JP7407301B2 - 装着品又はスポーツ用品用の防滑部材、装着品及びスポーツ用品 - Google Patents
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Description
特許文献1には、ゴム及び/又は樹脂の靴底用発泡体に、皮革の研磨切削物が配合された靴底用発泡体が開示されている。この靴底用発泡体では、配合された吸水性の高い皮革の研磨切削物によって靴底用発泡体の水の濡れ性を向上させ、それによりウェットグリップ性が高められている。
特許文献2には、ゴムを含む粘弾性体から形成されたアウトソールが開示されている。このアウトソールでは、該粘弾性体の動的粘弾性測定における損失係数及び貯蔵弾性率、並びに引張応力を調整して、該粘弾性体を高粘性化することにより、ウェットグリップ性が高められている。
特許文献3には、熱可塑性エラストマーを含む組成物から形成されたアウターソールが開示されている。このアウターソールは、該組成物の表面自由エネルギーを高くすることにより、組成物の表面と路面との間に液膜が形成されることが抑制されており、それによって、ウェットグリップ性が高められている。
特許文献4には、エラストマーの表面にハイドロゲルが分散されたエラストマー組成物により構成された防滑部材が開示されている。この防滑部材は、防滑部材の表面と対象物との界面に存在する水をハイドロゲルによりトラップすることによって、該表面のエラストマーと対象物との間の接触面積を大きくしており、それによってウェットグリップ性が高められている。
まず、本発明の装着品又はスポーツ用品用の防滑部材について、図1~3を参照して説明する。
図1は、本実施形態の装着品又はスポーツ用品用の防滑部材10の側面断面図である。本実施形態の防滑部材10は、エラストマー11と、エラストマー11内に分散された水溶性粒子12とを含むエラストマー組成物により構成されており、水溶性粒子12が、防滑部材10内に分散されている。
本明細書において、装着品とは、使用時において使用者(着用者)に着用又は装着される物品をいい、例えば、運動用、作業用、防寒用又は日用の靴、ウェア、手袋、眼鏡等を含む。また、本明細書において、スポーツ用品とは、使用者が運動を行う際に(特に、使用者に把持されて)使用される用品であって、前述の装着品に含まれないものをいい、例えば、バット、ラケット、ゴルフクラブ等(本発明の防滑部材は、主にこれらのグリップ部に設けられる)や、それらに供されるグリップ、グリップテープ等を含む。なお、本明細書で使用される用語「運動」は、広く人間が体を動かして行う身体活動全般をいい、スポーツ、アスレチック、エクササイズ、レクリエーション等のために行う身体活動を含む。
なお、以下では、防滑部材10の表面に露出した水溶性粒子12を含む領域であって、防滑部材10の表面からそのような水溶性粒子12が存在する最も深い位置までの厚み方向の領域のことを、防滑部材10の表層領域と称することがある。
以下、図1~3に示される防滑部材10の例では、図1~3の下方に示される防滑部材10の面を、防滑部材10の表面と定義して説明する。
図2は、図1に示す防滑部材10の表面に露出していた水溶性粒子12が消失した後の、防滑部材10の側面断面図である。図2に示されるように、防滑部材10の表面の水溶性粒子12が存在していた部分に、凹部Cが形成されている。このようにして防滑部材10の表面に形成された凹部Cは、その内部に微量の空気Aを保持することができる。本実施形態の防滑部材は、この凹部Cの内部に空気Aを保持可能な機能によって、ウェットグリップ性が高められる。そのメカニズムについては、後述する。
なお、本明細書において、用語「水」は、別段の記載がない限り、防滑部材が備えられる装着品又はスポーツ用品と対象物との間に滑りを生じさせる原因となり得る任意の水性の液体(例えば、雨水や汗等)を含む。
なお、防滑部材10の表面に露出していた水溶性粒子12の全てが消失しておらず、防滑部材10の表面に水溶性粒子12と凹部Cとが両方見られる場合には、防滑部材10の表層領域は、防滑部材10の表面からそのような表面に露出した水溶性粒子12又は凹部Cのいずれかが存在する最も深い位置までの厚み方向の領域として定義され得る。
したがって、本実施形態の防滑部材10は、水Wに濡れた地面Gに対しても高いグリップ性を発揮することができ、したがって、ウェットグリップ性が向上する。
なお、上記水溶性物質は、防滑部材の使用時に水又は水性液体に溶解して溶出するため、溶出した際に人体や衣類、又はその他の外界に対して害の少ない、望ましくは無害な物質であることが好ましい。
防滑部材10内に含まれる水溶性粒子12の平均粒子径を上記範囲とすることにより、防滑部材10のウェットグリップ性をより効果的に高めることができる。
より適切には、上記割合の水溶性粒子12は、防滑部材10の表層領域を除く内部領域に含まれていることが好ましい。換言すれば、防滑部材10は、水溶性粒子12の消失痕である凹部を備えた表層領域と、該表層領域の内側に設けられた内部領域とを備えており、該内部領域に含まれる水溶性粒子12の割合が1体積%以上5体積%以下であることが好ましく、2体積%以上4体積%以下であることがより好ましい。
防滑部材10に含まれる水溶性粒子12の割合を上記範囲とすることにより、防滑部材10のウェットグリップ性をより効果的に高めることができる。
さらに、防滑部材10内の水溶性粒子12の含有量が過剰である場合、防滑部材10内において水溶性粒子12同士が接触する部分が多くなる。この水溶性粒子12同士の接触が多すぎると、防滑部材10の表面に露出した水溶性粒子12が水に濡れて溶解する際に、この濡れた粒子12に直接又は他の水溶性粒子12を介して接触している防滑部材10内部の他の水溶性粒子12もまた連鎖的に溶解してしまう可能性がある。そうすると、一度濡れた防滑部材10の内部において、水溶性粒子12が存在していた領域にスポンジ状の空洞が生じてしまい、防滑部材10の機械的強度が大幅に低下するおそれがある。
また、防滑部材10の表層領域を除く内部領域における水溶性粒子12の含有量を測定するには、防滑部材10の表面を水溶性粒子12の消失痕である凹部が確認されなくなるまで(例えば、表面から100μmの深さまで)均一な厚みで削り取ることによって表層領域を取り除いた後で、該防滑部材10に対して水溶性粒子12の含有量を測定すればよい。
もっとも、防滑部材10では、必ずしも水溶性粒子12又は凹部Cが防滑部材10の表面全体にわたって分散されていなくてもよい。水溶性粒子12又は凹部Cが防滑部材10の表面の特定の領域に偏在して分散していたとしても、防滑部材10のウェットグリップ性は、高められる。
なお、防滑部材10内に水溶性粒子12が含まれることによるウェットグリップ性の向上は、エラストマー11の硬度が低いほど顕著になる傾向がある。このような観点から、エラストマー11の硬度は、タイプAデュロメータの硬さを65以下とすることがより好ましい。
エラストマー11の初期弾性率は、JIS K6251:2017「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム-引張特性の求め方」の引張試験での低歪み領域での応力-歪み曲線の傾き(例えば、ε1=0%、及び、ε2=5%の歪み2点間に対応する応力/歪み曲線の傾き)から求めることができる。
防滑部材10の引張破断伸びは、400%以上であることがより好ましく、500%以上であることがさらに好ましい。該引張破断伸びは、通常、1000%以下である。
防滑部材10の引裂強度は、50N/mm以上であることがより好ましく、60N/mm以上であることがさらに好ましい。該引裂強度は、通常、120N/mm以下である。
防滑部材10の初期弾性率もまた、エラストマー11と同様に、JIS K6251:2017の引張試験での低歪み領域での応力-歪み曲線の傾き(例えば、ε1=0%、及び、ε2=5%の歪み2点間に対応する応力/歪み曲線の傾き)から求めることができる。
本発明の装着品又はスポーツ用品は、上記防滑部材10を備えている。本発明の装着品又はスポーツ用品としては、使用時において使用者(着用者)に着用若しくは装着される用品、又は、使用者が運動を行う際に使用される用品であれば特に限定されず、例えば、靴、ウェア、手袋、眼鏡、バット、ラケット、ゴルフクラブ等であってもよい。
該靴20は、足の上面を覆うアッパー材21と、アッパー材21の下側に配置されている靴底としてのミッドソール22及びアウターソール23とを有している。詳細には、該靴20は、地面と接する位置に配され、上記防滑部材10が設けられたアウターソール23と、アッパー材21とアウターソール23との間に配されたミッドソール22とを有している。
なお、本実施形態では、靴20はミッドソール22及びアウターソール23の両方を備えているが、靴20は、必ずしもこれらの両方を備えていなくてもよい。すなわち、靴20は、靴底として防滑部材10が設けられたアウターソール23のみを備え、ミッドソール22を備えていなくてもよい。この場合、アウターソール23は、ミッドソールに求められる緩衝性を確保するために、発泡体で形成されていてもよい。
靴底23では、図5に示されるように、靴底23の長さ方向における位置を、爪先側末端を0%位置、踵側末端を100%位置としたとき、靴底23の該長さ方向における0%~60%位置の範囲内の領域(以下、靴底23の前方領域とも称する)と、靴底23の該長さ方向における70%~100%位置の範囲内の領域(以下、靴底23の後方領域とも称する)とに、防滑部材10が設けられ得る。
好ましくは、防滑部材10は、靴底23の前方領域全体の5~100%を占める領域、靴底23の後方領域全体の5~100%を占める領域、又はその両方に設けられる。
なお、本明細書において、靴底23の長さ方向における0%~60%位置の範囲内の領域とは、爪先側末端及び踵側末端を通る長さ方向直線上において60%位置となる点を通り、該直線と垂直に交差する60%位置幅方向直線を規定し、該60%位置幅方向直線よりも爪先側における靴底23の領域をいう。同様に、靴底23の長さ方向における70%~100%位置の範囲内の領域とは、同様に規定される該70%位置幅方向直線よりも踵側における靴底23の領域をいう。また、これらの領域は、靴底23の底面を、図5のようにして正面から見た際の面積により指定される。
前身頃の胸部付近及び脇部は、ラグビーの試合時にボールを抱え込む際に対象物としてのボールに接触する部位である。そのため、これらの部位に防滑部材10が設けられたラグビーウェア30を着用したラグビープレイヤーは、汗で濡れたボールを滑り落としにくくなるという効果を得られる。
また、肩部は、ラグビーの試合時にスクラムを組む際に、対戦プレイヤーの肩と互いに接触する部位である。そのため、この部位に防滑部材10が設けられたラグビーウェア30を着用したラグビープレイヤーは、スクラムを組む際に滑りにくくなるという効果を得られる。
これらの部位に防滑部材10が設けられたスポーツ用手袋40を着用したプレイヤーは、把持している水や汗に濡れた対象物を滑り落としにくくなるという効果を得られる。
より好ましくは、該内部領域に含まれる前記水溶性粒子の割合は、2体積%以上4体積%以下である。
より好ましくは、無機塩は、塩化ナトリウムである。
まず、防滑部材の表面に形成された凹部によるウェットグリップ性への影響を調査するため、表面に凹部が形成されたゴムと、凹部が形成されていないゴムとについて、水で濡れていない及び水で濡れた平板状ガラスとの摩擦試験を行った。
摩擦試験に使用されたゴムは、いずれも曲率半径7.6mmの半球状のシリコーンゴムであって、一方は、頂点に凹部等が設けられていない平滑な面を有するゴムSP1であり、他方は、ガラスと接触する頂点に約100μm3の凹部が形成されたゴムSP2であった。これらのゴムには、摩擦試験時に平板状との接触状態の観察を容易にするため、蛍光粒子が練り込まれていた。
図8左に示されるように、各ゴムSP1,SP2を、それらの頂点が平板上ガラスGLの表面に接触するように、乾いた(無潤滑条件)又は水で濡れた(水潤滑条件)平板状ガラスGL上に配置した。その後、図8右に示されるように、ゴムSP1,SP2の頂点の垂直荷重F=0.0981N、滑り速度0.10mm/sで、ゴムSP1,SP2上において平板状ガラスGLを、その表面と平行な方向に5.0mm滑らせた。
なお、図示されないが、水潤滑条件において平板状ガラスGLを滑らせる前のゴムSP2と平板状ガラスGLとの真実接触部には、空気の存在は凹部が形成された部分にのみ留まっており、平板状ガラスGLを滑らせると、該真実接触部の広範囲に気泡が拡散していく現象が観察されていた。
これらの図9及び図10の写真から導出された黒い領域(真実接触部)の面積(真実接触面積)を導出し、図11に該面積のグラフを示す。
一方で、水潤滑条件では、平板上ガラスGLを5.0mm滑らせた後のゴムSP2と平板状ガラスGLとの真実接触面積は、ゴムSP1に比べて約38%増加しており、摩擦係数もまた約27%増加していることがわかる。加えて、表面に凹部が形成されたゴムSP2の場合には、水潤滑条件の方が無潤滑条件に比べて摩擦係数が向上していることがわかる。この結果から、表面に凹部が形成されたゴムでは、水潤滑条件におけるウェットグリップ性が、無潤滑条件を上回ることができるほど大きく向上することがわかる。
次に、本発明に係る防滑部材を構成する様々なエラストマー組成物についてのウェットグリップ性や耐久性等を調査するため、以下の実施例及び比較例に係る種々のエラストマー組成物について、以下に示す各種試験を行った。
・IR:イソプレンゴム(ハイシスタイプ、ムーニー粘度:約82)
・SiO2:沈降法シリカ
・CA:シランカップリング剤(ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)
・PEG:ポリエチレングリコール(質量平均分子量約3000、融点約60℃)
・PO:流動パラフィン(動粘度:約40mm2/s、分子量430)
・St:ステアリン酸
・ZnO:活性亜鉛華
・AO:2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール
・OZONOC:無着色、非汚染性オゾン亀裂防止剤
・OA:有機アミン加硫促進剤
具体的には、以下の表1に示されるゴム原料の一次混練用材料である各種IRを、ニーダー(装置名:DS3-10MWB、日本スピンドル製造(株)製)を用いて80~130℃条件下で1分混練し、一次混練材を得た。
このようにして得られた一次混練材に、二次混練用材料であるSiO2、PO、CA、St及びZnOを、以下の表1に示される配合比率(質量比)により配合し、ニーダー(装置名:DS3-10MWB、日本スピンドル製造(株)製)を用いて80~130℃条件下で5分混練し、二次混練材を得た
これにより得られた二次混練材に、三次混練用材料であるOA、PEG及びAOを、以下の表1に示される配合比率(質量比)により配合して、オープンロール(装置名:KD-M2-8、利拿機械工業股フン有限公司(KNEADERMACHINERY CO., LTD.製)を用いて25~60℃条件下で10分混練し、ゴム(a)~(e)を得た。
・TiO2:酸化チタン
・S:イオウ
・DM:ジ-2-ベンゾチアゾリルジスルフィド
・TS:テトラメチルチウラムモノスルフィド
上記のようにして調製されたゴムと、塩化ナトリウム粒子及び上記他の材料とを、以下の表2に示される配合比率(質量比)により配合し、オープンロール(装置名:KD-M2-8、利拿機械工業股フン有限公司(KNEADERMACHINERY CO., LTD.製)を用いて25~60℃条件下で10分混練し、エラストマー組成物を得た。
比較例1~5及び実施例1~13のエラストマー組成物の硬度を、JIS K 6253-3:2012に基づくタイプAデュロメータとして高分子計器(株)製「アスカーゴム硬度計A型」を用いて測定した。結果を以下の表3に示す。
表3からわかるように、比較例1~5のゴム(a),(b),(c),(d)及び(e)は、それぞれ硬度55,60,65,70及び75のゴムに対応する。
比較例1~5及び実施例1~13のエラストマー組成物をそれぞれ裁断して厚み4mmの平板とした後、JIS K 6251:2017に基づくダンベル状2号形の打抜型を用いて該平板をそれぞれ裁断し、それぞれの樹脂複合体についてダンベル状試験片を得た。
これらの試験片に対し、オートグラフ精密万能試験機((株)島津製作所製、製品名「AG-50kNIS MS型」)を用いて、23℃下で、クロスヘッド速度500mm/分にてJIS K 6251:2017に基づく引張試験を行うことにより、各試験片の引張強度及び破断伸び率を測定した。また、該引張試験におけるε1=0%及びε2=5%の歪み2点間に対応する応力/歪み曲線の傾きに基づき、各試験片の初期弾性率を測定した。これらの結果を以下の表3に示す。
比較例1~5及び実施例1~13のエラストマー組成物を厚さ2mmの平板用モールドを用いて8~12分間160℃加熱することで2mm厚の平板状の試験片をそれぞれ得た。
これらの試験片に対し、抜型を用いて、規格形状の試験片にてJIS K 6252:2007に基づく引裂試験を行うことにより、各試験片の引裂試験を測定した。結果を以下の表3に示す。
直径16.0mm、厚さ12mmの円柱状金型を用いて、比較例1~5及び実施例1~13のエラストマー組成物からなる円柱状の試験片をそれぞれ得た。
これらの試験片に対し、JIS K 6264-2:2005に基づくDIN摩耗試験を行うことにより、各試験片の摩耗体積を測定した。結果を以下の表3に示す。
比較例1~5及び実施例1~13のエラストマー組成物を、平板状の金型内に導入し、装置名:ラム径12”150トン(二名工機(株)製)を用いて160℃条件下で8~12分間(予め求められた適正加硫時間T90+2分間)プレスすることによって、2mm厚の平板状に成型された試験片をそれぞれ得た。得られた試験片をイオン交換水で3回超音波洗浄し、それによって実施例1~13の試験片の表面に露出していた塩化ナトリウム粒子を除去した。
図13に、表面に露出していた塩化ナトリウム粒子が除去された実施例5の試験片の表面の一部の写真を示す。図13では、試験片の表面に露出していた塩化ナトリウム粒子が溶出したことによって、該表面に直径約100μmの凹部が形成されていることが確認できる。
上記摩擦試験に対する評価を、表3に示される結果及び当該結果に基づく図14~23を用いて以下に説明する。
表3に示される結果から明らかなように、水溶性粒子として塩化ナトリウム粒子を含む実施例1~13のエラストマー組成物は、塩化ナトリウム粒子を含んでいない比較例1~5のゴム単体に比べて、水潤滑条件における静止摩擦係数及び動摩擦係数に優れていることがわかる。
図14は、ゴム(c)を含む比較例3及び実施例1~5のエラストマー組成物に関する、上記摩擦試験における静止摩擦係数及び動摩擦係数と塩化ナトリウム粒子含有量との関係を表す図である。図14からわかるように、塩化ナトリウム粒子の含有量が3体積%に至るまででは、塩化ナトリウム粒子の含有量が増加するにつれ、水潤滑条件における静止摩擦係数及び動摩擦係数が増加している一方で、塩化ナトリウム粒子の含有量が3体積%を超えると、塩化ナトリウム粒子の含有量が減少している。すなわち、本実施例では、塩化ナトリウム粒子の含有量が3体積%である実施例3の場合に、エラストマー組成物の水潤滑条件における静止摩擦係数及び動摩擦係数が最も高められている。
図18は、実施例3及び6~9のエラストマー組成物に関する、上記摩擦試験における静止摩擦係数及び動摩擦係数と塩化ナトリウム粒子径との関係を表す図である。図18からわかるように、塩化ナトリウム粒子径が10~45μmである場合に、水潤滑条件における静止摩擦係数及び動摩擦係数が比較的高くなっている。
図22及び23は、比較例1~5並びに実施例3及び10~13のエラストマー組成物に関する、上記摩擦試験における静止摩擦係数及び動摩擦係数とエラストマー組成物の硬度及び弾性率との関係をそれぞれ表す図である。
図22及び図23からわかるように、ゴムの硬度又は弾性率が低いほど、塩化ナトリウム粒子を含むことによる水潤滑条件における静止摩擦係数及び動摩擦係数の増加が顕著であり、特に、硬度が65以下又は弾性率が10MPa以下の場合に、塩化ナトリウム粒子によるウェットグリップ性向上効果が大きくなっている。
特に、低硬度、低弾性率のゴムに、平均粒子径10~45μmの塩化ナトリウム粒子を3体積%含有させた実施例3,7,8,10及び11のエラストマー組成物は、塩化ナトリウム粒子による機械的特性の低下が比較的抑制されつつ、ウェットグリップ性がより効果的に高められることがわかる。
Claims (9)
- 装着品又はスポーツ用品用の防滑部材であって、
前記防滑部材が、エラストマーと、前記エラストマー内に分散された複数の水溶性粒子とを含むエラストマー組成物により構成され、
表面に露出した前記水溶性粒子と前記水溶性粒子の消失痕である凹部とのうち少なくとも一方を備えた表層領域と、前記表層領域の内側に設けられた内部領域を備え、
該内部領域に含まれる前記水溶性粒子の割合が、1体積%以上5体積%以下で、
前記複数の水溶性粒子の平均粒径が、10μm以上100μm以下である、防滑部材。 - 前記内部領域に含まれる前記水溶性粒子の割合が、2体積%以上4体積%以下である、請求項1に記載の防滑部材。
- 前記複数の水溶性粒子が、無機塩を含む、請求項1又は2に記載の防滑部材。
- 前記無機塩が、塩化ナトリウムである、請求項3に記載の防滑部材。
- 前記エラストマーの引張弾性率が、10MPa以下である、請求項1~4のいずれか1項に記載の防滑部材。
- 請求項1~5のいずれか1項に記載の防滑部材を備えた装着品。
- 前記装着品が靴であり、
前記防滑部材が、前記靴の靴底の地面に接触する位置に設けられている、請求項6に記載の装着品。 - 前記防滑部材が、前記靴底において着用者のかかと、中足指節関節又はつま先のうち少なくとも1箇所に対応する位置に設けられている、請求項7に記載の装着品。
- 請求項1~5のいずれか1項に記載の防滑部材を備えたスポーツ用品。
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