JP5257724B2 - 記録体親液処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、印刷機,プリンタ等の画像形成装置に用いられる記録体親液処理装置、より詳細には、画像形成前に記録体の記録面を親液状態とした後、残留液体を除去するための記録体親液処理装置に関する。
本発明に使用する記録体とは、特開平3−178478号公報(記録方法)に記載されている記録体であって、画像形成装置に用いられて、濡れ性の変化を利用して画像を形成するものである。この記録体を印刷用の版材として使用する場合に適する記録方法として、予め記録体全面を加熱した状態で液体と接触し、冷却後に該液体を除去することで記録体全面を親液状態とし、画像記録に際しては、非画像部を大気中で画像データに応じて加熱することで撥液性に変化させ、記録面に液体状のインクが付着する部分と弾く部分を形成するという記録方法を本出願人は提案した。この記録方法では、記録体を画像書きこみ可能な状態とするには、記録体全面の親液処理をいかに効率良く行うかが重要となる。そこで、本出願人は、当該記録体の親液処理装置に関する発明として、特開平8−276663号公報に示される親液処理装置を提案した。
特開平8−276663号公報においては、記録体の特性に応じた親液方法については詳細に記載されているが、親液処理時に用いた液体の除去方法については詳細に記載されていない。親液処理後、記録体全面は親液状態となっているため、親液処理に用いた親液処理液又は親液処理後の記録体を洗浄した洗浄液等の残留液体が記録体の記録面に付着している。例えば、この記録体を印刷用の版材として利用する場合、親液処理後に記録体はロール状に巻き取る必要があるが、液が付着したまま、記録体をロール状に巻き取ると、長期的に残留液体と記録体が接触することになり、記録面の性能が劣化する恐れがある。このため、記録体を親液処理後にロール状に巻き取る前に、残留液体を除去しておく必要が有る。しかし、従来技術では、この問題に対する詳細な解決方法が示されていない。
発明が解決しようとする課題
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述のような記録体の親液処理に際して、撥水状態(初期状態)にある記録体の表面を、連続的且つ確実に親液状態とした後、該記録体の記録面に付着した液体を除去する記録体親液処理装置を提供することを目的としてなされたものである。
課題を解決するための手段
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、含フッ素アクリレート共重合体を50%含有する樹脂混合層を記録層として形成した記録体に、液体に対して後退接触角を低下させる処理を施す記録体親液処理装置において、90℃に加熱された親液処理液のポリエチレングリコールに前記記録体を接触させる新液処理手段と、前記ポリエチレングリコールが表面に設けられた記録体を20℃の水で洗浄する洗浄手段と、前記洗浄後に、化学的に不活性な窒素ガスを前記記録体の記録面に非接触状態で噴射して、前記ポリエチレングリコールと前記水を除去する除去手段とを有することを特徴とするものである。よって、消費電力を抑え、かつ短時間に乾燥でき、生産コストを抑え、かつ生産性を向上させることができる。
以下、本発明の実施形態を記録体親液処理装置を示す図1〜図12の実施例に基づいて説明する。
1は、本発明に係る記録体親液処理装置の一実施例を説明するための要部概略図である。記録体10はロール状をなし、記録体供給ロール11より供給され、矢印にて示すような経路を通り、即ち、恒温槽20内の加熱された親液処理液、洗浄用水槽30内の洗浄液、記録面残留液体除去手段である除去ブレード1を経て、記録体巻取ロール12に巻き取られる。図1に示す恒温槽20には、図示しない加熱装置により親液加熱臨界温度以上に加熱された親液処理液が満たされており、記録体10が親液処理液中を通過することにより、親液処理される。このとき、恒温槽20中の親液処理液体は、親液加熱臨界温度にて沸騰せず、かつ、記録体10の表面を破壊,変質しないものであれば如何なる液体でもよく、例として、極性液体では、水,グリセリン,ポリエチレングリコール等が挙げられ、無極性液体としては、炭素数8以上のn−アルカンが適する。
恒温槽20により親液処理された記録体10の表面には、親液処理に用いた親液処理液が残留している可能性があり、親液処理液が水以外である場合、洗浄用液槽30の中において、例えば、水のごとき液体にて洗浄除去される。洗浄用液槽30には、撥液加熱臨界温度以下の液温の洗浄液が満たされており、洗浄と同時に記録体10の冷却も行われる。洗浄用液槽30から取り出した記録体10の表面は親液状態にあるため、洗浄に用いた洗浄液が残留している可能性が高い。洗浄液が水のような場合、そのまま自然乾燥して除去することができるが、残留量が多いと乾燥時間が長くなり、装置全体の親液処理効率を下げてしまう。そこで、記録面残留液体除去手段を設けることで、その場で完全に乾燥させるか、残留量を下げることで乾燥時間を短縮することが可能となる。図1においては、記録面残留液体除去手段として除去ブレード1が示されている。これにより記録体巻取り時においては洗浄液が残留することはなく、記録体10の表面汚染による画像品質の低下は発生しない。
図1に示された除去ブレード1の材質としては、記録体10の表面を変質,破壊しなければ、アルミニウム,ステンレス等金属材料のみならず、アクリル,テフロン(登録商標)等樹脂材料等あるいはそれらの複合材料等、如何なるものでも構わない。
図2は、本発明に係る記録体親液処理装置の他の実施例を示す要部概略図で、図中、図1と同様の作用をする部分には、図1と同じ番号が付してある。図2においては、図1に示した記録体親液処理装置に設けられていた洗浄手段が設けられていない。これは、親液処理液の種類(例えば、水やトリデカンなど)によっては、親液処理後の親液処理液の洗浄は必ずしも必要ではなく、親液処理時に使用した親液処理液が除去ブレード1により除去される構成であればよいからである。
3は、本発明に係る記録体親液処理装置の一実施例を説明するための要部概略図で、図中、図1と同様の作用をする部分には、図1と同じ番号が付してある。図3においては、記録面残留液体除去手段として弾性多孔質体(フォーム材)2が設けられている。記録面残留液体除去手段としてはこれに限るものではなく、記録体の記録面を変質,破壊することなく、且つ、残留液体に対して膨潤する性質を有するのであれば如何なるものでも構わない。例えば、不織布のごとく繊維を複雑にからめた部材や吸水性樹脂や吸油性樹脂のごとく、樹脂マトリックス中に液体をトラップする部材でも良い。なお、弾性多孔質体(フォーム材)2としては、樹脂フォーム材、例えば、ウレタンフォーム材やポリビニルアルコールフォーム材,メラミン樹脂フォーム材等が適する。不織布としては、ポリエステルやアクリル系の繊維を固めた部材が適する。吸水性樹脂としては、ポリアクリル酸の架橋タイプやポリビニルアルコールの架橋タイプが適する。なお、図2に示すような、洗浄手段が設けられていない記録体親液処理装置に、図3に示すフォーム材2を適用した構成としてもよい。
記録面残留液体除去手段が硬質な材料により構成されている場合、記録体の記録面の鉛筆硬度はH以下であるため、残留液体除去の際に、擦りにより記録体の記録面が破壊される可能性がある。これに対して、図3に示す弾性フォーム材や不織布のごとく液体に対して膨潤を示す材料は、一般に柔らかい材料であり、弱い接触圧力にてニップがかせげるため、記録体の記録面の破壊を防ぐことができる。
4は、本発明に係る記録体親液処理装置の一実施例を説明するための要部概略図で、図中、図1と同様の作用をする部分には、図1と同じ番号が付してある。図4においては、記録面残留液体除去手段としてフォーム材ローラ3を備えている。残留液体の除去手段としてはこれに限るものではなく、記録体の記録面を変質,破壊することなく、且つ、残留液体に対して膨潤する性質を有するローラ状部材であれば如何なるものでも構わない。なお、図2に示すような、洗浄手段が設けられていない記録体親液処理装置に、図4に示すフォーム材ローラ3を適用した構成としてもよい。
図1〜図3に示された記録面残留液体除去手段は、何れも記録体の記録面と摺動する構成であるため、摩擦の影響により記録体の記録面が破壊される可能性が否定できない。そこで、図4の如く、記録面残留液体除去手段をローラ状の残留液体に対して膨潤する性質を有するフォーム材(フォーム材ローラ)3とすることにより、記録体の記録面との摩擦を低減し、記録体の記録面破壊による画像劣化を抑制することができる。この場合、フォーム材ローラ3は、記録体10の移動と同じ方向に回転させることが望ましく、更に、記録体10とフォーム材ローラ3の周速度に差がないほうが望ましい。
なお、ローラ径は、記録体の移動速度に応じて決定されることが望ましいが、速度0.5m/minから2m/minの範囲であれば、おおむねφ50mmから100mm程度が望ましい。又、ローラ上の残留液体に対して膨潤する性質を有する部材の厚みは、厚いほど残留液体除去能力が高くなるが、装置を大型化することなく組み込むためには、おおむね5mmから30mm程度が望ましい。ローラ部材の材質としては、ポリウレタンフォーム材やポリビニルアルコールフォーム材やメラミン樹脂フォーム材やポリアクリルフォーム材が適する。ローラの本数は、1本に限らず、記録体の移動方向に対して複数本設けても良い。
5は、本発明に係る記録体親液処理装置の一実施例を説明するための要部概略図で、図中、図1と同様の作用をする部分には、図1と同じ番号が付してある。残留液体除去手段として、図3にて示したフォーム材2が設けられている。更に、図5においては、フォーム材2の中に蓄積した液体を吸引除去する吸引ポンプ4が設けられている。なお、図2に示すような、洗浄手段が設けられていない記録体親液処理装置に、図5に示すフォーム材2及び吸引ポンプ4を適用した構成としてもよい。
図3,図4に示した残留液体除去手段は、初期の内は残留液体除去能力を有しているが、継続的に残留液体除去を繰り返すうち該残留液体により満たされ、その能力が低下する恐れがある。その場合、記録体の記録面に該残留液体が残留し、画像品質の低下を引き起こすことになる。そこで、図5に示す如く、残留液体除去手段であるフォーム材2中に蓄積された残留液体を除去する手段(吸引ポンプ)4を設けることにより、残留液体除去能力を継続的に維持することができる。
なお、残留液体除去手段から残留液体を除去する手段としては、図5のごとく吸引ポンプ4による除去のほかに、加圧ブレードのごとき手段によりフォーム材2を搾ってもよい。又、除去するタイミングは、常時であってもよく、残留液体除去手段中の残留液体含有率をモニターしながら(例えば、電気抵抗値を測定する)、適宜行っても良い。
6は、本発明に係る記録体親液処理装置の一実施例を説明するための要部概略図で、図中、図1と同様の作用をする部分には、図1と同じ番号が付してある。図6においては、残留液体除去手段として、ウレタンローラ5が設けられている。ウレタンゴムは親液処理及び洗浄時に用いた液体の何れに対しても膨潤する性質はない。なお、図2に示すような、洗浄手段が設けられていない記録体親液処理装置に、図6に示すウレタンローラ5を適用した構成としてもよい。
図5において、ウレタンローラ5を形成するローラ部材を硬度が10°から30°の柔らかい部材とすることで弱い接触圧力にてニップ幅がかせげるため、記録体の記録面を破壊する恐れはない。又、ウレタンローラ5を膨潤を示さない部材にて形成し、ウレタンローラ5の回転方向を記録体10の移動方向と逆回転とすることで、記録面に残留している液体の除去効率を上げることができる。図6においては、記録体10とウレタンローラ5の間の圧力のみにより残留液体除去を行っているため、図5に示したような、残留液体除去手段から更に残留液体を除去する手段を一切必要としないため、より簡便な構成でありながら、残留液体除去性能を維持することができる。
なお、ローラ部材としては、上記のごときゴム硬度を有する部材であればいかなるものも適するが、親液処理液又は洗浄液が水である場合は、ウレタンのほかに、クロロプレン,NBR(ニトリルゴム),天然ゴム,ブチルゴム,EPDM(エチレンプロピレンジエン三元共重合体)ゴム,フッ素ゴム等が適する。親液処理液又は洗浄液がn−アルカンである場合は、耐油性に優れたフッ素ゴムやウレタンゴムが適する。又、ローラ径は、図4と同様、記録体の移動速度に応じて決定されることが望ましく、速度0.5m/minから2m/minの範囲であれば、おおむねφ50mmから100mm程度が望ましい。又、ローラ上の液体に対して膨潤しない性質を有する部材の厚みは、弾性が有効に働く範囲であれば制限はないが、おおむね、5mmから30mmが望ましい。ローラの本数は、1本に限らず、記録体の移動方向に対して複数本設けても良い。
7は、本発明に係る記録体親液処理装置の一実施例を説明するための要部概略図で、図7(A)は、残留液体除去手段として加圧した気体を噴射するエアノズルが設けられた構成を示した図で、図7(B)は、図7(A)の記録体巻取りロール部及びエアノズルを上方より見た図で、図中、図1と同様の作用をする部分には、図1と同じ番号が付してある。
図7において、エアノズル6が記録体移動方向に対して垂直な方向に等間隔で配置されている様子を示している。エアノズル6の数は記録体10の幅、気体の圧力に応じて適切に決定され、例としては、記録体10の幅が30cm、圧力29.4N/cm2(3kg/cm2)であるとき、ノズル間隔2cm,ノズル数15本で、記録体の記録面に残留した液体を除去することができる。
なお、図2に示すような、洗浄手段が設けられていない記録体親液処理装置に、図7に示すエアノズル6を適用した構成としてもよい。
図1〜図6の記録体残留液体除去手段においては、何れの場合においても記録体の記録面に接触する構成を成しているため、摩擦による記録体の記録面破壊の可能性を完全に取り去ることはできない。これに対して、図7における残留液体除去手段は記録体の記録面に対して非接触であるため、これにより記録体の記録面破壊が発生することはない。
ここで、気体としては、記録体に対して化学的に不活性な気体であれば何れでもよく、通常の大気や窒素ガスやアルゴンガス等が適当である。なお、通常の大気を使用する場合、大気中の水分の記録体への影響を避けるため、水分除去フィルターを通したガスであることが望ましい。又、エアーノズルアレイは1列である必要はなく、記録体の移動速度に応じて複数列設けても良い。
8は、本発明に係る記録体親液処理装置の一実施例を説明するための要部概略図で、図中、図6と同様の作用をする部分には、図6と同じ番号が付してある。図8においては、記録体の記録面だけではなく、記録面に対する裏面(反対面)に対しても非記録面残留液体除去手段(ここでは、図3に示したフォーム材2)が設けられている。なお、図2に示すような、洗浄手段が設けられていない記録体親液処理装置に、図8に示すフォーム材2及びウレタンローラ5を適用した構成としてもよい。
記録面の残留液体を完全に除去した場合でも、裏面に残留液体が残留している場合、記録体巻取り時に残留液体が表面と接触するため、記録面10に液体が残留していた場合と同様に画像品質低下の原因となる。図8においては、記録体10の記録面に対して裏面に残留液体除去手段としてフォーム材2を設けることで上記問題の解決を図っている。
9は、本発明に係る記録体親液処理装置の一実施例を説明するための要部概略図で、図中、図8と同様の作用をする部分には、図8と同じ番号が付してある。図9においては、非記録面残留液体除去手段としてフォーム材ローラ3が設けられている。残留液体の除去手段としてはこれに限るものではなく、記録体裏面を変質,破壊することなく、且つ、残留液体に対して膨潤する性質を有するローラ状部材であれば如何なるものでも構わない。図9の如く、非記録面残留液体除去手段をローラ状とすることにより、記録体裏面との摩擦を低減し、記録体裏面の破壊を抑制することができる。この場合、フォーム材ローラ3は、記録体の移動と同じ方向に回転させることが望ましく、更に、記録体10とフォーム材ローラ3の周速度に差がないほうが望ましい。なお、図2に示すような、洗浄手段が設けられていない記録体親液処理装置に、図9に示すフォーム材ローラ3及びウレタンローラ5を適用した構成としてもよい。
なお、ローラ径は、記録体の移動速度に応じて決定されることが望ましいが、速度0.5m/minから2m/minの範囲であれば、おおむねφ50mmから100mm程度が望ましい。又、ローラ上の液体に対して膨潤する性質を有する部材の厚みは、厚いほど残留液体除去能力が高くなるが、装置を大型化することなく組み込むためには、おおむね5mmから30mm程度が望ましい。又、ローラ部材の材質としては、ポリウレタンフォーム材やポリビニルアルコールフォーム材やメラミン樹脂フォーム材やポリアクリルフォーム材が適する。更に、ローラの本数は、1本に限らず、記録体の移動方向に対して複数本設けても良い。
10は、本発明に係る記録体親液処理装置の一実施例を説明するための要部概略図で、図中、図8と同様の作用をする部分には、図8と同じ番号が付してある。図10においては、図8に示した非記録面残留液体除去手段(フォーム材2)に加えて、フォーム材2から残留液体を除去する手段(図5に示した吸引ポンプ4)が設けられている。フォーム材2は残留液体を吸収するにつれ、残留液体の蓄積により、残留液体除去能力が低下する。そこで、図10に示した如く、フォーム材2に、例えば、吸引による残留液体除去手段(吸引ポンプ)4を設けることにより、残留液体除去能力を継続的に維持することができる。なお、図2に示すような、洗浄手段が設けられていない記録体親液処理装置に、図10に示すフォーム材2及び吸引ポンプ4及びウレタンローラ5を適用した構成としてもよい。
11は、本発明に係る記録体親液処理装置の一実施例を説明するための要部概略図で、図中、図8と同様の作用をする部分には、図8と同じ番号が付してある。図11においては、非記録面残留液体除去手段としてウレタンローラ5が設けられている。ウレタンローラ5は、親液処理・記録体洗浄時において使用する液体に対して膨潤しないので、図8に示した非記録面残留液体除去手段において起こるのような継時的な性能の低下は起こりえない。従って、図10に示したような非記録面残留液体除去部材から残留液体を除去する手段を一切必要としないため、より簡便な構成でありながら、残留液体除去性能を維持することができる。なお、図2に示すような、洗浄手段が設けられていない記録体親液処理装置に、図11に示す2つのウレタンローラ5を適用した構成としてもよい。
12は、本発明に係る記録体親液処理装置の一実施例を説明するための要部概略図で、図中、図8と同様の作用をする部分には、図8と同じ番号が付してある。図12においては、非記録面残留液体除去手段として加圧した気体を噴射するエアノズル6が設けられている。エアノズル6の配置については、図7と同様である。記録面の裏面の場合、記録体の破壊により直接画像品質の低下に至ることはありえないが、裏面の破壊により生じた粉塵,塵埃が記録体の記録面に付着することにより、画像品質の低下を引き起こす可能性がある。図12においては、記録面の裏面に一切接触しないので、そのような画像品質の低下を引き起こす可能性はない。なお、図2に示すような、洗浄手段が設けられていない記録体親液処理装置に、図12に示すエアノズル6及びウレタンローラ5を適用した構成としてもよい。
(実施例)
以下、図1〜図12に示した記録体親液処理装置により親液処理した各記録体を用いて、画像書きこみ、次いで、画像記録を行なった性能検査実験の結果を示す。
共通実験条件は以下の通りである。
実施共通条件
(1)記録体
・記録層:含フッ素アクリレート共重合体を50%含有する樹脂混合層(層中にカーボンブラック含有)
・基板:PETフィルム
・寸法:幅320mm、長さ300m(ロール状に巻取る。)
・記録層をコート時に150℃2分間の乾燥を行いロール状に巻き取ったもの
(2)親液処理液及び加熱温度
・ポリエチレングリコール#600(90℃)
(3)親液処理液の洗浄液
・水(水道水、20℃)
(4)画像書きこみ方法
・出力50mWの半導体レーザ(波長830nm)
・書きこみ解像度は、1270dpi及び2540dpi
(5)画像記録条件
・インク:THE INCTEC社製 オフセットインクWaterlessS GT墨N
・印刷機:市販オフセット印刷機を用い、通常の版の代わりに図1〜図12に示した記録体親液処理装置により作成した記録体を装填した。
・紙:市販塗工紙
実施内容(用いた記録体親液処理装置の詳細)は、以下の通りである。各実施例の結果を表1に記載した。
実施例
・記録面残留液体除去手段:ゴム硬度70°で、厚さ1mm,幅340mm,長さ20mmの図1に示すような、ウレタンゴムブレードを用いて、記録体に対してカウンター角度で当てる構成とした。
実施例
・記録面残留液体除去手段:スポンジ硬度が10°の連通孔を有し、半円柱形状(幅340mm,曲率半径10mm)に作製した図3に示すようなウレタンフォーム材を用いて、記録面に圧力9.8N/cm2 (1kg/cm2 )にて接触する構成とした。
実施例
・記録面残留液体除去手段:スポンジ硬度が10°の連通孔を有するウレタンフォーム材を用いて芯金径φ10mm,肉厚10mmに作製した図4に示すようなフォーム材ローラを用いて、記録面に圧力9.8N/cm2 (1kg/cm2 )にて接触する構成とし、記録体の搬送速度と同速度にて同一方向に回転するようにした。
実施例
・記録面残留液体除去手段:スポンジ硬度が10°の連通孔を有し、半円柱形状(幅340mm,曲率半径10mm)に作製した図5に示すようなウレタンフォーム材を用いて、記録面に圧力9.8N/cm2 (1kg/cm2 )にて接触する構成とし、更に、フォーム材裏側に市販の掃除機をあてがい適時吸引するようにした。
実施例
・記録面残留液体除去手段:ゴム硬度が20°のウレタンゴムを用いて幅340mm,外径φ50mm,肉厚10mmに作製した図6に示すようなウレタンローラを用いて、記録面に圧力1.9N/cm2 (0.2kg/cm2 )にて接触する構成とし、記録体搬送方向と逆方向に回転するようにした。
実施例
・記録面残留液体除去手段:ノズル径1mmのエアノズルを用い、該エアノズルを2cm間隔で30cmの長さに等間隔に並べた図7に示すような構成とし、ノズルの噴射角度は、記録面に対して45°となるようにした。噴射気体としては、窒素ガスボンベのレギュレータの値を29.4N/cm2 (3kg/cm2 )とした窒素ガスを用いた。
実施例
・記録面残留液体除去手段:スポンジ硬度が10°の連通孔を有するウレタンフォーム材を用いて芯金径φ10mm,肉厚10mmに作製した図8に示すようなフォーム材ローラを用いて、記録面に圧力9.8N/cm2 (1kg/cm2 )にて接触する構成とし、記録体の搬送速度と同速度にて同一方向に回転するようにした。・非記録面残留液体除去手段:記録体の裏面には、スポンジ硬度が10°の連通孔を有し、半円柱形状(幅340mm,曲率半径10mm)に作製した図8に示すようなウレタンフォーム材を用いて、記録面残留除去手段の裏面に圧力1kg/cm2 にて接触する構成とした。
実施例
・記録面残留液体除去手段:ゴム硬度が20°のウレタンゴムを用いて幅340mm,外径φ50mm,肉厚10mmに作製した図9に示すようなウレタンローラを用いて、記録面に圧力1.9N/cm2 (0.2kg/cm2 )にて接触する構成とし、記録体搬送方向と逆方向に回転するようにした。
・非記録面残留液体除去手段:記録体裏面には、スポンジ硬度が15°の連通孔を有するウレタンフォーム材を用いて芯金径φ10mm,肉厚10mmに作製した図9に示すようなフォーム材ローラを用いて、記録面残留除去手段の裏面に圧力9.8N/cm2 (1kg/cm2 )にて接触する構成とし、記録体の搬送速度と同速度にて同一方向に回転するようにした。
実施例
・記録面残留液体除去手段:スポンジ硬度が10°の連通孔を有するウレタンフォーム材を用いて芯金径φ10mm,肉厚10mmに作製した図10に示すようなフォーム材ローラを用いて、記録面に圧力9.8N/cm2 (1kg/cm2 )にて接触する構成とし、記録体の搬送速度と同速度にて同一方向に回転するようにした。
・非記録面残留液体除去手段:記録体の裏面には、スポンジ硬度が10°の連通孔を有し、半円柱形状(幅340mm,曲率半径10mm)に作製した図10に示すようなウレタンフォーム材を用いて、記録面残留除去手段の裏面に圧力9.N/cm2 (1kg/cm2 )にて接触する構成とした。更に、フォーム材裏側に市販の掃除機をあてがい適時吸引した。
実施例10
・記録面残留液体除去手段:スポンジ硬度が10°の連通孔を有するウレタンフォーム材を用いて芯金径φ10mm,肉厚10mmに作製した図11に示すようなフォーム材ローラを用いて、記録面に圧力9.8N/cm2 (1kg/cm2 )にて接触する構成とし、記録体の搬送速度と同速度にて同一方向に回転するようにした。
・非記録面残留液体除去手段:記録体の裏面には、ゴム硬度が20°のウレタンゴムを用いて幅340mm,外径φ50mm,肉厚10mmに作製した図11に示すようなウレタンローラを用いて、記録面残留除去手段の裏面に圧力1.9N/cm2 (0.2kg/cm2 )にて接触する構成とし、記録体搬送方向と逆方向に回転するようにした。
実施例11
・記録面残留液体除去手段:ゴム硬度が20°のウレタンゴムを用いて幅340mm,外径φ50mm,肉厚10mmに作製した図12に示すようなウレタンローラを用いて、記録面に圧力1.9N/cm2 (0.2kg/cm2 )にて接触する構成とし、記録体搬送方向と逆方向に回転するようにした。
・非記録面残留液体除去手段:記録体の裏面には、ノズル径1mmのエアノズルを用い、該エアノズルを2cm間隔で30cmの長さに等間隔に並べた図12に示すような構成とし、ノズルの噴射角度は、記録面の裏面に対して45°となるようにした。噴射気体としては、窒素ガスボンベのレギュレータの値を29.4N/cm2 (3kg/cm2 )とした窒素ガスを用いた。
実施結果
親液処理の評価判定は以下の3項目にて判定した。
判定1:親液処理後の記録面に残留した液体を乾燥するまでの時間
記録体を親液処理装置から出して巻き取るまでに必要な乾燥時間を測定したものである。
判定2:処理液の洗浄液を除去する手段による記録面のダメージ度合い
親液処理を施した記録体を電気炉(150℃−2min.)により加熱し、撥水処理を施した後、上記(5)の記録条件にて、その際の画像濃度を、初期状態(親液処理以前)の記録体の画像濃度と比較することで評価したものである。画像濃度は、インキング後の記録体をスキャナで直接デジタル化(256階調グレースケール)し、一定領域内のヒストグラムの平均値により求めた。従って、数値が大きいほど地汚れが少なく、小さいほど地汚れが多いことを示す。
判定3:実際の画像書きこみにおける画質
レーザによる書きこみ及び記録を行ったのち、目視による感覚評価にて画質を評価したものである。
上記3項目について判定した本発明の実施結果を以下の表1に示す。
Figure 0005257724
表1のごとく、実施例1から11のいずれも、従来技術に比べて、親液処理後の残留液体の除去が極めて早く行われ、親液処理速度を飛躍的に早くすることが可能となったことが分かった。又、実施例1,2,6においては、若干の記録体被膜破壊が認められるが、画像上は問題なく良好な画像が得られている。
発明の効果
【発明の効果】
以上の記載から明らかなように、本発明によれば、90℃に加熱された親液処理液のポリエチレングリコールが表面に設けられた記録体を20℃の水で洗浄し、洗浄後に化学的に不活性な窒素ガスを記録体の記録面に非接触状態で噴射してポリエチレングリコールと水を除去する。よって、消費電力を抑え、かつ短時間に乾燥でき、生産コストを抑え、かつ生産性を向上させることができる。
本発明の請求項1による記録体親液処理装置の一実施例を説明するための要部概略図である。 本発明の請求項1による記録体親液処理装置の他の実施例を説明するための要部概略図である。 本発明の請求項2による記録体親液処理装置の一実施例を説明するための要部概略図である。 本発明の請求項3による記録体親液処理装置の一実施例を説明するための要部概略図である。 本発明の請求項4による記録体親液処理装置の一実施例を説明するための要部概略図である。 本発明の請求項5による記録体親液処理装置の一実施例を説明するための要部概略図である。 本発明の請求項6による記録体親液処理装置の一実施例を説明するための要部概略図である。 本発明の請求項7による記録体親液処理装置の一実施例を説明するための要部概略図である。 本発明の請求項8による記録体親液処理装置の一実施例を説明するための要部概略図である。 本発明の請求項9による記録体親液処理装置の一実施例を説明するための要部概略図である。 本発明の請求項10による記録体親液処理装置の一実施例を説明するための要部概略図である。 本発明の請求項11による記録体親液処理装置の一実施例を説明するための要部概略図である。
1…除去ブレード、2…フォーム材、3…フォーム材ローラ、4…吸引ポンプ、5…ウレタンローラ、6…エアノズル、10…記録体、11…記録体供給ロール、12…記録体巻取ロール、20…恒温槽、30…洗浄用水槽。

Claims (1)

  1. 含フッ素アクリレート共重合体を50%含有する樹脂混合層を記録層として形成した記録体に、液体に対して後退接触角を低下させる処理を施す記録体親液処理装置において、
    90℃に加熱された親液処理液のポリエチレングリコールに前記記録体を接触させる新液処理手段と、
    前記ポリエチレングリコールが表面に設けられた記録体を20℃の水で洗浄する洗浄手段と、
    前記洗浄後に、化学的に不活性な窒素ガスを前記記録体の記録面に非接触状態で噴射して、前記ポリエチレングリコールと前記水を除去する除去手段と
    を有することを特徴とする記録体親液処理装置
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