JP7780274B2 - 樹脂組成物、硬化物、積層体、硬化物の製造方法、積層体の製造方法、半導体デバイスの製造方法、及び、半導体デバイス、並びに、化合物 - Google Patents
樹脂組成物、硬化物、積層体、硬化物の製造方法、積層体の製造方法、半導体デバイスの製造方法、及び、半導体デバイス、並びに、化合物Info
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Description
このような樹脂組成物を、例えば塗布等により基材に適用して感光膜を形成し、その後、必要に応じて露光、現像、加熱等を行うことにより、硬化物を基材上に形成することができる。
ポリイミド前駆体等の上記環化樹脂の前駆体は、例えば加熱により環化され、硬化物中でポリイミド等の環化樹脂となる。
樹脂組成物は、公知の塗布方法等により適用可能であるため、例えば、適用される樹脂組成物の適用時の形状、大きさ、適用位置等の設計の自由度が高いなど、製造上の適応性に優れるといえる。ポリイミド等の環化樹脂が有する高い性能に加え、このような製造上の適応性に優れる観点から、上述の樹脂組成物の産業上の応用展開がますます期待されている。
<1> 環化樹脂及びその前駆体よりなる群から選択される少なくとも1種の樹脂と、
下記式(1-1)で表される化合物とを含む
樹脂組成物。
<2> 式(1-1)中のR2がアゾール構造を含む、<1>に記載の樹脂組成物。
<3> 式(1-1)中のR2がプリン構造を含む、<1>又は<2>に記載の樹脂組成物。
<4> 式(1-1)中のnが1であり、かつ、L2が下記式(L2-1)で表される基である、<1>~<3>のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
<5> 式(1-1)中のR3が水素原子である、<1>~<4>のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
<6> 式(1-1)中のL1が下記式(L1-1)で表される構造である、<1>~<5>のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
<7> 上記式(1-1)で表される化合物が、光又は熱の作用により塩基を発生する化合物である、<1>~<6>のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
<8> 上記樹脂が、ポリイミド及びポリイミド前駆体から選択される少なくとも1種の樹脂である、<1>~<7>のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
<9> 再配線層用層間絶縁膜の形成に用いられる、<1>~<8>のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
<10> <1>~<9>のいずれか1つに記載の樹脂組成物を硬化してなる硬化物。
<11> <10>に記載の硬化物からなる層を2層以上含み、上記硬化物からなる層同士のいずれかの間に金属層を含む積層体。
<12> <1>~<9>のいずれか1つに記載の樹脂組成物を基材上に適用して膜を形成する膜形成工程を含む、硬化物の製造方法。
<13> 上記膜を選択的に露光する露光工程及び上記膜を現像液を用いて現像してパターンを形成する現像工程を含む、<12>に記載の硬化物の製造方法。
<14> 上記膜を50~450℃で加熱する加熱工程を含む、<12>又は<13>に記載の硬化物の製造方法。
<15> <12>~<14>のいずれか1つに記載の硬化物の製造方法を含む、積層体の製造方法。
<16> <12>~<14>のいずれか1つに記載の硬化物の製造方法、又は、<15>に記載の積層体の製造方法を含む、半導体デバイスの製造方法。
<17> <10>に記載の硬化物又は<11>に記載の積層体を含む、半導体デバイス。
<18> 下記式(1-1)で表される
化合物。
本明細書において「~」という記号を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値をそれぞれ下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、その工程の所期の作用が達成できる限りにおいて、他の工程と明確に区別できない工程も含む意味である。
本明細書における基(原子団)の表記において、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有しない基(原子団)と共に置換基を有する基(原子団)をも包含する。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有しないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含する。
本明細書において「露光」とは、特に断らない限り、光を用いた露光のみならず、電子線、イオンビーム等の粒子線を用いた露光も含む。また、露光に用いられる光としては、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、極紫外線(EUV光)、X線、電子線等の活性光線又は放射線が挙げられる。
本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、「アクリレート」及び「メタクリレート」の両方、又は、いずれかを意味し、「(メタ)アクリル」は、「アクリル」及び「メタクリル」の両方、又は、いずれかを意味し、「(メタ)アクリロイル」は、「アクリロイル」及び「メタクリロイル」の両方、又は、いずれかを意味する。
本明細書において、構造式中のMeはメチル基を表し、Etはエチル基を表し、Buはブチル基を表し、Phはフェニル基を表す。
本明細書において、全固形分とは、組成物の全成分から溶剤を除いた成分の総質量をいう。また本明細書において、固形分濃度とは、組成物の総質量に対する、溶剤を除く他の成分の質量百分率である。
本明細書において、重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、特に述べない限り、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)法を用いて測定した値であり、ポリスチレン換算値として定義される。本明細書において、重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、例えば、HLC-8220GPC(東ソー(株)製)を用い、カラムとしてガードカラムHZ-L、TSKgel Super HZM-M、TSKgel Super HZ4000、TSKgel Super HZ3000、及び、TSKgel Super HZ2000(以上、東ソー(株)製)を直列に連結して用いることによって求めることができる。それらの分子量は特に述べない限り、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いて測定したものとする。ただし、溶解性が低い場合など、溶離液としてTHFが適していない場合にはNMP(N-メチル-2-ピロリドン)を用いることもできる。また、GPC測定における検出は特に述べない限り、UV線(紫外線)の波長254nm検出器を使用したものとする。
本明細書において、積層体を構成する各層の位置関係について、「上」又は「下」と記載したときには、注目している複数の層のうち基準となる層の上側又は下側に他の層があればよい。すなわち、基準となる層と上記他の層の間に、更に第3の層や要素が介在していてもよく、基準となる層と上記他の層は接している必要はない。また、特に断らない限り、基材に対し層が積み重なっていく方向を「上」と称し、又は、樹脂組成物層がある場合には、基材から樹脂組成物層へ向かう方向を「上」と称し、その反対方向を「下」と称する。なお、このような上下方向の設定は、本明細書中における便宜のためであり、実際の態様においては、本明細書における「上」方向は、鉛直上向きと異なることもありうる。
本明細書において、特段の記載がない限り、組成物は、組成物に含まれる各成分として、その成分に該当する2種以上の化合物を含んでもよい。また、特段の記載がない限り、組成物における各成分の含有量とは、その成分に該当する全ての化合物の合計含有量を意味する。
本明細書において、特に述べない限り、温度は23℃、気圧は101,325Pa(1気圧)、相対湿度は50%RHである。
本明細書において、好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
本発明の樹脂組成物は、環化樹脂及びその前駆体よりなる群から選択される少なくとも1種の樹脂と、下記式(1-1)で表される化合物(以下、「特定化合物」ともいう。)とを含む。
本発明の樹脂組成物は、例えば、半導体デバイスの絶縁膜、再配線層用層間絶縁膜、ストレスバッファ膜等の形成に用いることができ、再配線層用層間絶縁膜の形成に用いられることが好ましい。
また、本発明の樹脂組成物は、ポジ型現像に供される感光膜の形成に用いられてもよいし、ネガ型現像に供される感光膜の形成に用いられてもよい。
本発明において、ネガ型現像とは、露光及び現像において、現像により非露光部が除去される現像をいい、ポジ型現像とは、現像により露光部が除去される現像をいう。
上記露光の方法、上記現像液、及び、上記現像の方法としては、例えば、後述する硬化物の製造方法の説明における露光工程において説明された露光方法、現像工程において説明された現像液及び現像方法が使用される。
従来から、環化樹脂又はその前駆体を含む樹脂組成物に、含窒素化合物(トリアゾール構造、テトラゾール構造を有する化合物等)を用いることにより、金属との密着性を向上させることが行われているが、長期間経過後の金属と硬化膜の密着力の観点からはいまだ改善の余地が有った。
そこで本発明者らは鋭意検討した結果、特定化合物を含む樹脂組成物を用いることにより、長期間経過後の金属と硬化膜の密着力に優れた硬化膜(すなわち、信頼性に優れた硬化膜)を得ることができることを見出した。
上記効果が得られるメカニズムは不明であるが、以下のように推測される。
式(1-1)で表される化合物は加熱等により分解して、アミノ基、及び、芳香族ヘテロ環を有する化合物を発生すると考えられる。
この化合物における芳香族ヘテロ環構造は金属への吸着性が高く、かつ、上記発生した化合物におけるアミノ基が、環化樹脂又はその前駆体である樹脂とイミド結合等の強固な結合を形成するため、樹脂に上記芳香族ヘテロ環が導入されると考えられる。その結果、樹脂と金属との密着性が向上し、信頼性に優れた硬化膜が得られると考えられる。
更に、上述の通り、硬化膜の形成時の加熱により、特定化合物の分解により、金属への吸着性が高く、かつ、樹脂とイミド結合等の強固な結合を形成する化合物を生じるため、硬化後の硬化膜と金属層は、長時間の経過後においてもその境界において空隙(ボイド)を生じにくくなると推測される。
また、分解前の特定化合物は塩基性が低いため、組成物の保管時における保存安定性にも優れると考えられる。
更に、分解後の特定化合物からは上述の通りアミノ基を有する化合物が発生する。このアミノ基により環化樹脂の前駆体、環化樹脂における未閉環の部分の環化が促進されるため、得られる硬化物は破断伸びにも優れると考えられる。
本発明の樹脂組成物は、環化樹脂およびその前駆体よりなる群から選ばれた少なくとも1種の樹脂(特定樹脂)を含む。
環化樹脂は、主鎖構造中にイミド環構造又はオキサゾール環構造を含む樹脂であることが好ましい。
本発明において、主鎖とは、樹脂分子中で相対的に最も長い結合鎖を表す。
環化樹脂としては、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール、ポリアミドイミド等が挙げられる。
環化樹脂の前駆体とは、外部刺激により化学構造の変化を生じて環化樹脂となる樹脂をいい、熱により化学構造の変化を生じて環化樹脂となる樹脂が好ましく、熱により閉環反応を生じて環構造が形成されることにより環化樹脂となる樹脂がより好ましい。
環化樹脂の前駆体としては、ポリイミド前駆体、ポリベンゾオキサゾール前駆体、ポリアミドイミド前駆体等が挙げられる。
すなわち、本発明の樹脂組成物は、特定樹脂として、ポリイミド、ポリイミド前駆体、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾオキサゾール前駆体、ポリアミドイミド、及び、ポリアミドイミド前駆体よりなる群から選ばれた少なくとも1種の樹脂(特定樹脂)を含むことが好ましい。
本発明の樹脂組成物は、特定樹脂として、ポリイミド及びポリイミド前駆体よりなる群から選ばれた少なくとも1種の樹脂を含むことが好ましい。
また、特定樹脂は重合性基を有することが好ましく、ラジカル重合性基を含むことがより好ましい。
特定樹脂がラジカル重合性基を有する場合、本発明の樹脂組成物は、後述のラジカル重合開始剤を含むことが好ましく、後述のラジカル重合開始剤を含み、かつ、後述のラジカル架橋剤を含むことがより好ましい。さらに必要に応じて、後述の増感剤を含むことができる。このような本発明の樹脂組成物からは、例えば、ネガ型感光膜が形成される。
また、特定樹脂は、酸分解性基等の極性変換基を有していてもよい。
特定樹脂が酸分解性基を有する場合、本発明の樹脂組成物は、後述の光酸発生剤を含むことが好ましい。このような本発明の樹脂組成物からは、例えば、化学増幅型であるポジ型感光膜又はネガ型感光膜が形成される。
本発明で用いるポリイミド前駆体は、その種類等特に定めるものではないが、下記式(2)で表される繰返し単位を含むことが好ましい。
式(2)におけるR111は、2価の有機基を表す。2価の有機基としては、直鎖又は分岐の脂肪族基、環状の脂肪族基及び芳香族基を含む基が例示され、炭素数2~20の直鎖又は分岐の脂肪族基、炭素数3~20の環状の脂肪族基、炭素数3~20の芳香族基、又は、これらの組み合わせからなる基が好ましく、炭素数6~20の芳香族基を含む基がより好ましい。上記直鎖又は分岐の脂肪族基は鎖中の炭化水素基がヘテロ原子を含む基で置換されていてもよく、上記環状の脂肪族基および芳香族基は環員の炭化水素基がヘテロ原子を含む基で置換されていてもよい。本発明の好ましい実施形態として、-Ar-および-Ar-L-Ar-で表される基であることが例示され、特に好ましくは-Ar-L-Ar-で表される基である。但し、Arは、それぞれ独立に、芳香族基であり、Lは、単結合、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1~10の脂肪族炭化水素基、-O-、-CO-、-S-、-SO2-又は-NHCO-、あるいは、上記の2つ以上の組み合わせからなる基である。これらの好ましい範囲は、上述のとおりである。
具体的には、炭素数2~20の直鎖又は分岐の脂肪族基、炭素数3~20の環状の脂肪族基、炭素数3~20の芳香族基、又は、これらの組み合わせからなる基を含むジアミンであることが好ましく、炭素数6~20の芳香族基を含むジアミンであることがより好ましい。上記直鎖又は分岐の脂肪族基は鎖中の炭化水素基がヘテロ原子を含む基で置換されていてもよく上記環状の脂肪族基および芳香族基は環員の炭化水素基がヘテロ原子を含む基で置換されていてもよい。芳香族基を含む基の例としては、下記が挙げられる。
式中、*は他の構造との結合部位を表す。
式(51)
R50~R57の1価の有機基としては、炭素数1~10(好ましくは炭素数1~6)の無置換のアルキル基、炭素数1~10(好ましくは炭素数1~6)のフッ化アルキル基等が挙げられる。
式(51)又は(61)の構造を与えるジアミンとしては、2,2’-ジメチルベンジジン、2,2’-ビス(トリフルオロメチル)-4,4’-ジアミノビフェニル、2,2’-ビス(フルオロ)-4,4’-ジアミノビフェニル、4,4’-ジアミノオクタフルオロビフェニル等が挙げられる。これらは1種で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
式(5)又は式(6)中、*はそれぞれ独立に、他の構造との結合部位を表す。
テトラカルボン酸二無水物は、下記式(O)で表されることが好ましい。
エチレン性不飽和結合を有する基としては、ビニル基、アリル基、イソアリル基、2-メチルアリル基、ビニル基と直接結合した芳香環を有する基(例えば、ビニルフェニル基など)、(メタ)アクリルアミド基、(メタ)アクリロイルオキシ基、下記式(III)で表される基などが挙げられ、下記式(III)で表される基が好ましい。
式(III)において、*は他の構造との結合部位を表す。
式(III)において、R201は、炭素数2~12のアルキレン基、-CH2CH(OH)CH2-、シクロアルキレン基又はポリアルキレンオキシ基を表す。
好適なR201の例は、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基、ドデカメチレン基等のアルキレン基、1,2-ブタンジイル基、1,3-ブタンジイル基、-CH2CH(OH)CH2-、ポリアルキレンオキシ基が挙げられ、エチレン基、プロピレン基等のアルキレン基、-CH2CH(OH)CH2-、シクロヘキシル基、ポリアルキレンオキシ基がより好ましく、エチレン基、プロピレン基等のアルキレン基、又はポリアルキレンオキシ基が更に好ましい。
本発明において、ポリアルキレンオキシ基とは、アルキレンオキシ基が2以上直接結合した基をいう。ポリアルキレンオキシ基に含まれる複数のアルキレンオキシ基におけるアルキレン基は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
ポリアルキレンオキシ基が、アルキレン基が異なる複数種のアルキレンオキシ基を含む場合、ポリアルキレンオキシ基におけるアルキレンオキシ基の配列は、ランダムな配列であってもよいし、ブロックを有する配列であってもよいし、交互等のパターンを有する配列であってもよい。
上記アルキレン基の炭素数(アルキレン基が置換基を有する場合、置換基の炭素数を含む)は、2以上であることが好ましく、2~10であることがより好ましく、2~6であることがより好ましく、2~5であることが更に好ましく、2~4であることが一層好ましく、2又は3であることが特に好ましく、2であることが最も好ましい。
また、上記アルキレン基は、置換基を有していてもよい。好ましい置換基としては、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子等が挙げられる。
また、ポリアルキレンオキシ基に含まれるアルキレンオキシ基の数(ポリアルキレンオキシ基の繰返し数)は、2~20が好ましく、2~10がより好ましく、2~6が更に好ましい。
ポリアルキレンオキシ基としては、溶剤溶解性及び耐溶剤性の観点からは、ポリエチレンオキシ基、ポリプロピレンオキシ基、ポリトリメチレンオキシ基、ポリテトラメチレンオキシ基、又は、複数のエチレンオキシ基と複数のプロピレンオキシ基とが結合した基が好ましく、ポリエチレンオキシ基又はポリプロピレンオキシ基がより好ましく、ポリエチレンオキシ基が更に好ましい。上記複数のエチレンオキシ基と複数のプロピレンオキシ基とが結合した基において、エチレンオキシ基とプロピレンオキシ基とはランダムに配列していてもよいし、ブロックを形成して配列していてもよいし、交互等のパターン状に配列していてもよい。これらの基におけるエチレンオキシ基等の繰返し数の好ましい態様は上述の通りである。
酸分解性基の具体例としては、tert-ブトキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、エトキシエチル基、メトキシエチル基、エトキシメチル基、トリメチルシリル基、tert-ブトキシカルボニルメチル基、トリメチルシリルエーテル基などが挙げられる。露光感度の観点からは、エトキシエチル基、又は、テトラヒドロフラニル基が好ましい。
式(2-A)
R112は、式(5)におけるR112と同義であり、好ましい範囲も同様である。
上記ポリイミド前駆体の分子量の分散度は、1.5以上が好ましく、1.8以上がより好ましく、2.0以上であることが更に好ましい。ポリイミド前駆体の分子量の分散度の上限値は特に定めるものではないが、例えば、7.0以下が好ましく、6.5以下がより好ましく、6.0以下が更に好ましい。
本明細書において、分子量の分散度とは、重量平均分子量/数平均分子量により算出される値である。
また、樹脂組成物が特定樹脂として複数種のポリイミド前駆体を含む場合、少なくとも1種のポリイミド前駆体の重量平均分子量、数平均分子量、及び、分散度が上記範囲であることが好ましい。また、上記複数種のポリイミド前駆体を1つの樹脂として算出した重量平均分子量、数平均分子量、及び、分散度が、それぞれ、上記範囲内であることも好ましい。
本発明に用いられるポリイミドは、アルカリ可溶性ポリイミドであってもよく、有機溶剤を主成分とする現像液に対して可溶なポリイミドであってもよい。
本明細書において、アルカリ可溶性ポリイミドとは、100gの2.38質量%テトラメチルアンモニウム水溶液に対し、23℃で0.1g以上溶解するポリイミドをいい、パターン形成性の観点からは、0.5g以上溶解するポリイミドであることが好ましく、1.0g以上溶解するポリイミドであることが更に好ましい。上記溶解量の上限は特に限定されないが、100g以下であることが好ましい。
また、ポリイミドは、得られる有機膜の膜強度及び絶縁性の観点からは、複数個のイミド構造を主鎖に有するポリイミドであることが好ましい。
本明細書において、「主鎖」とは、樹脂を構成する高分子化合物の分子中で相対的に最も長い結合鎖をいい、「側鎖」とはそれ以外の結合鎖をいう。
得られる有機膜の膜強度の観点からは、ポリイミドは、フッ素原子を有することも好ましい。
フッ素原子は、例えば、後述する式(4)で表される繰返し単位におけるR132、又は、後述する式(4)で表される繰返し単位におけるR131に含まれることが好ましく、後述する式(4)で表される繰返し単位におけるR132、又は、後述する式(4)で表される繰返し単位におけるR131にフッ化アルキル基として含まれることがより好ましい。
ポリイミドの全質量に対するフッ素原子の量は、5質量%以上が好ましく、また、20質量%以下が好ましい。
得られる有機膜の膜強度の観点からは、ポリイミドは、ケイ素原子を有することも好ましい。
ケイ素原子は、例えば、後述する式(4)で表される繰返し単位におけるR131に含まれることが好ましく、後述する式(4)で表される繰返し単位におけるR131に後述する有機変性(ポリ)シロキサン構造として含まれることがより好ましい。
また、上記ケイ素原子又は上記有機変性(ポリ)シロキサン構造はポリイミドの側鎖に含まれていてもよいが、ポリイミドの主鎖に含まれることが好ましい。
ポリイミドの全質量に対するケイ素原子の量は、1質量%以上が好ましく、20質量%以下がより好ましい。
得られる有機膜の膜強度の観点からは、ポリイミドは、エチレン性不飽和結合を有することが好ましい。
ポリイミドは、エチレン性不飽和結合を主鎖末端に有していてもよいし、側鎖に有していてもよいが、側鎖に有することが好ましい。
上記エチレン性不飽和結合は、ラジカル重合性を有することが好ましい。
エチレン性不飽和結合は、後述する式(4)で表される繰返し単位におけるR132、又は、後述する式(4)で表される繰返し単位におけるR131に含まれることが好ましく、後述する式(4)で表される繰返し単位におけるR132、又は、後述する式(4)で表される繰返し単位におけるR131にエチレン性不飽和結合を有する基として含まれることがより好ましい。
これらの中でも、エチレン性不飽和結合は、後述する式(4)で表される繰返し単位におけるR131に含まれることが好ましく、後述する式(4)で表される繰返し単位におけるR131にエチレン性不飽和結合を有する基として含まれることがより好ましい。
エチレン性不飽和結合を有する基としては、ビニル基、アリル基、ビニルフェニル基等の芳香環に直接結合した、置換されていてもよいビニル基を有する基、(メタ)アクリルアミド基、(メタ)アクリロイルオキシ基、下記式(IV)で表される基などが挙げられる。
また、上記炭素数2~12のアルキレン基としては、直鎖状、分岐鎖状、環状又はこれらの組み合わせにより表されるアルキレン基のいずれであってもよい。
上記炭素数2~12のアルキレン基としては、炭素数2~8のアルキレン基が好ましく、炭素数2~4のアルキレン基がより好ましい。
式(R1)~(R3)中、Lにおける炭素数2~12のアルキレン基、又は、炭素数2~30の(ポリ)アルキレンオキシ基の好ましい態様は、上述のR21における、炭素数2~12のアルキレン基、又は、炭素数2~30の(ポリ)アルキレンオキシ基の好ましい態様と同様である。
式(R1)中、Xは酸素原子であることが好ましい。
式(R1)~(R3)中、*は式(IV)中の*と同義であり、好ましい態様も同様である。
式(R1)で表される構造は、例えば、フェノール性ヒドロキシ基等のヒドロキシ基を有するポリイミドと、イソシアナト基及びエチレン性不飽和結合を有する化合物(例えば、2-イソシアナトエチルメタクリレート等)とを反応することにより得られる。
式(R2)で表される構造は、例えば、カルボキシ基を有するポリイミドと、ヒドロキシ基及びエチレン性不飽和結合を有する化合物(例えば、2-ヒドロキシエチルメタクリレート等)とを反応することにより得られる。
式(R3)で表される構造は、例えば、フェノール性ヒドロキシ基等のヒドロキシ基を有するポリイミドと、グリシジル基及びエチレン性不飽和結合を有する化合物(例えば、グリシジルメタクリレート等)とを反応することにより得られる。
ポリイミドは、エチレン性不飽和結合を有する基以外の重合性基を有していてもよい。
エチレン性不飽和結合を有する基以外の重合性基としては、エポキシ基、オキセタニル基等の環状エーテル基、メトキシメチル基等のアルコキシメチル基、メチロール基等が挙げられる。
エチレン性不飽和結合を有する基以外の重合性基は、例えば、後述する式(4)で表される繰返し単位におけるR131に含まれることが好ましい。
ポリイミドの全質量に対するエチレン性不飽和結合を有する基以外の重合性基の量は、0.0001~0.1mol/gであることが好ましく、0.001~0.05mol/gであることがより好ましい。
ポリイミドは、酸分解性基等の極性変換基を有していてもよい。ポリイミドにおける酸分解性基は、上述の式(2)におけるR113及びR114において説明した酸分解性基と同様であり、好ましい態様も同様である。
極性変換基は、例えば、後述する式(4)で表される繰返し単位におけるR131、R132、ポリイミドの末端などに含まれる。
ポリイミドがアルカリ現像に供される場合、現像性を向上する観点からは、ポリイミドの酸価は、30mgKOH/g以上であることが好ましく、50mgKOH/g以上であることがより好ましく、70mgKOH/g以上であることが更に好ましい。
また、上記酸価は500mgKOH/g以下であることが好ましく、400mgKOH/g以下であることがより好ましく、200mgKOH/g以下であることが更に好ましい。
また、ポリイミドが有機溶剤を主成分とする現像液を用いた現像(例えば、後述する「溶剤現像」)に供される場合、ポリイミドの酸価は、1~35mgKOH/gが好ましく、2~30mgKOH/gがより好ましく、5~20mgKOH/gが更に好ましい。
上記酸価は、公知の方法により測定され、例えば、JIS K 0070:1992に記載の方法により測定される。
また、ポリイミドに含まれる酸基としては、保存安定性及び現像性の両立の観点から、pKaが0~10である酸基が好ましく、3~8である酸基がより好ましい。
pKaとは、酸から水素イオンが放出される解離反応を考え、その平衡定数Kaをその負の常用対数pKaによって表したものである。本明細書において、pKaは、特に断らない限り、ACD/ChemSketch(登録商標)による計算値とする。又は、日本化学会編「改定5版 化学便覧 基礎編」に掲載の値を参照してもよい。
また、酸基が例えばリン酸等の多価の酸である場合、上記pKaは第一解離定数である。
このような酸基として、ポリイミドは、カルボキシ基、及び、フェノール性ヒドロキシ基よりなる群から選ばれた少なくとも1種を含むことが好ましく、フェノール性ヒドロキシ基を含むことがより好ましい。
アルカリ現像液による現像速度を適切なものとする観点からは、ポリイミドは、フェノール性ヒドロキシ基を有することが好ましい。
ポリイミドは、フェノール性ヒドロキシ基を主鎖末端に有してもよいし、側鎖に有してもよい。
フェノール性ヒドロキシ基は、例えば、後述する式(4)で表される繰返し単位におけるR132、又は、後述する式(4)で表される繰返し単位におけるR131に含まれることが好ましい。
ポリイミドの全質量に対するフェノール性ヒドロキシ基の量は、0.1~30mol/gであることが好ましく、1~20mol/gであることがより好ましい。
重合性基を有する場合、重合性基は、R131及びR132の少なくとも一方に位置していてもよいし、下記式(4-1)又は式(4-2)に示すようにポリイミドの末端に位置していてもよい。
式(4-1)
式(4-2)
R131は、2価の有機基を表す。2価の有機基としては、式(2)におけるR111と同様のものが例示され、好ましい範囲も同様である。
また、R131としては、ジアミンのアミノ基の除去後に残存するジアミン残基が挙げられる。ジアミンとしては、脂肪族、環式脂肪族又は芳香族ジアミンなどが挙げられる。具体的な例としては、ポリイミド前駆体の式(2)中のR111の例が挙げられる。
例えば、R115として例示される4価の有機基の4つの結合子が、上記式(4)中の4つの-C(=O)-の部分と結合して縮合環を形成する。
ポリイミドのイミド化率(「閉環率」ともいう)は、得られる有機膜の膜強度、絶縁性等の観点からは、70%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましく、90%以上であることがより好ましい。
上記イミド化率の上限は特に限定されず、100%以下であればよい。
上記イミド化率は、例えば下記方法により測定される。
ポリイミドの赤外吸収スペクトルを測定し、イミド構造由来の吸収ピークである1377cm-1付近のピーク強度P1を求める。次に、そのポリイミドを350℃で1時間熱処理した後、再度、赤外吸収スペクトルを測定し、1377cm-1付近のピーク強度P2を求める。得られたピーク強度P1、P2を用い、下記式に基づいて、ポリイミドのイミド化率を求めることができる。
イミド化率(%)=(ピーク強度P1/ピーク強度P2)×100
また、ポリイミドの数平均分子量(Mn)は、好ましくは2,000~40,000であり、より好ましくは3,000~30,000であり、更に好ましくは4,000~20,000である。
上記ポリイミドの分子量の分散度は、1.5以上が好ましく、1.8以上がより好ましく、2.0以上であることが更に好ましい。ポリイミドの分子量の分散度の上限値は特に定めるものではないが、例えば、7.0以下が好ましく、6.5以下がより好ましく、6.0以下が更に好ましい。
また、樹脂組成物が特定樹脂として複数種のポリイミドを含む場合、少なくとも1種のポリイミドの重量平均分子量、数平均分子量、及び、分散度が上記範囲であることが好ましい。また、上記複数種のポリイミドを1つの樹脂として算出した重量平均分子量、数平均分子量、及び、分散度が、それぞれ、上記範囲内であることも好ましい。
本発明で用いるポリベンゾオキサゾール前駆体は、その構造等について特に定めるものではないが、好ましくは下記式(3)で表される繰返し単位を含む。
式(3)において、R121は、2価の有機基を表す。2価の有機基としては、脂肪族基及び芳香族基の少なくとも一方を含む基が好ましい。脂肪族基としては、直鎖の脂肪族基が好ましい。R121は、ジカルボン酸残基が好ましい。ジカルボン酸残基は、1種のみ用いてもよいし、2種以上用いてもよい。
脂肪族基を含むジカルボン酸としては、直鎖又は分岐(好ましくは直鎖)の脂肪族基を含むジカルボン酸が好ましく、直鎖又は分岐(好ましくは直鎖)の脂肪族基と2つの-COOHからなるジカルボン酸がより好ましい。直鎖又は分岐(好ましくは直鎖)の脂肪族基の炭素数は、2~30であることが好ましく、2~25であることがより好ましく、3~20であることが更に好ましく、4~15であることが一層好ましく、5~10であることが特に好ましい。直鎖の脂肪族基はアルキレン基であることが好ましい。
直鎖の脂肪族基を含むジカルボン酸としては、マロン酸、ジメチルマロン酸、エチルマロン酸、イソプロピルマロン酸、ジ-n-ブチルマロン酸、スクシン酸、テトラフルオロスクシン酸、メチルスクシン酸、2,2-ジメチルスクシン酸、2,3-ジメチルスクシン酸、ジメチルメチルスクシン酸、グルタル酸、ヘキサフルオログルタル酸、2-メチルグルタル酸、3-メチルグルタル酸、2,2-ジメチルグルタル酸、3,3-ジメチルグルタル酸、3-エチル-3-メチルグルタル酸、アジピン酸、オクタフルオロアジピン酸、3-メチルアジピン酸、ピメリン酸、2,2,6,6-テトラメチルピメリン酸、スベリン酸、ドデカフルオロスベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ヘキサデカフルオロセバシン酸、1,9-ノナン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、ヘキサデカン二酸、ヘプタデカン二酸、オクタデカン二酸、ノナデカン二酸、エイコサン二酸、ヘンエイコサン二酸、ドコサン二酸、トリコサン二酸、テトラコサン二酸、ペンタコサン二酸、ヘキサコサン二酸、ヘプタコサン二酸、オクタコサン二酸、ノナコサン二酸、トリアコンタン二酸、ヘントリアコンタン二酸、ドトリアコンタン二酸、ジグリコール酸、更に下記式で表されるジカルボン酸等が挙げられる。
R122は、また、ビスアミノフェノール誘導体由来の基であることが好ましく、ビスアミノフェノール誘導体由来の基としては、例えば、3,3’-ジアミノ-4,4’-ジヒドロキシビフェニル、4,4’-ジアミノ-3,3’-ジヒドロキシビフェニル、3,3’-ジアミノ-4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’-ジアミノ-3,3’-ジヒドロキシジフェニルスルホン、ビス-(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)メタン、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス-(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス-(4-アミノ-3-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス-(4-アミノ-3-ヒドロキシフェニル)メタン、2,2-ビス-(4-アミノ-3-ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4’-ジアミノ-3,3’-ジヒドロキシベンゾフェノン、3,3’-ジアミノ-4,4’-ジヒドロキシベンゾフェノン、4,4’-ジアミノ-3,3’-ジヒドロキシジフェニルエーテル、3,3’-ジアミノ-4,4’-ジヒドロキシジフェニルエーテル、1,4-ジアミノ-2,5-ジヒドロキシベンゼン、1,3-ジアミノ-2,4-ジヒドロキシベンゼン、1,3-ジアミノ-4,6-ジヒドロキシベンゼンなどが挙げられる。これらのビスアミノフェノールは、単独にて、あるいは混合して使用してもよい。
ポリベンゾオキサゾール前駆体は、閉環に伴う反りの発生を抑制できる点で、下記式(SL)で表されるジアミン残基を他の種類の繰返し単位として含むことが好ましい。
上記ポリベンゾオキサゾール前駆体の分子量の分散度は、1.4以上であることが好ましく、1.5以上がより好ましく、1.6以上であることが更に好ましい。ポリベンゾオキサゾール前駆体の分子量の分散度の上限値は特に定めるものではないが、例えば、2.6以下が好ましく、2.5以下がより好ましく、2.4以下が更に好ましく、2.3以下が一層好ましく、2.2以下がより一層好ましい。
また、樹脂組成物が特定樹脂として複数種のポリベンゾオキサゾール前駆体を含む場合、少なくとも1種のポリベンゾオキサゾール前駆体の重量平均分子量、数平均分子量、及び、分散度が上記範囲であることが好ましい。また、上記複数種のポリベンゾオキサゾール前駆体を1つの樹脂として算出した重量平均分子量、数平均分子量、及び、分散度が、それぞれ、上記範囲内であることも好ましい。
ポリベンゾオキサゾールとしては、ベンゾオキサゾール環を有する高分子化合物であれば、特に限定はないが、下記式(X)で表される化合物であることが好ましく、下記式(X)で表される化合物であって、重合性基を有する化合物であることがより好ましい。上記重合性基としては、ラジカル重合性基が好ましい。また、下記式(X)で表される化合物であって、酸分解性基等の極性変換基を有する化合物であってもよい。
重合性基又は酸分解性基等の極性変換基を有する場合、重合性基又は酸分解性基等の極性変換基は、R133及びR134の少なくとも一方に位置していてもよいし、下記式(X-1)又は式(X-2)に示すようにポリベンゾオキサゾールの末端に位置していてもよい。
式(X-1)
式(X-2)
例えば、R122として例示される4価の有機基の4つの結合子が、上記式(X)中の窒素原子、酸素原子と結合して縮合環を形成する。例えば、R134が、下記有機基である場合、下記構造を形成する。下記構造中、*はそれぞれ、式(X)中の窒素原子又は酸素原子との結合部位を表す。
上記オキサゾール化率は、例えば下記方法により測定される。
ポリベンゾオキサゾールの赤外吸収スペクトルを測定し、前駆体のアミド構造に由来する吸収ピークである1650cm-1付近のピーク強度Q1を求める。次に、1490cm-1付近に見られる芳香環の吸収強度で規格化する。そのポリベンゾオキサゾールを350℃で1時間熱処理した後、再度、赤外吸収スペクトルを測定し、1650cm-1付近のピーク強度Q2を求め、1490cm-1付近に見られる芳香環の吸収強度で規格化する。得られたピーク強度Q1、Q2の規格値を用い、下記式に基づいて、ポリベンゾオキサゾールのオキサゾール化率を求めることができる。
オキサゾール化率(%)=(ピーク強度Q1の規格値/ピーク強度Q2の規格値)×100
なお、ジカルボン酸の場合には反応収率等を高めるため、1-ヒドロキシ-1,2,3-ベンゾトリアゾール等を予め反応させた活性エステル型のジカルボン酸誘導体を用いてもよい。
また、ポリベンゾオキサゾールの数平均分子量(Mn)は、好ましくは7,200~14,000であり、より好ましくは8,000~12,000であり、更に好ましくは9,200~11,200である。
上記ポリベンゾオキサゾールの分子量の分散度は、1.4以上であることが好ましく、1.5以上がより好ましく、1.6以上であることが更に好ましい。ポリベンゾオキサゾールの分子量の分散度の上限値は特に定めるものではないが、例えば、2.6以下が好ましく、2.5以下がより好ましく、2.4以下が更に好ましく、2.3以下が一層好ましく、2.2以下がより一層好ましい。
また、樹脂組成物が特定樹脂として複数種のポリベンゾオキサゾールを含む場合、少なくとも1種のポリベンゾオキサゾールの重量平均分子量、数平均分子量、及び、分散度が上記範囲であることが好ましい。また、上記複数種のポリベンゾオキサゾールを1つの樹脂として算出した重量平均分子量、数平均分子量、及び、分散度が、それぞれ、上記範囲内であることも好ましい。
ポリアミドイミド前駆体は、下記式(PAI-2)で表される繰返し単位を含むことが好ましい。
上記連結基としては、-O-、-S-、-C(=O)-、-S(=O)2-、アルキレン基、ハロゲン化アルキレン基、アリーレン基、又はこれらを2以上結合した連結基が好ましく、-O-、-S-、アルキレン基、ハロゲン化アルキレン基、アリーレン基、又はこれらを2以上結合した連結基がより好ましい。
上記アルキレン基としては、炭素数1~20のアルキレン基が好ましく、炭素数1~10のアルキレン基がより好ましく、炭素数1~4のアルキレン基が更に好ましい。
上記ハロゲン化アルキレン基としては、炭素数1~20のハロゲン化アルキレン基が好ましく、炭素数1~10のハロゲン化アルキレン基がより好ましく、炭素数1~4のハロゲン化アルキレン基がより好ましい。また、上記ハロゲン化アルキレン基におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。上記ハロゲン化アルキレン基は、水素原子を有していても、水素原子の全てがハロゲン原子で置換されていてもよいが、水素原子の全てがハロゲン原子で置換されていることが好ましい。好ましいハロゲン化アルキレン基の例としては、(ジトリフルオロメチル)メチレン基等が挙げられる。
上記アリーレン基としては、フェニレン基又はナフチレン基が好ましく、フェニレン基がより好ましく、1,3-フェニレン基又は1,4-フェニレン基が更に好ましい。
本発明において、カルボキシ基を3つ有する化合物をトリカルボン酸化合物という。
上記トリカルボン酸化合物の3つのカルボキシ基のうち2つのカルボキシ基は酸無水物化されていてもよい。
ポリアミドイミド前駆体の製造に用いられるハロゲン化されていてもよいトリカルボン酸化合物としては、分岐鎖状の脂肪族、環状の脂肪族又は芳香族のトリカルボン酸化合物などが挙げられる。
これらのトリカルボン酸化合物は、1種のみ用いてもよいし、2種以上用いてもよい。
これらの化合物は、2つのカルボキシ基が無水物化した化合物(例えば、トリメリット酸無水物)であってもよいし、少なくとも1つのカルボキシ基がハロゲン化した化合物(例えば、無水トリメリット酸クロリド)であってもよい。
他の繰返し単位としては、上述の式(2)で表される繰返し単位、下記式(PAI-1)で表される繰返し単位等が挙げられる。
式(PAI-1)中、R116は、直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族基、環状の脂肪族基、及び芳香族基、複素芳香族基、又は単結合若しくは連結基によりこれらを2以上連結した基が例示され、炭素数2~20の直鎖の脂肪族基、炭素数3~20の分岐の脂肪族基、炭素数3~20の環状の脂肪族基、炭素数6~20の芳香族基、又は、単結合若しくは連結基によりこれらを2以上組み合わせた基が好ましく、炭素数6~20の芳香族基、又は、単結合若しくは連結基により炭素数6~20の芳香族基を2以上組み合わせた基がより好ましい。
上記連結基としては、-O-、-S-、-C(=O)-、-S(=O)2-、アルキレン基、ハロゲン化アルキレン基、アリーレン基、又はこれらを2以上結合した連結基が好ましく、-O-、-S-、アルキレン基、ハロゲン化アルキレン基、アリーレン基、又はこれらを2以上結合した連結基がより好ましい。
上記アルキレン基としては、炭素数1~20のアルキレン基が好ましく、炭素数1~10のアルキレン基がより好ましく、炭素数1~4のアルキレン基が更に好ましい。
上記ハロゲン化アルキレン基としては、炭素数1~20のハロゲン化アルキレン基が好ましく、炭素数1~10のハロゲン化アルキレン基がより好ましく、炭素数1~4のハロゲン化アルキレン基がより好ましい。また、上記ハロゲン化アルキレン基におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。上記ハロゲン化アルキレン基は、水素原子を有していても、水素原子の全てがハロゲン原子で置換されていてもよいが、水素原子の全てがハロゲン原子で置換されていることが好ましい。好ましいハロゲン化アルキレン基の例としては、(ジトリフルオロメチル)メチレン基等が挙げられる。
上記アリーレン基としては、フェニレン基又はナフチレン基が好ましく、フェニレン基がより好ましく、1,3-フェニレン基又は1,4-フェニレン基が更に好ましい。
本発明において、カルボキシ基を2つ有する化合物をジカルボン酸化合物、ハロゲン化されたカルボキシ基を2つ有する化合物をジカルボン酸ジハライド化合物という。
ジカルボン酸ジハライド化合物におけるカルボキシ基は、ハロゲン化されていればよいが、例えば、塩素化されていることが好ましい。すなわち、ジカルボン酸ジハライド化合物は、ジカルボン酸ジクロリド化合物であることが好ましい。
ポリアミドイミド前駆体の製造に用いられるハロゲン化されていてもよいジカルボン酸化合物又はジカルボン酸ジハライド化合物としては、直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族、環状の脂肪族又は芳香族ジカルボン酸化合物又はジカルボン酸ジハライド化合物などが挙げられる。
これらのジカルボン酸化合物又はジカルボン酸ジハライド化合物は、1種のみ用いてもよいし、2種以上用いてもよい。
ジカルボン酸ジハライド化合物の具体例としては、上記ジカルボン酸化合物の具体例における2つのカルボキシ基をハロゲン化した構造の化合物が挙げられる。
また、本発明におけるポリアミドイミド前駆体の別の一実施形態として、式(PAI-2)で表される繰返し単位、及び、式(PAI-1)で表される繰返し単位の合計含有量が、全繰返し単位の50モル%以上である態様が挙げられる。上記合計含有量は、70モル%以上であることがより好ましく、90モル%以上であることが更に好ましく、90モル%超であることが特に好ましい。上記合計含有量の上限は、特に限定されず、末端を除くポリアミドイミド前駆体における全ての繰返し単位が、式(PAI-2)で表される繰返し単位、又は、式(PAI-1)で表される繰返し単位のいずれかであってもよい。
ポリアミドイミド前駆体の分子量の分散度は、1.5以上が好ましく、1.8以上がより好ましく、2.0以上であることが更に好ましい。ポリアミドイミド前駆体の分子量の分散度の上限値は特に定めるものではないが、例えば、7.0以下が好ましく、6.5以下がより好ましく、6.0以下が更に好ましい。 また、樹脂組成物が特定樹脂として複数種のポリアミドイミド前駆体を含む場合、少なくとも1種のポリアミドイミド前駆体の重量平均分子量、数平均分子量、及び、分散度が上記範囲であることが好ましい。また、上記複数種のポリアミドイミド前駆体を1つの樹脂として算出した重量平均分子量、数平均分子量、及び、分散度が、それぞれ、上記範囲内であることも好ましい。
本発明に用いられるポリアミドイミドは、アルカリ可溶性ポリアミドイミドであってもよく、有機溶剤を主成分とする現像液に対して可溶なポリアミドイミドであってもよい。
本明細書において、アルカリ可溶性ポリアミドイミドとは、100gの2.38質量%テトラメチルアンモニウム水溶液に対し、23℃で0.1g以上溶解するポリアミドイミドをいい、パターン形成性の観点からは、0.5g以上溶解するポリアミドイミドであることが好ましく、1.0g以上溶解するポリアミドイミドであることが更に好ましい。上記溶解量の上限は特に限定されないが、100g以下であることが好ましい。
また、ポリアミドイミドは、得られる有機膜の膜強度及び絶縁性の観点からは、複数個のアミド結合及び複数個のイミド構造を主鎖に有するポリアミドイミドであることが好ましい。
得られる有機膜の膜強度の観点からは、ポリアミドイミドは、フッ素原子を有することが好ましい。
フッ素原子は、例えば、後述する式(PAI-3)で表される繰返し単位におけるR117、又は、R111に含まれることが好ましく、後述する式(PAI-3)で表される繰返し単位におけるR117、又は、R111にフッ化アルキル基として含まれることがより好ましい。
ポリアミドイミドの全質量に対するフッ素原子の量は、5質量%以上が好ましく、また、20質量%以下が好ましい。
得られる有機膜の膜強度の観点からは、ポリアミドイミドは、エチレン性不飽和結合を有してもよい。
ポリアミドイミドは、エチレン性不飽和結合を主鎖末端に有していてもよいし、側鎖に有していてもよいが、側鎖に有することが好ましい。
上記エチレン性不飽和結合は、ラジカル重合性を有することが好ましい。
エチレン性不飽和結合は、後述する式(PAI-3)で表される繰返し単位におけるR117、又は、R111に含まれることが好ましく、後述する式(PAI-3)で表される繰返し単位におけるR117、又は、R111にエチレン性不飽和結合を有する基として含まれることがより好ましい。
エチレン性不飽和結合を有する基の好ましい態様は、上述のポリイミドにおけるエチレン性不飽和結合を有する基の好ましい態様と同様である。
ポリアミドイミドは、エチレン性不飽和結合以外の重合性基を有していてもよい。
ポリアミドイミドにおけるエチレン性不飽和結合以外の重合性基としては、上述のポリイミドにおけるエチレン性不飽和結合以外の重合性基と同様の基が挙げられる。
エチレン性不飽和結合以外の重合性基は、例えば、後述する式(PAI-3)で表される繰返し単位におけるR111に含まれることが好ましい。
ポリアミドイミドの全質量に対するエチレン性不飽和結合以外の重合性基の量は、0.05~10mol/gであることが好ましく、0.1~5mol/gであることがより好ましい。
ポリアミドイミドは、酸分解性基等の極性変換基を有していてもよい。ポリアミドイミドにおける酸分解性基は、上述の式(2)におけるR113及びR114において説明した酸分解性基と同様であり、好ましい態様も同様である。
ポリアミドイミドがアルカリ現像に供される場合、現像性を向上する観点からは、ポリアミドイミドの酸価は、30mgKOH/g以上であることが好ましく、50mgKOH/g以上であることがより好ましく、70mgKOH/g以上であることが更に好ましい。
また、上記酸価は500mgKOH/g以下であることが好ましく、400mgKOH/g以下であることがより好ましく、200mgKOH/g以下であることが更に好ましい。
また、ポリアミドイミドが有機溶剤を主成分とする現像液を用いた現像(例えば、後述する「溶剤現像」)に供される場合、ポリアミドイミドの酸価は、2~35mgKOH/gが好ましく、3~30mgKOH/gがより好ましく、5~20mgKOH/gが更に好ましい。
上記酸価は、公知の方法により測定され、例えば、JIS K 0070:1992に記載の方法により測定される。
また、ポリアミドイミドに含まれる酸基としては、上述のポリイミドにおける酸基と同様の基が挙げられ、好ましい態様も同様である。
アルカリ現像液による現像速度を適切なものとする観点からは、ポリアミドイミドは、フェノール性ヒドロキシ基を有することが好ましい。
ポリアミドイミドは、フェノール性ヒドロキシ基を主鎖末端に有してもよいし、側鎖に有してもよい。
フェノール性ヒドロキシ基は、例えば、後述する式(PAI-3)で表される繰返し単位におけるR117、又は、R111に含まれることが好ましい。
ポリアミドイミドの全質量に対するフェノール性ヒドロキシ基の量は、0.1~30mol/gであることが好ましく、1~20mol/gであることがより好ましい。
重合性基を有する場合、重合性基は、R111及びR117の少なくとも一方に位置していてもよいし、ポリアミドイミドの末端に位置していてもよい。
ポリアミドイミドのイミド化率(「閉環率」ともいう)は、得られる有機膜の膜強度、絶縁性等の観点からは、70%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましく、90%以上であることがより好ましい。
上記イミド化率の上限は特に限定されず、100%以下であればよい。
上記イミド化率は、上述のポリイミドの閉環率と同様の方法により測定される。
また、ポリアミドイミドの数平均分子量(Mn)は、好ましくは800~250,000であり、より好ましくは、2,000~50,000であり、更に好ましくは、4,000~25,000である。
ポリアミドイミドの分子量の分散度は、1.5以上が好ましく、1.8以上がより好ましく、2.0以上であることが更に好ましい。ポリアミドイミドの分子量の分散度の上限値は特に定めるものではないが、例えば、7.0以下が好ましく、6.5以下がより好ましく、6.0以下が更に好ましい。
また、樹脂組成物が特定樹脂として複数種のポリアミドイミドを含む場合、少なくとも1種のポリアミドイミドの重量平均分子量、数平均分子量、及び、分散度が上記範囲であることが好ましい。また、上記複数種のポリアミドイミドを1つの樹脂として算出した重量平均分子量、数平均分子量、及び、分散度が、それぞれ、上記範囲内であることも好ましい。
ポリイミド前駆体等は、例えば、低温中でテトラカルボン酸二無水物とジアミンを反応させる方法、低温中でテトラカルボン酸二無水物とジアミンを反応させてポリアミック酸を得、縮合剤又はアルキル化剤を用いてエステル化する方法、テトラカルボン酸二無水物とアルコールとによりジエステルを得て、その後ジアミンと縮合剤の存在下で反応させる方法、テトラカルボン酸二無水物とアルコールとによりジエステルを得、その後残りのジカルボン酸をハロゲン化剤を用いて酸ハロゲン化し、ジアミンと反応させる方法、などの方法を利用して得ることができる。上記製造方法のうち、テトラカルボン酸二無水物とアルコールとによりジエステルを得、その後残りのジカルボン酸をハロゲン化剤を用いて酸ハロゲン化し、ジアミンと反応させる方法がより好ましい。
上記縮合剤としては、例えばジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、1-エトキシカルボニル-2-エトキシ-1,2-ジヒドロキノリン、1,1-カルボニルジオキシ-ジ-1,2,3-ベンゾトリアゾール、N,N’-ジスクシンイミジルカーボネート、無水トリフルオロ酢酸等が挙げられる。
上記アルキル化剤としては、N,N-ジメチルホルムアミドジメチルアセタール、N,N-ジメチルホルムアミドジエチルアセタール、N,N-ジアルキルホルムアミドジアルキルアセタール、オルトギ酸トリメチル、オルトギ酸トリエチル等が挙げられる。
上記ハロゲン化剤としては、塩化チオニル、塩化オキサリル、オキシ塩化リン等が挙げられる。
ポリイミド前駆体等の製造方法では、反応に際し、有機溶剤を用いることが好ましい。有機溶剤は1種でもよいし、2種以上でもよい。
有機溶剤としては、原料に応じて適宜定めることができるが、ピリジン、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグリム)、N-メチルピロリドン、N-エチルピロリドン、プロピオン酸エチル、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、γ-ブチロラクトン等が例示される。
ポリイミド前駆体等の製造方法では、反応に際し、塩基性化合物を添加することが好ましい。塩基性化合物は1種でもよいし、2種以上でもよい。
塩基性化合物は、原料に応じて適宜定めることができるが、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン、N,N-ジメチル-4-アミノピリジン等が例示される。
ポリイミド前駆体等の製造方法に際し、保存安定性をより向上させるため、ポリイミド前駆体等の樹脂末端に残存するカルボン酸無水物、酸無水物誘導体、或いは、アミノ基を封止することが好ましい。樹脂末端に残存するカルボン酸無水物、及び酸無水物誘導体を封止する際、末端封止剤としては、モノアルコール、フェノール、チオール、チオフェノール、モノアミン等が挙げられ、反応性、膜の安定性から、モノアルコール、フェノール類やモノアミンを用いることがより好ましい。モノアルコールの好ましい化合物としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、オクタノール、ドデシノール、ベンジルアルコール、2-フェニルエタノール、2-メトキシエタノール、2-クロロメタノール、フルフリルアルコール等の1級アルコール、イソプロパノール、2-ブタノール、シクロヘキシルアルコール、シクロペンタノール、1-メトキシ-2-プロパノール等の2級アルコール、t-ブチルアルコール、アダマンタンアルコール等の3級アルコールが挙げられる。フェノール類の好ましい化合物としては、フェノール、メトキシフェノール、メチルフェノール、ナフタレン-1-オール、ナフタレン-2-オール、ヒドロキシスチレン等のフェノール類などが挙げられる。また、モノアミンの好ましい化合物としては、アニリン、2-エチニルアニリン、3-エチニルアニリン、4-エチニルアニリン、5-アミノ-8-ヒドロキシキノリン、1-ヒドロキシ-7-アミノナフタレン、1-ヒドロキシ-6-アミノナフタレン、1-ヒドロキシ-5-アミノナフタレン、1-ヒドロキシ-4-アミノナフタレン、2-ヒドロキシ-7-アミノナフタレン、2-ヒドロキシ-6-アミノナフタレン、2-ヒドロキシ-5-アミノナフタレン、1-カルボキシ-7-アミノナフタレン、1-カルボキシ-6-アミノナフタレン、1-カルボキシ-5-アミノナフタレン、2-カルボキシ-7-アミノナフタレン、2-カルボキシ-6-アミノナフタレン、2-カルボキシ-5-アミノナフタレン、2-アミノ安息香酸、3-アミノ安息香酸、4-アミノ安息香酸、4-アミノサリチル酸、5-アミノサリチル酸、6-アミノサリチル酸、2-アミノベンゼンスルホン酸、3-アミノベンゼンスルホン酸、4-アミノベンゼンスルホン酸、3-アミノ-4,6-ジヒドロキシピリミジン、2-アミノフェノール、3-アミノフェノール、4-アミノフェノール、2-アミノチオフェノール、3-アミノチオフェノール、4-アミノチオフェノールなどが挙げられる。これらを2種以上用いてもよく、複数の末端封止剤を反応させることにより、複数の異なる末端基を導入してもよい。
また、樹脂末端のアミノ基を封止する際、アミノ基と反応可能な官能基を有する化合物で封止することが可能である。アミノ基に対する好ましい封止剤は、カルボン酸無水物、カルボン酸クロリド、カルボン酸ブロミド、スルホン酸クロリド、無水スルホン酸、スルホン酸カルボン酸無水物などが好ましく、カルボン酸無水物、カルボン酸クロリドがより好ましい。カルボン酸無水物の好ましい化合物としては、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水シュウ酸、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水安息香酸、5-ノルボルネン-2,3-ジカルボン酸無水物などが挙げられる。また、カルボン酸クロリドの好ましい化合物としては、塩化アセチル、アクリル酸クロリド、プロピオニルクロリド、メタクリル酸クロリド、ピバロイルクロリド、シクロヘキサンカルボニルクロリド、2-エチルヘキサノイルクロリド、シンナモイルクロリド、1-アダマンタンカルボニルクロリド、ヘプタフルオロブチリルクロリド、ステアリン酸クロリド、ベンゾイルクロリド、などが挙げられる。
ポリイミド前駆体等の製造に際し、固体を析出する工程を含んでいてもよい。具体的には、反応液中に共存している脱水縮合剤の吸水副生物を必要に応じて濾別した後、水、脂肪族低級アルコール、又はその混合液等の貧溶媒に、得られた重合体成分を投入し、重合体成分を析出させることで、固体として析出させ、乾燥させることでポリイミド前駆体等を得ることができる。精製度を向上させるために、ポリイミド前駆体等を再溶解、再沈析出、乾燥等の操作を繰返してもよい。さらに、イオン交換樹脂を用いてイオン性不純物を除去する工程を含んでいてもよい。
本発明の樹脂組成物における特定樹脂の含有量は、樹脂組成物の全固形分に対し20質量%以上であることが好ましく、30質量%以上であることがより好ましく、40質量%以上であることが更に好ましく、50質量%以上であることが一層好ましい。また、本発明の樹脂組成物における樹脂の含有量は、樹脂組成物の全固形分に対し、99.5質量%以下であることが好ましく、99質量%以下であることがより好ましく、98質量%以下であることが更に好ましく、97質量%以下であることが一層好ましく、95質量%以下であることがより一層好ましい。
本発明の樹脂組成物は、特定樹脂を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
具体的には、本発明の樹脂組成物は、特定樹脂と、後述する他の樹脂とを合計で2種以上含んでもよいし、特定樹脂を2種以上含んでいてもよいが、特定樹脂を2種以上含むことが好ましい。
本発明の樹脂組成物が特定樹脂を2種以上含む場合、例えば、ポリイミド前駆体であって、二無水物由来の構造(上述の式(2)でいうR115)が異なる2種以上のポリイミド前駆体を含むことが好ましい。
本発明の樹脂組成物は、上述した特定樹脂と、特定樹脂とは異なる他の樹脂(以下、単に「他の樹脂」ともいう)とを含んでもよい。
他の樹脂としては、フェノール樹脂、ポリアミド、エポキシ樹脂、ポリシロキサン、シロキサン構造を含む樹脂、(メタ)アクリル樹脂、(メタ)アクリルアミド樹脂、ウレタン樹脂、ブチラール樹脂、スチリル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられる。
例えば、(メタ)アクリル樹脂を更に加えることにより、塗布性に優れた樹脂組成物が得られ、また、耐溶剤性に優れたパターン(硬化物)が得られる。
例えば、後述する重合性化合物に代えて、又は、後述する重合性化合物に加えて、重量平均分子量が20,000以下の重合性基価の高い(例えば、樹脂1gにおける重合性基の含有モル量が1×10-3モル/g以上である)(メタ)アクリル樹脂を樹脂組成物に添加することにより、樹脂組成物の塗布性、パターン(硬化物)の耐溶剤性等を向上させることができる。
また、本発明の樹脂組成物における、他の樹脂の含有量は、樹脂組成物の全固形分に対し、80質量%以下であることが好ましく、75質量%以下であることがより好ましく、70質量%以下であることが更に好ましく、60質量%以下であることが一層好ましく、50質量%以下であることがより一層好ましい。
また、本発明の樹脂組成物の好ましい一態様として、他の樹脂の含有量が低含有量である態様とすることもできる。上記態様において、他の樹脂の含有量は、樹脂組成物の全固形分に対し、20質量%以下であることが好ましく、15質量%以下であることがより好ましく、10質量%以下であることが更に好ましく、5質量%以下であることが一層好ましく、1質量%以下であることがより一層好ましい。上記含有量の下限は特に限定されず、0質量%以上であればよい。
本発明の樹脂組成物は、他の樹脂を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
本発明の樹脂組成物は、下記式(1-1)で表される化合物(特定化合物)を含む。
式(1-1)中、R1はそれぞれ独立に、水素原子が好ましい。
R1における有機基としては、アルキル基、アルケニル基、アリール基等の炭化水素基が挙げられ、アルキル基又はアリール基が好ましい。
上記アルキル基としては、炭素数1~10のアルキル基が好ましく、炭素数1~4のアルキル基がより好ましい。
上記アルケニル基としては、炭素数2~10のアルケニル基が好ましく、2~4のアルケニル基がより好ましい。
上記アリール基としては、芳香族炭化水素基が好ましく、フェニル基がより好ましい。
上記炭化水素基は更に公知の置換基を有していてもよい。
R2における芳香族ヘテロ環における環員であるヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子等が挙げられ、少なくとも環員として窒素原子を含むことが好ましい。
また、R2における芳香族ヘテロ環における全ての環員であるヘテロ原子が窒素原子であることも好ましい態様の一つである。
また、上記芳香族ヘテロ環におけるヘテロ原子の数は、1~4であることが好ましく、2~4であることがより好ましい。
上記カルボニル基、上記スルホニル基、又は、上記チオカルボニル基における、上記含窒素ヘテロ環の環員である窒素原子とは反対の側に結合する基としては、特に限定されないが、炭化水素基、又は、炭化水素基と、-O-、-C(=O)-、-S-、-S(=O)2-、及び、-NRN-よりなる群から選ばれた少なくとも1種の構造との組み合わせにより表される基が挙げられ、炭化水素基が好ましい。
上記炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、アリール基が挙げられ、炭素数1~20のアルキル基、炭素数2~20のアルケニル基、又は、炭素数6~20の芳香族炭化水素基が好ましく、炭素数1~10のアルキル基、炭素数2~10のアルケニル基、炭素数6~10の芳香族炭化水素基がより好ましい。これらの炭化水素基は、置換基を更に有していてもよい。
具体的には、炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基等の直鎖アルキル基、イソプロピル基、tーブチル基、2-エチルへキシル基等の分岐アルキル基、シクロペンタニル基、ボルニル基、イソボルニル基、アダマンチル基等の環状アルキル基、メチルビニル基等のアルケニル基、フェニル基、ナフチル基、4-メチルフェニル基、2,6-メチルフェニル基等の芳香族炭化水素基が挙げられる。
上記RNは水素原子又は1価の置換基を表し、水素原子又は炭化水素基であることが好ましく、水素原子、アルキル基又は芳香族炭化水素基であることがより好ましい。
アゾール構造とは、環員として窒素原子を1つ以上含む複素5員環構造をいう。R2におけるアゾール構造としては、環員として窒素原子を2以上含む複素5員環構造が好ましい。例えば、イミダゾール構造、トリアゾール構造、又は、テトラゾール構造などが好ましく挙げられる。
R2は、イミダゾール構造、トリアゾール構造、テトラゾール構造、又は、これらの環と他の環との縮合環構造を含むことが好ましく、プリン構造を含むことがより好ましい。
また、R2が、イミダゾール構造、トリアゾール構造、テトラゾール構造、又は、これらの環と他の環(例えば、ベンゼン環、ピリミジン環など)との縮合環構造であることも好ましく、プリン構造であることもより好ましい。
R2がプリン構造である場合、プリン構造における式(1-1)中のR1が結合した窒素原子との結合部位は、特に限定されないが、例えばプリン構造における6位の炭素原子であることが好ましい。
式(1-1)中、L1は炭化水素基、又は、炭化水素基と、-O-、-C(=O)-、-S-、-S(=O)2-、及び、-NRN-よりなる群から選ばれた少なくとも1種の構造との組み合わせにより表される基が挙げられ、炭化水素基が好ましい。
上記炭化水素基としては脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基又はその組み合わせにより表される基のいずれであってもよいが、脂肪族炭化水素基が好ましく、飽和脂肪族炭化水素基がより好ましい。
上記炭化水素基としては脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基又はその組み合わせにより表される基のいずれであってもよいが、アルキレン基が好ましい。
上記アルキレン基としては、炭素数2~20のアルキレン基が好ましく、炭素数2~10のアルキレン基がより好ましく、炭素数2~4のアルキレン基が更に好ましい。
式(1-1)中、R3は水素原子であることが好ましい。
特に、信頼性の観点からは、L1が上記式(L1-1)で表される構造であり、かつ、R3が水素原子であることが好ましい。このような態様によれば、後述する硬化物におけるフタルイミド構造が形成されやすく、かつ、安定な構造となると考えられる。
R3における有機基としては、アルキル基、アルケニル基、アリール基等の炭化水素基が挙げられ、アルキル基又はアリール基が好ましい。
上記アルキル基としては、炭素数1~10のアルキル基が好ましく、炭素数1~4のアルキル基がより好ましい。
上記アルケニル基としては、炭素数2~10のアルケニル基が好ましく、2~4のアルケニル基がより好ましい。
上記アリール基としては、芳香族炭化水素基が好ましく、フェニル基がより好ましい。
上記炭化水素基は更に公知の置換基を有していてもよい。
式(1-1)中、L2は炭化水素基、又は、1以上の炭化水素基と、ヘテロ環基、-O-、-C(=O)-、-S-、-S(=O)2-及び-NRN-よりなる群から選ばれた少なくとも1つの構造との組み合わせにより表される基であることが好ましく、炭化水素基、又は、1以上の炭化水素基と-O-、-S-及び-NRN-よりなる群から選ばれた少なくとも1つの構造との組み合わせにより表される基であることがより好ましい。上記ヘテロ環基としては、ヘテロ芳香環基が好ましい。また、ヘテロ環基に含まれるヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。上記RNは水素原子又は1価の置換基を表し、水素原子又は炭化水素基であることが好ましく、水素原子、アルキル基又は芳香族炭化水素基であることがより好ましい。
上記炭化水素基としては、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基又はその組み合わせにより表される基のいずれであってもよいが、芳香族炭化水素基を少なくとも含むことが好ましく、芳香族炭化水素基と脂肪族炭化水素基との組み合わせにより表される基であることがより好ましい。
上記芳香族炭化水素基としては、炭素6~20の芳香族炭化水素基が好ましく、ベンゼン環から水素原子を複数個除いた基がより好ましい。また、上記芳香族炭化水素基は置換基を有していてもよいし、他の環構造と縮合環を形成していてもよい。
上記脂肪族炭化水素基としては、飽和脂肪族炭化水素基が好ましく、炭素数1~20の飽和脂肪族炭化水素基がより好ましく、炭素数1~10の飽和脂肪族炭化水素基が更に好ましく、炭素数1~4の飽和脂肪族炭化水素基が特に好ましい。
L2における芳香環構造としては、上述の芳香族炭化水素基、及び、上述のヘテロ芳香環基が挙げられ、芳香族炭化水素基が好ましい。
L2がヒドロキシ基を含む場合、L2におけるヒドロキシ基と式(1-1)中のL2が結合する-C(=O)-との間の連結鎖の最短経路上の原子数(連結鎖長)は、3~6であることが好ましく、3又は4であることがより好ましい。
L2がカルボキシ基又はアルコキシカルボニル基を含む場合、L2におけるカルボキシ基又はアルコキシカルボニル基と式(1-1)中のL2が結合する-C(=O)-との間の連結鎖の最短経路上の原子数(連結鎖長)は、2~5であることが好ましく、2又は3であることがより好ましい。
上記いずれの場合においても、L2は芳香環構造(好ましくは置換基又は縮合環を有してもよいフェニレン基、より好ましくは置換基又は縮合環を有してもよい1,2-フェニレン基)を含むことが好ましく、上記最短経路上に芳香環構造を含むことが好ましい。
また、L2は上記最短経路上に酸素原子又は硫黄原子を含むことも好ましい。
ラジカル重合性基としては、ビニル基、アリル基、ビニルフェニル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、マレイミド基、(メタ)アクリルアミド基などが挙げられ、(メタ)アクリロキシ基、(メタ)アクリルアミド基、又は、ビニルフェニル基が好ましく、反応性の観点からは、(メタ)アクリロキシ基がより好ましい。
また、L2がラジカル重合性基を有する場合、環化樹脂又はその前駆体がラジカル重合性基を有するか、又は、樹脂組成物が後述するラジカル架橋剤を含むか、の少なくとも一方を満たすことが好ましい。
このような態様によれば、重合により形成される重合体に塩基発生剤が組み込まれるため、例えば組成物内における塩基発生剤の分布が均一に近い状態になり、硬化物の破断伸び、パターン矩形性等がより向上すると考えられる。
Arにおける芳香族炭化水素基又はヘテロ芳香環基としては、上述の芳香族炭化水素基、及び、上述のヘテロ芳香環基が挙げられ、芳香族炭化水素基が好ましい。
ここで、AとBとが芳香族基における隣接位に位置するとは、Aが結合する芳香族基の環員である原子と、Bが結合する芳香族基の環員である原子とが芳香族基において隣接する環員であることを意味し、芳香族基がベンゼン環であればメタ位であることを意味する。
RNは上述の通りである。
また、上記アルキレン基は、炭素数1~10のアルキレン基が好ましく、1~4のアルキレン基がより好ましく、1又は2のアルキレン基が更に好ましい。
式(1-1)中、nは1以上の整数を表し、1~4の整数であることが好ましく、1又は2であることがより好ましい。また、nが1である態様も、本発明の好ましい態様の1つである。
また、式(1-1)で表される化合物は、熱の作用により塩基を発生する化合物であることが好ましい。ここで、式(1-1)で表される化合物は、熱の作用により、式(1-1)中のR3と結合する窒素原子と、式(1-1)中のカルボニル基との間で開裂して塩基を発生することが好ましい。
ある化合物Aがある温度X℃で塩基を発生する性質を示すか否かは、下記方法により判断される。
1モルの化合物Aを密閉容器中1気圧下、上記X℃、3時間の加熱後に、HPLC(高速液体クロマトグラフィ)などの方法で分解量を定量し、0.01モル以上の塩基が発生する場合、化合物AはX℃の加熱により塩基を発生すると判定する。発生した化合物が塩基であるか否かは、例えば、1H-NMRを用いることにより確認される。
上記塩基の発生量は0.1モル以上であることが好ましく、0.5モル以上であることがより好ましい。上記塩基の発生量の上限は特に限定されないが、例えば1000モル以下とすることができる。
樹脂組成物が溶剤を含む場合、上記組成物A中の特定化合物の濃度は樹脂組成物中の濃度と同様とし、また、上記組成物中の溶剤種は樹脂組成物中に含まれる溶剤と同様とすることができる。また、樹脂組成物が溶剤を含まない場合、組成物A中の特定化合物の濃度は組成物Aの全質量に対して1.0質量%程度とすることができ、溶剤種はN-メチル-2ーピロリドンなどを用いることができる。
特定化合物から発生する塩基は、共役酸のpKaが0以上である塩基が好ましく、3以上である塩基がより好ましく、6以上である塩基がより好ましい。上記共役酸のpKaの上限は特に限定されないが、30以下であることが好ましい。
pKaとは、酸から水素イオンが放出される解離反応を考え、その平衡定数Kaをその負の常用対数pKaによって表したものである。本明細書において、pKaは、特に断らない限り、ACD/ChemSketch(登録商標)による計算値とする。
上記共役酸のpKaが複数存在する場合、少なくとも1つが上記範囲内であることが好ましい。
また、組成物の保存安定性等の観点から、特定化合物の共役酸のpKa(分解前の特定化合物の共役酸のpKa)は、1.0以下であることが好ましく、0.0以下であることがより好ましく、-0.5以下であることがより好ましい。下限は特に限定されないが、例えば-20以上であればよい。
上記共役酸のpKaが複数存在する場合、最大値が上記範囲内であることがより好ましい。
特定化合物の分子量は、150~1,000であることが好ましく、180~800であることがより好ましく、200~700であることが更に好ましい。
特定化合物は、例えば、後述する実施例に記載の合成方法により合成することができる。また、その他公知の合成方法を用いて合成してもよく、合成方法は特に限定されるものではない。例えば、式(1-1)におけるR2に該当する構造をL1に該当する構造と結合させた後に、L2に該当する構造と更に結合させてもよいし、L1に該当する構造とL2に該当する構造とを結合させた後に、R2に該当する構造をL1に該当する構造と更に結合させてもよい。
特定化合物は1種を単独で用いてもよいが、2種以上を併用して用いてもよい。2種以上を併用する場合にはその合計量が上記の範囲となることが好ましい。
また、本発明の樹脂組成物における、特定樹脂100質量部に対する特定化合物の含有量は、0.05~10質量部が好ましく、0.1~5質量部がより好ましい。
本発明の樹脂組成物は、1級アミンの含有量が1質量%以下であることが好ましい。
本発明において、1級アミンとは、アンモニアの水素原子のうち1つが有機基に置換された化合物をいう。
上記1級アミンの含有量は、0.1質量%以下であることがより好ましく、0.01質量%以下であることが更に好ましい。また、上記含有量の下限は特に限定されず、0質量%であってもよい。
また、本発明の樹脂組成物における、特定化合物の全質量に対する1級アミンの含有量は、0.1質量%以下であることが好ましく、0.01質量%以下であることがより好ましい。また、上記含有量の下限は特に限定されず、0質量%であってもよい。
本発明の樹脂組成物は、重合性化合物を含むことが好ましい。
重合性化合物としては、ラジカル架橋剤、又は、他の架橋剤が挙げられる。
本発明の樹脂組成物は、ラジカル架橋剤を含むことが好ましい。
ラジカル架橋剤は、ラジカル重合性基を有する化合物である。ラジカル重合性基としては、エチレン性不飽和結合を含む基が好ましい。上記エチレン性不飽和結合を含む基としては、ビニル基、アリル基、ビニルフェニル基、(メタ)アクリロイル基、マレイミド基、(メタ)アクリルアミド基などのエチレン性不飽和結合を有する基が挙げられる。
これらの中でも、上記エチレン性不飽和結合を含む基としては、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリルアミド基、ビニルフェニル基が好ましく、反応性の観点からは、(メタ)アクリロイル基がより好ましい。
上記エチレン性不飽和結合を2個以上有する化合物としては、エチレン性不飽和結合を2~15個有する化合物が好ましく、エチレン性不飽和結合を2~10個有する化合物がより好ましく、2~6個有する化合物が更に好ましい。
また、得られるパターン(硬化物)の膜強度の観点からは、本発明の樹脂組成物は、エチレン性不飽和結合を2個有する化合物と、上記エチレン性不飽和結合を3個以上有する化合物とを含むことも好ましい。
具体的な化合物としては、トリエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、PEG(ポリエチレングリコール)200ジアクリレート、PEG200ジメタクリレート、PEG600ジアクリレート、PEG600ジメタクリレート、ポリテトラエチレングリコールジアクリレート、ポリテトラエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、3-メチル-1,5-ペンタンジオールジアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、1,6ヘキサンジオールジメタクリレート、ジメチロール-トリシクロデカンジアクリレート、ジメチロール-トリシクロデカンジメタクリレート、ビスフェノールAのEO(エチレンオキシド)付加物ジアクリレート、ビスフェノールAのEO付加物ジメタクリレート、ビスフェノールAのPO(プロピレンオキシド)付加物ジアクリレート、ビスフェノールAのPO付加物ジメタクリレート、2-ヒドロキシー3-アクリロイロキシプロピルメタクリレート、イソシアヌル酸EO変性ジアクリレート、イソシアヌル酸変性ジメタクリレート、その他ウレタン結合を有する2官能アクリレート、ウレタン結合を有する2官能メタクリレートを使用することができる。これらは必要に応じ、2種以上を混合し使用することができる。
なお、例えばPEG200ジアクリレートとは、ポリエチレングリコールジアクリレートであって、ポリエチレングリコール鎖の式量が200程度のものをいう。
本発明の樹脂組成物は、パターン(硬化物)の弾性率制御に伴う反り抑制の観点から、ラジカル架橋剤として、単官能ラジカル架橋剤を好ましく用いることができる。単官能ラジカル架橋剤としては、n-ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、カルビトール(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、グリシジル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸誘導体、N-ビニルピロリドン、N-ビニルカプロラクタム等のN-ビニル化合物類、アリルグリシジルエーテル等が好ましく用いられる。単官能ラジカル架橋剤としては、露光前の揮発を抑制するため、常圧下で100℃以上の沸点を持つ化合物も好ましい。
その他、2官能以上のラジカル架橋剤としては、ジアリルフタレート、トリアリルトリメリテート等のアリル化合物類が挙げられる。
本発明の樹脂組成物は、上述したラジカル架橋剤とは異なる、他の架橋剤を含むことも好ましい。
本発明において、他の架橋剤とは、上述したラジカル架橋剤以外の架橋剤をいい、上述の光酸発生剤、又は、光塩基発生剤の感光により、組成物中の他の化合物又はその反応生成物との間で共有結合を形成する反応が促進される基を分子内に複数個有する化合物であることが好ましく、組成物中の他の化合物又はその反応生成物との間で共有結合を形成する反応が酸又は塩基の作用によって促進される基を分子内に複数個有する化合物が好ましい。
上記酸又は塩基は、露光工程において、光酸発生剤又は光塩基発生剤から発生する酸又は塩基であることが好ましい。
他の架橋剤としては、アシルオキシメチル基、メチロール基及びアルコキシメチル基よりなる群から選ばれた少なくとも1種の基を有する化合物が好ましく、アシルオキシメチル基、メチロール基及びアルコキシメチル基よりなる群から選ばれた少なくとも1種の基が窒素原子に直接結合した構造を有する化合物がより好ましい。
他の架橋剤としては、例えば、メラミン、グリコールウリル、尿素、アルキレン尿素、ベンゾグアナミンなどのアミノ基含有化合物にホルムアルデヒド又はホルムアルデヒドとアルコールを反応させ、上記アミノ基の水素原子をアシルオキシメチル基、メチロール基又はアルコキシメチル基で置換した構造を有する化合物が挙げられる。これらの化合物の製造方法は特に限定されず、上記方法により製造された化合物と同様の構造を有する化合物であればよい。また、これらの化合物のメチロール基同士が自己縮合してなるオリゴマーであってもよい。
上記のアミノ基含有化合物として、メラミンを用いた架橋剤をメラミン系架橋剤、グリコールウリル、尿素又はアルキレン尿素を用いた架橋剤を尿素系架橋剤、アルキレン尿素を用いた架橋剤をアルキレン尿素系架橋剤、ベンゾグアナミンを用いた架橋剤をベンゾグアナミン系架橋剤という。
これらの中でも、本発明の樹脂組成物は、尿素系架橋剤及びメラミン系架橋剤よりなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物を含むことが好ましく、後述するグリコールウリル系架橋剤及びメラミン系架橋剤よりなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物を含むことがより好ましい。
上記化合物が有するアルコキシメチル基又はアシルオキシメチル基は、炭素数2~5が好ましく、炭素数2又は3が好ましく、炭素数2がより好ましい。
上記化合物が有するアルコキシメチル基及びアシルオキシメチル基の総数は1~10が好ましく、より好ましくは2~8、特に好ましくは3~6である。
上記化合物の分子量は好ましくは1500以下であり、180~1200が好ましい。
R101及びR102は、それぞれ独立に、一価の有機基を表し、互いに結合して環を形成してもよい。
R105は各々独立にアルキル基又はアルケニル基を示し、a、b及びcは各々独立に1~3であり、dは0~4であり、eは0~3であり、fは0~3であり、a+dは5以下であり、b+eは4以下であり、c+fは4以下である。
酸の作用により分解し、アルカリ可溶性基を生じる基、酸の作用により脱離する基、-C(R4)2COOR5で表される基におけるR5については、例えば、-C(R36)(R37)(R38)、-C(R36)(R37)(OR39)、-C(R01)(R02)(OR39)等を挙げることができる。
式中、R36~R39は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基又はアルケニル基を表す。R36とR37とは、互いに結合して環を形成してもよい。
上記アルキル基としては、炭素数1~10のアルキル基が好ましく、炭素数1~5のアルキル基がより好ましい。
上記アルキル基は、直鎖状、分岐鎖状のいずれであってもよい。
上記シクロアルキル基としては、炭素数3~12のシクロアルキル基が好ましく、炭素数3~8のシクロアルキル基がより好ましい。
上記シクロアルキル基は単環構造であってもよいし、縮合環等の多環構造であってもよい。
上記アリール基は炭素数6~30の芳香族炭化水素基であることが好ましく、フェニル基であることがより好ましい。
上記アラルキル基としては、炭素数7~20のアラルキル基が好ましく、炭素数7~16のアラルキル基がより好ましい。
上記アラルキル基はアルキル基により置換されたアリール基を意図しており、これらのアルキル基及びアリール基の好ましい態様は、上述のアルキル基及びアリール基の好ましい態様と同様である。
上記アルケニル基は炭素数3~20のアルケニル基が好ましく、炭素数3~16のアルケニル基がより好ましい。
また、これらの基は本発明の効果が得られる範囲内で、公知の置換基を更に有していてもよい。
耐熱性の観点で、アルコキシメチル基又はアシルオキシメチル基が、直接芳香環やトリアジン環上に置換した化合物が好ましい。
ビスメトキシメチル尿素、ビスエトキシメチル尿素、ビスプロポキシメチル尿素、ビスブトキシメチル尿素等の尿素系架橋剤、
モノヒドロキシメチル化エチレン尿素又はジヒドロキシメチル化エチレン尿素、モノメトキシメチル化エチレン尿素、ジメトキシメチル化エチレン尿素、モノエトキシメチル化エチレン尿素、ジエトキシメチル化エチレン尿素、モノプロポキシメチル化エチレン尿素、ジプロポキシメチル化エチレン尿素、モノブトキシメチル化エチレン尿素、又は、ジブトキシメチル化エチレン尿素などのエチレン尿素系架橋剤、
モノヒドロキシメチル化プロピレン尿素、ジヒドロキシメチル化プロピレン尿素、モノメトキシメチル化プロピレン尿素、ジメトキシメチル化プロピレン尿素、モノエトキシメチル化プロピレン尿素、ジエトキシメチル化プロピレン尿素、モノプロポキシメチル化プロピレン尿素、ジプロポキシメチル化プロピレン尿素、モノブトキシメチル化プロピレン尿素、又は、ジブトキシメチル化プロピレン尿素などのプロピレン尿素系架橋剤、
1,3-ジ(メトキシメチル)4,5-ジヒドロキシ-2-イミダゾリジノン、1,3-ジ(メトキシメチル)-4,5-ジメトキシ-2-イミダゾリジノンなどが挙げられる。
このような化合物の具体例としては、ベンゼンジメタノール、ビス(ヒドロキシメチル)クレゾール、ビス(ヒドロキシメチル)ジメトキシベンゼン、ビス(ヒドロキシメチル)ジフェニルエーテル、ビス(ヒドロキシメチル)ベンゾフェノン、ヒドロキシメチル安息香酸ヒドロキシメチルフェニル、ビス(ヒドロキシメチル)ビフェニル、ジメチルビス(ヒドロキシメチル)ビフェニル、ビス(メトキシメチル)ベンゼン、ビス(メトキシメチル)クレゾール、ビス(メトキシメチル)ジメトキシベンゼン、ビス(メトキシメチル)ジフェニルエーテル、ビス(メトキシメチル)ベンゾフェノン、メトキシメチル安息香酸メトキシメチルフェニル、ビス(メトキシメチル)ビフェニル、ジメチルビス(メトキシメチル)ビフェニル、4,4’,4’’-エチリデントリス[2,6-ビス(メトキシメチル)フェノール]、5,5’-[2,2,2‐トリフルオロ‐1‐(トリフルオロメチル)エチリデン]ビス[2‐ヒドロキシ‐1,3‐ベンゼンジメタノール]、3,3’,5,5’-テトラキス(メトキシメチル)-1,1’-ビフェニル-4,4’-ジオール等が挙げられる。
エポキシ化合物としては、一分子中にエポキシ基を2以上有する化合物であることが好ましい。エポキシ基は、200℃以下で架橋反応し、かつ、架橋に由来する脱水反応が起こらないため膜収縮が起きにくい。このため、エポキシ化合物を含有することは、本発明の樹脂組成物の低温硬化及び反りの抑制に効果的である。
オキセタン化合物としては、一分子中にオキセタン環を2つ以上有する化合物、3-エチル-3-ヒドロキシメチルオキセタン、1,4-ビス{[(3-エチル-3-オキセタニル)メトキシ]メチル}ベンゼン、3-エチル-3-(2-エチルヘキシルメチル)オキセタン、1,4-ベンゼンジカルボン酸-ビス[(3-エチル-3-オキセタニル)メチル]エステル等を挙げることができる。具体的な例としては、東亞合成(株)製のアロンオキセタンシリーズ(例えば、OXT-121、OXT-221)が好適に使用することができ、これらは単独で、又は2種以上混合してもよい。
ベンゾオキサジン化合物は、開環付加反応に由来する架橋反応のため、硬化時に脱ガスが発生せず、更に熱収縮を小さくして反りの発生が抑えられることから好ましい。
本発明の樹脂組成物は、光及び/又は熱により重合を開始させることができる重合開始剤を含むことが好ましい。特に光重合開始剤を含むことが好ましい。
光重合開始剤は、光ラジカル重合開始剤であることが好ましい。光ラジカル重合開始剤としては、特に制限はなく、公知の光ラジカル重合開始剤の中から適宜選択することができる。例えば、紫外線領域から可視領域の光線に対して感光性を有する光ラジカル重合開始剤が好ましい。また、光励起された増感剤と何らかの作用を生じ、活性ラジカルを生成する活性剤であってもよい。
RX2は、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、複素環基、複素環オキシ基、アルキルスルファニル基、アリールスルファニル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アシルオキシ基またはアミノ基を表し、
RX3~RX14は、それぞれ独立して水素原子または置換基を表す。
ただし、RX10~RX14のうち少なくとも一つは、電子求引性基である。
なお、光重合開始剤は熱重合開始剤としても機能する場合があるため、オーブンやホットプレート等の加熱によって光重合開始剤による架橋を更に進行させられる場合がある。
樹脂組成物は、増感剤を含んでいてもよい。増感剤は、特定の活性放射線を吸収して電子励起状態となる。電子励起状態となった増感剤は、熱ラジカル重合開始剤、光ラジカル重合開始剤などと接触して、電子移動、エネルギー移動、発熱などの作用が生じる。これにより、熱ラジカル重合開始剤、光ラジカル重合開始剤は化学変化を起こして分解し、ラジカル、酸又は塩基を生成する。
使用可能な増感剤として、ベンゾフェノン系、ミヒラーズケトン系、クマリン系、ピラゾールアゾ系、アニリノアゾ系、トリフェニルメタン系、アントラキノン系、アントラセン系、アントラピリドン系、ベンジリデン系、オキソノール系、ピラゾロトリアゾールアゾ系、ピリドンアゾ系、シアニン系、フェノチアジン系、ピロロピラゾールアゾメチン系、キサンテン系、フタロシアニン系、ペンゾピラン系、インジゴ系等の化合物を使用することができる。
増感剤としては、例えば、ミヒラーズケトン、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2,5-ビス(4’-ジエチルアミノベンザル)シクロペンタン、2,6-ビス(4’-ジエチルアミノベンザル)シクロヘキサノン、2,6-ビス(4’-ジエチルアミノベンザル)-4-メチルシクロヘキサノン、4,4’-ビス(ジメチルアミノ)カルコン、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)カルコン、p-ジメチルアミノシンナミリデンインダノン、p-ジメチルアミノベンジリデンインダノン、2-(p-ジメチルアミノフェニルビフェニレン)-ベンゾチアゾール、2-(p-ジメチルアミノフェニルビニレン)ベンゾチアゾール、2-(p-ジメチルアミノフェニルビニレン)イソナフトチアゾール、1,3-ビス(4’-ジメチルアミノベンザル)アセトン、1,3-ビス(4’-ジエチルアミノベンザル)アセトン、3,3’-カルボニル-ビス(7-ジエチルアミノクマリン)、3-アセチル-7-ジメチルアミノクマリン、3-エトキシカルボニル-7-ジメチルアミノクマリン、3-ベンジロキシカルボニル-7-ジメチルアミノクマリン、3-メトキシカルボニル-7-ジエチルアミノクマリン、3-エトキシカルボニル-7-ジエチルアミノクマリン(7-(ジエチルアミノ)クマリン-3-カルボン酸エチル)、N-フェニル-N’-エチルエタノールアミン、N-フェニルジエタノールアミン、N-p-トリルジエタノールアミン、N-フェニルエタノールアミン、4-モルホリノベンゾフェノン、ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、ジエチルアミノ安息香酸イソアミル、2-メルカプトベンズイミダゾール、1-フェニル-5-メルカプトテトラゾール、2-メルカプトベンゾチアゾール、2-(p-ジメチルアミノスチリル)ベンズオキサゾール、2-(p-ジメチルアミノスチリル)ベンゾチアゾール、2-(p-ジメチルアミノスチリル)ナフト(1,2-d)チアゾール、2-(p-ジメチルアミノベンゾイル)スチレン、ジフェニルアセトアミド、ベンズアニリド、N-メチルアセトアニリド、3‘,4’-ジメチルアセトアニリド等が挙げられる。
また、他の増感色素を用いてもよい。
増感色素の詳細については、特開2016-027357号公報の段落0161~0163の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。
本発明の樹脂組成物は、連鎖移動剤を含有してもよい。連鎖移動剤は、例えば高分子辞典第三版(高分子学会編、2005年)683-684頁に定義されている。連鎖移動剤としては、例えば、分子内に-S-S-、-SO2-S-、-N-O-、SH、PH、SiH、及びGeHを有する化合物群、RAFT(Reversible Addition Fragmentation chain Transfer)重合に用いられるチオカルボニルチオ基を有するジチオベンゾアート、トリチオカルボナート、ジチオカルバマート、キサンタート化合物等が用いられる。これらは、低活性のラジカルに水素を供与して、ラジカルを生成するか、若しくは、酸化された後、脱プロトンすることによりラジカルを生成しうる。特に、チオール化合物を好ましく用いることができる。
本発明の樹脂組成物は、塩基発生剤を含んでもよい。ここで、塩基発生剤とは、物理的または化学的な作用によって塩基を発生することができる化合物である。本発明の樹脂組成物にとって好ましい塩基発生剤としては、熱塩基発生剤および光塩基発生剤が挙げられる。
ただし、上述の特定化合物に該当する塩基発生剤は、ここでいう塩基発生剤には該当しないものとする。
特に、樹脂組成物が環化樹脂の前駆体を含む場合、樹脂組成物は塩基発生剤を含むことが好ましい。樹脂組成物が熱塩基発生剤を含有することによって、例えば加熱により前駆体の環化反応を促進でき、硬化物の機械特性や耐薬品性が良好なものとなり、例えば半導体パッケージ中に含まれる再配線層用層間絶縁膜としての性能が良好となる。
塩基発生剤としては、イオン型塩基発生剤でもよく、非イオン型塩基発生剤でもよい。塩基発生剤から発生する塩基としては、例えば、2級アミン、3級アミンが挙げられる。
本発明に係る塩基発生剤について特に制限はなく、公知の塩基発生剤を用いることができる。公知の塩基発生剤としては、例えば、カルバモイルオキシム化合物、カルバモイルヒドロキシルアミン化合物、カルバミン酸化合物、ホルムアミド化合物、アセトアミド化合物、カルバメート化合物、ベンジルカルバメート化合物、ニトロベンジルカルバメート化合物、スルホンアミド化合物、イミダゾール誘導体化合物、アミンイミド化合物、ピリジン誘導体化合物、α-アミノアセトフェノン誘導体化合物、4級アンモニウム塩誘導体化合物、ピリジニウム塩、α-ラクトン環誘導体化合物、アミンイミド化合物、フタルイミド誘導体化合物、アシルオキシイミノ化合物、などを用いることができる。
非イオン型塩基発生剤の具体的な化合物としては、式(B1)、式(B2)、又は式(B3)で表される化合物が挙げられる。
Rb13はアルキル基(炭素数1~24が好ましく、2~18がより好ましく、3~12が更に好ましい)、アルケニル基(炭素数2~24が好ましく、2~18がより好ましく、3~12が更に好ましい)、アリール基(炭素数6~22が好ましく、6~18がより好ましく、6~12が更に好ましい)、アリールアルキル基(炭素数7~23が好ましく、7~19がより好ましく、7~12が更に好ましい)であり、本発明の効果を奏する範囲で置換基を有していてもよい。中でも、Rb13はアリールアルキル基が好ましい。
Rb15及びRb16は水素原子、アルキル基(炭素数1~12が好ましく、1~6がより好ましく、1~3が更に好ましい)、アルケニル基(炭素数2~12が好ましく、2~6がより好ましく、2~3が更に好ましい)、アリール基(炭素数6~22が好ましく、6~18がより好ましく、6~10が更に好ましい)、アリールアルキル基(炭素数7~23が好ましく、7~19がより好ましく、7~11が更に好ましい)であり、水素原子又はメチル基が好ましい。
Rb17はアルキル基(炭素数1~24が好ましく、1~12がより好ましく、3~8が更に好ましい)、アルケニル基(炭素数2~12が好ましく、2~10がより好ましく、3~8が更に好ましい)、アリール基(炭素数6~22が好ましく、6~18がより好ましく、6~12が更に好ましい)、アリールアルキル基(炭素数7~23が好ましく、7~19がより好ましく、7~12が更に好ましい)であり、中でもアリール基が好ましい。
環状アルキル基は、炭素数3~12のものが好ましく、3~6がより好ましい。環状アルキル基は、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基等が挙げられる。
鎖状アルキル基と環状アルキル基の組合せに係る基は、炭素数4~24のものが好ましく、4~18がより好ましく、4~12がさらに好ましい。鎖状アルキル基と環状アルキル基の組合せに係る基は、例えば、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基、シクロヘキシルプロピル基、メチルシクロヘキシルメチル基、エチルシクロヘキシルエチル基等が挙げられる。
酸素原子を鎖中に有するアルキル基は、炭素数2~12のものが好ましく、2~6がより好ましく、2~4がさらに好ましい。酸素原子を鎖中に有するアルキル基は、鎖状でも環状でもよく、直鎖でも分岐でもよい。
なかでも、後述する分解生成塩基の沸点を高める観点で、RN1およびRN2は炭素数5~12のアルキル基が好ましい。ただし、金属(例えば銅)の層と積層する際の密着性を重視する処方においては、環状のアルキル基を有する基や炭素数1~8のアルキル基であることが好ましい。
2価の炭化水素連結基は、炭素数1~24のものが好ましく、2~12がより好ましく、2~6がさらに好ましい。2価の脂肪族炭化水素基は、炭素数1~12のものが好ましく、2~6がより好ましく、2~4がさらに好ましい。2価の芳香族炭化水素基は、炭素数6~22のものが好ましく、6~18がより好ましく、6~10がさらに好ましい。2価の脂肪族炭化水素基と2価の芳香族炭化水素基の組み合わせに係る基(例えば、アリーレンアルキル基)は、炭素数7~22のものが好ましく、7~18がより好ましく、7~10がさらに好ましい。
直鎖または分岐の鎖状アルキレン基は、炭素数1~12のものが好ましく、2~6がより好ましく、2~4がさらに好ましい。
環状アルキレン基は、炭素数3~12のものが好ましく、3~6がより好ましい。
鎖状アルキレン基と環状アルキレン基の組み合わせに係る基は、炭素数4~24のものが好ましく、4~12がより好ましく、4~6がさらに好ましい。
酸素原子を鎖中に有するアルキレン基は、鎖状でも環状でもよく、直鎖でも分岐でもよい。酸素原子を鎖中に有するアルキレン基は、炭素数1~12のものが好ましく、1~6がより好ましく、1~3がさらに好ましい。
環状のアルケニレン基は、炭素数3~12のものが好ましく、3~6がより好ましい。環状のアルケニレン基は、C=C結合の数は1~6が好ましく、1~4がより好ましく、1~2がさらに好ましい。
アリーレン基は、炭素数6~22のものが好ましく、6~18がより好ましく、6~10がさらに好ましい。
アリーレンアルキレン基は、炭素数7~23のものが好ましく、7~19がより好ましく、7~11がさらに好ましい。
中でも、鎖状アルキレン基、環状アルキレン基、酸素原子を鎖中に有するアルキレン基、鎖状のアルケニレン基、アリーレン基、アリーレンアルキレン基が好ましく、1,2-エチレン基、プロパンジイル基(特に1,3-プロパンジイル基)、シクロヘキサンジイル基(特に1,2-シクロヘキサンジイル基)、ビニレン基(特にシスビニレン基)、フェニレン基(1,2-フェニレン基)、フェニレンメチレン基(特に1,2-フェニレンメチレン基)、エチレンオキシエチレン基(特に1,2-エチレンオキシ-1,2-エチレン基)がより好ましい。
塩基発生剤は、1種又は2種以上を用いることができる。2種以上を用いる場合は、合計量が上記範囲であることが好ましい。
また、本発明の樹脂組成物は、特定化合物以外の塩基発生剤を実質的に含まない態様とすることもできる。
具体的には、特定化合物以外の塩基発生剤の含有量が、樹脂組成物の全質量に対して、1質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以下であることがより好ましく、0.1質量%以下であることが更に好ましい。下限は特に限定されず、0質量%であってもよい。
本発明の樹脂組成物は、溶剤を含むことが好ましい。
溶剤は、公知の溶剤を任意に使用できる。溶剤は有機溶剤が好ましい。有機溶剤としては、エステル類、エーテル類、ケトン類、環状炭化水素類、スルホキシド類、アミド類、ウレア類、アルコール類などの化合物が挙げられる。
本発明の樹脂組成物は、電極や配線などに用いられる金属材料との接着性を向上させるための金属接着性改良剤を含んでいることが好ましい。金属接着性改良剤としては、アルコキシシリル基を有するシランカップリング剤、アルミニウム系接着助剤、チタン系接着助剤、スルホンアミド構造を有する化合物及びチオウレア構造を有する化合物、リン酸誘導体化合物、βケトエステル化合物、アミノ化合物等が挙げられる。
シランカップリング剤としては、例えば、国際公開第2015/199219号の段落0167に記載の化合物、特開2014-191002号公報の段落0062~0073に記載の化合物、国際公開第2011/080992号の段落0063~0071に記載の化合物、特開2014-191252号公報の段落0060~0061に記載の化合物、特開2014-041264号公報の段落0045~0052に記載の化合物、国際公開第2014/097594号の段落0055に記載の化合物、特開2018-173573の段落0067~0078に記載の化合物が挙げられ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。また、特開2011-128358号公報の段落0050~0058に記載のように異なる2種以上のシランカップリング剤を用いることも好ましい。また、シランカップリング剤は、下記化合物を用いることも好ましい。以下の式中、Meはメチル基を、Etはエチル基を表す。
アルミニウム系接着助剤としては、例えば、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート等を挙げることができる。
本発明の樹脂組成物は、マイグレーション抑制剤を更に含むことが好ましい。マイグレーション抑制剤を含むことにより、金属層(金属配線)由来の金属イオンが膜内へ移動することを効果的に抑制可能となる。
また、本発明の樹脂組成物がマイグレーション抑制剤を実質的に含有しない態様も、本発明の好ましい態様の一つである。
マイグレーション抑制剤を実質的に含有しないとは、本発明の樹脂組成物の全固形分に対し、マイグレーション抑制剤の含有量が0.01質量%未満であることをいう。
本発明の樹脂組成物は、重合禁止剤を含むことが好ましい。重合禁止剤としてはフェノール系化合物、キノン系化合物、アミノ系化合物、N-オキシルフリーラジカル化合物系化合物、ニトロ系化合物、ニトロソ系化合物、ヘテロ芳香環系化合物、金属化合物などが挙げられる。
本発明の樹脂組成物は、本発明の効果が得られる範囲で、必要に応じて、各種の添加物、例えば、界面活性剤、高級脂肪酸誘導体、熱重合開始剤、無機粒子、紫外線吸収剤、有機チタン化合物、酸化防止剤、凝集防止剤、フェノール系化合物、他の高分子化合物、可塑剤及びその他の助剤類(例えば、消泡剤、難燃剤など)等を配合することができる。これらの成分を適宜含有させることにより、膜物性などの性質を調整することができる。これらの成分は、例えば、特開2012-003225号公報の段落番号0183以降(対応する米国特許出願公開第2013/0034812号明細書の段落番号0237)の記載、特開2008-250074号公報の段落番号0101~0104、0107~0109等の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。これらの添加剤を配合する場合、その合計配合量は本発明の樹脂組成物の固形分の3質量%以下とすることが好ましい。
界面活性剤としては、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、炭化水素系界面活性剤などの各種界面活性剤を使用できる。界面活性剤はノニオン型界面活性剤であってもよく、カチオン型界面活性剤であってもよく、アニオン型界面活性剤であってもよい。
フッ素系界面活性剤は、フッ素原子を有する(メタ)アクリレート化合物に由来する繰り返し単位と、アルキレンオキシ基(好ましくはエチレンオキシ基、プロピレンオキシ基)を2以上(好ましくは5以上)有する(メタ)アクリレート化合物に由来する繰り返し単位と、を含む含フッ素高分子化合物も好ましく用いることができ、下記化合物も本発明で用いられるフッ素系界面活性剤として例示される。
フッ素系界面活性剤は、エチレン性不飽和基を側鎖に有する含フッ素重合体をフッ素系界面活性剤として用いることもできる。具体例としては、特開2010-164965号公報の段落0050~0090および段落0289~0295に記載された化合物が挙げられ、この内容は本明細書に組み込まれる。また、市販品としては、例えばDIC(株)製のメガファックRS-101、RS-102、RS-718K等が挙げられる。
界面活性剤の含有量は、組成物の全固形分に対して、0.001~2.0質量%が好ましく、0.005~1.0質量%がより好ましい。
本発明の樹脂組成物は、酸素に起因する重合阻害を防止するために、ベヘン酸やベヘン酸アミドのような高級脂肪酸誘導体を添加して、塗布後の乾燥の過程で本発明の樹脂組成物の表面に偏在させてもよい。
本発明の樹脂組成物は、熱重合開始剤を含んでもよく、特に熱ラジカル重合開始剤を含んでもよい。熱ラジカル重合開始剤は、熱のエネルギーによってラジカルを発生し、重合性を有する化合物の重合反応を開始又は促進させる化合物である。熱ラジカル重合開始剤を添加することによって樹脂及び重合性化合物の重合反応を進行させることもできるので、より耐溶剤性を向上できる。また、上述した光重合開始剤も熱により重合を開始する機能を有する場合があり、熱重合開始剤として添加することができる場合がある。
本発明の樹脂組成物は、無機粒子を含んでもよい。無機粒子として、具体的には、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、シリカ、カオリン、タルク、二酸化チタン、アルミナ、硫酸バリウム、フッ化カルシウム、フッ化リチウム、ゼオライト、硫化モリブデン、ガラス等を含むことができる。
無機粒子の上記平均粒子径は、一次粒子径であり、また体積平均粒子径である。体積平均粒子径は、Nanotrac WAVE II EX-150(日機装社製)による動的光散乱法で測定できる。
上記測定が困難である場合は、遠心沈降光透過法、X線透過法、レーザー回折・散乱法で測定することもできる。
本発明の組成物は、紫外線吸収剤を含んでいてもよい。紫外線吸収剤としては、サリシレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、置換アクリロニトリル系、トリアジン系などの紫外線吸収剤を使用することができる。
サリシレート系紫外線吸収剤の例としては、フェニルサリシレート、p-オクチルフェニルサリシレート、p-t-ブチルフェニルサリシレートなどが挙げられ、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤の例としては、2,2’-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4,4’-ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’-テトラヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-オクトキシベンゾフェノンなどが挙げられる。また、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の例としては、2-(2’-ヒドロキシ-3’,5’-ジ-tert-ブチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3’-tert-ブチル-5’-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3’-tert-アミル-5’-イソブチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3’-イソブチル-5’-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3’-イソブチル-5’-プロピルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3’,5’-ジ-tert-ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-5’-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-[2’-ヒドロキシ-5’-(1,1,3,3-テトラメチル)フェニル]ベンゾトリアゾールなどが挙げられる。
本発明の組成物は、紫外線吸収剤を含んでも含まなくてもよいが、含む場合、紫外線吸収剤の含有量は、本発明の組成物の全固形分質量に対して、0.001質量%以上1質量%以下であることが好ましく、0.01質量%以上0.1質量%以下であることがより好ましい。
本実施形態の樹脂組成物は、有機チタン化合物を含有してもよい。樹脂組成物が有機チタン化合物を含有することにより、低温で硬化した場合であっても耐薬品性に優れる樹脂層を形成できる。
有機チタン化合物の具体例を、以下のI)~VII)に示す:
I)チタンキレート化合物:中でも、樹脂組成物の保存安定性がよく、良好な硬化パターンが得られることから、アルコキシ基を2個以上有するチタンキレート化合物がより好ましい。具体的な例は、チタニウムビス(トリエタノールアミン)ジイソプロポキサイド、チタニウムジ(n-ブトキサイド)ビス(2,4-ペンタンジオネート)、チタニウムジイソプロポキサイドビス(2,4-ペンタンジオネート)、チタニウムジイソプロポキサイドビス(テトラメチルヘプタンジオネート)、チタニウムジイソプロポキサイドビス(エチルアセトアセテート)等である。
II)テトラアルコキシチタン化合物:例えば、チタニウムテトラ(n-ブトキサイド)、チタニウムテトラエトキサイド、チタニウムテトラ(2-エチルヘキソキサイド)、チタニウムテトライソブトキサイド、チタニウムテトライソプロポキサイド、チタニウムテトラメトキサイド、チタニウムテトラメトキシプロポキサイド、チタニウムテトラメチルフェノキサイド、チタニウムテトラ(n-ノニロキサイド)、チタニウムテトラ(n-プロポキサイド)、チタニウムテトラステアリロキサイド、チタニウムテトラキス[ビス{2,2-(アリロキシメチル)ブトキサイド}]等である。
III)チタノセン化合物:例えば、ペンタメチルシクロペンタジエニルチタニウムトリメトキサイド、ビス(η5-2,4-シクロペンタジエン-1-イル)ビス(2,6-ジフルオロフェニル)チタニウム、ビス(η5-2,4-シクロペンタジエン-1-イル)ビス(2,6-ジフルオロ-3-(1H-ピロール-1-イル)フェニル)チタニウム等である。
IV)モノアルコキシチタン化合物:例えば、チタニウムトリス(ジオクチルホスフェート)イソプロポキサイド、チタニウムトリス(ドデシルベンゼンスルホネート)イソプロポキサイド等である。
V)チタニウムオキサイド化合物:例えば、チタニウムオキサイドビス(ペンタンジオネート)、チタニウムオキサイドビス(テトラメチルヘプタンジオネート)、フタロシアニンチタニウムオキサイド等である。
VI)チタニウムテトラアセチルアセトネート化合物:例えば、チタニウムテトラアセチルアセトネート等である。
VII)チタネートカップリング剤:例えば、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート等である。
本発明の組成物は、酸化防止剤を含んでいてもよい。添加剤として酸化防止剤を含有することで、硬化後の膜の伸度特性や、金属材料との密着性を向上させることができる。酸化防止剤としては、フェノール化合物、亜リン酸エステル化合物、チオエーテル化合物などが挙げられる。フェノール化合物としては、フェノール系酸化防止剤として知られる任意のフェノール化合物を使用することができる。好ましいフェノール化合物としては、ヒンダードフェノール化合物が挙げられる。フェノール性ヒドロキシ基に隣接する部位(オルト位)に置換基を有する化合物が好ましい。上述の置換基としては炭素数1~22の置換又は無置換のアルキル基が好ましい。また、酸化防止剤は、同一分子内にフェノール基と亜リン酸エステル基を有する化合物も好ましい。また、酸化防止剤は、リン系酸化防止剤も好適に使用することができる。リン系酸化防止剤としてはトリス[2-[[2,4,8,10-テトラキス(1,1-ジメチルエチル)ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン-6-イル]オキシ]エチル]アミン、トリス[2-[(4,6,9,11-テトラ-tert-ブチルジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン-2-イル)オキシ]エチル]アミン、亜リン酸エチルビス(2,4-ジ-tert-ブチル-6-メチルフェニル)などが挙げられる。酸化防止剤の市販品としては、例えば、アデカスタブ AO-20、アデカスタブ AO-30、アデカスタブ AO-40、アデカスタブ AO-50、アデカスタブ AO-50F、アデカスタブ AO-60、アデカスタブ AO-60G、アデカスタブ AO-80、アデカスタブ AO-330(以上、(株)ADEKA製)などが挙げられる。また、酸化防止剤は、特許第6268967号公報の段落番号0023~0048に記載された化合物を使用することもでき、この内容は本明細書に組み込まれる。また、本発明の組成物は、必要に応じて、潜在酸化防止剤を含有してもよい。潜在酸化防止剤としては、酸化防止剤として機能する部位が保護基で保護された化合物であって、100~250℃で加熱するか、又は酸/塩基触媒存在下で80~200℃で加熱することにより保護基が脱離して酸化防止剤として機能する化合物が挙げられる。潜在酸化防止剤としては、国際公開第2014/021023号、国際公開第2017/030005号、特開2017-008219号公報に記載された化合物が挙げられ、この内容は本明細書に組み込まれる。潜在酸化防止剤の市販品としては、アデカアークルズGPA-5001((株)ADEKA製)等が挙げられる。
好ましい酸化防止剤の例としては、2,2-チオビス(4-メチル-6-t-ブチルフェノール)、2,6-ジ-t-ブチルフェノールおよび式(3)で表される化合物が挙げられる。
本実施形態の樹脂組成物は、必要に応じて凝集防止剤を含有してもよい。凝集防止剤としては、ポリアクリル酸ナトリウム等が挙げられる。
本発明の組成物は、凝集防止剤を含んでも含まなくてもよいが、含む場合、凝集防止剤の含有量は、本発明の組成物の全固形分質量に対して、0.01質量%以上10質量%以下であることが好ましく、0.02質量%以上5質量%以下であることがより好ましい。
本実施形態の樹脂組成物は、必要に応じてフェノール系化合物を含有してもよい。フェノール系化合物としては、Bis-Z、BisP-EZ、TekP-4HBPA、TrisP-HAP、TrisP-PA、BisOCHP-Z、BisP-MZ、BisP-PZ、BisP-IPZ、BisOCP-IPZ、BisP-CP、BisRS-2P、BisRS-3P、BisP-OCHP、メチレントリス-FR-CR、BisRS-26X(以上、商品名、本州化学工業(株)製)、BIP-PC、BIR-PC、BIR-PTBP、BIR-BIPC-F(以上、商品名、旭有機材工業(株)製)等が挙げられる。
本発明の組成物は、フェノール系化合物を含んでも含まなくてもよいが、含む場合、フェノール系化合物の含有量は、本発明の組成物の全固形分質量に対して、0.01質量%以上30質量%以下であることが好ましく、0.02質量%以上20質量%以下であることがより好ましい。
他の高分子化合物としては、シロキサン樹脂、(メタ)アクリル酸を共重合した(メタ)アクリルポリマー、ノボラック樹脂、レゾール樹脂、ポリヒドロキシスチレン樹脂およびそれらの共重合体などが挙げられる。他の高分子化合物はメチロール基、アルコキシメチル基、エポキシ基などの架橋基が導入された変性体であってもよい。
本発明の組成物は、他の高分子化合物を含んでも含まなくてもよいが、含む場合、他の高分子化合物の含有量は、本発明の組成物の全固形分質量に対して、0.01質量%以上30質量%以下であることが好ましく、0.02質量%以上20質量%以下であることがより好ましい。
本発明の樹脂組成物の粘度は、樹脂組成物の固形分濃度により調整できる。塗布膜厚の観点から、1,000mm2/s~12,000mm2/sが好ましく、2,000mm2/s~10,000mm2/sがより好ましく、2,500mm2/s~8,000mm2/sが更に好ましい。上記範囲であれば、均一性の高い塗布膜を得ることが容易になる。1,000mm2/s以上であれば、例えば再配線用絶縁膜として必要とされる膜厚で塗布することが容易であり、12,000mm2/s以下であれば、塗布面状に優れた塗膜が得られる。
本発明の樹脂組成物の含水率は、2.0質量%未満であることが好ましく、1.5質量%未満であることがより好ましく、1.0質量%未満であることが更に好ましい。2.0%未満であれば、樹脂組成物の保存安定性が向上する。
水分の含有量を維持する方法としては、保管条件における湿度の調整、保管時の収容容器の空隙率低減などが挙げられる。
ハロゲン原子の含有量を調節する方法としては、イオン交換処理などが好ましく挙げられる。
本発明の樹脂組成物を硬化することにより、この樹脂組成物の硬化物を得ることができる。
本発明の硬化物は、本発明の樹脂組成物を硬化してなる硬化物である。
樹脂組成物の硬化は加熱によるものであることが好ましく、加熱温度が120℃~400℃の範囲内であることがより好ましく、140℃~380℃の範囲内にあることが更に好ましく、170℃~350℃の範囲内にあることが特に好ましい。
本発明の樹脂組成物を硬化した際の収縮率は、50%以下が好ましく、45%以下がより好ましく、40%以下が更に好ましい。ここで、収縮率は、樹脂組成物の硬化前後の体積変化の百分率を指し、下記の式より算出することができる。
収縮率[%]=100-(硬化後の体積÷硬化前の体積)×100
本発明の樹脂組成物の硬化物のイミド化反応率は、70%以上が好ましく、80%以上がより好ましく、90%以上が更に好ましい。70%以上であれば、機械特性に優れた硬化物となる場合がある。
本発明の樹脂組成物の硬化物の破断伸びは、30%以上が好ましく、40%以上がより好ましく、50%以上が更に好ましい。
本発明の樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度(Tg)は、180℃以上であることが好ましく、210℃以上であることがより好ましく、230℃以上であることがさらに好ましい。
硬化物におけるフタルイミド構造としては、下記式(PH-1)で表されるフタルイミド構造が好ましく挙げられる。
例えば、本発明の樹脂組成物がポリイミド前駆体又はポリイミドを含む場合、ポリイミド前駆体又はポリイミドの末端に存在するフタル酸構造又はフタル酸エステル構造と、特定化合物から発生した塩基とが反応して、フタルイミド構造を形成することが好ましい。
本発明の樹脂組成物は、上記各成分を混合して調製することができる。混合方法は特に限定はなく、従来公知の方法で行うことができる。
混合は撹拌羽による混合、ボールミルによる混合、タンク自身を回転させる混合などを採用することができる。
混合中の温度は10~30℃が好ましく、15~25℃がより好ましい。
フィルターを用いたろ過の他、吸着材を用いた不純物の除去処理を行ってもよい。フィルターろ過と吸着材を用いた不純物除去処理とを組み合わせてもよい。吸着材としては、公知の吸着材を用いることができる。例えば、シリカゲル、ゼオライトなどの無機系吸着材、活性炭などの有機系吸着材が挙げられる。
更にフィルターを用いたろ過後、ボトルに充填した樹脂組成物を減圧下に置き、脱気する工程を施しても良い。
本発明の硬化物の製造方法は、樹脂組成物を基材上に適用して膜を形成する膜形成工程を含むことが好ましい。
また、本発明の硬化物の製造方法は、上記膜形成工程、膜形成工程により形成された膜を選択的に露光する露光工程、及び、露光工程により露光された膜を現像液を用いて現像してパターンを形成する現像工程を含むことがより好ましい。
本発明の硬化物の製造方法は、上記膜形成工程、上記露光工程、上記現像工程、並びに、現像工程により得られたパターンを加熱する加熱工程及び現像工程により得られたパターンを露光する現像後露光工程の少なくとも一方を含むことが特に好ましい。
また、本発明の製造方法は、上記膜形成工程、及び、上記膜を加熱する工程を含むことも好ましい。
以下、各工程の詳細について説明する。
本発明の樹脂組成物は、基材上に適用して膜を形成する膜形成工程に用いることができる。
本発明の硬化物の製造方法は、樹脂組成物を基材上に適用して膜を形成する膜形成工程を含むことが好ましい。
基材の種類は、用途に応じて適宜定めることができるが、シリコン、窒化シリコン、ポリシリコン、酸化シリコン、アモルファスシリコンなどの半導体作製基材、石英、ガラス、光学フィルム、セラミック材料、蒸着膜、磁性膜、反射膜、Ni、Cu、Cr、Feなどの金属基材(例えば、金属から形成された基材、及び、金属層が例えばめっきや蒸着等により形成された基材のいずれであってもよい)、紙、SOG(Spin On Glass)、TFT(薄膜トランジスタ)アレイ基材、モールド基材、プラズマディスプレイパネル(PDP)の電極板などが挙げられ、特に制約されない。本発明では、特に、半導体作製基材が好ましく、シリコン基材、Cu基材およびモールド基材がより好ましい。
また、これらの基材にはヘキサメチルジシラザン(HMDS)等による密着層や酸化層などの層が表面に設けられていてもよい。
また、基材の形状は特に限定されず、円形状であってもよく、矩形状であってもよい。
基材のサイズとしては、円形状であれば、例えば直径が100~450mmであり、好ましくは200~450mmである。矩形状であれば、例えば短辺の長さが100~1000mmであり、好ましくは200~700mmである。
また、基材としては、例えば板状、好ましくはパネル状の基材(基板)が用いられる。
また、あらかじめ仮支持体上に上記付与方法によって付与して形成した塗膜を、基材上に転写する方法を適用することもできる。
転写方法に関しては特開2006-023696号公報の段落0023、0036~0051や、特開2006-047592号公報の段落0096~0108に記載の作製方法を本発明においても好適に用いることができる。
また、基材の端部において余分な膜の除去を行なう工程を行なってもよい。このような工程の例には、エッジビードリンス(EBR)、バックリンスなどが挙げられる。
また樹脂組成物を基材に塗布する前に基材を種々の溶剤を塗布し、基材の濡れ性を向上させた後に樹脂組成物を塗布するプリウェット工程を採用しても良い。
上記膜は、膜形成工程(層形成工程)の後に、溶剤を除去するために形成された膜(層)を乾燥する工程(乾燥工程)に供されてもよい。
すなわち、本発明の硬化物の製造方法は、膜形成工程により形成された膜を乾燥する乾燥工程を含んでもよい。
また、上記乾燥工程は膜形成工程の後、露光工程の前に行われることが好ましい。
乾燥工程における膜の乾燥温度は50~150℃であることが好ましく、70℃~130℃がより好ましく、90℃~110℃が更に好ましい。また、減圧により乾燥を行っても良い。乾燥時間としては、30秒~20分が例示され、1分~10分が好ましく、2分~7分がより好ましい。
上記膜は、膜を選択的に露光する露光工程に供されてもよい。
すなわち、本発明の硬化物の製造方法は、膜形成工程により形成された膜を選択的に露光する露光工程を含んでもよい。
選択的に露光するとは、膜の一部を露光することを意味している。また、選択的に露光することにより、膜には露光された領域(露光部)と露光されていない領域(非露光部)が形成される。
露光量は、本発明の樹脂組成物を硬化できる限り特に定めるものではないが、例えば、波長365nmでの露光エネルギー換算で50~10,000mJ/cm2が好ましく、200~8,000mJ/cm2がより好ましい。
また、露光の方式は特に限定されず、本発明の樹脂組成物からなる膜の少なくとも一部が露光される方式であればよいが、フォトマスクを使用した露光、レーザーダイレクトイメージング法による露光等が挙げられる。
上記膜は、露光後に加熱する工程(露光後加熱工程)に供されてもよい。
すなわち、本発明の硬化物の製造方法は、露光工程により露光された膜を加熱する露光後加熱工程を含んでもよい。
露光後加熱工程は、露光工程後、現像工程前に行うことができる。
露光後加熱工程における加熱温度は、50℃~140℃であることが好ましく、60℃~120℃であることがより好ましい。
露光後加熱工程における加熱時間は、30秒間~300分間が好ましく、1分間~10分間がより好ましい。
露光後加熱工程における昇温速度は、加熱開始時の温度から最高加熱温度まで1~12℃/分が好ましく、2~10℃/分がより好ましく、3~10℃/分が更に好ましい。
また、昇温速度は加熱途中で適宜変更してもよい。
露光後加熱工程における加熱手段としては、特に限定されず、公知のホットプレート、オーブン、赤外線ヒーター等を用いることができる。
また、加熱に際し、窒素、ヘリウム、アルゴンなどの不活性ガスを流す等により、低酸素濃度の雰囲気で行うことも好ましい。
露光後の上記膜は、現像液を用いて現像してパターンを形成する現像工程に供されてもよい。
すなわち、本発明の硬化物の製造方法は、露光工程により露光された膜を現像液を用いて現像してパターンを形成する現像工程を含んでもよい。
現像を行うことにより、膜の露光部及び非露光部のうち一方が除去され、パターンが形成される。
ここで、膜の非露光部が現像工程により除去される現像をネガ型現像といい、膜の露光部が現像工程により除去される現像をポジ型現像という。
現像工程において用いられる現像液としては、アルカリ水溶液、又は、有機溶剤を含む現像液が挙げられる。
他の成分としては、例えば、公知の界面活性剤や公知の消泡剤等が挙げられる。
現像液の供給方法は、所望のパターンを形成できれば特に制限は無く、膜が形成された基材を現像液に浸漬する方法、基材上に形成された膜にノズルを用いて現像液を供給するパドル現像、または、現像液を連続供給する方法がある。ノズルの種類は特に制限は無く、ストレートノズル、シャワーノズル、スプレーノズル等が挙げられる。
現像液の浸透性、非画像部の除去性、製造上の効率の観点から、現像液をストレートノズルで供給する方法、又はスプレーノズルにて連続供給する方法が好ましく、画像部への現像液の浸透性の観点からは、スプレーノズルで供給する方法がより好ましい。
また、現像液をストレートノズルにて連続供給後、基材をスピンし現像液を基材上から除去し、スピン乾燥後に再度ストレートノズルにて連続供給後、基材をスピンし現像液を基材上から除去する工程を採用してもよく、この工程を複数回繰り返しても良い。
また現像工程における現像液の供給方法としては、現像液が連続的に基材に供給され続ける工程、基材上で現像液が略静止状態で保たれる工程、基材上で現像液を超音波等で振動させる工程及びそれらを組み合わせた工程などが採用可能である。
現像液がアルカリ水溶液である場合、リンス液としては、例えば水を用いることができる。現像液が有機溶剤を含む現像液である場合、リンス液としては、例えば、現像液に含まれる溶剤とは異なる溶剤(例えば、水、現像液に含まれる有機溶剤とは異なる有機溶剤)を用いることができる。
他の成分としては、例えば、公知の界面活性剤や公知の消泡剤等が挙げられる。
リンス液の供給方法は、所望のパターンを形成できれば特に制限は無く、基材をリンス液に浸漬する方法、基材に液盛りによりリンス液を供給する方法、基材にリンス液をシャワーで供給する方法、基材上にストレートノズル等の手段によりリンス液を連続供給する方法がある。
リンス液の浸透性、非画像部の除去性、製造上の効率の観点から、リンス液をシャワーノズル、ストレートノズル、スプレーノズルなどで供給する方法があり、スプレーノズルにて連続供給する方法が好ましく、画像部へのリンス液の浸透性の観点からは、スプレーノズルで供給する方法がより好ましい。ノズルの種類は特に制限は無く、ストレートノズル、シャワーノズル、スプレーノズル等が挙げられる。
すなわち、リンス工程は、リンス液を上記露光後の膜に対してストレートノズルにより供給、又は、連続供給する工程であることが好ましく、リンス液をスプレーノズルにより供給する工程であることがより好ましい。
またリンス工程におけるリンス液の供給方法としては、リンス液が連続的に基材に供給され続ける工程、基材上でリンス液が略静止状態で保たれる工程、基材上でリンス液を超音波等で振動させる工程及びそれらを組み合わせた工程などが採用可能である。
現像工程により得られたパターン(リンス工程を行う場合は、リンス後のパターン)は、上記現像により得られたパターンを加熱する加熱工程に供されてもよい。
すなわち、本発明の硬化物の製造方法は、現像工程により得られたパターンを加熱する加熱工程を含んでもよい。
また、本発明の硬化物の製造方法は、現像工程を行わずに他の方法で得られたパターン、又は、膜形成工程により得られた膜を加熱する加熱工程を含んでもよい。
加熱工程において、ポリイミド前駆体等の樹脂は環化してポリイミド等の樹脂となる。
また、特定樹脂、又は特定樹脂以外の架橋剤における未反応の架橋性基の架橋なども進行する。
加熱工程における加熱温度(最高加熱温度)としては、50~450℃が好ましく、150~350℃がより好ましく、150~250℃が更に好ましく、160~250℃が一層好ましく、160~230℃が特に好ましい。
加えて、急速加熱可能なオーブンの場合、加熱開始時の温度から最高加熱温度まで1~8℃/秒の昇温速度で行うことが好ましく、2~7℃/秒がより好ましく、3~6℃/秒が更に好ましい。
上記加熱温度の上限は、350℃以下であることが好ましく、250℃以下であることがより好ましく、240℃以下であることが更に好ましい。
更に、加熱後冷却してもよく、この場合の冷却速度としては、1~5℃/分であることが好ましい。
加熱工程における加熱手段としては、特に限定されないが、例えばホットプレート、赤外炉、電熱式オーブン、熱風式オーブン、赤外線オーブンなどが挙げられる。
現像工程により得られた(リンス工程を行う場合は、リンス後のパターン)は、上記加熱工程に代えて、又は、上記加熱工程に加えて、現像工程後のパターンを露光する現像後露光工程に供されてもよい。
すなわち、本発明の硬化物の製造方法は、現像工程により得られたパターンを露光する現像後露光工程を含んでもよい。本発明の硬化物の製造方法は、加熱工程及び現像後露光工程を含んでもよいし、加熱工程及び現像後露光工程の一方のみを含んでもよい。
現像後露光工程においては、例えば、光塩基発生剤の感光によってポリイミド前駆体等の環化が進行する反応や、光酸発生剤の感光によって酸分解性基の脱離が進行する反応などを促進することができる。
現像後露光工程においては、現像工程において得られたパターンの少なくとも一部が露光されればよいが、上記パターンの全部が露光されることが好ましい。
現像後露光工程における露光量は、感光性化合物が感度を有する波長における露光エネルギー換算で、50~20,000mJ/cm2であることが好ましく、100~15,000mJ/cm2であることがより好ましい。
現像後露光工程は、例えば、上述の露光工程における光源を用いて行うことができ、ブロードバンド光を用いることが好ましい。
現像工程により得られたパターン(加熱工程及び現像後露光工程の少なくとも一方に供されたものが好ましい)は、パターン上に金属層を形成する金属層形成工程に供されてもよい。
すなわち、本発明の硬化物の製造方法は、現像工程により得られたパターン(加熱工程及び現像後露光工程少なくとも一方に供されたものが好ましい)上に金属層を形成する金属層形成工程を含むことが好ましい。
本発明の硬化物の製造方法、又は、本発明の硬化物の適用可能な分野としては、電子デバイスの絶縁膜、再配線層用層間絶縁膜、ストレスバッファ膜などが挙げられる。そのほか、封止フィルム、基板材料(フレキシブルプリント基板のベースフィルムやカバーレイ、層間絶縁膜)、又は上記のような実装用途の絶縁膜をエッチングでパターン形成することなどが挙げられる。これらの用途については、例えば、サイエンス&テクノロジー(株)「ポリイミドの高機能化と応用技術」2008年4月、柿本雅明/監修、CMCテクニカルライブラリー「ポリイミド材料の基礎と開発」2011年11月発行、日本ポリイミド・芳香族系高分子研究会/編「最新ポリイミド 基礎と応用」エヌ・ティー・エス,2010年8月等を参照することができる。
本発明の積層体とは、本発明の硬化物からなる層を複数層有する構造体をいう。
本発明の積層体は、硬化物からなる層を2層以上含む積層体であり、3層以上積層した積層体としてもよい。
上記積層体に含まれる2層以上の上記硬化物からなる層のうち、少なくとも1つが本発明の硬化物からなる層であり、硬化物の収縮、又は、上記収縮に伴う硬化物の変形等を抑制する観点からは、上記積層体に含まれる全ての硬化物からなる層が本発明の硬化物からなる層であることも好ましい。
すなわち、本発明の積層体の製造方法は、複数回行われる硬化物の製造方法の間に、硬化物からなる層上に金属層を形成する金属層形成工程を更に含むことが好ましい。金属層形成工程の好ましい態様は上述の通りである。
上記積層体としては、例えば、第一の硬化物からなる層、金属層、第二の硬化物からなる層の3つの層がこの順に積層された層構造を少なくとも含む積層体が好ましいものとして挙げられる。
上記第一の硬化物からなる層及び上記第二の硬化物からなる層は、いずれも本発明の硬化物からなる層であることが好ましい。上記第一の硬化物からなる層の形成に用いられる本発明の樹脂組成物と、上記第二の硬化物からなる層の形成に用いられる本発明の樹脂組成物とは、組成が同一の組成物であってもよいし、組成が異なる組成物であってもよい。本発明の積層体における金属層は、再配線層などの金属配線として好ましく用いられる。
本発明の積層体の製造方法は、積層工程を含むことが好ましい。
積層工程とは、パターン(樹脂層)又は金属層の表面に、再度、(a)膜形成工程(層形成工程)、(b)露光工程、(c)現像工程、(d)加熱工程及び現像後露光工程の少なくとも一方を、この順に行うことを含む一連の工程である。ただし、(a)の膜形成工程および(d)加熱工程及び現像後露光工程の少なくとも一方を繰り返す態様であってもよい。また、(d)加熱工程及び現像後露光工程の少なくとも一方の後には(e)金属層形成工程を含んでもよい。積層工程には、更に、上記乾燥工程等を適宜含んでいてもよいことは言うまでもない。
例えば、樹脂層/金属層/樹脂層/金属層/樹脂層/金属層のように、樹脂層を2層以上20層以下とする構成が好ましく、2層以上9層以下とする構成が更に好ましい。
上記各層はそれぞれ、組成、形状、膜厚等が同一であってもよいし、異なっていてもよい。
本発明の積層体の製造方法は、上記金属層および樹脂組成物層の少なくとも一部を表面活性化処理する、表面活性化処理工程を含むことが好ましい。
表面活性化処理工程は、通常、金属層形成工程の後に行うが、上記現像工程の後(好ましくは、加熱工程及び現像後露光工程の少なくとも一方の後)、樹脂組成物層に表面活性化処理工程を行ってから、金属層形成工程を行ってもよい。
表面活性化処理は、金属層の少なくとも一部のみに行ってもよいし、露光後の樹脂組成物層の少なくとも一部のみに行ってもよいし、金属層および露光後の樹脂組成物層の両方について、それぞれ、少なくとも一部に行ってもよい。表面活性化処理は、金属層の少なくとも一部について行うことが好ましく、金属層のうち、表面に樹脂組成物層を形成する領域の一部または全部に表面活性化処理を行うことが好ましい。このように、金属層の表面に表面活性化処理を行うことにより、その表面に設けられる樹脂組成物層(膜)との密着性を向上させることができる。
また、表面活性化処理は、露光後の樹脂組成物層(樹脂層)の一部または全部についても行うことが好ましい。このように、樹脂組成物層の表面に表面活性化処理を行うことにより、表面活性化処理した表面に設けられる金属層や樹脂層との密着性を向上させることができる。特にネガ型現像を行う場合など、樹脂組成物層が硬化されている場合には、表面処理によるダメージを受けにくく、密着性が向上しやすい。
表面活性化処理としては、具体的には、各種原料ガス(酸素、水素、アルゴン、窒素、窒素/水素混合ガス、アルゴン/酸素混合ガスなど)のプラズマ処理、コロナ放電処理、CF4/O2、NF3/O2、SF6、NF3、NF3/O2によるエッチング処理、紫外線(UV)オゾン法による表面処理、塩酸水溶液に浸漬して酸化皮膜を除去した後にアミノ基とチオール基を少なくとも一種有する化合物を含む有機表面処理剤への浸漬処理、ブラシを用いた機械的な粗面化処理から選択され、プラズマ処理が好ましく、特に原料ガスに酸素を用いた酸素プラズマ処理が好ましい。コロナ放電処理の場合、エネルギーは、500~200,000J/m2が好ましく、1000~100,000J/m2がより好ましく、10,000~50,000J/m2が最も好ましい。
また、本発明は、本発明の硬化物、又は、本発明の積層体を含む半導体デバイスも開示する。
また、本発明は、本発明の硬化物の製造方法、又は、本発明の積層体の製造方法を含む半導体デバイスの製造方法も開示する。
本発明の樹脂組成物を再配線層用層間絶縁膜の形成に用いた半導体デバイスの具体例としては、特開2016-027357号公報の段落0213~0218の記載及び図1の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
本発明の化合物は、下記式(1-1)で表される化合物である。
2,2’-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン28.0g(76.4ミリモル)をN-メチルピロリドン200gに撹拌溶解した。続いて、ピリジン12.1g(153ミリモル)を加え、温度を-10~0℃に保ちながら、N-メチルピロリドン75gに4,4’-オキシジベンゾイルクロリド20.7g(70.1ミリモル)を溶解させた溶液を1時間かけて滴下した。30分間撹拌した後、塩化アセチル1.00g(12.7ミリモル)を加え、さらに60分間撹拌した。次いで、6リットルの水の中でポリベンゾオキサゾール前駆体樹脂を沈殿させ、水-ポリベンゾオキサゾール前駆体樹脂混合物を500rpmの速度で15分間撹拌した。ポリベンゾオキサゾール前駆体樹脂を濾過して除き、6リットルの水の中で再度30分間撹拌し再び濾過した。次いで、得られたポリベンゾオキサゾール前駆体樹脂を減圧下で、45℃で3日間乾燥し、ポリベンゾオキサゾール前駆体PBO-1を得た。このポリベンゾオキサゾール前駆体PBO-1は、Mw(重量平均分子量)=21500であった。
ポリベンゾオキサゾール前駆体PBO-1の構造は、下記式(PBO-1)で表される構造であると推測される。
14.06g(64.5ミリモル)のピロメリット酸二無水物(140℃で12時間乾燥したもの)と、16.8g(129ミリモル)の2-ヒドロキシエチルメタクリレートと、0.05gのハイドロキノンと、20.4gのピリジン(258ミリモル)と、100gのダイグライム(ジエチレングリコールジメチルエーテル)を混合し、60℃の温度で10時間撹拌した。さらに0.84g(6.45ミリモル)の2-ヒドロキシエチルメタクリレートを添加し、2時間撹拌して、ピロメリット酸と2-ヒドロキシエチルメタクリレートのジエステルを製造した。次いで、反応混合物を-10℃に冷却し、温度を-10±4℃に保ちながら16.12g(135.5ミリモル)のSOCl2を10分かけて加えた。SOCl2を加えている間、粘度が増加した。50mLのN-メチルピロリドンで希釈した後、反応混合物を室温で2時間撹拌した。次いで、100mLのN-メチルピロリドンに11.08g(58.7ミリモル)の4,4’-ジアミノジフェニルエーテルを溶解させた溶液を、-5~0℃で20分かけて反応混合物に滴下した。次いで、反応混合物を0℃で1時間反応させたのち、エタノールを70g加えて、室温で1晩撹拌した。次いで、5リットルの水の中でポリイミド前駆体を沈殿させ、水-ポリイミド前駆体混合物を5,000rpm(revolutions per minute)の速度で15分間撹拌した。ポリイミド前駆体をろ過して取得し、4リットルの水の中で再度30分間撹拌し再びろ過した。次いで、得られたポリイミド前駆体を減圧下で、45℃で3日間乾燥し、ポリイミド前駆体PI-1を得た。このポリイミド前駆体PI-1の重量平均分子量は、19,000であった。得られたポリイミド前駆体PI-1は、下記式(PI-1)で表される繰り返し単位を含むと推測される。
20.0g(64.5ミリモル)の3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸無水物(140℃で12時間乾燥したもの)と、16.8g(129ミリモル)の2-ヒドロキシエチルメタクリレートと、0.05gのハイドロキノンと、20.4g(258ミリモル)のピリジンと、100gのダイグライムとを混合し(含水率88ppm)、60℃の温度で10時間撹拌した。さらに0.84g(6.45ミリモル)の2-ヒドロキシエチルメタクリレートを添加し、2時間撹拌して、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸と2-ヒドロキシエチルメタクリレートのジエステルを製造した。次いで、得られたジエステルをSOCl2により塩素化した後、合成例2と同様の方法で4,4’-ジアミノジフェニルエーテルでポリイミド前駆体に変換し、合成例2と同様の方法でポリイミド前駆体PI-2を得た。このポリイミド前駆体PI-2の重量平均分子量は、20,000であった。得られたポリイミド前駆体PI-2は、下記式(PI-2)で表される繰り返し単位を含むと推測される。
20.0g(64.5ミリモル)の4,4’-オキシジフタル酸無水物(140℃で12時間乾燥したもの)と、16.8g(129ミリモル)の2-ヒドロキシエチルメタクリレートと、0.05gのハイドロキノンと、20.4gのピリジン(258ミリモル)と、100gのダイグライムとを混合し、60℃の温度で10時間撹拌した。さらに0.84g(6.45ミリモル)の2-ヒドロキシエチルメタクリレートを添加し、2時間攪拌して、4,4’-オキシジフタル酸と2-ヒドロキシエチルメタクリレートのジエステルを製造した。次いで、得られたジエステルをSOCl2により塩素化した後、合成例2と同様の方法で4,4’-ジアミノジフェニルエーテルでポリイミド前駆体に変換し、合成例2と同様の方法でポリイミド前駆体を得た。このポリイミド前駆体の重量平均分子量は、18,000であった。得られたポリイミド前駆体PI-3は、下記式(PI-3)で表される繰り返し単位を含むと推測される。
20.0g(64.5ミリモル)の4,4’-オキシジフタル酸無水物(140℃で12時間乾燥したもの)と、16.8g(129ミリモル)の2-ヒドロキシエチルメタクリレートと、0.05gのハイドロキノンと、20.4gのピリジン(258ミリモル)と、100gのダイグライムとを混合し(含水率67ppm)、60℃の温度で10時間撹拌した。さらに0.84g(6.45ミリモル)の2-ヒドロキシエチルメタクリレートを添加し、2時間攪拌して、4,4’-オキシジフタル酸と2-ヒドロキシエチルメタクリレートのジエステルを製造した。次いで、得られたジエステルをSOCl2により塩素化した後、合成例2と同様の方法で4,4’-ジアミノ-2,2’-ジメチルビフェニルでポリイミド前駆体に変換し、合成例2と同様の方法でポリイミド前駆体PI-4を得た。このポリイミド前駆体PI-4の重量平均分子量は、19,000であった。得られたポリイミド前駆体PI-4は、下記式(PI-4)で表される繰り返し単位を含むと推測される。
コンデンサー及び撹拌機を取り付けたフラスコ中で、水分を除去しながら、4,4’-(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物(東京化成工業(株)製)22.2g(50ミリモル)、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン1-オキシル フリーラジカル(東京化成工業(株)製)0.02gをN-メチルピロリドン(NMP)100.0gに溶解した。次いで、後述するジアミン(AA-1)11.9g(45ミリモル)を添加し、25℃で3時間撹拌し、45℃で更に3時間撹拌した。次いで、ピリジン15.8g(200ミリモル)、無水酢酸12.8g(125ミリモル)、N-メチルピロリドン(NMP)50gを添加し、80℃で、3時間撹拌し、N-メチルピロリドン(NMP)50gを加え、希釈した。
この反応液を、1リットルのメタノールの中で沈殿させ、3000rpmの速度で15分間撹拌した。樹脂を濾過して除き、1リットルのメタノールの中で再度30分間撹拌し再び濾過した。得られた樹脂を減圧下で、40℃で1日乾燥し、ポリイミドPBI-1を得た。PBI-1の分子量は、Mw=19,000であった。
ポリイミドPBI-1の構造は下記式(PBI-1)により表される構造であると推測される。
コンデンサー及び撹拌機を取り付けたフラスコ中で、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル(富士フイルム和光純薬(株)製)26.0g(0.2モル)、脱水ピリジン(富士フイルム和光純薬(株)製)17.4g(0.22モル)を78gの酢酸エチルに溶解し、5℃以下に冷却した。次いで、3,5-ジニトロベンゾイルクロリド(東京化成工業(株)製)48.4g(0.21モル)を145gの酢酸エチルに溶解し、この溶液を滴下ロートを使い、1時間かけてフラスコ中に滴下した。滴下終了後、10℃以下で30分撹拌し、25℃に昇温し、3時間撹拌した。次いで、反応液を酢酸エチル(CH3COOEt)600mLで希釈し、分液ロートに移し、水300mL、飽和重曹水300mL、希塩酸300mL、飽和食塩水300mLで順に洗浄した。分液洗浄後、硫酸マグネシウム30gで乾燥後、エバポレーターを用いて濃縮、真空乾燥し、ジニトロ体(A-1)を61.0g得た。
コンデンサー及び撹拌機を取り付けたフラスコに、還元鉄(富士フイルム和光純薬(株)製)27.9g(500ミリモル)、塩化アンモニウム(富士フイルム和光純薬(株)製)5.9g(110ミリモル)、酢酸(富士フイルム和光純薬(株)製)3.0g(50ミリモル)、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン 1-オキシル フリーラジカル(東京化成工業(株)製)0.03gを秤り取り、イソプロピルアルコール(IPA)200mL、純水30mLを添加し、撹拌した。
次いで、ジニトロ体(A-1)16.2gを少量ずつ1時間かけて添加し、30分撹拌した。次に、外温を85℃に昇温し、2時間撹拌し、25℃以下に冷却した後、セライト(登録商標)を使用してろ過した。ろ液をロータリーエバポレーターで濃縮し、酢酸エチル800mLに溶解した。これを分液ロートに移し、飽和重曹水300mLで2回洗浄し、水300mL、飽和食塩水300mLで順に洗浄した。分液洗浄後、硫酸マグネシウム30gで乾燥後、エバポレーターを用いて濃縮、真空乾燥し、ジアミン(AA-1)を11.0g得た。ジアミン(AA-1)であることはNMRスペクトルから確認した。
1H-NMRデータ(重クロロホルム、400MHz、内部標準:テトラメチルシラン)
δ(ppm)=1.95(s、3H)、3.68(s、4H)、4.45-4.47(m、2H)、4.50-4.53(m、2H)、5.58(s、1H)、6.14(s、1H)、6.19-6.20(t、1H)、6.77-6.78(d、2H)
各実施例において、それぞれ、下記表に記載の成分を混合し、各樹脂組成物を得た。また、比較例において、それぞれ、下記表に記載の成分を混合し、比較用組成物を得た。
具体的には、溶剤以外の表に記載の各成分の含有量(配合量)は、表の各欄の「質量部」の欄に記載の量(質量部)とした。
溶剤の含有量(配合量)は、組成物の固形分濃度が表中の「固形分濃度」の値(質量%)となるようにし、溶剤の全質量に対する各溶剤の含有量の比率(質量比)は、表中の「比率」の欄に記載の比率となるようにした。
得られた樹脂組成物及び比較用組成物を、細孔の幅が0.8μmのポリテトラフルオロエチレン製フィルターを用いて加圧ろ過した。
また、表中、「-」の記載は該当する成分を組成物が含有していないことを示している。
・樹脂PI-1~PI-4、PBO-1、PBI-1:上記合成例により得られたPI-1~PI-4、PBO-1、PBI-1
・B-1~B-5:下記式(B-1)~式(B-5)で表される化合物
・C-1:IRGACURE OXE 01(BASF社製)
・C-2:IRGACURE OXE 02(BASF社製)
・C-3:IRGACURE 369(BASF社製)
・C-4:下記構造の化合物
・D-1:A-DPH(新中村化学工業(株)製)
・D-2:SR-209(サートマー社製、下記構造の化合物)
・D-3:A-TMMT(新中村化学工業(株)製)
・E-1:2-ニトロソ-1-ナフトール(東京化成工業(株)製)
・E-2:パラベンゾキノン(東京化成工業(株)製)
・E-3:パラメトキシフェノール(東京化成工業(株)製)
・E-4:下記構造の化合物
・F-1~F-21:下記構造の化合物。F-1~F-21は上述の特定化合物に該当する化合物である。
・CF-1~CF-2:下記構造の化合物。CF-1~CF-2は上述の特定化合物に該当しない化合物である。
三口フラスコ内で、6-クロロプリン30g(0.19mol、東京化成工業(株))、1-ブタノール600mL、水100mLを混合した。室温下で撹拌し溶解後、エチレンジアミン(東京化成工業(株))130mLを1時間かけてフラスコ中に滴下した。滴下終了後、80℃で2時間反応を続けた。反応終了後、室温まで冷却し、ロータリーエバポレーターを用いて濃縮した。濃縮後、ジイソプロピルエーテル390mLとメタノール90mLの混合溶媒を加えることで結晶を析出させた。淡黄色の粉体F-1a(CF-1)28.3g(収率82%)を得た。F-1aの1H-NMRデータを以下に示す。1H-NMR(BRUKER、AVANCE NEO 400):δ(ppm,D2O)7.98(1H、s)、7.91(1H、s)、3.65-3.57(2H、t)、3.10-3.00(2H、t)
合成例F-1において中間体F-1aの合成において用いたエチレンジアミンを1,4-ジアミノブタン(東京化成工業(株))または1,2-ビス(2-アミノエトキシ)エタン(東京化成工業(株))に変えた以外はF-1の合成と同様の方法にてF-2、F-3を得た。
合成例F-1において用いた3,4-ジヒドロクマリンを2-クマラノン(東京化成工業(株))に変えた以外はF-1の合成と同様の方法にてF-4を得た。
三口フラスコ内でF-1を4.89g(15.0mmol)とメタクリル酸無水物(東京化成工業(株))30mLを混合した。80℃で10時間反応を続けた。反応終了後、反応液をジイソプロピルエーテル200mL中に滴下し、1時間撹拌後、吸引ろ過により白色粉体F-5を3.27g(収率55%)得た。F-5の1H-NMRデータを以下に示す。1H-NMR:δ(ppm,DMSO-d6):9.34(1H、s)、8.18(1H、s)、8.10(1H、s)、7.99(1H、t)、7.70-7.43(1H)、7.10-6.90(2H)、6.81-6.71(1H、d)、6.70-6.59(1H、t)、6.06(1H)、6.00(1H)、3.35-3.20(4H)、2.78-2.65(2H、t)、2.39-2.26(5H)
合成例F-1において中間体F-1aの合成において用いた6-クロロプリンを2-クロロピリジン、5-クロロ-2H-テトラゾール、または3-クロロ-1,2,4-トリアゾールに変えた以外は同様の方法にてF-6、F-7及びF-8を得た。
合成例F-1において用いた3,4-ジヒドロクマリンをδ-バレロラクトン(東京化成工業(株))、3-イソクロマノン(東京化成工業(株))、又は、フタリド(東京化成工業(株))にそれぞれ変えた以外はF-1の合成と同様の方法にてF-9、F-11、F-12を得た。
三口フラスコ内で3-(2-メトキシフェニル)プロピオン酸 6.34g(35.2mmol、東京化成工業(株))とF-1aを7.0g(39.3mmol)とメタノール 100mLを混合した。室温下で撹拌しながらフラスコ内へ4-(4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン-2-イル)-4-メチルモルホリニウムクロリド 10.9g(38.5mmol、東京化成工業(株)を添加した。室温下で6時間反応を続けた。反応終了後、塩酸水(1.0N)を100mLと酢酸エチル 100mLを加えて分液操作を行った。有機層を減圧濃縮した後、ジイソプロピルエーテル200mLを用いて洗浄をフラスコ中で撹拌洗浄を行った。淡黄色粉体F-10を5.3g(収率48.5%)得た。F-10の1H-NMRデータを以下に示す。1H-NMR:δ(ppm,DMSO-d6):12.7(1H、s)、8.19(1H、s)、8.10(1H、s)、7.99(1H、t)、7.70-7.43(1H)、7.10-6.90(2H)、6.81-6.71(1H、d)、6.70-6.59(1H、t)、3.90-3.72(3H、s)、3.35-3.20(4H)、2.78-2.65(2H、t)、2.39-2.26(2H、t)
合成例F-5において用いたメタクリル酸無水物をイソ酪酸無水物(東京化成工業(株))に変えた以外はF-5の合成と同様の方法にてF-13を得た。
合成例F-1において用いた3,4-ジヒドロクマリンを3-イソクロマノンに、エチレンジアミンを1,4-ジアミノブタンにそれぞれ変えた以外はF-1の合成と同様の方法にてF-14を得た。
合成例F-5において用いたF-1をF-11に、メタクリル酸無水物を無水酢酸(東京化成工業(株))に変えた以外はF-5の合成と同様の方法にてF-15を得た。
合成例F-1において中間体F-1aの合成に用いたエチレンジアミンを2,2’-オキシビス(エチルアミン)(東京化成工業(株))に変えた以外はF-1の合成と同様の方法にてF-16を得た。
合成例F-5においてF-1をF-4に、メタクリル酸無水物をイソ酪酸無水物にそれぞれ変えた以外はF-5の合成と同様の方法にてF-17を得た。
三口フラスコ内で、(2-ヒドロキシフェニル)メチル N-(2-クロロエチル)カルバメート 3.0g(13.1mmol)、アデニン 1.8g(13.1mmol)、ジメチルホルムアミド 35mL、水 15mLを混合した。80℃で12時間反応を続けた。反応終了後、室温まで冷却し、8質量%飽和炭酸水素ナトリウム水溶液 100mL中に滴下した。得られた白色粉体を濾過で回収し、ジイソプロピルエーテル 200mLを用いて撹拌洗浄を行った。白色粉体F-18を2.1g(収率48.8%)得た。F-18の1H-NMRデータを以下に示す。1H-NMR:δ(ppm,DMSO-d6):12.7(1H、s)、9.37(1H、s)、8.19(1H、s)、8.10(1H、s)、7.50-7.23(2H)、7.10-6.90(2H)、6.81-6.71(1H、d)、6.70-6.59(1H、t)、4.75-4.50(2H)、2.78-2.65(2H、t)、2.39-2.26(2H、t)
三口フラスコ内でF-1a 10.0g(56.1mmol)、ジクロロメタン 150mLを混合した。0-5℃以下で撹拌しながらクロロアセチルクロリド 12.7g(112.2mmol、東京化成工業(株))を1時間かけてフラスコ内に滴下した。滴下終了後、室温下で4時間反応を続けた。反応終了後、反応液を水200mL中に添加し、有機層を回収した。さらに水で分液操作を行った後、有機層をロータリーエバポレーターを用いて減圧濃縮した。減圧後、得られた白色粉体をジイソプロピルエーテル200mLを用いて撹拌洗浄を行った。白色粉体11.5g(収率80.4%)得た。
次いで三口フラスコ内に前記白色粉体5.0g(19.6mmol)、3、4-ジヒドロキシスチレン 7.86g(44.1mmol)、炭酸カリウム 2.98g(21.6mmol)、アセトン 150mLを混合した。40℃で6時間反応を続けた。反応終了後、塩酸水(1.0N) 200mLと酢酸エチル 200mLを加えて分液操作を行った。有機層をロータリーエバポレーターを用いて減圧濃縮した。減圧後、得られた白色粉体をジイソプロピルエーテル 200mLを用いて撹拌洗浄を行った。白色粉体5.3g(収率76.3%)得た。F-19の1H-NMRデータを以下に示す。1H-NMR:δ(ppm,DMSO-d6):12.7(1H、s)、9.57(1H、s)、8.19(1H、s)、8.10(1H、s)、7.99(1H、t)、7.25-6.95(3H)、6.60-6.41(2H)、5.90-5.75(1H)、5.35-5.15(1H)4.45-4.20(2H)、2.78-2.65(2H、t)、2.39-2.26(2H、t)
合成例F-1において用いた3,4-ジヒドロクマリンをクマリン(東京化成工業(株))に変えた以外はF-1の合成と同様の方法にてF-20を得た。
三口フラスコ内で3,4-ジヒドロクマリン 10.0g(67.5mmol)、エタノール250mLを混合した。室温下で撹拌しながらN-メチルエチレンジアミン15.0g(202.5mmol、東京化成工業(株))を1時間かけてフラスコ内に滴下した。室温下で6時間反応を続けた。反応終了後、塩酸水(1.0N)を100mLと酢酸エチル200mLを加えて分液操作を行った。有機層を減圧濃縮した後、ジイソプロピルエーテル200mLを用いて洗浄をフラスコ中で撹拌洗浄を行った。白色粉体10.4g(収率74.1%)得た。
次に、三口フラスコ内に得られた白色粉体 5.0g(24.0mmol)、6-クロロプリン 3.37g(21.8mmol)、1-ブタノール 150mL、水 25mLを混合した。80℃で12時間反応を続けた。反応終了後、析出した白色粉体を減圧濾過により回収した。回収した粉体を酢酸エチル200mLとヘキサン200mLの混合溶媒で懸濁洗浄、次いでジイソプロピルエーテル300mLでの懸濁洗浄によりF-21を5.5g(74.1%)得た。F-21の1H-NMRデータを以下に示す。1H-NMR:δ(ppm,DMSO-d6):12.7(1H、s)、9.37(1H、s)、8.19(1H、s)、8.10(1H、s)、7.99(1H、t)、7.10-6.90(2H)、6.81-6.71(1H、d)、6.70-6.59(1H、t)、3.35-3.20(7H)、2.78-2.65(2H、t)、2.39-2.26(2H、t)
合成例F-19において用いた3,4-ジヒドロキシスチレンを5,5’,6,6’-テトラヒドロキシ-3,3,3’,3’-テトラメチル-1,1’-スピロビスインダン(東京化成工業(株))に変えた以外はF-19の合成と同様の方法にてF-22を得た。
三口フラスコ内で2-カルボキシフェニル酢酸 10.0g(55.5mmol)、塩化チオニル 6.6g(55.5mmol)、F-1a 8.99g(50.5mmol)、トルエン250mLを混合した。室温下で撹拌しながらトリエチルアミン5.11g(55.5mmol)をフラスコ内に滴下した。90℃下で3時間反応を続けた。反応終了後、減圧濃縮によりトルエンを留去した。メタノール 200mLをフラスコ内に添加し、さらに1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩 10.6g(55.5mmol)を添加し、室温で7時間反応を続けた。反応終了後、塩酸水(1.0N)を100mLと酢酸エチル 200mLを加えて分液操作を行った。有機層を減圧濃縮した後、ジイソプロピルエーテル 200mLを用いて洗浄をフラスコ中で撹拌洗浄を行った。白色粉体9.2g(収率51.4%)得た。F-23の1H-NMRデータを以下に示す。1H-NMR:δ(ppm,DMSO-d6):12.7(1H、s)、8.19(1H、s)、8.10(1H、s)、7.99(1H、t)、7.70-7.43(1H)、7.10-6.90(2H)、6.81-6.71(1H、d)、6.70-6.59(1H、t)、4.10-3.75(5H)、2.78-2.65(2H、t)、2.39-2.26(2H、t)
合成例F-1において中間体F-1aの合成において用いたエチレンジアミンをp-キシリレンジアミン(東京化成工業(株))に変えた以外はF-1の合成と同様の方法にてF-24を得た。
・G-1~G-4:下記構造の化合物。以下の構造式中、Etはエチル基を表す。
・I-1:下記式(I-1)で表される化合物
・I-2:N-フェニルジエタノールアミン
・NMP:N-メチル-2-ピロリドン
・EL:乳酸エチル
・DMSO:ジメチルスルホキシド
・GBL:γ-ブチロラクトン
〔保存安定性の評価〕
各実施例又は比較例における樹脂組成物又は比較用組成物について、それぞれ、E型粘度計を用いて粘度(0日)を測定した。密閉容器中、25℃、遮光の条件下で14日間、樹脂組成物を静置した後、再度E型粘度計を用いて粘度(14日)を測定した。以下の式から、粘度変動率(%)を算出した。得られた粘度変動率から、下記評価基準に従って評価を行い、評価結果を表中の「保存安定性」の欄に記載した。粘度変動率が低ければ低い程、保存安定性が高いことを表す。
粘度変動率(%)=|100×{1-(粘度(14日)/粘度(0日))}|
粘度の測定は25℃で行うこととし、その他はJIS Z 8803:2011に準拠することとした。
-評価基準-
A:粘度変動率が10%以下であった。
B:粘度変動率が10%を超えて15%以下であった。
C:粘度変動率が15%を超えた。
各実施例及び比較例において、それぞれ、各樹脂組成物又は比較用組成物を、シリコンウェハ上にスピンコート法により層状に適用して、樹脂組成物層又は比較用組成物層を形成した。得られた樹脂組成物層又は比較用組成物層を適用したシリコンウェハをホットプレート上で、100℃で5分間乾燥し、シリコンウェハ上に20μmの厚さの均一な樹脂組成物層又は比較用組成物層とした。シリコンウェハ上の樹脂組成物層又は比較用組成物層を、ステッパー(Nikon NSR 2005 i9C)を用いて、500mJ/cm2の露光エネルギーで露光した。上記露光した樹脂組成物層又は比較用組成物層を、窒素雰囲気下で、10℃/分の昇温速度で昇温し、表の「キュア温度(℃)」の欄に記載の温度に達した後、この温度を表の「キュア時間(min)」に記載の時間において維持し、硬化後の樹脂層を得た。上記硬化後の樹脂層を4.9質量%フッ化水素酸溶液に浸漬し、シリコンウェハから樹脂層を剥離し、樹脂膜1を得た。
樹脂膜1の破断伸び率を引張り試験機(テンシロン)を用いてクロスヘッドスピード300mm/分、試料幅10mm、試料長50mmとしてフィルムの長手方向について、25℃、65%相対湿度(RH)の環境下にてJIS-K6251:2017に準拠して破断伸び率を測定した。破断伸び率は、Eb(%)=(Lb-L0)/L0×100(Eb:切断時伸び、L0:試験前の試験片の長さ、Lb:試験片が切断した時の試験片の長さ)で算出した。評価は長手方向の破断伸び率を10回測定し、計10個の破断伸び率(Eb)の算術平均値を指標値として行った。評価は下記評価基準に従い行った。上記Ebの数値が大きいほど、破断伸び率に優れるといえる。評価結果は表の「破断伸び」の欄に記載した。
-評価基準-
A:上記指標値が60%を超えた。
B:上記指標値が40%を超えて60%以下であった。
C:上記指標値が40%以下であった。
各実施例及び比較例において調製した樹脂組成物又は比較用組成物を、それぞれ、銅基板上にスピンコート法により層状に適用して、樹脂組成物層又は比較用組成物層を形成した。得られた樹脂組成物層又は比較用組成物層を形成した銅基板をホットプレート上で、100℃で5分間乾燥し、銅基板上に表の「膜厚(μm)」の欄に記載の厚さであり、かつ、厚さの均一な樹脂組成物層又は比較用組成物層とした。銅基板上の樹脂組成物層又は比較用組成物層を、ステッパー(Nikon NSR 2005 i9C)を用いて、500mJ/cm2の露光エネルギーで100μm四方の正方形状の非マスク部が形成されたフォトマスクを使用してi線により露光し、その後表の「現像液」の欄に記載の現像液で60秒間現像して、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)を用いてリンスすることにより、100μm四方の正方形状の樹脂層を得た。さらに、窒素雰囲気下で表の「キュア温度(℃)」の欄に記載の温度で、表の「キュア時間(min)」の欄に記載の時間において、加熱式オーブンを用いて加熱して樹脂層(パターン)を形成した。
銅基板上の100μm四方の正方形状の樹脂層に対して、25℃、65%相対湿度(RH)の環境下にて、ボンドテスター(XYZTEC社製、CondorSigma)を用いて、せん断力を測定した。せん断力が大きければ大きいほど硬化膜の金属密着性(銅密着性)に優れるといえる。いずれの実施例、比較例においても、せん断力は30gfを超えていた。
上記樹脂層及び銅基板を、表の「キュア温度(℃)」の欄に記載の温度で、表の「キュア時間(min)」の欄に記載の時間において加熱した後に、175℃の恒温槽内で1000時間経過させた以外は、上述の金属密着性の評価における評価方法と同様の評価方法に従って、せん断力を測定し、加熱後の金属密着性の評価を行った。測定されたせん断力から、下記評価基準に従って評価を行い、評価結果は表の「HTS後密着力」の欄に記載した。せん断力が大きければ大きいほど硬化膜の金属密着性(銅密着性)に優れるといえ、また、HTS後密着力の結果が優れていれば、長期間の経過後においても、硬化膜と金属との間で剥がれが生じにくいといえる。
-評価基準-
A:せん断力が30gfを超えた。
B:せん断力が25gfを超えて30gf以下であった。
C:せん断力が25gf以下であった。
また、1gfは0.00980665Nである。
上述の金属密着性の評価における評価方法と同様の方法により、銅基板上に100μm四方の正方形状の樹脂層を形成した。
上記樹脂層及び銅基板を、表の「キュア温度(℃)」の欄に記載の温度で、表の「キュア時間(min)」の欄に記載の時間において加熱した後に175℃の恒温槽内で1000時間経過させた後、断面SEM(走査型顕微鏡)測定を実施し、銅基板と樹脂層の間の空隙面積率を評価した。空隙面積率は、下記の式により算出した。
空隙面積率(%)=(SEM測定により観察された空隙部の面積)/(樹脂層の全面積)×100
得られた空隙面積率の値から、下記評価基準に従って評価を行った。評価結果は表の「HTS後ボイド量」の欄に記載した。空隙面積率が小さければ小さいほど硬化膜のHTS後の信頼性が優れているといえ、長期間の経過後であっても金属層と硬化物との間に空隙が生じにくいといえる。
-評価基準-
A:空隙面積率が0.5%以下であった。
B:空隙面積率が0.5%を超えて2%以下であった。
C:空隙面積率が2%を超えた。
キュアの手段として赤外線ランプ加熱装置(アドバンス理工社製、RTP-6)を用いた以外は実施例1と同様の条件で膜を作成した。
保存安定性、破断伸び、HTS後密着力、HTS後ボイド量のいずれにおいても実施例1と同様の結果が得られた。
実施例8において樹脂を下記式(PI-5)で表される繰返し単位からなる樹脂、熱塩基発生剤B-1を下記光塩基発生剤B-7にそれぞれ変更し、硬化性樹脂組成物を調製した。得られた硬化性樹脂組成物を用い、保存安定性の評価、HTS後密着力、及び、HTS後ボイド量の評価を行った。
保存安定性の評価は、実施例8と同様の方法により行った。
HTS後の密着、ボイド量評価は、フォトマスクを、100μm四方の正方形状のマスク部が形成されたフォトマスクに変更し、現像を2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いて30秒間で行い、純水でリンスしてパターンを形成した以外は、実施例8と同様の方法により行った。
実施例8と同様の評価を行ったところ、ポジ型においても保存安定性、HTS後の密着、ボイド量は同様の結果が得られた。
実施例1において、重合開始剤C-1、重合禁止剤E-2及びシランカップリング剤G-1を除き、樹脂PI-3の配合量を80質量部から86.7質量部に変更した以外は、実施例1と同様の方法により樹脂組成物を調製した。
上記樹脂組成物を用いて、実施例1と同様の方法により保存安定性の評価、HTS後密着力の評価、HTS後ボイド量の評価を行ったところ、いずれの評価項目においても実施例1と同様の結果が得られた。
比較例1における比較用組成物は、特定化合物を含まない。このような態様においては、得られる硬化物の信頼性に劣ることがわかる。
実施例1において使用した樹脂組成物を、表面に銅薄層が形成された樹脂基材の銅薄層の表面にスピンコート法により層状に適用して、100℃で5分間乾燥し、膜厚20μmの感光膜を形成した後、ステッパー((株)ニコン製、NSR1505 i6)を用いて露光した。露光はマスク(パターンが1:1ラインアンドスペースであり、線幅が10μmであるバイナリマスク)を介して、波長365nmで行った。上記露光後、シクロヘキサノンで2分間現像し、PGMEAで30秒間リンスし、層のパターンを得た。
次いで、窒素雰囲気下で、10℃/分の昇温速度で昇温し、230℃に達した後、230℃で180分間維持して、再配線層用層間絶縁膜を形成した。この再配線層用層間絶縁膜は、絶縁性に優れていた。
また、これらの再配線層用層間絶縁膜を使用して半導体デバイスを製造したところ、問題なく動作することを確認した。
Claims (14)
- 環化樹脂及びその前駆体よりなる群から選択される少なくとも1種の樹脂と、
下記式(1-1)で表される化合物とを含み、
前記環化樹脂は、ポリイミド、ポリイミド前駆体、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾオキサゾール前駆体、ポリアミドイミド、及び、ポリアミドイミド前駆体よりなる群から選ばれた少なくとも1種の樹脂であり、
樹脂組成物の全固形分に対する、下記式(1-1)で表される化合物の含有量は、0.05~10質量%である
樹脂組成物。
式(1-1)中、R1はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1~3のアルキル基を表し、R2はそれぞれ独立に、イミダゾール構造、トリアゾール構造、テトラゾール構造、プリン構造、又は、下記式(R2)で表される構造を表し、ただし、R2における前記イミダゾール構造、前記トリアゾール構造、前記テトラゾール構造、前記プリン構造、又は、式(R2)で表される構造は、他の環と縮合環構造を形成せず、R3はそれぞれ独立に、水素原子を表し、L1はそれぞれ独立に、下記式(L1-1)で表される構造であり、nは1であり、L2は下記式(L2-1)で表される基、又は、ヒドロキシ基を有する飽和脂肪族炭化水素基を表す。
式(L1-1)中、LL1 は炭素数2~4のアルキレン基、炭素数2~4のアルキレン基とフェニレン基との組み合わせにより表される基、又は、炭素数2~4のアルキレン基と-O-との組み合わせにより表される基を表し、#は式(1-1)中のR3が結合した窒素原子との結合部位を表し、*は式(1-1)中のR1が結合した窒素原子との結合部位を表す。
式(L2-1)中、Arは芳香族炭化水素基を表し、LL2は単結合、炭素数1~10のアルキレン基、又は、炭素数1~10のアルキレン基と、-O-との組み合わせにより表される基を表し、RL2は水素原子、ヒドロキシ基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシ基、カルボキシ基、又は、アルコキシカルボニル基を表し、*は式(1-1)中のカルボニル基との結合部位を表す。 - 式(1-1)中のR2が前記イミダゾール構造、前記トリアゾール構造、前記テトラゾール構造、又は、前記プリン構造を含む、請求項1に記載の樹脂組成物。
- 式(1-1)中のR2が前記プリン構造を含む、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
- 前記式(1-1)で表される化合物が、光又は熱の作用により塩基を発生する化合物である、請求項1~3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 前記樹脂が、ポリイミド及びポリイミド前駆体から選択される少なくとも1種の樹脂である、請求項1~4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 再配線層用層間絶縁膜の形成に用いられる、請求項1~5のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 請求項1~6のいずれか1項に記載の樹脂組成物を硬化してなる硬化物。
- 請求項7に記載の硬化物からなる層を2層以上含み、前記硬化物からなる層同士のいずれかの間に金属層を含む積層体。
- 請求項1~6のいずれか1項に記載の樹脂組成物を基材上に適用して膜を形成する膜形成工程を含む、硬化物の製造方法。
- 前記膜を選択的に露光する露光工程及び前記膜を現像液を用いて現像してパターンを形成する現像工程を含む、請求項9に記載の硬化物の製造方法。
- 前記現像により得られたパターンを150~450℃で加熱する加熱工程を含む、請求項10に記載の硬化物の製造方法。
- 請求項9~11のいずれか1項に記載の硬化物の製造方法を含む、積層体の製造方法。
- 請求項9~11のいずれか1項に記載の硬化物の製造方法、又は、請求項12に記載の積層体の製造方法を含む、半導体デバイスの製造方法。
- 請求項7に記載の硬化物又は請求項8に記載の積層体を含む、半導体デバイス。
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