[実施形態]
以下に、本発明の一実施形態である熱転写印刷システムについて、図面を参照して説明する。熱転写印刷システム1は、熱転写プリンタ2と、情報処理装置3とから構成される。熱転写プリンタ2は、カラーインクリボンと、インク層が転写される転写フィルムとを使用して、用紙、またはカードなどの印刷媒体に、所望の画像を転写して印刷するプリンタである。情報処理装置3は、熱転写プリンタ2と通信可能なコンピュータから構成され、画像データ、および各種の指令を熱転写プリンタ2に送信する。図1は、熱転写プリンタ2の全体構成を示す。なお、上下方向、および左右方向は、図1に矢印で示す方向であり、前後方向は、これらの方向と直交する方向であり、図2以降の他の図面でも同様に、各方向を示す。
<熱転写プリンタ2の機械的構成>
図1において、熱転写プリンタ2は、カラーインクリボン10を搬送するリボン搬送機構12と、ヘッドユニット14を移動させるユニット移動機構16と、サーマルヘッドTH1、TH2を昇降させるヘッド昇降機構18と、転写フィルム20を搬送するフィルム搬送機構22と、カード24に所望の画像を転写する印刷機構26と、を主に備える。
カラーインクリボン10は、帯状に長く延びる公知のインクリボンであり、イエロー、マゼンタ、およびシアンの3色の昇華性インク層と、黒色の溶融性インク層とが1つの組となって、長手方向に繰り返し配列されることにより、形成される。本実施形態では、カラーインクリボン10において、イエローインク層Ryと、マゼンタインク層Rmと、シアンインク層Rcと、黒色インク層Rkとが、この記載の順番に長手方向に配列される。4つのインク層Ry、Rm、Rc、Rkの各インク層の1つのリボン区画は、長手方向、すなわち、リボン搬送方向における所定のリボン区画長さと、長手方向と直交する幅方向における所定のリボン区画幅とを有する。カラーインクリボン10は、帯状の基材の上に、各インク層が積層された構造を有する。
転写フィルム20は、カラーインクリボン10の各インク層の一部が画像として重畳して転写され、その転写された画像がカード24に再転写されるために、帯状に長く延びる基材と、その基材の上に積層されるインク受容層とを有する。転写フィルム20の基本的な構成は、特許第4207682号公報などにより公知である。本実施形態では、転写フィルム20は、長手方向に連続して配置される多数のフィルム区画を有する。各フィルム区画は、長手方向、すなわちフィルム搬送方向において、所定のリボン区画長さとほぼ同じ長さの所定のフィルム区画長さと、長手方向と直交する幅方向において、所定のリボン区画幅とほぼ同じ幅の所定のフィルム区画幅とを有する。区画仕切り部分が、長手方向に隣接する2つのフィルム区画の間に配置される。
≪リボン搬送機構12の詳細な構成≫
リボン搬送機構12の詳細な構成について、図1を参照して説明する。リボン搬送機構12は、リボン供給支持軸30と、リボン巻取支持軸32と、7つのリボンガイドローラ34A〜34Gと、リボン巻取モータ36と、を備える。リボン供給支持軸30は、所定の回転抵抗が付与された状態で、熱転写プリンタ2のフレームに回転可能に取り付けられる。カラーインクリボン10が巻かれるリボン供給スプール38は、リボン供給支持軸30に挿嵌可能に構成され、リボン供給支持軸30とともに回転する。リボン巻取支持軸32は、熱転写プリンタ2のフレームに回転可能に取り付けられる。カラーインクリボン10が巻き取られるリボン巻取スプール40は、リボン巻取支持軸32に挿嵌可能に構成され、リボン巻取支持軸32とともに回転する。リボン巻取モータ36は、リボン巻取支持軸32に連結され、図1において時計回り方向にリボン巻取支持軸32を回転させる。リボン巻取モータ36は、回転量を検出するエンコーダを内蔵する。エンコーダは、カラーインクリボン10の搬送量を表す検出信号を発生することができる。
7つのリボンガイドローラ34A〜34Gは、熱転写プリンタ2のフレームに回転可能にそれぞれ取り付けられる。リボンガイドローラ34A、34Bは、リボン供給スプール38から供給されるカラーインクリボン10が右方から左方に向けて水平に搬送されるように、配置される。リボンガイドローラ34Cは、リボンガイドローラ34Bを通過するカラーインクリボン10が下方に搬送されるように、リボンガイドローラ34Bより下方に所定のローラ高さ間隔をあけて配置される。リボンガイドローラ34Dは、リボンガイドローラ34Cを通過するカラーインクリボン10が左方から右方に向けて水平に搬送されるように、配置される。
リボンガイドローラ34Eは、リボンガイドローラ34Dにおいて折り返されるカラーインクリボン10が左下方に向けて搬送されるように、リボンガイドローラ34Dから左下方に離れた位置に配置される。リボンガイドローラ34Fは、リボンガイドローラ34Eを通過するカラーインクリボン10を受け取る。リボンガイドローラ34F、34Gは、リボンガイドローラ34C、34Dの間で搬送されるカラーインクリボン10と上下方向において近接するように、配置されるとともに、カラーインクリボン10が右方から左方に向けて水平に搬送されるように、配置される。リボン巻取スプール40は、リボンガイドローラ34Gを通過するカラーインクリボン10を巻き取る。
本実施形態では、リボンガイドローラ34A、34Bは、所望の画像が転写される前のカラーインクリボン10を搬送するリボン搬送経路部分42を形成する。リボンガイドローラ34F、34Gは、所望の画像が転写された後の転写後のカラーインクリボン10であって、先に転写された転写後のカラーインクリボン10を搬送するリボン搬送経路部分44を形成する。リボンガイドローラ34C、34Dは、所望の画像が転写された後の転写後のカラーインクリボン10であって、後に転写された転写後のカラーインクリボン10を搬送するリボン搬送経路部分46を形成する。リボン搬送経路部分42と、リボン搬送経路部分46とは、所定のローラ高さ間隔をあけて配置される。リボン搬送経路部分44は、上下方向において、リボン搬送経路部分46に近接して配置される。
≪ユニット移動機構16およびヘッド昇降機構18の詳細な構成≫
ユニット移動機構16およびヘッド昇降機構18の詳細な構成について、図1乃至図3を参照して説明する。図2は、ヘッド昇降機構18を拡大して前方から見た図面であり、図3は、図1に示されるA−A線に従って切断されたヘッド昇降機構18を右方から見た右側断面面である。
(ユニット移動機構16の詳細な構成)
図1において、ヘッドユニット14は、ベースフレーム50と、昇降支持フレーム52とを備える。昇降支持フレーム52は、ベースフレーム50に固定される。ユニット移動機構16は、ガイド軸54と、3つのガイドレール56〜60と、駆動ベルト62と、ユニット駆動モータ64と、を備える。ガイド軸54は、左右方向に水平に延びる状態で、熱転写プリンタ2のフレームに固定される。3つのガイドレール56〜60は、左右方向に水平に延びる状態で、上下方向に間隔をあけて熱転写プリンタ2のフレームにそれぞれ固定される。駆動ベルト62は、左右方向に水平に延びる状態で、熱転写プリンタ2のフレームに回転可能に取り付けられる一対のプーリの間に張設される。ユニット駆動モータ64は、減速機構を介して、一対のプーリの一方のプーリに連結される。
図3において、印刷用プラテンローラ66が、ベースフレーム50の上方部分に、回転軸68を介して回転可能に取り付けられる。印刷用プラテンローラ66は、リボン搬送経路部分42の上方において、リボン搬送経路部分42に近接して配置される。上書き用プラテンローラ70が、ベースフレーム50の下方部分に、回転軸72を介して回転可能に取り付けられる。上書き用プラテンローラ70は、リボン搬送経路部分44の下方において、リボン搬送経路部分44に近接して配置される。支持軸74が、昇降支持フレーム52の前方端部から前方に突出する状態で、昇降支持フレーム52の前方端部に固定される。ガイドコロ76が、回転軸68の前方端部に回転可能に取り付けられ、ガイドレール56に嵌合する。ガイドコロ78が、回転軸72の前方端部に回転可能に取り付けられ、ガイドレール58に嵌合する。ガイドコロ80が、支持軸74の前方端部に回転可能に取り付けられ、ガイドレール60に嵌合する。ガイドブロック82が、ベースフレーム50の後方端部から後方に突出する状態で、ベースフレーム50の後方端部に固定される。ガイドブロック82は、ガイド孔を有し、ガイド軸54は、ガイド孔に嵌合する。
ベースフレーム50は、駆動ベルト62の一部分に取り付けられる。ユニット駆動モータ64が回転するときに、ベースフレーム50は、駆動ベルト62から駆動力を受けることにより、ガイド軸54、およびガイドレール56〜60に沿って、左右方向に移動することができる。ユニット駆動モータ64は、回転方向および回転量を検出するエンコーダを内蔵する。エンコーダは、左右方向において、ヘッドユニット14の移動方向および移動量を表す検出信号を発生することができる。
(ヘッド昇降機構18の詳細な構成)
ヘッド昇降機構18は、ヘッド支持板90と、一対のヘッド昇降ガイド軸92、94と、昇降制御カム96と、駆動歯車98と、一対の作動レバー100、102と、連結軸104と、ヘッド昇降モータ106と、を備える。図2において、印刷用サーマルヘッドTH1は、ヘッド支持板90の上方端部に取り付けられ、印刷用プラテンローラ66と対向する。上書き用サーマルヘッドTH2は、ヘッド支持板90の下方端部に取り付けられ、上書き用プラテンローラ70と対向する。図3において、ヘッド昇降ガイド軸92は、垂直に延びる状態で、昇降支持フレーム52の前方端部に近い位置に固定され、ヘッド昇降ガイド軸94は、垂直に延びる状態で、昇降支持フレーム52の後方端部に近い位置に固定される。ヘッド昇降ガイド軸92、94は、上下方向において、ヘッド支持板90を昇降可能に案内する。
図2において、カム支持軸108が、昇降支持フレーム52から右方に突出する状態で、昇降支持フレーム52に固定される。図3において、昇降制御カム96、および駆動歯車98は、カム支持軸108の回りに回動可能に、カム支持軸108に取り付けられる。昇降制御カム96は、駆動歯車98に固定され、駆動歯車98と一体的に回動する。一対の作動レバー100、102は、共通の揺動軸110により、昇降支持フレーム52の後方端部に近い位置で、昇降支持フレーム52に揺動可能に取り付けられる。
図2において、連結軸104が、ヘッド支持板90から右方に突出する状態で、ヘッド支持板90に固定される。コイルばね112が、作動レバー100と連結軸104との間に張設され、作動レバー100が昇降制御カム96のカム面に係合するように、作動レバー100を常時付勢する。コイルばね114が、作動レバー102と連結軸104との間に張設され、作動レバー102が昇降制御カム96のカム面に係合するように、作動レバー102を常時付勢する。
ヘッド昇降モータ106は、ベースフレーム50に固定され、回転方向および回転量を検出するエンコーダを内蔵する。エンコーダは、ヘッド昇降モータ106の回転方向および回転量を表す検出信号を発生する。小歯車116が、ヘッド昇降モータ106の回転軸に固定され、駆動歯車98と噛み合う。原点検出用スリット118が、駆動歯車98に形成される。
図1において、ヘッド支持板90は、リボン搬送経路部分42とリボン搬送経路部分46との間において、サーマルヘッドTH1、TH2を支持する状態で、左右方向に移動するとともに、上下方向に昇降することができる。
≪フィルム搬送機構22の詳細な構成≫
フィルム搬送機構22は、フィルム供給支持軸120と、フィルム巻取支持軸122と、4つのフィルムガイドローラ124A〜124Dと、フィルム供給モータ126と、フィルム巻取モータ128と、を備える。フィルム供給支持軸120は、熱転写プリンタ2のフレームに回転可能に取り付けられる。転写フィルム20が巻かれるフィルム供給スプール130は、フィルム供給支持軸120に挿嵌可能に構成され、フィルム供給支持軸120とともに回転する。フィルム巻取支持軸122は、熱転写プリンタ2のフレームに回転可能に取り付けられる。転写フィルム20が巻き取られるフィルム巻取スプール132は、フィルム巻取支持軸122に挿嵌可能に構成され、フィルム巻取支持軸122とともに回転する。フィルム供給モータ126は、フィルム供給支持軸120に連結され、転写フィルム20を巻き戻すためにフィルム供給支持軸120を図1において時計回り方向に回転させることができる。フィルム巻取モータ128は、フィルム巻取支持軸122に連結され、図1において反時計回り方向にフィルム巻取支持軸122を回転させる。フィルム供給モータ126は、回転方向および回転量を検出するエンコーダを内蔵する。モータ126のエンコーダは、転写フィルム20の搬送方向および搬送量を表す検出信号を発生することができる。フィルム巻取モータ128は、回転方向および回転量を検出するエンコーダを内蔵する。モータ128のエンコーダは、転写フィルム20の搬送方向および搬送量を表す検出信号を発生することができる。
4つのフィルムガイドローラ124A〜124Dは、熱転写プリンタ2のフレームに回転可能にそれぞれ取り付けられる。フィルムガイドローラ124A、124Bは、フィルム供給スプール130から供給される転写フィルム20が右方から左方に向けて水平に搬送されるように、配置される。フィルムガイドローラ124Cは、フィルムガイドローラ124Bを通過する転写フィルム20が上方に搬送されるように、フィルムガイドローラ124Bより上方に間隔をあけて配置される。フィルムガイドローラ124Dは、フィルムガイドローラ124Cを通過する転写フィルム20が左方から右方に向けて水平に搬送されるように、配置される。フィルム巻取スプール132は、フィルムガイドローラ124Dを通過する転写フィルム20を巻き取る。フィルムガイドローラ124Cとフィルムガイドローラ124Dとは、転送フィルムを搬送するフィルム搬送経路部分134を形成する。
≪印刷機構26の詳細な構成≫
印刷機構26は、ヒートローラ140と、押圧ローラ142と、第1の搬入ローラ組144A、144Bと、第2の搬入ローラ組146A、146Bと、第1の搬出ローラ組148A、148Bと、第2の搬出ローラ組150A、150Bと、カード搬送モータ152と、を備える。印刷機構26が備える多数のローラは、図1において、カード24を左方から右方に向けて水平に搬送するためのカード搬送経路154を形成する。カード搬送経路154は、フィルムガイドローラ124Cとフィルムガイドローラ124Dとが形成するフィルム搬送経路部分134と近接して配置される。
ヒートローラ140は、フィルム搬送経路部分134より下方において、フィルム搬送経路部分134に対して上下方向に接近し、または離間するように、熱転写プリンタ2のフレームに取り付けられる。押圧ローラ142は、フィルム搬送経路部分134より上方において、熱転写プリンタ2のフレームに回転可能に取り付けられる。
第1の搬入ローラ組144A、144Bは、ヒートローラ140と押圧ローラ142との間の画像再転写位置に向って、カード搬送方向にカード24を搬入するために、熱転写プリンタ2のフレームに回転可能に取り付けられる。第2の搬入ローラ組146A、146Bは、カード搬送方向において、第1の搬入ローラ組144A、144Bより下流側に配置され、画像再転写位置に向ってカード24を搬入するために、熱転写プリンタ2のフレームに回転可能に取り付けられる。
第1の搬出ローラ組148A、148Bは、ヒートローラ140と押圧ローラ142との間の画像再転写位置から、カード搬送方向にカード24を搬出するために、熱転写プリンタ2のフレームに回転可能に取り付けられる。第2の搬出ローラ組150A、150Bは、カード搬送方向において、第1の搬出ローラ組148A、148Bより下流側に配置され、熱転写プリンタ2からカード24を搬出するために、熱転写プリンタ2のフレームに回転可能に取り付けられる。
カード搬送モータ152は、ヒートローラ140と、押圧ローラ142と、第1の搬入ローラ144Aと、第2の搬入ローラ146Aと、第1の搬出ローラ148Aと、第2の搬出ローラ150Aとに、それぞれ連結され、これらのローラを回転させる。カード搬送モータ152は、回転方向および回転量を検出するエンコーダを内蔵する。エンコーダは、カード24の搬送方向および搬送量を表す検出信号を発生することができる。
≪各種のセンサの詳細な構成≫
熱転写プリンタ2は、各種のセンサを備える。リボンセンサSN1が、リボンガイドローラ34Aに近い位置において、熱転写プリンタ2のフレームに取り付けられる。リボンセンサSN1は、光学センサから構成され、カラーインクリボン10の黒色インク層Rkがセンサ検出位置に到達したことを検出するために、各インク層の光透過量に応じた検出信号を発生する。
ユニット原点センサSN2が、ベースフレーム50のガイドブロック82に取り付けられる。ユニット原点センサSN2は、光学センサから構成され、ヘッドユニット14が図1に示される所定のユニット原点位置に復帰したときに、検出片160を検出し、ユニット原点検出信号を発生する。図1において、検出片160は、ガイド軸54の左方端部に固定される。
ヘッド原点センサSN3が、図3に示されるように、取付板162により昇降支持フレーム52の前方端部に取り付けられる。ヘッド原点センサSN3は、光学センサから構成され、駆動歯車98に形成される原点検出用スリット118がセンサ検出位置に到達したときに、原点検出用スリット118を検出し、ヘッド原点検出信号を発生する。図3は、ヘッド原点センサSN3が原点検出用スリット118を検出しているヘッド原点検出状態を示す。このヘッド原点検出状態において、サーマルヘッドTH1、TH2はともに、所定のヘッド原点位置に位置し、図2に示されるように、プラテンローラ66、70から離間した状態にある。
フィルムセンサSN4が、フィルムガイドローラ124Bに近い位置において、熱転写プリンタ2のフレームに取り付けられる。フィルムセンサSN4は、光学センサから構成され、転写フィルム20の区画仕切り部分がセンサ検出位置に到達したときに、区画仕切り検出信号を発生する。
カード先端センサSN5が、第1の搬入ローラ組144A、144Bと、第2の搬入ローラ組146A、146Bとの間に位置するように、熱転写プリンタ2のフレームに取り付けられる。カード先端センサSN5は、ユーザによりカード24が熱転写プリンタ2の所定の位置に挿入されたときに、カード24の先端がセンサ検出位置を通過したこと、および、カード24が挿入されている状態を検出し、カード先端検出信号、および、カード挿入検出信号を発生する。カード後端センサSN6が、第1の搬出ローラ組148A、148Bと、第2の搬出ローラ組150A、150Bとの間に位置するように、熱転写プリンタ2のフレームに取り付けられる。カード後端センサSN6は、第1の搬出ローラ組148A、148Bにより搬出されるカード24の後端がセンサ検出位置を通過したことを検出し、カード後端検出信号を発生する。
<熱転写印刷システム1の電気的構成>
熱転写印刷システム1の電気的構成について、図4を参照して説明する。図4は、熱転写印刷システム1の電気的構成を示すブロック図である。図4において、熱転写プリンタ2は、メイン制御処理ユニット200と、サブ制御処理ユニット202と、を備える。メイン制御処理ユニット200は、CPU、およびゲートアレイなどのデータ処理回路を含んで構成される。プログラムメモリ210と、作業メモリ220と、インターフェース230とが、メイン制御処理ユニット200にそれぞれ接続される。プログラムメモリ210は、熱転写プリンタ2の全体動作を統括して制御するメイン処理プログラム、および、図5に示される転写印刷処理を実行するプログラムなどの各種のプログラムと、各種の設定値とを固定記憶する。作業メモリ220は、インターフェース230を通して外部から送られる各種のデータ、およびメイン制御処理ユニット200の演算処理結果を一時的に記憶する。また、プログラムメモリ210は、ランダム文字列を構成する各言語の文字を表す画像データを記憶する。メイン制御処理ユニット200は、プログラムメモリ210、および作業メモリ220などの記憶手段とともに、コンピュータを構成する。
メイン制御処理ユニット200は、インターフェース230、およびLAN240を通して、外部の情報処理装置3に接続される。情報処理装置3は、パーソナルコンピュータから構成され、各種の画像データを作成して、印刷指令および画像データをメイン制御処理ユニット200に送信することができる。
また、メイン制御処理ユニット200は、操作部250、表示部260、ヘッド駆動回路270、272、ユニット駆動回路274、ヘッド昇降駆動回路276、リボン巻取駆動回路278、リボンセンサSN1、ユニット原点センサSN2、および、ヘッド原点センサSN3にそれぞれ接続される。操作部250は、各種の操作キーなどを含み、各種の情報の入力および選択を行うためにユーザにより操作可能に構成される。表示部260は、液晶ディスプレイおよびランプなどの表示手段から構成され、熱転写プリンタ2の動作状態などを表示する。ヘッド駆動回路270、272は、メイン制御処理ユニット200から供給される印刷制御指令、および画像データに従って、印刷用サーマルヘッドTH1、および上書き用サーマルヘッドTH2をそれぞれ加熱駆動する。ユニット駆動回路274は、メイン制御処理ユニット200からの回転制御指令に従って、ユニット駆動モータ64を回転させる。ヘッド昇降駆動回路276は、メイン制御処理ユニット200からの回転制御指令に従って、ヘッド昇降モータ106を回転させる。リボン巻取駆動回路278は、メイン制御処理ユニット200からの回転制御指令に従って、リボン巻取モータ36を回転させる。
サブ制御処理ユニット202は、メイン制御処理ユニット200からの印刷タスク実行指令に従って、印刷タスクの全体動作を制御する。サブ制御処理ユニット202は、メイン制御処理ユニット200と同様に、CPU、およびゲートアレイなどのデータ処理回路を含んで構成される。プログラムメモリ212と、作業メモリ222とが、サブ制御処理ユニット202にそれぞれ接続される。プログラムメモリ212は、図8に示される印刷タスクを実行するプログラムなどの各種のプログラムと、各種の設定値とを固定記憶する。作業メモリ222は、メイン制御処理ユニット200から送られる各種のデータ、およびサブ制御処理ユニット202の演算処理結果を一時的に記憶する。サブ制御処理ユニット202は、プログラムメモリ212、および作業メモリ222などの記憶手段とともに、コンピュータを構成する。
また、サブ制御処理ユニット202は、フィルム巻取駆動回路280、フィルム供給駆動回路282、カード搬送駆動回路284、フィルムセンサSN4、カード先端センサSN5、および、カード後端センサSN6にそれぞれ接続される。フィルム巻取駆動回路280は、サブ制御処理ユニット202からの回転制御指令に従って、フィルム巻取モータ128を回転させる。フィルム供給駆動回路282は、サブ制御処理ユニット202からの回転制御指令に従って、フィルム供給モータ126を回転させる。カード搬送駆動回路284は、サブ制御処理ユニット202からの回転制御指令に従って、カード搬送モータ152を回転させる。
情報処理装置3は、演算処理ユニット300と、プログラムメモリ310と、作業メモリ320と、画像メモリ330と、操作部340と、表示部350と、を主に備える。演算処理ユニット300は、CPUなどのデータ処理回路を含んで構成される。プログラムメモリ310は、情報処理装置3の全体動作を統括して制御するメイン処理プログラム、および画像データ生成処理プログラムなどの各種のプログラムと、各種の設定値とを固定記憶する。作業メモリ320は、演算処理ユニット300の演算処理結果を一時的に記憶する。画像メモリ330は、データの読み書き可能な不揮発性メモリから構成され、カード24に印刷するために作成された多種類の画像データを記憶する。操作部340は、キーボード、およびマウスなどの操作可能な入力操作手段を含んで構成される。表示部350は、液晶ディスプレイなどの表示手段から構成され、画像データを作成するために必要な画面を表示する。
<実施形態の動作および作用>
本実施形態の熱転写印刷システム1の動作および作用について、図面を参照して説明する。熱転写印刷システム1の動作として、メイン制御処理ユニット200が実行する転写印刷処理と、サブ制御処理ユニット202が実行する印刷タスクとに大きく分けて説明する。なお、図5乃至図7、図9、および、図12乃至図14に示される各ステップの処理は、メイン制御処理ユニット200のCPUが実行する処理であり、図8に示される各ステップの処理は、サブ制御処理ユニット202のCPUが実行する処理である。
≪転写印刷処理≫
転写印刷処理について、図5を参照して説明する。熱転写プリンタ2の電源が投入された状態において、ユーザが、情報処理装置3の操作部340を操作し、LAN240およびインターフェース230を介して、印刷指令をメイン制御処理ユニット200に送信する。メイン制御処理ユニット200は、印刷指令に従って、プログラムメモリ210から図5に示される転写印刷処理を実行するプログラムを読み出し、転写印刷処理の実行を開始する。
初期動作が実行される(SA1)。初期動作は、所望の画像を印刷するために熱転写プリンタ2の初期状態を設定する動作である。初期動作の詳細の処理は、図6に示される処理であり、後述される。
画像データが受信されたか否かが判断される(SA2)。画像データが受信されていないとき(SA2:NO)、ステップSA2が繰り返される。画像データが受信されたとき(SA2:YES)、処理はステップSA3に移行する。具体的には、ユーザが、情報処理装置3の操作部340を操作し、カード24に印刷される所望の画像を表す画像データを画像メモリ330から読み出し、LAN240およびインターフェース230を介して、画像データをメイン制御処理ユニット200に送信する。メイン制御処理ユニット200が、画像データを受信して作業メモリ220に一時記憶すると、ステップSA2は、画像データが受信されたと判断する。本実施形態では、所望の画像は、図28に示される社員証を作成するためのカラー画像であり、社員番号、および氏名などを表す文字と、社員の上半身を表す顔画像と、を含む。所望の画像中の文字は、黒色インク層により形成され、所望の画像中の顔画像は、イエロー、マゼンタ、およびシアンの3色のインク層により形成される。このため、画像データは、文字を表す文字データと、各色の画像データとを含む。図28において、所望の画像は、カード24の大きさに従って定められる画像形成領域GRを有する。画像形成領域GRは、領域高さである画像高さGHと、領域幅である画像幅GWとにより画定される。画像高さGHは、所定のリボン区画長さ、および所定のフィルム区画長さとほぼ同じ高さであり、画像幅GWは、所定のリボン区画幅、および所定のフィルム区画幅とほぼ同じ幅である。
メイン制御処理ユニット200の内部カウンタのカウント値RCが「0」に設定される(SA3)。カウント値RCは、カラーインクリボン10が所定のリボン区画長さだけ搬送さたときに、「1」だけ加算される。
中間転写処理が実行される(SA4)。中間転写処理は、カラーインクリボン10の各インク層を転写フィルム20に転写することにより、所望の画像を転写フィルム20に転写する処理である。中間転写処理の詳細な処理は、図7に示される処理であり、後述される。
転写要求のフラグがセットされる(SA5)。転写要求のフラグは、後述の印刷タスクの実行状況を監視するために用意されたフラグである。
印刷タスクの実行指令が発生される(SA6)。印刷タスクの実行指令は、メイン制御処理ユニット200からサブ制御処理ユニット202に送信される。サブ制御処理ユニット202は、印刷タスクの実行指令を受信すると、プログラムメモリ212から図8に示される印刷タスクのプログラムを読み出し、印刷タスクを実行する。印刷タスクの詳細な処理は、後述される。
メイン制御処理ユニット200の内部カウンタのカウント値RCが「0」に設定される(SA7)。
残像転写処理が実行される(SA8)。残像転写処理は、所望の画像が転写された後のカラーインクリボン10の各インク層に、所定の重畳画像を上書きすることにより、各インク層に残存する画像を判読困難にする処理である。残像転写処理の詳細な処理は、図9に示される処理であり、後述される。
転写要求のフラグがリセットされているか否かが判断される(SA9)。転写要求のフラグがリセットされていないとき(SA9:NO)、ステップSA9が繰り返される。転写要求のフラグがリセットされているとき(SA9:YES)、転写印刷処理は終了する。
(初期動作SA1の詳細な処理)
初期動作SA1の詳細な処理について、図6を参照して説明する。サーマルヘッドがヘッド原点位置に復帰する(SB1)。具体的には、ヘッド原点センサSN3が駆動歯車98の原点検出用スリット118を検出するまで、メイン制御処理ユニット200が回転制御指令をヘッド昇降駆動回路276に送信し、ヘッド昇降モータ106を回転させる。ヘッド原点センサSN3が駆動歯車98の原点検出用スリット118を検出したときに、メイン制御処理ユニット200が回転停止指令をヘッド昇降駆動回路276に送信し、ヘッド昇降モータ106の回転を停止させる。ヘッド昇降モータ106の回転が停止されたときに、サーマルヘッドTH1、TH2を支持するヘッド支持板90が、図2に示されるヘッド原点位置に位置決めされる。
ヘッドユニットがユニット原点位置に復帰する(SB2)。具体的には、ユニット原点センサSN2がガイド軸54に固定される検出片160を検出するまで、メイン制御処理ユニット200が回転制御指令をユニット駆動回路274に送信し、図1においてヘッドユニット14が左方に移動するようにユニット駆動モータ64を回転させる。ユニット原点センサSN2が検出片160を検出したときに、メイン制御処理ユニット200が回転停止指令をユニット駆動回路274に送信し、ユニット駆動モータ64の回転を停止させる。ユニット駆動モータ64の回転が停止されたときに、ヘッドユニット14が、図1に示されるユニット原点位置に位置決めされる。
転写フィルム20の頭出し指令が発生される(SB3)。転写フィルム20の頭出し指令は、メイン制御処理ユニット200からサブ制御処理ユニット202に送信される。サブ制御処理ユニット202は、転写フィルム20の頭出し指令を受信すると、プログラムメモリ212から転写フィルム20の頭出しを実行するプログラムを読み出し、転写フィルム20の頭出しを実行する。転写フィルム20の頭出しの実行が開始されると、フィルムセンサSN4が転写フィルム20の区画仕切り部分を検出するまで、サブ制御処理ユニット202は、回転制御指令をフィルム巻取駆動回路280に送信し、転写フィルム20が図1においてフィルム巻取スプール132に巻き取られるようにフィルム巻取モータ128を回転させる。フィルムセンサSN4が転写フィルム20の区画仕切り部分を検出したときに、サブ制御処理ユニット202が回転停止指令をフィルム巻取駆動回路280に送信し、フィルム巻取モータ128の回転を停止させる。フィルム巻取モータ128の回転が停止されたときに、転写フィルム20の区画仕切り部分がフィルムセンサSN4のセンサ検出位置に位置決めされ、転写フィルム20の頭出しが完了する。
カラーインクリボン10の頭出しが実行される(SB4)。具体的には、リボンセンサSN1がカラーインクリボン10の各インク層について光透過量を表す検出信号をメイン制御処理ユニット200に送信する。メイン制御処理ユニット200は、送信される検出信号の光透過量が黒色インク層Rkの光透過量と一致するか否かを判断し、両光透過量が一致すると判断するまで、メイン制御処理ユニット200は、回転制御指令をリボン巻取駆動回路278に送信し、カラーインクリボン10が図1においてリボン巻取スプール40に巻き取られるようにリボン巻取モータ36を回転させる。両光透過量が一致すると判断したときに、メイン制御処理ユニット200が回転停止指令をリボン巻取駆動回路278に送信し、リボン巻取モータ36の回転を停止させる。リボン巻取モータ36の回転が停止されたときに、リボン搬送方向における黒色インク層Rkのリボン区画の先端部分がリボンセンサSN1のセンサ検出位置に位置決めされ、カラーインクリボン10の頭出しが完了する。
カード24が熱転写プリンタ2の所定の位置に挿入されたか否かが判断される(SB5)。カード14が挿入されたことが判断されないとき(SB5:NO)、ステップSB5が繰り返される。カード14が挿入されたことが判断されたとき(SB5:YES)、処理はステップSB6に移行する。具体的には、メイン制御処理ユニット200は、カード24の挿入状況を検出するための検出指令をサブ制御処理ユニット202に送信する。サブ制御処理ユニット202は、検出指令に従って、カード先端センサSN5からの検出信号を受信する。ユーザがカード24を所定の位置に挿入したときに、カード先端センサSN5はカード24により遮光された状態を表すカード検出信号を発生し、サブ制御処理ユニット202に送信する。サブ制御処理ユニット202は、受信したカード検出信号をメイン制御処理ユニット200に送信する。メイン制御処理ユニット200は、カード検出信号を受信したときに、カード14が挿入されたと判断する。
カード24の頭出し指令が発生される(SB6)。カード24の頭出し指令は、メイン制御処理ユニット200からサブ制御処理ユニット202に送信される。サブ制御処理ユニット202は、カード24の頭出し指令を受信すると、プログラムメモリ212からカード24の頭出しを実行するプログラムを読み出し、カード24の頭出しを実行する。カード24の頭出しの実行が開始されると、カード先端センサSN5がカード搬送方向におけるカード24の先端部分を検出するまで、サブ制御処理ユニット202は、回転制御指令をカード搬送駆動回路284に送信し、カード24が図1において左方に、すなわち、カード搬送方向と反対方向に搬送されるようにカード搬送モータ152を回転させる。カード先端センサSN5がカード24を検出している状態からカード24を検出しない状態に変化したとき、すなわち、カード24の先端部分を検出したときに、サブ制御処理ユニット202が回転停止指令をカード搬送駆動回路284に送信し、カード搬送モータ152の回転を停止させる。カード搬送モータ152の回転が停止されたときに、カード24の先端部分がカード先端センサSN5のセンサ検出位置に位置決めされ、カード24の頭出しが完了する。
図19は、図1に示される熱転写プリンタ2を模式的に示す説明図である。図19において、カラーインクリボン10に付された記号「Y」は、イエローインク層Ryの1つのリボン区画を表し、記号「M」は、マゼンタインク層Rmの1つのリボン区画を表し、記号「C」は、シアンインク層Rcの1つのリボン区画を表し、記号「K」は、黒色インク層Rkの1つのリボン区画を表す。転写フィルク20付された記号「T1」は、転写フィルム20の第1番目のフィルム区画を表し、記号「T2」は、転写フィルム20の第2番目のフィルム区画を表し、記号「T3」は、転写フィルム20の第3番目のフィルム区画を表す。図19において、サーマルヘッドTH1、TH2は上下方向においてヘッド原点位置に復帰し、サーマルヘッドTH1、TH2が搭載されるヘッドユニット14は左右方向においてユニット原点位置に復帰している。図19において、転写フィルム20の区画仕切り部分がフィルムセンサSN4のセンサ検出位置に位置決めされることにより、転写フィルム搬送方向において転写フィルム20の頭出しが完了し、カラーインクリボン10の黒色インク層Rkの先端部分、すなわち、記号「K」のリボン区画の先端部分がリボンセンサSN1のセンサ検出位置に位置決めされることにより、リボン搬送方向においてカラーインクリボン10の頭出しが完了している。転写フィルム20の頭出し、および、カラーインクリボン10の頭出しが完了している状態において、印刷用サーマルヘッドTH1と印刷用プラテンローラ66との間において、図19に示されるように、転写フィルム20の第1番目のフィルム区画T1と、カラーインクリボン10のイエローインク層Ry、すなわち、記号「Y」のインク層のリボン区画とが重なった状態にある。
(中間転写処理SA4の詳細な処理)
中間転写処理SA4の詳細な処理について、図7を参照して説明する。サーマルヘッドが印刷のための所定の上方位置まで上昇する(SC1)。具体的には、サーマルヘッドTH1、TH2を支持するヘッド支持板90が、図2に示されるヘッド原点位置から所定の距離だけ上方に離れた所定の上方位置まで上昇するように、メイン制御処理ユニット200が回転制御指令をヘッド昇降駆動回路276に送信し、ヘッド昇降モータ106を回転させる。図10、および図11は、ヘッド支持板90が所定の上方位置まで上昇した状態を示す。所定の上方位置において、ヘッド支持板90に支持される印刷用サーマルヘッドTH1は、ヘッド昇降モータ106により回転される昇降制御カム96の作用に従って、印刷用プラテンローラ66に接近した状態で位置決めされる。図20は、図19に示されるヘッド原点位置から所定の上方位置まで印刷用サーマルヘッドTH1が上昇した状態を示す。
印刷用サーマルヘッドTH1が1つのリボン区画において所望の画像を転写する(SC2)。具体的には、メイン制御処理ユニット200が、作業メモリ220からイエローの画像データを読み出し、そのイエローの画像データをヘッド駆動回路270に送信するとともに、図20において印刷用サーマルヘッドTH1を右方に移動させるための回転制御指令をユニット駆動回路274に送信する。ヘッド駆動回路270は、イエローの画像データに従って印刷用サーマルヘッドTH1を加熱駆動させ、ユニット駆動回路274は、回転制御指令に従って、印刷用サーマルヘッドTH1が1つのリボン区画分だけ移動されるように、ユニット駆動モータ64を回転させる。この結果、イエローの画像を形成するイエローインク層Ryの一部分、すなわち、図20に示される記号「Y」のインク層の一部分が、転写フィルム20の第1番目のフィルム区画T1に転写される。図20において、2点鎖線で示されるサーマルヘッドTH1、TH2、および印刷用プラテンローラ66の位置は、1つのリボン区画分だけ移動されたときの位置である。
サーマルヘッドがヘッド原点位置に復帰する(SC3)。具体的には、サーマルヘッドTH1、TH2を支持するヘッド支持板90が、図20に2点鎖線で示される所定の上方位置からヘッド原点位置まで所定の距離だけ下降するように、メイン制御処理ユニット200が回転制御指令をヘッド昇降駆動回路276に送信し、ヘッド昇降モータ106を回転させる。ヘッド原点位置において、ヘッド支持板90に支持される印刷用サーマルヘッドTH1、および上書き用サーマルヘッドTH2は、ヘッド昇降モータ106により回転される昇降制御カム96の作用に従って、印刷用プラテンローラ66、および上書き用プラテンローラ70からそれぞれ離間した状態で位置決めされる。
1つのリボン区画分だけ、ヘッドユニット14が左方に移動される(SC4)。具体的には、サーマルヘッドTH1、TH2がヘッド原点位置に位置決めされた状態において、ヘッドユニット14が1つのリボン区画分だけ左方に移動されるように、メイン制御処理ユニット200が回転制御指令をユニット駆動回路274に送信し、ユニット駆動モータ64を回転させる。メイン制御処理ユニット200は、ユニット駆動モータ64に内蔵されるエンコーダから発生される回転方向および回転量を表す検出信号に従って、ヘッドユニット14が1つのリボン区画分だけ左方に移動されたことを、判断することができる。
メイン制御処理ユニット200の内部カウンタのカウント値RCが「3」であるか否かが判断される(SC5)。カウント値RCが「3」であると判断されたとき(SC5:YES)、中間転写処理は終了する。カウント値RCが「3」でないと判断されたとき(SC5:NO)、処理はステップSC6に移行する。
カウント値RCが「1」だけ加算される(SC6)。カウント値RCは、先に実行されたステップSA3において、「0」に設定されていたことから、ステップSC6の実行により、カウント値RCは「0」から「1」に増加される。
1つのリボン区画分だけ、カラーインクリボン10が巻き取られる(SC7)。具体的には、カラーインクリボン10が1つのリボン区画分だけ巻き取られ、マゼンタインク層Rm、すなわち、図21に示される記号「M」のインク層が、転写フィルム20の第1番目のフィルム区画T1と重なるように、メイン制御処理ユニット200が回転制御指令をリボン巻取駆動回路278に送信し、リボン巻取モータ36を回転させる。メイン制御処理ユニット200は、リボン巻取モータ36に内蔵されるエンコーダから発生される回転量を表す検出信号に従って、カラーインクリボン10が1つのリボン区画分だけ巻き取られたことを、判断することができる。ステップSC7の実行後に、処理はステップSC1に戻る。
マゼンタインク層Rmが転写フィルム20の第1番目のフィルム区画T1に転写されるように、ステップSC1〜SC7の処理が2回目の処理として実行される。マゼンタインク層Rmの中間転写のために、ステップSC2において、メイン制御処理ユニット200が、作業メモリ220からマゼンタの画像データを読み出し、そのマゼンタの画像データをヘッド駆動回路270に送信するとともに、図21において印刷用サーマルヘッドTH1を右方に移動させるための回転制御指令をユニット駆動回路274に送信する。ヘッド駆動回路270は、マゼンタの画像データに従って印刷用サーマルヘッドTH1を加熱駆動させ、ユニット駆動回路274は、回転制御指令に従って、印刷用サーマルヘッドTH1が1つのリボン区画分だけ移動されるように、ユニット駆動モータ64を回転させる。この結果、マゼンタの画像を形成するマゼンタインク層Rmの一部分、すなわち、図21に示される記号「M」のインク層の一部分が、転写フィルム20の第1番目のフィルム区画T1に転写される。ステップSC6において、カウント値RCは「1」から「2」に増加される。
シアンインク層Rcが転写フィルム20の第1番目のフィルム区画T1に転写されるように、ステップSC1〜SC7の処理が3回目の処理として実行される。シアンインク層Rcの中間転写のために、ステップSC2において、メイン制御処理ユニット200が、作業メモリ220からシアンの画像データを読み出し、そのシアンの画像データをヘッド駆動回路270に送信するとともに、図22において印刷用サーマルヘッドTH1を右方に移動させるための回転制御指令をユニット駆動回路274に送信する。ヘッド駆動回路270は、シアンの画像データに従って印刷用サーマルヘッドTH1を加熱駆動させ、ユニット駆動回路274は、回転制御指令に従って、印刷用サーマルヘッドTH1が1つのリボン区画分だけ移動されるように、ユニット駆動モータ64を回転させる。この結果、シアンの画像を形成するシアンインク層Rcの一部分、すなわち、図22に示される記号「C」のインク層の一部分が、転写フィルム20の第1番目のフィルム区画T1に転写される。ステップSC6において、カウント値RCは「2」から「3」に増加される。
黒色インク層Rkが転写フィルム20の第1番目のフィルム区画T1に転写されるように、ステップSC1〜SC5の処理が4回目の処理として実行される。黒色インク層Rkの中間転写のために、ステップSC2において、メイン制御処理ユニット200が、作業メモリ220から文字データを読み出し、その文字データをヘッド駆動回路270に送信するとともに、図23において印刷用サーマルヘッドTH1を右方に移動させるための回転制御指令をユニット駆動回路274に送信する。ヘッド駆動回路270は、文字データに従って印刷用サーマルヘッドTH1を加熱駆動させ、ユニット駆動回路274は、回転制御指令に従って、印刷用サーマルヘッドTH1が1つのリボン区画分だけ移動されるように、ユニット駆動モータ64を回転させる。この結果、文字を形成する黒色インク層Rkの一部分、すなわち、図23に示される記号「K」のインク層の一部分が、転写フィルム20の第1番目のフィルム区画T1に転写される。3回目の処理で実行されたステップSC6において、カウント値RCが「3」に増加されたことから、4回目の処理で実行されるステップSC5において、カウント値RCが「3」であると判断され、中間転写処理が終了する。
中間転写処理が終了したときに、サーマルヘッドTH1、TH2は、4回目の処理のステップSC3の実行によりヘッド原点位置に復帰し、ヘッドユニット14は、4回目の処理のステップSC4の実行によりユニット原点位置に復帰した状態にある。
≪印刷タスクの詳細な処理≫
印刷タスクの詳細な処理について、図8を参照して説明する。印刷タスクの実行指令がステップSA6で発生されると、サブ制御処理ユニット202は、メイン制御処理ユニット200から印刷タスクの実行指令を受信し、プログラムメモリ212から図8に示される印刷タスクのプログラムを読み出し、印刷タスクの実行を開始する。
転写要求のフラグがセットされているか否かが判断される(SD1)。転写要求のフラグがセットされていないと判断されたとき(SD1:NO)、ステップSD1が繰り返される。転写要求のフラグがセットされていると判断されたとき(SD1:YES)、処理はステップSD2に移行する。
転写フィルム20が待機位置に位置決めされる(SD2)。具体的には、転写フィルム20の第1番目のフィルム区画T1が図24に示されるように第2の搬入ローラ146Aに近い所定の待機位置に位置するように、サブ制御処理ユニット202が回転制御指令をフィルム巻取駆動回路280に送信し、フィルム巻取モータ128を回転させる。サブ制御処理ユニット202は、フィルム巻取モータ128に内蔵されるエンコーダから発生される回転量を表す検出信号に従って、転写フィルム20がフィルムセンサSN4のセンサ検出位置から所定の待機位置までの距離に相当する搬送量だけ巻き取られたことを、判断することができる。
カード24が待機位置に位置決めされる(SD3)。具体的には、カード搬送方向におけるカード24の先端部分が図24に示されるように第2の搬入ローラ146A、146Bの間に挟まれる位置である待機位置に位置するように、サブ制御処理ユニット202が回転制御指令をカード搬送駆動回路284に送信し、カード搬送モータ152を回転させる。サブ制御処理ユニット202は、カード搬送モータ152に内蔵されるエンコーダから発生される回転方向および回転量を表す検出信号に従って、カード24の先端部分がカード先端センサSN5のセンサ検出位置から所定の待機位置までの距離に相当する搬送量だけ搬送されたことを、判断することができる。
ヒートローラ140が押圧ローラ142を加圧する位置まで上昇する(SD4)。具体的には、サブ制御処理ユニット202が、ヒートローラ140を昇降させる駆動手段を駆動させることにより、図25に示されるようにヒートローラ140を上昇させる。加熱されたヒートローラ140が押圧ローラ142を加圧することにより、画像の転写が可能な状態になる。
転写フィルム20とカード24とが同期して搬送される(SD5)。具体的には、転写フィルム20の第1番目のフィルム区画T1とカード24とが図25に示される所定の位置関係で重なるように、サブ制御処理ユニット202が回転制御指令をフィルム巻取駆動回路280およびカード搬送駆動回路284にそれぞれ送信し、フィルム巻取モータ128およびカード搬送モータ152をそれぞれ回転させる。
1つのフィルム区画の画像が転写されたか否かが判断される(SD6)。1つのフィルム区画の画像が転写されていないと判断されたとき(SD6:NO)、処理はステップSD5に戻る。1つのフィルム区画の画像が転写されたと判断されたとき(SD6:YES)、処理はステップSD7に移行する。サブ制御処理ユニット202は、フィルム巻取モータ128に内蔵されるエンコーダから発生される回転量を表す検出信号に従って、転写フィルム20が1つのフィルム区画のフィルム搬送方向におけるフィルム区画長さに相当する搬送量だけ搬送されたことを、判断することができる。ステップSD5、SD6の実行により、転写フィルム20の第1番目のフィルム区画T1に転写された所望の画像が、1枚のカード24に再転写される。
ヒートローラ140が押圧ローラ142から離間した位置まで下降する(SD7)。具体的には、サブ制御処理ユニット202が、ヒートローラ140を昇降させる駆動手段を駆動させることにより、図26に示されるようにヒートローラ140を下降させる。
カード24が搬出される(SD8)。具体的には、カード24が第1および第2の搬出ローラ組148A、148B、150A、150Bにより熱転写プリンタ2から搬出されるように、サブ制御処理ユニット202が回転制御指令をカード搬送駆動回路284に送信し、カード搬送モータ152を回転させる。
転写フィルム20が巻き戻される(SD9)。具体的には、図26において、転写フィルム20の第1番目のフィルム区画T1の先端側の区画仕切り部分が、フィルムセンサSN4のセンサ検出位置まで戻って位置するように、サブ制御処理ユニット202が回転制御指令をフィルム供給駆動回路282に送信し、転写フィルム20の搬送方向と反対方向に相当する回転方向にフィルム供給モータ126を回転させる。サブ制御処理ユニット202は、フィルム供給モータ126に内蔵されるエンコーダから発生される回転方向および回転量を表す検出信号に従って、転写フィルム20の第1番目のフィルム区画T1の先端側の区画仕切り部分が図25に示される位置から図26に示されるフィルムセンサSN4のセンサ検出位置までの距離に相当する搬送量だけ巻き取られたことを、判断することができる。本実施形態では、転写フィルム20の第1番目のフィルム区画T1の先端側の区画仕切り部分がフィルムセンサSN4のセンサ検出位置まで戻ったとき、転写フィルム20の第2番目のフィルム区画T2の先端側の区画仕切り部分は、ヘッドユニット14がユニット原点位置に位置する状態における印刷用サーマルヘッドTH1と対向することができる。
転写要求のフラグがリセットされる(SD10)。ステップSD10の実行後に、印刷タスクは終了する。
≪残像転写処理の詳細な処理≫
残像転写処理の詳細な処理について、図9を参照して説明する。本実施形態では、メイン制御処理ユニット200は、サブ制御処理ユニット202が印刷タスクを実行している間に、残像転写処理を並行して実行する。
ランダム文字列生成処理が実行される(SE1)。ランダム文字列生成処理は、社員証中の文字が転写された後の転写後の黒色インク層Rkを、社員証中の顔画像が転写された後の転写後のイエローインク層Ry、転写後のマゼンタインク層Rm、および転写後のシアンインク層Rcに転写する際に使用される重畳画像である3種類のランダム文字列を生成する処理である。ランダム文字列生成処理の詳細な処理は、後述される。
サーマルヘッドが残像転写のための所定の下方位置まで下降する(SE2)。具体的には、サーマルヘッドTH1、TH2を支持するヘッド支持板90が、図2に示されるヘッド原点位置から所定の距離だけ下方に離れた所定の下方位置まで下降するように、メイン制御処理ユニット200が回転制御指令をヘッド昇降駆動回路276に送信し、ヘッド昇降モータ106を回転させる。図17、および図18は、ヘッド支持板90が所定の下方位置まで下降した状態を示す。所定の下方位置において、ヘッド支持板90に支持される上書き用サーマルヘッドTH2は、ヘッド昇降モータ106により回転される昇降制御カム96の作用に従って、上書き用プラテンローラ70に接近した状態で位置決めされる。図24は、ヘッド原点位置から所定の下方位置まで上書き用サーマルヘッドTH2が下降した状態を示す。図24において、上書き用サーマルヘッドTH2の下方に位置する転写後の黒色インク層Rk、すなわち、記号「K」のインク層は、上下方向において転写後のイエローインク層Ry、すなわち、記号「Y」のインク層と重なった状態にある。
上書き用サーマルヘッドTH2が1つのリボン区画において重畳画像であるランダム文字列を転写する(SE3)。具体的には、メイン制御処理ユニット200が、作業メモリ220からイエローの画像のためのランダム文字列の画像データを読み出し、そのランダム文字列の画像データをヘッド駆動回路272に送信するとともに、図24において上書き用サーマルヘッドTH2を右方に移動させるための回転制御指令をユニット駆動回路274に送信する。ヘッド駆動回路272は、イエローの画像のためのランダム文字列の画像データに従って上書き用サーマルヘッドTH2を加熱駆動させ、ユニット駆動回路274は、回転制御指令に従って、上書き用サーマルヘッドTH2が1つのリボン区画分だけ移動されるように、ユニット駆動モータ64を回転させる。この結果、イエローの画像のためのランダム文字列に相当する転写後の黒色インク層Rkの一部分、すなわち、図24に示される記号「K」のインク層の一部分が、転写後のイエローインク層Ry、すなわち、記号「Y」のインク層に転写される。図24において、2点鎖線で示されるサーマルヘッドTH1、TH2、および上書き用プラテンローラ70の位置は、1つのリボン区画分だけ移動されたときの位置である。
サーマルヘッドがヘッド原点位置に復帰する(SE4)。具体的には、サーマルヘッドTH1、TH2を支持するヘッド支持板90が、図24に2点鎖線で示される所定の下方位置からヘッド原点位置まで所定の距離だけ上昇するように、メイン制御処理ユニット200が回転制御指令をヘッド昇降駆動回路276に送信し、ヘッド昇降モータ106を回転させる。ヘッド原点位置において、ヘッド支持板90に支持される印刷用サーマルヘッドTH1、および上書き用サーマルヘッドTH2は、ヘッド昇降モータ106により回転される昇降制御カム96の作用に従って、印刷用プラテンローラ66、および上書き用プラテンローラ70からそれぞれ離間した状態で位置決めされる。
メイン制御処理ユニット200の内部カウンタのカウント値RCが「2」であるか否かが判断される(SE5)。カウント値RCが「2」であると判断されたとき(SE5:YES)、処理はステップSE9に移行する。カウント値RCが「2」でないと判断されたとき(SE5:NO)、処理はステップSE6に移行する。
カウント値RCが「1」だけ加算される(SE6)。カウント値RCは、先に実行されたステップSA7において、「0」に設定されていたことから、ステップSE6の実行により、カウント値RCは「0」から「1」に増加される。
半分のリボン区画分だけ、ヘッドユニット14が左方に移動される(SE7)。具体的には、サーマルヘッドTH1、TH2がヘッド原点位置に位置決めされた状態において、ヘッドユニット14が半分のリボン区画分だけ左方に移動されるように、メイン制御処理ユニット200が回転制御指令をユニット駆動回路274に送信し、ユニット駆動モータ64を回転させる。メイン制御処理ユニット200は、ユニット駆動モータ64に内蔵されるエンコーダから発生される回転方向および回転量を表す検出信号に従って、ヘッドユニット14が半分のリボン区画分だけ左方に移動されたことを、判断することができる。
半分のリボン区画分だけ、カラーインクリボン10が巻き取られる(SE8)。具体的には、カラーインクリボン10が半分のリボン区画分だけ巻き取られ、転写後の黒色インク層Rk、すなわち、記号「K」のインク層が、上下方向において転写後のマゼンタインク層Rm、すなわち、記号「M」のインク層と重なるように、メイン制御処理ユニット200が回転制御指令をリボン巻取駆動回路278に送信し、リボン巻取モータ36を回転させる。メイン制御処理ユニット200は、リボン巻取モータ36に内蔵されるエンコーダから発生される回転量を表す検出信号に従って、カラーインクリボン10が半分のリボン区画分だけ巻き取られたことを、判断することができる。ステップSE8の実行後に、処理はステップSE1に戻る。
マゼンタの画像のためのランダム文字列に相当する転写後の黒色インク層Rkの一部分、すなわち、図25に示される記号「K」のインク層の一部分が、転写後のマゼンタインク層Rm、すなわち、記号「M」のインク層に転写されるように、ステップSE1〜SE8の処理が2回目の処理として実行される。転写後のマゼンタインク層Rmへの転写のために、ステップSE1において、メイン制御処理ユニット200が、作業メモリ220からマゼンタの画像のためのランダム文字列の画像データを読み出し、そのランダム文字列の画像データをヘッド駆動回路272に送信するとともに、図25において上書き用サーマルヘッドTH2を右方に移動させるための回転制御指令をユニット駆動回路274に送信する。ヘッド駆動回路272は、マゼンタの画像のためのランダム文字列の画像データに従って上書き用サーマルヘッドTH2を加熱駆動させ、ユニット駆動回路274は、回転制御指令に従って、上書き用サーマルヘッドTH2が1つのリボン区画分だけ移動されるように、ユニット駆動モータ64を回転させる。この結果、マゼンタの画像のためのランダム文字列に相当する転写後の黒色インク層Rkの一部分、すなわち、図25に示される記号「K」のインク層の一部分が、転写後のマゼンタインク層Rm、すなわち、記号「M」のインク層に転写される。図25において、2点鎖線で示されるサーマルヘッドTH1、TH2、および上書き用プラテンローラ70の位置は、1つのリボン区画分だけ移動されたときの位置である。ステップSE6において、カウント値RCは「1」から「2」に増加される。
シアンの画像のためのランダム文字列に相当する転写後の黒色インク層Rkの一部分、すなわち、図26に示される記号「K」のインク層の一部分が、転写後のシアンインク層Rc、すなわち、記号「C」のインク層に転写されるように、ステップSE1〜SE5の処理が3回目の処理として実行される。転写後のシアンインク層Rcへの転写のために、ステップSE1において、メイン制御処理ユニット200が、作業メモリ220からシアンの画像のためのランダム文字列の画像データを読み出し、そのランダム文字列の画像データをヘッド駆動回路274に送信するとともに、図26において上書き用サーマルヘッドTH2を右方に移動させるための回転制御指令をユニット駆動回路274に送信する。ヘッド駆動回路274は、シアンの画像のためのランダム文字列の画像データに従って上書き用サーマルヘッドTH2を加熱駆動させ、ユニット駆動回路274は、回転制御指令に従って、上書き用サーマルヘッドTH2が1つのリボン区画分だけ移動されるように、ユニット駆動モータ64を回転させる。この結果、シアンの画像のためのランダム文字列に相当する転写後の黒色インク層Rkの一部分、すなわち、図26に示される記号「K」のインク層の一部分が、転写後のシアンタインク層Rc、すなわち、記号「C」のインク層に転写される。図26において、2点鎖線で示されるサーマルヘッドTH1、TH2、および上書き用プラテンローラ70の位置は、1つのリボン区画分だけ移動されたときの位置である。2回目の処理で実行されたステップSE5において、カウント値RCが「2」に増加されたことから、3回目の処理で実行されるステップSE5において、カウント値RCが「2」であると判断され、処理はステップSE9に移行する。
2つのリボン区画分だけ、ヘッドユニット14が左方に移動される(SE9)。具体的には、サーマルヘッドTH1、TH2がヘッド原点位置に位置決めされた状態において、ヘッドユニット14が2つのリボン区画分だけ左方に移動されるように、メイン制御処理ユニット200が回転制御指令をユニット駆動回路274に送信し、ユニット駆動モータ64を回転させる。メイン制御処理ユニット200は、ユニット駆動モータ64に内蔵されるエンコーダから発生される回転方向および回転量を表す検出信号に従って、ヘッドユニット14が2つのリボン区画分だけ左方に移動されたことを、判断することができる。ステップSE9の実行後に、残像転写処理は終了する。図27は、上書き用サーマルヘッドTH2が図26に2点鎖線で示される位置から、ヘッドユニット14が2つのリボン区画分だけ左方に移動された状態、すなわち、ヘッドユニット14がユニット原点位置に復帰した状態を示す。図27に示されるユニット原点位置において、転写フィルム20の第2番目のフィルム区画T2の先端側の区画仕切り部分は、印刷用サーマルヘッドTH1と対向するように位置決めされる。
≪ランダム文字列生成処理の詳細な処理≫
ランダム文字列生成処理の詳細な処理について、図12を参照して説明する。初期設定処理が実行される(SF1)。初期設定処理は、イエロー、マゼンタ、およびシアンの画像のための3種類のランダム文字列を生成するための各種の情報を設定する処理である。初期設定処理の詳細な処理は、後述される。
乱数が取得される(SF2)。本実施形態では、メイン制御処理ユニット200は、乱数を発生するための乱数発生プログラムをプログラムメモリ210に記憶しており、ステップSF2の実行により、乱数取得要求が発生されると、乱数発生プログラムを実行させる。その実行により、ステップSF2において、発生された1つの乱数が取得される。
所望の画像の画像形成領域GRの高さ方向において、第1番目の行のランダム文字列が配置される第1番目の高さ距離が、高さ距離LYとして、ステップSF1において取得された乱数に従って決定される(SF3)。具体的には、第1番目の行LN1のランダム文字列が配置される第1番目の高さ位置は、画像形成領域GRの幅方向に延びる端縁の位置、すなわち、図33の(A)に示される画像形成領域GRの上方端縁の上下方向の位置を高さ基準位置として、その高さ基準位置からの第1番目の高さ距離LY1だけ離れた位置である。その第1番目の高さ距離LY1は、ランダム文字列の各文字の基本サイズとして設定されたフォントサイズFSの値と、数値「0」との間で、1つの整数が、取得された乱数に従って選択される。この選択された整数のマイナスの値が、第1番目の高さ距離LY1に設定される。本実施形態では、高さ距離LYについて、マイナスの値は、図33の(A)において高さ基準位置から上方に離れる距離である。
図33の(A)に示されるように、画像形成領域GRの幅方向である左右方向の領域には、文字形成領域FR11、FR12、FR13などの多数の文字形成領域が定められ、各文字形成領域に各アルファベット文字が配置される。文字形成領域FR11は、第1番目の行LN1に配置されるランダム文字列の第1番目の文字が配置される文字形成領域であり、文字形成領域FR12は、第1番目の行LN1に配置されるランダム文字列の第2番目の文字が配置される文字形成領域である。文字形成領域FR21は、第2番目の行LN2に配置されるランダム文字列の第1番目の文字が配置される文字形成領域であり、文字形成領域FR22は、第2番目の行LN2に配置されるランダム文字列の第2番目の文字が配置される文字形成領域である。文字形成領域FR13、FR23などの他の文字形成領域も、同様に定められる文字形成領域である。図33の(A)において、第1番目の行LN1の上方端縁の位置は、画像形成領域GRの上方端縁の位置である高さ基準位置から上方に、第1番目の高さ距離LY1だけ離れた位置である。
高さ距離LYが画像高さGHより小さいのか否かが判断される(SF4)。画像高さGHは、画像形成領域GRの高さ方向において設定された領域高さである。高さ距離LYが画像高さGH以上であると判断されたとき(SF4:NO)、ランダム文字列生成処理は終了する。高さ距離LYが画像高さGHより小さいと判断されたとき(SF4:YES)、処理はステップSF5に移行する。
乱数が取得される(SF5)。ステップSF5は、ステップSF2と同様に実行され、1つの乱数が取得される。
所望の画像の画像形成領域GRの幅方向において、第1番目の行のランダム文字列の第1番目の文字が配置される第1番目の幅距離が、幅距離LXとして、ステップSF5において取得された乱数に従って決定される(SF6)。具体的には、第1番目の行LN1のランダム文字列の第1番目の文字が配置される第1番目の幅位置は、画像形成領域GRの高さ方向に延びる端縁の位置、すなわち、図33の(A)に示される画像形成領域GRの左方端縁の左右方向の位置を幅基準位置として、その幅基準位置から第1番目の幅距離LX1だけ離れた位置である。ランダム文字列の各文字の基本サイズとして設定されたフォントサイズFSの値と、数値「0」との間で、1つの整数が、取得された乱数に従って選択される。この選択された整数のマイナスの値が、第1番目の幅距離LX1に設定される。本実施形態では、幅距離LXについて、マイナスの値は、図33の(A)において幅基準位置から左方に離れる距離である。
図33の(A)に示されるように、画像形成領域GRの高さ方向である上下方向の領域には、文字形成領域FR11、FR21などの多数の文字形成領域が定められ、各文字形成領域に各アルファベット文字が配置される。文字形成領域FR11は、最も左方の列である第1番目の列であって第1番目の行LN1に文字が配置される文字形成領域であり、文字形成領域FR21は、第1番目の列であって、第2番目の行LN2に文字が配置される文字形成領域である。文字形成領域FR12は、第2番目の列であって、第2番目の行LN2に文字が配置される文字形成領域であり、文字形成領域FR22は、第2番目の列であって、第2番目の行LN2に文字が配置される文字形成領域である。図33の(A)において、第1番目の列の左方端縁の位置は、画像形成領域GRの左方端縁の位置である幅基準位置から左方に、第1番目の幅距離LX1だけ離れた位置である。
幅距離LXが画像幅GWより小さいのか否かが判断される(SF7)。画像幅GWは、画像形成領域GRの幅方向において設定された領域幅である。幅距離LXが画像幅GW以上であると判断されたとき(SF7:NO)、処理はステップSF12に移行する。幅距離LXが画像幅GWより小さいと判断されたとき(SF7:YES)、処理はステップSF8に移行する。
ランダム文字選択処理が実行される(SF8)。ランダム文字選択処理は、乱数に従って、多種類の文字の中から、ランダム文字列の各文字を選択する処理である。ランダム文字選択処理の詳細な処理は、後述される。
ランダム文字サイズ選択処理が実行される(SF9)。ランダム文字サイズ選択処理は、乱数に従って、多数の異なる文字サイズの中から、ランダム文字列の各文字のサイズを選択する処理である。ランダム文字サイズ選択処理の詳細な処理は、後述される。
文字配列処理が実行される(SF10)。具体的には、ステップSF8において選択された文字が、ステップSF9において選択された文字サイズに変更され、画像形成領域GRの幅方向に配列される。
新たな幅距離LXが算出される(SF11)。具体的には、XマージンファクタXMと、フォントサイズFSとを掛け算した値に、先の幅距離LXを足し算した値が、新たな幅距離LXとして決定される。ステップSF11の実行後に、処理はステップSF7に戻る。たとえば、XマージンファクタXMが数値「1」に設定されている場合には、図33の(A)において、新たな幅距離である第2番目の幅距離LX2は、マイナスの値である先の幅距離LX1と、フォントサイズFSとを足し算した値(−LX1+FS)に決定される。
たとえば、XマージンファクタXMが数値「1」より小さい値に設定されている場合には、ステップSF11において、XマージンファクタXMと、フォントサイズFSとを掛け算した値は、フォントサイズFSより小さいXずれ距離DX(=XM×FS)となる。図33の(B)において、文字形成領域FR12の右方端縁の位置は、文字形成領域FR11の右方端縁の位置から右方に、Xずれ距離DXだけ変位した位置である。新たな幅距離LX2は、距離(−LX1+DX)になる。この結果、第1番目の行LN1の第2番目の文字形成領域FR12の左方端縁の位置は、幅基準位置から右方に、新たな幅距離LX2だけ離れた位置になる。ステップSF11の実行後に、処理は、ステップSF7に戻る。ステップSF7〜SF11の処理が、第1番目の行LN1の全ての文字形成領域の配列が完了するまで、繰り返される。
幅距離LXが画像幅GW以上であると判断されたとき(SF7:NO)、新たな高さ距離LYが算出される(SF12)。具体的には、YマージンファクタYMと、フォントサイズFSとを掛け算した値に、先の高さ距離LYを足し算した値が、新たな高さ距離LYとして決定される。ステップSF12の実行後に、処理はステップSF4に戻る。たとえば、YマージンファクタYMが数値「1」に設定されている場合には、図33の(A)において、新たな高さ距離である第2番目の高さ距離LY2は、マイナスの値である先の高さ距離LY1と、フォントサイズFSとを足し算した値(−LY1+FS)に決定される。
たとえば、YマージンファクタYMが数値「1」より小さい値に設定されている場合には、ステップSF12において、YマージンファクタYMと、フォントサイズFSとを掛け算した値は、フォントサイズFSより小さいYずれ距離DY(=YM×FS)となる。図33の(B)において、文字形成領域FR21の下方端縁の位置は、文字形成領域FR11の下方端縁の位置から下方に、Yずれ距離DYだけ変位した位置である。新たな幅距離LY2は、距離(−LY1+DY)になる。この結果、第2番目の行LN2の第1番目の文字形成領域FR21の上方端縁の位置は、高さ基準位置から下方に、新たな高さ距離LY2だけ離れた位置になる。ステップSF12の実行後に、処理は、ステップSF4に戻る。
第2番目の行LN2について、ステップSF5、SF6の処理が実行されることにより、第2番目の行LN2の第1番目の文字形成領域FR21の第1番目の幅距離LX1が設定される。第2番目の行LN2の第1番目の文字形成領域FR21の第1番目の幅距離LX1は、ステップSF5において取得される乱数の数値が異なることから、第1番目の行LN1の第1番目の文字形成領域FR11の第1番目の幅距離LX1と実際には異なるが、図33の(B)においては、説明の便宜上、第1番目の幅距離LX1が同じ数値であると仮定して図示される。第2番目の行LN2について、ステップSF7〜SF11の処理が、第2番目の行LN2の全ての文字形成領域の配列が完了するまで、繰り返される。第3番目の行LN3以降の各行についても、ステップSF4〜SF12の処理が繰り返される。
(初期設定処理の詳細な処理)
初期設定処理の詳細な処理について、図13を参照して説明する。画像高さGHと画像幅GWとが設定される(SG1)。具体的には、画像形成領域GRの高さ方向における領域高さである画像高さGHと、画像形成領域の幅方向における領域幅である画像幅GWとが、ユーザによる操作部250の操作に従って設定され、作業メモリ220に一時記憶される。本実施形態では、図28に示される社員証に関する所望の画像が形成される画像形成領域GRについて、「社員番号 000111」という文字列が配列される方向が、画像形成領域GRの幅方向であり、その文字列が配列される方向と直交する方向が、画像形成領域GRの高さ方向である。たとえば、所望の画像の解像度が600dpiである場合、画像高さGHとして、ピクセル数で1920pxが設定され、画像幅GWとして、ピクセル数で1200pxが設定される。
文字言語が多種類の言語の中から選択されて設定される(SG2)。具体的には、文字言語は、英語、およびアラビア語などの多種類の言語の中から、ユーザによる操作部250の操作に従って選択されて設定され、作業メモリ220に一時記憶される。
フォントタイプが多種類のフォントタイプの中から選択されて設定される(SG3)。具体的には、フォントタイプが、Arial、およびTahomaなどの多種類のフォントタイプの中から、ユーザによる操作部250の操作に従って選択されて設定され、作業メモリ220に一時記憶される。
フォントサイズFSが設定される(SG4)。本実施形態では、ランダム文字列の各文字が形成される文字形成領域FRの高さと幅とは、同じになるように定められる。文字の基本サイズであるフォントサイズFSは、文字形成領域FRの高さであり、また、文字形成領域FRの幅でもある。具体的には、フォントサイズFSは、ユーザによる操作部250の操作に従って設定され、作業メモリ220に一時記憶される。たとえば、フォントサイズFSとして、ピクセル数で120pxが設定される。
フォントサイズファクタVFが設定される(SG5)。フォントサイズファクタVFは、ランダム文字列の各文字のサイズを、フォントサイズFSに対して増減させる割合を表す。具体的には、フォントサイズファクタVFは、ユーザによる操作部250の操作に従って設定され、作業メモリ220に一時記憶される。たとえば、フォントサイズファクタVFとして、数値「0.2」が設定される。
XマージンファクタXMが設定される(SG6)。XマージンファクタXMは、ランダム文字列の隣り合う2つの文字が、文字列の配列方向において重ならない割合を表す。XマージンファクタXMが数値「1」である場合、隣り合う2つの文字は重ならないが、XマージンファクタXMが数値「1」より小さくなるほど、隣り合う2つの文字が重なる量が大きくなる。XマージンファクタXM設定の詳細な処理は、後述される。
YマージンファクタYMが設定される(SG7)。YマージンファクタYMは、画像形成領域GRの高さ方向において、隣り合う2つのランダム文字列が重ならない割合を表す。YマージンファクタYMが数値「1」である場合、隣り合う2つのランダム文字列は重ならないが、YマージンファクタYMが数値「1」より小さくなるほど、隣り合う2つのランダム文字列が重なる量が大きくなる。具体的には、YマージンファクタYMは、ユーザによる操作部250の操作に従って設定され、作業メモリ220に一時記憶される。たとえば、YマージンファクタYMとして、数値「0.7」が設定される。ステップSG7の実行後、初期設定処理が終了する。
(XマージンファクタXM設定の詳細な処理)
XマージンファクタXM設定の詳細な処理について、図14を参照して説明する。ランダム文字列が転写されるインク層は、転写後のイエローインク層Ryであるか否かが判断される(SH1)。具体的には、メイン制御処理ユニット200は、ステップSB4においてカラーインクリボン10の頭出しが実行されたときから、カラーインクリボン10が搬送された搬送量を、リボン巻取モータ36に内蔵されるエンコーダからの回転量を表す検出信号に従って把握することができる。メイン制御処理ユニット200は、把握する搬送量に基いて、ランダム文字列が転写されるインク層が、転写後のイエローインク層Ryであるか否かを判断する。ランダム文字列が転写されるインク層が、転写後のイエローインク層Ryであると判断されたとき(SH1:YES)、処理はステップSH2に移行する。ランダム文字列が転写されるインク層が、転写後のイエローインク層Ryであると判断されないとき(SH1:NO)、処理はステップSH3に移行する。
XマージンファクタXM1が設定される(SH2)。具体的には、XマージンファクタXM1が、イエローの画像のためのランダム文字列について、ユーザによる操作部250の操作に従って設定され、作業メモリ220に一時記憶される。たとえば、XマージンファクタXM1として、イエローの画像のためのランダム文字列について数値「0.65」が設定される。ステップSH2の実行後に、XマージンファクタXM設定が終了する。
ランダム文字列が転写されるインク層は、転写後のマゼンタインク層Rmであるか否かが判断される(SH3)。具体的には、メイン制御処理ユニット200は、ステップSB4においてカラーインクリボン10の頭出しが実行されたときから、カラーインクリボン10が搬送された搬送量に基いて、ランダム文字列が転写されるインク層が、転写後のマゼンタインク層Rmであるか否かを判断する。ランダム文字列が転写されるインク層が、転写後のマゼンタインク層Rmであると判断されたとき(SH3:YES)、処理はステップSH4に移行する。ランダム文字列が転写されるインク層が、転写後のマゼンタインク層Rmであると判断されないとき(SH3:NO)、処理はステップSH5に移行する。
XマージンファクタXM2が設定される(SH4)。具体的には、XマージンファクタXM2が、マゼンタの画像のためのランダム文字列について、ユーザによる操作部250の操作に従って設定され、作業メモリ220に一時記憶される。たとえば、XマージンファクタXM2として、マゼンタの画像のためのランダム文字列について数値「0.35」が設定される。ステップSH4の実行後に、XマージンファクタXM設定が終了する。
ランダム文字列が転写されるインク層は、転写後のシアンインク層Rcであるか否かが判断される(SH5)。具体的には、メイン制御処理ユニット200は、ステップSB4においてカラーインクリボン10の頭出しが実行されたときから、カラーインクリボン10が搬送された搬送量に基いて、ランダム文字列が転写されるインク層が、転写後のシアンインク層Rcであるか否かを判断する。ランダム文字列が転写されるインク層が、転写後のシアンインク層Rcであると判断されたとき(SH5:YES)、処理はステップSH6に移行する。ランダム文字列が転写されるインク層が、転写後のシアンインク層Rcであると判断されないとき(SH5:NO)、XマージンファクタXM設定が終了する。
XマージンファクタXM3が設定される(SH6)。具体的には、XマージンファクタXM3が、シアンの画像のためのランダム文字列について、ユーザによる操作部250の操作に従って設定され、作業メモリ220に一時記憶される。たとえば、XマージンファクタXM3として、シアンの画像のためのランダム文字列について数値「0.05」が設定される。ステップSH6の実行後に、XマージンファクタXM設定が終了する。
(ランダム文字選択処理の詳細な処理)
ランダム文字選択処理の詳細な処理について、図15を参照して説明する。文字の配列要素が設定される(SJ1)。具体的には、ステップSG2において設定された文字言語の多種類の文字が、文字の配列要素として設定される。たとえば、ステップSG2において設定された文字言語が英語である場合、文字の配列要素として、プログラムメモリ210に記憶されるA〜Zのアルファベット文字である26文字が設定される。
乱数が取得される(SJ2)。本実施形態では、メイン制御処理ユニット200は、乱数を発生するための乱数発生プログラムをプログラムメモリ210に記憶しており、ステップSJ2の実行により、乱数取得要求が発生されると、乱数発生プログラムを実行させる。その実行により、ステップSJ2において、発生された1つの乱数が取得される。
取得された乱数に従って、1つの選択文字が決定される(SJ3)。具体的には、ステップSJ1において設定された文字の配列要素の中から、取得された乱数に従って、1つの文字が選択される。たとえば、26文字のアルファベット文字の中から、1つの文字が選択される。ステップSJ3の実行後に、ランダム文字選択処理は終了する。
(ランダム文字サイズ選択処理の詳細な処理)
ランダム文字サイズ選択処理の詳細な処理について、図16を参照して説明する。最大のランダム文字サイズSmaxが算出される(SK1)。具体的には、最大のランダム文字サイズSmaxが、数値「1」にフォントサイズファクタVFを足し算した値に、フォントサイズFSを掛け算することにより、算出される。たとえば、フォントサイズファクタVFが、数値「0.2」に設定され、フォントサイズFSが、ピクセル数で120pxに設定されている場合、最大のランダム文字サイズSmaxは、120×(1+0.2)=144pxである。たとえば、図33の(C)に示されるように、基本サイズの文字形成領域FR1は、フォントサイズFSの高さ領域と、フォントサイズFSの幅領域とを有する。設定されるフォントサイズファクタVFに従って、最大のランダム文字サイズSmaxが算出されるときに、文字形成領域FR2は、最大のランダム文字サイズSmaxの高さ領域と、最大のランダム文字サイズSmaxの幅領域とを有する。
最小のランダム文字サイズSminが算出される(SK2)。具体的には、最小のランダム文字サイズSminが、数値「1」からフォントサイズファクタVFを引き算した値に、フォントサイズFSを掛け算することにより、算出される。たとえば、フォントサイズファクタVFが、数値「0.2」に設定され、フォントサイズFSが、ピクセル数で120pxに設定されている場合、最小のランダム文字サイズSminは、120×(1−0.2)=96pxである。たとえば、図33の(C)に示されるように、基本サイズの文字形成領域FR1は、フォントサイズFSの高さ領域と、フォントサイズFSの幅領域とを有する。設定されるフォントサイズファクタVFに従って、最小のランダム文字サイズSminが算出されるときに、文字形成領域FR3は、最小のランダム文字サイズSminの高さ領域と、最小のランダム文字サイズSminの幅領域とを有する。
乱数が取得される(SK3)。本実施形態では、メイン制御処理ユニット200は、乱数を発生するための乱数発生プログラムをプログラムメモリ210に記憶しており、ステップSK3の実行により、乱数取得要求が発生されると、乱数発生プログラムを実行させる。その実行により、ステップSK3において、発生された1つの乱数が取得される。
取得された乱数に従って、1つのランダム文字サイズSiが決定される。具体的には、最大のランダム文字サイズSmaxから、最小のランダム文字サイズSminまでの範囲において、1つの整数のランダム文字サイズSiが、取得された乱数に従って、選択される。ステップSK4の実行後に、ランダム文字サイズ選択処理が終了する。
ランダム文字サイズ選択処理により、ランダム文字サイズSiが順次決定される場合、ランダム文字サイズSiの各文字形成領域は、ステップSF11の処理により、画像形成領域GRの幅方向において、Xずれ距離DX(=XM×FS)だけ、変位される。たとえば、図33の(C)において、基本サイズであるフォントサイズFSの文字形成領域FR1と、最大のランダム文字サイズSmaxの文字形成領域FR2と、最小のランダム文字サイズSminの文字形成領域FR3とが、右方に向って配列される。文字形成領域FR2の右方端縁の位置は、文字形成領域FR1の右方端縁の位置から右方に、Xずれ距離DXだけ離れた位置になり、文字形成領域FR3の右方端縁の位置は、文字形成領域FR2の右方端縁の位置から右方に、Xずれ距離DXだけ離れた位置になる。
≪残像転写処理における具体的な転写態様≫
残像転写処理SA8における具体的な転写態様について、図28乃至図45を参照して説明する。具体的な転写態様として、2つの転写態様を例にして説明する。第1の転写態様は、イエローの画像、マゼンタの画像、およびシアンの画像のためのランダム文字列の生成において、YマージンファクタYMが3つの画像に共通して同じ数値に設定されるが、XマージンファクタXMが3つの画像にそれぞれ対応して異なる数値に設定される場合における転写態様である。第2の転写態様は、イエローの画像、マゼンタの画像、およびシアンの画像のためのランダム文字列の生成において、YマージンファクタYM、およびXマージンファクタXMが3つの画像に共通して同じ数値に設定される場合における転写態様である。
図29乃至図32は、所望の画像中の顔画像および文字がイエローインク層Ry、マゼンタインク層Rm、シアンインク層Rc、および黒色インク層Rkの各インク層から転写フィルム20の第1番目のフィルム区画T1に転写されたときに、印刷用サーマルヘッドTH1が位置する側から各インク層を見た説明図である。図29乃至図32の各図面において、上方に向う方向がカラーインクリボン10のリボン搬送方向である。
図34、図36、図38、図40、図42、および図44は、ランダム文字列が転写後の黒色インク層Rkから転写後のイエローインク層Ry、転写後のマゼンタインク層Rm、および転写後のシアンインク層Rcの各カラーインク層に転写されたときに、転写後の黒色インク層Rkを上書き用サーマルヘッドTH2が位置する側から見た説明図である。図34、図36、図38、図40、図42、および図44の各図面において、上方に向う方向がカラーインクリボン10のリボン搬送方向である。図35、図37、図39、図41、図43、および図45は、ランダム文字列が転写後の黒色インク層Rkから転写後のイエローインク層Ry、転写後のマゼンタインク層Rm、および転写後のシアンインク層Rcの各カラーインク層に転写されたときに、転写後の各カラーインク層を上書き用プラテンローラ70が位置する側から見た説明図である。図35、図37、図39、図41、図43、および図45の各図面において、下方に向う方向がカラーインクリボン10のリボン搬送方向である。
図28に示される所望の画像がカード24に再転写された場合に、転写後のイエローインク層Ryには、図29に示される顔画像が残像として形成され、転写後のマゼンタインク層Rmには、図30に示される顔画像が残像として形成され、転写後のシアンインク層Rcには、図31に示される顔画像が残像として形成される。また、転写後の黒色インク層Rkには、図32に示される文字がインク抜け画像として形成される。各インク層に残像として形成される顔画像および文字は、個人的な情報であり、秘密とすべき情報である場合が多い。秘密漏えい防止の観点から、各インク層に残る情報を判読困難にするために、イエローの画像、マゼンタの画像、およびシアンの画像のために3つの異なるランダム文字列が生成され、転写後の黒色インク層Rkから3つのカラーインク層Ry、Rm、Rcにそれぞれ転写される。
(XマージンファクタXMが異なる第1の転写態様)
第1の転写態様について、主に図34乃至図39を参照して説明する。第1の転写態様において、YマージンファクタYMが、3つの画像に共通して数値「0.7」に設定されるが、XマージンファクタXMが、イエローの画像、マゼンタの画像、およびシアンの画像にそれぞれ対応して、数値「0.65」、数値「0.35」、および数値「0.05」に設定される。所望の画像の解像度が600dpiに設定され、画像高さGHが、ピクセル数で1920pxに設定され、画像幅GWが、ピクセル数で1200pxに設定される。文字言語が、英語に設定される。フォントタイプが、Arialに設定される。フォントサイズFSが、ピクセル数で120pxに設定される。フォントサイズファクタVFが、数値「0.2」に設定される。
イエローの画像のためのランダム文字列が、図32に示されるインク抜けの文字画像が残る転写後の黒色インク層Rkから、図29に示されるイエローの顔画像が残る転写後のイエローインク層Ryに転写されると、図34に示されるように、インク抜けのランダム文字列の画像がインク抜けの文字画像に上書きされた画像が、転写後の黒色インク層Rkに形成され、図35に示されるように、黒色インクのランダム文字列の画像がイエローの顔画像に上書きされた画像が、転写後のイエローインク層Ryに形成される。この結果、転写後のイエローインク層Ryにおいて、インク抜けの文字画像、およびイエローの顔画像が判読困難な状態になる。
マゼンタの画像のためのランダム文字列が、図34に示されるインク抜けの文字画像が残る転写後の黒色インク層Rkから、図30に示されるマゼンタの顔画像が残る転写後のマゼンタインク層Rmに転写されると、図36に示されるように、インク抜けのランダム文字列の画像がインク抜けの文字画像に上書きされた画像が、転写後の黒色インク層Rkに形成され、図37に示されるように、黒色インクのランダム文字列の画像がマゼンタの顔画像に上書きされた画像が、転写後のマゼンタインク層Rmに形成される。この結果、転写後のマゼンタインク層Rmにおいて、インク抜けの文字画像、およびマゼンタの顔画像が判読困難な状態になる。
シアンの画像のためのランダム文字列が、図36に示されるインク抜けの文字画像が残る転写後の黒色インク層Rkから、図31に示されるシアンの顔画像が残る転写後のシアンインク層Rcに転写されると、図38に示されるように、インク抜けのランダム文字列の画像がインク抜けの文字画像に上書きされた画像が、転写後の黒色インク層Rkに形成され、図39に示されるように、黒色インクのランダム文字列の画像がシアンの顔画像に上書きされた画像が、転写後のシアンインク層Rcに形成される。この結果、転写後のシアンインク層Rcにおいて、インク抜けの文字画像、およびシアンの顔画像が判読困難な状態になる。また、図38に示されるように、転写後の黒色インク層Rkにおいて、インク抜けの文字画像を判読することが全くできない状態になる。
第1の転写態様において、黒色インク層Rkが、転写フィルム20の第1番目のフィルム区画T1、転写後のイエローインク層Ry、転写後のマゼンタインク層Rm、および転写後のシアンインク層Rcにそれぞれ転写される黒色インク転写割合が、所望の画像中の文字画像、および、各カラーインクの画像のためのランダム文字列に基いて実行されるシミュレーション方法に従って、計算される。その計算結果として、黒色インク層Rkの第1番目のフィルム区画T1への黒色インク転写割合は、4.35%であり、黒色インク層Rkの転写後のイエローインク層Ryへの黒色インク転写割合は、31.59%であり、黒色インク層Rkの転写後のマゼンタインク層Rmへの黒色インク転写割合は、33.22%であり、黒色インク層Rkの転写後のシアンインク層Rcへの黒色インク転写割合は、30.66%である。この結果、第1の転写態様において、XマージンファクタXMが、イエローの画像、マゼンタの画像、およびシアンの画像にそれぞれ対応して、数値「0.65」、数値「0.35」、および数値「0.05」に設定されることにより、転写後のイエローインク層Ry、転写後のマゼンタインク層Rm、および転写後のシアンインク層Rcへの黒色インク転写割合が大きく異ならないように、転写後の黒色インク層Rkを転写することができる。黒色インク転写割合が大きく異ならないことにより、転写後のイエローインク層Ry、転写後のマゼンタインク層Rm、および転写後のシアンインク層Rcにそれぞれ残る顔画像の判読困難な状態について、大きな差が生じないようにすることができる。ここで、黒色インク転写割合は、1つのリボン区画における転写前の黒色インク層の全ての黒色インク量に対して、初回の転写時、または2回目以降の転写時に黒色インク層から転写された黒色インク量の割合を表す。
(XマージンファクタXMが同じである第2の転写態様)
第2の転写態様について、主に図40乃至図45を参照して説明する。第2の転写態様において、YマージンファクタYMが、3つの画像に共通して数値「0.7」に設定され、XマージンファクタXMが、3つの画像に共通して数値「0.65」に設定される。所望の画像の解像度が600dpiに設定され、画像高さGHが、ピクセル数で1920pxに設定され、画像幅GWが、ピクセル数で1200pxに設定される。文字言語が、英語に設定される。フォントタイプが、Arialに設定される。フォントサイズFSが、ピクセル数で120pxに設定される。フォントサイズファクタVFが、数値「0.2」に設定される。
イエローの画像のためのランダム文字列が、図32に示されるインク抜けの文字画像が残る転写後の黒色インク層Rkから、図29に示されるイエローの顔画像が残る転写後のイエローインク層Ryに転写されると、図40に示されるように、インク抜けのランダム文字列の画像がインク抜けの文字画像に上書きされた画像が、転写後の黒色インク層Rkに形成され、図41に示されるように、黒色インクのランダム文字列の画像がイエローの顔画像に上書きされた画像が、転写後のイエローインク層Ryに形成される。この結果、転写後のイエローインク層Ryにおいて、インク抜けの文字画像、およびイエローの顔画像が判読困難な状態になる。
マゼンタの画像のためのランダム文字列が、図40に示されるインク抜けの文字画像が残る転写後の黒色インク層Rkから、図30に示されるマゼンタの顔画像が残る転写後のマゼンタインク層Rmに転写されると、図42に示されるように、インク抜けのランダム文字列の画像がインク抜けの文字画像に上書きされた画像が、転写後の黒色インク層Rkに形成され、図43に示されるように、黒色インクのランダム文字列の画像がマゼンタの顔画像に上書きされた画像が、転写後のマゼンタインク層Rmに形成される。この結果、転写後のマゼンタインク層Rmにおいて、インク抜けの文字画像、およびマゼンタの顔画像が判読困難な状態になる。
シアンの画像のためのランダム文字列が、図42に示されるインク抜けの文字画像が残る転写後の黒色インク層Rkから、図31に示されるシアンの顔画像が残る転写後のシアンインク層Rcに転写されると、図44に示されるように、インク抜けのランダム文字列の画像がインク抜けの文字画像に上書きされた画像が、転写後の黒色インク層Rkに形成され、図45に示されるように、黒色インクのランダム文字列の画像がシアンの顔画像に上書きされた画像が、転写後のシアンインク層Rcに形成される。この結果、転写後のシアンインク層Rcにおいて、インク抜けの文字画像、およびシアンの顔画像が判読困難な状態になる。また、図44に示される転写後の黒色インク層Rkは、図38に示される転写後の黒色インク層Rkと比べれば、インク抜けの文字画像の存在を確認し易い状態であるが、インク抜けの文字画像が判読困難な状態である。
第2の転写態様において、黒色インク層Rkが、転写フィルム20の第1番目のフィルム区画T1、転写後のイエローインク層Ry、転写後のマゼンタインク層Rm、および転写後のシアンインク層Rcにそれぞれ転写される黒色インク転写割合が、所望の画像中の文字画像、および、各カラーインクの画像のためのランダム文字列に基いて実行されるシミュレーション方法に従って、計算される。その計算結果として、黒色インク層Rkの第1番目のフィルム区画T1への黒色インク転写割合は、4.35%であり、黒色インク層Rkの転写後のイエローインク層Ryへの黒色インク転写割合は、31.86%であり、黒色インク層Rkの転写後のマゼンタインク層Rmへの黒色インク転写割合は、21.80%であり、黒色インク層Rkの転写後のシアンインク層Rcへの黒色インク転写割合は、13.32%である。この結果、第2の転写態様において、XマージンファクタXMが、イエローの画像、マゼンタの画像、およびシアンの画像に共通して、数値「0.65」に設定されることにより、転写後のイエローインク層Ry、転写後のマゼンタインク層Rm、および転写後のシアンインク層Rcへの黒色インク転写割合が異なることになる。黒色インク転写割合が異なることにより、転写後のイエローインク層Ry、転写後のマゼンタインク層Rm、および転写後のシアンインク層Rcにそれぞれ残る顔画像の判読困難な状態について、相違が生ずる。
<実施形態の効果>
本実施形態では、図32に示される転写後の黒色インク層Rkに残存する黒色インクは、図29乃至図31に示される転写後のイエローインク層Ry、転写後のマゼンタインク層Rm、および転写後のシアンインク層Rcに分散してそれぞれ転写される。この結果、転写後の黒色インク層Rkに残るインク抜けの文字画像を判読困難な状態にすることができるとともに、転写後のイエローインク層Ry、転写後のマゼンタインク層Rm、および転写後のシアンインク層Rcに残る顔画像をも判読困難な状態にすることができる。
本実施形態では、XマージンファクタXMは、所望の画像中の文字が配列される方向である画像形成領域GRの幅方向において、ランダム文字列の隣り合う2つの文字が重ならない量を定めるために、設定される。XマージンファクタXMは、イエロー、マゼンタ、およびシアンの3色の画像のために生成される3種類のランダム文字列について、それぞれ異なる数値に設定される。この結果、XマージンファクタXMの設定により、所望の画像中の文字が配列される方向において文字が重なり合うランダム文字列が転写されることから、所望の画像中の文字を確実に判読困難にすることができる。また、XマージンファクタXMが、3種類のランダム文字列について、それぞれ異なる数値に設定されることから、転写後の黒色インク層に残るインク抜けの文字画像を確実に判読困難にすることができる。
本実施形態では、イエロー、マゼンタ、およびシアンの3色の画像のために3種類のランダム文字列が生成される。3種類のランダム文字列の生成のために、XマージンファクタXMが、後に転写されるランダム文字列ほど、小さな値に設定される。このXマージンファクタXMの設定により、ランダム文字列の隣り合う2つの文字が重なり合う重合量が、後に転写されるランダム文字列ほど、大きくなる。この結果、転写後の黒色インク層Rkから、転写後のイエローインク層Ry、転写後のマゼンタインク層Rm、および転写後のシアンインク層Rcに転写される黒色インクの転写割合に大きな差が生ずることはなく、転写後のイエローインク層Ry、転写後のマゼンタインク層Rm、および転写後のシアンインク層Rcに残る顔画像について判読困難な状態に差が生じないようにすることができる。
本実施形態では、イエロー、マゼンタ、およびシアンの3色の画像のために3種類のランダム文字列が生成される。3種類のランダム文字列の生成のために、XマージンファクタXM、YマージンファクタYM、および、フォントサイズファクタVFが設定される。XマージンファクタXMの設定により、1つの行のランダム文字列の隣り合う2つの文字が重なり合う重合量が設定され、YマージンファクタYMの設定により、ランダム文字列の隣り合う2つの行が重なり合う重合量が設定される。フォントサイズファクタVFの設定により、ランダム文字列の各文字のサイズが、そのファクタVFに基いて定められるサイズ変更範囲、すなわち、最小のランダム文字サイズSminから最大のランダム文字サイズSmaxまでの範囲において変化する。この結果、予想外の変化に富むランダム文字列を容易に生成することができ、転写後のカラーインクリボン10に残る画像の判読を一層困難な状態にすることができる。
本実施形態では、所望の画像は、図28に示されるように、「○×株式会社」という比較的大きなサイズの文字と、「上記の者は、当社の社員であることを証明する」という比較的小さなサイズの文字とを含む。所望の画像の文字のサイズが大きく異なる場合に備えて、ステップSG5の処理により、フォントサイズファクタVFが設定される。フォントサイズファクタVFの設定値は、所望の画像中の最大のサイズの文字と最小のサイズの文字とを判読困難にするために、ユーザによる操作部250の操作に従って、基本サイズであるフォントサイズFSに対して文字サイズを増減する割合に、設定される。この結果、フォントサイズファクタVFの設定により、文字サイズが大きく異なる文字を含む所望の画像であっても、秘密とすべき文字を確実に判読困難にすることができる。
本実施形態では、ランダム文字列が、転写後の黒色インク層Rkから、転写後のイエローインク層Ry、転写後のマゼンタインク層Rm、および転写後のシアンインク層Rcに転写される残像転写処理SA8は、所望の画像を転写フィルム20からカード24に再転写する印刷タスクのステップSD1〜SD10の処理と並行して実行される。この結果、熱転写プリンタ2の全体動作において、残像転写処理の実行時間を特別に必要としないことから、転写後のカラーインクリボン10に残る画像を迅速に判読困難な状態にすることができる。
本実施形態では、画像形成範囲GRにおいて、ランダム文字列が配置される第1番目の行LN1の高さ位置が、ステップSF3の処理によりランダムに定められる第1番目の高さ距離LY1に基いて決定される。各行のランダム文字列の第1番目の文字が配置される第1番目の幅位置が、ステップSF6の処理によりランダムに定められる第1番目の幅距離LX1に基いて決定される。この結果、画像形成範囲GRの端縁部分においても、ランダム文字列の各文字が予想外に変化することから、転写後のカラーインクリボン10に残る画像の判読を一層困難な状態にすることができる。
本実施形態では、所望の画像が転写される前のカラーインクリボン10が搬送されるリボン搬送経路部分42と、先に転写された転写後のカラーインクリボン10が搬送されるリボン搬送経路部分44と、所望の画像が転写された後の転写後のカラーインクリボン10であって、後に転写された転写後のカラーインクリボン10が搬送されるリボン搬送経路部分46とが、互いに平行に配置される。印刷用サーマルヘッドTH1および上書き用サーマルヘッドTH2は、1つのヘッドユニット14に搭載され、そのヘッドユニット14が、ユニット移動機構16により、3つのリボン搬送経路部分42〜46に沿って移動する。この結果、印刷用サーマルヘッドTH1および上書き用サーマルヘッドTH2が個別にリボン搬送経路部分に沿って移動する構成に比べて、熱転写プリンタ2の機械的構成を小型化することができる。
本実施形態では、ランダム文字列が、転写後の黒色インク層Rkから、転写後のイエローインク層Ry、転写後のマゼンタインク層Rm、および転写後のシアンインク層Rcの各カラーインク層に転写されるときに、転写後の黒色インク層Rkと、各カラーインク層とは重なった状態で停止する一方で、上書き用サーマルヘッドTH2がユニット移動機構16により移動する。この結果、上書き用サーマルヘッドを移動させずにリボン巻取モータにより転写後のリボンを移動させながら、ランダム文字列を転写する構成に比べて、ランダム文字列を転写後の各カラーインク層に位置精度良く転写することができる。
本実施形態では、転写後の黒色インク層Rkが、転写後のイエローインク層Ry、転写後のマゼンタインク層Rm、および転写後のシアンインク層Rcの各カラーインク層と重なった状態で位置決めされるように、リボン巻取モータ36によるカラーインクリボン10の巻き取りと、ユニット駆動モータ64」による上書き用サーマルヘッドTH2の移動とが、図24乃至図26に示されるように実行される。この結果、ランダム文字列が、転写後の黒色インク層Rkから、転写後のイエローインク層Ry、転写後のマゼンタインク層Rm、および転写後のシアンインク層Rcの全てのカラーインク層に転写されるときに、転写後のカラーインクリボン10が搬送されるリボン搬送経路部分44、46を変化させる必要がなく、熱転写プリンタ2の機械的構成を簡易にするとともに、転写後のカラーインクリボン10の搬送精度を安定化させることができる。
<構成の対応関係>
熱転写印刷システム1、または熱転写プリンタ2は、本発明の熱転写印刷装置の一例である。カラーインクリボン10は、本発明のカラーインクリボンの一例であり、イエローインク層Ry、アゼンタインク層Rm、およびシアンインク層Rcが、本発明の複数色の昇華性インク層の一例であり、黒色インク層Rkが、本発明の黒色の溶融性インク層の一例である。カード24が、本発明の被転写媒体、および印刷媒体の一例である。転写フィルム20が、本発明の被転写媒体、および中間転写媒体の一例である。印刷機構26が、本発明の印刷転写部の一例である。リボン搬送機構12が、本発明のリボン搬送部の一例である。印刷用サーマルヘッドTH1、上書き用サーマルヘッドTH2、およびユニット移動機構16が、本発明の熱転写部の一例である。印刷用サーマルヘッドTH1が、本発明の印刷用サーマルヘッドの一例である。上書き用サーマルヘッドTH2が、本発明の上書き用サーマルヘッドの一例である。ユニット移動機構16が、本発明の上書き用ヘッド移動部、および印刷用ヘッド移動部の一例であり、本発明のヘッド支持体を移動させる移動機構の一例である。ヘッドユニット14が、本発明のヘッド支持体の一例である。フィルム搬送機構22が、本発明の媒体搬送部の一例である。ヘッド昇降機構18が、本発明のヘッド変位機構の一例である。リボン搬送経路部分42が、本発明の第1のリボン搬送経路部分の一例であり、リボン搬送経路部分44、46が、本発明の第2のリボン搬送経路部分の一例である。プログラムメモリ210が、本発明の単位画像を記憶する記憶部の一例である。メイン制御処理ユニット200と、ランダム文字列生成処理SE1との組み合わせが、本発明の重畳画像生成部の一例であり、ランダム文字列生成処理SE1が、本発明の重畳画像生成処理の一例である。メイン制御処理ユニット200と、ステップSE2〜SE9の処理との組み合わせが、本発明の位置合わせ部の一例であり、ステップSE2〜SE9の処理が、本発明の位置合わせ処理の一例である。メイン制御処理ユニット200と、ステップSE2〜SE4の処理との組み合わせが、本発明の重畳制御部の一例であり、ステップSE2〜SE4の処理が、本発明の重畳制御処理の一例である。メイン制御処理ユニット200と、ステップSJ2の処理との組み合わせが、本発明の第1の乱数取得部の一例である。メイン制御処理ユニット200と、ステップSF3〜SF12、SJ1、SJ3の処理との組み合わせが、本発明の画像配列部の一例である。メイン制御処理ユニット200と、ステップSG6の処理と、操作部250との組み合わせが、本発明の重合量設定部の一例である。メイン制御処理ユニット200と、ステップSG4、SG5、SK1、SK2の処理と、操作部250との組み合わせが、本発明のサイズ変更範囲設定部の一例である。メイン制御処理ユニット200と、ステップSK3の処理との組み合わせが、本発明の第2の乱数取得部の一例である。メイン制御処理ユニット200と、ステップSK4の処理との組み合わせが、本発明の決定部の一例である。メイン制御処理ユニット200と、ステップSD1〜SD10の処理との組み合わせが、本発明の印刷制御部の一例である。
[変形例]
本発明は、本実施形態に限定されることはなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の変形が可能である。以下にその変形の一例を述べる。
(1)本実施形態では、転写後の黒色インク層Rkから、転写後のイエローインク層Ryなどの各カラーインク層に転写される重畳画像として、ランダム文字列が使用されるが、重畳画像はランダム文字列に限定されない。たとえば、1種類の形状または複数種類の形状のパターンが連続して配置される連続パターン画像が、重畳画像として使用されてもよい。たとえば、連続パターン画像は、パターン形成領域を有する。この連続パターン画像が、画像形成領域GRの高さ方向および幅方向に複数配列されることにより、図46に示されるように、画像形成領域GRの全領域にわたって配置される。パターン形成領域は、画像形成領域GRの高さ方向に所定の高さピクセル数を有し、画像形成領域GRの幅方向に所定の幅ピクセル数を有する領域である。この変形例では、マゼンタの画像のための連続パターン画像は、イエローの画像のための連続パターン画像を、パターン形成領域の所定の幅ピクセル数に対するXオフセット割合のピクセル数だけ幅方向に変位させるとともに、パターン形成領域の所定の高さピクセル数に対するYオフセット割合のピクセル数だけ高さ方向に変位させることにより、生成される。シアンの画像のための連続パターン画像は、マゼンタの画像のための連続パターン画像を、パターン形成領域の所定の幅ピクセル数に対するXオフセット割合のピクセル数だけ幅方向に変位させるとともに、パターン形成領域の所定の高さピクセル数に対するYオフセット割合のピクセル数だけ高さ方向に変位させることにより、生成される。ここで、Xオフセット割合は、所定の幅ピクセル数に対する幅方向に変位するピクセル数の割合であり、Yオフセット割合は、所定の高さピクセル数に対する高さ方向に変位するピクセル数の割合である。図46乃至図51は、図34乃至図39に相当する図面である。図46は、イエローの画像のための連続パターン画像が転写後の黒色インク層Rkから転写後のイエローインク層Ryに転写されたときに、図24において転写後の黒色インク層Rkを上書き用サーマルヘッドTH2が位置する側から見た説明図である。図47は、イエローの画像のための連続パターン画像が転写後の黒色インク層Rkから転写後のイエローインク層Ryに転写されたときに、図24において転写後のイエローインク層Ryを上書き用プラテンローラ70が位置する側から見た説明図である。図48は、マゼンタの画像のための連続パターン画像が転写後の黒色インク層Rkから転写後のイエローインク層Rmに転写されたときに、図25において転写後の黒色インク層Rkを上書き用サーマルヘッドTH2が位置する側から見た説明図である。図49は、マゼンタの画像のための連続パターン画像が転写後の黒色インク層Rkから転写後のマゼンタインク層Rmに転写されたときに、図25において転写後のマゼンタインク層Rmを上書き用プラテンローラ70が位置する側から見た説明図である。図50は、シアンの画像のための連続パターン画像が転写後の黒色インク層Rkから転写後のシアンインク層Rcに転写されたときに、図26において転写後の黒色インク層Rkを上書き用サーマルヘッドTH2が位置する側から見た説明図である。図51は、シアンの画像のための連続パターン画像が転写後の黒色インク層Rkから転写後のシアンインク層Rcに転写されたときに、図26において転写後のシアンインク層Rcを上書き用プラテンローラ70が位置する側から見た説明図である。
(2)本実施形態では、印刷用サーマルヘッドTH1、および上書き用サーマルヘッドTH2が、ヘッドユニット14に搭載されるヘッド昇降機構18により、一体的に昇降される。ヘッド昇降機構18は、昇降制御カム96、一対の作動レバー100、102、およびヘッド昇降モータ106などを備える構成であるが、この構成に限定されない。たとえば、ヘッド昇降機構18は、昇降制御カム96、および一対の作動レバー100、102に代えて、送りねじ軸、および、その送りねじ軸に螺合するナット部材を含む構成であってもよいし、ラック、および、そのラックに噛み合うピニオンを含む構成であってもよい。また、印刷用サーマルヘッドTH1、および上書き用サーマルヘッドTH2は、ヘッドユニット14に対して、個別に昇降する構成であってもよい。
(3)本実施形態では、メイン制御処理ユニット200、およびサブ制御処理ユニット202が備えられ、残像転写処理SA8は、メイン制御処理ユニット200により実行され、印刷タスクのステップSD1〜SD10は、サブ制御処理ユニット202により実行され、残像転写処理SA8と、印刷タスクのステップSD1〜SD10とが並行して実行される構成であるが、この構成に限定されない。たとえば、1つの制御処理ユニットが、印刷タスクのステップSD1〜SD10を先に実行し、その後に、残像転写処理SA8を実行する構成であってもよい。
(4)本実施形態では、ランダム文字列を生成するために、ステップSG2の処理により、1つの文字言語が設定される構成であり、ステップSF8の処理により、設定された文字言語の多数の文字のうちから、1つの文字がランダムに選択されて配列される構成であるが、この構成に限定されない。たとえば、ステップSG2の処理において、複数の文字言語が設定され、ステップSF8の処理により、設定された複数の文字言語の多数の文字のうちから、1つの文字がランダムに選択されて配列される構成であってもよい。具体的には、ステップSG2の処理により、英語と、アラビア語とが、文字言語として設定された場合、ステップSF8の処理により、英語のアルファベット文字である26種類の文字と、アラビア語のアラビア文字である28種類の文字とのうちから、1つの文字がランダムに選択されて配列されることにより、ランダム文字列が生成される構成であってもよい。
(5)本実施形態では、ランダム文字列の各文字の基本サイズであるフォントサイズFSは、ステップSG4の処理において、ユーザによる操作部250の操作に従って、設定される構成であるが、この構成に限定されない。たとえば、所望の画像中の文字について、最大の文字サイズと、最小の文字サイズとが、所望の画像中の文字を表す文字データに基いて検出され、最大の文字サイズから最小の文字サイズまでの範囲において、所望の画像中で最も多い文字サイズが、フォントサイズFSとして決定される構成であってもよいし、最大の文字サイズと最小の文字サイズとの平均値に基いて、フォントサイズFSが決定される構成であってもよい。
(6)本実施形態では、ステップSG2の処理により設定された文字言語の多種類の文字の各文字が、単位画像として、重畳画像の構成要素となるが、重畳画像として種々の画像が使用される。たとえば、単位画像として、文字言語の文字以外に、菱形模様などの幾何学模様、または、植物および動物などを抽象化した模様が使用されてもよい。また、重畳画像として、図46に示されるように、画像形成領域GRの全領域に描かれた連続パターン画像が使用されてもよい。
(7)本実施形態の第1の転写態様において、XマージンファクタXMが、イエローの画像、マゼンタの画像、およびシアンの画像にそれぞれ対応して、数値「0.65」、数値「0.35」、および数値「0.05」に設定される一方で、YマージンファクタYMが、3つの画像に共通して数値「0.7」に設定されるが、この設定方法に限定されない。たとえば、YマージンファクタYMも、イエローの画像、マゼンタの画像、およびシアンの画像にそれぞれ対応して、異なる数値に設定される方法であってもよい。
(8)本実施形態では、カラーインクリボン10が、イエローインク層Ry、マゼンタインク層Rm、シアンインク層Rc、および黒色インク層Rkが1つの組となって繰り返し配列される構成であるが、この構成に限定されない。たとえば、カラーインクリボン10が、イエローインク層Ry、マゼンタインク層Rm、シアンインク層Rc、および黒色インク層Rkの他に、オーバコート層を含んで1つの組に構成されてもよい。カラーインクリボン10がオーバコート層を含む場合には、所望の画像は、転写フィルム20を使用することなく、カラーインクリボン10からカード24に直接に転写される構成が考えられる。オーバコート層がカード24に転写されたときに、転写後のオーバコート層は、カート24に転写された所望の画像中の文字を形成する溶融性の黒色インク層の凸形状により、凹形状に変形する。転写後のオーバコート層に形成される凹形状は、秘密とすべき文字に相当する形状であることから、判読困難にする必要がある。オーバコート層を含む変形例では、上書き用サーマルヘッドTH2により、ランダム文字列が、転写後のオーバコート層から、転写後の黒色インク層に転写される構成が採用される。ランダム文字列は、転写後のオーバコート層に専用のランダム文字列であってもよいし、または、転写後のシアンインク層に使用されたランダム文字列であってもよい。また、オーバコート層を含まないカラーインクリボンを使用するモードと、オーバコート層を含むカラーインクリボンを使用するモードとを切り換える操作手段を設け、この操作手段の操作に従って、残像転写処理SA8の処理内容が切り換えられる構成であってもよい。
(9)本実施形態では、熱転写プリンタ2と通信可能な外部の情報処理装置3が、所望の画像を表す画像データを生成する構成であるが、この構成に限定されない。たとえば、熱転写プリンタ2が、所望の画像を表す画像データを生成する機能を備える構成であってもよい。または、所望の画像を表す画像データが多種類記憶された外部の情報提供サーバから、熱転写プリンタ2が、所望の画像を表す画像データをダウンロードして記憶する機能を備える構成であってもよい。
(10)本実施形態では、印刷媒体として、定型サイズのカードが採用されたが、カードに限定されない。たとえば、印刷媒体として、カードよりサイズが大きいクリアファイル、または用紙などが採用されてもよい。