JP7736295B2 - ペロブスカイト太陽電池 - Google Patents
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Description
そして,太陽電池素子は,電極と,ペロブスカイト化合物を含む光電変換層と,裏面電極と,をこの順に含む。
最初の発明は,太陽電池に関する。図1,図3,及び図4は,太陽電池の断面図を,図2は図1に示した太陽電池を上方から見た図を示す概念図である。図1~図4に示されるように,この太陽電池1,2,3は,第1の支持体11,21,31と,(ペロブスカイト)太陽電池素子12,22,32と,接着剤層13,23,33と,接着剤層全体を覆う封止剤層(本体部)14,24,34と,封止部15,25,35を有する。
支持体11,21,31として,有機系太陽電池や有機EL素子における公知の基板を適宜用いることができる。基板の例は,ガラス,プラスティック板,プラスティック膜,無機結晶体などが挙げられる。また,これらの表面の一部又は全部の上に,金属膜,半導体膜,導電性膜及び絶縁性膜の少なくとも1種の膜が形成されている基板も好適に用いることができる。特に,薄型化,軽量化のため,支持体は,可撓性基板(フレキシブル基板)であるのが好ましい。
太陽電池素子は,太陽光などの光を受けて発電する機能を有する素子を意味する。太陽電池素子は,電子輸送層とホール輸送層でペロブスカイト層(光吸収層・光電変換層)を挟んだ形状を有するものが好ましい。ペロブスカイト層は,有機無機ハイブリッド化合物からなるペロブスカイト層が好ましい。図5に示されるように,透明電極40側から電子輸送層46,ペロブスカイト層47,正孔(ホール)輸送層48,裏面電極49が形成された順型構造でもよい。また,図6に示されるように,透明電極50側から正孔輸送層58,ペロブスカイト層57,電子輸送層56,裏面電極59が形成された逆型構造の何れであっても構わない。
電極は,光を透過させるため透明電極であることが好ましい。透明電極は,電子輸送層の支持体であるとともに,ペロブスカイト層(光吸収層・光電変換層)より電子を取り出す機能を有する層である。電極は,支持体11,21,31上に形成される。透明電極は,導電体から形成されており,具体例としては,スズドープ酸化インジウム(ITO)膜,不純物ドープの酸化インジウム(In2O3)膜,不純物ドープの酸化亜鉛(ZnO)膜,フッ素ドープ二酸化スズ(FTO)膜,これらを積層してなる積層膜,金,銀,銅,アルミニウム,タングステン,チタン,クロム,ニッケル,コバルトなどが挙げられる。これらは単独でも2種類以上の混合であっても,また,単層でも積層であっても構わない。これらの膜は,例えば拡散防止層として機能するものであってもよい。これら電極の厚みは特に制限されず,通常,シート抵抗が5~15Ω/□(単位面積当たり)となるように調整することが好ましい。電極は,形成する材料に応じ,公知の成膜方法により得ることができる。また,これらの電極は,膜状であっても,メッシュ状のような格子状に形成されていても構わない。支持体上に電極を形成する方法は公知のものを用い,真空蒸着やスパッタリング等の真空製膜が好ましい。また透明電極は,パターニングされたものを用いてもよく,その方法としてはレーザーやエッチング液に浸す方法,真空製膜時にマスクを用いてパターニングする方法が挙げられ,本発明においては何れの方法であっても構わない。
電子輸送層46,56は,電子輸送性の半導体が好ましく,チタン,スズ,亜鉛,鉄,タングステン,ジルコニウム,インジウム,セリウム,イットリウム,アルミニウム,マグネシウム,バナジウム,ニオブの酸化物,カドミウム,亜鉛,鉛,銀,アンチモン,ビスマスの硫化物,カドミウム,鉛のセレン化物,カドミウムのテルル化物等の金属カルコゲニドが挙げられ,これらの中でも酸化物が特に好ましい。その中でも,特に酸化亜鉛,酸化スズ,酸化チタンが特に好ましい。電子輸送層は単層であっても多層であってもよく,多層の場合,粒径の異なる半導体微粒子が多層塗布された多孔質形状であっても構わない。多孔質形状の場合,半導体微粒子の粒径は3~100nmが好ましく,5~70nmがより好ましい。膜厚は5~1000nmが好ましく,10~500nmがより好ましい。
正孔輸送層48,58は,電荷を輸送する機能を有する層である。正孔輸送層には,例えば,導電体,半導体,有機正孔輸送材料等を用いることができる。当該材料は,ペロブスカイト層(光吸収層)から正孔を受け取り,正孔を輸送する正孔輸送材料として,機能し得る。当該導電体及び半導体としては,例えば,CuI,CuInSe2,CuS等の1価銅を含む化合物半導体;GaP,NiO,CoO,FeO,Bi2O3,MoO2,Cr2O3等の銅以外の金属を含む化合物が挙げられる。なかでも,より効率的に正孔のみを受け取り,より高い正孔移動度を得る観点から,1価銅を含む半導体が好ましく,CuIがより好ましい。有機正孔輸送材料としては,例えば,ポリ-3-ヘキシルチオフェン(P3HT),ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)等のポリチオフェン誘導体;2,2’,7,7’-テトラキス-(N,N-ジ-p-メトキシフェニルアミン)-9,9’-スピロビフルオレン(Spiro-OMeTAD)等のフルオレン誘導体;ポリビニルカルバゾール等のカルバゾール誘導体;ポリ[ビス(4-フェニル)(2,4,6-トリメチルフェニル)アミン](PTAA)等のトリフェニルアミン誘導体;ジフェニルアミン誘導体;ポリシラン誘導体;ポリアニリン誘導体等が挙げられる。なかでも,より効率的に正孔のみを受け取り,より高い正孔移動度を得る観点から,トリフェニルアミン誘導体,フルオレン誘導体等が好ましく,PTAA,Spiro-OMeTADなどがより好ましい。
ペロブスカイト層(光吸収層・光電変換層)47,57は,光を吸収し,励起された電子と正孔を移動させることにより,光電変換を行う層である。本発明におけるペロブスカイト化合物は有機化合物と無機化合物の複合物質であることが好ましい。ペロブスカイト化合物は,ハロゲン化金属からなる層と有機カチオン分子が並んだ層が交互に積層した層状ペロブスカイト型構造を示すことが好ましく,以下の一般式(1)にて表わされる。
XαYβMγ ・・・一般式(1)
上記一般式(1)において,Xはハロゲン原子,Yはアルキルアミン化合物,Mは鉛,スズ,インジウム,アンチモン,ビスマスから選ばれた少なくとも1種以上の金属イオンを表し,α:β:γの比率が3:1:1であり,β及びγは1より大きい整数を表わす。Xは塩素,臭素,ヨウ素などのハロゲン原子を挙げることができ,これらは単独または混合物として用いることができる。Yはメチルアミン,エチルアミン,n-ブチルアミン,ホルムアミジン等のアルキルアミン化合物を挙げることができる。
裏面電極49,59としては,例えば,白金,金,銀,銅,アルミニウム,ロジウム,ニッケル,コバルト,鉄,パラジウム,インジウム等の金属,グラファイト,グラフェン,カーボンナノチューブ等の炭素系化合物,ITO,インジウムドープ酸化亜鉛(IZO),アンチモンドープ酸化スズ(ATO)等の導電性金属酸化物又はポリチオフェン若しくはポリアニリン等の導電性高分子等が挙げられ,これらは単独あるいは2種以上の混合であっても構わない。裏面電極は,透明電極であってもよい。裏面電極の膜厚は特に限定されるものではなく,上述の材料の単独膜または2種以上を混合あるいは積層膜であっても良い。裏面電極は,用いられる材料の種類や正孔輸送層の種類により,適宜正孔輸送層上に塗布,ラミネート,真空蒸着,CVD,貼り合わせなどの方法を用いることにより形成可能である。
接着剤層は,太陽電池素子を覆う層である。接着剤層は,太陽電池素子の全体を覆ってもよいし,太陽電池素子の一部を覆ってもよい。接着剤層は,支持体と封止剤層(本体部)の間に配置される層である。接着剤層は,支持体と封止剤層を接着するほか,支持体状の太陽電池素子と封止剤層とを接着するために用いられる。もっとも,接着剤層が,太陽電池素子の全体を覆う場合,太陽電池素子を封止する機能も有する。接着剤の材質としては特に制限はなく,目的に応じて適宜選択することが可能である。例えば,アクリル樹脂やエポキシ樹脂の硬化物などが挙げられる。
アクリル樹脂の硬化物は,分子内にアクリル基を有するモノマーあるいはオリゴマーが硬化したものであれば,公知のいずれの材料でも使用することが可能であり,エポキシ樹脂の硬化物は,分子内にエポキシ基を有するモノマーあるいはオリゴマーが硬化したものであれば,公知のいずれの材料でも使用することが可能である。
ギャップ剤としては,粒状でかつ粒径が均一であり,耐溶剤性や耐熱性が高いものであれば特に制限はなく,目的に応じて適宜選択することができる。ギャップ剤としては,エポキシ樹脂と親和性が高く,粒子形状が球形であるものが好ましい。具体的には,ガラスビーズ,シリカ微粒子,有機樹脂微粒子などが好ましい。これらは,1種単独で使用してもよいし,2種以上を併用してもよい。
ギャップ剤の粒径としては,設定する封止部のギャップに合わせて選択可能であるが,1μm以上100μm以下が好ましく,5μm以上50μm以下がより好ましい。
熱重合開始剤は,加熱によってラジカルやカチオンなどの活性種を発生する化合物であり,2,2’-アゾビスブチロニトリル(AIBN)のようなアゾ化合物や,過酸化ベンゾイル(BPO)などの過酸化物などが挙げられる。熱カチオン重合開始剤としては,ベンゼンスルホン酸エステルやアルキルスルホニウム塩等が用いられる。
一方,光重合開始剤は,エポキシ樹脂の場合,光カチオン重合開始剤が好ましく用いられる。エポキシ樹脂に光カチオン重合開始剤を混合し,光照射を行うと,光カチオン重合開始剤が分解して,酸が発生し,酸がエポキシ樹脂の重合を引き起こし,硬化反応が進行する。光カチオン重合開始剤は,硬化時の体積収縮が少なく,酸素阻害を受けず,貯蔵安定性が高いといった効果を有する。
乾燥剤としては,特に制限はなく,目的に応じて適宜選択することができるが,粒子状であるものが好ましく,例えば,酸化カルシウム,酸化バリウム,酸化マグネシウム,硫酸マグネシウム,硫酸ナトリウム,塩化カルシウム,シリカゲル,モレキュラーシーブ,ゼオライトなどの無機吸水材料が挙げられる。これらの中でも,吸湿量が多いゼオライトが好ましい。これらは,単独で使用しても,2種以上の併用であってもよい。
硬化促進剤としては,特に制限はなく,目的に応じて適宜選択することができ,例えば,DBU(1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)-ウンデセン-7)やDBN(1,5-ジアザビシクロ(4,3,0)-ノネン-5)等の三級アミンあるいは三級アミン塩,1-シアノエチル-2-エチル-4-メチルイミダゾールや2-エチル-4-メチルイミ
ダゾール等のイミダゾール系,トリフェニルホスフィンやテトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート等のホスフィンあるいはホスホニウム塩などが挙げられる。これらは,単独で使用しても,2種以上の併用であってもよい。
シート状接着剤とは,シート上に予め樹脂層を形成したもので,シートにはガラスやガスバリア性の高いフィルム等を用いることができる。また,樹脂のみでシートを形成していてもよい。シート状接着剤を,封止フィルム上に貼り付けることも可能である。封止フィルム上に,中空部を設けた構造にしてからデバイスと貼り合せることも可能である。
封止剤層(本体部)は,接着剤層を覆うように形成され,太陽電池素子に水などが侵入することを防止するための層を意味する。封止部と区別する意味で,この明細書では封止剤層や本体部と表記している。封止剤層は,太陽電池素子及び接着剤層を覆うものが好ましい。封止剤層は,例えば,光電変換層と電極を含む太陽電池素子を挟むように支持体と対向して配置される。封止剤層は封止剤フィルムにより構成されていてもよい。 封止剤層は,その形状,構造,大きさ,種類(材質)については,特に制限はなく,目的に応じて適宜選択することができる。封止剤層は薄膜状,又はフィルム状であってもよい。
接着剤層の端部と,封止剤層の端部との距離(d2)が,0.2mm以上1cm以下であることが好ましい。接着剤層の端部は先に説明した通りである。封止剤層の端部は,封止剤層のうち最も外側の縁部を意味する。接着剤層の端部と,封止剤層の端部との距離とは,接着剤層の端部と封止剤層の端部との距離が最も小さくなる距離を意味する。d2は,0.5mm以上が好ましく,1mm以上がより好ましい。また,太陽電池の大きさや用途によって,上限は異なるが,あまり大きすぎても太陽電池(デバイス)自体が大きくなりすぎたり,太陽電池素子以外の部分が大きくなりすぎて無駄になるので,1cm以下が好ましく,5mm以下が好ましく,4mm以下がより好ましい。
封止部15,25,35は,封止剤層の端部領域に設けられ,端部領域を覆う部位である。封止剤層の端部領域は,封止剤層の外縁部分を意味する。封止部は,封止剤層の外周部を水や酸素からより強固に遮断するために設ける部分である。封止部は,封止剤層とは別個に構成される。封止剤の材質としては,封止剤層と同一のものを用いてもよく,接着剤と同一のものを用いてもよい。封止部の形状は,特に限定されない。封止部の形状の例は,封止剤層の端部と,支持体との接触点を覆うように設置されるものである。封止部の形成方法は,材質によって,塗布など,既知の方法を用いることができる。
なお,断面図では,封止部の断面形状が,丸みを帯びている。しかし,封止部の断面形状は,支持体と平行なフラット形状でも構わない。封止部の厚みは封止剤層の厚み以下でも構わない。
この太陽電池デバイスを,ソーラーシミュレーター(分光計器社製SM-250PV,光量:100mW/cm2)を用いて,太陽電池特性を測定した。その結果,開放電圧1.10V,短絡電流密度22.1mA/cm2,形状因子0.72,変換効率17.5%を得ることができた。
次に,この太陽電池デバイスを,60℃,90%RHの恒温恒湿試験器に入れて,耐久性試験を行った。500時間後の初期特性に対する維持率は91%であった。
[実験例1]
この第二層の外周部に,実施例1と同様にして封止材を塗布,硬化して図3に示されるような太陽電池デバイスを作製した。
封止部の幅は3.4mm(縦横同幅)であり,d1が1.9mm,d2が0.4mm,d3が1.1mmであった。
このデバイスの太陽電池特性を測定したところ,開放電圧1.09V,短絡電流密度22.2mA/cm2,形状因子0.72,変換効率17.4%を得ることができた。次に,実施例1と同様にして恒温高湿器での耐久性試験を行い,500時間後の維持率を測定したところ,92%という結果であり,本発明のデバイス構造が耐久性に優れていることが明らかであった。
この第二層のフィルム外周部に,実施例1と同様にして封止材を塗布,硬化して図4に示されるような太陽電池デバイスを作製した。
封止部の幅は3.9mm(縦横同幅)であり,d1が2.0mm,d2が0.7mm,d3が1.2mmであった。
このデバイスの太陽電池特性を測定したところ,開放電圧1.09V,短絡電流密度22.1mA/cm2,形状因子0.72,変換効率17.3%を得ることができた。次に,実施例1と同様にして恒温高湿器での耐久性試験を行い,500時間後の維持率を測定したところ,93%という結果であり,本発明のデバイス構造が耐久性に優れていることが明らかであった。
[実験例2]
[実験例3]
4,5 ペロブスカイト太陽電池素子
11,21,31,61,71,81 支持体
12,22,32,62,72,82 ペロブスカイト太陽電池素子
13,23,33,63,73,83 接着剤層
14,24,34,64,74,84 封止剤層
15,25,35 封止部
40,50 透明電極
46,56 電子輸送層
47,57 光電変換層(ペロブスカイト層)
48,58 正孔輸送層
49,59 裏面電極
Claims (5)
- 支持体と,
前記支持体上に設けられた太陽電池素子と,
前記太陽電池素子および前記太陽電池素子の周縁外側の前記支持体の表面を覆う接着剤層と,
前記接着剤層を覆うとともに,前記接着剤層の周縁外側の端部領域において前記支持体の表面と対向して接触点を形成するフィルム状の封止剤層と,
前記封止剤層の端部領域に沿って環状に前記封止剤層の端部と前記支持体との接触点を覆うように設けられ,前記封止剤層の端部領域と前記支持体の表面とが対向する部分の外側の前記支持体の表面と前記封止剤層の端部領域を覆う封止部と,を含み,
前記太陽電池素子は,
電極と,
ペロブスカイト化合物を含む光電変換層と,
裏面電極と,をこの順に含む,
太陽電池。 - 請求項1に記載の太陽電池であって,
前記太陽電池素子の端部と,前記接着剤層の端部との距離(d1)が,0.5mm以上2cm以下である,太陽電池。 - 請求項1に記載の太陽電池であって,
前記接着剤層の端部と,前記封止剤層の端部との距離(d2)が,0.2mm以上1cm以下である,太陽電池。 - 請求項1に記載の太陽電池であって,
前記封止剤層の端部と,前記封止部の端部との距離(d3)が,0.5mm以上1.5cm以下である,太陽電池。 - 請求項1に記載の太陽電池であって,
前記封止部は,不透明である,太陽電池。
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