JP7714910B2 - 複合繊維 - Google Patents
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Description
(1)2種類以上の成分が横断面を構成する複合繊維において、各成分の形態が多様性を持ったマーブル模様状の複合形態を有しており、該複合形態が繊維軸方向に連続であり、該繊維を構成する少なくとも1種類の成分の横断面が、平均円形度0.20以上、0.80以下であり、円形度の最小値と最大値の差が0.30以上あり、U%が1.0%以下であることを特徴とする複合繊維。
(2)該横断面の円形度0.10以下のセグメントがセグメント総数に対して1~20%存在することを特徴とする(1)に記載の複合繊維。
(3)構成する成分がいずれもポリエステルであることを特徴とする(1)または(2)に記載の複合繊維。
(4)(1)から(3)のいずれかに記載の複合繊維が少なくとも一部に含まれる繊維製品。
(成分の円形度)={4π×成分の面積/(成分の周囲長)2}
として求めることができ、本発明においては、以下のようにして求めるものである。
また、界面剥離抑制と複合断面を良好とする観点では、該繊維を構成する成分間の溶解度パラメーター差は小さい方が良く、界面を形成する2種類の成分の溶解度パラメーター差が3.0以下となるようポリマーを選択するとよい。なお、ここで言う溶解度パラメーター(SP値)差とは、(蒸発エネルギー/モル容積)1/2で定義される物質の凝集力を反映するパラメーターを意味し、例えば「プラスチック・データブック」旭化成アミダス株式会社/プラスチック編集部共編、189ページ等に記載の値を用いることができる。特に、本発明の複合繊維をテキスタイルとした後に、1種類の成分を溶出させ、不揃いな断面の極細繊維を発生させる場合には、該繊維を構成する成分をアルカリ易溶解性ポリマーとアルカリ難溶解性ポリマーとし、アルカリ減量処理を行うとよい。例えば、該繊維を構成する成分をアルカリ易溶解性ポリエステルとアルカリ難溶解性ポリエステル、あるいは、アルカリ易溶解性ポリエステルとポリアミド(アルカリ難溶解性)とすれば、アルカリ減量処理により、アルカリ難溶解性ポリマーからなる不揃いな断面の極細繊維が発生することとなり、断面形状に由来した自然な斑が得られるため好適である。
本発明の複合繊維を活用することで、天然繊維のような自然な斑と柔らかな手触りを有するテキスタイルが得られることから、本発明は、インナーやアウターなどの一般衣料用途からカーテン・クロスなどのインテリア用途など衣料・アパレル用途として幅広く用いることができる。
実施例および比較例については、下記の評価を行った。
なお、測定温度は紡糸温度と同様にし、実施例あるいは比較例には、1216s-1の溶融粘度を記載している。なお、加熱炉にサンプルを投入してから測定開始までを5分とし、窒素雰囲気下で測定を行った。
チップ状のポリマーを真空乾燥機によって、水分率200ppm以下とし、約5mgを秤量し、TAインスツルメント製示差走査熱量計(DSC)Q2000型を用いて、0℃から300℃まで昇温速度16℃/分で昇温後、300℃で5分間保持してDSC測定を行った。昇温過程中に観測された融解ピークより融点を算出した。測定は1試料につき3回行い、その平均値を融点とした。なお、融解ピークが複数観測された場合には、最も高温側の融解ピークトップを融点とした。
溶解度パラメーター(SP値)は、(蒸発エネルギー/モル容積)の平方根で定義される物質の凝集力を反映するパラメーターであり、種々の溶剤にポリマーを浸漬させ、膨潤の圧が極大となる溶剤の(蒸発エネルギー/モル容積)の値を該ポリマーの(蒸発エネルギー/モル容積)とすることにより求めることができる。このようにして求められたSP値は、例えば「プラスチック・データブック」旭化成アミダス株式会社/プラスチック編集部共編、189ページ等に記載されており、この値を用いることができる。また、組み合わせるポリマーの溶解度パラメーター差は、(A成分のSP値-B成分のSP値)の絶対値として算出する。
複合繊維の100mの重量を測定し、その値を100倍した値を算出した。この測定を10回繰り返し、その平均値を繊度(dtex)とした。また上記の繊度をフィラメント数で割った値を単糸繊度(dtex)とした。
繊度斑測定装置Zellweger製(UT-4)を用いて、供糸速度100m/分、ツイスター回転数6000rpm、測定長100mの条件で、複合繊維のウスターU%(H)を測定した。
吐出直後の複合繊維を繊維軸方向の任意の位置で繊維軸方向とほぼ垂直に切断し、その切断面をOLYMPUS製 光学顕微鏡にて単糸の横断面を構成する成分の界面が観察できる倍率で撮影した。画像処理ソフト(WINROOF)を用いて、1本の単糸横断面を抽出した後、グレースケール画像に変換し、閾値を調整して2値化処理を行った。2値化処理された画像からある特定成分を表すセグメントの断面パラメーターを読み取り、その抽出されたすべてのセグメントの円形度を測定した。同様の処理を5本の単糸横断面について繰り返し行い、求められた各セグメントの円形度を算術平均し、小数点第3位以下を四捨五入して平均円形度とした。なお、各セグメントの円形度は画像処理ソフトにより以下の式で算出した。
(セグメントの円形度)={4π×セグメントの面積/(セグメントの周囲長)2}
抽出されたすべてのセグメントのうち、円形度が最大のものと最小のセグメントの円形度の差を求めた。
上述した2値化処理された画像で抽出されたすべてのセグメントのうち、円形度が0.10以下のセグメント数のセグメント総数に対する割合を算出した。
複合繊維を織密度が180本/2.54cmとなるように繊維の本数を調整し、平織地を作製した。得られた平織地を80℃で20分間精練し、次の染色条件で染色した。
染料:NICHILON BLUE(日成化成製) 3.0%owf
助剤:ウルトラN-2(ミテジマ化学製) 0.5g/L
分散剤:RAP-250(明成化学製) 0.5g/L
染色条件:50℃×20分 → 100℃×30分。
A:明瞭な濃淡がある。
B:やや不明瞭だが濃淡がある。
C:単調。
複合繊維を織密度が180本/2.54cmとなるように繊維の本数を調整し、平織地を作製した。得られた平織地を90℃に加熱した濃度1%の水酸化ナトリウム水溶液に30分間浸漬した後に水洗いして、60℃に設定した熱風乾燥機で30分間乾燥させた。アルカリ処理した平織地の外観を検査者(5人)により次の基準に基づき4段階判定した。
S:自然で艶やかな光沢がある。
A:自然な光沢がある。
B:細かいちらつきがある。
C:ぎらつきがある。
外観評価で使用したアルカリ処理した平織地について、手触りを検査者(5人)の触感により次の基準に基づき4段階判定した。
S:柔らかみがあり、手触りが優れている。
A:手触りが良好。
B:衣料用途として使用可能なレベル。
C:手触りが悪い。
複合繊維を織密度が180本/2.54cmとなるように繊維の本数を調整し、平織地を作製した。得られた平織地について、フロスティング処理を強条件(湿潤状態、荷重:7.36N)または弱条件(乾状態、荷重:4.12N)で行った後、平織地を繊維軸方向と垂直に切断し、その繊維断面をHITACHI製 走査型電子顕微鏡(SEM)にて撮影して、得られた繊維断面写真の切断面に界面剥離が存在するかを観察した。この時、耐剥離性を次の基準に基づき3段階判定した。
A:強条件のフロスティング後でも界面剥離なし。
B:強条件のフロスティング後では界面剥離が存在するが、弱条件では界面剥離なし
C:弱条件のフロスティング後でも界面剥離が存在する。
複合繊維の高次加工通過性は3kg巻きパーンを仮撚加工したときの糸切れ回数により3段階評価した。仮撚加工条件は、加工速度500m/min、延伸倍率1.05倍、仮撚加工温度130℃(熱板長2.0m)、仮撚数3000T/Mとし、仮撚加工した際の単糸切れを含めた糸切れ回数から高次加工性を評価した。仮撚加工の操業への支障を最小限に抑えられる範囲として、加工時の糸切れ回数が4回以下となることを好適な範囲とした。さらにこの糸切れ回数が1回以下であれば、仮撚加工の操業への支障がないと言えるので、優れた高次加工通過性を有すると判定した。
A:糸切れ回数0~1回
B:糸切れ回数2~4回
C:糸切れ回数5回以上。
A成分として、ポリエチレンテレフタレート(PET、溶融粘度:120Pa・s、融点:254℃、SP値:21.4MPa1/2)と、B成分として、5-ナトリウムスルホイソフタル酸8.0モル%、ポリエチレングリコールを9wt%共重合したポリエチレンテレフタレート(SSIA-PEG共重合PET、溶融粘度:95Pa・s、融点:233℃、SP値:22.9MPa1/2)を準備した。なお、組み合わせたポリマーの溶解度パラメーター差は1.5MPaであった。
実施例1に記載の方法において、合流プレートの合流段数を1段(実施例2)、3段(実施例3)、6段(実施例4)、7段(実施例5)と変更する以外はすべて実施例1と同じに実施した。これらの複合繊維の評価結果は、表1に示すとおりであるが、合流段数に関わらず複合繊維の横断面で各成分はマーブル模様状に練り込まれた構造を形成していた。なお、横断面のマーブル模様状の複合形態は繊維軸方向に連続していた。実施例2と実施例4~5では、円形度0.1以下のセグメントが存在しないことから、強条件のフロスティングで界面剥離が観察され、耐剥離性は若干低下したが、高次加工通過性は良好であった。また、実施例4~6では、合流段数の増加にともない、より微細なマーブル模様状の構造となることから、溶解処理後に得られる不揃いな断面の極細繊維がナノファイバーオーダーの直径となり、特にソフトでしなやかな風合いを有していた。なお、実施例2から実施例5のすべてにおいて、複合繊維を100kg製糸したときに糸切れ回数は発生せず、製糸性は良好であった。
実施例1に記載の方法において、A/B成分の複合比率を30/70(実施例5)、70/30(実施例6)と変更する以外はすべて実施例1と同じに実施した。これらの複合繊維の評価の結果は、表1に示す通りであるが、実施例1に類似したマーブル模様状の複合断面を有しており、耐剥離性および高次加工通過性は良好であった。実施例6では、横断面において、難溶解成分のPETが易溶解成分のSSIA-PEG共重合PETの周りを取り囲む構造が一部で観察され、実施例1から実施例5で用いた溶解処理条件では、SSIA-PEG共重合PETが30%残存する結果となった。このため、問題ないレベルではあるが、若干外観および手触りに劣るものとなった。また、実施例5および実施例6において、複合繊維を100kg製糸したときに糸切れは起こらず、製糸性は良好であった。
実施例1に記載の方法において、A成分をポリアミド-6(N6、溶融粘度:100Pa・s、融点:225℃、SP値:23.7MPa1/2)、B成分を5-ナトリウムスルホイソフタル酸8.0モル%、ポリエチレングリコールを9wt%共重合したポリエチレンテレフタレート(SSIA-PEG共重合PET、溶融粘度:95Pa・s、融点:233℃、SP値:22.9MPa1/2)として280℃で紡糸した以外はすべて実施例1と同様に実施した。なお、組み合わせたポリマーの溶解度パラメーター差は0.8MPaとなる。これらの複合繊維の評価結果は、表1に示すとおりであるが、複合化するポリマーを変更した場合であっても、繊維横断面で各成分は図1のようなマーブル模様状に練り込まれた構造を形成していた。円形度0.1以下のセグメントが存在することから、強条件のフロスティングでも界面剥離が観察されず、耐剥離性は良好であった。溶解処理により不揃いな断面の極細繊維を発生させた織物を評価したところ、不揃いな断面形状により、織物表面は自然で艶やかな光沢を呈しており、さらに不揃いな断面の単糸間で独特な空隙を形成することから手触りの点でも優れるものであった。なお、複合繊維を100kg製糸したときに糸切れ回数は発生せず、製糸性は良好であった。
実施例1に記載の方法において、A成分をポリプロピレン(PP、溶融粘度:70Pa・s、融点:165℃、SP値:16.8MPa1/2)、B成分を5-ナトリウムスルホイソフタル酸8.0モル%、ポリエチレングリコールを9wt%共重合したポリエチレンテレフタレート(SSIA-PEG共重合PET、溶融粘度:95Pa・s、融点:233℃、SP値:22.9MPa1/2)として280℃で紡糸した以外はすべて実施例1と同様に実施した。なお、組み合わせたポリマーの溶解度パラメーター差は6.1MPa1/2となる。これらの複合繊維の評価結果は、表1に示すとおりであるが、繊維横断面で各成分はマーブル模様状に練り込まれた構造を形成していたものの、組み合わせるポリマーの溶解度パラメーター差が大きいため、円形度が大きな単純な円形状のセグメントが形成され、平均円形度は0.69となった。円形度0.1以下のセグメントが存在しないことから、強条件のフロスティングで界面剥離が観察され、耐剥離性は低下した。なお、複合繊維を100kg製糸したときに糸切れ回数は発生せず、製糸性は良好であった。
実施例1に記載の方法において、多段合流微細流路Aとはポリマー流の合流位置と合流角度が異なる多段合流微細流路Bで構成された合流プレートを用い、その合流段数を2段(実施例10)、1段(実施例11)、3段(実施例12)、6段(実施例13)と変更する以外はすべて実施例1と同じに実施した。これらの複合繊維の評価結果は、表2に示すとおりであるが、合流段数に関わらず複合繊維の横断面で各成分はマーブル模様状に練り込まれた構造を形成しており、かつ、その構造は繊維軸方向に連続していた。実施例10~13では、実施例1~5と比較して円形度の最小値と最大値の差が小さく、比較的似通った形状のセグメントで構成されているものの、アルカリ処理した織物の表面は自然な光沢を有していた。実施例10と実施例12では、円形度0.1以下のセグメントが存在することから、強条件のフロスティングでも界面剥離が観察されず、耐剥離性は良好であった。なお、実施例10から実施例13のすべてにおいて、複合繊維を100kg製糸したときに糸切れ回数は発生せず、製糸性は良好であった。
実施例1に記載の方法において、複合口金として特開平10-237715号公報および特開昭59-100717号公報に記載される静止型混合素子(混合素子数:2)を備えた複合口金を使用したこと以外はすべて実施例1と同じに実施した。比較例1で得られた複合繊維の結果は表1に示すとおりであるが、各成分がいびつな形状で4層から5層積層した横断面構造を有しており、横断面構造は繊維軸方向に沿って変化するものであった。U%は1.2%であり、繊維軸方向の太さ斑が大きかった。円形度の最小値と最大値の差は0.14と小さく、形状分布に乏しいことに加えて、セグメント数が2と非常に少ないことから、溶解処理後の織物の外観は単調で冷たく、手触りもごわつきのある硬いものであった。また、横断面がいびつではあるものの単調な積層構造であることから、弱条件のフロスティングでも界面剥離が生じ、仮撚加工においても糸切れが頻発し、高次加工通過性に問題があった。また、不均一混合した複合ポリマー流を各吐出孔へ偶発的に分配する方式であり、単糸間の複合比率に差があり、経時で複合比率にも変化が生じることから、この複合繊維を100kg製糸する際に8回糸切れが発生した。
比較例1において、静止型混合素子の混合素子数を4に増やしたこと以外はすべて同じに実施した。比較例1に比べて、各成分がより多層に、かつ、いびつに積層された横断面構造を有す複合繊維が得られた。なお、横断面構造は繊維軸方向に沿って変化するものであった。円形度の最小値と最大値の差は0.09と非常に小さく、複雑な形状のセグメントだけが存在した形状分布に乏しい断面となり、溶解処理後の織物の外観はわずかに変化があるものの単調で冷たいものであった。また、弱条件のフロスティングでは界面剥離は観察されなかったものの、単糸間で複合比率に差があり、経時でも複合比率が変化することから、複合繊維を100kg製糸する際に6回糸切れが発生し、仮撚工程でも糸切れが頻発した。
B:B成分
C:円形状の成分(A成分)の例
D:筋形状の成分(A成分)の例
E:三角形状の成分(A成分)の例
F:多様な形状が結合した複雑な形状の成分(A成分)の例
G:木の根のように入り込んだ形状の成分(A成分)の例
H:計量プレート
I:合流プレート
J:吐出プレート
K:多段合流微細流路
Claims (4)
- 2種類以上の成分が横断面を構成する複合繊維において、各成分の形態が多様性を持ったマーブル模様状の複合形態を有しており、該複合形態が繊維軸方向に連続であり、該繊維を構成する少なくとも1種類の成分のセグメントの平均円形度が0.20以上、0.80以下であり、円形度の最小値と最大値の差が0.30以上あり、U%が1.0%以下であることを特徴とする複合繊維。
- 円形度0.10以下のセグメントがセグメント総数に対して1~20%存在することを特徴とする請求項1に記載の複合繊維。
- 構成する成分がいずれもポリエステルであることを特徴とする請求項1または2記載の複合繊維。
- 請求項1~請求項3のいずれかに記載の複合繊維が少なくとも一部に含まれる繊維製品。
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