JP6194635B2 - 酸素吸収中空容器 - Google Patents
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Description
<1>
容器内側から容器外側に向かって、少なくとも、
熱可塑性樹脂βを含有する隔離層(b層)と、
(I)酸素吸収剤、及び(II)熱可塑性樹脂αを含有する酸素吸収性樹脂組成物からなる酸素吸収層(a層)と、
ガスバリア層(c層)とを、
この順に有する酸素吸収中空容器であって、
前記(I)酸素吸収剤は、
(A)鉄、コバルト、ニッケル、および銅からなる群より選択される少なくとも1種の遷移金属と、(B)アルミニウムとを含む合金を、アルカリ水溶液に接触させて、前記成分(B)の少なくとも一部を溶出除去して得られる金属((I)の金属)を含んでなり、
前記成分(B)の少なくとも一部を溶出除去して得られる金属の、BET法により測定される比表面積が、少なくとも10m2/g以上であり、
前記酸素吸収層(a層)の25℃における酸素透過度が、8×103mL・20μm/(m2・atm・day)以上である、
酸素吸収中空容器。
<2> 前記熱可塑性樹脂αのメルトフローレイトと、前記熱可塑性樹脂βのメルトフローレイトとの差が0〜2g/10分である、上記<1>に記載の酸素吸収中空容器。
<3> 前記熱可塑性樹脂αのメルトフローレイトが0.2〜8g/10分である、上記<1>又は<2>に記載の酸素吸収中空容器。
<4> 前記熱可塑性樹脂αの融点が160℃以下である、上記<1>〜<3>の何れか一項に記載の酸素吸収中空容器。
<5> 前記熱可塑性樹脂層(b層)の厚みが0.1〜100μmである、上記<1>〜<4>の何れか一項に記載の酸素吸収中空容器。
<6> さらに接着性樹脂層(d層)を有する、上記<1>〜<5>の何れか一項に記載の酸素吸収中空容器。
<7> さらに保護層(e層)を有する、上記<1>〜<6>の何れか一項に記載の酸素吸収中空容器。
本実施形態の酸素吸収層(a層)は、(I)酸素吸収剤と、(II)熱可塑性樹脂αとを含有する酸素吸収性樹脂組成物からなる。ここで酸素吸収性とは、かかる樹脂組成物を設置した周囲の雰囲気中から酸素を選択的に吸収することができることをいう。
本実施形態において用いられる酸素吸収剤は、下記の2成分、即ち、(A)鉄、コバルト、ニッケル、および銅からなる群より選択される少なくとも1種の遷移金属と、(B)アルミニウムとを含む合金を、アルカリ水溶液と接触させて、上記の成分(B)の少なくとも一部を溶出除去して得られる金属((I)の金属)からなり、前記成分(B)の少なくとも一部を溶出除去して得られる金属の、BET法により測定される比表面積が、少なくとも10m2/g以上であるものである。なお、本明細書において、「酸素吸収剤」とは、かかる剤を設置した周囲の雰囲気中から酸素を選択的に吸収することができるものをいう。
本実施形態の酸素吸収性樹脂組成物に含まれる「(I)の金属」は、上記したように、(A)鉄、コバルト、ニッケル、および銅からなる群より選択される少なくとも1種の遷移金属と、(B)アルミニウムとを含む合金を、アルカリ水溶液と接触させて、上記の成分(B)の少なくとも一部を溶出除去して得られるものである。
酸素吸収剤を構成する成分(A)として使用可能な遷移金属は、鉄、コバルト、ニッケル、および銅から選択される1種以上のものである。これらは単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることが出来る。例えば、鉄とニッケルが選択される場合、成分(A)として、Fe−Ni合金を使用しても良い。成分(A)としては、好ましくは、鉄、またはニッケルであり、より好ましくは、鉄である。このうち、鉄は、安全性が高く安価であるため好ましい。
酸素吸収剤を構成する成分(B)は、アルミニウムである。アルミニウムは取り扱いが容易であり安価であるため好ましい。
本実施形態においては、成分(A)と成分(B)とを含む合金を調製するが、このとき、合金には、添加金属としてさらに、モリブデン、クロム、チタン、バナジウム、タングステンなどを加えても良い。シアン酸類等の添加成分をさらに含有していても良い。
本実施形態の酸素吸収層(a層)に用いる(II)熱可塑性樹脂αは特に限定されず、従来公知の熱可塑性樹脂を用いることができる。酸素吸収層(a層)の酸素透過度を8×103mL・20μm/(m2・atm・day)以上とする為に、上記[1]の方法を用いる場合には、熱可塑性樹脂αの酸素透過度は、5×103mL・20μm/(m2・atm・day)以上が好ましく、1×104mL・20μm/(m2・atm・day)以上がより好ましく、2×104mL・20μm/(m2・atm・day)以上が特に好ましい。酸素透過度が上記好ましい値以上の樹脂を用いることで、中空容器の酸素吸収速度をより高めることが出来る。
本実施形態において、熱可塑性樹脂βを含有する隔離層(b層)は、中空容器に収容する内容物と酸素吸収剤との接触を避ける為に設けられる。
隔離層(b層)に用いる熱可塑性樹脂βは、特に限定されないが、上記の熱可塑性樹脂αで説明したものと同様のものを好ましく用いることができる。
本実施形態の酸素吸収中空容器は、ガスバリア性物質を含有するガスバリア層(c層)を有する。c層の25℃における酸素透過度は20mL・20μm/(m2・atm・day)以下が好ましく、10mL・20μm/(m2・atm・day)以下がより好ましい。酸素透過度が上記好ましい値以下の樹脂を用いることで、中空容器内への酸素の侵入をより低減することが出来る。
本実施形態の酸素吸収中空容器においては、上述した酸素吸収層(a層)、隔離層(b層)、ガスバリア層(c層)以外に、任意の層を含んでいてもよい。そのような任意の層としては、例えば、接着性樹脂層、保護層、遮光層等が挙げられる。
例えば、隣接する2つの層の間の層間接着強度をより高める観点から、当該2つの層の間に接着性樹脂層(d層)を設けることが好ましい。接着性樹脂層(d層)は、接着性を有する熱可塑性樹脂を含むことが好ましい。接着性を有する熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン樹脂;ポリエステル系ブロック共重合体を主成分としたポリエステル系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。また、接着性を高める観点から、接着する層に用いられている熱可塑性樹脂と同種の樹脂を変性したものが好ましい。なお、接着性樹脂層(d層)の厚みは、特に限定されないが、実用的な接着強度を発揮しつつ成形加工性を確保するという観点から、1〜200μmが好ましく、より好ましくは3〜100μmである。より好ましくは5〜50μmである。さらに、ガスバリア層(c層)に隣接する層に接着性樹脂層(d層)を設ける場合、c層とd層との厚みの差が小さいほど、層間のラミネート強度が安定するために好ましい。
本実施形態による酸素吸収中空容器において、熱可塑性樹脂γを含有する保護層(e層)を設けることで、水蒸気の侵入を抑制することが出来る。熱可塑性樹脂γは特に限定されないが、水蒸気透過度が5g・10μm/(m2・atm・day)以下であることが好ましく、より好ましくは1g・10μm/(m2・atm・day)以下である。特に、高密度ポリエチレン系樹脂が実用上有用である。保護層(e層)の厚みは、100μm〜1000μmが好ましく、より好ましくは200μm〜800μmである。
本発明による酸素吸収中空容器の製造方法は、従来公知の方法を用いることができ、特に限定されない。例えば、溶融押出成形によりパリソンを成形しこれをブローして成形を行う押出中空成形と、射出成型によりプリフォームを成形し、これをブローして成形を行う射出中空成形などが例示される。本発明においては、4種6層以上の多層容器の成型に実績のある、押出中空成型による成型法が望ましい。
本発明による酸素吸収中空容器は、水分活性の高い領域から低い領域まで適用可能である。これにより、水分活性が低く、低湿度の乾燥条件での保存が必要とされる物品に好適に適用できる。なお、水分活性とは物品中の自由水含有量を示す尺度で、0〜1の数字で示され、水分のない物品は0、純水は1となる。すなわち、ある物品の水分活性Awは、その物品を密封し平衡状態に到達した後の空間内の水蒸気圧をP、純水の水蒸気圧をP0、同空間内の相対湿度をRH(%)、とした場合、
Aw=P/P0=RH/100
と定義される。
(Al−Fe多孔質金属粉乾燥物の作製)
Al(アルミニウム)粉とFe(鉄)粉をそれぞれ50質量%の割合で混合し、窒素中で溶解して、Al−Fe合金を得た。得たAl−Fe合金はジョークラッシャー、ロールクラッシャー及びボールミルを用いて粉砕し、粉砕物を目開き200メッシュ(0.075mm)の網を用いて分級し、200メッシュ以下のAl−Fe合金を得た。得られたAl−Fe合金粉150gを、30質量%水酸化ナトリウム水溶液中、50℃で1時間攪拌混合した後、混合溶液を静置し上層液を取り除いた。残った沈殿物をpHが10以下になるまで蒸留水で洗浄し、Al−Fe多孔質金属粉を得た。多孔質金属粉は、酸素に接触させることを回避すべく、水溶液中で保存した。
金属粉1と、直鎖状低密度ポリエチレン(宇部丸善ポリエチレン株式会社製、商品名:「125FN」、融点120℃、25℃における酸素透過度8290mL・20μm/(m2・atm・day)、MFR2.2g/10min、以下「LLDPE1」ともいう)とを、金属粉1:LLDPE1=30:70(質量比)となるように、窒素ガスで置換したメインフィーダとサイドフィーダの2種類のフィーダを有する二軸押出機で溶融混練してストランド状に押出した後、ペレタイザーで裁断し、「酸素吸収性樹脂組成物ペレットA」を得た。LLDPE1はメインフィーダにより投入し、溶融したLLDPE1にサイドフィーダにより金属粉1を投入した。酸素吸収樹脂組成物ペレットAの密度は約1.2g/cm3であった。
内側面から外側面へ、隔離層(b層)/酸素吸収層(a層)/接着性樹脂層(d層)/ガスバリア層(c層)/接着性樹脂層(d層)/保護層(e層)の層構成を有する容量120mLの酸素吸収中空容器1を4種6層のダイレクトブロー成形機を用い、成形温度180℃で作製した。各層の材料として、酸素吸収層(a層)には酸素吸収性樹脂組成物ペレットAを、隔離層(b層)及び保護層(e層)にはLLDPE1を、ガスバリア層(c層)にはエチレンビニルアルコール共重合樹脂(株式会社クラレ製、商品名:エバール「F101B」)を、接着性樹脂層(d層)には、100重量部のカルボン酸変性ポリオレフィン樹脂(三菱化学株式会社製)、商品名:H511を、それぞれ用いた。
酸素吸収層(a層)及び隔離層(b層)の酸素透過度は下記の測定機、手順によって求めた。まず射出成形機によって15cm×15cm×900μmのシートを成形した。酸素透過度測定装置(ILLINOI社製「Model 8501」)を用いて、25℃0%RHにおける酸素透過度を測定し、20μm換算での酸素透過度を算出した。
次いで、中空容器1の胴部を底部から約40mmの地点で水平方向に切断し、胴部厚みを同間隔で8か所測定した結果、隔離層(b層)の平均厚みは40μm、標準偏差は4.8μmであった。また、目視で内面を観察した所、目立った色ムラは見られなかった。
また、中空容器1の最内層における金属粉の溶出量を以下の方法で測定した。まず、中空容器1内に脱イオン水100mLを封入し、40℃で一ヶ月保管した。中空容器1内の水49.5mLを取り出し、10wt%の硝酸0.5mLを加え、誘導結合プラズマ発行分析装置(日立ハイテクサイエンス社製「SPS3000」)を用い、10ppbを検出限界として分析した。鉄の濃度は検出限界以下であり、鉄粉の溶出が認められないことが分かった。
加えて、中空容器1の脱酸素日数(容器内の酸素濃度が0.1容量%以下となる日数)を以下の手順で測定した。まず、中空容器1内の充填率が全容積の約50容量%となるようにガラスビーズ及び乾燥剤を封入し、中空容器内の空気量(ヘッドスペース)を60mLとした。中空容器の開口部を、透明蒸着フィルムにより密封した。密封後は25℃で保存し、経過日数ごとの酸素濃度をタイテック株式会社製の光学式酸素濃度計、商品名「Fibox3」により測定した。その結果、9日経過後に酸素濃度が0.1容量%となった。結果を表1に示す。
(酸素吸収中空容器2の作製)
各層の材料として、保護層(e層)及び隔離層(b層)に用いたLLDPE1に代えて高密度ポリエチレン(京葉ポリエチレン株式会社製、商品名:「B5803R」、融点133℃・25℃における酸素透過度は2800mL・20μm/(m2・atm・day)、MFR0.5g/10min、以下「HDPE1」ともいう)を、接着性樹脂層(d)で用いたLLDPE1に代えてHDPE1を、それぞれ用いたこと以外は、実施例1と同様にして容量120mLの中空容器2を作成した。酸素吸収層(a層)にはLLDPE1を、隔離層(b層)にはHDPE1を用いており、熱可塑性樹脂αと熱可塑性樹脂βとのMFR差は0.5g/10分であった。
次いで、実施例1と同様に胴部厚みを測定した結果、隔離層(b層)の平均厚みは30μm、標準偏差は10.7μmであった。また、目視で内面を観察した所、偏肉由来である縦縞状の色ムラが観察された。
(酸素吸収樹脂組成物ペレットBの作製)
LLDPE1に代えてHDPE1を用いた以外は、実施例1と同様にして、酸素吸収性樹脂組成物ペレットBを得た。酸素吸収樹脂組成物ペレットBの密度は約1.2g/cm3であった。
各層の材料として、酸素吸収層(a層)には酸素吸収性樹脂組成物ペレットAに代えて酸素吸収樹脂組成物ペレットBを、隔離層(b層)及び保護層(e層)にはLLDPE1に代えてHDPE1を、それぞれ用いたこと以外は、実施例1と同様にして容量120mLの中空容器3を作成した。酸素吸収層(a層)と隔離層(b層)では同じHDPE1を用いており、熱可塑性樹脂αと熱可塑性樹脂βとのMFR差は0.0g/10分である。
次いで、実施例1と同様に胴部厚みを測定した結果、保護層(e層)の平均厚みは40μm、標準偏差は6.2μmであった。また、目視で内面を観察した所、目視で内面を観察した所、偏肉由来である縦縞状の色ムラが観察された。
Claims (7)
- 容器内側から容器外側に向かって、少なくとも、
熱可塑性樹脂βを含有する隔離層(b層)と、
(I)酸素吸収剤、及び(II)熱可塑性樹脂αを含有する酸素吸収性樹脂組成物からなる酸素吸収層(a層)と、
ガスバリア層(c層)とを、
この順に有する酸素吸収中空容器であって、
前記(I)酸素吸収剤は、
(A)鉄、コバルト、ニッケル、および銅からなる群より選択される少なくとも1種の遷移金属と、(B)アルミニウムとを含む合金を、アルカリ水溶液に接触させて、前記成分(B)の少なくとも一部を溶出除去して得られる金属((I)の金属)を含んでなり、
前記成分(B)の少なくとも一部を溶出除去して得られる金属の、BET法により測定される比表面積が、少なくとも10m2/g以上であり、
前記熱可塑性樹脂αの酸素透過度が、5×10 3 mL・20μm/(m 2 ・atm・day)以上であり、
前記酸素吸収層(a層)の25℃における酸素透過度が、8×103mL・20μm/(m2・atm・day)以上である、酸素吸収中空容器。 - 前記熱可塑性樹脂αのメルトフローレイトと、前記熱可塑性樹脂βのメルトフローレイトとの差が0〜2g/10分である、請求項1に記載の酸素吸収中空容器。
- 前記熱可塑性樹脂αのメルトフローレイトが0.2〜8g/10分である、請求項1又は2に記載の酸素吸収中空容器。
- 前記熱可塑性樹脂αの融点が250℃以下である、請求項1〜3の何れか一項に記載の酸素吸収中空容器。
- 前記熱可塑性樹脂層(b層)の厚みが0.1〜100μmである、請求項1〜4の何れか一項に記載の酸素吸収中空容器。
- さらに接着性樹脂層(d層)を有する、請求項1〜5の何れか一項に記載の酸素吸収中空容器。
- さらに保護層(e層)を有する、請求項1〜6の何れか一項に記載の酸素吸収中空容器。
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