JP7705105B2 - Cuステーブの損耗検出センサ - Google Patents

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Description

本発明は、高炉内壁に設置されているステーブの損耗を検出する損耗検出センサに関する。
従来、高炉稼働中においても容易に計測が可能な方法として、ステーブ取付ボルトの端部に超音波探触子を接触させて、該ステーブ取付ボルトの長さを超音波にて検出することによりステーブの損耗を検出するセンサ(特許文献1)や、ステーブに埋設されたマーカーに同じく超音波を印加し、その反射時間からマーカーの長さを検出し、これによりステーブの損耗を検出するセンサ(特許文献2)が提案されている。
また、高炉内壁に設置されているCuステーブ内に挿入され、該Cuステーブの損耗を検出する損耗検出センサにおいて、前記Cuステーブの損耗に併せて損耗・断線することで、電気特性変化を引き起こす電気回路が、センサ外壁を構成する金属管の内部に内蔵されており、前記電気回路を構成して前記電気特性変化を引き起こす検出用導線として、前記Cuステーブとともに損耗が予定される先端側部位における長さ方向の異なる位置まで延びる複数の検出用導線が配され、各検出用導線は、前記金属管における炉外となる基端側の位置まで延び、該基端側にて前記電気回路を構成する検出素子として抵抗器が直列接続されたうえで、各検出用導線および抵抗器の組が互いに並列接続されており、この並列接続された電気回路の合成抵抗値の変化に応じてCuステーブの損耗を検出することも提案されている(特許文献3参照)。
特開昭61-264110号公報 特開昭63-73088号公報 特開2020-164996号公報
特許文献1,2に示されるように、超音波により前記ステーブ取付ボルトやマーカーの長さを測定するものでは、測定時のボルト/マーカーの温度やボルト/マーカーとステーブ又は超音波測定の探触子との接触状況、ステーブの内側面の堆積状況等によって測定誤差が大きくなり、精度の向上に限界があるという課題があった。
一方、特許文献3に開示されたCuステーブの損耗検出センサでは、高炉稼働中であっても、内蔵された電気回路が、Cuステーブの損耗に併せて損耗・断線し、これにより並列回路の合成抵抗値の変化をみて、高炉内壁に設置されているCuステーブの損耗を精度よく、効率的に検出することができ、一つの回路でこれら複数回の抵抗値変化を捉えることができる。また、Cuステーブとともに損耗が予定される先端側部位の内部に、前記電気回路を構成して抵抗値変化を引き起こす検出用導線が配されているので、この検出用導線の断線に基づいた確実な損耗状況の検出が行われ、高精度の検出が可能である。
しかも、前記検出用導線が、金属管の炉外の位置となる基端側まで延び、該基端側にて前記電気回路を構成する検出素子として抵抗器が直列に接続されているので、400℃程度の高温となる先端側に耐熱性のある検出用導線のみが配置され、一般的には200℃以上の高温下で動作保証されていない検出素子(抵抗器)が、炉外側の低温部に配置されることにより、10年以上の長期間に亘ってセンサの精度を確保することも可能である。
上述の特許文献3に開示されたCuステーブの損耗検出センサでは、損耗検出センサの先端側部位にCu又はCu合金製の保護管が設けられ、この保護管内に損耗進行を検出する検出用導線が所定の本数で、かつ各々所定の位置に配置されるとともに、保護管内部の隙間には充填材として耐熱性、シール性、絶縁性を兼ねた耐熱セメントやMgO微粉等が充填されており、センサ先端部の温度が400℃以下である高炉の通常操業状態では、何らの問題なく使用することができる。しかし、高生産、高酸素富化、高PCR(高微粉炭吹き込み比)で操業される高炉の場合、センサ先端部の温度が、高頻度で、かつ長期間に亘って例えば800℃以上の高温状態となるので、前記充填材が早期に損傷して、検出用導線が炉内の高温ガスに晒されることが避けられない。この結果、Cuステーブやセンサの先端保護管が損耗する前に検出用導線が損耗・断線することによる誤検出、つまりCuステーブの損耗がセンサの検出点まで達していないにも拘らず、損耗が生じていると誤検出が生じることが確認された。
特に、先端保護管の外径が例えば20mm以上である大径の損耗検出センサでは、Cuステーブからの熱伝導による冷却効果が不十分になり易いので、充填材の劣化・損傷等が顕著となり、Cuステーブの損耗を測定する精度が低下し易い傾向がある。すなわち、先端保護管の炉内側に位置する充填材が表面側から徐々に損傷・剥離して、先端保護管の内部が、Na、Zn等アルカリ成分を含む炉内の高温ガスに曝された状態で、急激な温度変動を生じると、先端保護管の内部の検出用導線被覆が損傷し、Fe粉、C粉等からなる炉内装入物が複数の損傷検出用導線と接触して、検出用導線の絶縁状態を維持することが困難となる。この結果、検出回路の電気的特性が変動して、先端保護管内の充填材の早期損傷に起因した見かけ上の損耗進行等が生じることが判明した。
そこで、上述の状況に鑑み、本発明が解決しようとするところは、炉内の温度レベルが極めて高く、かつ温度変動の激しい高炉のシャフト下部~炉腹部位においても、Cuステーブの損耗進行を長期に亘って精度よく測定できる損耗検出センサを提供する点にある。
本発明は、以下の発明を包含する。
(1) 高炉内壁に設置されているCuステーブ内に挿入され、該Cuステーブの損耗を検出する高炉のCuステーブの損耗検出センサであって、前記Cuステーブの損耗に伴って損耗・断線することで、電気特性変化を引き起こす電気回路がセンサ本体内に収容されており、前記電気回路を構成して前記電気特性変化を引き起こす検出用導線を有する複数の導線ユニットが、前記Cuステーブとともに損耗が予定される前記センサ本体の先端側部材における長さ方向の異なる位置まで伸びるように配され、前記各導線ユニットの検出用導線は、前記センサ本体における炉外となる基端部側の位置まで伸び、該基端部側にて前記電気回路を構成する検出素子として抵抗器が直列接続されたうえで、前記各検出用導線及び前記各抵抗器の組が互いに並列接続されており、前記センサ本体の少なくとも前記Cuステーブとともに損耗が予定される先端側部材は、CuまたはCu合金製無垢材の棒状体からなり、前記先端側部材には、前記各導線ユニットをそれぞれ個別に収容する複数の収容孔が設けられるとともに、前記導線ユニットが、前記収容孔の内部に収容され、前記並列接続された前記電気回路の合成抵抗値の変化によりCuステーブの損耗を検出する、高炉のCuステーブの損耗検出センサ。
(2) 前記検出素子を介して前記電気回路がデータ処理装置に接続される、(1)記載の高炉用Cuステーブの損耗検出センサ。
(3) 前記センサ本体内に温度センサが収容されている、(1)又は(2)記載の高炉用Cuステーブの損耗検出センサ。
本発明によれば、高炉の稼働時にCuステーブが高温に加熱されると、その熱が、CuまたはCu合金製無垢材の棒状体からなる先端側部材から、検出用導線を有する各導線ユニットに対して迅速に伝達されて、Cuステーブとセンサ本体の先端側部材とが同様の温度分布状態となり、Cuステーブに損耗が生じるとセンサ本体の先端側部材も略同時に損耗が生じる。したがって、Cuステーブに損耗が生じる前に、検出用導線が炉内の高温ガスに晒されることに起因した誤検出の発生が効果的に防止され、Cuステーブの損耗進行を長期に亘って精度よく測定することができる。また、高炉稼働中であっても、センサの先端側部材に内蔵された電気回路が、Cuステーブの損耗に併せて損耗・断線し、これにより並列回路の合成抵抗値の変化をみて、高炉内壁に設置されているCuステーブの損耗をより精度良く、効率的に検出することができ、一つの回路でこれら複数回の抵抗値変化を捉えることができる。これにより、高炉用Cuステーブの損耗量をより精度良く、一つの回路として連続して検出を行うことができる。
また、Cuステーブとともに損耗が予定される先端側部材の内部に、前記電気回路を構成して抵抗値変化を引き起こす検出用導線を配したので、検出用導線の断線に基づいた確実な損耗状況の検出が行われ、高精度の検出が可能となる。さらに、前記先端側部材の内部に、該先端側部材における長さ方向の異なる位置まで延びる複数の検出用導線を配したので、Cuステーブの損耗を複数の位置で検出でき、より詳細な損耗状況の把握が可能となる。しかも、前記検出用導線が金属管の炉外の位置となる基端側まで延び、該基端側にて前記電気回路を構成する検出素子として抵抗器が直列に接続されているので、高温となる先端側に耐熱性のある検出用導線のみ配置し、一般的には200℃以上の高温下で動作保証されていない検出素子(抵抗器)を、炉外側の低温部に配置して、20年以上の長期間に亘ってセンサの精度を確保することも可能となる。
また、前記検出素子としての抵抗器を介して前記電気回路がデータ処理装置に接続されるものでは、高炉用Cuステーブの損耗管理をオンラインで行うことができるとともに、高炉の高さ方向および円周方向の各部位にセンサ複数本を適正に配置することによる高炉全体の測定・管理も効率的に行うことが可能となる。
さらに、前記センサ本体内に温度センサが内蔵されたものでは、損耗状況の管理に加えて高炉用Cuステーブの温度状況を測定することで、損耗進行度合いと温度レベルとの関係性といったより詳細な高炉状況を得ることができるとともに、従来のCuステーブの温度測定を目的に設置している高炉用Cuステーブ温度計の交換品としての運用が、センサ本体および取付フランジ等を従来の高炉用Cuステーブ温度計と同寸法にて設計することで可能となる。
本発明の実施形態に係る損耗検出センサの概略構成を示す断面図である。 前記損耗検出センサの設置状態を示す断面図である。 前記損耗検出センサの導線ユニットを示す断面図である。 前記損耗検出センサの電気回路を示すイメージ図である。 前記損耗検出センサの先端側部材を示す要部説明図である。 (a)パターンにおける合成抵抗値の変化を示すグラフである。 (b)パターンにおける合成抵抗値の変化を示すグラフである。
次に、本発明の実施形態を添付図面に基づき詳細に説明する。
図2は、本発明に係る損耗検出センサ1が取り付けられる高炉内壁を示している。この高炉内壁は、冷却水管路101が設けられたCuステーブ100と、その外面側に配設されたキャスタブル(耐火骨材)102と、その外面側に配設された鉄皮からなるライニング103とを備えている。このライニング103には、損耗検出センサ1の挿通部61と取付用の取合フランジ62とを有する計装ガイド管6が、シールプレート63を介して溶接、固定されている。
本発明に係る損耗検出センサ1は、図1及び図5にも示すように、Cuステーブ100の損耗に伴って損耗・断線することで、電気特性変化を引き起こす電気回路2が内蔵されたセンサ本体3を有している。このセンサ本体3の先端側部材30には、前記電気回路2を構成して、その電気特性変化を引き起こす検出用導線40を有する複数の導線ユニット4が配置されている。
また、センサ本体3の長手方向略中央部には、前記取合フランジ62に固定される取付合フランジ11と、この取付合フランジ11をセンサ本体3に固定するためのコンプレッションフィッティング12とが設けられている。そして、取付合フランジ11が計装ガイド管6の取合フランジ62にボルト止めされる等により、センサ本体3の先端側部材30がCuステーブ100内に挿入された状態で固定されるようになっている。
導線ユニット4は、図3に示すように、Cu材またはステンレス鋼等からなる金属製保護管41と、その先端部を封止する封止体42とを有している。金属製保護管41内には、その長さ方向に延びるように検出用導線40が配設されるとともに、この検出用導線40が金属製保護管41の先端部近傍において折り返されることにより、この検出用導線40が損耗検出センサ1の基端部側から先端部側に延びるように設置されている。また、金属製保護管41内には、MgO等の耐熱性及び絶縁性を有する粒状物からなる充填材43が充填され、この充填材43によって金属製保護管41と検出用導線40との隙間が埋められている。
上述のように各検出用導線40が金属製保護管41内に配設されることで安定して保持され、それぞれの先端部に位置する折り返し点が正確に固定される。また、金属製保護管41内に配設されたMgO等からなる充填材43により各検出用導線40の耐熱性及び絶縁性が保持されるため、その短絡等を効果的に防止するとともに、検出用導線40が炉内の高温ガスに晒されることによる損傷を防止することができる。
センサ本体3の先端側部材30は、Cuステーブ100と同質の材料、具体的には、CuまたはCu合金製無垢材の棒状体からなっている。このような先端側部材30は、Cuステーブ100と同程度の損耗性を有し、Cuステーブ100に損耗が生じると、これと一体的に損耗する。このため、先端側部材30の内部に収容された導線ユニット4の検出用導線40も、Cuステーブ100の損耗面と同じ位置で損耗し、該検出用導線40の断線による電気特性変化を引き起こし、精度よくCuステーブ100の損耗を検出できるように構成されている。同じ趣旨で、導線ユニット4の金属製保護管41及び検出用導線40についてもCuステーブ100と同材質のCu又はCu合金製の導線を用いることが好ましい。
センサ本体3の先端側部材30には、その長手方向に延びる深孔加工が施されることにより、前記複数の導線ユニット4をそれぞれ個別に収容する複数の収容孔33が設けられるとともに、各収容孔33の内部に各導線ユニット4がそれぞれ収容されるように構成されている。また、各収容孔33の孔深さが調整されることにより、各収容孔33の先端位置(A1、A2、・・・)、つまりセンサ本体3の先端面から距離が、それぞれ異なるように設定されている。
上述の構成において、各導線ユニット4を各収容孔33内に挿入した際に、各導線ユニット4の先端側に位置する検出用導線40の折り返し点が、それぞれ先端側部材30内の異なる位置に配置されようになっている。この結果、Cuステーブ100に損耗が生じた際に、センサ本体3の先端側に位置する検出用導線40から順に損耗・断線が発生して、電気回路2に順次電気特性の変化が引き起こされる。また、検出用導線40の先端部からなる検出部を、センサ本体3の先端側部材30内にまとめることで、多くの検出点を配置することが可能となる。
また、先端側部材30の長さが、Cuステーブ100の少なくとも炉内側先端から冷却水管路101の炉内側の内周面に対応する位置までの範囲以上とされることにより、先端側部材30内に収容された導線ユニット4の検出用導線40により当該範囲における損耗の程度を検出できるように構成することが好ましい。すなわち、Cuステーブ100の損耗が冷却水管路101に至る前に、損耗の程度を検出・把握し、冷却水管路101が損傷して水漏れを起こす前に事前に対処できるように、前記先端側部材30の長さを設定することが好ましい。
電気回路2を構成する各検出用導線40の基端側は、図1及び図4に示すように、センサ本体3の先端側部材30、及びその基端側に位置する中間保護管31を通じてセンサ本体3内における炉外側に位置する部位まで延びるとともに、中間保護管31の基端側に位置する基端側保護管32内において、同じく電気回路2を構成する各検出素子21にそれぞれ接続されている。すなわち、炉内側に位置する高温の部位には耐熱性のある導線ユニット4のみが配置され、炉外側に位置する低温の部位に検出素子21が配置されている。これにより炉内に生じた温度変化の影響が検出素子21に及ぶのを防止するように構成されている。
本発明に係る損耗検出センサ1は、上述のようにセンサ本体3の少なくともCuステーブ100とともに損耗が予定される先端側部材30が、CuまたはCu合金製無垢材の棒状体からなり、かつ先端側部材30に各導線ユニット4をそれぞれ個別に収容する複数の収容孔33が設けられるとともに、導線ユニット4が収容孔33の内部にそれぞれ収容されたものである。このため、損耗検出センサ1の先端部分に設けられた金属製保護管内に、損耗進行を検出する検出用導線と耐熱セメントやMgO微粉等からなる充填材が充填された従来技術のように、センサ先端部の温度が、高頻度で、かつ長期間に亘って例えば800℃以上の高温状態となった場合に、前記充填材が早期に損傷して、検出用導線が炉内の高温ガスに晒されることがなく、これに起因した誤検出の発生を防止することができる。
すなわち、高炉の稼働時にCuステーブ100が高温に加熱されると、その熱がCuまたはCu合金製無垢材の棒状体からなる先端側部材30に対して迅速に伝達されて、両者が同様の温度分布状態となるため、Cuステーブ100に損耗が生じるとセンサ本体3の先端側部材30も略同時に損耗が生じることになる。したがって、Cuステーブ100に損耗が生じる前に、検出用導線40が炉内に露出することに起因した誤検出の発生が効果的に防止され、Cuステーブ100の損耗進行を長期に亘って精度よく測定することができる。なお、Cuステーブ100の熱を、先端部材30内の導線ユニット4に対しても、より迅速に伝達し、Cuステーブ100と導線ユニット4とを略同時に損耗させるようにして、検出精度をさらに向上させるためには、各導線ユニット4の周面を収容孔33の内面に密着させた状態とすることが好ましい。
上述のように検出用導線40が損耗・断線して引き起こす電気回路2の電気特性変化は、本例では検出用導線40の断線による抵抗値変化としている。すなわち、Cuステーブ100の損耗に応じて先端側部材30に内蔵されたた導線ユニット4の検出用導線40が損耗し、この検出用導線40が断線することで抵抗値が変化することを利用して、Cuステーブ100の損耗状況を検出するものである。その他、例えば検出用導線40の導通の有無により断線を判定することにより、Cuステーブ100の損耗状況を検出するものや、検出用導線40に熱電対線を使用し、その起電力測定により断線を判定することによりCuステーブ100の損耗状況を検出するもの等であってもよい。
本実施形態では、図4に示すように、上記検出素子21として、各検出用導線40の基端側に、電気回路2を構成する抵抗器9がそれぞれ直列接続されたうえで、各検出用導線40および抵抗器9の組が互いに並列接続され、外部の計測器91にて合成抵抗値を計測できるように構成されている。すなわち、本実施形態では、電気回路2が、Cuステーブ100に挿入される先端側部材30における長さ方向の異なる位置まで延び、Cuステーブ100の損耗に併せて順次断線する複数の検出用導線40と、これに接続された抵抗器9とからなる各径路を並列に接続した並列回路からなり、各経路(検出用導線40)が断線する毎に段階的に増加する合成抵抗値を捉えることで、Cuステーブ100の損耗状況を把握するように構成されている。
各検出用導線40および抵抗器9からなる経路の抵抗値(抵抗器9の抵抗値)を一定値とした場合、センサ本体3の先端側部材30の損耗量が少なく、断線経路数も少ない損耗の初期段階では、その合成抵抗値の変化が後述のように微小となり、高い検出精度が要求される。これに対し、各検出用導線40および抵抗器9からなる経路の抵抗値(抵抗器9の抵抗値)を、経路断線による抵抗値変化が常に一定の変化量(増加量)となるように設定した場合、合成抵抗値の変化が後述のように一定となり、電気回路2をデータ処理装置に接続することで、特別な電気信号の処理を必要とせず、損耗状況を常に視覚的に把握し易いデータとして出力することが可能となる。
例えば、表1に示すように、各検出用導線40の断線検出位置をセンサ先端から10mm間隔で、10経路分だけ配置し、各径路が持つ抵抗値Ωを、それぞれ(a)断線毎の抵抗値の増加量が一定となるように設定(20Ω、60Ω、120Ω・・)、(b)各径路の抵抗値を一定(100Ω)に設定し、センサ先端からの損耗状況に応じて、検知用導線40が先端側(経路1)から順次断線された場合の合成抵抗値を求めた(表2)。
図6は、表2に示された(a)パターンにおける合成抵抗値Ωの変化を示すグラフである。また、図7は、表2に示された(b)パターンにおける合成抵抗値Ωの変化を示すグラフである。Cuステーブの損耗に応じて、位置Akまでの検出用導線40が断線した場合の合成抵抗値Ωの値Rkは、1/{(1/Rk+1)+(1/Rk+2)+・・・+(1/Rn)}で算出される。
Figure 0007705105000001
Figure 0007705105000002
(a)パターンの場合におけるグラフでは、図6に示すように、損耗の進行度合いに関わらず常に合成抵抗値Ωの変化量(増加量)が、一定となる。これに対して、(b)パターンの場合におけるグラフでは、図7に示すように、損耗初期段階における合成抵抗値Ωの変化量が僅かであることが分かる。電気回路2と接続する測定器を考えた場合、(b)パターンでは、損耗初期段階のわずかな合成抵抗値Ωの変化を測定するために高い検出精度が必要となる。これに対して、(a)パターンでは、損耗の全段階で合成抵抗値Ωが一定の割合で変化量するために、一定の検出精度で過不足なく測定することができる。また、得られるデータについても、(a)パターンの場合には常に一定の変化量であるから定量的に損耗状況を把握し易いことが明らかである。
そして、合成抵抗値Ωの変化が生じる電気回路2を外部のデータ処理装置としての計測器91に接続するだけで、特別な電気信号の処理を必要とすることなく、Cuステーブ100の損耗状況が容易に判定可能なデータを出力することができる。このような計測器91により、Cuステーブ100の損耗状況のオンライン管理が可能である。また、計測器91が出力する信号を、有線または無線の通信網を介して別途設けたデータ処理装置に送信するように構成すれば、遠隔でのオンライン監視も可能となる。
また、本例の損耗検出センサ1は、図1、図4、図5に示すように、熱電対50等からなる温度センサ5を内蔵し、この温度センサ5がセンサ本体3の基端側から延出して外部の計測器51に接続されたものであってもよい。前記温度センサ5として熱電対以外を使用可能であることは勿論であり、かつ温度センサ5の測温位置も任意に設定できる。このような温度センサ5を備えた損耗検出センサ1は、高炉の測温機能を併せ持ち、Cuステーブ100の損耗進行と温度履歴との関係も把握可能とされている。
上述のような温度センサ5付きの損耗検出センサ1とすれば、高炉の操業解析、設備管理に効果的であり、しかもセンサの外形寸法や接続用合フランジを既設のステーブ温度計と同じサイズに設定することで、該ステーブ温度計と交換して使用することが可能となり、既設の高炉に対して容易に設置することができる。例えば、口径11mmの設置孔に既設のステーブ温度計が設置された高炉の場合、前記温度センサ5を備えた損耗検出センサ1の外径を10mm程度とすることにより、高炉の稼働中であっても通常の定期点検時等に温度センサ5付きの損耗検出センサ1を既設のステーブ温度計と交換して取り付けることが可能である。
なお、Cuステーブ100を新規に設計する際等において、例えば口径30mmの設置孔を高炉のCuステーブ100に設け、この設置孔に29mm程度の外径を有するとともに、温度センサ5と多数(26本程度)の導線ユニット4が配設された損耗検出センサ1を設置することも可能である。このように多点検出型の損耗検出センサ1を用いることで、Cuステーブ100の損耗進行を、容易かつ詳細に検出することができる。
損耗検出センサ1は、高炉の高さ方向、円周方向に複数配置することで、高炉操業、炉体管理センサにも成り得る。本発明の損耗検出センサ1は、高炉内壁に設置されているCuステーブの損耗進行を20年以上の長期間にわたりオンラインにて精度良く検出することが可能となり、高炉寿命に関わる箇所(朝顔部、炉腹部、シャフト下部)の炉体管理に適している。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこうした実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる形態で実施し得ることは勿論である。また、本発明に係る損耗検出センサ1の先端側部材30を、FCDステーブや鋳鋼製ライナーの損耗を検出するために同等の材質FCDや鋳鋼とすることにより、各々の損耗検出センサとして応用することも可能である。
1 損耗検出センサ
2 電気回路
3 センサ本体
5 温度センサ
6 計装ガイド管
9 抵抗器
11 取付合フランジ
21 検出素子
30 先端側部材
31 中間保護管
32 基端側保護管
40 検出用導線
50 熱電対
51 計測器
60 コンプレッションフィッティング
62 取合フランジ
91 計測器
100 Cuステーブ
101 冷却水管路
102 キャスタブル
103 鉄皮

Claims (3)

  1. 高炉内壁に設置されているCuステーブ内に挿入され、該Cuステーブの損耗を検出する高炉のCuステーブの損耗検出センサであって、
    前記Cuステーブの損耗に伴って損耗・断線することで、電気特性変化を引き起こす電気回路がセンサ本体内に収容されており、
    前記電気回路を構成して前記電気特性変化を引き起こす検出用導線を有する複数の導線ユニットが、前記Cuステーブとともに損耗が予定される前記センサ本体の先端側部材における長さ方向の異なる位置まで伸びるように配され、
    前記各導線ユニットの検出用導線は、前記センサ本体における炉外となる基端部側の位置まで伸び、該基端部側にて前記電気回路を構成する検出素子として抵抗器が直列接続されたうえで、前記各検出用導線及び前記各抵抗器の組が互いに並列接続されており、
    前記センサ本体の少なくとも前記Cuステーブとともに損耗が予定される先端側部材は、CuまたはCu合金製無垢材の棒状体からなり、
    前記先端側部材には、前記各導線ユニットをそれぞれ個別に収容する複数の収容孔が設けられるとともに、前記導線ユニットが、前記収容孔の内部に収容され、
    前記並列接続された前記電気回路の合成抵抗値の変化によりCuステーブの損耗を検出する、
    高炉のCuステーブの損耗検出センサ。
  2. 前記検出素子を介して前記電気回路がデータ処理装置接続される、
    請求項1記載の高炉のCuステーブの損耗検出センサ。
  3. 前記センサ本体内に温度センサが収容されている、
    請求項1又は2記載の高炉のCuステーブの損耗検出センサ。
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