JP6730003B2 - 難燃性ウレタン樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、難燃性ウレタン樹脂組成物に関する。
住宅、各種施設、商業ビル等の建築物のコンクリートの断熱層として、硬質ポリウレタンフォームが用いられており、このような硬質ポリウレタンフォームに要求される性能の一つとして、火災による建築物の延焼を防止するために耐火性が求められている。
硬質ポリウレタンフォームを構成するポリウレタン樹脂組成物としては、ハロゲン系難燃剤は火災時に有毒なガスを多量に発生するため、ハロゲン系難燃剤を配合しないノンハロゲン処方の難燃樹脂組成物が使用されるようになってきている。
特許文献1は、難燃剤として赤リンを含む難燃性ポリウレタンフォームの製造法について記載している。特許文献2は、難燃剤として金属水酸化物を含むノンハロゲン難燃樹脂組成物について記載している。
特表2012−532237 特開2006−8940
しかしながら、特許文献1のように、難燃剤として赤リンを用いた場合、多量の赤リンを添加しなければ難燃性を発現しない上、含有量が多量過ぎると赤リン自体が可燃性であるため、ポリウレタン樹脂組成物の難燃性が損なわれるという問題がある。
また、難燃剤として金属水酸化物を用いた場合も、多量の金属水酸化物を添加しなければ難燃性を発現しない。
本発明の目的は、難燃性および取り扱い性に優れた難燃性ウレタン樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは、ポリイソシアネート、ポリオール、三量化触媒、発泡剤、整泡剤、および添加剤を含む難燃性ウレタン組成物において、添加剤として、特定の割合で赤リンと金属水酸化物を初めとする水分放出物質とを組み合わせて含有することにより、添加剤の合計量が少なくても難燃性の相乗効果が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
項1.ポリイソシアネート化合物、ポリオール化合物、三量化触媒、発泡剤、整泡剤および添加剤を含み、前記ポリイソシアネート化合物と前記ポリオール化合物からなるウレタン樹脂100重量部に対して、前記三量化触媒が0.1〜10重量部であり、前記添加剤が赤リン3.5〜20重量部と、水分放出物質4〜30重量部とを含むことを特徴とする難燃性ウレタン樹脂組成物。
項2.水分放出物質の、熱重量分析により測定した200〜500℃の範囲における重量減少率が15%以上であることを特徴とする項1に記載の難燃性ウレタン樹脂組成物。
本発明によれば、少量の難燃剤の添加で難燃性を発現でき、かつ取り扱いに優れた難燃性ウレタン樹脂組成物を提供することにある。
本発明の実施例で用いた水分放出物質の熱重量分析(TG)および示差熱分析(DTA)のグラフ。
以下、本発明に係る難燃性ウレタン組成物について説明する。
本発明の難燃性ウレタン樹脂組成物は、ポリイソシアネート化合物、ポリオール化合物、三量化触媒、発泡剤、整泡剤および添加剤を含み、ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物からなるウレタン樹脂100重量部に対して、三量化触媒が0.1〜10重量部であり、添加剤が赤リン3.5〜20重量部と、水分放出物質4〜30重量部とを含むことを特徴とする。
ポリイソシアネート化合物
ウレタン樹脂の主剤であるポリイソシアネート化合物としては、例えば、芳香族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート等が挙げられる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ジメチルジフェニルメタンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート等が挙げられる。
脂環族ポリイソシアネートとしては、例えば、シクロへキシレンジイソシアネート、メチルシクロへキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロへキシルメタンジイソシアネート、ジメチルジシクロへキシルメタンジイソシアネート等が挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、メチレンジイソシアネート、エチレンジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
ポリイソシアネートは一種もしくは二種以上を使用することができる。ウレタン樹脂の主剤は、使い易いこと、入手し易いこと等の理由から、ジフェニルメタンジイソシアネートが好ましい。
ポリオール化合物
ウレタン樹脂の硬化剤であるポリオール化合物としては、例えばポリラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオール、芳香族ポリオール、脂環族ポリオール、脂肪族ポリオール、ポリエステルポリオール、ポリマーポリオール、ポリエーテルポリオール等が挙げられる。
ポリラクトンポリオールとしては、例えば、ポリプロピオラクトングリコール、ポリカプロラクトングリコール、ポリバレロラクトングリコールなどが挙げられる。
ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ノナンジオールなどの水酸基含有化合物と、ジエチレンカーボネート、ジプロピレンカーボネートなどとの脱アルコール反応により得られるポリオール等が挙げられる。
芳香族ポリオールとしては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等が挙げられる。
脂環族ポリオールとしては、例えばシクロヘキサンジオール、メチルシクロヘキサンジオール、イソホロンジオール、ジシクロへキシルメタンジオール、ジメチルジシクロへキシルメタンジオール等が挙げられる。
脂肪族ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール等が挙げられる。
ポリエステルポリオールとしては、例えば、多塩基酸と多価アルコールとを脱水縮合して得られる重合体、ε−カプロラクトン、α−メチル−ε−カプロラクトン等のラクトンを開環重合して得られる重合体、ヒドロキシカルボン酸と上記多価アルコール等との縮合物が挙げられる。
ここで多塩基酸としては、具体的には、例えば、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、コハク酸等が挙げられる。また多価アルコールとしては、具体的には、例えば、ビスフェノールA、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、1,6−ヘキサングリコール、ネオペンチルグリコール等が挙げられる。
またヒドロキシカルボン酸としては、具体的には、例えば、ひまし油、ひまし油とエチレングリコールの反応生成物等が挙げられる。
ポリマーポリオールとしては、例えば、芳香族ポリオール、脂環族ポリオール、脂肪族ポリオール、ポリエステルポリオール等に対し、アクリロニトリル、スチレン、メチルアクリレート、メタクリレート等のエチレン性不飽和化合物をグラフト重合させた重合体、ポリブタジエンポリオール、多価アルコールの変性ポリオールまたは、これらの水素添加物等が挙げられる。
多価アルコールの変性ポリオールとしては、例えば、原料の多価アルコールにアルキレンオキサイドを反応させて変性したもの等が挙げられる。
多価アルコールとしては、例えば、グリセリンおよびトリメチロールプロパン等の三価アルコール;ペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、ソルビタン、ジグリセリン、ジペンタエリスリトール等、ショ糖、グルコース、マンノース、フルクト−ス、メチルグルコシドおよびその誘導体等の四〜八価のアルコール;フェノール、フロログルシン、クレゾール、ピロガロール、カテコ−ル、ヒドロキノン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、1−ヒドロキシナフタレン、1,3,6,8−テトラヒドロキシナフタレン、アントロール、1,4,5,8−テトラヒドロキシアントラセン、1−ヒドロキシピレン等のフェノールポリブタジエンポリオール;ひまし油ポリオール;ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの(共)重合体およびポリビニルアルコール等の多官能(例えば官能基数2〜100)ポリオール、フェノールとホルムアルデヒドとの縮合物(ノボラック)が挙げられる。
多価アルコールの変性方法は特に限定されないが、アルキレンオキサイド(以下、AOと略す)を付加させる方法が好適に用いられる。
AOとしては、炭素数2〜6のAO、例えば、エチレンオキサイド(以下、EOと略す)、1,2−プロピレンオキサイド(以下、POと略す)、1,3−プロピレオキサイド、1,2−ブチレンオキサイド、1,4−ブチレンオキサイド等が挙げられる。
これらの中でも性状や反応性の観点から、PO、EOおよび1,2−ブチレンオキサイドが好ましく、POおよびEOがより好ましい。AOを二種以上使用する場合(例えば、POおよびEO)の付加方法としては、ブロック付加であってもランダム付加であってもよく、これらの併用であってもよい。
ポリエーテルポリオ−ルとしては、例えば、活性水素を2個以上有する低分子量活性水素化合物等の少なくとも一種の存在下に、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、テトラヒドロフラン等のアルキレンオキサイドの少なくとも1種を開環重合させて得られる重合体が挙げられる。
活性水素を2個以上有する低分子量活性水素化合物としては、例えば、ビスフェノールA、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオ−ル等のジオール類、グリセリン、トリメチロールプロパン等のトリオール類、エチレンジアミン、ブチレンジアミン等のアミン類等が挙げられる。
本発明に使用するポリオールは、燃焼した際の総発熱量の低減効果が大きいことからポリエステルポリオール、またはポリエーテルポリオールを使用することが好ましい。
その中でも分子量200〜800のポリエステルポリオールを用いることがより好ましく、分子量300〜500のポリエステルポリオールを用いることがさらに好ましい。
またイソシアネートインデックスは、ポリオールの水酸基に対するポリイソシアネートのイソシアネート基の当量比を百分率で表したものであるが、その値が100を超えるということはイソシアネート基が水酸基より過剰であることを意味する。
本発明に使用するウレタン樹脂のイソシアネートインデックスの範囲は、120〜1000の範囲であることが好ましく、200〜800の範囲であればより好ましく、300〜600の範囲であればさらに好ましい。
三量化触媒
三量化触媒は、ポリウレタン樹脂の主剤であるポリイソシアネートに含まれるイソシアネート基を反応させて三量化させ、イソシアヌレート環の生成を促進する。
イソシアヌレート環の生成を促進するために、例えば、三量化触媒として、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4−ビス(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス(ジアルキルアミノアルキル)ヘキサヒドロ−S−トリアジン等の窒素含有芳香族化合物;酢酸カリウム、2−エチルヘキサン酸カリウム等のカルボン酸アルカリ金属塩;トリメチルアンモニウム塩、トリエチルアンモニウム塩、トリフェニルアンモニウム塩等の3級アンモニウム塩;テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム、テトラフェニルアンモニウム塩等の4級アンモニウム塩等を使用することができる。
難燃性ウレタン組成物に使用される三量化触媒の添加量はウレタン樹脂100重量部に対して、通常0.1重量部〜10重量部の範囲であり、0.6重量部〜10重量部の範囲であることが好ましく、0.6重量部〜8重量部の範囲であることがより好ましく、0.6重量部〜6重量部の範囲であることが更に好ましく、0.6重量部〜3.0重量部の範囲であることが最も好ましい。0.1重量部以上の場合にイソシアネートの三量化が阻害される不具合が生じず、10重量部以下の場合は適切な発泡速度を維持することができ、取り扱性に優れている。
発泡剤
難燃性ウレタン組成物に使用される発泡剤は、ウレタン樹脂の発泡を促進する。
発泡剤の具体例としては、例えば、水、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン等の低沸点の炭化水素、ジクロロエタン、プロピルクロリド、イソプロピルクロリド、ブチルクロリド、イソブチルクロリド、ペンチルクロリド、イソペンチルクロリド等の塩素化脂肪族炭化水素化合物、トリクロルモノフルオロメタン、トリクロルトリフルオロエタン等のフッ素化合物、CHF3、CH22、CH3F等のハイドロフルオロカーボン、ジクロロモノフルオロエタン、(例えば、HCFC141b (1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン)、HCFC22 (クロロジフルオロメタン)、HCFC142b(1−クロロ−1,1−ジフルオロエタン))、HFC−245fa(1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン)、HFC−365mfc(1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン)等のハイドロクロロフルオロカーボン化合物、ジイソプロピルエーテル等のエーテル化合物、あるいはこれらの化合物の混合物等の有機系物理発泡剤、窒素ガス、酸素ガス、アルゴンガス、二酸化炭素ガス等の無機系物理発泡剤等が挙げられる。
発泡剤の範囲は、ウレタン樹脂100重量部に対して、0.1重量部〜30重量部の範囲であることが好ましい。発泡剤は、ウレタン樹脂100重量部に対して、0.1重量部〜18重量部の範囲であることがより好ましく、0.5重量部〜18重量部の範囲であることが更に好ましく、1重量部〜10重量部の範囲であることが最も好ましい。
水の範囲が0.1重量部以上の場合は発泡が促進され、得られる成形品の密度を低減することができ、30重量部以下の場合は、発泡体が発泡せず発泡体が形成されないことを防ぐことができる。
整泡剤
整泡剤としては、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル等のポリオキシアルキレン整泡剤、オルガノポリシロキサン等のシリコーン整泡剤等の界面活性剤等が挙げられる。
化学反応により硬化するウレタン樹脂に対する整泡剤の使用量は、使用する化学反応により硬化するウレタン樹脂により適宜設定されるが、一例を示すとすれば、例えば、ウレタン樹脂100重量部に対して、0.1重量部〜10重量部の範囲であれば好ましい。
触媒、発泡剤および整泡剤はそれぞれ一種もしくは二種以上を使用することができる。
添加剤
添加剤は、赤リンと、水分放出物質とを含む。水分放出物質とは、含水無機物であって、当該物質自体が燃焼することにより水を放出する物質を指す。
赤リンの含有量は通常、ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物からなるウレタン樹脂100重量部に対して赤リン3.5〜20重量部であり、好ましくは3.5〜15重量部、より好ましくは4〜10重量部、更に好ましくは6〜10重量部である。重量部赤リンが3重量部未満であると、難燃性ウレタン樹脂組成物の難燃性が不十分となり、赤リンが20重量部を超えると、赤リン自体が可燃性であるため、やはり難燃性が損なわれる。
水分放出物質の含有量は通常、ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物からなるウレタン樹脂100重量部に対して4〜30重量部であり、好ましくは4〜25重量部、より好ましくは4〜15重量部、更に好ましくは4〜8重量部である。水分放出物質は、難燃性ウレタン樹脂組成物に難燃性を付与するとともに、着火性および変形を防止するよう作用する。
添加剤の合計の範囲が、ウレタン樹脂100重量部に対して7重量部以上の場合には難燃性ウレタン樹脂組成物からなる成形品が火災の熱により形成される緻密残渣が割れることを防止でき、50重量部以下の場合には難燃性ウレタン樹脂組成物の発泡が阻害されない。
水分放出物質を難燃剤として単独使用した場合には難燃性ウレタン樹脂組成物の十分な難燃性を示すことができず、赤リンと上記の割合で組み合わせたときに、それぞれを単独で用いた場合よりも少量でも十分な難燃性の相乗効果を奏する。この相乗効果の理論については必ずしも明確ではなく、また発明を限定することは意図しないが、ウレタン樹脂の燃焼により生じた水と、赤リンと、空気中の酸素とが反応するとポリリン酸が生じ、これが樹脂の表面に膜を形成することで難燃性を付与すると考えられており、これに水分放出物質を加えることにより燃焼中に水分がさらに放出されて当該膜を生成する最適な条件が現れるものと推察され、これは本発明者らの予想外の知見である。
また、難燃性ウレタン樹脂組成物における赤リンと水分放出物質の重量比は1:10〜5:1、好ましくは3:1〜1:3である。この範囲では難燃性ウレタン樹脂組成物は優れた難燃性を示す。
水分放出物質の例としては、無機系難燃剤、例えば水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の金属水酸化物;水和珪酸アルミニウム、水和珪酸マグネシウム等の結晶水を有する金属化合物;カオリンクレー、ハイドロタルサイト等の粘土鉱物等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。水分放出物質は、一種もしくは二種以上を使用することができる。
特には、金属水酸化物が本発明の効果を得る上で優れており、中でも3価金属の水酸化物およびアルカリ土類金属水酸化物、特には水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム及び水酸化カルシウムが好ましい。
水分放出物質は、熱重量分析により測定した200〜500℃、より好ましくは200〜400℃、更に好ましくは200〜350℃の温度範囲の重量減少率が15%以上、より好ましくは20%以上であり、これにより、難燃性ウレタン樹脂組成物の燃焼時の膜形成が促進されると考えられる。
添加剤はさらに、リン酸エステル、リン酸塩含有難燃剤、および臭素含有難燃剤から選ばれる少なくとも1つを含んでいてもよい。
リン酸エステルは特に限定されないが、モノリン酸エステル、縮合リン酸エステル等を使用することが好ましい。リン酸エステルは一種もしくは二種以上を使用することができる。
リン酸塩含有難燃剤はリン酸を含むものである。リン酸塩含有難燃剤に使用されるリン酸は特に限定はないが、モノリン酸、ピロリン酸、ポリリン酸、およびそれらの組み合わせ等の各種リン酸が挙げられる。
リン酸塩含有難燃剤としては、例えば、各種リン酸と周期律表IA族〜IVB族の金属、アンモニア、脂肪族アミン、芳香族アミンから選ばれる少なくとも一種の金属または化合物との塩からなるリン酸塩を挙げることができる。周期律表IA族〜IVB族の金属として、リチウム、ナトリウム、カルシウム、バリウム、鉄(II)、鉄(III)、アルミニウム等が挙げられる。リン酸塩含有難燃剤は一種もしくは二種以上を使用することができる。
臭素含有難燃剤としては、分子構造中に臭素を含有する化合物であれば特に限定はないが、例えば、芳香族臭素化化合物等を挙げることができる。臭素含有難燃剤は一種もしくは二種以上を使用することができる。
その他の成分
難燃性ウレタン組成物は、上記の三量化触媒以外の触媒をさらに含んでもよく、そのような触媒としては、例えば、トリエチルアミン、N−メチルモルホリンビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、N,N,N’,N”, N”−ペンタメチルジエチレントリアミン、N, N, N’−トリメチルアミノエチル−エタノールアミン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、N−メチル, N’−ジメチルアミノエチルピペラジン、イミダゾール環中の第2級アミン官能基をシアノエチル基で置換したイミダゾール化合物等の窒素原子含有触媒等が挙げられる。
かかる触媒の添加量は、三量化触媒と三量化触媒以外の触媒の合計量で、ウレタン樹脂100重量部に対して、0.6重量部〜10重量部の範囲であることが好ましく、0.6重量部〜8部の範囲であることがより好ましく、0.6重量部〜6重量部の範囲であることが更に好ましく、0.6重量部〜3.0重量部の範囲であることが最も好ましい。
0.6重量部以上の場合はウレタン結合の形成が阻害される不具合が生じず、10重量部以下の場合は適切な発泡速度を維持することができ、取扱いやすい。
難燃性ウレタン組成物は、さらに無機充填材を含んでもよい。無機充填材としては、特に限定はないが、例えば、シリカ、珪藻土、アルミナ、ろう石、石英、大理石、ポートランドセメント、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化錫、酸化アンチモン、フェライト類、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸バリウム、ド−ソナイト、ハイドロタルサイト、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、石膏繊維、ケイ酸カルシウム等のカリウム塩、タルク、クレー、マイカ、モンモリロナイト、ベントナイト、カオリナイト、活性炭、カーボンブラック、活性白土、セピオライト、イモゴライト、セリサイト、ガラス繊維、ガラスビーズ、シリカパルン、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維、炭素パルン、木炭粉末、各種金属粉、チタン酸カリウム、硫酸マグネシウム、チタン酸ジルコン酸鉛、アルミニウムポレート、天然・合成マイカ、ガラスビーズ、セリサイト、硫化鉱、硫化焼鉱、硫化モリブデン、炭化ケイ素、ステンレス繊維、各種磁性粉、スラグ繊維、フライアッシュ、シリカアルミナ繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、ジルコニア繊維等が挙げられる。
無機充填材は、一種もしくは二種以上を使用することができる。
難燃性ウレタン組成物は、それぞれ本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて、フェノール系、アミン系、イオウ系等の酸化防止剤、熱安定剤、金属害防止剤、帯電防止剤、安定剤、架橋剤、滑剤、軟化剤、顔料、粘着付与樹脂等の補助成分、ポリブテン、石油樹脂等の粘着付与剤を含むことができる。
難燃性ウレタン樹脂組成物および難燃性ポリウレタン発泡体
上記の成分は混合されて難燃性ウレタン樹脂組成物は反応して硬化するため、その粘度は時間の経過と共に変化する。そこで難燃性ウレタン樹脂組成物を使用する前は、難燃性ウレタン樹脂組成物を二以上に分割して、難燃性ウレタン樹脂組成物が反応して硬化することを防止しておく。そして難燃性ウレタン樹脂組成物を使用する際に、二以上に分割しておいた難燃性ウレタン樹脂組成物を一つにまとめることにより、難燃性ウレタン樹脂組成物が得られる。
なお難燃性ウレタン樹脂組成物を二以上に分割するときは、二以上に分割された難燃性ウレタン樹脂組成物のそれぞれの成分単独は硬化が始まらず、難燃性ウレタン樹脂組成物のそれぞれの成分を混合した後に硬化反応が始まるようにそれぞれの成分を分割すればよい。
次に前記難燃性ウレタン樹脂組成物の製造方法について説明する。前記難燃性ウレタン樹脂組成物の製造方法に特に限定はないが、例えば、前記難燃性ウレタン樹脂組成物の各成分を混合する方法、前記難燃性ウレタン樹脂組成物を有機溶媒に懸濁させたり、加温して溶融させたりして塗料状とする方法、溶媒に分散してスラリーを調製する等の方法、また前記難燃性ウレタン樹脂組成物に含まれる反応硬化性樹脂成分に常温(25℃)において固体である成分が含まれる場合には、前記難燃性ウレタン樹脂組成物を加熱下に溶融させる等の方法により前記難燃性ウレタン樹脂組成物を得ることができる。
前記難燃性ウレタン樹脂組成物は、前記難燃性ウレタン樹脂組成物の各成分をバンバリーミキサー、ニーダーミキサー、混練ロール、ライカイ機、遊星式撹拝機等公知の装置を用いて混練することにより得ることができる。
また、ウレタン樹脂の主剤と硬化剤とをそれぞれ別々に充填材等と共に混練しておき、注入直前にスタティックミキサー、ダイナミックミキサー等で混練して得ることもできる。
さらに触媒を除く前記難燃性ウレタン樹脂組成物の成分と、触媒とを注入直前に同様に混練して得ることもできる。
以上説明した方法により、難燃性ウレタン樹脂組成物を得ることができる。
次に、難燃性ウレタン樹脂組成物の硬化方法について説明する。
難燃性ウレタン樹脂組成物のそれぞれの成分を混合すると反応が始まり時間の経過と共に粘度合が上昇し、流動性を失う。例えば難燃性ウレタン樹脂組成物を金型、枠材等の容器へ注入して硬化させることにより、難燃性ウレタン樹脂組成物からなる成形体を難燃性ウレタン樹脂発泡体として得ることができる。
難燃性ウレタン樹脂組成物からなる成形体を得る際には、熱を加えたり、圧力を加えたりすることができる。
難燃性ウレタン樹脂組成物からなる成形体は、ポリイソシアヌレート発泡体であり、耐火性及び断熱性の両方に優れている。また、発泡ポリウレタン断熱層は独立気泡型であるため、防水性や気密性にも優れている。
難燃性ウレタン樹脂組成物からなる成形体は、比重が0.03〜0.13の範囲であることが取り扱いやすいことから好ましく、0.04〜0.1の範囲であることが好ましく、0.04〜0.08の範囲であることがさらに好ましく、0.05〜0.06の範囲であることが最も好ましい。
次に本発明に係る難燃性ウレタン樹脂組成物の応用例について説明する。
難燃性ウレタン樹脂組成物を、建築物、家具、自動車、電車、船等の構造物に吹き付けることにより、構造物の表面に難燃性ウレタン樹脂組成物からなる発泡体層を形成することができる。
例えば、難燃性ウレタン樹脂組成物を、ポリイソシアネート化合物と、それ以外の成分とに分けておき、両者を噴霧しながら混合して上記構造物の表面に吹き付ける方法、ポリイソシアネート化合物と、それ以外の成分とを混合した後に上記混合物の表面に吹き付ける方法等が挙げられる。
耐火試験
難燃性ウレタン樹脂組成物からなる難燃性ポリウレタン発泡体を縦10cm、横10cmおよび厚み5cmに切断して、コーンカロリーメーター試験用サンプルを準備する。
前記コーンカロリーメーター試験用サンプル用いて、ISO−5660の試験方法に準拠して、放射熱強度50kW/m2にて20分間加熱したときのコーンカロリーメーター試験による総発熱量を測定することができる。
実施例1−5,7−12,14−19,21並びに参考例6及び13 難燃性ウレタン組成物の硬化発泡体の製造
表1に示した配合により、実施例及び参考例に係る難燃性ウレタン樹脂組成物を、(1)ポリオール組成物、(2)ポリイソシアネート、および(3)添加剤の3つの成分に分割して準備した。なお表中の各成分の詳細は次の通りである(各成分の割合をポリイソシアヌレート樹脂100重量部に対する重量部で示す)。
(1)ポリオール組成物
・ポリオール化合物
p−フタル酸ポリエステルポリオール(川崎化成工業社製、製品名:マキシモールRFK−505、水酸基価=250mgKOH/g)
・整泡剤
ポリアルキレングリコール系整泡剤(東レダウコーニング社製、製品名:SH−193)
・三量化触媒
(A−1)2−エチルヘキサン酸カリウム(東京化成工業社製、製品コード:P0048)
(A−2)三量化触媒(東ソー社製、製品名:TOYOCAT−TR20)
・ウレタン化触媒
ペンタメチルジエチレントリアミン(東ソー社製、製品名:TOYOCAT−DT) ・ 発泡剤
(B−1)水
(B−2)HFC HFC−365mfc(1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン、セントラル硝子社製)及びHFC−245fa(1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン、日本ソルベイ社製)、混合比率 HFC−365mfc:HFC−245fa = 7:3、以下「HFC」という)
(2)ポリイソシアネート
MDI(日本ウレタン工業社製、製品名:ミリオネートMR−200)粘度:167mPa・s
(3)添加剤
(C−1) 赤リン (燐化学工業社製、製品名:ノーバエクセル140)
(C−2) 水酸化アルミニウム
(C−3) 水酸化マグネシウム
(C−4) 水酸化カルシウム
下記の表1の配合に従い、(1)ポリオール組成物の成分および(3)添加剤の成分を 1000mLポリプロピレンビーカーにはかりとり、25℃、1分間手混ぜで撹拝した。撹拝後の(1)ポリオール組成物の成分および(3)添加剤の成分の混練物に対して、(2)ポリイソシアネートの成分を加え、ハンドミキサーで約10秒間擾拝し発泡体を作成した。得られた難燃性ウレタン樹脂組成物は時間の経過と共に流動性を失い、難燃性ウレタン樹脂発泡体を得た。前記発泡体を下記の基準により評価し、結果を表1に示した。[熱量の測定]
硬化発泡体から縦10cm×横10cm×厚み5cmになるようにコーンカロリーメーター試験用サンプルを切り出し、ISO−5660の試験方法に準拠し、放射熱強度50kW/m2にて20分間加熱したときのコーンカロリーメーター試験による総発熱量を測定した。20分間加熱して総発熱量が15MJ/m2以下のものを合格とし、準不燃規格(10分間で8MJ/m2以下)のものは○、不燃規格(20分間で8MJ/m2 以下)のものは◎とした。
[膨張の測定]
ISO−5660の試験を実施したときに、膨張後の成形体が点火器に接触した場合は×、接触しなかった場合は○として表1に記載した。
[収縮の測定]
前記ISO−5660の試験を実施したときに、試験用サンプルの横方向に1cm以上かつ厚み方向に5mm以上の変形が見られた場合は「×」、変形が見られなかった場合は「○」として表1に記載した。
[変形(ヒビ・割れ)の測定]
前記ISO−5660の試験を実施したときに、前記試験用サンプルの裏面まで到達する変形が見られた場合は×、裏面まで到達する変形が見られなかった場合は○として表1に記載した。
[総合評価]
熱量の測定が◎で、膨張の測定、変形の測定及び収縮の測定がすべて○であるものを◎とし、熱量の測定が◎で、膨張の測定、変形の測定及び収縮の測定のいずれかが×であるものを○とし、熱量の測定が○で、膨張の測定、変形の測定及び収縮の測定のいずれかが×の場合を△とし、それ以外を×と判定し、評価結果を表1に示した。
比較例1−11 難燃性ウレタン組成物の硬化発泡体の製造
実施例及び参考例に係る難燃性ウレタン樹脂組成物におけるのと同じ各成分を用いて、表2に示した配合により、比較例1−11に係る難燃性ウレタン樹脂組成物も製造し、評価結果を表2に示した。
実施例23 水分放出物質の熱重量分析(TG)および示差熱分析(DTA)の測定評価
金属水酸化物としてAl(OH)3、Mg(OH)2、Ca(OH)2を用いた場合の3つの熱重量分析(TG)および示差熱分析(DTA)を、TG/DTA7300(株式会社日立ハイテクサイエンス社製)を用いて測定した。結果を図1に示す。
「図1の(4)−(6)が熱重量分析(TG)の測定値であるが、200〜500℃の温度範囲でどの金属水酸化物でも20%以上の重量減少率が起こっていることがわかる。
Figure 0006730003
Figure 0006730003

Claims (3)

  1. ポリイソシアネート化合物、ポリオール化合物、三量化触媒、発泡剤、整泡剤および添加剤を含み、前記ポリイソシアネート化合物と前記ポリオール化合物からなるウレタン樹脂100重量部に対して、前記三量化触媒が0.1〜10重量部であり、前記添加剤が赤リン3.5〜20重量部と、水分放出物質4〜30重量部とを含み、前記水分放出物質が水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム及び水酸化カルシウムからなる群から選択される一種以上であることを特徴とする難燃性発泡ウレタン樹脂組成物。
  2. 水分放出物質の、熱重量分析により測定した200〜500℃の範囲における重量減少率が15%以上であることを特徴とする請求項1に記載の難燃性発泡ウレタン樹脂組成物。
  3. 前記赤リンと前記水分放出物質とが、重量比で1:10〜5:1の割合で含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の難燃性発泡ウレタン樹脂組成物。
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