JP5884068B2 - 固体電解コンデンサの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、弁作用金属またはその合金からなる粉末を用いて形成した多孔質の陽極体を用いた固体電解コンデンサの製造方法に関するものである。
一般に、固体電解コンデンサは、ニオブ(Nb)や、タンタル(Ta)などの弁作用金属の粉末を焼結した陽極体を用い、この陽極体の表面を陽極酸化することにより、陽極体の表面に誘電体層を形成し、この誘電体層の上に電解質層を形成し、その上に陰極層を形成することにより、形成されている。
近年において、電解質層としては、導電率が高く、等価直列抵抗(ESR)を低くすることができることから、導電性高分子が用いられることが多い。
固体電解コンデンサの電解質層として用いられる導電性高分子層としては、例えば、化学重合により形成したポリピロールなどからなる第1の導電性高分子層と、電解重合により形成したポリピロールなどからなる第2の導電性高分子層を積層した構造のものが提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2)。
化学重合法においては、一般に誘電体層を形成した陽極体を酸化剤溶液中に浸漬した後、導電性高分子の単量体の蒸気を接触させたり、あるいは単量体の溶液中に浸漬することにより、単量体を重合させて導電性高分子層を形成している。電解重合法では、化学重合法等により形成した第1の導電性高分子層を電極として、単量体溶液中で電圧を印加することにより導電性高分子層を形成している。
特許文献3においては、導電性高分子の単量体と酸化剤を含む混合液中に、誘電体層を形成した陽極体を浸漬させて化学重合法により単量体を重合することが提案されている。
また、特許文献4においては、誘電体層を形成した後、液相化学重合と気相化学重合とを組み合わせ、これらの重合を繰り返すことにより、導電性高分子層を形成することが提案されている。
一方、固体電解コンデンサの静電容量を高めるためには、陽極体の表面積を高めることが好ましく、このような点から、陽極体を形成する弁作用金属の粉末として微細な粉末を用いることが検討されている。例えば、誘電体層を形成した後の陽極体の容量と電解電圧の積であるCV値が120,000μF・V/g以上となるような微細な金属粉末を用いることが検討されている。このように微細な金属粉体を用いた場合、上記のような従来の技術では、陽極体内の微細な空隙もしくは細孔内に、緻密に導電性高分子層を形成することができず、静電容量の大きい固体電解コンデンサを製造することができないという課題があった。
特開2006−32530号公報 特開平11−191518号公報 特開2005−322917号公報 特開平11−26310号公報
本発明の目的は、静電容量の大きい固体電解コンデンサの製造方法を提供することにある。
本発明は、多孔質の陽極体を作製する工程と、陽極体の表面に誘電体層を形成する工程と、誘電体層を形成した陽極体を、導電性高分子の単量体を含む液体中に浸漬する工程と、導電性高分子の単量体を含む液体中に浸漬させた陽極体を、酸化剤溶液中に浸漬し、液相化学重合により単量体を重合させて、誘電体層上に第1の導電性高分子層を形成する工程と、第1の導電性高分子層を形成した陽極体を、導電性高分子の単量体の蒸気中に保持し、気相化学重合により単量体を重合させて、第1の導電性高分子層上に第2の導電性高分子層を形成する工程と、第2の導電性高分子層を形成した陽極体を、導電性高分子の単量体を含む液体中に浸漬し、電解重合により単量体を重合させて第2の導電性高分子層上に第3の導電性高分子層を形成する工程とを備えることを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法である。
本発明によれば、静電容量の大きい固体電解コンデンサを製造することができる。
本発明においては、誘電体層を形成した後、誘電体層の上にカップリング剤層を形成することが好ましい。カップリング剤層を形成することにより、第1の導電性高分子層をより均一に、良好な状態で形成することができるので、静電容量の大きい固体電解コンデンサを製造することができる。
本発明において、陽極体は、弁作用金属またはその合金からなる粉末を用いて作製され、粉末のCV値は、145,000μF・V/g以上であることが好ましい。
また、陽極体の焼結後の密度は、5.0g/cm以上であることが好ましく、さらに好ましくは、5.4g/cm以上であり、さらに好ましくは、5.5g/cm以上であり、さらに好ましくは、5.6g/cm以上である。
第1の導電性高分子層を形成する工程において、単量体を含む液体中の単量体の濃度は、1〜100質量%の範囲内であることが好ましく、さらに好ましくは20〜100質量%の範囲内である。
本発明によれば、静電容量の大きい固体電解コンデンサを製造することができる。
本発明に従う一実施形態における固体電解コンデンサの製造方法を示す模式図。 比較の実施形態における固体電解コンデンサの製造方法を示す模式図。 陽極体の密度と静電容量との関係を示す図。 ピロール単量体濃度と静電容量との関係を示す図。 本発明に従う一実施形態の固体電解コンデンサを示す模式的断面図。 図5に示す固体電解コンデンサの陽極体表面近傍を拡大して示す模式的断面図。 本発明に従う他の実施形態における固体電解コンデンサの製造方法を示す模式図。
図5は、本発明に従う一実施形態の固体電解コンデンサを示す模式的断面図である。
図5に示すように、陽極体2には、陽極リード1が埋設されている。陽極体2は、弁作用金属または弁作用金属を主成分とする合金からなる粉末を成形し、この成形体を焼結することにより作製されている。従って、陽極体2は、多孔質体から形成されている。図5において図示されていないが、この多孔質体には、その内部から外部に連通する微細な孔が多数形成されている。このように作製された陽極体2は、本実施形態において、外形が略直方体になるように作製されている。
陽極体2を形成する弁作用金属としては、固体電解コンデンサに用いることができるものであれば、特に限定されるものではないが、例えば、タンタル、ニオブ、チタン、アルミニウム、ハフニウム、ジルコニウム、亜鉛、タングステン、ビスマス、アンチモン等が挙げられる。これらの中でも、酸化物の誘電率が高く、原料の入手が容易な、タンタル、ニオブ、チタン、アルミニウムが特に好ましい。また、弁作用金属を主成分とする合金としては、例えば、タンタルとニオブ等の2種以上からなる弁作用金属同士の合金や、弁作用金属と他の金属との合金が挙げられる。弁作用金属と他の金属との合金を用いる場合には、弁作用金属の割合を50原子%以上とすることが好ましい。
陽極体2を形成する弁作用金属またはその合金からなる粉末としては、そのCV値が、100,000μF・V/g以上であるものが好ましく、さらに好ましくは120,000μF・V/g以上であり、さらに好ましくは140,000μF・V/g以上であり、さらに好ましくは160,000μF・V/g以上である。CV値が高くなるほど、一般に粉末の粒子径は小さくなる。そのため、陽極体の表面積を高くすることができ、高い静電容量を得ることができる。
本発明においては、上述のように、陽極体の焼結後の密度は、5.0g/cm以上であることが好ましく、さらに好ましくは5.4g/cm以上であり、さらに好ましくは5.5g/cm以上であり、さらに好ましくは5.6g/cm以上である。
上述のように、CV値の高い粉末を用い、焼結体の密度が高くなると、陽極体内における孔の径が小さくなる。本発明によれば、後述するように、孔の径が小さくなっても、その表面に均一でかつ緻密な導電性高分子膜を形成することができるので、静電容量の大きい固体電解コンデンサを製造することができる。
陽極体2の表面には、誘電体層3が形成されている。誘電体層3は、陽極体2の孔の表面にも形成されている。図5においては、陽極体2の外周側に形成された誘電体層3を模式的に示しており、上述の多孔質体の孔の表面に形成された誘電体層は図示していない。誘電体層3は、陽極体2を陽極酸化などで酸化することにより形成することができる。
誘電体層3の表面には、第1の導電性高分子層4aが形成されている。第1の導電性高分子層4aは、液相化学重合により形成されている。第1の導電性高分子層4aの上には、第2の導電性高分子層4bが形成されている。第2の導電性高分子層4bは、気相化学重合により形成されている。第2の導電性高分子層4bの上には、第3の導電性高分子層4cが形成されている。第3の導電性高分子層4cは、電解重合により形成されている。
第3の導電性高分子層4cの上には、カーボン層5が形成され、カーボン層5の上には銀層6が形成されている。カーボン層5は、カーボンペーストを塗布することにより形成することができ、銀層6は、銀ペーストを塗布することにより形成することができる。カーボン層5と銀層6から陰極層が構成されている。
銀層6の上には、導電性接着剤層7を介して陰極端子9が接続されている。また、陽極リード1には、陽極端子8が接続されている。陽極端子8及び陰極端子9の端部が外部に引き出されるようにモールド樹脂外装体10が形成されている。
以上のようにして、本実施形態の固体電解コンデンサが形成されている。
図6は、図5に示す固体電解コンデンサの陽極体2の表面近傍を拡大して示す模式的断面図である。
図6に示すように、陽極体2は多孔質体であり、その内部に微細な孔が形成されている。陽極体2の表面には、誘電体層3が形成されており、誘電体層3の上に、第1の導電性高分子層4a、第2の導電性高分子層4b、及び第3の導電性高分子層4cが形成されている。
陽極体2の外周部には、第3の導電性高分子層4cが位置しており、第3の導電性高分子層4cの上にカーボン層5及び銀層6が形成されている。
本発明においては、第1の導電性高分子層4aを液相化学重合法により形成し、第2の導電性高分子層4bを気相化学重合法により形成し、第3の導電性高分子層4cを電解重合法により形成している。
本発明においては、陽極体2の表面に誘電体層3を形成した後、誘電体層3の上にカップリング剤層を形成し、カップリング剤層の上に第1の導電性高分子層4aを形成することが好ましい。カップリング剤層は、図5及び図6において図示していないが、誘電体層3と第1の導電性高分子層4aとの間に形成される。
カップリング剤層を形成することにより、導電性高分子層の単量体との親和性を高めることができる。このため、陽極体2の誘電体層3の上に単量体を付着させる際、単量体を誘電体層3の表面上に均一にかつ多量に付着させることができ、第1の導電性高分子層4aを均一にかつ緻密に形成することができる。
カップリング剤層は、カップリング剤を含む溶液を誘電体層3の表面に接触させることにより形成することができる。具体的には、カップリング剤を含む溶液中に誘電体層を形成した陽極体を浸漬した後、取り出し、所定時間乾燥させることにより形成することができる。
カップリング剤層を含む溶液のカップリング剤の濃度は、特に限定されるものではないが、例えば、0.1〜10質量%の範囲とすることが好ましい。
図1は、本発明に従う一実施形態の固体電解コンデンサの製造方法を説明するための模式図である。
図1を参照して、陽極体11は、その表面に誘電体層が形成されている。誘電体層は、例えば、リン酸水溶液中で陽極体11を陽極として陽極酸化することにより、陽極体11の表面に形成することができる。
また、本実施形態においては、上述のようにして、誘電体層の上にカップリング剤層を形成している。
工程(a)においては、先ず、導電性高分子の単量体を含む液体12を用意する。次に、誘電体層及びカップリング剤層を形成した陽極体11を、単量体を含む液体12中に浸漬する。
単量体を含む液体12における単量体の濃度は、1〜100質量%の範囲であることが好ましく、さらに好ましくは20〜100質量%の範囲である。さらに好ましくは50〜100質量%の範囲であり、さらに好ましくは90〜100質量%の範囲である。
陽極体11を、単量体を含む液体12中に浸漬する際、陽極体11の上面が液体の液面と同じか、あるいは液面より下となる位置に配置することが好ましい。
本実施形態においては、誘電体層の上にカップリング剤層が形成されているので、単量体との親和性が高められており、陽極体11を、単量体を含む液体12中に浸漬した際、陽極体11の内部の孔に、単量体を含む液体12が導入されやすくなっている。浸漬後、単量体を含む液体12から陽極体11を引き上げる。その後、単量体を含む液体12より塞がれた陽極体11の孔を開放するため、陽極体11を乾燥させてもよい。
次に、工程(b)においては、酸化剤を含む酸化剤溶液13を用意する。酸化剤としては、単量体の重合を開始することができるものであれば、特に限定されるものではない。酸化剤としては、塩酸、硫酸、フッ酸、過塩素酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、リン酸などのプロトン酸、過酸化物、ハロゲン類、塩化鉄などの遷移金属ハライドなどが挙げられる。酸化剤溶液13中に陽極体11を浸漬することにより、酸化剤溶液13が陽極体11に付着した単量体と接触し、単量体が酸化重合することにより、第1の導電性高分子層が陽極体の内部表面及び陽極体の外表面において形成される。
酸化剤溶液13における酸化剤の濃度は、特に限定されるものではないが、例えば、0.5〜20モル/リットルの範囲とすることができる。また、酸化剤溶液13の温度は、特に限定されるものではないが、例えば、1〜90℃の範囲であることが好ましく、さらに好ましくは1〜70℃の範囲である。酸化剤溶液の温度は、使用する単量体及び酸化剤の種類などにより適宜選択される。
次に、陽極体11を酸化剤溶液13から引き上げ、必要に応じて酸化剤溶液13に塞がれた陽極体11の孔を開放するため、陽極体11を乾燥する。乾燥工程は、特に限定されるものではなく、例えば、30分までの範囲であることが好ましく、さらに好ましくは10分までの範囲である。
次に、工程(c)において、導電性高分子の単量体を含む液体14を用意する。単量体は、工程(a)において用いた単量体を含む液体12と同じ単量体であってもよいし、異なる単量体であってもよい。一般には、同じ酸化剤により重合させるので、同じ単量体を用いることが好ましい。
次に、単量体を含む液体14の上に、酸化剤溶液から引き上げた陽極体11を配置する。これにより、単量体を含む液体14から単量体を蒸発させ、単量体の蒸気を陽極体11の表面に接触させる。陽極体11は、単量体を含む液体14の表面近傍に配置することが好ましい。陽極体11の表面には、酸化剤が付着した状態であるので、この酸化剤と単量体蒸気が接触し、気相化学重合により単量体が重合して、第2の導電性高分子層が形成される。
単量体を含む液体14における単量体の濃度は、単量体蒸気を発生させることができるものであれば、特に限定されるものではない。また、溶媒を用いずに、単量体100%の液体を用いてもよい。
単量体を含む液体14の温度は、特に限定されるものではないが、例えば、20〜60℃の範囲であることが好ましく、30〜60℃の範囲であることがさらに好ましい。
次に、工程(d)において、導電性高分子の単量体を含む液体15を準備する。単量体としては、液体12または液体14と同じ単量体であってもよいし、異なる単量体であってもよい。工程(d)においては、電解重合により単量体を重合させるので、電解重合させることができる単量体を用いる。単量体を含む液体15中に、第2の導電性高分子層を形成した陽極体11を浸漬し、第1の導電性高分子層及び第2の導電性高分子層を電極として、電圧を印加することにより、電解重合により液体15に含まれる単量体を重合し、第3の導電性高分子層を形成する。
導電性高分子は、その内部に適当な物質がドーピングされることにより、金属的性質を発現し、導電率が著しく上昇する。ドーピングされるこのような物質は、ドーパントと呼ばれている。従って、導電性高分子層を形成する工程において、液体15中にドーパント剤を添加することにより、導電性高分子層内にドーパントをドーピングすることができ、高い導電率を得ることができる。
ドーパント剤としては、塩酸、硫酸、フッ酸、過塩素酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、リン酸などのプロトン酸、ハロゲン類、塩化鉄などの遷移金属ハライド、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩などの界面活性剤、フタロシアニン類、ポルフィリン類、アミノ酸、核酸、ポリアクリル酸等を用いることができる。ドーパント剤として用いることができる化合物の例としては、上記の特許文献2や、その他の書籍(例えば、吉野勝美、小野田光宣:「高分子エレクトロニクス」、コロナ社(1996))などに記載されているものを用いることができる。
第1〜第3の導電性高分子層において、ドーパントを添加する方法としては、単量体を含む液体または酸化剤溶液にドーパント剤を添加する方法が挙げられる。なお、酸化剤溶液にドーパント剤を添加する場合、酸化剤とドーパント剤のいずれにもなり得る化合物(例えば、ハロゲン類、遷移金属ハライド、プロトン酸など)であれば、酸化剤とドーパント剤の2種類の化合物を溶液に含有させる必要がない。
図2は、従来の導電性高分子層を形成する固体電解コンデンサの製造方法の一例を説明するための模式図である。ここでは、工程(a)において、陽極体11を酸化剤溶液13に浸漬した後引き上げ、工程(b)において、単量体を含む液体14の上に酸化剤溶液を付着させた陽極体11を配置し、液体14からの単量体蒸気に接触させ、単量体を気相化学重合により重合させる。
次に、工程(c)において、単量体を含む液体15中に、気相化学重合により導電性高分子層を形成した陽極体11を浸漬し、電解重合により単量体を重合させる。
このような従来の製造方法では、特に微細な粉末を用いて陽極体11を形成した場合、陽極体11内部の孔が微細なものとなるため、工程(b)において、単量体を含む液体14を陽極体11の孔内に導入する際、陽極体11の内部に浸透する前に孔内で単量体が重合し、孔が塞がれるため、陽極体11の内部に均一で緻密な導電性高分子層を形成することができないという問題がある。
本発明に従い、まず先に単量体を含む液体中に浸漬して陽極体の誘電体層上に単量体を付着させ、その後液相化学重合及び気相化学重合をこの順で行うことにより、第1の導電性高分子層及び第2の導電性高分子層を、陽極体内部において均一にかつ緻密に形成することができる。このため、静電容量の大きい固体電解コンデンサを製造することができる。
図7は、本発明に従う他の実施形態の固体電解コンデンサの製造方法を説明するための模式図である。
本実施形態においては、図1に示す実施形態の工程(c)と工程(d)の間に、第2の導電性高分子層を形成した後の陽極体11を、ドーパント剤を含む溶液16中に浸漬する工程を備えることを特徴としている。
工程(a)、工程(b)、及び工程(c)は、図1に示す工程(a)、工程(b)、及び工程(c)と同様の工程である。また、本実施形態における工程(e)は、図1に示す工程(d)と同様の工程である。
本実施形態の工程(d)においては、ドーパント剤を含む溶液16を用意する。ドーパント剤としては、特に限定されるものではなく、上記において例示したものを用いることができる。ドーパント剤を溶解させる溶剤は、ドーパント剤を溶解させることができる溶剤であれば特に限定されるものではなく、例えば、水、エタノール、アセトン、アセトニトリルなどを溶媒として用いることができる。ドーパント剤を含む溶液16におけるドーパント剤の濃度としては、例えば、1〜40重量%の範囲であることが好ましい。
ドーパント剤を含む溶液16への浸漬は、一般には室温で行われる。しかしながら、必要に応じて、ドーパント剤を含む溶液16を加熱しておいてもよい。また、ドーパント剤を含む溶液16中への浸漬時間は、特に限定されるものではなく、例えば、1秒〜24時間の範囲内の時間とすることができる。
ドーパント剤を含む溶液16中に、第2の導電性高分子層を形成した後の陽極体11を浸漬した後、陽極体11を引き上げ、陽極体11の表面に付着した溶液から溶剤を揮発させ、陽極体11を乾燥させる。乾燥条件は特に限定されるものではなく、溶液に用いる溶剤等を考慮して適宜選択される。
乾燥後、陽極体11を、導電性高分子の単量体を含む液体15中に浸漬し、工程(e)を行う。
本実施形態においては、第1の導電性高分子層上に第2の導電性高分子層を形成した後、第2の導電性高分子層を形成した陽極体11を、ドーパント剤を含む溶液16中に浸漬する工程を備えており、その後第2の導電性高分子層を形成した陽極体11を、導電性高分子の単量体を含む液体15中に浸漬し、電解重合により単量体を重合させて第2の導電性高分子層上に第3の導電性高分子層を形成している。
本実施形態によれば、第2の導電性高分子層を形成した後、ドーパント剤を含む溶液中に浸漬しているので、第2の導電性高分子層及び/または第3の導電性高分子層にドーパント剤を含有させることができる。このため、さらに静電容量を大きくすることができる。
以下、本発明を具体的な実施例により説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以下の実施例及び比較例においては、陽極体として、タンタル(Ta)からなる焼結体を用いた。
(実施例1)
誘電体層形成後の焼結体の容量と電解電圧の積であるCV値が171,789μF・V/gとなるTa金属粉末を用意する。このTa金属粉末を用いて、陽極リードを内部に埋め込むようにして成型し、真空中において1200℃程度で焼結し、陽極体を形成する。実施例1には、焼結後の単位体積あたりの重量(密度)が6.0g/cmとなるものを陽極体として使用した。
陽極体を、リン酸水溶液中で陽極酸化し、誘電体層を形成する。誘電体層を形成した陽極体を、カップリング剤を含む水溶液に10分間浸漬した後、該溶液から取り出して乾燥させ、誘電体層の上にカップリング剤層を形成した。
カップリング剤としては、アミノプロピルトリエトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、n−プロピルトリクロロシラン、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ジメトキシジフェニルシラン、メチルフェニルジクロロシラン等のシランカップリング剤、若しくはカルボキシル化ポリブタジエン、カルボキシル化ポリイソプレン等のカルボン酸カップリング剤、若しくはn−プロピルリン酸、リン酸モノオクチルエステル、リン酸モノ(2,6−ジメチル−7−オクテニル)エステル、リン酸モノ(6−メルカプトヘキシル)エステルおよびリン酸モノ(2−メタクリロキシプロピル)エステル等のリン酸系カップリング剤等を用いることができる。以下の実施例及び比較例では、カップリング剤として、シランカップリング剤を用いた。
次に、カップリング剤層を形成した陽極体をピロール単量体100質量%の液体中に10分間浸漬した。次に、ドーパント剤を添加した酸化剤溶液に10分間浸漬した。引き続いて、該液体から取り出した陽極体をピロール単量体100質量%の溶液の上方液面近くに60分間配置することにより、誘電体層上に、液相化学重合および気相化学重合により、ポリピロールからなる第1及び第2の導電性高分子層を形成した。
次に、陽極体を、ドーパント剤としてのアルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム(濃度0.05mol/L、なお、アルキル基の平均炭素数は約18である。)と、ピロール単量体(濃度0.1mol/L)とを含む水溶液に浸漬し、第1及び第2の導電性高分子層を正極として該水溶液に通電することにより、第1及び第2の導電性高分子層上に、電解化学重合による第3の導電性高分子層を形成した。その後、洗浄し、乾燥してコンデンサ素子を完成させた。
次に、上記コンデンサ素子において、上述のように、第3の導電性高分子層上にカーボン層及び銀層を形成し、陽極リードと、銀層とに金属端子板をそれぞれ取り付け、エポキシ樹脂等により外装体を形成し、固体電解コンデンサを完成させた。
(実施例2)
実施例1と同様のTa粉末を焼結し、CV値が171,789μF・V/g、焼結後の単位体積あたりの重量(密度)が6.0g/cmとなるTa焼結体を陽極体として使用した。
陽極体をリン酸水溶液中で陽極酸化し、誘電体層を形成する。誘電体層を形成した陽極体を、カップリング剤を含む水溶液に10分間浸漬した後、該溶液から取り出して乾燥させた。
次に、カップリング剤層を形成した陽極体を、ドーパント剤としてのアルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム(濃度0.05mol/L、なお、アルキル基の平均炭素数は約18である。)と、ピロール単量体(濃度90質量%)とを含む水溶液に10分間浸漬した後、ドーパント剤を添加した酸化剤溶液に10分間浸漬した。引き続いて、該溶液から取り出した陽極体をピロール単量体100質量%の液体の上方液面近くに60分間配置することにより、誘電体層上に、液相化学重合および気相化学重合による第1及び第2の導電性高分子層を形成した。
なお、第3の導電性高分子層の形成以降の工程は実施例1と同様である。
(実施例3)
実施例1と同様のTa粉末を焼結し、CV値が171,789μF・V/g、焼結後の単位体積あたりの重量(密度)が6.0g/cmとなるTa焼結体を陽極体として使用した。
陽極体をリン酸水溶液中で陽極酸化し、誘電体層を形成する。誘電体層を形成した陽極体を、カップリング剤を含む水溶液に10分間浸漬した後、該溶液から取り出して乾燥させた。
次に、カップリング剤層を形成した陽極体をドーパント剤としてのアルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム(濃度0.05mol/L、なお、アルキル基の平均炭素数は約18である。)と、ピロール単量体(濃度50質量%)とを含む水溶液に10分間浸漬した後、ドーパント剤を添加した酸化剤溶液に10分間浸漬した。引き続いて、該溶液から取り出した陽極体をピロール単量体100質量%の液体の上方液面近くに60分間配置することにより、誘電体層上に、液相化学重合および気相化学重合による第1及び第2の導電性高分子層を形成した。
なお、第3の導電性高分子層の形成以降の工程は実施例1と同様である。
(実施例4)
実施例1と同様のTa粉末を焼結し、CV値が171,789μF・V/g、焼結後の単位体積あたりの重量(密度)が6.0g/cmとなるTa焼結体を陽極体として使用した。
陽極体をリン酸水溶液中で陽極酸化し、誘電体層を形成する。誘電体層を形成した陽極体を、カップリング剤を含む水溶液に10分間浸漬した後、該溶液から取り出して乾燥させた。
次に、カップリング剤層を形成した陽極体をドーパント剤としてのアルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム(濃度0.05mol/L、なお、アルキル基の平均炭素数は約18である。)と、ピロール単量体(濃度20質量%)とを含む水溶液に10分間浸漬した後、ドーパント剤を添加した酸化剤溶液に10分間浸漬した。引き続いて、該溶液から取り出した陽極体をピロール単量体100%の液体の上方液面近くに60分間配置することにより、誘電体層上に、液相化学重合および気相化学重合による第1及び第2の導電性高分子層を形成した。
なお、第3の導電性高分子層の形成以降の工程は実施例1と同様である。
(実施例5)
実施例1と同様のTa粉末を焼結し、CV値が171,789μF・V/g、焼結後単位体積あたりの重量(密度)が6.0g/cmとなるTa焼結体を陽極体として使用した。
陽極体をリン酸水溶液中で陽極酸化し、誘電体層を形成する。誘電体層を形成した陽極体を、カップリング剤を含む水溶液に10分間浸漬した後、該溶液から取り出して乾燥させた。
次に、カップリング剤層を形成した陽極体をドーパント剤としてのアルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム(濃度0.05mol/L、なお、アルキル基の平均炭素数は約18である。)と、ピロール単量体(濃度1質量%)とを含む水溶液に10分間浸漬した後、ドーパント剤を添加した酸化剤溶液に10分間浸漬した。引き続いて、該溶液から取り出した陽極体をピロール単量体100質量%の液体の上方液面近くに60分間配置することにより、誘電体層上に、液相化学重合および気相化学重合による第1及び第2の導電性高分子層を形成した。
なお、第3の導電性高分子層の形成以降の工程は実施例1と同様である。
(実施例6)
実施例1と同様のTa粉末を焼結し、CV値が171,789μF・V/g、焼結後の単位体積あたりの重量(密度)が6.0g/cmとなるTa焼結体を陽極体として使用した。
陽極体をリン酸水溶液中で陽極酸化し、誘電体層を形成する。誘電体層を形成した陽極体を、カップリング剤を含む水溶液に10分間浸漬した後、該溶液から取り出して乾燥させた。
次に、カップリング剤層を形成した陽極体をドーパント剤としてのアルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム(濃度0.05mol/L、なお、アルキル基の平均炭素数は約18である。)と、ピロール単量体(濃度0.1質量%)とを含む水溶液に10分間浸漬した後、ドーパント剤を添加した酸化剤溶液に10分間浸漬した。引き続いて、該溶液から取り出した陽極体をピロール単量体100質量%の液体の上方液面近くに60分間配置することにより、誘電体層上に、液相化学重合および気相化学重合による第1及び第2の導電性高分子層を形成した。
なお、第3の導電性高分子層の形成以降の工程は実施例1と同様である。
(実施例7)
実施例1と同様のTa粉末を焼結し、CV値が171,789μF・V/g、焼結後の単位体積あたりの重量(密度)が6.0g/cmとなるTa焼結体を陽極体として使用した。実施例7は、実施例1に比べて、カップリング剤による表面処理を行わない点が異なり、他は同様にして固体電解コンデンサを完成させた。すなわち、実施例7では、誘電体層を形成したTa焼結体をピロール単量体に10分間浸漬した後、ドーパント剤を添加した酸化剤溶液に10分間浸漬した。引き続いて、該溶液から取り出した陽極体をピロール単量体100質量%の液体の上方液面近くに60分間配置することにより、誘電体層上に、液相化学重合および気相化学重合による第1及び第2の導電性高分子層を形成した。
なお、第3の導電性高分子層の形成以降の工程は実施例1と同様である。
(実施例8)
実施例1と同様のTa粉末を焼結し、CV値が171,789μF・V/g、焼結後の単位体積あたりの重量(密度)が5.8g/cmとなるTa焼結体を陽極体として使用した。なお、誘電体層形成以降の工程は実施例7と同様である。
(実施例9)
実施例1と同様のTa粉末を焼結し、CV値が171,789μF・V/g、焼結後の単位体積あたりの重量(密度)が5.6g/cmとなるTa焼結体を陽極体として使用した。なお、誘電体層形成以降の工程は実施例7と同様である。
(実施例10)
実施例1と同様のTa粉末を焼結し、CV値が171,789μF・V/g、焼結後の単位体積あたりの重量(密度)が5.4g/cmとなるTa焼結体を陽極体として使用した。なお、誘電体層形成以降の工程は実施例7と同様である。
(実施例11)
実施例1と同様のTa粉末を焼結し、CV値が171,789μF・V/g、焼結後の単位体積あたりの重量(密度)が5.8g/cmとなるTa焼結体を陽極体として使用した。なお、誘電体層形成以降の工程は実施例1と同様である。
(実施例12)
実施例1と同様のTa粉末を焼結し、CV値が171,789μF・V/g、焼結後の単位体積あたりの重量(密度)が5.6g/cmとなるTa焼結体を陽極体として使用した。なお、誘電体層形成以降の工程は実施例1と同様である。
(実施例13)
実施例1と同様のTa粉末を焼結し、CV値が171,789μF・V/g、焼結後の単位体積あたりの重量(密度)が5.4g/cmとなるTa焼結体を陽極体として使用した。なお、誘電体層形成以降の工程は実施例1と同様である。
(実施例14)
実施例1と同様のTa粉末を焼結し、CV値が145,382μF・V/g、焼結後の単位体積あたりの重量(密度)が6.0g/cmとなるTa焼結体を陽極体として使用した。なお、誘電体層形成以降の工程は実施例1と同様である。
(実施例15)
実施例1と同様のTa粉末を焼結し、CV値が145,382μF・V/g、焼結後の単位体積あたりの重量(密度)が5.8g/cmとなるTa焼結体を陽極体として使用した。なお、誘電体層形成以降の工程は実施例1と同様である。
(実施例16)
実施例1と同様のTa粉末を焼結し、CV値が145,382μF・V/g、焼結後の単位体積あたりの重量(密度)が5.6g/cmとなるTa焼結体を陽極体として使用した。なお、誘電体層形成以降の工程は実施例1と同様である・BR>B
(実施例17)
実施例1と同様のTa粉末を焼結し、CV値が145,382μF・V/g、焼結後の単位体積あたりの重量(密度)が5.4g/cmとなるTa焼結体を陽極体として使用した。なお、誘電体層形成以降の工程は実施例1と同様である。
(実施例18)
実施例1と同様のTa粉末を焼結し、CV値が118,925μF・V/g、焼結後の単位体積あたりの重量(密度)が6.0g/cmとなるTa焼結体を陽極体として使用した。なお、誘電体層形成以降の工程は実施例1と同様である。
(実施例19)
実施例1と同様のTa粉末を焼結し、CV値が118,925μF・V/g、焼結後の単位体積あたりの重量(密度)が5.8g/cmとなるTa焼結体を陽極体として使用した。なお、誘電体層形成以降の工程は実施例1と同様である。
(実施例20)
実施例1と同様のTa粉末を焼結し、CV値が118,925μF・V/g、焼結後の単位体積あたりの重量(密度)が5.6g/cmとなるTa焼結体を陽極体として使用した。なお、誘電体層形成以降の工程は実施例1と同様である。
(実施例21)
実施例1と同様のTa粉末を焼結し、CV値が118,925μF・V/g、焼結後の単位体積あたりの重量(密度)が5.4g/cmとなるTa焼結体を陽極体として使用した。なお、誘電体層形成以降の工程は実施例1と同様である。
(実施例22)
実施例1と同様のTa粉末を焼結し、CV値が171,789μF・V/g、焼結後の単位面積当たりの重量(密度)が6.0g/cmとなるTa焼結体を陽極体として使用した。
実施例1と同様にして、誘電体層、カップリング剤層、第1及び第2の導電性高分子層を形成した後、陽極体を、ドーパント剤としての2−ナフタレンスルホン酸を含む水溶液(濃度5重量%)中に浸漬した後、該溶液から取り出して乾燥させた。
その後、実施例1と同様にして、第3の導電性高分子層形成以降の工程を行った。
本発明においては、本実施例のように、第2の導電性高分子層を形成する工程の後、ドーパント剤を含む溶液中に浸漬する工程を備えていてもよい。ドーパント剤を含む溶液中に浸漬する工程の後、第3の導電性高分子層を形成する。
第2の導電性高分子層を形成した後、ドーパント剤を含む溶液中に浸漬することにより、さらに静電容量が大きく、かつESR及び漏れ電流がさらに小さい固体電解コンデンサを製造することができる。
(比較例1)
実施例1と同様のTa粉末を焼結し、焼結後のCV値が171,789μF・V/g、単位体積あたりの重量(密度)が6.0g/cmとなるTa焼結体を陽極体として使用した。
比較例1は、上記実施例1に比べて、カップリング剤による表面処理を行わない点、および気相化学重合のみにより第1ポリピロール層を形成する点が異なり、他は同様にして固体電解コンデンサを完成させた。比較例1の製造工程は、図2に示す通りである。すなわち、比較例1では、誘電体層を形成した陽極体を、ドーパント剤を添加した酸化剤溶液に10分間浸漬した後(図2(a))、該溶液から取り出して乾燥させ、次に、ピロール単量体100質量%の液体の上方液面近くに60分間配置(図2(b))することにより、誘電体層上に、気相化学重合による第1のポリピロール層を形成した。なお、第2のポリピロール層(第3の導電性高分子層に対応)の形成以降の工程は実施例1と同様である。
(比較例2)
実施例1と同様のTa粉末を焼結し、焼結後のCV値が171,789μF・V/g、単位体積あたりの重量(密度)が5.8g/cmとなるTa焼結体を陽極体として使用した。なお、誘電体層形成以降の工程は比較例1と同様である。
(比較例3)
実施例1と同様のTa粉末を焼結し、焼結後のCV値が171,789μF・V/g、単位体積あたりの重量(密度)が5.6g/cmとなるTa焼結体を陽極体として使用した。なお、誘電体層形成以降の工程は比較例1と同様である。
(比較例4)
実施例1と同様のTa粉末を焼結し、焼結後のCV値が171,789μF・V/g、単位体積あたりの重量(密度)が5.4g/cmとなるTa焼結体を陽極体として使用した。なお、誘電体層形成以降の工程は比較例1と同様である。
(比較例5)
実施例1と同様のTa粉末を焼結し、焼結後のCV値が171,789μF・V/g、単位体積あたりの重量(密度)が6.0g/cmとなるTa焼結体を陽極体として使用した。比較例5は、上記実施例1に比べて、気相化学重合のみにより第1ポリピロール層を形成する点が異なり、他は同様にして固体電解コンデンサを完成させた。すなわち、比較例5では、誘電体層を形成したTa焼結体を、カップリング剤を含む水溶液に10分間浸漬した後、該溶液から取り出して乾燥させた。次に、ドーパント剤を添加した酸化剤溶液に10分間浸漬した後、該溶液から取り出して乾燥させ、次に、ピロール単量体100質量%の液体の上方液面近くに60分間配置しておくことにより、誘電体層上に、気相化学重合による第1のポリピロール層を形成した。なお、第2のポリピロール層(第3の導電性高分子層)の形成以降の工程は実施例1と同様である。
(比較例6)
実施例1と同様のTa粉末を焼結し、焼結後のCV値が171,789μF・V/g、単位体積あたりの重量(密度)が5.8g/cmとなるTa焼結体を陽極体として使用した。なお、誘電体層形成以降の工程は比較例5と同様である。
(比較例7)
実施例1と同様のTa粉末を焼結し、焼結後のCV値が171,789μF・V/g、単位体積あたりの重量(密度)が5.6g/cmとなるTa焼結体を陽極体として使用した。なお、誘電体層形成以降の工程は比較例5と同様である。
(比較例8)
実施例1と同様のTa粉末を焼結し、焼結後のCV値が171,789μF・V/g、単位体積あたりの重量(密度)が5.4g/cmとなるTa焼結体を陽極体として使用した。なお、誘電体層形成以降の工程は比較例5と同様である。
(比較例9)
実施例1と同様のTa粉末を焼結し、焼結後のCV値が171,789μF・V/g、単位体積あたりの重量(密度)が6.0g/cmとなるTa焼結体を陽極体として使用した。
陽極体をリン酸水溶液中で陽極酸化し、誘電体層を形成する。誘電体層を形成した陽極体を、カップリング剤を含む水溶液に10分間浸漬した後、該溶液から取り出して乾燥させた。
次に、カップリング剤層を形成した陽極体をドーパント剤を添加した酸化剤溶液に10分間浸漬した後、該溶液から取り出した陽極体をピロール単量体100質量%の液体の上方液面近くに60分間配置することにより、誘電体層上に、ポリピロールを気相化学重合し、引き続いて、上記陽極体をピロール単量体100質量%の液体に浸漬させてポリピロールを液相化学重合させ誘電体層上に第1のポリピロール層を形成した。
次に、陽極体を、ドーパント剤としてのアルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム(濃度0.05mol/L、なお、アルキル基の平均炭素数は約18である。)と、ピロール単量体(濃度0.1mol/L)とを含む水溶液に浸漬し、第1のポリピロール層を正極として該水溶液に通電することにより、第1のポリピロール層上に、電解化学重合による第2のポリピロール層を形成した。その後、洗浄し、乾燥してコンデンサ素子を完成させた。なお、銀層形成以降の工程は実施例1と同様である。
実施例1〜22、及び比較例1〜9の製造方法の概要を表1に、上記製造方法で作製された各コンデンサの電気特性を表2に示す。なお、静電容量は120Hzで、等価直列抵抗(ESR)は100kHzで測定した。CV値は20%硫酸水溶液での液中静電容量を基準として測定した。
漏れ電流は、定格電圧を印加してから40秒後の電流値で測定した。漏れ電流の値は、比較例1を100とした相対値で表2に示す。
Figure 0005884068
Figure 0005884068
表1及び表2に示す結果から明らかなように、本発明に従う実施例1〜22は、高い静
電容量を示している。
従って、本発明によれば、静電容量の大きい固体電解コンデンサを製造できることがわかる。
また、表1及び表2に示す結果から明らかなように、本発明によれば、大きな静電容量が得られると共に、ESR及び漏れ電流の少なくとも一方が小さい固体電界コンデンサを製造できることがわかる。
図3は、実施例1及び7〜13と、比較例1〜8における陽極体の単位体積当たりの重量(密度)と、静電容量との関係を示す図である。
図3から明らかなように、陽極体の密度が高くなるにつれて、実施例と比較例との静電容量の差が大きくなっていることがわかる。従って、陽極体の密度が高くなるにつれて、本発明の効果が顕著に表われていることがかわる。これは、陽極体の密度が増加し、焼結体である多孔質体の内部の孔(空隙)が小さくなるにしたがい、比較例の方法では、陽極体内部の孔(空隙)内に良好な導電性高分子層を形成するのが困難となる一方、本発明によれば、陽極体内部の孔(空隙)が小さくなっても、陽極体内部に均一で緻密な導電性高分子層を形成できることによるものと考えられる。
図4は、カップリング剤層を形成した後の陽極体を浸漬するピロール単量体の液体におけるピロール単量体濃度と、静電容量との関係を示す図である。実施例1〜6におけるピロール単量体濃度と静電容量との関係を示している。
図4から明らかなように、液相化学重合させるため浸漬する単量体を含む液体における単量体の濃度は、1重量%以上とすることが好ましく、さらには90重量%以上とすることが好ましいことがわかる。
また、実施例1と実施例22の比較から明らかなように、第2の導電性高分子層を気相化学重合により形成した後、ドーパント剤を含む溶液中に浸漬させ、第2の導電性高分子層の上にドーパント剤を付着させた後、第3の導電性高分子層を形成することにより、静電容量をさらに高めることができ、ESR及び漏れ電流をさらに低減することができる。
1…陽極リード
2…陽極体
3…誘電体層
4a…第1の導電性高分子層
4b…第2の導電性高分子層
4c…第3の導電性高分子層
5…カーボン層
6…銀層
7…導電性接着剤層
8…陽極端子
9…陰極端子
10…モールド樹脂外装体
11…陽極体
12…単量体を含む液体
13…酸化剤溶液
14…単量体を含む液体
15…単量体を含む液体
16…ドーパント剤を含む溶液

Claims (5)

  1. 多孔質の陽極体を作製する工程と、
    前記陽極体の表面に誘電体層を形成する工程と、
    前記誘電体層を形成した前記陽極体を、導電性高分子の単量体を含む液体中に浸漬する工程と、
    前記導電性高分子の単量体を含む液体中に浸漬させた前記陽極体を、酸化剤溶液中に浸漬し、液相化学重合により前記単量体を重合させて、前記誘電体層上に第1の導電性高分子層を形成する工程と、
    前記第1の導電性高分子層を形成した前記陽極体を、導電性高分子の単量体の蒸気中に保持し、気相化学重合により前記単量体を重合させて、前記第1の導電性高分子層上に第2の導電性高分子層を形成する工程と、
    前記第2の導電性高分子層を形成した前記陽極体を、導電性高分子の単量体を含む液体中に浸漬し、電解重合により前記単量体を重合させて前記第2の導電性高分子層上に第3の導電性高分子層を形成する工程とを備え
    前記第1の導電性高分子層を形成する工程において、前記単量体を含む液体中の単量体の濃度が、20〜100質量%の範囲内であることを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
  2. 前記誘電体層を形成した後、前記誘電体層の上にカップリング剤層を形成する工程を備えることを特徴とする請求項1に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  3. 前記陽極体は、弁作用金属またはその合金からなる粉末を用いて作製され、前記粉末のCV値が、145,000μF・V/g以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  4. 前記陽極体の焼結後の密度が、5.0g/cm以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  5. 前記第1の導電性高分子層を形成する工程において、前記単量体を含む液体中の単量体の濃度が、90質量%以上であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
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