JP6928541B2 - 核酸高含有パン酵母及び酵母エキスの製造方法 - Google Patents
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<1> 培地中の酵母濃度が12質量%になるまで培養したときのパン酵母中の核酸量が、乾燥菌体質量当たり10質量%超であることを特徴とする核酸高含有パン酵母である。
<2> 核酸高含有パン酵母が、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)AA04株(NITE P−02504)である前記<1>に記載の核酸高含有パン酵母である。
<3> 前記<1>又は<2>に記載の核酸高含有パン酵母を培養する工程及び前記培養したパン酵母からエキスを調製する工程を含むことを特徴とする酵母エキスの製造方法である。
本願発明の核酸高含有パン酵母は、培地中の酵母濃度が12質量%になるまで培養したときのパン酵母中の核酸量が、乾燥菌体質量当たり10質量%超であるパン酵母である。
前記パン酵母中の核酸量としては、培地中の酵母濃度が12質量%になるまで培養したときに、乾燥菌体質量当たり10質量%超であれば特に制限はなく、適宜選択することができるが、11質量%以上が好ましい。記核酸量が好ましい範囲内であると、呈味性等に優れる核酸高含有酵母エキスをより効率良く製造することができる点で、有利である。
前記乾燥菌体を調製する方法としては、特に制限はなく、公知の方法を適宜選択することができる。
前記培養における培地としては、特に制限はなく、炭素源、窒素源及び無機塩等を含む通常サッカロマイセス・セレビシエ等の酵母の培養に用いられる培地の中から適宜選択することができる。
前記炭素源の培地における含有量としては、特に制限はなく、適宜選択することができる。
前記窒素源の培地における含有量としては、特に制限はなく、適宜選択することができる。
前記無機塩の培地における含有量としては、特に制限はなく、適宜選択することができる。
前記その他の成分の培地における含有量としては、特に制限はなく、適宜選択することができる。
前記液体培地中で培養する態様としては、例えば、回分培養、流加培養、連続培養などが挙げられる。
例えば、継代培養の場合には、簡便であるため、寒天平板培地上で培養することや、適当な液体培地中で回分培養することが好ましい。また、工業的に核酸高含有酵母を製造し、培養物を量産する場合には、流加培養又は連続培養を行うことが好ましい。
例えば、培養温度としては、20〜40℃であることが好ましく、25〜35℃であることがより好ましい。
また、培地のpHとしては、3.5〜8.0であることが好ましく、4.0〜6.0であることがより好ましい。特に、工業的に培養物を量産する場合には、培地中のpHを定期的に測定し、pH4.0〜6.0に維持するよう調整することが好ましい。
また、核酸高含有パン酵母は、好気的条件で培養することが好ましい。例えば、通気量の条件としては、0.5〜10vvmであることが好ましく、0.8〜5.0vvmであることがより好ましい。
本願発明の核酸高含有パン酵母の製造方法としては、特に制限はなく、適宜選択することができ、例えば、核酸含量(主にRNA含量)や増殖性を指標として用い、これらが高い菌株を選抜したり、核酸アナログ耐性株を選抜したり、これらを組み合わせたりして製造する方法などが挙げられる。
前記製造方法に用いる酵母(以下、「親株」、「元株」と称することがある)としては、特に制限はなく、適宜選択することができ、例えば、サッカロミセス(Saccharomyces)属、トルロプシス(Torulopsis)属、ミコトルラ(Mycotorula)属、トルラスポラ(Torulaspora)属、キャンディダ(Candida)属、ロードトルラ(Rhodotorula)属、ピキア(Pichia)属などが挙げられ、具体的な菌株の例としては、Saccharomyces cerevisiae、Saccharomyces carlsbergensis、Saccharomyces uvarum、Saccharomyces rouxii、Torulopsis utilis、Torulopsis candida、Mycotorula japonica、Mycotorula lipolytica、Torulaspora delbrueckii、Torulaspora fermentati、Candida sake、Candida tropicalis、Candida utilis、Hansenula anomala、Hansenula suaveolens、Saccharomycopsis fibligera、Saccharomyces lipolytica、Rhodotorula rubra、Pichia farinosaなどが挙げられる。
前記製造方法に用いる酵母は、自然に存在するパン酵母を用いてもよいし、市販のパン酵母を用いてもよいし、突然変異処理したパン酵母を用いてもよいし、これらを混合して用いてもよい。
前記突然変異処理の方法としては、特に制限はなく、公知の方法を適宜選択することができる。
本発明の酵母エキスの製造方法は、本発明の核酸高含有パン酵母を培養する工程と、前記培養したパン酵母からエキスを調製する工程とを少なくとも含み、必要に応じて更にその他の工程を含む。
前記培養工程は、本発明の核酸高含有パン酵母を培養する限り、特に制限はなく、公知の培養方法を適宜選択することができ、例えば、上記した(核酸高含有パン酵母)の<培養>の項目に記載した方法などが挙げられる。
前記エキス調製工程は、前記培養工程で得られた培養物から酵母エキスを調製する限り、特に制限はなく、酵母エキスを調製する場合に通常行われている調製方法を適宜選択することができる。
前記調製方法としては、例えば、酵母菌体内に本来あるタンパク質分解酵素等を利用して菌体を可溶化する自己消化法、微生物や植物由来の酵素製剤を添加して菌体を可溶化する酵素法、熱水中に一定時間浸漬することにより菌体を可溶化する熱水抽出法、種々の酸あるいはアルカリを添加して菌体を可溶化する酸・アルカリ分解法、凍結・融解を1回以上行うことにより菌体を破砕する凍結融解法、物理的な刺激により菌体を破砕する物理的破砕法などが挙げられる。
前記酵素法としては、例えば、前記培養物を加熱し、酵母が有している酵素を失活させた後、β−グルカナーゼを加え細胞壁を分解し、次いでヌクレアーゼを加えRNAをヌクレオチドに分解し、その後デアミナーゼを加え、AMPをIMPに変換する方法などが挙げられる。
前記その他の工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
出願人が保有するパン酵母のライブラリー約1,000株の中から、RNA含量が高い株のスクリーニングを以下のようにして行った。
直径16mmの試験管にて、YPD培地5mLに酵母1白金耳を植菌し、約16時間培養した。培養後の菌体を2回洗浄した後、純水を1mL加え、RNA含量の測定試料とした。
シュミットタンハウザー法(生物化学実験法、核酸の一般的分離・定量法、水野重樹、東京大学出版会、1969年)により、前記測定試料からRNAを抽出し、波長260nmの吸光度(以下、「Abs260」と称することがある)を測定し、乾燥菌体当たりのRNA量を算出した。
その結果、最もRNA含量が高い菌株として、P−1119株(二倍体)を見出した。
<一倍体の選抜>
前記P−1119株を常法にて胞子分離し、一倍体を取得した。
取得した一倍体を前記試験例1と同様にして試験管で培養し、増殖性に優れ、RNA含量が高い一倍体として、A38(α型)とA78(a型)を選抜した。
核酸アナログ物質として、5−フルオロウラシル(以下、「5−FU」と称することがある)又は5−フルオロシトシン(以下、「5−FC」と称することがある)を添加したSD培地に上記で選抜した株を106〜107個程度を塗抹し、30℃で培養した。
生育したコロニーを取得し、再度、5−FU又は5−FCを添加したSD培地に植菌し、生育した菌株を核酸アナログ物質耐性株とした。
得られた核酸アナログ物質耐性株の中から、元株と比較して、増殖性が同等で、RNA含量が高い菌株(一倍体)を選抜した。
上記で得られた一倍体の菌株を常法により掛け合わせ、二倍体を作製した(表1−1参照)。
得られた二倍体について、前記試験例1と同様にして試験管で培養し、乾燥菌体当たりのRNA量を算出した。結果を表1−2に示す。
核酸アナログ物質耐性株を取得することで、フィードバック制御がかからない菌株を取得し、RNA含量が高まることが期待されたが、表1−2に示されるように、核酸アナログ物質耐性株の中には、RNA含量が低い株も含まれていた。
上記AA04株(NITE P−02504)のRNA含量と増殖性について、公知菌株である実用パン酵母(OYC−125株(オリエンタル酵母工業株式会社製))及びサッカロマイセス・セレビシエABYC1591株(FERM BP−10925、特許第5102076号公報参照)と以下のようにして比較した。
上記各株を以下の条件で培養し、経時的にサンプリングすることで、酵母量及び乾燥菌体当たりのRNA量を比較した。使用する糖は、糖蜜を用いて常に糖濃度が35%となるように希釈して使用した。糖蜜は、マルチホルダー付きシリンジポンプPHD2000(Harvard Apparatus社製)を用いて流加して、培養した。
−培養条件−
・ 培養容器 : 200mLメスシリンダー
・ 培養液量 : 100mL
・ 種量 : 3g
・ 培養温度 : 32℃
・ 通気量 : 0.4L/分
・ 糖量 : 7.8g
・ 窒素(N)源 : ウレア
・ N/炭素(C) : 4.0
・ リン(P)源 : リン酸1ナトリウム
・ P/C : 0.4
−RNA含量−
培地中の酵母濃度が12質量%になったときにサンプリングし、前記試験例1と同様にして、シュミットタンハウザー法により、乾燥菌体当たりのRNA量を算出した。結果を図1に示す。
なお、培地中の酵母濃度が12質量%になるまでに要した培養時間は、以下のとおりであった。
・ 実用パン酵母 ・・・ 12時間
・ FERM BP−10925 ・・・ 15.5時間
・ NITE P−02504 ・・・ 12.3時間
また、FERM BP−10925は培地中の酵母濃度が12質量%になるまでに要した培養時間が長く、増殖効率が劣るものであることも確認された。
各菌株について、培養時間当たりの酵母量を測定した。図2に、実用パン酵母の培養終点の酵母量を100としたときの相対値(%)を示した。図2中、「◆」は実用パン酵母、「■」はFERM BP−10925、「▲」はNITE P−02504の結果を示す。
図2の結果から、公知の菌株であるFERM BP−10925は実用パン酵母より増殖性が劣るものであったのに対し、本発明の酵母は実用パン酵母と同等の増殖能を有していることが確認された。
前記試験例3と同様にして、FERM BP−10925及びNITE P−02504を培養し、乾燥菌体当たりのRNA量が9質量%の培養物をそれぞれ得た。
前記各培養物をクリームに調製した後、80℃で30分間加熱した。次いで、βグルカナーゼを添加して55℃で16時間保温した。1N H2SO4でpHを5に調整した後、ヌクレアーゼを添加して70℃で2時間保温し、次いでデアミナーゼを添加して50℃で2時間保温した。
得られた処理物を遠心分離し、上清を回収した。
前記上清中の核酸含量(IMPとGMPの合計量(%)、2Na塩として)をHPLCにて測定したところ、いずれの菌株を用いた場合でも、核酸含量は6%程度であった。
したがって、本発明の酵母を用いることにより、呈味性に優れた酵母エキスを効率良く生産することができることが示された。
Claims (2)
- サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)AA04株(NITE P−02504)であることを特徴とする核酸高含有パン酵母。
- 請求項1に記載の核酸高含有パン酵母を培養する工程及び前記培養したパン酵母からエキスを調製する工程を含むことを特徴とする酵母エキスの製造方法。
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