JP7720734B2 - 腸内環境改善剤 - Google Patents
腸内環境改善剤Info
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Description
鎮痛薬の第一選択薬である上記NSAIDsの一つであるインドメタシンは、腸内環境の乱れ又は悪化を引き起こす可能性があることが報告されている(非特許文献1)。
[1] 下記一般式(I)で表される化合物(I)を含有する腸内環境改善剤。
[2] 前記腸内環境改善が、腸内フローラ又は腸内細菌叢の改善である、[1]に記載の腸内環境改善剤。
[3] 前記腸内環境改善が、薬物投与による腸内環境の乱れ又は悪化の改善である、[1]又は[2]に記載の腸内環境改善剤。
[4] 前記薬物が、非ステロイド性消炎鎮痛薬である、[3]に記載の腸内環境改善剤。
前記式(I)中、R2におけるアルコキシ基は、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基や2,3-ジヒドロキシプロポキシ基等が挙げられ、メトキシ基、2,3-ジヒドロキシプロポキシ基が好ましい。
前記式(I)中、R3のアシルアミノ基におけるアシル基の炭素鎖長は、炭素数2~6が好ましく、炭素数2~4がより好ましい。
前記式(I)中、R3におけるスルホ基は、医薬的に許容される塩も含み、ナトリウム塩、カリウム塩が好ましい。
前記化合物(I)としては、例えば、下記式(I)-1で表されるアセトアミノフェン、及び下記式(I)-2で表されるエテンザミド、(I)-3で表されるグアヤコールスルホン酸カリウム、(I)-4で表されるグアイフェネシン、(I)-5で表されるクレゾールスルホン酸カリウム等が挙げられる。
上記アセトアミノフェン及びエテンザミドは、発熱や頭痛等の症状を抑制する解熱鎮痛剤の主要な成分の一つとして使用される薬剤であり、グアヤコールスルホン酸カリウム、グアイフェネシン及びクレゾールスルホン酸カリウムは、痰を出しやすくする去痰成分であるが、本発明においては、腸内環境改善剤の有効成分の一つとして使用される。
前記化合物(I)としては、薬物等による腸内環境の乱れ又は悪化を効果的に改善できる点から、アセトアミノフェン及びエテンザミドがより好ましい。
宿主に有用な細菌としては、例えばプロバイオティクスとしても用いられるラクトバチルス属細菌、ビフィドバクテリウム属細菌、ストレプトコッカス属細菌などの乳酸菌等が挙げられる。
前記他の薬物としては、例えば、
解熱・鎮痛・消炎薬(例えばアセチルサリチル酸、サリチル酸ナトリウム、サリチルアミド、サザピリン等のサリチル酸系薬剤、イブプロフェン、ロキソプロフェン等のプロピオン系薬剤、フルフェナム酸、メフェナム酸等のフェナム酸系薬剤、ジクロフェナクナトリウム、インドメタシン等のアリール酢酸系薬剤、フェニルブタゾン、オキシフェニルブタゾン等のピラゾリジン系薬剤、ブコローム等のピリミジン系薬剤、ピロキシカム等のオキシカム系薬剤、スルピリン等のピリン系薬剤、イソプロピルアンチピリン等);
抗ヒスタミン薬(例えば塩酸ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフェニラミン、フマル酸クレマスチン、マレイン酸カルビノキサミン等);
鎮咳薬(例えば臭化水素酸デキストロメトルファン、リン酸ジヒドロコディン、リン酸コディン、ヒベンズ酸チペピジン、塩酸クロペラスチン、ベンゾナテート等);
去痰薬(例えば塩酸ノスカピン、塩酸ブロムヘキシン等);
塩酸L-システイン、塩酸L-メチルシステイン、アセチルシステイン等の粘膜溶解液;カルボシステイン等の粘液修復薬;
塩化リゾチーム等の消炎酵素剤;
グリチルリチン酸等の抗炎症剤;
アリルイソプロピルアセチル尿素等の催眠鎮静剤;
塩酸アンブロキソール等の粘液潤滑薬;
塩酸テルビナフィン等の抗真菌剤;
気管支拡張薬又は喘息治療薬(例えばシュードエフェドリン、塩酸エフェドリン、塩酸メチルエフェドリン、塩酸テルブタリン、イソプロテレノール、サルブタモール、テルブタリン等のβ2-アドレナリン受容体刺激薬、テオフィリン、アミノフィリン、プロキシフィリン等のキサンチン系薬剤、クロモグリク酸等);
アミノ酸類;生薬;ビタミン類(ビタミンA,D,E,K,U等の脂溶性ビタミン類;ビタミンB,C,P等の水溶性ビタミン類);等が例示できる。
これら他の薬物は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
本発明の腸内環境改善剤における前記他の薬物の含有量は、目的とする医薬製剤の用途により、有効性と安全性を鑑み各々適切な処方量で設定する。
本発明の腸内環境改善剤には、薬物投与により生じる腸内環境の乱れ又は悪化を改善することができるため、前記の他の薬物のうち、解熱・鎮痛・消炎薬(例えば、アセチルサリチル酸、サリチル酸ナトリウム、サリチルアミド、サザピリン等のサリチル酸系薬剤、イブプロフェン、ロキソプロフェン、ナプロキセン、ケトプロフェン等のプロピオン系薬剤、フルフェナム酸、メフェナム酸等のフェナム酸系薬剤、ジクロフェナクナトリウム、インドメタシン等のアリール酢酸系薬剤、フェニルブタゾン、オキシフェニルブタゾン等のピラゾリジン系薬剤、ブコローム等のピリミジン系薬剤、メロキシカム、ピロキシカム等のオキシカム系薬剤、スルピリン等のピリン系薬剤、イソプロピルアンチピリン、セレコキシブ等)を含有する配合薬が有用であり好ましく、NSAIDsの中でも、ジクロフェナク、インドメタシン、ナプロキセン、メロキシカム、イブプロフェン、ロキソプロフェン、セレコキシブ、ケトプロフェン、アセチルサリチル酸やこれらの医薬的に許容可能な塩が特に有用であり好ましい。
前記配合剤において、前記化合物(I)以外の他の薬物が腸内環境の乱れ又は悪化の原因となる薬物である場合、腸内環境の乱れ又は悪化の原因となる薬物に対する化合物(I)の含有質量比は、0.05~20が好ましく、0.2~10が好ましい。前記範囲内とすることで、腸内環境の乱れ又は悪化の原因となる薬物による薬効を維持しつつ、腸内環境の乱れ又は悪化の原因となる薬物による腸内環境の乱れ又は悪化が効果的に改善される。
結合剤としては、例えば、澱粉、α化デンプン、ショ糖、ゼラチン、アラビアゴム末、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、プルラン、デキストリン等を用いることができる。
賦形剤としては、例えば、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、トウモロコシデンプン、乳糖、タルク、結晶セルロース(セオラス等)、粉糖、マンニトール等の糖アルコール類、軽質無水ケイ酸等を用いることができる。
滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ポリエチレングリコール、タルク、ステアリン酸、ショ糖脂肪酸エステル、フマル酸ステアリルナトリウム等が挙げられる。香料としては、メントール、リモネン、植物精油(ハッカ油、ミント油、ライチ油、オレンジ油、レモン油等)等が挙げられる。
甘味料としては例えば、サッカリンナトリウム、アスパルテーム、ステビア、グリチルリチン酸二カリウム、アセスルファムカリウム、ソーマチン、スクラロース等が挙げられる。
酸味料としては、例えば、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、フマル酸、乳酸又はそれらの塩等を用いることができる。
コーティング剤としては、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、エチルセルロース、「オパドライ(商品名)」(日本カラコン合同会社製)等を用いることができる。
可塑剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、トリアセチン等を用いることができる。
隠蔽剤としては、例えば、酸化チタン、タルク等を用いることができる。
本発明の腸内環境改善剤を製剤形態とする方法は特に限定されず、製剤形態に応じ、常法により実施できる。例えば、本発明の腸内環境改善剤の有効成分である化合物(I)と他の成分とをそのまま混合し、あるいは前記成分の一部または全部に造粒やコーティングを施してから混合して粒状混合物を製造し、これを粒状剤(顆粒剤、細粒剤、散剤)とすることができる。また、前記粒状混合物を打錠し、さらに必要に応じてコーティングを行い、錠剤とすることができる。
(1)動物
7週齢のSD雄性ラット(日本チャールスリバー)を4日以上検疫馴化後、健康な個体を選定した。16時間以上絶食させた(水は自由摂取)後、給餌し、1時間後試験に供した。
ラットに対する試料の投与量を、10mL/kg体重とし、イブプロフェン(IBP)の投与量が200mg/kg体重となる試料、イブプロフェン(IBP)とアセトアミノフェン(APAP)との投与量がそれぞれ200mg/kg体重、200mg/kg体重となる試料(IBP+APAP)、イブプロフェン(IBP)とエテンザミド(ETZ)との投与量がそれぞれ200mg/kg体重、116mg/kg体重となる試料(IBP+ETZ)の調製を行った。コントロール試料(Vehicle)としては、各薬液の懸濁溶媒である5%アラビアゴム液を試料として調製した。
各試料をそれぞれ、10mL/kg体重として投与した。具体的には、あらかじめ測定しておいたラットの体重にあわせた量の試料(例えば、ラット体重が200gであれば2mL)を、ラット用経口投与ゾンデを装着したディスポーザブル注射筒にとり、強制経口投与した。各例について、ラット5匹を用いた(n=5)。
各試料投与16時間後にイソフルラン麻酔下にて小腸を摘出した。摘出した小腸を図1に示すように8つのセクションに分割し、胃側から7番目のセクションを開き、内容物を洗浄した後に小腸粘膜を採取した。
小腸粘膜からのDNA抽出は、PowerSoil DNA Isolation Kit(QIAGEN社製)を用い、付属の使用方法に準じ、下記のように行った。
採取した小腸粘膜を、付属のPowerBead Tubeにサンプルを移し、ボルテックスミキサーで混合した後、Solution C1を60μL加え、数回反転させた。その後、Vortex Adapter tubes holderを使用して、PowerBead Tubeを水平に固定し、ボルテックスミキサーで10分間撹拌した。
次に、10,000×gで1分間遠心分離後、上清を新しい2mL Collection Tubeに移し、Solution C2を250μL添加して、ボルテックスミキサーで5秒間撹拌した。その後、Collection Tubeを4℃で5分間インキュベートし、10,000×gで1分間遠心分離した。得られた上清を新しい2mL Collection Tubeに移し、Solution C3を200μL添加し、ボルテックスミキサーで短時間撹拌した。
次に、上記Collection Tubeを4℃で5分間インキュベートした後、10,000×gで1分間遠心分離し、上清を新しい2mL Collection Tubeに移した。Solution C4をよく混合し、1.2mLを上清に加え、5秒間ボルテックスミキサーで撹拌した。その後、MB Spin Columnに675μLを添加し、MB Spin ColumnにDNAを吸着させ、10,000×gで1分間遠心分離し、ろ液は破棄した。全てのサンプルについて、上記処理を行った。
上記で得られた各サンプルについてのMB Spin ColumnにSolution C5を500μL加え、10,000×gで1分間遠心分離した後、ろ液を破棄し、さらに、10,000×gで1分間遠心分離し、残留溶液を除去した。次に、MB Spin Columnを、新しい2mL Collection Tubeに載せ、Solution C6の50μLをMB Spin Columnの中央に加えDNAを溶出した。10,000×gで1分間遠心分離し、溶出したDNAをサンプルとした。
次世代シーケンサー MiSeq(illumina社製)を用いて、次のようにして細菌叢の解析を行った。
表1に示した、16S rRNA遺伝子V1-V2領域の増幅プライマー(フォワードプライマー:配列番号1で表される塩基配列からなる27Fmod、リバースプライマー:配列番号2で表される塩基配列からなる338R)を用い、16S rRNA遺伝子を、KAPA2G Robust PCR Kit(Kapa Biosystems社製)を使用し、表2に示す組成、表3に示す条件でPCRを行うことにより増幅した。得られたPCR産物は、電気泳動を行い、目的領域の配列長の増幅を確認した。DNAの精製はAM Pure XP(Beckman Coulter社製)を用い、所定の手順に準じて行った。精製後のサンプルは、Quant-iT PicoGreen dsDNA Assay Kit(Thermo Fisher Scientific社製)で濃度を測定し、各サンプル同DNA量となるよう混合しライブラリを作成した。ライブラリの精製は、MinElute PCR Purification Kit(QIAGEN社製)を用い、所定の手順に準じて行った。ライブラリの濃度は、KAPA Library Quant Kit(Kapa Biosystems社製)を用い、リアルタイムPCRで測定した。ライブラリの配列長は、Bioanalyzer(Agilent社製)で確認した。配列情報の取得は、MiSeq Reagent Kits v3(illumina)及び次世代シーケンサーMeSeq(illumina)を用い、所定の手順に準じて行った。
試料投与による細菌叢の変化を、UniFrac解析で得られた細菌叢の類似度により評価した。UniFrac解析は、各群に属する塩基配列(各OTUの代表配列)を用いて系統樹を作成し、比較するサンプル間の細菌叢の類似度(即ち、細菌叢構造全体の違い)を計算する手法である。UniFrac解析によって得られる類似度は、UniFrac distanceとして算出され、サンプル間の細菌叢の類似度が高いほど小さな値(0に近づく)を示す。すなわち、Vehicle群とIBP投与群の距離(UniFrac distance)と比較し、Vehicle群とIBP+APAP投与群の距離が統計学的に有意に小さい値であれば、IBP投与群よりIBP+APAP投与群がVehicle群と細菌叢の類似度が高いことを示す。同様に、Vehicle群とIBP投与群の距離(UniFrac distance)と比較し、Vehicle群とIBP+ETZ投与群の距離が統計学的に有意に小さい値であれば、IBP投与群よりIBP+ETZ投与群がVehicle群と細菌叢の類似度が高いことを示す。UniFrac解析(Weighted)におけるVehicle群内、及び、Vehicle群と薬剤投与群との間のUniFrac distanceの結果を図2A及び図2Bに示す。
図2Aでは、IBP投与群、IBP+APAP投与群ともに、Vehicle群内の類似度と比較すると有意に異なる細菌叢であった。しかし、IBP+APAP投与群は、IBP投与群と比較すると有意にVehicle群に近い細菌叢であった。また、図2Bでは、IBP投与群は、Vehicle群内の類似度と比較すると異なる傾向にある細菌叢であった。しかし、IBP+ETZ投与群は、IBP投与群と比較すると有意にVehicle群に近い細菌叢であった。以上の結果は、IBP投与による細菌叢の変化をAPAPもしくはETZ投与により、Vehicle群に近い細菌叢に改善できたことを示す。なお、図2A及び図2Bに示す統計検定には、Steel-Dwass検定を用いた。
実施例1の(1)~(4)と同様の方法により、ラット小腸から試験サンプルを採取した。
得られた試験サンプルから、RNeasy Mini Kit(QIAGEN社製)を用いRNAを抽出し、ReverTra Ace(登録商標)qPCR Master M ix with gDNA RemoverFSQ-301(東洋紡社製)を用いてcDNAを合成した。それをサンプルとしてリアルタイムPCRにてTNFαの発現を確認した。その結果を、図3に示す。なお、遺伝子発現の内在性コントロールとしては、18S rRNAを用いた。リアルタイムPCRには、表4に示す配列のプライマーを用いた。
Claims (4)
- アセトアミノフェン及びエテンザミドから選ばれる化合物を含有する腸内環境改善剤であって、
前記腸内環境改善が、薬物投与による腸内環境の乱れ又は悪化の改善である、腸内環境改善剤。 - 前記腸内環境改善が、腸内フローラ又は腸内細菌叢の改善である、請求項1に記載の腸内環境改善剤。
- 前記薬物が、非ステロイド性消炎鎮痛薬である、請求項1又は2に記載の腸内環境改善剤。
- 前記薬物投与の投与経路が、経口投与である、請求項1~3のいずれか1項に記載の腸内環境改善剤。
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- 2021-07-28 JP JP2021123659A patent/JP7720734B2/ja active Active
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| 北原美優 他,イブプロフェン起因性小腸障害に対するアセトアミノフェノンの有用性,日本消化器病学会誌,2021年,第118巻, 第9号,p.840-850 |
| 大谷 恒史 他,NSAID起因性小腸傷害の現状と対策,臨床リウマチ,2017年,29巻, 2号,77-84,DOI: 10.14961/cra.29.77 |
Also Published As
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