCT1において、機能ブロックMDC1、MDC2は電源非遮断回路7とされ、その他の機能ブロックMDA1〜MDA4、MDB1〜MDB2は電源遮断可能回路6とされる。電源遮断可能回路6の全ての機能ブロックMDA1〜MDA4、MDB1〜MDB2は上位階層電源スイッチ10_10により一括で電源遮断可能にされ、その内の機能ブロックMDA1〜MDA4は下位階層電源スイッチ10_11〜10_14により個別に電源遮断可能にされる。
例えば半導体集積回路1がマイクロコンピュータの場合、前記電源非遮断回路7とされる機能ブロックMDC1,MDC2は割り込みコントローラや、電源制御等を行うシステムコントローラ等とされる。電源遮断可能回路6を構成する機能ブロックMDA1〜MDA4、MDB1〜MDB2、MDC1〜MDC2を中央処理装置(CPU)とすると、機能ブロックMDA1〜MDA4には汎用レジスタ等のレジスタ類を割り当て、機能ブロックMDB1〜MDB2には演算器や命令デコーダ等を割り当てることができる。このような割り当てを行なうことにより、例えばCPUがスタンバイ命令を実行して内部回路の動作を停止するとき、汎用レジスタ等の一部のレジスタが保持するデータ情報や制御情報を保持する選択等も可能にされる。
図26には電源遮断可能回路における階層的電源スイッチ構造の別の例が示される。図において電源遮断可能回路6には論理ゲート等からなる組み合わせ回路LOG1,LOG2と、フリップフロップのような順序回路FF1,FF2を含む。順序回路FF1の出力が組み合わせ回路LOG1に入力され、組み合わせ回路LOG1の出力が順序回路FF2に入力され、順序回路FF2の出力が組み合わせ回路LOG2に入力される。組み合わせ回路LOG1,LOG2及び順序回路FF1,FF2は電源配線VDDから動作電源が供給される。順序回路FF1,FF2はnチャンネル型厚膜MOSトランジスタMNtkから成る上位階層電源スイッチ10_17を介してグランド配線VSSに接続される。組み合わせ回路LOG1,LOG2はnチャンネル型厚膜MOSトランジスタから成る下位階層電源スイッチ10_18を介して上位階層電源スイッチ10_17に直列接続される。電源スイッチ制御回路(VSWC)13は、組み合わせ回路LOG1,LOG2及び順序回路FF1,FF2に対して共に電源遮断を行なうときは上位階層電源スイッチ10_17をオフ状態にすればよい。電源遮断を行なう機能単位を細分化するとき、電源遮断時における記憶ノードの保持と言う観点より順序回路は電源遮断を行なわないように考慮することが望ましい。このとき、電源スイッチ制御回路13は、上位階層電源スイッチ10_17をオン状態のまま、下位階層電源スイッチ10_18だけをオフ状態に制御すればよい。電源遮断状態からその直前の状態に高速に復帰することが可能になる。電源スイッチ制御回路13によるスイッチ制御態様は例えばシステムコントローラ(SYSCON)14により半導体集積回路の動作モードに応じて決定される。例えばシステムコントローラ14はパワーオンリセットに応答して上位階層電源スイッチ10_17及び下位階層電源スイッチ10_18をオン動作させて電源遮断可能回路6を動作可能にする。この後、低消費電力優先モードにおいてCPUがスタンバイ命令を実行することによって第1スタンバイモードが指定されるのに応答してシステムコントローラ14は上位階層電源スイッチ10_17をオフ状態に遷移させる。また、電源遮断可能回路6が動作可能にされた後、高速動作優先モードにおいてCPUがスタンバイ命令を実行することによって第2スタンバイモードが指定されるのに応答してシステムコントローラ14は下位階層電源スイッチ10_18だけをオフ状態に遷移させる。FF1,FF2に代表される順序回路が電源遮断前のラッチデータをそのまま保持して第2スタンバイ状態に遷移される。これにより、割り込み等によって電源遮断が解除されたとき、電源遮断の直前の状態に高速に復帰することができる。図26において下位階層電源スイッチに薄膜MOSトランジスタを採用することも可能である。
図27には電源遮断可能回路における電源遮断時の不定伝播防止を考慮した電源スイッチの遮断制御構造が例示される。
電源遮断可能回路6には代表的に4個の回路モジュール15〜18が例示される。各々の回路モジュール15〜18は、薄膜MOSトランジスタMPtn、MNtnによって構成された論理回路20、不定伝播防止回路21、厚膜MOSトランジスタMPtk、MNtkによって構成された電源スイッチ回路22を有する。各々の論理回路20及び不定伝播防止回路21は電源配線VDDと、対応する仮想グランド配線VSSM_1〜VSSM_4に接続され、各々の仮想グランド配線VSSM_1〜VSSM_4は対応する電源スイッチ回路22を介してグランド配線VSSに共通接続される。不定伝播防止回路21は隣接する回路モジュールの電源遮断によって当該隣接する回路モジュールからの出力が不定になっても、その不定の信号入力を例えばローレベルのような初期値に強制するための回路であり、例えば信号経路に配置されたアンドゲートによって構成される。詳細な図示は省略してあるが、不定伝播防止回路21は隣接する回路モジュールの出力を受ける全ての入力インタフェース部分に配置されている。
システムコントローラ14_1はコントロールレジスタ(CREG)24を有する。図示を省略するCPUはコントロールレジスタ24に回路モジュール15〜18の夫々に対する活性/非活性を制御する電源制御データの設定を行う。システムコントローラ14_1は設定された電源制御データに従って回路モジュール15〜18毎の不定伝播制御信号TC1〜TC4を生成すると共に、電源スイッチ制御回路(VSWC)13_1に電源制御データを供給する。電源スイッチ制御回路(VSWC)13_1は電源制御データに従って回路モジュール15〜18毎の電源制御信号VC1〜VC4を生成する。電源制御信号VC1〜VC4は対応する回路モジュールの活性の指示に応答してハイレベル、非活性の指示に応答してローレベルにされる。伝播制御信号TC1〜TC4は不定伝播防止回路21の入力側の回路モジュールに非活性が指示されるのに応答してローレベル、活性が指示されるのに応答してハイレベルにされる。
例えば、CPUがリセット処理にて制御レジスタ24に回路モジュール15、18を活性化する制御データと回路モジュール16,17を非活性化する制御データを設定すると、その制御データを受け取る電源制御回路13_1はハイレベルの信号VC1,VC4により回路モジュール15、18の電源スイッチ回路22をオン状態、ローレベルの信号VC2,VC3により回路モジュール16、17の電源スイッチ回路22をオフ状態にし、回路モジュール15、18を動作可能にする。システムコントローラ14_1は制御レジスタ24に設定された前記制御データに従って、動作可能にされた回路モジュール15,18内において動作不可能な回路モジュール16,17の出力を受ける不定伝播防止回路21の出力をローレベルの信号TC1,TC4によりローレベルに強制し、その他の信号TC2,TC3はハイレベルのままにする。これにより、動作可能な回路モジュールの入力が動作不可能な回路モジュールから出力される不定データによって誤動作する虞はない。
《電源スイッチのボディーバイアス制御》
今までの説明では図6乃至図8に例示されるように、厚膜MOSトランジスタMNtk、MPtkによって構成される電源スイッチ10のボディーBDYを部分分離領域PTIを用いて自らのソースSOCに接続するものとした。以下において電源スイッチ10のボディー電位を制御するボディーバイアス制御について説明する。例えば図28の電源遮断回路を考えると、電源スイッチ10がオンのときはその電源スイッチ10に直列された薄膜MOSトランジスタMNtn、MPtn等によって構成される論理回路の高速動作を妨げないように、ΔVは極力小さい方がよい。即ち、動作時においては電源スイッチ10のオン抵抗は小さい方が良い。そのためには電源スイッチ10の閾値電圧は小さい方が良い。一方、電源スイッチ10がオフにされた状態ではサブスレッショルドリーク電流が小さい方が望ましい。そのためには電源スイッチ10の閾値電圧は大きい方が有利である。この相反する要求を満足させるには図29に示されるような傾向を以って電源スイッチ10のボディーバイアスコントロールを行なうのがよい。図29においてボディー電位0Vとはソース電位に等しいことを意味する。正のボディー電位とはドレイン寄りの電位を意味し、負のボディー電位はそれと逆方向の電位を意味する。nチャンネル型MOSトランジスタの場合にはボディー電圧を高くするに従って閾値電圧が下がり、pチャンネル型MOSトランジスタの場合にはボディー電圧を低くするに従って閾値電圧が下がる。便宜上、閾値電圧を小さくする方向のボディーバイアスをフォワードバイアス、閾値電圧を大きくする方向のボディーバイアスをリバースバイアスと称する。
図30には電源遮断領域6におけるボディーバイアス制御の基本形態が示される。電源スイッチ10のオフ状態ではボディーにリバースバイアスを印加する。電源スイッチ10のオン状態ではボディーにフォワードバイアスを印加する。電源遮断時は電源スイッチの高閾値電圧化による低リーク、電源供給時には電源スイッチの低閾値電圧化による高電流供給能力を実現することができる。
図31にはボディーバイアス制御可能な電源スイッチのセル(電源スイッチセル)が例示される。Aの電源セルは部分分離領域PTI直下を介してボディーがボディーバイアス配線VBNに接続される。SOI構造の電源セルはバルク構造のようなウェル給電を必要としないから電源セルの縁辺に沿ってグランド配線をレイアウトする必然性はない。Bの電源セルのようにセル中央にグランド配線VSSをレイアウトしても良い。ボディーバイアス配線VBNについても全てのMOSトランジスタが必要とする訳ではないから、Bに示されるように電源セルの縁辺の1辺を全て占めることを要しない。更に、電源スイッチ10のゲート幅は論理動作を行なうMOSトランジスタに比べて大きいから、ボディーに対してその長手方向両側にボディー配線VBNを接続するようにしてもよい。図示は省略するが、ボディーの長手方向中央部にボディー配線VBNを接続するようにしてもよい。
図32には参考としてボディー電位を自らのソースに接続して固定するようにした電源スイッチのセルDが例示される。図33にはボディー電位をフローティングとする電源スイッチのセルE,Fが例示される。電源スイッチセルFに示されるようにグランド配線VSSをセル中央にレイアウトすることも可能である。
《突入電流を抑制するボディーバイアス制御》
前述のようにSOI構図のMOSトランジスタを採用した場合、電源遮断可能回路と電源非遮断回路との間ではウェル分離等を要しないから、相互間では電源配線やグランド配線を共有することが本質的に可能にされる。このとき、電源非遮断回路と電源配線やグランド配線を共有する電源遮断可能回路において電源スイッチがターンオンされると、その瞬間、そこに突入電流が流れ、電源配線やグランド配線にノイズが載る。図34に例示されるようにnチャンネルMOSトランジスタMNtkから成る電源スイッチ10の場合、そこに突入電流が流れることによってグランド配線VSSの電圧が不所望に浮いてしまう。このグランド電位VSSの浮きはグランド配線を共有する電源非遮断回路において論理閾値電圧を変動させ、入力電圧に対する動作マージンが小さくなり、誤動作を生ずる虞が増すことになる。図示はしないが、pチャンネルMODSトランジスタMPtkから成る電源スイッチの場合、そこに突入電流が流れることによって電源配線VDDの電圧が不所望に低下し、これによっても同様に、電源配線を共有する電源非遮断回路において誤動作を生ずる虞が増すことになる。
電源再投入時における突入電流を抑制するには、図35に例示されるように電源スイッチ10をオン動作させるとき(VC=H)、ボディーバイアス電圧VBNとしてリバースバイアス電圧−Vbnrを印加することによってその閾値電圧を高くしておけばよい。これにより電源スイッチ10のオン抵抗が大きいので、電源スイッチ10に流れる電流Ivswは小さくなり、グランド配線VSSの浮きも抑えられる。その後、ボディーバイアス電圧VBNとしてフォワードバイアス電圧Vbnfを印加することによって電源スイッチ10の電流供給能力を増やせばよい。図35のIvsw及びVSSにおける破線はボディーバイアス電圧VBNをグイランド電位VSS固定にした場合の電流・電圧波形であり、大きなピークを有している。
図36には電源スイッチ10のオン・オフとボディーバイアスの一つの望ましい制御形態が例示される。半導体集積回路1の低消費電力モードにおいてnチャンネル型MOSトランジスタMNtnによって構成された電源スイッチ10をオフ状態にする。電源スイッチ10のオフ状態において、通常オフモードでは電源スイッチ10のボディーバイアス電圧VBNをグランド電圧VSSとし、低リークモードでは電源スイッチ10のボディーバイアス電圧VBNをリバースバイアス電圧−Vbnrとする。
電源遮断可能回路のイネーブルモードにおいてnチャンネル型MOSトランジスタMNtkによって構成された電源スイッチ10をオン状態にする。電源スイッチ10のオン状態において、通常オンモードでは電源スイッチ10のボディーバイアス電圧VBNをグランド電圧VSSとし、高速動作モードでは電源スイッチ10のボディーバイアス電圧VBNをフォワードバイアス電圧Vbnfとする。Lは電源スイッチ10をオフ状態にするローレベルのゲート電圧、Hは電源スイッチ10をオン状態にするハイレベルのゲート電圧を意味する。
電源遮断可能回路の低消費電力モードからイネーブルモードへの切替え時に電源スイッチ10をターンオンするときは、電源スイッチ10のボディーバイアス電圧VBNをリバースバイアス電圧−Vbnrに維持し、オン状態完了後に、ボディーバイアス電圧VBNをグランド電圧VSS又はフォワードバイアス電圧Vbnfにする。イネーブルモードから低消費電力モードへの切替え時はnチャンネル型MOSトランジスタMNtlから成る電源スイッチ10に関しては、電源スイッチのオフタイミングとボディーバイアス電圧との間に特別な相関を持たせることを要しない。特に図示はしないが、pチャンネル型MOSトランジスタMPtkから成る電源スイッチ10の場合には、nチャンネル型の場合とは逆に電源スイッチのターンオフ時にリバースバイアス電圧を印加し、ターンオン時は電源スイッチのオンタイミングとボディーバイアス電圧との間に特別な相関を持たせることを要しない。
図37には電源スイッチの制御回路が全体的に示される。図38には電源スイッチの制御回路による制御シーケンスが例示される。ここでは電源スイッチ10をnチャンネル型MOSトランジスタMNtkとする。
電源スイッチの制御回路は、システムコントローラ(SYSCON)30、電源スイッチ制御回路(VSWC)31、ボディーバイアス生成回路(BBGEN)32、及びボディーバイアス制御回路(BBCON)33によって構成される。ボディーバイアス生成回路(BBGEN)32はリバースバイアス電圧−Vbnrとフォワードバイアス電圧Vbnfを生成する。電源スイッチ制御回路(VSWC)31は電源スイッチ10のスイッチ制御信号VCを出力する。ボディーバイアス制御回路33はボディーバイアス電圧VBNを出力する。システムコントローラ30は半導体集積回路の動作モードに従って、電源スイッチ制御回路31に対する動作指示信号MSC、ボディーバイアス制御回路33に対する動作指示信号BIAS_N,BIAS_Pを出力する。信号MSCは電源遮断可能回路6の回路に対するイネーブルモードに応答して電源スイッチ10のオン動作を指示し、低消費電力モードに応答して電源スイッチ10のオフ動作を指示する。信号BIAS_Nは低消費電力モードにおける低リークモードに応答してリバースバイアス電圧−Vbnrによるボディーバイアスを指示する。信号BIAS_Pはイネーブルモードにおける高速モードに応答してフォワードバイアス電圧Vbnfによるボディーバイアスを指示する。システムコントローラ30は低消費電力モードからイネーブルモードに遷移するとき、電源スイッチ10をオン動作させる前に、電源スイッチ10がリバースバイアスされているかを判定し、そうでなければ信号BIAS_Nにて電源スイッチ10のリバースバイアスを達成した後に、電源を投入する。
図38において通常オフモードの時、信号BIAS_Nはハイレベルに反転されると(時刻t0)、これに応答してボディーバイアス制御回路33はボディーバイアス電圧VBNをグランドレベルVSS(0V)からリバースバイアス電圧−Vbnrに変更し(時刻t1)、電源遮断可能回路6を低リークモードとする。この後、システムコントローラ30が割り込み等によって低消費電力モードの解除指示を認識すると、信号MSCをハイレベルに反転して(時刻t2)、電源スイッチ制御回路31に制御信号VCを用いて電源スイッチ10をオン動作させる(時刻t3)。制御信号VCの電圧は論理回路の電源電圧VDDよりもレベルの高い入出力回路の動作電圧VCCとされる。時刻t3における電源再投入の時、電源スイッチ10はリバースバイアスされて高閾値電圧にされているから、突入電流によるグランド電圧の浮きが抑制されて、電源非遮断回路における誤動作が防止される。システムコントローラ30は電源スイッチ制御回路31から電源再投入のアクノリッジ信号ACKを受け取ると(時刻t4)、信号BIAS_Nにてボディーバイアス制御回路33にリバースバイアスの解除を指示し(時刻t5)、ボディーバイアス制御回路33がリバースバイアスを解除する(時刻t6)。これによって電源遮断可能回路6は通常オンモードで動作可能にされる。この後、システムコントローラ30が割り込み等によって高速動作の指示を認識すると、信号BIAS_Pをハイレベルに反転して(時刻t7)、ボディーバイアス制御回路33にボディーバイアス信号BVNをグランドレベルVSS(0V)からフォワードバイアス電圧Vbnfに変更させ(時刻t8)、電源遮断可能回路6を高速モードで動作可能とする。時刻t5から時刻t6の間は通常オンモードよりも動作速度の遅い低速動作モードとされる。このような低速動作モードは、低消費電力を優先させて回路を動作可能にするパワーダウンモードとして位置付けることができる。更にパワーダウンモードにおいてはスイッチ制御信号VCを入出力回路用に比較的高い電圧から、コア論理回路の比較的低い動作電源VDDに切替えてもよい。
以上本発明者によってなされた発明を実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
例えば、電源スイッチの導電型、電源スイッチの階層段数、プリミティブセルにおけるMOSトランジスタの個数と配置等は適宜変更可能である。半導体集積回路はマイクロコンピュータに代表されるディジタル処理LSIに限定されず、アナログ処理LSI、アナログ・ディジタル混載LSI等に広く適用することができる。低消費電力モードは例えばCPUがスリープ命令を実行することによって遷移するスリープモード、スタンバイ信号のレジスタ設定等によって外部から指示されるスタンバイモード、モジュール毎に動作の可否が設定可能にされるモジュールスタンバイモードなどとされる。電源スイッチは厚膜MOSトランジスタだけで構成してもよいし、適宜薄膜MOSトランジスタ下位階層電源スイッチとして混在させて階層的に構成してもよい。下位階層電源スイッチは薄膜MOSトランジスタによって構成する場合に限定されず、当然厚膜MOSトランジスタによって構成することも可能である。
2.第2実施形態
図39には、本発明にかかる半導体集積回路の一例とされるマイクロコンピュータにおけるチップの全体的なレイアウトが示される。図39に示されるマイクロコンピュータは、特に制限されないが、SOC(System On Chip)により一つの半導体チップ上にシステムが構築される。このマイクロコンピュータは、ディジタル信号を取り扱うディジタル部106と、アナログ信号を取り扱うアナログ部107とを含み、それらを包囲するようにIO(入出力)領域105が配置される。ディジタル部106やアナログ部107は、複数のコアセルが配列されて成る複数のセル領域103が形成される。このセル領域103は、電源分離領域101によって複数の電源遮断エリアに分離されている。個々の電源遮断エリアの縁辺部には電源スイッチ領域102が設けられる。この電源スイッチ領域102には、電源遮断エリア毎に低電位側電源Vssの供給を遮断可能な複数の電源スイッチが形成される。上記電源スイッチの動作は、電源制御部104により制御される。
次に、上記電源スイッチ領域102の電源スイッチについて詳述する。
図43には、上記セル領域103における主要部の回路構成が示される。
低電位側電源ラインが、分離部51において低電位側電源Vssm(1)ラインと、低電位側電源Vssm(2)ラインとに分離されることで、電源遮断エリア81と、電源遮断エリア82とが形成される。高電位側電源Vddラインは、電源遮断エリア81と電源遮断エリア82とで共有される。電源遮断エリア81は、特に制限されないが、高電位側電源Vddラインと低電位側電源Vssm(1)ラインとに結合された複数のインバータ54を含む。電源遮断エリア82は、特に制限されないが、高電位側電源Vddラインと低電位側電源Vssm(2)ラインとに結合された複数のインバータ55を含む。低電位側電源Vssm(1)ラインは、電源スイッチ52を介して低電位側電源Vssラインに結合され、低電位側電源Vssm(2)ラインは、電源スイッチ53を介して低電位側電源Vssラインに結合される。インバータ54,55は、高電位側電源Vddラインに結合されたpチャネル型MOSトランジスタと、低電位側電源Vssm(1)ライン又は低電位側電源Vssm(2)ラインに結合されたnチャネル型MOSトランジスタとが直列接続されて成る。電源スイッチ52,53は、nチャネル型MOSトランジスタによって形成することができる。
上記の構成において、電源スイッチ52がオンされると、低電位側電源Vssm(1)ラインが低電位側電源Vssラインに導通されることにより、電源遮断エリア81におけるインバータ54が動作可能状態にされる。同様に電源スイッチ53がオンされると、低電位側電源Vssm(2)ラインが低電位側電源Vssラインに導通されることにより、電源遮断エリア82におけるインバータ55が動作可能状態にされる。つまり、電源スイッチ52,53により、電源遮断エリア81,82への電源供給を選択的に遮断することができる。
図44には、図43に示される回路における主要部の断面構造が示される。
図44に示される構造は、半導体基板の一例とされるシリコン基板501の上に酸化膜(絶縁膜)502が形成された、いわゆるSOI(Silicon On Insulator)とされる。上記インバータ54,55を形成するためのMOSトランジスタや、上記電源スイッチ52,53を形成するためのMOSトランジスタ間は、電源分離用酸化膜701によって分離される。素子間は素子分離用酸化膜505によって分離される。尚、図44においては電源スイッチ52は省略されている。また、上記インバータ54,55や、上記電源スイッチ52,53を形成するためのMOSトランジスタは、拡散層(N+層又はP+層)から引き出されたドレイン電極Dやソース電極Sと、ゲート酸化膜(SiO2)503又は504により絶縁されたゲート電極Gとを有する。上記電源スイッチ52,53を形成するためのMOSトランジスタは、いわゆる高耐圧MOSトランジスタとされる、そのゲート酸化膜504は、上記インバータ54,55を形成するMOSトランジスタにおけるゲート酸化膜503よりも厚くなっている。
かかる構成によれば、電源遮断エリア81、82におけるMOSトランジスタのしきい値に比べて、電源スイッチ52や53を形成するMOSトランジスタのしきい値は高目であるが、電源スイッチを形成するMOSトランジスタのゲート電極に、高電位側電源Vddの電圧レベルよりも高めの電圧をハイレベルとして供給することで、電源スイッチのオン抵抗値を小さくすることができるので、Vdd動作マージンへの影響は小さい。尚、電源遮断エリア81,82の大小により、低電位側電源Vssm(1),Vssm(2)の負荷容量にアンバランスが発生する場合、電源スイッチ52,53を形成するMOSトランジスタの駆動能力を切り換えて立上り波形を均一化するようにしても良い。また、SOI構造なので基板バイアスを印加することでしきい値Vthを高くしたり低くしたりしてスルーレートを制御しても良い。
図45には、図43に示される回路における主要部の別の断面構造が示される。
図45に示される構造は、SOI構造とバルク構造とが混合されたものとされる。すなわち、図45に示されるように電源遮断エリア81,82においては、SOI構造における酸化膜502の上にP型ウエル(PWELL)や、N型ウエル(NWELL)が形成され、そこにnチャネル型MOSトランジスタやpチャネル型MOSトランジスタが形成される(バルク構造)。電源スイッチ53(52は省略)は、図44に示されるのと同様にSOI構造とされる。図45に示される構造ではSOIに加えてバルク構造が採用されていることから基板の低抵抗化、及び基板給電を十分に行うことができ、寄生素子成分が小さい。またバルク構造では、大電流により基板に電荷がチャージするなどの心配もなく、セルフヒート現象による電流減少なども発生しない利点がある。
図46には、図43に示される回路における主要部の別の断面構造が示される。
図46に示される構造は、SOI構造とバルク構造とが混合されたものとされる。電源遮断エリア81,82がSOI構造とされ、電源スイッチ領域102がバルク構造とされる。すなわち、電源スイッチ領域102では、SOI構造における酸化膜502の上にP型ウエル(PWELL)が形成され、そこにnチャネル型MOSトランジスタが形成される。
図47には、図43に示される回路における主要部の別の断面構造が示される。
図47に示される構造は、SOI構造とバルク構造とが混合されたものとされる。シリコン基板501上に酸化膜502が形成され、その上にP型ウエル(PWELL)が形成される。この場合、素子間の分離は、素子分離用酸化膜505によって行われる。また、分離部51に対応してP型ウエルが電源分離用酸化膜701によって分離される。さらに、電源スイッチ領域102では、P型ウエルが電源分離用酸化膜902,903によって分離される。
図48には、図39における主要部の詳細な構成が示される。
図39における少なくとも一つのセル領域103には、電源遮断エリア81,82,83,84、駆動回路91,92,93,94が含まれる。尚、後者の駆動回路はコア系電源Vddより高い電位で制御される。駆動回路の電源回路は、遮断エリアの近傍にあればよい。
電源遮断エリア81,82間で信号のやり取りが可能とされ、電源遮断エリア83,84間で信号のやり取りが可能とされる。上記電源遮断エリア81は、ユーザ論理812と、上記ユーザ論理812への電源供給及び電源遮断を可能とする電源スイッチ813と、電源遮断エリア82からの論理不定伝搬を排除するための不定伝搬防止回路811とを含む。上記電源遮断エリア82は、ユーザ論理822と、上記ユーザ論理822の電源供給及び電源遮断を可能とする電源スイッチ823と、電源遮断エリア81からの論理不定伝搬を排除するための不定伝搬防止回路821とを含む。上記電源遮断エリア83は、ユーザ論理832と、上記ユーザ論理832の電源供給及び電源遮断を可能とする電源スイッチ833と、電源遮断エリア84からの論理不定伝搬を排除するための不定伝搬防止回路831とを含む。上記不定伝搬防止回路811,821,831,841は、特に制限されないが、2入力アンドゲートによって形成される。上記不定伝搬防止回路811,821,831,841における2入力アンドゲートの一方の入力端子には、システムコントローラ85から制御信号CNT11,CNT21,CNT31,CNT41が伝達され、それによって対応する不定伝搬防止回路811,821,831,841の動作が制御されるようになっている。制御信号CNT11,CNT21,CNT31,CNT41がアクティブの場合には、対応する不定伝搬防止回路811,821,831,841が活性状態とされ、対応する電源遮断エリア間の信号伝達が行われる。しかし、制御信号CNT11,CNT21,CNT31,CNT41が非アクティブの場合には、対応する不定伝搬防止回路811,821,831,841の出力論理が固定される。電源制御部104は、システムコントローラ85の制御下で駆動回路91,92,93,94の動作を制御する。不定伝搬防止回路811,821,831,841の動作制御が電源スイッチの動作制御に連動されることにより、電源遮断エリア81,82,83,84において、電源遮断に伴う論理不定伝搬が排除される。電源制御部104から駆動回路91,92,93,94には、それぞれ2ビット構成のディジタル制御信号が供給される。これにより、各電源スイッチの動作が制御される。電源遮断エリア81,82,83,84において、電源スイッチ813,823,833,843のオンによる急激な電流変化は、ノイズの発生のおそれがあるため、好ましくない。そこで、駆動回路91,92,93,94は、上記電源制御部104からの2ビット構成のディジタル制御信号をアナログ的な信号に変換し、対応する電源スイッチ813,823,833,843の導通状態を段階的に変化させ、スルーレートを制御することによって急激な電流変化を回避している。駆動回路91,92,93,94は、基本的には互いに同一構成とされるため、駆動回路91についてのみ詳述する。
駆動回路91は、バッファ911、nチャネル型MOSトランジスタ915、pチャネル型MOSトランジスタ912,914、及び2入力オアゲート913を含んで成る。上記nチャネル型MOSトランジスタ912の駆動能力は比較的小さく、上記nチャネル型MOSトランジスタ914の駆動能力は、上記nチャネル型MOSトランジスタ912よりも大きく設定される。pチャネル型MOSトランジスタ912,914は互いに並列接続され、それにnチャネル型MOSトランジスタ915が直列接続される。そしてこの直列接続ノードからの出力信号によって電源遮断エリア81内の電源スイッチ813の動作が制御される。pチャネル型MOSトランジスタ914のソース電極は高電位側電源Vccに結合され、nチャネル型MOSトランジスタ915のソース電極は低電位側電源Vssに結合される。ここで、高電位側電源Vccの電圧レベルは、高電位側電源Vddよりも高めに設定されている。pチャネル型MOSトランジスタ912は、電源制御回路104からのスイッチ駆動信号φ2によって動作制御される。オアゲート913により、電源制御回路104からのスイッチ駆動信号φ1,φ2のノア論理が得られ、その論理出力によってMOSトランジスタ912より大きな駆動能力を有するpチャネル型MOSトランジスタ914の動作が制御される。
上記の構成において、電源制御部104によりスイッチ駆動信号φ1,φ2が共にハイレベルとされた状態では、pチャネル型MOSトランジスタ912,914がオフ状態、nチャネル型MOSトランジスタ915がオン状態とされるため、電源スイッチ813は非導通状態とされる。
電源制御部104によりスイッチ駆動信号φ1がハイレベル、スイッチ駆動信号φ2がローレベルとされた状態では、pチャネル型MOSトランジスタ912がオン状態とされ、pチャネル型MOSトランジスタ914とnチャネル型MOSトランジスタ911はオフ状態とされる。nチャネル型MOSトランジスタ912の駆動能力は比較的小さいため、電源スイッチ813を十分に導通されることはできなく、ゆっくり立ち上げる。
次に、電源制御部104によりスイッチ駆動信号φ1,φ2が共にローレベルにされると、pチャネル型MOSトランジスタ912に加えてpチャネル型MOSトランジスタ914がオンされる。pチャネル型MOSトランジスタ914は十分な駆動能力を有しているため、電源スイッチ813を十分に導通させるとができる。このMOSトランジスタ914がオンされた後、コア81は通常動作が可能となる。
このようにpチャンネル型MOSトランジスタ912,914が順にオンされることにより、電源スイッチ813の導通状態が段階的に変化され、それにより、急激な電流変化が回避されることから、急激な電流変化に起因するノイズの発生を抑えることができる。
電源制御回路104と、駆動回路91,92,93,94との間ではディジタル信号の伝搬が行われるのに対して、上記駆動回路91,92,93,94と、それに対応する電源スイッチ813,823,833,843との間は、電源スイッチ813の導通状態が段階的に変化させるためのアナログ的な信号の伝搬が行われる。このアナログ的な信号にノイズ成分が重畳されると、それが電源遮断エリア81の動作に影響する。ノイズ成分が重畳を回避するための手段として、信号線をシールドすることが考えられるが、本例では、駆動回路91,92,93,94を、対応する電源スイッチ813,823,833,843の近傍にレイアウトすることによって、駆動回路91,92,93,94と、対応する電源スイッチ813,823,833,843との間のアナログ信号伝達経路の長さを可能な限り短くなるようにしている。それにより、上記アナログ的な信号にノイズが重畳されるのを回避している。
図49には、図39における主要部の別の構成が示される。
図49に示されるのが、図48に示されるのと大きく相違するのは、電源スイッチ111,112が設けられている点である。電源スイッチ813,823は、低電位側電源Vssg(1)ラインに共通接続される。そしてこの低電位側電源Vssg(1)ラインが電源スイッチ111を介して低電位側電源Vssラインに結合される。電源スイッチ111は、電源スイッチコントローラ104からのスイッチ駆動信号φ3によって動作制御されるスイッチとされ、電源スイッチ813,823の上位に位置する電源スイッチである。この電源スイッチ112がオフされることにより、電源遮断エリア83,84への電源供給を同時に遮断することができる。この場合、電源スイッチ813〜843と111,112はリーク電流の小さな厚膜MOSトランジスタを使用する。一方、電源スイッチ813〜843に薄膜MOSトランジスタを使用し、電源スイッチ111,112に厚膜MOSトランジスタを使用しても良い。後者では、厚膜MOSトランジスタを領域まとめてディープスタンバイ化する際、遮断に利用し、薄膜MOSトランジスタによる電源スイッチは厚膜に比べて場所を選ぶことなく、コア領域に作り込むことができ、しかもそのゲート電圧制御は、しきい値Vthが低いことからコア電源Vddで制御できる利点がある。
電源スイッチ833,843は、低電位側電源Vssg(2)ラインに共通接続される。そしてこの低電位側電源Vssg(2)ラインが電源スイッチ112を介して低電位側電源Vssラインに結合される。電源スイッチ112は、電源スイッチ833,843の上位に位置する電源スイッチであり、この電源スイッチ112がオフされることにより、電源遮断エリア83,84への電源供給を同時に遮断することができる。
図48及び図49に示される電源スイッチ813,823,833,843,111,112として、図43、図44、図45、図46に示される電源スイッチ52,53などのようにSOI技術を用いた電源スイッチを適用することができる。
上記の例によれば、以下の作用効果を得ることができる。
(1)電源遮断エリア81,82、83,84及び電源スイッチ52,53が酸化膜によってシリコン基板501から絶縁されるため、電源分離領域101や上記電源スイッチ52,53,813,823,833,843の形成位置の自由度が増し、電源分離領域101や電源スイッチ52,53,813,823,833,843を任意の位置に形成することができる。それによって電源遮断エリア81,82、83,84のサイズや、遮断すべき論理エリアの変更を容易に行うことができる。
(2)上記(2)の作用効果により、電源遮断エリアの適正化を図ることができる。
(3)図7に示される構造ではSOIに加えてバルク構造が採用されていることから基板の低抵抗化、及び基板給電を十分に行うことができ、寄生素子成分が小さい。またバルク構造では、大電流により基板に電荷がチャージするなどの心配もなく、セルフヒート現象による電流減少なども発生しない利点がある。
(4)駆動回路91,92,93,94は、上記電源制御部104からの2ビット構成のディジタル制御信号をアナログ的な信号に変換し、対応する電源スイッチ813,823,833,843の導通状態を段階的に変化させることによって、急激な電流変化を回避している。このとき、駆動回路91,92,93,94を、対応する電源スイッチ813,823,833,843の近傍にレイアウトすることによって、駆動回路91,92,93,94と、対応する電源スイッチ813,823,833,843との間のアナログ信号伝達経路の長さを可能な限り短くなるようにしている。それにより、上記アナログ的な信号にノイズが重畳されるのを回避することができる。
図40には、本発明にかかる半導体集積回路の一例とされるマイクロコンピュータにおけるチップの別のレイアウトが示される。
図40に示されるマイクロコンピュータが図39に示されるのと大きく相違するのは、個々のセル領域103の中央部に電源スイッチ領域102が設けられる点である。このように個々のセル領域103の中央部に電源スイッチ領域102が形成される場合にも、図39に示される場合と同様の作用効果を得ることができる。
上記電源スイッチ領域102において複数の電源スイッチを階層的に配置することができる。
図41及び図42には電源スイッチの階層的配置例が示される。
例えば図41に示されるようにセル領域103が複数の電源遮断エリアA〜Fに分けられている場合を考える。この電源遮断エリアA〜Fは、それに対応する電源スイッチにより電源供給の遮断が可能とされる。セル領域103の中央部には電源スイッチ領域102が形成される。この電源スイッチ領域103は、グローバル領域102−1とローカル領域102−2とを含む。ローカル領域102−2は、グローバル領域102−1を挟むように形成される。グローバル領域102−1には、ローカル領域102−2よりも上位の電源スイッチ(Global SW)が形成され、ローカル領域102−2には上記グローバル領域102−1の電源スイッチ(Global SW)よりも下位の電源スイッチ(la,lb,lc,ld,le,lf)が形成される。上記グローバル領域102−1の電源スイッチ(Global SW)により、ローカル領域102−2における電源スイッチ(la,lb,lc,ld,le,lf)への低電位側電源Vssの供給停止が可能とされる。
また、図42に示されるように、グローバル領域102−1とローカル領域102−2とをセル領域103内で分散させることができる。すなわち、セル領域103が複数の電源遮断エリアA〜Fに分けられているとき、この電源遮断エリアA〜Fにおける縁辺部にグローバル領域102−1とローカル領域102−2とが形成される。グローバル領域102−1には、ローカル領域102−2よりも上位の電源スイッチ(ga,gb,gc,gd,ge,gf)が形成され、ローカル領域102−2には上記グローバル領域102−1の電源スイッチよりも下位の電源スイッチが形成される。
図41及び図42に示される構成において、電源スイッチは信号配線層よりも下位の層に配置することができるため、電源スイッチの占有面積がチップサイズに与える影響は小さい。
図50において、A,B,C,D,Eで示されるように、電源遮断エリアの幅が比較的広い場合には、当該エリアでの電圧降下を防止するため、当該エリアの両側に電源スイッチ領域102(a,b,c,d,e)を形成すると良い。尚、図50において、Fで示されるように、電源遮断エリアの幅が狭いものについてはVssm(1)〜Vssm(4)のような仮想グランド線(=第2低電位側電源ライン)の配線抵抗も小さいことから、配線当該エリアの片側にのみ電源スイッチ領域102(f)を形成すれば良い。また遮断領域に駆動回路がノイズの観点では近いことが望まれるが、この駆動回路前記のようにシールドもしくはカップリングを受けない範囲で配置すれば、遠くに配置しても良いことは言うまでもない。遠くに配置する場合、寄生配線抵抗の増加また寄生配線容量の増加でスルーレートをゆっくりする利点がある。
第2実施形態に代表される発明は上記説明に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
例えば駆動回路や階層型電源スイッチの構成は、SOI構造に限定されない。
以上の説明では主として本発明者によってなされた発明をその背景となった利用分野である、SOCにより一つの半導体チップ上に形成されたマイクロコンピュータに適用した場合について説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、各種半導体集積回路に広く適用することができる。