JP6533432B2 - 粉体粒子の熱処理装置及び粉体粒子の製造方法 - Google Patents

粉体粒子の熱処理装置及び粉体粒子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法、またはトナージェット方式記録法の如き画像形成方法に用いられるトナーの熱処理装置及びトナーの製造方法に関する。
電子写真の画像形成方法においては、静電荷像を現像するためのトナーが使用される。トナーの製造法としては粉砕法及び重合法に大別され、簡便な製法としては粉砕法が挙げられる。
その一般的な製法として、まず転写材に定着させるための結着樹脂、トナーとしての色味を出させる着色剤、定着部材とトナーとの剥離性を向上させるワックス等の原料を混合する。次にこれらの混合物を溶融混練、冷却固化し、混練物を得る。更に得られた混練物を粉砕手段により微細化し必要に応じて所望の粒度分布に分級した後、流動化剤等を添加することで画像形成に供するトナーとしている。
近年、複写機やプリンターの高画質化及び高精細化に伴ってトナーに要求される性能も一段と厳しくなり、トナーの粒子径は小さくかつ直径10μm以上の粗大粒子が含有されないシャープな粒度分布のものが要求されるようになってきている。
また高画質化として要求されることの一つとして、画像面内のグロス均一性がある。画像の面内グロスの均一性は定着部材とトナーとの剥離性に相関があることから、トナーにはグロス均一性向上のためにワックスが添加されている。
更に、複写機やプリンター用の転写材として通常の紙以外にも様々なマテリアルに対応することが必要となってきており、トナーの転写性の向上も要求される。このためワックスを含有するトナー用粉体粒子を球形化することが必要とされるようになってきている。
このような要求に対し、熱処理によりトナー用粉体粒子を溶融し球形化する製法が挙げられる。しかしワックスを含有するトナー用粉体粒子を熱処理すると粉体粒子内部のワックスが溶融し、トナー用粉体粒子の表面に染み出すことによって付着力が増加する。そのため熱処理装置内に融着が発生する場合や、溶融したトナーが互いに合一することで粗大粒子が増加する場合もある。このためトナーを安定的に製造することが困難なことがあった。
従来の熱処理によりトナー用粉体を溶融し球形化する技術としては、原料である粉体粒子を分散させるための旋回機構と、分散された粉体原料をその内側から加熱する加熱機構を持つ熱処理装置が提案されている(特許文献1参照)。
しかしこの装置構成でトナー用粉体粒子を熱処理する場合、原料の分散気流と加熱気流がお互いに逆の旋回方向となる。このため粉体粒子の処理量を増加させると、粉体粒子が互いに衝突し合一し粗大粒子になる場合や、装置内で生じる気流の乱れによって装置の天面や壁面に粉体粒子が付着し融着物が生じる場合があった。
これに対し熱処理装置の熱処理室の側壁上部からの冷却風をスリット状に吹き込むことにより粉体粒子の付着及び乱流を抑え、生産性を向上させるという提案がなされている(特許文献2参照)。
しかしこの装置構成でトナー用粉体粒子を熱処理する場合、原料の分散気流と加熱気流は旋回流であるのに対し導入される冷却風は垂直となる。このためやはり装置内で乱気流が発生してしまい、ワックスを含有するトナー用粉体粒子の処理量を増加させて熱処理を行うと、粉体粒子が互いに衝突し合一し粗大粒子になる場合や、粉体粒子が装置内に融着する場合があった。更にこの装置構成では原料の分散気流によって加熱気流が冷却されてしまうため粉体粒子の球形化に必要以上の熱量をかけなくてはならず、熱効率が悪いと言う問題があった。
これに対し、熱風を旋回して供給するための旋回部材を装置内に具備した熱処理装置が提案されている(特許文献3参照)。処理室は、円筒状の外壁と外壁内部の体積を規制するよう配置された円柱状内部部材から形成される二重円筒状となっており、旋回部材は処理室の上部に配置されている。旋回部材は複数のブレードを有しており、熱風の旋回を制御し、効率よく旋回流を生み出すため熱効率は上昇する。
しかしこの装置構成でトナー用粉体粒子を熱処理する場合、特許文献3のブレードの形状は、熱風の流れる方向をブレードの入口付近で急激に変えるものとなっている。よってブレード間を通る熱風がスムーズに流れず、熱風の一部はトナーの熱処理に使用されず無駄になるため熱効率にいまだ課題があった。また、処理室上部の円柱状内部部材近傍では流れの淀みが生じており、旋回部材方向へ向かう巻き上がり流が発生する。その巻き上がり流は高温であり、溶融状態の粉体粒子同士が合一し粗大粒子の割合が増加する問題があった。同時に溶融状態の粉体粒子が円柱状内部部材の上部の壁面に融着しやすいという問題があった。
このように熱処理によってワックスを含有するトナーを球形化するトナーの熱処理装置及び製造方法において、これまでの方法では粗大粒子と装置内融着の抑制かつ熱効率の良化に関して改良の余地があった。
特開昭62−133466 特開昭59−125742 特開2013−20245
本発明の目的は、熱処理によってワックスを含有するトナー用粉体粒子を球形化する際に、原料の処理量を増加させても粗大粒子と装置内融着を低減し、かつ投入熱量を抑制するトナーの熱処理装置及びトナーの製造方法を提供することにある。
本発明では上述した従来技術の課題を解決すべく鋭意検討の結果、ワックスの粉体粒子表面への染み出しと、熱処理装置の熱風、冷風の供給方法に関連があることを知見してトナーの製造方法を発明するに至った。
すなわち本発明は、ワックスを含有する粉体粒子の熱処理装置であって、該熱処理装置は、
(1)円筒状の外壁の内周面と、該外壁の内部に該外壁の中心軸と同軸上に配置された円柱状の内部部材の外周面とで形成され、該粉体粒子の熱処理が行われる同軸二重円筒状の処理室と、
(2)該処理室に該粉体粒子を供給するための粉体粒子供給手段と、
(3)供給された該粉体粒子を熱処理するための熱風を供給する熱風供給手段と、
(4)供給された該粉体粒子を冷却するための冷風を該処理室内に供給する冷風供給手段と、
(5)熱処理された該粉体粒子を該処理室の外に排出する排出手段と、
(6)該熱風を該処理室において螺旋状に旋回させるための旋回部材とを具備し、
該旋回部材は、
該内部部材の天面上に、該内部部材の中心軸から等距離に、該中心軸の周囲に配列された同形状の複数のブレードを有し、
該ブレードを含みかつ該中心軸と直交する断面において、該中心軸から近い方の該ブレードの端部と該中心軸とを結ぶ直線と、該端部に接する直線とのなす角度で規定されるブレードの入口角度aが、下記式(1)を満たすことを特徴とする粉体粒子の熱処理装置である。
−10°≦a≦10° 式(1)
本発明のトナーの製造方法によれば、熱処理によってワックスを含有するトナー用粉体粒子を球形化する際に、ワックスの粉体粒子表面への染み出しと合一粒子の発生及び装置内融着を抑制し、小粒径でシャープなトナーを大量に製造することができる。
本発明による熱処理装置の一例を示した概略的斜視図である。 図1における、A−A´面での概略的断面図である。 本発明の熱処理装置に用いられるブレードの入口角度を説明する概略的断面図である。 ブレードの入口角度aが71°のときの流れの向きを示す断面図 ブレードの入口角度aが0°のときの流れの向きを示す断面図 本発明の熱処理装置に用いられるブレードの出口角度と垂直出口角度を説明する概略的断面図である。 ブレードの出口角度bが90°、垂直出口角度cが65°のときの流れの向きを示す断面図 ブレードの出口角度bが80°、垂直出口角度cが77°のときの流れの向きを示す断面図 本発明の熱処理装置に用いられる粉体粒子供給手段の位置を示す概略的断面図である。 本発明の熱処理装置に用いられる第一冷風供給手段の位置を示す概略的断面図である。 本発明の熱処理装置に用いられる第二冷風供給手段及び排出手段の位置を示す概略的断面図である。 本発明の熱処理装置に用いられる処理室上部の概略的断面図である。 二重円筒部材上端部の曲率半径Rが0mmのときの流れの向きを示す断面図 二重円筒部材上端部の曲率半径Rが7mmのときの流れの向きを示す断面図 本発明の比較例3に用いられる熱処理装置の概略的断面図である。 本発明の比較例4に用いられる熱処理装置の概略的断面図である。 本発明の比較例5に用いられる熱処理装置の概略的断面図である。
以下、好ましい実施の形態を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
まず、本発明に用いる熱処理装置の概略を、図1〜図14を用いて説明する。
図1は、本発明による熱処理装置の一例を示した概略的斜視図である。
図2は、図1における、A−A´面での概略的断面図である。
図1、図2に示したように、本発明の熱処理装置は、円筒状の外壁1と、外壁1の内部の体積を規制するよう外壁1の中心軸と同軸上に配置された円柱状の内部部材2とで形成される、粉体粒子の熱処理が行われる同軸二重円筒状の処理室3を持つ。本発明の熱処理装置は、更に処理室に熱風を供給する熱風供給手段4と、粉体粒子を供給する粉体粒子供給手段5と、冷風を供給する第一冷風供給手段6及び第二冷風供給手段7と、処理室から粉体を排出する排出手段8を持つ。
外壁1は、処理量が30kg/hr程度のときは内周面径T(mm)が100mm≦T≦300mmであることが好ましく、100mm≦T≦200mmであることがより好ましい。外壁1の内周面径が上記の範囲内であれば粉体粒子を効率良く熱処理することができる。外壁1の内周面径Tが100mm以上であれば処理室3内での粉体粒子濃度が大きくなり過ぎず、処理量を増加させることができる。また内周面径Tが300mm以下であれば処理室の体積に対する壁面からの冷却が強くなり過ぎず、熱効率が低下することもない。
処理量が250kg/hr程度のときは内周面径T(mm)が350mm≦T≦900mmであることが好ましく、350mm≦T≦550mmであることがより好ましい。外壁1の内周面径が上記の範囲内であれば粉体粒子を効率良く熱処理することができる。外壁1の内周面径Tが350mm以上であれば処理室3内での粉体粒子濃度が大きくなり過ぎず、処理量を増加させることができる。また外壁1の内周面径Tが550mm以下であれば処理室の体積に対する壁面からの冷却が強くなり過ぎず、熱効率が低下することもない。更に外壁1の内周面径Tが900mm以下であればブロワーやヒーター、冷風発生装置などの熱処理装置の付帯設備を大型化する必要がなく、トナーの製造エネルギー上好ましい。
処理室3は、外壁1及び内部部材2によって構成される。外壁1及び内部部材2は、粉体粒子の融着を防止するため冷却ジャケットによって冷却されていることが好ましい。冷却ジャケットには冷却水(好ましくはエチレングリコール等の不凍液)を導入し、処理室内面の表面温度が40℃以下であることが好ましい。処理室内面の表面温度が40℃以下であることにより、ワックスを含有するトナー用粉体粒子を熱処理した際に熱処理装置内の融着を軽減することができる。
熱風供給手段4は、処理室3の上流に設けられ、粉体粒子を熱処理するための熱風を供給する。近年要求されるトナーの転写性の向上に対応するためには熱処理された粉体粒子の平均円形度は0.960以上であることが好ましく、0.965以上であることがより好ましい。このため処理室内に供給される熱風は、熱風供給手段4の出口部での温度N(℃)が100℃≦N≦300℃であることが好ましい。Nが100℃以上であれば粉体粒子の球形化が十分にでき、また300℃以下であれば粉体粒子が高温になり過ぎて粒子同士の合一や装置内で融着を引き起こすこともない。
また本発明の熱処理装置は、熱風を螺旋状に旋回させるための旋回部材9を具備している。
図3は、旋回部材9を説明する概略的断面図である。
旋回部材9は、図3に示すように、内部部材2の天面上に、内部部材の中心軸10から等距離に、該中心軸の周囲に配列された同形状の複数のブレード11から成る。
ブレードを含む中心軸10と直交する断面において、
中心軸10から近い方のブレードの端部と中心軸10とを結ぶ直線を直線12とし、
該端部に接する直線を直線13とした場合に、
直線12と直線13とのなす角度で規定されるブレードの入口角度aが、下記式(1)を満たすことを特徴とする。
−10°≦a≦10° 式(1)
外壁1の内周面径は150mm、内部部材2の外周面径は110mmとして、熱処理装置の気流シミュレーションを実施した結果を図4、図5に示す。
図4、図5は、旋回部材9の高さ中央における処理室の中心軸と直交する断面における、熱風の流れの向きを矢印の向きで示し、熱風の速度の大きさを矢印の色の濃淡(レンジ)で示している。
図4は、ブレードの入口角度aが71°のときの流れの向きを示す断面図である。
図5は、ブレードの入口角度aが0°のときの流れの向きを示す断面図である。
熱風流量はともに3.0m/分である。図4から分かるように、入口角度aが大きいとき、ブレード11の入口付近で熱風の流れる方向が急激に変わるため、ブレード間を通る熱風がスムーズに流れず、ブレード内で渦が生じている。これは熱効率の低下につながる。一方、図5から分かるように、ブレードの入口角度aが0°のとき、ブレードの入口付近で熱風はスムーズに流れる。よってブレード間を通る熱風を無駄なくトナーの熱処理に使用できる。
また実機で確認したところ、−10°≦a≦10°の範囲であれば熱風温度を大きく上昇させることなくトナーを熱処理できることが分かった。つまりこの範囲内であればトナーの熱処理時に目立った熱効率の低下は見られないことが分かった。
入口角度aがこの範囲外になると、熱効率低下を補うため熱風温度を上昇する必要があり、熱風温度の上昇による粉体粒子の合一が発生しやすい。
図6は、本発明の熱処理装置に用いられるブレードの出口角度と垂直出口角度を説明する概略的断面図である。
図6に示すように、ブレード11を含みかつ中心軸10と直交する断面において、
中心軸10から遠い方のブレードの端部と中心軸10とを結ぶ直線を直線14とし、
該端部に接する直線を接線15とした場合に、
直線14と接線15とのなす角度で規定されるブレードの出口角度をbとする。
また、第1のブレードの中心軸10から遠い方の端部と中心軸10とを結ぶ直線を直線16とし、
第1のブレードと旋回方向側に隣り合う第2のブレードの法線のうち、第1のブレードの中心軸10から遠い方の端部を通る直線を直線17とし、
第1のブレードの中心軸10から遠い方の端部を通り、かつ直線17に対して直交する直線を直線18とした場合に、
直線16と直線18とのなす角度で規定されるブレードの垂直出口角度をcとする。
このとき、本発明による旋回部材9においては、下記式(2)を満たすことが好ましい。
0°≦b−c≦10° 式(2)
外壁1の内周面径は150mm、内部部材2の外周面径は110mmとして、熱処理装置の気流シミュレーションを実施した結果を図7、図8に示す。
図7、図8は、旋回部材9の高さ中央における処理室の中心軸と直交する断面における、熱風の流れの向きを矢印の向きで示し、熱風の速度の大きさを矢印の色の濃淡(レンジ)で示している。
図7は、出口角度bが90°、垂直出口角度cが65°のときの結果であり、b−c=25°である。
図8は、出口角度bが80°、垂直出口角度cが77°のときの結果であり、b−c=3°である。熱風流量はともに3.0m/分である。
シミュレーション結果を用いて、ブレード11間の熱風出口の一つを3等分したときの周方向速度の平均値を算出した。算出した位置を図7にa1、a2、a3、図8にb1、b2、b3として示している。それぞれの算出値は、a1=37.0m/秒、a2=34.1m/秒、a3=25.6m/秒、b1=45.8m/秒、b2=43.2m/秒、b3=37.4m/秒となった。
ここで、熱風出口での周方向速度のばらつきを、この算出値を用いて、(ブレード間の両端部の周方向速度差/ブレード外側の周方向速度)によって算出する。図7は、(a1−a3)/a1=(37.0−25.6)/(37.0)=0.31となる。一方、図8は、(b1−b3)/b1=(45.8−37.4)/(45.8)=0.18となる。これより、図8のブレード形状の方が、図7のブレード形状よりも熱風出口での周方向速度のばらつきが小さいことが分かる。
つまり、ブレード11の出口角度bと垂直出口角度cの差が小さいとき、ブレードから流出する熱風の周方向速度のばらつきが小さくなることが分かった。また、更なる検討の結果、b−c=0°のときばらつきが最も小さくなることが分かった。
ブレードから流出する熱風の周方向速度のばらつきが小さくなると、粉体粒子に偏りなく十分な遠心力を与えることができ、粉体粒子の合一を抑制することができる。また実機検討との比較により、粉体粒子の合一を許容値以内に抑えるためには、周方向速度のばらつきを0.20以下にすればよいことが分かった。その時、ばらつきが0.20となるのはb−c=10°のときであることから、0°≦b−c≦10°ならば、粉体粒子に十分な遠心力を与えることができ、粉体粒子の合一を許容値以内に抑制できる。
熱風供給手段4は、略円錐状の分配部材19をさらに持つことが好ましい。熱風供給手段が略円錐状の分配部材を持つことにより処理室3に供給された熱風の偏りを無くすことができ、粉体粒子を熱処理する際に過剰な温度をかける必要が無くなる。
粉体粒子供給手段5は、熱風供給手段4の下流に外壁1の内周面に供給されるように設けられ、粉体粒子は高圧エア供給ノズル(図示せず)からの搬送気体によって搬送され処理室3に供給される。
図9は、本発明の熱処理装置に用いられる粉体粒子供給手段の位置を示す概略的断面図である。
粉体粒子供給手段5は、図9に示すように搬送気体が外壁の内周面の接線に沿いかつ装置内の熱風螺旋流の方向と一致して供給されるように配置される。これにより粉体粒子を含む搬送気流が処理室3に入った瞬間の乱気流が防止できるため、粗大粒子の発生を抑制することができる。
粉体粒子供給手段5は、円筒状の処理室3の中心軸と直交する同一断面上に存在するように処理室の外周部に複数設けられている。粉体粒子供給手段の分割数が多いほど、一口当たりの粉体粒子濃度を低下することができる。そのため分割数に応じて熱処理に必要な熱風温度を低下させることが可能となる。また同様の理由で粉体粒子の処理量が増加した場合、合一粒子の発生を防止することが可能となる。
なお、本発明の熱処理装置の粉体供給手段の分割数は例えば外壁1の内周面径が150mmの場合は、4分割から8分割の間が好ましく、より好ましくは4分割導入である。粉体供給手段が4分割の場合、熱風温度の低減と合一粒子の発生の抑制に対し最大の効果がある。4分割以上であれば上述の粉体粒子供給手段一口当たりの粉体濃度の低減効果および処理量の増加が期待できる。また8分割以下であれば粉体粒子供給手段の出口同士が近すぎず、分割導入された粉体粒子が処理室内で再度合流したりしない。
第一冷風供給手段6及び第二冷風供給手段7は、粉体粒子供給手段5の下流に設置され、粉体粒子を冷却するための冷風を供給する。
図10は、第一冷風供給手段の位置を示す概略的断面図である。
第一冷風供給手段6は、図10に示すように供給された冷風が外壁1の内周面に沿って供給されるように、かつ装置内螺旋流の方向と一致するように、かつ円筒状の外壁の中心軸と直交する同一断面上に存在するように複数設けられている。これにより装置内に冷風が導入された瞬間の乱気流を防止でき、合一粒子の発生を抑制することができる。
なお、粉体粒子供給手段5より下側かつ第一冷風供給手段6より上側の、粉体粒子供給手段5と第一冷風供給手段6に囲まれた領域は粉体粒子の熱処理ゾーンとなる。このため第一冷風供給手段6は粉体粒子の熱変形が十分に完了した位置に配置すればよい。
第一冷風供給手段6は、分割数が多いほど熱処理された粉体粒子を冷却する効率が高まる。これによって粉体粒子の冷却ムラが抑制され、円形度のそろった粉体粒子を製造することが可能となる。なお、図10に示す例では、第一冷風供給手段6の分割数は、粉体粒子供給手段5と同じである4分割とした。
図11は、第二冷風供給手段及び排出手段の位置を示す概略的断面図である。
第二冷風供給手段7は、図11に示すように3分割し、供給された冷風が外壁1の内周面に沿って供給されるようかつ装置内旋回流を維持するように外壁の内周面の下端部に配置する。これによって底面に滞留融着する粉体粒子を抑制することができる。
排出手段8は、図11に示すように外壁の内周面の下端部に配置され、熱処理された粉体粒子を処理室外に排出する。また、図1、2に示すように、排出手段8は旋回する粉体粒子の旋回方向を維持するように設けている。
これによって粉体粒子にかかる遠心力を利用して、粉体粒子の乱れを防止しつつ速やかに装置外へ排出することが可能となり、外壁1及び内部部材2への付着、融着が軽減される。なお排出手段8の先にはブロワー(不図示)が設けられ、ブロワーにより吸引搬送される構成となる。
熱処理装置内に供給される圧縮エア、熱風及び冷風の流量の総量QINとブロワーにより吸引される風量QOUTの関係は、QIN≦QOUTの関係となるように調整されるのが好ましい。QIN≦QOUTであれば装置内の圧力が負圧となるため、処理室内のトナー粒子が装置外に排出されやすくなり粉体粒子が過剰に熱を受けることを防止できる。その結果、合一粒子の増加や装置内の融着を低減することができるため長期のトナー製造が可能となる。
内部部材2は、外壁1と該外壁内部の体積を規制するよう外壁中心軸と同軸上に配置される。
これによって処理室3は同軸二重円筒状となり、トナー流速が速くなり、粉体粒子の排出性を向上させることができるとともに、排出手段8近傍における付着や融着、粉体粒子の合一を防止することができる。
図12は、本発明の熱処理装置に用いられる処理室上部の概略的断面図である。
図12に示すように、内部部材2の上端部の曲率半径をRとし、外壁1の内周面の半径(内周面径)と内部部材2の外周面の半径(外周面径)との差(内外円筒半径差)をdとした場合に、式(3)を満たすことが好ましい。
R≧0.1×d 式(3)
外壁1の内周面径を150mmとし、内部部材2の外周面径を110mmとして、熱処理装置の気流シミュレーションを実施した結果を図13、図14に示す。
図13は、前記曲率半径Rが0mmのときの流れの向きを示す断面図である。
図14は、前記曲率半径Rが7mmのときの流れの向きを示す断面図である。
図13、図14は、処理室3の中心軸を含み、中心軸と平行な断面における熱風の流れの向きを矢印の向きで示し、熱風の速度の大きさを矢印の色の濃淡(レンジ)で示している。
図13は、内外円筒半径差d=20mmに対し曲率半径R=0mmのとき、つまりR/d=0のときの結果である。図14は、内外円筒半径差d=20mmに対し曲率半径R=7mmのとき、つまりR/d=0.35のときの結果である。熱風流量はともに3.0m/分である。
図13から分かるように、曲率半径Rが0mmのとき、旋回部材9から処理室3へと流れる熱風は急激に曲がる流れとなり、処理室の上部かつ内部部材2の近傍に旋回部材の方向へ向かう巻き上がり流が発生する。
一方、図14から分かるように、円柱状内部部材の上端部に曲率を持たせることで、熱風は円柱状内部部材の上端部の丸みに沿って流れることになり、処理室の上部かつ円柱状内部部材の近傍に発生する巻き上がり流が抑制される。
巻き上がり流が抑制されると円柱状内部部材上部の壁面への融着を低減することができる。ちなみに図13、図14の左上にも巻き上がり流が発生しているが、この部分にはトナーは入り込まないため融着は生じない。
実機で曲率半径を変更し検討を重ねた結果、曲率半径R≧0.1×dとなるとき、円柱状内部部材上部の壁面への融着をほとんど見られない状態に低減できることが分かった。また、曲率半径R≧0.5×dとなるとき、融着を全く見られない状態に低減できることが分かった。
ただし、曲率半径を大きくすると旋回部材9の熱風出口が上下に伸び、熱風出口の面積が大きくなり、そのため熱風速度が遅くなり熱効率が低下する可能性がある。
よって曲率半径Rは融着の低減と熱効率の両立を考え、以下の範囲で制御することが好ましい。
(0.1×d)≦R<(1.0×d)
次に、本発明のトナー粒子製造装置を用いて、トナーを製造する手順について説明する。
[トナー製造手順]
<原料混合工程>
まず、原料混合工程では、トナー原料として、少なくとも樹脂、着色剤を所定量秤量して配合し、混合する。混合装置の一例としては、ヘンシェルミキサー(日本コークス工業(株)製);スーパーミキサー((株)カワタ製);リボコーン((株)大川原製作所製);ナウターミキサー、タービュライザー、サイクロミックス(ホソカワミクロン(株)製);スパイラルピンミキサー(太平洋機工(株)製);レーディゲミキサー((株)マツボー製)等がある。
<溶融混練工程>
更に、混合したトナー原料を溶融混練工程にて、溶融混練して、樹脂類を溶融し、その中の着色剤等を分散させる。混練装置の一例としては、TEM型押し出し機(東芝機械(株)製);TEX二軸混練機((株)日本製鋼所製);PCM混練機((株)池貝製);ニーデックス(日本コークス工業(株)製)等が挙げられる。連続生産できる等の優位性から、バッチ式練り機よりも、1軸または2軸押出機といった連続式の練り機が好ましい。
<冷却工程>
更に、トナー原料を溶融混練することによって得られる着色樹脂組成物は、溶融混練後、2本ロール等で圧延され、水冷等で冷却する冷却工程を経て冷却される。
<粉砕工程>
上記で得られた着色樹脂組成物の冷却物は、次いで、粉砕工程で所望の粒径にまで粉砕される。粉砕工程では、まず、クラッシャー、ハンマーミル、フェザーミル等で粗粉砕され、更に、クリプトロンシステム(川崎重工業(株)製)、スーパーローター(日清エンジニアリング(株)製)等で微粉砕され、トナー微粒子を得る。
<分級工程>
得られたトナー微粒子は、分級工程にて、所望の粒径を有するトナー用粉体粒子に分級される。分級機としては、ターボプレックス、ファカルティ 、TSPセパレータ、TTSPセパレータ(ホソカワミクロン(株)製);エルボージェット(日鉄鉱業(株)製)等がある。
<熱処理工程>
続いて、得られたトナー用粉体粒子を熱処理工程で本発明の熱処理装置を用いて球形化処理を行う。
本発明のトナーの製造方法においては、熱処理工程の前に、得られたトナー用粉体粒子に必要に応じて無機微粒子等を添加しても構わない。トナー用粉体粒子に無機微粒子等を添加する方法としては、トナー用粉体粒子と公知の各種外添剤を所定量配合し、粉体にせん断力を与える高速撹拌機を外添機として用いて、撹拌・混合する。
粉体にせん断力を与える高速撹拌機としては以下の高速撹拌機が挙げられる。
ヘンシェルミキサー、メカノハイブリッド(日本コークス工業(株)製)
スーパーミキサー、ノビルタ(ホソカワミクロン(株)製)等
本発明のトナーの製造方法では、熱処理工程の前に、トナー用粉体粒子に無機微粉体が添加されていることで、トナー用粉体粒子に流動性が付与され、処理室に導入されたトナー用粉体粒子がより均一に分散して熱風と接触することが可能となる。その結果、均一性に優れたトナーを得ることができる。
本発明のトナーの製造方法では、熱処理後に粗大な粒子が存在する場合、必要に応じて、分級によって粗大粒子を除去する工程を有していても構わない。粗大粒子を除去する分級機としては、ターボプレックス、TSPセパレータ、TTSPセパレータ(ホソカワミクロン(株)製);エルボージェット(日鉄鉱業(株)製)等が挙げられる。
更に、熱処理後、必要に応じて、粗粒等を篩い分けるために、例えば、ウルトラソニック(晃栄産業(株)製);レゾナシーブ、ジャイロシフター((株)徳寿工作所);ターボスクリーナー(フロイント・ターボ(株)製);ハイボルター(東洋ハイテック(株)製)等の篩分機を用いても良い。
なお、本発明の熱処理工程は上記微粉砕後であっても良いし、分級後でもよい。
[トナー構成材料]
次に本発明のトナーの製造方法に用いるトナー構成材料について説明する。
本発明で用いられる結着樹脂としては、公知の樹脂が用いられるが、例えば、ポリスチレン、ポリビニルトルエンの如きスチレン誘導体の単重合体;スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−アクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−メタクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体の如きスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルブチラール、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリアクリル樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族石油樹脂が挙げられ、これらの樹脂は単独もしくは混合して用いても良い。
これらの中で、本発明の結着樹脂として好ましく用いられる重合体としては、スチレン系共重合体とポリエステルユニットを有する樹脂である。
スチレン系共重合体に用いる重合性モノマーとしては、次のようなものが挙げられる。例えば、スチレン;o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、m−ニトロスチレン、o−ニトロスチレン、p−ニトロスチレンの如きスチレン及びその誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンの如き不飽和モノオレフィン類;ブタジエン、イソプレンの如き不飽和ポリエン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニルの如きハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルの如きビニルエステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルの如きα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニルの如きアクリル酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトンの如きビニルケトン類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンの如きN−ビニル化合物;ビニルナフタリン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドの如きアクリル酸もしくはメタクリル酸誘導体。
更に、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、アルケニルコハク酸、フマル酸、メサコン酸の如き不飽和二塩基酸;マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、アルケニルコハク酸無水物の如き不飽和二塩基酸無水物;マレイン酸メチルハーフエステル、マレイン酸エチルハーフエステル、マレイン酸ブチルハーフエステル、シトラコン酸メチルハーフエステル、シトラコン酸エチルハーフエステル、シトラコン酸ブチルハーフエステル、イタコン酸メチルハーフエステル、アルケニルコハク酸メチルハーフエステル、フマル酸メチルハーフエステル、メサコン酸メチルハーフエステルの如き不飽和二塩基酸のハーフエステル;ジメチルマレイン酸、ジメチルフマル酸の如き不飽和二塩基酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ケイヒ酸の如きα,β−不飽和酸;クロトン酸無水物、ケイヒ酸無水物の如きα,β−不飽和酸無水物、前記α,β−不飽和酸と低級脂肪酸との無水物;アルケニルマロン酸、アルケニルグルタル酸、アルケニルアジピン酸、これらの酸無水物及びこれらのモノエステルの如きカルボキシル基を有するモノマーが挙げられる。
更に、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレートなどのアクリル酸またはメタクリル酸エステル類;4−(1−ヒドロキシ−1−メチルブチル)スチレン、4−(1−ヒドロキシ−1−メチルヘキシル)スチレンの如きヒドロキシ基を有するモノマーが挙げられる。
本発明ではポリエステルユニットを有する樹脂が特に好ましく用いられる。前記「ポリエステルユニット」とは、ポリエステルに由来する部分を意味し、ポリエステルユニットを構成する成分としては、具体的には、2価以上のアルコールモノマー成分と2価以上のカルボン酸、2価以上のカルボン酸無水物及び2価以上のカルボン酸エステル等の酸モノマー成分が挙げられる。
本発明に用いられるトナーは、これらのポリエステルユニットを構成する成分を原料の一部とし、縮重合された部分を有する樹脂を用いることができる。
例えば、2価以上のアルコールモノマー成分として、具体的には、2価アルコールモノマー成分としては、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)−ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA等が挙げられる。
3価以上のアルコールモノマー成分としては、例えばソルビット、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセリン、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等が挙げられる。
2価のカルボン酸モノマー成分としては、フタル酸、イソフタル酸及びテレフタル酸の如き芳香族ジカルボン酸類又はその無水物;コハク酸、アジピン酸、セバシン酸及びアゼライン酸の如きアルキルジカルボン酸類又はその無水物;炭素数6乃至18のアルキル基又はアルケニル基で置換されたコハク酸もしくはその無水物;フマル酸、マレイン酸及びシトラコン酸の如き不飽和ジカルボン酸類又はその無水物;が挙げられる。
3価以上のカルボン酸モノマー成分としては、トリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸やその無水物等の多価カルボン酸等が挙げられる。
また、その他のモノマーとしては、ノボラック型フェノール樹脂のオキシアルキレンエーテル等の多価アルコール類等が挙げられる。
本発明で使用される着色剤としては、以下のものが挙げられる。
黒色着色剤としては、カーボンブラック;磁性体;イエロー着色剤、マゼンタ着色剤及びシアン着色剤とを用いて黒色に調整したものが挙げられる。
マゼンタトナー用着色顔料しては、以下のものが挙げられる。縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アンスラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物が挙げられる。具体的には、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48:2、48:3,48:4、49、50、51、52、53、54、55、57:1、58、60、63、64、68、81:1、83、87、88、89、90、112、114、122、123、144、146、150、163、166、169、177、184、185、202、206、207、209、220、221、238、254、269;C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35が挙げられる。
着色剤には、顔料単独で使用してもかまわないが、染料と顔料とを併用してその鮮明度を向上させた方がフルカラー画像の画質の点から好ましい。
マゼンタトナー用染料としては、以下のものが挙げられる。C.Iソルベントレッド1、3、8、23、24、25、27、30、49、81、82、83、84、100、109、121、C.I.ディスパースレッド9、C.I.ソルベントバイオレット8、13、14、21、27、C.I.ディスパーバイオレット1の如き油溶染料、C.I.ベーシックレッド1、2、9、12、13、14、15、17、18、22、23、24、27、29、32、34、35、36、37、38、39、40、C.I.ベーシックバイオレット1、3、7、10、14、15、21、25、26、27、28などの如きの塩基性染料。
シアントナー用着色顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントブルー1、2、3、7、15:2、15:3、15:4、16、17、60、62、66;C.I.バットブルー6、C.I.アシッドブルー45、フタロシアニン骨格にフタルイミドメチルを1乃至5個置換した銅フタロシアニン顔料。
イエロー用着色顔料としては、以下のものが挙げられる。縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属化合物、メチン化合物、アリルアミド化合物。具体的には、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、62、65、73、74,83、93、95、97,109、110、111、120、127、128、129、147、155、168、174、180、181、185、191;C.I.バットイエロー1、3、20が挙げられる。また、C.I.ダイレクトグリーン6、C.I.ベーシックグリーン4、C.I.ベーシックグリーン6、ソルベントイエロー162などの染料も使用することができる。
また、上記トナーにおいて、結着樹脂に予め、着色剤を混合し、マスターバッチ化させたものを用いることが好ましい。そして、この着色剤マスターバッチとその他の原材料(結着樹脂及びワックス等)を溶融混練させることにより、トナー中に着色剤を良好に分散させることができる。
結着樹脂に着色剤を混合し、マスターバッチ化させる場合は、多量の着色剤を用いても着色剤の分散性を悪化させず、また、トナー粒子中における着色剤の分散性を良化し、混色性や透明性等の色再現性が優れる。また、転写材上でのカバーリングパワーが大きいトナーを得ることができる。また、着色剤の分散性が良化することにより、トナー帯電性の耐久安定性が優れ、高画質を維持した画像を得ることが可能となる。
本発明においては、熱処理工程の前に、トナー用粉体粒子に、流動化剤、転写助剤、帯電安定化剤などをヘンシェルミキサーの如き混合機で混合して用いることができる。
また、流動化剤としては、流動性が添加前後を比較すると増加し得るものであれば、どのようなものでも使用可能である。例えば、フッ化ビニリデン微粉末、ポリテトラフルオロエチレン微粉末の如きフッ素系樹脂粉末;酸化チタン微粉末、アルミナ微粉末、湿式製法シリカ、乾式製法シリカの如き微粉末シリカ;それらをシラン化合物、及び有機ケイ素化合物、チタンカップリング剤、シリコーンオイルにより表面処理を施した処理シリカを使用することが可能である。
また酸化チタン微粉末であれば、硫酸法、塩素法、揮発性チタン化合物例えばチタンアルコキシド,チタンハライド,チタンアセチルアセトネートの低温酸化(熱分解,加水分解)により得られる酸化チタン微粒子が用いられる。結晶系としてはアナターゼ型,ルチル型,これらの混晶型,アモルファスのいずれのものも用いることができる。
そしてアルミナ微粉末であれば、バイヤー法、改良バイヤー法、エチレンクロルヒドリン法、水中火花放電法、有機アルミニウム加水分解法、アルミニウムミョウバン熱分解法、アンモニウムアルミニウム炭酸塩熱分解法、塩化アルミニウムの火焔分解法により得られるアルミナ微粉体が用いられる。結晶系としてはα,β,γ,δ,ξ,η,θ,κ,χ,ρ型、これらの混晶型、アモルファスのいずれのものも用いられ、α,δ,γ,θ,混晶型,アモルファスのものが好ましく用いられる。
前記微粉体は、その表面がカップリング剤やシリコーンオイルによって疎水化処理をされていることがより好ましい。
微粉体の表面の疎水化処理方法は、微粉体と反応あるいは物理吸着する有機ケイ素化合物等で化学的、または物理的に処理する方法である。
上記疎水化処理方法として好ましい方法は、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成されたシリカ微粒子を有機ケイ素化合物で処理する方法である。そのような方法に使用される有機ケイ素化合物の例は、以下のものが挙げられる。ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、β−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサンおよび1分子当り2から12個のシロキサン単位を有し末端に位置する単位にそれぞれ1個宛のSiに結合した水酸基を含有するジメチルポリシロキサン。
上記流動化剤は単独で用いても、複数種を組合せて用いても良い。
また、上記流動化剤は、トナー用粉体粒子100質量部に対して流動化剤0.1乃至8.0質量部、好ましくは0.1乃至4.0質量部使用するのが良い。添加量が0.1質量部未満ではトナー用粉体粒子に流動性を付与することができなく、好ましくない。また、4.0質量部を超える場合ではトナー用粉体粒子と無機微粉体の混合が困難になり、トナー用粉体粒子の熱処理の生産上好ましくない。
なお、上記の添加剤は、外添工程で外添剤として用いても良い。
上記トナーの各種物性の測定方法及び、以下の実施例中で測定した各種物性の測定方法に関して以下に説明する。
<重量平均粒径(D4)の測定方法>
トナーの重量平均粒径(D4)は、以下のようにして算出する。測定装置としては、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター(株)製)を用いる。測定条件の設定及び測定データの解析は、付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター(株)製)を用いる。なお、測定は実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで行う。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター(株)製)が使用できる。
測定、解析を行う前に、以下のように専用ソフトの設定を行なった。
専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更」画面において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター(株)製)を用いて得られた値を設定する。「閾値/ノイズレベルの測定ボタン」を押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、「測定後のアパーチャーチューブのフラッシュ」にチェックを入れる。
専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定」画面において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250mL丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mLを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行なう。そして、専用ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100mL平底ビーカーに前記電解水溶液約30mLを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業(株)製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.3mL加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetora150」(日科機バイオス(株)製)を準備する。超音波分散器の水槽内に約3.3lのイオン交換水を入れ、この水槽中にコンタミノンNを約2mL添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、更に60秒間超音波分散処理を継続する。なお、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)を算出する。なお、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、「分析/体積統計値(算術平均)」画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。
<微粉量の算出方法>
トナー中の個数基準の微粉量(個数%)は、前記のMultisizer 3の測定を行った後、データを解析することにより算出する。
例えば、トナー中の4.0μm以下の粒子の個数%は、以下の手順で算出する。まず、専用ソフトでグラフ/個数%に設定して測定結果のチャートを個数%表示とする。そして、「書式/粒径/粒径統計」画面における粒径設定部分の「<」にチェックし、その下の粒径入力部に「4」を入力する。「分析/個数統計値(算術平均)」画面を表示したときの「<4μm」表示部の数値が、トナー中の4.0μm以下の粒子の個数%である。
<粗粉量の算出方法>
トナー中の体積基準の粗粉量(体積%)は、前記のMultisizer 3の測定を行った後、データを解析することにより算出する。
例えば、トナー中の10.0μm以上の粒子の体積%は、以下の手順で算出する。まず、専用ソフトでグラフ/体積%に設定して測定結果のチャートを体積%表示とする。そして、「書式/粒径/粒径統計」画面における粒径設定部分の「>」にチェックし、その下の粒径入力部に「10」を入力する。「分析/体積統計値(算術平均)」画面を表示したときの「>10μm」表示部の数値が、トナー中の10.0μm以上の粒子の体積%である。
<平均円形度の測定方法>
トナー粒子の平均円形度は、フロー式粒子像分析装置「FPIA−3000」(シスメックス(株)製)によって、校正作業時の測定及び解析条件で測定する。
具体的な測定方法は、以下の通りである。まず、ガラス製の容器中に予め不純固形物などを除去したイオン交換水約20mLを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業(株)製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.2mL加える。更に測定試料を約0.02g加え、超音波分散器を用いて2分間分散処理を行い、測定用の分散液とする。その際、分散液の温度が10℃以上40℃以下となる様に適宜冷却する。超音波分散器としては、発振周波数50kHz、電気的出力150Wの卓上型の超音波洗浄器分散器(「VS−150」((株)ヴェルヴォクリーア社製))を用い、水槽内には所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2mL添加する。
測定には、標準対物レンズ(10倍)を搭載した前記フロー式粒子像分析装置を用い、シース液にはパーティクルシース「PSE−900A」(シスメックス(株)製)を使用した。前記手順に従い調整した分散液を前記フロー式粒子像分析装置に導入し、HPF測定モードで、トータルカウントモードにて3000個のトナー粒子を計測する。そして、粒子解析時の2値化閾値を85%とし、解析粒子径を円相当径1.985μm以上39.69μm未満に限定し、トナー粒子の平均円形度を求める。
測定にあたっては、測定開始前に標準ラテックス粒子(Duke Scientific社製の「RESEARCH AND TEST PARTICLES Latex Microsphere Suspensions 5200A」をイオン交換水で希釈)を用いて自動焦点調整を行う。その後、測定開始から2時間毎に焦点調整を実施することが好ましい。
なお、本願実施例では、シスメックス(株)による校正作業が行われた、シスメックス(株)が発行する校正証明書の発行を受けたフロー式粒子像分析装置を使用した。解析粒子径を円相当径1.985μm以上39.69μm未満に限定した以外は、校正証明を受けた時の測定及び解析条件で測定を行った。
<円形度が0.990以上の粒子の割合の算出方法>
本発明において、円形度が0.990以上の粒子の割合は、円形度の分布を示す指標として用いており、頻度(%)で表わされる。具体的には、FPIA−3000によって測定したトナーの平均円形度における、頻度テーブルの範囲1.00の頻度(%)の値と、0.990−>1.000の頻度(%)の値を足した値を用いた。
以下、本発明の実施例および比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(トナー用粉体粒子Aの製造例)
ポリエステルユニットを有する樹脂:100質量部
(重量平均分子量(Mw):82450、数平均分子量(Mn):3650、ピーク分子量:(Mp)8550)
パラフィンワックス:4質量部
(最大吸熱ピーク温度78℃)
3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物:1.0質量部
C.I.ピグメントブルー15:3.5質量部
上記の処方の材料をヘンシェルミキサーFM−75型(日本コークス工業(株)製)で混合した後、温度を120℃に設定した二軸混練機PCM−30型((株)池貝製)にて混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、粗砕物とし、得られた粗砕物を、機械式粉砕機T−250(フロイント・ターボ(株)製)にて粉砕し、粉体微粒子を得た。続いて、得られた粉体微粒子を、ファカルティF−300(ホソカワミクロン(株)製)により分級し、粉体粒子とした。
更に、下記材料をヘンシェルミキサーFM−75型(日本コークス工業(株)製)に投入し、回転羽根の周速を50.0m/秒とし、混合時間3分で混合することにより、粉体粒子Aの表面に、シリカと酸化チタンを付着させたトナー用粉体粒子を得た。
粉体粒子:100質量部
シリカ:3.5質量部
(ゾルゲル法で作成したシリカ微粒子にヘキサメチルジシラザン処理1.5質量%で表面処理した後、分級によって所望の粒度分布に調整したもの。)
酸化チタン:0.5質量部
(アナターゼ形の結晶性を有するメタチタン酸を表面処理したもの。)
このとき得られたトナー用粉体粒子は、重量平均粒径(D4)が6.7μm、粒径4.0μm以下の粒子が25.0個数%であり、粒径10.0μm以上の粒子が2.7体積%であった。
更に、FPIA3000にて平均円形度を測定した結果、平均円形度が0.946であった。
以下、これをトナー用粉体粒子Aとする。
これらの結果を表1にまとめた。
(トナー用粉体粒子Bの製造例)
本製造例では、パラフィンワックスの添加量を6質量部にした以外は、トナー用粉体粒子Aと同様の製造方法にて、トナー用粉体粒子Bを得た。
このとき得られたトナー用粉体粒子Bの重量平均粒径(D4)、粒径4.0μm以下の粒子の割合、粒径10.0μm以上の粒子の割合、平均円形度を測定した結果を表1にまとめた。
(トナー用粉体粒子Cの製造例)
本製造例では、パラフィンワックスの添加量を8質量部にした以外は、トナー用粉体粒子Aと同様の製造方法にて、トナー用粉体粒子Cを得た。
このとき得られたトナー用粉体粒子Bの重量平均粒径(D4)、粒径4.0μm以下の粒子の割合、粒径10.0μm以上の粒子の割合、平均円形度を測定した結果を表1にまとめた。
〔実施例1〕
本実施例では図1、図2に示した熱処理装置を用い、トナー用粉体粒子Aを熱処理した。本実施例において装置の円筒状の外壁の内周面径は150mm、円柱状の内部部材の外周面径は110mmとした。
熱処理装置は熱風を旋回させるための旋回部材を具備し、旋回部材は複数のブレードを有している。ブレードの鉛直方向の高さは、15mmとした。ブレードの形状は、図6に示すように2つの円弧を連結した形状とした。
図3に示す入口角度aを0°とし、図6に示す出口角度bを80°とし、垂直出口角度cを80°とした。よってb−c=0°となる。また、ブレードの枚数は10枚とした。
粉体粒子供給手段は図9に示すように4分割とし、処理室の中心軸と直交する同一断面上に90°間隔に、本体内螺旋流の角度と一致するように処理室中心軸直交断面に対し本体下端方向に27°の角度を付けて配置した。粉体供給手段各出口の縦の長さは60mm、横の長さは4mmとし、各出口断面積を240mm、総断面積は960mmとした。また高圧エア供給ノズルから供給される搬送気体の流量は、各口0.02m/分とした。
冷風供給手段は図1に示した様に第一、第二の二段階とする。
第一冷風供給手段は図10に示すように4分割とし、粉体供給手段出口下端から第一冷風供給手段上端までの距離を100mmとした。また処理室の中心軸と直交する同一断面上に各口を45°等間隔に、かつ本体内螺旋流の角度と一致するように処理室中心軸直交断面に対し本体下端方向に27°の角度を付けて配置した。第一冷風供給手段各出口の縦の長さは80mm、横の長さは4mmとし、各出口断面積は320mm、総断面積は1280mmとした。
第二冷風供給手段は図11に示すように4分割とし、第二冷風供給手段下端が底面と一致するように90°間隔に計180°に、かつ底面と平行に配置した。第二冷風供給手段各出口の縦の長さは80mm、横の長さは4mmとし、各出口断面積は320mm、総断面積は1280mmとした。
排出手段は図11に示すように、第二冷風供給手段中央口の対向位置に排出手段下端が底面と一致するようにかつ底面と平行に配置した。また排出手段入口は、縦の長さ75mm、横の長さ30mm、断面積は2250mmとした。
円柱状内部部材は図12に示すように、円柱状外壁と外壁内部の体積を規制するよう外壁中心軸と同軸上に配置した。円柱状内部部材の上端部は、処理室の内外円筒半径差d=20mmに対し、曲率半径R=10mmの丸みを持つとした。このとき、R/d=0.5となる。
上記装置構成を装置構成1とする。
装置構成1を用いてトナー用粉体粒子Aの処理量(kg/hr)を20kg/hrとしてトナー用粉体粒子Aを熱処理し、平均円形度0.965のトナー用熱処理粒子を得た。
<運転条件1>
この時の運転条件(以下、運転条件1とも記載する。)は、以下のとおりであった。
熱風温度170℃、熱風風量7.0m/分であった。
第一冷風温度は−5℃、総流量は0.2m/分とし、各口それぞれ0.05m/分の冷風を処理室内に供給した。
第二冷風温度は−5℃、総流量は0.15m/分とし、各口それぞれ0.05m/分の冷風を処理室内に供給した。
運転時間は1時間とした。
この時の条件を運転条件1とする。
この時得られた熱処理後のトナー用粉体粒子は、以下のとおりであった。
重量平均粒径(D4)が6.8μm、
粒径4.0μm以下の粒子が24.4個数%、
粒径10.0μm以上の粒子が3.6体積%、
粗大粒子は非常に少なかった。
また運転後に本体内の融着状況を目視によって確認したが、融着物は全く認められなかった。
次に同じく装置構成1を用いてトナー用粉体粒子Aの処理量を30kg/hrとしてトナー用粉体粒子Aを熱処理し、平均円形度0.965のトナー用熱処理粒子を得た。
この時の条件は熱風温度200℃、熱風風量10.0m/分であった。第一冷風温度は−5℃、総流量は0.2m/分とし、各口それぞれ0.05m/分の冷風を処理室内に供給した。同様に第二冷風温度は−5℃、総流量は0.15m/分とし、各口それぞれ0.05m/分の冷風を処理室内に供給した。
この時得られた熱処理後のトナー用粉体粒子は、以下のとおりであった。
重量平均粒径(D4)が6.9μm、
粒径4.0μm以下の粒子が24.1個数%、
粒径10.0μm以上の粒子が3.9体積%。
また20kg/hr処理時と比較して30kg/hr処理時での粒径10.0μm以上の粒子の体積%での増加は0.3%であり、処理量を増加しても粗粉は非常に少なかった。また運転後に本体内の融着状況を確認したが、融着物は全く認められなかった。
以上得られたトナーの熱処理結果の評価を下記の基準で行った。
<粗粉量に対する評価>
得られた熱処理後のトナー用粉体粒子に含有される10.0μm以上の粒子の割合s(体積%)を粗粉量の評価の基準とし、下記の基準で判断した。
A: s<5.0
B: 5.0≦s<10.0
C:10.0≦s<15.0
D:15.0≦s<20.0
E:20.0≦s
<処理量を増加した時の粗粉量の増加に関する評価>
30kg/hr処理時の粗粉割合(体積%)と、20kg/hr処理時の粗粉割合(体積%)との差Δsを、本発明の熱処理装置における処理量の増加させやすさの指標とし、下記の基準で判断した。
A: Δs<2.0
B:2.0≦Δs<4.0
C:4.0≦Δs<6.0
D:6.0≦Δs<8.0
E:8.0≦Δs
<熱処理装置の融着に対する評価>
各実施例の条件で1時間運転後、トナー用粉体粒子の供給を止めた。そして、工業用ビデオスコープ「IPLEX SA II R」(オリンパス(株)製)のスコープ部を熱処理装置側面や粉体粒子輸送経路配管の点検口(不図示)から挿入し、融着状況を確認し、下記の基準で判断した。
A:融着物が全く認められないレベル
B:融着物が僅かに認められるが、運転上支障のないレベル
C:融着が認められるが、運転上支障のないレベル
D:融着が認められ、運転ができなくなるレベル
E:大きな融着物が認められ、運転ができなくレベル
これらの結果を表2にまとめた。
〔実施例2〕
本実施例では、装置構成1を用いて、トナー用粉体粒子Bを処理した。
運転条件は、熱風の温度を180℃とした以外は、運転条件1と同じとした。
その結果トナー処理量は、20kg/hrで平均円形度0.965のトナー用熱処理粒子を得た。トナー用粉体粒子Bはワックス添加量が6質量部とトナー用粉体粒子Aより増えたため、平均円形度0.965を得るための熱風温度が高くなった。
次に同じく装置構成1を用いて、トナー用粉体粒子Bの処理量を30kg/hrとしてトナー用粉体粒子Bを熱処理し、平均円形度0.965のトナー用熱処理粒子を得た。
この時の運転条件は、熱風の温度を210℃とした以外は、運転条件1と同じとした。
熱風温度は実施例1よりも高くなったが、粗粉量sは非常に少なく評価Aであった。また処理量を20kg/hrから30kg/hrに増加させても粗粉量の差Δsは非常に少なく評価Aであった。また装置内部に熱処理されたトナー用熱処理粒子の融着は全くなく評価Aであった。
これらの結果を表2にまとめた。
〔実施例3〕
本実施例では、装置構成1を用いて、トナー用粉体粒子Cを熱処理した。
運転条件は、熱風の温度を190℃とした以外は、運転条件1と同じとした。
その結果トナー処理量は、20kg/hrで、平均円形度0.965のトナー用熱処理粒子を得た。トナー用粉体粒子Bはワックス添加量が8質量部とトナー用粉体粒子Bより増えたため、平均円形度0.965を得るための熱風温度が実施例1、実施例2と比較して高くなった。
次に同じく装置構成1を用いて、トナー用粉体粒子Cの処理量を30kg/hrとしてトナー用粉体粒子Bを熱処理し、平均円形度0.965のトナー用熱処理粒子を得た。
この時の運転条件は、熱風温度を220℃とした以外は、運転条件1と同じとした。
熱風温度は実施例1よりも高くなったが、粗粉量sは非常に少なく評価Aであった。また処理量を20kg/hrから30kg/hrに増加させても粗粉量の差Δsは非常に少なく評価Aであった。また装置内部に熱処理されたトナー用熱処理粒子の融着は全くなく、評価Aであった。
これらの結果を表2にまとめた。
〔実施例4〕
本実施例では、装置構成1を基に円柱状の内部部材の上端部は、処理室の内外円筒半径差d=20mmに対し、曲率半径R=2mmの丸みを持つとした。このとき、R/d=0.1となる。この装置構成を装置構成2としてトナー用粉体粒子Cを熱処理した。
運転条件は、熱風の温度を、トナー処理量が20kg/hrのときは190℃とし、トナー処理量が30kg/hrのときは220℃とした以外は、運転条件1と同じとした。実施例3と比較すると、熱風温度は同一であった。
また粗粉量sは20kg/hr処理時に4.5体積%となり、30kg/hr処理時に4.9体積%となり、評価Aであった。このため処理量を20kg/hrから30kg/hrに増加させても粗粉量の差Δsは0.4体積%となり、評価Aであった。また融着はほとんど見られず、評価Bであった。
これらの結果から、曲率半径Rと内外円筒半径差dの比がR/d=0.1のとき、実施例3には劣るものの融着を抑えられることが分かった。
これらの結果を表2にまとめた。
〔実施例5〕
本実施例では、装置構成1を基に円柱状の内部部材の上端部は、処理室の内外円筒半径差d=20mmに対し、曲率半径R=20mmの丸みを持つとした。このとき、R/d=1となる。この装置構成を装置構成3としてトナー用粉体粒子Cを熱処理した。
運転条件は、熱風の温度を、トナー処理量が20kg/hrのときは200℃とし、トナー処理量が30kg/hrのときは230℃とした以外は、運転条件1と同じとした。実施例3と比較すると、10℃高い熱風が必要であった。これは曲率半径が大きくなったことで旋回部材の熱風出口面積が大きくなり、そのため熱風速度が遅くなり熱効率が低下したことが原因と考えられる。
また粗粉量sは20kg/hr処理時に4.5体積%となり、30kg/hr処理時に6.0体積%となり、評価Bであった。このため処理量を20kg/hrから30kg/hrに増加した場合の粗粉量の差Δsは1.5体積%となり、評価Aであった。融着は全くなく、評価Aであった。
これらの結果から、曲率半径Rと内外円筒半径差dの比がR/d=1のとき、実施例3に比べ熱効率の低下があるものの融着を抑えられることが分かった。
これらの結果を表2にまとめた。
〔実施例6〕
本実施例では、装置構成1を基に円柱状の内部部材の外周面径を90mmとした。また、円柱状の内部部材の上端部は、処理室の内外円筒半径差d=30mmに対し、曲率半径R=3mmの丸みを持つとした。このとき、R/d=0.1となる。この装置構成を装置構成4としてトナー用粉体粒子Cを熱処理した。
運転条件は、熱風の温度を、トナー処理量が20kg/hrのときは200℃とし、トナー処理量が30kg/hrのときは230℃とした以外は、運転条件1と同じとした。実施例3と比較すると、10℃高い熱風が必要であった。これは内外円筒半径差が大きくなり、そのため処理室を通る熱風速度が遅くなり熱効率が低下したことが原因と考えられる。
また粗粉量sは20kg/hr処理時に4.5体積%となり、30kg/hr処理時に5.5体積%となり、評価Bであった。このため処理量を20kg/hrから30kg/hrに増加した場合の粗粉量の差Δsは1.0体積%となり、評価Aであった。また融着はほとんど見られず、評価Bであった。
これらの結果から、R/d=0.1であれば内外円筒半径差dを大きくしても、実施例4と同様、融着を抑えられることが分かった。
これらの結果を表2にまとめた。
〔実施例7〕
本実施例では、装置構成1を基に円柱状の内部部材の外周面径を130mmとした。また、円柱状の内部部材の上端部は、処理室の内外円筒半径差d=10mmに対し、曲率半径R=10mmの丸みを持つとした。このとき、R/d=1となる。この装置構成を装置構成5としてトナー用粉体粒子Cを熱処理した。
運転条件は、熱風の温度を、トナー処理量が20kg/hrのときは200℃とし、トナー処理量が30kg/hrのときは230℃とした以外は、運転条件1と同じとした。実施例3と比較すると、10℃高い熱風が必要であった。これは曲率半径が大きくなったことで旋回部材の熱風出口面積が大きくなり、そのため熱風速度が遅くなり熱効率が低下したことが原因と考えられる。
また粗粉量sは20kg/hr処理時に4.7体積%となり、30kg/hr処理時に6.5体積%となり、評価Bであった。このため処理量を20kg/hrから30kg/hrに増加した場合の粗粉量の差Δsは1.8体積%となり、評価Aであった。また融着は全くなく、評価Aであった。
これらの結果から、R/d=1であれば内外円筒半径差dを小さくしても、実施例5と同様、融着を抑えられることが分かった。
これらの結果を表2にまとめた。
〔実施例8〕
本実施例では、装置構成1を基に円柱状の内部部材の上端部は、処理室の内外円筒半径差d=20mmに対し、曲率半径R=0mmとした。このとき、R/d=0となる。この装置構成を装置構成6としてトナー用粉体粒子Cを熱処理した。
運転条件は、熱風の温度を、トナー処理量が20kg/hrのときは190℃とし、トナー処理量が30kg/hrのときは220℃とした以外は、運転条件1と同じとした。実施例3と比較すると、熱風の温度は同一であった。
また粗粉量sは20kg/hr処理時に4.7体積%となり、30kg/hr処理時に6.6体積%となり、評価Bであった。このため処理量を20kg/hrから30kg/hrに増加した場合の粗粉量の差Δsは1.9体積%となり、評価Aであった。また、融着については内部部材の上部の壁面に軽微な融着が認められ、評価Cであった。
これはR/d=0としたことによって、処理室の上部かつ円柱状の内部部材の近傍に巻き上がり流が発生したことによる。
これらの結果を表2にまとめた。
〔実施例9〕
本実施例では、装置構成6を基に旋回部材のブレードの出口角度bを90°とし、垂直出口角度cを80°とした。よってb−c=10°となる。この装置構成を装置構成7としてトナー用粉体粒子Cを熱処理した。
運転条件は、熱風の温度を、トナー処理量が20kg/hrのときは190℃とし、トナー処理量が30kg/hrのときは220℃とした以外は、運転条件1と同じとした。実施例8と比較すると、熱風の温度は同一であった。
また粗粉量sは20kg/hr処理時に4.9体積%となり、30kg/hr処理時に6.8体積%となり、評価Bであった。このため処理量を20kg/hrから30kg/hrに増加した場合の粗粉量の差Δsは1.9体積%となり、評価Aであった。また、融着については内部部材の上部の壁面に軽微な融着が認められ、評価Cであった。
これらの結果から、b−c=10°のとき熱処理時の粉体粒子の合一が僅かに増加することが分かった。
これらの結果を表2にまとめた。
〔実施例10〕
本実施例では、装置構成7を基に旋回部材のブレードの出口角度bを90°とし、垂直出口角度cを79°とした。よってb−c=11°となる。この装置構成を装置構成8としてトナー用粉体粒子Cを熱処理した。
運転条件は、熱風の温度を、トナー処理量が20kg/hrのときは190℃とし、トナー処理量が30kg/hrのときは220℃とした以外は、運転条件1と同じとした。実施例9と比較すると、熱風温度は同一であった。
また粗粉量sは20kg/hr処理時に5.0体積%となり、30kg/hr処理時に7.1体積%となり、評価Bであった。このため処理量を20kg/hrから30kg/hrに増加した場合の粗粉量の差Δsは2.1体積%となり、評価Bであった。また、融着については内部部材の上部の壁面に軽微な融着が認められ、評価Cであった。
シミュレーションにおいて、b−c>10°となるとブレードから流出する熱風の周方向速度のばらつきが許容値を超えることを確認した。このため、熱処理時の粉体粒子の合一が増加し、粗粉量の差Δsの評価が悪化したと考えられる。
これらの結果を表2にまとめた。
〔実施例11〕
本実施例では、装置構成8を基に旋回部材のブレードの入口角度aを10°とした。この装置構成を装置構成9としてトナー用粉体粒子Cを熱処理した。
運転条件は、熱風の温度を、トナー処理量が20kg/hrのときは210℃とし、トナー処理量が30kg/hrのときは230℃とした以外は、運転条件1と同じとした。実施例10と比較すると、20kg/hr処理時は20℃高い熱風が必要で、30kg/hr処理時は10℃高い熱風が必要であった。これは熱風の流れる方向がブレードの入口付近で変わり、ブレード間を通る熱風がスムーズに流れないため、熱効率が僅かに低下したことが原因と考えられる。
また粗粉量sは20kg/hr処理時に5.2体積%となり、30kg/hr処理時に9.5体積%となり、評価Bであった。このため処理量を20kg/hrから30kg/hrに増加した場合の粗粉量の差Δsは4.3体積%となり、評価Cであった。また、融着については内部部材の上部の壁面に軽微な融着が認められ、評価Cであった。
これらの結果から、a=10°のとき熱風温度が高くなるために熱処理時の粉体粒子の合一が僅かに増加することが分かった。
これらの結果を表2にまとめた。
〔実施例12〕
本実施例では、装置構成8を基に旋回部材のブレードの入口角度aを−10°とした。この装置構成を装置構成10としてトナー用粉体粒子Cを熱処理した。
運転条件は、熱風の温度を、トナー処理量が20kg/hrのときは210℃とし、トナー処理量が30kg/hrのときは230℃とした以外は、運転条件1と同じとした。実施例10と比較すると、20kg/hr処理時は20℃高い熱風が必要で、30kg/hr処理時は10℃高い熱風が必要であった。これは熱風の流れる方向がブレードの入口付近で変わり、ブレード間を通る熱風がスムーズに流れないため、熱効率が僅かに低下したことが原因と考えられる。
また粗粉量sは20kg/hr処理時に5.4体積%となり、30kg/hr処理時に9.8体積%となり、評価Bであった。このため処理量を20kg/hrから30kg/hrに増加した場合の粗粉量の差Δsは4.4体積%となり、評価Cであった。また、融着については円柱状内部部材上部の壁面に軽微な融着が認められ、評価Cであった。
これらの結果から、a=−10°のとき熱風温度が高くなるために熱処理時の粉体粒子の合一が僅かに増加することが分かった。
これらの結果を表2にまとめた。
以上の本実施例は、装置の円筒状の外壁の内周面径を150mmとしているが、本発明はこの条件に限定されるものではない。内周面径を大きくすることでより多くのトナー用粉体粒子を熱処理することが可能である。
〔比較例1〕
本比較例では、装置構成9を基に旋回部材のブレードの入口角度aを11°とした。この装置構成を装置構成11としてトナー用粉体粒子Cを熱処理した。
運転条件は、熱風の温度を、トナー処理量が20kg/hrのときは220℃とし、トナー処理量が30kg/hrのときは240℃とした以外は、運転条件1と同じとした。実施例11と比較すると、10℃高い熱風が必要であった。これは熱風の流れる方向がブレードの入口付近で変わり、ブレード間を通る熱風がスムーズに流れないため、熱効率が僅かに低下したことが原因と考えられる。
また粗粉量sは20kg/hr処理時に5.4体積%となり、30kg/hr処理時に10.0体積%となり、評価Cであった。このため処理量を20kg/hrから30kg/hrに増加した場合の粗粉量の差Δsは4.6体積%となり、評価Cであった。また、融着については円柱状内部部材上部の壁面に軽微な融着が認められ、評価Cであった。
これらの結果から、a>10°となると熱風温度が高くなるために熱処理時の粉体粒子の合一が増加し、粗粉量sの評価が悪化したことが分かった。
これらの結果を表2にまとめた。
〔比較例2〕
本比較例では、装置構成10を基に旋回部材のブレードの入口角度aを−11°とした。この装置構成を装置構成12としてトナー用粉体粒子Cを熱処理した。
運転条件は、熱風の温度を、トナー処理量が20kg/hrのときは220℃とし、トナー処理量が30kg/hrのときは240℃とした以外は、運転条件1と同じとした。実施例12と比較すると、10℃高い熱風が必要であった。これは熱風の流れる方向がブレードの入口付近で変わり、ブレード間を通る熱風がスムーズに流れないため、熱効率が僅かに低下したことが原因と考えられる。
また粗粉量sは20kg/hr処理時に5.6体積%となり、30kg/hr処理時に10.2体積%となり、評価Cであった。このため処理量を20kg/hrから30kg/hrに増加した場合の粗粉量の差Δsは4.6体積%となり、評価Cであった。また、融着については円柱状内部部材上部の壁面に軽微な融着が認められ、評価Cであった。
これらの結果から、a<−10°となると熱風温度が高くなるために熱処理時の粉体粒子の合一が増加し、粗粉量sの評価が悪化したことが分かった。
これらの結果を表2にまとめた。
〔比較例3〕
図15に本比較例で使用した装置の構成を示した。かかる装置の構成を装置構成13としてトナー用粉体粒子Cを熱処理し、平均円形度0.965のトナー用熱処理粒子を得た。本装置は排出手段158が一口のストレート排気、粉体供給手段155が一口、熱風供給手段154から熱風がストレートに供給される構成となっている。またこの時の排出手段158の排気口の総断面積と粉体供給手段155の出口(供給口)の総断面積との関係は、排気口の総断面積>供給口の総断面積となっている。粉体供給手段155から供給されたトナー用紛体粒子は分散板151に衝突し、左右に分散される。
運転条件は、熱風の温度を、トナー処理量が20kg/hrのときは250℃とし、トナー処理量が30kg/hrのときは340℃とした以外は、運転条件1と同じとした。また本装置構成ではメッシュ152から外気を取り込むことによって装置内を冷却する構成をとっているため、冷風は導入しなかった。よって実施例3と比較して熱風温度は上昇した。
粗粉量sは、20kg/hr処理時には18.3体積%、30kg/hr処理時には27.5体積%となり、評価Eであった。このため処理量を20kg/hrから30kg/hrに増加した場合の粗粉量の差Δsは9.2体積%となり、評価Eであった。また、融着については装置内部に運転に支障が出るレベルの大きな融着が認められ、評価Eであった。
これらの結果を表2にまとめた。
〔比較例4〕
図16に本比較例で使用した装置の構成を示した。(a)は熱風供給手段164および粉体供給手段165を上から見た図である。(b)は装置全体の概略構成を示す断面図である。かかる装置の構成を装置構成14としてトナー用粉体粒子Cを熱処理し、平均円形度0.965のトナー用熱処理粒子を得た。本装置は排出手段168が一口のストレート排気、粉体供給手段165が一口で、粉体供給手段165から供給されるトナー用粉体粒子と熱風供給手段164から供給される熱風とが逆方向に旋回して装置内に供給される構成となっている。また冷風供給手段はスリット161を設けることによって装置の壁面からストレートに導入される第一冷風供給手段166と、排出手段168を冷却するために接線方向から導入される第二冷風供給手段167が設けられている。
本比較例における運転条件と運転条件1との相違点は以下のとおりである。
熱風温度 トナー処理量が20kg/hrのとき 300℃、
トナー処理量が30kg/hrのとき 400℃。
第一冷風供給手段から供給される冷風の流量 0.2m/分、
第二冷風供給手段から供給される冷風の流量 0.15m/分。
実施例3と比較して熱風温度は上昇した。
粗粉量sは、20kg/hr処理時に20.0体積%となり、30kg/hr処理時に30.0体積%となり、評価Eであった。このため処理量を20kg/hrから30kg/hrに増加した場合の粗粉量の差Δsは10.0体積%となり、評価Eであった。また、融着については装置内部に運転に支障が出るレベルの大きな融着が認められ、評価Eであった。
これらの結果を表2にまとめた。
〔比較例5〕
図17に本比較例で使用した装置の構成を示した。(a)は熱風供給手段174および粉体供給手段175を上から見た図である。(b)は装置全体の概略構成を示す断面図である。かかる装置の構成を装置構成15としてトナー用粉体粒子Cを熱処理し、平均円形度0.965のトナー用熱処理粒子を得た。本比較例の装置構成は比較例4で示した装置構成14の熱風供給手段と粉体供給手段を改造し、トナー用粉体粒子171と熱風が同方向に旋回して装置内に供給される構成となっている。また熱風供給手段174と粉体供給手段175の関係は、図17の様に粉体供給手段175の外側から熱風が供給される構成となっている。また、図16に示した装置と同様に、図17に示した装置もスリット161を備える。
本比較例における運転条件と運転条件1との相違点は以下のとおりである。
熱風温度 トナー処理量が20kg/hrのとき 350℃。
第一冷風供給手段から供給される冷風の流量 0.2m/分、
第二冷風供給手段から供給される冷風の流量 0.15m/分。
実施例3と比較して20kg/hr処理時の熱風温度は上昇した。
粗粉量sは20kg/hr処理時に20.0体積%、30kg/hr処理時は熱風温度を450℃まで上げても平均円形度0.965を得ることができなかった。このため粗粉量s、粗粉量の差Δs及び融着の評価を行うことができなかった。
これらの結果を表2にまとめた。
〔参考例1〕
本参考例で用いる装置構成は、装置構成1を基にブレードの形状において入口角度aが−10°≦a≦10°の範囲から大きく外れ、71°とした構成となっている。更に、円柱状内部部材の上端部は、処理室の内外円筒半径差d=20mmに対し、曲率半径R=0mmとした。このとき、R/d=0となる。一方、旋回部材のブレードの出口角度bを71°とし、垂直出口角度cを69°とした。よってb−c=2°となっている。この装置構成を装置構成16としてトナー用粉体粒子Aを熱処理し、平均円形度0.965のトナー用熱処理粒子を得た。
運転条件は、熱風の温度を、トナー処理量が20kg/hrのときは200℃とし、トナー処理量が30kg/hrのときは220℃とした以外は、運転条件1と同じとした。実施例1と比較すると、20kg/hr処理時は30℃高い熱風が必要であった。また30kg/hr処理時は20℃高い熱風が必要であった。
粗粉量sは、20kg/hr処理時に5.0体積%、30kg/hr処理時に13.0体積%となり、評価Cであった。このため処理量を20kg/hrから30kg/hrに増加した場合の粗粉量の差Δsは8.0体積%となり、評価Eであった。また、融着については円柱状内部部材上部の壁面に融着が認められ、評価Dであった。
これらの結果から、a>10°のため熱風温度が高くなり熱処理時の粉体粒子の合一が増加し、粗粉量s及び粗粉量の差Δsの評価が悪化したと考えられる。またR/d=0としたことによって、処理室の上部かつ円柱状内部部材の近傍に巻き上がり流が発生し、融着の評価が悪化したと考えられる。
これらの結果を表2にまとめた。
〔参考例2〕
本参考例では装置構成16を用いてトナー用粉体粒子Cを熱処理し、平均円形度0.965のトナー用熱処理粒子を得た。
運転条件は、熱風の温度を、トナー処理量が20kg/hrのときは230℃とし、トナー処理量が30kg/hrのときは250℃とした以外は、運転条件1と同じとした。実施例3と比較すると、20kg/hr処理時は40℃高い熱風が必要であった。また30kg/hr処理時は30℃高い熱風が必要であった。
粗粉量sは、20kg/hr処理時に6.0体積%、30kg/hr処理時に15.0体積%となり、評価Dであった。このため処理量を20kg/hrから30kg/hrに増加した場合の粗粉量の差Δsは9.0体積%となり、評価Eであった。また、融着については円柱状内部部材上部の壁面に融着が認められ、評価Dであった。
これらの結果から参考例1と同様の理由により、粗粉量s、粗粉量の差Δs、融着の評価が悪化したと考えられる。
これらの結果を表2にまとめた。

1:外壁
2:内部部材
3:処理室
4、154、164、174:熱風供給手段
5、155、165、175:粉体粒子供給手段
6、166:第一冷風供給手段
7、167:第二冷風供給手段
8、158、168:排出手段
9:熱風旋回部材
10:円柱状内部部材の中心軸
11:熱風旋回部材のブレード
12:中心軸から近い方のブレードの端部と中心軸とを結ぶ直線
13:中心軸から近い方のブレードの端部に接する直線
14:中心軸から遠い方のブレードの端部と中心軸とを結ぶ直線
15:中心軸から遠い方のブレードの端部に接する直線
16:中心軸から遠い方のブレードの端部と中心軸とを結ぶ直線
17:第1のブレードと旋回方向側に隣り合う第2のブレードの法線のうち、第1のブレードの中心軸10から遠い方の端部を通る直線
18:第1のブレードの中心軸10から遠い方の端部を通り、かつ直線17に対して直交する直線
19:略円錐状の熱風分配部材
151:分散板
152:メッシュ
161:スリット
171:トナー用粉体粒子

Claims (5)

  1. ワックスを含有する粉体粒子の熱処理装置であって、該熱処理装置は、
    (1)円筒状の外壁の内周面と、該外壁の内部に該外壁の中心軸と同軸上に配置された円柱状の内部部材の外周面とで形成され、該粉体粒子の熱処理が行われる同軸二重円筒状の処理室と、
    (2)該処理室に該粉体粒子を供給するための粉体粒子供給手段と、
    (3)供給された該粉体粒子を熱処理するための熱風を供給する熱風供給手段と、
    (4)供給された該粉体粒子を冷却するための冷風を該処理室内に供給する冷風供給手段と、
    (5)熱処理された該粉体粒子を該処理室の外に排出する排出手段と、
    (6)該熱風を該処理室において螺旋状に旋回させるための旋回部材とを具備し、
    該旋回部材は、
    該内部部材の天面上に、該内部部材の中心軸から等距離に、該中心軸の周囲に配列された同形状の複数のブレードを有し、
    該ブレードを含みかつ該中心軸と直交する断面において、該中心軸から近い方の該ブレードの端部と該中心軸とを結ぶ直線と、該端部に接する直線とのなす角度で規定されるブレードの入口角度aが、下記式(1)を満たすことを特徴とする粉体粒子の熱処理装置。
    −10°≦a≦10° 式(1)
  2. 前記ブレードを含みかつ前記中心軸と直交する断面において、
    該中心軸から遠い方のブレードの端部と該中心軸を結ぶ直線を第1−1の直線とし、
    該端部に接する直線を第1−2の直線とした場合に、
    第1−1の直線と第1−2の直線とのなす角度で規定されるブレードの出口角度をbとし、
    第1のブレードの該中心軸から遠い方の端部と該中心軸とを結ぶ直線を第2−1の直線とし、
    第1のブレードと旋回方向側に隣り合う第2のブレードの法線のうち、第1のブレードの該中心軸から遠い方の該端部を通る直線を第2−2の直線とし、
    第1のブレードの中心軸10から遠い方の端部を通り、かつ第2−2の直線に対して直交する直線を第2−3の直線とした場合に、
    第2−1の直線と第2−3の直線とのなす角度で規定されるブレードの垂直出口角度をcとするとき、下記式(2)を満たす請求項1に記載の熱処理装置。
    0°≦b−c≦10° 式(2)
  3. 前記内部部材の上端部の曲率半径をRとし、
    前記外壁の内周面の半径(内周面径)と前記内部部材の外周面の半径(外周面径)との差(内外円筒半径差)をdとした場合に、下記式(3)を満たす請求項1又は2に記載の熱処理装置。
    R≧0.1×d 式(3)
  4. 前記粉体粒子が結着樹脂、及び着色剤をさらに含有する請求項1乃至3の何れか一項に記載の熱処理装置。
  5. 結着樹脂及び着色剤を含有する粉体粒子を熱処理装置を用いて熱処理する熱処理工程を経てトナーを得るトナーの製造方法であって、
    該熱処理装置が、請求項1乃至4の何れか一項に記載の粉体粒子の熱処理装置であることを特徴とするトナーの製造方法。

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