JP6533432B2 - 粉体粒子の熱処理装置及び粉体粒子の製造方法 - Google Patents
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Description
その一般的な製法として、まず転写材に定着させるための結着樹脂、トナーとしての色味を出させる着色剤、定着部材とトナーとの剥離性を向上させるワックス等の原料を混合する。次にこれらの混合物を溶融混練、冷却固化し、混練物を得る。更に得られた混練物を粉砕手段により微細化し必要に応じて所望の粒度分布に分級した後、流動化剤等を添加することで画像形成に供するトナーとしている。
また高画質化として要求されることの一つとして、画像面内のグロス均一性がある。画像の面内グロスの均一性は定着部材とトナーとの剥離性に相関があることから、トナーにはグロス均一性向上のためにワックスが添加されている。
このような要求に対し、熱処理によりトナー用粉体粒子を溶融し球形化する製法が挙げられる。しかしワックスを含有するトナー用粉体粒子を熱処理すると粉体粒子内部のワックスが溶融し、トナー用粉体粒子の表面に染み出すことによって付着力が増加する。そのため熱処理装置内に融着が発生する場合や、溶融したトナーが互いに合一することで粗大粒子が増加する場合もある。このためトナーを安定的に製造することが困難なことがあった。
しかしこの装置構成でトナー用粉体粒子を熱処理する場合、原料の分散気流と加熱気流がお互いに逆の旋回方向となる。このため粉体粒子の処理量を増加させると、粉体粒子が互いに衝突し合一し粗大粒子になる場合や、装置内で生じる気流の乱れによって装置の天面や壁面に粉体粒子が付着し融着物が生じる場合があった。
これに対し熱処理装置の熱処理室の側壁上部からの冷却風をスリット状に吹き込むことにより粉体粒子の付着及び乱流を抑え、生産性を向上させるという提案がなされている(特許文献2参照)。
しかしこの装置構成でトナー用粉体粒子を熱処理する場合、原料の分散気流と加熱気流は旋回流であるのに対し導入される冷却風は垂直となる。このためやはり装置内で乱気流が発生してしまい、ワックスを含有するトナー用粉体粒子の処理量を増加させて熱処理を行うと、粉体粒子が互いに衝突し合一し粗大粒子になる場合や、粉体粒子が装置内に融着する場合があった。更にこの装置構成では原料の分散気流によって加熱気流が冷却されてしまうため粉体粒子の球形化に必要以上の熱量をかけなくてはならず、熱効率が悪いと言う問題があった。
これに対し、熱風を旋回して供給するための旋回部材を装置内に具備した熱処理装置が提案されている(特許文献3参照)。処理室は、円筒状の外壁と外壁内部の体積を規制するよう配置された円柱状内部部材から形成される二重円筒状となっており、旋回部材は処理室の上部に配置されている。旋回部材は複数のブレードを有しており、熱風の旋回を制御し、効率よく旋回流を生み出すため熱効率は上昇する。
しかしこの装置構成でトナー用粉体粒子を熱処理する場合、特許文献3のブレードの形状は、熱風の流れる方向をブレードの入口付近で急激に変えるものとなっている。よってブレード間を通る熱風がスムーズに流れず、熱風の一部はトナーの熱処理に使用されず無駄になるため熱効率にいまだ課題があった。また、処理室上部の円柱状内部部材近傍では流れの淀みが生じており、旋回部材方向へ向かう巻き上がり流が発生する。その巻き上がり流は高温であり、溶融状態の粉体粒子同士が合一し粗大粒子の割合が増加する問題があった。同時に溶融状態の粉体粒子が円柱状内部部材の上部の壁面に融着しやすいという問題があった。
このように熱処理によってワックスを含有するトナーを球形化するトナーの熱処理装置及び製造方法において、これまでの方法では粗大粒子と装置内融着の抑制かつ熱効率の良化に関して改良の余地があった。
すなわち本発明は、ワックスを含有する粉体粒子の熱処理装置であって、該熱処理装置は、
(1)円筒状の外壁の内周面と、該外壁の内部に該外壁の中心軸と同軸上に配置された円柱状の内部部材の外周面とで形成され、該粉体粒子の熱処理が行われる同軸二重円筒状の処理室と、
(2)該処理室に該粉体粒子を供給するための粉体粒子供給手段と、
(3)供給された該粉体粒子を熱処理するための熱風を供給する熱風供給手段と、
(4)供給された該粉体粒子を冷却するための冷風を該処理室内に供給する冷風供給手段と、
(5)熱処理された該粉体粒子を該処理室の外に排出する排出手段と、
(6)該熱風を該処理室において螺旋状に旋回させるための旋回部材とを具備し、
該旋回部材は、
該内部部材の天面上に、該内部部材の中心軸から等距離に、該中心軸の周囲に配列された同形状の複数のブレードを有し、
該ブレードを含みかつ該中心軸と直交する断面において、該中心軸から近い方の該ブレードの端部と該中心軸とを結ぶ直線と、該端部に接する直線とのなす角度で規定されるブレードの入口角度aが、下記式(1)を満たすことを特徴とする粉体粒子の熱処理装置である。
−10°≦a≦10° 式(1)
まず、本発明に用いる熱処理装置の概略を、図1〜図14を用いて説明する。
図2は、図1における、A−A´面での概略的断面図である。
図1、図2に示したように、本発明の熱処理装置は、円筒状の外壁1と、外壁1の内部の体積を規制するよう外壁1の中心軸と同軸上に配置された円柱状の内部部材2とで形成される、粉体粒子の熱処理が行われる同軸二重円筒状の処理室3を持つ。本発明の熱処理装置は、更に処理室に熱風を供給する熱風供給手段4と、粉体粒子を供給する粉体粒子供給手段5と、冷風を供給する第一冷風供給手段6及び第二冷風供給手段7と、処理室から粉体を排出する排出手段8を持つ。
図3は、旋回部材9を説明する概略的断面図である。
旋回部材9は、図3に示すように、内部部材2の天面上に、内部部材の中心軸10から等距離に、該中心軸の周囲に配列された同形状の複数のブレード11から成る。
ブレードを含む中心軸10と直交する断面において、
中心軸10から近い方のブレードの端部と中心軸10とを結ぶ直線を直線12とし、
該端部に接する直線を直線13とした場合に、
直線12と直線13とのなす角度で規定されるブレードの入口角度aが、下記式(1)を満たすことを特徴とする。
−10°≦a≦10° 式(1)
外壁1の内周面径は150mm、内部部材2の外周面径は110mmとして、熱処理装置の気流シミュレーションを実施した結果を図4、図5に示す。
図4は、ブレードの入口角度aが71°のときの流れの向きを示す断面図である。
図5は、ブレードの入口角度aが0°のときの流れの向きを示す断面図である。
熱風流量はともに3.0m3/分である。図4から分かるように、入口角度aが大きいとき、ブレード11の入口付近で熱風の流れる方向が急激に変わるため、ブレード間を通る熱風がスムーズに流れず、ブレード内で渦が生じている。これは熱効率の低下につながる。一方、図5から分かるように、ブレードの入口角度aが0°のとき、ブレードの入口付近で熱風はスムーズに流れる。よってブレード間を通る熱風を無駄なくトナーの熱処理に使用できる。
入口角度aがこの範囲外になると、熱効率低下を補うため熱風温度を上昇する必要があり、熱風温度の上昇による粉体粒子の合一が発生しやすい。
図6に示すように、ブレード11を含みかつ中心軸10と直交する断面において、
中心軸10から遠い方のブレードの端部と中心軸10とを結ぶ直線を直線14とし、
該端部に接する直線を接線15とした場合に、
直線14と接線15とのなす角度で規定されるブレードの出口角度をbとする。
また、第1のブレードの中心軸10から遠い方の端部と中心軸10とを結ぶ直線を直線16とし、
第1のブレードと旋回方向側に隣り合う第2のブレードの法線のうち、第1のブレードの中心軸10から遠い方の端部を通る直線を直線17とし、
第1のブレードの中心軸10から遠い方の端部を通り、かつ直線17に対して直交する直線を直線18とした場合に、
直線16と直線18とのなす角度で規定されるブレードの垂直出口角度をcとする。
このとき、本発明による旋回部材9においては、下記式(2)を満たすことが好ましい。
0°≦b−c≦10° 式(2)
外壁1の内周面径は150mm、内部部材2の外周面径は110mmとして、熱処理装置の気流シミュレーションを実施した結果を図7、図8に示す。
図7は、出口角度bが90°、垂直出口角度cが65°のときの結果であり、b−c=25°である。
図8は、出口角度bが80°、垂直出口角度cが77°のときの結果であり、b−c=3°である。熱風流量はともに3.0m3/分である。
ブレードから流出する熱風の周方向速度のばらつきが小さくなると、粉体粒子に偏りなく十分な遠心力を与えることができ、粉体粒子の合一を抑制することができる。また実機検討との比較により、粉体粒子の合一を許容値以内に抑えるためには、周方向速度のばらつきを0.20以下にすればよいことが分かった。その時、ばらつきが0.20となるのはb−c=10°のときであることから、0°≦b−c≦10°ならば、粉体粒子に十分な遠心力を与えることができ、粉体粒子の合一を許容値以内に抑制できる。
粉体粒子供給手段5は、図9に示すように搬送気体が外壁の内周面の接線に沿いかつ装置内の熱風螺旋流の方向と一致して供給されるように配置される。これにより粉体粒子を含む搬送気流が処理室3に入った瞬間の乱気流が防止できるため、粗大粒子の発生を抑制することができる。
第一冷風供給手段6は、図10に示すように供給された冷風が外壁1の内周面に沿って供給されるように、かつ装置内螺旋流の方向と一致するように、かつ円筒状の外壁の中心軸と直交する同一断面上に存在するように複数設けられている。これにより装置内に冷風が導入された瞬間の乱気流を防止でき、合一粒子の発生を抑制することができる。
第一冷風供給手段6は、分割数が多いほど熱処理された粉体粒子を冷却する効率が高まる。これによって粉体粒子の冷却ムラが抑制され、円形度のそろった粉体粒子を製造することが可能となる。なお、図10に示す例では、第一冷風供給手段6の分割数は、粉体粒子供給手段5と同じである4分割とした。
第二冷風供給手段7は、図11に示すように3分割し、供給された冷風が外壁1の内周面に沿って供給されるようかつ装置内旋回流を維持するように外壁の内周面の下端部に配置する。これによって底面に滞留融着する粉体粒子を抑制することができる。
これによって粉体粒子にかかる遠心力を利用して、粉体粒子の乱れを防止しつつ速やかに装置外へ排出することが可能となり、外壁1及び内部部材2への付着、融着が軽減される。なお排出手段8の先にはブロワー(不図示)が設けられ、ブロワーにより吸引搬送される構成となる。
これによって処理室3は同軸二重円筒状となり、トナー流速が速くなり、粉体粒子の排出性を向上させることができるとともに、排出手段8近傍における付着や融着、粉体粒子の合一を防止することができる。
図12に示すように、内部部材2の上端部の曲率半径をRとし、外壁1の内周面の半径(内周面径)と内部部材2の外周面の半径(外周面径)との差(内外円筒半径差)をdとした場合に、式(3)を満たすことが好ましい。
R≧0.1×d 式(3)
外壁1の内周面径を150mmとし、内部部材2の外周面径を110mmとして、熱処理装置の気流シミュレーションを実施した結果を図13、図14に示す。
図14は、前記曲率半径Rが7mmのときの流れの向きを示す断面図である。
図13、図14は、処理室3の中心軸を含み、中心軸と平行な断面における熱風の流れの向きを矢印の向きで示し、熱風の速度の大きさを矢印の色の濃淡(レンジ)で示している。
図13は、内外円筒半径差d=20mmに対し曲率半径R=0mmのとき、つまりR/d=0のときの結果である。図14は、内外円筒半径差d=20mmに対し曲率半径R=7mmのとき、つまりR/d=0.35のときの結果である。熱風流量はともに3.0m3/分である。
一方、図14から分かるように、円柱状内部部材の上端部に曲率を持たせることで、熱風は円柱状内部部材の上端部の丸みに沿って流れることになり、処理室の上部かつ円柱状内部部材の近傍に発生する巻き上がり流が抑制される。
巻き上がり流が抑制されると円柱状内部部材上部の壁面への融着を低減することができる。ちなみに図13、図14の左上にも巻き上がり流が発生しているが、この部分にはトナーは入り込まないため融着は生じない。
ただし、曲率半径を大きくすると旋回部材9の熱風出口が上下に伸び、熱風出口の面積が大きくなり、そのため熱風速度が遅くなり熱効率が低下する可能性がある。
よって曲率半径Rは融着の低減と熱効率の両立を考え、以下の範囲で制御することが好ましい。
(0.1×d)≦R<(1.0×d)
[トナー製造手順]
<原料混合工程>
まず、原料混合工程では、トナー原料として、少なくとも樹脂、着色剤を所定量秤量して配合し、混合する。混合装置の一例としては、ヘンシェルミキサー(日本コークス工業(株)製);スーパーミキサー((株)カワタ製);リボコーン((株)大川原製作所製);ナウターミキサー、タービュライザー、サイクロミックス(ホソカワミクロン(株)製);スパイラルピンミキサー(太平洋機工(株)製);レーディゲミキサー((株)マツボー製)等がある。
更に、混合したトナー原料を溶融混練工程にて、溶融混練して、樹脂類を溶融し、その中の着色剤等を分散させる。混練装置の一例としては、TEM型押し出し機(東芝機械(株)製);TEX二軸混練機((株)日本製鋼所製);PCM混練機((株)池貝製);ニーデックス(日本コークス工業(株)製)等が挙げられる。連続生産できる等の優位性から、バッチ式練り機よりも、1軸または2軸押出機といった連続式の練り機が好ましい。
<冷却工程>
更に、トナー原料を溶融混練することによって得られる着色樹脂組成物は、溶融混練後、2本ロール等で圧延され、水冷等で冷却する冷却工程を経て冷却される。
上記で得られた着色樹脂組成物の冷却物は、次いで、粉砕工程で所望の粒径にまで粉砕される。粉砕工程では、まず、クラッシャー、ハンマーミル、フェザーミル等で粗粉砕され、更に、クリプトロンシステム(川崎重工業(株)製)、スーパーローター(日清エンジニアリング(株)製)等で微粉砕され、トナー微粒子を得る。
得られたトナー微粒子は、分級工程にて、所望の粒径を有するトナー用粉体粒子に分級される。分級機としては、ターボプレックス、ファカルティ 、TSPセパレータ、TTSPセパレータ(ホソカワミクロン(株)製);エルボージェット(日鉄鉱業(株)製)等がある。
続いて、得られたトナー用粉体粒子を熱処理工程で本発明の熱処理装置を用いて球形化処理を行う。
本発明のトナーの製造方法においては、熱処理工程の前に、得られたトナー用粉体粒子に必要に応じて無機微粒子等を添加しても構わない。トナー用粉体粒子に無機微粒子等を添加する方法としては、トナー用粉体粒子と公知の各種外添剤を所定量配合し、粉体にせん断力を与える高速撹拌機を外添機として用いて、撹拌・混合する。
粉体にせん断力を与える高速撹拌機としては以下の高速撹拌機が挙げられる。
ヘンシェルミキサー、メカノハイブリッド(日本コークス工業(株)製)
スーパーミキサー、ノビルタ(ホソカワミクロン(株)製)等
更に、熱処理後、必要に応じて、粗粒等を篩い分けるために、例えば、ウルトラソニック(晃栄産業(株)製);レゾナシーブ、ジャイロシフター((株)徳寿工作所);ターボスクリーナー(フロイント・ターボ(株)製);ハイボルター(東洋ハイテック(株)製)等の篩分機を用いても良い。
なお、本発明の熱処理工程は上記微粉砕後であっても良いし、分級後でもよい。
次に本発明のトナーの製造方法に用いるトナー構成材料について説明する。
本発明で用いられる結着樹脂としては、公知の樹脂が用いられるが、例えば、ポリスチレン、ポリビニルトルエンの如きスチレン誘導体の単重合体;スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−アクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−メタクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体の如きスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルブチラール、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリアクリル樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族石油樹脂が挙げられ、これらの樹脂は単独もしくは混合して用いても良い。
これらの中で、本発明の結着樹脂として好ましく用いられる重合体としては、スチレン系共重合体とポリエステルユニットを有する樹脂である。
本発明ではポリエステルユニットを有する樹脂が特に好ましく用いられる。前記「ポリエステルユニット」とは、ポリエステルに由来する部分を意味し、ポリエステルユニットを構成する成分としては、具体的には、2価以上のアルコールモノマー成分と2価以上のカルボン酸、2価以上のカルボン酸無水物及び2価以上のカルボン酸エステル等の酸モノマー成分が挙げられる。
例えば、2価以上のアルコールモノマー成分として、具体的には、2価アルコールモノマー成分としては、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)−ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA等が挙げられる。
3価以上のカルボン酸モノマー成分としては、トリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸やその無水物等の多価カルボン酸等が挙げられる。
また、その他のモノマーとしては、ノボラック型フェノール樹脂のオキシアルキレンエーテル等の多価アルコール類等が挙げられる。
黒色着色剤としては、カーボンブラック;磁性体;イエロー着色剤、マゼンタ着色剤及びシアン着色剤とを用いて黒色に調整したものが挙げられる。
着色剤には、顔料単独で使用してもかまわないが、染料と顔料とを併用してその鮮明度を向上させた方がフルカラー画像の画質の点から好ましい。
結着樹脂に着色剤を混合し、マスターバッチ化させる場合は、多量の着色剤を用いても着色剤の分散性を悪化させず、また、トナー粒子中における着色剤の分散性を良化し、混色性や透明性等の色再現性が優れる。また、転写材上でのカバーリングパワーが大きいトナーを得ることができる。また、着色剤の分散性が良化することにより、トナー帯電性の耐久安定性が優れ、高画質を維持した画像を得ることが可能となる。
また、流動化剤としては、流動性が添加前後を比較すると増加し得るものであれば、どのようなものでも使用可能である。例えば、フッ化ビニリデン微粉末、ポリテトラフルオロエチレン微粉末の如きフッ素系樹脂粉末;酸化チタン微粉末、アルミナ微粉末、湿式製法シリカ、乾式製法シリカの如き微粉末シリカ;それらをシラン化合物、及び有機ケイ素化合物、チタンカップリング剤、シリコーンオイルにより表面処理を施した処理シリカを使用することが可能である。
微粉体の表面の疎水化処理方法は、微粉体と反応あるいは物理吸着する有機ケイ素化合物等で化学的、または物理的に処理する方法である。
上記流動化剤は単独で用いても、複数種を組合せて用いても良い。
なお、上記の添加剤は、外添工程で外添剤として用いても良い。
上記トナーの各種物性の測定方法及び、以下の実施例中で測定した各種物性の測定方法に関して以下に説明する。
トナーの重量平均粒径(D4)は、以下のようにして算出する。測定装置としては、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター(株)製)を用いる。測定条件の設定及び測定データの解析は、付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター(株)製)を用いる。なお、測定は実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで行う。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター(株)製)が使用できる。
専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更」画面において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター(株)製)を用いて得られた値を設定する。「閾値/ノイズレベルの測定ボタン」を押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、「測定後のアパーチャーチューブのフラッシュ」にチェックを入れる。
専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定」画面において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250mL丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mLを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行なう。そして、専用ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
トナー中の個数基準の微粉量(個数%)は、前記のMultisizer 3の測定を行った後、データを解析することにより算出する。
例えば、トナー中の4.0μm以下の粒子の個数%は、以下の手順で算出する。まず、専用ソフトでグラフ/個数%に設定して測定結果のチャートを個数%表示とする。そして、「書式/粒径/粒径統計」画面における粒径設定部分の「<」にチェックし、その下の粒径入力部に「4」を入力する。「分析/個数統計値(算術平均)」画面を表示したときの「<4μm」表示部の数値が、トナー中の4.0μm以下の粒子の個数%である。
トナー中の体積基準の粗粉量(体積%)は、前記のMultisizer 3の測定を行った後、データを解析することにより算出する。
例えば、トナー中の10.0μm以上の粒子の体積%は、以下の手順で算出する。まず、専用ソフトでグラフ/体積%に設定して測定結果のチャートを体積%表示とする。そして、「書式/粒径/粒径統計」画面における粒径設定部分の「>」にチェックし、その下の粒径入力部に「10」を入力する。「分析/体積統計値(算術平均)」画面を表示したときの「>10μm」表示部の数値が、トナー中の10.0μm以上の粒子の体積%である。
トナー粒子の平均円形度は、フロー式粒子像分析装置「FPIA−3000」(シスメックス(株)製)によって、校正作業時の測定及び解析条件で測定する。
具体的な測定方法は、以下の通りである。まず、ガラス製の容器中に予め不純固形物などを除去したイオン交換水約20mLを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業(株)製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.2mL加える。更に測定試料を約0.02g加え、超音波分散器を用いて2分間分散処理を行い、測定用の分散液とする。その際、分散液の温度が10℃以上40℃以下となる様に適宜冷却する。超音波分散器としては、発振周波数50kHz、電気的出力150Wの卓上型の超音波洗浄器分散器(「VS−150」((株)ヴェルヴォクリーア社製))を用い、水槽内には所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2mL添加する。
なお、本願実施例では、シスメックス(株)による校正作業が行われた、シスメックス(株)が発行する校正証明書の発行を受けたフロー式粒子像分析装置を使用した。解析粒子径を円相当径1.985μm以上39.69μm未満に限定した以外は、校正証明を受けた時の測定及び解析条件で測定を行った。
本発明において、円形度が0.990以上の粒子の割合は、円形度の分布を示す指標として用いており、頻度(%)で表わされる。具体的には、FPIA−3000によって測定したトナーの平均円形度における、頻度テーブルの範囲1.00の頻度(%)の値と、0.990−>1.000の頻度(%)の値を足した値を用いた。
(トナー用粉体粒子Aの製造例)
ポリエステルユニットを有する樹脂:100質量部
(重量平均分子量(Mw):82450、数平均分子量(Mn):3650、ピーク分子量:(Mp)8550)
パラフィンワックス:4質量部
(最大吸熱ピーク温度78℃)
3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物:1.0質量部
C.I.ピグメントブルー15:3.5質量部
粉体粒子:100質量部
シリカ:3.5質量部
(ゾルゲル法で作成したシリカ微粒子にヘキサメチルジシラザン処理1.5質量%で表面処理した後、分級によって所望の粒度分布に調整したもの。)
酸化チタン:0.5質量部
(アナターゼ形の結晶性を有するメタチタン酸を表面処理したもの。)
更に、FPIA3000にて平均円形度を測定した結果、平均円形度が0.946であった。
以下、これをトナー用粉体粒子Aとする。
これらの結果を表1にまとめた。
本製造例では、パラフィンワックスの添加量を6質量部にした以外は、トナー用粉体粒子Aと同様の製造方法にて、トナー用粉体粒子Bを得た。
このとき得られたトナー用粉体粒子Bの重量平均粒径(D4)、粒径4.0μm以下の粒子の割合、粒径10.0μm以上の粒子の割合、平均円形度を測定した結果を表1にまとめた。
本製造例では、パラフィンワックスの添加量を8質量部にした以外は、トナー用粉体粒子Aと同様の製造方法にて、トナー用粉体粒子Cを得た。
このとき得られたトナー用粉体粒子Bの重量平均粒径(D4)、粒径4.0μm以下の粒子の割合、粒径10.0μm以上の粒子の割合、平均円形度を測定した結果を表1にまとめた。
本実施例では図1、図2に示した熱処理装置を用い、トナー用粉体粒子Aを熱処理した。本実施例において装置の円筒状の外壁の内周面径は150mm、円柱状の内部部材の外周面径は110mmとした。
熱処理装置は熱風を旋回させるための旋回部材を具備し、旋回部材は複数のブレードを有している。ブレードの鉛直方向の高さは、15mmとした。ブレードの形状は、図6に示すように2つの円弧を連結した形状とした。
図3に示す入口角度aを0°とし、図6に示す出口角度bを80°とし、垂直出口角度cを80°とした。よってb−c=0°となる。また、ブレードの枚数は10枚とした。
第一冷風供給手段は図10に示すように4分割とし、粉体供給手段出口下端から第一冷風供給手段上端までの距離を100mmとした。また処理室の中心軸と直交する同一断面上に各口を45°等間隔に、かつ本体内螺旋流の角度と一致するように処理室中心軸直交断面に対し本体下端方向に27°の角度を付けて配置した。第一冷風供給手段各出口の縦の長さは80mm、横の長さは4mmとし、各出口断面積は320mm2、総断面積は1280mm2とした。
排出手段は図11に示すように、第二冷風供給手段中央口の対向位置に排出手段下端が底面と一致するようにかつ底面と平行に配置した。また排出手段入口は、縦の長さ75mm、横の長さ30mm、断面積は2250mm2とした。
上記装置構成を装置構成1とする。
<運転条件1>
この時の運転条件(以下、運転条件1とも記載する。)は、以下のとおりであった。
熱風温度170℃、熱風風量7.0m3/分であった。
第一冷風温度は−5℃、総流量は0.2m3/分とし、各口それぞれ0.05m3/分の冷風を処理室内に供給した。
第二冷風温度は−5℃、総流量は0.15m3/分とし、各口それぞれ0.05m3/分の冷風を処理室内に供給した。
運転時間は1時間とした。
この時の条件を運転条件1とする。
重量平均粒径(D4)が6.8μm、
粒径4.0μm以下の粒子が24.4個数%、
粒径10.0μm以上の粒子が3.6体積%、
粗大粒子は非常に少なかった。
また運転後に本体内の融着状況を目視によって確認したが、融着物は全く認められなかった。
この時の条件は熱風温度200℃、熱風風量10.0m3/分であった。第一冷風温度は−5℃、総流量は0.2m3/分とし、各口それぞれ0.05m3/分の冷風を処理室内に供給した。同様に第二冷風温度は−5℃、総流量は0.15m3/分とし、各口それぞれ0.05m3/分の冷風を処理室内に供給した。
重量平均粒径(D4)が6.9μm、
粒径4.0μm以下の粒子が24.1個数%、
粒径10.0μm以上の粒子が3.9体積%。
また20kg/hr処理時と比較して30kg/hr処理時での粒径10.0μm以上の粒子の体積%での増加は0.3%であり、処理量を増加しても粗粉は非常に少なかった。また運転後に本体内の融着状況を確認したが、融着物は全く認められなかった。
以上得られたトナーの熱処理結果の評価を下記の基準で行った。
得られた熱処理後のトナー用粉体粒子に含有される10.0μm以上の粒子の割合s(体積%)を粗粉量の評価の基準とし、下記の基準で判断した。
A: s<5.0
B: 5.0≦s<10.0
C:10.0≦s<15.0
D:15.0≦s<20.0
E:20.0≦s
30kg/hr処理時の粗粉割合(体積%)と、20kg/hr処理時の粗粉割合(体積%)との差Δsを、本発明の熱処理装置における処理量の増加させやすさの指標とし、下記の基準で判断した。
A: Δs<2.0
B:2.0≦Δs<4.0
C:4.0≦Δs<6.0
D:6.0≦Δs<8.0
E:8.0≦Δs
各実施例の条件で1時間運転後、トナー用粉体粒子の供給を止めた。そして、工業用ビデオスコープ「IPLEX SA II R」(オリンパス(株)製)のスコープ部を熱処理装置側面や粉体粒子輸送経路配管の点検口(不図示)から挿入し、融着状況を確認し、下記の基準で判断した。
A:融着物が全く認められないレベル
B:融着物が僅かに認められるが、運転上支障のないレベル
C:融着が認められるが、運転上支障のないレベル
D:融着が認められ、運転ができなくなるレベル
E:大きな融着物が認められ、運転ができなくレベル
これらの結果を表2にまとめた。
本実施例では、装置構成1を用いて、トナー用粉体粒子Bを処理した。
運転条件は、熱風の温度を180℃とした以外は、運転条件1と同じとした。
その結果トナー処理量は、20kg/hrで平均円形度0.965のトナー用熱処理粒子を得た。トナー用粉体粒子Bはワックス添加量が6質量部とトナー用粉体粒子Aより増えたため、平均円形度0.965を得るための熱風温度が高くなった。
この時の運転条件は、熱風の温度を210℃とした以外は、運転条件1と同じとした。
熱風温度は実施例1よりも高くなったが、粗粉量sは非常に少なく評価Aであった。また処理量を20kg/hrから30kg/hrに増加させても粗粉量の差Δsは非常に少なく評価Aであった。また装置内部に熱処理されたトナー用熱処理粒子の融着は全くなく評価Aであった。
これらの結果を表2にまとめた。
本実施例では、装置構成1を用いて、トナー用粉体粒子Cを熱処理した。
運転条件は、熱風の温度を190℃とした以外は、運転条件1と同じとした。
その結果トナー処理量は、20kg/hrで、平均円形度0.965のトナー用熱処理粒子を得た。トナー用粉体粒子Bはワックス添加量が8質量部とトナー用粉体粒子Bより増えたため、平均円形度0.965を得るための熱風温度が実施例1、実施例2と比較して高くなった。
この時の運転条件は、熱風温度を220℃とした以外は、運転条件1と同じとした。
熱風温度は実施例1よりも高くなったが、粗粉量sは非常に少なく評価Aであった。また処理量を20kg/hrから30kg/hrに増加させても粗粉量の差Δsは非常に少なく評価Aであった。また装置内部に熱処理されたトナー用熱処理粒子の融着は全くなく、評価Aであった。
これらの結果を表2にまとめた。
本実施例では、装置構成1を基に円柱状の内部部材の上端部は、処理室の内外円筒半径差d=20mmに対し、曲率半径R=2mmの丸みを持つとした。このとき、R/d=0.1となる。この装置構成を装置構成2としてトナー用粉体粒子Cを熱処理した。
運転条件は、熱風の温度を、トナー処理量が20kg/hrのときは190℃とし、トナー処理量が30kg/hrのときは220℃とした以外は、運転条件1と同じとした。実施例3と比較すると、熱風温度は同一であった。
これらの結果から、曲率半径Rと内外円筒半径差dの比がR/d=0.1のとき、実施例3には劣るものの融着を抑えられることが分かった。
これらの結果を表2にまとめた。
本実施例では、装置構成1を基に円柱状の内部部材の上端部は、処理室の内外円筒半径差d=20mmに対し、曲率半径R=20mmの丸みを持つとした。このとき、R/d=1となる。この装置構成を装置構成3としてトナー用粉体粒子Cを熱処理した。
運転条件は、熱風の温度を、トナー処理量が20kg/hrのときは200℃とし、トナー処理量が30kg/hrのときは230℃とした以外は、運転条件1と同じとした。実施例3と比較すると、10℃高い熱風が必要であった。これは曲率半径が大きくなったことで旋回部材の熱風出口面積が大きくなり、そのため熱風速度が遅くなり熱効率が低下したことが原因と考えられる。
これらの結果から、曲率半径Rと内外円筒半径差dの比がR/d=1のとき、実施例3に比べ熱効率の低下があるものの融着を抑えられることが分かった。
これらの結果を表2にまとめた。
本実施例では、装置構成1を基に円柱状の内部部材の外周面径を90mmとした。また、円柱状の内部部材の上端部は、処理室の内外円筒半径差d=30mmに対し、曲率半径R=3mmの丸みを持つとした。このとき、R/d=0.1となる。この装置構成を装置構成4としてトナー用粉体粒子Cを熱処理した。
運転条件は、熱風の温度を、トナー処理量が20kg/hrのときは200℃とし、トナー処理量が30kg/hrのときは230℃とした以外は、運転条件1と同じとした。実施例3と比較すると、10℃高い熱風が必要であった。これは内外円筒半径差が大きくなり、そのため処理室を通る熱風速度が遅くなり熱効率が低下したことが原因と考えられる。
これらの結果から、R/d=0.1であれば内外円筒半径差dを大きくしても、実施例4と同様、融着を抑えられることが分かった。
これらの結果を表2にまとめた。
本実施例では、装置構成1を基に円柱状の内部部材の外周面径を130mmとした。また、円柱状の内部部材の上端部は、処理室の内外円筒半径差d=10mmに対し、曲率半径R=10mmの丸みを持つとした。このとき、R/d=1となる。この装置構成を装置構成5としてトナー用粉体粒子Cを熱処理した。
運転条件は、熱風の温度を、トナー処理量が20kg/hrのときは200℃とし、トナー処理量が30kg/hrのときは230℃とした以外は、運転条件1と同じとした。実施例3と比較すると、10℃高い熱風が必要であった。これは曲率半径が大きくなったことで旋回部材の熱風出口面積が大きくなり、そのため熱風速度が遅くなり熱効率が低下したことが原因と考えられる。
これらの結果から、R/d=1であれば内外円筒半径差dを小さくしても、実施例5と同様、融着を抑えられることが分かった。
これらの結果を表2にまとめた。
本実施例では、装置構成1を基に円柱状の内部部材の上端部は、処理室の内外円筒半径差d=20mmに対し、曲率半径R=0mmとした。このとき、R/d=0となる。この装置構成を装置構成6としてトナー用粉体粒子Cを熱処理した。
運転条件は、熱風の温度を、トナー処理量が20kg/hrのときは190℃とし、トナー処理量が30kg/hrのときは220℃とした以外は、運転条件1と同じとした。実施例3と比較すると、熱風の温度は同一であった。
これはR/d=0としたことによって、処理室の上部かつ円柱状の内部部材の近傍に巻き上がり流が発生したことによる。
これらの結果を表2にまとめた。
本実施例では、装置構成6を基に旋回部材のブレードの出口角度bを90°とし、垂直出口角度cを80°とした。よってb−c=10°となる。この装置構成を装置構成7としてトナー用粉体粒子Cを熱処理した。
運転条件は、熱風の温度を、トナー処理量が20kg/hrのときは190℃とし、トナー処理量が30kg/hrのときは220℃とした以外は、運転条件1と同じとした。実施例8と比較すると、熱風の温度は同一であった。
これらの結果から、b−c=10°のとき熱処理時の粉体粒子の合一が僅かに増加することが分かった。
これらの結果を表2にまとめた。
本実施例では、装置構成7を基に旋回部材のブレードの出口角度bを90°とし、垂直出口角度cを79°とした。よってb−c=11°となる。この装置構成を装置構成8としてトナー用粉体粒子Cを熱処理した。
運転条件は、熱風の温度を、トナー処理量が20kg/hrのときは190℃とし、トナー処理量が30kg/hrのときは220℃とした以外は、運転条件1と同じとした。実施例9と比較すると、熱風温度は同一であった。
シミュレーションにおいて、b−c>10°となるとブレードから流出する熱風の周方向速度のばらつきが許容値を超えることを確認した。このため、熱処理時の粉体粒子の合一が増加し、粗粉量の差Δsの評価が悪化したと考えられる。
これらの結果を表2にまとめた。
本実施例では、装置構成8を基に旋回部材のブレードの入口角度aを10°とした。この装置構成を装置構成9としてトナー用粉体粒子Cを熱処理した。
運転条件は、熱風の温度を、トナー処理量が20kg/hrのときは210℃とし、トナー処理量が30kg/hrのときは230℃とした以外は、運転条件1と同じとした。実施例10と比較すると、20kg/hr処理時は20℃高い熱風が必要で、30kg/hr処理時は10℃高い熱風が必要であった。これは熱風の流れる方向がブレードの入口付近で変わり、ブレード間を通る熱風がスムーズに流れないため、熱効率が僅かに低下したことが原因と考えられる。
これらの結果から、a=10°のとき熱風温度が高くなるために熱処理時の粉体粒子の合一が僅かに増加することが分かった。
これらの結果を表2にまとめた。
本実施例では、装置構成8を基に旋回部材のブレードの入口角度aを−10°とした。この装置構成を装置構成10としてトナー用粉体粒子Cを熱処理した。
運転条件は、熱風の温度を、トナー処理量が20kg/hrのときは210℃とし、トナー処理量が30kg/hrのときは230℃とした以外は、運転条件1と同じとした。実施例10と比較すると、20kg/hr処理時は20℃高い熱風が必要で、30kg/hr処理時は10℃高い熱風が必要であった。これは熱風の流れる方向がブレードの入口付近で変わり、ブレード間を通る熱風がスムーズに流れないため、熱効率が僅かに低下したことが原因と考えられる。
これらの結果から、a=−10°のとき熱風温度が高くなるために熱処理時の粉体粒子の合一が僅かに増加することが分かった。
これらの結果を表2にまとめた。
以上の本実施例は、装置の円筒状の外壁の内周面径を150mmとしているが、本発明はこの条件に限定されるものではない。内周面径を大きくすることでより多くのトナー用粉体粒子を熱処理することが可能である。
本比較例では、装置構成9を基に旋回部材のブレードの入口角度aを11°とした。この装置構成を装置構成11としてトナー用粉体粒子Cを熱処理した。
運転条件は、熱風の温度を、トナー処理量が20kg/hrのときは220℃とし、トナー処理量が30kg/hrのときは240℃とした以外は、運転条件1と同じとした。実施例11と比較すると、10℃高い熱風が必要であった。これは熱風の流れる方向がブレードの入口付近で変わり、ブレード間を通る熱風がスムーズに流れないため、熱効率が僅かに低下したことが原因と考えられる。
これらの結果から、a>10°となると熱風温度が高くなるために熱処理時の粉体粒子の合一が増加し、粗粉量sの評価が悪化したことが分かった。
これらの結果を表2にまとめた。
本比較例では、装置構成10を基に旋回部材のブレードの入口角度aを−11°とした。この装置構成を装置構成12としてトナー用粉体粒子Cを熱処理した。
運転条件は、熱風の温度を、トナー処理量が20kg/hrのときは220℃とし、トナー処理量が30kg/hrのときは240℃とした以外は、運転条件1と同じとした。実施例12と比較すると、10℃高い熱風が必要であった。これは熱風の流れる方向がブレードの入口付近で変わり、ブレード間を通る熱風がスムーズに流れないため、熱効率が僅かに低下したことが原因と考えられる。
これらの結果から、a<−10°となると熱風温度が高くなるために熱処理時の粉体粒子の合一が増加し、粗粉量sの評価が悪化したことが分かった。
これらの結果を表2にまとめた。
図15に本比較例で使用した装置の構成を示した。かかる装置の構成を装置構成13としてトナー用粉体粒子Cを熱処理し、平均円形度0.965のトナー用熱処理粒子を得た。本装置は排出手段158が一口のストレート排気、粉体供給手段155が一口、熱風供給手段154から熱風がストレートに供給される構成となっている。またこの時の排出手段158の排気口の総断面積と粉体供給手段155の出口(供給口)の総断面積との関係は、排気口の総断面積>供給口の総断面積となっている。粉体供給手段155から供給されたトナー用紛体粒子は分散板151に衝突し、左右に分散される。
これらの結果を表2にまとめた。
図16に本比較例で使用した装置の構成を示した。(a)は熱風供給手段164および粉体供給手段165を上から見た図である。(b)は装置全体の概略構成を示す断面図である。かかる装置の構成を装置構成14としてトナー用粉体粒子Cを熱処理し、平均円形度0.965のトナー用熱処理粒子を得た。本装置は排出手段168が一口のストレート排気、粉体供給手段165が一口で、粉体供給手段165から供給されるトナー用粉体粒子と熱風供給手段164から供給される熱風とが逆方向に旋回して装置内に供給される構成となっている。また冷風供給手段はスリット161を設けることによって装置の壁面からストレートに導入される第一冷風供給手段166と、排出手段168を冷却するために接線方向から導入される第二冷風供給手段167が設けられている。
熱風温度 トナー処理量が20kg/hrのとき 300℃、
トナー処理量が30kg/hrのとき 400℃。
第一冷風供給手段から供給される冷風の流量 0.2m3/分、
第二冷風供給手段から供給される冷風の流量 0.15m3/分。
実施例3と比較して熱風温度は上昇した。
これらの結果を表2にまとめた。
図17に本比較例で使用した装置の構成を示した。(a)は熱風供給手段174および粉体供給手段175を上から見た図である。(b)は装置全体の概略構成を示す断面図である。かかる装置の構成を装置構成15としてトナー用粉体粒子Cを熱処理し、平均円形度0.965のトナー用熱処理粒子を得た。本比較例の装置構成は比較例4で示した装置構成14の熱風供給手段と粉体供給手段を改造し、トナー用粉体粒子171と熱風が同方向に旋回して装置内に供給される構成となっている。また熱風供給手段174と粉体供給手段175の関係は、図17の様に粉体供給手段175の外側から熱風が供給される構成となっている。また、図16に示した装置と同様に、図17に示した装置もスリット161を備える。
熱風温度 トナー処理量が20kg/hrのとき 350℃。
第一冷風供給手段から供給される冷風の流量 0.2m3/分、
第二冷風供給手段から供給される冷風の流量 0.15m3/分。
実施例3と比較して20kg/hr処理時の熱風温度は上昇した。
これらの結果を表2にまとめた。
本参考例で用いる装置構成は、装置構成1を基にブレードの形状において入口角度aが−10°≦a≦10°の範囲から大きく外れ、71°とした構成となっている。更に、円柱状内部部材の上端部は、処理室の内外円筒半径差d=20mmに対し、曲率半径R=0mmとした。このとき、R/d=0となる。一方、旋回部材のブレードの出口角度bを71°とし、垂直出口角度cを69°とした。よってb−c=2°となっている。この装置構成を装置構成16としてトナー用粉体粒子Aを熱処理し、平均円形度0.965のトナー用熱処理粒子を得た。
運転条件は、熱風の温度を、トナー処理量が20kg/hrのときは200℃とし、トナー処理量が30kg/hrのときは220℃とした以外は、運転条件1と同じとした。実施例1と比較すると、20kg/hr処理時は30℃高い熱風が必要であった。また30kg/hr処理時は20℃高い熱風が必要であった。
これらの結果から、a>10°のため熱風温度が高くなり熱処理時の粉体粒子の合一が増加し、粗粉量s及び粗粉量の差Δsの評価が悪化したと考えられる。またR/d=0としたことによって、処理室の上部かつ円柱状内部部材の近傍に巻き上がり流が発生し、融着の評価が悪化したと考えられる。
これらの結果を表2にまとめた。
本参考例では装置構成16を用いてトナー用粉体粒子Cを熱処理し、平均円形度0.965のトナー用熱処理粒子を得た。
運転条件は、熱風の温度を、トナー処理量が20kg/hrのときは230℃とし、トナー処理量が30kg/hrのときは250℃とした以外は、運転条件1と同じとした。実施例3と比較すると、20kg/hr処理時は40℃高い熱風が必要であった。また30kg/hr処理時は30℃高い熱風が必要であった。
これらの結果から参考例1と同様の理由により、粗粉量s、粗粉量の差Δs、融着の評価が悪化したと考えられる。
これらの結果を表2にまとめた。
2:内部部材
3:処理室
4、154、164、174:熱風供給手段
5、155、165、175:粉体粒子供給手段
6、166:第一冷風供給手段
7、167:第二冷風供給手段
8、158、168:排出手段
9:熱風旋回部材
10:円柱状内部部材の中心軸
11:熱風旋回部材のブレード
12:中心軸から近い方のブレードの端部と中心軸とを結ぶ直線
13:中心軸から近い方のブレードの端部に接する直線
14:中心軸から遠い方のブレードの端部と中心軸とを結ぶ直線
15:中心軸から遠い方のブレードの端部に接する直線
16:中心軸から遠い方のブレードの端部と中心軸とを結ぶ直線
17:第1のブレードと旋回方向側に隣り合う第2のブレードの法線のうち、第1のブレードの中心軸10から遠い方の端部を通る直線
18:第1のブレードの中心軸10から遠い方の端部を通り、かつ直線17に対して直交する直線
19:略円錐状の熱風分配部材
151:分散板
152:メッシュ
161:スリット
171:トナー用粉体粒子
Claims (5)
- ワックスを含有する粉体粒子の熱処理装置であって、該熱処理装置は、
(1)円筒状の外壁の内周面と、該外壁の内部に該外壁の中心軸と同軸上に配置された円柱状の内部部材の外周面とで形成され、該粉体粒子の熱処理が行われる同軸二重円筒状の処理室と、
(2)該処理室に該粉体粒子を供給するための粉体粒子供給手段と、
(3)供給された該粉体粒子を熱処理するための熱風を供給する熱風供給手段と、
(4)供給された該粉体粒子を冷却するための冷風を該処理室内に供給する冷風供給手段と、
(5)熱処理された該粉体粒子を該処理室の外に排出する排出手段と、
(6)該熱風を該処理室において螺旋状に旋回させるための旋回部材とを具備し、
該旋回部材は、
該内部部材の天面上に、該内部部材の中心軸から等距離に、該中心軸の周囲に配列された同形状の複数のブレードを有し、
該ブレードを含みかつ該中心軸と直交する断面において、該中心軸から近い方の該ブレードの端部と該中心軸とを結ぶ直線と、該端部に接する直線とのなす角度で規定されるブレードの入口角度aが、下記式(1)を満たすことを特徴とする粉体粒子の熱処理装置。
−10°≦a≦10° 式(1) - 前記ブレードを含みかつ前記中心軸と直交する断面において、
該中心軸から遠い方のブレードの端部と該中心軸を結ぶ直線を第1−1の直線とし、
該端部に接する直線を第1−2の直線とした場合に、
第1−1の直線と第1−2の直線とのなす角度で規定されるブレードの出口角度をbとし、
第1のブレードの該中心軸から遠い方の端部と該中心軸とを結ぶ直線を第2−1の直線とし、
第1のブレードと旋回方向側に隣り合う第2のブレードの法線のうち、第1のブレードの該中心軸から遠い方の該端部を通る直線を第2−2の直線とし、
第1のブレードの中心軸10から遠い方の端部を通り、かつ第2−2の直線に対して直交する直線を第2−3の直線とした場合に、
第2−1の直線と第2−3の直線とのなす角度で規定されるブレードの垂直出口角度をcとするとき、下記式(2)を満たす請求項1に記載の熱処理装置。
0°≦b−c≦10° 式(2) - 前記内部部材の上端部の曲率半径をRとし、
前記外壁の内周面の半径(内周面径)と前記内部部材の外周面の半径(外周面径)との差(内外円筒半径差)をdとした場合に、下記式(3)を満たす請求項1又は2に記載の熱処理装置。
R≧0.1×d 式(3) - 前記粉体粒子が結着樹脂、及び着色剤をさらに含有する請求項1乃至3の何れか一項に記載の熱処理装置。
- 結着樹脂及び着色剤を含有する粉体粒子を熱処理装置を用いて熱処理する熱処理工程を経てトナーを得るトナーの製造方法であって、
該熱処理装置が、請求項1乃至4の何れか一項に記載の粉体粒子の熱処理装置であることを特徴とするトナーの製造方法。
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