JP7202103B2 - 野菜炒めからの離水防止方法 - Google Patents

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本発明は、野菜炒めの調理方法に関する。
野菜炒めは、キャベツ、タマネギ、ニンジン、もやし、ピーマン等の野菜、および必要に応じて豚肉等の肉を適当な大きさに切り、サラダ油等の油で炒めることが基本的な調理方法である。味付けは、食塩に加えて、醤油、胡椒、がらスープ、オイスターソース等も多用される。
野菜炒めは調理が簡単である反面、調理後、時間の経過とともに、野菜の切断面や表面などから水が滲出し水っぽくなってしまうことがあり、このような野菜からの離水の防止が従来解決すべき課題とされてきた。課題の解決手段としては、キサンタンガムおよびローカストビーンガムを用いる方法(特許文献1参照)、増粘剤、澱粉およびトレハロースを用いる方法(特許文献2参照)、低粘性ガラクトキシログルカンを用いる方法(特許文献3参照)、ウェランガムを用いる方法(特許文献4参照)、アルファー化された澱粉を用いる方法(特許文献5参照)等、多くの方法が開発され、提案されている。
しかし、野菜炒めからの離水は量が多く、とくにキャベツを用いた場合は顕著である。このため、従来の対処方法では短時間での効果は認められるものの、長時間、例えば半日以上放置した場合の離水には対処できていない。
特開2013-201931号公報 特開2002-209547号公報 特開2008-141972号公報 特開2017-42164号公報 特開平2-163054号公報
本発明の目的は、野菜炒めにおける離水を防止する方法、または、該方法に用いられる野菜炒めの離水防止剤を提供することにある。
本発明者らは、野菜炒めからの離水防止という課題に対して、解決手段を鋭意検討した結果、意外にも、キサンタンガムとカラギーナンとの併用により解決できることを見出した。すなわち、本発明は、以下の(1)~(3)に関する。
(1)キサンタンガムおよびカラギーナンを含有することを特徴とする、野菜炒めの離水防止剤。
(2)野菜炒めにキサンタンガムおよびカラギーナンを配合する、野菜炒めの調理方法。
(3)野菜炒めにキサンタンガムおよびカラギーナンを配合することによる、野菜炒めからの離水防止方法。
本発明を用いることにより、野菜炒めからの離水を1時間以上抑制することができる。
図1は、野菜炒め(塩炒め)の1~24時間の状態を示す図である。 図2は、回鍋肉の3時間後の状態を示す図である。丸で囲った部分は離水の認められた部分である。 図3は、回鍋肉の24時間後の状態を示す図である。丸で囲った部分は離水の認められた部分である。
本発明に用いられるキサンタンガムは、D-グルコース、D-マンノース、D-グルクロン酸を構成糖にもつ分岐多糖である。キサンタンガムは、微生物であるキサントモナス キャンペストリス(Xanthomonas campestris)を用いて発酵法により産生させ、該発酵液より常法に準じて調製することができるが、市販品(例えば、オルガノフードテック社製、ダニスコ社製)を用いるのが簡便で、好ましい。
本発明に用いられるカラギーナンは、カラギナン、カラジナン、カラゲニンとも称される、D-ガラクトースと3,6一アンヒドロ-D-ガラクトースと硫酸基からなるガラクタンの硫酸エステルであり、カッパ(κ)、ラムダ(λ)、イオタ(ι)、ミュー(μ)、ニュー(ν)、シータ(θ)およびザイ(ξ)の7種類が見出されているが、現在市場で使用される物はカッパ(κ)、ラムダ(λ)、イオタ(ι)の3つの型に分類されており、本発明においてもカッパ(κ)、ラムダ(λ)、イオタ(ι)が好ましく用いられる。カラギーナンは、これを含有する紅藻から抽出、調製してもよいが、市販品(例えば、三菱商事フードテック社製)を用いると簡便で、好ましい。
本発明の野菜炒めの離水防止剤は、キサンタンガムとカラギーナンを含有する組成物として調製される。調製方法は特に限定されるものではなく、キサンタンガムとカラギーナンを粉末の状態で混合することが簡便である。
本発明の野菜炒めの離水防止剤におけるキサンタンガムとカラギーナンの含有量は特に限定されないが、通常、乾燥重量部として1~100重量%であり、好ましくは、10~100重量%であり、より好ましくは30~100重量%である。
キサンタンガムとカラギーナンの重量比にとくに限定はないが、乾燥重量として、通常、キサンタンガム1重量部に対して、カラギーナンが0.3~3重量部であり、好ましくは0.7~1.5重量部であり、とくに好ましくは1重量部である。
本発明の野菜炒めの離水防止剤は、その離水防止効果が阻害されない限り、キサンタンガムおよびカラギーナン以外に、カードラン、グアーガム、ローカストビーンガム、トレハロース、ウェランガム、澱粉等の、離水防止効果があるとされる多糖類を含有してよい。
また、上記多糖類以外の成分として、さらに砂糖等の糖類、甘味料、食塩、うま味調味料、核酸調味料、胡椒等の香辛料、醤油、味噌類、みりん類、サラダ油、ラー油等の油脂類、がらスープ、オイスターソース等の各種エキス等を含有してもよい。これらの、キサンタンガムおよびカラギーナン以外の成分を含有する組成物は、調味料または野菜炒めの調味液として用いてもよい。
本発明の野菜炒めの離水防止剤の形態は、粉体、粒体、粉粒体等の固体状であっても、ペースト、溶液等の液状であってもよい。
本発明の野菜炒めの離水防止剤は、完成した野菜炒め中に含有されていれば、調理のいずれの段階で添加してもよい。例えば、野菜炒めに原料の一つとして用いてもよく、野菜炒めの調理中または調理後に添加してもよい。調理後に添加する場合は、調理後すぐに添加することが好ましい。
本発明に用いられる野菜は、野菜炒めに通常用いられる野菜であればいずれの野菜を用いてもよく、キャベツ、タマネギ、ニンジン、もやし、ピーマン等、いずれを用いてもよい。とくに、キャベツは調理後の離水が多く、本発明の効果を顕著に認めることができるため好ましい。本発明では野菜の他、豚肉や牛肉なども用いてもよい。
本発明の野菜炒めの離水防止剤の添加量は、野菜炒めに含まれる野菜の種類にもよるが、通常、野菜100重量部に対して、キサンタンガムおよびカラギーナンは、それぞれ、0.01~0.2重量部、好ましくは0.03~0.15重量部となる量が好ましい。とくに、最も離水しやすいとされるキャベツに対しては、キャベツ100重量部に対して、キサンタンガムおよびカラギーナンは0.05~0.15重量部、好ましくは0.10~0.14重量部となる量が好ましい。
本発明の野菜炒めの離水防止剤を用いる野菜炒めの製造方法は、本発明の野菜炒めの離水防止剤を上記のとおり用いる以外は通常の調理方法に準ずる。
本発明の野菜炒めは、塩炒め、回鍋肉等が例示されるが、これら以外にも、野菜を油等で炒める工程を有する料理であれば、いずれの料理であってもよい。
本発明の野菜炒めの離水防止剤による離水防止効果は高く、調理直後だけでなく、調理後数時間、離水が防止できるだけでなく、野菜の種類によっては、1日間の効果も期待できる。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
表1記載の原料および配合量(重量部)で「野菜炒め(塩炒め)のたれ」(対照区1および実施区1~3)を調製した。なお、「塩炒めソース」としては、MCフードスペシャリティーズ社の「オルコック特選中華ソース塩炒め」(食塩、異性化液糖、米醸造調味料、濃縮がらスープ、オイスターソース、胡椒、中華調味料および調味料(アミノ酸等)を含有する)を用いた。
Figure 0007202103000001
ホテルパン(穴なし浅型)にクッキングシートを敷き、一口大にカットしたキャベツ100g、5mm細切りした玉ねぎ50g、短冊切りした人参30gおよび約3cm大の豚肉160gを入れて、230℃、スチーム量小でスチームコンベクションオーブンにて3分間加熱した。さらに、もやし100g、3mm細切りしたピーマン30g、水戻ししたきくらげ20gおよび上記で調製したそれぞれの「野菜炒め(塩炒め)のたれ」25gを加え、アルミ箔で覆って5分間加熱し、最後に軽く混ぜて、野菜炒め(塩炒め)(対照区1の野菜炒めおよび実施区1~3の野菜炒め)をそれぞれ得た。
野菜炒め(塩炒め)が完成した時点を開始時点として、1時間後、2時間後、3時間後、4時間後、5時間後、6時間後および24時間後の、各野菜炒めからの離水量を観察した。その結果、対照区1の野菜炒めからは1時間後に既に離水の発生が観察されたが、実施区1~3の野菜炒めからは24時間経過時点でも離水の発生は認められなかった。なお、24時間後の対照区1の野菜炒めからの離水量を測定したところ35mlであった。
また、対照区1の野菜炒めでは、豚バラ肉から発生した脂の固化が認められたが、実施区1~3の野菜炒めでは、脂の固化も認められなかった。図1に、各野菜炒めの状態を写真にて示すが、1~24時間のいずれの時間帯においても、該状態に大きな変化はなかった。このことから、キサンタンガムとカラギーナン(カッパ、イオタ、ラムダ)の添加区ではいずれも優れた離水防止効果があることが示された。
(実施例2)
表2記載の原料を、表記載の配合量(重量部)で、液原料の混合、粉原料の混合、液原料の混合物と粉原料の混合物の混合の順で調製した。調製後、85℃となるように加熱する火入れ処理を行って、対照区2~4および実施区4~6の「回鍋肉のたれ」を得た。
Figure 0007202103000002
鍋に適量のサラダ油を入れ、熱し、これにピーマン40g、キャベツ80g、予め熱湯で茹でおいた豚バラ肉80g、長ネギ30gを加え、炒めた後、上記で調製した「回鍋肉のたれ」35gを入れ、全体に絡めて、対照区2~4の回鍋肉、ならび実施区4~6の回鍋肉を得た。
回鍋肉が完成した時点を開始時点として、25℃で1時間後、2時間後、3時間後、および24時間放置した後の各回鍋肉からの離水量を観察した。その結果、対照区2~4の回鍋肉からは、1時間後に既に離水の発生が観察されたが、実施区4~6の回鍋肉からは、3時間経過時点でも離水の発生は認められなかった。図2に対照区2および実施区4~6の回鍋肉の3時間経過後の状態の写真を、また図3に、その24時間経過後の状態の写真を示す。
24時間経過後には、実施区4~6の回鍋肉からも離水が観察されたため、離水量を測定したところ、対照区2の回鍋肉からの離水量は15ml(対照区3および4も同程度)であり、実施区4の回鍋肉からの離水量は7mlであり、実施区5の回鍋肉からの離水量は7mlであり、実施区6の回鍋肉からの離水量は5.5mlであった。このことから、キサンタンガムとカラギーナン(カッパ、イオタ、ラムダ)の添加区ではいずれも優れた離水防止効果があることが示された。
本発明を用いることにより、野菜炒めからの離水を効果的に抑制することができる。

Claims (2)

  1. キサンタンガムおよびカラギーナンを含有することを特徴とする、野菜炒めの離水防止剤。
  2. 野菜炒めにキサンタンガムおよびカラギーナンを配合することによる、野菜炒めからの離水防止方法。

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