JP5444363B2 - 慢性腎疾患における予後判定の方法 - Google Patents
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Description
本特許出願は、以下の説明において、
−国際特許出願PCT/豪州仮特許出願第01/00456号明細書(国際公開第01/81928号パンフレット)、
−国際特許出願PCT/豪州仮特許出願第2005/000525号明細書(国際公開第2005/099746号パンフレット)、及び
−国際特許出願PCT/豪州仮特許出願第2008/001498号明細書(国際公開第2009/046495号パンフレット)
を参照する。これらの明細書のそれぞれの全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
(i)前記対象由来の試験身体試料においてMIC−1量を決定するステップ、及び
(ii)ステップ(i)において決定されたMIC−1量を、対象の死亡可能性の増加と関連している上昇したMIC−1量であるMIC−1の基準量と比較するステップ
を含み、
ステップ(i)において決定されたMIC−1量が該基準量より多いか又は実質的に同等であるとき対象の死亡可能性が増加しており、ステップ(i)において決定されたMIC−1量が該基準量より少ないとき対象の死亡可能性が低下している方法を提供する。
(i)前記対象由来の試験身体試料においてMIC−1量を決定するステップ、及び
(ii)ステップ(i)において決定されたMIC−1量を、腎移植を行わない場合の対象の死亡可能性の増加と関連しているMIC−1の基準量と比較するステップ
を含み、
ステップ(i)において決定されたMIC−1量が該基準量より多いか又は実質的に同等であるとき、腎移植を行わない場合の対象の死亡可能性が増加しており、ステップ(i)において決定されたMIC−1量が該基準量より少ないとき、腎移植を行わない場合の対象の死亡可能性が低下している。
(i)前記対象由来の試験身体試料中に存在するMIC−1量を決定するステップ、及び
(ii)ステップ(i)において決定された前記MIC−1量を、
前記透析の開始の前又は後であるより早期の時点(複数可)での前記試験対象、又は
透析に対する長期的忍容性を有する末期腎疾患対照対象(複数可)
から採取した比較用身体試料(複数可)中に存在するMIC−1量又はその量の範囲と比較するステップであって、
ステップ(i)において決定されたMIC−1量が、前記比較用身体試料(複数可)中に存在するMIC−1量又はその量の範囲と比較して高い量であるとき、対象の透析に対する忍容性は低い可能性があり、ステップ(i)において決定されたMIC−1量が、前記比較用身体試料(複数可)中に存在するMIC−1量又はその量の範囲より少ないか又は実質的に同等であるとき、対象は透析に対する忍容性を有する可能性があるステップ、或いは
(iii)ステップ(i)において決定された前記MIC−1量を、透析に対する長期的忍容性と関連しているMIC−1の基準量と比較するステップであって、
ステップ(i)において決定されたMIC−1量が、該MIC−1の基準量と比較して高い量であるとき、対象の透析に対する忍容性は低い可能性があり、ステップ(i)において決定されたMIC−1量が、該MIC−1の基準量より少ないか又は実質的に同等であるとき、対象は透析に対する忍容性を有する可能性があるステップ
を含む。
(i)前記試験身体試料中に存在するMIC−1量を決定するステップ、及び
(ii)前記MIC−1量を、より早期の時点で同一の対象から採取した比較用身体試料(複数可)中に存在するMIC−1量又はその量の範囲と比較するステップ
による連続測定を用いることにより検出してもよく、
ステップ(i)において存在するMIC−1量は、前記比較用身体試料(複数可)中に存在するMIC−1量又はその量の範囲と比較して上昇している。好ましくは、対象は、より早期の時点では、CKDに罹患していなかったか、又は進行度のより低いステージのCKDに罹患していた。
(i)前記試験身体試料中に存在するMIC−1量を決定するステップ、及び
(ii)前記MIC−1量を、正常対象(複数可)から採取した比較用身体試料(複数可)中に存在するMIC−1量又はその量の範囲と比較するステップ
による正常対象との比較により検出してもよく、
ステップ(i)において存在する該MIC−1量は、前記比較用身体試料(複数可)中に存在するMIC−1量又はその量の範囲と比較して上昇している。
(i)前記試験身体試料中に存在するMIC−1量を決定するステップ、及び
(ii)前記MIC−1量を、末期腎疾患を有すると診断されている少なくとも1人の他の対象から採取した比較用身体試料(複数可)中に存在するMIC−1量又はその量の範囲と比較するステップ
による末期腎疾患対象との比較により検出してもよく、
ステップ(i)において存在するMIC−1量が、前記比較用身体試料(複数可)中に存在するMIC−1量又はその量の範囲と比較して高いとき、試験対象の死亡可能性は該少なくとも1人の他の対象と比較して高い。当業者には、ステップ(i)において存在するMIC−1量が、前記比較用身体試料(複数可)中に存在するMIC−1量又はMIC−1量の範囲と比較して減少しているとき、試験対象の死亡可能性は該少なくとも1人の他の対象と比較して低いことも理解されよう。該少なくとも1人の他の対象は、好ましくは年齢がマッチしており、関連する試験身体試料が採取された対象と10歳差以内である。より好ましくは、該少なくとも1人の他の対象は、関連する試験身体試料が採取された対象と5歳差以内である。好ましくは、ステップ(ii)の比較は、この場合、末期腎疾患を有すると診断されている対象群の平均血清MIC−1レベルに対して行われる。
(i)前記対象由来の試験身体試料においてMIC−1量を決定するステップ、及び
(ii)ステップ(i)において決定されたMIC−1量を、対象の死亡可能性の増加と関連している上昇したMIC−1量であるMIC−1の基準量と比較するステップ
を含み、
ステップ(i)において決定されたMIC−1量が該基準量より多いか又は実質的に同等であるとき対象の死亡可能性が増加しており、ステップ(i)において決定されたMIC−1量が該基準量より少ないとき対象の死亡可能性が低下している方法を提供する。
(iii)ステップ(ii)の比較に基づいて予後を確認するステップをさらに含んでもよく、ステップ(i)において決定されたMIC−1量が該基準量より多いか又は実質的に同等であるとき対象の死亡可能性は高く、ステップ(i)において決定されたMIC−1量が該基準量より少ないとき対象の死亡可能性は低い。
(i)前記対象由来の試験身体試料においてMIC−1量を決定するステップ、及び
(ii)ステップ(i)において決定されたMIC−1量を、腎移植を行わない場合の対象の死亡可能性の増加と関連しているMIC−1の基準量と比較するステップ
を含んでもよく、
ステップ(i)において決定されたMIC−1量が該基準量より多いか又は実質的に同等であるとき、腎移植を行わない場合の対象の死亡可能性が増加しており、ステップ(i)において決定されたMIC−1量が該基準量より少ないとき、腎移植を行わない場合の対象の死亡可能性が低下している。
(i)前記試験身体試料中に存在するMIC−1量を決定するステップ、及び
(ii)前記MIC−1量を、より早期の時点で同一対象から採取した比較用身体試料(複数可)中に存在するMIC−1量又はその量の範囲と比較するステップ
による連続測定を用いることにより検出され、
ステップ(i)において存在するMIC−1量は、前記比較用身体試料(複数可)中に存在するMIC−1量又はその量の範囲と比較して上昇している。
(i)前記試験身体試料中に存在するMIC−1量を決定するステップ、及び
(ii)前記MIC−1量を、正常対象(複数可)から採取した比較用身体試料(複数可)中に存在するMIC−1量又はその量の範囲と比較するステップ
による正常対象との比較により検出され、
ステップ(i)において存在するMIC−1量は、前記比較用身体試料(複数可)中に存在するMIC−1量又はその量の範囲と比較して上昇している。
(iii)ステップ(ii)の比較に基づいて腎移植すべき末期腎疾患対象を選択するステップをさらに含んでもよく、ステップ(i)において決定されたMIC−1量が該基準量より多いか又は実質的に同等であるとき、対象は腎移植すべきと選択され、ステップ(i)において決定されたMIC−1量が該基準量より少ないとき、対象は腎移植すべきと選択されない。
(i)前記対象由来の試験身体試料中に存在するMIC−1量を決定するステップ、及び
(ii)ステップ(i)において決定された前記MIC−1量を、
前記透析の開始の前又は後である、より早期の時点(複数可)での前記試験対象、又は
透析に対する長期的忍容性を有する末期腎疾患対照対象(複数可)
から採取した比較用身体試料(複数可)中に存在するMIC−1量若しくはその量の範囲と比較するステップであって、
ステップ(i)において決定されたMIC−1量が、前記比較用身体試料(複数可)中に存在するMIC−1量若しくはその量の範囲と比較して高い量であるとき、対象の透析に対する忍容性は低い可能性があり、ステップ(i)において決定されたMIC−1量が、前記比較用身体試料(複数可)中に存在するMIC−1量若しくはその量の範囲より少ないか又は実質的に同等であるとき、対象は透析に対する忍容性を有する可能性があるステップ、或いは
(iii)ステップ(i)において決定された前記MIC−1量を、透析に対する長期的忍容性と関連しているMIC−1の基準量と比較するステップであって、
ステップ(i)において決定されたMIC−1量が、該MIC−1の基準量と比較して高い量であるとき、対象の透析に対する忍容性は低い可能性があり、ステップ(i)において決定されたMIC−1量が、該MIC−1の基準量より少ないか又は実質的に同等であるとき、対象は透析に対する忍容性を有する可能性があるステップ
を含む。
(i)MIC−1と結合させるための適当な基質を供給するステップ、
(ii)対象から取り出した血液、血漿又は血清を前記基質とエクスビボで接触させることにより処理して、該血液、血漿又は血清中に存在するMIC−1を該基質と結合させるステップ、
(iii)処理した血液、血漿又は血清を基質から分離するステップ、及びその後
(iv)処理した血液、血漿又は血清を該対象に戻すステップ
を含む方法からなっていてもよい。
[実施例]
材料及び方法
スウェーデンの血液透析予備群患者(すなわち、透析が必要なステージに到達しているがまだそうした治療を開始していない患者)のコホート(n=98)、及び、アメリカ合衆国のすでに血液透析を受けている患者のコホート(n=381)に、試験エントリー時に血清MIC−1及びC反応性タンパク質(CRP)−4レベル及びBMIを測定させた。Brown, DA et al. Antibody-based approach to high-volume genotyping for MIC-1 polymorphism. BioTechniques 33:118-20, 122, 124 passim (2002a)の文献に記載の要領で血清CRP−4(Dade Behring, Inc.社製、Deerfield、IL、アメリカ合衆国)を決定し、以下に記載の要領で血清MIC−1を決定した。収集した人口統計的情報には、年齢、性別、心血管疾患(CVD,cardiovascular disease)歴、糖尿病(DM,diabetes mellitus)歴、身長体重が含まれた。スウェーデン人患者においては、それ以外に、栄養、体組成及び炎症のマーカーを評価した。
スウェーデン人患者は、1997〜2004年の間、フッディングのKarolinska University Hospitalでの透析プログラムに登録された透析予備軍の末期腎疾患患者であった。患者は全員、進行中のプロスペクティブ試験の参加者として含まれており、この試験の一部はこれまでに記載されている(Axelsson, J et al. Are insulin-like growth factor and its binding proteins 1 and 3 clinically useful as markers of malnutrition, sarcopenia and inflammation in end-stage renal disease? Eur J Clin Nutr 60:718-726 (2006))。18歳未満又は70歳を超えていた、評価の時点で急性感染症、急性の血管炎若しくは肝疾患の臨床徴候を有していた、又は試験に参加する意志がなかった場合、患者を試験から除外した。一晩の絶食の後、静脈血試料を採取し、生化学的分析用に70℃で保管した。24時間尿試料(すなわち、1日かけて収集された尿試料)から、慣例的な方法を用いて、クレアチニン及び尿素のクリアランスの平均値により推定されるものとしての糸球体濾過量を計算した。血清8−ヒドロキシデオキシグアノシン(8−OHdG。酸化ストレスの尺度として)、血清クレアチニン及びアルブミンを測定するなど、慣例的な方法を用いて、他の生化学的分析を実施した。主観的包括的栄養評価(SGA)(Qureshi, AR et al. Factors predicting malnutrition in haemodialysis patients: a cross-sectional study. Kidney Int 53:773-782 (1998))により、6つの異なる構成要素が含まれる質問票を使用して栄養状態を評価した:3つの主観的評価項目は、患者により、自身の体重減少、食欲不振の頻度及び嘔吐の頻度の病歴について実施し、筋萎縮(MA,muscle atrophy)、浮腫及び皮下脂肪減少の存在に基づく3つの客観的評価項目は、評価者により実施した。MAの評価付けは、側頭筋、鎖骨の突出具合、肩の輪郭(丸みを帯びている場合は栄養状態がよいことを示し、角張っている場合は栄養不良を示す)、肩甲骨の目立ち具合、肋骨の目立ち具合、及び、親指と人差し指との間の骨間の筋肉量、及び四頭筋筋肉量を検査する、特別に訓練を受けた看護師により評価した。MAの徴候は、以下のとおり評点付けた:1−MAの徴候なし、2−MAの軽度の徴候、3−MAの中等度の徴候、4−MAの重度の徴候。この評価は、血液試料採取時点、又はその1週間以内のいずれかに完了した。体重(kg)/身長(m)2として肥満度指数(BMI)を計算した。先に記載のように、DPX−L装置(Lunar Corporation社製、Madison、WI、アメリカ合衆国)を用い、二重エネルギーX線吸収測定法(DXA,dual energy X-ray absorptiometry)によりBMIの除脂肪成分(すなわちLBMI,lean component of BMI)を推定した(Kyle, UG et al. Body composition interpretation. Contributions of the fat-free mass index and the body fat mass index. Nutrition 19:597-604 (2003))。先に記載のように、BMIの脂肪成分(すなわちFBMI)を計算した(Kyle, UG et al. Body composition interpretation. Contributions of the fat-free mass index and the body fat mass index. Nutrition 19:597-604 (2003))。Harpenden Handgrip Dynamo-meter(Yamar社製、Jackson、MI、アメリカ合衆国)を用いて、利き腕及び利き腕でない腕の両方において握力(HGS,handgrip strength)を評価した。握力測定は3回繰り返し、最高値を記録した。患者の試験参加は、腎移植した場合に打ち切った(n=48)。移植時点で、試験エントリー時点から移植時点まで生存したものとして患者を分類し、これを被験時間とした。
末期腎疾患を有する血液透析患者381名を募集し、これらの患者に、Minneapolis−St.Paul、MN中の外来患者透析病棟で、長期的な週3回の間欠的血液透析による治療を1998年4月から1999年3月までに少なくとも30日間受けさせた。透析前の血液試料(すなわち、定期的な週3回の透析セッション前に由来する試料)を各患者から得た。試験を受けた患者は、十分な血清試料量(70℃で凍結したもの)が追加的なバイオマーカー分析用として残っていた、以前報告された(Apple, FS et al. Predictive value of cardiac troponin I and T for subsequent death in end-stage renal disease. Circulation 106:2941-2945 (2002))元の末期腎疾患患者のデータベースの部分群であった。患者の試験参加は、腎移植(n=18)、血液透析中止(n=1)及び別の腎透析病棟への患者の移送(n=16)の場合に打ち切った。
結果は、特に指示しない限り、平均値±標準偏差として表し、p<0.05は有意性を示す。連続変数及び分類変数についてそれぞれ、対応のないt検定及びカイ二乗分析を用いてコホートを比較した。多くの値が正規分布しなかったことから、スピアマン順位検定によりマーカー間の相関を計算した。累積生存率の差を、さまざまなMIC−1レベルを有する患者間で比較した。試験参加は、血液採取日から死亡日までコンピューター計算し、所望の時間間隔の長さで、まず打ち切った。スウェーデン及び米国のコホートにおいては、腎移植を受けると患者を打ち切り対象として分類し、移植時点までの被験時間を計算した。加えて、別の透析施設に移送された米国患者(n=16)を打ち切り対象として分類し、移送時点までの被験時間を計算した。コックス比例ハザードモデルを使用することにより、死亡の非調整及び調整相対リスク(RR,relative risk)及び95%信頼区間を推定した。以前の分析において独立リスク因子と同定された変数を用いてモデルをまず当てはめた後で、調整RRを推定した。生存曲線はカプラン−マイヤー法によりコンピューター計算し、ログランク統計量を用いて、リスク層別化群間で比較した。分析はStatView5.0ソフトウェア(SAS Inc社製、Cary、NC、アメリカ合衆国)を用いて行った。
MIC−1サンドイッチELISAを用い、Brownら(2002)の文献中に記載の要領で、血清MIC−1レベルを決定した。簡潔に言えば、サンドイッチELISAは、抗原捕捉用としてマウスモノクローナル抗体(MAb,monoclonal antibody)26G6H6を(Brown, DA et al. Antibody-based approach to high-volume genotyping for MIC-1 polymorphism. BioTechniques 33:118-20, 122, 124 passim (2002a)、Moore, AG et al. The transforming growth factor-β superfamily cytokine macrophage inhibitory cytokine-1 is present in high concentrations in the serum of pregnant women. J Clin Endocrinol Metab 85(12):4781-4788 (2000))、検出用としてヒツジポリクローナル抗体(PAb,polyclonal antibody)233B3−Pを(Brown, DA et al. Antibody-based approach to high-volume genotyping for MIC-1 polymorphism. BioTechniques 33:118-20, 122, 124 passim (2002a))用いて確立した。両抗体の至適濃度を決定してから、次いで行われる全ての試験に使用した。96ウェルのMaxisorp ELISAプレートを、コーティング緩衝液(蒸留水中の0.1mol/L炭酸塩、pH9.4〜9.8)中で1:5に希釈されたMAb 26G6H6上清(最終濃度は、およそ20ng/mLであった)で、4℃にて24時間コーティングした。次に、ELISAプレートを、1ウェル当たり300μLのリン酸緩衝生理食塩水(PBS,phosphate buffered saline)中1%(重量/容積)ウシ血清アルブミン(BSA,bovine serum albumin)で37℃にて2時間にわたり3回洗浄した。次に、組換えヒトMIC−1(rhMIC−1,recombinant human MIC-1)標準物質、組織培養上清又は患者血清をプレートに加え(1ウェル当たり100μL)、37℃で1時間インキュベートした。プレートを3回洗浄してから、抗体希釈液(1%(重量/容積)BSA及び0.05%(容積/容積)Tween-20を含有するPBS)中で1:5000に希釈したヒツジPAb 233B3−Pを1ウェル当たり100μL加え、37℃で1時間インキュベートした。次に、ELISAプレートを3回洗浄し、Ab dil中で1:5000に希釈したビオチン化ロバ抗ヒツジIgGを1ウェル当たり100μL加え、37℃で1時間インキュベートした。プレートを4回洗浄してから、0.014%H2O2を含有する0.05mol/Lリン酸−クエン酸緩衝液、pH5.0(Sigma社製)中のペルオキシダーゼ基質(1mg/mLのo−フェニレンジアミンジヒドロクロリド、Sigma社製)を1ウェル当たり100μL加えた。5〜15分間発色を進行させ、1ウェル当たり100μLの4N H2SO4を加えることによりこれを終了させた。マイクロプレートリーダーにおいて490nmで吸光度を測定した。試料中のヒトMIC−1の濃度を、rhMIC−1標準曲線との比較により決定した。マイクロプレートリーダー(Pasteur Diagnostics社製)に備えられている標準曲線当てはめ用ソフトウェアを用いて標準曲線を作成した。標準曲線におけるrhMIC−1の濃度は、この標準物質と高度に精製された組換えMIC−1のマスター標準物質との比較に基づいて決定した。マスター標準物質のタンパク質濃度は、総アミノ酸組成のうち8つの推定値の平均により決定した。試料は全て三重反復で少なくとも2回アッセイした。結果を平均値+/−SDとして表す。
両コホートの患者について得られた臨床特徴及び人口統計的情報を表2にまとめる。鍵となる測定値であるBMI、血清MIC−1及びCRPのレベルについては、2つの集団間で有意差はなかった(それぞれp=0.5117、0.9672、0.0902;対応のないt検定)。全てのCKD患者の血清MIC−1レベルは、正常範囲である200〜1150pg/mlを超えていた(Brown, DA et al. MIC-1 serum level and genotype: associations with progress and prognosis of colorectal carcinoma. Clin Cancer Res 9:2642-2650 (2003))。
米国コホートに関するデータはこれまでに発表されており、血清MIC−1レベルはBMIと負の相関があることが示されている(Johnen, H et al. Tumor-induced anorexia and weight loss are mediated by the TGF-beta superfamily cytokine MIC-1. Nat. Med 13:1333-1340 (2007))。血清MIC−1レベルの上昇と関連している栄養的な変化をさらに調査するため、本出願人は、栄養情報を入手できたスウェーデン人患者のデータを分析した。
SGAを正常(SGA=1、n=69)又は異常(SGA>1、n=27)に分けたが、2名の患者からはデータが入手できなかった。SGAは、S−クレアチニン(p=0.0050)、BMI(p=0.0051)、握力(p=0.0016)及び血清MIC−1レベル(p=0.0065)と有意に関連していた。血清MIC−1が中央値(7430pg/ml)を超える患者は、異常なSGAを有する傾向が有意に高かった(p=0.0001、カイ二乗)。中央値を超える血清MIC−1レベルは、多変量ロジスティック回帰においてSGAと独立に関連していた(表3)。このモデルを、MIC−1と関連している可能性がある因子、具体的には、年齢(Brown, DA et al. Measurement of serum levels of macrophage inhibitory cytokine 1 combined with prostate-specific antigen improves prostate cancer diagnosis. Clin Cancer Res 12:89-96 (2006)、p=0.7024)及びCRP−5(Brown, DA et al. Concentration in plasma of macrophage inhibitory cytokine-1 and risk of cardiovascular events in women: a nested case-control study. Lancet 359:2159-2163 (2002b)、p=0.1840)についてさらに調整した。MIC−1とSGAとの独立した関連の有意な低下は観察されなかった。
血清MIC−1レベルと、循環血液中の炎症マーカー(CRP、フィブリノーゲン)及び酸化マーカー(8OHdG)、筋萎縮、BMI並びに年齢との間の関係を調べた。
表4に示すように、血清MIC−1レベルをスウェーデン集団における循環血液中の炎症マーカー(CRP、フィブリノーゲン)、酸化マーカー(8−OHdG)のレベル及び年齢と比較したが、その理由は、これらの因子は末期腎疾患における死亡率の指標の可能性があるからである。スピアマン順位相関検定を用いた最初の単変量解析により、血清MIC−1レベルは、年齢(ρ=0.252、p=0.0135)、CRP(ρ=0.283、p=0.0056)、フィブリノーゲン(ρ=0.346、p=0.0018)、8−OHdG(ρ=0.308、p=0.0033)及び血清アルブミン(ρ=−0.211、p=0.0388)と関連していることが実証された。血清MIC−1レベルと筋萎縮とは、連続変数として有意に関連はなかったが、中央値を超える血清MIC−1間では強い傾向が観察された(p=0.0514)。同様に、血清MIC−1レベルとBMIとは連続変数としては関連がなかったが、中央値を超える血清MIC−1レベルとBMIとの間では強い傾向が観察された(p=0.0612)。さらに、血清MIC−1が中央値を超えている患者の方が、BMIが25kg/m2未満である傾向が高かった(p=0.0251)。変数減少ステップワイズ多変量ロジスティック回帰分析に含めると、BMIの脂肪成分(すなわちFBMI)は依然として血清MIC−1レベルと独立に関連しており(p=0.0004)、フィブリノーゲンレベル(p=0.0007)及び血清8−OHdGレベル(p=0.0485)も同様であった。この分析は、最初は、調べた全ての変数を含み(表4)、血清MIC−1と有意に関連がなかった因子を段階的に除外した。
本出願人は、血清MIC−1レベルが血液透析患者における死亡率を予測できるかどうかを判断しようと試みた。
98名のスウェーデン人患者を、MIC−1血清レベルの中央値(すなわち7430pg/ml)を超えるか下回るかいずれかに分類した。カプラン−マイヤー分析から、中央値を超える血清MIC−1レベルは、死亡率の有意な増加と関連していることが示唆された(p=0.0105、図2)。13年を超える観察期間の間、血清MIC−1レベルが中央値を超える患者の生存率は53%であり、これに対し、血清MIC−1レベルが中央値を下回る患者の生存率は73%であった。
本出願人は、透析を日常実施している患者における死亡率をMIC−1が予測できるかどうかを調査した。
予備群であるスウェーデンコホートとは対照的に、米国コホートは、血清MIC−1測定の30日〜22年前に透析を開始していた。血清MIC−1レベルは透析年数(DV)(ρ=0.182、p=0.0004)及びBMI(ρ=−0.224、p<0.0001)と有意に関連していることがわかった。しかし、DVと共に含めた際、多変量の回帰分析においてMIC−1と独立に関連があったのはBMIだけであった(p=0.0019)。血清MIC−1レベルは、血液透析を日常受けている患者における死亡率を予測した(p=0.0047、表5)。加えて、血清MIC−1レベルを年齢、性別、DV及びCVD/DM歴について調整すると、血清MIC−1は、試験終了時点でも依然として、独立した死亡率予測因子であった(p=0.0420、表5)。CRP及びBMIについてさらに調整すると、MIC−1の予測力は有意に低下した。スウェーデン集団について観察された結果と対照的に、日常実施のアメリカ合衆国集団におけるMIC−1レベルの中央値は、死亡率を独立に予測しなかった(データは示していない)。しかし、この日常実施コホートにおける患者からは、透析開始後に試料を採取しており、血清MIC−1濃度が変化した可能性がある。したがって、多様な透析生活期間と併せて血清MIC−1レベル対死亡リスクの関係を調べた。
透析生活が3年間以下の患者における死亡率を血清MIC−1レベルが予測する可能性を調べた。
試験終了時点で透析生活が3年間以下である米国コホートの149名の透析日常実施患者のうち、46名は死亡し、血清MIC−1レベルは多変量解析において独立した死亡率予測因子であることがわかった(p=0.0320、表6)。カプラン−マイヤー分析を用い、血清MIC−1レベルが中央値(すなわち6300pg/ml)を超える患者は最初の3年における死亡リスクが高かった(p=0.0124、図3A)。透析予備群の患者を、3年以下の透析を受けている透析日常実施患者と比較すると、透析を受けている患者の方が血清MIC−1の中央値が有意に低かった(すなわち、スウェーデンコホートにおける透析予備群患者については7430pg/mlであったのに対し、米国コホートにおける透析日常実施患者については6330pg/mlであった。p=0.0136)ことから、透析により血清MIC−1レベルが低下することが示唆された。理論に拘束されることを望むものではないが、血清MIC−1レベルが最上位十分位にある患者の方が死亡リスクが高いはずであり、このことは、透析の開始、及び、最上位十分位について層別化した再分析結果によりそれほど影響されないであろうと推論される。血清MIC−1レベルが最上位十分位にある(14200pg/mlを超える)3年未満の透析を受けている患者は死亡リスクが有意に高く(p=0.0083、図3B)、年齢、CRP、BMI、DM歴及びIHD歴について調整した相対死亡リスクは2.4(95%CIは1.1〜5.2)であることが明らかになった。透析日常実施コホート全体を調べると、最上位十分位(全コホートについては14200pg/mlを超える)内の患者の死亡率は50%であり(p=0.0048、図3C)、142000pg/mlを超える血清MIC−1レベルは依然として独立した死亡率予測因子であった(n=381、試験エントリー時点での年齢、CRP、BMI、DM歴及びIHD歴、並びに透析生活期間の長さについて調整すると、RRは1.9、95%CIは1.1〜3.2)。
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Claims (18)
- 慢性腎疾患(CKD)試験対象の、あらゆる医学的原因に基づく死因による死亡可能性を予測する方法であって、前記対象由来の試験血液試料において上昇したMIC−1量を検出するステップを含み、前記上昇したMIC−1量が前記対象の死亡可能性の増加と関連している方法。
- 試験血液試料における上昇したMIC−1量が、
(i)前記試験血液試料中に存在するMIC−1量を決定するステップ、及び
(ii)前記MIC−1量を、より早期の時点で同一の対象から採取した比較用血液試料(複数可)中に存在するMIC−1量又はその量の範囲と比較するステップ
による連続測定を用いることにより検出され、
ステップ(i)において存在する前記MIC−1量が、前記比較用血液試料(複数可)中に存在する前記MIC−1量又はその量の範囲と比較して上昇している、請求項1に記載の方法。 - 試験血液試料における上昇したMIC−1量が、
(i)前記試験血液試料中に存在するMIC−1量を決定するステップ、及び
(ii)前記MIC−1量を、正常対象(複数可)から採取した比較用血液試料(複数可)中に存在するMIC−1量又はその量の範囲と比較するステップ
による正常対象との比較により検出され、
ステップ(i)において存在する前記MIC−1量が、前記比較用血液試料(複数可)中に存在する前記MIC−1量又はその量の範囲と比較して上昇している、請求項1に記載の方法。 - 試験血液試料における上昇したMIC−1量が、
(i)前記試験血液試料中に存在するMIC−1量を決定するステップ、及び
(ii)前記MIC−1量を、末期腎疾患を有すると診断されている少なくとも1人の他の対象から採取した比較用血液試料(複数可)中に存在するMIC−1量又はその量の範囲と比較するステップ
による末期腎疾患対象との比較により検出され、
ステップ(i)において存在する前記MIC−1量が、前記比較用血液試料(複数可)中に存在する前記MIC−1量又はその量の範囲と比較して高いとき、前記試験対象の死亡可能性は前記少なくとも1人の他の対象と比較して高い、請求項1に記載の方法。 - 慢性腎疾患(CKD)試験対象の、あらゆる医学的原因に基づく死因による死亡可能性を予測する方法であって、
(i)前記対象由来の試験血液試料においてMIC−1量を決定するステップ、及び
(ii)ステップ(i)において決定された前記MIC−1量を、前記対象の死亡可能性の増加と関連している上昇したMIC−1量であるMIC−1の基準量と比較するステップ
を含み、
ステップ(i)において決定された前記MIC−1量が前記基準量より多いか又は実質的に同等であるとき前記対象の死亡可能性が増加しており、ステップ(i)において決定された前記MIC−1量が前記基準量より少ないとき前記対象の死亡可能性が低下している方法。 - 腎移植すべき末期腎疾患試験対象を選択する方法であって、前記対象由来の試験血液試料において上昇したMIC−1量を検出することを含み、前記上昇したMIC−1量が腎移植を行わない場合の前記対象の死亡可能性の増加と関連している方法。
- (i)対象由来の試験血液試料においてMIC−1量を決定するステップ、及び
(ii)ステップ(i)において決定された前記MIC−1量を、腎移植を行わない場合の前記対象の死亡可能性の増加と関連しているMIC−1の基準量と比較するステップ
を含み、
ステップ(i)において決定された前記MIC−1量が前記基準量より多いか又は実質的に同等であるとき、腎移植を行わない場合の前記対象の死亡可能性が増加しており、ステップ(i)において決定された前記MIC−1量が前記基準量より少ないとき、腎移植を行わない場合の前記対象の死亡可能性が低下している、請求項6に記載の方法。 - 試験血液試料における上昇したMIC−1量が、
(i)前記試験血液試料中に存在するMIC−1量を決定するステップ、及び
(ii)前記MIC−1量を、より早期の時点で同一の対象から採取した比較用血液試料(複数可)中に存在するMIC−1量又はその量の範囲と比較するステップ
による連続測定を用いることにより検出され、
ステップ(i)において存在する前記MIC−1量が、前記比較用血液試料(複数可)中に存在する前記MIC−1量又はその量の範囲と比較して上昇している、請求項6に記載の方法。 - 試験血液試料における上昇したMIC−1量が、
(i)前記試験血液試料中に存在するMIC−1量を決定するステップ、及び
(ii)前記MIC−1量を、正常対象(複数可)から採取した比較用血液試料(複数可)中に存在するMIC−1量又はその量の範囲と比較するステップ
による正常対象との比較により検出され、
ステップ(i)において存在する前記MIC−1量が、前記比較用血液試料(複数可)中に存在する前記MIC−1量又はその量の範囲と比較して上昇している、請求項6に記載の方法。 - 試験血液試料における上昇したMIC−1量が、
(i)前記試験血液試料中に存在するMIC−1量を決定するステップ、及び
(ii)前記MIC−1量を、末期腎疾患を有すると診断されている少なくとも1人の他の対象から採取した比較用血液試料(複数可)中に存在するMIC−1量又はその量の範囲と比較するステップ
による末期腎疾患対象との比較により検出され、
ステップ(i)において存在する前記MIC−1量が、前記比較用血液試料(複数可)中に存在する前記MIC−1量又はその量の範囲と比較して高いとき、前記試験対象の死亡可能性は前記少なくとも1人の他の対象と比較して増加している、請求項6に記載の方法。 - 透析を受けている末期腎疾患試験対象を前記透析に対する忍容性について評価する方法であって、前記対象由来の試験血液試料において上昇したMIC−1量を検出することを含み、前記上昇したMIC−1量が透析に対する低い忍容性と関連している方法。
- (i)対象由来の試験血液試料中に存在するMIC−1量を決定するステップ、及び
(ii)ステップ(i)において決定された前記MIC−1量を、透析の開始の前又は後であるより早期の時点(複数可)での前記試験対象、又は透析に対する長期的忍容性を有する末期腎疾患対照対象(複数可)から採取した比較用血液試料(複数可)中に存在するMIC−1量又はその量の範囲と比較するステップであって、ステップ(i)において決定された前記MIC−1量が、前記比較用血液試料(複数可)中に存在する前記MIC−1量又はその量の範囲と比較して高い量であるとき、前記対象の透析に対する忍容性は低い可能性があり、ステップ(i)において決定された前記MIC−1量が、前記比較用血液試料(複数可)中に存在する前記MIC−1量又はその量の範囲より少ないか又は実質的に同等であるとき、前記対象は透析に対する忍容性を有する可能性があるステップ、或いは
(iii)ステップ(i)において決定された前記MIC−1量を、透析に対する長期的忍容性と関連しているMIC−1の基準量と比較するステップであって、ステップ(i)において決定された前記MIC−1量が前記MIC−1の基準量と比較して高い量であるとき、前記対象の透析に対する忍容性は低い可能性があり、ステップ(i)において決定された前記MIC−1量が前記MIC−1の基準量より少ないか又は実質的に同等であるとき、前記対象は透析に対する忍容性を有する可能性があるステップ
を含む、請求項11に記載の方法。 - 肥満度指数(BMI)の低下、肥満度指数の脂肪成分(FBMI)の低下、主観的包括的栄養評価(SGA)スコアの低下、体重減少の亢進、血清C反応性タンパク質(CRP)レベルの増加、フィブリノーゲンレベルの増加、及び8−ヒドロキシデオキシグアノシン(8−OHdG)レベルの増加からなる群から選択される少なくとも1つの死亡率予測因子を検出するステップをさらに含み、前記死亡率予測因子(複数可)が、既定のカットオフ点にあるか、又はそれを超えている、請求項1〜12のいずれかに記載の方法。
- 試験血液試料が、血清である、請求項1〜13のいずれかに記載の方法。
- 上昇したMIC−1量が、6000pg/mlを超える血清MIC−1レベルであるか又はそれに相当する、請求項1〜14のいずれかに記載の方法。
- 上昇したMIC−1量が、7000pg/mlを超える血清MIC−1レベルであるか又はそれに相当する、請求項1〜14のいずれかに記載の方法。
- 上昇したMIC−1量が、14000pg/mlを超える血清MIC−1レベルであるか又はそれに相当する、請求項1〜14のいずれかに記載の方法。
- MIC−1が、成熟ヒトMIC−1タンパク質、D6成熟ヒトMIC−1バリアントタンパク質及び/又はそのヘテロ二量体である、請求項1〜17のいずれかに記載の方法。
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