1.ポリウレトンイミン組成物
ポリウレトンイミン組成物は、ポリイソシアネートの誘導体を含む。ポリウレトンイミン組成物は、単に、ポリウレトンイミンと称される場合がある。
ポリイソシアネートの誘導体は、カルボジイミド基およびウレトンイミン基を含む。このような誘導体は、例えば、以下の方法で得られる。すなわち、まず、ポリイソシアネートをカルボジイミド化させる(カルボジイミド化工程)。次いで、カルボジイミド化後の反応生成物をウレトンイミン化させる(ウレトンイミン化工程)。また、詳しくは後述するが、任意のタイミングで、ポリイソシアネートをウレタン化させることもできる(ウレタン化工程)。
以下において、ポリイソシアネート、カルボジイミド化工程、ウレトンイミン化工程およびウレタン化工程について、詳述する。
(1)ポリイソシアネート
ポリイソシアネートは、誘導体の原料モノマーである。ポリイソシアネートは、1分子中に2つ以上のイソシアネート基を有する。好ましくは、ポリイソシアネートは、1分子中に2つのイソシアネート基を有する。
また、ポリイソシアネートは、1級イソシアネート基のみを有し、2級イソシアネート基および3級イソシアネート基を有しない。
1級イソシアネート基とは、イソシアネート基(-NCO)の結合している炭素原子(C)が2つの水素原子(H)を有する場合のイソシアネート基(-CH2NCO)である。
2級イソシアネート基とは、イソシアネート基(-NCO)の結合している炭素原子(C)が1つの水素原子(H)と1つの水素原子以外の基(R)とを有する場合のイソシアネート基(-CHR-NCO)である。
3級イソシアネート基は、イソシアネート基(-NCO)の合している炭素原子(C)が水素原子(H)を有さず2つの水素原子以外の基(R1およびR2)を有する場合のイソシアネート基(-CR1R2-NCO)である。
1級イソシアネート基のみを有するポリイソシアネートとしては、例えば、ポリイソシアネート単量体が挙げられる。ポリイソシアネート単量体としては、例えば、1級イソシアネート基のみを有する脂肪族ポリイソシアネート、および、1級イソシアネート基のみを有する芳香脂肪族ポリイソシアネートが挙げられる。
1級イソシアネート基のみを有する脂肪族ポリイソシアネートとしては、1級イソシアネート基のみを有する鎖状(非環式)脂肪族ポリイソシアネート、および、1級イソシアネート基のみを有する脂環族ポリイソシアネートが挙げられる。なお、鎖状とは、直鎖状または分岐鎖状を示す。
1級イソシアネート基のみを有する鎖状脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、1級イソシアネート基のみを有する鎖状脂肪族ジイソシアネートが挙げられる。1級イソシアネート基のみを有する鎖状脂肪族ジイソシアネートとしては、例えば、エチレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート(PDI)、および、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)が挙げられる。これらは、単独使用または2種類以上併用できる。好ましくは、ペンタメチレンジイソシアネート(PDI)、および、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)が挙げられ、より好ましくは、ペンタメチレンジイソシアネート(PDI)が挙げられる。
1級イソシアネート基のみを有する脂環族ポリイソシアネートとしては、例えば、1級イソシアネート基のみを有する脂環族ジイソシアネートが挙げられる。1級イソシアネート基のみを有する脂環族ジイソシアネートとしては、例えば、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(H6XDI)が挙げられる。ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(H6XDI)としては、例えば、1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(1,3-H6XDI)、および、1,4-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(1,4-H6XDI)が挙げられる。これらは、単独使用または2種類以上併用できる。好ましくは、1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(1,3-H6XDI)、および、1,4-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(1,4-H6XDI)が挙げられる。
1級イソシアネート基のみを有する芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、1級イソシアネート基のみを有する芳香脂肪族ジイソシアネートが挙げられる。1級イソシアネート基のみを有する芳香脂肪族ジイソシアネートとしては、例えば、キシリレンジイソシアネート(XDI)が挙げられる。キシリレンジイソシアネートとしては、例えば、1,3-キシリレンジイソシアネート(1,3-XDI)、および、1,4-キシリレンジイソシアネート(1,4-XDI)が挙げられる。これらは、単独使用または2種類以上併用できる。好ましくは、1,3-キシリレンジイソシアネート(1,3-XDI)、および、1,4-キシリレンジイソシアネート(1,4-XDI)が挙げられる。
また、1級イソシアネート基のみを有するポリイソシアネートとしては、例えば、上記した1級イソシアネート基のみを有するポリイソシアネート単量体を変性した変性体(カルボジイミド変性体およびウレトンイミン変性体を除く。以下同じ。)が挙げられる。1級イソシアネート基のみを有するポリイソシアネートにおいて、変性体は、カルボジイミド基およびウレトンイミン基を含まない。より具体的には、変性体としては、例えば、ウレトジオン変性体、イソシアヌレート変性体、イミノオキサジアジンジオン変性体、ビウレット変性体、アロファネート変性体、ポリオール付加体およびオキサジアジントリオン変性体が挙げられる。これらは、単独使用または2種類以上併用できる。
1級イソシアネート基のみを有するポリイソシアネートは、単独使用または2種類以上併用することができる。好ましくは、ポリイソシアネート単量体およびイソシアヌレート誘導体が挙げられ、より好ましくは、ポリイソシアネート単量体が挙げられる。ポリイソシアネート単量体として、好ましくは、1級イソシアネート基のみを有する鎖状脂肪族ポリイソシアネート、および、1級イソシアネート基のみを有する芳香脂肪族ポリイソシアネートが挙げられる。より好ましくは、1級イソシアネート基のみを有する鎖状脂肪族ジイソシアネート、および、1級イソシアネート基のみを有する芳香脂肪族ジイソシアネートが挙げられる。さらに好ましくは、ペンタメチレンジイソシアネート(PDI)、および、キシリレンジイソシアネート(XDI)が挙げられる。
1級イソシアネート基のみを有するポリイソシアネートのイソシアネート基濃度は、例えば、15質量%以上、好ましくは、20質量%以上である。また、1級イソシアネート基のみを有するポリイソシアネートのイソシアネート基濃度は、例えば、50質量%以下、好ましくは、45質量%以下である。
(2)カルボジイミド化工程
カルボジイミド化工程では、上記の1級イソシアネート基のみを有するポリイソシアネート(および/またはそのウレタン変性体(後述、以下同様))を、カルボジイミド化反応させる。
より具体的には、カルボジイミド化工程では、例えば、ポリイソシアネートを、カルボジイミド化触媒の存在下で加熱する。
カルボジイミド化触媒としては、例えば、トリアルキルリン酸エステル系化合物、フォスフォレンオキシド系化合物、フォスフォレンスルフィド系化合物、ホスフィンオキシド系化合物およびホスフィン系化合物が挙げられる。これらは、単独使用または2種類以上併用できる。カルボジイミド化触媒として、好ましくは、フォスフォレンオキシド系化合物が挙げられる。
フォスフォレンオキシド系化合物としては、例えば、炭素数4~18のフォスフォレンオキシド系化合物が挙げられる。炭素数4~18のフォスフォレンオキシド系化合物としては、例えば、3-メチル-1-フェニル-2-フォスフォレン-1-オキシド(MPPO)、1-エチル-3-メチル-2-フォスフォレン-1-オキシド(EMPO)、1,3-ジメチル-2-フォスフォレン-1-オキシド、1-フェニル-2-フォスフォレン-1-オキシド、1-メチル-2-フォスフォレン-1-オキシド、1-エチル-2-フォスフォレン-1-オキシド、および、これらの二重結合異性体が挙げられる。これらは、単独使用または2種類以上併用できる。フォスフォレンオキシド系化合物として、好ましくは、フォスフォレンオキシド系化合物が挙げられ、より好ましくは、3-メチル-1-フェニル-2-フォスフォレン-1-オキシド(MPPO)および1-エチル-3-メチル-2-フォスフォレン-1-オキシド(EMPO)が挙げられ、とりわけ好ましくは、3-メチル-1-フェニル-2-フォスフォレン-1-オキシド(MPPO)が挙げられる。
カルボジイミド化触媒の配合割合は、後述する誘導化率(1)および吸光度強度比が後述する範囲となるように、適宜設定される。
例えば、カルボジイミド化触媒の配合割合は、ポリイソシアネート100質量部に対して、例えば、0.01質量部以上、好ましくは,0.05質量部以上である。また、カルボジイミド化触媒の配合割合は、ポリイソシアネート100質量部に対して、例えば、10質量部以下、好ましくは、1質量部以下である。
カルボジイミド化工程における反応条件は、カルボジイミド化触媒の配合割合に応じて、後述する誘導化率(1)が後述する範囲となるように、適宜設定される。
また、カルボジイミド化工程における反応条件は、後述する吸光度の強度比(IRCI/IRUI)が、後述する範囲となるように、適宜設定される。
また、カルボジイミド化工程における反応条件は、好ましくは、後述する誘導化率(2)が後述する範囲となるように、適宜設定される。
例えば、反応温度が、例えば、125℃以上、好ましくは、130℃以上、より好ましくは、135℃以上である。また、反応温度が、例えば、160℃以下、好ましくは、155℃以下、より好ましくは、150℃以下、さらに好ましくは、145℃以下である。また、反応時間が、例えば、1時間以上、好ましくは、3時間以上である。また、反応時間が、例えば、12時間以下、好ましくは、9時間以下、より好ましくは、7時間以下、さらに好ましくは、6時間以下である。また、反応環境は、常圧および不活性ガス(窒素ガスなど)雰囲気下である。
また、カルボジイミド化工程では、必要に応じて、公知の有機溶媒を配合できる。なお、有機溶媒の配合割合は、目的および用途に応じて、適宜設定される。
カルボジイミド化工程では、必要に応じて、カルボジイミド化反応停止剤を配合できる。カルボジイミド化反応停止剤としては、例えば、カルボジイミド化触媒不活性化剤が挙げられる。カルボジイミド化触媒不活性化剤としては、例えば、公知のシリル化酸が挙げられる。シリル化酸としては、例えば、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリルトリフラートが挙げられる。なお、カルボジイミド化反応停止剤の配合割合は、目的および用途に応じて、適宜設定される。
そして、上記の方法により、ポリイソシアネート(および/またはそのウレタン変性体(後述))が有するイソシアネート基を脱炭酸縮合(カルボジイミド化反応)させ、カルボジイミド基を生成させる。
これにより、カルボジイミド化反応生成物が得られる。カルボジイミド化反応生成物は、カルボジイミド基を有する。また、カルボジイミド化反応生成物は、分子末端に、未反応のイソシアネート基を有する。
また、カルボジイミド化工程では、上記カルボジイミド化反応生成物を含む反応生成液(以下、カルボジイミド化反応生成液)が得られる。カルボジイミド化反応生成液は、例えば、上記のカルボジイミド化反応生成物と、未反応のポリイソシアネート(および/またはそのウレタン変性体(後述))とを含有する。
カルボジイミド化反応生成液のイソシアネート基濃度(固形分換算)は、例えば、1質量%以上、好ましくは、5質量%以上である。また、カルボジイミド化反応生成液のイソシアネート基濃度(固形分換算)は、例えば、30質量%以下、好ましくは、20質量%以下である。
より具体的には、ポリイソシアネート(ウレタン変性されていないポリイソシアネート)がカルボジイミド化される場合、カルボジイミド化反応生成液のイソシアネート基濃度(固形分換算)は、例えば、10質量%以上、好ましくは、15質量%以上である。また、この場合、カルボジイミド化反応生成液のイソシアネート基濃度(固形分換算)は、例えば、30質量%以下、好ましくは、20質量%以下である。
また、ポリイソシアネートのウレタン変性体がカルボジイミド化される場合、カルボジイミド化反応生成液のイソシアネート基濃度(固形分換算)は、例えば、1質量%以上、好ましくは、5質量%以上である。また、この場合、カルボジイミド化反応生成液のイソシアネート基濃度(固形分換算)は、例えば、20質量%以下、好ましくは、10質量%以下である。
(3)ウレトンイミン化工程
ウレトンイミン化工程では、カルボジイミド化反応生成液をエージングし、カルボジイミド化反応生成物を、ウレトンイミン化反応させる。
より具体的には、ウレトンイミン化工程では、例えば、カルボジイミド化反応生成液を、適宜の温度でエージングし、ウレトンイミン化反応させる。
ウレトンイミン化工程におけるエージング条件は、後述する吸光度の強度比(IRCI/IRUI)が、後述する範囲となるように、適宜設定される。
また、ウレトンイミン化工程におけるエージング条件は、好ましくは、後述する誘導化率(2)が後述する範囲となるように、適宜設定される。
より具体的には、エージング温度が、例えば、5℃以上、好ましくは、10℃以上、より好ましくは、15℃以上である。また、エージング温度が、例えば、60℃以下、好ましくは、50℃以下、より好ましくは、40℃以下である。また、エージング時間が、例えば、1時間以上、好ましくは、3時間以上である。また、エージング時間が、例えば、50時間以下、好ましくは、40時間以下である。また、エージング環境は、常圧および不活性ガス(窒素ガスなど)雰囲気下である。なお、有機溶媒の配合割合は、目的および用途に応じて、適宜設定される。
また、ウレトンイミン化工程では、必要に応じて、公知の有機溶媒を配合できる。なお、有機溶媒の配合割合は、目的および用途に応じて、適宜設定される。
そして、上記のウレトンイミン化反応により、カルボジイミド化反応生成液中のカルボジイミド化反応生成物と、未反応のポリイソシアネート(および/またはそのウレタン変性体(後述))とを、ウレトンイミン化反応させる。すなわち、カルボジイミド基とイソシアネート基とを反応させ、ウレトンイミン基を生成させる。
これにより、ウレトンイミン化反応生成物が得られる。ウレトンイミン化反応生成物は、カルボジイミド基およびウレトンイミン基を有する。また、ウレトンイミン化反応生成物は、分子末端に、イソシアネート基を有する。
すなわち、ウレトンイミン化反応生成物として、ポリイソシアネートの誘導体が得られる。
また、ウレトンイミン化反応では、上記ウレトンイミン化反応生成物を含む反応生成液(以下、ウレトンイミン化反応生成液)が得られる。ウレトンイミン化反応生成液は、例えば、上記のウレトンイミン化反応生成物を含有する。また、ウレトンイミン化反応生成液は、未反応のポリイソシアネート(および/またはそのウレタン変性体(後述))を含有する場合がある。
すなわち、ウレトンイミン化反応生成液として、ポリウレトンイミン組成物が得られる。
ウレトンイミン化反応生成液のイソシアネート基濃度(固形分換算)は、例えば、1質量%以上、好ましくは、5質量%以上である。また、ウレトンイミン化反応生成液のイソシアネート基濃度(固形分換算)は、例えば、30質量%以下、好ましくは、20質量%以下である。
より具体的には、ポリイソシアネート(ウレタン変性されていないポリイソシアネート)がカルボジイミド化およびウレトンイミン化される場合、ウレトンイミン化反応生成液のイソシアネート基濃度(固形分換算)は、例えば、10質量%以上、好ましくは、15質量%以上である。また、この場合、ウレトンイミン化反応生成液のイソシアネート基濃度(固形分換算)は、例えば、30質量%以下、好ましくは、20質量%以下である。
また、ポリイソシアネートのウレタン変性体がカルボジイミド化およびウレトンイミン化される場合、ウレトンイミン化反応生成液のイソシアネート基濃度(固形分換算)は、例えば、1質量%以上、好ましくは、5質量%以上である。また、この場合、ウレトンイミン化反応生成液のイソシアネート基濃度(固形分換算)は、例えば、20質量%以下、好ましくは、10質量%以下である。
(4)ウレタン化工程
ポリイソシアネートの誘導体(ウレトンイミン化反応生成物)は、カルボジイミド基およびウレトンイミン基に加えて、さらに、任意で、ウレタン基を含むことができる。
ウレタン基は、ウレタン化工程において形成される。ウレタン化工程のタイミングは、特に制限されず、例えば、カルボジイミド化工程の前であってもよい。また、カルボジイミド化工程およびウレトンイミン化工程の後であってもよい。さらには、カルボジイミド化工程後かつウレトンイミンイミン化工程前であってもよい。また、これらを組み合わせてもよい。
好ましくは、ウレタン化工程のタイミングは、カルボジイミド化工程の前である。また、好ましくは、ウレタン化工程のタイミングは、カルボジイミド化工程およびウレトンイミン化工程の後である。
以下において、カルボジイミド化工程前にポリイソシアネートをウレタン化する工程(以下、前ウレタン化工程)と、カルボジイミド化工程およびウレトンイミン化工程後に、カルボジイミド化反応生成物をウレタン化する工程(以下、後ウレタン化工程)とを、詳述する。
(a)前ウレタン化工程
前ウレタン化工程では、上記のカルボジイミド化工程の前に、ポリイソシアネートとアルコール類とをウレタン化反応(前ウレタン化反応)させ、ポリイソシアネートのウレタン変性体を得る。
アルコール類としては、例えば、3つ以上連続するオキシエチレン基を含有するアルコール(以下、3連続以上EO含有アルコール)、および、その他のアルコールが挙げられる。
例えば、ポリウレトンイミン組成物が水に分散される場合、アルコール類として、好ましくは、3連続以上EO含有アルコールが挙げられる。また、ポリウレトンイミン組成物が有機溶剤に溶解される場合、アルコール類として、好ましくは、その他のアルコールが挙げられる。
3連続以上EO含有アルコールとしては、例えば、3つ以上連続するオキシエチレン基を含有するポリオール(以下、3連続以上EO含有ポリオール)、および、3つ以上連続するオキシエチレン基を含有するモノオール(以下、3連続以上EO含有モノオール)が挙げられる。
3連続以上EO含有ポリオールは、1分子中に3つ以上連続するオキシエチレン基と、2つ以上の水酸基とを併有する有機化合物である。3連続以上EO含有ポリオールとしては、例えば、ポリオキシエチレンポリオールが挙げられる。ポリオキシエチレンポリオールは、例えば、公知の低分子量ポリオール(開始剤)に対して、オキシエチレン基の繰返し単位数が3以上となるように、エチレンオキサイドを付加反応させることによって得られる。なお、低分子量ポリオールにエチレンオキサイドを付加反応させる方法としては、特に制限されず、公知の方法を採用することができる。
3連続以上EO含有ポリオールは、単独使用または2種類以上併用することができる。3連続以上EO含有ポリオールとして、好ましくは、ポリオキシエチレンポリオールが挙げられ、より好ましくは、ポリオキシエチレングリコールが挙げられる。
3連続以上EO含有モノオールは、1分子中に3つ以上連続するオキシエチレン基と、1つの水酸基とを併有する有機化合物である。3連続以上EO含有モノオールとしては、例えば、片末端封止ポリオキシエチレングリコールが挙げられる。片末端封止ポリオキシエチレングリコールとしては、例えば、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテルが挙げられる。ポリエチレングリコールモノアルキルエーテルでは、ポリオキシエチレングリコールの片方の末端水酸基がアルコキシ基により置換されている。アルコキシ基の炭素数は、適宜設定される。アルコキシ基として、好ましくは、メトキシ基およびエトキシ基が挙げられる。ポリエチレングリコールモノアルキルエーテルとして、具体的には、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(メトキシポリエチレングリコール)およびポリエチレングリコールモノエチルエーテル(エトキシポリエチレングリコール)が挙げられる。
3連続以上EO含有モノオールは、単独使用または2種類以上併用することができる。3連続以上EO含有モノオールとして、好ましくは、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテルが挙げられ、より好ましくは、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルが挙げられる。
3連続以上EO含有アルコールは、単独使用または2種類以上併用することができる。3連続以上EO含有アルコールとして、好ましくは、3連続以上EO含有モノオールが挙げられる。
3連続以上EO含有アルコールにおいて、オキシエチレン基(EO)の繰返し単位数は、例えば、3以上、好ましくは、5以上、より好ましくは、10以上である。また、オキシエチレン基(EO)の繰返し単位数は、例えば、60以下、好ましくは、50以下である。オキシエチレン基の繰返し単位数が上記範囲であれば、ポリウレトンイミン組成物の安定性および水分散性を、向上できる。
また、3連続以上EO含有の数平均分子量(ポリスチレン換算分子量)は、例えば、100以上、好ましくは、200以上、より好ましくは、300以上、さらに好ましくは、400以上、とりわけ好ましくは、800以上である。また、3連続以上EO含有の数平均分子量(ポリスチレン換算分子量)は、例えば、5000以下、好ましくは、3000以下、より好ましくは、2000以下、さらに好ましくは、1500以下、とりわけ好ましくは、1200以下である。数平均分子量が上記範囲であれば、ポリウレトンイミン組成物の安定性および水分散性を、向上できる。
その他のアルコールは、分子中に3つ以上連続するオキシエチレン基を有していないアルコールである。換言すれば、その他のアルコールは、オキシエチレン基を含有していないか、または、3つ以上連続していないオキシエチレン基(2つ連続するオキシエチレン基、および/または、単独のオキシエチレン基)を含有するアルコールである。
その他のアルコールとして、具体的には、上記3連続以上EO含有ポリオールを除くポリオール(以下、その他のポリオールと称する。)、および、上記3連続以上EO含有モノオールを除くモノオール(以下、その他のモノオールと称する。)が挙げられる。
その他のポリオールは、1分子中に3つ以上連続するオキシエチレン基を有しておらず、かつ、1分子中に2つ以上の水酸基を有するアルコールである。その他のポリオールとしては、例えば、メタンジオール、エタンジオール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、デカンジオール、ドデカンジオール、テトラデカンジオール、ヘキサデカンジオール、オクタデカンジオール、エイコサンジオール、および、ジエチレングリコールが挙げられる。これらは、単独使用または2種類以上併用することができる。
その他のモノオールは、1分子中に3つ以上連続するオキシエチレン基を有しておらず、かつ、1分子中に1つの水酸基を有するアルコールである。その他のモノオールとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、s-ブタノール、t-ブタノール、ペンタノール、2,2-ジメチル-1-プロパノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、2-エチルヘキサノール、ノニルアルコール、イソノニルアルコール、デカノール(炭素数10)、ラウリルアルコール(炭素数12)、セチルアルコール(炭素数14)、ステアリルアルコール(炭素数18)、オレイルアルコール(炭素数18)、エイコサノール(炭素数20)、1-メトキシ-2-プロパノール、1-エトキシ-2-プロパノール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(別名カルビトール)、フェノール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコールおよびナフトールが挙げられる。これらは、単独使用または2種類以上併用することができる。
その他のアルコールは、単独使用または2種類以上併用することができる。その他のアルコールとして、好ましくは、その他のモノオールが挙げられ、より好ましくは、1-メトキシ-2-プロパノールが挙げられる。
アルコール類は、単独使用または2種類以上併用することができる。すなわち、アルコール類は、3連続以上EO含有アルコールのみを含んでいてもよく、その他のアルコールのみを含んでいてもよく、3連続以上EO含有アルコールと、その他のアルコールとを併有していてもよい。
アルコール類は、水分散性の向上を図る観点から、好ましくは、3連続以上EO含有アルコールを含有する。
アルコール類が、3連続以上EO含有アルコールを含有する場合、親水性が向上する。すなわち、ポリウレトンイミン組成物の水に対する分散が向上し、水分散組成物(後述)を効率よく得ることができる。
また、アルコール類は、水分散性と耐水性との両立の観点から、より好ましくは、3連続以上EO含有アルコールと、その他のアルコールとを併有する。
アルコール類が、3連続以上EO含有アルコールと、その他のアルコールとを含有する場合、アルコール類の総モルに対して、3連続以上EO含有アルコールの含有割合が、例えば、10モル%以上、好ましくは、50モル%以上である。また、3連続以上EO含有アルコールの含有割合が、例えば、99モル%以下、好ましくは、95モル%以下である。また、その他のアルコールの含有割合が、例えば、1モル%以上、好ましくは、5モル%以上である。また、その他のアルコールの含有割合が、例えば、90モル%以下、好ましくは、50モル%以下である。
3連続以上EO含有アルコールと、その他のアルコールとの含有割合が上記範囲であれば、ポリウレトンイミン組成物の硬化性および水分散性の向上を図ることができ、また、耐水性に優れた樹脂硬化物(後述)を得ることができる。
また、アルコール類が、3連続以上EO含有アルコールを含有している場合、ポリウレトンイミン組成物は、オキシエチレン基を含む。オキシエチレン基の含有割合は、ポリウレトンイミン組成物に対して、例えば、5質量%以上、好ましくは、10質量%以上、より好ましくは、15質量%以上である。また、オキシエチレン基の含有割合は、ポリウレトンイミン組成物に対して、例えば、70質量%以下、好ましくは、60質量%以下、より好ましくは、50質量%以下である。なお、オキシエチレン基の含有割合は、仕込み量から算出することができる。
一方、アルコール類は、3連続以上EO含有アルコールを含有せず、その他のアルコールのみを含有する場合、親油性が向上する。すなわち、ポリウレトンイミン組成物の有機溶媒に対する溶解性が向上し、溶液組成物(後述)を効率よく得ることができる。
前ウレタン化工程において、ポリイソシアネートとアルコール類との反応割合は、イソシアネート基が水酸基に対して過剰となるように、設定される。より具体的には、アルコール類の水酸基に対する、ポリイソシアネートのイソシアネート基の当量比(NCO/OH)が、例えば、1を超過し、好ましくは、2以上、より好ましくは、4以上である。また、アルコール類の水酸基に対する、ポリイソシアネートのイソシアネート基の当量比(NCO/OH)が、例えば、16以下、好ましくは、14以下、より好ましくは、10以下である。
また、この反応においては、必要に応じて、公知のウレタン化触媒を、適宜の割合で添加することができる。反応温度は、例えば、30℃以上、好ましくは、60℃以上である。また、反応温度は、例えば、200℃以下、好ましくは、180℃以下である。反応時間は、例えば、1時間以上、好ましくは、3時間以上である。また、反応時間は、例えば、50時間以下、好ましくは、40時間以下である。反応環境は、例えば、常圧および不活性ガス(例えば、窒素ガス)雰囲気下である。
また、前ウレタン化工程では、必要に応じて、公知の有機溶媒を配合できる。なお、有機溶媒の配合割合は、目的および用途に応じて、適宜設定される。
そして、上記の方法により、ポリイソシアネートのイソシアネート基と、アルコール類との水酸基とをウレタン化反応(前ウレタン化反応)させ、ウレタン基を生成させる。
これにより、ポリイソシアネートのウレタン変性体(アルコール変性体)が得られる。ポリイソシアネートのウレタン変性体は、ウレタン基を有する。また、ポリイソシアネートのウレタン変性体は、分子末端に、未反応のイソシアネート基を有する。
また、前ウレタン化工程では、ポリイソシアネートのウレタン変性体を含む反応生成液(以下、前ウレタン化反応生成液)が得られる。前ウレタン化反応生成液は、例えば、上記のウレタン変性体と、未反応のポリイソシアネートとを含有する。
前ウレタン化反応生成液のイソシアネート基濃度(固形分換算)は、例えば、15質量%以上、好ましくは、20質量%以上である。また、前ウレタン化反応生成液のイソシアネート基濃度(固形分換算)は、例えば、50質量%以下、好ましくは、40質量%以下である。
前ウレタン化反応生成液は、上記したカルボジイミド化工程およびウレトンイミン化工程において、原料として使用される。これにより、ポリイソシアネートのウレタン変性体を、上記の通り、カルボジイミド化およびウレトンイミン化させる。
その結果、ウレトンイミン化反応生成物が得られる。ウレトンイミン化反応生成物は、カルボジイミド基およびウレトンイミン基と、ウレタン基とを有する。また、ウレトンイミン化反応生成物は、分子末端に、イソシアネート基を有する。
すなわち、ウレトンイミン化反応生成物として、ポリイソシアネートの誘導体が得られる。
(b)後ウレタン化工程
後ウレタン化工程では、上記のウレトンイミン化工程の後に、ウレトンイミン化反応生成物とアルコール類とをウレタン化反応(後ウレタン化反応)させ、ウレトンイミン化反応生成物のウレタン変性体を得る。
すなわち、ポリイソシアネート(および/またはそのウレタン変性体)を、まず、カルボジイミド化させ、次いで、ウレトンイミン化させる。その後、得られたウレトンイミン化反応生成物と、アルコール類とを、ウレタン化反応させる。
アルコール類としては、上記したアルコール類が挙げられる。より具体的には、上記3連続以上EO含有アルコール、および、その他のアルコールが挙げられる。これらは、単独使用または2種類以上併用できる。アルコール類として、好ましくは、3連続以上EO含有アルコールが挙げられる。
なお、ウレトンイミン化反応生成物をウレタン化させる方法は、上記したポリイソシアネートをウレタン化させる方法と同様である。
後ウレタン化工程において、ウレトンイミン化反応生成物とアルコール類との反応割合は、イソシアネート基が水酸基に対して過剰となるように、設定される。より具体的には、アルコール類の水酸基に対する、ウレトンイミン化反応生成物のイソシアネート基の当量比(NCO/OH)が、例えば、1を超過し、好ましくは、2以上、より好ましくは、4以上である。また、アルコール類の水酸基に対する、ウレトンイミン化反応生成物のイソシアネート基の当量比(NCO/OH)が、例えば、16以下、好ましくは、14以下、より好ましくは、10以下である。
また、この反応においては、必要に応じて、公知のウレタン化触媒を、適宜の割合で添加することができる。反応温度は、例えば、30℃以上、好ましくは、60℃以上である。また、反応温度は、例えば、200℃以下、好ましくは、180℃以下である。反応時間は、例えば、1時間以上、好ましくは、3時間以上である。また、反応時間は、例えば、50時間以下、好ましくは、40時間以下である。反応環境は、例えば、常圧および不活性ガス(例えば、窒素ガス)雰囲気下である。
また、後ウレタン化工程では、必要に応じて、公知の有機溶媒を配合できる。なお、有機溶媒の配合割合は、目的および用途に応じて、適宜設定される。
そして、上記の方法により、ウレトンイミン化反応生成物のイソシアネート基と、アルコール類との水酸基とをウレタン化反応(後ウレタン化反応)させ、ウレタン基を生成させる。
これにより、ウレトンイミン化反応生成物のウレタン変性体(アルコール変性体)が得られる。ウレトンイミン化反応生成物のウレタン変性体は、ウレタン基を有する。また、ウレトンイミン化反応生成物のウレタン変性体は、分子末端に、未反応のイソシアネート基を有する。
また、後ウレタン化工程では、ウレトンイミン化反応生成物のウレタン変性体を含む反応生成液(以下、後ウレタン化反応生成液)が得られる。後ウレタン化反応生成液は、例えば、上記のウレタン変性体と、未反応のポリイソシアネートとを含有する。
後ウレタン化反応生成液のイソシアネート基濃度(固形分換算)は、例えば、15質量%以上、好ましくは、20質量%以上である。また、後ウレタン化反応生成液のイソシアネート基濃度(固形分換算)は、例えば、50質量%以下、好ましくは、40質量%以下である。
そして、ウレトンイミン化反応生成物のウレタン変性体は、カルボジイミド基およびウレトンイミン基と、ウレタン基とを有する。また、ウレトンイミン化反応生成物のウレタン変性体は、分子末端に、イソシアネート基を有する。
すなわち、ウレトンイミン化反応生成物のウレタン変性体として、ポリイソシアネートの誘導体が得られる。
また、必要により、前ウレタン化工程と、後ウレタン化工程とを併用することもできる。すなわち、ポリイソシアネートを、前ウレタン化反応させ、次いで、カルボジイミド化反応およびウレトンイミン化反応させ、その後、後ウレタン化反応させてもよい。
(5)アミン反応工程
ポリイソシアネートの誘導体は、分子末端に、遊離のイソシアネート基を有することができる。また、ポリイソシアネートの誘導体は、アミン化合物により封止および/または鎖伸長されていてもよい。
より具体的には、ウレトンイミン化反応生成物および/またはそのウレタン変性体と、アミン化合物とを反応させ、ウレトンイミン化反応生成物および/またはそのウレタン変性体を、アミン化合物により封止および/または鎖伸長することができる(アミン反応工程)。
以下において、ポリイソシアネートの誘導体をアミン化合物により封止する工程(封止工程)、および、ポリイソシアネートの誘導体をアミン化合物により鎖伸長する工程(鎖伸長工程)について、詳述する。
(a)封止工程
ポリイソシアネートの誘導体の分子末端のイソシアネート基は、封止剤としてのアミン化合物により封止されていてもよい。アミン化合物としては、例えば、モノアミンが挙げられる。
モノアミンとしては、例えば、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジ-n-プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジ-n-ブチルアミン、ジイソブチルアミン、ジ-t-ブチルアミン、ジヘキシルアミン、2-エチルヘキシルアミン、3-メトキシプロピルアミン、3-エトキシプロピルアミン、3-(2-エチルヘキシルオキシプロピルアミン)、3-(ドデシルオキシ)プロピルアミン、および、モルホリンが挙げられる。これらは、単独使用または2種類以上併用できる。
封止工程において、アミン化合物(モノアミン)は、単独使用または2種類以上併用できる。
ポリイソシアネートの誘導体を、アミン化合物により封止する方法は、特に制限されない。例えば、ポリイソシアネートの誘導体が分散した有機溶媒または水中に、アミン化合物を滴下する方法が挙げられる。また、例えば、アミン化合物が分散した有機溶媒または水中に、ポリイソシアネートの誘導体を滴下する方法が挙げられる。これにより、ポリイソシアネートの誘導体の分子末端のイソシアネート基を、アミン化合物により封止する。
封止工程において、アミン化合物のアミノ基に対する、ポリイソシアネートの誘導体のイソシアネート基の当量比(イソシアネート基/アミノ基)は、例えば、5以下、好ましくは、3以下、より好ましくは、1以下である。また、アミン化合物のアミノ基に対する、ポリイソシアネートの誘導体のイソシアネート基の当量比(イソシアネート基/アミノ基)は、例えば、0.8以上、好ましくは、0.9以上である。また、反応条件は、特に制限されず、目的および用途に応じて、適宜設定される。例えば、反応時間が、常温である。また、反応時間は、例えば、0.1~10時間である。
これにより、ポリイソシアネートの誘導体を、アミン化合物により封止できる。その結果、ポリウレトンイミン組成物の保存安定性を向上できる。
なお、封止工程では、必要に応じて、モノアミンと、後述するポリアミンとを併用することができる。このような場合、ポリイソシアネートの誘導体の大部分が、モノアミンにより封止されるとともに、一部が、ポリアミンにより鎖伸長(後述)される
モノアミンとポリアミンとの併用割合は、目的および用途に応じて、適宜設定される。例えば、モノアミンとポリアミンとの総量に対して、ポリアミンが、10モル%以下、好ましくは、5モル%以下である。また、モノアミンとポリアミンとの総量に対して、モノアミンが、90モル%以上、好ましくは、95モル%以上である。
また、封止工程では、アミン化合物と、その他の公知の封止剤とを、適宜の割合で併用することもできる。
(b)鎖伸長工程
ポリイソシアネートの誘導体は、鎖伸長剤としてのアミン化合物により鎖伸長されていてもよい。アミン化合物としては、例えば、ポリアミンが挙げられる。
ポリアミンとしては、例えば、芳香族ポリアミン、芳香脂肪族ポリアミン、脂環族ポリアミン、脂肪族ポリアミン、アミノアルコール、ポリオキシエチレン基含有ポリアミン、第1級アミノ基を有するアルコキシシリル化合物、第1級アミノ基および第2級アミノ基を有するアルコキシシリル化合物、ヒドラジン類、および、ヒドラジン誘導体が挙げられる。
芳香族ポリアミンとしては、例えば、4,4’-ジフェニルメタンジアミン、および、トリレンジアミンが挙げられる。芳香脂肪族ポリアミンとしては、例えば、1,3-キシリレンジアミン、および、1,4-キシリレンジアミンが挙げられる。脂環族ポリアミンとしては、例えば、3-アミノメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシルアミン(別名:イソホロンジアミン)、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジアミン、2,5(2,6)-ビス(アミノメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、1,4-シクロヘキサンジアミン、1-アミノ-3-アミノメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキサン、ビス-(4-アミノシクロヘキシル)メタン、ジアミノシクロヘキサン、3,9-ビス(3-アミノプロピル)-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、および、1,4-ビス(アミノメチル)シクロヘキサンが挙げられる。脂肪族ポリアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、1,3-プロパンジアミン、1,4-ブタンジアミン、1,5-ペンタンジアミン、1,6-ヘキサメチレンジアミン、1,8-オクタメチレンジアミン、1,12-ドデカメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、1,2-ジアミノエタン、1,2-ジアミノプロパン、および、1,3-ジアミノペンタンが挙げられる。これらは、単独使用または2種類以上併用できる。
アミノアルコールとしては、例えば、2-((2-アミノエチル)アミノ)エタノール、および、2-((2-アミノエチル)アミノ)-1-メチルプロパノールが挙げられる。ポリオキシアルキレン基含有ポリアミンとしては、例えば、ポリオキシアルキレンエーテルジアミンおよびポリオキシアルキレンエーテルトリアミンが挙げられる。ポリオキシアルキレンエーテルジアミンとしては、例えば、ポリオキシエチレンエーテルジアミンが挙げられる。ポリオキシアルキレンエーテルトリアミンとしては、例えば、トリメチロールプロパンポリ(オキシプロピレン)トリアミンおよびグリセリルポリ(オキシプロピレン)トリアミンが挙げられる。より具体的には、例えば、JEFFAMINEのDシリーズ、EDシリーズ、EDRシリーズ、RTシリーズおよびTシリーズ(以上、HUNTSMAN社製)が挙げられる。これらは、単独使用または2種類以上併用できる。
第1級アミノ基を有するアルコキシシリル化合物としては、例えば、γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、および、N-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシランが挙げられる。第1級アミノ基および第2級アミノ基を有するアルコキシシリル化合物としては、例えば、N-β(アミノエチル)γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-β(アミノエチル)γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-β(アミノエチル)γ-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、および、N-β(アミノエチル)γ-アミノプロピルメチルジエトキシシランが挙げられる。ヒドラジン類としては、例えば、ヒドラジン、および、ヒドラジン水和物が挙げられる。ヒドラジン誘導体としては、例えば、コハク酸ジヒドラジド、および、アジピン酸ジヒドラジドが挙げられる。これらは、単独使用または2種類以上併用できる。
鎖伸長工程において、アミン化合物(ポリアミン)は、単独使用または2種類以上併用できる。
ポリイソシアネートの誘導体を、アミン化合物により鎖伸長する方法は、特に制限されない。例えば、ポリイソシアネートの誘導体が分散した有機溶媒または水中に、アミン化合物を滴下する方法が挙げられる。また、例えば、アミン化合物が分散した有機溶媒または水中に、ポリイソシアネートの誘導体を滴下する方法が挙げられる。これにより、ポリイソシアネートの誘導体を、アミン化合物により鎖伸長させる。
鎖伸長工程において、アミン化合物のアミノ基に対する、ポリイソシアネートの誘導体のイソシアネート基の当量比(イソシアネート基/アミノ基)は、例えば、5以下、好ましくは、3以下、より好ましくは、1以下である。また、アミン化合物のアミノ基に対する、ポリイソシアネートの誘導体のイソシアネート基の当量比(イソシアネート基/アミノ基)は、例えば、0.3以上、好ましくは、0.5以上、より好ましくは、0.9以上である。また、反応条件は、特に制限されず、目的および用途に応じて、適宜設定される。例えば、反応時間が、常温である。また、反応時間は、例えば、0.1~10時間である。
これにより、ポリイソシアネートの誘導体を、アミン化合物により鎖伸長できる。その結果、ポリウレトンイミン組成物の硬化性を向上できる。
なお、鎖伸長工程では、必要に応じて、ポリアミンと、上記のモノアミンとを併用することができる。このような場合、ポリイソシアネートの誘導体の大部分が、ポリアミンにより鎖伸長されるとともに、一部が、モノアミンにより封止される。
モノアミンとポリアミンとの併用割合は、目的および用途に応じて、適宜設定される。例えば、モノアミンとポリアミンとの総量に対して、モノアミンが、10モル%以下、好ましくは、5モル%以下である。また、モノアミンとポリアミンとの総量に対して、ポリアミンが、90モル%以上、好ましくは、95モル%以上である。
また、封止工程では、アミン化合物と、その他の公知の鎖伸長剤とを、適宜の割合で併用することもできる。
(6)誘導体化率
(a)誘導体化率(1)
上記したカルボジイミド化工程では、下記誘導化率(1)が、所定範囲に調整される。
[誘導化率(1)]=1-[(ポリイソシアネートがカルボジイミド化反応した後、ウレトンイミン化反応する前のイソシアネート基の総モル)/(ポリイソシアネートがカルボジイミド化反応およびウレトンイミン化反応する前のイソシアネート基の総モル)]×100(%)
上記式(1)中、「ポリイソシアネートがカルボジイミド化反応およびウレトンイミン化反応する前のイソシアネート基の総モル」は、カルボジイミド化工程の直前のイソシアネート基の総モルである。
例えば、カルボジイミド化工程の前に、ポリイソシアネートがアルコール類と反応(前ウレタン化反応)している場合、「ポリイソシアネートがカルボジイミド化反応およびウレトンイミン化反応する前のイソシアネート基の総モル」は、前ウレタン化反応生成液中の、ポリイソシアネートのウレタン変性体のイソシアネート基と、未反応のポリイソシアネートのイソシアネート基との総モルである。
また、例えば、カルボジイミド化工程の前に、ポリイソシアネートがアルコール類と反応していない場合、「ポリイソシアネートがカルボジイミド化反応およびウレトンイミン化反応する前のイソシアネート基の総モル」は、未反応のポリイソシアネート(単量体)のイソシアネート基の総モルである。
上記式(1)中、「ポリイソシアネートがカルボジイミド化反応した後、ウレトンイミン化反応する前のイソシアネート基の総モル」は、カルボジイミド化工程の直後のイソシアネート基の総モルである。
すなわち、「ポリイソシアネートがカルボジイミド化反応した後、ウレトンイミン化反応する前のイソシアネート基の総モル」は、ポリイソシアネート(および/またはそのウレタン変性体)のカルボジイミド化反応生成物のイソシアネート基と、未反応のポリイソシアネート(および/またはそのウレタン変性体)のイソシアネート基との総モルを示す。
つまり、誘導化率(1)は、カルボジイミド化工程前のイソシアネート基に対する、カルボジイミド化工程後のイソシアネート基の減少率から、算出される。そして、誘導化率(1)が所定範囲であれば、優れた硬化性およびポットライフが得られる。
誘導化率(1)は、より具体的には、35モル%以上、好ましくは、40モル%以上、より好ましくは、45モル%以上、さらに好ましくは、50モル%以上、さらに好ましくは、55モル%以上、さらに好ましくは、60モル%以上、さらに好ましくは、65モル%以上、とりわけ好ましくは、70モル%以上である。
誘導化率(1)が、上記下限を上回っていれば、ウレトンイミン化工程において、より多くのウレトンイミン基が得られる。そのため、硬化性に優れるポリウレトンイミン組成物が得られる。
また、誘導化率(1)は、より具体的には、90モル%以下、好ましくは、85モル%以下、より好ましくは、80モル%以下、さらに好ましくは、75モル%以下である。
誘導化率(1)が、上記上限を下回っていれば、未反応のイソシアネート基を十分に残存させることができるため、カルボジイミド基のウレトンイミン化を促進できる。その結果、カルボジイミド基の残存量を低減でき、ポットライフに優れるポリウレトンイミン組成物が得られる。
なお、誘導化率(1)は、イソシアネート基濃度(固形分基準)に基づいて算出される。より具体的には、誘導化率(1)は、ポリイソシアネート(および/またはそのウレタン変性体)のカルボジイミド化反応およびウレトンイミン化反応する前のイソシアネート基濃度(固形分基準(質量%))と、ポリイソシアネート(および/またはそのウレタン変性体)のカルボジイミド化反応した後、ウレトンイミン化反応する前のイソシアネート基濃度(固形分基準(質量%))とに基づいて、算出される。
(b)誘導体化率(2)
上記したウレトンイミン化工程では、好ましくは、下記誘導化率(2)が、所定範囲に調整される。
[誘導化率(2)]=1-[(ポリイソシアネートがカルボジイミド化反応およびウレトンイミン化反応した後のイソシアネート基の総モル)/(ポリイソシアネートがカルボジイミド化反応およびウレトンイミン化反応する前のイソシアネート基の総モル)]×100(%)
上記式(2)中、「ポリイソシアネートがカルボジイミド化反応およびウレトンイミン化反応する前のイソシアネート基の総モル」は、上記式(1)と同様、カルボジイミド化工程の直前のイソシアネート基の総モルである。
上記式(2)中、「ポリイソシアネートがカルボジイミド化反応およびウレトンイミン化反応した後のイソシアネート基の総モル」は、ウレトンイミン化工程の直後のイソシアネート基の総モルである。
すなわち、「ポリイソシアネートがカルボジイミド化反応およびウレトンイミン化反応した後のイソシアネート基の総モル」は、ポリイソシアネート(および/またはそのウレタン変性体)のウレトンイミン化反応生成物のイソシアネート基と、未反応のポリイソシアネート(および/またはそのウレタン変性体)のイソシアネート基との総モルを示す。
つまり、誘導化率(2)は、カルボジイミド化工程前のイソシアネート基に対する、ウレトンイミン化工程後のイソシアネート基の減少率から、算出される。そして、誘導化率(2)が所定範囲であれば、優れた硬化性およびポットライフが得られる。
誘導化率(2)は、より具体的には、例えば、40モル%以上、好ましくは、45モル%以上、より好ましくは、50モル%以上、さらに好ましくは、55モル%以上、さらに好ましくは、60モル%以上、さらに好ましくは、65モル%以上、とりわけ好ましくは、70モル%以上である。
誘導化率(2)が、上記下限を上回っていれば、ウレトンイミン化工程において、より多くのウレトンイミン基が得られる。そのため、ポリウレトンイミン組成物の硬化性および塗膜物性が向上する。
また、誘導化率(2)は、より具体的には、例えば、90モル%以下、好ましくは、85モル%以下、より好ましくは、80モル%以下、さらに好ましくは、75モル%以下である。
誘導化率(2)が、上記上限を下回っていれば、ポットライフに優れるポリウレトンイミン組成物が得られる。
なお、誘導化率(2)は、イソシアネート基濃度(固形分基準)に基づいて算出される。より具体的には、誘導化率(2)は、ポリイソシアネート(および/またはそのウレタン変性体)のカルボジイミド化反応およびウレトンイミン化反応する前のイソシアネート基濃度(固形分基準(質量%))と、ポリイソシアネート(および/またはそのウレタン変性体)のカルボジイミド化反応およびウレトンイミン化反応した後のイソシアネート基濃度(固形分基準(質量%))とに基づいて、算出される。
(c)IR強度比
ポリウレトンイミン組成物において、ポリイソシアネートの誘導体は、カルボジイミド基およびウレトンイミン基を含む。そのため、ポリウレトンイミン組成物の赤外吸光スペクトルには、カルボジイミド基の伸縮振動由来の2120cm-1付近の吸光と、ウレトンイミン基の伸縮振動由来の1870cm-1付近の吸光とが、確認される。
そして、ポリウレトンイミン組成物では、カルボジイミド基の伸縮振動由来の2120cm-1付近の吸光度IRCIと、ウレトンイミン基の伸縮振動由来の1870cm-1付近の吸光度IRUIとの強度比(IR強度比、IRCI/IRUI)が、調整されている。
より具体的には、ポリウレトンイミン組成物において、カルボジイミド基の伸縮振動由来の2120cm-1付近の吸光度IRCIの、ウレトンイミン基の伸縮振動由来の1870cm-1付近の吸光度IRUIに対する強度比(IRCI/IRUI)は、4.0未満、好ましくは、3.5以下、より好ましくは、3.0以下、さらに好ましくは、2.5以下、さらに好ましくは、2.0以下、さらに好ましくは、1.5以下、さらに好ましくは、1.0以下、さらに好ましくは、0.5以下、とりわけ好ましくは、0.1未満である。
ポリウレトンイミン組成物における、上記の強度比(IRCI/IRUI)が、上記上限を下回っていれば、ウレトンイミン基が相対的に多く、カルボジイミド基が相対的に少ない。そのため、ウレトンイミン基による硬化性を十分に得ることができる。
なお、カルボジイミド基の伸縮振動由来の2120cm-1付近の吸光度IRCIの、ウレトンイミン基の伸縮振動由来の1870cm-1付近の吸光度IRUIに対する強度比(IRCI/IRUI)は、通常、0を超過する。
ポリウレトンイミン組成物の赤外吸光スペクトルは、後述する実施例に準拠して測定することができる。
(7)添加剤
上記のポリウレトンイミン組成物には、必要に応じて、さらに、公知の添加剤を含むことができる。添加剤としては、例えば、貯蔵安定剤、可塑剤、ブロッキング防止剤、耐熱安定剤、耐光安定剤、酸化防止剤、離型剤、触媒、顔料、染料、滑剤、フィラーおよび加水分解防止剤が挙げられる。なお、添加剤の添加割合および添加タイミングは、特に制限されず、目的および用途に応じて、適宜設定される。
また、必要に応じて、ポリウレトンイミン組成物から、例えば、未反応成分を除去することもできる。未反応成分としては、例えば、未反応のポリイソシアネート、および、未反応のアルコール類が挙げられる。さらに、ポリウレトンイミン組成物から、有機溶媒、カルボジイミド化触媒、ウレタン化触媒および/または副生成物を、除去することもできる。なお、除去方法は、特に制限されず、公知の方法を採用できる。
2.作用効果
上記のポリウレトンイミン組成物は、優れた硬化性と、優れたポットライフとを両立できる。
より具体的には、従来のポリウレトンイミン組成物を含む硬化剤には、ウレトンイミン基の含有割合を増加させ、硬化性を向上させることが要求される。
そこで、ポリウレトンイミン組成物の製造において、イソシアネート基のカルボジイミド化の割合を増加させ、それに応じて、ウレトンイミン化の割合を増加させることが検討される。
しかし、イソシアネート基のカルボジイミド化の割合を過度に増加させ、それに応じて、ウレトンイミン化の割合を増加させると、ポットライフが過度に短くなる。
また、ポリイソシアネートが2級以上のイソシアネート基を含む場合には、立体障害が比較的大きい。そのため、カルボジイミド化の割合を増加させても、2級以上のイソシアネート基とカルボジイミド基との反応は、比較的進行し難い。その結果、ウレトンイミン化の割合が増加し難く、カルボジイミド基が比較的多くなり、ポットライフが比較的短くなる。
これに対して、上記のポリウレトンイミン組成物は、1級イソシアネート基のみを有するポリイソシアネートの誘導体を含み、その誘導体は、カルボジイミド基およびウレトンイミン基を含む。そして、ポリイソシアネートの上記した誘導化率(1)が所定範囲である。さらに、赤外吸光スペクトルにおいて、カルボジイミド基の伸縮振動由来の2120cm-1付近の吸光度IRCIの、ウレトンイミン基の伸縮振動由来の1870cm-1付近の吸光度IRUIに対する強度比(IRCI/IRUI)が所定値未満である。
このようなポリウレトンイミン組成物では、ポリイソシアネートが1級イソシアネート基のみを有するため、立体障害が、比較的小さい。そのため、1級イソシアネート基とカルボジイミド基との反応は、比較的進行しやすい。その結果、カルボジイミド基が比較的少なくなり、ポットライフが比較的長くなる。
つまり、上記のポリウレトンイミン組成物は、イソシアネート基のカルボジイミド化の割合を過度に増加させ、それに応じて、ウレトンイミン化の割合を増加させても、ポットライフの低下を抑制できる。すなわち、ポリウレトンイミン組成物は、優れた硬化性と、優れたポットライフとを両立できる。
また、上記のポリウレトンイミン組成物の製造方法によれば、上記のポリウレトンイミン組成物を、効率よく製造することができる。
3.ポリウレトンイミン組成物の利用
ポリウレトンイミン組成物は、硬化性およびポットライフに優れるため、反応硬化性の樹脂組成物(以下、硬化性組成物と称する。)における硬化剤として好適に用いられる。硬化性組成物は、ポリウレトンイミン組成物を含む硬化剤と、水酸基およびカルボキシル基を併有する主剤とを含有している。
硬化剤は、ポリウレトンイミン組成物を含んでいれば、特に制限されないが、例えば、ポリウレトンイミン組成物が水に分散された水分散液(以下、水分散組成物と称する。)、および、ポリウレトンイミン組成物が有機溶媒に溶解された溶液(以下、溶液組成物と称する。)が挙げられる。
水分散組成物は、ポリウレトンイミン組成物と水とを含有している。
水分散組成物におけるポリウレトンイミン組成物として、好ましくは、3連続以上EO含有アルコールを含むアルコール類によって前ウレタン化および/または後ウレタン化されているポリウレトンイミン組成物が挙げられる。
ポリウレトンイミン組成物が3連続以上EO含有アルコールを含むアルコール類によって前ウレタン化および/または後ウレタン化されていれば、3連続以上EO含有アルコールによって優れた親水性が得られ、効率よくポリウレトンイミン組成物を水に分散させることができる。
ポリウレトンイミン組成物を水に分散させる方法としては、特に制限されない。例えば、ポリウレトンイミン組成物に水を添加して撹拌する方法、および、水にポリウレトンイミン組成物を添加して撹拌する方法が挙げられる。好ましくは、ポリウレトンイミン組成物に水を添加して撹拌する。
ポリウレトンイミン組成物と水との割合は、特に制限されない、例えば、水分散組成物の樹脂成分(ポリウレトンイミン組成物)の固形分濃度が、例えば、5質量%以上、好ましくは、10質量%以上である。また、水分散組成物の樹脂成分(ポリウレトンイミン組成物)の固形分濃度が、例えば、90質量%以下、好ましくは、80質量%以下である。
硬化剤が、水分散組成物であれば、水系樹脂(主剤)との相溶性の向上を図ることができる。また、耐水性および耐溶剤性に優れた硬化物が得られる。また、このような水分散組成物は、上記ポリウレトンイミン組成物を含むため、硬化性に優れる。
溶液組成物は、ポリウレトンイミン組成物と有機溶媒とを含有している。
溶液組成物におけるポリウレトンイミン組成物として、好ましくは、ポリウレトンイミン組成物の製造において、3つ以上連続するオキシエチレン基を含有するアルコールが用いられないポリウレトンイミン組成物が挙げられる。より具体的には、好ましくは、アルコール類によって前ウレタン化および後ウレタン化されていないポリウレトンイミン組成物が挙げられる。また、好ましくは、3連続以上EO含有アルコールを含まず、その他のアルコールのみを含むアルコール類によって前ウレタン化および/または後ウレタン化されているポリウレトンイミン組成物が挙げられる。
ポリウレトンイミン組成物の製造において、3つ以上連続するオキシエチレン基を含有するアルコールが用いられない場合、ポリウレトンイミン組成物は、3つ以上連続するオキシエチレン基を含有しない。このようなポリウレトンイミン組成物は、疎水性である。そのため、効率よくポリウレトンイミン組成物を有機溶媒に溶解させることができる。
有機溶媒としては、上記した有機溶媒が挙げられ、好ましくは、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン、キシレンが挙げられる。
ポリウレトンイミン組成物を有機溶媒に溶解させる方法としては、特に制限されず、ポリウレトンイミン組成物に有機溶媒を添加して撹拌する方法、および、有機溶媒にポリウレトンイミン組成物を添加して撹拌する方法が挙げられる。好ましくは、ポリウレトンイミン組成物に有機溶媒を添加して撹拌する。
ポリウレトンイミン組成物と有機溶媒との割合は、特に制限されないが、溶液組成物における樹脂成分(ポリウレトンイミン組成物)の固形分濃度が、例えば、5質量%以上、好ましくは、10質量%以上である。また、溶液組成物における樹脂成分(ポリウレトンイミン組成物)の固形分濃度が、例えば、90質量%以下、好ましくは、80質量%以下である。
硬化剤が、溶液組成物であれば、油系樹脂(主剤)との相溶性の向上を図ることができ、また、耐水性および耐溶剤性に優れた硬化物を得ることができる。また、このような溶液組成物は、上記ポリウレトンイミン組成物を含むため、硬化性に優れる。
また、硬化剤として、上記したポリウレトンイミン組成物と、その他の硬化剤とを併用することもできる。その他の硬化剤としては、例えば、カルボジイミド硬化剤、イソシアネート硬化剤およびエポキシ硬化剤が挙げられる。
水酸基およびカルボキシル基を併有する主剤としては、特に制限されないが、例えば、水酸基およびカルボキシル基を併有する樹脂が挙げられる。水酸基およびカルボキシル基を併有する樹脂としては、例えば、カルボキシル基を有するポリエステルポリオール、カルボキシ基を有するポリエーテルポリオール、および、カルボキシル基を有するポリウレタンポリオールが挙げられる。これらは、単独使用または2種類以上併用できる。
また、主剤は、水酸基を有しカルボキシル基を有しない樹脂を、さらに含んでいてもよい。また、主剤は、カルボキシル基を有し水酸基を有しない樹脂を、さらに含んでいてもよい。
また、主剤は、水酸基およびカルボキシル基を併有する樹脂を含まず、水酸基を有しカルボキシル基を有しない樹脂と、カルボキシル基を有し水酸基を有しない樹脂とを、適宜の割合で含んでいてもよい。
また、主剤は、水酸基およびカルボキシル基を有しない樹脂を、適宜の割合で含んでいてもよい。
主剤は、好ましくは、水酸基およびカルボキシル基を併有する樹脂を含む。
また、主剤において、樹脂は、水系樹脂であってもよく、油系樹脂であってもよい。主剤に水系樹脂が含まれる場合、好ましくは、硬化剤として、ポリウレトンイミン組成物の水分散組成物が用いられる。また、主剤に油系樹脂が含まれる場合、好ましくは、硬化剤として、ポリウレトンイミン組成物の溶液組成物が用いられる。
すなわち、主剤および硬化剤として、好ましくは、主剤が水系樹脂を含み、硬化剤が水分散組成物である組み合わせが挙げられる。また、好ましくは、主剤が油系樹脂を含み、硬化剤が溶液組成物である組み合わせも挙げられる。
有機溶媒を低減し、地球環境を保護する観点から、好ましくは、水系主剤と水分散組成物との組み合わせが挙げられる。
また、硬化性組成物は、上記した主剤と上記した硬化剤とを含有していれば、特に制限はなく、主剤および硬化剤が個別に用意され、使用時に混合される二液タイプであってもよく、また、主剤および硬化剤が予め混合されている一液タイプであってもよい。
硬化性組成物として、好ましくは、二液タイプの硬化性組成物が挙げられる。
主剤および硬化剤の含有割合は、目的および用途に応じて、適宜設定される。例えば、主剤および硬化剤の総量100質量部に対して、主剤が、例えば、10質量部以上、好ましくは、30質量部以上である。また、主剤が、例えば、99.5質量部以下、好ましくは、95.0質量部以下である。また、硬化剤が、例えば、0.5質量部以上、好ましくは、5質量部以上である。また、硬化剤が、例えば、90質量部以下、好ましくは、70質量部以下である。
また、主剤中のカルボキシル基および水酸基の総モルに対して、硬化剤中のウレトンイミン基およびカルボジイミド基の総モルが、例えば、0.1以上、好ましくは、0.2以上である。また、主剤中のカルボキシル基および水酸基の総モルに対して、硬化剤中のウレトンイミン基およびカルボジイミド基の総モルが、例えば、2.0以下、好ましくは、1.5以下である。
また、主剤および/または硬化剤は、公知の添加剤を含むことができる。添加剤としては、例えば、エポキシ樹脂、触媒、塗工改良剤、レベリング剤、消泡剤、安定剤、可塑剤、界面活性剤、顔料、充填剤、有機微粒子、無機微粒子、防黴剤およびシランカップリング剤が挙げられる。添加剤の配合量および添加のタイミングは、目的および用途により適宜決定される。
そして、上記の水分散組成物、溶液組成物および硬化性組成物は、上記のポリウレトンイミン組成物を含むため、優れた硬化性と、優れたポットライフとを両立できる。
樹脂硬化物を製造する方法としては、特に制限されないが、例えば、硬化性組成物が一液タイプの場合は硬化性組成物をそのまま、被塗物または被着物に塗布する。また、硬化性組成物二液タイプの場合は主剤および硬化剤を混合して、得られた混合物を、被塗物または被着物に塗布する。そして、硬化性組成物を加熱硬化させることにより、樹脂硬化物が得られる。
上記の硬化性組成物の硬化条件は、ウレトンイミン基が熱分解し、イソシアネート基およびカルボジイミド基が再生する条件であれば、特に制限されない。
例えば、硬化温度は、ウレトンイミン基が熱分解し、イソシアネート基およびカルボジイミド基が再生する温度である。また、硬化温度は、再生したイソシアネート基が主剤中の水酸基と反応する温度、および/または、再生したカルボジイミド基が主剤中のカルボキシル基と反応する温度である。具体的には、硬化温度(解離温度)は、例えば、40℃以上、好ましくは、50℃以上である。また、硬化温度(解離温度)は、例えば、160℃以下である。
また、硬化時間は、再生したイソシアネート基と主剤中の水酸基との加熱条件下における反応時間、および/または、再生したカルボジイミド基と主剤中のカルボキシル基との加熱条件下における反応時間である。具体的には、硬化時間は、例えば、10分以上、好ましくは、20分以上である。また、硬化時間は、例えば、60分以下、好ましくは、30分以下である。
これにより、ウレトンイミン基が熱分解し、イソシアネート基とカルボジイミド基が再生する。そして、再生したイソシアネート基が主剤中の水酸基と反応する、および/または、再生したカルボジイミド基が主剤中のカルボキシル基と反応する。その結果、硬化性組成物が硬化する。
また、必要により、加熱硬化された樹脂硬化物を、さらに乾燥させることもできる。乾燥温度は、室温でよく、例えば、10℃以上、好ましくは、15℃以上である。また、乾燥温度は、例えば、40℃以下、好ましくは、30℃以下である。また、乾燥時間は、例えば、1分以上、好ましくは、5分以上である。また、乾燥時間は、例えば、2時間以下、好ましくは、1時間以下である。
そして、上記の樹脂硬化物は、上記の硬化性組成物の硬化物であるため、優れた硬化性と、優れたポットライフとを両立できる。
そのため、硬化性組成物および樹脂硬化物は、各種産業分野において、広範に使用可能である。より具体的には、例えば、コーティング材料、接着材料、粘着材料、インキ、シーラント、成形材料、フォーム、光学材料および樹脂改質剤が挙げられる。
次に、本発明を、製造例、実施例および比較例に基づいて説明するが、本発明は、下記の実施例によって限定されるものではない。なお、「部」および「%」は、特に言及がない限り、質量基準である。また、以下の記載において用いられる配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなどの具体的数値は、上記の「発明を実施するための形態」において記載されている、それらに対応する配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなど該当記載の上限値(「以下」、「未満」として定義されている数値)または下限値(「以上」、「超過」として定義されている数値)に代替することができる。
なお、各種測定方法を下記する。
<誘導化率>
カルボジイミド化工程において、カルボジイミド化反応前のイソシアネート基濃度(質量%)を、JIS K-1556(2006年)のn-ジブチルアミン法に準拠して測定した。
また、カルボジイミド化反応後、かつ、ウレトンイミン化反応前のイソシアネート基濃度(質量%)を、上記と同様に測定した。
さらに、ウレトンイミン化反応後のイソシアネート基濃度(質量%)を、上記と同様に測定した。
そして、下記式に従って、カルボジイミド化反応におけるイソシアネート基の転化率(1)を、質量基準で算出した。そして、得られたイソシアネート基の転化率(1)を、下記誘導化率(1)とした。
[イソシアネート基の転化率(1)]={1-[(カルボジイミド化反応後かつウレトンイミン化反応前のイソシアネート基濃度(質量%))/(カルボジイミド化反応前のイソシアネート基濃度(質量%))]}×100(%)
[誘導化率(1)]={1-[(ポリイソシアネートがカルボジイミド化反応した後、ウレトンイミン化反応する前のイソシアネート基の総モル)/(ポリイソシアネートがカルボジイミド化反応およびウレトンイミン化反応する前のイソシアネート基の総モル)]}×100(%)
また、下記式に従って、ウレトンイミン化反応におけるイソシアネート基の転化率(2)を、質量基準で算出した。そして、得られたイソシアネート基の転化率(2)を、下記誘導化率(2)とした。
[イソシアネート基の転化率(2)]={1-[(ウレトンイミン化反応後のイソシアネート基濃度(質量%))/(カルボジイミド化反応前のイソシアネート基濃度(質量%))]}×100(%)
[誘導化率(2)]={1-[(ポリイソシアネートがカルボジイミド化反応およびウレトンイミン化反応した後のイソシアネート基の総モル)/(ポリイソシアネートがカルボジイミド化反応およびウレトンイミン化反応する前のイソシアネート基の総モル)]}×100(%)
<IR強度比(IRCI/IRUI)>
反応に使用した有機溶媒を留去したポリウレトンイミン組成物(以下、「脱溶媒品」と称する。)を常法に従って、下記の装置および条件にてIRスペクトルを測定した。
そして、カルボジイミド基の伸縮振動由来の2120cm-1付近の吸光度IRCIの、ウレトンイミン基のC=O伸縮振動由来の1870cm-1付近の吸光度IRUIに対する強度比(IRCI/IRUI)を算出した。
IR測定装置:Perkin Elmer社製Frontier FT-IR
測定法: ATR(反射法)
波数範囲: 4000~400cm-1
分解能 4cm-1
実施例A1
<前ウレタン化工程>
撹拌器、温度計、還流管、および窒素導入管を備えた四つ口フラスコに、室温下で、ポリイソシアネートとしてのキシリレンジイソシアネート(以下、XDI(三井化学社製))100.0質量部と、アルコール類としての数平均分子量1000のメトキシポリエチレングリコール(以下、MeOPEG1000)106.3質量部とを装入した。
フラスコに窒素を導入しながら、フラスコを常圧下で75℃に加温し、4時間撹拌した。これにより、XDIおよびMeOPEG1000をウレタン化反応させた。ウレタン化反応後の内容物(ウレタン化反応生成液)のイソシアネート基濃度は、19.5質量%であった。
<カルボジイミド化工程>
次いで、フラスコ内に、カルボジイミド化触媒としての3-メチル-1-フェニル-2-フォスフォレン-1-オキシド(MPPO)0.1質量部を装入した。
フラスコを141℃に加温し、3時間撹拌した。これにより、ウレタン化反応生成液を、カルボジイミド化反応させた。カルボジイミド化反応生成液のイソシアネート基濃度は、5.5質量%であった。
カルボジイミド化工程におけるイソシアネート基の転換率は72質量%であった。すなわち、誘導化率(1)は、72モル%であった。
<ウレトンイミン化工程>
その後、フラスコを70℃まで冷却し、フラスコ内に、有機溶媒としてのプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、PMA)196.0質量部を装入した。
フラスコを25℃まで冷却し、フラスコの内容物を12時間エージングさせた。エージング後の内容物(ウレトンイミン化反応生成液)のイソシアネート基濃度は、2.5質量%であった。また、固形分換算したイソシアネート基濃度は、5.1質量%であった。
カルボジイミド化工程およびウレトンイミン化工程におけるイソシアネート基の転換率は74質量%であった。すなわち、誘導化率(2)は、74モル%であった。
以上により、ポリウレトンイミン組成物を得た。ポリウレトンイミン組成物の固形分濃度は、50質量%であった。
ポリウレトンイミン組成物の一部を取り出し、IRスペクトルを測定した結果、IR強度比(IRCI/IRUI)は0.1未満であった。
<封止工程>
ポリウレトンイミン組成物を、30℃以下に冷却した。ポリウレトンイミン組成物に、アミン液を滴下および混合した。これにより、ポリウレトンイミン組成物の分子末端のイソシアネート基を封止した。すなわち、ポリウレトンイミン組成物の水分散組成物を得た。なお、アミン液は、ジブチルアミン30.5質量部とプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(溶剤)30.5質量部との混合液であった。また、水分散組成物の色相(JIS K 0071-2(1998年))は、ガードナー1であった。
<硬化性組成物>
硬化剤として、ポリウレトンイミン組成物の水分散組成物を準備した。また、主剤として、カルボキシ基含有ポリウレタンポリオール(水系ポリウレタンディスパージョン、固形分30質量%、固形分中カルボキシ基9mgKOH/g)を準備した。
固形分10質量部の硬化剤と、固形分90質量部の主剤とを混合した。次いで、固形分濃度が20質量%となるように、硬化剤および主剤の混合液に水を添加した。これにより、硬化性組成物を得た。硬化性組成物中に異物は確認されなかった。これにより、水分散性が良好であることを確認した。
また、硬化性組成物の時間経過による流動性の変化を確認した。硬化性組成物がゲル化するまでの時間を、ポットライフ(day)として測定した。
<樹脂硬化物>
硬化性組成物を、4ミルのドクターブレードを用いて、ポリプロピレン板に塗布した。得られた塗布液を、150℃で30分間加熱した。これにより、塗布液を乾燥および硬化させ、樹脂硬化物からなる硬化膜を得た。
硬化膜を、アセトンおよびメタノールの混合液(質量比1/1)に12時間浸漬した。そして、ゲル分率として、浸漬前の硬化膜の質量に対する、浸漬後の硬化膜の質量を算出した。ゲル分率(浸漬後の硬化膜の残存率)が高いほど、硬化性に優れるものと判断した。
実施例A2~A24および比較例A1~A6
表1に示す処方および条件に変更した以外は、実施例A1と同じ方法で、ポリウレトンイミン組成物、硬化性組成物および樹脂硬化物を得た。また、ポリウレトンイミン組成物、硬化性組成物および樹脂硬化物を、実施例A1と同じ方法で評価した。
実施例B1
<前ウレタン化工程>
撹拌器、温度計、還流管、および窒素導入管を備えた四つ口フラスコに、室温下で、ポリイソシアネートとしてのXDI(三井化学社製)100.0質量部と、アルコール類としてのMeOPEG1000の106.3質量部とを装入した。
フラスコに窒素を導入しながら、フラスコを常圧下で75℃に加温し、4時間撹拌した。これにより、XDIおよびMeOPEG1000をウレタン化反応させた。ウレタン化反応後の内容物(ウレタン化反応生成液)のイソシアネート基濃度は、19.5質量%であった。
<カルボジイミド化工程>
次いで、フラスコ内に、カルボジイミド化触媒としての3-メチル-1-フェニル-2-フォスフォレン-1-オキシド(MPPO)0.1質量部を装入した。
フラスコを141℃に加温し、4時間撹拌した。これにより、ウレタン化反応生成液を、カルボジイミド化反応させた。カルボジイミド化反応後の内容物(カルボジイミド化反応生成液)のイソシアネート基濃度は、7.6質量%であった。
カルボジイミド化工程におけるイソシアネート基の転換率は61質量%であった。すなわち、誘導化率(1)は、61モル%であった。
<ウレトンイミン化工程>
その後、フラスコを70℃まで冷却し、フラスコ内に、有機溶媒としてのメチルエチルケトン(MEK)67.0質量部を装入した。
フラスコを25℃まで冷却し、フラスコの内容物を12時間エージングさせた。エージング後の内容物(ウレトンイミン化反応生成液)のイソシアネート基濃度は、5.4質量%であった。また、固形分換算したイソシアネート基濃度は、7.2質量%であった。
カルボジイミド化工程およびウレトンイミン化工程におけるイソシアネート基の転換率は63質量%であった。すなわち、誘導化率(2)は、63モル%であった。
以上により、ポリウレトンイミン組成物を得た。ポリウレトンイミン組成物の固形分濃度は、75質量%であった。
ポリウレトンイミン組成物の一部を取り出し、IRスペクトルを測定した結果、IR強度比(IRCI/IRUI)は0.1未満であった。
<鎖伸長工程>
上記で得られたポリウレトンイミン組成物を、883.8質量部のイオン交換水に、ホモディスパーによって分散させた。そして、ポリウレトンイミン組成物の分散液に、アミン液を添加し、ポリウレトンイミン組成物を鎖伸長反応させた。なお、アミン液は、エチレンジアミン(EDA)10.2質量部と、イオン交換水49.0質量部との混合液であった。
鎖伸長反応生成液を1時間エージングさせた。その後、鎖伸長反応生成液から、メチルエチルケトンおよびイオン交換水を、エバポレーターによって留去させた。また、鎖伸長反応生成液にイオン交換水を添加し、固形分濃度を15質量%に調整した。これにより、鎖伸長されたポリウレトンイミン組成物の水分散組成物を得た。また、水分散組成物においてポリウレトンイミン組成物が均一に分散していることを、目視で確認した。
<硬化性組成物>
硬化剤として、ポリウレトンイミン組成物の水分散組成物を準備した。また、主剤として、カルボキシ基含有ポリウレタンポリオール(水系ポリウレタンディスパージョン、固形分30質量%、固形分中カルボキシ基9mgKOH/g)を準備した。
固形分10質量部の硬化剤と、固形分90質量部の主剤とを混合した。次いで、固形分濃度が20質量%となるように、硬化剤および主剤の混合液に水を添加した。これにより、硬化性組成物を得た。硬化性組成物中に異物は確認されなかった。これにより、水分散性が良好であることを確認した。
また、硬化性組成物の時間経過による流動性の変化を確認した。硬化性組成物がゲル化するまでの時間を、ポットライフ(day)として測定した。
<樹脂硬化物>
硬化性組成物を、4ミルのドクターブレードを用いて、ポリプロピレン板に塗布した。得られた塗布液を、150℃で30分間加熱した。これにより、塗布液を硬化させ、樹脂硬化物からなる硬化膜を得た。
硬化膜を、アセトンおよびメタノールの混合液(質量比1/1)に12時間浸漬した。そして、ゲル分率として、浸漬前の硬化膜の質量に対する、浸漬後の硬化膜の質量を算出した。ゲル分率(浸漬後の硬化膜の残存率)が高いほど、硬化性に優れるものと判断した。
実施例B2~B4および比較例B1~B2
表6に示す処方および条件に変更した以外は、実施例B1と同じ方法で、ポリウレトンイミン組成物、硬化性組成物および樹脂硬化物を得た。また、ポリウレトンイミン組成物、硬化性組成物および樹脂硬化物を、実施例B1と同じ方法で評価した。
実施例C1
<カルボジイミド化工程>
撹拌器、温度計、還流管、および窒素導入管を備えた四つ口フラスコに、室温下で、ポリイソシアネートとしてのXDI(三井化学社製)100.0質量部と、カルボジイミド化触媒としての3-メチル-1-フェニル-2-フォスフォレン-1-オキシド(MPPO)0.1質量部とを装入した。なお、カルボジイミド化反応前のXDIのイソシアネート基濃度は、44.6質量%であった。
フラスコを141℃に加温し、3時間撹拌した。これにより、ポリイソシアネートを、カルボジイミド化反応させた。カルボジイミド化反応生成液のイソシアネート基濃度は、18.8質量%であった。
カルボジイミド化工程におけるイソシアネート基の転換率は58質量%であった。すなわち、誘導化率(1)は、58モル%であった。
<ウレトンイミン化工程>
その後、フラスコを70℃まで冷却し、フラスコ内に、有機溶媒としてのMEK72.0質量部を装入した。
フラスコを25℃まで冷却し、フラスコの内容物を12時間エージングさせた。エージング後の内容物(ウレトンイミン化反応生成液)のイソシアネート基濃度は、8.9質量%であった。また、固形分換算したイソシアネート基濃度は、17.9質量%であった。
カルボジイミド化工程およびウレトンイミン化工程におけるイソシアネート基の転換率は60質量%であった。すなわち、誘導化率(2)は、60モル%であった。
以上により、ポリウレトンイミン組成物を得た。ポリウレトンイミン組成物の固形分濃度は、50質量%であった。
ポリウレトンイミン組成物の一部を取り出し、IRスペクトルを測定した結果、IR強度比(IRCI/IRUI)は0.1未満であった。
<後ウレタン化工程>
次いで、フラスコ内に、数平均分子量400のメトキシポリエチレングリコール(以下、MeOPEG400)76.1質量部を装入した。
フラスコに窒素を導入しながら、フラスコを常圧下で75℃に加温し、4時間撹拌した。これにより、XDIおよびMeOPEG400をウレタン化反応させた。ウレタン化反応後の内容物(ウレタン化反応生成液)のイソシアネート基濃度は、3.2質量%であった。
<封止工程>
後ウレタン化されたポリウレトンイミン組成物を、30℃以下に冷却した。ポリウレトンイミン組成物に、アミン液を滴下および混合した。これにより、ポリウレトンイミン組成物の分子末端のイソシアネート基を封止した。すなわち、ポリウレトンイミン組成物の水分散組成物を得た。なお、アミン液は、ジブチルアミン25.3質量部とメチルエチルケトン(溶剤)25.3質量部との混合液であった。
<硬化性組成物>
硬化剤として、ポリウレトンイミン組成物の水分散組成物を準備した。また、主剤として、カルボキシ基含有ポリウレタンポリオール(水系ポリウレタンディスパージョン、固形分30質量%、固形分中カルボキシ基9mgKOH/g)を準備した。
固形分10質量部の硬化剤と、固形分90質量部の主剤とを混合した。次いで、固形分濃度が20質量%となるように、硬化剤および主剤の混合液に水を添加した。これにより、硬化性組成物を得た。硬化性組成物中に異物は確認されなかった。これにより、水分散性が良好であることを確認した。
また、硬化性組成物の時間経過による流動性の変化を確認した。硬化性組成物がゲル化するまでの時間を、ポットライフ(day)として測定した。
<樹脂硬化物>
硬化性組成物を、4ミルのドクターブレードを用いて、ポリプロピレン板に塗布した。得られた塗布液を、150℃で30分間加熱した。これにより、塗布液を硬化させ、樹脂硬化物からなる硬化膜を得た。
硬化膜を、アセトンおよびメタノールの混合液(質量比1/1)に12時間浸漬した。そして、ゲル分率として、浸漬前の硬化膜の質量に対する、浸漬後の硬化膜の質量を算出した。ゲル分率(浸漬後の硬化膜の残存率)が高いほど、硬化性に優れるものと判断した。
実施例C2~C4
表7に示す処方および条件に変更した以外は、実施例C1と同じ方法で、ポリウレトンイミン組成物、硬化性組成物および樹脂硬化物を得た。また、ポリウレトンイミン組成物、硬化性組成物および樹脂硬化物を、実施例C1と同じ方法で評価した。
実施例D1
<カルボジイミド化工程>
撹拌器、温度計、還流管、および窒素導入管を備えた四つ口フラスコに、室温下で、ポリイソシアネートとしてのXDI(三井化学社製)100.0質量部と、カルボジイミド化触媒としての3-メチル-1-フェニル-2-フォスフォレン-1-オキシド(MPPO)0.1質量部とを装入した。なお、カルボジイミド化反応前のXDIのイソシアネート基濃度は、44.57質量%であった。
フラスコを141℃に加温し、3時間撹拌した。これにより、ポリイソシアネートを、カルボジイミド化反応させた。カルボジイミド化反応生成液のイソシアネート基濃度は、18.8質量%であった。
カルボジイミド化工程におけるイソシアネート基の転換率は58質量%であった。すなわち、誘導化率(1)は、58モル%であった。
<ウレトンイミン化工程>
その後、フラスコを70℃まで冷却し、フラスコ内に、有機溶媒としてのMEK72.0質量部を装入した。
フラスコを25℃まで冷却し、フラスコの内容物を12時間エージングさせた。エージング後の内容物(ウレトンイミン化反応生成液)のイソシアネート基濃度は、8.9質量%であった。また、固形分換算したイソシアネート基濃度は、17.9質量%であった。
カルボジイミド化工程およびウレトンイミン化工程におけるイソシアネート基の転換率は60質量%であった。すなわち、誘導化率(2)は、60モル%であった。
以上により、ポリウレトンイミン組成物を得た。ポリウレトンイミン組成物の固形分濃度は、50質量%であった。
ポリウレトンイミン組成物の一部を取り出し、IRスペクトルを測定した結果、IR強度比(IRCI/IRUI)は0.1未満であった。
<後ウレタン化工程>
次いで、フラスコ内に、アルコール類としてのMeOPEG1000の33.1質量部を装入した。
フラスコに窒素を導入しながら、フラスコを常圧下で75℃に加温し、4時間撹拌した。これにより、XDIおよびMeOPEG1000をウレタン化反応させた。ウレタン化反応後の内容物(ウレタン化反応生成液)のイソシアネート基濃度は、6.9質量%であった。
<鎖伸長工程>
後ウレタン化されたポリウレトンイミン組成物を、2261.9質量部のイオン交換水に、ホモディスパーによって分散させた。そして、ポリウレトンイミン組成物の分散液に、アミン液を添加し、ポリウレトンイミン組成物を鎖伸長反応させた。なお、アミン液は、エチレンジアミン(EDA)10.6質量部と、イオン交換水201.6質量部との混合液であった。
鎖伸長反応生成液を1時間エージングさせた。その後、鎖伸長反応生成液から、メチルエチルケトンおよびイオン交換水を、エバポレーターによって留去させた。また、鎖伸長反応生成液にイオン交換水を添加し、固形分濃度を15質量%に調整した。これにより、鎖伸長されたポリウレトンイミン組成物の水分散組成物を得た。また、水分散組成物においてポリウレトンイミン組成物が均一に分散していることを、目視で確認した。
<硬化性組成物>
硬化剤として、ポリウレトンイミン組成物の水分散組成物を準備した。また、主剤として、カルボキシ基含有ポリウレタンポリオール(水系ポリウレタンディスパージョン、固形分30質量%、固形分中カルボキシ基9mgKOH/g)を準備した。
固形分10質量部の硬化剤と、固形分90質量部の主剤とを混合した。次いで、固形分濃度が20質量%となるように、硬化剤および主剤の混合液に水を添加した。これにより、硬化性組成物を得た。硬化性組成物中に異物は確認されなかった。これにより、水分散性が良好であることを確認した。
また、硬化性組成物の時間経過による流動性の変化を確認した。硬化性組成物がゲル化するまでの時間を、ポットライフ(day)として測定した。
<樹脂硬化物>
硬化性組成物を、4ミルのドクターブレードを用いて、ポリプロピレン板に塗布した。得られた塗布液を、150℃で30分間加熱した。これにより、塗布液を硬化させ、樹脂硬化物からなる硬化膜を得た。
硬化膜を、アセトンおよびメタノールの混合液(質量比1/1)に12時間浸漬した。そして、ゲル分率として、浸漬前の硬化膜の質量に対する、浸漬後の硬化膜の質量を算出した。ゲル分率(浸漬後の硬化膜の残存率)が高いほど、硬化性に優れるものと判断した。
実施例D2~D7
表8~表9に示す処方および条件に変更した以外は、実施例D1と同じ方法で、ポリウレトンイミン組成物、硬化性組成物および樹脂硬化物を得た。また、ポリウレトンイミン組成物、硬化性組成物および樹脂硬化物を、実施例D1と同じ方法で評価した。
実施例D8
<XDIイソシアヌレートAの合成>
1,3-キシリレンジイソシアネート(m-XDI、三井化学社製)に塩化水素を添加して、酸度(JIS K-1603-2:2007に準拠)を50ppmに調整した。これにより、所定酸度のXDI組成物からなる原料成分を得た(準備工程)。
窒素雰囲気下、XDI組成物787.470質量部と、オクタデシル3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオナート(ヒンダードフェノール系酸化防止剤、商品名:イルガノックス1076、チバ・ジャパン社製)0.161質量部とを、60℃~65℃で混合した。
次いで、その混合物に、ドデシルベンゼンスルホン酸(DDBSA、触媒失活剤)のプロピレングリコールメチルエーテルアセテート溶液(有効成分濃度50質量%)を添加した。添加量は、DDBSAが0.064質量部(添加割合が、原料成分の総量に対して80ppm)となるように、調整した。
次いで、その混合物に1,3-ブタンジオール15.726質量部を、70℃~75℃において添加して混合し、ウレタン化反応させた。次いで、得られたウレタン反応液に、テトラブチルアンモニウムのハイドロオキサイド(イソシアヌレート化触媒、TBAOH(37%メタノール溶液))のプロピレングリコールメチルエーテルアセテート溶液(固形分濃度3.7質量%)を添加した。添加量は、TBAOH(37%メタノール溶液)が0.803質量部(有効成分として0.3質量部)となるように、調整した。次いで、ウレタン反応液を混合しながら、70℃~75℃において、NCO濃度が37.7%に到達するまで、XDIをイソシアヌレート化反応させた(反応工程)。
次いで、得られたイソシアヌレート反応液に、ドデシルベンゼンスルホン酸(DDBSA、触媒失活剤)のプロピレングリコールメチルエーテルアセテート溶液(有効成分濃度50質量%)を添加し、イソシアヌレート化反応を停止させた。添加量は、DDBSAが0.415質量部(DDBSAの添加割合が、イソシアヌレート反応液に対して500ppm)となるように、調整した。これにより、XDIのイソシアヌレート変性体(以下、XDIイソシアヌレートA)を得た。
XDIイソシアヌレートAを使用し、かつ、表9に示す処方および条件に変更した以外は、実施例D1と同じ方法で、ポリウレトンイミン組成物、硬化性組成物および樹脂硬化物を得た。また、ポリウレトンイミン組成物、硬化性組成物および樹脂硬化物を、実施例D1と同じ方法で評価した。
実施例E1
<カルボジイミド化工程>
撹拌器、温度計、還流管、および窒素導入管を備えた四つ口フラスコに、室温下で、ポリイソシアネートとしてのXDI(三井化学社製)100.0質量部と、カルボジイミド化触媒としての3-メチル-1-フェニル-2-フォスフォレン-1-オキシド(MPPO)0.1質量部とを装入した。なお、カルボジイミド化反応前のXDIのイソシアネート基濃度は、44.57質量%であった。
フラスコを141℃に加温し、3時間撹拌した。これにより、ポリイソシアネートを、カルボジイミド化反応させた。カルボジイミド化反応生成液のイソシアネート基濃度は、18.8質量%であった。
カルボジイミド化工程におけるイソシアネート基の転換率は58質量%であった。すなわち、誘導化率(1)は、58モル%であった。
<ウレトンイミン化工程>
その後、フラスコを70℃まで冷却し、フラスコ内に、有機溶媒としてのMEK72.0質量部を装入した。
フラスコを25℃まで冷却し、フラスコの内容物を12時間エージングさせた。エージング後の内容物(ウレトンイミン化反応生成液)のイソシアネート基濃度は、8.9質量%であった。また、固形分換算したイソシアネート基濃度は、17.9質量%であった。
カルボジイミド化工程およびウレトンイミン化工程におけるイソシアネート基の転換率は60質量%であった。すなわち、誘導化率(2)は、60モル%であった。
以上により、ポリウレトンイミン組成物を得た。ポリウレトンイミン組成物の固形分濃度は、50質量%であった。
ポリウレトンイミン組成物の一部を取り出し、IRスペクトルを測定した結果、IR強度比(IRCI/IRUI)は0.1未満であった。
<封止工程>
ポリウレトンイミン組成物を、30℃以下に冷却した。ポリウレトンイミン組成物に、アミン液を滴下および混合した。これにより、ポリウレトンイミン組成物の分子末端のイソシアネート基を封止した。すなわち、ポリウレトンイミン組成物の溶液組成物を得た。なお、アミン液は、ジブチルアミン49.8質量部とメチルエチルケトン(溶剤)49.8質量部との混合液であった。
<硬化性組成物>
硬化剤として、ポリウレトンイミン組成物の溶液組成物を準備した。また、主剤として、ポリオール1を調製した。
すなわち、イソフタル酸283質量部、1,3-ブタンジオール352質量部、および、ネオペンチルグリコール191質量部を反応器に仕込み、窒素気流下190~220℃でエステル化反応させた。
その後、所定の水を留出させ、反応器に、アジピン酸124質量部、セバシン酸172質量部、および、チタンテトラブトキシド0.01質量部を添加して、窒素気流下、180℃~220℃でエステル化反応させた。これにより、ポリエステルジオールAを得た。
ポリエステルジオールAの平均官能基数は2.0であり、水酸基当量は250であった。
次いで、ポリエステルジオールA75.0質量部に、無水トリメリット酸5.8質量部を加えて、150℃で部分的に末端酸変性した。これにより、酸変性ポリエステルジオールAを得た。
酸変性ポリエステルジオールAと、ポリプロピレンポリオール(グリセリンを開始剤としたプロピレンオキサイド付加体、水酸基価530)17.1gとを均一に混合した。これにより、ポリオール1を得た
ポリオール1の平均官能基数は2.29であり、水酸基当量は231mgKOH/gであり、酸価は、33mgKOH/gであり、カルボキシル基当量は1650であった。
そして、固形分10質量部の硬化剤と、固形分90質量部の主剤とを混合した。次いで、固形分濃度が20質量%となるように、硬化剤および主剤の混合液に、混合溶剤を添加し、10分混合した。なお、混合溶剤は、酢酸ブチルとプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートと酢酸エチルとの混合物(質量比1/1/1)であった。これにより、硬化性組成物を得た。硬化性組成物中に異物は確認されなかった。これにより、溶剤分散性が良好であることを確認した。
また、硬化性組成物の時間経過による流動性の変化を確認した。硬化性組成物がゲル化するまでの時間を、ポットライフ(day)として測定した。
<樹脂硬化物>
硬化性組成物を、4ミルのドクターブレードを用いて、ポリプロピレン板に塗布した。得られた塗布液を、150℃で30分間加熱した。これにより、塗布液を硬化させ、樹脂硬化物からなる硬化膜を得た。
硬化膜を、アセトンおよびメタノールの混合液(質量比1/1)に12時間浸漬した。そして、ゲル分率として、浸漬前の硬化膜の質量に対する、浸漬後の硬化膜の質量を算出した。ゲル分率(浸漬後の硬化膜の残存率)が高いほど、硬化性に優れるものと判断した。
実施例E2~E3および比較例E1~E2
表10に示す処方および条件に変更した以外は、実施例E1と同じ方法で、ポリウレトンイミン組成物、硬化性組成物および樹脂硬化物を得た。また、ポリウレトンイミン組成物、硬化性組成物および樹脂硬化物を、実施例E1と同じ方法で評価した。
実施例F1
<前ウレタン化工程>
撹拌器、温度計、還流管、および窒素導入管を備えた四つ口フラスコに、室温下で、ポリイソシアネートとしてのXDI(三井化学社製)100.0質量部と、アルコール類としての1-メトキシ-2-プロパノール19.2質量部とを装入した。
フラスコに窒素を導入しながら、フラスコを常圧下で75℃に加温し、4時間撹拌した。これにより、XDIおよび1-メトキシ-2-プロパノールをウレタン化反応させた。ウレタン化反応後の内容物(ウレタン化反応生成液)のイソシアネート基濃度は、37.5質量%であった。
<カルボジイミド化工程>
次いで、フラスコ内に、カルボジイミド化触媒としての3-メチル-1-フェニル-2-フォスフォレン-1-オキシド(MPPO)0.1質量部を装入した。
フラスコを141℃に加温し、4時間撹拌した。これにより、ウレタン化反応生成液を、カルボジイミド化反応させた。カルボジイミド化反応後の内容物(カルボジイミド化反応生成液)のイソシアネート基濃度は、7.5質量%であった。
カルボジイミド化工程におけるイソシアネート基の転換率は80質量%であった。すなわち、誘導化率(1)は、80モル%であった。
<ウレトンイミン化工程>
その後、フラスコを70℃まで冷却し、フラスコ内に、有機溶媒としての酢酸エチル(EtOAc)106.5質量部を装入した。
フラスコを25℃まで冷却し、フラスコの内容物を12時間エージングさせた。エージング後の内容物(ウレトンイミン化反応生成液)のイソシアネート基濃度は、3.4質量%であった。また、固形分換算したイソシアネート基濃度は、6.7質量%であった。
カルボジイミド化工程およびウレトンイミン化工程におけるイソシアネート基の転換率は82質量%であった。すなわち、誘導化率(2)は、82モル%であった。
以上により、ポリウレトンイミン組成物を得た。ポリウレトンイミン組成物の固形分濃度は、50質量%であった。
ポリウレトンイミン組成物の一部を取り出し、IRスペクトルを測定した結果、IR強度比(IRCI/IRUI)は0.2であった。
<封止工程>
ポリウレトンイミン組成物を、30℃以下に冷却した。ポリウレトンイミン組成物に、アミン液を滴下および混合した。これにより、ポリウレトンイミン組成物の分子末端のイソシアネート基を封止した。すなわち、ポリウレトンイミン組成物の溶液組成物を得た。なお、アミン液は、ジブチルアミン22.1質量部と酢酸エチル(EtOAc)22.1質量部との混合液であった。
<硬化性組成物>
硬化剤として、ポリウレトンイミン組成物の溶液組成物を準備した。また、主剤として、上記のポリオール1を準備した。
そして、固形分10質量部の硬化剤と、固形分90質量部の主剤とを混合した。次いで、固形分濃度が20質量%となるように、硬化剤および主剤の混合液に、混合溶剤を添加し、10分混合した。なお、混合溶剤は、酢酸ブチルとプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートと酢酸エチルとの混合物(質量比1/1/1)であった。これにより、硬化性組成物を得た。硬化性組成物中に異物は確認されなかった。これにより、溶剤分散性が良好であることを確認した。
また、硬化性組成物の時間経過による流動性の変化を確認した。硬化性組成物がゲル化するまでの時間を、ポットライフ(day)として測定した。
<樹脂硬化物>
硬化性組成物を、4ミルのドクターブレードを用いて、ポリプロピレン板に塗布した。得られた塗布液を、150℃で30分間加熱した。これにより、塗布液を硬化させ、樹脂硬化物からなる硬化膜を得た。
硬化膜を、アセトンおよびメタノールの混合液(質量比1/1)に12時間浸漬した。そして、ゲル分率として、浸漬前の硬化膜の質量に対する、浸漬後の硬化膜の質量を算出した。ゲル分率(浸漬後の硬化膜の残存率)が高いほど、硬化性に優れるものと判断した。
実施例F2~F5および比較例F1~F2
表11に示す処方および条件に変更した以外は、実施例F1と同じ方法で、ポリウレトンイミン組成物、硬化性組成物および樹脂硬化物を得た。また、ポリウレトンイミン組成物、硬化性組成物および樹脂硬化物を、実施例F1と同じ方法で評価した。
なお、表中の略号の詳細を下記する。
XDI:1,3-キシリレンジイソシアネート
PDI:ペンタメチレンジイソシアネート
HDI:ヘキサメチレンジイソシアネート
TDI:2,4-トリレンジイソシアネート
IPDI:イソホロンジイソシアネート
1,3BG:1,3-ブタンジオール
MeOPEG1000:メトキシポリエチレングリコール、数平均分子量1000
MeOPEG400:メトキシポリエチレングリコール、数平均分子量400
MPPO:3-メチル-1-フェニル-2-フォスフォレン-1-オキシド
PMA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
AN:アセトニトリル
MEK:メチルエチルケトン
EtOAc:酢酸エチル
DBA:ジブチルアミン
DEA:ジエチルアミン
JEFFAMINEt403:トリメチロールプロパン(ポリオキシプロピレン)トリアミン、HUNTSMAN社製
EDA:エチレンジアミン