JPH07305088A - 粉末油脂組成物 - Google Patents

粉末油脂組成物

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JPH07305088A
JPH07305088A JP6124298A JP12429894A JPH07305088A JP H07305088 A JPH07305088 A JP H07305088A JP 6124298 A JP6124298 A JP 6124298A JP 12429894 A JP12429894 A JP 12429894A JP H07305088 A JPH07305088 A JP H07305088A
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JP
Japan
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oil
fatty acid
fat
water
emulsion
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JP6124298A
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English (en)
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Itaru Miyamoto
至 宮本
Tatsuya Sugawara
達也 菅原
Yoshiharu Tanaka
善晴 田中
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NOF Corp
Original Assignee
Nippon Oil and Fats Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】固形分中に高度不飽和脂肪酸を脂肪酸成分とし
て含有する油脂5〜85重量%を含み、水中油型の均質
乳化液を乾燥して得られる高度不飽和脂肪酸を脂肪酸成
分として含有する油脂組成物において、油中水型に乳化
されたアスコルビン酸もしくはアスコルビン酸塩の溶液
を、油脂中にアスコルビン酸として0.001〜0.5重
量%含むことを特徴とする高度不飽和脂肪酸含有の粉末
油脂組成物。 【効果】本発明の粉末油脂組成物によれば、従来、酸化
安定性が悪く、品質や風味の劣化などが著しいために、
使用が制限されていた高度不飽和脂肪酸を脂肪酸成分と
して含有する油脂を、長期間保存しても劣化がなく、安
定に保つことが可能となり、多くの食品に利用しうるよ
うになる。また、粉末とすることにより、油脂の状態で
は油がしみ出す、食品の物性に影響を与えるなどの理由
により使用できなかった食品に対しても、容易に使用す
ることが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高度不飽和脂肪酸を脂
肪酸成分として含有する油脂の粉末油脂組成物に関す
る。さらに詳しくは、本発明は、酸化に対しての安定性
が低いため、従来、食品などへの使用が制限されていた
高度不飽和脂肪酸を脂肪酸成分として含有する油脂に高
い酸化安定性を付与し、広く食品などに利用しうる高度
不飽和脂肪酸を脂肪酸成分として含有する油脂の粉末油
脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、わが国は人口構造的に急激に高齢
化社会へ移行しつつあり、成人病、特に、高血圧症、心
筋梗塞症、動脈硬化症、血栓症などの急増が大きな問題
となっている。1970年代に、グリーンランドのエス
キモー人についての疫学調査によって、魚の摂取量の多
い地域では動脈硬化性疾患による成人病が少ないという
報告[「ザ・ランセット、ジュライ(The Lanc
et、July)」第15巻、第117〜119ページ
(1987年)]がなされて以来、前記疾患に対する予
防作用を有するものとして、エイコサペンタエン酸(E
PA)やドコサヘキサエン酸(DHA)のような高度不
飽和脂肪酸の重要性が注目されてきた。しかしながら、
エイコサペンタエン酸やドコサヘキサエン酸などの高度
不飽和脂肪酸は酸化されやすく、かつ不快臭が強く、そ
のままでは食品として多くを摂取できないなどの問題が
ある。したがって、これら高度不飽和脂肪酸を脂肪酸成
分として含有する油脂は、例えば、ゼラチン軟カプセル
でコーティングするなどの手段によって酸化と不快臭の
発生を防止し、加工食品として市販されている。他方、
簡便に水に分散して使用する形態を有するものとして、
噴霧乾燥により得られる粉末製品(特開昭60−490
97号公報、特開昭62−126933号公報)が種々
検討されており、また、精製魚油などと水和性タンパク
質の水溶液との水中油型乳化物(特開昭60−1021
68号公報)も検討されている。一方、抗血栓性及び抗
動脈硬化高活性を有する組成物として、レシチンを含
み、かつエイコサペンタエン酸やドコサヘキサエン酸を
脂肪酸成分として含有する油脂(特開昭61−1120
20号公報)が検討されている。また、高度不飽和脂肪
酸を脂肪酸成分として含有する油脂を可食性物質により
被覆し、その直径が2mm以下の粒子状である高度不飽和
脂肪酸含有製品(特公平2−51589号公報)が検討
されている。一般に高度不飽和脂肪酸、特にエイコサペ
ンタエン酸やドコサヘキサエン酸は熱や酵素による劣化
を受けやすく、異臭や着色が生じやすいなど、保存安定
性が著しく悪いという欠点を有している。また、これら
の脂肪酸の酸化によって生じる過酸化物は人体に対して
有害であることが知られている。現在市販されている魚
油及びエイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸濃縮
物のカプセルは、手軽に水に分散して使用することが困
難である上、飲んだ後のおくびも問題になっている。ま
た、現在市販されている噴霧乾燥により得られる粉末製
品も、水に分散して飲んだ場合、不快臭が強い上、後味
が悪く、そのまま継続的に飲むことが困難であり、食品
素材として各種食品に配合使用した場合にも、魚油特有
の生臭さが問題となる。特に、エイコサペンタエン酸や
ドコサヘキサエン酸などの高度不飽和脂肪酸を脂肪酸成
分として含有する油脂の粉末製品は、製造後2カ月以上
経過した場合に、魚油臭を強く感じ、飲食しにくくなる
という問題が生じる。これらの問題点を解決するため、
特開昭61−23699号公報には高度不飽和脂肪酸を
脂肪酸成分として含有する油脂組成物に対し、グルタチ
オンを添加して安定化する方法が提案されているが、こ
の方法によっても十分な安定化効果は得られない。これ
らの提案されている方法は、高度不飽和脂肪酸を脂肪酸
成分として含有する油脂組成物中において、油脂の外相
部に添加され、油脂に対して直接添加されるわけではな
いため、満足すべき効果が認められなかった。また、ア
スコルビン酸を脂肪酸エステル化して油脂に添加する方
法も提案されているが、油脂に溶解する際に加熱工程を
経るなどの理由により、特有の臭気が発生すること、コ
スト的に高いため多量に用いることが難しいことなどか
ら、高度不飽和脂肪酸を脂肪酸成分として含有する油脂
に対して広く使用されるには至っていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、この
ような事情のもとで、油脂の酸化による風味の劣化に対
して高い安定性を有する、高度不飽和脂肪酸を脂肪酸成
分として含有する油脂の粉末油脂組成物を提供すること
である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の好
ましい性質を有する高度不飽和脂肪酸を脂肪酸成分とし
て含有する油脂の粉末組成物を開発すべく、鋭意研究を
重ねた結果、高度不飽和脂肪酸を脂肪酸成分として含有
する油脂に対し、油中水型に乳化されたアスコルビン酸
を油脂中に含有せしめることにより、高度不飽和脂肪酸
を脂肪酸成分として含有する油脂の安定化を達成しうる
ことを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成する
に至った。すなわち、本発明は、固形分中に高度不飽和
脂肪酸を脂肪酸成分として含有する油脂5〜85重量%
を含み、水中油型の均質乳化液を乾燥して得られる高度
不飽和脂肪酸を脂肪酸成分として含有する油脂組成物に
おいて、油中水型に乳化されたアスコルビン酸もしくは
アスコルビン酸塩の溶液を、油脂中にアスコルビン酸と
して0.001〜0.5重量%含むことを特徴とする粉末
油脂組成物を提供するものである。
【0005】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
用いる油脂の脂肪酸成分である高度不飽和脂肪酸は、炭
素数が18以上であり、かつ不飽和結合を3個以上有す
る脂肪酸であって、このような高度不飽和脂肪酸として
は、例えば、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン
酸、α−リノレン酸、アラキドン酸などを挙げることが
できる。本発明に用いる高度不飽和脂肪酸を脂肪酸成分
として含有する油脂は、油脂中の脂肪酸成分のすべてが
高度不飽和脂肪酸であってもよく、あるいは、油脂中の
脂肪酸成分の一部が高度不飽和脂肪酸であり、残部が飽
和脂肪酸又は分子中に不飽和結合を2個以下有する不飽
和脂肪酸であってもよい。本発明は、特に酸化安定性が
極めて悪く、臭いや味の劣化が著しいエイコサペンタエ
ン酸やドコサヘキサエン酸などを脂肪酸成分とする油脂
の組成物に対して効果的である。本発明に用いる高度不
飽和脂肪酸を脂肪酸成分として含有する油脂としては、
例えば、エイコサペンタエン酸やドコサヘキサエン酸を
脂肪酸成分として含有するものとして食用魚油、すなわ
ちイワシ油、サバ油、ニシン油、マグロ油、カツオ油、
タラ肝油などの魚油を精製したものや濃縮したものを用
いることができるし、バクテリア、クロレラなどから抽
出したものも用いることができる。また、α−リノレン
酸を脂肪酸成分として含有する油脂としては、例えばシ
ソ科植物の実から得られる油脂であるシソ実油やエゴマ
油などを用いることができる。本発明においては、さら
に、これらの高度不飽和脂肪酸を脂肪酸成分として含有
する油脂と、大豆油、菜種油、パーム油、オリーブ油、
ヤシ油や、これらの油脂あるいは魚油などを水素添加
し、安定化した比較的安定性の高い油脂とを混合したも
のを用いることができる。
【0006】本発明の組成物に含有せしめるアスコルビ
ン酸としては、食品として一般的に用いられるL−アス
コルビン酸や、L−アスコルビン酸ナトリウムを好適に
使用することができる。本発明において、アスコルビン
酸もしくはアスコルビン酸塩は高度不飽和脂肪酸を脂肪
酸成分として含有する油脂中に、アスコルビン酸として
0.001〜0.5重量%、好ましくは0.005〜0.2
重量%含有せしめる。含有せしめるアスコルビン酸の量
が0.001重量%未満であると、安定性のよい高度不
飽和脂肪酸を脂肪酸成分として含有する油脂の粉末油脂
組成物が得られないし、含有せしめるアスコルビン酸の
量が0.5重量%を超えると、アスコルビン酸の酸味や
アスコルビン酸を油中水型に乳化する際に用いる乳化剤
の味などが組成物全体に悪い影響を及ぼすのでいずれも
好ましくない。本発明において、アスコルビン酸は油中
水型に乳化されていることが必須である。アスコルビン
酸を油中水型に乳化する際のアスコルビン酸の溶剤とし
ては、水が一般的であるが、糖アルコール、液糖、液状
オリゴ糖、エチルアルコール、グリセリンなど、アスコ
ルビン酸を溶解する溶剤であれば、特に制限なく用いる
ことができる。アスコルビン酸を油中水型に乳化する際
の油相としては、液体の食用油脂であれば特に制限なく
使用することができるが、例えば、高度不飽和脂肪酸を
脂肪酸成分として含有するマグロ油、イワシ油などの精
製脱臭した魚油、その高度不飽和脂肪酸成分を濃縮した
食用油脂、シソ実油、エゴマ油、又はそれらと大豆油、
ナタネ油、豚脂などの一般の動植物油脂類を配合した食
用油脂などを好適に用いることができる。また、アスコ
ルビン酸を油中水型に乳化する際に用いる乳化剤として
は、例えばポリグリセリン脂肪酸エステル、好ましくは
ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、テトラグ
リセリンモノラウリン酸エステル、テトラグリセリンモ
ノオレイン酸エステル、モノグリセリン脂肪酸エステ
ル、レシチン、酵素分解レシチンなどを用いることがで
き、さらに、これらを適宜組み合わせて用いることも可
能である。アスコルビン酸の油中水型乳化液中の濃度と
しては0.1〜40重量%が適当であるが、乳化剤によ
る組成物の風味などへの影響を考えると、1〜40重量
%が好ましく、1〜20重量%がさらに好ましい。本発
明に用いられるアスコルビン酸の油中水型乳化液は、適
宜、酸化安定性の高い油脂などで希釈して用いることも
可能である。
【0007】本発明において、高度不飽和脂肪酸を脂肪
酸成分として含有する油脂は粉末油脂組成物の固形分中
に5〜85重量%、好ましくは5〜80重量%含まれ
る。高度不飽和脂肪酸を脂肪酸成分として含有する油脂
の含有量が5重量%未満であると、高度不飽和脂肪酸を
脂肪酸成分として含有する油脂に期待される生理機能が
十分発揮されないし、85重量%を超えると、固形分よ
り油脂がしみだし、油脂の品質、および風味の劣化を招
く原因となるので、いずれも好ましくない。本発明の高
度不飽和脂肪酸を脂肪酸成分として含有する油脂の粉末
油脂組成物において、油脂中に高度不飽和脂肪酸を脂肪
酸成分として含有する油脂以外の成分として、香料や、
β−カロチン、ビタミンE、ビタミンDなどの油溶性ビ
タミン、油溶性色素、乳化剤、高度不飽和脂肪酸以外の
脂肪酸を脂肪酸成分として含有する油脂などを添加、混
合することや、さらに抗酸化効果を高める目的で、茶抽
出物製剤やBHT、没食子酸、トコフェロール、ムシジ
ンなどの抗酸化剤を添加することも可能である。本発明
において、高度不飽和脂肪酸を脂肪酸成分として含有す
る油脂の粉末油脂組成物に、さらに水溶性成分を添加す
ることができる。添加しうる水溶性成分としては、例え
ば、カゼイン、カゼインナトリウム、乳清タンパク質、
脱脂粉乳、牛乳などの乳製品由来のタンパク質やゼラチ
ンなどの動物性タンパク質、分離大豆タンパク質、コー
ンあるいは小麦より抽出したタンパク質などの植物性タ
ンパク質、デキストリンやオリゴ糖といった多糖類、砂
糖や乳糖といった二糖類、ブドウ糖や果糖といった単糖
類、あるいはこれらの混合物などによってなる糖質、微
生物や植物、合成などによって得られる食物繊維やガム
質、リンゴやバナナ、ブドウ、ミカンなどを搾汁して得
られる果汁、香料、ビタミンB群などに代表されるビタ
ミン、鉄やマグネシウム、カルシウムといったミネラ
ル、クエン酸やリンゴ酸、乳酸などの有機酸、ポリグリ
セリン脂肪酸エステル、モノグリセリン脂肪酸エステ
ル、レシチンなどの乳化剤などがあげられる。これら
は、単独でも用いることが可能であるが、もちろん適宜
組み合わせて用いることもできる。
【0008】次に、本発明の粉末油脂組成物の製造方法
について説明する。アスコルビン酸もしくはアスコルビ
ン酸塩を、水や液状オリゴ糖、エチルアルコール、糖ア
ルコール、グリセリンなどに溶解し、ポリグリセリン縮
合リシノレイン酸などのポリグリセリン脂肪酸エステ
ル、レシチン、レシチン酵素分解物、モノグリセリン脂
肪酸エステルなどの乳化剤を用い、高度不飽和脂肪酸を
脂肪酸成分として含有するマグロ油、イワシ油などの精
製脱臭した魚油、その高度不飽和脂肪酸成分を濃縮した
食用油脂、シソ実油、エゴマ油、又はそれらと大豆油、
ナタネ油、豚脂などの一般の動植物油脂類を配合した食
用油脂などを油相とし、必要に応じて香料などを添加し
て、アスコルビン酸が油中水型乳化液中に0.1〜40
重量%となるように調製する。このアスコルビン酸の油
中水型乳化液を高度不飽和脂肪酸を脂肪酸成分として含
有する油脂に対し、アスコルビン酸として0.001〜
0.5重量%含有されるように添加したのち、このアス
コルビン酸が添加された高度不飽和脂肪酸を脂肪酸成分
として含有する油脂が固形分中5〜85重量%含有され
るように調製した水中油型均質乳化液を製造し、これを
乾燥する。本発明において、アスコルビン酸を油中水型
乳化液として調製する方法としては、まずアスコルビン
酸を水、液状オリゴ糖、エチルアルコール、糖アルコー
ル、液糖などに完全に溶解し、これをポリグリセリン脂
肪酸エステルやレシチンなどの乳化剤を油相に溶解した
溶液中に添加し、油中水型乳化液とする方法、アスコル
ビン酸溶液中に直接乳化剤を溶解した油相を添加し、ま
ず水中油型乳化液を得たのち転相させて油中水型乳化液
とする方法、あるいは、乳化剤などによりアスコルビン
酸溶液の界面活性を低下させ、油脂に溶解可能な可溶化
液とする方法など、いずれも用いることができる。上記
の方法によって得られたアスコルビン酸油中水型乳化液
は、高度不飽和脂肪酸を脂肪酸成分として含有する油脂
中に任意な濃度で添加、混合することができ、油脂中に
通常の方法ではほとんど溶解、分散することのできない
アスコルビン酸を多量に、容易に分散することが可能で
あるが、本発明の目的のためには、粉末油脂組成物中ア
スコルビン酸として0.001〜0.5重量%含有するよ
うに添加すればよい。本発明において、水溶性成分中に
高度不飽和脂肪酸を脂肪酸成分として含有する油脂を、
均質な水中油型乳化液として乳化させる方法としては、
通常食品に用いられる均質乳化方法であればいずれの方
法も用いることができ、例えば、ホモジナイザーを用い
る方法や、コロイドミルを用いる方法、ホモミキサーを
用いる方法などいずれも可能である。さらに、本発明の
高度不飽和脂肪酸を脂肪酸成分として含有する油脂を含
んだ水中油型均質乳化液の乾燥方法としては、噴霧乾燥
法や、ドラム乾燥法、真空凍結乾燥法、真空乾燥法(ド
ラム式、連続ベルト式など)などを用いることができる
が、高温で酸素と接触することが少ない真空凍結乾燥法
や真空乾燥法が好適である。また、得られた乾燥物は、
必要に応じ、粉砕や造粒、他の成分との混合などを行う
ことも可能である。このようにして得られた高度不飽和
脂肪酸を脂肪酸成分として含有する油脂の粉末油脂組成
物は、長期間保存しても風味の劣化を招くことがなく、
長期間にわたって安定した品質を保ち、他の食品と混合
してもその風味や品質を損なうことがないなどの特徴を
有している。本発明の高度不飽和脂肪酸を脂肪酸成分と
して含有する油脂の粉末油脂組成物は、例えば、水や温
水、牛乳などに混合、分散して飲用することが可能であ
り、さらに他の成分と混合、加工して食品素材とするこ
とも可能である。
【0009】
【実施例】以下に実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定され
るものではない。 実施例1〜5 蒸留水30g及びテトラグリセリンモノラウリン酸エス
テル(SYグリスターML310 坂本薬品工業株式会
社製)10gの混合液中に、L−アスコルビン酸ナトリ
ウム10gを加えて湯煎中で加温しながら溶解し、これ
にポリグリセリン結合リシノレイン酸エステル(SYグ
リスターCRED 坂本薬品工業株式会社製)30gを
添加し、プロペラミキサーにて混合、転相させて、油中
水型乳化液とし、さらに酵素分解レシチン(エルマイザ
ーA 協和発酵株式会社製)10gを添加して混合、こ
れに10gの菜種油を添加して、アスコルビン酸ナトリ
ウムを10重量%含有する油中水型乳化液100gを得
た。このアスコルビン酸ナトリウム油中水型乳化液を、
あらかじめトコフェロール0.1重量%を添加した高度
不飽和脂肪酸を脂肪酸成分として含有する精製脱臭した
マグロ油(過酸化物価:0meq/kg)中に、第1表の配
合にしたがって添加した。なお、このマグロ油の脂肪酸
成分中のエイコサペンタエン酸の含量は6.0重量%、
ドコサヘキサエン酸の含量は20重量%である。このア
スコルビン酸ナトリウムを添加したマグロ油を用い、下
記の配合にしたがい、TKホモゲナイザー(50℃、1
0000rpm、5分間)を使用して水中油型乳化液を得
た。 マグロ油 40.0g ステアリン酸モノグリセリド 1.0g カゼインナトリウム 5.0g 脱脂粉乳 10.0g デキストリン 20.0g 砂糖 22.0g ヘキサメタリン酸ナトリウム 0.5g 油溶性ミルクフレーバー 0.5g 水溶性ミルクフレーバー 1.0g 蒸留水 70.0g 得られた水中油型乳化液を、真空凍結乾燥機(共和真空
技術社製 RLE−21型)を用いて24時間凍結乾燥
したのち粉砕した。得られた粉末組成物について、乾燥
粉砕直後、及び、アルミパウチに50gずつ入れ、含気
包装し、37℃で1カ月間保存したのち、風味と過酸化
物価の評価を行い、それらの結果に基づいて保存安定性
の総合評価を行った。 総合評価基準 ◎:保存安定性、風味良好 ○:保存安定性、風味普通 △:保存安定性、風味若干劣る ×:飲食不適 結果を第1表に示した。 比較例1〜4 第1表に示す配合で、実施例1〜5で得られたアスコル
ビン酸油中水型乳化液を添加しないもの(比較例1)、
少量添加したもの(比較例2)、多量に添加したもの
(比較例3)、アスコルビン酸ナトリウムをマグロ油に
直接添加したもの(比較例4)を実施例1〜5と同様に
調製し、保存安定性試験を行った。結果を第1表に示し
た。
【0010】
【表1】
【0011】第1表の結果に見られるように、本発明の
粉末油脂組成物は良好な保存安定性を示すのに対して、
アスコルビン酸ナトリウムの油中水型乳化液を含有しな
いか、又は、その含有量が少ない場合には、魚油臭が発
生し、かつ、過酸化物価の上昇が大きい。また、アスコ
ルビン酸ナトリウムの油中水型乳化液の含有量が多すぎ
る場合には、過酸化物価は上昇しないが、粉末油脂組成
物は酸味が強く乳化剤の味があり、飲食に適さない。さ
らに、アスコルビン酸ナトリウムを油中水型乳化液とす
ることなくマグロ油に直接添加した場合には、含有量が
適切と考えられる範囲にあっても、魚油臭が発生し、過
酸化物価の上昇が大きい。 実施例6〜7 ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル(SYグリ
スターCRED 坂本薬品工業株式会社製)50gと菜
種油26gを加熱溶解した乳化剤溶液中に、L−アスコ
ルビン酸4gを蒸留水20gに完全に溶解した水溶液を
添加し、プロペラミキサーにて混合、乳化して、4%ア
スコルビン酸油中水型乳化液100gを得た。 この4%アスコルビン酸油中水型乳化液を、第2表に示
した配合にしたがって、あらかじめトコフェロール0.
05重量%を添加した高度不飽和脂肪酸を脂肪酸成分と
して含有する精製脱臭したエゴマ油(過酸化物価:0me
q/kg)中に添加した。なお、このエゴマ油の脂肪酸成
分中のα−リノレン酸の含量は56重量%である。この
アスコルビン酸を添加したエゴマ油を、下記の配合で水
中油型乳化液とした。 エゴマ油 700g ステアリン酸モノグリセリド 10g 大豆タンパク質 20g 脱脂粉乳 50g デキストリン 90g 乳糖 120g 微結晶セルロース 10g 蒸留水 1000g 得られた水中油型乳化液を60℃、30分間予備乳化を
行ったのち、高圧ホモジナイザーを用いて1段目200
kg/cm2、2段目50kg/cm2で均質乳化液を調製し、ス
プレードライヤー(大川原化工機株式会社製 L−8
型)により熱風温度180℃、アトマイザー回転数15
000回転の条件で乾燥、粉末化した。得られた粉末組
成物について、乾燥直後、及び、アルミパウチに50g
ずつ入れ、含気包装し、37℃で1カ月間保存したの
ち、実施例1〜5と同様にして風味と過酸化物価の評価
を行い、それらの結果に基づいて保存安定性の総合評価
を行った。結果を第2表に示した。 比較例5〜6 第2表に示す配合で、実施例6〜7で得られたアスコル
ビン酸油中水型乳化液を添加しないもの(比較例5)、
アスコルビン酸を水相部に添加したもの(比較例6)を
実施例6〜7と同様に調製し、実施例6〜7と同様に、
保存安定性試験を行った。結果を第2表に示した。
【0012】
【表2】
【0013】第2表の結果に見られるように、本発明の
粉末油脂組成物は良好な保存安定性を示すのに対して、
アスコルビン酸の油中水型乳化液を含有しない場合に
は、エグ味があり、過酸化物価の上昇が大きい。また、
アスコルビン酸を油中水型乳化液とすることなく水相に
直接添加した場合には、含有量が適切と考えられる範囲
にあっても、若干エグ味があり、過酸化物価の上昇が大
きい。 実施例8〜12 実施例1〜5で得られた10%アスコルビン酸ナトリウ
ム油中水型乳化液を、高度不飽和脂肪酸を脂肪酸成分と
して含有する油脂を多く含む精製脱臭したイワシ油(過
酸化物価:0meq/kg)に、油脂中にアスコルビン酸ナ
トリウムとして0.05重量%となるように添加し、さ
らに第3表に示した配合にしたがって、カゼインナトリ
ウム、デキストリン及びリン酸三ナトリウムを加えたの
ち、1000gの蒸留水を用いて、50%固形分の水中
油型乳化液を調製した。なお、用いたイワシ油は、あら
かじめトコフェロール0.2重量%を添加したものであ
り、このイワシ油の脂肪酸成分中のエイコサペンタエン
酸の含量は18.2重量%、ドコサヘキサエン酸の含量
は11.3重量%である。上記の水中油型乳化液を、さ
らに60℃、30分間予備乳化したのち、高圧ホモジナ
イザーを用いて1段目200kg/cm2、2段目50kg/c
m2で均質乳化液を調製し、スプレードライヤー(大川原
化工機株式会社製 L−8型)で熱風温度180℃、ア
トマイザー回転数15000回転の条件で乾燥、粉末化
した。得られた粉末油脂組成物について、実施例1〜5
と同様に性能評価を行い、総合評価結果を第3表に示し
た。 比較例7〜8 実施例8〜12と同様にして、10%のアスコルビン酸
ナトリウム油中水型乳化液を添加したイワシ油を用い、
第3表に示した配合にしたがってイワシ油の含量の少な
い水中油型乳化液(比較例7)及びイワシ油の含量の多
い水中油型乳化液(比較例8)を調製した。得られた水
中油型乳化液を実施例8〜12と同様の条件で粉末化
し、性能評価を行った。結果を第3表に示した。
【0014】
【表3】
【0015】第3表の結果に見られるように、本発明の
粉末油脂組成物は良好な保存安定性を示すのに対して、
高度不飽和脂肪酸を脂肪酸成分として含有する油脂の含
量が多すぎる場合は、得られる粉末油脂組成物から油脂
がしみだし風味が損なわれた。また、高度不飽和脂肪酸
を脂肪酸成分として含有する油脂の含量が少なすぎる場
合には、高度不飽和脂肪酸の生理機能の発揮が十分期待
できない上に、風味の点でも劣っていた。以上の実施例
及び比較例から明らかなように、本発明の高度不飽和脂
肪酸を脂肪酸成分として含有する油脂の粉末油脂組成物
は、抗酸化性が高く、優れた保存安定性を有している。
【0016】
【発明の効果】本発明の粉末油脂組成物によれば、従
来、酸化安定性が悪く、品質や風味の劣化などが著しい
ために、使用が制限されていた高度不飽和脂肪酸を脂肪
酸成分として含有する油脂を、長期間保存しても劣化が
なく、安定に保つことが可能となり、多くの食品に利用
しうるようになる。また、粉末とすることにより、油脂
の状態では油がしみ出す、食品の物性に影響を与えるな
どの理由により使用できなかった食品に対しても、容易
に使用することが可能となる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固形分中に高度不飽和脂肪酸を脂肪酸成分
    として含有する油脂5〜85重量%を含み、水中油型の
    均質乳化液を乾燥して得られる高度不飽和脂肪酸を脂肪
    酸成分として含有する油脂組成物において、油中水型に
    乳化されたアスコルビン酸もしくはアスコルビン酸塩の
    溶液を、油脂中にアスコルビン酸として0.001〜0.
    5重量%含むことを特徴とする高度不飽和脂肪酸含有の
    粉末油脂組成物。
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