JP7633101B2 - 吸収性物品 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、個装折り部が中央環状エンボスと重なることで折れジワを抑制することが記載されている。
また、吸収性物品には、保水性によって高い吸水性及び吸湿性を実現するコットン繊維の表面シートを用いるものが知られている。
また、環状エンボスでは、流れ込んだ排泄液を一時的に留めることにより、排泄液がエンボス近傍に多く吸収されて吸収体が膨潤する。この吸収体の膨潤により、厚み方向に押圧されて圧縮されていたエンボス部分の表面シートが押し上げられ、吸収体から表面シートが剥がれて、表面シートの浮きが生じやすくなる。この表面シートの浮きが、上記表面シートに形成されるシワと相俟って、吸収性物品の後方領域における表面シートの浮きを誘発し、表面シートから吸収体への吸液が速やかに行われず、排泄液の漏れが懸念されることがあった。
上記吸収性物品は、着用者の前後方向に対応する縦方向及び該縦方向に直交する横方向を有する。
上記吸収性物品は、上記縦方向に沿って、前方領域と、着用者の排泄部に対向する中間領域と、後方領域と、に区分される。
上記表面シートは、保水性繊維を主体として含む。
上記吸収体は、上記表面シートと上記裏面シートとの間に配置される。
上記吸収性物品は、環状エンボス部と、第1独立エンボス部及び第2独立エンボス部と、第1折り畳み部及び第2折り畳み部と、を備える。
上記環状エンボス部は、上記前方領域、上記中間領域及び上記後方領域にわたって配置され、上記表面シートと上記吸収体とが圧搾されて形成される。
上記第1独立エンボス部及び上記第2独立エンボス部は、上記環状エンボス部よりも後方に位置する。
上記第1折り畳み部及び上記第2折り畳み部は、上記後方領域に、後ろ方向から前方向に向かって順に位置し、上記吸収性物品を折り畳む基点となり、横方向に延びる。
上記環状エンボス部は、上記後方領域において、上記第1折り畳み部と上記第2折り畳み部との間に位置する。
上記第1独立エンボス部は上記第1折り畳み部よりも前方に位置し、上記第2独立エンボス部は上記第1折り畳み部よりも後方に位置する。
本発明の一実施形態に係る吸収性物品1は、図1に示すように、本体Mと、一対のウイング部Wと、を備える。吸収性物品1は、生理用ナプキンとして構成され、以下、ナプキン1と称する。なお、ナプキン1は、ウイング部Wを備えていなくてもよい。
ナプキン1は、着用者の前後方向に対応する縦方向Xと、縦方向Xに直交する横方向Yとを有する。横方向Yは、着用者の左右方向に対応する。さらに、ナプキン1は、縦方向X及び横方向Yの双方に直交する厚み方向Zを有する。
本明細書において、「横方向Y内側」とは、ナプキン1を横方向Yに2等分する縦中心線CLに近づく側を意味し、「横方向Y外側」とは、縦中心線CLから遠ざかる側を意味する。
本明細書において、「縦方向X前方」又は「前方」とは、縦方向Xにおける前方、つまり着用者の腹側に向かう方向を意味する。同様に、「縦方向X後方」又は「後方」とは、縦方向Xにおける後方、つまり着用者の背側に向かう方向を意味する。また、「縦方向X外側」とは、ナプキン1を縦方向Xに2等分する直線(図示せず)から遠ざかる側を意味する。
本明細書において、厚み方向Zに関しては、着用時に着用者の肌に近い側を上又は肌側、着衣に近い側を下又は非肌側と表現することがある。
本明細書において、「平面視」とは、厚み方向Zから見た平面視を意味する。
中間領域52は、着用時に着用者の排泄部に対向する領域である。図1において、中間領域52は、ナプキン1におけるウイング部Wの前後基端部間の領域である。なお、吸収性物品がナプキンの場合、「排泄部」は膣口を意味する。
前方領域51は、中間領域52の前方(着用者の腹側)に配置される領域であり、着用時に着用者の排泄部の前方に対向するように配置される。
後方領域53は、中間領域52の後方(着用者の背側)に配置される領域であり、着用時に着用者の排泄部の後方に対向するように配置される。
ここでいう着用時は、通常の適正な着用位置(ナプキン1の想定される着用位置)が維持された状態を意味する。
ウイング部Wは、着用者の排泄部と対向する領域である本体Mの縦方向X中央部から横方向Y外側に突出する。
ナプキン1の縦方向Xの長さは、好ましくは26cm以上、より好ましくは29cm以上であり、好ましくは43cm以下、より好ましくは40cm以下である。
(吸収体)
図1及び図2に示すように、吸収体4は、縦方向Xに沿って延び、表面シート2と裏面シート3との間に配置される。吸収体4は、液を表面シート2側から吸収し、内部で拡散させて当該液を保持する。
吸収体4は、例えば、吸収性コア41と、コアラップシート42と、を有する。
吸収性コア41は、例えば、パルプ繊維等の親水性繊維で構成された繊維集合体で形成されてもよいし、当該繊維集合体に吸水性ポリマーを保持させた構成を有していてもよい。
コアラップシート42は、吸収性コア41を被覆するシートであり、例えば吸収性コア41の形状を保持する機能等を有する。コアラップシート42は、例えばティッシュペーパー状の薄く柔らかい紙や液透過性の不織布等で形成される。
なお、吸収体4は、コアラップシート42を有さなくてもよい。
図2に示すように、表面シート2は、吸収体4の厚み方向Z肌側に配置される。表面シート2は、液透過性のシート材であって、後述するように、保水性繊維を主体として含む。
図2に示すように、裏面シート3は、吸収体4の厚み方向Z非肌側に配置される。裏面シート3は、例えばその周縁において、表面シート2及びサイドシート5と、吸収体4を介さずに熱シールによって接合される。これにより、ナプキン1の周縁に熱シール部H(図1参照)が形成されていてもよい。裏面シート3は、接着剤等によって吸収体4に接合されていてもよい。
裏面シート3は、例えば、液難透過性、水蒸気透過性及び撥水性等の機能を有するシート材で形成される。当該シート材としては、例えば熱可塑性樹脂のフィルムや、当該フィルムと不織布とのラミネート等を用いることができる。
図1及び図2に示すように、一対のサイドシート5は、表面シート2の横方向Y外側にそれぞれ配置される。サイドシート5の材料としては、表面シート2よりも親水性が低いシート材が好ましく、具体的には、表面シート2よりも親水性の低い不織布、フィルム材料、及び不織布とフィルム材料のラミネート構造のシート等が挙げられる。
典型的には、ナプキン1は包装シートとともに折り畳まれた個包装の包装体の状態で、1つのパックに複数収容されて流通する。
包装体において、ナプキン1は、図1に示す横方向Yに延びる3本の線状の折り畳み部L1~L3によって縦方向Xに折り畳まれる。図1に示すように、ナプキン1は、ナプキン1の後端部31から前端部32に向かって、順に、第1折り畳み部L1、第2折り畳み部L2及び第3折り畳み部L3を備える。これら折り畳み部は折り畳む際の折り軸となる。
第1折り畳み部L1及び第2折り畳み部L2は、後方領域53に位置する。第3折り畳み部L3は、前方領域51に位置する。
ナプキン1において、第1折り畳み部L1及び第2折り畳み部L2によって区画された、第1折り畳み部L1から第2折り畳み部L2までの領域を、第2折り領域22とする。
ナプキン1において、第2折り畳み部L2及び第3折り畳み部L3によって区画された、第2折り畳み部L2から第3折り畳み部L3までの領域を、第3折り領域23とする。
ナプキン1において、第3折り畳み部L3から前端部32までの領域を第4折り領域24とする。
ナプキン1は、矩形状の包装シート(図示せず)の略中央に、ずれ止め材を介して剥離可能に配置される。これにより、ナプキン1と包装シートとの積層体を得る。
次に、第2折り畳み部L2を折り軸として、折り畳まれた第1折り領域21及び第2折り領域22を、さらに第3折り領域23上に折り重ねる。次に、第3折り畳み部L3を折り軸として、折り畳まれた第1折り領域21、第2折り領域22及び第3折り領域23上に、第4折り領域24を折り重ねる。そして、第4折り領域24に固定されたタブテープ(図示せず)が包装シートに剥離可能に接着される。
これにより、ナプキン1が縦方向Xに四つ折りされ、個包装状態の包装体が形成される。該包装体において、最も後方にある第1折り畳み部L1の後方に位置する第1折り領域21は、最も内側に位置する。
本発明では、後述する構成のエンボス部6及び第1折り畳み部L1との位置関係により、このようなシワの発生を効果的に抑制することができ、後方領域53における表面シート2の浮きの発生が効果的に抑制される。詳細については後述する。
表面シート2は、高い吸水性及び吸湿性等を実現する観点から、保水性繊維を主体として含む。
本明細書において、「保水性繊維」とは、当業者によって容易に理解できるように、コットンやレーヨンのように、保水・吸水性を備えた繊維のことである。なお、保水性繊維を主体として含むシートとしては、後述する「保水性試験」で測定した値が100mm以上であることが好ましく、150mm以上であることがより好ましい。
表面シート2が保水性繊維を主体として含むことで、表面シート2が、排泄液や着用者の汗を素早く吸収することができる。さらに、このような表面シート2は、当該液や汗に由来する水蒸気を吸収し、吸収体4の未使用部分(すなわち、排泄液を吸収可能な部分)へ当該水蒸気を放出することもできる。これにより、ナプキン1(吸収性物品)の着用時のムレが効果的に抑制され、着用感が高められるとともに、着用者の肌トラブルも抑制される。
「表面シート2が保水性繊維を主体として含む」とは、表面シート2が、保水性繊維を50質量%以上含むことを意味する。表面シート2は、好ましくは、保水性繊維を75質量%以上、より好ましくは90質量%含み、保水性繊維のみで構成されてもよい。
保水性試験は以下の手順で行った。まず、表面シートを10cm×10cmで切り出した試験片を3枚重ねにし、その下に同サイズに切り出した濾紙(例えば定性濾紙/ADVANTEC社製)を2枚重ねた構成とした。これを水平な台上で静置した状態で、1mLの青水(イオン交換水500mLに食用青色1号:ダイワ化成株式会社製を0.1g添加したもの)を垂らす。続いて、5分後に1枚目の表面での青水の広がりをシート縦(H)及び、横(W)の2方向の長さを測定し合計した。なお、10cm×10cmでサンプルが切り出せない場合又は試験片が3枚切り出せない場合は、サンプルの大きさを適宜変更してよい。ただし、この場合、サンプルの大きさは吸収性物品から切り出せる正方形状として最大の大きさとする。
図1及び図2に示すように、ナプキン1は、表面シート2と吸収体4が圧搾されたエンボス部6を備える。
エンボス部6は、例えば、表面シート2から吸収体4に向かって厚み方向Zに圧搾加工することによって形成される。圧搾加工としては、例えば、熱エンボス加工、超音波シール加工等が挙げられる。エンボス部6は、表面シート2及び吸収体4が裏面シート3側に向かって一体的に陥凹した構成を有する。
なお、以下の説明において、表面シート2及び吸収体4が圧搾加工された部分を、「エンボス」とも称する。
さらに、エンボス部6は、他の領域と比較して繊維間の距離が狭くなるため、液と接触した場合に、毛管作用によって当該液を引き込み、エンボス部6内で拡散させる機能を有する。これにより、エンボス部6は、液の外部への漏れを防止する防漏作用も有する。
第1独立エンボス部11及び第2独立エンボス部8は、それぞれ、環状エンボス部7から縦方向X後方に離間して配置された独立エンボス部であり、環状エンボス部7のさらに後方におけるシワの発生を抑制する。環状エンボス部7の一部、第1独立エンボス部11及び第2独立エンボス部8は、ナプキン1の後方領域53に位置する。
更に、エンボス部6は、図1に例示するように、横方向Yに延びる第3独立エンボス部13を含んでいてもよい。
以下、各エンボス部の構成について説明する。
環状エンボス部7は、前方領域51、中間領域52及び後方領域53にわたって配置される。
環状エンボス部7は、一対のエンボス溝70より構成される。
エンボス溝70は、エンボスにより構成された、全体として縦方向Xに延びる溝である。エンボス溝70は、例えば、線状のエンボス溝である。エンボス溝における「線状」とは、エンボスが直線状及び/又は曲線状に延びる構成を意味する。また、この「線状」という表現は、一つのエンボスが連続して延びる態様の他、複数のエンボスが延在方向に近接して並んでおり、実質的に線状となる態様も含む。
一対のエンボス溝70の作用をより効果的に発揮させる観点から、一対のエンボス溝70は、実質的に連続しており、前方領域51及び後方領域53において相互に連結されることが好ましい。これにより、一対のエンボス溝70は、閉鎖された略長円の環形状となり得る。この場合、左右のエンボス溝70は、前端部及び後端部において、横方向Y内側に向かって相互に接近するように延びる。
「実質的に連続している」とは、環状エンボス部7が連続していて環状に構成される態様の他、概ね4mm以下のわずかな途切れ部を有している態様も含む。
図1に示すように、第1独立エンボス部11は、環状エンボス部7から離間してその後方に独立して位置する。第1独立エンボス部11は、全体的に横方向Yに延びる線状のエンボス溝である。
環状エンボス部7と第1独立エンボス部11とが「離間する」とは、これらによる高剛性領域が相互に完全に離間して、独立した高剛性領域として機能することを意味する。具体的に、環状エンボス部7と第1独立エンボス部11とにおいて、これらの最も近い部分の縦方向Xにおける間隔は、5mm以上であることが好ましい。
また、図1に示す例では、第1独立エンボス部11は、縦方向X外側に凸に構成される。第1独立エンボス部11の凸状部を縦中心線CL上に配置することで、当該凸状部を挟んだ左右の部分がそれぞれ横方向Y両側からの力を受け止めて変形起点となり、環状エンボス部7とともに、ナプキン1の横方向Y中央部を肌側に盛り上げるような変形を促進し得る。これにより、ナプキン1のフィット性を高めるとともに、表面シート2に横方向Yの張力を効果的に付加し、ナプキン1のシワをより効果的に抑制することができる。
図1に示すように、第2独立エンボス部8は、環状エンボス部7から離間してその後方に独立して位置する。第2独立エンボス部8は、全体的に横方向Yに延びる形状を有する。
環状エンボス部7と第2独立エンボス部8とが「離間する」とは、これらによる高剛性領域が相互に完全に離間して、独立した高剛性領域として機能することを意味する。具体的に、環状エンボス部7と第2独立エンボス部8とにおいて、これらの最も近い部分の間隔は、15mm以上であることが好ましい。
また、第2独立エンボス部8は、第1独立エンボス部11から離間してその後方に独立して位置する。
第1独立エンボス部11と第2独立エンボス部8とが「離間する」とは、これらによる高剛性領域が相互に完全に離間して、独立した高剛性領域として機能することを意味する。具体的に、第1独立エンボス部11と第2独立エンボス部8とにおいて、これらの最も近い部分の間隔は、10mm以上であることが好ましい。
環状エンボス部7とは離れて後方に第2独立エンボス部8を有することで、環状エンボス部7が配置されない後方の領域の表面シート2にも局所的に張力を付加することができ、当該領域におけるシワを効果的に抑制することができる。
また、第2独立エンボス部8は、1又は複数のエンボス要素を有し、本実施形態においては、相互に横方向Yに離間した複数のエンボス要素81~83を有する。第2独立エンボス部8の各エンボス要素81~83の厚み方向Zから見た平面形状は、特に限定されず、様々な形状を採り得る。当該平面形状は、例えば、円形状、楕円形状、多角形状、滴状、線状、これらに類似する形状、その他の形状から選ばれる1種又は2種以上を選択することができる。
第2独立エンボス部8が複数のエンボス要素81~83を有することで、これらの複数のエンボス要素がそれぞれ変形起点として作用し、好ましい変形を誘導しつつシワの発生を効果的に抑制することができる。
また、第2独立エンボス部8が第1独立エンボス部11よりも横方向Yの寸法が短く、また、第2独立エンボス部8を複数のエンボス要素81~83で構成したことで、第2独立エンボス部8全体の領域の面積を大きくでき、かつエンボスで押圧された面積が小さいことから、ナプキン1の柔らかさを維持して着用時の快適性を担保しつつ、表面シート2の浮き抑制効果を高めることができる。
図1及び図3の例に示すように、第2独立エンボス部8は、複数のエンボス要素を含むことが好ましい。なお、図1及び図3は、第2独立エンボス部8の一構成例を示しており、第2独立エンボス部8の構成はこの例に限定されない。
第2独立エンボス部8の各エンボス要素は、表面シート2及び吸収体4が圧搾加工された部分である。
第2独立エンボス部8の各エンボス要素は、それぞれ、連続して形成された一まとまりのエンボス要素であることが好ましいが、近接する複数のエンボスの集合体で構成されてもよい。後者の場合、当該集合体が一つの高剛性領域として機能すればよい。
中央エンボス要素81の厚み方向Zから見た平面形状は、図示のような花柄形状に限定されず、様々な形状を採り得る。当該平面形状は、例えば、円形状、楕円形状、多角形状、滴状、これらに類似する形状、その他の形状から選ばれる1種又は2種以上を選択することができる。
線状エンボス要素82は、1本の線状の茎に複数の葉がついた図柄を有する。線状エンボス要素82は、全体的に、縦方向X後方から縦方向X前方に向かって、横方向Y内側から横方向Y外側に延びる線状となっている。つまり、線状エンボス要素82は、全体的に、縦方向X及び横方向Yに対して斜めに延びる細長い形状を有する。
線状エンボス要素82の厚み方向Zから見た平面形状は、図示のような茎と葉からなる柄の形状に限定されず、様々な形状を採り得、全体的に斜めに延びる細長い形状とすることが好ましい。
第2独立エンボス部8において、各エンボス要素が「離間する」とは、各エンボス要素による高剛性領域が相互に完全に離間して、独立した高剛性領域として機能することを意味する。具体的に、第2独立エンボス部8において、離間しているエンボス要素間の最も狭い部分の間隔は、10mm以上であることが好ましい。
「線状エンボス要素82が中央エンボス要素81よりも横方向Y外側に配置される」とは、線状エンボス要素82の最も横方向Y外側に位置する外端部が、中央エンボス要素81の最も横方向Y外側に位置する外端部よりも、横方向Y外側に位置することを意味する。
線状エンボス要素82が上記構成を有することで、左右の臀部の丸みを包み込むような配置となり、上記臀部の斜面状の隆起によりフィットして、シワの抑制作用をより効果的に発揮することができる。
これにより、エンボスが配された領域の面積を大きくでき、かつエンボスで押圧された面積が小さいことから、柔らかさを維持して着用時の快適性を担保しつつ、後方領域53における表面シート2の浮き抑制効果を高めることができる。
環状エンボス部7及びその近傍において、経血等の液の吸液により吸収体が膨潤する。厚み方向Zに押圧されて圧縮されていたエンボス部の吸収体が膨潤することで、表面シートが押し上げられ、吸収体から表面シートが剥がれ、表面シートの浮きが生じ、表面シート2上に環状エンボス部7にそった縦方向のシワが形成されやすい。しかしながら、線状エンボス要素82が、縦方向X後方から縦方向X前方に向かって、横方向Y内側から横方向Y外側に延びる形状を有することで、上記シワの後方への伝播を第1折り畳み部L1付近で止めやすくすることができる。このように、シワがナプキン1の後端部31まで伝播されるのを抑制することができるので、シワを伝った液漏れの発生が抑制される。
図1及び図3に示す例では、一対の内側エンボス要素83は、例えば、中央エンボス要素81よりも横方向Y外側であって、かつ線状エンボス要素82よりも横方向Y内側に配置される。
「内側エンボス要素83が中央エンボス要素81よりも横方向Y外側に配置される」とは、内側エンボス要素83の最も横方向Y外側に位置する外端部が、中央エンボス要素81の最も横方向Y外側に位置する外端部よりも、横方向Y外側に位置することを意味する。
「内側エンボス要素83が線状エンボス要素82よりも横方向Y内側に配置される」とは、内側エンボス要素83の最も横方向Y内側に位置する内端部が、線状エンボス要素82の最も横方向Y内側に位置する内端部よりも、横方向Y内側に位置することを意味する。
「内側エンボス要素83が中央エンボス要素81及び線状エンボス要素82よりも縦方向X前方に配置される」とは、内側エンボス要素83の最も縦方向X前方に位置する前端部が、中央エンボス要素81及び線状エンボス要素82の最も縦方向X前方に位置する前端部よりも、縦方向X前方に位置することを意味する。
ナプキン1が夜用ナプキンの場合、第2独立エンボス部8は、臀裂の後方側(背側)の終点近傍の、略三角形状の窪み及びその近傍に配置され得る。この略三角形状の窪みは、前方(排泄部側)に向かって左右の幅が狭くなり、それに伴って左右の臀部の隆起開始部も急峻になる。内側エンボス要素83が中央エンボス要素81及び線状エンボス要素82よりも縦方向X前方に配置されることで、この急峻で特にシワの生じやすい隆起開始部のシワを効果的に抑制することができる。
第1独立エンボス部11は、第1折り畳み部L1よりも縦方向X前方に位置する。
第2独立エンボス部8は、第1折り畳み部L1よりも縦方向X後方に位置する。
ここで、ナプキン1はある程度の厚みを有するため、折り畳まれることにより形成される折り畳み部は、ある程度の縦方向Xに沿った幅を有する線状となっている。上記「第1独立エンボス部11は第1折り畳み部L1よりも縦方向X前方に位置する」には、平面視で、幅を有する線状の第1折り畳み部L1上に第1独立エンボス部11が位置しない形態の他、第1独立エンボス部11の最後端部が第1折り畳み部L1上に位置する形態も含まれる。
上記構成では、四つ折りで折り畳まれるナプキンに、シワになりやすい保水性繊維を主体とする表面シート2を用いた場合にも、第1折り畳み部L1付近のシワの発生を効果的に抑制することができる。
すなわち、第1折り畳み部L1付近の表面シート2には、表面シート2と吸収体4が一体的に陥凹した第1独立エンボス部11と第2独立エンボス部8とが第1折り畳み部L1を間に介して前後に位置することにより、十分な張力が付加される。このため、シワになりやすい保水性繊維を主体とする表面シート2を用いた場合においても、折り畳むことによりシワになりやすい第1折り畳み部L1付近のシワの発生が効果的に抑制される。
このように後方領域53にシワが生じにくいため、シワを伝って液がナプキン1から漏れるといったことが生じにくく、液漏れを抑制することができる。
すなわち、ナプキン1の吸液の際、環状エンボス部7での毛管作用による液の引き込み、及び一時的な液の貯留によって生じやすくなる環状エンボス部7での表面シート2の剥がれ(浮きともいう。)が、第1折り畳み部L1付近に形成されるシワと相俟って後方領域53の表面シート2の浮きを誘発する、ということがなく、後方領域53の表面シート2の浮きの発生が抑制される。
これにより、表面シート2から吸収体4への液の移行が速やかに行われることとなり、液漏れが効果的に抑制される。
図1に示すように、エンボス部6は、横方向Yに延びる第3独立エンボス部13を含んでいてもよい。
第3独立エンボス部13は、環状エンボス部7の環状構造の内側に配置され、第2折り畳み部L2よりも後方に配置される。
ナプキン1の後方領域53の第2折り畳み部L2よりも後方において、第1折り畳み部L1の前方に、2つの独立エンボス部(第1独立エンボス部11及び第3独立エンボス部13)が位置し、第1折り畳み部L1の後方に1つの独立エンボス部(第2独立エンボス部8)が位置する。
ここで、環状エンボス部7の縦方向Xの後方部71は横方向Yにわたって位置し、この後方部71は、横方向Yに延びる変形基点として作用する。このように横方向Yに延びる環状エンボス部7の後方部71を間に挟んでその前後に第3独立エンボス部13と第1独立エンボス部11が位置することで、後方部71と第3独立エンボス部13との間の表面シート2、及び後方部71と第1独立エンボス部11との間の表面シート2に張力を効果的に付与してシワの発生を抑制するとともに、臀部に対向する部分を有する後方領域53での表面シート2の浮きの発生をより一層抑制することができる。
更に、第3独立エンボス部13を環状エンボス部7の縦方向Xの周辺部に配置することで、第3独立エンボス部13が縦方向Xに伝う液に対する防漏作用を発揮し、縦方向Xにおける液の漏れを効果的に抑制することができる。
このように、第3独立エンボス部13を更に設けることにより、後方領域53でのシワ及び表面シート2の浮きの発生をより一層抑制することができ、液漏れを効果的に抑制することができる。
第1独立エンボス部11及び第2独立エンボス部8の少なくとも一つは、横方向Yの寸法が縦方向Xの寸法よりも長いことが好ましい。
ここで、第1折り畳み部L1は横方向Yに沿って形成される。このため、第1独立エンボス部11(第2独立エンボス部8)が、横方向Yの寸法が縦方向Xの寸法よりも長い、すなわち全体的に横方向Yにまたがった形状で位置することにより、表面シート2に横方向Yの張力が付加され、第1折り畳み部L1付近のシワの発生が効果的に抑制され、後方領域53での表面シート2の浮きの発生がより一層抑制される。
ここで、環状エンボス部7の縦方向Xの後方部71は横方向Yにわたって位置し、この後方部71は、横方向Yに延びる変形基点として作用する。このため、第3独立エンボス部13が、横方向Yの寸法が縦方向Xの寸法よりも長い、すなわち全体的に横方向Yにまたがった形状で位置することにより、表面シート2に横方向Yの張力が付加され、環状エンボス部7の後方部71付近のシワの発生が効果的に抑制され、また、後方領域53での表面シート2の浮きの発生が抑制される。
各独立エンボス部(第1独立エンボス部11、第2独立エンボス部8、又は第3独立エンボス部13)の横方向Yの寸法とは、横方向Yの最大寸法を示し、独立エンボス部の最も横方向Y左側に位置するエンボスの外端部から、独立エンボス部の最も横方向Y右側に位置するエンボスの外端部までの、横方向Yにおける寸法を意味する。なお、各エンボスの「外端部」とは、各エンボスにおいて最も横方向Y外側に位置する部分を意味する。
図3に示す例では、第1独立エンボス部11は、横方向Yの寸法cが縦方向Xの寸法dよりも長い。
第1折り畳み部L1付近のシワの発生や後方領域の表面シート2の浮きの発生を効果的に抑制する観点から、第1独立エンボス部11の横方向Yの寸法cは、好ましくは35mm以上、より好ましくは40mm以上であり、好ましくは55mm以下、より好ましくは50mm以下であり、縦方向Xの寸法dは、好ましくは22mm以上、より好ましくは26mm以上であり、好ましくは38mm以下、より好ましくは34mm以下である。本実施形態では、寸法cは45mmであり、寸法dは29mmである。
図3に示す例では、第2独立エンボス部8は、横方向Yの寸法aが縦方向Xの寸法bよりも長い。
第1折り畳み部L1付近のシワの発生や後方領域53の表面シート2の浮きの発生を効果的に抑制する観点から、第2独立エンボス部8の横方向Yの寸法aは、好ましくは35mm以上、より好ましくは39mm以上であり、好ましくは51mm以下、より好ましくは49mm以下であり、縦方向Xの寸法bは、好ましくは10mm以上、より好ましくは15mm以上であり、好ましくは30mm以下、より好ましくは25mm以下である。本実施形態では、寸法aは43mmであり、寸法bは20mmである。
図3に示す例では、第3独立エンボス部13は、横方向Yの寸法eが縦方向Xの寸法fよりも長い。
環状エンボス部7の後方部71付近のシワの発生や後方領域の表面シート2の浮きの発生を効果的に抑制する観点から、第3独立エンボス部13の横方向Yの寸法eは、好ましくは27mm以上、より好ましくは29mm以上であり、好ましくは35mm以下、より好ましくは33mm以下であり、縦方向Xの寸法fは、好ましくは13mm以上、より好ましくは17mm以上であり、好ましくは29mm以下、より好ましくは25mm以下である。本実施形態では、寸法eは31mmであり、寸法fは21mmである。
中央エンボス要素81と線状エンボス要素82との横方向Yにおける距離は、ナプキン1の後方部の柔らかさを維持しつつ表面シート2の浮きを抑制するという作用をより効果的に発揮する観点から、好ましくは2mm以上、より好ましくは5mm以上であり、好ましくは11mm以下、より好ましくは8mm以下である。
なお、「中央エンボス要素81と線状エンボス要素82との横方向Yにおける距離」は、中央エンボス要素81と線状エンボス要素82との間の横方向Yにおける最小距離を意味する。
各線状エンボス要素82の横方向Yにおける最大寸法は、臀部の斜面状の領域におけるシワの抑制作用を効果的に得る観点から、好ましくは8mm以上、より好ましくは12mm以上である。また、当該最大寸法は、臀部の隆起形状に違和感なくフィットさせる観点から、好ましくは18mm以下、より好ましくは14mm以下である。
各線状エンボス要素82の縦方向Xにおける最大寸法は、シワを効果的に抑制する観点から、好ましくは10mm以上、より好ましくは13mm以上である。また、当該最大寸法は、臀部の隆起形状に違和感なくフィットさせる観点から、好ましくは20mm以下、より好ましくは15mm以下である。
なお、「中央エンボス要素81と内側エンボス要素83との間の横方向Yにおける距離」は、中央エンボス要素81と内側エンボス要素83との間の横方向Yにおける最小距離を意味する。
なお、「線状エンボス要素82と内側エンボス要素83との間の横方向Yにおける距離」は、線状エンボス要素82と内側エンボス要素83との間の横方向Yにおける最小距離を意味する。
内側エンボス要素83の上記前端部と、線状エンボス要素82の上記前端部との間の縦方向Xにおける距離は、同様の観点から、好ましくは1mm以上、より好ましくは3mm以上であり、好ましくは15mm以下、より好ましくは10mm以下である。
同様に、各内側エンボス要素83の横方向Yにおける最大寸法は、上述のシワの抑制作用を効果的に得る観点から、好ましくは3mm以上、より好ましくは7mm以上である。また、当該最大寸法は、着用時に違和感なくフィットさせる観点から、好ましくは10mm以下、より好ましくは8mm以下である。
また、第2独立エンボス部8の各エンボスの構成も上述の例に限定されず、例えば、中央エンボス要素81、線状エンボス要素82又は内側エンボス要素83の少なくとも一つを有していなくてもよい。また、各エンボスの形状も、図示の例に限定されない。
2…表面シート
3…裏面シート
4…吸収体
7…環状エンボス部
8…第2独立エンボス部
11…第1独立エンボス部
51…前方領域
52…中間領域
53…後方領域
L1…第1折り畳み部
L2…第2折り畳み部
Claims (5)
- 保水性繊維を主体として含む表面シートと、裏面シートと、前記表面シートと前記裏面シートとの間に配置された吸収体と、を備え、着用者の前後方向に対応する縦方向及び該縦方向に直交する横方向を有し、前記縦方向に沿って、前方領域と、着用者の排泄部に対向する中間領域と、後方領域と、に区分される吸収性物品であって、
前記前方領域、前記中間領域及び前記後方領域にわたって配置された、前記表面シートと前記吸収体とが圧搾された環状エンボス部と、
前記環状エンボス部よりも後方に位置する、前記表面シートと前記吸収体とが圧搾された第1独立エンボス部及び第2独立エンボス部と、
前記後方領域に、後方から前方に向かって順に位置する、前記吸収性物品を折り畳む基点となる横方向に延びる第1折り畳み部及び第2折り畳み部と、
を備え、
前記環状エンボス部は、前記後方領域において、前記第1折り畳み部と前記第2折り畳み部との間に位置し、
前記第1独立エンボス部は前記第1折り畳み部よりも前方に位置し、前記第2独立エンボス部は前記第1折り畳み部よりも後方に位置し、
前記第2独立エンボス部は、前記第1独立エンボス部よりも、横方向の寸法が短く、
前記第2独立エンボス部は、前記吸収性物品を横方向に二等分する縦中心線を通るように横方向にまたがって配置され、
前記第2独立エンボス部は、互いに横方向に離間して位置する複数のエンボス要素から構成される
吸収性物品。 - 保水性繊維を主体として含む表面シートと、裏面シートと、前記表面シートと前記裏面シートとの間に配置された吸収体と、を備え、着用者の前後方向に対応する縦方向及び該縦方向に直交する横方向を有し、前記縦方向に沿って、前方領域と、着用者の排泄部に対向する中間領域と、後方領域と、に区分される吸収性物品であって、
前記前方領域、前記中間領域及び前記後方領域にわたって配置された、前記表面シートと前記吸収体とが圧搾された環状エンボス部と、
前記環状エンボス部よりも後方に位置する、前記表面シートと前記吸収体とが圧搾された第1独立エンボス部及び第2独立エンボス部と、
前記後方領域に、後方から前方に向かって順に位置する、前記吸収性物品を折り畳む基点となる横方向に延びる第1折り畳み部及び第2折り畳み部と、
を備え、
前記環状エンボス部は、前記後方領域において、前記第1折り畳み部と前記第2折り畳み部との間に位置し、
前記第1独立エンボス部は前記第1折り畳み部よりも前方に位置し、前記第2独立エンボス部は前記第1折り畳み部よりも後方に位置し、
前記後方領域に位置する第3独立エンボス部を更に備え、
前記第3独立エンボス部は、前記環状エンボス部により囲まれた領域に位置し、前記第2折り畳み部よりも後方に位置する
吸収性物品。 - 前記第1独立エンボス部及び前記第2独立エンボス部の少なくとも一つは、横方向の寸法が縦方向の寸法よりも長い
請求項1又は2に記載の吸収性物品。 - 前記第1独立エンボス部及び前記第2独立エンボス部は、それぞれ、横方向の寸法が縦方向の寸法よりも長い
請求項3に記載の吸収性物品。 - 前記第2独立エンボス部は、
縦方向後方から縦方向前方に向かって、横方向内側から横方向外側に延びる一対の線状エンボス要素と、
前記一対の線状エンボス要素の横方向中心に位置する中央エンボス要素と
を含む
請求項1から4のいずれか1項に記載の吸収性物品。
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| JP2021102109A JP7633101B2 (ja) | 2021-06-21 | 2021-06-21 | 吸収性物品 |
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| JP2021102109A Active JP7633101B2 (ja) | 2021-06-21 | 2021-06-21 | 吸収性物品 |
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Citations (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2008541943A (ja) | 2005-06-02 | 2008-11-27 | ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー | 横方向強化要素を有する吸収性物品 |
| JP2012135449A (ja) | 2010-12-27 | 2012-07-19 | Unicharm Corp | 吸収性物品の包装体及び吸収性物品の包装体の折り畳み方法 |
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- 2021-06-21 JP JP2021102109A patent/JP7633101B2/ja active Active
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| JP2012135449A (ja) | 2010-12-27 | 2012-07-19 | Unicharm Corp | 吸収性物品の包装体及び吸収性物品の包装体の折り畳み方法 |
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