しかし、上記従来の画像形成装置において、画像形成に用いられるトナーが経時的に劣化すると、トナーの荷電性の低下や荷電分布のブロード化によって、正規に帯電したトナーとは逆極性に帯電したトナーが感光体ドラムの地肌部(非画像部)に付着する、いわゆる地肌かぶりが生じる。この地肌かぶりが生じると、感光体ドラムの地肌部に付着したトナーが記録用紙に転写されて、記録用紙を汚すと言った問題がある。また、この問題は、直接転写方式と間接転写方式のいずれの場合も生じる虞があるが、特に直接転写方式の場合は、感光体ドラムの地肌部に付着したトナーがそのまま記録用紙に転写されるため顕著となる。また、地肌かぶりのトナーを記録用紙から回収するためのローラやバイアス印加部材等を別途設ける方法もあるが、そのような回収専用のローラ及びバイアス印加部材等を配設すると、画像形成装置の大型化やコストアップとなる問題が生じる。
本発明は、斯かる事情に鑑み、小型化及び低コスト化を図れると共に、地肌かぶりによる記録媒体の汚れを抑制できる画像形成装置を提供しようとするものである。
請求項1の発明は、表面に画像を担持可能な複数の像担持体と、各々の前記像担持体に対向して配設されると共に前記像担持体上に形成された画像を記録媒体又は中間転写体に転写する転写手段と、前記像担持体を前記記録媒体又は前記中間転写体に対して接触する状態と接触しない状態とに切り換える接離手段とを備え、前記複数の像担持体のうち、画像が形成される像担持体を残して他の像担持体を前記記録媒体又は中間転写体と接触しない状態にした一部離間モードで画像を転写可能な画像形成装置において、前記一部離間モードで、前記像担持体に形成される画像に用いるトナーの品質情報を取得する情報取得手段と、前記情報取得手段が取得したトナーの品質情報に基づいて、記録媒体搬送方向又は中間転写体走行方向の上流側に配置される前記像担持体から画像が転写された前記記録媒体又は前記中間転写体に対して下流側の画像が形成されない前記像担持体を接触させるか否かを制御する制御手段を備え、前記上流側に配置される像担持体から前記記録媒体又は前記中間転写体に画像を転写する際に、前記上流側の像担持体から前記記録媒体又は前記中間転写体に付着する逆帯電トナーを、前記記録媒体又は前記中間転写体に接触する前記下流側の像担持体によって回収するように構成したものである。
上記一部離間モードにおいて、情報取得手段によって像担持体に形成される画像に用いるトナーの品質情報を取得することにより、地肌かぶりによる画質低下の虞があるか否かを判断することができる。そして、画質低下の虞がある場合、画像が形成されない像担持体を記録媒体又は中間転写体に接触させるように制御することで、この像担持体によって記録媒体又は中間転写体上の地肌かぶりのトナーを回収することができる。
また、下流側の像担持体を記録媒体又は中間転写体に接触させることで、像担持体上の画像を記録媒体又は中間転写体に転写した後、そのまま記録媒体を搬送する、又は中間転写体を走行させることで、下流側の像担持体によって、地肌かぶりのトナーを回収することができる。この場合、地肌かぶりのトナーを回収するために、記録媒体又は中間転写体を上流側へ逆送させる必要がないので、制御機構の簡素化と印刷速度アップを図れる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記情報取得手段が取得したトナーの品質情報に基づいて、画像転写後の前記記録媒体又は前記中間転写体に接触させる前記像担持体の個数を、前記制御手段によって制御可能に構成したものである。
これにより、情報取得手段が取得したトナーの品質情報に基づいて、地肌かぶりのトナーが多いと判断した場合、画像転写後の記録媒体又は中間転写体に接触させる像担持体の個数を多くすることで、地肌かぶりのトナーを確実に回収できるようになる。
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の画像形成装置において、画像転写後の前記記録媒体又は前記中間転写体に前記像担持体を接触させる際、当該像担持体に対向する前記転写手段に正規帯電トナーの帯電極性と逆極性のバイアスを印加するように構成したものである。
転写手段に正規帯電トナーの帯電極性と逆極性のバイアスを印加することにより、転写手段と像担持体との間に、正規帯電トナーと逆極性に帯電したトナーを像担持体側へ移動させる電界が形成されるので、記録媒体又は中間転写体上の地肌かぶりのトナー(正規帯電トナーと逆極性に帯電したトナー)は、記録媒体又は中間転写体から像担持体へ移動する。このように、転写手段に正規帯電トナーの帯電極性と逆極性のバイアスを印加することによって、地肌かぶりのトナーを像担持体へ移動させて確実に回収することができる。
請求項4の発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載の画像形成装置において、前記トナーの品質情報を、当該トナーを用いて画像が形成される前記像担持体の走行距離を検知することによって取得するようにしたものである。
像担持体の走行距離を検知することによって、トナーの品質情報を取得することが可能である。
請求項5の発明は、請求項1から4のいずれか1項に記載の画像形成装置において、画像転写後の前記記録媒体又は前記中間転写体に接触させる前記像担持体として、イエローの画像を担持可能な前記像担持体を少なくとも用いるようにしたものである。
イエローのトナーは記録媒体に付着しても目立ちにくいので、少なくともイエローの画像を担持可能な像担持体を用いることにより、その像担持体上の地肌かぶりのトナーが記録媒体の非画像部に付着したとしても、画質の低下を抑制できる。
請求項6の発明は、請求項1から5のいずれか1項に記載の画像形成装置において、前記接離手段によって、互いに対向する前記像担持体と前記転写手段とのいずれか一方を他方に対して接離させることにより、前記像担持体を前記記録媒体又は前記中間転写体に対して接触する状態と接触しない状態とに切換可能に構成したものである。
接離手段として、互いに対向する像担持体と転写手段とのいずれか一方を他方に対して接離させる構成を採用可能である。
請求項7の発明は、請求項6に記載の画像形成装置において、前記接離手段は、凸部又は凹部が設けられ往復移動可能に構成された移動部材を有し、前記移動部材の移動に伴って、前記像担持体又は前記転写手段を、前記凸部又は前記凹部を設けた箇所と前記凸部又は前記凹部を設けていない箇所との間で相対的に移動させることにより、像担持体又は転写手段を接離させるように構成したものである。
接離手段として、上記のように構成された移動部材を用いることができる。
請求項8の発明は、請求項7に記載の画像形成装置において、前記移動部材を、駆動手段により回転可能なギア部材により往復移動可能に構成したものである。
このように、回転可能なギア部材によって移動部材を往復移動させることが可能である。
請求項9の発明は、請求項7に記載の画像形成装置において、前記移動部材を、駆動手段により回転可能な偏心カムにより往復移動可能に構成したものである。
このように、回転可能な偏心カムによって移動部材を往復移動させることが可能である。
請求項10の発明は、請求項7から9のいずれか1項に記載の画像形成装置において、前記移動部材の移動位置を検知する位置検知手段を設け、前記位置検知手段が検知した情報に基づいて前記移動部材の移動を制御するように構成したものである。
位置検知手段によって移動部材の移動位置を検知することにより、移動部材の移動を精度良く制御できるようになる。
本発明によれば、上記一部離間モードにおいて地肌かぶりによる画質低下の虞がある場合、画像が形成されない像担持体を記録媒体又は中間転写体に接触させて、この像担持体によって地肌かぶりのトナーを回収することができるので、記録媒体の汚れを抑制することができ、高画質の画像を提供することが可能となる。
一方、トナーの荷電性や流動性などが低下していない初期や、トナーの荷電性が高くなる低湿環境下などでは、地肌かぶりのトナーも少ないため、画像が形成されない一部の像担持体を記録媒体又は中間転写体と接触しない状態にしておくことによって、その像担持体の損耗やトナーの消費及び劣化等を抑制することができる。
また、上記のように、地肌かぶりのトナーを回収するための部材として画像が形成されない像担持体を用いることで、地肌かぶりのトナーを回収するための専用のローラ等を別途設ける必要がないので、小型化及び低コスト化を図ることができる。
以下、本発明に係る実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
図1は、本発明の実施の一形態に係る直接転写方式タンデム型の画像形成装置の概略構成図である。ただし、本発明の構成は、図1に示す画像形成装置に限定されず、その他の複写機、プリンタ、ファクシミリ、あるいはこれらの複合機等に適用することも可能である。
図1に示す画像形成装置100は、画像形成ユニットとしての4つのプロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkが画像形成装置本体99に対して着脱可能に装着されている。各プロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkは、カラー画像の色分解成分に対応するイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの異なる色のトナーを収容している以外は同様の構成となっている。
詳しくは、各プロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkは、それぞれ、像担持体としての感光体ドラム2Y,2M,2C,2Bkと、感光体ドラム2Y,2M,2C,2Bkの表面を帯電させる帯電手段としての帯電ローラ3Y,3M,3C,3Bkと、感光体ドラム2Y,2M,2C,2Bk上の静電潜像を顕像化する現像手段としての現像装置4Y,4M,4C,4Bkと、感光体ドラム2Y,2M,2C,2Bkの表面をクリーニングする図示しないクリーニング手段などを備えている。
各感光体ドラム2Y,2M,2C,2Bkは、図示しない駆動装置によって図の反時計回りに線速50mm/sで回転するようになっている。各帯電ローラ3Y,3M,3C,3Bkは、感光体ドラム2Y,2M,2C,2Bkの表面に当接しており、感光体ドラム2Y,2M,2C,2Bkの回転によって帯電ローラ3Y,3M,3C,3Bkは従動回転するようになっている。また、帯電ローラ3Y,3M,3C,3Bkには、図示しない高圧電源によってDCあるいはDCにACが重畳されたバイアスが印加されるように構成されている。各現像装置4Y,4M,4C,4Bkは、現像剤としての1成分トナーが初期的に収納された1成分接触式の現像装置である。各現像装置4Y,4M,4C,4Bkには、図示しない高圧電源から所定の現像バイアスが供給されるように構成されている。
また、画像形成装置本体99内には、各感光体ドラム2Y,2M,2C,2Bkの表面を露光する露光手段としての露光装置5と、シート状の記録媒体を収容する給紙カセット6と、前記記録媒体を搬送する搬送手段としての搬送ベルト7と、各感光体ドラム2Y,2M,2C,2Bk上のトナー像を前記記録媒体上に転写する転写手段としての4つの転写ローラ8Y,8M,8C,8Bkと、前記記録媒体に転写されたトナー像を定着させる定着手段としての定着装置9などが配設されている。
露光装置5は、各感光体ドラム2Y,2M,2C,2Bkに対して画像情報に応じたレーザー光を照射するように構成されている。この露光装置5としては、レーザーダイオードを用いたレーザービームスキャナなどを用いることができる。
給紙カセット6には、記録媒体としての記録用紙Pが収容してある。ここで、給紙カセット6に収容される記録媒体には、一般にコピー等に用いられる普通紙の他、OHPシートや、カード、ハガキ等の厚紙や、封筒等が含まれる。給紙カセット6には、収容されている記録用紙Pを送り出すための給紙ローラ10が設けられている。また、給紙カセット6から搬送ベルト7へ記録用紙Pを搬送する搬送経路の途中には、記録用紙Pのスキュー補正と搬送タイミングの調整を行うためのレジストローラ対11が配設されている。
上記搬送ベルト7は、駆動ローラ12と、テンションローラ13と、4つの転写ローラ8Y,8M,8C,8Bkによって張架された無端状のベルトである。駆動ローラ12は図示しない駆動装置によって図の時計回りに回転するようになっており、この駆動ローラ12の回転によって搬送ベルト7は図の矢印Aの方向に回転するようになっている。テンションローラ13の両端部は、図示しないバネによって搬送ベルト7側へ付勢されている。また、テンションローラ13の両端部にはフランジが圧入されており、これによって搬送ベルト7の蛇行を規制している。なお、搬送ベルト7を張架している各ローラは、図示しない搬送ベルトユニットの側板によって支持されている。
駆動ローラ12としては、例えば、表層部分が肉厚0.3〜1mmのポリウレタンゴムから成るローラや、金属ローラに肉厚0.03〜0.1mmの薄層コーティングを施したローラ等を使用可能であるが、本実施形態では、温度による径変化が小さい肉厚0.05mm、直径19mmのウレタンコーティングローラを使用している。また、本実施形態でのテンションローラ13は、直径19mm、幅231mmのアルミニウム製のパイプで構成されている。
上記各転写ローラ8Y,8M,8C,8Bkは、各感光体ドラム2Y,2M,2C,2Bkに対向した位置で搬送ベルト7に当接しており、各転写ローラ8Y,8M,8C,8Bkと各感光体ドラム2Y,2M,2C,2Bkとで搬送ベルト7を挟み込んだ箇所には、転写部としての転写ニップが形成されている。また、各転写ローラ8Y,8M,8C,8Bkには、図示しない各色独立の高圧電源から所定の転写バイアス(+400〜+2500V)が印加されるようになっている。転写ローラ8Y,8M,8C,8Bkとしては、導電スポンジローラや、導電ソリッドローラ等を使用可能である。導電スポンジローラは、例えば、SUS等の金属製芯金上に、導電性材料によって104〜1013Ωの抵抗値に調整された弾性体を被覆することによって構成される。
また、搬送ベルト7に対向した位置にトナーマークセンサ(TMセンサ)14が配設されている。トナーマークセンサ14は、正反射型や拡散型のセンサで構成されており、搬送ベルト7上でトナーを検知して、トナー像の濃度及び各色位置の測定を行うものである。これにより、画像濃度や位置合わせを調整するようにしている。
以下、図1を参照しつつ、上記画像形成装置の基本動作を、カラー画像を形成する場合を例にして説明する。
作像動作が開始されると、各感光体ドラム2Y,2M,2C,2Bkが図示しない駆動装置によって図の反時計回りに回転駆動され、図示しない高圧電源によって各帯電ローラ3Y,3M,3C,3Bkに所定のバイアスが印加されることにより、各感光体ドラム2Y,2M,2C,2Bkの表面が所定の極性に一様に帯電される。次に、帯電された各感光体ドラム2Y,2M,2C,2Bkの表面に、露光装置5からレーザー光がそれぞれ照射されて静電潜像が形成される。このとき、各感光体ドラム2Y,2M,2C,2Bkに露光する画像情報は所望のカラー画像をイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの色情報に分解した単色の画像情報である。このように感光体ドラム2Y,2M,2C,2Bk上に形成された静電潜像に、各現像装置4Y,4M,4C,4Bkによってトナーが供給されることにより、静電潜像はトナー画像として顕像化(可視画像化)される。
また、作像動作が開始されると、給紙ローラ10の回転を開始し、給紙カセット6に収容された記録用紙Pが給紙ローラ10によって送り出される。給紙ローラ10によって送り出された記録用紙Pは、レジストローラ対11によって一旦停止され、ここでスキューが補正される。その後、所定のタイミングでレジストローラ対11の駆動を再開し、記録用紙Pを搬送ベルト7へ送り出す。また、図示しない高圧電源から各転写ローラ8Y,8M,8C,8Bkに所定の転写バイアス(+400〜+2500V)が印加され、各転写ローラ8Y,8M,8C,8Bkと各感光体ドラム2Y,2M,2C,2Bkとの間の転写ニップに転写電界が形成される。そして、搬送ベルト7上に担持された記録用紙Pが、搬送ベルト7の回転に伴って図の矢印Aの方向へ搬送され、記録用紙Pが各転写ニップを通過する際に各感光体ドラム2Y,2M,2C,2Bk上のトナー像がブラック、シアン、マゼンタ、イエローの順に記録用紙P上に重なり合うように転写される。かくして、記録用紙P上にカラー画像が担持される。また、各感光体ドラム2Y,2M,2C,2Bk上に残留するトナーは、図示しないクリーニング装置によって除去され、次の画像形成に備えられる。その後、トナー画像が転写された記録用紙Pは、定着手段9へと搬送され、そこで記録用紙Pが加熱及び加圧されてトナー画像が定着された後、記録用紙Pは機外に排出される。
以上、カラー画像を形成する場合の動作について説明したが、本実施形態に係る画像形成装置は、カラー画像以外に、ブラックのトナーのみを使用したモノクロ画像も形成可能である。しかし、モノクロ画像形成時に、図2(a)に示すカラー画像形成時と同様に、全部の感光体ドラム2Y,2M,2C,2Bkを搬送ベルト7に接触させていると、モノクロ画像形成に必要ないカラーの感光体ドラム2Y,2M,2Cまでも駆動させなければならなくなる。この場合、カラーの感光体ドラム2Y,2M,2Cの駆動を停止させておく場合に比べて、カラートナーの消費や劣化、及びカラーの感光体ドラム2Y,2M,2Cの損耗が生じてしまう。そのため、本実施形態に係る画像形成装置では、図2(b)に示すように、モノクロ画像の形成を行う場合は、カラーの感光体ドラム2Y,2M,2Cをここでは図示しない接離手段によって搬送ベルト7に対して離間させて、それらの駆動を停止させるようにしている。このように、モノクロ画像形成を行う場合は、カラーの感光体ドラム2Y,2M,2Cを搬送ベルト7から離間させた一部離間モードで、ブラックの感光体ドラム2Bkのみにトナー画像を形成し、それを搬送ベルト7上の記録用紙Pに転写する。なお、一部離間モードにおいて、搬送ベルト7に接触させる感光体ドラムは、ブラックの感光体ドラム2Bkのみに限定されるものではない。その他の色の感光体ドラムや、2つ以上の感光体ドラムを接触させて一部離間モードを取り得るように構成することも可能である。
ところで、トナーの荷電性や流動性等の品質が経時的に低下するにつれて、トナーの中に正規の帯電極性とは逆極性に帯電するトナー量が増加し、感光体ドラムの地肌部(非画像部)に付着する地肌かぶりが生じる場合がある。特に、モノクロ画像形成時において、この地肌かぶりが生じると、感光体ドラムの地肌部に付着したブラックのトナーが記録用紙上に転写され、記録用紙上の汚れが目立って画像品質が低下してしまう。
そこで、本実施形態では、モノクロ画像形成時に地肌かぶりが生じた場合、図2(c)に示すように、カラーの感光体ドラム2Y,2M,2Cのうちの1つ(図ではイエローの感光体ドラム2Y)を搬送ベルト7に接触させて、この感光体ドラムによって記録用紙の非画像部に付着したトナーを回収するようにしている。以下、非画像部上のトナーを回収するための構成を詳しく説明する。
図3は、感光体ドラムの接離手段の構成を示す図である。同図において、(a)は全部の感光体ドラム2Y,2M,2C,2Bkを搬送ベルト7に接触させたカラー画像形成モード、(b)はブラックの感光体ドラム2Bkのみ搬送ベルト7に接触させて、カラーの感光体ドラム2Y,2M,2Cを搬送ベルト7から離間させたモノクロ画像形成モード、(c)はモノクロ画像形成モードでイエローの感光体ドラム2Yを搬送ベルト7に接触させたトナー回収モードを示す。
図3に示すように、接離手段20は、水平方向(図の横方向)に往復移動可能な移動部材21と、その移動部材21を移動させるためのギア部材22等を有する。ギア部材22は、移動部材21に設けてあるラック部21aの歯列と噛合しており、図示しない駆動手段によってギア部材22が正回転又は逆回転することにより、移動部材21が水平方向に移動するようになっている。また、移動部材21には、カラーの各感光体ドラム2Y,2M,2Cを上方へ押し上げるための3つの凸部21y,21m,21cが設けられている。
図3(a)に示す状態から、ギア部材22を回転させて移動部材21を図の左側へ移動させると、図3(b)に示すように、その移動に伴って各凸部21y,21m,21cがカラーの各感光体ドラム2Y,2M,2Cの軸受けを押し上げることで、各感光体ドラム2Y,2M,2Cが搬送ベルト7から離間する。その状態から、さらにギア部材22を回転させて移動部材21を図の左側へ移動させると、図3(c)に示すように、イエローの感光体ドラム2Yは、凸部21yから落下して搬送ベルト7に接触する。なお、マゼンタとシアンの感光体ドラム2M,2Cは、それぞれ凸部21m,21cに乗り上げた状態となっており、搬送ベルト7に対して離間した状態で維持される。このように、本実施形態では、移動部材21の移動に伴って、カラーの感光体ドラム2Y,2M,2Cを凸部21y,21m,21cを設けた箇所と凸部を設けていない箇所との間で相対的に移動させることにより、カラーの感光体ドラム2Y,2M,2Cを搬送ベルト7に対して接離可能に構成している。また、図示省略するが、移動部材21に凹部を設け、カラーの感光体ドラム2Y,2M,2Cをその凹部を設けた箇所と凹部を設けていない箇所との間で相対的に移動させることによっても、カラーの感光体ドラム2Y,2M,2Cを搬送ベルト7に対して接離可能とすることが可能である。
また、図4は、接離手段20の他の実施形態を示す図である。
図4に示す接離手段20は、上記図3に示す実施形態と同様に、移動部材21を有しているが、その移動部材21の移動させる機構が図3に示す実施形態と異なっている。具体的には、図4に示す接離手段20は、移動部材21に当接する偏心カム23を有する。この偏心カム23は、回転中心からの距離が異なる3つのカム面23a,23b,23cを有している。これにより、図示しない駆動手段からの駆動力を受けて偏心カム23が回転すると、移動部材21に当接するカム面23a,23b,23cに応じて、移動部材21の位置が図4の(a)(b)(c)の三段階に変化するようになっている。そして、その移動部材21の移動に伴って、移動部材21に設けた各凸部21y,21m,21cがカラーの各感光体ドラム2Y,2M,2Cの軸受けを押し上げることで、各感光体ドラム2Y,2M,2Cは搬送ベルト7から離間するようになっている。なお、図4の(a)(b)(c)におけるカラーの感光体ドラム2Y,2M,2Cの接離動作は、上記図3(a)(b)(c)において説明した接離動作と同様であるので、ここでは説明を省略する。
また、図示省略するが、上記移動部材21の位置を検知する位置検知手段を設け、その位置検知手段が検知した情報に基づいて移動部材21の移動を制御するように構成してもよい。この位置検知手段によって図3又は図4に示す移動部材21の各位置を検知することにより、移動部材21の移動を精度良く制御できるようになる。位置検知手段としては、例えば、透過型の光学センサや、反射型の光学センサ、あるいは、導通の有無を検知して位置を検知するセンサなどを適用可能である。
また、本実施形態に係る上記画像形成装置は、ブラックの感光体ドラム2Bkに用いられるトナーの品質情報を取得する情報取得手段と、その情報取得手段が取得したブラックのトナーの品質情報に基づいて、イエローの感光体ドラム2Yを搬送ベルト7に接触させるか否かを制御する制御手段を備えている。トナーの品質情報は、例えば、感光体ドラムの走行距離や、トナーの消費量、廃トナー量、感光体ドラムを駆動させるモータの回転時間などの情報を得ることで把握することが可能である。本実施形態では、上記情報取得手段として、プロセスユニットの新品検知やトナーエンド検知、その他の各種制御に用いる情報を得るためにプロセスユニットに設けてある図示しないIDチップを用いている。そして、このIDチップで得られる情報の中で、トナーの荷電性低下や流動性低下などの品質に関する情報として、ブラックの感光体ドラムの走行距離情報を得るようにしている。
上記制御手段は、画像形成装置の各種動作を制御するための図示しないCPU等で構成されている。上記ICチップが取得したトナー品質情報としてのブラックの感光体ドラムの走行距離情報は、制御手段に送信されるようになっており、制御手段は受信した情報に基づいてブラックの感光体ドラムの走行距離が所定の走行距離を越えているか否かを判断するようになっている。そして、その判断結果に基づいてイエローの感光体ドラム2Yを搬送ベルト7に接触させるか否かを制御するように構成されている。ここでいう「所定の走行距離」は、トナーの品質が、画質低下の虞のある地肌かぶりが生じるような品質(劣化状態)になっていると推定される走行距離の閾値である。
以下、図5に示すフローチャートを参照して、モノクロ画像形成動作について説明する。
モノクロ画像形成が開始されると、制御手段が、ICチップから受信した情報に基づいてブラックの感光体ドラムの走行距離が所定の走行距離を越えているか否かを判断する。ブラックの感光体ドラムの走行距離が所定の走行距離を越えていない場合は、地肌かぶりによる画質低下の虞がないと判断して、図3(b)又は図4(b)に示す状態に移動部材21を移動させて、カラーの感光体ドラム2Y,2M,2Cの全てを搬送ベルト7から離間させる。そして、ブラックの感光体ドラム2Bkのみにトナー画像を形成し、それを搬送ベルト7上の記録用紙Pに転写する。
一方、ブラックの感光体ドラムの走行距離が所定の走行距離を越えている場合は、地肌かぶりによる画質低下の虞があると判断して、図3(c)又は図4(c)に示す状態に移動部材21を移動させて、イエローを除くマゼンタとシアンの感光体ドラム2M,2Cを搬送ベルト7から離間させる。そして、ブラックの感光体ドラム2Bkのみにトナー画像を形成し、それを搬送ベルト7上の記録用紙Pに転写する。その後、記録用紙Pは下流へと搬送されイエローの感光体ドラム2Yの位置に到達したとき、イエローの感光体ドラム2Yに対向する転写ローラ8Yに図示しない独立の高圧電源から所定のバイアス(+400〜+2500V)が印加される。このとき印加されるバイアスは、正規帯電トナーの帯電極性と逆極性のバイアスである。これにより、転写ローラ8Yとイエローの感光体ドラム2Yとの間には、正規帯電トナーと逆極性に帯電したトナーをイエローの感光体ドラム2Y側へ移動させる電界が形成されるので、記録用紙の非画像部上に付着した地肌かぶりのトナー(正規帯電トナーと逆極性に帯電したトナー)は、記録用紙からイエローの感光体ドラム2Yへ移動して回収される。その後、イエローの感光体ドラム2Yで回収したトナーは、図示しないクリーニング手段によって除去される。
上述の例では、カラーの感光体ドラム2Y,2M,2Cのうち、イエローの感光体ドラム2Yのみを搬送ベルト7に接触させるように制御しているが、搬送ベルト7に接触させる感光体ドラムの個数が多い方が、地肌かぶりのトナーをより多く確実に回収することが可能である。例えば、図6に示すように、モノクロ画像形成時に、イエローとマゼンタの2つの感光体ドラム2Y,2Mを搬送ベルト7に接触させてもよい。また、モノクロ画像形成時に、図2(a)に示すように、全てのカラーの感光体ドラム2Y,2M,2Cを搬送ベルト7に接触させることも可能である。
また、ブラックのトナーの経時品質情報に基づいて、搬送ベルト7に接触させるカラーの感光体ドラム2Y,2M,2Cの個数を変更可能に構成してもよい。これにより、劣化トナーの量が多い場合は、カラーの感光体ドラムを多く接触させ、地肌かぶりのトナーを確実に回収するようにすることが可能となる。
また、トナーの荷電性や流動性は温度や湿度によっても変化するため、画像形成装置内又は周辺環境の温度及び湿度を検知する環境条件検知センサを設け、その環境条件検知センサによって検知した温度又は湿度が所定の値を越えた場合に、カラーの感光体ドラムの少なくとも1つを搬送ベルト7に接触させるように制御してもよい。また、上記ICチップによって得られるトナーの品質情報と、環境条件検知センサの検知情報を併用して、カラーの感光体ドラムの接離動作を制御することも可能である。
また、複数のカラーの感光体ドラム2Y,2M,2Cのうち、いずれを選択して搬送ベルト7に接触させても地肌かぶりのトナーを回収することができるが、イエローの感光体ドラム2Yを優先して選択することが望ましい。これは、イエローのトナーは記録用紙に付着しても目立ちにくいので、少なくともイエローの感光体ドラム2Yを用いることにより、たとえ、イエローの感光体ドラム2Y上の地肌かぶりのトナーが記録用紙の非画像部に付着したとしても、画質の低下を抑制できるからである。
また、本実施形態のように、地肌かぶりのトナーを回収するために用いるカラーの感光体ドラム2Y,2M,2Cは、ブラックの感光体ドラム2Bkよりも、記録用紙の搬送方向(図2の矢印Aの方向)の下流側に配設されていることが望ましい。仮に、カラーの感光体ドラム2Y,2M,2Cをブラックの感光体ドラム2Bkよりも上流側に配設した場合は、地肌かぶりのトナーを回収するために記録用紙を上流側へ逆送させなければならなくなり、制御機構が複雑化する上、印刷速度も低下するからである。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加え得ることは勿論である。例えば、本発明に係る直接転写方式の画像形成装置を、図7に示すような構成とすることも可能である。この画像形成装置は、図7(a)に示すように、カラーの感光体ドラム2Y,2M,2Cに対して各転写ローラ8Y,8M,8Cを接離させることにより、搬送ベルト7をカラーの各感光体ドラム2Y,2M,2Cに対し接離可能に構成している。この場合、図7(b)に示すように、モノクロ画像形成時において、カラーの感光体ドラム2Y,2M,2Cに対向する転写ローラ8Y,8M,8cのうち、少なくとも1つ(図ではイエローの感光体ドラム2Yに対向する転写ローラ8Y)を感光体ドラムに対して当接させることにより、上記実施形態と同様に、記録用紙上の地肌かぶりのトナーを回収することが可能である。
また、本発明に係る直接転写方式の画像形成装置を、図8に示すような搬送ベルトを備えていない画像形成装置とすることも可能である。図8に示す画像形成装置は、各転写ローラ8Y,8M,8C,8Bk間に、搬送ガイド30が配設されており、これによって記録用紙は案内され搬送されるようになっている。搬送ガイド30は、SUS板などのような導電性材料で形成されると共に、所定の電気抵抗を介して接地されている。これにより、搬送ガイド30と記録用紙が擦れることによって搬送ガイド30に電荷が溜まることを防止することができ、搬送ガイド30を所定の電位となるように制御している。このように、搬送ガイド30に電荷が溜まらないようにすることで、主に静電気的な力で記録用紙上に保持されるトナー画像が、搬送ガイド30に溜まった電荷によって悪影響を受けないようすることが可能である。また、カラーの感光体ドラム2Y,2M,2Cとそれらに対向する転写ローラ8Y,8M,8Cを互いに接離可能に構成されている。このように構成された画像形成装置において、モノクロ画像形成時に、カラーの感光体ドラムの少なくとも1つを転写ローラと接触させることにより、上記実施形態と同様に、記録用紙上の地肌かぶりのトナーを回収することが可能である。
また、本発明の構成は、上記図1に示す直接転写方式の画像形成装置に限らず、図9に示す間接転写方式の画像形成装置にも適用可能である。
図9に示す間接転写方式の画像形成装置200は、像担持体としての複数の感光体ドラム2Y,2C,2M,2Bk等を有する画像形成部と、露光手段としての露光装置5と、中間転写体としての無端状の中間転写ベルト33と、一次転写手段としての複数の一次転写ローラ31Y,31C,31M,31Bkと、二次転写手段としての二次転写ローラ32と、定着手段としての定着装置9と、記録用紙Pを収容する複数の給紙カセット6を備える。各感光体ドラム2Y,2C,2M,2Bkの周囲には、それぞれ、帯電手段としての帯電ローラ3と、現像手段としての現像装置4等が配設されている。なお、図9では、1つの感光体ドラム2Yの周囲に配設された帯電ローラ3及び現像装置4のみに符号を付しており、その他の感光体ドラム2C,2M,2Bkにおいては符号を省略している。
各一次転写ローラ31Y,31C,31M,31Bkは、中間転写ベルト33を介して各感光体ドラム2Y,2C,2M,2Bkに当接しており、各一次転写ローラ31Y,31C,31M,31Bkと各感光体ドラム2Y,2C,2M,2Bkとで中間転写ベルト33を挟み込んだ箇所には、転写部としての一次転写ニップが形成されている。二次転写ローラ32は、中間転写ベルト31を支持するローラの1つ(二次転写対向ローラ34)に対向した位置で中間転写ベルト33に当接しており、その当接した箇所において、転写部としての二次転写ニップが形成されている。
上記画像形成装置200の基本動作を簡単に説明する。
まず、作像動作が開始されると、各感光体ドラム2Y,2C,2M,2Bkの表面が帯電ローラ3によって所定の極性に一様に帯電され、次いで、帯電された各感光体ドラム2Y,2C,2M,2Bkの表面に露光装置5からレーザー光が照射されて静電潜像が形成される。このように各感光体ドラム2Y,2C,2M,2Bk上に形成された静電潜像に、各現像装置4によってトナーが供給されることにより、静電潜像はトナー画像として顕像化(可視画像化)される。
各一次転写ローラ31Y,31C,31M,31Bkに、トナーの帯電極性と逆極性の定電圧又は定電流制御された電圧が印加され、一次転写ニップにおいて転写電界が形成される。そして、上記各感光体ドラム2Y,2C,2M,2Bkに形成された各色のトナー画像が、一次転写ニップにおいて形成された転写電界によって、図の矢印の方向に回転する中間転写ベルト33上に順次重ね合わせて転写され、中間転写ベルト33上にカラーのトナー画像が担持される。
また、作像動作が開始されると、給紙カセット6に収容された記録用紙Pが送り出される。送り出された記録用紙Pは、図示しないレジストローラ対によって一旦停止される。その後、レジストローラ対の駆動を再開し、記録用紙Pを、上記中間転写ベルト33上のトナー画像とタイミングを合わせて二次転写ニップに送る。このとき二次転写ローラ32には、中間転写ベルト33上のトナー画像のトナー帯電極性と逆極性の転写電圧が印加されており、これにより二次転写ニップに転写電界が形成されている。そして、記録用紙Pと中間転写ベルト33上のトナー画像とが二次転写ニップに到達した際、二次転写ニップに形成された転写電界によって、中間転写ベルト33上のトナー画像が記録用紙P上に一括して転写される。そして、記録用紙Pは、定着手段9へと搬送されてトナー画像が定着された後、機外へと排出される。
また、上記間接転写方式の画像形成装置は、カラーの感光体ドラム2Y,2C,2Mの損耗等を抑制するために、モノクロ画像の形成を行う場合、カラーの感光体ドラム2Y,2C,2Mを中間転写ベルト33に対して相対的に離間させて、それらの駆動を停止させるように構成されている。
このような間接転写方式の画像形成装置においても、トナーの荷電性や流動性等の品質が経時的に低下して地肌かぶりが生じると、直接転写方式ほどではないが、感光体ドラムの地肌部に付着したトナーが中間転写ベルトを介して記録用紙上に転写される虞がある。そのため、上記間接転写方式の画像形成装置においても、モノクロ画像形成時に、地肌かぶりによる画質低下の虞がある場合は、画像が形成されないカラーの感光体ドラム2Y,2C,2Mの少なくとも1つを中間転写ベルト33に接触させることにより、中間転写ベルト33に付着した地肌かぶりのトナーを回収することができ、記録用紙の汚れを抑制することが可能である。
以上のように、本発明によれば、画像が形成される像担持体を残して他の像担持体を記録媒体又は中間転写体と接触しない状態にした上記一部離間モードにおいて、地肌かぶりによる画質低下の虞がある場合、画像が形成されない像担持体のうちの少なくとも1つを記録媒体又は中間転写体(以下「記録媒体等」という。)に接触させることにより、その像担持体によって記録媒体等の非画像部に付着したトナーを回収することができる。これにより、記録媒体の汚れを抑制することができ、高画質の画像を提供できるようになる。
一方、トナーの荷電性や流動性などが低回していない初期や、トナーの荷電性が高くなる低湿環境下などでは、地肌かぶりのトナーも少ないため、画像が形成されない一部の像担持体を記録媒体等と接触しない状態にしておくことによって、その像担持体の損耗やトナーの消費及び劣化等を抑制することが可能である。
また、上記のように、地肌かぶりのトナーを回収するための部材として画像が形成されない像担持体を用いることで、地肌かぶりのトナーを回収するための専用のローラ等を別途設ける必要がないので、小型化及び低コスト化を図ることができる。
また、記録媒体等に付着した地肌かぶりのトナーを回収する際、画像が形成されない像担持体を記録媒体等に接触させるだけでも、多少回収することは可能であるが、上記本発明の実施形態のように、転写手段に正規帯電トナーの帯電極性と逆極性のバイアスを印加することによって、地肌かぶりのトナーを確実に回収することが可能となる。これにより、記録媒体の汚れをさらに高度に抑制することができ、一層の高画質化を実現できる。