JP2021136355A - 光電変換素子及び光電変換モジュール - Google Patents

光電変換素子及び光電変換モジュール Download PDF

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Abstract

【課題】静電気試験及びねじり試験における発電力低下を抑えることができる光電変換素子を提供する。【解決手段】光電変換素子10は、基板1、第1の電極2、ホールブロッキング層3、光電変換層4、及び第2の電極5を有する。光電変換層4は、電子輸送層14、及びホール輸送層24を有しており、端部10Eにおいて、電子輸送層14の最端14Eは、第1の電極2の最端2Eよりも光電変換素子10の内側にあり、ホール輸送層24の最端24Eは、第2の電極5の最端5Eよりも光電変換素子10の外側にあり、第2の電極5の最端5Eは、電子輸送層14の最端14Eよりも光電変換素子10の内側にある。【選択図】図1

Description

本発明は、光電変換素子及び光電変換モジュールに関する。
近年、電子回路における駆動電力が非常に少なくなり、微弱な電力(μWオーダー)でもセンサ等の様々な電子部品を駆動することができるようになっている。また、センサの活用に際し、その場で発電し消費できる自立電源として環境発電素子への応用が期待されている。これらの中でも、光電変換素子の一種である太陽電池は、光があれば、微弱光であっても、どこでも発電できる素子として注目を集めている。
光電変換素子の製造においては、レーザーが使用されることが多い。その場合、レーザーによるパターニング過程で電極層の一部が基板から離れることがあり、その結果、ショートが発生することがある。
そこで、ショートを防止するために、基板と、前記基板の上に配置される後面電極層と、前記後面電極層の上に配置される光吸収層と、前記光吸収層の上に配置される前面電極層と、を含み、前記後面電極層には一方向に延長される貫通溝が形成され、前記貫通溝は、第1領域と、前記第1領域に隣接し、切断面を含む第2領域と、を含み、前記切断面の粗さは前記第1領域の内側面の粗さより大きい太陽光発電装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
本発明は、静電気試験及びねじり試験における発電力低下を抑えることができる光電変換素子を提供することを課題とする。
上記の目的を達成するため、本発明では以下のような解決手段を採っている。
基板、第1の電極、ホールブロッキング層、光電変換層、及び第2の電極を有する光電変換素子であって、
前記光電変換層が、電子輸送層、及びホール輸送層を有し、
前記基板、前記第1の電極、前記ホールブロッキング層、前記光電変換層、及び前記第2の電極の積層方向と直交する方向の前記光電変換素子の端部において、
前記電子輸送層の最端が、前記第1の電極の最端よりも前記光電変換素子の内側にあり、
前記ホール輸送層の最端が、前記第2の電極の最端よりも前記光電変換素子の外側にあり、
前記第2の電極の最端が、前記電子輸送層の最端よりも前記光電変換素子の内側にあ
り、
前記第1の電極の前記最端を含む端部の前記積層方向の高さが、前記第1の電極の平均厚み、前記ホールブロッキング層の平均厚み、及び前記電子輸送層の平均厚みの合計よりも小さい、
ことを特徴とする光電変換素子。
ここで、前記高さは、前記光電変換素子の前記端部における前記基板の前記第1の電極側の表面から、前記光電変換素子の前記端部において最も前記第2の電極側にある前記第1の電極の箇所までの距離である。
本発明によれば、静電気試験及びねじり試験における発電力低下を抑えることができる光電変換素子を提供することができる。
図1は、光電変換素子の一例の端部の断面図である。 図2は、光電変換素子の他の一例の端部の断面図である。 図3は、光電変換素子の他の一例の端部の断面図である。 図4は、光電変換素子の他の一例の端部の断面図である。 図5は、光電変換素子の他の一例の端部の断面図である。 図6は、光電変換素子の他の一例の端部の断面図である。 図7は、光電変換素子の他の一例の端部の断面図である。 図8は、光電変換素子の他の一例の端部の断面図である。 図9は、光電変換素子の他の一例の端部の断面図である。 図10Aは、光電変換素子の製造方法の一例を説明するための図である(その1)。 図10Bは、光電変換素子の製造方法の一例を説明するための図である(その2)。 図10Cは、光電変換素子の製造方法の一例を説明するための図である(その3)。 図10Dは、光電変換素子の製造方法の一例を説明するための図である(その4)。 図10Eは、光電変換素子の製造方法の一例を説明するための図である(その5)。 図10Fは、光電変換素子の製造方法の一例を説明するための図である(その6)。 図11Aは、光電変換素子の製造方法の他の一例を説明するための図である(その1)。 図11Bは、光電変換素子の製造方法の他の一例を説明するための図である(その2)。 図11Cは、光電変換素子の製造方法の他の一例を説明するための図である(その3)。 図11Dは、光電変換素子の製造方法の他の一例を説明するための図である(その4)。 図11Eは、光電変換素子の製造方法の他の一例を説明するための図である(その5)。 図11Fは、光電変換素子の製造方法の他の一例を説明するための図である(その6)。 図12Aは、光電変換素子の製造方法の他の一例を説明するための図である(その1)。 図12Bは、光電変換素子の製造方法の他の一例を説明するための図である(その2)。 図12Cは、光電変換素子の製造方法の他の一例を説明するための図である(その3)。 図12Dは、光電変換素子の製造方法の他の一例を説明するための図である(その4)。 図12Eは、光電変換素子の製造方法の他の一例を説明するための図である(その5)。 図12Fは、光電変換素子の製造方法の他の一例を説明するための図である(その6)。 図13は、電子機器としてマウスを用いた一例を示す概略図である。 図14は、マウスに光電変換素子を実装した一例を示す概略図である。 図15は、電子機器としてパソコンに用いられるキーボードを用いた一例を示す概略図である。 図16は、キーボードに光電変換素子を実装した一例を示す概略図である。 図17は、キーボードのキーの一部に小型の光電変換素子を実装した一例を示す概略図である。 図18は、電子機器としてセンサを用いた一例を示す概略図である。 図19は、電子機器としてターンテーブルを用いた一例を示す概略図である。 図20は、本発明の光電変換素子及び/又は光電変換素子モジュールと、光電変換素子及び/又は光電変換素子モジュールが光電変換することによって発生した電力によって動作する装置とを組み合わせた電子機器の一例を示す概略図である。 図21は、図20において光電変換素子と機器の回路との間に光電変換素子用の電源ICを組み込んだ一例を示す概略図である。 図22は、図21において、蓄電デバイスを電源ICと機器の回路との間に組み込んだ一例を示す概略図である。 図23は、本発明の光電変換素子及び/又は光電変換素子モジュールと、電源ICとを有する電源モジュールの一例を示す概略図である。 図24は、図23において電源ICに蓄電デバイスを追加した電源モジュールの一例を示す概略図である。
(光電変換素子)
本発明における光電変換素子は、基板、第1の電極、ホールブロッキング層、光電変換層、及び第2の電極を少なくとも有し、更に必要に応じて、その他の部材を有する。
前記光電変換層は、電子輸送層、及びホール輸送層を有する。
前記基板、前記第1の電極、前記ホールブロッキング層、前記光電変換層、及び前記第2の電極の積層方向と直交する方向の前記光電変換素子の端部において、前記電子輸送層の最端は、前記第1の電極の最端よりも前記光電変換素子の内側にある。
前記光電変換素子の前記端部において、前記ホール輸送層の最端は、前記第2の電極の最端よりも前記光電変換素子の外側にある。
前記光電変換素子の前記端部において、前記第2の電極の最端は、前記電子輸送層の最端よりも前記光電変換素子の内側にある。
前記第1の電極の前記最端を含む端部の前記積層方向の高さは、前記第1の電極の平均厚み、前記ホールブロッキング層の平均厚み、及び前記電子輸送層の平均厚みの合計よりも小さい。
なお、「最端」とは、最も端の箇所(点)を意味し、「端部」とは、最端を含む領域を意味する。
ここで、前記高さは、前記光電変換素子の前記端部における前記基板の前記第1の電極側の表面から、前記光電変換素子の前記端部において最も前記第2の電極側にある前記第1の電極の箇所までの距離である。
以下、光電変換素子の実施態様を、図面を用いて説明する。
図1は、光電変換素子の一例の断面図である。図1の断面図は、各層の積層方向と直交する方向の片方の端部の断面図である。
図1の光電変換素子10は、基板1、第1の電極2、ホールブロッキング層3、光電変換層4、及び第2の電極5を有する。光電変換層4は、電子輸送層14、及びホール輸送層24を有する。
基板1、第1の電極2、ホールブロッキング層3、光電変換層4、及び第2の電極5の積層方向と直交する方向の光電変換素子10の端部10Eにおいて、電子輸送層14の最端14Eは、第1の電極2の最端2Eよりも光電変換素子10の内側にある。
光電変換素子10の端部10Eにおいて、ホール輸送層24の最端24Eは、第2の電極5Eの最端5Eよりも光電変換素子10の外側にある。
光電変換素子10の端部10Eにおいて、第2の電極5の最端5Eは、電子輸送層14の最端14Eよりも光電変換素子10の内側にある。
第1の電極2の最端2Eを含む端部の積層方向の高さは、第1の電極2の平均厚み、ホールブロッキング層3の平均厚み、及び電子輸送層14の平均厚みの合計よりも小さい。
ホール輸送層24の最端24Eが、第2の電極5Eの最端5Eよりも光電変換素子10の外側にあることで、第2の電極5と電子輸送層14との接触を防ぐことができる。
第2の電極5の最端5Eが、電子輸送層14の最端14Eよりも光電変換素子10の内側にあることで、第2の電極5と第1の電極2との接触を防ぐことができる。
以上の構造を兼ね備えることで、各構成同士の不都合な接触を避けることができる。
また電極間の距離、電極端部間の距離、電極端部から他の電極までの距離を長くすることで静電気試験及びねじり試験における発電力低下を抑えることができる。
これらは、応力集中により端部が構造変化を起こし易いこと、電流が端部に集中し易いこと、また端部や端部界面を電流が流れ易いことが要因として考えられ、発電特性としては主に電圧と抵抗の劣化が引き起こされる。本構造ではそれらを抑制することができる。
前記積層方向に直交する方向における、第1の電極2の最端2Eと、電子輸送層14の最端14Eとの距離(La)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。好ましくは、100nm以上であり、より好ましくは300nm以上であり、更に好ましくは500nm以上である。前記好ましい範囲であると、静電気試験及びねじり試験における発電力低下をより抑えることが出来る。距離は長い方が好ましいが、製品としては発電面積を損なうことになるため、発電力との両立においては、第1の電極距離の20%以内が好ましく、10%以内がより好ましい。
前記積層方向に直交する方向における、ホール輸送層24の最端24Eと、第2の電極5の最端5Eとの距離(Lb)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。好ましくは、100nm以上であり、より好ましくは500nm以上であり、更に好ましくは1000nm以上である。前記好ましい範囲であると、静電気試験及びねじり試験における発電力低下をより抑えることが出来る。距離は長い方が好ましいが、製品としては発電面積を損なうことになるため、発電力との両立においては、ホール輸送層距離の20%以内が好ましく、10%以内がより好ましい。
前記積層方向に直交する方向における、第2の電極5の最端5Eと、電子輸送層14の最端14Eとの距離(Lc)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。好ましくは、100nm以上であり、より好ましくは500nm以上であり、更に好ましくは1000nm以上である。前記好ましい範囲であると、静電気試験及びねじり試験における発電力低下をより抑えることが出来る。距離は長い方が好ましいが、製品としては発電面積を損なうことになるため、発電力との両立においては、電子輸送層距離の20%以内が好ましく、10%以内がより好ましい。
図2は、光電変換素子の他の一例の断面図である。図2の断面図は、各層の積層方向と直交する方向の片方の端部の断面図である。
図2の光電変換素子10は、基板1、第1の電極2、ホールブロッキング層3、光電変換層4、及び第2の電極5を有する。光電変換層4は、電子輸送層14、及びホール輸送層24を有する。
基板1、第1の電極2、ホールブロッキング層3、光電変換層4、及び第2の電極5の積層方向と直交する方向の光電変換素子10の端部10Eにおいて、電子輸送層14の最端14Eは、第1の電極2の最端2Eよりも光電変換素子10の内側にある。
光電変換素子10の端部10Eにおいて、ホール輸送層24の最端24Eは、第2の電極5Eの最端5Eよりも光電変換素子10の外側にある。
光電変換素子10の端部10Eにおいて、第2の電極5の最端5Eは、電子輸送層14の最端14Eよりも光電変換素子10の内側にある。
更に、光電変換素子10の端部10Eにおいて、電子輸送層14の最端14Eよりも光電変換素子の外側に、ホール輸送層24の材質と同じ材質からなる領域Rが、基板1に接して存在している。領域Rは、ホール輸送層24と接していない。領域Rの積層方向の長さは、第1の電極2の平均厚みよりも大きい。領域Rは、電子輸送層14の最端14Eと接している。
以上の構造を兼ね備えることで、各構成同士の不都合な接触を避けることができる。
特に領域Rが端部2Eを覆うことで、物理的に保護することにより応力に対して耐久性を上げることが出来る。また、端部界面を減らすことで端部界面を電流が流れることを抑制することができ、静電気試験及びねじり試験における発電力低下をより抑えることができる。
図3は、光電変換素子の他の一例の断面図である。図3の断面図は、各層の積層方向と直交する方向の片方の端部の断面図である。
図3の光電変換素子10は、基板1、第1の電極2、ホールブロッキング層3、光電変換層4、及び第2の電極5を有する。光電変換層4は、電子輸送層14、及びホール輸送層24を有する。
基板1、第1の電極2、ホールブロッキング層3、光電変換層4、及び第2の電極5の積層方向と直交する方向の光電変換素子10の端部10Eにおいて、電子輸送層14の最端14Eは、第1の電極2の最端2Eよりも光電変換素子10の内側にある。
光電変換素子10の端部10Eにおいて、ホール輸送層24の最端24Eは、第2の電極5Eの最端5Eよりも光電変換素子10の外側にある。
光電変換素子10の端部10Eにおいて、第2の電極5の最端5Eは、電子輸送層14の最端14Eよりも光電変換素子10の内側にある。
更に、光電変換素子10において、電子輸送層14の最端14Eよりも光電変換素子の外側に、ホール輸送層24の材質と同じ材質からなる領域Rが、基板1に接して存在している。
更に、ホール輸送層24と領域Rとは一体化している。この場合、ホール輸送層24の最端24Eは、積層方向と直交する方向において、電子輸送層14の最端14Eと同じ位置にあるものとする。
以上の構造を兼ね備えることで、各構成同士の不都合な接触を避けることができる。
特に領域Rが端部2Eを覆うことで、物理的に保護することにより応力に対して耐久性を上げることが出来る。また、端部界面を更に減らすことで端部界面を電流が流れることを抑制することができ、静電気試験及びねじり試験における発電力低下をより抑えることができる。
図4は、光電変換素子の他の一例の断面図である。図4の断面図は、各層の積層方向と直交する方向の片方の端部の断面図である。
図4の光電変換素子10は、基板1、第1の電極2、ホールブロッキング層3、光電変換層4、及び第2の電極5を有する。光電変換層4は、電子輸送層14、及びホール輸送層24を有する。
基板1、第1の電極2、ホールブロッキング層3、光電変換層4、及び第2の電極5の積層方向と直交する方向の光電変換素子10の端部10Eにおいて、電子輸送層14の最端14Eは、第1の電極2の最端2Eよりも光電変換素子10の内側にある。
光電変換素子10の端部10Eにおいて、ホール輸送層24の最端24Eは、第2の電極5Eの最端5Eよりも光電変換素子10の外側にある。
光電変換素子10の端部10Eにおいて、第2の電極5の最端5Eは、電子輸送層14の最端14Eよりも光電変換素子10の内側にある。
更に、第1の電極2の最端2Eを含む端部の積層方向の高さ(h2)は、第1の電極2の平均厚み、ホールブロッキング層3の平均厚み、及び電子輸送層14の平均厚みの合計(ha)よりも小さい。そうすることにより、第1の電極2がホール輸送層24に接することを防止できる。
ここで、高さ(h2)は、光電変換素子10の端部10Eにおける基板1の第1の電極2側の表面から、光電変換素子10の端部10Eにおいて最も第2の電極5側にある第1の電極2の箇所までの距離である。
図5は、光電変換素子の他の一例の断面図である。図5の断面図は、各層の積層方向と直交する方向の片方の端部の断面図である。
図5の光電変換素子10は、基板1、第1の電極2、ホールブロッキング層3、光電変換層4、及び第2の電極5を有する。光電変換層4は、電子輸送層14、及びホール輸送層24を有する。
基板1、第1の電極2、ホールブロッキング層3、光電変換層4、及び第2の電極5の積層方向と直交する方向の光電変換素子10の端部10Eにおいて、電子輸送層14の最端14Eは、第1の電極2の最端2Eよりも光電変換素子10の内側にある。
光電変換素子10の端部10Eにおいて、ホール輸送層24の最端24Eは、第2の電極5Eの最端5Eよりも光電変換素子10の外側にある。
光電変換素子10の端部10Eにおいて、第2の電極5の最端5Eは、電子輸送層14の最端14Eよりも光電変換素子10の内側にある。
更に、第1の電極2の最端2Eは、基板1と接していない。
更に、第1の電極2の最端2Eを含む端部の積層方向の高さ(h2)は、第1の電極2の平均厚み、ホールブロッキング層3の平均厚み、及び電子輸送層14の平均厚みの合計(ha)よりも小さい。そうすることにより、第1の電極2がホール輸送層24に接することを防止できる。
ここで、第1の電極2の最端2Eを含む端部とは、光電変換素子10の端部10Eにおいて電子輸送層14の最端14Eよりも光電変換素子10の外側にある第1の電極2の領域である。
なお、図5の光電変換素子10においては、第1の電極2の最端2Eを含む端部の積層方向の高さ(h2)は、第1の電極2の平均厚み、及びホールブロッキング層3の平均厚みの合計よりも大きい。
図6は、光電変換素子の他の一例の断面図である。図6の断面図は、各層の積層方向と直交する方向の片方の端部の断面図である。
図6の光電変換素子10は、基板1、第1の電極2、ホールブロッキング層3、光電変換層4、及び第2の電極5を有する。光電変換層4は、電子輸送層14、及びホール輸送層24を有する。
基板1、第1の電極2、ホールブロッキング層3、光電変換層4、及び第2の電極5の積層方向と直交する方向の光電変換素子10の端部10Eにおいて、電子輸送層14の最端14Eは、第1の電極2の最端2Eよりも光電変換素子10の内側にある。
光電変換素子10の端部10Eにおいて、ホール輸送層24の最端24Eは、第2の電極5Eの最端5Eよりも光電変換素子10の外側にある。
光電変換素子10の端部10Eにおいて、第2の電極5の最端5Eは、電子輸送層14の最端14Eよりも光電変換素子10の内側にある。
更に、光電変換素子10において、電子輸送層14の最端14Eよりも光電変換素子の外側に、ホール輸送層24の材質と同じ材質からなる領域Rが、基板1に接して存在している。
更に、ホール輸送層24と領域Rとは一体化している。この場合、ホール輸送層24の最端24Eは、積層方向と直交する方向において、電子輸送層14の最端14Eと同じ位置にあるものとする。
更に、第1の電極2の最端2Eは、基板1と接していない。そして、領域Rは、第1の電極2の最端2Eと基板1との間に少なくとも存在している。
更に、第1の電極2の最端2Eを含む端部の積層方向の高さ(h2)は、第1の電極2の平均厚み、ホールブロッキング層3の平均厚み、及び電子輸送層14の平均厚みの合計(ha)よりも小さい。
図7は、光電変換素子の他の一例の断面図である。図7の断面図は、各層の積層方向と直交する方向の片方の端部の断面図である。
図7の光電変換素子10は、基板1、第1の電極2、ホールブロッキング層3、光電変換層4、及び第2の電極5を有する。光電変換層4は、電子輸送層14、及びホール輸送層24を有する。
基板1、第1の電極2、ホールブロッキング層3、光電変換層4、及び第2の電極5の積層方向と直交する方向の光電変換素子10の端部10Eにおいて、電子輸送層14の最端14Eは、第1の電極2の最端2Eよりも光電変換素子10の内側にある。
光電変換素子10の端部10Eにおいて、ホール輸送層24の最端24Eは、第2の電極5Eの最端5Eよりも光電変換素子10の外側にある。
光電変換素子10の端部10Eにおいて、第2の電極5の最端5Eは、電子輸送層14の最端14Eよりも光電変換素子10の内側にある。
更に、光電変換素子10において、電子輸送層14の最端14Eよりも光電変換素子の外側に、ホール輸送層24の材質と同じ材質からなる領域Rが、基板1に接して存在している。領域Rは、ホール輸送層24と接していない。領域Rの積層方向の長さは、第1の電極2の平均厚みよりも大きい。領域Rは、電子輸送層14の最端14Eと接している。
更に、第1の電極2の最端2Eは、基板1と接していない。そして、領域Rは、第1の電極2の最端2Eと基板1との間に少なくとも存在している。
更に、第1の電極2の最端2Eを含む端部の積層方向の高さ(h2)は、第1の電極2の平均厚み、ホールブロッキング層3の平均厚み、及び電子輸送層14の平均厚みの合計(ha)よりも小さい。
図8は、光電変換素子の他の一例の断面図である。図8の断面図は、各層の積層方向と直交する方向の片方の端部の断面図である。
図8の光電変換素子10は、基板1、第1の電極2、ホールブロッキング層3、光電変換層4、及び第2の電極5を有する。光電変換層4は、電子輸送層14、及びホール輸送層24を有する。
基板1、第1の電極2、ホールブロッキング層3、光電変換層4、及び第2の電極5の積層方向と直交する方向の光電変換素子10の端部10Eにおいて、電子輸送層14の最端14Eは、第1の電極2の最端2Eよりも光電変換素子10の内側にある。
光電変換素子10の端部10Eにおいて、ホール輸送層24の最端24Eは、第2の電極5Eの最端5Eよりも光電変換素子10の外側にある。
光電変換素子10の端部10Eにおいて、第2の電極5の最端5Eは、電子輸送層14の最端14Eよりも光電変換素子10の内側にある。
更に、光電変換素子10において、電子輸送層14の最端14Eよりも光電変換素子の外側に、ホール輸送層24の材質と同じ材質からなる領域Rが、基板1に接して存在している。領域Rは、ホール輸送層24と接していない。領域Rの積層方向の長さは、第1の電極2の平均厚みよりも大きい。領域Rは、電子輸送層14の最端14Eと接している。
更に、第1の電極2の最端2Eは、基板1と接していない。そして、領域Rは、第1の電極2の最端2Eと基板1との間に少なくとも存在している。
更に、第1の電極2の最端2Eを含む端部の積層方向の高さ(h2)は、第1の電極2の平均厚み、ホールブロッキング層3の平均厚み、及び電子輸送層14の平均厚みの合計(ha)よりも小さい。
更に、第2の電極5の最端5Eは、ホール輸送層24と接していない。
端部5Eがホール輸送層24と離れることで、電流が端部に集中しても、端部や端部界面を電流が流れて静電破壊を引き起こすことを抑制することができる。
図9は、光電変換素子の他の一例の断面図である。図9の断面図は、各層の積層方向と直交する方向の片方の端部の断面図である。
図9の光電変換素子10は、図1の光電変換素子10において、電子輸送層14を、表面に光増感化合物を吸着させた電子輸送性半導体粒子14Pで作製した例である。この場合、電子輸送層14において、ホール輸送層24を構成するホール輸送材料が、電子輸送性半導体粒子14Pの間に存在している。
以下に、各構成の詳細を説明する。
<基板>
前記基板としては、その形状、構造、大きさについては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記基板の材質としては、透光性及び絶縁性を有するものが好ましい。そのような材質としては、例えば、ガラス、プラスチック板、プラスチックフィルム、プラスチック膜、セラミック、無機物透明結晶体等の基板が挙げられる。これらの中でも、電子輸送層を形成する際に焼成する工程を含む場合は、焼成温度に対して耐熱性を有する材質のものが好ましい。また、基板としては、可とう性を有するものが好ましい。
前記基板の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、50μm以上5mm以下などが挙げられる。
<第1の電極>
前記第1の電極としては、その形状、大きさについては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記第1の電極の構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、一層構造であってもよいし、複数の材料を積層する構造であってもよい。
第1の電極の材質としては、導電性を有するものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、透明導電性金属酸化物、カーボン、金属などが挙げられる。
前記透明導電性金属酸化物としては、例えば、インジウム・スズ酸化物(以下、「ITO」と称する)、フッ素ドープ酸化スズ(以下、「FTO」と称する)、アンチモンドープ酸化スズ(以下、「ATO」と称する)、ニオブドープ酸化スズ(以下、「NTO」と称する)、アルミドープ酸化亜鉛(以下、「AZO」と称する)、インジウム・亜鉛酸化物、ニオブ・チタン酸化物などが挙げられる。
前記カーボンとしては、例えば、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、グラフェン、フラーレンなどが挙げられる。
前記金属としては、例えば、金、銀、アルミニウム、ニッケル、インジウム、タンタル、チタンなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、透明性が高い透明導電性金属酸化物が好ましく、ITO、FTO、ATO、NTO、AZOがより好ましい。
前記第1の電極の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5nm以上100μm以下が好ましく、50nm以上10μm以下がより好ましい。なお、第1の電極の材質がカーボンや金属の場合には、第1の電極の平均厚みとしては、透光性を得られる程度の平均厚みにすることが好ましい。
前記第1の電極は、スパッタ法、蒸着法、スプレー法等の公知の方法などにより形成することができる。
また、前記第1の電極は、前記基板上に形成されることが好ましく、予め基板上に第1の電極が形成されている一体化された市販品を用いることができる。
一体化された市販品としては、例えば、FTOコートガラス、ITOコートガラス、酸化亜鉛:アルミニウムコートガラス、FTOコート透明プラスチックフィルム、ITOコート透明プラスチックフィルムなどが挙げられる。他の一体化された市販品としては、例えば、酸化スズ若しくは酸化インジウムに原子価の異なる陽イオン若しくは陰イオンをドープした透明電極、又はメッシュ状やストライプ状等の光が透過できる構造にした金属電極を設けたガラス基板などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用して混合又は積層したものでもよい。また、電気的抵抗値を下げる目的で、金属リード線などを併用してもよい。
また、一体化された市販品における電極を適宜加工して、後述する光電変換モジュールを作製するために、複数の第1の電極が形成された基板を作製してもよい。
前記金属リード線の材質としては、例えば、アルミニウム、銅、銀、金、白金、ニッケルなどが挙げられる。
前記金属リード線は、例えば、蒸着、スパッタリング、圧着などで基板に形成し、その上にITOやFTOの層を設ける、あるいはITOやFTOの上に設けることにより併用することができる。
<ホールブロッキング層>
前記ホールブロッキング層は、例えば、電解質が電極と接して、電解質中のホールと電極表面の電子が再結合(いわゆる逆電子移動)することによる電力低下を抑制するために設けられる。前記ホールブロッキング層の効果は、固体型色素増感型太陽電池において特に顕著である。これは、電解液を用いた湿式色素増感太陽電池と比較し、有機ホール輸送材料等を用いた固体型色素増感型太陽電池はホール輸送材料中のホールと電極表面の電子の再結合(逆電子移動)速度が速いことに起因している。
前記ホールブロッキング層は、例えば、前記第1の電極上に配置されている。
前記ホールブロッキング層の材料としては、可視光に対して透明であり、かつ電子輸送性材料であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シリコン、ゲルマニウム等の単体半導体、金属のカルコゲニドに代表される化合物半導体、ペロブスカイト構造を有する化合物などが挙げられる。
金属のカルコゲニドとしては、例えば、チタン、スズ、亜鉛、鉄、タングステン、ジルコニウム、ハフニウム、ストロンチウム、インジウム、セリウム、イットリウム、ランタン、バナジウム、ニオブ、タンタルの酸化物;カドミウム、亜鉛、鉛、銀、アンチモン、ビスマスの硫化物;カドミウム、鉛のセレン化物;カドミウムのテルル化物などが挙げられる。他の化合物半導体としては、例えば、亜鉛、ガリウム、インジウム、カドミウム等のリン化物;ガリウム砒素、銅−インジウム−セレン化物、銅−インジウム−硫化物などが挙げられる。
ペロブスカイト構造を有する化合物としては、例えば、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ナトリウム、チタン酸バリウム、ニオブ酸カリウムなどが挙げられる。
これらの中でも、酸化物半導体が好ましく、酸化チタン、酸化ニオブ、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化タングステン、酸化スズがより好ましく、酸化チタンが更に好ましい。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、単層としても積層してもよい。また、これらの半導体の結晶型は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、単結晶でもよいし、多結晶でもよいし、あるいは非晶質でもよい。
ホールブロッキング層の製膜方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、湿式製膜のゾルゲル法、四塩化チタンからの加水分解法、乾式製膜のスパッタリング法などが挙げられるが、これらの中でもスパッタリング法が好ましい。ホールブロッキング層の製膜方法がスパッタリング法であると、膜密度を十分に高くでき、損失電流を抑制することができる。
前記ホールブロッキング層の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、透過率及び逆電子移動抑制の観点から、5nm以上1,000nm以下が好ましく、湿式製膜では500nm以上700nm以下がより好ましく、乾式製膜では5nm以上30nm以下がより好ましい。
<光電変換層>
前記光電変換層は、電子輸送層と、ホール輸送層とを有し、更に必要に応じて、その他の部材を有する。
<<電子輸送層>>
前記電子輸送層は、電子輸送性半導体を有する。
前記電子輸送層は、表面に光増感化合物を吸着させた電子輸送性半導体を有することが好ましい。
電子輸送層は、光増感化合物で生成された電子を第1の電極あるいはホールブロッキング層まで輸送する目的で形成される。このため、電子輸送層は、第1の電極あるいはホールブロッキング層に隣接して配置されることが好ましい。
前記電子輸送層は、単層であってもよいし、多層であってもよい。
前記電子輸送性半導体としては、電子輸送性半導体微粒子が好ましく用いられる。
多層の場合、粒径の異なる半導体微粒子の分散液を多層塗布することも、種類の異なる半導体や、樹脂、添加剤の組成が異なる塗布層を多層塗布することもできる。
なお、一度の塗布で膜厚が不足する場合には、前記多層塗布は有効な手段である。
一般的に、前記電子輸送層の平均厚みが増大するほど単位投影面積当たりの担持光増感材料量も増えるため光の捕獲率が高くなるが、注入された電子の拡散距離も増えるため、電荷の再結合によるロスも大きくなってしまう。したがって、前記電子輸送層の平均厚みは、50nm以上100μm以下が好ましく、100nm以上50μm以下がより好ましく、120nm以上10μm以下が更に好ましい。
前記電子輸送性半導体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シリコン、ゲルマニウム等の単体半導体;金属のカルコゲニドに代表される化合物半導体、ペロブスカイト構造を有する化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記金属のカルコゲニドとしては、例えば、チタン、スズ、亜鉛、鉄、タングステン、ジルコニウム、ハフニウム、ストロンチウム、インジウム、セリウム、イットリウム、ランタン、バナジウム、ニオブ、タンタルの酸化物;カドミウム、亜鉛、鉛、銀、アンチモン、ビスマスの硫化物;カドミウム、鉛のセレン化物、カドミウムのテルル化物などが挙げられる。
他の化合物半導体としては、例えば、亜鉛、ガリウム、インジウム、カドミウム等のリン化物;ガリウム砒素、銅−インジウム−セレン化物、銅−インジウム−硫化物などが挙げられる。
前記ペロブスカイト構造を有する化合物としては、例えば、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ナトリウム、チタン酸バリウム、ニオブ酸カリウムなどが挙げられる。
前記電子輸送性半導体の中でも、酸化物半導体が好ましく、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ニオブがより好ましい。
前記電子輸送性半導体の結晶型については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、単結晶、多結晶、及び非晶質のいずれでも構わない。
前記半導体微粒子のサイズとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、一次粒子の平均粒径は1nm以上100nm以下が好ましく、5nm以上50nm以下がより好ましい。
また、より大きい平均粒径の半導体微粒子を混合又は積層して入射光を散乱させる効果により、効率を向上させることも可能である。この場合、前記半導体微粒子の平均粒径は50nm以上500nm以下が好ましい。
前記電子輸送層の作製方法については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スパッタリング等の真空中で薄膜を形成する方法、湿式製膜法などが挙げられる。これらの中でも、製造コスト等を考慮した場合、湿式製膜法が好ましく、半導体微粒子又はゾルを分散したペーストを調製し、前記第1の電極の上、または前記ホールブロッキング層上に塗布する方法が特に好ましい。
前記湿式製膜法を用いた場合、塗布方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ディップ法、スプレー法、ワイヤーバー法、スピンコート法、ローラーコート法、ブレードコート法、グラビアコート法などが挙げられる。また、湿式印刷方法として、例えば、凸版、オフセット、グラビア、凹版、ゴム版、スクリーン印刷などが挙げられる。
前記半導体微粒子の分散液を機械的粉砕、又はミルを使用して作製する場合、少なくとも半導体微粒子単独、又は半導体微粒子と樹脂の混合物を水又は有機溶剤に分散して形成される。
前記樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スチレン、酢酸ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等によるビニル化合物の重合体や共重合体、シリコーン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリエステル樹脂、セルロースエステル樹脂、セルロースエーテル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記溶媒としては、例えば、水、アルコール溶媒、ケトン溶媒、エステル溶媒、エーテル溶媒、アミド溶媒、ハロゲン化炭化水素溶媒、炭化水素溶媒などが挙げられる。
前記アルコール溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、α−テルピネオールなどが挙げられる。
前記ケトン溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどが挙げられる。
前記エステル溶媒としては、例えば、ギ酸エチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチルなどが挙げられる。
前記エーテル溶媒としては、例えば、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサンなどが挙げられる。
前記アミド溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどが挙げられる。
前記ハロゲン化炭化水素溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、ブロモホルム、ヨウ化メチル、ジクロロエタン、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、フルオロベンゼン、ブロモベンゼン、ヨードベンゼン、1−クロロナフタレンなどが挙げられる。
前記炭化水素溶媒としては、例えば、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−オクタン、1,5−ヘキサジエン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロヘキサジエン、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、エチルベンゼン、クメンなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記半導体微粒子の分散液、あるいはゾルゲル法等によって得られた前記半導体微粒子のペーストには、粒子の再凝集を防ぐため、酸、界面活性剤、キレート化剤などを添加してもよい。
前記酸としては、例えば、塩酸、硝酸、酢酸などが挙げられる。
前記界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテルなどが挙げられる。
前記キレート化剤としては、例えば、アセチルアセトン、2−アミノエタノール、エチレンジアミンなどが挙げられる。
また、製膜性を向上させる目的で、増粘剤を添加することも有効な手段である。
前記増粘剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、エチルセルロースなどが挙げられる。
前記半導体微粒子は、塗布した後に粒子同士を電子的にコンタクトさせ、膜強度の向上や基板との密着性を向上させるために焼成、マイクロ波照射、電子線照射、レーザー光照射を行うことが好ましい。これらの処理は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。
前記焼成する場合、焼成温度については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、温度を上げ過ぎると基板の抵抗が高くなったり、溶融したりすることがあるため、30℃以上700℃以下が好ましく、100℃以上600℃以下がより好ましい。焼成時間については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10分間以上10時間以下が好ましい。
前記マイクロ波照射は、電子輸送層形成側から照射しても、裏側から照射しても構わない。前記マイクロ波の照射時間については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1時間以内で行うことが好ましい。
焼成後、半導体微粒子の表面積の増大や、光増感化合物から半導体微粒子への電子注入効率を高める目的で、例えば、四塩化チタンの水溶液や有機溶剤との混合溶液を用いた化学メッキや三塩化チタン水溶液を用いた電気化学的メッキ処理を行ってもよい。
直径が数十nmの半導体微粒子を焼結等によって積層した膜は、多孔質状態を形成する。このナノ多孔構造は、非常に高い表面積を持ち、その表面積はラフネスファクターを用いて表わすことができる。
前記ラフネスファクターは、基板に塗布した半導体微粒子の面積に対する多孔質内部の実面積を表す数値である。したがって、前記ラフネスファクターは大きいほど好ましいが、電子輸送層の膜厚との関係から、20以上が好ましい。
<<光増感化合物>>
本発明においては、変換効率の更なる向上のため、光増感化合物を電子輸送層の電子輸送性半導体の表面に吸着させることが好ましい。
前記光増感化合物は、使用される励起光により光励起される化合物であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、特表平7−500630号公報、特開平10−233238号公報、特開2000−26487号公報、特開2000−323191号公報、特開2001−59062号公報等に記載の金属錯体化合物;特開平10−93118号公報、特開2002−164089号公報、特開2004−95450号公報、J.Phys.Chem.C,7224,Vol.111(2007)等に記載のクマリン化合物;特開2004−95450号公報、Chem.Commun.,4887(2007)等に記載のポリエン化合物;特開2003−264010号公報、特開2004−63274号公報、特開2004−115636号公報、特開2004−200068号、特開2004−235052号公報、J.Am.Chem.Soc.,12218,Vol.126(2004)、Chem.Commun.,3036(2003)、Angew.Chem.Int.Ed.,1923,Vol.47(2008)等に記載のインドリン化合物;J.Am.Chem.Soc.,16701,Vol.128(2006)、J.Am.Chem.Soc.,14256,Vol.128(2006)等に記載のチオフェン化合物;特開平11−86916号公報、特開平11−214730号公報、特開2000−106224号公報、特開2001−76773号公報、特開2003−7359号公報等に記載のシアニン色素;特開平11−214731号公報、特開平11−238905号公報、特開2001−52766号公報、特開2001−76775号公報、特開2003−7360号等に記載メロシアニン色素;特開平10−92477号公報、特開平11−273754号公報、特開平11−273755号公報、特開2003−31273号等に記載の9−アリールキサンテン化合物;特開平10−93118号公報、特開2003−31273号等に記載のトリアリールメタン化合物;特開平9−199744号公報、特開平10−233238号公報、特開平11−204821号公報、特開平11−265738号、J.Phys.Chem.,2342,Vol.91(1987)、J.Phys.Chem.B,6272,Vol.97(1993)、Electroanal.Chem.,31,Vol.537(2002)、特開2006−032260号公報、J.Porphyrins Phthalocyanines,230,Vol.3(1999)、Angew.Chem.Int.Ed.,373,Vol.46(2007)、Langmuir,5436,Vol.24(2008)等に記載のフタロシアニン化合物、ポルフィリン化合物などが挙げられる。これらの中でも、金属錯体化合物、クマリン化合物、ポリエン化合物、インドリン化合物、チオフェン化合物が好ましく、三菱製紙株式会社製の下記構造式(1)、下記構造式(2)、下記構造式(3)で表される化合物、更に下記一般式(3)を含む化合物がより好ましい。なお、これらの光増感化合物は、単独で用いてもよく、2種類以上混合して用いることもできる。
Figure 2021136355
Figure 2021136355
Figure 2021136355
Figure 2021136355
前記一般式(3)において、X、及びXは、それぞれ独立して、酸素原子、硫黄原子、又はセレン原子を表す。
は置換基を有していてもよいメチン基を表す。その置換基の具体例としては、フェニル基、ナフチル基などのアリール基、チエニル基、フリル基などのヘテロ環が挙げられる。
は置換基を有していてもよいアルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。アルキル基としては、メチル基、エチル基、2−プロピル基、2−エチルヘキシル基等、アリール基及びヘテロ環基としては前述のものが挙げられる。
はカルボン酸、スルホン酸、ホスホン酸、ボロン酸、フェノール類などの酸性基を表す。Rは、1つであってもよいし、複数であってもよい。
Z1、及びZ2は、それぞれ独立して、環状構造を形成する置換基を表す。
Z1は、ベンゼン環、ナフタレン環などの縮合炭化水素系化合物、チオフェン環、フラン環などのヘテロ環が挙げられ、それぞれ置換基を有していてもよい。その置換基の具体例としては前述のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、2−イソプロポキシ基等のアルコキシ基が挙げられる。
Z2は、それぞれ下記に示す(A−1)〜(A−22)が挙げられる。
Figure 2021136355
上記一般式(3)を含む光増感化合物の具体例としては、以下に示す(B−1)〜(B−36)が挙げられる。ただし、これらに限定されるものではない。
Figure 2021136355
Figure 2021136355
Figure 2021136355
Figure 2021136355
前記電子輸送性半導体に前記光増感化合物を吸着させる方法としては、例えば、光増感化合物の溶液中、又は光増感化合物の分散液中に、半導体材料を含む電子輸送層を浸漬する方法、光増感化合物の溶液、又は光増感化合物の分散液を電子輸送層に塗布して吸着させる方法などを用いることができる。
光増感化合物の溶液中、又は光増感化合物の分散液中に、半導体材料を形成した電子輸送層を浸漬する方法としては、例えば、浸漬法、ディップ法、ローラ法、エアーナイフ法などが挙げられる。
光増感化合物の溶液、又は光増感化合物の分散液を、電子輸送層に塗布して吸着させる方法としては、例えば、ワイヤーバー法、スライドホッパー法、エクストルージョン法、カーテン法、スピン法、スプレー法などが挙げられる。
また、二酸化炭素等を用いた超臨界流体中で吸着させても構わない。
前記光増感化合物を吸着させる際には、縮合剤を併用してもよい。
前記縮合剤は、電子輸送性半導体表面に物理的又は化学的に光増感化合物を結合させるような触媒的作用をするもの、及び化学量論的に作用し、化学平衡を有利に移動させるものの何れであってもよい。
更に、縮合助剤として、チオールやヒドロキシ化合物を添加してもよい。
前記光増感化合物を溶解、又は分散する溶媒としては、例えば、水、アルコール溶媒、ケトン溶媒、エステル溶媒、エーテル溶媒、アミド溶媒、ハロゲン化炭化水素溶媒、炭化水素溶媒などが挙げられる。
前記アルコール溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどが挙げられる。
前記ケトン溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどが挙げられる。
前記エステル溶媒としては、例えば、ギ酸エチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチルなどが挙げられる。
前記エーテル溶媒としては、例えば、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサンなどが挙げられる。
前記アミド溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどが挙げられる。
前記ハロゲン化炭化水素溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、ブロモホルム、ヨウ化メチル、ジクロロエタン、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、フルオロベンゼン、ブロモベンゼン、ヨードベンゼン、1−クロロナフタレンなどが挙げられる。
前記炭化水素溶媒としては、例えば、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−オクタン、1,5−ヘキサジエン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロヘキサジエン、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、エチルベンゼン、クメンなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記光増感化合物は、その種類によっては化合物間の凝集を抑制した方がより効果的に働くものが存在するため、凝集解離剤を併用しても構わない。
前記凝集解離剤としては、特に制限はなく、用いる色素に応じて適宜選択することができ、例えば、コール酸、ケノデオキシコール酸等のステロイド化合物;長鎖アルキルカルボン酸又は長鎖アルキルホスホン酸などが挙げられる。
前記凝集解離剤の添加量は、前記光増感化合物1質量部に対して、0.01質量部以上500質量部以下が好ましく、0.1質量部以上100質量部以下がより好ましい。
これらを用い、前記光増感化合物又は前記光増感化合物と前記凝集解離剤を吸着する際の温度としては、−50℃以上200℃以下が好ましい。
なお、前記吸着は静置しても攪拌しながら行っても構わない。
前記攪拌する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スターラー、ボールミル、ペイントコンディショナー、サンドミル、アトライター、ディスパーザー、超音波分散などが挙げられる。
前記吸着に要する時間は、5秒間以上1,000時間以下が好ましく、10秒間以上500時間以下がより好ましく、1分間以上150時間以下が更に好ましい。
なお、前記吸着は暗所で行うことが好ましい。
<<ホール輸送層>>
前記ホール輸送層の構成材料(ホール輸送材料)としては、例えば、酸化還元対を有機溶媒に溶解した電解液、酸化還元対を有機溶媒に溶解した液体をポリマーマトリックスに含浸したゲル電解質、酸化還元対を含有する溶融塩、固体電解質、無機ホール輸送材料、有機ホール輸送材料などが挙げられる。
無機ホール輸送材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、CuSCN、CuI、CuBr、NiO、V、酸化グラフェンなどが挙げられる。
これらの中でも、有機ホール輸送材料が好ましい。なお、以下、有機ホール輸送材料を例として説明する箇所があるが、これに限られるものではない。
有機ホール輸送材料などとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、特公昭34−5466号公報等に示されているオキサジアゾール化合物、特公昭45−555号公報等に示されているトリフェニルメタン化合物、特公昭52−4188号公報等に示されているピラゾリン化合物、特公昭55−42380号公報等に示されているヒドラゾン化合物、特開昭56−123544号公報等に示されているオキサジアゾール化合物、特開昭54−58445号公報に示されているテトラアリールベンジジン化合物、特開昭58−65440号公報又は特開昭60−98437号公報に示されているスチルベン化合物、スピロ型化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、スピロ型化合物が好ましい。
スピロ型化合物としては、例えば、下記一般式(4)を含む化合物などが挙げられる。
Figure 2021136355
ただし、前記一般式(4)中、RからRは、それぞれ独立して、ジメチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ナフチル−4−トリルアミノ基などの置換アミノ基を表す。
スピロ型化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、以下に示す例示化合物D−1からD−20などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
Figure 2021136355
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スピロ型化合物は、2つのベンジジン骨格分子が捻れて結合しているため、球状に近い電子雲を形成し、分子間におけるホッピング伝導性が良好であることにより、優れた光電変換特性を示す。また、溶解性が高いため、各種有機溶媒に溶解し、アモルファス(結晶構造をもたない無定形物質)であり、多孔質状の電子輸送層に密に充填されやすい。更に、450nm以上の光吸収特性を有さないため、光増感化合物に効率的に光吸収を行わせることができ、固体型色素増感型太陽電池にとって特に好ましい。
<<塩基性化合物>>
ホール輸送層は、塩基性化合物を有する。
塩基性化合物は、電子輸送層近傍の界面に存在すると考えられ、電子輸送層からの逆電子移動(即ち、電子輸送層からホール輸送層への電子移動)を抑制していると考えられる。
塩基性化合物としては、下記一般式(A)又は一般式(B)からなる塩基性化合物が好ましく下記一般式(1)、及び一般式(2)で示される3級アミン化合物が更に好ましい。ホール輸送層に下記一般式(A)又は一般式(B)の塩基性化合物を含有すると、高い開放電圧が得られ、高い光電変換特性が得られる点で有利である。更に、ホール輸送層が一般式(1)、及び一般式(2)で示される3級アミン化合物の少なくともいずれかを有することにより、低照度光においても、高い光電変換性と、経時安定性とを両立することができる。
Figure 2021136355
(式中、R、Rは、それぞれ独立に、アルキル基又は芳香族炭化水素基を表し、同一又は異なる基を表すか、若しくは、R、Rは互いに結合し、窒素原子を含む複素環基を表す。)
Figure 2021136355
(式中、R、Rは、それぞれ独立に、アルキル基又は芳香族炭化水素基を表し、同一又は異なる基を表すか、若しくは、R、Rは互いに結合し、窒素原子を含む複素環基を表す。)
Figure 2021136355
Figure 2021136355
ただし、前記一般式(1)、及び前記一般式(2)中、Ar及びArは、置換基を有していてもよいアリール基を表し、前記Ar及び前記Arは、同一でも異なっていてもよく、互いに結合してもよい。
以下に、前記一般式(A)、及び前記一般式(B)の塩基性化合物の具体的な例示化合物を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2021136355
Figure 2021136355
次に、一般式(1)、及び一般式(2)で示される3級アミン化合物の具体例としては、例えば、以下に示す例示化合物C−1からC−20などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
Figure 2021136355
Figure 2021136355
Figure 2021136355
Figure 2021136355
ホール輸送層における塩基性化合物の含有量は、ホール輸送材料の全量に対して、1質量部以上50質量部以下が好ましく、10質量部以上30質量部以下がより好ましい。塩基性化合物の含有量が好ましい範囲であることにより、高い開放電圧を維持でき、高い出力が得られ、かつ様々な環境で長期使用しても高い安定性と耐久性が得られる。
<<酸化剤>>
ホール輸送層は、酸化剤を含有することが好ましい。ホール輸送層が酸化剤を含有することにより、有機ホール輸送材料の一部がラジカルカチオンになることで、導電性が向上し、出力特性の耐久性や安定性を高めることができる。
酸化剤により有機ホール輸送材料が酸化されることにより、良好なホール伝導性を示すとともに、光電変換層の周囲環境の影響による酸化状態の解除(還元)を抑制することができることで良好な経時安定性を示す。
酸化剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ヘキサクロロアンチモン酸トリス(4−ブロモフェニル)アミニウム、ヘキサフルオロアンチモネート銀、ニトロソニウムテトラフルオボラート、硝酸銀、金属錯体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、金属錯体が好ましい。
金属錯体としては、例えば、金属カチオン、配位子、アニオンから構成される構成などが挙げられる。
金属カチオンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、クロム、マンガン、亜鉛、鉄、コバルト、ニッケル、銅、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、バナジウム、金、白金などのカチオンなどが挙げられる。これらの中でも、マンガン、亜鉛、鉄、コバルト、ニッケル、銅、ルテニウム、銀、バナジウムのカチオンが好ましく、コバルトのカチオンがより好ましい。即ち金属錯体はコバルト錯体がより好ましい。
配位子としては、少なくとも一つの窒素を含有する5及び/又は6員複素環を含むものが好ましく、置換基を有していてもよい。具体例としては、以下のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2021136355
Figure 2021136355
Figure 2021136355
アニオンとしては、例えば、水素化物イオン(H)、フッ化物イオン(F)、塩化物イオン(Cl)、臭化物イオン(Br)、ヨウ化物イオン(I)、水酸化物イオン(OH)、シアン化物イオン(CN)、硝酸イオン(NO )、亜硝酸イオン(NO )、次亜塩素酸イオン(ClO)、亜塩素酸イオン(ClO )、塩素酸イオン(ClO )、過塩素酸イオン(ClO )、過マンガン酸イオン(MnO )、酢酸イオン(CHCOO)、炭酸水素イオン(HCO )、リン酸二水素イオン(HPO )、硫酸水素イオン(HSO )、硫化水素イオン(HS)、チオシアン酸イオン(SCN)、テトラフロオロホウ素酸イオン(BF )、ヘキサフルオロリン酸イオン(PF )、テトラシアノホウ素酸イオン(B(CN) )、ジシアノアミンイオン(N(CN) )、p−トルエンスルホン酸イオン(TsO)、トリフルオロメチルスルホン酸イオン(CFSO2−)、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミンイオン(N(SOCF )、テトラヒドロキソアルミン酸イオン([Al(OH)、あるいは[Al(OH)(HO))、ジシアノ銀(I)酸イオン([Ag(CN))、テトラヒドロキソクロム(III)酸イオン([Cr(OH))、テトラクロロ金(III)酸イオン([AuCl)、酸化物イオン(O−)、硫化物イオン(S )、過酸化物イオン(O 2−)、硫酸イオン(SO 2−)、亜硫酸イオン(SO 2−)、チオ硫酸イオン(S 2−)、炭酸イオン(CO 2−)、クロム酸イオン(CrO 2−)、二クロム酸イオン(Cr 2−)、リン酸一水素イオン(HPO 2−)、テトラヒドロキソ亜鉛(II)酸イオン([Z(OH)2−)、テトラシアノ亜鉛(II)酸イオン([Zn(CN)2−)、テトラクロロ銅(II)酸イオン([CuCl2−)、リン酸イオン(PO 3−)、ヘキサシアノ鉄(III)酸イオン([Fe(CN)3−)、ビス(チオスルファト)銀(I)酸イオン([Ag(S3−)、ヘキサシアノ鉄(II)酸イオン([Fe(CN)4−)などが挙げられる。これらの中でも、テトラフロオロホウ素酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、テトラシアノホウ素酸イオン、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミンイオン、過塩素酸イオンが好ましい。
前記金属錯体としては、下記一般式(5)で示される3価のコバルト錯体が特に好ましい。金属錯体が3価のコバルト錯体であると、酸化剤としての機能が優れる点で有利である。
Figure 2021136355
ただし、前記一般式(5)中、R〜R10は、それぞれ独立して、水素原子、メチル基、エチル基、ターシャルブチル基、又はトリフルオロメチル基を示す。X-は、上記1価のアニオンから選択されるいずれかを示す。
以下に、前記一般式(5)で表されるコバルト錯体の具体例を記載する。ただし、これらに限定されるものではない。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
Figure 2021136355
Figure 2021136355
また、前記金属錯体としては、下記一般式(6)で示される3価のコバルト錯体も有効に用いられる。
Figure 2021136355
ただし、前記一般式(6)中、R11〜R12は、それぞれ独立して、水素原子、メチル基、エチル基、ターシャルブチル基、又はトリフルオロメチル基を示す。Xは、上記1価のアニオンから選択されるいずれかを示す。
以下に前記一般式(6)で表されるコバルト錯体の具体例を記載する。ただし、これらに限定されるものではない。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
Figure 2021136355
酸化剤の含有量は、ホール輸送材料100質量部に対して、0.5質量部以上50質量部以下が好ましく、5質量部以上30質量部以下がより好ましい。酸化剤の添加によって、すべてのホール輸送材料が酸化される必要はなく、一部のみが酸化されていれば有効である。
<<アルカリ金属塩>>
ホール輸送層は、添加剤として、アルカリ金属塩を有することが好ましい。これにより、電荷の移動がスムーズになり、良好な光電変換特性を得られる点で有利である。
アルカリ金属塩のカチオンは、電子輸送層近傍の界面に存在すると考えられ、アルカリ金属塩のアニオンは、ホール輸送層中にドープされると考えられる。
アルカリ金属塩としては、例えば、塩化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム、過塩素酸リチウム、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)ジイミド、リチウムジイソプロピルイミド、酢酸リチウム、テトラフルオロホウ素酸リチウム、ペンタフルオロリン酸リチウム、テトラシアノホウ素酸リチウム等のリチウム塩、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、過塩素酸ナトリウム、ナトリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)ジイミド、酢酸ナトリウム、テトラフルオロホウ素酸ナトリウム、ペンタフルオロリン酸ナトリウム、テトラシアノホウ素酸ナトリウム等のナトリウム塩、塩化カリウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウム、過塩素酸カリウム等のカリウム塩などが挙げられる。これらの中でも、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)ジイミド、リチウムジイソプロピルイミドが好ましい。
アルカリ金属塩の含有量は、ホール輸送材料100質量部に対して、1質量部以上50質量部以下が好ましく、5質量部以上30質量部以下がより好ましい。
ホール輸送層は、単一材料からなる単層構造でもよく、複数の化合物を含む積層構造であってもよい。ホール輸送層が積層構造の場合には、第2の電極に近いホール輸送層に高分子材料を用いることが好ましい。製膜性に優れる高分子材料を用いると、多孔質状の電子輸送層の表面をより平滑化することができ、光電変換特性を向上させることができる点で有利である。また、高分子材料は、多孔質状の電子輸送層内部へ浸透しにくいことから、多孔質状の電子輸送層表面の被覆性に優れ、電極を設ける際の短絡防止にも効果が得られる場合がある。
ホール輸送層に用いられる高分子材料としては、特に制限はなく、公知のホール輸送性高分子材料などが挙げられる。
ホール輸送性高分子材料としては、例えば、ポリチオフェン化合物、ポリフェニレンビニレン化合物、ポリフルオレン化合物、ポリフェニレン化合物、ポリアリールアミン化合物、ポリチアジアゾール化合物などが挙げられる。
ポリチオフェン化合物としては、例えば、ポリ(3−n−ヘキシルチオフェン)、ポリ(3−n−オクチルオキシチオフェン)、ポリ(9,9’−ジオクチル−フルオレン−コ−ビチオフェン)、ポリ(3,3’’’−ジドデシル−クォーターチオフェン)、ポリ(3,6−ジオクチルチエノ[3,2−b]チオフェン)、ポリ(2,5−ビス(3−デシルチオフェン−2−イル)チエノ[3,2−b]チオフェン)、ポリ(3,4−ジデシルチオフェン−コ−チエノ[3,2−b]チオフェン)、ポリ(3,6−ジオクチルチエノ[3,2−b]チオフェン−コ−チエノ[3,2−b]チオフェン)、ポリ(3,6−ジオクチルチエノ[3,2−b]チオフェン−コ−チオフェン)、ポリ(3,6−ジオクチルチエノ[3,2−b]チオフェン−コ−ビチオフェン)などが挙げられる。
ポリフェニレンビニレン化合物としては、例えば、ポリ[2−メトキシ−5−(2−エチルヘキシルオキシ)−1,4−フェニレンビニレン]、ポリ[2−メトキシ−5−(3,7−ジメチルオクチルオキシ)−1,4−フェニレンビニレン]、ポリ[(2−メトキシ−5−(2−エチルフェキシルオキシ)−1,4−フェニレンビニレン)−コ−(4,4’−ビフェニレン−ビニレン)]などが挙げられる。
ポリフルオレン化合物としては、例えば、ポリ(9,9’−ジドデシルフルオレニル−2,7−ジイル)、ポリ[(9,9−ジオクチル−2,7−ジビニレンフルオレン)−alt−コ−(9,10−アントラセン)]、ポリ[(9,9−ジオクチル−2,7−ジビニレンフルオレン)−alt−コ−(4,4’−ビフェニレン)]、ポリ[(9,9−ジオクチル−2,7−ジビニレンフルオレン)−alt−コ−(2−メトキシ−5−(2−エチルヘキシルオキシ)−1,4−フェニレン)]、ポリ[(9,9−ジオクチル−2,7−ジイル)−コ−(1,4−(2,5−ジヘキシルオキシ)ベンゼン)]などが挙げられる。
ポリフェニレン化合物としては、例えば、ポリ[2,5−ジオクチルオキシ−1,4−フェニレン]、ポリ[2,5−ジ(2−エチルヘキシルオキシ−1,4−フェニレン]などが挙げられる。
ポリアリールアミン化合物としては、例えば、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレニル−2,7−ジイル)−alt−コ−(N,N’−ジフェニル)−N,N’−ジ(p−ヘキシルフェニル)−1,4−ジアミノベンゼン]、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレニル−2,7−ジイル)−alt−コ−(N,N’−ビス(4−オクチルオキシフェニル)ベンジジン−N,N’−(1,4−ジフェニレン)]、ポリ[(N,N’−ビス(4−オクチルオキシフェニル)ベンジジン−N,N’−(1,4−ジフェニレン)]、ポリ[(N,N’−ビス(4−(2−エチルヘキシルオキシ)フェニル)ベンジジン−N,N’−(1,4−ジフェニレン)]、ポリ[フェニルイミノ−1,4−フェニレンビニレン−2,5−ジオクチルオキシ−1,4−フェニレンビニレン−1,4−フェニレン]、ポリ[p−トリルイミノ−1,4−フェニレンビニレン−2,5−ジ(2−エチルヘキシルオキシ)−1,4−フェニレンビニレン−1,4−フェニレン]、ポリ[4−(2−エチルヘキシルオキシ)フェニルイミノ−1,4−ビフェニレン]などが挙げられる。
ポリチアジアゾール化合物としては、例えば、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレニル−2,7−ジイル)−alt−コ−(1,4−ベンゾ(2,1’,3)チアジアゾール]、ポリ(3,4−ジデシルチオフェン−コ−(1,4−ベンゾ(2,1’,3)チアジアゾール)などが挙げられる。
これらの中でも、キャリア移動度やイオン化ポテンシャルの観点から、ポリチオフェン化合物及びポリアリールアミン化合物が好ましい。
ホール輸送材料に各種添加剤を加えても構わない。
添加剤としては、例えば、ヨウ素、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化セシウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化銅、ヨウ化鉄、ヨウ化銀等の金属ヨウ化物、ヨウ化テトラアルキルアンモニウム、ヨウ化ピリジニウム等の4級アンモニウム塩、臭化リチウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化セシウム、臭化カルシウム等の金属臭化物、臭化テトラアルキルアンモニウム、臭化ピリジニウム等の4級アンモニウム化合物の臭素塩、塩化銅、塩化銀等の金属塩化物、酢酸銅、酢酸銀、酢酸パラジウム等の酢酸金属塩、硫酸銅、硫酸亜鉛等の金属硫酸塩、フェロシアン酸塩−フェリシアン酸塩、フェロセン−フェリシニウムイオン等の金属錯体、ポリ硫化ナトリウム、アルキルチオール−アルキルジスルフィド等のイオウ化合物、ビオロゲン色素、ヒドロキノン等、ヨウ化1,2−ジメチル−3−n−プロピルイミダゾイニウム塩、ヨウ化1−メチル−3−n−ヘキシルイミダゾリニウム塩、1,2−ジメチル−3−エチルイミダゾリウムトリフロオロメタンスルホン酸塩、1−メチル−3−ブチルイミダゾリウムノナフルオロブチルスルホン酸塩、1−メチル−3−エチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチル)スルホニルイミド等のInorg.Chem.35(1996)1168に記載のイオン液体、ピリジン、4−t−ブチルピリジン、ベンズイミダゾール、又はこれらの誘導体等の塩基性化合物、アルカリ金属塩などが挙げられる。
ホール輸送層の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、多孔質状の電子輸送層の細孔に入り込んだ構造を有することが好ましく、電子輸送層上に0.01μm以上20μm以下が好ましく、0.1μm以上10μm以下がより好ましく、0.2μm以上2μm以下が更に好ましい。
前記ホール輸送層は、前記光増感化合物が含まれる前記電子輸送層の上に直接形成することができる。
前記ホール輸送層の作製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、真空蒸着等の真空中で薄膜を形成する方法、湿式製膜法などが挙げられる。これらの中でも、製造コストなどの点で、特に湿式製膜法が好ましく、前記電子輸送層上に塗布する方法が好ましい。
前記湿式製膜法を用いた場合、塗布方法としては、特に制限はなく、公知の方法にしたがって行うことができる。例えば、インクジェット法、ディップ法、スプレー法、ワイヤーバー法、スピンコート法、ローラーコート法、ブレードコート法、グラビアコート法、ダイコート法、また、湿式印刷方法として、凸版、オフセット、グラビア、凹版、ゴム版、スクリーン印刷等様々な方法を用いることができる。
また、超臨界流体あるいは臨界点より低い温度・圧力の亜臨界流体中で製膜してもよい。
前記超臨界流体は、気体と液体が共存できる限界(臨界点)を超えた温度・圧力領域において非凝集性高密度流体として存在し、圧縮しても凝集せず、臨界温度以上、かつ臨界圧力以上の状態にある流体である限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、臨界温度が低いものが好ましい。
前記超臨界流体としては、例えば、一酸化炭素、二酸化炭素、アンモニア、窒素、水、アルコール溶媒、炭化水素溶媒、ハロゲン溶媒、エーテル溶媒などが挙げられる。
前記アルコール溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、n−ブタノールなどが挙げられる。
前記炭化水素溶媒としては、例えば、エタン、プロパン、2,3−ジメチルブタン、ベンゼン、トルエンなどが挙げられる。
前記ハロゲン溶媒としては、例えば、塩化メチレン、クロロトリフロロメタンなどが挙げられる。
前記エーテル溶媒としては、例えば、ジメチルエーテルなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、二酸化炭素が、臨界圧力7.3MPa、臨界温度31℃であることから、容易に超臨界状態をつくり出せるとともに、不燃性で取扱いが容易である点で特に好ましい。
前記亜臨界流体としては、臨界点近傍の温度及び圧力領域において、高圧液体として存在する限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
上述した超臨界流体として挙げられる化合物は、前記亜臨界流体としても好適に使用することができる。
前記超臨界流体の臨界温度及び臨界圧力は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記臨界温度としては、−273℃以上300℃以下が好ましく、0℃以上200℃以下が特に好ましい。
更に、前記超臨界流体及び前記亜臨界流体に加え、有機溶媒やエントレーナーを併用することもできる。前記有機溶媒及び前記エントレーナーの添加により、前記超臨界流体中での溶解度の調整をより容易に行うことができる。
前記有機溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ケトン溶媒、エステル溶媒、エーテル溶媒、アミド溶媒、ハロゲン化炭化水素溶媒、炭化水素溶媒などが挙げられる。
前記ケトン溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどが挙げられる。
前記エステル溶媒としては、例えば、ギ酸エチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチルなどが挙げられる。
前記エーテル溶媒としては、例えば、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサンなどが挙げられる。
前記アミド溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどが挙げられる。
前記ハロゲン化炭化水素溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、ブロモホルム、ヨウ化メチル、ジクロロエタン、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、フルオロベンゼン、ブロモベンゼン、ヨードベンゼン、1−クロロナフタレンなどが挙げられる。
前記炭化水素溶媒としては、例えば、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−オクタン、1,5−ヘキサジエン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロヘキサジエン、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、エチルベンゼン、クメンなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、前記光増感化合物を吸着した前記電子輸送材料が含まれる前記電子輸送層上に、前記有機ホール輸送材料を設けた後、プレス処理を施しても構わない。前記プレス処理を施すことによって、前記有機ホール輸送材料がより多孔質電極である前記電子輸送層と密着するため効率が改善すると考えている。
前記プレス処理としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、IR錠剤成形器に代表されるような平板を用いたプレス成形法、ローラー等を用いたロールプレス法などが挙げられる。
前記プレス処理の圧力としては、10kgf/cm以上が好ましく、30kgf/cm以上がより好ましい。
前記プレス処理する時間は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1時間以下が好ましい。なお、前記プレス処理時に熱を加えてもよい。
前記プレス処理の際、プレス機と電極との間に離型剤を挟んでもよい。
前記離型剤としては、例えば、ポリ四フッ化エチレン、ポリクロロ三フッ化エチレン、四フッ化エチレン六フッ化プロピレン共重合体、ペルフルオロアルコキシフッ化樹脂、ポリフッ化ビニリデン、エチレン四フッ化エチレン共重合体、エチレンクロロ三フッ化エチレン共重合体、ポリフッ化ビニル等のフッ素樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記プレス処理を行った後、前記第2の電極を設ける前に、前記有機ホール輸送材料と前記第2の電極との間に金属酸化物を設けてもよい。
前記金属酸化物としては、例えば、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化バナジウム、酸化ニッケルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、酸化モリブデンが好ましい。
前記金属酸化物を前記ホール輸送層上に設ける方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スパッタリング、真空蒸着等の真空中で薄膜を形成する方法や湿式製膜法などが挙げられる。
前記湿式製膜法としては、金属酸化物の粉末、又はゾルを分散したペーストを調製し、前記ホール輸送層上に塗布する方法が好ましい。
前記湿式製膜法を用いた場合の塗布方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ディップ法、スプレー法、ワイヤーバー法、スピンコート法、ローラーコート法、ブレードコート法、グラビアコート法などが挙げられる。また、湿式印刷方法としては、例えば、凸版、オフセット、グラビア、凹版、ゴム版、スクリーン印刷などが挙げられる。
塗布された前記金属酸化物の平均厚みとしては、0.1nm以上50nm以下が好ましく、1nm以上10nm以下がより好ましい。
<第2の電極>
前記第2の電極は、前記ホール輸送層上に、又は前記ホール輸送層における金属酸化物上に形成することができる。
前記第2の電極は、通常前記第1の電極と同様のものを用いることができ、強度や密封性が充分に保たれるような構成では支持体は必ずしも必要ではない。
前記第2の電極の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、金属、炭素化合物、導電性金属酸化物、導電性高分子などが挙げられる。
前記金属としては、例えば、白金、金、銀、銅、アルミニウムなどが挙げられる。
前記炭素化合物としては、例えば、グラファイト、フラーレン、カーボンナノチューブ、グラフェンなどが挙げられる。
前記導電性金属酸化物としては、例えば、ITO、FTO、ATOなどが挙げられる。
前記導電性高分子としては、例えば、ポリチオフェン、ポリアニリンなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記第2の電極の形成については、用いられる材料の種類や前記ホール輸送層の種類により、適宜ホール輸送層上に、例えば、塗布、ラミネート、蒸着、CVD、貼り合わせ等の手法により形成可能である。
光電変換素子においては、第1の電極と第2の電極の少なくともいずれかは実質的に透明であることが好ましい。第1の電極側が透明であり、入射光を第1の電極側から入射させる方法が好ましい。この場合、第2の電極側には光を反射させる材料を使用することが好ましく、金属、導電性酸化物を蒸着したガラス、プラスチック、あるいは金属薄膜が好ましく用いられる。また、入射光側に反射防止層を設けることも有効な手段である。
<封止部>
少なくとも光電変換層を、外部環境から遮蔽する封止部を有することが好ましい。
前記封止部が一対の基板に挟持されてなり、少なくとも前記電子輸送層及び前記ホール輸送層が、外部環境から遮蔽されていればよく、前記光電変換素子の封止部に空隙部を有していてもよい。
封止部材の位置としては、少なくとも前記電子輸送層、ホール輸送層を外部環境から遮蔽する位置に配されれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記電子輸送層、ホール輸送層、及び第2の電極を覆うように、全面に設けてもよいし、第2の電極の上方に基板を配し、封止部材を前記基板の外縁に設け、第1の基板、第1の電極及びホールブロッキング層の少なくともいずれかと接着させてもよい。
後者のように、基板を配し、その外縁に封止部材を設ける構成は、光電変換素子、又は光電変換素子モジュールの内部に空隙部を設けることができる。空隙部は、酸素や湿度を制御することが可能であり、出力の向上や耐久性の向上に有効である。
封止部材としては、外気の水蒸気の侵入を阻害するものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、低融点フリットガラス、エポキシ樹脂、又はアクリル樹脂などの紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、上記のような構成材料に加え、より水蒸気の浸入を阻害するため、乾燥剤を混合してもよい。
封止部材としてエポキシ樹脂を用いることが好ましい。
封止部材としてエポキシ樹脂を用い、かつホール輸送層が上記一般式(1)、及び上記一般式(2)で示される3級アミン化合物の少なくともいずれかを有することにより、光電変換素子を高温高湿環境下に保存した場合においても、保存前の高い出力を維持することができる。
また、硬化物の柔軟性と基材との密着力が良好に保てるため、良好な機械的耐久性も得られる。
エポキシ樹脂としては、分子内にエポキシ基を有するモノマーあるいはオリゴマーが硬化した樹脂であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水分散型、無溶剤型、固体型、熱硬化型、硬化剤混合型、紫外線硬化型などが挙げられる。これらの中でも、熱硬化型、紫外線硬化型が好ましく、紫外線硬化型がより好ましい。なお、紫外線硬化型であっても加熱されてもよい。
前記エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ノボラック型、環状脂肪族型、長鎖脂肪族型、グリシジルアミン型、グリシジルエーテル型、グリシジルエステル型などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記エポキシ樹脂は、必要に応じて、硬化剤、各種添加剤を含んでもよい。
硬化剤としては、例えば、アミン系、酸無水物系、ポリアミド系、その他の硬化剤などが挙げられる。
アミン系硬化剤は、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどの脂肪族ポリアミン、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホンなどの芳香族ポリアミンなどが挙げられる。
酸無水物系硬化剤としては、例えば、無水フタル酸、テトラ及びヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、無水ピロメリット酸、無水ヘット酸、ドデセニル無水コハク酸などが挙げられる。
その他の硬化剤としては、例えば、イミダゾール類、ポリメルカプタンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記添加剤としては、例えば、充填材(フィラー)、スペーサー、重合開始剤、乾燥剤(吸湿剤)、硬化促進剤、カップリング剤、可とう化剤、着色剤、難燃助剤、酸化防止剤、有機溶剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、充填材、ギャップ剤、硬化促進剤、重合開始剤、乾燥剤(吸湿剤)が好ましく、充填材、重合開始剤が特に好ましい。
−充填材−
充填材としては、外部環境下の水分や酸素の浸入を抑制する上で有効であるほか、硬化時の体積収縮の低減、硬化時あるいは加熱時のガスの発生量の低減、機械的強度の向上、熱伝導性や流動性の制御等の効果を得ることができ、本発明においても様々な環境でも安定した出力を維持する上で非常に有効である。
光電変換素子の出力特性や耐久性は、外部環境から光電変換素子内部に侵入する水分や酸素の影響だけでなく、封止部材の硬化時、及び加熱時に発生するガスによる影響を無視することができない。特に、加熱時に発生するガスの影響は、高温環境下で保存する場合における出力特性に大きな影響を及ぼす。
この場合、封止部材に充填材やギャップ剤、乾燥剤を含有させることにより、これら自身が水分や酸素の浸入を抑制できるほか、封止部材の使用量を低減できることにより、ガスの発生を低減させる効果を得ることができる。これは、硬化時だけでなく、前記光電変換素子を高温環境に保存した際にも有効である。
充填材としては、特に制限はなく、公知のものを用いることができ、例えば、結晶性あるいは不定形のシリカ、タルク、アルミナ、窒化アルミ、窒化珪素、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム等の無機充填材が好ましく用いられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
充填材の平均一次粒径としては、0.1μm以上10μm以下が好ましく、1μm以上5μm以下がより好ましい。充填材の平均一次粒径が0.1μm以上10μm以下であることにより、水分や酸素の侵入を抑制する効果を十分に得ることができ、粘度が適正となり、基板との密着性や脱泡性の向上、あるいは封止部の幅の制御や作業性に対しても有効である。
充填材は封止部内に満遍なく配置されることが好ましい。これにより、水分や酸素の侵入を抑制する効果を十分に得ることが出来る。ギャップ剤やスペーサーを用いた場合、その界面付近にフィラーの密度が少ない層が形成されることがある。その場合、封止部幅方向において、フィラーの密度が少ない層の距離を長くすることで水分や酸素の侵入を抑制する効果を十分に得ることが出来る。フィラーの密度については、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)で測定することが出来る。
充填材の含有量としては、封止部材の全量に対して、10質量部以上90質量部以下が好ましく、20質量部以上70質量部以下がより好ましい。充填材の含有量が10質量部以上90質量部以下であると、水分や酸素の浸入抑制効果が十分に得られ、粘度も適正となり、密着性や作業性も良好となる。
−ギャップ剤−
ギャップ剤とは、ギャップ制御剤、スペーサー剤とも称され、封止部のギャップを制御することができる。例えば、第1の基板、又は第1の電極の上に、封止部材を付与し、その上に第2の基板を載せて封止を行う場合、エポキシ樹脂にギャップ剤を混合していることにより、封止部のギャップがギャップ剤のサイズに揃うため、容易に封止部のギャップを制御することができる。
ギャップ剤としては、粒状でかつ粒径が均一であり、耐溶剤性や耐熱性が高いものであれば、公知の材料を使用できる。前記エポキシ樹脂と親和性が高く、粒子形状が球形であるものが好ましい。具体的には、ガラスビーズ、シリカ微粒子、有機樹脂微粒子等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ギャップ剤の粒径としては、設定する封止部のギャップに合わせて選択可能であるが、1μm以上100μm以下が好ましく、5μm以上50μm以下がより好ましい。
封止部のギャップを制御する他の方法として、スペーサーを設けてもよい。
前記スペーサーは、前記光電変換層の外周部であればどこに配置されていてもよい。例えば、第1の基板上、第1の電極上、ホールブロッキング層上、デリーション層上、第2の電極上、第2の基板上などに配置してよく、これらの組み合わせでもよい。
前記スペーサーは、封止部の外側に配置されてもよく、封止部の内部に内包されてもよい。
スペーサーの材料は、外気の水蒸気の侵入を阻害するものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、ガラス材料、金属材料、金属酸化物材料、エポキシ樹脂又はアクリル樹脂などの紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−重合開始剤−
重合開始剤は、熱や光を用いて重合を開始させることを目的として添加される材料である。
熱重合開始剤は、加熱によってラジカルやカチオンなどの活性種を発生する化合物であり、具体的には、2,2'−アゾビスブチロニトリル(AIBN)のようなアゾ化合物、過酸化ベンゾイル(BPO)等の過酸化物などが挙げられる。
熱カチオン重合開始剤としては、例えば、ベンゼンスルホン酸エステル、アルキルスルホニウム塩などが挙げられる。
一方、光重合開始剤は、エポキシ樹脂の場合、光カチオン重合開始剤が好ましく用いられる。エポキシ樹脂に光カチオン重合開始剤を混合し、光照射を行うと光カチオン重合開始剤が分解して、強酸を発生し、酸がエポキシ樹脂の重合を引き起こし、硬化反応が進行する。前記光カチオン重合開始剤は、硬化時の体積収縮が少なく、酸素阻害を受けず、貯蔵安定性が高いといった効果を有する。
光カチオン重合開始剤としては、例えば、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩、メタセロン化合物、シラノール・アルミニウム錯体などが挙げられる。また、光を照射することにより酸を発生する機能を有する光酸発生剤も使用できる。
光酸発生剤は、カチオン重合を開始する酸として作用し、例えば、カチオン部とアニオン部からなるイオン性のスルホニウム塩系やヨードニウム塩系等のオニウム塩などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
重合開始剤の含有量としては、封止部材の全量に対して、0.5質量部以上10質量部以下が好ましく、1質量部以上5質量部以下がより好ましい。重合開始剤の含有量が0.5質量部以上10質量部以下であると、硬化が適正に進み、未硬化物の残存を低減することができ、ガスの発生量が過剰になるのを防止でき、有効である。
−乾燥剤−
乾燥剤は、吸湿剤とも称され、水分を物理的あるいは化学的に吸着、吸湿する機能を有する材料であり、前記封止部材に含有させることにより、耐湿性を更に高めたり、前記アウトガスの影響を低減できたりする場合もあることから有効である。
乾燥剤としては、粒子状であるものが好ましく、例えば、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム、塩化カルシウム、シリカゲル、モレキュラーシーブ、ゼオライト等の無機吸水材料などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、吸湿量が多いゼオライトが好ましい。
−硬化促進剤−
硬化促進剤は、硬化触媒とも称され、硬化速度を速めることを目的として用いられ、主に熱硬化型のエポキシ樹脂に用いられる。
硬化促進剤としては、例えば、DBU(1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−ウンデセン−7)やDBN(1,5−ジアザビシクロ(4,3,0)−ノネン−5)等の三級アミンあるいは三級アミン塩、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾールや2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール系、トリフェニルホスフィンやテトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレ−ト等のホスフィンあるいはホスホニウム塩などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−カップリング剤−
カップリング剤は、分子結合力を高める効果を有し、シランカップリング剤が挙げられ、例えば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、N−(2−(ビニルベンジルアミノ)エチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
封止部材は、封止材、シール材あるいは接着剤として市販されているエポキシ樹脂組成物が知られており、本発明においても有効に使用することができる。これらの中でも、太陽電池や有機EL素子用途向けに開発、市販されているエポキシ樹脂組成物もあり、本発明において特に有効に使用できる。
前記市販品としては、例えば、商品名:TB3118、TB3114、TB3124、TB3125F(以上、スリーボンド社製)、WorldRock5910、WorldRock5920、WorldRock8723(以上、協立化学産業株式会社製)、WB90US(P)(以上、モレスコ社製)などが挙げられる。
また、エポキシ樹脂組成物は、例えば、特許第4918975号公報、特許第5812275号公報、特許第5835664号公報、特許第5930248号公報、特開2012−136614号公報に開示されており、これらも使用することができる。
また、本発明においては、シート状封止材も有効に使用できる。
シート状封止材とは、シート上に予めエポキシ樹脂層を形成したもので、シートはガラスやガスバリア性の高いフィルム等が用いられ、本発明における基板に該当する。シート状封止材を、光電変換素子、又は光電変換素子モジュールの第2の電極の上に貼り付け、その後、硬化させることにより、封止部材及び基板を一度に形成することができる。シート上に形成するエポキシ樹脂層の形成パターンにより、光電変換素子の内部に空隙部を設けた構造にすることもでき、有効である。
前記空隙部に特に酸素を含有させることが好ましい。酸素を含有させることによって、ホール輸送層のホール輸送機能を長期にわたって安定に維持することが可能になり、光電変換素子あるいは光電変換素子モジュールの耐久性を向上させることができる。封止することによって設けられた光電変換素子内部の空隙部の酸素濃度は、酸素が含有していれば効果が得られるが、1.0体積%以上21.0体積%以下が好ましく、3.0体積%以上15.0体積%以下がより好ましい。
前記空隙部の酸素濃度は、酸素濃度を設定したグローブボックス内で封止を行うことにより制御することができる。酸素濃度の設定は、特定の酸素濃度を有するガスボンベを使用する方法や、窒素ガス発生装置を用いる方法によって行うことができる。グローブボックス内の酸素濃度は、市販されている酸素濃度計あるいは酸素モニターを用いて測定される。
封止によって形成された前記空隙部内の酸素濃度の測定は、例えば、大気圧イオン化質量分析計(API−MS)によって行うことができる。具体的には、光電変換素子、又は光電変換素子モジュールを不活性ガスで満たしたチャンバー内に設置し、チャンバー内で封止を開封し、チャンバー内の気体をAPI−MSで定量分析することにより、空隙部内に含まれる気体中のすべての成分を定量し、その総和に対する酸素の割合を算出することにより、酸素濃度を求めることができる。
酸素以外のガスとしては、不活性ガスが好ましく、窒素やアルゴンなどが挙げられる。
封止を行う際、グローブボックス内は酸素濃度とともに、露点を制御することが好ましく、出力やその耐久性向上に有効である。
露点とは、水蒸気を含む気体を冷却した時、凝結が開始される温度として定義される。 露点としては、0℃以下が好ましく、−20℃以下がより好ましい。下限としては、−50℃以上が好ましい。
また、第2の電極と封止部材との間にパッシベーション層を設けてもよい。パッシベーション層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸化アルミニウム、窒化シリコン、酸化シリコンなどが好ましい。
封止部材の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ディスペンス法、ワイヤーバー法、スピンコート法、ローラーコート法、ブレードコート法、グラビアコート法、凸版、オフセット、凹版、ゴム版、スクリーン印刷などが挙げられる。
<光電変換素子の製造方法>
光電変換素子の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
光電変換素子の製造方法の一例について図10A〜図10Fを用いて説明する。ここでは、光電変換素子の端部の形状の作製方法を中心に、図2に示す光電変換素子の製造方法を説明する。
基板1上に第1の電極、およびホールブロッキング層をパターン製膜する。
製膜方法はスパッタ法、蒸着法、スプレー法等など公知の方法で形成することができ、レジストやマスクなどで保護することでパターン製膜を行うことが出来る。
ここで、ホールブロッキング層まで積層した積層板を用いて、後からパターンを形成する場合、次のように作製することも出来る。
まず、基板1上に第1の電極の前駆体2Aが形成された積層板を用意する(図10A)。なお、第1の電極の前駆体2Aの材質は、第1の電極2の材質と同じである。
次に、第1の電極の前駆体2A上に、ホールブロッキング層の前駆体3Aを形成する。なお、ホールブロッキング層の前駆体3Aの材質は、ホールブロッキング層3の材質と同じである。
次に、基板1側から、第1の電極の前駆体2A及びホールブロッキング層の前駆体3Aの一部を除去し、第1の電極2及びホールブロッキング層3を形成する。除去方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、サンドブラスト法、ウオーターブラスト法、研磨法、化学エッチング法、レーザー加工法などが挙げられる。これらの中でも、レーザー加工法が好ましい。
更に、ホールブロッキング層3上に電子輸送層14をパターン製膜する(図10C)。製膜方法は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スパッタリング等の真空中で薄膜を形成する方法、湿式製膜法などが挙げられる。前記湿式製膜法を用いた場合、塗布方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ディップ法、スプレー法、ワイヤーバー法、スピンコート法、ローラーコート法、ブレードコート法、グラビアコート法などが挙げられる。また、湿式印刷方法として、例えば、凸版、オフセット、グラビア、凹版、ゴム版、スクリーン印刷などが挙げられる。
特にパターン製膜する場合は、湿式製膜法ではスクリーン印刷が有用である。
ここで、電子輸送層まで積層した積層板を用いて、後からパターンを形成する場合、次のように作製することも出来る。
まず、基板1上に第1の電極の前駆体2Aが形成された積層板を用意する(図10A)。なお、第1の電極の前駆体2Aの材質は、第1の電極2の材質と同じである。
第1の電極の前駆体2A上に、ホールブロッキング層の前駆体3Aを形成する。更に、ホールブロッキング層の前駆体3A上に、電子輸送層の前駆体14Aを形成する(図10B)。なお、ホールブロッキング層の前駆体3Aの材質は、ホールブロッキング層3の材質と同じである。電子輸送層の前駆体14Aの材質は、電子輸送層14の材質と同じである。
次に、基板1側から、第1の電極の前駆体2A及びホールブロッキング層の前駆体3A、電子輸送層の前駆体14Aの一部を除去する。除去方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、サンドブラスト法、ウオーターブラスト法、研磨法、化学エッチング法、レーザー加工法などが挙げられる。これらの手段を用いると、材料の加工のし易い電子輸送層が大きく除去され、比較的加工のし難い第1の電極が残り、図10Cのような構造となる。これらの方法の中でも、レーザー加工法が好ましい。レーザー加工法であると任意の層を選択的に除去することが出来るため、精密な構造を作り易い。
次に、ホール輸送材料を含有するホール輸送層形成用材料を、電子輸送層14上に塗布するとともに、領域Rも製膜する。
ホール輸送層の作製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、真空蒸着等の真空中で薄膜を形成する方法、湿式製膜法などが挙げられる。これらの中でも、製造コストなどの点で、特に湿式製膜法が好ましい。
前記湿式製膜法を用いた場合、塗布方法としては、特に制限はなく、公知の方法にしたがって行うことができる。例えば、インクジェット法、ディップ法、スプレー法、ワイヤーバー法、スピンコート法、ローラーコート法、ブレードコート法、グラビアコート法、また、湿式印刷方法として、凸版、オフセット、グラビア、凹版、ゴム版、スクリーン印刷等様々な方法を用いることができる。特にインクジェット法を用いれば特定の場所にホール輸送層を形成することが容易であり、スピンコート法を用いれば余分な箇所は遠心力で吹き飛ぶので、ホール輸送層と領域Rを形成し易い。
ここで、ホール輸送層まで積層した積層板を用いて、後からホール輸送層と領域Rを形成する場合、次のように作製することも出来る。
まず、ホール輸送材料を含有するホール輸送層形成用材料を、電子輸送層14を覆うように塗布し、乾燥させ、ホール輸送層24及び領域Rを一体で形成する(図10D)。
次に、ホール輸送層24及び領域Rの一部を除去する。除去方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、サンドブラスト法、ウオーターブラスト法、研磨法、化学エッチング法、レーザー加工法などが挙げられる。これらの手段を用いると、材料の加工のし易いホール輸送層形成材料が大きく除去され、比較的加工のし難い電子輸送層が残る。これらの方法の中でも、レーザー加工法が好ましい。レーザー加工法であると任意の層を選択的に除去することが出来るため、精密な構造を作り易い。
次に、ホール輸送層24及び領域R上に、第2の電極をパターン製膜する(図10F)。製膜方法は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、塗布、ラミネート、蒸着、CVD、貼り合わせなど公知の方法で形成することができ、レジストやマスクなどで保護することでパターン製膜を行うことが出来る。
ここで、第2の電極まで積層した積層板を用いて、後からパターンを形成する場合、次のように作製することも出来る。
先ず、ホール輸送層24及び領域R上に、第2の電極の前駆体5Aを形成する(図10E)。なお、第2の電極の前駆体5Aの材質は、第2の電極5の材質と同じである。ホール輸送層24の一部上、及び領域R上の第2の電極の前駆体5Aを除去し、第2の電極5を形成する(図10F)。除去方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、サンドブラスト法、ウオーターブラスト法、研磨法、化学エッチング法、レーザー加工法などが挙げられる。これらの手段を用いると、第2の電極が除去されるとともに、材料の加工のし易いホール輸送層形成材料が大きく除去され、比較的加工のし難い電子輸送層が残る。これらの方法の中でも、レーザー加工法が好ましい。レーザー加工法であると任意の層を選択的に除去することが出来るため、精密な構造を作り易い。
以上により、図2に示した光電変換素子が得られる。
光電変換素子の製造方法の他の一例について図11A〜図11Fを用いて説明する。ここでは、光電変換素子の端部の形状の作製方法を中心に、図3に示す光電変換素子の製造方法を説明する。
基板1上に第1の電極、およびホールブロッキング層をパターン製膜する。製膜方法はスパッタ法、蒸着法、スプレー法等など公知の方法で形成することができ、レジストやマスクなどで保護することでパターン製膜を行うことが出来る。
ここで、ホールブロッキング層まで積層した積層板を用いて、後からパターンを形成する場合、次のように作製することも出来る。
まず、基板1上に第1の電極の前駆体2Aが形成された積層板を用意する(図11A)。なお、第1の電極の前駆体2Aの材質は、第1の電極2の材質と同じである。
次に、第1の電極の前駆体2A上に、ホールブロッキング層の前駆体3Aを形成する。なお、ホールブロッキング層の前駆体3Aの材質は、ホールブロッキング層3の材質と同じである。
次に、基板1側から、第1の電極の前駆体2A及びホールブロッキング層の前駆体3Aの一部を除去する。除去方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、サンドブラスト法、ウオーターブラスト法、研磨法、化学エッチング法、レーザー加工法、プラズマエッチング法などが挙げられる。これらの中でも、レーザー加工法が好ましい。
更に、電子輸送層14をパターン製膜する(図11C)。製膜方法は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スパッタリング等の真空中で薄膜を形成する方法、湿式製膜法などが挙げられる。前記湿式製膜法を用いた場合、塗布方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ディップ法、スプレー法、ワイヤーバー法、スピンコート法、ローラーコート法、ブレードコート法、グラビアコート法、ダイコート法などが挙げられる。また、湿式印刷方法として、例えば、凸版、オフセット、グラビア、凹版、ゴム版、スクリーン印刷などが挙げられる。
特にパターン製膜する場合は、湿式製膜法ではスクリーン印刷が有用である。
ここで、電子輸送層まで積層した積層板を用いて、後からパターンを形成する場合、次のように作製することも出来る。
まず、基板1上に第1の電極の前駆体2Aが形成された積層板を用意する(図11A)。なお、第1の電極の前駆体2Aの材質は、第1の電極2の材質と同じである。
第1の電極の前駆体2A上に、ホールブロッキング層の前駆体3Aを形成する。更に、ホールブロッキング層の前駆体3A上に、電子輸送層の前駆体14Aを形成する(図11B)。なお、ホールブロッキング層の前駆体3Aの材質は、ホールブロッキング層3の材質と同じである。電子輸送層の前駆体14Aの材質は、電子輸送層14の材質と同じである。
次に、基板1側から、第1の電極の前駆体2A及びホールブロッキング層の前駆体3A、電子輸送層の前駆体14Aの一部を除去する。除去方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、サンドブラスト法、ウオーターブラスト法、研磨法、化学エッチング法、レーザー加工法、プラズマエッチング法などが挙げられる。これらの手段を用いると、材料の加工のし易い電子輸送層が大きく除去され、比較的加工のし難い第1の電極が残り、図11Cのような構造となる。これらの方法の中でも、レーザー加工法が好ましい。レーザー加工法であると任意の層を選択的に除去することが出来るため、精密な構造を作り易い。
次に、ホール輸送材料を含有するホール輸送層形成用材料を、電子輸送層14を覆うように塗布し、乾燥させ、ホール輸送層24及び領域Rを一体で形成する(図11D)。ホール輸送層の作製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、真空蒸着等の真空中で薄膜を形成する方法、湿式製膜法などが挙げられる。これらの中でも、製造コストなどの点で、特に湿式製膜法が好ましい。
前記湿式製膜法を用いた場合、塗布方法としては、特に制限はなく、公知の方法にしたがって行うことができる。例えば、インクジェット法、ディップ法、スプレー法、ワイヤーバー法、スピンコート法、ローラーコート法、ブレードコート法、グラビアコート法、ダイコート法また、湿式印刷方法として、凸版、オフセット、グラビア、凹版、ゴム版、スクリーン印刷等様々な方法を用いることができる。
次に、ホール輸送層24及び領域R上に、第2の電極をパターン製膜する(図11F)。製膜方法は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、塗布、ラミネート、蒸着、CVD、貼り合わせなど公知の方法で形成することができ、レジストやマスクなどで保護することでパターン製膜を行うことが出来る。
ここで、第2の電極まで積層した積層板を用いて、後からパターンを形成する場合、次のように作製することも出来る。
先ず、ホール輸送層24及び領域R上に、第2の電極の前駆体5Aを形成する(図11E)。なお、第2の電極の前駆体5Aの材質は、第2の電極5の材質と同じである。
ホール輸送層24の一部上、及び領域R上の第2の電極の前駆体5Aを除去し、第2の電極5を形成する(図11F)。除去方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、サンドブラスト法、ウオーターブラスト法、研磨法、化学エッチング法、レーザー加工法、プラズマエッチング法などが挙げられる。これらの方法の中でも、レーザー加工法が好ましい。レーザー加工法であると任意の層を選択的に除去することが出来るため、精密な構造を作り易い。
以上により、図3に示した光電変換素子が得られる。
なお、第2の電極まで積層した積層板を用いて、後からパターンを形成する場合、ホール輸送層と第2の電極の接着強度が弱い場合、図8に示すような、第2の電極5の最端5Eがめくれ上がり、第2の電極5の最端5Eがホール輸送層24と接していない光電変換素子が得られる。特に、有機のホール輸送材料を用いたとき形成され易い。
光電変換素子の製造方法の他の一例について図12A〜図12Fを用いて説明する。ここでは、光電変換素子の端部の形状の作製方法を中心に、図6に示す光電変換素子の製造方法を説明する。
まず、基板1上に第1の電極の前駆体2Aが形成された積層板を用意する(図12A)。なお、第1の電極の前駆体2Aの材質は、第1の電極2の材質と同じである。
次に、第1の電極の前駆体2A上に、ホールブロッキング層の前駆体3Aを形成する。なお、ホールブロッキング層の前駆体3Aの材質は、ホールブロッキング層3の材質と同じである。
次に、基板1側から、第1の電極の前駆体2A及びホールブロッキング層の前駆体3Aの一部を除去する。
更に、基板1と第1の電極の接着強度が弱い場合、または、SiO緻密層などの剥離層などが存在する場合、第1の電極2の最端2Eが基板1から浮かび上がる。その結果、図12Cに示すような位置の最端を持つ、第1の電極2、ホールブロッキング層3が形成される(図12C)。除去方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、サンドブラスト法、ウオーターブラスト法、研磨法、化学エッチング法、レーザー加工法、プラズマエッチング法などが挙げられる。これらの中でも、レーザー加工法が好ましい。例えば、レーザーの照射強度が高いほど、浮かび上がる高さが高くなる。
更に、電子輸送層14をパターン製膜する(図12C)。製膜方法は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スパッタリング等の真空中で薄膜を形成する方法、湿式製膜法などが挙げられる。前記湿式製膜法を用いた場合、塗布方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ディップ法、スプレー法、ワイヤーバー法、スピンコート法、ローラーコート法、ブレードコート法、グラビアコート法、ダイコート法などが挙げられる。また、湿式印刷方法として、例えば、凸版、オフセット、グラビア、凹版、ゴム版、スクリーン印刷などが挙げられる。
特にパターン製膜する場合は、湿式製膜法ではスクリーン印刷が有用である。
ここで、電子輸送層まで積層した積層板を用いて、後からパターンを形成する場合、次のように作製することも出来る。
まず、基板1上に第1の電極の前駆体2Aが形成された積層板を用意する(図12A)。なお、第1の電極の前駆体2Aの材質は、第1の電極2の材質と同じである。
第1の電極の前駆体2A上に、ホールブロッキング層の前駆体3Aを形成する。更に、ホールブロッキング層の前駆体3A上に、電子輸送層の前駆体14Aを形成する(図12B)。なお、ホールブロッキング層の前駆体3Aの材質は、ホールブロッキング層3の材質と同じである。電子輸送層の前駆体14Aの材質は、電子輸送層14の材質と同じである。
次に、基板1側から、第1の電極の前駆体2A及びホールブロッキング層の前駆体3A、電子輸送層の前駆体14Aの一部を除去する。更に、基板1と第1の電極の接着強度が弱い場合、または、SiO緻密層などの剥離層などが存在する場合、第1の電極2の最端2Eが基板1から浮かび上がる。また、第1の電極およびホールブロッキング層上に電子輸送層が存在することにより、第1の電極の除去が疎外される。その結果、図12Cに示すような位置の最端を持つ、第1の電極2、ホールブロッキング層3が形成される(図12C)。
除去方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、サンドブラスト法、ウオーターブラスト法、研磨法、化学エッチング法、レーザー加工法、プラズマエッチング法などが挙げられる。これらの手段を用いると、材料の加工のし易い電子輸送層が大きく除去され、比較的加工のし難い第1の電極が残りやすい。これらの中でも、レーザー加工法が好ましい。例えば、レーザーの照射強度が高いほど、浮かび上がる高さが高くなる。
次に、ホール輸送材料を含有するホール輸送層形成用材料を、電子輸送層14を覆うように塗布し、乾燥させ、ホール輸送層24及び領域Rを一体で形成する(図12D)。ホール輸送層の作製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、真空蒸着等の真空中で薄膜を形成する方法、湿式製膜法などが挙げられる。これらの中でも、製造コストなどの点で、特に湿式製膜法が好ましい。
前記湿式製膜法を用いた場合、塗布方法としては、特に制限はなく、公知の方法にしたがって行うことができる。例えば、インクジェット法、ディップ法、スプレー法、ワイヤーバー法、スピンコート法、ローラーコート法、ブレードコート法、グラビアコート法、ダイコート法また、湿式印刷方法として、凸版、オフセット、グラビア、凹版、ゴム版、スクリーン印刷等様々な方法を用いることができる。
次に、ホール輸送層24及び領域R上に、第2の電極をパターン製膜する(図12F)。
製膜方法は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、塗布、ラミネート、蒸着、CVD、貼り合わせなど公知の方法で形成することができ、レジストやマスクなどで保護することでパターン製膜を行うことが出来る。
ここで、第2の電極まで積層した積層板を用いて、後からパターンを形成する場合、次のように作製することも出来る。
先ず、ホール輸送層24及び領域R上に、第2の電極の前駆体5Aを形成する(図12E)。なお、第2の電極の前駆体5Aの材質は、第2の電極5の材質と同じである。
ホール輸送層24の一部上、及び領域R上の第2の電極の前駆体5Aを除去し、第2の電極5を形成する(図12F)。除去方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、サンドブラスト法、ウオーターブラスト法、研磨法、化学エッチング法、レーザー加工法、プラズマエッチング法などが挙げられる。これらの方法の中でも、レーザー加工法が好ましい。レーザー加工法であると任意の層を選択的に除去することが出来るため、精密な構造を作り易い。
以上により、図6に示した光電変換素子が得られる。
なお、第2の電極まで積層した積層板を用いて、後からパターンを形成する場合、ホール輸送層と第2の電極の接着強度が弱い場合、図8に示すような、第2の電極5の最端5Eがめくれ上がり、第2の電極5の最端5Eがホール輸送層24と接していない光電変換素子が得られる。特に、有機のホール輸送材料を用いたとき形成され易い。
(電子機器)
本発明の電子機器は、本発明の光電変換素子及び/又は光電変換素子モジュールと、前記光電変換素子及び/又は光電変換素子モジュールが光電変換することによって発生した電力によって動作する装置と、を有し、更に必要に応じてその他の装置を有する。
(電源モジュール)
本発明の電源モジュールは、本発明の光電変換素子及び/又は光電変換素子モジュールと、電源ICと、を有し、更に必要に応じてその他の装置を有する。
本発明の光電変換素子、及び光電変換素子モジュールと、これらが発電することによって得られた電力により動作する装置を有する電子機器の具体的な実施形態について説明する。
図13には、前記電子機器として、マウスを用いた一例を示す。
図13に示すように、光電変換素子、及び光電変換素子モジュールと電源IC、更に蓄電デバイスとを組み合わせ、供給される電力をマウスの制御回路の電源に接続する。これにより、マウスを使用していない時に蓄電デバイスに充電し、その電力でマウスを動作させることができ、配線や電池交換が不要なマウスを得ることができる。また、電池が不要になることで軽量化も可能となり、有効である。
図14には、マウスに光電変換素子を実装させた概略図を示した。光電変換素子及び電源IC、蓄電デバイスはマウス内部に実装されるが、光電変換素子に光が当たるように光電変換素子の上部は透明の筐体で覆われている。また、マウスの筐体すべてを透明な樹脂で成形することも可能である。光電変換素子の配置はこれに限られるものではなく、例えばマウスを手で覆っていても光が照射される位置に配置することも可能であり、好ましい場合がある。
本発明の光電変換素子、及び光電変換素子モジュールと、これらが発電することによって得られた電力により動作する装置を有する電子機器の他の実施形態について説明する。
図15には、前記電子機器として、パソコンに用いられるキーボードを用いた一例を示す。
図15に示すように、光電変換素子と電源IC、蓄電デバイスを組み合わせ、供給される電力をキーボードの制御回路の電源に接続する。これにより、キーボードを使用していない時に蓄電デバイスに充電し、その電力でキーボードを動作させることができ、配線や電池交換が不要なキーボードを得ることができる。また、電池が不要になることで軽量化も可能となり、有効である。
図16には、キーボードに光電変換素子を実装させた概略図を示した。光電変換素子及び電源IC、蓄電デバイスはキーボード内部に実装されるが、光電変換素子に光が当たるように光電変換素子の上部は透明の筐体で覆われている。キーボードの筐体すべてを透明な樹脂で成形することも可能である。光電変換素子の配置はこれに限られるものではない。
光電変換素子を組み込むスペースが小さい小型のキーボードの場合には、図17に示すように、キーの一部に小型の光電変換素子を埋め込むことも可能であり、有効である。
本発明の光電変換素子、及び光電変換素子モジュールと、これらが発電することによって得られた電力により動作する装置を有する電子機器の他の実施形態について説明する。
図18には、前記電子機器として、センサを用いた一例を示す。
図18に示すように、光電変換素子と電源IC、蓄電デバイスを組み合わせ、供給される電力をセンサ回路の電源に接続する。これにより、外部電源に接続する必要がなく、また電池交換を行う必要もなく、センサモジュールを構成することが可能となる。センシング対象としては、温湿度、照度、人感、CO、加速度、UV、騒音、地磁気、気圧など、様々なセンサに応用でき、有効である。センサモジュールは、図18中Aに示すように、定期的に測定対象をセンシングし、読み取ったデータをPCやスマートフォンなどに無線通信で送信する構成になっている。
IoT社会の到来により、センサは急増することが予想されている。この無数のセンサの電池を一つ一つ交換するには大きな手間がかかり、現実的ではない。またセンサは、天井や壁など、電池交換しにくい場所にあることも作業性を悪くしている。光電変換素子により電力供給できることもメリットは非常に大きい。また、本発明の光電変換素子は、低照度でも高い出力を得ることができ、かつ出力の光入射角依存性が小さいことから、設置自由度が高いといったメリットも得られる。
本発明の光電変換素子、及び光電変換素子モジュールと、これらが発電することによって得られた電力により動作する装置を有する電子機器の他の実施形態について説明する。
図19には、前記電子機器として、ターンテーブルを用いた一例を示す。
図19に示すように、光電変換素子と電源IC、蓄電デバイスを組み合わせ、供給される電力をターンテーブル回路の電源に接続する。これにより、外部電源に接続する必要がなく、また電池交換を行う必要もなく、ターンテーブルを構成することが可能となる。
ターンテーブルは、例えば、商品を陳列するショーケースなどに用いられるが、電源の配線は見栄えが悪く、また電池交換の際には陳列物を撤去しなければならず、大きな手間がかかっていた。本発明の光電変換素子を用いることで、そのような不具合を解消でき、有効である。
<用途>
以上、本発明の光電変換素子、及び光電変換素子モジュールと、これらが発電することによって得られた電力により動作する装置を有する電子機器、及び電源モジュールについて説明したが、これらはごく一部であり、本発明の光電変換素子、あるいは光電変換素子モジュールが、これらの用途に限定されるものではない。
光電変換素子、及び光電変換素子モジュールは、発生した電流を制御する回路基盤等と組み合わせることにより、例えば、電源装置に応用できる。
電源装置を利用している機器類としては、例えば、電子卓上計算機、腕時計、携帯電話、電子手帳、電子ペーパーなどが挙げられる。
また、充電式や乾電池式の電気器具の連続使用時間を長くするための補助電源として、光電変換素子を有する電源装置を用いることができる。
本発明の光電変換素子、及び光電変換素子モジュールは、自立型電源として機能させることができ、光電変換によって発生した電力を用いて、装置を動作させることが可能である。本発明の光電変換素子、及び光電変換素子モジュールは、光が照射されることにより発電することが可能であるため、電子機器を電源に接続したり、あるいは電池交換したりする必要がない。そのため、電源設備がない場所でも電子機器を動作させたり、身に着けて持ち歩いたり、電池交換が困難な場所でも電池を交換することなく、電子機器を動作させたりすることが可能である。また、乾電池を用いる場合は、その分、電子機器が重くなったり、サイズが大きくなったりするため、壁や天井への設置、あるいは持ち運びに支障を来すことがあるが、本発明の光電変換素子、及び光電変換素子モジュールは、軽量で薄いため、設置自由度が高く、身に着けたり、持ち歩く上でもメリットが大きい。
このように、本発明の光電変換素子、及び光電変換素子モジュールは、自立型電源として使用でき、様々な電子機器に組み合わせることができる。例えば、電子卓上計算機、腕時計、携帯電話、電子手帳、電子ペーパーなどの表示機器、マウスやキーボードなどのパソコンの付属機器、温湿度センサや人感センサなどの各種センサ機器、ビーコンやGPSなどの発信機、補助灯、リモコン等数多くの電子機器と組み合わせて使用することができる。
本発明の光電変換素子、及び光電変換素子モジュールは、特に低照度の光でも発電できるため、室内でも、更に薄暗い影のところでも発電することが可能であるため、適用範囲が広い。また、乾電池のように液漏れがなく、ボタン電池のように誤飲することもなく安全性が高い。更に、充電式や乾電池式の電気器具の連続使用時間を長くするための補助電源として用いることができる。このように、本発明の光電変換素子、及び光電変換素子モジュールと、それが光電変換することによって発生した電力によって動作する装置とを組み合わせることで、軽量で使い勝手がよく、設置自由度が高く、交換が不要で、安全性に優れ、かつ環境負荷低減にも有効な電子機器に生まれ変わることができる。
本発明の光電変換素子及び/又は光電変換素子モジュールと、それが光電変換することによって発生した電力によって動作する装置とを組み合わせた電子機器の基本構成図を図20に示す。これは、光電変換素子に光が照射されると発電し、電力を取り出すことができる。機器の回路は、その電力によって動作することが可能になる。
しかし、光電変換素子は周囲の照度によって出力が変化するため、図20に示す電子機器は安定に動作することができない場合がある。この場合、図21に示すように、回路側に安定した電圧を供給するために、光電変換素子と機器の回路の間に光電変換素子用の電源ICを組み込むことが可能であり、有効である。
しかし、光電変換素子は十分な照度の光が照射されていれば発電できるが、発電するだけの照度が足りなくなると、所望の電力が得られなくなり、これが光電変換素子の欠点でもある。この場合には、図22に示すように、キャパシタ等の蓄電デバイスを電源ICと機器回路の間に搭載することによって、光電変換素子からの余剰電力を蓄電デバイスに充電することが可能となり、照度が低すぎる場合や、光電変換素子に光が当たらない場合でも、蓄電デバイスに蓄えられた電力を機器回路に供給することが可能になり、安定に動作させることが可能となる。
このように、本発明の光電変換素子及び/又は光電変換素子モジュールと、機器回路とを組み合わせた電子機器において、電源ICや蓄電デバイスを組み合わせることで、電源のない環境でも動作可能であり、また電池交換が不要で、安定に駆動させることが可能になり、光電変換素子のメリットを最大限に活かすことができる。
一方、本発明の光電変換素子及び/又は光電変換素子モジュールは、電源モジュールとしても使用することが可能であり、有用である。例えば、図23に示すように、本発明の光電変換素子及び/又は光電変換素子モジュールと、光電変換素子用の電源ICを接続すると、光電変換素子が光電変換することによって発生した電力を電源ICにて一定の電圧レベルで供給することが可能な直流電源モジュールを構成することができる。
更に、図24に示すように、電源ICに蓄電デバイスを追加することにより、光電変換素子が発生させた電力を蓄電デバイスに充電することが可能になり、照度が低すぎる場合や、光電変換素子に光が当たらない状態になっても、電力を供給することが可能な電源モジュールを構成することができる。
図23及び図24に示した本発明の電源モジュールは、従来の一次電池のように電池交換をすることなく、電源モジュールとして使用することが可能である。
(光電変換モジュール)
本発明の光電変換モジュールにおいては、本発明の光電変換素子が直列又は並列に電気的に接続されている。
本発明の光電変換素子モジュールは、例えば、複数の光電変換素子が隣接して配置された光電変換素子配置領域を有し、前記複数の光電変換素子が、第1の電極と、光増感化合物を有する電子輸送層と、ホール輸送層と、第2の電極とを少なくとも有し、前記光電変換素子配置領域の外縁に配置され、かつ前記電子輸送層を前記光電変換素子の外部環境から遮蔽する、封止部を有し、必要に応じて、その他の層を有する。各層は、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよい。
また、本発明の光電変換素子モジュールは、前記光電変換素子を、複数有する構成とすることができる。
光電変換素子モジュールの各層の構成としては、前記光電変換素子と同様の構成とすることができる。
光電変換素子モジュールとしては、複数の光電変換素子が、直列又は並列に接続される構成などが挙げられる。
光電変換素子モジュールは、互いに隣接する少なくとも2つの前記光電変換素子において、少なくとも領域Rどうしが互いに延設された連続層の形態であってもよい。
以下に、本発明の光電変換素子モジュールの一例について説明する。ただし、本発明は、これらに限定されるものではなく、例えば、下記構成部材の数、位置、形状等について、本実施の形態に記載されていないものについても、本発明の範疇に含まれる。
ホール輸送層を形成した後、貫通部を形成し、その後、第2の電極を形成することによって、貫通部の内部に第2の電極材料が導入され、隣接するセルの第1の電極と導通させることができる。なお、第1の電極及び第2の電極は、更に隣接するセルの電極、あるいは出力取出し端子まで導通する経路を有する。
貫通部は、第1の電極を貫通し、第1の基板まで達していてもよいし、第1の電極の内部で加工をやめ、第1の基板にまで達していなくてもよい。
貫通部の形状を第1の電極を貫通し、第1の基板まで到達する微細孔とする場合、貫通部の面積に対して微細孔の開口面積合計が大きくなりすぎると、第1の電極の膜断面積が減少することで抵抗値が増大してしまい、光電変換効率の低下を引き起こす場合がある。そのため、前記貫通部の面積に対する微細孔の開口面積合計の比率としては、5/100以上60/100以下が好ましい。
貫通部の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、サンドブラスト法、ウオーターブラスト法、研磨法、化学エッチング法、レーザー加工法などが挙げられる。これらの中でも、レーザー加工法が好ましい。これにより、微細な孔をサンドやエッチング、レジスト等を使うことなく形成でき、また、清浄に再現性よく加工することが可能となる。また、貫通部を形成する場合に、ホールブロッキング層、電子輸送層、ホール輸送層、及び第2の電極のうち少なくとも一つをレーザー加工法による衝撃剥離によって除去することが可能になる。これにより、積層時にマスクを設ける必要がなく、また、除去と微細な貫通部の形成を一度に簡易的に行うことができる。
以下、本発明を実施例及び比較例を挙げて説明する。なお、本発明はここに例示される実施例に限定されるものではない。
<光電変換素子の作製>
(実施例1〜10)
まず、第1の基板としてのガラス基板上に、第1の電極としてのITO導電膜をスパッタ製膜インジウムドープ酸化錫(ITO)とニオブドープ酸化錫(NTO)を順次スパッタ製膜したITOコ−トガラス上に、酸素ガスによる反応性スパッタにより、ホールブロッキング層として酸化チタンからなる緻密な層を形成した。(ITO導電膜平均厚み:250nm)
次に、ITO導電膜及びホールブロッキング層をレーザー照射により、一部を衝撃剥離し、ITO導電膜面積を1cm×1cmとした。レーザー装置は、西進商事株式会社製レーザーパターニング装置を用い、発振器をTHG(Third Harmonic Generation)発振器、出力を9.0μJ、Just Focus、波長を355nmとした。出力と、Focusを任意に調整することでITO導電膜高さh2を任意に制御できる。h2(例えば、図5参照)の高さが表2−1、及び表2−2に示す高さとなるように、出力とFocusを調整した。
次に、酸化チタン(商品名:P90、日本アエロジル株式会社製)3g、アセチルアセトン0.2g、及び界面活性剤としてのポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル(和光純薬工業株式会社製)0.3gを、水5.5g、エタノール1.0gとともに12時間ビ−ズミル処理を施し、酸化チタン分散液を作製した。作製した酸化チタン分散液にポリエチレングリコール(商品名:ポリエチレングリコール20,000、和光純薬工業株式会社製)1.2gを加えてペーストを作製した。作製したペーストを、前記ホールブロッキング層上にスクリーン印刷塗布し(平均厚み:1.5μm)、50℃で乾燥した後、空気中、500℃で30分間焼成し、多孔質状の電子輸送層を形成した。
前記電子輸送層を形成したガラス基板を、下記構造式(A)で表される光増感化合物(商品名:DN455、株式会社ケミクレア製)0.2mM及びケノデオキシコール酸(CDCA、東京化成工業株式会社製)0.4mMのアセトニトリル/t−ブタノール(体積比1:1)溶液に浸漬し、1時間暗所で静置して、電子輸送層の表面に光増感化合物を吸着させた。
Figure 2021136355
次に、前記D−7で表されるホール輸送材料(メルク株式会社製)246.5mgのクロロベンゼン溶液1mLに、添加剤としてのリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(商品名:LiTFSI、東京化成工業株式会社製)37.0mg、前記C−1で表される塩基性化合物37.5mgを加えて溶解し、ホール輸送層塗布液を調製した。
次に、前記光増感化合物を吸着させた電子輸送層上に、前記ホール輸送層塗布液を用いたスピンコートにより、ホール輸送層を形成した(平均厚み:600nm)。
次に、電子輸送層とホール輸送層をレーザー照射により、一部を衝撃剥離した。レーザー装置は、西進商事株式会社製レーザーパターニング装置を用い、発振器をTHG(Third Harmonic Generation)発振器、出力を8.5μJ、Just Focusから5mmDe−Focus、波長を355nmとした。表2−1及び表2−2に示すLa(例えば、図1参照)となるように加工距離を調整した。出力と、Focusを任意に調整することでホール輸送層のみを選択的に除去することが出来る。出力を1.3μJ、Just Focusとすることでホール輸送層を選択除去し、LbとLc(例えば、図1参照)の距離の関係が表2−1及び表2−2に示す関係となるように、加工距離を調整した。
その後、ホール輸送層上に銀を真空蒸着し、第2の電極(平均厚み:100nm)を形成し、光電変換素子を作製した。蒸着面積はマスクすることによって制御でき、LbおよびLc(例えば、図1参照)が表2−1及び表2−2に示す通りになるよう蒸着マスクのパターンを制御した。
第2の電極を形成後、封止部材としてのエポキシ樹脂(紫外線硬化型、商品名:WorldRockNo.5910、協立化学産業株式会社製)を、スクリーン印刷機(マイクロ・テック社製)を用いて塗布した。幅方向の構造はスクリーン印刷版(ソノコム社製)の印刷パターン設計により、調整することができる。
次に、グローブボックス内に窒素ガスを導入し、その中に移して、前記封止部材の上に第2の基板としてのカバーガラスを載せた後、紫外線照射により前記封止部材を硬化させ、発電領域の封止を行い、光電変換素子を作製した。
得られた実施例の光電変換素子における発電特性を表2−1及び表2−2に示した。
La、Lb、Lcは走査型電子顕微鏡(SEM)(株式会社日立ハイテクノロジーズ製)を用い観察および測定を行った。
また、h2は走査型白色干渉顕微鏡(日立ハイテクサイエンス)により測定を行った。
<初期最大出力電力(Pmax1)、及び耐久性維持率(Pmax2/Pmax1)>
作製した各光電変換素子について、200lxに調整した白色LED照射下で、太陽電池評価システム(直流電圧・電流源/モニター、6241A、株式会社エーディーシ−製)を用いて、IV特性を評価し、初期最大出力電力Pmax(μW)を求めた。
次に、作製した各光電変換素子について、角部の3点を支え、1点に15Nの荷重を加えるねじり試験を実施した。各角部4点実施した。
更に、ねじり試験後の光電変換素子に対し、HBM試験を行い、その後、再度IV特性を評価し、高温高湿使用試験後の最大出力電力Pmax2(μW/cm)を求めた。
HBM試験は、印加電圧±2000V、印加回数は正極、負極、各1回とした。準拠規格は、ANSI/ESDA/JEDEC JS−001−2014。試験機は、ESD/ラッチアップテスタモデル7000(東京電子交易社製)を用いた。
得られたPmax2を初期値であるPmax1で除することにより、「耐久性維持率」(Pmax2/Pmax1)を求めた。
(実施例11〜15)
ITO導電膜及びホールブロッキング層をレーザー照射せず、電子輸送層に形成後レーザー照射による衝撃剥離を行った以外は実施例1〜10と同様にして光電変換素子を作製した。レーザー装置は、西進商事株式会社製レーザーパターニング装置を用い、発振器をTHG(Third Harmonic Generation)発振器、出力を9.0μJ、Just Focus、波長を355nmとした。出力と、Focusを任意に調整することでITO導電膜高さh2を任意に制御できる。h2の高さが表3に示す高さとなるように、出力とFocusを調整した。
この際、ホール輸送層後のレーザー加工において、出力と、Focusを任意に調整することでホール輸送層の残量(領域Rの高さ)を制御することが出来る。領域Rが表3にしめすものとなるように、出力と、Focusを調整した。
実施例1と同様に評価を行った結果を、表3に示した。
(実施例16〜17)
第2の電極をマスクパターニング蒸着せず、製膜後、レーザーによる衝撃剥離を行った以外は実施例11〜15と同様にして光電変換素子を作製した。
実施例1と同様に評価を行った結果を、表4に示した。
(実施例18〜20)
また、レーザー装置により、第1の電極であるITO導電膜をレーザーエッチングし、8セル直列基板となるように加工した。ITO導電膜面積を1セル当たり1cm×1cmとした。ホール輸送層形成後、レーザー加工により、光電変換素子を直列に接続するための貫通孔を形成した。その後、ホール輸送層上に8セル直列となるようにパターニングされたマスクを用い、銀を真空蒸着して第2の電極(平均厚み:100nm)を形成した以外は、実施例6、14、16と同様にして光電変換素子モジュールを作製した。
実施例1と同様に評価を行った結果を、表4に示した。
Figure 2021136355
表2−1、表2−2、表3〜表5中、「端部浮き上がり」が「〇」であるとは、端部浮き上がりがあることを表し、「−」であるとは、端部浮き上がりがないことを表す。
表2−1、表2−2、表3〜表5中、「有無」が「〇」であるとは、領域Rがあることを表し、「−」であるとは、領域Rがないことを表す。
表2−1、表2−2、表3〜表5中、「ホール輸送層との接触」が「〇」であるとは、領域Rがホール輸送層と一体化されていることを表し、「−」であるとは、領域Rがホール輸送層と接触していないことを表す。
Figure 2021136355
Figure 2021136355
Figure 2021136355
(比較例1〜3)
La、Lb、Lcを表5に示した値にした以外は、実施例1と同様にして光電変換素子を作製した。ここで距離のマイナス表記は、素子の外側に向かう距離を表している。例えば、Laが−1000μmであるとは、電子輸送層の最端が第1の電極の最端よりも光電変換素子の外側1000μmの位置にあることを表している。
Figure 2021136355
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
<1> 基板、第1の電極、ホールブロッキング層、光電変換層、及び第2の電極を有する光電変換素子であって、
前記光電変換層が、電子輸送層、及びホール輸送層を有し、
前記基板、前記第1の電極、前記ホールブロッキング層、前記光電変換層、及び前記第2の電極の積層方向と直交する方向の前記光電変換素子の端部において、
前記電子輸送層の最端が、前記第1の電極の最端よりも前記光電変換素子の内側にあり、
前記ホール輸送層の最端が、前記第2の電極の最端よりも前記光電変換素子の外側にあり、
前記第2の電極の最端が、前記電子輸送層の最端よりも前記光電変換素子の内側にあり、
前記第1の電極の前記最端を含む端部の前記積層方向の高さが、前記第1の電極の平均厚み、前記ホールブロッキング層の平均厚み、及び前記電子輸送層の平均厚みの合計よりも小さい、
ことを特徴とする光電変換素子。
ここで、前記高さは、前記光電変換素子の前記端部における前記基板の前記第1の電極側の表面から、前記光電変換素子の前記端部において最も前記第2の電極側にある前記第1の電極の箇所までの距離である。
<2> 前記電子輸送層の前記最端よりも前記光電変換素子の外側に、前記ホール輸送層の材質と同じ材質からなる領域が、前記基板に接して存在し、前記領域の前記積層方向の長さが、前記第1の電極の平均厚みよりも大きい前記<1>に記載の光電変換素子である。
<3> 前記領域が、前記ホール輸送層と一体化し、前記領域の前記積層方向の長さが、前記第1の電極の平均厚み、前記ホールブロッキング層の平均厚み、及び前記電子輸送層の平均厚みの合計よりも大きい前記<1>から<2>のいずれかに記載の光電変換素子である。
<4> 前記第2の電極の前記最端が、前記ホール輸送層と接していない前記<1>から<3>のいずれかに記載の光電変換素子である。
<5> 前記<1>から<4>のいずれかに記載の光電変換素子が直列又は並列に電気的に接続されたことを特徴とする光電変換モジュールである。
前記<1>から<4>に記載の光電変換素子、及び前記<5>に記載の光電変換モジュールは、従来における前記諸問題を解決し、前記本発明の目的を達成することができる。
1 基板
2 第1の電極
2E 第1の電極の最端
3 ホールブロッキング層
4 光電変換層
5 第2の電極
5E 第2の電極の最端
10 光電変換素子
10E 光電変換素子の端部
14 電子輸送層
14E 電子輸送層の最端
24 ホール輸送層
24E ホール輸送層の最端
特表2013−537371号公報
<初期最大出力電力(Pmax1)、及び耐久性維持率(Pmax2/Pmax1)>
作製した各光電変換素子について、200lxに調整した白色LED照射下で、太陽電池評価システム(直流電圧・電流源/モニター、6241A、株式会社エーディーシ−製)を用いて、IV特性を評価し、初期最大出力電力Pmax(μW)を求めた。
次に、作製した各光電変換素子について、角部の3点を支え、1点に15Nの荷重を加えるねじり試験を実施した。各角部4点実施した。
更に、ねじり試験後の光電変換素子に対し、HBM試験を行い、その後、再度IV特性を評価し、最大出力電力Pmax2(μW/cm)を求めた。
HBM試験は、印加電圧±2000V、印加回数は正極、負極、各1回とした。準拠規格は、ANSI/ESDA/JEDEC JS−001−2014。試験機は、ESD/ラッチアップテスタモデル7000(東京電子交易社製)を用いた。
得られたPmax2を初期値であるPmax1で除することにより、「耐久性維持率」(Pmax2/Pmax1)を求めた。

Claims (5)

  1. 基板、第1の電極、ホールブロッキング層、光電変換層、及び第2の電極を有する光電変換素子であって、
    前記光電変換層が、電子輸送層、及びホール輸送層を有し、
    前記基板、前記第1の電極、前記ホールブロッキング層、前記光電変換層、及び前記第2の電極の積層方向と直交する方向の前記光電変換素子の端部において、
    前記電子輸送層の最端が、前記第1の電極の最端よりも前記光電変換素子の内側にあり、
    前記ホール輸送層の最端が、前記第2の電極の最端よりも前記光電変換素子の外側にあり、
    前記第2の電極の最端が、前記電子輸送層の最端よりも前記光電変換素子の内側にあり、
    前記第1の電極の前記最端を含む端部の前記積層方向の高さが、前記第1の電極の平均厚み、前記ホールブロッキング層の平均厚み、及び前記電子輸送層の平均厚みの合計よりも小さい、
    ことを特徴とする光電変換素子。
    ここで、前記高さは、前記光電変換素子の前記端部における前記基板の前記第1の電極側の表面から、前記光電変換素子の前記端部において最も前記第2の電極側にある前記第1の電極の箇所までの距離である。
  2. 前記電子輸送層の前記最端よりも前記光電変換素子の外側に、前記ホール輸送層の材質と同じ材質からなる領域が、前記基板に接して存在し、前記領域の前記積層方向の長さが、前記第1の電極の平均厚みよりも大きい請求項1に記載の光電変換素子。
  3. 前記領域が、前記ホール輸送層と一体化し、前記領域の前記積層方向の長さが、前記第1の電極の平均厚み、前記ホールブロッキング層の平均厚み、及び前記電子輸送層の平均厚みの合計よりも大きい請求項1から2のいずれかに記載の光電変換素子。
  4. 前記第2の電極の前記最端が、前記ホール輸送層と接していない請求項1から3のいずれかに記載の光電変換素子。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の光電変換素子が直列又は並列に電気的に接続されたことを特徴とする光電変換モジュール。

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