JP5700629B2 - 防舷材 - Google Patents

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Description

本発明は、岸壁面に取り付けられて船舶の接岸エネルギーを吸収する防舷材に関する。
この種の防舷材として、従来、例えば下記特許文献1の第3図に示されているような、互いに間隔をあけて略ハ字状に配設された弾性変形可能な一対の壁部からなる弾性部と、弾性部の先端に設けられた受衝部と、を備えており、一対の壁部の間に略台形柱状の内部空間が形成されたアーチ型の防舷材が知られている。上記した弾性部及び受衝部は、それぞれゴム等の弾性材料によって一体に形成されている。このアーチ型の防舷材では、上記した受衝部に船舶が衝突すると、一対の壁部がそれぞれ座屈しながら弾性部が圧縮変形する。これにより、船舶の接岸エネルギーを吸収することができる。
また、防舷材としては、従来、例えば下記特許文献1の第4図に示されているような、弾性変形可能な筒状の弾性部と、弾性部の先端に取り付けられた受衝部と、を備えており、弾性部の内側に略円柱形状の内部空間が形成されたセル型の防舷材が知られている。上記した弾性部はゴム等の弾性材料に形成されており、受衝部は弾性部の先端にボルト等によって固定されている。このセル型の防舷材では、上記した受衝部に船舶が衝突すると、弾性部が座屈しながら圧縮変形する。これにより、船舶の接岸エネルギーを吸収することができる。
特開昭61−229008号公報
しかしながら、上記した従来の防舷材では、弾性部が圧縮変形したときの歪み量(伸び量)が部位によって異なるため、圧縮変形による疲労度が不均一であり、圧縮変形が繰り返されることによって部分的に劣化が進行し、防舷材の寿命が短くなるおそれがある。
具体的に説明すると、アーチ型の防舷材では、弾性部と受衝部とが全体で同一の弾性材料からなるにも関わらず、弾性部の座屈点よりも基端側(岸壁面側)であって内部空間に面する部分の歪み量が最も大きくなるため、その部分の疲労度が最も大きくなり、その部分が機械劣化しやすい。また、セル型の防舷材では、弾性部全体が同一の弾性材料からなるにも関わらず、弾性部の基端側の座屈点よりも基端側であって内部空間に面する部分、及び、先端側の座屈点よりも先端側であって内部空間に面する部分の歪み量が最も大きくなるため、その部分の疲労度が最も大きくなり、その部分が機械劣化しやすい。
また、弾性部の端部のうち、内部空間に面する部分は、上記した機械劣化に加え、例えば熱、紫外線等の影響によって化学劣化が生じやすいので、特に劣化が進行しやすい。
一方、弾性部全体を破断伸びが大きい弾性材料で形成すると、弾性部が圧縮されたときの反力が小さくなり、船舶の接岸エネルギーを吸収する仕事量(吸収エネルギー量)が小さくなるという不具合が生じる。
本発明は、上記した従来の問題が考慮されたものであり、船舶の接岸エネルギーを吸収する仕事量を低減させることなく長寿命化を図ることができる防舷材を提供することを目的としている。
本発明に係る防舷材は、岸壁面に取り付けられる弾性部と、該弾性部の先端に支持された受衝部と、を備えていると共に、前記弾性部によって画成された内部空間を有しており、前記弾性部が座屈しながら圧縮変形することで船舶の接岸エネルギーを吸収する防舷材において、前記弾性部の端部のうちの少なくとも前記内部空間に面する部分が、前記弾性部の中央部を形成する第一弾性材料と比較して低剛性で破断伸びが大きい第二弾性材料で形成され、前記弾性部が、内側に前記内部空間が形成され、軸方向一端部が前記岸壁面に取り付けられると共に軸方向他端側に前記受衝部が取り付けられた筒状部であり、前記弾性部の軸方向中央位置よりも基端側の部分及び先端側の部分に、圧縮変形時に該弾性部の座屈を誘発する座屈誘発部がそれぞれ全周にわたって形成されており、基端側の前記座屈誘発部よりも基端側の前記弾性部の基端部、及び、先端側の前記座屈誘発部よりも先端側の前記弾性部の先端部のうちの少なくとも一方に、前記第二弾性材料からなる大歪部が形成されていることを特徴としている。
また、本発明に係る防舷材は、岸壁面に取り付けられる弾性部と、該弾性部の先端に支持された受衝部と、を備えていると共に、前記弾性部によって画成された内部空間を有しており、前記弾性部が座屈しながら圧縮変形することで船舶の接岸エネルギーを吸収する防舷材において、前記弾性部の端部のうちの少なくとも前記内部空間に面する部分が、前記弾性部の中央部を形成する第一弾性材料と比較して低剛性で破断伸びが大きい第二弾性材料で形成され、前記弾性部が、前記岸壁面の垂線に対して線対称に配設されるとともに、前記岸壁面に沿って延びる一対の壁部からなり、該壁部に、前記岸壁面に沿って延び、かつ圧縮変形時に前記弾性部の座屈を誘発する座屈誘発部が形成されており、該座屈誘発部より基端側の前記壁部の基端部に、前記第二弾性材料からなる大歪部が形成されていることを特徴としている。
このような特徴により、受衝部に船舶が衝突して弾性部が座屈しながら圧縮変形したとき、弾性部の端部の歪み量が大きくなり、特に、内部空間に面する部分が最も歪み量が大きくなる。このとき、上記した本発明に係る防舷材では、弾性部の端部のうちの少なくとも内部空間に面する部分が、弾性部の中央部を形成する第一弾性材料と比較して破断伸びが大きい第二弾性材料で形成されているので、大きな歪みが生じても疲労度が低く抑えられる。一方、弾性部の圧縮変形時に反力発生部となる弾性部の中央部は、第二弾性材料と比較して破断伸びが小さい第一弾性材料で形成されるので、弾性部の圧縮変形時に大きな反力が発生し、船舶の接岸エネルギーを吸収する仕事量が十分に得られる。
前者の構成の防舷材では、座屈誘発部が座屈点となって弾性部が座屈しながら圧縮変形する。このとき、弾性部のうち、基端側の座屈誘発部よりも基端側の部分、及び、先端側の座屈誘発部よりも先端側の部分における歪み量が最も大きくなるが、上記した防舷材では、基端側の座屈誘発部よりも基端側の弾性部の基端部、及び、先端側の座屈誘発部よりも先端側の弾性部の先端部のうちの何れか一方に、破断伸びが大きい第二弾性材料からなる大歪部が形成されているので、その大歪部が形成された弾性部の端部においては、歪み量が大きくても疲労度が低く抑えられる。しかも、座屈誘発部によって座屈点が明確となるので、破断伸びが大きい第二弾性材料からなる大歪部が、歪み量が最も大きくなる部分に確実に配設される。
後者の構成の防舷材では、座屈誘発部が座屈点となって壁部が座屈しながら弾性部が圧縮変形する。このとき、弾性部を構成する壁部のうち、座屈誘発部よりも基端側の部分における歪み量が最も大きくなるが、上記した防舷材では、座屈誘発部よりも基端側の壁部の基端部に、破断伸びが大きい第二弾性材料からなる大歪部が形成されているので、弾性部の基端部における歪み量が大きくても疲労度が低く抑えられる。しかも、座屈誘発部によって座屈点が明確となるので、破断伸びが大きい第二弾性材料からなる大歪部が、歪み量が最も大きくなる部分に確実に配設される。
また、本発明に係る防舷材は、前記第二弾性材料の破断伸び量が400%以上700%以下であることが好ましい。
これにより、弾性部が座屈しながら圧縮変形したときの疲労度が確実に抑えられる。
本発明に係る防舷材によれば、船舶の接岸エネルギーを吸収する仕事量が低減することなく、部分的に劣化が進行するのを抑制することができ、防舷材の長寿命化を図ることができる。
本発明の第1の実施の形態を説明するための防舷材の半断面図である。 本発明の第2の実施の形態を説明するための防舷材の半断面図である。 本発明の変形例を説明するための防舷材の破断図である。
以下、本発明に係る防舷材の実施の形態について、図面に基いて説明する。
[第1の実施の形態]
まず、本発明の第1の実施の形態を図1に基いて説明する。
なお、図1に示す鎖線Oは防舷材1の中心軸線を示しており、以下「軸線O」と記す。また、軸線Oに沿った方向を「軸方向」とし、軸線Oに直交する方向を「径方向」とし、軸線O回りの方向を「周方向」とする。さらに、防舷材1からみて軸方向の岸壁面X側を「基端側」とし、その反対側を「先端側」とする。
図1に示す防舷材1は、筒状の弾性体2(本発明における弾性部に相当する。)と、その弾性体2の先端に支持された前面フレーム3(本発明における受衝部に相当する。)と、を備えたセル型防舷材であり、岸壁面Xに対して垂直に設置されて弾性体2が圧縮変形することで船舶の接岸エネルギーを吸収する緩衝材である。
上記した弾性体2は、両端がそれぞれ開口された弾性変形可能な略円筒形状のゴム体であり、弾性体2の軸方向一端部が岸壁面Xに対して垂直に取り付けられ、弾性体2の軸方向他端部に前面フレーム3が取り付けられている。この弾性体2の概略構成としては、弾性変形可能な弾性筒部5と、弾性筒部5の基端部に設けられた基端取付部4と、弾性筒部5の先端部に設けられた先端取付部6と、を備えている。なお、弾性体2は中空の筒体であり、弾性体2の内側には、弾性体2の基端面から先端面にかけて貫通した略円柱形状の内部空間10が形成されている。
弾性筒部5は、軸線Oを中心軸線にして軸方向に延在する略円筒形状の筒部であり、船舶衝突時に弾性変形して反力を発生させる反力発生部である。この弾性筒部5の軸方向中央位置よりも基端側の部分には、弾性体2の圧縮変形時に弾性筒部5の座屈を誘発する基端座屈誘発部50が形成されており、また、弾性筒部5の軸方向中央位置よりも先端側の部分には、弾性体2の圧縮変形時に弾性筒部5の座屈を誘発する先端座屈誘発部51が形成されている。基端座屈誘発部50及び先端座屈誘発部51は、弾性筒部5の外周面に形成された括れ部であり、全周に亘って縮径されている。また、弾性筒部5の基端部の外周面は、基端側に向かうに従い漸次拡径されており、また、弾性筒部5の先端部の外周面は、先端側に向かうに従い漸次拡径されている。
基端取付部4は、岸壁面Xに取り付けられる取付部であり、弾性筒部5の基端部から全周に亘って径方向外側に突出した円環状のフランジ部である。この基端取付部4には、鋼板等の剛性板からなる補強板40が埋設されており、基端取付部4は、補強板40の表面全体がゴムで被覆された構成となっている。また、基端取付部4は、岸壁Y内に定着した図示せぬアンカーボルト等を介して岸壁面Xに固定されるものであり、基端取付部4の外周部には、前記アンカーボルトを挿通させるための複数のボルト孔41が形成されている。これら複数のボルト孔41は、基端取付部4の外縁に沿って周方向全周に亘って間欠的に配設されている。
先端取付部6は、前面フレーム3が取り付けられる取付部であり、弾性筒部5の先端部から全周に亘って径方向外側に突出した円環状のフランジ部である。この先端取付部6には、鋼板等の剛性板からなる補強板60が埋設されており、先端取付部6は、補強板60の表面全体がゴムで被覆された構成となっている。また、先端取付部6は、取付ボルト62によって前面フレーム3が取り付けられるものであり、先端取付部6の外周部には、取付ボルト62が挿通する複数のボルト孔61が形成されている。これら複数のボルト孔61は、先端取付部6の外縁に沿って周方向全周に亘って間欠的に配設されている。
また、上記した弾性体2のうち、圧縮変形時に歪み量が小さい部位(例えば歪み量が100%未満となる部位)は、高剛性で破断伸びが小さい第一弾性材料(例えば破断伸びが250%以上300%以下の弾性材料)で形成されており、圧縮変形時に歪み量が大きい部位(例えば歪み量が100%以上となる部位)は、低剛性で破断伸びが大きい第二弾性材料(例えば破断伸びが400%以上700%以下の弾性材料)で形成されている。
具体的に説明すると、弾性体2のうち、基端座屈誘発部50よりも基端側であって内部空間10に面する部分(弾性体2の基端部の内周部)、及び、先端座屈誘発部51よりも先端側であって内部空間10に面する部分(弾性体2の先端部の内周部)は、それぞれ弾性体2の圧縮変形時に歪み量が100%以上となる部位であり、これら部位は、低剛性で破断伸びが大きい弾性材料で形成されている。この歪み量が大きい部分(大歪部7)を形成する弾性材料は、弾性体2のうちの基端座屈誘発部50と先端座屈誘発部51との間の部分(弾性体2の中央部)を形成する弾性材料よりも低剛性で破断伸びが大きい弾性材料であり、例えば、弾性体2の中央部を形成する弾性材料の破断伸びが250%以上300%以下である場合、大歪部7は破断伸びが400%以上700%以下の弾性材料からなる。また、弾性体2の基端部や先端部のうち、壁厚方向の中央位置よりも径方向内側の部分が全周に亘って大歪部7となっており、大歪部7は円環状に形成されている。大歪部7のうち、内部空間10に面する表層部分は、耐候性の高い弾性材料で形成されている。例えば、大歪部7の内壁面70から10mm乃至20mmまでの部分は、耐候性の高くなっている。
次に、上記した構成からなる防舷材1の作用について説明する。
上記した防舷材1は、基端取付部4を岸壁面Xに図示せぬアンカーボルト等で固定することで岸壁面Xに設置される。そして、その防舷材1の前面フレーム3に船舶が衝突すると、弾性体2が座屈しながら圧縮変形する。詳しく説明すると、船舶によって前面フレーム3の前面が押圧されると、基端座屈誘発部50及び先端座屈誘発部51がそれぞれ座屈点となって弾性筒部5が座屈し、弾性体2の軸方向中央部が径方向外側に膨出した形状に変形する。
このとき、弾性体2の基端部の内周部及び弾性体2の先端部の内周部が、他の部位に比べて歪み量が大きくなるが、それらの部分には、破断伸びが大きい弾性材料からなる大歪部7がそれぞれ形成されているので、それらの部分の歪み量が大きくても疲労度が低く抑えられる。
上記した防舷材1によれば、反力発生部となる弾性体2の弾性筒部5が、高剛性で破断伸びが小さい弾性材料で形成され、歪み量が大きい部分の疲労度が低く抑えられるので、船舶の接岸エネルギーを吸収する仕事量が低減することなく、部分的な機械劣化が抑えられる。これにより、弾性体2全体の累積損傷度の一様化を図り、防舷材1の長寿命化を図ることができる。
また、上記した防舷材1によれば、基端座屈誘発部50及び先端座屈誘発部51によって圧縮変形時における座屈点が明確となるので、破断伸びが大きい第二弾性材料からなる大歪部7が、歪み量が最も大きくなる部分に確実に配設される。これにより、部分的な機械劣化の進行を確実に抑えることができる。
特に、上記した第二弾性材料の破断伸び量が400%以上700%以下であるため、弾性部2が座屈しながら圧縮変形したときの疲労度が確実に抑えられ、部分的な機械劣化の進行を確実に抑えることができる。
また、上記した防舷材1によれば、大歪部7のうち、内部空間10に面する表層部分が、耐候性の高い弾性材料で形成されているので、熱、紫外線等による化学劣化を抑制することができ、防舷材1の長寿命化を図ることができる。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態を図2に基いて説明する。
図2に示す防舷材101は、一対の壁部105,105からなる弾性部102と、その弾性部102の先端に設けられた受衝部103と、を備えたアーチ型防舷材であり、岸壁面Xに沿って延設されて弾性部102が圧縮変形することで船舶の接岸エネルギーを吸収する緩衝材である。なお、上記した弾性部102及び受衝部103は一体に形成されている。
上記した一対の壁部105,105は、岸壁面Xの垂線Oに対して線対称にハ字状に配設された板状の壁部であり、船舶衝突時に弾性変形して反力を発生させる反力発生部である。これら一対の壁部105,105は、対称形状に形成されている。また、一対の壁部105,105の互いに向き合う対向面には、弾性体102の圧縮変形時に弾性筒部5の座屈を誘発する座屈誘発部150,150がそれぞれ形成されている。座屈誘発部150は、壁部105の長さ方向に沿って延在する段差部であり、壁部105のうち、座屈誘発部150よりも基端側の部分の板厚は、座屈誘発部150よりも先端側の部分の板厚よりも小さくなっている。また、一対の壁部105,105の間には、略台形柱状の内部空間110が形成されている。
弾性部102には、一対の壁部105,105の基端部から幅方向外側にそれぞれ突出したフランジ状の取付部104,104が設けられている。これらの取付部104,104は、防舷材101を岸壁面Xに取り付けられるための板状部であり、壁部105の長さ方向に沿って全長に亘って延設されている。また、取付部104には、鋼板等の剛性板からなる補強板140が埋設されており、取付部104は、補強板140の表面全体がゴムで被覆された構成となっている。また、取付部104は、岸壁Y内に定着した図示せぬアンカーボルト等を介して岸壁面Xに固定されるものであり、取付部104には、前記アンカーボルトを挿通させるための複数のボルト孔141が長さ方向に間欠的に形成されている。
受衝部103は、一対の壁部105,105の間に架設された壁部であり、一対の壁部105,105の全長に亘って延設されている。この受衝部103は、上記した弾性部102(一対の壁部105,105)と一体に形成されている。
また、上記した弾性体102のうち、圧縮変形時に歪み量が小さい部位(例えば歪み量が100%未満となる部位)は、高剛性で破断伸びが小さい第一弾性材料(例えば破断伸びが250%以上300%以下の弾性材料)で形成されており、圧縮変形時に歪み量が大きい部位(例えば歪み量が100%以上となる部位)は、低剛性で破断伸びが大きい第二弾性材料(例えば破断伸びが400%以上700%以下の弾性材料)で形成されている。
具体的に説明すると、弾性体102のうち、座屈誘発部150よりも基端側であって内部空間110に面する部分(弾性体102の基端部の内周部)は、弾性体102の圧縮変形時に歪み量が100%以上になる部位であり、この部位は、低剛性で破断伸びが大きい弾性材料で形成されている。この歪み量が大きい部分(大歪部107)を形成する弾性材料は、弾性体102のうちの座屈誘発部50よりも先端側の部分を形成する弾性材料よりも低剛性で破断伸びが大きい弾性材料であり、例えば、弾性体102の先端部を形成する弾性材料の破断伸びが250%以上300%以下である場合、大歪部107は破断伸びが400%以上700%以下の弾性材料からなる。また、この大歪部107は、壁部105の全長に亘って形成されている。大歪部107のうち、内部空間110に面する表層部分は、耐候性の高い弾性材料で形成されており、例えば、大歪部107の内壁面170から10mm乃至20mmまでの部分は、耐候性の高くなっている。
次に、上記した構成からなる防舷材101の作用について説明する。
上記した防舷材101は、取付部14を岸壁面Xに図示せぬアンカーボルト等で固定することで岸壁面Xに設置される。そして、その防舷材101の受衝部103に船舶が衝突すると、一対の壁部105,105が座屈しながら弾性体102が圧縮変形する。詳しく説明すると、船舶によって受衝部103の前面が押圧されると、座屈誘発部150,105が座屈点となって一対の壁部105,105がそれぞれ座屈し、一対の壁部105,105がそれぞれ折り畳まれた形状に変形する。
このとき、弾性体102の基端部の内周部が、他の部位に比べて歪み量が大きくなるが、その部分には、破断伸びが大きい弾性材料からなる大歪部107がそれぞれ形成されているので、その部分の歪み量が大きくても疲労度が低く抑えられる。
上記した防舷材101によれば、上述した第1の実施の形態における防舷材1と同様に、弾性体102全体の累積損傷度の一様化を図り、防舷材101の長寿命化を図ることができ、また、座屈誘発部150によって圧縮変形時における座屈点が明確となるので、部分的な機械劣化の進行を確実に抑えることができ、化学劣化を抑制することができる。
以上、本発明に係る防舷材の実施の形態について説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、図3に示すように、基端側から先端側に向かって漸次縮径された筒状の弾性体202を備える防舷材201であってもよい。この弾性体202は、略テーパー筒状の弾性筒部205と、弾性筒部205の基端部に設けられた基端取付部4と、弾性筒部205の先端部に設けられた先端取付部206と、を備えている。弾性筒部205の内周面には、括れ形状の座屈誘発部250が全周に亘って形成されており、この座屈誘発部250よりも基端側であって内部空間210に面する部分に、低剛性で破断伸びが大きい大歪部207が形成されている。また、先端取付部206は、弾性筒部205の先端部を閉塞する壁部であり、この先端取付部206に前面フレーム3が図示せぬ取付ボルト等で固定されている。
また、上記した実施の形態では、セル型の防舷材1の弾性体2やアーチ型の防舷材101がそれぞれゴム製であるが、本発明は、ゴム以外の弾性材料で形成することも可能であり、例えば合成樹脂製にすることも可能である。
また、上記した第1の実施の形態では、弾性体2の両端部の内周部分に大歪部7,7がそれぞれ形成されているが、本発明は、弾性体2の基端部及び先端部のうちの何れか一方の端部の内周部分にのみ大歪部7が形成されていてもよい。
さらに、上記した実施の形態では、弾性体2(弾性部102)の端部のうちの内周部分が破断伸びの大きい弾性材料で形成されており、外周部分が破断伸びの小さい弾性材料で形成されているが、本発明は、弾性体2(弾性部102)の端部の全部(内周部及び外周部)が破断伸びの大きい弾性材料で形成されていてもよい。
その他、本発明の主旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
1、101、201 防舷材
2、202 弾性体(弾性部)
3 前面フレーム(受衝部)
7、107、207 大歪部
10、110、210 内部空間
50 基端座屈誘発部(座屈誘発部)
51 先端座屈誘発部(座屈誘発部)
102 弾性部
103 受衝部
150、250 座屈誘発部
X 岸壁面

Claims (3)

  1. 岸壁面に取り付けられる弾性部と、該弾性部の先端に支持された受衝部と、を備えていると共に、前記弾性部によって画成された内部空間を有しており、
    前記弾性部が座屈しながら圧縮変形することで船舶の接岸エネルギーを吸収する防舷材において、
    前記弾性部の端部のうちの少なくとも前記内部空間に面する部分が、前記弾性部の中央部を形成する第一弾性材料と比較して低剛性で破断伸びが大きい第二弾性材料で形成され
    前記弾性部が、内側に前記内部空間が形成され、軸方向一端部が前記岸壁面に取り付けられると共に軸方向他端側に前記受衝部が取り付けられた筒状部であり、
    前記弾性部の軸方向中央位置よりも基端側の部分及び先端側の部分に、圧縮変形時に該弾性部の座屈を誘発する座屈誘発部がそれぞれ全周にわたって形成されており、
    基端側の前記座屈誘発部よりも基端側の前記弾性部の基端部、及び、先端側の前記座屈誘発部よりも先端側の前記弾性部の先端部のうちの少なくとも一方に、前記第二弾性材料からなる大歪部が形成されていることを特徴とする防舷材。
  2. 岸壁面に取り付けられる弾性部と、該弾性部の先端に支持された受衝部と、を備えていると共に、前記弾性部によって画成された内部空間を有しており、
    前記弾性部が座屈しながら圧縮変形することで船舶の接岸エネルギーを吸収する防舷材において、
    前記弾性部の端部のうちの少なくとも前記内部空間に面する部分が、前記弾性部の中央部を形成する第一弾性材料と比較して低剛性で破断伸びが大きい第二弾性材料で形成され
    前記弾性部が、前記岸壁面の垂線に対して線対称に配設されるとともに、前記岸壁面に沿って延びる一対の壁部からなり、
    該壁部に、前記岸壁面に沿って延び、かつ圧縮変形時に前記弾性部の座屈を誘発する座屈誘発部が形成されており、
    該座屈誘発部より基端側の前記壁部の基端部に、前記第二弾性材料からなる大歪部が形成されていることを特徴とする防舷材。
  3. 請求項1または2に記載の防舷材において、
    前記第二弾性材料の破断伸び量が400%以上700%以下であることを特徴とする防舷材。
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