JP5139986B2 - ポリイミド系樹脂組成物及びその製造方法、ならびに金属積層体 - Google Patents

ポリイミド系樹脂組成物及びその製造方法、ならびに金属積層体 Download PDF

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Description

本発明は、ポリイミド系樹脂組成物およびその製造方法、ならびに該樹脂組成物からなる樹脂層を有する金属積層体に関する。
ポリイミドは耐熱性、耐薬品性、機械的強度、電気特性などに優れていることから航空機の構造材やケーブル被覆材料などに用いられており、更にはフレキシブルプリント基板や半導体パッケージなどに代表される電子分野で用いられる耐熱性接着剤としても多く適用されている。
また、ポリイミド系接着剤を樹脂層とする金属積層体から、電気回路を作製することがある。そしてこのポリイミド金属積層体に半田を用いてチップや電子部品を実装したり、リペアと呼ばれるチップや電子部品を取り外したりすることがある。近年環境保全の観点から、チップや電子部品の実装に鉛フリー半田が用いられるようになってきているため、ますます優れた「半田耐熱性」が求められている。
また、リジットフレックスやフレキシブル多層基板と称される用途では、従来要求されていた半田耐熱温度では信頼性が不足することが指摘されており、より高温の耐熱性が望まれている。
ポリイミド系接着剤を樹脂層とする金属積層体をチップ・オン・フィルム(以下「COF」と略記することがある)として用いる場合に、チップと金属配線との接合は、インナーリードボンダやフリップチップボンダを使用して、Au−Au接合またはAu−Sn接合により行う。Au−Au接合またはAu−Sn接合は、300℃以上の高温条件が必要をするため、COFに用いる場合でも半田耐熱性に優れる基材が望まれている。
さらに近年のポリイミド系耐熱性接着剤には、加工特性の面から、耐熱特性に加えて低温接着性が要求されるようになってきた。しかし従来の特定のポリアミド酸を含む樹脂組成物による接着には、300℃以上の接着温度を要することもあり、低温接着性という観点からは未だ不十分なものも多い。
このように、ポリイミド系接着剤には耐熱性の向上と低温接着性の向上の両立が求められている。十分な接着強度と耐熱性を有するポリイミド系耐熱性接着剤として、特定のポリアミド酸とビスマレイミドとで構成される樹脂組成物が開発されている(例えば、特許文献1〜4を参照)。
一方、ポリイミド系接着剤を樹脂層とする金属積層体から電気回路を作製する場合には、レーザー加工によりスルーホール形成(ビア加工)を行うことがある。スルーホール形成では一般的に、レーザー加工により除去しきれなかった樹脂層(「スミア」ともいう)を、アルカリ性溶液にて除去するための処理(「デスミア処理」ともいう)が行なわれる。生産性の観点から、スミアは速やかに除去される(デスミア速度が速い)ことが好ましく、すなわちアルカリ性溶液に対する溶解性が高いポリイミド系接着剤が望まれている。ところが、低温接着性を向上させたポリイミド系接着剤は、デスミア速度が遅くなりやすい。
また、十分な低温接着性を有するポリイミド系耐熱性接着剤として、ビスマレイミド化合物とポリアミド酸から構成される樹脂組成物が報告されている(特許文献5を参照)。ところが、ビスマレイミドを含む樹脂組成物を、金属積層体の樹脂層に用いた場合は、製造条件により揮発物質(ビスマレイミド)が発生して、生産上問題がある場合があった。また、樹脂組成物を塗工したり、ラミネートしたりするときに、揮発物質が生産設備に影響を与えることがあった。
特開平1−289862号公報 特開平6−145638号公報 特開平6−192639号公報 特開平2−274762号公報 特開2004−209962号公報
本発明の目的は、ポリイミド系樹脂組成物の低温接着性(比較的低温の条件で熱圧着加工が可能であること)を維持しながら、デスミア性を高める(デスミア速度が速くする)ことである。また本発明の目的は、低温接着性を維持しながら、加工時における揮発物質の発生を抑制して、加工容易性に優れたポリイミド系樹脂組成物を提供することである。
さらに本発明の樹脂組成物を用いて、フレキシブルプリント基板などとして好ましく適用される金属積層体を提供する。
本発明の第1は、以下に示すポリイミド系樹脂組成物に関する。
[1]下記一般式(1−1)で表される繰り返し単位、および一般式(1−2)で表される繰り返し単位を含むポリイミド樹脂、ならびに下記一般式(2)で表されるイミドオリゴマーを含有する、ポリイミド系樹脂組成物。
[式(1−1)および(1−2)において、AおよびAはそれぞれ下記式(a1)または(a2)であり、互いに同一であっても異なっていてもよく、BおよびBはそれぞれ下記式(b1)または(b2)であり、互いに同一であっても異なっていてもよい]
[式(2)において、Aは、下記式(c1)〜(c4)のいずれかであり、Bは、下記式(d1)〜(d4)のいずれかであり、Zは、下記式(e1)または(e2)であり、lは1〜5の整数である]
[式(c1)〜(c4)において、X7〜12は、直結、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−C(CH−、−C(CF−、−SO−、−NHCO−からなる群から選択され、互いに同一であっても異なっていてもよい]
[式(d1)〜(d4)において、Y7〜12は、直結、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−C(CH−、−C(CF−、−SO−、−NHCO−からなる群から選択され、互いに同一であっても異なっていてもよい]
[式(e1)または(e2)において、R1〜4は、水素原子、ハロゲン原子、および炭素数1〜3のアルキル基からなる群から選択され、互いに同一であっても異なっていてもよく、Rは、−O−、−S−、−CH−、−C(CH−、−CO−、または−COO−である]
[2]前記一般式(1−1)におけるA、および一般式(1−2)におけるAのいずれか一方が(a1)であり、もう一方が(a2)である、[1]に記載のポリイミド系樹脂組成物。[3] 前記一般式(2)におけるlが1である、[1]または[2]に記載のポリイミド系樹脂組成物。[4]前記ポリイミド樹脂100重量部に対して、5重量部以上100重量部以下の前記一般式(2)で表されるイミドオリゴマーを含有する、[1]〜[3]のいずれかに記載のポリイミド系樹脂組成物。[5]ガラス転移温度が100℃以上300℃以下の範囲である、請求項1に記載のポリイミド系樹脂組成物。[6]前記一般式(2)において、Aは、下記式(c5)または(c6)であり、Bは、下記式(d1)、および(d5)〜(d10)からなる群から選択され、Zが、(e3)または(e4)であり、lが1〜5の整数である、[1]〜[5]のいずれかに記載のポリイミド系樹脂組成物。
[RおよびRは、前記式(e2)と同様に定義される]
[7]下記一般式(3−1)で表される繰り返し単位、および下記一般式(3−2)で表される繰り返し単位とを含むポリアミド酸、一般式(2)で表されるイミドオリゴマー、ならびに必要に応じて溶媒を含む、混合物。
[式(3−1)および(3−2)において、AおよびAはそれぞれ前記式(a1)または(a2)であり、互いに同一であっても異なっていてもよく、BおよびBはそれぞれ前記式(b1)または(b2)であり、互いに同一であっても異なっていてもよい]
[式(2)において、Aは、前記式(c1)〜(c4)のいずれかであり、Bは、前記式(d1)〜(d4)のいずれかであり、Zは、前記式(e1)または(e2)であり、lは1〜5の整数である]
[8][7]に記載の混合物を加熱して、イミド化反応させるステップを含む、ポリイミド系樹脂硬化物の製造方法。
その他、本発明は以下に示される部材に関する。[9] [1]〜[6]のいずれかに記載のポリイミド系樹脂組成物の硬化物を含むフィルム。[10]金属層と樹脂層からなる金属積層体であって、前記樹脂層の少なくとも一層は、[1]〜[6]のいずれかに記載のポリイミド系樹脂組成物の硬化物からなる金属積層体。[11]ポリイミドフィルム、前記ポリイミドフィルムの片面もしくは両面に形成されたポリイミド層、前記ポリイミド層の一方または両方に積層された金属層を有し、
前記金属層に接するポリイミド層が、[1]〜[6]のいずれかに記載のポリイミド系樹脂組成物の硬化物からなる樹脂層である金属積層体。[12]樹脂フィルム、および前記樹脂フィルムの片面又は両面に積層された、[1]〜[6]のいずれかに記載のポリイミド系樹脂組成物の硬化物からなる樹脂層を有する接着シート。
本発明のポリイミド系樹脂組成物は、低温接着性に優れていながら、デスミア性が高く(デスミア速度が速く)、かつ加工における揮発物質の発生が抑制されている。
また本発明のポリイミド系樹脂組成物により、金属層と樹脂層とを接着させて金属積層体を製造することができるが、その接着において高い加工温度を用いる必要がないので金属層とポリイミド界面にボイドが残存しにくい。そのため、金属層と樹脂層との高い接着強度を有する金属積層体を得ることができる。得られる金属積層体はフレキシブルプリント基板などとして好適に用いることができる。
得られる金属積層体や、金属積層体の前駆体である接着シート(金属層がない状態のシート)は半田耐熱性に優れているため、使用温度条件が厳しいLSIチップや部品実装工程及び、それらリペア工程においても膨れが発生しにくい。
1.ポリイミド系樹脂組成物
本発明のポリイミド系樹脂組成物は、ポリイミド樹脂、およびイミドオリゴマーを含有することを特徴とする。
ポリイミド樹脂
ポリイミド系樹脂組成物に含まれるポリイミド樹脂は、下記一般式(1−1)に示される繰り返し単位と一般式(1−2)に示される繰り返し単位とを含むか;または、イミド化されることにより、下記一般式(1−1)に示される繰り返し単位と一般式(1−2)に示される繰り返し単位を生成する前駆体(つまり、ポリアミド酸)であってもよい。
式(1−1)におけるA、および式(1−2)におけるAは、トリフェニレンエーテル構造を有し、下記式(a1)または(a2)で示される。
およびAは互いに同一でも異なっていてもよいが、好ましくは、AおよびAの一方が(a1)であって、もう一方が(a2)である。AおよびAのいずれもが(a1)であると、デスミア速度が遅くなることがある。一方、AおよびAのいずれもが(a2)であると、ピール強度や低温接着性が下がることがある。AおよびAが、(a1)と(a2)の組み合わせであるときは、デスミア速度と低温接着性(ガラス転移温度)とのバランスをとるため、ポリイミドに含まれる(a1)と(a2)の個数比率が8:2〜5:5であることが好ましく、より好ましくは7:3である。
また式(1)におけるBおよびBは、下記式(b1)または(b2)で示される。BおよびBのうちのいずれか一方または両方が(b1)であることが好ましい。BおよびBが式(b1)と(b2)の組み合わせであると、樹脂組成物のデスミア速度が向上するが、一方、(b2)の比率が高すぎると、加湿環境下での半田耐熱性が悪化することがある。
本発明のポリイミド系樹脂組成物に含まれるポリイミド樹脂は、前述の式(1−1)および式(1−2)で示される繰り返し単位を含むが、その他の繰り返し単位を含んでいてもよい。
ポリイミド系樹脂組成物に含まれるポリイミド樹脂の分子量は特に限定されず、後述の通り、モノマー成分(ジアミンおよびテトラカルボン酸二無水物)の分子量と、そのモル比によって調整される。
ポリイミド樹脂の製造
ポリイミド系樹脂組成物に含まれるポリイミド樹脂は、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとを含む原料から製造されることが好ましい。
ポリイミド樹脂の原料には、テトラカルボン酸二無水物である3,3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)、またはビス(3,4-ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物(DSDA)を含むことが好ましい。
さらにポリイミド樹脂の原料には、1または2種以上の他のテトラカルボン酸二無水物が含まれていてもよい。それらを共重合化させることによって、本発明の効果を損なわないようにポリイミド樹脂の性能の改良や改質を行うことができる。
他のテトラカルボン酸二無水物の例には、ピロメリット酸二無水物、3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)スルフィド二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン二無水物、1,3-ビス(3,4-ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、1,4-ビス(3,4-ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、1,4-ビス(3,4-ジカルボキシフェノキシ)ビフェニル二無水物、2,2-ビス〔(3,4-ジカルボキシフェノキシ)フェニル〕プロパン二無水物などが含まれる。
さらに他のテトラカルボン酸二無水物の例には、エチレンテトラカルボン酸二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,1-ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,2-ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,2,5,6-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10-ペリレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7-アントラセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,7,8-フェナントレンテトラカルボン酸二無水物などが含まれる。これらテトラカルボン酸二無水物は単独または2種以上を組み合わせて用いることもできる。
さらに、他のテトラカルボン酸二無水物は、上に例示されたテトラカルボン酸二無水物の芳香環上の水素原子の一部または全てを、フルオロ基またはトリフルオロメチル基で置換したテトラカルボン酸二無水物であってもよい。
ポリイミド樹脂の原料には、ジアミンである1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン(APB)、または1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン(APB-R)を含むことが好ましく、いずれをも含むことがより好ましい。
ポリイミド樹脂の原料には、他のジアミンが含まれていてもよい。他のジアミンは、芳香族ジアミンであってもよく、脂肪族ジアミンであってもよい。
芳香族ジアミンの例には、m-フェニレンジアミン、o-フェニレンジアミン、p-フェニレンジアミン、3,3'-ジアミノジフェニルエーテル、3,4'-ジアミノジフェニルエーテル、4,4'-ジアミノジフェニルエーテル、3,3'-ジアミノジフェニルスルフィド、3,4'-ジアミノジフェニルスルフィド、4,4'-ジアミノジフェニルスルフィド、3,3'-ジアミノジフェニルスルホン、3,4'-ジアミノジフェニルスルホン、4,4'-ジアミノジフェニルスルホン、3,3'-ジアミノベンゾフェノン、3,3'-ジアミノジフェニルメタン、3,4'-ジアミノジフェニルメタン、4,4'-ジアミノジフェニルメタン、2,2-ビス(3-アミノフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-アミノフェニル)プロパン、2,2-ビス(3-アミノフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス(4-アミノフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン、3,3'-ジアミノジフェニルスルホキシド、3,4'-ジアミノジフェニルスルホキシド、4,4'-ジアミノジフェニルスルホキシド、1,3-ビス(3-アミノフェニル)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェニル)ベンゼン、1,4-ビス(3-アミノフェニル)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノフェニル)ベンゼン、1,4-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(3-アミノフェニルスルフィド)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェニルスルフィド)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノフェニルスルフィド)ベンゼン、1,3-ビス(3-アミノフェニルスルホン)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェニルスルホン)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノフェニルスルホン)ベンゼン、1,3-ビス(3-アミノベンジル)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノベンジル)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノベンジル)ベンゼン、1,3-ビス(3-アミノ-4-フェノキシベンゾイル)ベンゼン、3,3'-ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、3,3'-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4'-ビス(3-アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4'-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス〔3-(3-アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔3-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔4-(3-アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔4-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔3-(3-アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔3-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔4-(3-アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔4-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔3-(3-アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔3-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔4-(3-アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔4-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔3-(3-アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔3-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4-(3-アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔3-(3-アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、ビス〔3-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、ビス〔4-(3-アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、ビス〔4-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、2,2-ビス〔3-(3-アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2-ビス〔3-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2-ビス〔4-(3-アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2-ビス〔4-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2-ビス〔3-(3-アミノフェノキシ)フェニル〕-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス〔3-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス〔4-(3-アミノフェノキシ)フェニル〕-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス〔4-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパンなどが含まれる。これらの芳香族ジアミンは、一種又は複数種を組み合わせて用いてもよい。
ポリイミド樹脂の原料には、脂肪族ジアミンが含まれていてもよい。脂肪族ジアミンは性能の改良や改質を行なうために用いられる。脂肪族ジアミンの例には、1,3-ビス(3-アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、1,3-ビス(4-アミノブチル)テトラメチルジシロキサン、α,ω-ビス(3-アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン、α,ω-ビス(3-アミノブチル)ポリジメチルシロキサン、ビス(アミノメチル)エーテル、1,2-ビス(アミノメトキシ)エタン、ビス[(2-アミノメトキシ)エチル]エーテル、1,2-ビス[(2-アミノメトキシ)エトキシ]エタン、ビス(2-アミノエチル)エーテル、1,2-ビス(2-アミノエトキシ)エタン、ビス[2-(2-アミノエトキシ)エチル]エーテル、ビス[2-(2-アミノエトキシ)エトキシ]エタン、ビス(3-アミノプロピル)エーテル、エチレングリコールビス(3-アミノプロピル)エーテル、ジエチレングリコールビス(3-アミノプロピル)エーテル、トリエチレングリコールビス(3-アミノプロピル)エーテル、エチレンジアミン、1,3-ジアミノプロパン、1,4-ジアミノブタン、1,5-ジアミノペンタン、1,6-ジアミノヘキサン、1,7-ジアミノヘプタン、1,8-ジアミノオクタン、1,9-ジアミノノナン、1,10-ジアミノデカン、1,11-ジアミノウンデカン、1,12-ジアミノドデカン、1,2-ジアミノシクロヘキサン、1,3-ジアミノシクロヘキサン、1,4-ジアミノシクロヘキサン、1,2-ジ(2-アミノエチル)シクロヘキサン、1,3-ジ(2-アミノエチル)シクロヘキサン、1,4-ジ(2-アミノエチル)シクロヘキサン、ビス(4-アミノシクロヘキシル)メタン、2,6-ビス(アミノメチル)ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン、2,5-ビス(アミノメチル)ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタンなどが含まれる。これらジアミンは単独または2種以上を組み合わせて用いることもできる。
本発明のポリイミド系樹脂組成物に含まれるポリイミド樹脂の分子量(重合度)は、通常の重縮合系ポリマーの分子量と同様に、モノマー成分のモル比を調節することにより制御されうる。つまりポリイミド樹脂の原料は、ジアミン1モルに対して、0.900モル〜0.999モルのテトラカルボン酸二無水物を含むことが好ましく、0.92〜0.995モルのテトラカルボン酸二無水物を含むことがより好ましく、0.95〜0.995モルのテトラカルボン酸二無水物を含むことが更に好ましく、0.97〜0.995モルのテトラカルボン酸二無水物を含むことがより更に好ましい。
ポリイミド樹脂の原料(ジアミンとテトラカルボン酸二無水物を含むモノマー原料)は、いったんポリアミド酸(ポリイミド前駆体)とされ、その後にポリイミドとされることが好ましい。モノマー原料をポリアミド酸とするには、モノマー原料を溶媒に加えて加熱すればよい。
ポリイミド樹脂のモノマー原料を加える溶媒は、特に制限はないが、好ましくは非プロトン性極性溶媒であり、更に好ましくは非プロトン性アミド系溶媒である。具体的には、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジエチルアセトアミド、N,N-ジメチルメトキシアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノンなどが例示できる。
さらに、ポリイミド樹脂のモノマー原料を加える溶媒には、更に以下に示す溶媒を共存させてもよい。共存できる有機溶媒の例には、ベンゼン、トルエン、o-キシレン、m-キシレン、p-キシレン、o-クロロトルエン、m-クロロトルエン、p-クロロトルエン、o-ブロモトルエン、m-ブロモトルエン、p-ブロモトルエン、クロロベンゼン、ブロモベンゼンなどが含まれる。これらの有機溶媒は単独でもまたは2種以上を混合して用いてもよい。
ポリイミド前駆体として製造されるポリアミド酸はワニスとして用いられる。ポリイミド前駆体の対数粘度ηinhは、0.2dl/g〜2.0dl/gであることが好ましく、0.3〜1.0dl/gであることがより好ましく、0.4〜0.9dl/gであることが更に好ましい。ポリイミド前駆体の対数粘度は、ポリイミド前駆体の固形分をN,N-ジメチルアセトアミドに0.5g/dlの濃度で溶解して得た溶液の、35℃での粘度である。
ポリイミド前駆体の対数粘度を上記の範囲とすると、前駆体から得られる樹脂硬化物が丈夫となり、フィルムや金属積層体を形成することが容易となる。また、フィルムや金属積層体を製造する際の塗工工程において、膜厚が均一になりやすく好ましい。
イミドオリゴマー
ポリイミド系樹脂組成物に含まれるイミドオリゴマーは、式(2)に示される構造を有する。式(2)におけるlは1〜5である。式(2)におけるlが1であると、イミドオリゴマーの可塑剤としての効果がより高まり、その結果、ポリイミド系樹脂組成物の低温接着性がより高まる。
式(2)におけるAは、下記式(c1)〜(c4)のいずれかで示される構造を有する。さらに式(2)におけるAは、好ましくは下記式(c5)または(c6)で示される構造を有する。式(c1)〜(c4)において、X7〜12は、直結、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−C(CH−、−C(CF−、−SO−、−NHCO−からなる群から選択され、互いに同一であっても異なっていてもよい。X7〜12は、ベンゼン環を構成するいずれかの炭素に結合している。同様に、式(c5)または(c6)における酸素原子は、ベンゼン環を構成するいずれかの炭素に結合している。例えば、式(2)におけるAは、式(C7)または式(C8)に示される構造を有する。
式(2)におけるBは、下記式(d1)〜(d4)のいずれかで示される構造を有する。さらに式(2)におけるBは、式(d1)または(d5)〜(d10)のいずれかで示される構造を有することが好ましい。Bの構造は、溶剤溶解性とコストの観点などから選択すればよい。式(d1)〜(d4)において、Y7〜12は、直結、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−C(CH−、−C(CF−、−SO−、−NHCO−からなる群から選択され、互いに同一であっても異なっていてもよい。Y7〜12は、ベンゼン環を構成する炭素原子のいずれかに結合している。またY7〜12が、−COO−または−NHCO−である場合は、その結合の向きはいずれでもよい。
式(2)におけるZは、下記式(e1)または(e2)で示されるが、さらに下記式(e3)または(e4)で示されることがより好ましい。式(e1)、式(e2)または式(e4)において、R1〜4は水素原子、ハロゲン原子、および炭素数1〜3のアルキル基からなる群から選択され、互いに同一であっても異なっていてもよい。式(e4)において、RおよびRは、好ましくは水素原子である。またRは、−O−、−S−、−CH−、−C(CH−、−CO−、または−COO−である。Rが−COO−である場合には、その結合の向きはいずれでもよい。
本発明のポリイミド系樹脂組成物に含まれるイミドオリゴマーは、1000以上5000以下の重量平均分子量(Mwともいう)を有することが好ましい。イミドオリゴマーの重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィにより測定される(測定条件、検出器; RI, 展開溶媒;テトラヒドロフラン, 流速; 1ml/min, カラム温度; 40℃)。
イミドオリゴマーの重量平均分子量がこの範囲であると、樹脂組成物を加熱したときの蒸発量が低減され、また可塑化の効果が低下することもなく好ましい。さらに蒸発量抑制と可塑性向上のバランスの観点から、重量平均分子量Mwは1000以上4000以下であることが好ましく、1000以上3500以下であることが更に好ましく、1500以上3500以下であることがより更に好ましい。
イミドオリゴマーの製法
本発明のポリイミド系樹脂組成物に含まれるイミドオリゴマーは、任意の方法で製造されうるが、例えばテトラカルボン酸酸二無水物、ジアミンおよびジカルボン酸無水物、ならびに必要に応じて溶媒を含む原料を、イミド化反応させて製造される。原料に含まれる各成分(テトラカルボン酸酸二無水物、ジアミンおよびジカルボン酸無水物)のモル比を制御することにより、好ましいイミドオリゴマーが得られる(後述)。
イミドオリゴマーの原料に含まれるテトラカルボン酸二無水物の例には、ピロメリット酸二無水物、3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)スルフィド二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン二無水物、1,3-ビス(3,4-ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、1,4-ビス(3,4-ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、1,4-ビス(3,4-ジカルボキシフェノキシ)ビフェニル二無水物、2,2-ビス〔(3,4-ジカルボキシフェノキシ)フェニル〕プロパン二無水物などが含まれる。イミドオリゴマーの原料に含まれるテトラカルボン酸二無水物は、1または2種以上である。
イミドオリゴマーの原料に含まれるジアミンの例には、m-フェニレンジアミン、o-フェニレンジアミン、p-フェニレンジアミン、3,3'-ジアミノジフェニルエーテル、3,4'-ジアミノジフェニルエーテル、4,4'-ジアミノジフェニルエーテル、3,3'-ジアミノジフェニルスルフィド、3,4'-ジアミノジフェニルスルフィド、4,4'-ジアミノジフェニルスルフィド、3,3'-ジアミノジフェニルスルホン、3,4'-ジアミノジフェニルスルホン、4,4'-ジアミノジフェニルスルホン、3,3'-ジアミノベンゾフェノン、3,3'-ジアミノジフェニルメタン、3,4'-ジアミノジフェニルメタン、4,4'-ジアミノジフェニルメタン、2,2-ビス(3-アミノフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-アミノフェニル)プロパン、2,2-ビス(3-アミノフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス(4-アミノフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン、3,3'-ジアミノジフェニルスルホキシド、3,4'-ジアミノジフェニルスルホキシド、4,4'-ジアミノジフェニルスルホキシド、1,3-ビス(3-アミノフェニル)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェニル)ベンゼン、1,4-ビス(3-アミノフェニル)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノフェニル)ベンゼン、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(3-アミノフェニルスルフィド)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェニルスルフィド)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノフェニルスルフィド)ベンゼン、1,3-ビス(3-アミノフェニルスルホン)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェニルスルホン)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノフェニルスルホン)ベンゼン、1,3-ビス(3-アミノベンジル)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノベンジル)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノベンジル)ベンゼン、1,3-ビス(3-アミノ-4-フェノキシベンゾイル)ベンゼン、3,3'-ビス(3-アミノフェノキシ)ビフェニル、3,3'-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4'-ビス(3-アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4'-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス〔3-(3-アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔3-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔4-(3-アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔4-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔3-(3-アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔3-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔4-(3-アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔4-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔3-(3-アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔3-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔4-(3-アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔4-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔3-(3-アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔3-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4-(3-アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔3-(3-アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、ビス〔3-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、ビス〔4-(3-アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、ビス〔4-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、2,2-ビス〔3-(3-アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2-ビス〔3-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2-ビス〔4-(3-アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2-ビス〔4-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2-ビス〔3-(3-アミノフェノキシ)フェニル〕-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス〔3-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス〔4-(3-アミノフェノキシ)フェニル〕-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス〔4-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパンなどが含まれる。イミドオリゴマーの原料に含まれるジアミンは1または2種以上である。
イミドオリゴマーの原料に含まれるジカルボン酸無水物の例には、無水マレイン酸、無水ナディック酸などが含まれる。あるいは、4-(2-フェニルエチニル)無水フタル酸や、4-(2-エチニル)無水フタル酸などの、三量化してベンゼン環を形成する化合物であってもよい。
イミドオリゴマーの原料に含まれる溶媒は有機溶媒であることが好ましく、有機溶媒の例には、フェノール、o-クロロフェノール、m-クロロフェノール、p-クロロフェノール、o-クレゾール、m-クレゾール、p-クレゾール、2,3-キシレノール、2,4-キシレノール、2,5-キシレール、2,6-キシレノール、3,4-キシレノール、3,5-キシレノール、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジエチルアセトアミド、N,N-ジメチルメトキシアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、N-メチルカプロラクタム、1,2-ジメトキシエタン、ビス(2-メトキシエチル)エーテル、1,2-ビス(2-メトキシエトキシ)エタン、ビス〔2-(2-メトキシエトキシ)エチル〕エーテル、テトラヒドロフラン、1,3-ジオキサン、1,4-ジオキサン、ピリジン、ピコリン、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルアミド、アニソールなどが含まれる。これらの有機溶媒は単独でもまたは2種以上混合して用いてもよい。
イミドオリゴマーの原料には、さらに以下に示す溶媒が共存してもよい。共存できる有機溶媒の例には、ベンゼン、トルエン、o-キシレン、m-キシレン、p-キシレン、o-クロロトルエン、m-クロロトルエン、p-クロロトルエン、o-ブロモトルエン、m-ブロモトルエン、p-ブロモトルエン、クロロベンゼン、ブロモベンゼンなどが含まれる。
イミドオリゴマーの原料には、イミド化反応(後述)の速度を高めるための触媒、例えば有機塩基触媒が含まれていてもよい。有機塩基触媒の例には、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、N,N-ジメチルアニリン、N,N-ジエチルアニリン、ピリジン、α-ピコリン、β-ピコリン、γ-ピコリン、2,4-ルチジン、2,6-ルチジン、キノリン、イソキノリンなどが含まれるが、好ましくはピリジン、γ-ピコリンである。
イミドオリゴマーの原料における触媒の含有量は、重合反応速度が実質的に向上すればよく特に制限はないが、例えばテトラカルボン酸二無水物1モルに対して、0.001〜0.5モルである。
イミドオリゴマーを製造する手順としては、(1)ジアミンとテトラカルボン酸二無水物を反応させた後、ジカルボン酸無水物を添加して反応を続けるか、(2)ジアミンとジカルボン酸無水物を加えて反応させた後、テトラカルボン酸二無水物成分を添加して反応を続けるか、(3)ジアミン化合物、テトラカルボン酸二無水物およびジカルボン酸無水物を同時に添加して反応させる、手順などが挙げられるが、いずれの手順としてもよい。
イミド化反応の例には、熱イミド化、化学イミド化、直接熱イミド化が含まれる。
熱イミド化とは、前述の原料を100℃以下の低温、具体的には−20〜70℃、好ましくは0〜60℃で反応させてイミドオリゴマー前駆体を合成し、ついで100〜200℃に温度を上げてイミド化することによりイミドオリゴマーを得る方法である。化学イミド化とは、前記イミドオリゴマー前駆体を、無水酢酸などのイミド化剤を用いて化学的にイミド化を行う方法である。
一方、直接熱イミド化とは、ジアミン、テトラカルボン酸二無水物およびジカルボン酸無水物を混合した後、有機塩基および/または共沸脱水用溶媒の存在下または不存在下で、速やかに昇温することで、反応系中で生成したイミドオリゴマー前駆体をそのままイミド化する方法である。
イミド化の反応時間は、使用するモノマーの種類、溶剤の種類、有機塩基触媒の種類、共沸脱水用溶媒の種類、量及び反応温度により異なるが、目安としては1〜24時間であり、通常は数時間である。
直接熱イミド化の場合は、目安として、留出する水がほぼ理論量に達する(通常は全てが回収されるわけではないので50〜90%の回収率である)まで反応させるが、通常は約数時間の反応時間が必要である。この場合、イミド化によって生じる水を、トルエンなどの共沸剤で除去する方法が一般的であって、かつ有効である。
イミド化の反応圧力は、特に制限されないが、通常は大気圧でよい。イミド化反応は、通常、空気、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン雰囲気下で行われ、好ましくは不活性気体である窒素やアルゴン雰囲気下で行われるが、特に制限されない。
イミドオリゴマーの原料に含まれるモノマー成分の濃度(重合濃度)は、特に制限されるものではないが、約10〜60wt%が一般的である。10wt%未満の場合は、極端に長い反応時間が必要になる場合があり、また60wt%を超える場合には、原料が溶解しにくくなり、反応効率が悪くなるおそれがある。好ましくは20〜50wt%、更に好ましくは30〜40wt%の重合濃度である。
イミドオリゴマーの分子量は、通常の重縮合系ポリマーの分子量の場合と同様に、原料に含まれるモノマー成分のモル比を調節することによって制御されうる。イミドオリゴマーの原料には、ジアミン1モルに対して、0.50〜0.80モルのテトラカルボン酸二無水物が含まれることが重要であり、より好ましくは0.50〜0.70モル、さらに好ましくは0.50〜0.65モル、よりさらに好ましくは0.50〜0.60モルのテトラカルボン酸二無水物が含まれる。モノマー成分の比率を適宜制御して製造することにより、前述の通り好ましい分子量を有するイミドオリゴマーを製造することができる。
ジアミン1モルに対するテトラカルボン酸二無水物が0.5モル未満であると、ジアミンとジカルボン酸無水物からなるビスイミドが多量に生成し、加熱時の蒸発量が多くなり好ましくない。一方、0.80モルを超えると分子量増加により、例えば可塑剤として用いる場合の可塑化効果が低下するため好ましくない。
また、イミドオリゴマーの原料に含まれるジカルボン酸無水物のモル数M5は、テトラカルボン酸二無水物のモル数M3、およびジアミンのモル数M4と、以下の数式の関係を満たすことが重要である。
(M4−M3)×2×1.0 ≦ M5 ≦ (M4−M3)×2×2.2
好ましくは、(M4−M3)×2×1.0≦M5≦(M4−M3)×2×2.0の関係を満たし、更に好ましくは、(M4−M3)×2×1.0≦M5≦(M4−M3)×2×1.5の関係を満たし、より更に好ましくは(M4−M3)×2×1.0≦M5≦(M4−M3)×2×1.2の関係を満たす。
(M4−M3)×2×1.0>M5であると、生成するイミドオリゴマーにアミノ基が残留して、加熱時に着色し、外観上好ましくない。一方、(M4−M3)×2×2.2<M5であると、ジアミンとジカルボン酸無水物からなるビスイミドが多量に生成して、加熱時の蒸発量が多くなり、好ましくない。
ポリイミド系樹脂組成物
本発明のポリイミド系樹脂組成物は、前記一般式(1−1)に示される繰り返し単位と一般式(1−2)に示される繰り返し単位とを含むポリイミド樹脂、および前記一般式(2)で示されるイミドオリゴマーを含むことを特徴とする。またポリイミド樹脂は、硬化後の樹脂であっても、硬化されると一般式(1−1)に示される繰り返し単位と一般式(1−2)に示される繰り返し単位を生成する樹脂(ポリアミド酸)であってもよい。
ポリイミド系樹脂組成物には、前記ポリイミド樹脂100重量部に対して、前記一般式(2)で表されるイミドオリゴマーを5重量部以上100重量部以下含有することが好ましく、10重量部以上90重量部以下含有することがより好ましく、20重量部以上80重量部以下であることが更に好ましい。
ポリイミド樹脂と、イミドオリゴマーの比率が前記範囲内にあると、ポリイミド系樹脂組成物のガラス転移温度が十分低くなり、低温接着性を必要とする金属積層体に用いる場合に特に有用である。さらに、ポリイミド系樹脂組成物を硬化してフィルムや層とした場合に、それらの脆さが低減されて好ましい。
本発明のポリイミド系樹脂組成物を硬化して、フレキシブル回路基板用の積層体や接着シートの樹脂層として用いる場合には、ポリイミド系樹脂組成物のガラス転移温度を100℃以上300℃以下の範囲とすることが好ましい。さらに、低温条件下での接着を実現するという観点から、100〜240℃であることが好ましく、100〜200℃であることがより好ましい。
本発明のポリイミド系樹脂組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で他の任意の熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂などを含みうる。
任意の熱可塑性樹脂の例には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリブタジエン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ABS樹脂、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンオキシド、ポリカーボネート、PTFE、セルロイド、ポリアリレート、ポリエーテルニトリル、ポリアミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、変性ポリフェニレンオキシドおよびポリイミドなどが含まれる。
任意の熱硬化性樹脂の例には、熱硬化性ポリブタジエン、ホルムアルデヒド樹脂、アミノ樹脂、ポリウレタン、シリコン樹脂、SBR、NBR、不飽和ポリエステル、エポキシ樹脂、ポリシアネート、フェノール樹脂およびポリビスマレイミドなどが含まれる。
目的に応じて、1種もしくは2種以上の熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂を、適当量ブレンド化またはアロイ化して、ポリイミド系樹脂組成物に含有させることができる。それらの方法は特に限定されず公知の方法が適用できる。
ポリイミド系樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、各種の充填剤もしくは添加剤を混合してもよい。充填剤もしくは添加剤の例には、グラファイト、カーボランダム、ケイ石粉、二硫化モリブデン、フッ素系樹脂などの耐摩耗性向上剤;三酸化アンチモン、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウムなどの難燃性向上剤;クレー、マイカなどの電気的特性向上剤;アスベスト、シリカ、グラファイトなどの耐トラッキング向上剤;硫酸バリウム、シリカ、メタケイ酸カルシウムなどの耐酸性向上剤;鉄粉、亜鉛粉、アルミニウム粉、銅粉などの熱伝導度向上剤;その他ガラスビーズ、ガラス球、タルク、ケイ藻土、アルミナ、シラスバルン、水和アルミナ、金属酸化物、着色料および顔料などが含まれる。混合方法は特に限定されず公知の方法が適用できる。
本発明のポリイミド系樹脂組成物は、前記一般式(3−1)で示される繰り返し単位、および前記一般式(3−2)で示される繰り返し単位を含むポリアミド酸(ポリイミド前駆体)と、前記一般式(2)で示されるイミドオリゴマーとを含有する溶液の、ポリアミド酸をイミド化させ、かつイミドオリゴマーを反応させることにより得ることもできる。イミドオリゴマーは、末端の二重結合同士が重合して不可逆的に高分子化する。イミドオリゴマーの重合体は、IRで二重結合の存在を確認することで検出することができる。
特に、ポリアミド酸(ポリイミド前駆体)とイミドオリゴマーを含有する溶液の塗布膜を加熱乾燥するなどして、溶媒を除去し、かつイミド化反応させて硬化することにより、フィルムまたは層状のポリイミド系樹脂硬化物を得ることができる。
ポリアミド酸とイミドオリゴマーとを含有する溶液の溶媒は、特に限定はされないが、非プロトン性極性溶媒であることが好ましい。更に好ましくは非プロトン性アミド系溶媒であり、具体的には、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジエチルアセトアミド、N,N-ジメチルメトキシアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノンなどが例示できる。
ポリアミド酸とイミドオリゴマーとを含有する溶液の粘度は特に制限はない。例えば、E型粘度計を用いて25℃において測定した粘度が100〜20000mPa・Sの範囲であると、当該溶液を塗布しようとしたときに塗布厚さを制御しやすい。
ポリアミド酸とイミドオリゴマーとを含有する溶液を熱処理すると、ポリアミド酸のイミド化やイミドオリゴマー同士の反応が生じて、ポリイミド系樹脂硬化物となる。熱処理における圧力は、通常大気圧で十分であるが、加圧下でも行なうことができる。熱処理雰囲気は、特に制限されるものではないが、通常、空気、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴンであり、好ましくは不活性気体である窒素やアルゴンである。
またポリアミド酸とイミドオリゴマーとを含有する溶液には、熱処理で進行する架橋反応を促進させたり、抑制させたり、その反応速度を制御する目的で、触媒などの添加物を加えてもよい。触媒の例には、ガリウム、ゲルマニウム、インジウム又は鉛を含有する金属触媒;モリブデン、マンガン、ニッケル、カドミウム、コバルト、クロム、鉄、銅、錫又は白金などを含む遷移金属触媒;およびリン化合物、珪素化合物、窒素化合物又は硫黄化合物などが含まれる。
またポリアミド酸とイミドオリゴマーとを含有する溶液には、同様の目的で、赤外線、紫外線やα,β及びγ線などの放射線、電子線及びX線の照射、更には、プラズマ処理やドーピング処理を施すこともできる。
本発明のポリイミド系樹脂組成物はフィルムとされていてもよい。フィルムとするには、ポリアミド酸とイミドオリゴマーとを含有する溶液を基材に塗工して、得られた塗膜を脱溶媒化およびイミド化反応させて硬化した後、基材から剥離すればよい。基材の例には、金属箔やガラスなどの無機基板、またはポリマーフィルムなどが含まれる。また、基材への塗工はコーターなどを用いて行えばよい。塗工厚は、ポリアミド酸とイミドオリゴマーとを含有する溶液の固形分濃度に影響されるが、脱溶媒化およびイミド化反応後(つまり「硬化後」)のポリイミド系樹脂硬化物のフィルムの厚みが1mm以下となるようにすることが好ましい。
脱溶媒化およびイミド化(つまり「硬化」)の方法に特に制限はないが、減圧下で、または窒素、ヘリウム、アルゴンなどの不活性雰囲気下で行えばよい。また、使用する溶媒の沸点以上かつイミド化反応が進行する温度以上にすればよく、例えば非プロトン系アミド溶媒を用いた場合には200℃以上であればよい。脱溶媒およびイミド化に要する時間は特に制限はないが、通常2時間以上あれば十分である。
2.金属積層体
本発明の金属積層体は、金属層と樹脂層とを含む。金属積層体には1層または2層以上の樹脂層が含まれているが、そのうちの一層以上の樹脂層が本発明のポリイミド系樹脂組成物の硬化物(「樹脂硬化物」ともいう)からなる。好ましくは、金属積層体はポリイミドフィルムと、該ポリイミドフィルムの片面もしくは両面に形成されたポリイミド層と、さらに該ポリイミド層のいずれかまたは両方に積層された金属層とを有し、金属層に接するポリイミド層が前述の本発明のポリイミド系樹脂組成物の硬化物からなる。
樹脂層
前記の通り、本発明の金属積層体は、1層または2層以上のポリイミド樹脂層を含むが、そのうちの1層以上の樹脂層が本発明のポリイミド系樹脂組成物の硬化物からなる。2層以上のポリイミド樹脂層を含む場合には、隣接する層が互いに成分が異なるポリイミドからなることが好ましい。ポリイミドの成分が異なるとは、モノマー単位の種類および/または含有量が異なることをいう。また、単層のポリイミド層または多層のポリイミド層を構成する層の少なくとも1つは、2種以上の異なるポリイミドからなる組成物(混合物)から形成されていてもよい。
つまり金属積層体を構成するポリイミド層が単層である場合、その層は本発明のポリイミド系樹脂組成物の硬化物からなる。一方、金属積層体を構成するポリイミド層が多層である場合には、ポリイミドフィルムの片面もしくは両面に形成された多層ポリイミド層のうち、金属層に接するポリイミド層を本発明のポリイミド系樹脂組成物の硬化物からなる層とすることが好ましい。金属層との密着性を高めるためである。金属層に接するポリイミド層の厚さは0.1μm以上20μm以下、好ましくは0.1μm以上10μm以下、より好ましくは0.1μm以上5μm以下である。
また金属積層体を構成するポリイミド層(単層または多層)の総厚さが厚くなりすぎると、剛性が強くなるために折り曲げなどが必要な用途には使用できなくなり、薄すぎると絶縁性やハンドリングの面で使用できなくなるといった制約を受ける。
したがって金属積層体に含まれるポリイミド層の厚さの合計は、3μm以上75μm以下であることが好ましく、10μm以上45μm以下であることがより好ましい。ポリイミド層の厚さが上記範囲内にあると、金属積層体は、絶縁性、柔軟性、作業性に優れ、かつコストが安価である傾向がある。
ポリイミドフィルム
前記の通り金属積層体は、ポリイミドフィルムと、ポリイミドフィルムの片面もしくは両面に形成されたポリイミド層、該ポリイミド層のいずれかまたは両方に積層された金属層を有しうる。その金属積層体に含まれるポリイミドフィルムは、非熱可塑性ポリイミドの前駆体ワニスを塗布乾燥して得られるフィルムであってもよく、市販の非熱可塑性ポリイミドフィルムであってもよい。市販の非熱可塑性ポリイミドフィルムの例には、ユーピレックスS、ユーピレックスSGA、ユーピレックスSN(宇部興産株式会社製、登録商標/商品名)、カプトンH、カプトンV、カプトンEN(東レ・デュポン株式会社製、登録商標/商品名)、アピカルAH、アピカルNPI、アピカルHP(株式会社カネカ製、登録商標/商品名)などが含まれる。
金属積層体に含まれる前記ポリイミドフィルムを、市販の非熱可塑性ポリイミドフィルムとする場合には、その厚さは通常3μm以上75μm以下、好ましくは7.5μm以上40μm以下の範囲である。また前記ポリイミドフィルムを、非熱可塑性ポリイミドの前駆体ワニスを塗布乾燥させて形成する場合には、その厚さは0.1μm以上40μm以下、好ましくは0.5μm以上25μm以下、より好ましくは0.5μm以上16μm以下である。
金属層
金属積層体に含まれる金属層は特に限定されないが、銅および銅合金、ステンレス鋼およびその合金、ニッケルおよびニッケル合金(42合金も含む)、アルミニウムおよびアルミニウム合金などから選ばれる金属の層であり、好ましくは銅または銅合金の層、ステンレス層である。金属層は、金属箔を樹脂層にはり合わせて形成してもよく、スパッタ法などで樹脂に成膜してもよく、公知の手段を用いて形成することができる。金属層は、本発明のポリイミド系樹脂組成物からなる樹脂層に接していることが好ましい。
金属積層体に含まれる金属層の厚みは、テープとして金属積層体を使用することができる厚みであれば特に制限はなく、通常0.1μm以上150μm以下であり、好ましくは2μm以上150μm以下であり、更に好ましくは3μm以上50μm以下であり、さらに好ましくは3μm以上35μm以下、最も好ましくは3μm以上12μm以下の範囲である。
金属積層体の製法
本発明の金属積層体は、本発明の効果を損なわない限り、公知の金属積層体の製法を適宜参照して製造可能であり特に制限されない。例えば以下のような方法で製造することができる。(1)単層または多層のポリイミドフィルムと金属箔とを、加熱圧着する方法。(2)ポリイミド系樹脂組成物のワニスを、金属箔に塗布した後、乾燥する方法。(3)下記積層体(i)または積層体(ii)と、下記積層体(i)または積層体(ii)とを金属層が最外層となるように積層する(樹脂層同士を接して重ね合わせて積層する)方法。
積層体(i): 単層または多層のポリイミドフィルムと金属箔とを、加熱圧着して得られる一方の面のみに金属層を有する積層体。
積層体(ii): ポリイミド系樹脂組成物のワニスを金属箔に塗布した後、乾燥して得られる一方の面のみに金属層を有する積層体。
金属積層体の製造に用いられる金属箔は、特に制限されず公知のものが使用可能である。金属箔の材質の例には、銅および銅合金、ステンレス鋼およびその合金、ニッケルおよびニッケル合金(42合金も含む)、アルミニウムおよびアルミニウム合金などが含まれ、好ましくは銅もしくは銅合金、またはステンレスである。金属箔の厚みは、テープ状で使用できる厚みであれば特に制限はないが、通常0.1μm以上150μm以下、好ましくは2μm以上150μm以下であり、さらには3μm以上50μm以下であり、さらに好ましくは3μm以上35μm以下、最も好ましくは3μm以上12μm以下の範囲である。金属積層体を製造する際に、金属箔が圧着されるポリイミド層の表面はプラズマ処理またはコロナ放電処理などを施されていてもよい。
本発明の金属積層体を製造する際の加熱圧着は、オイルなどを熱媒とした加熱や誘電加熱により熱せられた金属ロールや、金属ロール表面をゴムなどでライニングしたロール間でラミネートする方法や、熱プレスによる方法などで行えばよい。前者は連続したロール品の製造に適しており、後者はカットシート状の枚葉品の製造に適しているので、適宜用途に応じて利用可能である。
また加熱圧着は、空気、窒素、アルゴンなどのガス雰囲気下で行えばよい。加熱温度は、熱可塑ポリイミドのガラス転移温度以上の温度、好ましくはガラス転移温度よりも約20℃以上高い温度とすることが必要で、通常100〜400℃、好ましくは150〜300℃の間で行えばよい。また、加熱時間は0.01秒以上15時間以下であることが好ましく、加熱圧力は0.1〜30MPaの範囲であればよく、通常0.5〜10MPaである。
また加熱圧着後に、金属積層体の密着力をさらに向上させる目的で、オートクレーブなどを利用して後処理してもよい。後処理は以下のような条件で行われる。後処理温度は通常150〜400℃、好ましくは200〜350℃であり、処理時間は1分〜50時間、圧力は常圧〜3MPaの範囲とする。オートクレーブ装置内は、真空、窒素またはアルゴンなどの不活性ガスで置換することにより、金属箔の酸化を防止することが好ましい。
本発明の金属積層体の製造方法において、金属箔にポリイミド系樹脂組成物のワニス(ポリアミド酸とイミドオリゴマーを含む溶液)を塗布する場合には、ロールコーター、ダイコーター、グラビアコーター、ディップコーター、スプレーコーター、コンマコーター、カーテンコーター、バーコーターなど一般的な塗布装置を利用して塗布可能であり、ワニスの粘度や塗布厚さに応じて適宜選択できる。
塗布されたポリイミド系樹脂組成物のワニスの乾燥は、電気による加熱やオイル加熱した熱風や赤外線などを熱源としたロールサポート、エアーフロート方式の乾燥炉などを適宜利用して行うことができる。樹脂の変質や、金属箔の酸化による変色を防止する目的で、必要に応じて、乾燥雰囲気を、空気以外に窒素、アルゴンまたは水素などのガスで置換してもよい。
塗布されたポリイミド系樹脂組成物のワニスの乾燥は60〜600℃の温度範囲で、好ましくは段階的に温度を上昇させて行うことが好ましい。乾燥中に塗膜から発泡したり、乾燥後の膜表面に凹凸が生じたりすることを防止し、膜厚が均一で、さらに寸法安定性にも優れる樹脂膜が得られるので、絶縁層の膜形成にとって好ましい。乾燥時間は0.05〜500分程度で適宜選択すればよい。
接着シート
本発明の接着シートは、樹脂フィルムと、そのフィルムの片面または両面に形成された本発明の樹脂組成物の硬化物からなる樹脂層を有する。樹脂フィルムとは、公知の樹脂フィルムが例示でき、特に種類は限定されないが、好ましくは前述のポリイミドフィルムが例示できる。該樹脂フィルムの片面または両面に樹脂層を形成する方法についても、特に限定されないが、好ましくは、前述の金属積層体の製造方法で示したように、ポリイミド系樹脂組成物のワニスを塗布および乾燥することで形成できる。
以下、本発明を実施例および比較例により更に詳細に説明する。本発明の範囲はこれによって何ら限定して解釈されない。
実施例および比較例において、各物性は下記の方法によって測定した。
ポリアミド酸の評価
1)対数粘度(ηinh):ポリアミド酸ワニスを、N,N-ジメチルアセトアミド溶媒中に添加して、固形分濃度を0.5g/dlに調整した後、35℃に設定した恒温槽内で測定した。
2)E型粘度:E型粘度計(RC−105A、東機産業株式会社)を用いて、25℃一定の条件で、3°コーンローターで測定した。
イミドオリゴマーの評価
1)対数粘度(ηinh):イミドオリゴマーをN,N-ジメチルアセトアミド溶媒中に添加して、イミドオリゴマー固形分濃度を0.5g/dlに調整した。その溶液を35℃に調整して対数粘度を測定した。
2)分子量(重量平均分子量Mw,数平均分子量Mn):Shodex社製GPCsystem−21Hシリーズ(検出器;RI,展開溶媒;テトラヒドロフラン,流速;1ml/min,カラム温度;40℃)を用いて測定した。
3)ガラス転移温度(Tg):島津製作所(株)社製熱分析装置DSC60シリーズを用いて窒素雰囲気下にて測定した。
ポリイミド系樹脂組成物の評価
1)ガラス転移温度(Tg):島津製作所株式会社社製 熱分析装置DSC60シリーズを用いて窒素雰囲気下にて測定した。
2)デスミア速度:ポリアミド酸溶液をガラス板上に塗工、窒素雰囲気下にて300℃で4時間加熱してポリイミドフィルムを作製した。6×2cmの大きさのサンプルを切り出し、測定用サンプルとした。エッチング液は、マキュタイザー9275(日本マクダーミッド社製)50g、マキュタイザー9276(日本マクダーミッド社製)50mlおよびイオン交換水を全体で1Lとなるよう混合して調製した。サンプルをエッチング液に15分間浸漬した後、水洗、乾燥し、浸漬前後の重量変化から算出した。
3)揮発性:ポリアミド酸ワニスにイミドオリゴマーをポリアミド酸固形分100重量部に対し、33重量部添加して溶液を調製、ガラス基板上にキャストした。窒素雰囲気下240℃にて15分間加熱して得られたフィルムを剥離し、5cm角に切り出した。このフィルムをシャーレに入れて、窒素雰囲気下、280℃にて30分間加熱、室温まで冷却した。シャーレ上蓋に付着した析出物の量を目視観察して、○(析出物なし)、△(わずかに析出物あり)、×(ほぼ全面に析出物あり)の基準で評価した。
金属積層体の評価
1)ピール強度:JIS C−6471に準拠して測定した。金属箔の流れ方向に対して平行に長さ50mm、幅1mmの試料を準備して、23℃、相対湿度50%の環境下で、金属箔を90度の角度になるように絶縁層から剥離速度50mm/minで剥離し、その応力を測定した。
2)半田耐熱温度:IPC―TM―650(The institute for Interconnecting and Packaging Electronic Circuits)No.2.4.13に準拠して測定した。240℃から340℃の間で10℃おきに、膨れや金属とポリイミド界面の変色が発生しない最高温度を半田耐熱温度とした。試料は85℃、相対湿度85%の環境下に48時間保存したものを使用した。
化学構造の確認は、日本電子社製核磁気共鳴(NMR)装置EX400を用いて行った。
実施例または比較例で用いた溶剤、ジアミン、テトラカルボン酸二無水物、ジカルボン酸無水物の略称は、以下の通りである。
1)溶剤:
DMAc:N,N-ジメチルアセトアミド
2)ジアミン:
APB:1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、
APB-R:1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、
m-BP:4,4'-ビス(3-アミノフェノキシ)ビフェニル、
3)テトラカルボン酸二無水物
BTDA:3,3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、
DSDA:ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、
ODPA:ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、
BPDA:3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、
PMDA:ピロメリット酸二無水物、
4)ジカルボン酸無水物:
MA:無水マレイン酸
NDA:無水ナディック酸
[合成例1−1]
ポリアミド酸ワニスの合成
撹拌機および窒素導入管を備えた容器に、溶媒としてDMAc(991g)を装入後、これにAPB(146.25g)、APB-R(61.39g)を装入して、溶解するまで室温にて撹拌した。次に、BTDA(219.92g)を装入し、50℃において6時間撹拌して、ポリアミド酸ワニスを得た。
得られたポリアミド酸ワニスのポリアミド酸固形分の含有率は30wt%であり、対数粘度は0.61dl/g、25℃でのE型粘度は13000mPa・Sであった。
[合成例1−2〜1−15]
テトラカルボン酸二無水物、ジアミンの種類、およびモル比を表1に示したものに変更した以外は、合成例1と同様にポリアミド酸ワニスを合成した。結果を合成例1と合わせて表1に示す。
[合成例2−1]
イミドオリゴマーの合成
撹拌機、窒素導入管、ディーンスターク、冷却器および温度計を備えたフラスコにAPB(29.23g,0.10mol)、ODPA(15.51g,0.05mol)、無水マレイン酸(以下MA)(11.77g,0.12mol)、および溶媒としてDMAc(132g)、脱水共沸溶媒としてトルエン(42g)を装入した。その後、この溶液を撹拌し、窒素ガスを通じながら130〜135℃まで加熱した。内温が130℃付近に到達すると共に、トルエンと水の蒸発が生じた。それらの一部を冷却器にて凝縮して、ディーンスタークにて水とトルエンを分離した後、トルエンのみ系内に還流し、一部を流通する窒素ガスとともに冷却管上部から系外へ留去した。
7時間反応を行なった後、反応容器を冷却し、重合反応を停止した。反応混合物をメタノールへ装入してイミドオリゴマーを析出させた後、メタノールにて洗浄した。その後、窒素流通下、90℃で12時間乾燥して39.59gのイミドオリゴマーを得た(収率78%)。得られたイミドオリゴマーの対数粘度ηinhは0.07dl/g、GPC測定による数平均分子量(以下Mn)は2100、重量平均分子量(以下Mw)は3100、分子量分布の指標となる多分散度Mw/Mnは1.5であった。
得られたイミドオリゴマーの構造確認のため、NMR、FD−MS測定より目的の構造を有するイミドオリゴマーの生成を確認した。このイミドオリゴマーのDSC測定によるTgは118℃であった。このイミドオリゴマーをDMAcに濃度40wt%にて室温にて混合したところ、速やかに溶解した。
[合成例2−2〜2−7]
テトラカルボン酸二無水物、ジアミンの種類を表2に示したものに変更した以外は、合成例16と同様にイミドオリゴマーの合成、評価を行なった。結果を合成例2−1とまとめて表2に示す。
[合成例2−8]
撹拌機、窒素導入管、ディーンスターク、冷却器および温度計を備えたフラスコにAPB(29.23g,0.10mol)、ODPA(15.51g,0.05mol)、NDA(9.85g,0.06mol)、および溶媒としてDMAc(163g)を装入した。
得られた溶液を撹拌し、窒素ガスを通じながら160℃まで加熱した。内温が160℃付近に到達するとともに、少量のDMAcと水の蒸発が生じた。それらの一部を冷却器にて凝縮してディーンスタークより抜き出し、一部は流通する窒素ガスとともに冷却管上部から系外へ留去した。2時間後、NDA(9.85g,0.06mol)を反応器内に装入し、更に4時間加熱した。その後、反応容器を冷却し、重合反応を停止した。
反応混合物をメタノールへ装入して、イミドオリゴマーを析出させ、メタノールにて洗浄した。洗浄物を、窒素流通下、90℃で12時間乾燥して41.81gのイミドオリゴマーを得た(収率73%)。得られたイミドオリゴマーの対数粘度ηinhは0.07dl/g、GPC測定による数平均分子量Mnは1500、重量平均分子量Mwは2100、分子量分布の指標となる多分散度Mw/Mnは1.4であった。
イミドオリゴマーの構造確認のため、NMR、FD−MS測定より目的の構造を有するイミドオリゴマーの生成を確認した。イミドオリゴマーのDSC測定によるTgは120℃であった。このイミドオリゴマーをDMAcに濃度40wt%にて室温にて混合したところ、速やかに溶解した。
[合成例2−9〜2−14]
テトラカルボン酸二無水物、ジアミンの種類を表2に示したものに変更した以外は、合成例2−6と同様に、イミドオリゴマーの合成、評価を行なった。結果をまとめて表2に示す。
[合成例2−15および2−16]
ビスイミドの合成
特開平4−99764号公報に記載の方法にて合成し、評価を行なった。結果をまとめて表2に示す。
[実施例1]
撹拌機、窒素導入管および温度計を備えたフラスコに、合成例1−1で得られたポリアミド酸ワニスと、合成例2−1で得られたイミドオリゴマーを加えて、ポリアミド酸ワニス中のポリアミド酸固形分100重量部に対してイミドオリゴマー33重量部とした。
40℃まで加熱・混合して、DMAcを装入して、E型粘度計における粘度が100〜1000の淡褐色透明な溶液を得た。得られた溶液をキャストして得たフィルムのTgは177℃であった。また、前述の手順に従って測定したデスミア速度は2ug/cm/min、揮発性試験の評価は○であった。
次に、市販のポリイミド樹脂フィルム(東レ・デュポン(株)製、商品名:カプトン100EN)の両面に、上記溶液をロールコーターにより塗布し、70℃で5分、100℃で2分、140℃で2分、180℃で2分、220℃で10分乾燥を行い、乾燥後の厚さを4μmとした。このようにして、樹脂フィルム両面にポリイミド系樹脂硬化物層が積層されたポリイミド絶縁フィルムを得た。
得られたポリイミド絶縁フィルムのポリイミド系樹脂硬化物層に、銅箔(古河サーキットフォイル(株)製、商品名:F1−WS、厚さ9μm)を直接重ねて、シリコンゴムで覆われたロールラミネーターにより、240℃で圧力1.4MPaの条件ではり合わせた。その後、温度320℃、窒素雰囲気下のバッチ式オートクレーブにて4時間アニールを行い、ポリイミド金属積層体を得た。ポリイミド金属積層体のピール強度は1.0kN/m、ハンダ耐熱温度は340℃であった。
[実施例2〜29]
ポリアミド酸ワニス、イミドオリゴマーの種類を表3Aまたは表3Bに示したように変更した以外は、実施例1と同様にポリイミド系樹脂組成物を合成および評価し、さらにポリイミド金属積層体を作製および評価した。結果を表3Aまたは表3Bに示す。
[比較例1]
イミドオリゴマーを用いなかった以外は、実施例1と同様にポリイミド系樹脂組成物を合成および評価して、さらにポリイミド金属積層体を作製および評価した。結果を表3Aに示す。
[比較例2および3]
ポリアミド酸ワニス、架橋性基含有添加剤であるビスイミドの種類を表3Bに示したものに変更した以外は、実施例1と同様にポリイミド系樹脂組成物を合成および評価し、さらにポリイミド金属積層体を作製および評価した。結果を表3Bに示す。
表3に示されたように、イミドオリゴマーを含まない樹脂組成物(比較例1)を用いて製造した金属積層体は、ピール強度が劣ることがわかる。よって、接着剤としての性能が十分でない場合がある。
また、イミドオリゴマーの代わりにビスイミドを含む樹脂組成物(比較例2および3)は、揮発性試験の評価結果に劣り、高温度環境に曝されると組成物の一部(ビスイミドと考えられる)が昇華することがわかる。
一方、実施例1〜14に示されたように、合成例1−1〜1−14で得られたポリアミド酸ワニスのいずれかと、イミドオリゴマーとを含む樹脂組成物は揮発性試験評価が高く、それを用いて製造した金属積層体のピール強度も十分である。また実施例15および16に示されたように、ポリアミド酸固形分とイミドオリゴマーの量比にかかわらず、本発明の樹脂組成物は優れた部性を示すが、ポリアミド酸固形分の量比が高すぎる(イミドオリゴマーが少なすぎる)とピール強度が劣ることがあり、イミドオリゴマーの量比が高すぎると揮発性試験の評価が下がることがある。
また、実施例17〜29に示されたように、ポリアミド酸と、合成例2−2〜2−14で得られたイミドオリゴマーのいずれかとを含む樹脂組成物も揮発性試験評価が高く、それを用いて製造した金属積層体のピール強度も十分である。
本発明のポリイミド系樹脂組成物は、耐熱性フィルム、フレキシブルプリント基板および半導体パッケージなどに用いることができる。
本出願は、2006年9月11日出願の出願番号JP2006−244946(特願2006−244946)に基づく優先権を主張する。当該出願明細書および図面に記載された内容の全ては、本願明細書に援用される。

Claims (10)

  1. 下記一般式(1−1)で表される繰り返し単位、および一般式(1−2)で表される繰り返し単位を含むポリイミド樹脂、ならびに
    前記ポリイミド樹脂100重量部に対して20〜100重量部の下記一般式(2)で表されるイミドオリゴマーを含有する、ポリイミド系樹脂組成物。
    [式(1−1)および(1−2)において、
    およびA のいずれか一方が下記式(a1)であり、もう一方が下記式(a2)であり、かつ前記ポリイミド樹脂に含まれる(a1)と(a2)の個数比率が8:2〜5:5であり
    およびBはそれぞれ下記式(b1)または(b2)であり、互いに同一であっても異なっていてもよい]
    [式(2)において、
    は、下記式(c1)〜(c4)のいずれかであり、
    は、下記式(d1)〜(d4)のいずれかであり、
    Zは、下記式(e1)または(e2)であり、
    lは1〜5の整数である]
    [式(c1)〜(c4)において、X7〜12は、直結、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−C(CH−、−C(CF−、−SO−、−NHCO−からなる群から選択され、互いに同一であっても異なっていてもよい]
    [式(d1)〜(d4)において、Y7〜12は、直結、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−C(CH−、−C(CF−、−SO−、−NHCO−からなる群から選択され、互いに同一であっても異なっていてもよい]
    [式(e1)または(e2)において、
    1〜4は、水素原子、ハロゲン原子、および炭素数1〜3のアルキル基からなる群から選択され、互いに同一であっても異なっていてもよく、
    は、−O−、−S−、−CH−、−C(CH−、−CO−、または−COO−である]
  2. 前記一般式(2)におけるlが1である、請求項1に記載のポリイミド系樹脂組成物。
  3. ガラス転移温度が100℃以上300℃以下の範囲である、請求項1または2に記載のポリイミド系樹脂組成物。
  4. 前記一般式(2)において、
    は、下記式(c5)または(c6)であり、
    は、下記式(d1)、および(d5)〜(d10)からなる群から選択され、
    Zが、(e3)または(e4)であり、
    lが1〜5の整数である、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリイミド系樹脂組成物。
    [RおよびRは、前記式(e2)と同様に定義される]
  5. 下記一般式(3−1)で表される繰り返し単位、および下記一般式(3−2)で表される繰り返し単位とを含むポリアミド酸、
    前記ポリイミド樹脂100重量部に対して20〜100重量部の一般式(2)で表されるイミドオリゴマー、ならびに
    必要に応じて溶媒を含む、混合物。
    [式(3−1)および(3−2)において、
    およびA のいずれか一方が下記式(a1)であり、もう一方が下記式(a2)であり、かつ前記ポリイミド樹脂に含まれる(a1)と(a2)の個数比率が8:2〜5:5であり
    およびBはそれぞれ下記式(b1)または(b2)であり、互いに同一であっても異なっていてもよい]
    [式(2)において、
    は、下記式(c1)〜(c4)のいずれかであり、
    は、下記式(d1)〜(d4)のいずれかであり、
    Zは、下記式(e1)または(e2)であり、
    lは1〜5の整数である]
    [式(c1)〜(c4)において、X7〜12は、直結、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−C(CH−、−C(CF−、−SO−、−NHCO−からなる群から選択され、互いに同一であっても異なっていてもよい]
    [式(d1)〜(d4)において、Y7〜12は、直結、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−C(CH−、−C(CF−、−SO−、−NHCO−からなる群から選択され、互いに同一であっても異なっていてもよい]
    [式(e1)または(e2)において、
    1〜4は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜3のアルキル基からなる群から選択され、互いに同一であっても異なっていてもよく、
    は、−O−、−S−、−CH−、−C(CH−、−CO−、または−COO−である]
  6. 請求項に記載の混合物を加熱して、イミド化反応させるステップを含む、ポリイミド系樹脂硬化物の製造方法。
  7. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリイミド系樹脂組成物の硬化物または請求項5に記載の混合物の硬化物を含むフィルム。
  8. 金属層と樹脂層からなる金属積層体であって、
    前記樹脂層の少なくとも一層は、請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリイミド系樹脂組成物の硬化物または請求項5に記載の混合物の硬化物からなる金属積層体。
  9. ポリイミドフィルム、前記ポリイミドフィルムの片面もしくは両面に形成されたポリイミド層、前記ポリイミド層の一方または両方に積層された金属層を有し、
    前記金属層に接するポリイミド層が、請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリイミド系樹脂組成物の硬化物または請求項5に記載の混合物の硬化物からなる樹脂層である金属積層体。
  10. 樹脂フィルム、および前記樹脂フィルムの片面又は両面に積層された請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリイミド系樹脂組成物の硬化物または請求項5に記載の混合物の硬化物からなる樹脂層を有する接着シート。
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