JP7650721B2 - テンプレートの位置決め装置 - Google Patents

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Description

本発明は、テンプレートの位置決め装置に関する。
新築のビルなどに設けられるエレベーターの昇降路は、建築事業者が管理する精度に従って建築されている。現在、エレベーターの据付工事は次のような手順で行われている。まず、昇降路の天井部分から複数のピアノ線を鉛直に設置する。このとき、ピアノ線は、錘を用いて鉛直に吊り下げられ、その鉛直状態を維持するように設置される。次に、ピアノ線の位置をエレベーターの据付基準として、昇降路内にガイドレールを敷設したり、ホール側出入口のシルを設置したりする。ガイドレールには、エレベーターの乗りかごの移動をガイドするガイドレールと、カウンタウェイト(つり合い錘)の移動をガイドするガイドレールとがある。ガイドレールの敷設作業やシルの設置作業は、エレベーター設置作業者(以下、単に「作業者」ともいう。)が実施する。
上述したように、エレベーターの各機器を設置する場合に、各機器の位置合わせの基準となるピアノ線は、テンプレートと呼ばれる据付治具に取り付けられて、昇降路内に鉛直に設置される。その際、作業者は、建築事業者が基準階(通常は1階)に表記した基準墨から所定の位置にピアノ線を設置する必要がある。このため、作業者は、まず、基準墨からケガキ作業を行い、基準階において所定の位置を特定できるようにスケールを設置する。次に、作業者は、スケールによって特定される所定の位置にピアノ線の位置が近づくように、テンプレートを移動する。テンプレートの移動に先立って、作業者は、昇降路の天井部分にテンプレートを設置する。また、作業者は、テンプレートにピアノ線の上端部を固定するとともに、ピアノ線の下端部に錘を取り付けて、テンプレートからピアノ線を吊り下げる。このため、テンプレートを移動するには、作業者が昇降路の天井部分まで足を運ぶ必要がある。次に、作業者は、昇降路の天井部分から基準階へと移動して、ピアノ線の位置が所定の位置に合っているかどうかを確認する。その後、作業者は、昇降路の天井部分と基準階との間を何度か往復して、テンプレートの移動とピアノ線の位置確認とを繰り返すことにより、所定の位置にピアノ線の位置を合わせる。
エレベーターの昇降路内にピアノ線を設置するための技術として、たとえば特許文献1には、「昇降路の最上部に平面方向に所定間隔を置いて設置された型板サポート部材と、型板サポート部材間に跨って乗場側に沿って平行に設けられ、両端部にピアノ線垂下部が設けられた基準型板と、基準型板の両端部にそれぞれ設けられ、内蔵されたモーターにより基準型板の両端部の乗場側と直交方向の平面的な動きを独立して調整制御するX軸方向位置決め装置と、基準型板の中間部に設けられ、内蔵されたモーターにより基準型板の乗場側と平行方向の平面的な動きを調整制御するY軸方向位置決め装置と、X軸方向位置決め装置およびY軸方向位置決め装置を遠隔操作にてリモートコントロールすることが可能なリモコン装置と、基準型板の両端部のピアノ線垂下部から垂下され、下端部に錘が取り付けられたピアノ線と、昇降路ピットに設けられ、ピアノ線の下端部に吊下げられた錘を浸して錘の振り子運動を抑える錘静止用水入り容器とを備えた、エレベータ用基準型板の自動位置決め装置」に関する技術が記載されている。また、特許文献1には、上記構成からなる自動位置決め装置を用いた「エレベータ用基準型板の自動位置決め方法」に関する技術が記載されている。
作業者がピアノ線の設置を終えるまでには、建物の最上階と基準階との間を作業者が階段を使って複数回にわたって往復する必要がある。このため、作業者の身体的な負荷が大きく、ピアノ線の設置完了に要する作業時間も長かった。特許文献1に記載された技術では、テンプレートに相当する基準型板を、リモコン装置を用いた遠隔操作によって移動させることができる。このため、作業者の身体的な負荷を軽減することができる。
特開2009―23801号公報
しかしながら、特許文献1に記載された技術には次のような課題がある。
特許文献1には、基準型板の位置を調整する位置調整機構(X軸方向位置決め装置およびY軸方向位置決め装置)を基準型板にセットし、この基準型板を2つの支持部材(型板サポート部材)に取り付けることが記載されている。その場合、基準型板を支持部材に固定すると、基準型板を動かすことができなくなる。このため、位置調整機構の動作によって基準型板の位置を調整するには、支持部材に位置調整機構を取り付け、この位置調整機構の可動部分に基準型板を取り付ける必要がある。したがって、ピアノ線の位置を基準にエレベーターの各機器を設置し終えるまでの期間は、位置調整機構を支持部材に取り付けておく必要がある。よって、複数の現場でエレベーター機器の設置作業を並行して進める場合は、作業現場の数だけ位置調整機構を取り揃える必要がある。
本発明の目的は、支持部材に支持されるテンプレートの位置を位置調整機構によって調整した後に、テンプレートの位置調整状態を維持したまま、支持部材から位置調整機構を取り外すことができる、テンプレートの位置決め装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、たとえば、特許請求の範囲に記載された構成を採用する。
本願は、上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一つを挙げるならば、昇降路に設置された複数の支持部材に支持されるとともに、ピアノ線の上端部が取り付けられるテンプレートを位置決めする、テンプレートの位置決め装置であって、複数の支持部材は、水平に、かつ互いに平行に設置され、それぞれの支持部材が昇降路の天井および床を除く4つの壁のうちの一の壁と一の壁に対向する他の壁とに取付けられており、テンプレートの位置を調整する位置調整機構と、位置調整機構を支持するとともに、支持部材に対して着脱可能に取り付けられる架台と、位置調整機構によって位置が調整されたテンプレートを支持部材に固定する固定具と、を備える。
本発明によれば、支持部材に支持されるテンプレートの位置を位置調整機構によって調整した後に、テンプレートの位置調整状態を維持したまま、支持部材から位置調整機構を取り外すことができる。
上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明によって明らかにされる。
テンプレートの構成例を示す平面図である。 図1に示すテンプレートをA方向から見た図である。 第1実施形態に係るテンプレートの位置決め装置をエレベーターの昇降路に設置した状態を示す概略側面図である。 第1実施形態に係るテンプレートの位置決め装置の構成例を示す平面図である。 図4に示すテンプレートの位置決め装置を斜め上方から見た図である。 図4に示すテンプレートの位置決め装置を斜め下方から見た図である。 固定具の構成を示す平面図である。 第1実施形態に係るテンプレートの位置決め装置の制御構成を示すブロック図である。 第1実施形態に係るリモートコントローラの一例を示す外観図である。 第1実施形態に係る位置決め装置を用いてピアノ線を設置する場合の施工手順を示すフローチャートである。 第2実施形態に係るテンプレートの位置決め装置の構成例を示す平面図である。 第2実施形態に係る回転ステージの構成例を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。本明細書および図面において、実質的に同一の機能または構成を有する要素については、同一の符号を付し、重複する説明は省略する。また、各々の参照図面は、実施形態に係る装置の構成を概略的に示している。このため、参照図面においては、各部材のスケールや間隔、位置関係などが誇張されている場合、あるいは部材の一部の図示が省略されている場合がある。
図1は、テンプレートの構成例を示す平面図であり、図2は、図1に示すテンプレートをA方向から見た図である。
図1および図2に示すように、テンプレート1は、A方向から見て下向きのC字形をなす長尺状の部材である。テンプレート1は、1つの平板部2と、2つの側板部3,4とを一体に有する。側板部3は平板部2の一方の長辺から直角に曲がっており、側板部4は平板部2の他方の長辺から直角に曲がっている。2つの側板部3,4は、A方向から見て左右に対をなして配置されている。また、側板部3はA方向から見てL字形に形成され、側板部4はA方向から見て逆L字形に形成されている。
テンプレート1の長手方向の一端部と他端部には、それぞれ突起部5が設けられている。突起部5は、テンプレート1の平板部2に固定されている。突起部5は雄ネジ5aを有する。突起部5の雄ネジ5aは、図2に示すように、平板部2の厚み方向において、側板部3,4と反対側に突き出している。また、突起部5には、突起部5の中心軸を貫通する通し孔5bが形成されている。ピアノ線7の上端部は、この通し孔5bを通して突起部5に取り付けられる。突起部5は、テンプレート1の両端部に設けられている。このため、1つのテンプレート1には、2つ(2本)のピアノ線7が取り付けられる。
<第1実施形態>
図3は、第1実施形態に係るテンプレートの位置決め装置をエレベーターの昇降路に設置した状態を示す概略側面図である。また、図4は、第1実施形態に係るテンプレートの位置決め装置の構成例を示す平面図である。また、図5は、図4に示すテンプレートの位置決め装置を斜め上方から見た図であり、図6は、図4に示すテンプレートの位置決め装置を斜め下方から見た図である。
なお、本実施形態においては、各部の形状や位置関係などを明確にするために、作業者がエレベーターホールに立ってエレベーターの出入口を正面から見た場合を基準として、左右方向をX方向、奥行き方向をY方向、上下方向(鉛直方向)をZ方向とする。X方向、Y方向およびZ方向は、互いに直交する方向である。また、X方向は第1の方向に相当し、Y方向は第2の方向に相当する。
図3に示すように、テンプレートの位置決め装置(以下、単に「位置決め装置」ともいう。)10は、後述する位置調整機構を備え、この位置調整機構によってテンプレート1を位置決めする装置である。位置決め装置10は、昇降路11の天井部分(頂部)に取り付けて使用される。テンプレート1の位置決めは、テンプレート1から錘6を用いて吊り下げられたピアノ線7の位置を、予め決められた所定の位置に合わせるために行われる。
建築中のビルでは、昇降路11の最上階に作業台12が設置される。作業台12は、トップステージとも呼ばれる。作業者13は、作業台12に乗って所定の作業を行う。所定の作業には、位置決め装置10の取り付け作業、テンプレート1の取り付け作業、ピアノ線7の取り付け作業などが含まれる。昇降路11の各階の出入口には、作業者13の安全性を確保するための幕14が設置される。また、昇降路11の天井部分には、支持部材の一例として、2つの支持パイプ15が設置されている。2つの支持パイプ15は、互いに平行に配置される。また、各々の支持パイプ15は、図示しない水準器を用いて水平に設置される。なお、2つの支持パイプ15の平行度および水平度に関しては、位置決め装置10を使用してテンプレート1を位置決めするときに支障がない程度の精度が確保されていればよい。また、支持パイプ15の数は2つに限らず3つ以上の場合もあり得る。
各々の支持パイプ15は、円柱状に形成されている。支持パイプ15の一端部は、ネジ式の伸縮部15aになっている。伸縮部15aは、支持パイプ15の中心軸方向に伸縮することにより、支持パイプ15の全長を変える。また、支持パイプ15の一端部には、操作レバー16と、突き当てプレート17とが設けられている。操作レバー16は、支持パイプ15の中心軸回りに回転可能に設けられている。伸縮部15aは、操作レバー16を一方向に回転させると伸び、操作レバー16を反対方向に回転させると縮む。突き当てプレート17は、昇降路11の壁11bに突き当てられる。
上記構成からなる支持パイプ15は、昇降路11の天井および床を除く4つの壁のうち、Y方向で対向する2つの壁11a,11bを利用して固定する。具体的には、支持パイプ15の一方の端部に設けられたプレート18(図7参照)を壁11aに突き当てるとともに、支持パイプ15の他方の端部に設けられた突き当てプレート17を操作レバー16の回転によって壁11bに突き当てる。その際、伸縮部15aが伸びる方向に操作レバー16を回転させることにより、突き当てプレート17を壁11bに強く押し付ける。これにより、昇降路11の天井部分に支持パイプ15を固定することができる。また、図示しない水準器やメジャーなどを使用することにより、2つの支持パイプ15を平行かつ水平に設置することができる。
こうして設置された2つの支持パイプ15の上には、テンプレート1と位置決め装置10とが取り付けられる。
ここで、位置決め装置10の構成について図4~図6を参照して説明する。
位置決め装置10は、テンプレート1の位置を調整する位置調整機構21,22と、位置調整機構21,22を支持する架台24と、位置調整済みのテンプレート1を2つの支持パイプ15に固定する固定具25(図4)と、を備えている。
位置調整機構21は、テンプレート1の位置をX方向で調整する機構である。位置調整機構21は、第1位置調整機構に相当する。位置調整機構21は、固定部31aおよび可動部31bを有する直動アクチュエータ31と、可動部31bの先端部に固定されたブラケット32と、ブラケット32の下面にネジ止めによって取り付けられる把持ステー33と、を備えている。固定部31aは、後述する連結ベース36の下面に固定されている。固定部31aには、可動部31bを移動させるための駆動源(図示せず)と、駆動源の駆動力を可動部31bに伝達する動力伝達機構(図示せず)とが内蔵されている。可動部31bは、固定部31aに内蔵された駆動源の駆動力によってX方向に往復移動する。ブラケット32は、可動部31bと一体にX方向に移動する。把持ステー33は、ブラケット32との間にテンプレート1を把持する部材である。把持ステー33は、ハット型に形成されている。
上記構成からなる位置調整機構21においては、把持ステー33によってテンプレート1を把持した状態で、直動アクチュエータ31の可動部31bを動かすことにより、テンプレート1が可動部31bと一体にX方向に移動する。このため、直動アクチュエータ31の動作により、X方向でテンプレート1の位置を調整することができる。
位置調整機構22は、テンプレート1の位置をY方向で調整する機構である。また、位置調整機構22は、X方向に対するテンプレート1の傾きを調整する機構でもある。つまり、位置調整機構22は、第2位置調整機構および第3位置調整機構を構成する。位置調整機構22は、2つの直動アクチュエータ35と、連結ベース36と、2つのガイドプレート37と、を備えている。2つの直動アクチュエータ35は、X方向に間隔をあけて配置されている。2つの直動アクチュエータ35は、一対のアクチュエータに相当する。各々の直動アクチュエータ35は、固定部35aおよび可動部35bを有する。固定部35aは、架台24に固定されている。固定部35aには、可動部35bを移動させるための駆動源(図示せず)と、駆動源の駆動力を可動部35bに伝達する動力伝達機構(図示せず)とが内蔵されている。可動部35bは、固定部35aに内蔵された駆動源の駆動力によってY方向に往復移動する。可動部35bの先端には連結ピン38が取り付けられている。連結ピン38は、鉛直上向きに配置されている。
連結ベース36は、長尺の板状に形成されている。連結ベース36は、2つの直動アクチュエータ35の可動部35b同士を連結している。連結ベース36は連結部材に相当する。連結ベース36には、丸孔36aと長孔36bとが設けられている。長孔36bは、連結ベース36の長手方向を長軸方向とする孔である。連結ベース36の長手方向における丸孔36aと長孔36bの中心間距離は、X方向における2つの直動アクチュエータ35の間隔と等しく設定されている。丸孔36aには一方の連結ピン38が挿入され、長孔36bには他方の連結ピン38が挿入されている。
2つのガイドプレート37は、X方向に間隔をあけて連結ベース36に取り付けられている。具体的には、各々のガイドプレート37は、連結ベース36の下面に台座39を介して取り付けられている。台座39には、連結ピン38を連結ベース36よりも上側に突出させるための通し孔(図示せず)が設けられている。ガイドプレート37は、X方向から見て門型に形成されている。ガイドプレート37は、Y方向でテンプレート1を挟持する。2つのガイドプレート37は、一対の挟持部材に相当する。
上記構成からなる位置調整機構22においては、2つのガイドプレート37によってテンプレート1を挟持した状態で、2つの直動アクチュエータ35の各可動部35bを同一方向に同量ずつ動かすことにより、テンプレート1が連結ベース36と一体にY方向に移動する。また、2つのガイドプレート37によってテンプレート1を挟持した状態で、2つの直動アクチュエータ35の各可動部35bを異なる方向、および/または、異なる量で動かすことにより、テンプレート1が連結ベース36と一体にY方向に傾く。その際、2つの直動アクチュエータ35の各可動部35bを異なる方向に同量ずつ動かすと、2つのガイドプレート37間の中心位置を中心にテンプレート1が水平面内で回転する。つまり、水平面内でテンプレート1の姿勢が変化する。また、2つの直動アクチュエータ35と連結ベース36とは2つの連結ピン38によって連結され、かつ、各々の連結ピン38がそれぞれに対応する丸孔36aおよび長孔36bに挿入されている。このため、連結ベース36は、丸孔36aに挿入された連結ピン38を中心にY方向に傾くとともに、この連結ベース36の傾きが、連結ピン38と長孔36bとの嵌合によって許容される。このため、2つの直動アクチュエータ35の動作により、テンプレート1の位置をY方向で調整することができるとともに、X方向に対するテンプレート1の傾きを調整することができる。
架台24は、2つの支持パイプ15に対して着脱可能に取り付けられる。架台24は、2つのベースプレート41と、2つの架設ビーム42と、2つの連結ビーム43と、を備えている。2つのベースプレート41は、X方向に間隔をあけて配置されている。ベースプレート41は平板状に形成されている。ベースプレート41は、支持パイプ15の上側周面に、図示しないボルトを用いて固定状態に取り付けられている。したがって、ボルトを緩めて取り外すことにより、支持パイプ15からベースプレート41を取り外すことができる。
2つの架設ビーム42は、2つの支持パイプ15に架け渡して配置されている。また、2つの架設ビーム42は、X方向と平行に配置されている。各々の架設ビーム42は、2つのベースプレート41の上面に載置され、その状態でボルト等(図示せず)によりベースプレート41に固定されている。
2つの連結ビーム43は、2つの架設ビーム42を連結するビームである。連結ビーム43の一端部は、一方の架設ビーム42に固定され、連結ビーム43の他端部は、他方の架設ビーム42に固定されている。2つの連結ビーム43は、X方向に間隔をあけて配置されている。2つの連結ビーム43は、X方向において2つのベースプレート41よりも内側に配置されている。また、2つの連結ビーム43は、Y方向と平行に配置されている。
上述した2つの架設ビーム42および2つの連結ビーム43は、平面視H形のビームを構成しており、このビームの上に2つの直動アクチュエータ35が実装されている。具体的には、直動アクチュエータ35は連結ビーム43の上に載置され、その状態で架設ビーム42に固定されている。
なお、架設ビーム42の数は2つに限らず3つ以上であってもよい。この点は連結ビーム43についても同様である。
また、一対の直動アクチュエータ35は、2つの架設ビーム42のみを用いて実装することも可能である。すなわち、連結ビーム43は必要に応じて設けてもよい。連結ビーム43を設けた場合は、架台24の機械的な強度を高めることができる。このため、各々の直動アクチュエータ35を動作させたときの振動等を抑制することができる。
固定具25は、1つのテンプレート1を2つの支持パイプ15に固定するために2つ設けられる。固定具25は、支持パイプ15の長さ方向(Y方向)においてベースプレート41と異なる位置に配置されている。固定具25は、支持パイプ15の上側周面に、図示しないクランプを用いて固定されている。クランプとしては、ボルトの締め付けによって単管に固定可能なC字形クランプを用いることができる。
固定具25は、図7に示すように、テンプレート1を受けて支持する受け部45と、互いに対向する2つのクランプ部46と、各々のクランプ部46の外面に固定された2つのナット部材47と、ナット部材47に噛み合う2つのクランプボルト48と、を備えている。
受け部45は、テンプレート1を水平面内で移動可能に支持する支持面45aを有する。支持面45aは、平面視矩形に形成されている。支持面45aは、上向きに配置されている。2つのクランプ部46は、受け部45の相対応する2つの辺部から垂直に起立している。このため、固定具25をX方向から見ると、受け部45と2つのクランプ部46は、U字形をなしている。受け部45と2つのクランプ部46は、好ましくは一体構造である。
ナット部材47は、クランプ部46の外面に溶接等によって固定されている。ナット部材47は、図示しない雌ネジを有する。クランプ部46には、ナット部材47の雌ネジよりも大きな径で貫通孔(図示せず)が形成されている。ナット部材47の雌ネジは、クランプ部46の貫通孔と同軸に配置されている。
クランプボルト48は、ナット部材47の雌ネジに噛み合う雄ネジ48aを有する。雄ネジ48aは、ナット部材47の雌ネジに噛み合った状態で、クランプ部46の貫通孔に挿入されている。クランプボルト48(雄ネジ48a)の先端部48bは、クランプ部46の貫通孔を通して支持面45a上に突き出している。2つのクランプボルト48は、Y方向と平行な仮想軸上で互いに対向する状態に配置されている。
上記構成からなる固定具25において、クランプボルト48を回転させると、ナット部材47の雌ネジと雄ネジ48aとの噛み合いにより、クランプボルト48の位置がY方向に移動する。このとき、Y方向におけるクランプボルト48の移動方向および移動量は、クランプボルト48の回転方向および回転量によって決まる。このため、支持面45a上におけるクランプボルト48の先端部48bの突き出し寸法は、クランプボルト48の回転によって任意に調整することができる。また、図7に示すように、受け部45の支持面45aにテンプレート1を載せて支持した状態では、2つのクランプボルト48の先端部48bが、それぞれに対応するテンプレート1の側板部3,4(図1参照)から離間した状態に配置されているため、水平方向におけるテンプレート1の動きが規制されない。このため、テンプレート1は、支持面45aにより水平方向に移動可能に支持される。これに対し、支持面45aに支持されたテンプレート1を2つのクランプボルト48によってY方向の両側から挟み込んだ状態では、水平方向におけるテンプレート1の動きが規制される。つまり、テンプレート1は、2つのクランプボルト48によって固定具25に固定されるととともに、この固定具25を介して支持パイプ15に固定された状態となる。
図8は、第1実施形態に係るテンプレートの位置決め装置の制御構成を示すブロック図である。
図8に示すように、位置決め装置10は、リモートコントローラ(以下、「リモコン」ともいう。)50と、リモコン50との間で信号をやり取りする制御装置52と、を備えている。リモコン50は、無線通信用のアンテナ50aを有する。制御装置52は、無線通信用のアンテナ52aを有する。リモコン50は、図3に示すように、建物の基準階(図例では1階)でピアノ線7の位置を確認する作業者13が使用する機器である。リモコン50は、上述した位置調整機構21,22を遠隔操作する操作機器に相当する。
制御装置52は、直動アクチュエータ31と、一対の直動アクチュエータ35とを、個別に制御する装置である。制御装置52は、たとえば図4に示すように、2つの架設ビーム42の上に載せて固定される。制御装置52は、リモコン50から送信される信号を受信するとともに、受信した信号に応じて直動アクチュエータ31,35の動作を制御する。
図9は、第1実施形態に係るリモートコントローラの一例を示す外観図である。
図9に示すように、リモコン50には、表示部510と、電源ボタン520と、リセットボタン530と、収納姿勢ボタン540と、2つの左右方向移動ボタン550と、4つの前後方向移動ボタン560とが設けられている。
表示部510は、リモコン50を使用して位置調整機構21,22を遠隔操作する場合に作業者13が参照する情報を表示する。作業者13が参照する情報としては、直動アクチュエータ31の動作によってテンプレート1をX方向に移動させるときの移動量、一方の直動アクチュエータ35の動作によってテンプレート1をY方向に移動させるときの移動量、他方の直動アクチュエータ35の動作によってテンプレート1をY方向に移動させるときの移動量などの情報が考えられる。電源ボタン520は、制御装置52および各直動アクチュエータ31,35の電源をオンオフ(入、切)するためのボタンである。リセットボタン530は、各々の直動アクチュエータ31,35ごとに表示部510に表示される上記移動量をゼロにリセットするためのボタンである。収納姿勢ボタン540は、支持パイプ15から架台24と共に取り外した状態(図4に示す状態)の位置調整機構21,22を、収納に適したサイズまで縮小するためのボタンである。収納姿勢ボタン540を押すと、各々の直動アクチュエータ31,35の可動部31b,35bが最も引っ込んだ状態になる。
2つの左右方向移動ボタン550は、直動アクチュエータ31の動作によってテンプレート1をX方向の一方または他方に移動させるためのボタンである。2つの左右方向移動ボタン550のうち、左側の左右方向移動ボタン550を押すと、基準階にいる作業者13から見て2つのピアノ線7が左側に移動し、右側の左右方向移動ボタン550を押すと2つのピアノ線7が右側に移動する。
4つの前後方向移動ボタン560は、一対の直動アクチュエータ35の動作によってテンプレート1をY方向に移動したり、テンプレート1をX方向に対して傾けたりするためのボタンである。4つの前後方向移動ボタン560のうち、上側2つの前後方向移動ボタン560を同時に押すと、基準階にいる作業者13から見て2つのピアノ線7が奥側に移動し、下側2つの前後方向移動ボタン560を同時に押すと2つのピアノ線7が手前側に移動する。また、右上の前後方向移動ボタン560のみを押すと、基準階にいる作業者13から見て右側のピアノ線7が奥側に移動し、左上の前後方向移動ボタン560のみを押すと左側のピアノ線7が奥側に移動する。また、右下の前後方向移動ボタン560のみを押すと、基準階にいる作業者13から見て右側のピアノ線7が手前側に移動し、左下の前後方向移動ボタン560のみを押すと左側のピアノ線7が手前側に移動する。
図10は、第1実施形態に係る位置決め装置を用いてピアノ線を設置する場合の施工手順を示すフローチャートである。以下の施工手順は作業者13によって行われる。作業者13の人数は、施工作業の内容によって1人の場合と複数人の場合とがあるが、以下の説明では作業者13の人数についての記載を省略する。
まず、作業者13は、昇降路11の最上部に作業台12を設置する(ステップS101)。
次に、作業者13は、作業台12に乗って2つの支持パイプ15を設置する(ステップS102)。
次に、作業者13は、図7に示すように、各々の支持パイプ15に固定具25を取り付ける(ステップS103)。
次に、作業者13は、2つの固定具25の上にテンプレート1を設置する(ステップS104)。
次に、作業者13は、2つの支持パイプ15に位置決め装置10を取り付ける(ステップS105)。その際、作業者13は、予め位置決め装置10を組み立てておく。以下に、位置決め装置10の組み立て手順の一例を説明する。
まず、作業者13は、2つの架設ビーム42と2つの連結ビーム43とを平面視H字形に組み付ける。
次に、作業者13は、2つの架設ビーム42を2つのベースプレート41の上に載せて固定する。
次に、作業者13は、2つの架設ビーム42に一対の直動アクチュエータ35を取り付ける。
次に、作業者13は、一対の直動アクチュエータ35の各可動部35bを連結ベース36によって連結する。具体的には、一方の直動アクチュエータ35の可動部35b先端に設けられた連結ピン38を連結ベース36の丸孔36aに挿入するとともに、他方の直動アクチュエータ35の可動部35b先端に設けられた連結ピン38を連結ベース36の長孔36bに挿入する。
次に、作業者13は、連結ベース36の下面に直動アクチュエータ31を取り付けるとともに、直動アクチュエータ31の可動部31bの先端にブラケット32を取り付ける。
次に、作業者13は、連結ベース36の下面に台座39を介してガイドプレート37を取り付ける。
次に、作業者13は、直動アクチュエータ31の可動部31b先端に取り付けられたブラケット32に把持ステー33を取り付ける。
以上で、位置決め装置10の組み立てが完了する。
上記ステップS105において、2つの支持パイプ15に位置決め装置10を取り付ける場合、作業者13は、まず、2つの支持パイプ15にそれぞれベースプレート41を載せる。このとき、作業者13は、2つのガイドプレート37をそれぞれテンプレート1の上に被せる。また、作業者13は、ブラケット32と把持ステー33との間にテンプレート1を挟み込むようにして、把持ステー33をブラケット32にネジ止めによって固定する。
次に、作業者13は、2つのベースプレート41をそれぞれ対応する支持パイプ15にボルト(図示せず)によって固定する。
その後、作業者13は、ピアノ線7と錘6を取り付ける(ステップS106)。このとき、作業者13は、テンプレート1に設けられている突起部5の通し孔5bにピアノ線7を通して、ピアノ線7の一端部(上端部)を突起部5に巻き付けて固定する。また、作業者13は、図5に示すように、ピアノ線7の他端部(下端部)を錘6のフック6aに巻き付けて固定する。
次に、作業者13は、作業台12から降りて、昇降路11の最上階から基準階へと移動し、基準階にスケール60を設置する(ステップS107)。このとき、作業者13は、予め建築事業者によって昇降路11の基準階に表記された基準墨からケガキ作業を行い、基準階において所定の位置を特定できるようにスケール60を設置する。また、作業者13は、たとえば、スケール60の角が所定の位置になるよう、基準階の床面にスケール60を固定する。所定の位置は、ピアノ線7の位置を合わせるべき目標位置である。
次に、作業者13は、所定の位置とピアノ線7の位置とのずれを確認し、このずれが小さくなるようにリモコン50のボタン(左右方向移動ボタン550、前後方向移動ボタン560)を操作する(ステップS108)。このとき、作業者13は、スケール60とは別に用意してある手持ちのスケール(図示せず)を使って、ピアノ線7の位置ずれを確認する。また、作業者13は、所定の位置とピアノ線7の位置とのずれの大きさ、および、ずれの方向に応じて、2つの左右方向移動ボタン550と4つの前後方向移動ボタン560を適宜操作する。これにより、テンプレート1とピアノ線7は、直動アクチュエータ31,35の動作に従って移動する。このとき作業者13は昇降路11の基準階でリモコン50を操作するため、テンプレート1を移動させるために最上階まで移動する必要がない。よって、作業者の身体的な負担を軽減することができる。
次に、作業者13は、上述したリモコン50の操作によってテンプレート1を移動させた場合は、テンプレート1の移動によってピアノ線7の位置ずれが解消したか否かを確認する(ステップS109)。そして、作業者13は、ピアノ線7の位置ずれが解消していない、つまり所定の位置からピアノ線7がずれていると判断した場合は、上記ステップS108に戻ってリモコン50を再度操作する。また、作業者13は、ピアノ線7の位置ずれが解消している、つまり所定の位置にピアノ線7の位置が一致していると判断した場合は、ステップS110の手順に進む。なお、位置調整機構21,22によるテンプレート1の位置の調整は、ステップS109においてピアノ線7の位置ずれが解消していると作業者13が判断した時点で完了する。これにより、ピアノ線7の位置が所定の位置に一致するようにテンプレート1が位置決めされる。
次に、ステップS110において、作業者13は、昇降路11の基準階から最上階へと移動して作業台12に乗り、テンプレート1を固定する。このとき、作業者13は、上記ステップS103で支持パイプ15に取り付けた固定具25を用いて、テンプレート1を支持パイプ15に固定する。具体的には、各々の固定具25において、2つのクランプボルト48を回転させることにより、各々のクランプボルト48の先端部48bをテンプレート1に突き当てるとともに、各々のクランプボルト48を締め付けることにより、合計4つのクランプボルト48を用いてテンプレート1を2つの固定具25に固定する。これにより、テンプレート1は、2つの固定具25を介して、2つの支持パイプ15に固定される。
次に、作業者13は、2つの固定具25をそれぞれに対応する支持パイプ15に取り付けたまま、2つの支持パイプ15から位置決め装置10を取り外す(ステップS111)。具体的には、作業者13は、ブラケット32から把持ステー33を取り外すとともに、支持パイプ15にベースプレート41を固定しているボルトを取り外した後、位置決め装置10を持ち上げる。これにより、2つの固定具25を除いて、支持パイプ15から位置決め装置10を取り外すことができる。
その後、作業者13は、作業台12を降りて、昇降路11の最上階から基準階へと移動し、昇降路11の最下部(ピット)に下部テンプレート62を設置する(ステップS112)。このとき、作業者13は、昇降路11の壁に、X方向に間隔をあけて2つの下部テンプレート支持パイプ64を固定し、これら2つの下部テンプレート支持パイプ64の上に下部テンプレート62を載せて固定する。また、作業者13は、下部テンプレート62と下部テンプレート支持パイプ64を、Z方向においてスケール60と錘6との間に配置する。
次に、作業者13は、ピアノ線7を下部テンプレート62に取り付ける(ステップS113)。下部テンプレート62は、テンプレート1と同様に長尺状に形成されている。下部テンプレート62には、テンプレート1に設けられた2つの突起部5と同じ間隔で2つのピアノ線留め付け部(図示せず)が設けられており、各々のピアノ線留め付け部に1つずつピアノ線7が留め付けられる。これにより、ピアノ線7は、上部のテンプレート1と下部テンプレート62との間に鉛直に設置される。また、上記特許文献1に記載された技術では、ピアノ線の下端部に取り付けられた錘の振り子運動を抑えるために錘静止用水入り容器を準備する必要があるが、上述のようにピアノ線7を下部テンプレート62に取り付けることにより、そのような容器を準備する必要はない。
以上説明したように、第1実施形態に係る位置決め装置10においては、位置調整機構21,22によってテンプレート1の位置を調整した後、2つの固定具25を用いて2つの支持パイプ15にテンプレート1を固定することにより、テンプレート1の位置調整状態を維持したまま、位置調整機構21,22および架台24を支持パイプ15から取り外すことができる。このため、複数の現場でエレベーター機器の設置作業を並行して進める場合は、1つの作業現場につき2つの固定具25を取り揃えるだけ済む。また、ある作業現場で取り外した位置調整機構21,22を別の作業現場に運んで使用することができる。よって、作業現場の数だけ位置調整機構21,22を取り揃える必要がない。したがって、テンプレート1の位置決めに使用する機材の保有数を減らすことができる。
また、第1実施形態においては、テンプレート1の位置をX方向で調整する位置調整機構21と、テンプレート1の位置をY方向で調整するとともに、X方向に対するテンプレート1の傾きを調整する位置調整機構22と、を備えている。これにより、テンプレート1の位置をX方向およびY方向の2方向だけで調整する場合に比べて、テンプレート1の位置調整の自由度を高めることができる。このため、テンプレート1の位置調整が容易になる。また、テンプレート1の位置調整に要する時間を短縮することが可能となる。
また、第1実施形態において、位置調整機構22は、それぞれ可動部35bを有する一対の直動アクチュエータ35を備えている。そして、位置調整機構22は、一対の直動アクチュエータ35の各可動部35bを同一方向に同量ずつ動かすことにより、テンプレート1の位置をY方向で調整するとともに、一対の直動アクチュエータ35の各可動部35bを異なる方向、および/または、異なる量で動かすことにより、X方向に対するテンプレート1の傾きを調整する。これにより、一対の直動アクチュエータ35を備える位置調整機構22を、第2位置調整機構として動作させたり、第3位置調整機構として動作させたりすることができる。
また、第1実施形態において、位置調整機構22は、一対の直動アクチュエータ35の可動部35b同士を連結する連結ベース36と、X方向に間隔をあけて連結ベース36に取り付けられ、Y方向でテンプレート1を挟持する一対のガイドプレート37と、をさらに備えている。これにより、一対のガイドプレート37でテンプレート1を挟持した状態で、一対の直動アクチュエータ35の各可動部35bを動かす方向や量を適宜変えることにより、連結ベース36と一緒にテンプレート1を動かすことができる。
また、第1実施形態において、架台24は、2つの支持パイプ15にそれぞれ着脱可能に取り付けられる2つのベースプレート41と、2つの支持パイプ15に架け渡した状態で2つのベースプレート41に固定された2つの架設ビーム42と、を備えている。また、一対の直動アクチュエータ35は、2つの架設ビーム42に実装されている。これにより、位置調整機構21,22を支持する架台24の重量を軽くし、位置決め装置10の軽量化を図ることができる。
また、第1実施形態において、位置調整機構21は、一対のガイドプレート37の間に位置して連結ベース36に取り付けられている。また、一対のガイドプレート37は、位置調整機構21がテンプレート1の位置をX方向で調整する場合に、テンプレート1の移動を案内する。これにより、Y方向におけるテンプレート1の位置調整に影響を与えることなく、テンプレート1の位置をX方向で調整することができる。
<第2実施形態>
図11は、第2実施形態に係るテンプレートの位置決め装置の構成例を示す平面図である。
第2実施形態に係るテンプレートの位置決め装置(以下、単に「位置決め装置」ともいう。)10Aは、テンプレート1の位置を調整する位置調整機構71と、位置調整機構71を支持する架台72と、位置調整済みのテンプレート1を2つの支持パイプ15に固定する固定具25と、を備えている。支持パイプ15と固定具25については、上記第1実施形態の場合と同様であるため説明を省略する。
架台72は、2つの支持パイプ15に対して着脱可能に取り付けられる。架台72は、2つの支持パイプ15の上に架け渡して配置されたベース部材72aと、このベース部材72aの下面に配置された複数のC字形クランプ(図示せず)と、を備えている。ベース部材72aは、平面視矩形に形成されるとともに、平らな板状に形成されている。ベース部材72aは、支持パイプ15に嵌合させたC字形クランプをボルト(図示せず)で締め付けることにより、支持パイプ15に固定することができる。また、ベース部材72aは、C字形クランプを締め付けているボルトを緩めることにより、C字形クランプと共に支持パイプ15から取り外すことができる。
位置調整機構71は、架台72のベース部材72a上に取り付けられた直動アクチュエータ75および直動ガイド76と、架台72のベース部材72a上に直動ガイド76を介して取り付けられた直動アクチュエータ77と、直動アクチュエータ77の先端部に取り付けられた回転ステージ78と、を備えている。このうち、直動アクチュエータ75および直動ガイド76は、テンプレート1の位置をX方向で調整する第1位置調整機構に相当する。また、直動アクチュエータ77は、テンプレート1の位置をY方向で調整する第2位置調整機構に相当する。また、回転ステージ78は、X方向に対するテンプレート1の傾きを調整する第3調整機構に相当する。
直動アクチュエータ75は、固定部75aおよび可動部75bを有する。固定部75aは、ベース部材72aに固定されている。固定部75aには、可動部75bを移動させるための駆動源(図示せず)と、駆動源の駆動力を可動部75bに伝達する動力伝達機構(図示せず)とが内蔵されている。可動部75bは、固定部75aに内蔵された駆動源の駆動力によってX方向に往復移動する。可動部75bの先端部には連結部材80が取り付けられている。連結部材80は、可動部75bと一体にX方向に移動する。
直動ガイド76は、架台72のベース部材72aに固定された固定ベース76aと、固定ベース76aの上面側に配置された一対のガイドシャフト76bと、一対のガイドシャフト76bに移動自在に支持されたスライダ76cと、を備えている。一対のガイドシャフト76bは、スライダ76cの移動を案内するシャフトである。一対のガイドシャフト76bは、X方向と平行に配置されている。このため、スライダ76cは、一対のガイドシャフト76bによってX方向に移動自在に支持されている。
直動アクチュエータ77は、固定部77aおよび可動部77bを有する。固定部77aは、直動ガイド76のスライダ76cに固定されている。また、固定部77aには連結部材80が取り付けられている。連結部材80は、直動アクチュエータ75の可動部75bと直動アクチュエータ77の固定部77aとを連結する部材である。固定部77aには、可動部77bを移動させるための駆動源(図示せず)と、駆動源の駆動力を可動部77bに伝達する動力伝達機構(図示せず)とが内蔵されている。可動部77bは、固定部77aに内蔵された駆動源の駆動力によってY方向に往復移動する。
回転ステージ78は、テンプレート1を把持する把持部(後述)を有し、この把持部で把持したテンプレート1を水平面内で回転させることにより、X方向に対するテンプレート1の傾きを調整する。なお、直動アクチュエータ75、直動アクチュエータ77および回転ステージ78の各々の動作は、上記第1実施形態の場合と同様に、リモートコントローラから送信される信号を制御装置で受信し、受信した信号に応じて制御装置が制御する構成になっている。制御装置は、ベース部材72aの上に取り付けることが可能である。
図12は、第2実施形態に係る回転ステージの構成例を示す断面図である。
図12に示すように、回転ステージ78は、回転のための駆動源および駆動機構を内蔵するステージ本体78aと、ステージ本体78aの下面側に配置されたホルダー部材78bと、ホルダー部材78bに取り付けられた合計4つ(図12では2つのみ表示)の固定用ネジ78cとを備えている。このうち、ホルダー部材78bと4つの固定用ネジ78cは、テンプレート1を把持する把持部を構成している。
ホルダー部材78bは、ステージ本体78aに内蔵された上記駆動源および駆動機構の動作により、回転ステージ78の中心軸Cを中心に回転する。ホルダー部材78bは、逆U字形に形成されている。ホルダー部材78bは、テンプレート1の上から被せられる。4つの固定用ネジ78cは、Y方向の両側からテンプレート1を挟み込むことにより、テンプレート1を把持する。
上記構成からなる位置調整機構71においては、回転ステージ78が有するホルダー部材78bをテンプレート1に被せて、4つの固定用ネジ78cによりテンプレート1を把持することにより、ホルダー部材78bにテンプレート1が固定される。この状態で回転ステージ78を駆動すると、テンプレート1がホルダー部材78bと一緒に回転する。このため、回転ステージ78の動作により、X方向に対するテンプレート1の傾きを調整することができる。
また、直動アクチュエータ75の可動部75bを動かすと、直動アクチュエータ77が直動ガイド76に案内されてX方向に移動する。このとき、直動アクチュエータ77の可動部77bに取り付けられている回転ステージ78も、直動アクチュエータ77と一体にX方向に移動する。このため、直動アクチュエータ75の動作により、X方向でテンプレート1の位置を調整することができる。また、直動アクチュエータ77の可動部77bを動かすと、回転ステージ78が可動部77bと一体にY方向に移動する。このため、直動アクチュエータ77の動作により、Y方向でテンプレート1の位置を調整することができる。
上記第2実施形態に係る位置決め装置10Aにおいては、位置調整機構71によってテンプレート1の位置を調整した後、2つの固定具25を用いて2つの支持パイプ15にテンプレート1を固定することにより、テンプレート1の位置調整状態を維持したまま、位置調整機構71および架台72を支持パイプ15から取り外すことができる。このため、複数の現場でエレベーター機器の設置作業を並行して進める場合は、1つの作業現場につき2つの固定具25を取り揃えるだけ済む。また、ある作業現場で取り外した位置調整機構71を別の作業現場に運んで使用することができる。よって、作業現場の数だけ位置調整機構71を取り揃える必要がない。したがって、テンプレート1の位置決めに使用する機材の保有数を減らすことができる。
また、第2実施形態においては、テンプレート1の位置をX方向で調整する直動アクチュエータ75と、テンプレート1の位置をY方向で調整する直動アクチュエータ77と、X方向に対するテンプレート1の傾きを調整する回転ステージ78と、を備えている。これにより、テンプレート1の位置をX方向およびY方向の2方向だけで調整する場合に比べて、テンプレート1の位置調整の自由度を高めることができる。このため、テンプレート1の位置調整が容易になる。また、テンプレート1の位置調整に要する時間を短縮することが可能となる。
また、第2実施形態において、位置調整機構71は、テンプレート1を把持する把持部(78b,78c)を有し、この把持部で把持したテンプレート1を水平面内で回転させることにより、X方向に対するテンプレート1の傾きを調整する回転ステージ78を備えている。これにより、テンプレート1の傾き調整を、より簡易な構成および制御によって実現することができる。
また、第2実施形態において、架台72は、2つの支持パイプ15に架け渡した状態で2つの支持部材に着脱可能に取り付けられる板状のベース部材72aを備え、直動アクチュエータ75、直動ガイド76および直動アクチュエータ77は、ベース部材72a上に取り付けられている。これにより、第1位置調整機構(直動アクチュエータ75、直動ガイド76)と第2位置調整機構(直動アクチュエータ77)を、架台72のベース部材72aによって安定的に支持することができる。また、板状のベース部材72aは取り扱いが容易であるため、位置調整機構71および架台72の着脱作業を簡単に行うことができる。
<変形例等>
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例を含む。たとえば、上述した実施形態では、本発明の内容を理解しやすいように詳細に説明しているが、本発明は、上述した実施形態で説明したすべての構成を必ずしも備えるものに限定されない。また、ある実施形態の構成の一部を、他の実施形態の構成に置き換えることが可能である。また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、これを削除し、または他の構成を追加し、あるいは他の構成に置換することも可能である。
また、本発明の好ましい一態様を以下に付記する。
(付記1)
昇降路に設置された複数の支持部材に支持されるとともに、ピアノ線の上端部が取り付けられるテンプレートを位置決めする、テンプレートの位置決め装置であって、
前記テンプレートの位置を調整する位置調整機構を備え、
前記位置調整機構は、
前記テンプレートの位置を第1の方向で調整する第1位置調整機構と、
前記テンプレートの位置を前記第1の方向と直交する第2の方向で調整する第2位置調整機構と、
前記第1の方向に対する前記テンプレートの傾きを調整する第3位置調整機構と、
を備える
テンプレートの位置決め装置。
(付記2)
前記第2位置調整機構および前記第3位置調整機構は、
それぞれ可動部を有し、前記第1の方向に間隔をあけて配置される一対のアクチュエータを備え、
前記一対のアクチュエータの各可動部を同一方向に同量ずつ動かすことにより、前記テンプレートの位置を前記第2の方向で調整するとともに、前記一対のアクチュエータの各可動部を異なる方向、および/または、異なる量で動かすことにより、前記第1の方向に対する前記テンプレートの傾きを調整する
付記1に記載のテンプレートの位置決め装置。
(付記3)
前記第3位置調整機構は、
前記テンプレートを把持する把持部を有し、前記把持部で把持した前記テンプレートを水平面内で回転させることにより、前記第1の方向に対する前記テンプレートの傾きを調整する回転ステージを備える
付記1に記載のテンプレートの位置決め装置。
1…テンプレート、7…ピアノ線、10,10A…位置決め装置、11…昇降路、15…支持パイプ(支持部材)、21…位置調整機構(第1位置調整機構),22…位置調整機構(第2位置調整機構、第3位置調整機構)、24…架台、25…固定具、35…直動アクチュエータ(アクチュエータ)、36…連結ベース(連結部材)、37…ガイドプレート(挟持部材)、41…ベースプレート、42…架設ビーム、43…連結ビーム、50…リモコン(操作機器)、71…位置調整機構、72…架台、75…直動アクチュエータ(第1位置調整機構)、76…直動ガイド(第1位置調整機構)、77…直動アクチュエータ(第2位置調整機構)、78…回転ステージ(第3位置調整機構)、78b…ホルダー部材(把持部)、78c…固定用ネジ(把持部)

Claims (10)

  1. 昇降路に設置された複数の支持部材に支持されるとともに、ピアノ線の上端部が取り付けられるテンプレートを位置決めする、テンプレートの位置決め装置であって、
    前記複数の支持部材は、水平に、かつ互いに平行に設置され、それぞれの前記支持部材が前記昇降路の天井および床を除く4つの壁のうちの一の壁と前記一の壁に対向する他の壁とに取付けられており、
    前記テンプレートの位置を調整する位置調整機構と、
    前記位置調整機構を支持するとともに、前記支持部材に対して着脱可能に取り付けられる架台と、
    前記位置調整機構によって位置が調整された前記テンプレートを前記支持部材に固定する固定具と、
    を備えるテンプレートの位置決め装置。
  2. 前記位置調整機構は、
    前記テンプレートの位置を第1の方向で調整する第1位置調整機構と、
    前記テンプレートの位置を前記第1の方向と直交する第2の方向で調整する第2位置調整機構と、
    前記第1の方向に対する前記テンプレートの傾きを調整する第3位置調整機構と、
    を備える請求項1に記載のテンプレートの位置決め装置。
  3. 前記第2位置調整機構および前記第3位置調整機構は、
    それぞれ可動部を有し、前記第1の方向に間隔をあけて配置される一対のアクチュエータを備え、
    前記一対のアクチュエータの各可動部を同一方向に同量ずつ動かすことにより、前記テンプレートの位置を前記第2の方向で調整するとともに、前記一対のアクチュエータの各可動部を異なる方向、および/または、異なる量で動かすことにより、前記第1の方向に対する前記テンプレートの傾きを調整する
    請求項2に記載のテンプレートの位置決め装置。
  4. 前記第2位置調整機構および前記第3位置調整機構は、
    前記一対のアクチュエータの前記可動部同士を連結する連結部材と、
    前記第1の方向に間隔をあけて前記連結部材に取り付けられ、前記第2の方向で前記テンプレートを挟持する一対の挟持部材と、をさらに備える
    請求項3に記載のテンプレートの位置決め装置。
  5. 前記第1位置調整機構は、前記一対の挟持部材の間に位置して前記連結部材に取り付けられ、
    前記一対の挟持部材は、前記第1位置調整機構が前記テンプレートの位置を前記第1の方向で調整する場合に、前記テンプレートの移動を案内する
    請求項4に記載のテンプレートの位置決め装置。
  6. 前記架台は、前記複数の支持部材にそれぞれ着脱可能に取り付けられる複数のベースプレートと、前記複数の支持部材に架け渡した状態で前記複数のベースプレートに固定された複数の架設ビームと、を備え、
    前記一対のアクチュエータは、前記複数の架設ビームに実装されている
    請求項3に記載のテンプレートの位置決め装置。
  7. 前記架台は、前記複数の架設ビームを連結する連結ビームをさらに備える
    請求項6に記載のテンプレートの位置決め装置。
  8. 前記第3位置調整機構は、
    前記テンプレートを把持する把持部を有し、前記把持部で把持した前記テンプレートを水平面内で回転させることにより、前記第1の方向に対する前記テンプレートの傾きを調整する回転ステージを備える
    請求項2に記載のテンプレートの位置決め装置。
  9. 前記架台は、前記複数の支持部材に架け渡した状態で前記複数の支持部材に着脱可能に取り付けられる板状のベース部材を備え、
    前記第1位置調整機構および前記第2位置調整機構は、前記ベース部材上に取り付けられている
    請求項2に記載のテンプレートの位置決め装置。
  10. 前記位置調整機構を遠隔操作する操作機器を備える
    請求項1に記載のテンプレートの位置決め装置。
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