JP7789486B2 - セルフシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ - Google Patents

セルフシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ

Info

Publication number
JP7789486B2
JP7789486B2 JP2021053249A JP2021053249A JP7789486B2 JP 7789486 B2 JP7789486 B2 JP 7789486B2 JP 2021053249 A JP2021053249 A JP 2021053249A JP 2021053249 A JP2021053249 A JP 2021053249A JP 7789486 B2 JP7789486 B2 JP 7789486B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
flux
total
metal
self
wire
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2021053249A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021167019A (ja
Inventor
聖人 笹木
竜太朗 千葉
舞 池田
幹人 宮田
Original Assignee
日鉄溶接工業株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 日鉄溶接工業株式会社 filed Critical 日鉄溶接工業株式会社
Publication of JP2021167019A publication Critical patent/JP2021167019A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7789486B2 publication Critical patent/JP7789486B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Nonmetallic Welding Materials (AREA)

Description

本発明は、590MPa級高張力鋼のセルフシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤに関し、高強度で靭性に優れた溶接金属が得られ、かつ、ピットやブローホールなどの溶接欠陥が発生せず、溶接作業性が良好なセルフシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤに関する。
セルフシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤは、溶接用ワイヤ中に金属弗化物や金属炭酸塩などのガス発生剤を添加することで、溶接時にこれら金属弗化物及び金属炭酸塩がアーク熱で分解されて発生するシールド性ガスで溶融プールを覆い、シールドガスを用いることなく、大気を遮断して溶接する溶接方法である。この溶接方法は、シールドガスを送り出すボンベや配管等の設備が必要ないので、溶接装置の構造がシンプルで持ち運びも容易であり、土木及び建築分野の現場で広く用いられている。例えば、特許文献1には、全姿勢溶接が可能なセルフシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤが開示されている。
しかし、セルフシールドアーク溶接は、一般のガスシールドアーク溶接に比べると、アークが不安定で溶接作業性が悪い、ピットやブローホールなどの気孔欠陥が発生しやすい、また、溶接金属の機械性能が低いなどという問題があった。
これを解決する手段として、特許文献2には、溶融金属中のNを固定し耐気孔性を向上する効果のあるAl、溶接部をシールドする効果のあるMg、金属弗化物及び金属炭酸塩を溶接ワイヤ中に適量添加することによって、耐シールド性を向上させてピットやブローホールなどの気孔欠陥を防止するとともに、アークの安定化など溶接作業性が良好なセルフシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤが開示されている。
また、特許文献3には、Alの添加によりピット及びブローホールなどの気孔欠陥の発生を防止しつつ、Al、Mg及びBaを同時添加することによって、アークを安定化しやすくするなど溶接作業性が良好であるとともに、Mn及びNiを適量添加することによって溶接金属の靭性を向上させることができるセルフシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤが開示されている。
特許文献2及び特許文献3に開示されたセルフシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤを用いれば、ピットやブローホールなどの気孔欠陥を抑制し、アークが安定化して良好な溶接作業性を得ることができるものの、Alが多く添加されているため、溶接金属のミクロ組織が粗大化しやすく、優れた機械性能を有する溶接金属が得られにくく、特に溶接金属の十分な靭性を得ることが難しいという問題があった。
また、近年では土木及び建築分野においても溶接構造物の高強度化が進み、590MPa級鋼などの高強度鋼が広く用いられている。これら高強度鋼の溶接施工を行う場合には、溶接金属も相当の強度が要求されるため、セルフシールドアーク溶接に用いる溶接ワイヤ中にも溶接金属の強度を向上させる元素、例えばMoなどが添加されることがあるが、Moなどが溶接金属に含まれると、溶接金属の靭性が更に得られ難くなる。
これらの問題を解決する手段として、特許文献4には、Al、BaF及びSr複合酸化物を適量添加させ、アークを安定化することによって、ピットやブローホールなどの気孔欠陥を抑制するなど溶接作業性を良好にするとともに、C、Mn、Ni及びMoを適量添加することにより、溶接金属の強度及び靭性を向上させることができるセルフシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤが開示されている。しかし、特許文献4に開示されたセルフシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤでは、アークを安定にし、また、ピット及びブローホールなどの気孔欠陥を抑制するなど良好な溶接作業性は得られるものの、C、Mn、Ni及びMoの添加量を増加させているため、溶接金属の強度が過剰に高くなるという問題があった。
特開昭62-238097号公報 特開平3-118993号公報 特開2000-301382号公報 特開2009-119497号公報
そこで本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、590MPa級高張力鋼のセルフシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤに関し、高強度で靭性に優れた溶接金属が得られ、かつ、ピットやブローホールなどの気孔欠陥を抑制でき、溶接作業性が良好なセルフシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤを提供することを目的とする。
本発明の要旨は、鋼製外皮にフラックスを充填してなるセルフシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤにおいて、ワイヤ全質量に対する質量%で、鋼製外皮とフラックスの合計で、C:0.05~0.25%、Mn:0.5~1.5%、Al:1.0~3.0%、Si:0.8%以下を含有し、さらに、ワイヤ全質量に対する質量%で、フラックス中に、Mg:1.0~3.0%、Si酸化物のSiO2換算値の合計:0.1~0.5%、金属弗化物のF換算値の合計:1.3(1.3を除く)~5%、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸リチウムの1種又は2種以上の金属炭酸塩の合計:0.5~1.5%、Na酸化物及びK酸化物のNa2O換算値及びK2O換算値の1種又は2種の合計:0.02~0.11%を含有し、残部が、鋼製外皮のFe分、鉄粉、鉄合金粉のFe分及び不純物からなることを特徴とする。
また、ワイヤ全質量に対する質量%で、鋼製外皮とフラックスの合計で、Mo:0.5%以下であることを特徴とする。
さらに、ワイヤ全質量に対する質量%で、鋼製外皮とフラックスの合計で、Ni:1.0%以下であることを特徴とするセルフシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤにある。
本発明を適用したセルフシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤによれば、590MPa以上の高強度で靭性に優れた溶接金属が得られ、かつ、ピットやブローホールなどの気孔欠陥が発生せず、溶接作業性が良好なセルフシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤを提供することができる。
本発明の実施例で試作したセルフシールドアーク溶接用フラックスワ入りイヤの断面図である。
本発明者らは、上述した課題を解決するために、セルフシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤにおいて、590MPa以上の高強度で靭性に優れた溶接金属が得られ、かつ、ピットやブローホールなどの気孔欠陥が発生せず、アークが安定し、溶接作業性に優れたセルフシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤの成分組成について詳細に検討した。
その結果、セルフシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ中にAlを適量添加することにより、溶融金属中のNをAlNとして固定してピット及びブローホールなどの気孔欠陥の発生を抑制できるものの、Alは溶接金属のミクロ組織を粗大化させて溶接金属の靭性を低下させることが判明した。そこで、ミクロ組織の粗大化を抑制しつつ、溶接金属の強度を向上させる方法を種々検討した結果、セルフシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ中にガスを発生させる金属弗化物、金属炭酸塩及びMgを多く添加させることにより、シールド性を高め、Alの添加量を少なくすることが可能となり、ミクロ組織の粗大化を抑制することができ、かつ、C及びMnを適量添加することで溶接金属の強度及び靭性を向上させることができることを見出した。また、溶接金属の必要な靭性を得るためにMnの添加量を増加させると、溶接金属の強度が高強度となりすぎることが判明した。
そこで、ピット及びブローホールなどの気孔欠陥の発生を抑制し、かつ、590MPa級の強度が得られ、靭性も良好な溶接金属を得るべく更に種々検討した結果、金属炭酸塩の添加量を少なくしてスラグ生成量を抑え、Alの添加量を最小量に留めつつ、Mg及び金属弗化物の添加量を増加させることで高いシールド性を確保してピット及びブローホールなどの気孔欠陥の発生を抑制し、Mnの添加量を少なく抑えつつ、Cの添加量を調整することで、590MPa級の溶接金属の強度が得られ、靭性も良好な溶接金属が得られることを突き止めた。さらに、Mo及びNiを適量添加することによって溶接金属の靭性を低下させることなく強度を向上することができることも判明した。
また、その他の溶接作業性に関して、アークを安定化するには、Na酸化物及びK酸化物を適量添加することが有効であることを突き止めた。
さらに、Si酸化物を適量添加することにより、溶融スラグの粘性を調整し、溶接ビードのスラグ被包性及びビード形状を改善できることを突き止めた。
本発明のセルフシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤは、各成分の単独及び共存による相乗効果によりなし得たものであるが、以下にそれぞれの各成分の添加理由及び限定理由を述べる。なお、以下において、セルフシールド溶接用フラックス入りワイヤの化学成分をワイヤの全質量に対する割合である質量%で表すものとし、その質量%に関する記載を単に%と記載して説明する。
[鋼製外皮とフラックスの合計でC:0.05~0.25%]
Cは、固溶強化により溶接金属の強度を向上する効果がある。また、溶接時に生成されるCO及びCOは溶融プールへの大気を遮断してシールド性を高め、ピットやブローホールなどの気孔欠陥の発生を抑制する効果がある。Cが0.05%未満であると、その効果が十分に得られず、溶接金属の強度が得られない。また、Cが0.05%未満であると、シールド性が十分に確保できず、ピットやブローホールなどの気孔欠陥が発生しやすくなる。一方、Cが0.25%を超えると、溶接金属の強度が過剰に高くなり、靭性が低下する。したがって、鋼製外皮とフラックスの合計でCは0.05~0.25%とする。なお、Cは、鋼製外皮に含まれる成分の他、金属粉及び合金粉などとしてフラックスから添加できる。
[鋼製外皮とフラックスの合計でMn:0.5~1.5%]
Mnは、溶接金属の脱酸剤として作用し、溶接金属の強度及び靭性を向上させる効果がある。Mnが0.5%未満であると、その効果が十分に得られず、溶接金属の強度及び靭性が低下する。一方、Mnが1.5%を超えると、溶接金属の強度が過剰に高くなり、靱性が低下する。したがって、鋼製外皮とフラックスの合計でMnは0.5~1.5%とする。なお、Mnは、鋼製外皮に含まれる成分の他、金属Mn、Fe-Mn、Fe-Si-Mnなどの合金粉としてフラックスから添加できる。
[鋼製外皮とフラックスの合計でAl:1.0~3.0%]
Alは、脱酸剤として作用して溶接金属の靱性を向上させるとともに、溶融金属中に侵入したNをAlNとして固定してピット及びブローホールなどの気孔欠陥の発生を抑制する効果がある。Alが1.0%未満であると、その効果が十分に得られず、ピット及びブローホールなどの気孔欠陥が発生しやすくなる。一方、Alが3.0%を超えると、溶接金属中のAlが過剰に歩留まってミクロ組織が粗大化し、溶接金属の靭性が低下する。したがって、鋼製外皮とフラックスの合計でAlは1.0~3.0%とする。なお、Alは、鋼製外皮に含まれる成分の他、金属Al、Fe-Al、Al-Mgなどの合金粉としてフラックスから添加できる。
[鋼製外皮とフラックスの合計でSi:0.8%以下]
Siは、溶接金属中に過剰に残留すると溶接金属の靱性低下の原因となるため、鋼製外皮とフラックスの合計で0.8%以下とする。なお、Siは、鋼製外皮に含まれる成分の他、金属Si、Fe-Si、Fe-Si-Mnなどの合金粉によりフラックスから添加できる。
[フラックス中のMg:1.0~3.0%]
Mgは、脱酸剤として作用し、溶接金属の脱酸を促進させてピット及びブローホールなどの気孔欠陥の発生を抑制するとともに、溶接金属の靱性を向上させる効果がある。Mgが1.0%未満では、その効果が十分に得られず、ピット及びブローホールなどの気孔欠陥が発生しやすくなるとともに、溶接金属の靱性が低下する。一方、Mgが3.0%を超えると、アークが過剰に強くなって不安定になる。したがって、鋼製外皮とフラックスの合計でMgは1.0~3.0%とする。なお、Mgは、金属Mg、Al-Mgなどの合金粉としてフラックスから添加できる。
[フラックス中のSi酸化物のSiO換算値の合計:0.1~0.5%]
Si酸化物は、溶融スラグの粘性及び融点を調整し、スラグ被包性を良好にする効果がある。Si酸化物のSiO換算値の合計が0.1%未満では、この効果が十分に得られず、スラグ被包性が悪くなる。一方、Si酸化物のSiO換算値の合計が0.5%を超えると、溶融スラグの塩基度が低下し、溶接金属の酸素量が増加して溶接金属の靭性が低下する。したがって、フラックス中のSi酸化物のSiO換算値の合計は0.1~0.5%とする。なお、Si酸化物は、珪砂、カリガラス、蛍石などとしてフラックスから添加できる。
[フラックス中に含有する金属弗化物:F換算値の合計で1~5%]
金属弗化物は、ガス発生剤として作用し、溶融プールの大気からのシールド性を高める効果がある。金属弗化物のF換算値の合計が1%未満では、その効果が十分に得られず、シールド効果が不十分となり、ピットやブローホールなどの気孔欠陥が発生しやすくなるとともに、アークが不安定になる。一方、金属弗化物のF換算値の合計が5%を超えると、アークが過剰に強くなって不安定になる。したがって、フラックス中に含有する金属弗化物のF換算値の合計は1~5%とする。なお、金属弗化物は、蛍石、弗化ナトリウム、弗化リチウム、弗化マグネシウム、珪弗化カリウム、氷晶石、弗化アルミニウムなどとしてフラックスから添加でき、F換算値はそれらに含有されるF量の合計である。
[フラックス中に含有する金属炭酸塩の1種又は2種以上の合計:0.5~1.5%]
金属炭酸塩は、ガス発生剤として作用し、溶接時にアーク熱で分解されてCO及びCO2ガスを発生し、溶融プールを大気から遮断してシールド性を高め、ピット及びブローホールなどの気孔欠陥の発生を抑制する効果がある。金属炭酸塩の1種又は2種以上の合計が0.5%未満では、その効果が十分に得られず、ピット及びブローホールなどの気孔欠陥が発生しやすくなる。また、金属炭酸塩の1種又は2種以上の合計が0.5%未満では、溶接金属の靱性が低下する。一方、金属炭酸塩の1種又は2種以上の合計が1.5%を超えると、アークが過剰に強くなって不安定になり、溶接部にスラグ巻込みが発生してしまう。したがって、フラックス中に含有する金属炭酸塩の1種又は2種以上の合計は0.5~1.5%とする。なお、金属炭酸塩は、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸リチウムなどとしてフラックスから添加できる。
[フラックス中に含有するNa酸化物及びK酸化物のNa2O換算値及びK2O換算値の1種又は2種の合計:0.02~0.11%
Na酸化物及びK酸化物は、アーク状態を安定化する効果がある。Na酸化物及びK酸化物のNa2O換算値及びK2O換算値の1種又は2種の合計が0.02%未満であると、アークが不安定になる。一方、Na酸化物及びK酸化物のNa2O換算値及びK2O換算値の1種又は2種の合計が0.11%を超えると、ビード止端部のなじみが悪くなってビード形状が不良となる。したがって、フラックス中に含有するNa酸化物及びK酸化物のNa2O換算値及びK2O換算値の1種又は2種の合計は0.02~0.11%とする。なお、Na酸化物及びK酸化物は、カリガラス、ソーダガラスなどの粉末としてフラックスから添加できる。
[鋼製外皮とフラックスの合計でMo:0.5%以下]
Moは、溶接金属の強度を高める効果がある。しかし、Moが0.5%を超えると、溶接金属の強度が過剰に高くなり、靭性が低下する。したがって、鋼製外皮とフラックスの合計でMoは0.5%以下とする。なお、溶接金属の強度を高める効果を得るためには、Moは0.1%以上であることが好ましい。Moは、鋼製外皮に含まれる成分の他、金属Mo粉、Fe-Mo等の合金粉としてフラックスから添加できる。
[鋼製外皮とフラックスの合計でNi:1.0%以下]
Niは、溶接金属の強度及び靭性を向上させる効果がある。しかし、Niが1.0%を超えると、溶接金属の強度が過度に高くなり、靭性が低下する。したがって、Niは1.0%以下とする。なお、溶接金属の強度及び靭性を向上する効果を得るためには、Niは0.1%以上であることが好ましい。Niは、鋼製外皮に含まれる成分の他、金属Ni、Fe-Niなどの合金粉末としてフラックスから添加できる。
本発明のセルフシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤの残部は、鋼製外皮のFe分、鉄粉、Fe-Si、Fe-Mn、Fe-Si-Mn、Fe-Al合金等の鉄合金粉のFe分及び不純物である。鉄粉はフラックス充填率の調整用としてフラックス中に含有する。また、不純物については特に限定しないが、高温割れの防止の観点からPは0.010%以下が好ましい。
なお、本発明のセルフシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤは、鋼製外皮をU字に成形し内部にフラックスを充填した後、同外皮を内側に織り込みながら成形してワイヤにする、いわゆるE断面のワイヤである。
フラックス充填率は特に限定しないが、生産性の観点からワイヤ全質量に対して10~30%とするのが好ましい。
以下、本発明の効果を実施例により具体的に説明する。
鋼製外皮(C:0.001~0.10%、Si:0.05%以下、Mn:0.1~0.6%、P:0.05%以下、S:0.05%以下)を用い、鋼製外皮をU字型に成形し、表1に示す各種フラックスを充填率15~25%で充填した後、同外皮を内側に織り込みながら成形して図1に示すようなワイヤ断面のフラックス入りワイヤを試作した。ワイヤ径は3.2mmとした。なお、充填するフラックスは充填前に乾燥したものを用いた。
試作したセルフシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤを用いて、セルフシールドアーク溶接を実施し、溶着金属試験及び溶接作業性評価を行った。
溶着金属試験は、JIS Z 3111及びJIS Z 3313に準じ、表2に示す溶接条件で実施した。使用した鋼板はJIS G 3106 SM570(板厚20mm)である。得られた試験体の溶着金属の板厚中心からA0号引張試験片及びVノッチ衝撃試験片を採取してそれぞれ引張試験および衝撃試験に供した。
溶着金属の引張特性の評価における良否判定基準は、引張強さが590~770MPaの範囲に入るものを良好とした。また、溶着金属の衝撃特性の評価における判定基準は、20℃における吸収エネルギー値3個の平均値が27J以上であるものを良好とした。
また、溶着金属試験の試験体を作製後、鋼板表面まで余盛および裏当金を研削して平滑にした後、JIS Z 3104に準じたX線透過試験を実施し溶接欠陥の有無を調査した。これらの結果を表3にまとめて示す。
溶接作業性は、溶着金属試験の溶接時のアーク安定性、スラグ被包性及びビード形状の良否について評価した。
アークの安定性は、溶接時の10秒間電圧変動を測定し、その電圧の大きさを介して評価した。平均電圧に対して±4Vを閾値としたとき、電圧変動が閾値を超える時間が10秒間で80%以下の場合をアーク安定とし、電圧変動が閾値を超える時間が10秒間で20%を超える場合はアーク不安定とした。スラグ被包性は、目視で確認できるビード上のスラグが無い面積を推定し、ビード上にスラグが無い面積が10%以下を良好とした。ビード形状は、溶接ビード健全部で手直しが必要なアンダーカットやオーバーラップがないものを良好とした。
表1及び表3中のワイヤ記号1、4、7、11、12が本発明例、ワイヤ記号13~24は比較例である。本発明例であるワイヤ記号1、4、7、11、12は、セルフシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ中のC、Mn、Al及びSiが適正で、フラックス中のMg、Si酸化物のSiO2換算値の合計、金属弗化物のF換算値の合計、金属炭酸塩の合計、Na酸化物及びK酸化物のNa2O換算値及びK2O換算値の合計が適正なので、アークが安定し、スラグ被包性及びビード形状が良好で、ピットやブローホール及びスラグ巻込みなどの溶接欠陥が発生せず、溶着金属の引張強さ及び吸収エネルギーともに良好であった。
なお、ワイヤ記号1及び12は、Niの添加量が適正なので、700MPa以上と高強度な溶着金属が得られ、吸収エネルギーは50J以上得られた。さらに、ワイヤ記号11は、MoとNiの添加量が適正であるので、750MPa以上と高強度な溶着金属が得られ、吸収エネルギーは50J以上得られた。
比較例中ワイヤ記号13は、Cが少ないので、溶接部にブローホールが発生した。また、Cが少ないので、溶着金属の引張強さが低かった。さらに、Mgが多いため、アークが過剰に強くなって不安定となった。なお、Niが少ないため、溶着金属の引張強さ及び吸収エネルギーを向上させる効果は得られなかった。
ワイヤ記号14は、Cが多いので、溶着金属の引張強さが高く、吸収エネルギーが低かった。また、Si酸化物のSiO換算値の合計が少ないので、スラグ被包性が不良であった。
ワイヤ記号15は、Mnが少ないので、溶着金属の引張強さ及び吸収エネルギーが低かった。また、金属弗化物のF換算値の合計が少ないので、アークが不安定となった。また、金属弗化物のF換算値の合計が少ないので、溶接部にブローホールが発生した。なお、Moが少ないので、溶着金属の引張強さを向上させる効果は得られなかった。
ワイヤ記号16は、Mnが多いので、溶着金属の引張強さが高く、吸収エネルギーが低かった。また、金属弗化物のF換算値の合計が多いので、アークが過剰に強くて不安定となった。
ワイヤ記号17は、Alが少ないので、溶接部にブローホールが発生した。
ワイヤ記号18は、Alが多いので、溶着金属の吸収エネルギーが低かった。また、Na酸化物及びK酸化物のNaO換算値及びKO換算値の合計が少ないので、アークが不安定となった。
ワイヤ記号19は、Mgが少ないので、溶接部にブローホールが発生した。また、Mgが少ないので、溶着金属の吸収エネルギーが低かった。
ワイヤ記号20は、Siが多いので、溶着金属の吸収エネルギーが低かった。また、Na酸化物及びK酸化物のNaO換算値及びKO換算値の合計が多いので、ビード止端部のなじみが悪くなってビード形状が不良であった。
ワイヤ記号21は、Si酸化物のSiO換算値の合計が多いので、溶着金属の吸収エネルギーが低かった。また、金属炭酸塩の合計が多いので、アークが過剰に強くて不安定となり、溶接部にスラグ巻込みが発生した。
ワイヤ記号22は、金属炭酸塩の合計が少ないので、溶着金属の吸収エネルギーが低かった。また、金属炭酸塩の合計が少ないので、溶接部にブローホールが発生した。
ワイヤ記号23は、金属弗化物のF換算値の合計が多いので、アークが過剰に強くて不安定となった。また、Moが多いので、溶着金属の引張強さが高く、吸収エネルギーが低かった。
ワイヤ記号24は、Na酸化物及びK酸化物のNaO換算値及びKO換算値の合計が少ないので、アークが不安定となった。また、Niが多いので、溶着金属の引張強さが高く、吸収エネルギーが低かった。

Claims (3)

  1. 鋼製外皮にフラックスを充填してなるセルフシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤにおいて、ワイヤ全質量に対する質量%で、鋼製外皮とフラックスの合計で、
    C:0.05~0.25%、
    Mn:0.5~1.5%、
    Al:1.0~3.0%、
    Si:0.8%以下を含有し、
    さらに、ワイヤ全質量に対する質量%で、フラックス中に、
    Mg:1.0~3.0%、
    Si酸化物のSiO2換算値の合計:0.1~0.5%、
    金属弗化物のF換算値の合計:1.3(1.3を除く)~5%、
    炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸リチウムの1種又は2種以上の金属炭酸塩の合計:0.5~1.5%、
    Na酸化物及びK酸化物のNa2O換算値及びK2O換算値の1種又は2種の合計:0.02~0.11%を含有し、
    残部が、鋼製外皮のFe分、鉄粉、鉄合金粉のFe分及び不純物からなることを特徴とするセルフシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ。
  2. ワイヤ全質量に対する質量%で、鋼製外皮とフラックスの合計で、Mo:0.5%以下であることを特徴とする請求項1に記載のセルフシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ。
  3. ワイヤ全質量に対する質量%で、鋼製外皮とフラックスの合計で、Ni:1.0%以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のセルフシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ。
JP2021053249A 2020-04-09 2021-03-26 セルフシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ Active JP7789486B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020070275 2020-04-09
JP2020070275 2020-04-09

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021167019A JP2021167019A (ja) 2021-10-21
JP7789486B2 true JP7789486B2 (ja) 2025-12-22

Family

ID=78080008

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021053249A Active JP7789486B2 (ja) 2020-04-09 2021-03-26 セルフシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7789486B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102833480B1 (ko) * 2022-12-28 2025-07-11 현대종합금속 주식회사 아연도금강판 용접용 플럭스 코어드 와이어

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61286090A (ja) * 1985-06-12 1986-12-16 Daido Steel Co Ltd ア−ク溶接用フラツクス入りワイヤ
JP2592951B2 (ja) * 1989-02-13 1997-03-19 新日本製鐵株式会社 極細径のセルフシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ
JPH04319094A (ja) * 1991-04-16 1992-11-10 Nippon Steel Corp セルフシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ
JPH06269991A (ja) * 1993-03-22 1994-09-27 Nippon Steel Weld Prod & Eng Co Ltd セルフシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2021167019A (ja) 2021-10-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5179073B2 (ja) ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ
EP2374571B1 (en) Flux-cored wire for gas-shielding arc welding
JP4646764B2 (ja) ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ
NO20161607A1 (en) Metallic flux-cored wire for Ar-CO2 mixed gas shielded ARC welding
JP3815984B2 (ja) 低合金耐熱鋼用ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ
JP2016124023A (ja) 高張力鋼のAr−CO2混合ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ
US12296411B2 (en) Flux-cored wire and welding method
JP7221812B2 (ja) 高張力鋼のAr-CO2混合ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ
JP7789486B2 (ja) セルフシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ
JP2015112625A (ja) セルフシールドアーク溶接用ステンレス鋼フラックス入りワイヤ
JPH0813432B2 (ja) Cr−Mo鋼用炭酸ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ
JPH0577086A (ja) 0.5Mo鋼用、Mn−Mo鋼用及びMn−Mo−Ni鋼用ガスシールドアーク溶接用フラツクス入りワイヤ
JP2009034724A (ja) 高強度鋼用のサブマージアーク溶接用フラックス入りワイヤ。
JPH08257791A (ja) 低水素系被覆アーク溶接棒
JP7651313B2 (ja) ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ
JP4838100B2 (ja) 耐候性鋼用水平すみガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ
JPH09253886A (ja) 690MPa級高張力鋼用ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ
JP3718323B2 (ja) 極厚鋼用多電極立向エレクトロガスアーク溶接用フラックス入りワイヤ
JP7721290B2 (ja) ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ
JP2024144036A (ja) セルフシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ
JP7247081B2 (ja) ガスシールドアーク溶接用メタル系フラックス入りワイヤ
JP6786431B2 (ja) 炭酸ガスシールドアーク溶接用メタル系フラックス入りワイヤ
JP3345295B2 (ja) エレクトロガスアーク溶接用フラックス入りワイヤ
JP7638593B2 (ja) ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ
JP7585082B2 (ja) Ar-CO2混合ガスシールドアーク溶接用メタル系フラックス入りワイヤ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20231005

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20240925

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20241008

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20241115

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20250212

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20250411

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20250715

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20250902

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20251209

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20251210

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7789486

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150