JP7610035B2 - 鞍乗り型車両のステップ構造 - Google Patents

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Description

本発明は、鞍乗り型車両のステップ構造に関する。
従来、ステーに設けられる軸を中心に回動可能に設けられるステップが、車幅方向に延びる展開位置と、展開位置に対して上方に回動した格納位置との間で回動する鞍乗り型車両のステップ構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1では、展開位置及び格納位置に対応する溝がそれぞれ設けられ、付勢部材によって付勢されたボールが上記溝に係合することで、ステップは展開位置及び格納位置にロックされる。
特開2008-254469号公報
ところで、上記従来の鞍乗り型車両のステップ構造では、ステップが格納位置の状態において、ボールが溝に係合することで、ステップが最も上方に回動した位置に固定される。このため、ステップを格納位置から展開位置に戻す際に、下方に回動させる力をステップに加え難くなり、ステップを展開させる作業に手間がかかることがある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、鞍乗り型車両のステップ構造において、ステップが格納された状態からステップが展開された状態に容易に変更できるようにすることを目的とする。
この明細書には、2021年11月22日に出願された日本国特許出願・特願2021-189385の全ての内容が含まれる。
鞍乗り型車両のステップ構造は、ステーに設けられる軸を中心に回動可能に設けられるステップと、前記ステーと前記ステップとの間に設けられるボール及び溝と、前記ボールを前記溝に付勢する付勢部材とを備え、前記ステップは、車幅方向に延びる展開位置と、前記軸を中心に前記展開位置に対して上方に回動した格納位置との間で回動可能であり、前記ボールが前記溝に係合することで前記ステップが前記展開位置及び前記格納位置にロックされる鞍乗り型車両のステップ構造において、前記溝は、前記展開位置で前記ボールが係合する第1の溝と、前記格納位置で前記ボールが係合する第2の溝とを備え、前記第2の溝は、前記軸を中心とする回動方向に長く延びる円弧状であることを特徴とする。
鞍乗り型車両のステップ構造において、ステップが格納された状態からステップが展開された状態に容易に変更できる。
図1は、本発明の実施の形態に係る鞍乗り型車両の側面図である。 図2は、左側のステップ構造の左側面図である。 図3は、ステップ構造の分解斜視図である。 図4は、ステップ構造を前方から見た正面図である。 図5は、ステップを上方に回動させた状態でステップの基端部を車幅方向外側から見た側面図である。 図6は、ステップが上方に回動した状態を前方から見た正面図である。 図7は、展開位置の状態においてボール及び板部材を軸の軸方向に前方から見た図である。 図8は、格納位置の状態においてボール及び板部材を軸の軸方向に前方から見た図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、説明中、前後左右および上下といった方向の記載は、特に記載がなければ車体に対する方向と同一とする。また、各図に示す符号FRは車体前方を示し、符号UPは車体上方を示し、符号LHは車体左方を示す。
[実施の形態]
図1は、本発明の実施の形態に係る鞍乗り型車両10の側面図である。
鞍乗り型車両10は、車体フレーム11と、車体フレーム11に支持されるパワーユニット12と、前輪13を操舵自在に支持するフロントフォーク14と、後輪15を支持するスイングアーム16と、乗員用のシート17とを備える車両である。
鞍乗り型車両10は、乗員がシート17に跨るようにして着座する車両である。シート17は、車体フレーム11の後部の上方に設けられる。
車体フレーム11は、車体フレーム11の前端部に設けられるヘッドパイプ18と、ヘッドパイプ18の後方に位置するフロントフレーム19と、フロントフレーム19の後方に位置するリアフレーム20とを備える。フロントフレーム19の前端部は、ヘッドパイプ18に接続される。
シート17は、リアフレーム20に支持される。
フロントフォーク14は、ヘッドパイプ18によって左右に操舵自在に支持される。前輪13は、フロントフォーク14の下端部に設けられる車軸13aに支持される。乗員が把持する操舵用のハンドル21は、フロントフォーク14の上端部に取り付けられる。
スイングアーム16は、車体フレーム11に支持されるピボット軸22に支持される。ピボット軸22は、車幅方向に水平に延びる軸である。スイングアーム16の前端部には、ピボット軸22が挿通される。スイングアーム16は、ピボット軸22を中心に上下に揺動する。
後輪15は、スイングアーム16の後端部に設けられる車軸15aに支持される。
パワーユニット12は、前輪13と後輪15との間に配置され、車体フレーム11に支持される。
パワーユニット12は、内燃機関である。パワーユニット12は、クランクケース23と、往復運動するピストンを収容するシリンダー部24とを備える。シリンダー部24の排気ポートには、排気装置25が接続される。
パワーユニット12の出力は、パワーユニット12と後輪15とを接続する駆動力伝達部材によって後輪15に伝達される。
また、鞍乗り型車両10は、前輪13を上方から覆うフロントフェンダー26と、後輪15を上方から覆うリアフェンダー27と、乗員が足を載せるステップ28と、パワーユニット12が使用する燃料を蓄える燃料タンク29とを備える。
フロントフェンダー26は、フロントフォーク14に取り付けられる。リアフェンダー27及びステップ28は、シート17よりも下方に設けられる。燃料タンク29は、車体フレーム11に支持される。
鞍乗り型車両10は、自動二輪車である。鞍乗り型車両10は、車体フレーム11等の車体を覆う車体カバー30を備える。
フロントフレーム19は、ヘッドパイプ18から後下方に延びる左右一対のメインフレーム31と、メインフレーム31の後端部から下方に延びる左右一対のピボットフレーム32とを備える。ピボットフレーム32は、車両側面視で、パワーユニット12の後方且つ後輪15の前方に位置する。ピボット軸22は、ピボットフレーム32に支持される。
図2は、左側のステップ構造40の左側面図である。ステップ構造40は、車体の左側面及び右側面にそれぞれ設けられる。左右のステップ構造40は、左右で略対称に設けられるため、ここでは、左側のステップ構造40を参照して説明する。図3は、ステップ構造40の分解斜視図である。図4は、ステップ構造40を前方から見た正面図である。
ステップ構造40は、乗員が足を乗せる上記ステップ28と、車体としてのピボットフレーム32に取り付けられるステー41と、ステップ28を回動自在に支持する軸42とを備える。
また、ステップ構造40は、ステー41に係合可能なボール43と、ボール43をステー41に向けて付勢する付勢部材44とを備える。
図5は、ステップ28を上方に回動させた状態でステップ28の基端部を車幅方向外側から見た側面図である。
図2~図5を参照し、ステー41は、ピボットフレーム32に取り付けられてステップ28を支持するステー本体45と、ステー本体45に取り付けられる板部材46とを備える。ボール43は板部材46に係合する。
ステー本体45は、ピボットフレーム32に取り付けられる板状のベース部45aと、ベース部45aの下部から車幅方向外側に突出する前側軸支持部45bと、前側軸支持部45bの後方でベース部45aの下部から車幅方向外側に突出する後側軸支持部45cとを備える。
ベース部45aは、ピボットフレーム32の外側面に対向するように配置される板状である。ステー41は、ステー本体45の前部に車幅方向外側から挿通される一対のステー締結具41aによって、ピボットフレーム32の外側面に固定される。
前側軸支持部45b及び後側軸支持部45cは、ベース部45aの外側面から車幅方向外側に突出する板状である。
車両側面視では、前側軸支持部45bと後側軸支持部45cとは平行であるとともに、前側軸支持部45b及び後側軸支持部45cは後上がりに傾斜している。後側軸支持部45cは、前側軸支持部45bに対し後下方に位置する。
ステー本体45は、前側軸支持部45b及び後側軸支持部45cを貫通する軸支持孔45dを備える。
軸42は、軸支持孔45dに挿通される軸部42aと、軸部42aの一端から径方向外側に延出するフランジ部42bと、軸部42aの他端部を径方向に貫通する係合孔42cとを備える。
軸42は、前方から軸支持孔45dに挿通される。軸部42aは、前側軸支持部45b及び後側軸支持部45cを貫通する。
軸42は、フランジ部42bが前側軸支持部45bに前方から当接することで、後方側に対し抜け止めされる。
係合孔42cは、後側軸支持部45cの後方に位置し、係合孔42cには、ピン状のクリップ47が係合する。軸42上において、クリップ47と後側軸支持部45cの後面との間には、ワッシャー48が介装される。
軸42は、クリップ47によって、前方側に対し抜け止めされる。
ステップ28は、車幅方向に長く延びるステップ本体50と、ステップ本体50の上面を上方から覆うステップカバー51とを備える。
ステップ本体50の基端部50aには、軸42が挿通される回動孔52と、付勢部材44及びボール43を収納する収納穴53とが設けられる。
ステップカバー51は、ステップ本体50の基端部50aに対し車幅方向外側の部分の上面に取り付けられる。ステップカバー51は、ステップ本体50に下方から挿通される複数のステップカバー締結具54によってステップ本体50に固定される。乗員は、ステップカバー51の上面に足を乗せる。
ステップカバー51は、ステップ本体50よりも柔らかい素材であって、ステップ本体50の素材よりも防振性が高い素材で構成される。ステップカバー51は、例えば、ゴムなどのエラストマーで構成される。ステップ本体50は、例えば、鉄系材料及び軽合金等の金属材料で構成される。
ステップ本体50の先端部の下面には、バンクセンサー55が取り付けられる。バンクセンサー55は、ステップ本体50の先端部の下面に当接する筒状部材55aと、筒状部材55aの筒内に下方から挿通されてステップ本体50の下面に締結される締結具55bとを備える。
ステップ28は、ステップ本体50の基端部50aが、前側軸支持部45bと後側軸支持部45cとの間に配置される。ステップ28は、基端部50aの回動孔52に挿通される軸部42aによって回動可能に支持される。回動孔52は基端部50aを貫通している。
軸部42aの軸線42dは、車両側面視では、後下がりに傾斜している。ステップ28は、軸線42dを中心に上下に回動可能である。
図4では、ステップ28は、ステップ28が車幅方向に延びる展開位置にある。展開位置の状態では、ステップ28の上面28aは、正面視において略水平に車幅方向に延びる。
乗員が鞍乗り型車両10を運転する通常時には、ステップ28は展開位置にセットされ、乗員は略水平の上面28aに足を乗せる。
図6は、ステップ28が上方に回動した状態を前方から見た正面図である。
図6では、ステップ28が展開位置に対し上方に回動した格納位置にある。格納位置の状態では、ステップ28の上面28aは、正面視において車幅方向外側且つ上方に向かって傾斜している。
例えば、鞍乗り型車両10を駐車した場合に、ステップ28を格納位置にすることで、ステップ28を車幅方向にコンパクトにでき、鞍乗り型車両10を駐車し易い。
ステップ構造40は、ステップ28を展開位置及び格納位置にロックするロック機構60を備える。
ロック機構60は、ボール43、付勢部材44、及び板部材46によって構成される。
図7は、ボール43及び板部材46を軸42の軸方向に前方から見た図である。図7では、展開位置の状態が示されている。
図2~図7を参照し、板部材46は、ステー本体45の後側軸支持部45cに取り付けられる。板部材46は、平坦な板であり、ステー本体45とは別体で設けられる。
図5を参照し、板部材46は、板部材46の後面が後側軸支持部45cの前面に当接するように後側軸支持部45cに取り付けられる。板部材46は、ステップ本体50の基端部50aの後面と後側軸支持部45cの前面との間に配置され、後側軸支持部45cの前面に取り付けられる。軸42の軸線42dは、板部材46に直交する。
ステップ本体50の基端部50aに設けられる収納穴53は、回動孔52と平行に延びる穴である。すなわち、収納穴53は、軸線42dと平行である。展開位置の状態では、収納穴53は、回動孔52に対し車幅方向内側に位置する。
収納穴53は、基端部50aの後面から基端部50aの前面に向けて延びる止まり穴である。収納穴53の後端は後方に開口し、収納穴53の前端は塞がっている。
付勢部材44は、コイルばねである。付勢部材44は、収納穴53の後端の開口から収納穴53に収納される。付勢部材44の一端は、収納穴53の底部によって受けられる。
球状のボール43は、収納穴53の後端の開口から収納穴53に収納され、付勢部材44の他端に当接する。
板部材46は、収納穴53を後方から覆い、ボール43を収納穴53内に押し込んでいる。付勢部材44は、収納穴53の底部とボール43との間に挟まれて圧縮されている。付勢部材44は、圧縮に対する復元力によって、ボール43を板部材46に向けて付勢する。板部材46は、ボール43を介し、付勢部材44の付勢力によって後側軸支持部45cの前面に押し付けられる。
付勢部材44及びボール43は、軸線42dを中心とするステップ28の回動に伴い、ステップ28と一体に回動する。
図3~図7を参照し、板部材46は、基端部50aと後側軸支持部45cとの間に挟まれる板部材本体61と、板部材本体61から車幅方向内側に突出する回動規制部62とを備える。
図3を参照し、ステー本体45のベース部45aの下端部には、回動規制部62が係合する係合部45eが設けられる。係合部45eは、ベース部45aを車幅方向に貫通する孔であり、前側軸支持部45bと後側軸支持部45cとの間に位置する。
板部材46は、回動規制部62が係合部45eに係合することで、軸線42dを中心とする回動を規制される。
板部材本体61は、軸42が挿通される軸孔64と、ボール43が係合する溝70とを備える。
軸孔64は、軸部42aが貫通する丸孔である。軸孔64は、板部材本体61の上部に設けられる。
図7には、ステップ28が回動する際のボール43の回動の軌跡43aが示される。軌跡43aは、軸線42dを円の中心とする仮想の円の円弧である。この仮想の円は、軸孔64の同心円であり、且つ、軸孔64よりも大径である。軌跡43aは、ボール43の中心の軌跡である。軌跡43aは、軸孔64に対し車幅方向内側且つ下方に位置する。
ボール43は、ステップ28が回動すると、付勢部材44によって板部材46に押し付けられながら、軌跡43aに沿って板部材46上を移動する。
軌跡43aの延在方向である軌跡43aの周方向は、ステップ28の回動方向Rである。
図8は、ボール43及び板部材46を軸42の軸方向に前方から見た図である。図8では、格納位置の状態が示されている。
図7及び図8を参照し、溝70は、ステップ28が展開位置の状態になるとボール43が係合する第1の溝71と、ステップ28が格納位置の状態になるとボール43が係合する第2の溝72とを備える。
第1の溝71及び第2の溝72は、軌跡43a上に設けられる。詳細には、第1の溝71の幅方向の中心及び第2の溝72の幅方向の中心は、軌跡43a上に位置する。ここで、第1の溝71及び第2の溝72の幅方向は、軸線42dの軸方向視で、回動方向Rに直交する方向である。
第1の溝71は、軸孔64に対し車幅方向内側且つ下方に位置する。
第1の溝71は、板部材本体61を貫通する孔である。第1の溝71は、ボール43よりも小径の孔であり、ボール43は、第1の溝71の位置に来ると第1の溝71に係合する。
第1の溝71は、回動方向Rよりも第1の溝71の幅方向に長い。
第2の溝72は、第1の溝71に対し車幅方向外側且つ下方に位置する。
第2の溝72は、板部材本体61を貫通する孔である。第2の溝72は、回動方向Rに長く延びる長孔である。第2の溝72は、回動方向Rでは、第1の溝71よりも長い。
第2の溝72は、回動方向Rではボール43の直径よりも長いが、第2の溝72の幅は、ボール43の直径よりも小さい。このため、ボール43は、第2の溝72の位置に来ると第2の溝72に係合する。
第2の溝72は、回動方向Rにおいて第1の溝71の側に位置する端部である展開側端部72aと、回動方向Rにおいて展開側端部72aの反対側に位置する端部である格納側端部72bと、展開側端部72aと格納側端部72bとの間で回動方向Rに延びる円弧部72cとを備える。円弧部72cは、展開側端部72aと格納側端部72bとを回動方向Rに接続する。
展開側端部72aは、ボール43の外形に沿う一対の曲線状の隅部と、一対の隅部を第2の溝72の幅方向に繋ぐ直線部とによって形成される。
格納側端部72bは、展開側端部72aの側から格納側端部72bの先端72dに向かうに従って格納側端部72bの幅を小さくする傾斜部73を備える。
格納側端部72bは、展開側端部72aの側から先端72dに向かうに従って先細りになる三角形状である。傾斜部73は、上記三角形において先端72dを形成する2つの辺によって構成される。
板部材本体61は、ボール43が第1の溝71と第2の溝72との間を移動する際にボール43が乗り上げる乗り上げ部74を備える。乗り上げ部74は、板部材本体61において、第1の溝71と第2の溝72との間で軌跡43a上に位置する部分である。
ここで、ステップ28の回動の動作について説明する。
図4のように、ステップ28が展開位置に位置する状態では、ボール43は、図7のように第1の溝71に重なる位置にあり、ボール43は、付勢部材44によって押し付けられて第1の溝71に係合している。ステップ28は、ボール43が第1の溝71に係合することで、回動を規制される。すなわち、ステップ28は、ロック機構60によって展開位置にロックされている。
なお、ステップ28は、ステップ28に設けられたストッパー部(不図示)がステー41に当接することによっても、展開位置から下方への回動を規制される。
図4の状態からステップ28が上方に回動すると、ステップ28は、図6のように格納位置に位置するようになる。展開位置に対する格納位置の角度は、90°よりも小さい。
乗員等は、例えば鞍乗り型車両10を駐車する際に、ステップ28を格納位置にする。乗員等が所定の大きさの力を超える上向きの力をステップ28に加えると、付勢部材44に抗してボール43が乗り上げ部74に乗り上げる。これにより、ロック機構60によるロックが解除され、ステップ28は上方に回動可能となる。
ステップ28が上方に回動すると、ボール43は乗り上げ部74上を走行する。ステップ28が格納位置に位置すると、ボール43は第2の溝72に係合する。ステップ28は、ボール43が第2の溝72に係合することで、回動を規制される。すなわち、ステップ28は、ロック機構60によって格納位置にロックされている。なお、後述のように、格納位置は、第2の溝72が長孔であることによって第1の格納位置と第2の格納位置とがあり、ステップ28は、ロック機構60によって格納位置にロックされている状態であっても、第1の格納位置と第2の格納位置との間を移動可能である。
第2の溝72が回動方向Rに長く延びるため、格納位置の状態において、ボール43は、第2の溝72内を回動方向Rに移動可能である。
詳細には、ボール43が第2の溝72の展開側端部72aに位置する状態では、ステップ28は、図6に実線で示される第1格納位置に位置する。
ボール43が第2の溝72の格納側端部72bに位置する状態では、ステップ28は、図6に仮想線で示す第2格納位置に位置する。第2格納位置におけるステップ28の上面は、上面28a´で図示される。第1格納位置におけるステップ28の上面は、上面28aで図示される。第2格納位置は、ステップ28が最も上方まで回動した最上位置である。
第1格納位置は、第2の溝72の長さの範囲内で、ステップ28が第2格納位置に対し下方側に回動した位置である。
ボール43は、第2の溝72の格納側端部72bに位置する状態で、付勢部材44によって格納側端部72bに付勢されると、傾斜部73に沿って自動的に展開側端部72aの側に移動する。
これにより、ボール43は、第2の溝72に係合している状態では、通常、円弧部72cから展開側端部72aまでの間に接する状態になる。このため、ステップ28は、格納位置の状態では、通常、第2格納位置に対し第1格納位置の側に移動した位置にある。
ステップ28が第1格納位置の側に位置する状態では、ステップ28が車幅方向にコンパクトになるため、例えば鞍乗り型車両10の駐車スペースが狭い場合であっても、ステップ28が駐車の邪魔になることを抑制でき、駐車が容易である。
また、ステップ28が第1格納位置の側に位置する状態では、第2格納位置の状態に比してステップ28が外側に開いているため、ステップ28に上方から力を加え易い。このため、乗員等は、ステップ28を足等で下方に押して、ステップ28を容易に展開位置に戻すことができる。
詳細には、乗員等が所定の大きさの力を超える下向きの力をステップ28に加えると、付勢部材44に抗してボール43が乗り上げ部74に乗り上げる。これにより、ロック機構60によるロックが解除され、ステップ28は下方に回動可能となる。ステップ28が下方に回動すると、ボール43は乗り上げ部74上を走行する。ステップ28が展開位置に位置すると、ボール43は第1の溝71に係合する。
乗員等は、付勢部材44の付勢力に抗してステップ28を押し上げることで、ボール43を格納側端部72bに移動させ、ステップ28を第2格納位置に位置させることができる。
例えば、駐車時に、鞍乗り型車両10が物体に密接してしまう場合に、ステップ28を第2格納位置に押し上げることで、ステップ28が物体に接触することを抑制でき、鞍乗り型車両10を容易に駐車できる。
また、ステップ28が第1格納位置の側に位置する状態で、駐車時等にステップ28が物体に当たった場合、ステップ28は、上方に回動して第2格納位置の側に逃げることができ、衝撃を緩和できる。このため、ステップ28及びステップ28が当たった物体に作用する衝撃を低減できる。
以上説明したように、本発明を適用した実施の形態によれば、鞍乗り型車両10のステップ構造40は、ステー41に設けられる軸42を中心に回動可能に設けられるステップ28と、ステー41とステップ28との間に設けられるボール43及び溝70と、ボール43を溝70に付勢する付勢部材44とを備え、ステップ28は、車幅方向に延びる展開位置と、軸42を中心に展開位置に対して上方に回動した格納位置との間で回動可能であり、ボール43が溝70に係合することでステップ28が展開位置及び格納位置にロックされる。溝70は、展開位置でボール43が係合する第1の溝71と、格納位置でボール43が係合する第2の溝72とを備え、第2の溝72は、軸42を中心とする回動方向Rに長く延びる円弧状である。
この構成によれば、第2の溝72が回動方向Rに長く延びる円弧状であるため、ボール43は、第2の溝72内を回動方向Rに移動可能である。これにより、ステップ28は、格納位置の状態において、第2の溝72の長さの範囲内で、最も上方まで回動した最上位置である第2格納位置と、第2格納位置に対し下方側に回動した位置である第1格納位置との間で移動可能である。ステップ28が第1格納位置にある状態では、乗員等が上方からステップ28に力を加え易いため、ステップ28が格納された状態からステップ28が展開された状態に容易に変更できる。また、ステップ28を手で押さえる等して、ステップ28を第2格納位置まで回動した位置にすることで、ステップ28の車幅方向の突出量を最大限小さくでき、駐車等の際にステップ28が邪魔になることを抑制できる。
また、第2の溝72は、回動方向Rにおいて第1の溝71よりも長い。
この構成によれば、格納位置の状態におけるステップ28の回動範囲を長く確保できるため、乗員等が上方からステップ28に力を加え易い。
また、第2の溝72は、回動方向Rにおいて第1の溝71の側に位置する展開側端部72aと、回動方向Rにおいて展開側端部72aの反対側に位置する格納側端部72bとを有し、格納側端部72bは、展開側端部72aの側から格納側端部72bの先端72dに向かうに従って格納側端部72bの幅を小さくする傾斜部73を備え、ボール43は、付勢部材44によって格納側端部72bに付勢されると傾斜部73に沿って展開側端部72aの側に移動する。
この構成によれば、付勢部材44の付勢力を利用して、ボール43を展開側端部72aの側に移動させることができる。このため、ステップ28を、第2の溝72の長さの範囲内で、第2格納位置に対し下方側に回動した第1格納位置の側に位置させることができる。
さらに、第2の溝72は、展開側端部72aと格納側端部72bとの間で回動方向Rに延びる円弧部72cを備え、軸42の軸方向視で、格納側端部72bは、先端72dに向かうに従って先細りになる三角形状である。
この構成によれば、第2の溝72が円弧部72cを備えるため、第2の溝72を長くできる。また、格納側端部72bを三角形状にする簡単な構造で、付勢部材44の付勢力を利用してステップ28を第2格納位置に対し下方側に回動した第1格納位置の側に位置させることができる。
また、軸42の軸方向視で、第1の溝71は、回動方向Rよりも、回動方向Rに直交する方向に長い。
この構成によれば、第1の溝71は、回動方向Rよりも、回動方向Rに直交する方向に長いため、第1の溝71とボール43との位置関係に製造上の誤差が生じた場合であっても、ボール43を第1の溝71に適切に係合させることができる。このため、ステップ構造40の製造上の誤差の管理が容易になる。
また、ボール43及び付勢部材44は、ステップ28に設けられ、ステー41は、軸42を支持するステー本体45と、ステー本体45に取り付けられる板部材46とを備え、第1の溝71及び第2の溝72は、板部材46に形成される。
この構成によれば、第1の溝71及び第2の溝72を板部材46に形成するため、第1の溝71及び第2の溝72を容易に形成できる。
また、板部材46は、ステー本体45に対する板部材46の回動を規制する回動規制部62を備える。
この構成によれば、簡単な構造で板部材46の回動を規制できる。
さらに、ステー本体45は、回動規制部62が係合する係合部45eを備える。
この構成によれば、回動規制部62をステー本体45の係合部45eに係合させる簡単な構造で、板部材46の回動を規制できる。
なお、上記実施の形態は本発明を適用した一態様を示すものであって、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。
上記実施の形態では、第1の溝71及び第2の溝72は、ステー41の板部材46に設けられるものとして説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、板部材46を設けずに、ステー本体45の後側軸支持部45cに第1の溝71及び第2の溝72を形成しても良い。
また、上記実施の形態では、ボール43は、付勢部材44によって格納側端部72bに付勢されると傾斜部73に沿って展開側端部72aの側に移動するものとして説明したが本発明はこれに限定されない。例えば、ボール43は、ステップ28等に作用する重力によって、格納側端部72bから展開側端部72aの側に移動しても良い。この場合、傾斜部73を設けずに、格納側端部72bは展開側端部72aと同様の長孔状にされても良い。
また、本発明は、乗員の後方に着座する同乗者用のステップのステップ構造に適用されても良い。
上記実施の形態では、自動二輪車である鞍乗り型車両10に搭載されるステップ構造40を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ステップ構造40は、三輪の鞍乗り型車両、及び四輪以上を備える鞍乗り型車両に設けられても良い。
[上記実施の形態によりサポートされる構成]
上記実施の形態は、以下の構成をサポートする。
(構成1)ステーに設けられる軸を中心に回動可能に設けられるステップと、前記ステーと前記ステップとの間に設けられるボール及び溝と、前記ボールを前記溝に付勢する付勢部材とを備え、前記ステップは、車幅方向に延びる展開位置と、前記軸を中心に前記展開位置に対して上方に回動した格納位置との間で回動可能であり、前記ボールが前記溝に係合することで前記ステップが前記展開位置及び前記格納位置にロックされる鞍乗り型車両のステップ構造において、前記溝は、前記展開位置で前記ボールが係合する第1の溝と、前記格納位置で前記ボールが係合する第2の溝とを備え、前記第2の溝は、前記軸を中心とする回動方向に長く延びる円弧状であることを特徴とする鞍乗り型車両のステップ構造。
この構成によれば、第2の溝が回動方向に長く延びる円弧状であるため、ボールは、第2の溝内を回動方向に移動可能である。これにより、ステップは、格納位置の状態において、第2の溝の長さの範囲内で、最も上方まで回動した最上位置と、最上位置に対し下方側に回動した位置との間で移動可能である。ステップが最上位置に対し下方側に回動した位置にある状態では、乗員等が上方からステップに力を加え易いため、ステップが格納された状態からステップが展開された状態に容易に変更できる。また、ステップを手で押さえる等して、ステップを最上位置まで回動した位置にすることで、ステップの車幅方向の突出量を最大限小さくでき、駐車等の際にステップが邪魔になることを抑制できる。
(構成2)前記第2の溝は、前記回動方向において前記第1の溝よりも長いことを特徴とする構成1記載の鞍乗り型車両のステップ構造。
この構成によれば、格納位置の状態におけるステップの回動範囲を長く確保できるため、乗員等が上方からステップに力を加え易い。
(構成3)前記第2の溝は、前記回動方向において前記第1の溝の側に位置する展開側端部と、前記回動方向において前記展開側端部の反対側に位置する格納側端部とを有し、前記格納側端部は、前記展開側端部の側から前記格納側端部の先端に向かうに従って前記格納側端部の幅を小さくする傾斜部を備え、前記ボールは、前記付勢部材によって前記格納側端部に付勢されると前記傾斜部に沿って前記展開側端部の側に移動することを特徴とする構成1または2記載の鞍乗り型車両のステップ構造。
この構成によれば、付勢部材の付勢力を利用して、ボールを展開側端部の側に移動させることができる。このため、ステップを、第2の溝の長さの範囲内で、最上位置に対し下方側に回動した位置に位置させることができる。
(構成4)前記第2の溝は、前記展開側端部と前記格納側端部との間で前記回動方向に延びる円弧部を備え、前記軸の軸方向視で、前記格納側端部は、前記先端に向かうに従って先細りになる三角形状であることを特徴とする構成3記載の鞍乗り型車両のステップ構造。
この構成によれば、第2の溝が円弧部を備えるため、第2の溝を長くできる。また、格納側端部を三角形状にする簡単な構造で、付勢部材の付勢力を利用してステップを最上位置に対し下方側に回動した位置に位置させることができる。
(構成5)前記軸の軸方向視で、前記第1の溝は、前記回動方向よりも、前記回動方向に直交する方向に長いことを特徴とする構成1から4のいずれかに記載の鞍乗り型車両のステップ構造。
この構成によれば、第1の溝は、回動方向よりも、回動方向に直交する方向に長いため、第1の溝とボールとの位置関係に製造上の誤差が生じた場合であっても、ボールを第1の溝に適切に係合させることができる。このため、ステップ構造の製造上の誤差の管理が容易になる。
(構成6)前記ボール及び前記付勢部材は、前記ステップに設けられ、前記ステーは、前記軸を支持するステー本体と、前記ステー本体に取り付けられる板部材とを備え、前記第1の溝及び前記第2の溝は、板部材に形成されることを特徴とする構成1から5のいずれかに記載の鞍乗り型車両のステップ構造。
この構成によれば、第1の溝及び第2の溝を板部材に形成するため、第1の溝及び第2の溝を容易に形成できる。
(構成7)前記板部材は、前記ステー本体に対する前記板部材の回動を規制する回動規制部を備えることを特徴とする構成6記載の鞍乗り型車両のステップ構造。
この構成によれば、簡単な構造で板部材の回動を規制できる。
(構成8)前記ステー本体は、前記回動規制部が係合する係合部を備えることを特徴とする構成7記載の鞍乗り型車両のステップ構造。
この構成によれば、回動規制部をステー本体の係合部に係合させる簡単な構造で、板部材の回動を規制できる。
10 鞍乗り型車両
28 ステップ
40 ステップ構造
41 ステー
42 軸
43 ボール
44 付勢部材
45 ステー本体
45e 係合部
46 板部材
62 回動規制部
70 溝
71 第1の溝
72 第2の溝
72a 展開側端部
72b 格納側端部
72c 円弧部
72d 先端
73 傾斜部
R 回動方向

Claims (8)

  1. ステー(41)に設けられる軸(42)を中心に回動可能に設けられるステップ(28)と、前記ステー(41)と前記ステップ(28)との間に設けられるボール(43)及び溝(70)と、前記ボール(43)を前記溝(70)に付勢する付勢部材(44)とを備え、前記ステップ(28)は、車幅方向に延びる展開位置と、前記軸(42)を中心に前記展開位置に対して上方に回動した格納位置との間で回動可能であり、前記ボール(43)が前記溝(70)に係合することで前記ステップ(28)が前記展開位置及び前記格納位置にロックされる鞍乗り型車両のステップ構造において、
    前記溝(70)は、前記展開位置で前記ボール(43)が係合する第1の溝(71)と、前記格納位置で前記ボール(43)が係合する第2の溝(72)とを備え、
    前記第2の溝(72)は、前記軸(42)を中心とする回動方向(R)に長く延びる円弧状であることを特徴とする鞍乗り型車両のステップ構造。
  2. 前記第2の溝(72)は、前記回動方向(R)において前記第1の溝(71)よりも長いことを特徴とする請求項1記載の鞍乗り型車両のステップ構造。
  3. 前記第2の溝(72)は、前記回動方向(R)において前記第1の溝(71)の側に位置する展開側端部(72a)と、前記回動方向(R)において前記展開側端部(72a)の反対側に位置する格納側端部(72b)とを有し、
    前記格納側端部(72b)は、前記展開側端部(72a)の側から前記格納側端部(72b)の先端(72d)に向かうに従って前記格納側端部(72b)の幅を小さくする傾斜部(73)を備え、
    前記ボール(43)は、前記付勢部材(44)によって前記格納側端部(72b)に付勢されると前記傾斜部(73)に沿って前記展開側端部(72a)の側に移動することを特徴とする請求項1または2記載の鞍乗り型車両のステップ構造。
  4. 前記第2の溝(72)は、前記展開側端部(72a)と前記格納側端部(72b)との間で前記回動方向(R)に延びる円弧部(72c)を備え、
    前記軸(42)の軸方向視で、前記格納側端部(72b)は、前記先端(72d)に向かうに従って先細りになる三角形状であることを特徴とする請求項3記載の鞍乗り型車両のステップ構造。
  5. 前記軸(42)の軸方向視で、前記第1の溝(71)は、前記回動方向(R)よりも、前記回動方向(R)に直交する方向に長いことを特徴とする請求項1または2記載の鞍乗り型車両のステップ構造。
  6. 前記ボール(43)及び前記付勢部材(44)は、前記ステップ(28)に設けられ、
    前記ステー(41)は、前記軸(42)を支持するステー本体(45)と、前記ステー本体(45)に取り付けられる板部材(46)とを備え、
    前記第1の溝(71)及び前記第2の溝(72)は、板部材(46)に形成されることを特徴とする請求項1または2記載の鞍乗り型車両のステップ構造。
  7. 前記板部材(46)は、前記ステー本体(45)に対する前記板部材(46)の回動を規制する回動規制部(62)を備えることを特徴とする請求項6記載の鞍乗り型車両のステップ構造。
  8. 前記ステー本体(45)は、前記回動規制部(62)が係合する係合部(45e)を備えることを特徴とする請求項7記載の鞍乗り型車両のステップ構造。
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