JP7650247B2 - ビタミンe富化養殖魚の飼育方法 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1及び特許文献2には、外層及び内層を有する養魚用飼料が開示されている。特許文献1及び特許文献2、これらの養魚用飼料は、マグロ類のような嗜好性が高い養殖魚に対して用いられ、摂餌性及び飼料効率がよいと記載されている。特許文献3には、外皮と、タンパク質原料及び液状油を含有する内包からなる二重構造の飼料が開示されており、この飼料は、摂餌性が高く、且つ油漏れが抑制されると記載されている。
従って、本発明は、ビタミンEが富化されたマグロ類養殖魚及びその用途、並びにその飼育方法を提供することを目的とする。
[1] 筋肉、肝臓及び眼球からなる群より選択される少なくとも1つが100gあたり2mg以上のビタミンEを含む、マグロ類養殖魚。
[2] 配合飼料を含む餌料で飼育管理されることにより得られた、[1]記載のマグロ類養殖魚。
[3] 比幽門垂重量が、2%以上である[1]又は[2]記載のマグロ類養殖魚。
[4] 100gあたり2mg以上のビタミンEを含む幽門垂を有する[1]~[3]のいずれか1に記載のマグロ類養殖魚。
[5] 総魚体重が20kg以上である[1]~[4]のいずれか1に記載のマグロ類養殖魚。
[6] 尾叉長が90cm以上である[1]~[5]のいずれか1に記載のマグロ類養殖魚。
[7] 肥満度が20以上である[1]~[6]のいずれか1に記載のマグロ類養殖魚。
[8] マグロ属、ソウダガツオ属、スマ属、又はカツオ属のマグロ類である[1]~[7]のいずれか1に記載のマグロ類養殖魚。
[9] ビンナガ、クロマグロ、ミナミマグロ、タイセイヨウマグロ、タイセイヨウクロマグロ、キハダ、メバチ、コシナガ、ハガツオ又はスマである[1]~[8]のいずれか1に記載のマグロ類養殖魚。
[10] 北半球を生息域とする魚類を主食とするマグロ類である[1]~[8]のいずれか1に記載のマグロ類養殖魚。
[11] ビンナガ、クロマグロ、タイセイヨウマグロ、タイセイヨウクロマグロ、キハダ、メバチ、コシナガ、ハガツオ又はスマである[10]記載のマグロ類養殖魚。
[12] 鰓、内臓、尾部及び頭部からなる群より選択される部位の少なくともひとつが除去されている[1]~[11]のいずれか1に記載のマグロ類養殖魚。
[13] 鰓及び内臓が除去された形態である[1]~[12]のいずれか1に記載のマグロ類養殖魚。
[14] 全重量が17kg以上である[13]記載のマグロ類養殖魚。
[15] 100gあたり2mg以上のビタミンEを含む、マグロ類養殖魚の可食部。
[16] 魚肉、内臓、眼球、皮又は脳の少なくとも一部である[15]記載のマグロ類養殖魚の可食部。
[17] 赤身又は脂身である[15]記載のマグロ類養殖魚の可食部。
[18] 肝臓、幽門垂、胃、食道、腸管、精巣、卵巣、脾臓、心臓及び浮き袋からなる群より選択される少なくとも1つである[15]記載のマグロ類養殖魚の可食部。
[19] 100gあたり2mg以上のビタミンEを含むマグロ類養殖魚の可食部の非加熱品と、可食部の非加熱品を収容する容器と、を含む、マグロ類養殖魚の非加熱食品。
[20] 100gあたり2mg以上のビタミンEを含むマグロ類養殖魚の可食部の加熱品と、可食部の加熱品を収容する容器と、を含む、マグロ類養殖魚の加熱食品。
[21] 魚粉及び油脂を含む内包と、内包を包み、且つ、タンパク質及び多糖類からなる群より選択される少なくとも1つの加熱ゲルである外皮と、を含み、内包におけるビタミンE含有量が飼料全体に対して500ppm以上である配合飼料を、少なくとも60日間継続して給餌することを含む、マグロ類養殖魚の飼育方法。
本明細書において、パーセントに関して「以下」又は「未満」との用語は、下限値を特に記載しない限り、0%即ち「含有しない」場合を含み、又は、現状の手段では検出不可の値を含む範囲を意味する。本明細書において組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
以下、本発明について説明する。
本発明の一実施形態におけるマグロ類養殖魚は、筋肉、肝臓及び眼球からなる群より選択される少なくとも1つが100gあたり2mg以上のビタミンEを含む。本明細書では、このマグロ類養殖魚を、「ビタミンE富化養殖魚」と称する場合がある。
一般に魚食性の養殖魚におけるビタミンEの含有量は、日本食品標準成分表、2010年によれば、例えば、ぶりでは、可食部100gあたり1mg~2mg程度、はまち(養殖)では可食部100gあたり約4mg、めかじきでは可食部100gあたり約3mgのビタミンEを含むことが知られている。一方、まぐろ(脂身)では、これらの魚種よりも低く、ビタミンE量は、100gあたり1.5mgと知られている。
マグロ類としては、マグロ族及びハガツオ族を挙げることができる。マグロ族としては、マグロ属、ソウダガツオ属、スマ属、カツオ属等を挙げることができ、ハガツオ族としては、イソマグロ属、ハガツオ属等を挙げることができる。マグロ類としては、例えば、マグロ属のビンナガ、クロマグロ、ミナミマグロ、タイセイヨウマグロ、タイセイヨウクロマグロ、キハダ、メバチ、コシナガ等、カツオ属のカツオ、ソウダガツオ属のヒラソウダ及びマルソウダ、スマ属のスマ等、ハガツオ属のハガツオを挙げることができ、あるいは、ビンナガ、クロマグロ、ミナミマグロ、タイセイヨウマグロ、タイセイヨウクロマグロ、キハダ、メバチ、コシナガ、ハガツオ又はスマとすることができる。
「配合飼料」とは、魚類の成育に必要なタンパク質、ビタミン、ミネラル等の栄養素を満たすように素材を組み合わせた飼料を意味する。「飼育管理」とは、特定の目的を達成するために選択された餌料を用いて飼育されていることを意味する。
試験片中のビタミンE量は、アルカリけん化により不けん化物を取り出し、これを試料として高速液体クロマトグラフ(HPLC)法(蛍光分光光度計)にて定量する。すなわち、塩化ナトリウム溶液、ピロガロール-エタノール溶液及び水酸化カリウム溶液を用いてアルカリけん化し、塩化ナトリウム溶液とヘキサン及び酢酸エチルの混液とを用いて振盪抽出を行い、上層を分取し、溶媒を留去した後、ヘキサンに添加して測定用試料とし、HPLCにおけるピーク比に基づき定量する。
ビタミンE富化養殖魚は、α-トコフェロールを、肝臓100gあたり、2mg以上、5mg以上、8mg以上、10mg以上、15mg以上、20mg以上、30mg以上、50mg以上、80mg以上、100mg以上、又は150mg以上、含むことができる。ビタミンE富化養殖魚の肝臓におけるα-トコフェロールの含有量の上限値については、特に制限はなく、例えば、1000mg以下、又は300mg以下とすることができる。このようなα-トコフェロール含有量が高い肝臓を有するビタミンE富化養殖魚は、例えば、マグロ類養殖魚の消化能力をより長期間にわたって維持することができ、より持続的な栄養吸収によって、より長期間にわたって健康を維持することができる。
肥満度は、一般に、以下の式[1]に基づいて評価することができる。
肥満度=
重量(g)/[尾叉長(cm)×尾叉長(cm)×尾叉長(cm)]×1000
・・・[1]
ビタミンE富化養殖魚の魚全体の重量の上限値については、特に制限はなく、例えば500kg以下とすることができる。
比幽門垂重量が高いビタミンE富化養殖魚は、比較的栄養吸収が良好であるため、可食部などに蓄積可能な1又は複数の他の栄養成分を配合飼料に含有させた場合には、これらの他の栄養成分が高度に蓄積することが期待できる。幽門垂の重量は、魚体から抜き取られた内臓から切り離すことにより幽門垂を得て、測定することができる。
加工形態のビタミンE富化養殖魚としては、鰓、内蔵、尾部及び頭部からなる群より選択される部位の少なくともひとつが除去されたものを挙げることができる。内蔵としては、食道、胃、腸管、肝臓、幽門垂、精巣、卵巣、膵臓、心臓、浮き袋等を挙げることができる。加工形態は、例えば流通の便宜に応じて適宜選択され、例えば、鰓及び内蔵が除去された形態を挙げることができる。鰓及び内蔵が除去された形態のマグロ類は、一般に、GGマグロと称されている。換言すれば、「GGマグロ」は、鰓と、内蔵、具体的には、食道、胃、腸管,肝臓、幽門垂、生殖腺(精巣又は卵巣)、脾臓、心臓、及び浮き袋とが除去された形態を指す。
(1)筋肉100gあたり5mg、8mg又は10mg以上のビタミンEを含み、肥満度が21以上、総魚体重が25kg以上、尾叉長が90cm以上のビタミンE富化養殖魚;(2)筋肉100gあたり5mg、8mg又は10mg以上のビタミンEを含み、肥満度が20以上、総魚体重が20kg以上、尾叉長が100cm以上のビタミンE富化養殖魚;
(3)筋肉100gあたり5mg、8mg又は10mg以上のビタミンEを含み、肥満度が21以上、総魚体重が21kg以上、尾叉長が90cm以上のGGマグロであるビタミンE富化養殖魚;及び、
(4)筋肉100gあたり5mg、8mg又は10mg以上のビタミンEを含み、肥満度が20以上、総魚体重が17kg以上、尾叉長が100cm以上のGGマグロであるビタミンE富化養殖魚:
(6)肝臓100gあたり50mg、80mg又は100mg以上のビタミンEを含み、肥満度が20以上、総魚体重が20kg以上、尾叉長が100cm以上のビタミンE富化養殖魚;
(7)肝臓100gあたり50mg、80mg又は100mg以上のビタミンEを含み、肥満度が21以上、総魚体重が21kg以上、尾叉長が90cm以上のGGマグロであるビタミンE富化養殖魚;及び、
(8)肝臓100gあたり50mg、80mg又は100mg以上のビタミンEを含み、肥満度が20以上、総魚体重が17kg以上、尾叉長が100cm以上のGGマグロであるビタミンE富化養殖魚:
(10)眼球100gあたり10mg、15mg又は20mg以上のビタミンEを含み、肥満度が20以上、総魚体重が20kg以上、尾叉長が100cm以上のビタミンE富化養殖魚;
(11)眼球100gあたり10mg、15mg又は20mg以上のビタミンEを含み、肥満度が21以上、総魚体重が21kg以上、尾叉長が90cm以上のGGマグロであるビタミンE富化養殖魚;及び、
(12)眼球100gあたり10mg、15mg又は20mg以上のビタミンEを含み、肥満度が20以上、総魚体重が17kg以上、尾叉長が100cm以上のGGマグロであるビタミンE富化養殖魚。
筋肉に関する(1)~(4)の形態と、肝臓に関する(5)~(8)の形態と、眼球に関する(9)~(12)の形態とは、可能な範囲において、それぞれ独立して互いに組み合わせたものであってもよい。
本発明の一実施形態は、100gあたり2mg以上のビタミンEを含むマグロ類の可食部である、マグロ類養殖魚の可食部を含む。換言すれば、本マグロ類養殖魚の可食部は、上述したビタミンE富化養殖魚の可食部であり得る。ビタミンE富化養殖魚の可食部は、従来公知のマグロ類の可食部よりも遥かに高い濃度でビタミンEを含有するので、食として供与された場合に、経済的価値が高く、ビタミンEの効能の発揮が期待できる。
可食部としての魚肉は、筋肉であって、一般に非加熱(ナマ)又は加熱して食する部分である。魚肉には、上述した赤身、脂身、血合筋等を挙げることができ、赤身又は脂身であることが好ましい。
加熱食品及び非加熱食品には、必要に応じて、他の食品、食品素材、及び付属品からなる群より選択される少なくとも1つを含むことができる。他の食品としては、米、つま(だいこん、海藻類等)、しょうが(がり)などを挙げることができる。食品素材としては、ねぎとろ用ねぎなどを挙げることができる。付属品としては、例えば、バラン、表示(ラベル)、保冷剤、冷却剤、氷、ドライアイス、シャーベットアイスなどを挙げることができる。付属品は、可食部と共に容器内に収容されていてもよく、容器の外側に配置されていてもよく、また、容器と一体不可分であってもよく、脱着自在に添付されていてもよい。他の食品、食品素材及び付属品はそれぞれ、1つ又は2つ以上の組み合わせであってもよい。
本発明の一実施形態における飼育方法は、魚粉、油脂を含む内包と、内包を包み、且つ、タンパク質及び多糖類からなる群より選択される少なくとも1つの加熱ゲルである外皮と、を含み、内包におけるビタミンE含有量が飼料全体に対して500ppm以上である配合飼料を、養殖魚としてのマグロ類に対して、少なくとも60日間継続して給餌することを含み、必要に応じて、他の工程を含むことができる。
本飼育方法では、ビタミンEを含む特定の内包と特定の外皮とを備えた二重構造の配合飼料を、少なくとも60日間継続してマグロ類に給餌するので、ビタミンEが富化された本発明の実施形態におけるビタミンE富化養殖魚を効率よく得ることができる。この観点から、本明細書において「ビタミンE富化養殖魚の飼育方法」は、「ビタミンE富化養殖魚の製造方法」とは同義であり、互いに読み替えることができる。
ビタミンE富化養殖魚育成飼料の内包は、魚粉と油脂を主成分とし、ビタミンEを所定量含有し、更に、養魚用の栄養成分として知られているビタミンE以外のその他の栄養成分を添加してもよい。その他の栄養成分としては、ミネラル、ビタミンC等のビタミンを挙げることができる。
加熱によるゲルとは、タンパク質及び多糖類からなる群より選択される少なくとも1つである原料を60℃以上に加熱する、若しくは、60℃以上に加熱後冷却することによりできるゲルと、澱粉等の多糖類に水分を加えて60℃以上に加熱することにより糊化してできるゲルとを意味する。
外皮に適用される澱粉としては、タピオカ澱粉、小麦澱粉、馬鈴薯澱粉、トウモロコシ澱粉、豆澱粉、ワキシーコーンスターチ、及びそれらの加工澱粉が好ましい。これらタンパク質及び/又は澱粉を多く含む食品素材を用いることもできる。これらタンパク質及び/又は多糖類を含む組成の外皮は加熱することによりゲルが固定され、柔軟性を持ち、且つ、内層組成物の保持力もあり、一定の強度を有する。なかでも、タンパク質を加熱してできるゲル又は澱粉を加熱してできるゲルであることが、その柔軟性、伸展性などの物性の点で好ましい。
外皮のゲル化に影響を与えない範囲で、外皮用組成物にも魚粉又は油脂を添加してもよい。用いるゲルの種類にもよるが、魚粉の場合、外皮は魚粉を60重量%程度まで含むことが可能であり、油脂の場合、外皮は油脂を外皮用組成物の全重量の30重量%まで含むことが可能である。魚粉及び油脂を双方含む場合、外皮は魚粉を外皮用組成物の全重量の20~30重量%及び油脂を5~10重量%程度含むことが好ましい。
澱粉にグルテン、大豆タンパクなどのタンパク質を加えることによりさらに強いゲルを得ることができる。グルテンの代わりにグルテンを含有する小麦粉などを使用することもできる。その他の副原料としては、小麦粉等の穀粉;大豆タンパク、グルテン、卵白等のタンパク質;砂糖、水あめ等の糖又は糖アルコール類;カラギーナン、寒天、ジェランガム、プルラン、マンナン、キサンタンガム、ローカストビーンガム、カードラン、ペクチン、アルギン酸及びその塩類、アラビアガム、キトサン、デキストリン、可食性水溶性セルロース等の増粘剤;リン酸塩等の塩類を添加してもよい。例えば、澱粉に小麦粉を加えることによって、外皮に強度を与えることができる。また、一定量のタンパク質を加えることで加熱後の表面のべたつきを押さえることができる。
例えば、二重ノズルを備えたエクストルーダを用い、エクストルージョンクッキングによる外皮用組成物の加熱処理と外皮による内包の被覆を同時に行うこと、例えば柱状に押し出されてくる成形物を、押し出されてくるスピードに合わせて上下するシャッター機構で一定の長さに切断して、切断面を外皮で包被して、二重構造の配合飼料を得ることにより、製造することができる。
副原料として用いる場合、小麦粉はグルテン含有量の多い強力粉が好ましいが、薄力粉でもよい。外皮の品質をよりよくするために、澱粉食品の品質改良剤として用いられている添加物を添加することができる。
乾燥手段としては配合飼料を乾燥できるものであれば特に制限はない。乾燥は、飼料外皮水分を上述した水分含有量が達成される条件を設定すればよい。
本発明の一実施形態にかかる可食部の製造方法は、上述した一実施形態における飼育方法により飼育されたマグロ類用養殖魚を用意すること、用意されたマグロ類養殖魚から、可食部を採取すること、を含み、必要に応じて、他の工程を含むことができる。
本可食部の製造方法では、上述した一実施形態における飼育方法により飼育されたマグロ類養殖魚から、可食部を採取するので、従来のマグロ類可食部よりも多くのビタミンEを含む可食部を効率よく得ることができる。
ビタミンE富化養殖魚及びその可食部は、ビタミンEが高濃度に蓄積されているので、ビタミンEが富化された食品として好ましい。ビタミンE富化養殖魚の可食部を含む加熱食品及び非加熱食品は、ビタミンEが富化されたマグロ魚類の可食部の加熱品又は非加熱品を含むので、ビタミンEが富化された食品として好ましく、またビタミンEの抗酸化力により、所謂、ヤケ肉の少ない良質な食品であると推測される。
ビタミンE富化養殖魚及びその可食部は、ビタミンEが富化されているので、ウシ、ブタ、トリ等の家畜類、他の養殖魚等の飼料、ペットフードなどの動物用飼料としても用いることができる。
(1)ビタミンE富化養殖魚育成飼料の作製
魚粉35~40重量%、澱粉(エーテル化タピオカ澱粉:ヒドロキシプロピル澱粉、日澱化学社、G-800)17~23重量%、小麦粉7重量%、澱粉(酢酸タピオカ澱粉:日澱化学社、Z-300)2重量%、魚油2重量%、食塩3重量%、砂糖2.5重量%、グルテン
1重量%、水残部を、エクストルーダにより、スクリュー回転数450rpm、吐出温度90℃、出口圧力50bar(5MPa)の条件で混合し、外皮用組成物とした。
魚粉59重量%、魚油36重量%、硬化油1.965重量%、ビタミン類2重量%、ミネラル1重量%、α-トコフェロール0.035重量%を、エクストルーダを用い60℃で混合し、内包とした。ビタミン類としては、α-トコフェロール換算で3.03重量%のビタミンEを含むものを用いた。
外皮用組成物と、内包との双方を、エクストルーダ先端の二重ノズルから造粒し、シャッター装置により、内包が外皮で包皮されたビタミンE富化養殖魚育成飼料を得た。内包:外皮の重量比は65:35であった。ビタミンE富化養殖魚育成飼料中のα-トコフェロール含有量は、621ppmであった。
その後、成形直後の配合飼料を搬送コンベアに配置して、30℃~40℃、相対湿度20%~50%の環境下にて、自然乾燥による乾燥処理を24時間、行った。この処理により、ひび割れ等がほとんど確認されない良好な配合飼料が得られた。
得られたビタミンE富化養殖魚育成飼料の外皮の水分量は12~17%であり、水分活性は0.8未満であった。内包の水分含有量は、成形直後は約4.7%と推定される。なお、水分量は、Drying Oven DX300(ヤマト科学株式会社製)により測定し、水分活性は、アクアラブCX-3(マイルストーンゼネラル株式会社製)により測定した。
作製されたビタミンE富化養殖魚育成飼料を用いて、クロマグロを育成した。
直径70mの海面楕円形生簀に、体重約16kg及び体長約50cmのマグロを約3000尾収容して、飼育を開始した。育成期間中の水温は13℃から29℃であった。飼料には、作製したビタミンE富化養殖魚育成飼料を使用し、通常1日1回飽食給餌、冬季2日1回飽食給餌とした。試験期間を通じ、飼料の摂餌量は生餌の30~50重量%であった。飼育は、3月に開始して1年以上行い、所定期間後に各部位のα-トコフェロール量、重量、比幽門垂重量及び肥満度を測定又は算出した。なお、肝臓のビタミンE量は、15ヶ月と17ヶ月後の測定値であり、他の組織のビタミンE量は、飼育期間15ヶ月の魚体における測定値である。結果を表1及び表2に示す。
マグロの測定部位には、中央背側深部(赤身)、中央背側浅部(中トロ)、中央背側竜骨筋、血合筋、眼球、肝臓及び幽門垂を用いた。それぞれの試験片の採取及び調製は以下の通りに行った。
背筋カミ普通筋の体表付近「皮ぎし」とし、背側ロインを第一背びれ後方末端部から中骨に向けて対して垂直に切断し、頭部側と尾部側に分けたときの頭部側の切断表面から、中央背側深部(赤身)、中央背側浅部(中トロ)、中央背側竜骨筋、及び血合筋の各試料片を採取した。
肝臓のついては、取上げの際に内臓として抜き出された肝臓を全量細かく切り刻みし、試験片とした。
幽門垂については、取り上げの際に抜き出された内臓から、幽門垂のみを取り出し、その全量を細かく切り刻みし、試験片とした。
測定で用いられた赤身と脂身(中トロ)とをさしみにして食したところ、おいしかった。
このようなビタミンE富化養殖魚からは、ビタミンE含有量が高い魚肉、肝臓等の内臓、眼球などを可食部として採取可能であり、加熱又は非加熱製品として提供可能である。ビタミンE富化養殖魚の可食部は、ビタミンEの作用により、保存性がよく、栄養価の高いおいしい食品として経済的価値が高い。
(1)ビタミンE富化養殖魚育成飼料の作製
魚粉24重量%、澱粉(エーテル化タピオカ澱粉:ヒドロキシプロピル澱粉、日澱化学社、G-800)16重量%、小麦粉2重量%、澱粉(ワキシーコーンスターチ:日澱化学社
、デリカSE)2重量%、澱粉(タピオカリン酸架橋α化澱粉:松谷化学工業株式会社、パインゴールドVE)2重量%、カルボキシメチルセルロール2重量%、蛋白質(粉末大豆タン白:不二製油株式会社、ニューフジプロSEH)3重量%、魚油2重量%、食塩3重量%、水飴3重量%、グルテン2重量%、リン酸塩0.5重量%、水残部を、実施例1と同様の条件で、混合し、外皮用組成物とした。
内包には、それぞれ以下の各成分を、実施例1と同様の条件で混合して、内包2-1と、内包2-2とした。なお、ビタミン類としては、α-トコフェロール換算で3.03重量%のビタミンEを含むものを用いた。
魚粉56.211重量%、魚油38重量%、ビタミン類2.7重量%、硬化油1重量%、ミネラル2重量%、α-トコフェロール0.05重量%、CoQ10 0.015重量
%、無水ヨウ素酸カルシウム0.024重量%。
内包2-2:
魚粉56.25重量%、魚油38重量%、ビタミン類2.7重量%、硬化油1重量%、ミネラル2重量%、α-トコフェロール0.05重量%。
得られたビタミンE富化養殖魚育成飼料の外皮の水分量は12~17%であり、水分活性は0.8未満であった。内包の水分含有量は、成形直後は約4.7%と推定される。なお、水分量は、Drying Oven DX300(ヤマト科学株式会社製)により測定し、水分活性は、アクアラブCX-3(マイルストーンゼネラル株式会社製)により測定した。
作製されたビタミンE富化養殖魚育成飼料2-1及び2-2を用いて、クロマグロを育成した。
直径15mの海面楕円形生簀に、体重約15kg及び尾叉長約90cmのマグロを約200尾収容して、飼育を開始した。育成期間中の水温は13℃から29℃であった。飼料には、作製したビタミンE富化養殖魚育成飼料2-1及び2-2を使用し、通常1日1回飽食給餌、冬季2日1回飽食給餌とした。試験期間を通じ、飼料の摂餌量は生餌の30~50重量%であった。飼育は、5月に開始し、1年以上行った。所定期間後に、中央背側普通筋浅部(中トロ)のα-トコフェロール量、重量、及び肥満度を測定又は算出した。α-トコフェロール量は、実施例1と同一の方法により測定した。試験片の採取及び調製は実施例1と同一の方法により行った。
中央背側普通筋浅部(中トロ)中のタンパク質量はケルダール法により、脂質量はソックスレー抽出法により、それぞれ測定した。
結果を表3及び表4に示す。
本実施例では、飼育開始から6ヶ月までの期間には台風及び赤潮等、6ヶ月目から8ヶ月目までの期間に18℃以下の低水温等がそれぞれ発生したことにより給餌制限(3~4日に1回)を行ったが、ビタミンE蓄積量の高いマグロを得ることができた。このマグロの生残率は95%以上だった。
Claims (3)
- ビタミンE含有量が飼料全体に対して500ppm以上である配合飼料を、養殖魚としてのマグロ類に対して少なくとも60日間継続して給餌することを含む、100gあたり30mg以上のビタミンEを含む筋肉、100gあたり30mg以上のビタミンEを含む肝臓及び100gあたり27.1mg以上のビタミンEを含む眼球からなる群より選択される少なくとも1つを含むビタミンE富化養殖魚の飼育方法。
- 前記配合飼料は、魚粉、油脂を含む内包と、内包を包み、且つ、タンパク質及び多糖類からなる群より選択される少なくとも1つの加熱ゲルである外皮と、を含む、請求項1に記載のビタミンE富化養殖魚の飼育方法。
- 前記内包におけるビタミンE含有量が飼料全体に対して500ppm以上である、請求項2に記載のビタミンE富化養殖魚の飼育方法。
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