JP5430923B2 - 身体用マット - Google Patents
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Description
身体の骨突出部位等に頻発する床ずれに対してはその部位の除圧が有効であるが、末梢循環障害に伴う皮膚毛細血管の血流低下においては、その突出部位(例えば、踵や脹脛)に対する除圧だけでは不十分であり、その周囲を広く含む広範囲での除圧が不可欠である。
このような観点から従来の身体用マットの構成をみてみると、何れの身体用マットも床ずれが発生し易い圧迫部位における除圧を主目的としており、よって、それ以外の部位に対しては十分な除圧効果が得られず、結局、末梢循環障害に伴う皮膚毛細血管の血流低下環境下における床ずれ防止効果を得ることができないという問題があった。
又、除圧以外の、例えば、身体の沈み方に関してこれを特に考慮したものはなく、その為、身体の荷重を作用させた時に、いわゆる「横揺れ」が発生してしまい、使用者に痛みを感じさせてしまうという問題があった。すなわち、横揺れが発生すると、使用者の皮膚の身体用マットとの接触面に摩擦が生じることになり、その部位の毛細血管の内腔が変形して血流が減少してしまう。それによって、使用者に不快な痛みを感じさせてしまうものである。
又、請求項2による身体用マットは、請求項1記載の身体用マットにおいて、上記最下層から二番目の立体編物の高さが最も高く設定されていることを特徴とするものである。
又、請求項3による身体用マットは、請求項1又は請求項2記載の身体用マットにおいて、個々の立体編物が備えている荷重作用時の屈曲方向特性を考慮して、少なくとも積層させる全ての立体編物の上記屈曲方向特性が重ならないように、任意の立体編物を任意角度だけ回転・積層させるようにしたことを特徴とするものである。
又、請求項4による身体用マットは、請求項3記載の身体用マットにおいて、 上記複数枚の立体編物を積層させることにより、個々の立体編物が備えている荷重作用時の屈曲方向特性が全体として打ち消されて略鉛直下方に沈むように、上記回転させる任意の立体編物とその任意角度を決定することを特徴とするものである。
又、請求項5による身体用マットは、請求項4記載の身体用マットにおいて、 上記任意角度は45°〜90°の範囲で設定されることを特徴とするものである。
又、請求項6による身体用マットは、請求項5記載の身体用マットにおいて、 上記任意角度は90°であることを特徴とするものである。
又、請求項7による身体用マットは、請求項6記載の身体用マットにおいて、 上記複数枚の立体編物を90°ずつ交互にずらして積層させたことを特徴とするものである。
又、請求項8による身体用マットは、請求項1〜請求項7の何れかに記載の身体用マットにおいて、上記複数枚積層された立体編物の連結糸群の一つの纏まり部分における縦寸法(a)に対する横寸法(b)の大きさを比較した場合、最上層を構成する立体編物は最下層及び最下層から二番目の立体編物に比べてその大きさが大きく設定されていることを特徴とするものである。
又、請求項2による身体用マットは、請求項1記載の身体用マットにおいて、上記複数枚積層された立体編物の内上層の立体編物の表面編地は中層・下層の立体編物の表面編地に比べて細かく編まれているので、使用者に対して心地良さを提供することができる。
又、請求項3による身体用マットは、請求項1又は請求項2記載の身体用マットにおいて、上記各立体編物を二つ折りにして積層させた構成になっているので、ずれを防止する効果が期待できる。すなわち、片側は元々連続しているので、例えば、縫製により一体化する場合にもその位置ずれを防止することができる。又、二つ折りにした場合には、裏面編地が重なり合うことになるので裏面編地による効果が倍増されることになる。又、積層される他の立体編物に対しては相互の表面編地が接触されることになるので、それによっても、表面編地による効果が倍増される、又、二つ折りにした場合には、荷重作用時の屈曲特性が反対になるので、相互に打ち消しあってより鉛直下方への沈み込みを可能にすることができる。
又、請求項4による身体用マットは、請求項1〜請求項3の何れかに記載の身体用マットにおいて、その際、個々の立体編物が備えている荷重作用時の屈曲方向特性を考慮して、少なくとも積層させる全ての立体編物の上記屈曲方向特性が重ならないように、任意の立体編物を任意角度だけ回転・積層させるようにしたので、横揺れを防止することができ、使用者が不快な痛みを感じるようなことをなくすことができる。すなわち、横揺れの発生を抑制することにより、使用者の皮膚の身体用マットとの接触面における摩擦を軽減させ、その部位の毛細血管の内腔が変形して血流が減少してしまうことを防止することかでき、それによって、使用者に不快な痛みを感じさせることを防止することができるものである。
又、請求項5による身体用マットは、請求項4記載の身体用マットにおいて、 上記複数枚の立体編物を積層させることにより、個々の立体編物が備えている荷重作用時の屈曲方向特性が全体として打ち消されて略鉛直下方に沈むように、上記回転させる任意の立体編物とその任意角度を決定するように構成されているので、上記効果をより確実なものとすることができる。
又、請求項6による身体用マットは、請求項5記載の身体用マットにおいて、 上記任意角度は45°〜90°の範囲で設定されるように構成されているので、それによっても、上記効果をより確実なとものとすることができる。
又、請求項7による身体用マットは、請求項6記載の身体用マットにおいて、 上記任意角度は90°であるので、上記効果をより確実なものとすることができる。
又、請求項8による身体用マットは、請求項7記載の身体用マットにおいて、上記複数枚の立体編物を90°ずつ交互にずらして積層させた構成になっているので、上記効果をより確実なものとすることができる。
因みに、図1に示す場合には横寸法bが縦寸法aの略半分程度に設定されているが、a=bのようなものについても想定している。
尚、上記7種類の(A型〜F型、H型)立体編物1〜61としては、例えば、旭化成株式会社製の「フュージョン(登録商標)」なる素材の使用が考えられる。
又、そのような立体編物1〜61を使用した場合には、荷重作用時における横揺れが懸念される。本実施の形態ではそのような横揺れをなくすための工夫も施しているものである。
以下、図8及び図9を参照して具体的に説明する。
組み合わせ1:A型立体編物1、B型立体編物11、C型立体編物21の組み合わせ(回転方向にずらしていないタイプと回転方向に90°ずらしたタイプの二通り)。
組み合わせ2:A型立体編物1、B型立体編物11、C型立体編物21、D型立体編物31の組み合わせ(回転方向にずらしていないタイプと回転方向に90°ずらしたタイプの二通り)。
組み合わせ3:A型立体編物1、A型立体編物1、C型立体編物21の組み合わせ(回転方向にずらしていないタイプと回転方向に90°ずらしたタイプの二通り)。
組み合わせ4:A型立体編物1、C型立体編物21、E型立体編物41の組み合わせ(回転方向にずらしていないタイプと回転方向に90°ずらしたタイプの二通り)。
組み合わせ5:A型立体編物1、H型立体編物61、C型立体編物21の組み合わせ(回転方向にずらしていないタイプと回転方向に90°ずらしたタイプの二通り)。
組み合わせ6:A型立体編物1、C型立体編物21、C型立体編物21の組み合わせ(回転方向にずらしていないタイプと回転方向に90°ずらしたタイプの二通り)。
組み合わせ7:A型立体編物1、B型立体編物11、D型立体編物31、C型立体編物21の組み合わせ(回転方向にずらしていないタイプと回転方向に90°ずらしたタイプの二通り)。
組み合わせ8:A型立体編物1、A型立体編物1、C型立体編物21、D型立体編物31の組み合わせ(回転方向にずらしていないタイプと回転方向に90°ずらしたタイプの二通り)。
組み合わせ9:A型立体編物1、F型立体編物51、C型立体編物21の組み合わせ(回転方向にずらしていないタイプと回転方向に90°ずらしたタイプの二通り)。
組み合わせ10:A型立体編物1、F型立体編物51、C型立体編物21、D型立体編物31の組み合わせ(回転方向にずらしていないタイプと回転方向に90°ずらしたタイプの二通り)。
尚、回転方向に90°ずらして積層させる場合には、最上位に位置する立体編物2対して、二枚目の立体編物を90°回転させ、順次、90°回転させた状態で積層させていくことを意味している。
次に、踵の測定圧力をみてみる。まず、踵の平均圧は、初期値が「21.4」であるのに対して、非回転タイプが「19.2」、回転タイプが「22.1」を夫々示している。次に、踵のピーク圧をみてみると、初期値が「36.1」であるのに対して、非回転タイプ「27.2」、回転タイプが「35.3」を夫々示している。
次に、脹脛の測定圧力をみてみる。まず、脹脛の平均圧は、初期値が「49.1」であるのに対して、非回転タイプが「30.8」、回転タイプが「27.9」を夫々示している。次に、脹脛のピーク圧をみてみると、初期値が「152.8」であるのに対して、非回転タイプが「56.9」、回転タイプが「42.7」を夫々示している。
以下、残り9種類の組み合わせの夫々の二通りのタイプに関して同様の測定を行い、その結果を図11に示しているものである。
以下、残り9種類の組み合わせの夫々の二通りのタイプに関して同様の測定を行い、その結果を図11に示しているものである。
組み合わせ2:A型立体編物1、B型立体編物11、C型立体編物21、D型立体編物31の組み合わせ(回転方向にずらしていないタイプと回転方向に90°ずらしたタイプの二通り)。
組み合わせ4:A型立体編物1、C型立体編物21、E型立体編物41の組み合わせ(回転方向にずらしていないタイプと回転方向に90°ずらしたタイプの二通り)。
組み合わせ10:A型立体編物1、F型立体編物51、C型立体編物21、D型立体編物31の組み合わせ(回転方向にずらしていないタイプと回転方向に90°ずらしたタイプの二通り)。
これら3種類の身体用マット71については、図11〜図13のデータからも明らかなように、踵と脹脛の両方において良好な結果が得られているものである。
尚、既に説明した図11、図12、図13において、接触面積の単位はcm 2 、平均圧とピーク圧の単位はmmHg、又、図14において距離の単位はmmである。
まず、身体の形態を底付きを起こすことなくその形態に合わせて沈めた状態で受け止めることができ、それによって、接触面積を拡大して局所的な除圧のみならず広範囲での除圧を可能にすることができる。したがって、身体の骨突出部位等に頻発する床ずれに対してはもとより、末梢循環障害に伴う皮膚毛細血管の血流低下に対しても効果的に機能して床ずれ防止を図ることかできる。
又、横揺れを防止することができ、使用者が不快な痛みを感じるようなことをなくすことができる。すなわち、横揺れの発生を抑制することにより、使用者の皮膚の身体用マットとの接触面における摩擦を軽減させ、その部位の毛細血管の内腔が変形して血流が減少してしまうことを防止することかでき、それによって、使用者に不快な痛みを感じさせることを防止することができるものである。
特に、最上層に比較的高さが低く、且つ、連結糸群7の内一つの纏まり部分における縦寸法(a)に対して横寸法(b、横寸法は一定ではないが平均的な横寸法)が比較的大きな値に設定されている立体編物、例えば、A型立体編物1を配置した場合には、それによって、荷重作用時に一気に沈み込むことを防止できる。
又、中層及び下層において比較的高さがあり、且つ、連結糸群7の内一つの纏まり部分における縦寸法(a)に対して横寸法(b、横寸法は一定ではないが平均的な横寸法)が比較的小さく設定されている立体編物、例えば、C型立体編物21、D型立体編物31等を配置した場合には、必要な沈み込みを行わせて必要な接触面積を確保することができる。
又、最上層にその表面編地3が比較的細かく編まれている立体編物、例えば、A型立体編物1を使用した場合には、使用時の感触も心地良いものとなる。
又、本実施の形態の場合には、各立体編物1〜61を二つ折りにして積層させているので、ずれを防止する効果が期待できる。すなわち、片側は元々連続しているので、例えば、縫製により一体化する場合にもその位置ずれを防止することができる。
又、二つ折りにした場合には、裏面編地5〜65が重なり合うことになるので裏面編地5〜65による効果が倍増されることになる。
又、積層される他の立体編物1〜61に対しては相互の表面編地3〜63が接触されることになるので、それによっても、表面編地3〜63による効果が倍増される、
又、二つ折りにした場合には、荷重作用時の屈曲特性が反対になるので、相互に打ち消しあってより鉛直下方への沈み込みを可能にすることができる。
まず、用途に関しては、病院や介護施設におけるベッドに敷く身体用マットが典型的な例であるが、それに限定されるものではなく、様々な用途が想定される。
又、前記各実施の形態の場合には、積層時に、各立体編物を二つ折りにして積層させた場合を例に挙げて説明しているが、それに限定されるものではなく、二つ折りせずに積層させる、三つ折り以上に折って積層させるような構成も想定される。
又、前記一実施の形態では、上層、中層、下層に夫々立体編物を一枚又は二枚設置した場合を例に挙げて説明しているが、各層に何枚の立体編物を積層させるかについてはこれを特に限定するものではない。例えば、上層に複数枚の立体編物を積層させた場合、少なくとも、その内の最上位に位置する立体編物の高さが上層のその他の立体編物および中層、下層の立体編物の高さより低く設定されていればよく、その際上層のその他の立体編物の高さが中層、下層の立体編物の高さより高いような場合も想定される。
その他、図示したものはあくまで一例である。
3 表面編地
5 裏面編地
7 連結糸
11 B型立体編物
13 表面編地
15 裏面編地
17 連結糸
21 C型立体編物
23 表面編地
25 裏面編地
27 連結糸
31 D型立体編物
33 表面編地
35 裏面編地
37 連結糸
41 E型立体編物
43 表面編地
45 裏面編地
47 連結糸
51 F型立体編物
53 表面編地
55 裏面編地
57 連結糸
61 H型立体編物
63 表面編地
65 裏面編地
67 連結糸
71 身体用マット
Claims (8)
- 表面編地と裏面編地とこれら表面編地と裏面編地との間に設けられ上記表面編地と裏面編地とを連結する連結糸群とからなる立体編物であってその構成が同じもの及び又は異なるものを複数種類用意し、
同じ種類の立体編物及び又は異なる種類の立体編物を複数枚積層させ、
上記複数枚積層された立体編物の高さを比較した場合、最上層を構成する立体編物は最下層及び最下層から二番目の立体編物に比べてその高さが低く設定されていて、
上記複数枚積層された立体編物の内最上層の立体編物の表面編地は最下層及び最下層から二番目の立体編物の表面編地に比べて細かく編まれていて、
上記各立体編物を上記裏面編地同士が密着するような状態で二つ折りにして積層させたことを特徴とする身体用マット。 - 請求項1記載の身体用マットにおいて、
上記最下層から二番目の立体編物の高さが最も高く設定されていることを特徴とする身体用マット。 - 請求項1又は請求項2記載の身体用マットにおいて、
個々の立体編物が備えている荷重作用時の屈曲方向特性を考慮して、少なくとも積層させる全ての立体編物の上記屈曲方向特性が重ならないように、任意の立体編物を任意角度だけ回転・積層させるようにしたことを特徴とする身体用マット。 - 請求項3記載の身体用マットにおいて、
上記複数枚の立体編物を積層させることにより、個々の立体編物が備えている荷重作用時の屈曲方向特性が全体として打ち消されて略鉛直下方に沈むように、上記回転させる任意の立体編物とその任意角度を決定することを特徴とする身体用マット。 - 請求項4記載の身体用マットにおいて、
上記任意角度は45°〜90°の範囲で設定されることを特徴とする身体用マット。 - 請求項5記載の身体用マットにおいて、
上記任意角度は90°であることを特徴とする身体用マット。 - 請求項6記載の身体用マットにおいて、
上記複数枚の立体編物を90°ずつ交互にずらして積層させたことを特徴とする身体用マット。 - 請求項1〜請求項7の何れかに記載の身体用マットにおいて、
上記複数枚積層された立体編物の連結糸群の一つの纏まり部分における縦寸法(a)に対する横寸法(b)の大きさを比較した場合、最上層を構成する立体編物は最下層及び最下層から二番目の立体編物に比べてその大きさが大きく設定されていることを特徴とする身体用マット。
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