JP7641111B2 - 水中油型乳化組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、水中油型乳化組成物及び粉末油脂に関する。
アマニ(亜麻仁)等に豊富に含まれるα-リノレン酸(C18:3、ALA)は、体内に入ると生理活性の高いエイコサペンタエン酸(C20:5)やドコサヘキサエン酸(C22:6)に変換されることが知られ、近年、α-リノレン酸を豊富に含む機能性油脂が種々提案されている(例えば、特許文献1)。しかしながら、α-リノレン酸を豊富に含む油脂は、非常に酸化安定性が低く、容易に不快臭を発生する。そのため通常、油脂に、トコフェロールやローズマリー抽出物、アスコルビン酸脂肪酸エステル、カテキン、レシチン等の酸化防止剤を含有させて、油脂の風味劣化を防止することが行われている。
食用油脂の形態として、水中油型(O/W型)の乳化液や、これを乾燥・粉末化した粉末油脂がある。粉末油脂は、水に素早く溶解・分散する等の特徴を有し、食品に使用した際に、風味付与、食感改良等の様々な効果をもたらすことができる。
例えば、特許文献2では、全構成脂肪酸の50重量%以上が不飽和脂肪酸であるグリセリド混合物、粉末化基材及び水分を含有する、風味や水への再分散性等に優れた粉末油脂、特許文献3では、高度不飽和脂肪酸含有油脂、食用蛋白質、食用炭水化物、食用酸化防止剤を含有する、水分散性等に優れ、経時変化後の酸化劣化臭が少ない粉末油脂が提案されている。
特開2002-138297号公報 特開2003-306693号公報 特開2019-41721号公報
本発明者によれば、ビタミンC脂肪酸エステルは、α-リノレン酸を豊富に含む油脂の酸化、特に光酸化による風味悪化を抑制できる好適な添加剤である。しかし、α-リノレン酸を豊富に含む油脂とビタミンC脂肪酸エステルを配合して水中油型乳化組成物を調製することを試みたところ、水中油型乳化組成物に酸化安定性は付与できるものの、水中油型乳化組成物の調製後すぐに、油脂の酸化により発生する不快臭とは異なる魚臭と生臭さが発生することが判明した。
従って、本発明は、α-リノレン酸を豊富に含む油脂とビタミンC脂肪酸エステルを含み、高い酸化安定性を有しながら、魚臭と生臭さが少ない水中油型乳化組成物を提供することに関する。
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、α-リノレン酸を豊富に含む油脂とビタミンC脂肪酸エステルを使用した場合でも、ヒドロキシ酸又はその塩を一定範囲で含有させて乳化すれば、酸化安定性を有しつつ、魚臭と生臭さが少ない水中油型乳化組成物及び粉末油脂が得られることを見出した。
すなわち、本発明は、次の成分(A)、(B)及び(C):
(A)構成脂肪酸の15質量%以上がα-リノレン酸である油脂
(B)ビタミンC脂肪酸エステル 成分(A)に対して0.010~0.15質量%
(C)ヒドロキシ酸又はその塩 0.15~6.0質量%
を含有する水中油型乳化組成物を提供するものである。
また、本発明は、前記水中油型乳化組成物を乾燥させた粉末油脂を提供するものである。
本発明によれば、高い酸化安定性を有し、魚臭と生臭さが少ない、α-リノレン酸の高い機能性を備えた水中油型乳化組成物及び粉末油脂を提供することができる。
本発明の水中油型乳化組成物は、(A)構成脂肪酸の15質量%以上がα-リノレン酸である油脂を含有する。本明細書において「(A)構成脂肪酸の15質量%以上がα-リノレン酸である油脂」を「成分(A)油脂」ともいう。
本発明において、成分(A)油脂の油脂を構成する脂肪酸中のα-リノレン酸の含有量は15質量%(以下、単に「%」とする)以上である。油脂を構成する脂肪酸中のα-リノレン酸の含有量は、生理効果の点から、15%以上であって、好ましくは20%以上、より好ましくは25%以上、更に好ましくは30%以上、更に好ましくは40%以上、更に好ましくは45%以上、更に好ましくは50%以上、更に好ましくは52%以上であり、また、酸化安定性の点から、好ましくは70%以下、より好ましくは65%以下、更に好ましくは60%以下である。
成分(A)油脂の油脂を構成する脂肪酸中のα-リノレン酸の含有量は、15%以上であって、好ましくは15~70%、より好ましくは20~70%、更に好ましくは25~70%、更に好ましくは30~65%、更に好ましくは40~65%、更に好ましくは50~65%、更に好ましくは52~60%である。
なお、本明細書における脂肪酸量は遊離脂肪酸換算量である。
本発明において、油脂を構成するα-リノレン酸以外の構成脂肪酸としては、特に限定されず、飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸のいずれであってもよい。
油脂の風味・工業的生産性の点からは、油脂を構成する脂肪酸中の不飽和脂肪酸の含有量は、好ましくは60~100%、更に好ましくは70~100%、更に好ましくは80~99.5%である。不飽和脂肪酸の炭素数は、生理効果の点から、好ましくは14~24、より好ましくは16~22である。
なかでも、油脂を構成する脂肪酸中のリノール酸(C18:2)の含有量は、工業的生産性の点から、好ましくは5%以上、より好ましくは10%以上であり、また、好ましくは40%以下、より好ましくは30%以下、更に好ましくは20%以下である。
油脂を構成する脂肪酸中のリノール酸の含有量は、好ましくは5~40%、より好ましくは5~30%、更に好ましくは10~20%である。
また、油脂を構成する脂肪酸中のオレイン酸(C18:1)の含有量は、工業的生産性の点から、好ましくは10%以上であり、また、好ましくは65%以下、より好ましくは50%以下、更に好ましくは30%以下である。
油脂を構成する脂肪酸中のオレイン酸の含有量は、好ましくは10~65%、より好ましくは10~50%、更に好ましくは10~30%である。
油脂を構成する脂肪酸中の飽和脂肪酸の合計含有量は、外観、生理効果、油脂の工業的生産性の点から、好ましくは30%以下、より好ましくは20%以下、更に好ましくは10%以下、更に好ましくは7%以下であり、また、0.5%以上であるのが好ましい。
飽和脂肪酸の炭素数は、好ましくは14~24、より好ましくは16~22である。
本発明において、油脂は、モノアシルグリセロール、ジアシルグリセロール及びトリアシルグリセロールのいずれか1種以上を含むものである。油脂の種類に特に制限はなく、食用油脂として使用できるものであれば何れでもよい。
成分(A)油脂中のトリアシルグリセロールの含有量は、油脂の工業的生産性の点から、好ましくは88%以上、より好ましくは90%以上、更に好ましくは92%以上、更に好ましくは95%以上であり、また、好ましくは99.8%以下、より好ましくは99.5%以下、更に好ましくは99%以下である。
成分(A)油脂中のトリアシルグリセロールの含有量は、好ましくは88~99.8%、より好ましくは90~99.5%、更に好ましくは92~99.5%、更に好ましくは95~99%である。
成分(A)油脂中ジアシルグリセロールの含有量は、油脂の工業的生産性の点から、好ましくは0.1%以上、より好ましくは0.2%以上であり、また、好ましくは9%以下、より好ましくは7%以下、更に好ましくは5%以下、更に好ましくは3%以下である。
成分(A)油脂中のジアシルグリセロールの含有量は、好ましくは0.1~9%、より好ましくは0.1~7%、更に好ましくは0.2~5%、更に好ましくは0.2~3%である。
成分(A)油脂中のモノアシルグリセロールの含有量は、風味、油脂の工業的生産性、及び酸化安定性の点から、好ましくは5%以下であり、より好ましくは3%以下、更に好ましくは2%以下、更に好ましくは1%以下、更に好ましくは0.5%以下である。油脂中のモノアシルグリセロールの含有量は0%でもよい。
成分(A)油脂中の遊離脂肪酸又はその塩の含有量は、風味、酸化安定性の点から、好ましくは3%以下、より好ましくは2%以下、更に好ましくは1%以下であり、更に好ましくは0.5%以下である。油脂中の遊離脂肪酸又はその塩の含有量は0%でもよい。
トリアシルグリセロール、ジアシルグリセロール及びモノアシルグリセロールの脂肪酸組成は同じであっても異なっていてもよい。
本発明において、成分(A)油脂は、食用油脂として使用できるものであれば植物性油脂、動物性油脂のいずれでもよい。例えば、大豆油、菜種油、サフラワー油、米油、コーン油、ヒマワリ油、綿実油、オリーブ油、ゴマ油、落花生油、ハトムギ油、小麦胚芽油、シソ油、アマニ油、エゴマ油、チアシード油、サチャインチ油、クルミ油、キウイ種子油、サルビア種子油、ブドウ種子油、マカデミアナッツ油、ヘーゼルナッツ油、カボチャ種子油、椿油、茶実油、ボラージ油、パーム油、パームオレイン、パームステアリン、やし油、パーム核油、カカオ脂、サル脂、シア脂、藻油等の植物性油脂;魚油、ラード、牛脂、バター脂等の動物性油脂;あるいはそれらのエステル交換油、水素添加油、分別油等の油脂類を挙げることができる。
なかでも、使用性の点から、植物性油脂を用いるのが好ましく、更に低温耐性に優れた液状油脂を用いるのが好ましく、更にα-リノレン酸を豊富に含むシソ油、アマニ油、エゴマ油、チアシード油及びサチャインチ油から選ばれる少なくとも1種の油脂を用いるのが好ましい。なお、液状油脂とは、基準油脂分析試験法2.3.8-27による冷却試験を実施した場合、20℃で液状である油脂をいう。
水中油型乳化組成物中の成分(A)油脂の含有量は、乳化安定性、酸化安定性、風味、及び工業的生産性の点から、好ましくは5%以上、より好ましくは8%以上、更に好ましくは10%以上、更に好ましくは15%以上、更に好ましくは20%以上、更に好ましくは30%以上であり、また、好ましくは80%以下、より好ましくは75%以下、更に好ましくは70%以下、更に好ましくは60%以下、更に好ましくは50%以下、更に好ましくは45%以下である。
水中油型乳化組成物中の成分(A)油脂の含有量は、好ましくは5~80%、より好ましくは8~75%、更に好ましくは10~70%、更に好ましくは15~60%、更に好ましくは20~50%、更に好ましくは30~45%である。
本発明の水中油型乳化組成物は、(B)ビタミンC脂肪酸エステルを含有する。以下、本明細書において「ビタミンC脂肪酸エステル」を「成分(B)」ともいう。
本発明で用いられるビタミンC脂肪酸エステルは、L-アスコルビン酸と高級脂肪酸のエステルであり、市販品、好ましくは飲食品用の市販品を使用することができる。高級脂肪酸としては、炭素数12~22の直鎖状の飽和脂肪酸が好ましい。
ビタミンC脂肪酸エステルは、高い酸化安定性を有する点、魚臭と生臭さが少なく風味が良好な点から、好ましくはビタミンCパルミテート、ビタミンCステアレートであり、より好ましくはビタミンCパルミテートである。
本発明において、水中油型乳化組成物中の成分(B)の含有量は、成分(A)に対して0.010~0.15%である。水中油型乳化組成物中の成分(B)の含有量は、酸化安定性の点から、成分(A)に対して、0.010%以上であって、好ましくは0.020%以上であり、より好ましくは0.025%以上である。また、ビタミンC脂肪酸エステルの溶解性及び外観の点から、0.15%以下であって、好ましくは0.10%以下、より好ましくは0.070%以下、更に好ましくは0.050%以下、更に好ましくは0.040%以下である。
水中油型乳化組成物中の成分(B)の含有量は、成分(A)に対して、0.010~0.15%であって、好ましくは0.020~0.10%、より好ましくは0.025~0.10%、更に好ましくは0.025~0.050%、更に好ましくは0.025~0.040%である。
本発明の水中油型乳化組成物は、(C)ヒドロキシ酸又はその塩を含有する。以下、本明細書において「ヒドロキシ酸又はその塩」を「成分(C)」ともいう。
本発明で用いられるヒドロキシ酸は、1分子中にカルボキシ基とアルコール性水酸基とをもつ化合物の総称であり、例えば、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸等が挙げられる。
ヒドロキシ酸の塩としては、アルカリ金属塩が好ましく、更にナトリウム塩及びカリウム塩が好ましく、更にナトリウム塩が好ましい。これらはそれぞれ単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。ヒドロキシ酸又はその塩は、無水物、水和物のいずれでもよい。
なかでも、ヒドロキシ酸又はその塩は、酸化安定性及び風味の点から、好ましくはクエン酸、酒石酸、リンゴ酸及びそれらの塩から選択される1種以上であり、より好ましくはクエン酸又はクエン酸ナトリウムであり、更に好ましくはクエン酸ナトリウムである。
本発明において、水中油型乳化組成物中の成分(C)の含有量は、0.15~6.0%である。水中油型乳化組成物中の成分(C)の含有量は、酸化安定性及び風味の点から、0.15%以上であって、好ましくは0.16%以上であり、より好ましくは0.20%以上、更に好ましくは0.30%以上であり、また、酸化安定性及び風味の点から、6.0%以下であって、好ましくは4.0%以下、より好ましくは3.0%以下、更に好ましくは2.0%以下、更に好ましくは1.0%以下である。
水中油型乳化組成物中の成分(C)の含有量は、0.15~6.0%であって、好ましくは0.15~4.0%、より好ましくは0.16~3.0%、更に好ましくは0.20~2.0%、更に好ましくは0.30~1.0%である。
本明細書において、成分(C)が塩又は水和物である場合、成分(C)の含有量は、遊離酸であるヒドロキシ酸に換算した値とする。
本発明の水中油型乳化組成物は、更に(D)乳化剤を含有することが乳化安定性、外観、工業的生産性の点で好ましい。以下、本明細書において「乳化剤」を「成分(D)」ともいう。
本発明で用いられる乳化剤は、例えば、加工澱粉;有機酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ソルビトール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等の合成乳化剤;サポニン、レシチン又はその酵素分解物、乳タンパク質(バターミルクパウダー、カゼインナトリウム等)、大豆タンパク質、小麦タンパク質等のタンパク質類又はこれらタンパク質の分離物や分解物等の天然系乳化剤等が挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、乳化安定性、風味及び酸化安定性の点から、好ましくは加工澱粉、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、レシチン又はその酵素分解物、及び乳タンパク質から選択される1種以上であり、より好ましくは加工澱粉、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、レシチン又はその酵素分解物、及び乳タンパク質から選択される1種以上であり、更に乳タンパク質から選択される1種以上である。
加工澱粉としては、例えば、ヒドロキシプロピル澱粉、カルボキシメチル澱粉等のエーテル化;アセチル化澱粉、オクテニルコハク酸澱粉、リン酸澱粉等のエステル化;リン酸架橋澱粉、アジピン酸架橋澱粉等の架橋;次亜塩素酸ナトリウム等の酸化剤で処理した酸化澱粉等の酸化等の加工、又はこれらの加工の組み合わせが施された澱粉が挙げられる。
水中油型乳化組成物中の成分(D)の含有量は、乳化安定性、風味及び酸化安定性の点から、好ましくは0.05%以上、より好ましくは0.2%以上、更に好ましくは0.5%以上、更に好ましくは1%以上であり、また、好ましくは30%以下、より好ましくは10%以下、更に好ましくは5%以下である。
水中油型乳化組成物中の成分(D)の含有量は、好ましくは0.05~30%、より好ましくは0.2~10%、更に好ましくは0.5~10%、更に好ましくは1~5%である。
本発明において、成分(A)に対する成分(B)の含有量と、成分(A)油脂を構成する脂肪酸中のα-リノレン酸の含有量との質量比[(ALA)/(成分(B))]は、風味、ビタミンC脂肪酸エステルの溶解性、生理機能、及び酸化安定性の点から、好ましくは200以上であり、より好ましくは400以上であり、更に好ましくは800以上であり、更に好ましくは1000以上であり、また、風味及び酸化安定性の点から、好ましくは8000以下、より好ましくは6000以下、更に好ましくは4000以下、更に好ましくは3000以下である。
本発明において、成分(A)に対する成分(B)の含有量と、成分(A)油脂を構成する脂肪酸中のα-リノレン酸の含有量との質量比[(ALA)/(成分(B))]は、風味、ビタミンC脂肪酸エステルの溶解性、生理機能、及び酸化安定性の点から、好ましくは200~8000、より好ましくは400~6000、更に好ましくは400~4000、更に好ましくは800~4000、更に好ましくは1000~3000である。
本発明において、成分(A)に対する成分(B)の含有量と、水中油型乳化組成物中の成分(C)の含有量との質量比[(成分(C))/(成分(B))]は、風味及び酸化安定性の点から、好ましくは3以上であり、より好ましくは5以上であり、更に好ましくは10以上であり、また、風味及び酸化安定性の点から、好ましくは400以下、より好ましくは300以下、更に好ましくは200以下、更に好ましくは150以下、更に好ましくは100以下である。
本発明において、成分(A)に対する成分(B)の含有量と、水中油型乳化組成物中の成分(C)の含有量との質量比[(成分(C))/(成分(B))]は、風味及び酸化安定性の点から、好ましくは3~400、より好ましくは3~300、更に好ましくは3~200、更に好ましくは5~150、更に好ましくは10~100である。
水中油型乳化組成物の油相には、成分(A)油脂の酸化安定性の点から、成分(B)以外の酸化防止剤や、その他の油溶性成分を含有させることができる。油溶性成分の含有量は、本発明の目的を損なわない範囲内で適宜設定することができる。
水中油型乳化組成物の水相には特に制限はなく、水;単糖、二糖、デンプン分解物、糖アルコール等の賦形剤;親水性抗酸化剤;増粘剤、防腐剤、着色料、甘味料、調味料、香料等の水溶性成分を含有させることができる。本発明においては、目的とする組成物の粘度、物性等に応じて、これらを適宜配合できる。
水相のpHは、乳化安定性、風味及び酸化安定性の点から、好ましくは1~12、より好ましくは2~11、更に好ましくは5~10である。
水中油型乳化組成物における油相と水相の配合比(質量比)は、好ましくは5/95~80/20、より好ましくは8/92~75/25、更に好ましくは10/90~70/30、更に好ましくは15/85~60/40、更に好ましくは20/80~50/50、更に好ましくは30/70~45/55である。
本発明の水中油型乳化組成物は、常法に従い、成分(A)、成分(B)及び成分(C)、並びに、必要に応じて成分(D)を混合して製造することができる。好ましくは、先ず、成分(A)及び成分(B)を混合して油相を調製する。他方、水及び成分(C)、必要に応じて成分(D)を混合して水相を調製する。次いで、該水相に油相を添加し、必要により予備乳化を行い、均質化することにより、水中油型乳化組成物を得ることができる。均質機としては、例えば、高圧ホモジナイザー、超音波式乳化機、コロイドミル、アジホモミキサー、マイルダー等が挙げられる。
このようにして製造された水中油型乳化組成物は、そのまま使用してもよいが、乾燥させて粉末油脂として使用することが好ましい。本発明の水中油型乳化組成物は、α-リノレン酸を多く含みながら高い酸化安定性を有し、魚臭及び生臭さが少ないことから、α-リノレン酸を多く含む風味良好な粉末油脂を提供することができる。
乾燥方法は、一般的な方法を用いることができる、例えば、噴霧乾燥、凍結乾燥、真空乾燥、ベルト乾燥、棚乾燥、ドラム乾燥等が挙げられる。必要に応じて、所望の粒径の粒子とするために、分級、造粒、粉砕等を行ってもよい。なかでも、生産性、熱履歴、粒子形状の点から、噴霧乾燥が好ましい。
本発明の水中油型乳化組成物及び粉末油脂は、一般の食用油脂と同様に使用でき、油脂を用いた各種飲食品や飼料に応用することができる。飲食品としては、通常の飲食品の他、例えば、α-リノレン酸の生理効果を標榜した特定保健用食品、機能性表示食品等が挙げられる。
飲食品の形態としては、固形、半固形又は液状であり得、例えば、飲料、油中水型油脂含有食品、水中油型油脂含有食品、ベーカリー食品、菓子、冷凍食品、レトルト食品、さらには、錠剤、カプセル剤、トローチ剤等の栄養補給用組成物が挙げられる。
飼料としては、牛、豚等に用いる家畜用飼料、ウサギ、マウス等に用いる小動物用飼料、ウナギ、エビ等に用いる魚介類用飼料、犬、猫等に用いるペットフード等が挙げられる。
本発明の水中油型乳化組成物は、高い酸化安定性を有する点、魚臭と生臭さが少なく風味が良好な点、生理効果の点から、次の成分(A)、(B)及び(C):
(A)構成脂肪酸の20~70質量%がα-リノレン酸である油脂
(B)ビタミンC脂肪酸エステル 成分(A)に対して0.010~0.10質量%
(C)ヒドロキシ酸又はその塩 0.16~6.0質量%
を含有する水中油型乳化組成物であることが好ましい。
本発明の水中油型乳化組成物は、高い酸化安定性を有する点、魚臭と生臭さが少なく風味が良好な点、生理効果の点から、次の成分(A)、(B)、(C)及び(D):
(A)構成脂肪酸の20~70質量%がα-リノレン酸である油脂
(B)ビタミンC脂肪酸エステル 成分(A)に対して0.010~0.10質量%
(C)ヒドロキシ酸又はその塩 0.16~6.0質量%
(D)乳化剤 0.05~30質量%
を含有する水中油型乳化組成物であることが好ましい。
本発明の水中油型乳化組成物は、高い酸化安定性を有する点、魚臭と生臭さが少なく風味が良好な点、生理効果の点から、次の成分(A)、(B)、(C)及び(D):
(A)構成脂肪酸の20~70質量%がα-リノレン酸である油脂
(B)ビタミンC脂肪酸エステル 成分(A)に対して0.020~0.10質量%
(C)ヒドロキシ酸又はその塩 0.16~6.0質量%
(D)乳化剤 0.2~30質量%
を含有する水中油型乳化組成物であることが好ましい。
本発明の水中油型乳化組成物は、高い酸化安定性を有する点、魚臭と生臭さが少なく風味が良好な点、生理効果の点から、次の成分(A)、(B)、(C)及び(D):
(A)構成脂肪酸の25~70質量%がα-リノレン酸である油脂
(B)ビタミンC脂肪酸エステル 成分(A)に対して0.025~0.10質量%
(C)ヒドロキシ酸又はその塩 0.20~3.0質量%
(D)乳化剤 0.2~10質量%
を含有する水中油型乳化組成物であることが好ましい。
上述した実施形態に関し、本発明は以下の水中油型乳化組成物及び粉末油脂を更に開示する。
<1>次の成分(A)、(B)及び(C):
(A)構成脂肪酸の15質量%以上がα-リノレン酸である油脂
(B)ビタミンC脂肪酸エステル 成分(A)に対して0.010~0.15質量%
(C)ヒドロキシ酸又はその塩 0.15~6.0質量%
を含有する水中油型乳化組成物。
<2>成分(A)油脂の油脂を構成する脂肪酸中のα-リノレン酸の含有量が、15質量%以上であって、好ましくは20質量%以上、より好ましくは25質量%以上、更に好ましくは30質量%以上、更に好ましくは40質量%以上、更に好ましくは45質量%以上、更に好ましくは50質量%以上、更に好ましくは52質量%以上であり、また、好ましくは70質量%以下、より好ましくは65質量%以下、更に好ましくは60質量%以下であり、また、好ましくは15~70質量%、より好ましくは20~70質量%、更に好ましくは25~70質量%、更に好ましくは30~65質量%、更に好ましくは40~65質量%、更に好ましくは45~65質量%、更に好ましくは50~65質量%、更に好ましくは52~60質量%である<1>に記載の水中油型乳化組成物。
<3>成分(A)油脂の油脂を構成する脂肪酸中のリノール酸の含有量が、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上であり、また、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下、更に好ましくは20質量%以下であり、また、好ましくは5~40質量%、より好ましくは5~30質量%、更に好ましくは10~20質量%である<1>又は<2>に記載の水中油型乳化組成物。
<4>成分(A)油脂の油脂を構成する脂肪酸中のオレイン酸の含有量が、好ましくは10質量%以上であり、また、好ましくは65質量%以下、より好ましくは50質量%以下、更に好ましくは30質量%以下であり、また、好ましくは10~65質量%、より好ましくは10~50質量%、更に好ましくは10~30質量%である<1>~<3>のいずれか1に記載の水中油型乳化組成物。
<5>成分(A)油脂中のトリアシルグリセロールの含有量が、好ましくは88質量%以上、より好ましくは90質量%以上、更に好ましくは92質量%以上、更に好ましくは95質量%以上であり、また、好ましくは99.8質量%以下、より好ましくは99.5質量%以下、更に好ましくは99質量%以下であり、また、好ましくは88~99.8質量%、より好ましくは90~99.5質量%、更に好ましくは92~99.5質量%、更に好ましくは95~99質量%である。<1>~<4>のいずれか1に記載の水中油型乳化組成物。
<6>成分(A)油脂中のジアシルグリセロールの含有量が、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上であり、また、好ましくは9質量%以下、より好ましくは7質量%以下、更に好ましくは5質量%以下、更に好ましくは3質量%以下であり、また、好ましくは0.1~9質量%、より好ましくは0.1~7質量%、更に好ましくは0.2~5質量%、更に好ましくは0.2~3質量%である<1>~<5>のいずれか1に記載の水中油型乳化組成物。
<7>成分(A)油脂中のモノアシルグリセロールの含有量が、好ましくは5質量%以下であり、より好ましくは3質量%以下、更に好ましくは2質量%以下、更に好ましくは1質量%以下、更に好ましくは0.5質量%以下であり、また、好ましくは0質量%超である<1>~<6>のいずれか1に記載の水中油型乳化組成物。
<8>成分(A)油脂中の遊離脂肪酸又はその塩の含有量が、好ましくは3質量%以下、より好ましくは2質量%以下、更に好ましくは1質量%以下であり、また、好ましくは0質量%である<1>~<7>のいずれか1に記載の水中油型乳化組成物。
<9>成分(A)油脂が、好ましくはシソ油、アマニ油、エゴマ油、チアシード油及びサチャインチ油から選ばれる少なくとも1種の油脂に由来する<1>~<8>のいずれか1に記載の水中油型乳化組成物。
<10>水中油型乳化組成物中の成分(A)油脂の含有量が、好ましくは5質量%以上、より好ましくは8質量%以上、更に好ましくは10質量%以上、更に好ましくは15質量%以上、更に好ましくは20質量%以上、更に好ましくは30質量%以上であり、また、好ましくは80質量%以下、より好ましくは75質量%以下、更に好ましくは70質量%以下、更に好ましくは60質量%以下、更に好ましくは50質量%以下、更に好ましくは45質量%以下であり、また、好ましくは5~80質量%、より好ましくは8~75質量%、更に好ましくは10~70質量%、更に好ましくは15~60質量%、更に好ましくは20~50質量%、更に好ましくは30~45質量%である<1>~<9>のいずれか1に記載の水中油型乳化組成物。
<11>成分(B)が、好ましくはビタミンCパルミテート、ビタミンCステアレート又はこれらの組み合わせであり、より好ましくはビタミンCパルミテートである<1>~<10>のいずれか1に記載の水中油型乳化組成物。
<12>水中油型乳化組成物中の成分(B)の含有量が、成分(A)に対して、0.010質量%以上であって、好ましくは0.020質量%以上であり、より好ましくは0.025質量%以上であり、また、0.15質量%以下であって、好ましくは0.10質量%以下、より好ましくは0.070質量%以下、更に好ましくは0.050質量%以下、更に好ましくは0.040質量%以下であり、また、0.010~0.15質量%であって、好ましくは0.020~0.10質量%、より好ましくは0.025~0.10質量%、更に好ましくは0.025~0.050質量%、更に好ましくは0.025~0.040質量%である<1>~<11>のいずれか1に記載の水中油型乳化組成物。
<13>(C)ヒドロキシ酸又はその塩が、好ましくはクエン酸、酒石酸、リンゴ酸及びそれらの塩から選択される1種以上であり、より好ましくはクエン酸、クエン酸ナトリウム又はこれらの組み合わせであり、更に好ましくはクエン酸ナトリウムである<1>~<12>のいずれか1に記載の水中油型乳化組成物。
<14>水中油型乳化組成物中の成分(C)の含有量が、0.15質量%以上であって、好ましくは0.16質量%以上であり、より好ましくは0.20質量%以上、更に好ましくは0.30質量%以上であり、また、6.0質量%以下であって、好ましくは4.0質量%以下、更に好ましくは3.0質量%以下、更に好ましくは2.0質量%以下、更に好ましくは1.0質量%以下であり、また、0.15~6.0質量%であって、好ましくは0.15~4.0質量%、より好ましくは0.16~3.0質量%、更に好ましくは0.20~2.0質量%、更に好ましくは0.30~1.0質量%である<1>~<13>のいずれか1に記載の水中油型乳化組成物。
<15>好ましくは、更に(D)乳化剤を含有する<1>~<14>のいずれか1に記載の水中油型乳化組成物。
<16>(D)乳化剤が、好ましくは加工澱粉、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、レシチン又はその酵素分解物及び乳タンパク質から選択される1種以上であり、より好ましくは加工澱粉、ポリグリセリン脂肪酸エステル及び乳タンパク質から選択される1種以上であり、更に好ましくは乳タンパク質である<15>に記載の水中油型乳化組成物。
<17>水中油型乳化組成物中の成分(D)の含有量が、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上、更に好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは1質量%以上であり、また、好ましくは30質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更に好ましくは5質量%以下であり、また、好ましくは0.05~30質量%、より好ましくは0.2~10質量%、更に好ましくは0.5~10質量%、更に好ましくは1~5質量%である<15>又は<16>に記載の水中油型乳化組成物。
<18>成分(A)に対する成分(B)の含有量と、成分(A)油脂を構成する脂肪酸中のα-リノレン酸の含有量との質量比[(ALA)/(成分(B))]が、好ましくは200以上、より好ましくは400以上、更に好ましくは800以上、更に好ましくは1000以上であり、また、好ましくは8000以下、より好ましくは6000以下、更に好ましくは4000以下、更に好ましくは3000以下であり、また、好ましくは200~8000、より好ましくは400~6000、更に好ましくは400~4000、更に好ましくは800~4000、更に好ましくは1000~3000である<1>~<17>のいずれか1に記載の水中油型乳化組成物。
<19>成分(A)に対する成分(B)の含有量と、水中油型乳化組成物中の成分(C)の含有量との質量比[(成分(C))/(成分(B))]が、好ましくは3以上であり、より好ましくは5以上であり、更に好ましくは10以上であり、また、好ましくは400以下、より好ましくは300以下、更に好ましくは200以下、更に好ましくは150以下、更に好ましくは100以下であり、また、好ましくは3~400、より好ましくは3~300、更に好ましくは3~200、更に好ましくは5~150、更に好ましくは10~100である<1>~<18>のいずれか1に記載の水中油型乳化組成物。
<20>油相と水相の配合比(質量比)が、好ましくは5/95~80/20、より好ましくは8/92~75/25、更に好ましくは10/90~70/30、更に好ましくは15/85~60/40、更に好ましくは20/80~50/50、更に好ましくは30/70~45/55である<1>~<19>のいずれか1に記載の水中油型乳化組成物。
<21><1>~<20>のいずれか1に記載の水中油型乳化組成物を乾燥させた粉末油脂。
<22><1>~<20>のいずれか1に記載の水中油型乳化組成物又は<21>に記載の粉末油脂を含有する飲食品。
<23><1>~<20>のいずれか1に記載の水中油型乳化組成物又は<21>に記載の粉末油脂を含有する飼料。
〔分析方法〕
(i)油脂のグリセリド組成
ガラス製サンプル瓶に、油脂サンプル約10mgとトリメチルシリル化剤(「シリル化剤TH」、関東化学製)0.5mLを加え、密栓し、70℃で15分間加熱した。これに水1.0mLとヘキサン1.5mLを加え、振とうした。静置後、上層をガスクロマトグラフィー(GLC)に供して分析した。
<GLC分析条件>
(条件)
装置:アジレント7890B(アジレントテクノロジー社製)
カラム:DB-1ht 10m×0.25mm×0.2μm (Agilent J&W社製)
キャリアガス:1.0mL He/min
インジェクター:Split(1:50)、T=340℃
ディテクター:FID、T=350℃
オーブン温度:80℃から10℃/分で340℃まで昇温、15分間保持
(ii)油脂の構成脂肪酸組成
日本油化学会編「基準油脂分析試験法」中の「脂肪酸メチルエステルの調製法(2.4.1.-1996)」に従って脂肪酸メチルエステルを調製し、得られた油脂サンプルを、American Oil Chemists. Society Official Method Ce 1f-96(GLC法)に準拠して測定した。
<GLC分析条件>
装置:アジレント7890B(アジレントテクノロジー社製)
カラム:CP-SIL88 50m×0.25mm×0.2μm(Agilent J&W社製)
キャリアガス:1.0mL He/min
インジェクター:Split(1:50)、T=300℃
ディテクター:FID、T=300℃
オーブン温度:150℃5min保持→1℃/min昇温→160℃5min保持→2℃/min昇温→200℃10min保持→10℃/min昇温→220℃5min保持
(iii)過酸化物価(POV)の測定
水中油型乳化組成物約2.5gへイオン交換水5mLを入れて撹拌後、THF10mLを加えて撹拌して遠心分離(3000r/min、10分、20℃)した。次いで、ヘキサン20mLとイオン交換水10mLを加えて遠心分離(3000r/min、5分、20℃)したのち、上層をとってロータリーエバポレーターで溶媒を留去して油脂を調製した。
抽出した油脂のPOVを基準油脂分析法(JOCS) 2.5.2.2-2013に基づき測定した。
〔原料〕
次の油脂a~油脂dを用意した。
油脂a:アマニ油(サミット製油製)
油脂b:ハイオレイック紅花油(J-オイルミルズ製)
油脂c:油脂aと油脂bを質量比1:1で混合して油脂cとした。
油脂d:油脂aと油脂bを質量比1:4で混合して油脂dとした。
油脂a~油脂dのグリセリド組成及び脂肪酸組成を表1に示す。
Figure 0007641111000001
ビタミンCパルミテート(VCP):L一アスコルビン酸パルミチン酸エステル(DSM社製)
クエン酸ナトリウム:精製クエン酸ナトリウム(扶桑化学工業製 物質としてクエン酸三ナトリウム二水和物を使用)
酒石酸ナトリウム:L-酒石酸ナトリウム(扶桑化学工業製 物質として酒石酸二ナトリウム二水和物を使用)
リンゴ酸ナトリウム:DL-リンゴ酸ナトリウム(扶桑化学工業製 物質としてはDL-リンゴ酸二ナトリウム1/2水和物を使用)
クエン酸:精製クエン酸(扶桑化学工業製)
加工澱粉:エマルスター500A(松谷化学工業製)
カゼインナトリウム:カゼインナトリウムAR(三栄源エフ・エフ・アイ製)
ショ糖脂肪酸エステル:P-1670(三菱ケミカルフーズ製)
ポリグリセリン脂肪酸エステル:サンソフトQ17s(太陽化学製)
リゾレシチン:SLP-ホワイト(辻製油製)
バターミルクパウダー:北海道バターミルクパウダー(よつ葉乳業製)
デキストリン:サンデック#100(三和澱粉工業製)
比較例1~4
〔水中油型乳化組成物の調製〕
表2に示した割合で、4つ口フラスコへ油脂とVCPを入れ、窒素雰囲気下、95℃、30分撹拌(300~350r/min)して溶解し、油相を調製した。放冷後、室温にて1時間放置しても油相が濁らないことを確認した。
イオン交換水へ表2に示す成分(C)、(D)を添加し、10,000r/minで2分撹拌し、水相を調製した。水相に前記の油相を投入し、10,000r/minで8分撹拌して、水中油型乳化組成物をそれぞれ調製した。
〔評価〕
上記で調製した水中油型乳化組成物について、以下の3つの方法で評価した。
(1)官能評価
水中油型乳化組成物10gを20mLの蓋つきバイアル瓶に入れ、室温で24時間保存後、専門パネル3名により、下記に示す判断基準に従って評価した。「魚臭」及び「生臭さ」について、比較例1の評点を5(非常に強く感じる)とし、比較例1~4について3名の協議により評点を決定した。
5:魚臭及び生臭さを非常に強く感じる
4:魚臭及び生臭さを強く感じる
3:魚臭及び生臭さを感じる
2:魚臭及び生臭さをごくわずかに感じる
1:魚臭及び生臭さをほとんど感じない
(2)1-ペンテン-3-オン ピークエリア 相対面積比
1-ペンテン-3-オンの分析は、ヘッドスペース固相マイクロ抽出/ガスクロマトグラフ質量分析(HS-SPME/GC/MS)法によって行った。SPMEファイバーは50/30μm、DVB/CAR/PDMSファイバー(SUPELCO社製)を用いた。
水中油型乳化組成物10gを20mLの蓋つきバイアル瓶に入れ、室温で24時間保存後、ヘッドスペース用バイアル(10mL)にサンプル1gを秤量し、40℃で20分間加温後、SPMEファイバーによりヘッドスペース相を30分間サンプリングした後、以下の条件で分析を行った。
<GC/MS分析条件>
装置:アジレント7890A/5975(アジレントテクノロジー社製)
カラム:VF-WAX 60m×0.25mm×1.0μm(Agilent J&W社製)
キャリアガス:1.0mL He/min
インジェクター:Splitless、240℃
オーブン温度:35℃4min保持→3℃/min昇温→185℃→10℃/min昇温→240℃10min保持
SPMEを用いたHS-GC/MS法により、気相中の揮発性成分を分析し、積分によって、魚臭の原因成分の一つである1-ペンテン-3-オンのピークエリア面積を算出した。比較例1のピークエリア面積を1.00とした時の比較例2~4の相対面積比を求めた。
(3)酸化安定性
上記官能評価において、評点が1(ほとんど感じない)または2(ごくわずかに感じる)であったものに対し、酸化安定性の評価を実施した。酸化安定性の評価では、水中油型乳化組成物10gを20mLの蓋つきバイアル瓶に入れ、50℃で3日間保存した後、水中油型乳化組成物の油を抽出してPOVを測定した。
Figure 0007641111000002
表2のとおり、油脂aまたは油脂cとVCPを配合した比較例1、2及び4は魚臭及び生臭さが強かった。VCPを配合していない比較例3は、魚臭及び生臭さが少なかったが酸化安定性が低かった。
実施例1~20
〔水中油型乳化組成物の調製〕
表3に示した割合で、4つ口フラスコへ油脂とVCPを入れ、窒素雰囲気下、95℃、30分撹拌(300~350r/min)して溶解した。放冷後、室温にて1時間放置しても油が濁らないことを確認した。
イオン交換水へ表3に示す成分(C)、(D)を添加し、10,000r/minで2分撹拌し、水相を調製した。水相に前記の油相を投入し、10,000r/minで8分撹拌して、水中油型乳化組成物をそれぞれ調製した。
〔評価〕
上記で調製した水中油型乳化組成物について、以下の3つの方法で評価した。
(1)官能評価
「魚臭」及び「生臭さ」について、比較例2~4の評価と同様に比較例1の評点を5(非常に強く感じる)として評価した。
(2)1-ペンテン-3-オン ピークエリア 相対面積比
比較例1のピークエリア面積を1.00とし、比較例2~4と同様にして相対面積比を求めた。
(3)酸化安定性
比較例3と同様にして、水中油型乳化組成物を50℃で3日間保存した後のPOVを測定した。
結果を表3に示す。
Figure 0007641111000003
表3のとおり、実施例1~20は魚臭及び生臭さが少なく、酸化安定性も比較例3と比べて良好であった。
実施例21~22及び比較例5~6
〔水中油型乳化組成物の調製〕
表4に示した割合で、4つ口フラスコへ油脂aとVCPを入れ、窒素雰囲気下、95℃、30分撹拌(300~350r/min)して溶解し、油相を調製した。
次いで、イオン交換水へ表4に示す成分(C)、(D)及びデキストリンを添加し、10,000r/minで2分撹拌し、水相を調製した。水相に前記の油相を投入し、10,000r/minで8分撹拌して、水中油型乳化組成物をそれぞれ調製した。
〔粉末油脂の調製〕
上記で得た水中油型乳化組成物0.8gを、直径6cmのステンレスシャーレに広げ、ホットプレート上で、150℃で3分、80℃で5分加熱乾燥した後、粉砕することで粉末油脂を得た。
〔評価〕
上記で調製した粉末油脂について、以下の2つの方法で評価した。
(1)酸化安定性
粉末油脂の油を抽出してPOVを測定した。
(2)官能評価
粉末油脂の風味について、専門パネル3名により、下記に示す判断基準に従って評価した。3名の協議により評点を決定した。
1:魚臭、生臭さ及び油の酸化劣化臭をほとんど感じない
2:魚臭、生臭さ及び油の酸化劣化臭を感じる
3:魚臭、生臭さ及び油の酸化劣化臭を強く感じる
結果を表4に示す。
Figure 0007641111000004
表4のとおり、本発明の水中油型乳化組成物は、噴霧乾燥時の熱負荷に耐えられる高い酸化安定性を有するため、それを噴霧乾燥させた粉末油脂は魚臭、生臭さ及び油の酸化劣化臭が抑えられていて風味良好であった。
参考例1~4
〔水中油型乳化組成物の調製〕
表5に示した割合で、4つ口フラスコへ油脂とVCPを入れ、窒素雰囲気下、95℃、30分撹拌(300~350r/min)して溶解し油相を調製した。放冷後、室温にて1時間放置しても油が濁らないことを確認した。
イオン交換水へ表5に示す成分(D)を添加し、10,000r/minで2分撹拌し、水相を調製した。水相に前記の油相を投入し、10,000r/minで8分撹拌して、水中油型乳化組成物をそれぞれ調製した。
〔評価〕
上記で調製した水中油型乳化組成物について、官能評価をおこなった。官能評価では、「魚臭」及び「生臭さ」について、比較例、実施例の評価と同様に、比較例1の評点を5(非常に強く感じる)として評価した。
結果を表5に示す。
Figure 0007641111000005
表5のとおり、ALA濃度が0.2%の油脂b及び11.0%の油脂dでは、VCPを添加していても、水中油型乳化組成物の魚臭及び生臭さが少なく、課題は発生しなかった。

Claims (5)

  1. 次の成分(A)、(B)及び(C):
    (A)構成脂肪酸の15質量%以上がα-リノレン酸である油脂
    (B)ビタミンC脂肪酸エステル 成分(A)に対して0.010~0.15質量%
    (C)ヒドロキシ酸又はその塩 0.15~6.0質量%
    を含有する水中油型乳化組成物であって、
    成分(A)油脂の88~99.8質量%がトリアシルグリセロールであり、
    成分(C)ヒドロキシ酸又はその塩がクエン酸、酒石酸、リンゴ酸及びそれらの塩から選択される1種以上である、水中油型乳化組成物
  2. 更に(D)乳化剤を含有する請求項記載の水中油型乳化組成物。
  3. (D)乳化剤が加工澱粉、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、レシチン又はその酵素分解物、及び乳タンパク質から選択される1種以上である請求項記載の水中油型乳化組成物。
  4. 油相/水相の質量比が5/95~80/20である請求項1~のいずれか1項記載の水中油型乳化組成物。
  5. 請求項1~のいずれか1項記載の水中油型乳化組成物を乾燥させた粉末油脂。
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