JP6680132B2 - 樹脂組成物、樹脂組成物の製造方法及び発光装置 - Google Patents

樹脂組成物、樹脂組成物の製造方法及び発光装置 Download PDF

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Description

本発明は、樹脂組成物、樹脂組成物の製造方法及び発光装置に関する。
従来から、樹脂からなるパッケージと該パッケージの凹部に設けられた発光素子とを含む表面実装タイプの発光装置が広く使用されている。この発光装置において、発光素子は、凹部の底面に露出したリードに載置される。このように構成された発光装置では、発光素子の発光が凹部の開口部から出射されるが、例えば、発光ダイオード等の発光素子は、上方だけではなく側方にも多くの光を出射する。したがって、発光装置の光取り出し効率を高くするためには、発光素子から側方に出射される光を効果的に凹部の開口部から取り出す必要がある。そこで、パッケージの凹部の周りの側壁を開口部に近いほど開口面積が大きくなるように傾斜させかつ凹部の底面及び側壁の反射率を高くすることにより、光取り出し効率を向上させている。
樹脂パッケージにおいて、樹脂の表面である凹部の底面及び側壁の反射率を高くする方法として、反射材を樹脂に添加して例えば射出成形によりパッケージを作製する方法がある。この方法により形成されたパッケージは、反射材の含有量が多くなるほど反射率を高くすることができるが、樹脂における反射材の充填量が高くなると、樹脂の流動性が悪化してパッケージを成形することが難しくなる。
そこで、予め表面処理をした反射材を樹脂に含有させることにより、樹脂の流動性の悪化を防止する試みがなされている。例えば、特許文献1には、反射材である白色顔料を、例えば、シランカップリング剤、チタンカップリング剤などのカップリング剤により疎水化処理した上で樹脂に含有させるものが開示されている。また、特許文献2には、反射材である酸化チタンを、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、有機酸、ポリオール、シリコーン等の有機物等の表面処理剤で表面処理した上で樹脂に含有させることが開示されている。
特開2012−124428号公報 特開2013−032539号公報
しかしながら、特許文献1及び2に記載の部材を使用しても、反射材の流動性が不十分であり、反射材を高充填することが難しい。
そこで、本実施形態は、反射材の流動性を向上し、光取り出し効率の向上を図るパッケージ用の樹脂組成物とその製造方法及び発光装置を提供することを目的とする。
本発明に係る一実施形態の樹脂組成物は、
ポリアミド(A)、下記一般式1で示される亜リン酸型チタネート系カップリング剤(B)で処理された反射材(C)を含む樹脂組成物。
(R'-O)6−a-Ti-[P-(O-R")(OH)3−m] ・・・一般式1
R'は、アルキル基、
aは、1〜6の整数、
R"は、nが1〜30の整数であるCnHn+1で表されるアルキル基、
mは、0〜3の整数、
である。
本発明に係る一実施形態の発光装置は、
前記本発明に係る一実施形態の樹脂組成物からなる樹脂成形部と前記樹脂成形部に埋設されたリード電極とを含むパッケージと、前記リード電極に接続された発光素子とを備える。
本発明に係る一実施形態の樹脂組成物の製造方法は、
下記一般式1で示される亜リン酸型チタネート系カップリング剤(B)により反射材(C)を処理する処理工程と、
(R'-O)6−a-Ti-[P-(O-R")(OH)3−m] ・・・一般式1
R'は、アルキル基
aは、1〜6の整数
R"は、nが1〜30の整数であるCnHn+1で表されるアルキル基
mは、0〜3の整数
ポリアミド(A)と、前記亜リン酸型チタネート系カップリング剤(B)で処理された反射材(C)とを混合する混合工程と、
を含む。
以上の本発明に係る実施形態の樹脂組成物及びその製造方法及び発光装置によれば、光取出し効率の良い発光装置を提供することができる。
本発明に係る実施形態2の発光装置の構成を示す斜視図である。
以下、本発明に係る実施形態の樹脂組成物について説明する。
上述したように、発光装置用パッケージは、光取り出し効率を高くするために、例えば、酸化チタン粒子等の反射材を含有する樹脂を用いて作製される。しかしながら、樹脂に反射材を含有させると樹脂の流動性が悪化するために、表面処理がされた反射材を樹脂に含有させて樹脂の流動性悪化を抑制している。
例えば、亜リン酸型チタネートカップリング剤により表面処理された酸化チタンをポリアミドにより成形されたパッケージを用いて発光装置を作製した場合、光取出し効率が向上した。これに対して、アミン系チタネートカップリング剤、ピロリン酸型チタネートカップリング剤及びカルボン酸型チタネートカップリング剤により表面処理された酸化チタンを含有させたポリアミドにより成形されたパッケージを用いて発光装置を作製した場合、チタネートカップリング剤自体の発光装置作製時に受ける熱変色で、側壁の反射率が低下し、光取出し効率が低下した。
そこで、亜リン酸型チタネートカップリング剤、アミン系チタネートカップリング剤、ピロリン酸型チタネートカップリング剤及びカルボン酸型チタネートカップリング剤の各表面処理剤自体をピペットによりガラスプレートに滴下して乾燥し、320℃の温度で30秒間熱し、目視にて変色具合の確認を行った。
その結果、ジ亜リン酸型チタネートカップリング剤については変色が観測されなかったが、アミン系チタネートカップリング剤、ピロリン酸型チタネートカップリング剤及びカルボン酸型チタネートカップリング剤についてはいずれも変色が確認された。
具体的には、上記変色確認実験において、
亜リン酸型チタネートカップリング剤については、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネートとテトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネートの2種類について確認し、いずれも変色はなかった。
また、アミン系チタネートカップリング剤としては、イソプロピルトリ(N-アミドエチル・アミノエチル)チタネート、
ピロリン酸型チタネートカップリング剤としては、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、
カルボン酸型チタネートカップリング剤としては、イソプロピルトリイソステアロイルチタネートについて確認し、いずれも変色が確認された。
ここで、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネートは、
化学式:(C17−O)−Ti−[P−(O−C1327OH]
で表され、
テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネートは、
化学式:[(CHCH−O]−Ti−[P−(O−C17OH]
で表される。
以下、本発明に係る実施形態の各構成について詳細に説明する。
実施形態1.
実施形態1の樹脂組成物は、例えば、発光装置などの光半導体装置のパッケージの作製に適した樹脂組成物であって、
ポリアミド(A)、下記式1で示される亜リン酸型チタネート系カップリング剤(B)で処理された反射材(C)を含む樹脂組成物である。
(R'-O)6−a−Ti−[P−(O−R")(OH)3−m ・・・一般式1
ここで、式1において、R'は、アルキル基であり、
aは、1〜6の整数であり、
R"は、nが1〜30の整数であるCn+1で表されるアルキル基であり、
mは、0〜3の整数である。
以下、各構成部材について具体的に説明する。
<ポリアミド(A)>
本実施形態1で用いられるポリアミドについては、特に限定はされないが、高融点であり、耐熱性の高いポリアミドを用いることが好ましく、高融点で耐熱性の高いポリアミドとして、半芳香族ポリアミド、半脂環族ポリアミドなどが挙げられる。特に、半芳香族アミド、半脂環族ポリアミドの中でも、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド(PA6T)、ポリノナメチレンテレフタルアミド(PA9T)、ポリデカメチレンテレフタルアミド(PA10T)、ポリヘキサメチレンシクロへキサンジカルボキサミド(PA6C)、ポリノナメチレンシクロへキサンジカルボキサミド(PA9C)、ポリデカメチレンシクロへキサンジカルボキサミド(PA10C)などが特に望ましい。また、上記ポリアミドについては、1種類のポリアミドを単独でも用いてもよいし、2種類以上のポリアミドを併用してもよい。
<チタネートカップリング剤(B)>
本実施形態1で用いられるチタネートカップリング剤は、下記式1で表される亜リン酸型チタネート系カップリング剤である。
(R'-O)6−a−Ti−[P−(O−R")(OH)3−m ・・・式1
ここで、式1において、R'は、イソプロピル基、オクチル基を含むアルキル基であり、イソプロピル基より炭素数の少ないアルキル基であっても良いし、オクチル基より炭素数の大きいアルキル基であってもよい。
また、aは、1〜6の整数である。
また、R"は、nが1〜30の整数であるCn+1で表されるアルキル基であり、nは、好ましくは4〜20の整数であり、より好ましくは6〜18の整数である。
炭素数nが、4〜20のアルキル基としては、具体的には、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基が挙げられ、それぞれ飽和又は不飽和の直鎖状のもの、飽和又は不飽和の分岐鎖状のもの、飽和又は不飽和の環状のものを用いることができる。
mは、0〜3の整数であり、好ましくは、mは2であり、すなわち、実施形態1のチタネートカップリング剤は、好ましくは、ジ亜リン酸型チタネート系カップリング剤である。
カップリング剤としては、1種類のカップリング剤を単独でも用いてもよいし、2種類以上のカップリング剤を併用して用いてもよい。
反射材を表面処理する際のチタネートカップリング剤の使用量は、特に限定されるものではなく適宜設定されるが、例えば、反射材(C)100重量部に対して、
例えば、0.1〜3.0重量部、好ましくは、0.2〜2.0重量部、より好ましくは、0.3〜1.5重量部の範囲に設定される。
反射材を上記カップリング剤で処理する方法は、特に限定されるものではなく、湿式法や乾式法、インテグラルブレンド法などを用いることができる。湿式法とは、予め反射材を溶媒に投入し、スラリーを作成した後、上記チタネートカップリング剤を添加して処理する方法である。乾式法とは、予め無溶媒下で反射材をミキサーなどに投入し、上記チタネートカップリング剤を投入し処理する方法である。インテグラルブレンド法とは、反射材を樹脂に投入するとき同時に上記チタネートカップリング剤を投入する方法である。
<反射材(C)>
本実施形態1で用いられる反射材としては、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化ニオブ、酸化イットリウム、窒化ホウ素、水酸化マグネシウムなどの金属酸化物等の金属化合物が挙げられる。他にも硫化亜鉛、硫化マグネシウムなどの金属硫化物や金属窒化物でもよく、それぞれの屈折率や反射率等の性質を考慮して適宜選択できる。金属化合物は、比較的に化学的に安定であり、酸化、硫化等の化学反応による変色が起こりにくく、発光装置として高い信頼性を得ることができる。また、金属化合物の中でも金属酸化物は、比較的安価であるため、好ましい。
その中でも、酸化チタンは化学的に安定であり、可視光に対して高い光反射性を有するので好ましい。また、酸化チタンとしては、アナターゼ型、ルチル型、単斜晶型等のものいずれも使用でき、結晶形態の異なるものを2種以上併用することもできる。酸化チタンはルチル型が好ましい。ルチル型の酸化チタンは、屈折率が高く、光安定性の良く、アナターゼ型と比べて光触媒としての活性が低いからである。
反射材として酸化チタンは、樹脂成形体組成物全量の0.1重量%〜50重量%含有することが好ましい。より好ましくは0.2重量%〜45重量%である。これにより、発光装置における発光出力を高く維持することができる。酸化チタンの形状についても特に制限はなく、粒子状、繊維状、板状(薄片状、鱗片状、雲母状等を含む)等の各種形状のものをいずれも使用でき、形状の異なるものを2種以上併用することもできる。酸化チタンの大きさは、特に制限されるものではないが、平均粒子径で0.1μm〜0.5μmが好ましい。酸化チタンを用いる場合には、表面処理により光触媒効果が抑制される。
実施形態1の樹脂組成物は、得られる樹脂成形体の機械的強度等の特性を向上させるために、以下の無機鉱物を含んでいても良い。
<無機鉱物(D)>
無機鉱物(D)としては、ガラス繊維やチタン酸カリウム繊維、ワラストナイト、酸化亜鉛繊維、チタン酸ナトリウム繊維、ホウ酸アルミニウム繊維、ホウ酸マグネシウム繊維、酸化マグネシウム繊維、珪酸アルミニウム繊維、窒化珪素繊維、炭素繊維等の無機繊維が挙げられる。その中でも、隠ぺい力からチタン酸カリウム繊維、ワラストナイト群から選ばれる1種ないし2種以上を使用するのが望ましい
チタン酸カリウム繊維としては、種々のチタン酸カリウム繊維を用いることができるが、例えば、4チタン酸カリウム繊維、6チタン酸カリウム繊維、8チタン酸カリウム繊維等を使用することができる。チタン酸カリウム繊維の寸法は特に制限はないが、通常、平均繊維径0.01μm〜1μm、好ましくは0.1μm〜0.5μm、平均繊維長1μm〜50μm、好ましくは3μm〜30μmである。ワラストナイトは、メタケイ酸カルシウムからなる無機繊維である。ワラストナイトの寸法も特に制限はないが、通常、平均繊維径0.1μm〜15μm、好ましくは2.0μm〜7.0μm、平均繊維長3μm〜100μm、好ましくは20μm〜50μm、平均アスペクト比3以上、好ましくは3〜50、より好ましくは5〜30である。
得られる樹脂成形体の機械的強度等の特性をより一層向上させるために、チタン酸カリウム繊維及びワラストナイトに表面処理を施してもよい。表面処理は公知の方法に従い、シランカップリング剤、チタンカップリング剤等を用いてもよい。チタン酸カリウム繊維及び/またはワラストナイトの配合量は、通常、樹脂成形体組成物全量の5重量%〜70重量%、好ましくは10重量%〜70重量%(樹脂成分30〜90重量%)とするのがよい。
実施形態1の樹脂組成物は、得られる樹脂成形体の変色を防止し、光反射率の低下を防ぐために、以下の添加剤を含んでいても良い。
<添加剤(E)>
実施形態1の樹脂組成物は、光半導体装置用のパッケージとして用いられた際の、変色を防止し、光反射率の低下を防ぐために、例えば、ヒンダードフェノール系化合物、ヒンダード系アミン化合物、リン系化合物、硫黄系化合物を含有することができる。その他更に本発明の樹脂組成物には、その好ましい物性を損なわない範囲で、従来から合成樹脂用に用いられている各種添加剤の1種又は2種以上を配合することができる。添加剤としては、例えば、タルク、シリカ、酸化亜鉛(テトラポット形状のものを含む)等の無機充填材、難燃剤、可塑剤、核剤、染料、顔料、離型剤、紫外線吸収剤等を挙げられる。
実施形態1の樹脂組成物の製造方法は、上記式1で与えられる亜リン酸型チタネート系カップリング剤(B)により反射材(C)を処理する処理工程と、
ポリアミド(A)と、亜リン酸型チタネート系カップリング剤(B)で処理された反射材(C)とを混合する混合工程と、
を含む。
ここで、反射材(C)を処理する処理工程において、100重量部の反射材(C)を0.1重量部〜10重量部の亜リン酸型チタネート系カップリング剤(B)で処理することが好ましく、100重量部の反射材(C)を0.3重量部〜1.5重量部の亜リン酸型チタネート系カップリング剤(B)で処理することがより好ましい。
以上のように構成された実施形態1の樹脂組成物は、亜リン酸型チタネート系カップリング剤(B)により表面処理された反射材(C)を含んでいるので、流動性悪化を抑制できる為、その結果薄い側壁を有するパッケージを容易に成形することができ、発光装置作成時に受ける熱による変色で、側壁の反射率が低下することもない。
実施形態2.
本発明に係る実施形態2の発光装置は、実施形態1の樹脂組成物を用いて成形されたパッケージを備えた発光装置である。図1は、本発明に係る実施形態2の発光装置の構成を示す斜視図である。
実施形態2の発光装置100は、(1)発光素子10と、(2)底面20aと側壁20bとを持つ凹部60を有し、実施形態1の樹脂組成物を用いて成形されたパッケージ20と、(3)パッケージ20と一体成形されるリード電極30と、(4)発光素子10を被覆する封止部材40と、を備えている。
発光装置100において、発光素子10はパッケージ20の凹部60の底面20aに露出したリード電極30の上に載置されている。発光素子10が持つ電極と、底面20aに露出したリード電極30とは、導電性ワイヤによって電気的に接続されている。さらに発光装置100からの色調を変えるため、封止部材40には蛍光物質50を含有することもできる。パッケージ20は、実施形態1で説明したように、ポリアミド、反射材、無機繊維などを含んで構成されている。封止樹脂40の材料はシリコーンである。
以下、実施形態2の各構成部材について説明する。
<発光素子10>
発光素子10は、例えば、基板上に発光層を含む半導体積層構造を備えている。半導体積層構造は、例えば、基板上に、GaAlN、InGaN、GaN、AlInGaN、ZnS、ZnSe、SiC、GaP、GaAlAs、AlN、InN、AlInGaP等の半導体を成長させることにより形成することができる。これらの半導体の中でも、GaAlN、InGaN、GaN、AlInGaNなどの窒化物系化合物半導体を用いることにより、近紫外域又は可視光の短波長領域(360nm〜550nm)に発光ピーク波長を有する光強度の高い発光素子を作製することができる。なお、可視光の長波長領域(551nm〜780nm)に発光ピーク波長を有する発光素子も用いることもできる。
発光装置100は、複数の発光素子10を含んでいても良い。複数の発光素子10の組み合わせによって、高い演色性を有する白色光の発光が可能な発光装置100を提供することができる。白色光を発光するための発光素子10の組み合わせは、例えば、緑色系が発光可能な発光素子10を2個、青色系及び赤色色系が発光可能な発光素子10をそれぞれ1個の組み合わせである。
また、例えば、フルカラー表示用の発光装置を構成する場合、例えば、発光波長が610nmから700nmである赤色系の発光素子、発光波長が495nmから565nmである緑色系の発光素子、発光波長が430nmから490nmである青色系の発光素子を併用する。発光装置100において、発光素子の光と蛍光体の光の混色により白色光を発光させる場合は、発光素子10と蛍光物質50との発光波長における補色関係を考慮して発光素子のピーク波長の設定及び蛍光体の選定を行う。この場合、発光素子10の光出力による封止部材40の劣化等をさらに考慮すると、発光素子10の発光波長は400nm以上530nm以下が好ましく、420nm以上490nm以下がより好ましい。発光素子10と蛍光物質50との励起効率、発光効率をそれぞれより向上させるためには、450nm以上475nm以下がさらに好ましい。
<パッケージ20>
パッケージ20は、底面20aと側面20bにより規定される凹部60を有する。実施形態1で説明したように、パッケージ20に含まれる反射材を亜リン酸型チタネートカップリング剤で表面処理することで、発光装置作製時の熱によって変色することなく、パッケージ樹脂の粘度を低く抑えつつ反射材を高充填できる。その結果、反射材が高充填された樹脂組成物を用いて、例えば、200μm以下、さらには100μm以下の薄い側壁20bを有するパッケージであっても成形することができる。このような薄い側壁であっても、側壁における光反射率を高くできるので、側壁からの光の漏れを低減でき、光の取出し効率が高い発光装置が提供できる。また、パッケージ20は、凹部60の開口している側から観察して、長手方向と短手方向とを有する形態である。このとき、凹部60の側壁20bのうち、長手方向に沿って形成された側壁20bの厚さを薄くすると、凹部60の寸法を変えずにパッケージの短手方向の外形寸法を小さくすることができるので、同じ発光素子10を使用して、厚みの薄い発光装置100を提供することができる。このように薄型の発光装置100は、サイドビューとして用いるのに好適である。
<封止部材40>
封止部材40の材料は、特に限定されるものではないが、例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂等の透光性樹脂を用いることができる。また、ガラス等の無機材料を用いることも可能である。
<蛍光物質50>
蛍光物質50は、発光素子10からの光を吸収し異なる波長の光を発する。具体的には、例えば、アルミニウムガーネット系蛍光体、Eu、Ce等のランタノイド系元素で主に賦活される窒化物系蛍光体・酸窒化物系蛍光体・サイアロン系蛍光体、Eu等のランタノイド系、Mn等の遷移金属系の元素により主に付活されるアルカリ土類ハロゲンアパタイト蛍光体、アルカリ土類金属ホウ酸ハロゲン蛍光体、アルカリ土類金属アルミン酸塩蛍光体、アルカリ土類ケイ酸塩、アルカリ土類硫化物、アルカリ土類チオガレート、アルカリ土類窒化ケイ素、ゲルマン酸塩、又は、Ce等のランタノイド系元素で主に付活される希土類アルミン酸塩、希土類ケイ酸塩又はEu等のランタノイド系元素で主に賦活される有機及び有機錯体等から選ばれる少なくともいずれか1又は2以上である。
以上のように構成された実施形態2の発光装置は、亜リン酸型チタネートカップリング剤(B))により表面処理された反射材(C)を多く含むパッケージを備えているため、光取出し効率が向上している。
以下、本発明に係る実施例について説明する。ただし、本発明は下記の実施例に制限されるものではない
実施例1〜5として、表1に示す組成の樹脂組成物を作製した。
Figure 0006680132
表1に示すように、実施例1〜5の樹脂組成物は、チタネートカップリング剤により表面処理した酸化チタンを含んでいる点で、表面処理していない酸化チタンを含む比較例1〜2の樹脂組成物とは異なっている。
ここで、チタネートカップリング剤の種類について、B1は、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネートであり、単に、チタネートカップリング剤(B1)ともいう。また、B2は、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネートであり、単に、チタネートカップリング剤(B2)ともいう。
尚、実施例において、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネートは、味の素ファインテクノ(株)製の商品名:プレンアクト41Bを使用し、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネートは、味の素ファインテクノ(株)製の商品名:プレンアクト46Bを使用した。
また、実施例1〜5及び比較例1〜2において、表面処理剤以外は以下のものを使用した。
ポリアミド(A):ポリノナメチレンテレフタルアミド(-[-CO-C6H4-CONH-(C9H18)-NH-]-)、
反射材(C):酸化チタン(石原産業(株)の商品名:CR-90)
繊維状鉱物(D):ワラストナイト(キンセイマテック(株)製の商品名:SH-1800)
添加剤(E):ヒンダードフェノール系化合物(BASF社製の商品名:イルガノックス1098(登録商標))
また、リン系化合物として、大道製薬(株)製のジ亜リン酸カルシウムを使用し、ヒンダードアミン化合物として、クラリアントジャパン(株)製のナイロスタブ(Nylostab) S-EED(登録商標)を使用した。
反射材の処理方法
表1に示す所定量の二酸化チタンに、表面処理剤の加水分解に必要な理論水量の2倍のNH水を添加し、混合行い、チタネートカップリング剤を二酸化チタン重量比で表1に示す値になるように所定量秤量し、同量のイソプロピルアルコールで希釈した後、二酸化チタンに添加し、混合を行った。混合終了後.乾燥機にて乾燥し、表面処理が施された二酸化チタンを得た。
樹脂組成物の作製
上記の方法で処理した反射材(C)、ポリアミド(A)、無機繊維(D)、添加剤(E)を表1に示す割合になるように秤量して乾式混合した。乾式混合後、2軸押し出し混練り機を用いて320℃にて溶融混練を行うことにより、樹脂組成物を作製した。
樹脂の流動性評価
樹脂の流動性評価は、MFR(メルトフロレート)にて実施した。
測定方法としては、JIS K 7210に準拠して行い、測定条件は320℃、荷重0.65gfにて実施した。評価結果として示す値は、表面処理されていない酸化チタンを35重量部含有する比較例1の樹脂組成物のMFR(g/10min)を100としたときの相対値にて示した。
ポリアミド49重量部に対して、酸化チタンを40重量部含有させた実施例1〜4及び比較例2の樹脂組成物の流動性を対比すると以下のことがわかる。
実施例1〜3の樹脂組成物は、表1に示すようにチタネートカップリング剤(B1)で表面処理された酸化チタンを含むものであり、表面処理されていない酸化チタンを樹脂に対して同じ割合で含む比較例2の樹脂組成物に比較するといずれも流動性は良好である。この結果から、チタネートカップリング剤(B1)により酸化チタンを表面処理して樹脂に含有させると、樹脂の流動性が改善されることがわかる。
また、実施例2、3の樹脂組成物はそれぞれ、酸化チタン100重量部に対して、0.3重量部、0.5重量部のチタネートカップリング剤(B1)で表面処理された酸化チタンを用いたものであり、酸化チタン100重量部に対して、0.1重量部のチタネートカップリング剤(B1)で表面処理された酸化チタンを用いた実施例1の樹脂組成物より、流動性が良好である。この結果から、酸化チタン100重量部に対して、0.1重量部より多いチタネートカップリング剤(B1)で表面処理された酸化チタンを用いることが好ましいことがわかる。
さらに、実施例4の樹脂組成物は、表1に示すようにチタネートカップリング剤(B2)で表面処理された酸化チタンを含むものであり、表面処理されていない酸化チタンを樹脂に対して同じ割合で含む比較例2の樹脂組成物に比較するといずれも流動性は良好である。その結果からチタネートカップリング剤(B2)により酸化チタンを表面処理して樹脂に含有させると、樹脂の流動性が改善されることがわかる。
また、実施例5の樹脂組成物は、酸化チタンの含有量が多いにも拘わらず、酸化チタン100重量部に対して、1.5重量部のチタネートカップリング剤(B1)で表面処理された酸化チタンを用いていることから、流動性は他の実施例より良好である。
実施例6〜9として、実施例2〜5の樹脂組成物を射出成形して作製したパッケージを用いて発光装置を作製して出射される全光束を評価した。その結果を表2に示す。ここで、実施例6〜9の発光装置では、約450nmに発光ピーク波長を持つ窒化物半導体層を有する発光素子10と、底面20aと側壁20bとを持つ凹部60を有し、実施形態2の樹脂組成物を用いて成形されたパッケージ20は作成される。パッケージ20はNSSW304D(日亜化学工業株式会社製)を使用する。パッケージ20とリード電極30とは一体成形され、リード電極30は銅を母材とし、表面に銀がメッキされている。封止部材40としてフェニルシリコーン樹脂(型番OE6630:東レ・ダウコーニング株式会社製)を使用する。
Figure 0006680132
各発光装置の全光束評価は、積分式全光束測定機にて実施し、比較例3の全光束を100としたときの全光束比にて示した。
尚、比較例3の発光装置は、比較例1の樹脂組成物を用いた以外は実施例6〜9と同様にして作製した。
表2に示すように、実施例6〜9の発光装置は、比較例の発光装置より全光束が大きいことが確認できた。
10 発光素子
20 パッケージ
20a 底面
20b 側壁
30 リード電極
40 封止部材
60 凹部
100 発光装置

Claims (13)

  1. ポリアミド(A)、下記一般式1で示される亜リン酸型チタネート系カップリング剤(B)で処理された反射材(C)を含み、
    前記反射材(C)は酸化チタンを含む樹脂組成物。
    (R'-O)6−a-Ti-[P-(O-R")(OH)3−m] ・・・一般式1
    R'は、アルキル基
    aは、1〜6の整数
    R"は、nが1〜30の整数であるCnHn+1で表されるアルキル基
    mは、0〜3の整数
  2. 前記反射材(C)は、金属化合物を含む請求項1記載の樹脂組成物。
  3. 前記反射材(C)は、酸化チタンを除く金属酸化物を更に含む請求項1記載の樹脂組成物。
  4. 前記反射材(C)は、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、化ジルコニウム、酸化ニオブ、チタン酸バリウム、水酸化マグネシウム及び酸化イットリウム、窒化ホウ素、水酸化マグネシウムからなる群から選択された1つを含む請求項1記載の樹脂組成物。
  5. aは2である請求項1〜4のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
  6. nは、4〜20の整数である請求項1〜5のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
  7. mは、2である請求項1〜6のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
  8. 繊維状鉱物(D)を含有する請求項1〜7のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
  9. 繊維状鉱物(D)は、ガラス繊維、チタン酸カリウム繊維、ワラストナイト、酸化亜鉛繊維、チタン酸ナトリウム繊維、ホウ酸アルミニウム繊維、ホウ酸マグネシウム繊維、酸化マグネシウム繊維、珪酸アルミニウム繊維、窒化珪素繊維及び炭素繊維からなる群から選択された1つを含む請求項8に記載の樹脂組成物。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載された樹脂組成物からなる樹脂成形部と前記樹脂成形部に埋設されたリード電極とを含むパッケージと、前記リード電極に接続された発光素子とを備えた発光装置。
  11. 前記パッケージは前記発光素子を収納する凹部を有し、前記凹部を囲む前記樹脂成形部の側壁の最小厚さが200μm以下である請求項10記載の発光装置。
  12. 下記一般式1で示される亜リン酸型チタネート系カップリング剤(B)により反射材(C)を処理する処理工程と、
    (R'-O)6−a-Ti-[P-(O-R")(OH)3−m] ・・・一般式1
    R'は、アルキル基
    aは、1〜6の整数
    R"は、nが1〜30の整数であるCnHn+1で表されるアルキル基
    mは、0〜3の整数
    ポリアミド(A)と、前記亜リン酸型チタネート系カップリング剤(B)で処理された反射材(C)とを混合する混合工程と、
    を含み、
    前記反射材(C)は酸化チタンを含む樹脂組成物の製造方法。
  13. 前記処理工程において、100重量部の反射材(C)を0.1〜10重量部の前記亜リン酸型チタネート系カップリング剤(B)で処理する請求項12に記載の樹脂組成物の製造方法。
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