JP5111891B2 - 樹脂材料および成形体の製造方法 - Google Patents
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Description
ところで、樹脂材料が例えばポリエチレンテレフタレートの場合には、容器を形成する過程で付与された熱により樹脂材料が熱分解し、その際にアセトアルデヒドが生じることが知られている。この場合、容器に充填された内容物の風味や香りに影響を与えるおそれがある。
そこで、このようなアセトアルデヒドの発生を抑えるために、従来では、例えば下記特許文献1に示されるように、熱水への浸漬処理および乾燥を行ったポリエチレンテレフタレートを使用したり、あるいは例えば下記特許文献2に示されるように、不活性ガス雰囲気下、または減圧下において一定温度範囲で固相重合したポリエステル系樹脂を使用したりすることがなされていた。
この発明によれば、樹脂材料を加熱して溶融し成形体を形成する過程で、基材樹脂および化合物がともに溶融している状態において、化合物の方が基材樹脂よりも早く熱分解が進行していくことにより、基材樹脂の熱分解を効果的に抑制することが可能になるものと推察される。
したがって、樹脂材料を加熱して溶融し成形体を形成する際に、アセトアルデヒドが生じるのを抑制することが可能になり、形成された成形体中のアセトアルデヒドの含有量を抑えることができる。
前記基材樹脂としては、例えば生分解性樹脂であるポリ乳酸やポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂が挙げられる。
さらに、前記化合物は、前記基材樹脂がポリエチレンテレフタレートの場合、樹脂材料の総重量の例えば0.1%以上0.2%以下の重量だけこの基材樹脂に添加されるのが好ましい。この場合において前記化合物が0.2%よりも多く添加されると、この樹脂材料を溶融混練して射出成形する際に、例えば溶融樹脂の流動抵抗が増大する等して成形性が低下するおそれがある。
また、前記基材樹脂がポリ乳酸の場合には、前記化合物は、樹脂材料の総重量の例えば1%以下の重量だけこの基材樹脂に添加されるのが好ましい。この場合、前記化合物を1%よりも多く添加しても、添加量に応じた効果を得ることができず、例えば高コスト化を招いたりするおそれがある。
したがって、樹脂材料を加熱して溶融し成形体を形成する際に、アセトアルデヒドが生じるのを抑制することが可能になり、形成された成形体中のアセトアルデヒドの含有量を抑えることができる。
例えば、前記樹脂材料で形成する成形体は、容器やシート材等に限らず、また成形方法もダイレクトブロー成形、熱成形、押出成形あるいは圧縮成形など、樹脂材料に熱分解が生じる程度の熱履歴が付与される工程を経て形成するものであれば、その適用対象は特に限定されるものではない。
実施例、比較例および従来例は、ポリエチレンテレフタレートを基材樹脂とし、射出成形によって成形されたプリフォームを二軸延伸成形ブロー成形することにより形成された重量26gのボトル(成形体)を対象として行った。
また、前記基材樹脂としてポリ乳酸を採用する場合には、前述と同様の成形方法によって形成された重量24.2gのボトル(成形体)を対象として行った。
第1実施例では、前記基材樹脂としてポリエチレンテレフタレートを採用し、前記化合物として含水結晶トレハロースに乾燥処理を施したトレハロース(以下、乾燥トレハロースとする)(水分含有率:300ppm)を採用するとともに、その添加量を異ならせた2種類の樹脂材料を用意した。
第2実施例では、前記基材樹脂としてポリエチレンテレフタレートを採用し、前記化合物として含水結晶トレハロース(水分含有率:2000ppm)を採用するとともに、その添加量を異ならせた3種類の樹脂材料を用意した。
第3実施例では、前記基材樹脂としてポリ乳酸(水分含有率:300ppm)を採用し、前記化合物として含水結晶トレハロース(水分含有率:2000ppm)を採用するとともに、その添加量を異ならせた2種類の樹脂材料を用意した。
比較例では、前記基材樹脂としてポリエチレンテレフタレートを採用し、前記化合物に代えて基材樹脂に水を添加した樹脂材料を採用するとともに、水の添加量を異ならせた3種類の樹脂材料を用意した。
第1従来例では、前記基材樹脂としてポリエチレンテレフタレートを採用し、前記化合物および水のいずれも添加しないこの基材樹脂のみからなる樹脂材料を用意した。そして、この樹脂材料で形成された前述のボトルにおける含有水分量は0.0013gであった。
ここで、上記の第1実施例、第2実施例、比較例および第1従来例に採用したポリエチレンテレフタレートは、水分含有率を50ppmに調整した。
第2従来例では、前記基材樹脂としてポリ乳酸を採用し、前記化合物および水のいずれも添加しないこの基材樹脂のみからなる樹脂材料を用意した。そして、この樹脂材料により形成した前述のボトルにおける含有水分量は0.0073gであった。
第1実施例の結果を表1に、第2実施例の結果を表2に、第3実施例の結果を表3に、比較例の結果を表4にそれぞれ示す。
なお、第1従来例では、成形体中に含まれるアセトアルデヒドの濃度が7.08μg/lであり、第2従来例では、成形体中に含まれるアセトアルデヒドの濃度が15.06μg/lであった。
また、第1実施例の成形体中に含まれる水分量が、第1従来例の成形体と同等であるにもかかわらず、第1実施例の成形体中に含まれるアセトアルデヒドの濃度を、第1従来例の成形体中に含まれるアセトアルデヒドの濃度よりも低減できることが確認される。これにより、基材樹脂に水を添加するのに代えてトレハロースを添加することによって、アセトアルデヒドの発生を抑えられることが確認される。
さらに、第1実施例と第2実施例とを比べると、第2実施例の方が前記アセトアルデヒドの濃度を大きく低下できることが確認される。
さらにまた、第3実施例および従来例2から、基材樹脂がポリ乳酸の場合にもこの基材樹脂に前記化合物としてトレハロースを添加すれば、アセトアルデヒドの含有濃度を低減できることが確認される。
Claims (2)
- 熱分解によりアセトアルデヒドを生じる基材樹脂に、熱分解によりアセトアルデヒドを生じない化合物が添加され、
前記基材樹脂はポリエステル系樹脂であり、前記化合物は含水結晶トレハロースであることを特徴とする樹脂材料。 - 樹脂材料を少なくとも射出成形することにより成形体を形成する成形体の製造方法であって、
請求項1に記載の樹脂材料を用いて射出成形することを特徴とする成形体の製造方法。
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